説明

内面検査装置及び缶内面検査装置

【課題】口部寸法が比較的小さい缶でも、内面を非接触で高速に撮像して検査できる。
【解決手段】缶1を自転させる自転回転部13を、回転搬送部12で間欠搬送して第一、第二、第三撮像部2,3,4に停止し、ボトル缶1の内部を撮像する。第一撮像部2では、自転回転部13を自転させながら口部の外側から口部とネジ表面を含めた首部表面をアオリを利かせたラインセンサカメラ22で撮像する。第二撮像部3でも、自転回転部13を自転させながら缶内に挿入した蒲鉾型反射鏡で缶内部から見えるネジ裏面を含めた首部裏面及び肩部の像をラインセンサカメラ32で撮像する。第三撮像部4では、口部の外側から斜角多光源斜角照明下で缶胴及び底部をワンショットカメラ42で撮像する。第一乃至第三撮像部による各画像から画像解析部5で缶内面の異常部を検出し、検査統括部6で検査判定し選別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば缶胴と缶胴よりも小径の口部を有する金属製ボトル缶(以下、ボトル缶という)などの缶の内面を非接触で自動検査する内面検査装置に関し、特に、口部が缶胴に対して小さく、口の狭い筒状のネジや膨出部等の加工面のある首部を有するボトル缶の内面を、高速に非接触で自動検査することができる内面検査装置及び缶内面検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、製造量が増加しているボトル缶は、口部が狭くて首部が長いため、従来のような缶内面検査方法では缶内面を高速に撮像することが困難であり、画像による自動判定を行えるようなS/N比の高い画像を得ることは困難であった。特に内面にネジや膨出部等の加工面を有する小径首部、底を向いた肩部、正反射しやすい缶底及び缶胴内面の撮像が難しかった。また、これらのボトム缶の内面は光を正反射しやすい表面になっていることが多くハレーションが生じやすく、照明が難しくS/N比の良好な画像を得ることが難しかった。そのため、大量生産されるボトル缶の内面について全数検査することは困難であった。
従来、ボトル缶の内面検査は、破壊検査やボアスコープによる抜き取り目視検査が行われていたが、1個の缶の検査に時間がかかるため大量生産品を全数検査するのは困難であるだけでなく、目視検査では個人差が大きく、疲労が激しいという問題も生じていた。
広口缶の内面検査装置については幾つかの発明が提案されているが、従来の内面検査装置は、ビール缶などのストレート缶や缶胴外径に対する口部内径が比較的大きい(例えば50ミリ以上)首のほとんど無い缶の検査装置であった。
【0003】
例えば、下記特許文献1では、缶を回転させながら一次元センサにて缶の口から底までを撮像して、その撮像した画像信号を画像処理比較手段により処理する検査装置が開示されている。その処理は1ラインごとに前ラインとのデータを比較し、変化があれば不良品として判断していた。
また、特許文献2では、円筒容器内を照明しながらTVカメラを介して口方向から円筒容器の内面を撮像し、撮像された画像を解析して、円筒容器の内面の黒汚れや白汚れ、円形度を検査する装置が開示されている。この装置は、画像処理の高速化と検査精度の向上を目的としていた。
また、特許文献3では、アルミ缶の縮径されたフランジ部内面の口部に対向して撮像カメラを配置し、フランジ部と撮像カメラの間にテーパ型反射鏡を配設し、フランジ部内面の像を反射鏡の反射面で反射させて撮像する方法が開示されている。
なお、特許文献4では、ボトル缶等の缶胴の内径に対する口部の内径の比が(0.4〜0.5)、カール部加工された口部から内部にほぼ一定厚さのネジ部及び膨出部の加工がなされた首部長さが口部内径の8割位の金属製ボトル缶の製造技術が開示されている。
【特許文献1】特開平6−174649号公報
【特許文献2】特開平5−18909号公報
【特許文献3】特開平10−186462号公報
【特許文献4】特開2003−205927号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1乃至3に記載された検査装置は缶胴と口部との比が(0.7〜1.0)という比較的大径の口部を有し、首部高さがほとんど無い缶の内面検査装置に関するものであった。そのため、特許文献4に記載されたような缶胴と口部との比が(0.4〜0.5)という比較的小径の口部を有し、首部長さが大きいボトル缶の内面検査装置には採用できず、このようなボトル缶を大量に非接触で高速で検査することはできなかった。特に、口部の外側から缶内面を撮像する場合、口部からネジ部の傾斜部内面やネジ部内面の下向き斜面や膨出部内面の下向き斜面および缶胴内面に至る肩部内面については外部から覗いた撮像では撮像角が小さくなったり裏になったりで明瞭が撮像ができないために、ほとんど検査できなかった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、缶胴内径に対する口部内径の寸法が比較的小さく首の長いボトル缶であっても、缶内面を非接触で高速に撮像して検査できるようにした内面検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による内面検査装置は、缶胴の先端側に肩部を介して缶胴より小径で先端に口部を有する首部を形成した缶内面を検査する内面検査装置であって、缶を自転させる自転回転手段と、口部の外側から口部を通して缶内面の首部を撮像する第一撮像手段と、口部の外側から第一撮像手段による撮像領域とは異なる領域の首部内を照射する第一照明手段と、第一撮像手段で得た展開画像を解析して異常部を検出する画像解析手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、缶の内面を第一照明手段で照射しながら、第一撮像手段によって自転回転手段で回転する缶内面の首部を口部を通して撮像することで、首部全周を撮像できて展開画像を得ることができ、特に缶の首部について撮像領域と異なる領域に照明光を斜めに照射することでハレーションを防いで首部全周についてS/N比の良い撮像を行える。そして得られた展開画像について画像解析手段で異常部の有無を高速で自動検査できる。特に本発明は、口部の外側から第一照明手段で缶の自転中心をなす中心軸線に対して斜め方向に射光し、第一撮像手段も口部の外側から斜め方向に缶内面を撮像することで、ネジや膨出加工表面を含む首部を高いS/N比で非接触、高速に撮像でき、この展開画像から異常部を抽出して高速で自動検査する。
なお、第一撮像手段はアオリ光学系を作り、ネジや膨出加工の複雑形状の首部にピントが合うようにし、撮像角を大きくとることにより、より鮮明な撮像画像を得る様にできる。これによって内面が複雑でも首部をアオリを利かせたラインセンサカメラでS/N比の良い撮像を行える。
【0006】
また、本発明による内面検査装置は、缶胴の先端側に肩部を介して缶胴より小径で先端に口部を有する首部を形成した缶内面を検査する内面検査装置であって、缶を自転させる自転回転手段と、缶内に挿入して缶内面の首部及び肩部に対向する位置に撮像用反射鏡を位置させる反射鏡挿入手段と、口部の外側から撮像用反射鏡を介して缶内面の首部と肩部を撮像する第二撮像手段と、口部の外側から第二撮像手段による撮像領域とは異なる領域の缶内面を照射する第二照明手段と、第二撮像手段で得た展開画像を解析して異常部を検出する画像解析手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、口部の外側からは撮像しにくい、或いは撮像できない缶内面の底部を向いた首部裏面や肩部に対し、非接触に挿入した反射鏡挿入手段の撮像用反射鏡を対向する位置に配設させ、撮像用反射鏡を介して外部の第二撮像手段で、ハレーションを防止しながら高速且つ高いS/N比で撮像できる。しかも、撮像用反射鏡による缶内面の撮像領域に対して缶を自転させることで全周に亘って、首部裏面と肩部を撮像できて展開画像を得られる。この展開画像から異常部を抽出して検査することにより確実に高速で自動検査することができる。
また、撮像用反射鏡は断面視凸曲面をなす反射面を有していてもよく、第二撮像手段の撮像子とレンズと撮像用反射鏡と撮像面を考慮して曲率設計をすることで撮像視野と画角を変えることができる。
【0007】
なお、第一及び第二撮像手段はラインセンサカメラであることが好ましく、缶内面を回転軸ライン方向で撮像しながら自転回転手段で缶を1周以上自転させることで内面全周に亘って撮像できる。
また、第一及び第二照明手段は口部の外側に離間して配設された略円筒状の照明ブロックと、該照明ブロックに形成されラインセンサカメラの撮影光を通過させる間隙と、該照明ブロック内に導入される照明光ガイドのチューブとを備えていてもよく、撮像は照明ブロックの間隙を通して行われる。
また、第二撮像手段に関連して、撮像用反射鏡は断面視凸曲面をなす反射面を有していてもよく、これによって缶内面の主部裏面や肩部を広角で同時に撮像できる。
また、第二撮像手段に関連して、第二照明手段は導光型の反射鏡挿入手段に照明用反射鏡を設け、該照明用反射鏡を介して外部の照明光を導光型の反射鏡挿入手段で口部内に入光させて、首部裏面や肩部に斜角で照射するようにしてもよい。
これにより、第二照明手段に照明ブロックが不要となり、反射鏡挿入手段を短く構成できるため、挿入時の振動を緩和して撮像用反射鏡の振動時間を短くできて、挿入後に静止して撮像可能になるまでの時間を短くでき、撮像の高速化を促進できる。また、反射鏡挿入手段の裏から照明手段を挿入する空間を確保する必要がないため反射鏡挿入手段を缶の口部の径方向の任意の位置に設定することができ、より口部が小径の缶の撮像に対応できる。
また、反射鏡挿入手段に設けた照明用反射鏡を用いて口部内に導く首部裏面及び肩部内面への照明方法は、外部からの照明に比較して、内面からの乱反射光による直接斜角照明が主照明となるため、ネジ内面部の凸凹表面による軸方向の画像明るさに偏りが生じにくく、また、缶のへこみ等の変形異常を捕捉しやすい照明光が得られ、ネジ裏面等を含む首部内面及び肩部内面を高いS/N比で撮像できる。
【0008】
本発明による内面検査装置は、缶胴の先端側に肩部を介して缶胴より小径で先端に口部を有する首部を形成した缶内面を検査する内面検査装置であって、口部の外側から缶内面の缶胴及び底部を撮像する第三撮像手段と、口部の外側から缶内面を略渦巻き状に照射する第三照明手段と、第三撮像手段から得られた画像を解析して缶内面の缶胴及び底部の異常部を検出する画像解析手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、第三照明手段によって缶内面を対角略渦巻き状に照射することでハレーションを生じさせず均等に照明することができ、第三撮像手段で口部外側からワンショットで缶胴と底部の撮像を行える。しかも、非接触、高速で、高いS/N比で撮像でき、この画像から異常部を検出することにより高速で自動検査できる。
【0009】
前記第三照明手段は、缶の口部の外側に配設されていて複数の照明具を略円筒状に配列してなり、照明具から照射される照明光は缶の中心軸線を外して口部内に斜めに照射されて略渦巻き状をなして内面を均等に照射するようにして正反射光が第三撮像手段に入らないようにしてもよい。これによって缶内面を均等に照明できる。照明具は中心軸線に対して斜めに形成されたガイド穴を通して照射することで照射光の拡散を限定されて指向性の高い光束として缶内面を均等に照明できる。
【0010】
本発明による内面検査装置は、缶胴の先端側に肩部を介して缶胴より小径で先端に口部を有する首部を形成した缶内面を検査する内面検査装置であって、缶を自転させる自転回転手段と、口部から缶内部に挿入するボアスコープと、該ボアスコープの接眼部に設けた撮像用反射鏡を介して非接触で缶内面の首部及び肩部を撮像する第二撮像手段と、ボアスコープによる撮像時に照明光を非接触でボアスコープ内に送り込む照明送り込み部材と、第二撮像手段で得た展開画像から異常部を検出する画像解析手段とを備えることを特徴とする。
これにより、ボアスコープを用いて、撮像手段や光源ガイド等の照明手段に負荷をかけずに缶内面を撮像できる。
【0011】
本発明による缶内面検査装置は、缶胴の先端側に肩部を介して缶胴より小径で先端に口部を有する首部を形成した缶内面を検査する缶内面検査装置であって、請求項1に記載の内面検査装置と、請求項2乃至4、7のいずれかに記載の内面検査装置と、請求項5または6に記載の内面検査装置と、自転回転手段を第一撮像手段、第二撮像手段、第三撮像手段の位置に順次停止させつつ相対的に間欠搬送する回転手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、第一撮像手段で缶の首部を口部の外側から撮像しながら、自転回転部で缶を自転させることで首部表面の展開画像を得られ、第二撮像手段では反射鏡挿入手段を缶内面に進入させて撮像用反射鏡を首部と肩部に対向させた状態で撮像用反射鏡を介して口部の外側から首部裏面と肩部を撮像しながら、自転回転部で缶を自転させることで首部裏面と肩部の展開画像を得られ、第三撮像手段で口部を通して缶内面の缶胴全周と底部をワンショットで撮像できる。これによって缶内面の全体を撮像して画像解析手段によって缶内面の異常部の有無を検査できる。しかも、回転手段によって缶を保持する自転回転手段を任意の順番で第一撮像手段、第二撮像手段、第三撮像手段の位置に間欠搬送することで高速に自動検査できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明による内面検査装置によれば、首部内の撮像領域と異なる領域に斜角で照明し、第一撮像手段によって首部表面をハレーションを生じることなく高いS/N比で、非接触、高速で撮像でき、得られた展開画像から異常部を検出することにより、缶の口部と首部表面を高速で自動検査することができる。
【0013】
また、本発明による内面検査装置によれば、同様に首部及び肩部の撮像領域と異なる領域に投光した照明で、缶内部に挿入した撮像用反射鏡を介して第二撮像手段で缶の外部からはよく見えない首部裏面及び肩部をハレーションを生じることなく高いS/N比で撮像でき、得られた展開画像から異常部を検出することで、外から見えにくい首部裏面及び肩部を高速で自動検査できる。
また、ボアスコープによっても同様に高速で自動検査できる。
【0014】
また、本発明による内面検査装置においては、第三撮像手段によって口部を通して缶内面の缶胴と底部を略渦巻き状に照明した状態でワンショットで撮像でき、しかも高いS/N比、非接触、高速で撮像できて、異常部の有無を高速で自動検査することができる。
【0015】
また、本発明による缶内面検査装置においては、第一、第二、第三撮像手段によって順次撮像して缶内面全体を高速で自動検査できる。特に、缶の山部及び谷部からなるネジ部及び膨出部を含む首部と肩部について、第一撮像部では口部の外側から見える首部表面の領域を撮像して検査し、第二撮像部では缶外部からはよく見えない首部裏面や肩部の領域を撮像して検査できる。更に、第三撮像部では缶内面の缶胴と底部を1回で撮像できて検査できる。そして、それぞれの撮像領域がダブる所についてはそれぞれの検査を補完して、缶内面全体について異常部を総合的に判断してS/N比の高い自動検査ができる。
本発明の内面検査装置によれば、展開画像から首部の口部、首部表面、首部裏面及び肩部の展開画像データから、撮像時の缶の中心ズレ等に起因する画像歪みを補正再構成して、非接触、高速で、首部に設けられたネジ加工面からネジの特性(角度、間隔、長さ、歪み等)の異常および外観欠陥検知を高速で行い自動検査することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1乃至図6は実施の形態による缶内面検査装置を示すもので、図1は缶内面検査装置の全体構成図、図2は第一撮像部によるボトル缶の撮影状態を示す構成図、図3は第二撮像部による撮影状態を示す構成図、図4は第二撮像部3の構成を示す図、図5は第三撮像部による撮影状態を示す構成図、図6は缶内面検査装置による撮影と異常部検査工程を示す処理フロー図である。
本発明の実施の形態による缶内面検査装置10は、例えばアルミニウム合金で一体成形した金属製ボトル缶(単に「ボトル缶」ともいう)1の口部から内面全体の検査を行うものである。特に、首部、肩部、缶胴、底面にわたって、内面全面を高速で自動検査するものである。図9(a)に示すボトル缶1は略円筒状の缶胴aと底部bと肩部eと首部dを有していて、首部dは缶胴aの外径Dに対して(0.4D〜0.5D)程度の小径の略筒状に形成され、首部dと缶胴aとの間はテーパ状または曲面状の肩部eを構成し、首部dの先端開口は口部cを構成し、その下にネジ部nと膨出部mが作られている。
図9(b)において、ボトル缶1の首部dは1枚の板から缶胴aと底部bと肩部eと共に作られ、首部dには口部c、ネジ部n、膨出部mが絞り出し加工で作られる。特にネジ部nは図示しないキャップと螺合し、膨出部mで引き締めて口部cを封止するもので、内側に突出する山部n1と外側に突出する谷部n2が交互に形成されている。しかも、ネジ部nや膨出部mを含む首部dを撮影する際に、口部cの外側に缶1の自転中心をなす中心軸線Oに対して傾斜する撮像光軸を有するように撮像手段を配設した場合には、山部n1から口部c側の谷部n2方向に向けた傾斜面(以下、ネジ表面n3という)を撮影できるが、底部b方向に向けた傾斜面(以下、ネジ裏面n4という)は影になったり、撮像角が小さくなるためS/N比の良い検査ができる撮像はできない。
このような口部cの外側から比較的撮影可能な面を首部表面d1とし、ネジ裏面n4を含む口部cから膨出部mにかけて底部bの方を向き、外部からの直接撮像では検査が難しい面含む面を首部裏面d2とする。なお、これらは全てボトル缶1の内面を指すものとする。
【0017】
図1は、実施の形態による缶内面検査装置を示すブロック図である。缶内面検査装置10は、検査対象となる金属製ボトル缶1を吸着して自転する複数の自転回転部13(図2参照)を所定間隔で備えている(図1では3つのみを示す)。ボトル缶1を載置した自転回転部13を所定の角度ごとに間欠搬送(公転)させる回転搬送部12を備えており、この回転搬送部12による自転回転部13の回転軌跡における複数の停止位置には、ボトル缶1の口部c及び首部表面d1を撮像する覗き型撮像系である第一撮像部2と、ボトル缶1の首部裏面d2及び肩部eを缶内面から撮像する挿入型撮像系である第二撮像部3と、ボトル缶1内面の円筒状缶胴a及び底部bを撮像するワンショット撮像系である第三撮像部4とを備えている。
更に缶内面検査装置10には、搬送系制御部7と、搬送系制御部7からの各撮像トリガーに同期して各撮像部2、3、4で撮られた画像をそれぞれ解析する画像解析部5と、画像解析部5の各解析データを総括した検査結果の指示を搬送系制御部7及び選別排出部8に送信する検査統括部6と、検査統括部6からの指示によりボトル缶1を不合格、更に詳細な検査、合格の三種類に選別し、不合格排出部14、詳細検査排出部15、合格排出部16に送出する機能を有する選別排出部8が備えられている。
そのため、回転搬送部12は第一乃至第三撮像部2,3,4及び選別排出部8と同一の間隔に複数の自転回転部13を配設しておくものとする。
【0018】
検査統括部6においては、必要に応じて、合格レベル及び不合格レベルをそれぞれ人為的に設定する。また、詳細検査に振り分けられるグレーゾーンに入ったボトル缶1は、選別排出部8によりその異常データに応じて分類され、従来技術(例えば、特開2003−215055号参照)で開示されているような口部cにおける天面部の詳細検査装置で詳細検査が行われる。
また、第一撮像部2と第二撮像部3により、首部dに形状異常が認められて合格にならなかったものは、例えば、従来技術(例えば特開2003−139527号公報参照)で開示されているような装置等でネジ部の歪み詳細測定が行われる。なお、表面異常や汚れ等の異常部は破壊して開いたりボアスコープを使ったりして目視で詳細検査を行う。
これらの詳細検査結果は、検査の合否の判断パラメータの修正にフィードバックして検査判定レベル設定の合理性を維持または改善することを可能とする。このグレーゾーン段階の評価を使うことで製造ラインの品質レベルアップを図ることが出来る。
【0019】
次に、缶内面検査装置10の搬送支持機構について説明する。図2(a)に示すように、ボトル缶1の自転回転部13は例えば中空超音波モータを備えており、上端の回転部13aが自転する。この回転部13aの中央部に真空吸引穴13bが開けられて真空引きしている。搬入されたボトル缶1は、真空引きで缶底が回転部13aに真空吸着される。この自転回転部13を所定間隔で複数配置した回転搬送部12が公転して、検査対象となるボトル缶1が第一撮像部2に近づくまでに、自転回転部13が回転を開始し、ボトル缶1を一定速度で自転させることになる。
次に、缶内面検査装置10の撮像系について説明する。第一撮像部2は主に口部c及び首部dのネジ表面n3等の首部表面d1を缶外部から撮像し、第二撮像部3により主に首部dの口部cから膨出部mにかけて底を向いたネジ裏面n4を含む首部裏面d2や肩部eを缶内部で撮像し、第三撮像部4で缶胴a及び底部bを撮像する。これらの第一撮像部2と第二撮像部3の画像には首部dの首部表面d1と首部裏面d2の同じ所が違った角度で撮像されている部分が多くある。第二撮像部3と第三撮像部4の画像では缶胴aの上部がそれぞれの撮像角度で写る。また、肩部eが口部cから撮像できる缶については第一撮像部2と第二撮像部3の画像には肩部eの同じ部分が違った角度、異なる照明で撮像できる。
図2(a)、(b)、(c)は第一撮像部2の構成を示す図である。回転搬送部12の自転回転部13でボトル缶1を真空吸着して一定速度で公転し、第一撮像部2の撮像基準位置で停止させる。第一撮像部2では、缶内面検査装置10の装置メインプレート11に撮像台座11aが取付けられている。撮像台座11aには、照明ブロック25aとラインセンサカメラ22を保持する台26aが設けられている。台26aは撮像台座11aに蝶番26bでつなげてあり、メインテナンス時等に第一撮像部2を台26aごとボトル缶1から待避させて保守をし、そして撮像の位置決めを容易に行うことができる。
台26aに取付けられたラインセンサカメラ22は、ボトル缶1の口部cからネジ表面n3を含む首部表面d1を撮像できるように中心軸線Oに対して斜め方向に向けて位置している。ラインセンサカメラ22は内部に位置と角度を調整可能な撮像素子22bを備え、撮像レンズ22aを設けている。ラインセンサカメラ22で自転するボトル缶1の口部c及び首部表面d1を全周に亘って撮像する。そのため、撮像時にボトル缶1を1回転以上自転させる。
【0020】
照明部25は照明ブロック25aと一対の照明光ガイド25bで構成する。台26aの先端には、ボトル缶1の口部cの上方に干渉しないように間隔を開けて照明ブロック25aが取付けられている。この照明ブロック25aには両端方向に連通する間隙25cが撮影光路空間として設けられ、この間隙25cを通してボトル缶1の内部をラインセンサカメラ22で撮像する。間隙25cは図2(a)で角度45°で傾斜する破線で境界を示す。照明ブロック25a内には、高輝度光源から照明光を導く二本の照明光ガイド25bの先端を対角に固定する。すなわち、図2(a)でラインセンサカメラ22によるボトル缶1の撮像位置内面とは反対側の内面方向に照明光が対角で斜めに入光するように、照明ブロック25a内に固定する。
ネジ部nの首部表面d1と首部裏面d2が斜めになっているのに対処するため照明ブロック25a内に照明光局部コントロールバー27を付けて照明光の照射位置を局部的に調整できるようにしている。この照明光局部コントロールバー27にLED等の小型光源を付ければ局所的なアクティブな照明コントロールとしても使える。
【0021】
ところで、ボトル缶1の口部cは首部に対して比較的径が小さく、首部dの長さが長いため、外部から首部奥まで撮像する時、物理的に首部表面d1に対して撮像角を大きく設定できない。
これを高速で全体にピントを合わせて撮るためには、ラインセンサカメラ22の撮像素子22bの位置及び角度を変えて、撮像面であるボトル缶1の中心軸線O方向の首部表面d1とラインセンサカメラ22の撮像レンズ22aと撮像素子22bがスイングアオリの位置関係を確保するように設定し、この状態でボトル缶1を一周以上自転させて首部表面d1の全周を撮像する。これにより、首部dが小径で長いボトル缶1の口部cからネジ部nおよび膨出部mにかけての首部表面d1を口部cの外部に固定したラインセンサカメラ22で撮像可能になる。
なお、単に斜めの面を撮像する二次元カメラでのアオリではチルトアオリが用いられが、これを本実施の形態による缶内面撮像装置10に単純に適用すると、ボトル缶1の口部cの明るさの影響が出やすい。ボトル缶1の口部cの天面の明るさの影響を抑えて、S/N比の高い高解像の撮像を行うため、レンズの主光軸を外したスイングアオリを用いている。
【0022】
また、照明ブロック25aに設けた撮像光路空間を確保するための間隙25cの側面や台26aの表面を無反射ブラック仕上げにし、不要な反射光がラインセンサカメラ22に入らない様にしている。また、被写体等からの不要な反射光が入ってS/N比が悪化するのを避けるためにラインセンサカメラ22のレンズ22aの先端側に、全周に縦長のスリットを切ったスリットフード22cを設けている。スリットフード22cはラインセンサカメラ22の撮像画像をより鮮明にする効果がある。
なお、撮影面であるボトル缶1の内面はコーティングされた金属面であるため、首部表面d1でハレーションが非常に生じやすい。また、高速検査する時のラインセンサカメラの撮像速度が、例えば0.07ms程度と非常に早く、首部dの口部cからネジ部nや膨出部mの凸凹で複雑な形状の表面を撮像するため被写界深度を確保するレンズ絞りが必要である。そのため、高輝度の照明が必要となるから、照明部25は、ハレーションが生じ難く、非常に明るく、撮像光路に干渉しない空間を確保し、ボトル缶1のインデックス(間欠)移動に干渉しないような照明が必要であり、その条件を確保した照明を構成している。
【0023】
次に、挿入型撮像系の第二撮像部3について図3及び図4により説明する。
第二撮像部3では、首部裏面d2と肩部eを撮像するため、撮像位置で回転搬送部12を停止させた後、自転しているボトル缶1の口部cより反射鏡31を挿入してボトル缶1の内部から首部dの首部裏面d2と肩部eを撮像する。
図3は、第二撮像部3の構成を示す原理図であり、ボトル缶1の口部cの上方から蒲鉾型反射鏡31をボトル缶1内に挿入し、外部に配設したラインセンサカメラ32で蒲鉾型反射鏡31を介して首部裏面d2及び肩部eを撮像する。蒲鉾型反射鏡31は挿入状態で肩部eに対向する位置に略1/4円の凸曲面形状の反射面31Rを有している。
図4は、第二撮像部3の構成を示す図であり、装置メインプレート11から撮像台座11cが延びている。撮像台座11cには照明部35とラインセンサカメラ32が取り付けられ、照明部35とラインセンサカメラ32は回転搬送部12に設けた自転回転部13に吸着保持されたボトル缶1の口部cに対向して配設されている。
照明部35において、ボトル缶1の口部cの外方にはボトル缶1との干渉を防ぐために若干の間隙を設けて照明ブロック35aが撮像台座11cに取付けられている。照明ブロック35aは、その一部に上下方向に連通する間隙35cが撮影光路空間として設けられ、この間隙35cを通してボトル缶1の内部をラインセンサカメラ32で撮像する。照明ブロック35a内では、高輝度光源から照明光を導く二本の照明光ガイド35bの先端を対角に固定している。ラインセンサカメラ32によるボトル缶1の撮像領域とは反対側の口部cに照明光が対角斜めに入光するように、照明光ガイド35bを照明ブロック35a内に固定する。
【0024】
また、撮像台座11cに固定されたラインセンサカメラ32は、ボトル缶1の口部cに向けてボトル缶1の中心軸線Oに対して傾斜して取付けられている。このラインセンサカメラ32は撮像レンズ32aの先端側に外部から不要な反射光が入ってS/N比が悪化するのを避けるために縦長のスリットを切ったスリットフード32cが付けられる。
そして、撮像台座11cには、蒲鉾型反射鏡31を口部cからボトル缶1内に挿入するために挿入バー駆動部34が取付けられ、その先端には蒲鉾型反射鏡31を支持する反射鏡挿入バー33(反射鏡挿入手段)が進退可能に取付けられている。蒲鉾型反射鏡31は、反射面31Rが略1/4円弧板状に形成され、首部裏面d2及び肩部eを撮像する際には口部cからボトル缶1内に挿入されて図3に示すように肩部e付近に保持され、撮影終了後にはボトル缶1の外部に引き上げられる。撮影位置にある蒲鉾型反射鏡31は反射面31Rが首部裏面d2と肩部eに対向して位置し、首部dの首部裏面d2と肩部eを蒲鉾型反射鏡31で反射させ、口部cを通してラインセンサカメラ32の撮像レンズ32aを通して撮像されることになる。
ラインセンサカメラ32での撮像は、挿入された蒲鉾型反射鏡31が完全に停止したのを待って、自転しているボトル缶を1回転以上撮像することで、首部裏面d2と肩部eの全周画像が撮れる。反射鏡挿入バー33および挿入バー駆動部34は、高速挿入後に短時間で蒲鉾型反射鏡31が確実に停止されるように制御される。
【0025】
なお、反射鏡挿入バー33にはラインセンサカメラ32で撮像する空間を確保するために撮像溝33aが掘られている。撮像溝33aの表面は無反射ブラック仕上げが施され、不要な反射光がラインセンサカメラ32に入らないようにされている。
ボトル缶1の首部dと肩部eの撮像表面は金属コーティング面であり、凸凹で正反射が生じやすい表面である。高速検査する時のラインセンサカメラ32の撮像速度は、例えば0.07ms程度と非常に早く、そして凸凹の撮像表面における被写界深度を確保するためにレンズを絞る必要があるので、高輝度の照明が必要となる。
【0026】
次に、第三撮像部4について図5により説明する。
図5に示す第三撮像部4では、ボトル缶1の円筒状の缶胴aと底部bを撮像する。例えば、上記特許文献2では広口の口部を有しているのに対して、本実施の形態におけるボトル缶1は比較的口部cが小径(例えば31mm)で首部dの長さが長い(例えば25mm)ため、特許文献2のような装置では、口部cが小径で首部dの長さが長く、太径の円筒状缶胴aと底部bの全内面の欠陥を検知してS/N比の高い画像を撮像することは難しい。また、底部bが反射しやすい曲面においては特許文献2に記載されたようなリング照明器を使うと照明光が底部bの曲面で正反射を起こし、缶軸上からの撮像系に入り、ハレーションを生じ、S/N比が悪化して欠陥検知が難しくなる。また缶胴aも同時に撮像すると底部bで正反射した光が缶胴aに反射して缶胴の一部にもハレーションが生ずることが多い。
これに対し、本実施の形態では、図5に示すように、装置メインプレート11に設けた台座11eに固定された撮像台座46aにワンショットカメラ42がカメラ取り付けフレーム42cで取付けられている。ワンショットカメラ42は、ボトル缶1の口部cから缶胴a及び底部bに焦点を合わせて撮像できる撮像レンズ42aを高精細度CCDカメラ42bに付けた構成を有し、このワンショットカメラ42を停止状態のボトル缶1の中心軸線Oと同軸に設置し、ボトル缶1の内面の缶胴a及び底部bをワンショットで撮像する。
また、ワンショットカメラ42の撮像レンズ42a部分の外周には略リング状の照明部45が照明取り付け治具45fを介して撮像台座46aに連結されている。照明部45は、撮像レンズ42aの外側に設けた筒状の照明ガイド基盤45aを照明外枠45dと上蓋45gで固定し、照明外枠45dを照明取り付け治具45fで撮像台座46aに固定して支えている。
照明ガイド基盤45aには、照明用の多数の長焦点高輝度LED45cがそれぞれ適当な(LED45cの光源が正常な缶内面で多重反射してもカメラ42bの撮像光軸に入らない)角度で所定間隔に固定される多数のガイド穴45bが開けられている。これらのガイド穴45bはLED45cの照明光を口部c内に指向させ、撮像光軸から光源を隠して、周方向及び軸方向に所定間隔で配列される。
照明部45は、撮像に必要十分な照明明るさを確保し、撮像光軸から光源を隠す多数のガイド穴45bを使って缶内面での照明光の正反射成分がカメラ42の撮影光路に入り込まない様にした。
【0027】
ここで、撮像光軸から光源を隠す各ガイド穴45bで決まる各LED45cの配設角度は、ボトル缶1の半径方向の軸線に対してこの軸線を含む面内で+13゜または−13°傾斜させ、ボトル缶1の中心軸線Oに対して中心軸線Oを含む面内で21°〜60°の範囲で傾斜させて設定し、それぞれ下方に向けた所定の傾斜状態で配置されている。そのため、ガイド穴45bの奥に配置されたLED45cからの照明光は、ガイド穴45bで照明光が広がるのが制限され、撮像光軸から光源を隠し、ボトル缶1の中心軸線Oを外れて口部cから内面の空間部内へ進入して缶胴aや底部bに対して芯ずれして斜めに入光し、ボトル缶1の内部で中心軸線Oの回りに略渦巻き状に照明光が放射される。そのため、缶内面全体で均一に照明光が斜角に回って明るく照明され、缶内面の正常面からの正反射光がワンショットカメラ42に入光して起こるハレーションを生じない。
また、撮像台座46aは装置メインプレート11に設けた台座11eに蝶番46bでつながり、メインテナンス時には第三撮像部4をボトル缶1から待避させ、撮像時にはボトル缶1の中心軸線Oと略同軸に撮像光軸が位置するように第三撮像部4を配置固定させている。
【0028】
ボトル缶1は自転回転部13上に載置され、回転搬送部12で回転して第三撮像部4の位置で停止させる。自転回転部13が停止し、撮像位置で回転搬送部12が完全停止したタイミングでトリガーをかけられ、照明部45のLED45cをストロボ発光させて、高精細度のワンショットカメラ42で口部cを通して缶胴aと底部bを同時に撮像する。
ここで、本実施の形態による缶内面検査装置10を用いて、例えばボトル缶1を毎分300缶検査するときは、回転搬送部12の搬送タクトは200msで、停止時間を130msとする。
第一撮像部2では、自転回転部13によるボトル缶1の自転は12.5rps(80ms/回)とする。この場合、第一撮像部2に設けたラインセンサカメラ22でボトル缶1の口部cと首部表面d1を撮像するが、その撮像時間は100ms(1.25回転)となる。
第二撮像部3では、反射鏡挿入バー33のボトル缶1への挿入と取り出しの作動時間を各30msで行い、安定余裕時間を20msとる。自転回転部13によるボトル缶1の自転は25rps(40ms/回)とする。この場合、第二撮像部3に設けたラインセンサカメラ3でボトル缶1の首部裏面d2と肩部eを撮像するが、その撮像時間は50ms(1.25回転)となる。
また、第三撮像部4で撮像する場合は、撮像開始までにボトル缶1の自転を停止させる。選別排出部8では搬送系制御部7からの信号で適当なタイミングで自転回転部13による真空吸着を解除してボトル缶1を開放し、三つの選別部のいずれかに選別して送り出す。
【0029】
画像解析部5による撮像画像の異常部検査は、適宜の画像処理により行うことができる。本実施の形態における画像解析部5においては、第一及び第二撮像部2、3で得られた展開画像において、缶内面の像の直線部を基準にして首部dの展開画像を再構成する展開画像再構成手段と、再構成された展開画像から首部内面の異常の有無を検知する画像解析手段とを備えている。これにより、非接触、高速で、首部dの異常検知及びネジ加工部内面のネジの特性(位置、角度、間隔、長さ、歪み等)の異常を高速で自動検知することができる。
【0030】
本実施の形態による缶内面検査装置10は上述の構成を有しており、次にボトル缶1の缶内面の撮像・検査方法について図6に示すフローチャートに沿って説明する。
まず、缶内面検査装置10に電源が入ると、検査統括部6、画像解析部5及び撮像系5Aの自動検査準備がなされる(ステップS101)。次に、自動検査モードに入り(ステップS102)、ボトル缶1の搬送が始まる。各トリガー信号が入ったら、各撮像部2,3,4の各カメラ22、32、42でボトル缶1の撮像を行い、得られた各画像を画像解析部5に渡すように撮像指示が出される(ステップS103)。その後、トリガー信号待ち状態で待機する(ステップS104)。
ボトル缶1は図示しない製造装置で順次製造された後に、缶内面検査装置10に搬送されて自転回転部13で缶底を吸着状態で保持される。そして自転回転部13が回転搬送部12によって周方向に間欠搬送され、第一撮像部2、第二撮像部3、第三撮像部4の位置で順次停止させられる。停止したら、搬送系制御部7から検査統括部6を経由して画像解析部5から各カメラ22、32、42へ各設定時間遅れたトリガー信号が送られ(ステップS105)、トリガー信号を受信した各カメラ22、32、42でボトル缶1の内面の各撮像が行われ(ステップS106)、撮像した画像は画像信号として画像解析部5に送られて撮像画像が取り込まれる(ステップS108)。撮影後に、次の撮像指示が出され(ステップS109)、カメラ22、32、42はトリガー信号待ち状態で待機する(ステップS104)。
【0031】
ここで、自転回転部13に吸着支持されたボトル缶1が自転しながら第一撮像部2の位置に搬送されて停止すると、第一撮像部2で口部cから覗ける口部cと首部表面d1の撮像を行う。先ず、二つの照明光ガイド25b、25bで、自転回転部13によってボトル缶1を中心軸線O回りに定速で自転しているボトル缶1のラインセンサカメラ22による撮影領域以外の首部内に斜めに照射し照明する。この状態でラインセンサカメラ22によって照明ブロック25aの間隙25cを通して照明光が直接照射されない領域の口部cと口部cから覗ける首部表面d1を撮影する。これによって撮影領域のハレーションを防止できる。
アオリを利かせたラインセンサカメラ22で照明ブロック25aの間隙25cに沿った口部c及び首部表面d1を撮像しながらボトル缶1を少なくとも1周自転させることで全周の撮像画像を得ることができる。
得られた画像信号はカメラコントローラを経由し画像解析部5に取り込まれる。
【0032】
次にボトル缶1は自転したまま回転搬送部12によって第一撮像部2から第二撮像部3に搬送され、第二撮像部3で首部dの首部裏面d2及び肩部eを撮像する。
先ず、自転回転部13で支持されているボトル缶1の口部cに対向している挿入バー駆動部34によって、反射鏡挿入バー33を駆動させて蒲鉾型反射鏡31を口部cからボトル缶1内に非接触で進入させる。そして、蒲鉾型反射鏡31は肩部eに対向する領域に静止して、反射面31Rを首部dの首部裏面d2及び肩部eの撮影領域に対向させる。
蒲鉾型反射鏡31をこの位置に配置することで、口部cの外方からでは撮影できない面を含む首部裏面d2と肩部eを確実に撮像できる。照明部35では、一対の照明光ガイド35b、35bから照明光を反射鏡挿入バー33の裏側から口部c内の撮影領域外を斜めに照射し、更にその正反射光が撮影領域の首部d及び肩部eに入らないように照明をする。これによって撮影領域のハレーションを防止できる。
この状態でラインセンサカメラ32は、照明ブロック35aの間隙35c、ボトル缶1内の蒲鉾型反射鏡31の反射面31Rを介して撮影領域の首部裏面d2及び肩部eを撮影する。そして、ボトム缶1を1周以上自転させながらラインセンサカメラ32で撮像することで、首部裏面d2と肩部eを全周に亘って撮影できる。
そして、得られた画像信号はカメラコントローラを経由して画像解析部5に取り込まれる。
【0033】
次にボトル缶1は回転搬送部12によって第二撮像部3から第三撮像部4の位置に搬送され、その搬送中に自転回転部13は静止してボトル缶1を第三撮像部4の位置で静止状態に保持する。この状態で、ボトム缶1の口部cに対向する位置に配設された照明部45のLED45cをストロボ発光させて、ワンショットカメラ42で口部cから缶胴aと底部bを同時に撮像する。ワンショットカメラ42によって缶胴aと底部bの全周が同時に撮像される。
そして、得られた画像信号はカメラコントローラから画像解析部5に取り込まれる。
【0034】
画像解析部5では、第一、第二撮像部2,3で得られたボトム缶1の内面の画像信号を順次取り込んで二次元画像を得る(ステップS108)。そして、次の撮像指示を出して(ステップS109)、信号待ち状態で待機する(ステップS104)。また、各撮像部2,3,4での待機及び撮像と平行して、各部位の二次元画像から異常部の有無を判別・検知する(ステップS110)。これらの結果及び特性データが検査統括部6に出力される(ステップS111)。
各撮像部2、3、4のカメラ22、32、42で得た展開画像や全体画像を画像解析部5で解析した異常部検知の各結果と特性データを受けた検査統括部6は、当該ボトル缶1の検査結果として「合格」、「不合格」、「保留」を判定し、その結果を搬送系制御部7に送る。検査結果を受けた搬送系制御部7は、「合格」、「不合格」、「保留」の判定に対して、選別排出部8まで搬送されてきたボトル缶1に対して、検査結果に基づいて当該ボトル缶を合格排出部16、不合格排出部14、詳細検査排出部15のいずれかに選別して送り出す。
このようにして、順次製造され搬送されてくるボトル缶1について缶内面検査装置10で高速で合否判別処理をする。
【0035】
そして、自動検査終了信号により(ステップS112)、自動検査は終了し(ステップS113)、マニュアルメインテナンスモードに入る。再度自動検査モード指示が出たら、自動検査準備後(ステップS101)、自動検査モードに入る(ステップS102)。
なお、「保留」判定によって、詳細検査排出部15に送られたボトル缶1については、その特性データも送られ、その詳細情報も詳細検査排出部15に渡される。この詳細検査結果が出たら、その結果が検査統括部6及び該当する画像解析部5にフィードバックされる。これによって合否判別基準を修正して合否精度を調整できる。
【0036】
上述のように本実施の形態による缶内面検査装置10によれば、缶胴aに対して口部cが小径で長首の首部dを備えたボトル缶1であっても内面全体を3箇所に分けて個別に撮像して高速で自動検査でき、大量生産品であっても全数検査を高速で行うことができる。特に首部dにおいて底部bを向いている首部裏面d2及び肩部eは口部cの外からでは物理的に撮像が難しいが、蒲鉾型反射鏡31を用いて缶内部での画角で全周に亘って撮像できる。
【0037】
次に本発明による缶内面検査装置10の変形例について説明するが、上述の実施の形態と同一または同様の部分、部材には同一の符号を用いて説明を省略する。
第一の実施の形態による第二撮像部3において、蒲鉾型反射鏡31を口部cからボトル缶1内に挿入して撮像する構成は、照明部35を口部cの上方に配設して照明ブロック35a内に一対の照明光ガイド35bを配設しているため、挿入バー駆動部34との干渉を防ぐために反射鏡挿入バー33に長尺のものを用いている。この場合、蒲鉾型反射鏡31をボトル缶1内に挿入した際、高速で挿入して停止させた時に蒲鉾型反射鏡31の振動が停止する迄の時間が長くなる。そのため、蒲鉾型反射鏡31の静止を待って撮像を行うとするとその待ち時間分、高速撮影ができなくなる。
また、照明部35は略円筒状の照明ブロック35a内に外部から一対の照明光ガイド35bを中心軸線Oに対して斜め方向に挿入しているため、山部n1と谷部n2が交互に連続するネジ部nの内面の撮像領域に対する照明光量に偏りが出やすい。
また、この照明光を反射鏡挿入バー33の裏から対角斜角で入光するための空間が口部cの内径と反射鏡挿入バー33との間隔が開いていることが必要で、口部cの内径が小さくなってくると反射鏡挿入バー3333の裏側を切除する等の細工をする必要が出てくる。
【0038】
このような不具合を改善した首部dの小径化に対応する第二撮像部の変形例について図7により説明する。なお、図7(a)はボトル缶に反射鏡挿入バーが挿入された状態を示す正面図、図7(b)は図7(a)の上面図、図7(c)は反射鏡挿入バーの上面縦断面図、図7(d)は同じく正面図である。
図7に示す第二撮像部50において、ラインセンサカメラ52は基本的に図3、4に示すものと同じであり、ボトル缶1の口部cに対向して中心軸線Oに対して傾斜状態に配設されている。
ボトル缶1の口部cに対向して中心軸線Oとほぼ同軸に挿入バー駆動部54が配設され、この挿入バー駆動部54には反射鏡挿入バー53が進退可能に装着され、その先端にはボトル缶1内に挿入される蒲鉾型反射鏡51が取付けられている。蒲鉾型反射鏡51は首部dの首部裏面d2と肩部eの撮像時にはボトル缶1内に進入して凸曲面状の反射面51Rが肩部eに対向する領域に保持され、非撮像時には蒲鉾型反射鏡51はボトル缶1から取り出した位置に保持されることになる。
【0039】
反射鏡挿入バー53には蒲鉾型反射鏡51から反射鏡挿入バー53方向にかけて長手方向に沿って撮像溝53aとV溝53bが形成され、ラインセンサカメラ52による撮像光路を確保する空間を設けている。この撮像溝53aは図7(b)及び(c)に示す縦断面視で略台形状の凹陥部として形成され、V溝53bはその外側にV字形状の加工がなされている。蒲鉾型反射鏡51の凸曲面をなす反射面51Rは挿入バー駆動部54方向を向いて形成され、首部dの首部裏面d2及び肩部eを蒲鉾型反射鏡51の反射面51Rで反射させてラインセンサカメラ52で撮像する。
そして、撮像溝53aの表面は無反射ブラック仕上げで不要な反射光がラインセンサカメラ52に入らないように構成されている。また、ラインセンサカメラ52は被写体や周辺部材等からの不要な反射光が入射してS/N比が悪化するのを避けるためにレンズ52aの前面に縦長のスリットを切ったスリットフード52cが付けられる。
【0040】
なお、撮像面である首部dや肩部eは透明保護コーティングされた金属面であり、中心軸線O方向に凸凹を形成していて正反射を生じ易いが、回転方向にはネジ山が数度傾いている他はネジ部nの終端を除いてほとんど一定曲面である。従って、照明は撮像用の蒲鉾型反射鏡51付近で首部dの撮像領域外の対向する二方向に斜めに照射し、その反射光が間接照明に近い照明光としてラインセンサカメラ52の光軸に直角の方向から斜めに撮像面である首部裏面d2と肩部eに照射されるのが望ましい。
このような理想に近い照明系を缶内面検査装置50に採用した構成について図7により説明する。
第二撮像部50において、挿入バー駆動部54の側面には照明光入光部55が挿入バー駆動部54の長手方向に略直交する方向に配設され、撮像時に照明光ガイドを連結した照明光入光部55の非接触照明光接続ガイド55aから入射する照明光を非接触で入光させる照明光入光部53eを持った反射鏡挿入バー53が挿入バー駆動部54の挿入バー可動部54aに固定される。照明光入光部53eから入光した照明光を反射鏡挿入バー53の先端側に導く照明用反射鏡53dが配設されている。反射鏡挿入バー53はV字溝53bと凹溝53aの加工がされているために、ここで反射した照明光は首部dに対角方向に斜角照射され、その反射光が撮像領域の首部裏面d2と肩部eに斜角照明として照射されることになる。
ここで、反射鏡挿入バー53は照明光の障害にならないように強化硝子やアクリル樹脂などの高強度透明体で製作する。これによって、反射鏡挿入バー53をボトル缶1内に挿入したとき、照明光入光部55からの光を照明用反射鏡53dで反射させて反射鏡挿入バー53の先端方向に導くことができる。
反射鏡挿入バー53をボトル缶1内に挿入した状態で、ボトル缶1の口部c近くまでの反射鏡挿入バー53の表面は滑面仕上げで内面反射型メッキを行い、照明光の減衰を無くして先端方向に導くものとする。この部分より先端側での撮像溝53aの背面は略円筒面を形成していて光が拡散する表面白色塗装面とし、首部dに対向する領域は粗面とする。V溝53bは滑面仕上げとして反射鏡挿入バー53内部に進入し拡散された照明光がV溝53bに斜めの角度で照射され易くする。反射鏡挿入バー53の先端は斜め前方に延びており、先端まで届いた照明光がほぼ直角に反射して先端部53cから肩部eの撮像領域に導かれる様にする。撮影溝53aは背面の略円筒面の内面反射型メッキと表面白色塗装を同じ位置まで行い、その上に反射防止の黒色塗装仕上げをして、撮像への不要な入光を防止する。
【0041】
このような構成により、照明光入光部55から非接触で受けた照明光を有効に反射鏡53dで折り曲げて反射鏡挿入バー53内に導光し、反射鏡挿入バー53内で適当に拡散された光を首部dの対向する二面のV溝53bから斜角で首部dの撮像される領域を照明する。肩部eの撮像領域には先端部53cからの照明光が加わる。これらにより、首部dの首部裏面d2や肩部eが拡散光によってほぼ理想的な照明下で撮像され、内面の異常部をより抽出しやすい画像を得ることができる。ただし、実施の形態による照明部35より照明光量が小さく照明高率が落ちやすいので、ボトル缶1について同じ検査数をこなすには、この照明光量をカバーする高感度ラインセンサ素子52bを撮像素子として用いることが好ましい。
本変形例による第二撮像部50においても、実施の形態による第二撮像部3と同じように回転搬送部12を撮像位置で停止させ、自転回転部13でボトル缶1を定速連続回転して1回転以上自転させて展開撮像画像を得る。ラインセンサカメラ52での撮像終了後、反射鏡挿入バー53はボトル缶1内より抜き出される。
【0042】
従って本変形例による第二撮像部50によれば、照明部35を設けていないために挿入バー駆動部54を口部c近傍に配設して撮像台座11cに支持させることができ、反射鏡挿入バー53を短尺に設定できる。そのため、ボトル缶1内に高速で蒲鉾型反射鏡51を挿入でき、停止までの振動時間も短い。照明の効果以外は、実施の形態による第二撮像部3の撮像画像とほぼ同じ撮像画像が得られる。また、蒲鉾型反射鏡51の位置を少し変え、肩部eを外して首部裏面d2だけを撮像範囲にセッティングすることで、より高解像度でS/N比の良い画像を得ることもできる。また、照明を反射鏡挿入バー53で導光させるため口部cの反射鏡挿入バー53の裏側の空間を確保する必然性がなくなるため、中心から後ろにずらして蒲鉾型反射鏡51の反射曲率を最適化し直すと、口部Cの内径が一層小さいボトム缶1にも対応可能にできる。
【0043】
第二撮像部の第二変形例について図8により説明する。
従来、ボアスコープでボトル缶の抜き取り検査を検査員が目視観察で行っていたが、ボアスコープにカメラを付けて高速で出し入れ操作すれば首部dの首部裏面d2や肩部eの自動検査を行えるとのアイデアはある。ボアスコープをボトル缶1に挿入して高速検査を行うには、有線のカメラと光源からの照明ガイドが付いたボアスコープを高速で作動することが必要である。しかし、毎秒数回の挿入検査に耐えられるような耐久性のあるものが実用的な価格で作れなかった。
【0044】
本第二変形例ではボアスコープを用いて実用的な第二撮像部を提案するものである。図8(a)はボトル缶にボアスコープが挿入された状態を示す平面図、図8(b)は、ボトル缶からボアスコープが後退した状態の平面図である。
第二変形例による第二撮像部60において、ボアスコープ63は取り付け治具67によりボアスコープ出し入れ移動部64aに装着されており、ボアスコープ63にチューブ状のスコープ部63aがついている。ボアスコープ出し入れ駆動部64によってボアスコープ出し入れ移動部64aを進退させることで、ボアスコープ63のスコープ部63aをボトル缶1内に挿入させて取り出すことができる。そして、ボアスコープ63のスコープ部63a先端近くに設けられた後方斜角観察光学系61によってほぼ対向する領域の首部裏面d2と肩部eを撮像し、スコープ部63a内の後方斜角観察光学系61の対物レンズと接眼レンズ63cを通して二次元画像を得る。得られた像をボアスコープ63の進退方向に対して45度の角度を有する直角反射鏡66(撮像用反射鏡)で反射させ、ボアスコープ63とは非接触に外部に固定したラインセンサカメラ62で撮像する。
首部裏面d2と肩部eの全周を撮像するには、ボトル缶1を回転搬送部12の停止状態で自転回転部13を1回転以上定速で自転させればよく、これによって展開画像を得られる。
【0045】
このボアスコープ63の後方斜角観察光学系61付近には、後方斜角観察光学系61で撮像する中心ライン部を照明する照明部63dがある。照明部63dの照明光は照明光ガイド65bから導入され、後方斜角観察光学系61が含まれているスコープ部63aの中を図示しないファイバーで導光している。照明出光部65は、ボアスコープ63に並列に非接触で配設され、撮像時にボアスコープ63の照明光入射部63bに非接触で対向し、照明光源ガイド65bからの照明光を照明出光部65から非接触で照明光入射部63bを通してボアスコープ63のスコープ部63a内の照明部63dに誘導する。
これにより、抜き取り検査で使われていたと同程度に、ボアスコープによる内面展開画像を高速に得ることができ、自動検査の画像として使うことが出来る。
ただし、照明光を有効に使って高速に撮像しようとすると正反射光がラインセンサカメラ62の撮像ライン上に出やすい。それでもラインセンサカメラ62の撮像子62cに入光光量広範囲型のものを使い、感度範囲の広い画像を得て解析すればハレーションを生じない異常部の検知は可能になるがS/N比はあまり期待できず検知負荷が多大にかかる。
【0046】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の缶内面検査装置においては、缶胴aに対して首部dの径の比が(0.3〜0.7)程度の小径で長い首部dを有するボトル缶1についても、口部c及びネジ部nを有する首部d及び肩部e、缶胴a及び底部bをそれぞれ第一、第二、第三撮像部2,3,4で撮像して缶内面全体を高速で自動検査でき、大量生産時の全数検査を行える。
以上、本発明の一実施の形態による缶内面検査装置について説明したが、本発明は、上述の図示例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0047】
特に、第二撮像部の蒲鉾型反射鏡を缶内に挿入し缶を回転してラインセンサーで缶の内面展開画像を得る方法はこのような口の小さい缶の撮像に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え応用できるものである。
また、第三撮像部の照明に使った多数の光源をガイド穴または筒で光源が正常な面で多重反射しても正反射光が撮像系に入らない照明装置はこのような缶の内面ワンショット撮像に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において正反射を起こしやすい被写体の撮像照明装置として、必要な様な範囲の角度と大きさと長さのガイド穴または筒で種々変更を加え応用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明による缶内面検査装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】第一撮像部を示すもので、(a)は全体構成を示す正面面、(b)はボトル缶と照明部を示す側面図、(c)は(b)の平面図である。
【図3】(a)は第二撮像部における撮像光学系を示す構成図、(b)は口部と蒲鉾型反射鏡を示す平面図である。
【図4】第二撮像部の全体構成を示すもので、(a)は概略全体図、(b)は(a)に対し90度異なる角度から第二撮像部の要部を見た図である。
【図5】(a)は第三撮像部の正面図、(b)は照明部の平面図である。
【図6】ボトル缶の内面検査の処理工程を示す図である。
【図7】第二撮像部の第一変形例を示すもので、(a)は全体図、(b)は(a)の光学系を90度異なる方向から見た図、(c)は蒲鉾型反射鏡と反射鏡挿入バーの縦断面等の説明図、(d)は蒲鉾型反射鏡と反射鏡挿入バーの正面図等の説明図である。
【図8】第二撮像部の第二変形例を示すもので、(a)はボトル缶内にボアスコープが進入した状態の平面図、(b)はボトル缶からボアスコープが後退した状態の平面図である。
【図9】ボトル缶の縦断面図であり、(a)は全体図、(b)は首部の拡大図である。
【符号の説明】
【0049】
1 ボトル缶(缶)
2 第一撮像部
3 第二撮像部
4 第三撮像部
5 画像解析部
6 検査統括部
7 搬送系制御部
8 選別排出部
10 缶内面検査装置
12 回転搬送部(回転搬送手段)
13 自転回転部(自転回転手段)
14 不合格排出部
15 詳細検査排出部
16 合格排出部
22 ラインセンサカメラ(第一撮像手段)
25、35、45、65 照明部
31、51 蒲鉾型反射鏡(撮像用反射鏡)
32、52、62 ラインセンサカメラ(第二撮像手段)
33、53 反射鏡挿入バー(反射鏡挿入手段)
42 ワンショットカメラ(第三撮像手段)
45c LED(照明具)
54 挿入バー駆動部(駆動部)
53d 照明用反射鏡
63 ボアスコープ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
缶胴の先端側に肩部を介して缶胴より小径で先端に口部を有する首部を形成した缶内面を検査する内面検査装置であって、
前記缶を自転させる自転回転手段と、
前記口部の外側から口部を通して缶内面の首部を撮像する第一撮像手段と、
前記口部の外側から前記第一撮像手段による撮像領域とは異なる領域の首部内を照射する第一照明手段と、
前記第一撮像手段で得た展開画像を解析して異常部を検出する画像解析手段と
を備えることを特徴とする内面検査装置。
【請求項2】
缶胴の先端側に肩部を介して缶胴より小径で先端に口部を有する首部を形成した缶内面を検査する内面検査装置であって、
前記缶を自転させる自転回転手段と、
前記缶内に挿入して缶内面の首部及び肩部に対向する位置に撮像用反射鏡を位置させる反射鏡挿入手段と、
前記口部の外側から撮像用反射鏡を介して缶内面の首部と肩部を撮像する第二撮像手段と、
前記口部の外側から前記第二撮像手段による撮像領域とは異なる領域の缶内面を照射する第二照明手段と、
前記第二撮像手段で得た展開画像を解析して異常部を検出する画像解析手段と
を備えることを特徴とする内面検査装置。
【請求項3】
前記撮像用反射鏡は断面視凸曲面をなす反射面を有していることを特徴とする請求項2に記載の内面検査装置。
【請求項4】
前記第二照明手段は、反射鏡挿入手段に照明用反射鏡を設け、該照明用反射鏡を介して外部の照明光を口部内に入光させて撮像領域とは異なる領域の缶内面を照明するようにした請求項2または3に記載の内面検査装置。
【請求項5】
缶胴の先端側に肩部を介して缶胴より小径で先端に口部を有する首部を形成した缶内面を検査する内面検査装置であって、
前記口部の外側から缶内面の缶胴及び底部を撮像する第三撮像手段と、
前記口部の外側から缶内面を略渦巻き状に照射する第三照明手段と、
前記第三撮像手段から得られた画像を解析して缶内面の缶胴及び底部の異常部を検出する画像解析手段と
を備えることを特徴とする内面検査装置。
【請求項6】
前記第三照明手段は、缶の口部の外側に配設されていて複数の照明具を略円筒状に配列してなり、前記照明具から照射される照明光は缶の中心軸線を外して口部内に斜めに照射されて略渦巻き状をなして内面を均等に照射するようにして正反射光が前記第三撮像手段に入らないようにした請求項5に記載の内面検査装置。
【請求項7】
缶胴の先端側に肩部を介して缶胴より小径で先端に口部を有する首部を形成した缶内面を検査する内面検査装置であって、
前記缶を自転させる自転回転手段と、
口部から管内部に挿入するボアスコープと、
該ボアスコープの接眼部に設けた撮像用反射鏡を介して非接触で缶内面の首部及び肩部を撮像する第二撮像手段と、
前記ボアスコープによる撮像時に照明光を非接触でボアスコープ内に送り込む照明送り込み部材と、
前記第二撮像手段で得た展開画像から異常部を検出する画像解析手段と
を備えることを特徴とする内面検査装置。
【請求項8】
缶胴の先端側に肩部を介して缶胴より小径で先端に口部を有する首部を形成した缶内面を検査する缶内面検査装置であって、
請求項1に記載の内面検査装置と、
請求項2乃至4、7のいずれかに記載の内面検査装置と、
請求項5または6に記載の内面検査装置と、
前記自転回転手段を第一撮像手段、第二撮像手段、第三撮像手段の位置に順次停止させつつ相対的に間欠搬送する回転手段と
を備えることを特徴とする缶内面検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−153809(P2006−153809A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−348635(P2004−348635)
【出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【出願人】(000176796)三菱原子燃料株式会社 (11)
【出願人】(000006264)三菱マテリアル株式会社 (4,417)
【Fターム(参考)】