円偏波パッチアンテナ
【課題】容量結合による給電方式を採用した円偏波パッチアンテナにおいて、小型・薄型化と高性能化とをコストアップを伴わずに達成させる。
【解決手段】誘電体材料または磁性体材料からなる上下に扁平な箱状の基体2と、略正方形の平面形状を有して前記基体の上面3に形成されている放射電極10aと、前記基体の下面5に形成されているGND電極6と、前記基体の上面に形成されて前記放射電極における前記略正方形の1辺13とギャップ30を介して対向配置されている給電電極21aと、当該給電電極に給電するための給電線20とを備えた円偏波パッチアンテナ1aであって、前記給電線は、細線状で、基端に給電点となる給電端子22が接続され、先端に前記給電電極が接続され、前記放射電極は、前記給電電極と前記ギャップを介して対向する前記1辺に、当該給電電極を取り囲む凹部40が形成されている。
【解決手段】誘電体材料または磁性体材料からなる上下に扁平な箱状の基体2と、略正方形の平面形状を有して前記基体の上面3に形成されている放射電極10aと、前記基体の下面5に形成されているGND電極6と、前記基体の上面に形成されて前記放射電極における前記略正方形の1辺13とギャップ30を介して対向配置されている給電電極21aと、当該給電電極に給電するための給電線20とを備えた円偏波パッチアンテナ1aであって、前記給電線は、細線状で、基端に給電点となる給電端子22が接続され、先端に前記給電電極が接続され、前記放射電極は、前記給電電極と前記ギャップを介して対向する前記1辺に、当該給電電極を取り囲む凹部40が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、移動体通信、ローカル・エリア・ネットワーク、ITS、ETC、GPS等に使用する円偏波のパッチアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の適用例として、小型の電子機器に内蔵されるGPS信号の受信アンテナを挙げる。周知のごとく、GPS信号の受信アンテナは、GPS衛星から送信される円偏波の電磁波信号を受信するものであり、そのGPS信号は、船舶や自動車におけるナビゲーション装置が自身の位置情報を取得する用途に供される。そして、GPS信号の受信用アンテナの多くが右旋円偏波用である。
【0003】
ところで、近年では、船舶航行用のナビゲーション装置や車載のオーディオ機器などと一体化された組込型のカーナビゲーション装置に限らず、様々な機器、とくに携帯型の電子機器にGPSが利用され、これらの電子機器に搭載されるGPS受信用アンテナには、小型化が強く求められている。
【0004】
GPS受信用アンテナを小型にする一つの方法としては、例えば、GPS受信機能が搭載された携帯電話機のように、移動体通信事業者が提供するネットワークサービス(例えば、基地局を利用した三角測量など)と連携させて測位することで、右旋円偏波受信性能が低い代わりに小型化が容易な1/4波長タイプの直線偏波のチップアンテナをGPS受信用アンテナとして使用する方法がある。
【0005】
しかし、GPSは、従来の組込型のカーナビゲーション装置とは異なるPNDと呼ばれ着脱自在で携帯が可能なカーナビゲーション装置やPDAなどの電話機能のない携帯情報端末、ウルトラモバイルPCと呼ばれる超小型の可搬型コンピュータ、撮影場所の位置情報を記録できるディジタルカメラなど、多種多様な電子機器にまでその利用が拡大している。これらの機器は、普通、移動体通信網などの情報通信網を介したネットワークサービスとの連携は行わず、機器単体で測位する方式を採用している。そのため、これらの機器には、受信性能が高い右旋円偏波のアンテナを搭載することが望ましい。そして、本発明は、薄型化に適した右旋円偏波のアンテナを含む円偏波アンテナに関するものである。
【0006】
円偏波パッチアンテナには、その給電方式に応じて2つの方式がある。図13に、第1の給電方式に対応した円偏波パッチアンテナ1jの概略構造を示した。(A)は平面図であり、(B)は、回路基板に実装されているこの円偏波パッチアンテナ1jの側断面図である。この円偏波パッチアンテナ1jは、ピン給電方式の円偏波パッチアンテナであり、カーナビゲーションなどへの使用例が多く、誘電体や磁性体からなる厚みが4〜5mm程度の上下に扁平な箱状の基体2の上面3に1辺15mm〜25mm程度の概略正方形の導体からなる放射電極10jが形成され、下面5にはGND電極6が面状に形成されている。そして、放射電極10jに給電するための金属製の給電ピン20jが、上面3の放射電極10jに接続されつつ、GND電極6が形成されている下面5側に挿通され、その先端がGND電極6と非接触となるように基体2の下面5から突出する。給電ピン20jは、通常、円偏波パッチアンテナ1jが実装される回路基板50に形成されたスルーホール51に挿入されるとともに、回路基板50においてアンテナ1jが実装される面52とは反対側の面53で半田54により回路基板50上に形成されている受信回路に接続される。それによって、回路基板50上の受信回路に受信したGPS信号が送出される。
【0007】
なお、この方式では、基体2や放射電極10jのサイズを一回り小さくしたものがPND用に使用されている。そして、ピン20jの位置によって、インピーダンス調整をしている。また、この円偏波パッチアンテナ1jは、円偏波にするために1つの対向するコーナー11を面取りし、この面取り部分を縮退分離素子12として、位相が90度ずれた2つの共振を起こすようになっている。
【0008】
このピン20jで給電する円偏波パッチアンテナ1jの入力インピーダンスは主に放射電極10jと給電ピン20jの相対位置で制御されるため、インピーダンス整合の適応範囲が広いという長所を有する。その一方で、給電ピン20jを回路基板50に差し込み、裏面53で半田接続するため、実装の自動化が困難であり、組立コストが高くなってしまうという欠点がある。また、給電ピン20jが基体2の下面5に突き出る構造であることから、より小型の機器で要求される高密度実装には適さない。
【0009】
図14に第2の給電方式に対応する一般的な円偏波パッチアンテナ1kの構造を示した。この円偏波パッチアンテナ1kは、上下に扁平な箱状で誘電体材料または磁性体材料からなる基体2の上面3に、略正方形の平面形状をなす放射電極10kが形成されている。そして、細線(マイクロストリップ)状の信号線(給電線)20の先端(給電電極)21kから放射電極10kに給電するものである。具対的には、放射電極10kの1辺13と給電電極21kとを離間させて対向配置してこれらの電極(10k,21k)間にギャップ30を設け、これらの電極(10k,21k)間の容量結合によって給電するタイプである。
【0010】
なお、放射電極10kの形状は、上記ピン20jによる給電方式を採用した円偏波パッチアンテナ1jと同様に略正方形の対向する二つのコーナー11に縮退分離素子12が設けられて、位相が90度ずれた二つの共振を起こすようになっている。先端が給電電極21kとなる給電線20は、略正方形の放射電極10の一辺13のほぼ中央から、当該正方形の外方へ直交して延長し、基体20の側面4を経由して下面5に至っている。
【0011】
GND電極6は、扁平箱状の基体2の上面3や側面4に設けられる場合もあるが、図示した例では、基体10の下面5のほぼ全面に設けられている。また、給電線20の基端22は、実装時に回路基板上の配線に接続されて給電点となる給電端子22であり、基体2の下面5には、この給電端子22が配設されている。なお、基体2の下面5において、GND電極6が給電線20と給電端子22の部分で短絡しないように、GND電極6と給電端子22との間にはギャップ31が設けられている。なお、これら放射電極10k、給電線20、およびGND電極6は、金・銀・銅・パラジウム・白金・銀白金・銀パラジウムなどの導体からなり、これら導体を印刷・めっき・エッチング・蒸着・塗布などによって形成することができる。
【0012】
もちろん、放射電極10kと給電電極21kとを直接接続した円偏波パッチアンテナも存在するが、等価回路上では、直列にR成分とL成分しか持たないため、インピーダンス整合の適応範囲が狭い。一方、上記第2の給電方式を採用した円偏波パッチアンテナ1kでは、給電電極21kの幅tや、ギャップ30の間隔Gを調整することで、入力インピーダンスを可変することができ、インピーダンス整合の適用範囲を広くすることができる。しかし、この第2の給電方式の円偏波パッチアンテナ1kは、上記ピン20jによる給電方式を採用した円偏波パッチアンテナ1jと比較すると、容量成分が付加された分だけ帯域幅が狭いという問題がある。なお、この第2の給電方式に対応する円偏波パッチアンテナ1kについては、以下の特許文献1などに記載されている。
【0013】
さらに、以下の特許文献2には、上述した第2の給電方式を採用しつつ、帯域幅を広くすることができる円偏波パッチアンテナについて記載されている。この特許文献2に記載された円偏波パッチアンテナ(従来例)の構造を図15に示した。この従来例に係る円偏波パッチアンテナ1Lは、上記第2の給電方式を採用した一般的な円偏波パッチアンテナ1kの改良形態であり、放射電極10Lの1辺13とギャップ30を介して直線状の導体21Lを配置し、この直線状導体(給電電極)21Lと細線状の給電線20が、それぞれT字の横棒と縦棒となるように接続されている。それによって、この従来例に係る円偏波パッチアンテナ1kは、実装容易性を確保しつつ、上記一般的な円偏波パッチアンテナ1jと比べて結合容量が大きく、帯域幅が広くなっている。
【特許文献1】特開平11−74721号公報
【特許文献2】特開2001−177314号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記従来例では、実装の自動化にも対応可能な容量結合による充電方式を採用しつつ、、帯域幅を広げる事にも成功している。しかしながら、電子機器にはさらなる小型・薄型化が求められ、これら機器に使用される円偏波パッチアンテナには、とくに一層の薄型化が求められている。そして、パッチアンテナの薄型化を達成するためには、基体を薄くすることが最も有効な方法である。
【0015】
しかし、基体を薄くすると、基体の表裏(上下面)における放射電極とGND電極とによる容量成分が大きくなり、容量結合においてアンダーカップリング傾向となり、入力インピーダンスにおける誘導性傾向が顕著となる。そして、インピーダンス整合のみならず位相・利得・軸比等の各特性を良好に保つことが困難となる。
【0016】
入力インピーダンスの誘導性を打ち消すためには、給電電極と放射電極との対向距離を小さくしてギャップを狭小化すればよいが、極端にギャップが狭いと、大量生産時において、そのギャップの形成精度を維持することが難しくなり、特性に個体差が生じる。放射電極と給電電極が短絡して不良品となる可能性もある。特に安価で大量生産に適したスクリーン印刷法や湿式エッチング法を用いたプロセスで各電極を形成する場合、ギャップの設計値が極端に狭いと歩留が極めて悪くなる。もちろん、板金成型による電極形成方法では極端に狭いギャップを安定して形成することは、さらに困難である。より高い精度で製造しようとすれば、製造設備や品質管理に掛かるコストが増加する。
【0017】
確かに、上記従来例では、直線状導体の長さを長くして結合容量を増加させることが可能であり、ギャップを狭小化しなくても入力インピーダンスの誘導性傾向を打ち消すことができる。しかし、アンテナの薄型化が進むにつれ、その直線状導体の両端を略正方形の放射電極のコーナー、すなわち強電界部付近にまで延伸せざるを得なくなる。そうなると、今度は、入力インピーダンスがオーバーカップリング傾向となり、特性が劇的に反転し、インピーダンスを整合させることが極めて困難となる。もちろん、利得や軸比等の特性も劣化してしまう。
【0018】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、容量結合による給電方式を採用した円偏波パッチアンテナにおいて、小型・薄型化と高性能化とをコストアップを伴わずに達成させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するための本発明は、誘電体材料または磁性体材料からなる上下に扁平な箱状の基体と、略正方形の平面形状を有して前記基体の上面に形成されている放射電極と、前記基体の下面に形成されているGND電極と、前記基体の上面に形成されて前記放射電極における前記略正方形の1辺とギャップを介して対向配置されている給電電極と、当該給電電極に給電するための給電線とを備えた円偏波パッチアンテナであって、前記給電線は、細線状で、基端に給電点となる給電端子が接続され、先端に前記給電電極が接続され、前記放射電極は、前記給電電極と前記ギャップを介して対向する前記1辺に、当該給電電極を取り囲む凹部が形成されている円偏波パッチアンテナとしている。
【0020】
前記凹部は、前記給電電極と前記ギャップを介して対向する前記1辺に形成された凸部の先端を略コの字型に切り欠いた形状となるように形成されていてもよい。
【0021】
前記給電電極と前記給電線が、それぞれ、T字の横棒と縦棒に対応する形状に形成され、当該T字の横棒が前記凹部の内側に前記ギャップを介して配置されている円偏波パッチアンテナとすることもできる。
【0022】
前記給電線の先端が櫛歯状となるように複数に枝分かれして前記給電電極が形成されているとともに、当該櫛歯の各先端が前記凹部の内側に前記ギャップを介して配置されている円偏波パッチアンテナとすることもできる。なお、前記櫛歯の各先端のそれぞれに対応して前記凹部が複数形成されていてもよい。
【0023】
上記何れかの円偏波パッチアンテナにおいて、前記基体の下面に形成されている前記GND電極は、平行する2本の細線状に当該基体の側面に延長するとともに、当該延長部分が前記基体側面にて前記給電線の少なくとも一部を挟持するように、当該給電線の延長方向の両側に平行して配置されていることとしてもよい。
【0024】
上記何れかの円偏波パッチアンテナにおいて、前記凹部の底辺を形成する全線分の長さが、前記放射電極の略正方形の4辺の長さの合計の1/8以下であれば、より特性にすぐれた円偏波パッチアンテナとすることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、高性能で、かつ小型で薄型の円偏波パッチアンテナを安価に提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の円偏波パッチアンテナは、ギャップを介して対向する給電端子と放射電極について、その対向形状を工夫することで、放射電極が弱電界集中領域で給電電極と密に結合するようにしている。それによって、基体を薄くした際に誘導性傾向やアンダーカップリング傾向となっても、容易に入力インピーダンスを整合させることができ、利得や軸比などの放射特性も良好に維持することを可能としている。以下に、本発明の実施例として、主に、上記給電電極と放射電極との対向形状が異なる円偏波パッチアンテナを挙げる。
【0027】
===第1の実施例===
図1に、本発明の第1の実施例における円偏波パッチアンテナ1aの電極構造を示した。(A)は、放射電極10aが形成されている基体2の上面3の平面図であり、(B)は、(A)における要部100aの拡大図である。当該実施例は、図14に示した一般的な円偏波パッチアンテナ1kと同様に、上下に扁平な箱状の基体2の上面3に、対角線上にある二つのコーナー11が面取りされて縮退分離素子12が形成された略正方形状の放射電極10aと、細線の先端を給電電極21aとする給電線20とが配設されており、給電電極21aは、放射電極10aの1辺13のほぼ中心にてギャップ30を介して当該1辺13と対向配置されている。また、基体2の裏面(図示せず)には、図14(B)に示した構造と同様に、給電端子22の形成領域を除くほぼ全面にGND電極6が形成されている。第1の実施例における以上の構造は、上記一般的な円偏波パッチアンテナ1kとほぼ同様である。
【0028】
しかし、第1の実施例では、図1(B)に拡大して示したように、細線状の給電線20の先端を給電電極21aとするとともに、放射電極10aには、ギャップ(図中、網点部分)30を介して給電電極21aを取り囲む凹部40が形成されている。なお、入力インピーダンスは、給電電極21aの幅tや凹部の深さd、給電電極21aの先端23と凹部40の底辺41との距離y1、および給電電極21aの両側側線24と凹部40の内側線42の距離(y2,y3)などを調整することで整合させればよい。
【0029】
このように、給電電極21aが放射電極10aに形成された凹部40により取り囲まれた構造により、給電電極21aの先端23と両側の線分24が、それぞれ凹部40の底部41、および内側両側の線分42とギャップ30を介して対向する。したがって、上記一般的な円偏波パッチアンテナ1kでは、給電線20の先端21kのみが容量結合に寄与していたのに対し、第1の実施例における円偏波パッチアンテナ1aでは、給電電極21aの両側側線24の線分も容量結合に寄与する。そのため、基体2を薄くした場合、給電電極21aと放射電極10aとの距離(y1〜y3)を小さくしてギャップ30を狭小化しなくても結合容量が増加し、アンダーカップリング傾向と誘導性傾向とを解消することができる。
【0030】
===第2の実施例===
図2に、本発明の第2の実施例における円偏波パッチアンテナ1bの電極構造を示した。(A)は、放射電極10bが形成されている基体2の上面3の平面図であり、(B)は、(A)における要部100bの拡大図である。当該実施例では、略正方形の放射電極10bの形成領域の外に凹部40を形成している。具体的には、給電電極21bと対向する1辺13に二つの突起43を形成し、この突起43が給電電極21bを両側からギャップ30を介して挟持している。すなわち、放射電極10bは、前記給電電極21bに対向する1辺13に凸部が設けられて、その凸部がコの字型に切り欠かれた形状となっている。そして、コの字の内側で凹部40が形成され、コの字の底辺41、すなわち凹部40の底辺41が放射電極10bの1辺13の一部となっている。そして、給電電極21bは、そのコの字の内側の3辺(41,42)によって取り囲まれている。
【0031】
第2の実施例では、凹部40を放射電極10bの略正方形の領域外に設けて、放射電極10bの面積を減らさずに給電電極21bと効率的に容量結合させる構造となっている。そのため、第1の実施例と比べると、より最適な整合状態が得られやすく、特性の劣化も少なくすることができる。
【0032】
===第3の実施例===
図3に、本発明の第3の実施例における円偏波パッチアンテナ1cの電極構造を示した。(A)は、放射電極10cが形成されている基体2の上面3の平面図であり、(B)は、(A)における要部100cの拡大図である。第3の実施例では、給電電極21cを単なる細線の先端部分とせず、給電線20をT字の縦棒として、当該給電線20の先端をT字状となるように左右に分岐させ、このT字の横棒部分を給電電極21cとしている。そして、この形状により、放射電極(10c,10d)の一辺13とT字の横棒かならなる給電電極21cとの間で容量結合するため、第1の実施例より結合容量が増加し、ギャップ30を狭くすることなく、円偏波パッチアンテナ1cを薄くすることができる。また、給電電極21cは、T字の横棒に対応する線分25cに加え、当該横棒の両端26cも凹部の内側線分(41,42)と容量結合するので、従来例1Lと比較して、T字の横棒25cの長さを延伸しなくても十分な結合容量が得られ、インピーダンスを容易に整合させることができる。
【0033】
この第3の実施例では、図4に示すように、上記円偏波パッチアンテナ10cと同じ形状の給電電極21dを採用しつつ、凹部40を第2の実施例のように、放射電極10dの略正方形の外形の外側に形成してもよい。
【0034】
===第4の実施例===
図5に、本発明の第4の実施例における円偏波パッチアンテナ1eの電極構造を示した。(A)は、放射電極10eが形成されている基体2の上面3の平面図であり、(B)は、(A)における要部100eの拡大図である。第4の実施例も、第3の実施例と同様に、結合容量の増加を図るために細線状の給電線20の先端を分岐させ、その分岐部分を給電電極21eとしている。そして、第4の実施例では、給電線20の先端を櫛歯状に分岐させている。なお、この第4の実施例も、図6に示した円偏波パッチアンテナ1fのように、給電電極21fの形状を変えず、凹部40を放射電極10fの略正方形の外形の外側に形成してもよい。
【0035】
===第5の実施例===
図7に、本発明の第5の実施例における円偏波パッチアンテナ1gの電極構造を示した。(A)は、放射電極10gが形成されている基体2の上面3の平面図であり、(B)は、(A)における要部100gの拡大図である。第5の実施例において、給電電極21gの形状は、第4の実施例と同様に櫛歯状となっている。しかし、当該実施例では、櫛歯状に複数に枝分かれした給電電極21gのそれぞれの先端25gを、個別の凹部40で取り囲むようにしている。それによって、給電電極21gの外側側線26gや各櫛歯の先端25gに加え、櫛歯の底27や内側の側線部分28が各凹部40の内側(41,42)や側壁の先端部分43と狭いギャップ30(図中、網点部分)を介して対向するようになり、結合容量をさらに増大させることができる。なお、この第5の実施例においても、図8に示した円偏波パッチアンテナ1hのように、同じ櫛歯状の給電電極21hを採用しつつ、凹部40を放射電極10hの外形をなす概略正方形の外側に形成した変形例がある。
【0036】
===第6の実施例===
図9に本発明の第6の実施例に係る円偏波パッチアンテナ1iの電極構造を示した。(A)は放射電極10iが形成されている基体2の上面3側から見た斜視図であり、(B)はGND電極6が形成されている下面4側から見た斜視図である。この第6の実施例では、基体2の下面4に形成されているGND電極5に2本の細線(GND端子)7が接続され、そのGND端子7が基体2の側面4に延長している。そして、給電線20の少なくとも一部がその2本のGND端子7によって挟持されている。この図では、基体2の側面4に形成されている給電線20の部分が挟持されている。もちろん、上面3にまでGND端子7が延長して給電電極21iとの接続部まで給電線20が挟持されていてもよい。なお、上面3の放射電極10iや給電電極21iは、上記1〜5の実施例における放射電極(10a〜10h)や給電電極(21a〜21h)の形状を採用することができる。ここでは、第3の実施例の変形例として示した円偏波パッチアンテナ1dと同じ形状のものを示した。
【0037】
この第6の実施例の円偏波パッチアンテナ1iでは、給電線20における給電電極21i以外の部分にも容量性リアクタンス成分を持たせることができるため、極めて広い帯域で、アンテナ1iの入力インピーダンスを整合させることができる。
【0038】
===凹部の最適寸法について===
上記第1〜第6の実施例における円偏波パッチアンテナ(1a〜1i)では、図15に示した従来例と比較して、特性を維持したまま、放射電極(10a〜10i)と給電電極(21a〜21i)とを極めて狭い領域に形成することができる。言い換えれば、放射電極(10a〜10i)の1辺13と給電電極(21a〜21i)との対向領域における凹部40のサイズを最適化すれば、薄型化を達成した上で極めて特性に優れた円偏波パッチアンテナ(1a〜1i)を得ることができる。そこで、本発明の実施例における円偏波パッチアンテナ(1a〜1i)について、放射電極(10a〜10i)の外形を形成する略正方形の全周に対する凹部40の底41の長さをパラメータとして特性を評価した。評価にあたっては、図9に示した構造の円偏波パッチアンテナ(本発明品)1iと、比較的特性に優れた図15に示した従来例の円偏波パッチアンテナ(従来品)1Lについて、右旋アンテナ利得と軸比の特性を比較した。
【0039】
図10(A)に、当該特性評価に際して採用した発明品1iの各部位のサイズを示した。また、同図(B)に従来品1Lにおける各部位のサイズを示した。発明品1iと従来品1Lは、放射電極(10i,10L)の外形をなす略正方形の全周をLとすると、L=2a+2bであり、当該評価においては、a=b=7mmとしている。また、放射電極(10i,10L)と給電電極(21i,21L)間の距離Gは0.5mmである。
【0040】
基体2は、上下に扁平で、上面3と下面5が略正方形の箱状であり、上面3と下面4における横の長さXと縦の長さYは、ともに12mmとなっている。そして、従来品1LのT字型の給電電極21Lの長さWは、放射電極10Lの1辺13の長さに等しい。すなわち、放射電極10Lの略正方形の各辺の長さa(=b=7mm)からコーナー11に形成された縮退分離素子12の部分を除いた長さとなっている。そして、発明品1iにおける放射電極10iの外周Lと凹部40の底41の幅Cとの比をパラメータとし、基体2の厚さ(図中、紙面奥行き方向)を1.5mm〜2.0mmとしたときの特性を評価した。なお、縮退分離素子12を放射電極(10i,10L)のコーナー11に設けた面取り部分で構成せず、略正方形の対角線延長方向に設けた突起によって構成する場合でも同様に略正方形の外形Lは、2a+2bとなる。
【0041】
上記発明品1iと図15に示した従来品1Lの右旋アンテナ利得特性と軸比特性を、それぞれ図11と図12に示した。これらの図より、発明品1iは、凹部40の底41の幅Cの値に寄らず、総じて従来品1Lより特性が優れていることが分かる。そして、C/L≦1/8で、著しい特性向上が認められた。すなわち、本発明の円偏波パッチアンテナは、凹部の底の幅を放射電極の外形をなす略正方形の4辺の長さの合計Lの1/8以下とすることで優れた特性が得られることが分かった。なお、上記第5の実施例の円偏波パッチアンテナ10gでは、複数の凹部40が形成されているが、この場合は、凹部40の底41の全線分の長さ、すなわち、各凹部40の底40の長さの合計値がCとなる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1の実施例における円偏波パッチアンテナの構造図である。
【図2】本発明の第2の実施例における円偏波パッチアンテナの構造図である。
【図3】本発明の第3の実施例における円偏波パッチアンテナの構造図である。
【図4】上記第3の実施例の円偏波パッチアンテナの変形例の構造図である。
【図5】本発明の第4の実施例における円偏波パッチアンテナの構造図である。
【図6】上記第4の実施例の円偏波パッチアンテナの変形例の構造図である。
【図7】本発明の第5の実施例における円偏波パッチアンテナの構造図である。
【図8】上記第5の実施例の円偏波パッチアンテナの変形例の構造図である。
【図9】本発明の第6の実施例における円偏波パッチアンテナの構造図である。
【図10】本発明の円偏波パッチアンテナと従来の円偏波パッチアンテナの各部位のサイズを示す図である。
【図11】本発明の円偏波パッチアンテナと従来の円偏波パッチアンテナの右旋アンテナ利得特性を示す図である。
【図12】本発明の円偏波パッチアンテナと従来の円偏波パッチアンテナの軸比特性を示す図である。
【図13】ピンによる給電方式を採用した一般的な円偏波パッチアンテナの構造図である。
【図14】容量結合による給電方式を採用した一般的な円偏波パッチアンテナの構造図である。
【図15】容量結合による給電方式を採用した従来の円偏波パッチアンテナの構造図である。
【符号の説明】
【0043】
1a〜1k、1L 円偏波パッチアンテナ
2 基体
3 基体上面
4 基体側面
5 基体下面
6 GND電極
7 GND端子
10a〜10k、10L 放射電極
12 縮退分離素子部
13 放射電極の1辺
20 給電線
21a〜21i、21k、21L 給電電極
22 給電端子
30 ギャップ
40 凹部
41 凹部の底辺
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、移動体通信、ローカル・エリア・ネットワーク、ITS、ETC、GPS等に使用する円偏波のパッチアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の適用例として、小型の電子機器に内蔵されるGPS信号の受信アンテナを挙げる。周知のごとく、GPS信号の受信アンテナは、GPS衛星から送信される円偏波の電磁波信号を受信するものであり、そのGPS信号は、船舶や自動車におけるナビゲーション装置が自身の位置情報を取得する用途に供される。そして、GPS信号の受信用アンテナの多くが右旋円偏波用である。
【0003】
ところで、近年では、船舶航行用のナビゲーション装置や車載のオーディオ機器などと一体化された組込型のカーナビゲーション装置に限らず、様々な機器、とくに携帯型の電子機器にGPSが利用され、これらの電子機器に搭載されるGPS受信用アンテナには、小型化が強く求められている。
【0004】
GPS受信用アンテナを小型にする一つの方法としては、例えば、GPS受信機能が搭載された携帯電話機のように、移動体通信事業者が提供するネットワークサービス(例えば、基地局を利用した三角測量など)と連携させて測位することで、右旋円偏波受信性能が低い代わりに小型化が容易な1/4波長タイプの直線偏波のチップアンテナをGPS受信用アンテナとして使用する方法がある。
【0005】
しかし、GPSは、従来の組込型のカーナビゲーション装置とは異なるPNDと呼ばれ着脱自在で携帯が可能なカーナビゲーション装置やPDAなどの電話機能のない携帯情報端末、ウルトラモバイルPCと呼ばれる超小型の可搬型コンピュータ、撮影場所の位置情報を記録できるディジタルカメラなど、多種多様な電子機器にまでその利用が拡大している。これらの機器は、普通、移動体通信網などの情報通信網を介したネットワークサービスとの連携は行わず、機器単体で測位する方式を採用している。そのため、これらの機器には、受信性能が高い右旋円偏波のアンテナを搭載することが望ましい。そして、本発明は、薄型化に適した右旋円偏波のアンテナを含む円偏波アンテナに関するものである。
【0006】
円偏波パッチアンテナには、その給電方式に応じて2つの方式がある。図13に、第1の給電方式に対応した円偏波パッチアンテナ1jの概略構造を示した。(A)は平面図であり、(B)は、回路基板に実装されているこの円偏波パッチアンテナ1jの側断面図である。この円偏波パッチアンテナ1jは、ピン給電方式の円偏波パッチアンテナであり、カーナビゲーションなどへの使用例が多く、誘電体や磁性体からなる厚みが4〜5mm程度の上下に扁平な箱状の基体2の上面3に1辺15mm〜25mm程度の概略正方形の導体からなる放射電極10jが形成され、下面5にはGND電極6が面状に形成されている。そして、放射電極10jに給電するための金属製の給電ピン20jが、上面3の放射電極10jに接続されつつ、GND電極6が形成されている下面5側に挿通され、その先端がGND電極6と非接触となるように基体2の下面5から突出する。給電ピン20jは、通常、円偏波パッチアンテナ1jが実装される回路基板50に形成されたスルーホール51に挿入されるとともに、回路基板50においてアンテナ1jが実装される面52とは反対側の面53で半田54により回路基板50上に形成されている受信回路に接続される。それによって、回路基板50上の受信回路に受信したGPS信号が送出される。
【0007】
なお、この方式では、基体2や放射電極10jのサイズを一回り小さくしたものがPND用に使用されている。そして、ピン20jの位置によって、インピーダンス調整をしている。また、この円偏波パッチアンテナ1jは、円偏波にするために1つの対向するコーナー11を面取りし、この面取り部分を縮退分離素子12として、位相が90度ずれた2つの共振を起こすようになっている。
【0008】
このピン20jで給電する円偏波パッチアンテナ1jの入力インピーダンスは主に放射電極10jと給電ピン20jの相対位置で制御されるため、インピーダンス整合の適応範囲が広いという長所を有する。その一方で、給電ピン20jを回路基板50に差し込み、裏面53で半田接続するため、実装の自動化が困難であり、組立コストが高くなってしまうという欠点がある。また、給電ピン20jが基体2の下面5に突き出る構造であることから、より小型の機器で要求される高密度実装には適さない。
【0009】
図14に第2の給電方式に対応する一般的な円偏波パッチアンテナ1kの構造を示した。この円偏波パッチアンテナ1kは、上下に扁平な箱状で誘電体材料または磁性体材料からなる基体2の上面3に、略正方形の平面形状をなす放射電極10kが形成されている。そして、細線(マイクロストリップ)状の信号線(給電線)20の先端(給電電極)21kから放射電極10kに給電するものである。具対的には、放射電極10kの1辺13と給電電極21kとを離間させて対向配置してこれらの電極(10k,21k)間にギャップ30を設け、これらの電極(10k,21k)間の容量結合によって給電するタイプである。
【0010】
なお、放射電極10kの形状は、上記ピン20jによる給電方式を採用した円偏波パッチアンテナ1jと同様に略正方形の対向する二つのコーナー11に縮退分離素子12が設けられて、位相が90度ずれた二つの共振を起こすようになっている。先端が給電電極21kとなる給電線20は、略正方形の放射電極10の一辺13のほぼ中央から、当該正方形の外方へ直交して延長し、基体20の側面4を経由して下面5に至っている。
【0011】
GND電極6は、扁平箱状の基体2の上面3や側面4に設けられる場合もあるが、図示した例では、基体10の下面5のほぼ全面に設けられている。また、給電線20の基端22は、実装時に回路基板上の配線に接続されて給電点となる給電端子22であり、基体2の下面5には、この給電端子22が配設されている。なお、基体2の下面5において、GND電極6が給電線20と給電端子22の部分で短絡しないように、GND電極6と給電端子22との間にはギャップ31が設けられている。なお、これら放射電極10k、給電線20、およびGND電極6は、金・銀・銅・パラジウム・白金・銀白金・銀パラジウムなどの導体からなり、これら導体を印刷・めっき・エッチング・蒸着・塗布などによって形成することができる。
【0012】
もちろん、放射電極10kと給電電極21kとを直接接続した円偏波パッチアンテナも存在するが、等価回路上では、直列にR成分とL成分しか持たないため、インピーダンス整合の適応範囲が狭い。一方、上記第2の給電方式を採用した円偏波パッチアンテナ1kでは、給電電極21kの幅tや、ギャップ30の間隔Gを調整することで、入力インピーダンスを可変することができ、インピーダンス整合の適用範囲を広くすることができる。しかし、この第2の給電方式の円偏波パッチアンテナ1kは、上記ピン20jによる給電方式を採用した円偏波パッチアンテナ1jと比較すると、容量成分が付加された分だけ帯域幅が狭いという問題がある。なお、この第2の給電方式に対応する円偏波パッチアンテナ1kについては、以下の特許文献1などに記載されている。
【0013】
さらに、以下の特許文献2には、上述した第2の給電方式を採用しつつ、帯域幅を広くすることができる円偏波パッチアンテナについて記載されている。この特許文献2に記載された円偏波パッチアンテナ(従来例)の構造を図15に示した。この従来例に係る円偏波パッチアンテナ1Lは、上記第2の給電方式を採用した一般的な円偏波パッチアンテナ1kの改良形態であり、放射電極10Lの1辺13とギャップ30を介して直線状の導体21Lを配置し、この直線状導体(給電電極)21Lと細線状の給電線20が、それぞれT字の横棒と縦棒となるように接続されている。それによって、この従来例に係る円偏波パッチアンテナ1kは、実装容易性を確保しつつ、上記一般的な円偏波パッチアンテナ1jと比べて結合容量が大きく、帯域幅が広くなっている。
【特許文献1】特開平11−74721号公報
【特許文献2】特開2001−177314号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記従来例では、実装の自動化にも対応可能な容量結合による充電方式を採用しつつ、、帯域幅を広げる事にも成功している。しかしながら、電子機器にはさらなる小型・薄型化が求められ、これら機器に使用される円偏波パッチアンテナには、とくに一層の薄型化が求められている。そして、パッチアンテナの薄型化を達成するためには、基体を薄くすることが最も有効な方法である。
【0015】
しかし、基体を薄くすると、基体の表裏(上下面)における放射電極とGND電極とによる容量成分が大きくなり、容量結合においてアンダーカップリング傾向となり、入力インピーダンスにおける誘導性傾向が顕著となる。そして、インピーダンス整合のみならず位相・利得・軸比等の各特性を良好に保つことが困難となる。
【0016】
入力インピーダンスの誘導性を打ち消すためには、給電電極と放射電極との対向距離を小さくしてギャップを狭小化すればよいが、極端にギャップが狭いと、大量生産時において、そのギャップの形成精度を維持することが難しくなり、特性に個体差が生じる。放射電極と給電電極が短絡して不良品となる可能性もある。特に安価で大量生産に適したスクリーン印刷法や湿式エッチング法を用いたプロセスで各電極を形成する場合、ギャップの設計値が極端に狭いと歩留が極めて悪くなる。もちろん、板金成型による電極形成方法では極端に狭いギャップを安定して形成することは、さらに困難である。より高い精度で製造しようとすれば、製造設備や品質管理に掛かるコストが増加する。
【0017】
確かに、上記従来例では、直線状導体の長さを長くして結合容量を増加させることが可能であり、ギャップを狭小化しなくても入力インピーダンスの誘導性傾向を打ち消すことができる。しかし、アンテナの薄型化が進むにつれ、その直線状導体の両端を略正方形の放射電極のコーナー、すなわち強電界部付近にまで延伸せざるを得なくなる。そうなると、今度は、入力インピーダンスがオーバーカップリング傾向となり、特性が劇的に反転し、インピーダンスを整合させることが極めて困難となる。もちろん、利得や軸比等の特性も劣化してしまう。
【0018】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、容量結合による給電方式を採用した円偏波パッチアンテナにおいて、小型・薄型化と高性能化とをコストアップを伴わずに達成させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するための本発明は、誘電体材料または磁性体材料からなる上下に扁平な箱状の基体と、略正方形の平面形状を有して前記基体の上面に形成されている放射電極と、前記基体の下面に形成されているGND電極と、前記基体の上面に形成されて前記放射電極における前記略正方形の1辺とギャップを介して対向配置されている給電電極と、当該給電電極に給電するための給電線とを備えた円偏波パッチアンテナであって、前記給電線は、細線状で、基端に給電点となる給電端子が接続され、先端に前記給電電極が接続され、前記放射電極は、前記給電電極と前記ギャップを介して対向する前記1辺に、当該給電電極を取り囲む凹部が形成されている円偏波パッチアンテナとしている。
【0020】
前記凹部は、前記給電電極と前記ギャップを介して対向する前記1辺に形成された凸部の先端を略コの字型に切り欠いた形状となるように形成されていてもよい。
【0021】
前記給電電極と前記給電線が、それぞれ、T字の横棒と縦棒に対応する形状に形成され、当該T字の横棒が前記凹部の内側に前記ギャップを介して配置されている円偏波パッチアンテナとすることもできる。
【0022】
前記給電線の先端が櫛歯状となるように複数に枝分かれして前記給電電極が形成されているとともに、当該櫛歯の各先端が前記凹部の内側に前記ギャップを介して配置されている円偏波パッチアンテナとすることもできる。なお、前記櫛歯の各先端のそれぞれに対応して前記凹部が複数形成されていてもよい。
【0023】
上記何れかの円偏波パッチアンテナにおいて、前記基体の下面に形成されている前記GND電極は、平行する2本の細線状に当該基体の側面に延長するとともに、当該延長部分が前記基体側面にて前記給電線の少なくとも一部を挟持するように、当該給電線の延長方向の両側に平行して配置されていることとしてもよい。
【0024】
上記何れかの円偏波パッチアンテナにおいて、前記凹部の底辺を形成する全線分の長さが、前記放射電極の略正方形の4辺の長さの合計の1/8以下であれば、より特性にすぐれた円偏波パッチアンテナとすることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、高性能で、かつ小型で薄型の円偏波パッチアンテナを安価に提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の円偏波パッチアンテナは、ギャップを介して対向する給電端子と放射電極について、その対向形状を工夫することで、放射電極が弱電界集中領域で給電電極と密に結合するようにしている。それによって、基体を薄くした際に誘導性傾向やアンダーカップリング傾向となっても、容易に入力インピーダンスを整合させることができ、利得や軸比などの放射特性も良好に維持することを可能としている。以下に、本発明の実施例として、主に、上記給電電極と放射電極との対向形状が異なる円偏波パッチアンテナを挙げる。
【0027】
===第1の実施例===
図1に、本発明の第1の実施例における円偏波パッチアンテナ1aの電極構造を示した。(A)は、放射電極10aが形成されている基体2の上面3の平面図であり、(B)は、(A)における要部100aの拡大図である。当該実施例は、図14に示した一般的な円偏波パッチアンテナ1kと同様に、上下に扁平な箱状の基体2の上面3に、対角線上にある二つのコーナー11が面取りされて縮退分離素子12が形成された略正方形状の放射電極10aと、細線の先端を給電電極21aとする給電線20とが配設されており、給電電極21aは、放射電極10aの1辺13のほぼ中心にてギャップ30を介して当該1辺13と対向配置されている。また、基体2の裏面(図示せず)には、図14(B)に示した構造と同様に、給電端子22の形成領域を除くほぼ全面にGND電極6が形成されている。第1の実施例における以上の構造は、上記一般的な円偏波パッチアンテナ1kとほぼ同様である。
【0028】
しかし、第1の実施例では、図1(B)に拡大して示したように、細線状の給電線20の先端を給電電極21aとするとともに、放射電極10aには、ギャップ(図中、網点部分)30を介して給電電極21aを取り囲む凹部40が形成されている。なお、入力インピーダンスは、給電電極21aの幅tや凹部の深さd、給電電極21aの先端23と凹部40の底辺41との距離y1、および給電電極21aの両側側線24と凹部40の内側線42の距離(y2,y3)などを調整することで整合させればよい。
【0029】
このように、給電電極21aが放射電極10aに形成された凹部40により取り囲まれた構造により、給電電極21aの先端23と両側の線分24が、それぞれ凹部40の底部41、および内側両側の線分42とギャップ30を介して対向する。したがって、上記一般的な円偏波パッチアンテナ1kでは、給電線20の先端21kのみが容量結合に寄与していたのに対し、第1の実施例における円偏波パッチアンテナ1aでは、給電電極21aの両側側線24の線分も容量結合に寄与する。そのため、基体2を薄くした場合、給電電極21aと放射電極10aとの距離(y1〜y3)を小さくしてギャップ30を狭小化しなくても結合容量が増加し、アンダーカップリング傾向と誘導性傾向とを解消することができる。
【0030】
===第2の実施例===
図2に、本発明の第2の実施例における円偏波パッチアンテナ1bの電極構造を示した。(A)は、放射電極10bが形成されている基体2の上面3の平面図であり、(B)は、(A)における要部100bの拡大図である。当該実施例では、略正方形の放射電極10bの形成領域の外に凹部40を形成している。具体的には、給電電極21bと対向する1辺13に二つの突起43を形成し、この突起43が給電電極21bを両側からギャップ30を介して挟持している。すなわち、放射電極10bは、前記給電電極21bに対向する1辺13に凸部が設けられて、その凸部がコの字型に切り欠かれた形状となっている。そして、コの字の内側で凹部40が形成され、コの字の底辺41、すなわち凹部40の底辺41が放射電極10bの1辺13の一部となっている。そして、給電電極21bは、そのコの字の内側の3辺(41,42)によって取り囲まれている。
【0031】
第2の実施例では、凹部40を放射電極10bの略正方形の領域外に設けて、放射電極10bの面積を減らさずに給電電極21bと効率的に容量結合させる構造となっている。そのため、第1の実施例と比べると、より最適な整合状態が得られやすく、特性の劣化も少なくすることができる。
【0032】
===第3の実施例===
図3に、本発明の第3の実施例における円偏波パッチアンテナ1cの電極構造を示した。(A)は、放射電極10cが形成されている基体2の上面3の平面図であり、(B)は、(A)における要部100cの拡大図である。第3の実施例では、給電電極21cを単なる細線の先端部分とせず、給電線20をT字の縦棒として、当該給電線20の先端をT字状となるように左右に分岐させ、このT字の横棒部分を給電電極21cとしている。そして、この形状により、放射電極(10c,10d)の一辺13とT字の横棒かならなる給電電極21cとの間で容量結合するため、第1の実施例より結合容量が増加し、ギャップ30を狭くすることなく、円偏波パッチアンテナ1cを薄くすることができる。また、給電電極21cは、T字の横棒に対応する線分25cに加え、当該横棒の両端26cも凹部の内側線分(41,42)と容量結合するので、従来例1Lと比較して、T字の横棒25cの長さを延伸しなくても十分な結合容量が得られ、インピーダンスを容易に整合させることができる。
【0033】
この第3の実施例では、図4に示すように、上記円偏波パッチアンテナ10cと同じ形状の給電電極21dを採用しつつ、凹部40を第2の実施例のように、放射電極10dの略正方形の外形の外側に形成してもよい。
【0034】
===第4の実施例===
図5に、本発明の第4の実施例における円偏波パッチアンテナ1eの電極構造を示した。(A)は、放射電極10eが形成されている基体2の上面3の平面図であり、(B)は、(A)における要部100eの拡大図である。第4の実施例も、第3の実施例と同様に、結合容量の増加を図るために細線状の給電線20の先端を分岐させ、その分岐部分を給電電極21eとしている。そして、第4の実施例では、給電線20の先端を櫛歯状に分岐させている。なお、この第4の実施例も、図6に示した円偏波パッチアンテナ1fのように、給電電極21fの形状を変えず、凹部40を放射電極10fの略正方形の外形の外側に形成してもよい。
【0035】
===第5の実施例===
図7に、本発明の第5の実施例における円偏波パッチアンテナ1gの電極構造を示した。(A)は、放射電極10gが形成されている基体2の上面3の平面図であり、(B)は、(A)における要部100gの拡大図である。第5の実施例において、給電電極21gの形状は、第4の実施例と同様に櫛歯状となっている。しかし、当該実施例では、櫛歯状に複数に枝分かれした給電電極21gのそれぞれの先端25gを、個別の凹部40で取り囲むようにしている。それによって、給電電極21gの外側側線26gや各櫛歯の先端25gに加え、櫛歯の底27や内側の側線部分28が各凹部40の内側(41,42)や側壁の先端部分43と狭いギャップ30(図中、網点部分)を介して対向するようになり、結合容量をさらに増大させることができる。なお、この第5の実施例においても、図8に示した円偏波パッチアンテナ1hのように、同じ櫛歯状の給電電極21hを採用しつつ、凹部40を放射電極10hの外形をなす概略正方形の外側に形成した変形例がある。
【0036】
===第6の実施例===
図9に本発明の第6の実施例に係る円偏波パッチアンテナ1iの電極構造を示した。(A)は放射電極10iが形成されている基体2の上面3側から見た斜視図であり、(B)はGND電極6が形成されている下面4側から見た斜視図である。この第6の実施例では、基体2の下面4に形成されているGND電極5に2本の細線(GND端子)7が接続され、そのGND端子7が基体2の側面4に延長している。そして、給電線20の少なくとも一部がその2本のGND端子7によって挟持されている。この図では、基体2の側面4に形成されている給電線20の部分が挟持されている。もちろん、上面3にまでGND端子7が延長して給電電極21iとの接続部まで給電線20が挟持されていてもよい。なお、上面3の放射電極10iや給電電極21iは、上記1〜5の実施例における放射電極(10a〜10h)や給電電極(21a〜21h)の形状を採用することができる。ここでは、第3の実施例の変形例として示した円偏波パッチアンテナ1dと同じ形状のものを示した。
【0037】
この第6の実施例の円偏波パッチアンテナ1iでは、給電線20における給電電極21i以外の部分にも容量性リアクタンス成分を持たせることができるため、極めて広い帯域で、アンテナ1iの入力インピーダンスを整合させることができる。
【0038】
===凹部の最適寸法について===
上記第1〜第6の実施例における円偏波パッチアンテナ(1a〜1i)では、図15に示した従来例と比較して、特性を維持したまま、放射電極(10a〜10i)と給電電極(21a〜21i)とを極めて狭い領域に形成することができる。言い換えれば、放射電極(10a〜10i)の1辺13と給電電極(21a〜21i)との対向領域における凹部40のサイズを最適化すれば、薄型化を達成した上で極めて特性に優れた円偏波パッチアンテナ(1a〜1i)を得ることができる。そこで、本発明の実施例における円偏波パッチアンテナ(1a〜1i)について、放射電極(10a〜10i)の外形を形成する略正方形の全周に対する凹部40の底41の長さをパラメータとして特性を評価した。評価にあたっては、図9に示した構造の円偏波パッチアンテナ(本発明品)1iと、比較的特性に優れた図15に示した従来例の円偏波パッチアンテナ(従来品)1Lについて、右旋アンテナ利得と軸比の特性を比較した。
【0039】
図10(A)に、当該特性評価に際して採用した発明品1iの各部位のサイズを示した。また、同図(B)に従来品1Lにおける各部位のサイズを示した。発明品1iと従来品1Lは、放射電極(10i,10L)の外形をなす略正方形の全周をLとすると、L=2a+2bであり、当該評価においては、a=b=7mmとしている。また、放射電極(10i,10L)と給電電極(21i,21L)間の距離Gは0.5mmである。
【0040】
基体2は、上下に扁平で、上面3と下面5が略正方形の箱状であり、上面3と下面4における横の長さXと縦の長さYは、ともに12mmとなっている。そして、従来品1LのT字型の給電電極21Lの長さWは、放射電極10Lの1辺13の長さに等しい。すなわち、放射電極10Lの略正方形の各辺の長さa(=b=7mm)からコーナー11に形成された縮退分離素子12の部分を除いた長さとなっている。そして、発明品1iにおける放射電極10iの外周Lと凹部40の底41の幅Cとの比をパラメータとし、基体2の厚さ(図中、紙面奥行き方向)を1.5mm〜2.0mmとしたときの特性を評価した。なお、縮退分離素子12を放射電極(10i,10L)のコーナー11に設けた面取り部分で構成せず、略正方形の対角線延長方向に設けた突起によって構成する場合でも同様に略正方形の外形Lは、2a+2bとなる。
【0041】
上記発明品1iと図15に示した従来品1Lの右旋アンテナ利得特性と軸比特性を、それぞれ図11と図12に示した。これらの図より、発明品1iは、凹部40の底41の幅Cの値に寄らず、総じて従来品1Lより特性が優れていることが分かる。そして、C/L≦1/8で、著しい特性向上が認められた。すなわち、本発明の円偏波パッチアンテナは、凹部の底の幅を放射電極の外形をなす略正方形の4辺の長さの合計Lの1/8以下とすることで優れた特性が得られることが分かった。なお、上記第5の実施例の円偏波パッチアンテナ10gでは、複数の凹部40が形成されているが、この場合は、凹部40の底41の全線分の長さ、すなわち、各凹部40の底40の長さの合計値がCとなる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1の実施例における円偏波パッチアンテナの構造図である。
【図2】本発明の第2の実施例における円偏波パッチアンテナの構造図である。
【図3】本発明の第3の実施例における円偏波パッチアンテナの構造図である。
【図4】上記第3の実施例の円偏波パッチアンテナの変形例の構造図である。
【図5】本発明の第4の実施例における円偏波パッチアンテナの構造図である。
【図6】上記第4の実施例の円偏波パッチアンテナの変形例の構造図である。
【図7】本発明の第5の実施例における円偏波パッチアンテナの構造図である。
【図8】上記第5の実施例の円偏波パッチアンテナの変形例の構造図である。
【図9】本発明の第6の実施例における円偏波パッチアンテナの構造図である。
【図10】本発明の円偏波パッチアンテナと従来の円偏波パッチアンテナの各部位のサイズを示す図である。
【図11】本発明の円偏波パッチアンテナと従来の円偏波パッチアンテナの右旋アンテナ利得特性を示す図である。
【図12】本発明の円偏波パッチアンテナと従来の円偏波パッチアンテナの軸比特性を示す図である。
【図13】ピンによる給電方式を採用した一般的な円偏波パッチアンテナの構造図である。
【図14】容量結合による給電方式を採用した一般的な円偏波パッチアンテナの構造図である。
【図15】容量結合による給電方式を採用した従来の円偏波パッチアンテナの構造図である。
【符号の説明】
【0043】
1a〜1k、1L 円偏波パッチアンテナ
2 基体
3 基体上面
4 基体側面
5 基体下面
6 GND電極
7 GND端子
10a〜10k、10L 放射電極
12 縮退分離素子部
13 放射電極の1辺
20 給電線
21a〜21i、21k、21L 給電電極
22 給電端子
30 ギャップ
40 凹部
41 凹部の底辺
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体材料または磁性体材料からなる上下に扁平な箱状の基体と、略正方形の平面形状を有して前記基体の上面に形成されている放射電極と、前記基体の下面に形成されているGND電極と、前記基体の上面に形成されて前記放射電極における前記略正方形の1辺とギャップを介して対向配置されている給電電極と、当該給電電極に給電するための給電線とを備えた円偏波パッチアンテナであって、
前記給電線は、細線状で、基端に給電点となる給電端子が接続され、先端に前記給電電極が接続され、
前記放射電極は、前記給電電極と前記ギャップを介して対向する前記1辺に、当該給電電極を取り囲む凹部が形成されている
ことを特徴とする円偏波パッチアンテナ
【請求項2】
前記凹部は、前記給電電極と前記ギャップを介して対向する前記1辺に形成された凸部の先端を略コの字型に切り欠いた形状となるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の円偏波パッチアンテナ。
【請求項3】
前記給電電極と前記給電線は、それぞれ、T字の横棒と縦棒に対応する形状に形成され、当該T字の横棒が前記凹部の内側に前記ギャップを介して配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の円偏波パッチアンテナ。
【請求項4】
前記給電線の先端が櫛歯状となるように複数に枝分かれして前記給電電極が形成されているとともに、当該櫛歯の各先端が前記凹部の内側に前記ギャップを介して配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の円偏波パッチアンテナ。
【請求項5】
前記櫛歯の各先端のそれぞれに対応して前記凹部が複数形成されていることを特徴とする請求項4に記載の円偏波パッチアンテナ。
【請求項6】
前記基体の下面に形成されている前記GND電極は、平行する2本の細線状に当該基体の側面に延長するとともに、当該延長部分が前記基体側面にて前記給電線の少なくとも一部を挟持するように、当該給電線の延長方向の両側に平行して配置されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載円偏波パッチアンテナ。
【請求項7】
前記凹部の底辺を形成する全線分の長さは、前記放射電極の略正方形の4辺の長さの合計の1/8以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の円偏波パッチアンテナ。
【請求項1】
誘電体材料または磁性体材料からなる上下に扁平な箱状の基体と、略正方形の平面形状を有して前記基体の上面に形成されている放射電極と、前記基体の下面に形成されているGND電極と、前記基体の上面に形成されて前記放射電極における前記略正方形の1辺とギャップを介して対向配置されている給電電極と、当該給電電極に給電するための給電線とを備えた円偏波パッチアンテナであって、
前記給電線は、細線状で、基端に給電点となる給電端子が接続され、先端に前記給電電極が接続され、
前記放射電極は、前記給電電極と前記ギャップを介して対向する前記1辺に、当該給電電極を取り囲む凹部が形成されている
ことを特徴とする円偏波パッチアンテナ
【請求項2】
前記凹部は、前記給電電極と前記ギャップを介して対向する前記1辺に形成された凸部の先端を略コの字型に切り欠いた形状となるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の円偏波パッチアンテナ。
【請求項3】
前記給電電極と前記給電線は、それぞれ、T字の横棒と縦棒に対応する形状に形成され、当該T字の横棒が前記凹部の内側に前記ギャップを介して配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の円偏波パッチアンテナ。
【請求項4】
前記給電線の先端が櫛歯状となるように複数に枝分かれして前記給電電極が形成されているとともに、当該櫛歯の各先端が前記凹部の内側に前記ギャップを介して配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の円偏波パッチアンテナ。
【請求項5】
前記櫛歯の各先端のそれぞれに対応して前記凹部が複数形成されていることを特徴とする請求項4に記載の円偏波パッチアンテナ。
【請求項6】
前記基体の下面に形成されている前記GND電極は、平行する2本の細線状に当該基体の側面に延長するとともに、当該延長部分が前記基体側面にて前記給電線の少なくとも一部を挟持するように、当該給電線の延長方向の両側に平行して配置されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載円偏波パッチアンテナ。
【請求項7】
前記凹部の底辺を形成する全線分の長さは、前記放射電極の略正方形の4辺の長さの合計の1/8以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の円偏波パッチアンテナ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−136296(P2010−136296A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−312605(P2008−312605)
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【出願人】(000237721)FDK株式会社 (449)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【出願人】(000237721)FDK株式会社 (449)
【Fターム(参考)】
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