説明

円盤状ワークの周面研磨方法、及び両面研磨機用キャリヤ

【課題】円盤状ワーク1の外周面を正確かつ高能率に研磨することができる円盤状ワークの周面研磨方法と、同法に使用可能な両面研磨機用キャリヤ4を提供すること。
【解決手段】複数の円盤状ワーク1を積層一体化した積層円柱体3を準備する準備工程と、積層円柱体3をその軸心Aを水平にして上定盤6と下定盤7との間に挟み、その外周面31を研磨する研磨工程と、周面研磨した積層円柱体3を複数の円盤状ワーク1に分離する分離工程とを含み、研磨工程において、キャリヤ4により、積層円柱体3をその軸心A方向を下定盤7の回転接線方向T7に対し斜め(角度α)にした姿勢を保って軸心A回りに回転自在に保持させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円盤状ワークの周面研磨方法と、同法に使用可能な両面研磨機用キャリヤに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子電気機器の小型化、軽量化が一層進められ、例えば撮像素子用カバーガラス等において更なる薄板化、小径化が求められている。一方、磁気ディスク用基板として、アルミニウム基板に代えて、絶縁性、化学耐久性、強度等に優れたガラス基板や結晶化ガラス基板を使用することが行われている。
【0003】
従来、ガラス、結晶化ガラス、セラミックス等の脆性材料から成る円盤状ワークの外周面を研磨する周面研磨装置としては、多数枚の円盤状ワークを積層して得た積層円柱体の外周面を、積層円柱体の軸心と平行な軸回りに回転する研磨ブラシで研磨するものが知られている(例えば、下記特許文献1、2)。この周面研磨装置を用いて脆性材料から成る円盤状ワークの外周面を研磨することによって、ワーク外周部の欠け、割れ等を抑制し、さらにこれら欠け等に起因するワーク主面への異物の付着を防いでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−28649号公報
【特許文献2】特開2006−263879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来の周面研磨装置は、円盤状ワークを積層して得た積層円柱体の外周面を研磨ブラシで研磨していたため、円盤状ワークが小径になるほど、研磨時に、積層円柱体が軸方向において撓み易くなり、外周面を均等に研磨できず、各円盤状ワークの周面研磨にバラつきが生じる難点があった。したがって、従来では、円盤状ワークの小径化を進めるほど、研磨スピードを落とさざるを得ず、作業能率が大幅に低下する問題があった。
【0006】
本発明は、従来の周面研磨装置に上記のような問題があったことに鑑みて為されたもので、円盤状ワークの外周面を正確かつ高能率に研磨することができる円盤状ワークの周面研磨方法と、この周面研磨方法に使用可能な両面研磨機用キャリヤを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、互いの対向面にそれぞれ研磨パッドを貼設した上下一対の上定盤と下定盤との間に、キャリヤで保持したワークを挟み、研磨材を供給しながら該上定盤及び該下定盤を互いに逆回転させて該ワークを研磨する研磨方法であって、
複数の円盤状ワークを積層一体化した積層円柱体を準備する準備工程と、前記積層円柱体を、該積層円柱体の軸心を前記上定盤及び前記下定盤の対向面と平行にして該上定盤と該下定盤との間に挟み、該積層円柱体の外周面を研磨する研磨工程と、前記研磨工程により外周面を研磨した前記積層円柱体を複数の円盤状ワークに分離する分離工程と、を含み、前記研磨工程において、前記キャリヤにより、前記積層円柱体を、該積層円柱体の軸心方向を前記上定盤及び前記下定盤の回転接線方向に対し斜めにした姿勢を保って該軸心回りに回転自在に保持したことを特徴としている。
【0008】
また、本発明は、前記準備工程が、複数の板材を積層一体化して積層板状体を形成する積層工程と、前記積層板状体を円柱形状に切削加工して前記積層円柱体を形成する切削工程と、を含むことを特徴としている。
【0009】
また、本発明は、前記積層円柱体の両端部がダミーから成ることを特徴としている。
【0010】
また、本発明は、互いの対向面にそれぞれ研磨パッドを貼設した上下一対の上定盤と下定盤との間に、キャリヤで保持したワークを挟み、研磨材を供給しながら該上定盤及び該下定盤を互いに逆回転させて該ワークを研磨する両面研磨機に用いるキャリヤであって、
円環板状のキャリア本体と、前記キャリア本体に開設され、複数の円盤状ワークを積層一体化した積層円柱体を、該積層円柱体の軸心を該キャリア本体の板面と平行にして該軸心回りに回転自在に保持可能なワーク保持孔と、前記キャリア本体に設けられ、前記両面研磨機の太陽歯車または該太陽歯車を取り囲む内歯車に固定可能な固定歯部と、を備え、前記ワーク保持孔は、前記積層円柱体の外周面を支える一対の外周面側孔壁部と、該積層円柱体の端面を支える一対の端面側孔壁部とから構成され、該外周面側孔壁部が、前記キャリヤ本体の円周接線方向に対し斜めに形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る円盤状ワークの周面研磨方法によれば、複数の円盤状ワークを積層一体化した積層円柱体を、その軸心を上定盤及び下定盤の対向面と平行にして上定盤と下定盤との間に挟み、上定盤及び下定盤を互いに逆回転させて積層円柱体の外周面を研磨するので、たとえ円盤状ワークが小径化しても、研磨時に積層円柱体が撓み変形等するようなこともなく、積層円柱体の外周面を均等に研磨でき、各円盤状ワークの周面研磨をバラつきなく高能率に行うことができる。
【0012】
しかも、キャリヤによって、積層円柱体を、その軸心方向を上定盤及び下定盤の回転接線方向に対し斜めにした姿勢を保って軸心回りに回転自在に保持しながら研磨するので、研磨時に、積層円柱体を軸心回りに連続的に従動回転させることができ、積層円柱体の外周面全体を均等に研磨することができる。
【0013】
また、積層円柱体の両端部をダミーにより構成すれば、積層円柱体の中程部の各円盤状ワークの周面研磨をより均等に行うことができる。
【0014】
また、キャリヤのキャリア本体に、両面研磨機の太陽歯車またはこの太陽歯車を取り囲む内歯車に固定可能な固定歯部を設ければ、既存の両面研磨機にキャリヤを装着して円盤状ワークの周面研磨方法を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態の円盤状ワークの周面研磨方法の準備工程を説明する概略斜視図である。
【図2】本実施形態のキャリヤの平面図である。
【図3】本実施形態の円盤状ワークの周面研磨方法の研磨工程を説明する概略平面図である。
【図4】本実施形態の円盤状ワークの周面研磨方法の研磨工程時に積層円柱体に働く摩擦力を説明する概略平面図である。
【図5】本実施形態の円盤状ワークの周面研磨方法の研磨工程時に積層円柱体に働く摩擦力を説明する(a)軸心A方向の断面図と、(b)軸心Aに垂直な方向の断面図である。
【図6】本実施形態の円盤状ワークの周面研磨方法の分離工程を説明する概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本実施形態の円盤状ワークの周面研磨方法は、図1〜図6に示すように、周面研磨すべき複数の円盤状ワーク1・1...を積層一体化した積層円柱体3を準備する準備工程と、この積層円柱体3をキャリヤ4で保持しながら両面研磨機5の上定盤6と下定盤7との間に挟み、積層円柱体3の外周面31を研磨する研磨工程と、周面研磨した積層円柱体3を複数の円盤状ワーク1・1...に分離する分離工程と、から構成されている。
【0017】
準備工程は、複数の円盤状ワーク1同士をワックス等の凝固剤を用いて円柱形状に積層した積層円柱体3を形成することにより行う。本実施形態では、円盤状ワーク1と同一材料から成り、厚みのみ異なる円盤状ダミー2が複数の円盤状ワーク1と共に積層一体化されており、積層円柱体3の両端部は、円盤状ダミー2から構成されている。ワックスとしては、ポリ酢酸ビニル等を使用することができる。
【0018】
また、本実施形態の準備工程は、図1に示すように、複数の矩形板材10と複数の矩形ダミー板材20を積層一体化して積層板状体30を形成する積層工程と、この積層板状体30を円柱形状に切削加工して積層円柱体3を形成する切削工程とから構成されている。本実施形態では、厚み0.05mmのガラス薄板材から成る計20枚の矩形板材10と、厚み5.0mmのガラス板材から成る計2枚の矩形ダミー板材20とを凝固剤で積層一体化することにより、厚み約11mmの積層板状体30を形成し、次いで、コアリングカッター40を用いて直径7.1mm(研磨しろ0.1mm)の積層円柱体3をくり抜き加工している。このことで、複数の積層円柱体3を効率的に得ることができる。なお、円盤状ワーク1を一枚ずつ形成し、その後、複数枚の円盤状ワーク1を積層一体化して積層円柱体3を得ることもできる。円盤状ワーク1の厚み、積層枚数、円盤状ダミー2の厚み等については種々の設計変更が可能である。
【0019】
研磨工程は、図2〜図5に示すように、キャリヤ4により、積層円柱体3をその軸心Aを両面研磨機5の上定盤6及び下定盤7の対向面と平行にした水平姿勢で保持し、この積層円柱体3の外周面31を上定盤6と下定盤7とで挟むことにより行う。
【0020】
両面研磨機5は、互いの対向面にそれぞれ研磨パッドを貼設した上下一対の上定盤6と下定盤7との間にワークを挟み、スラリー状の研磨材を供給しながら上定盤6及び下定盤7を互いに逆回転させることによりワークを両面研磨するものであり、本実施形態では、従来公知の両面研磨機を使用している。この両面研磨機5は、下定盤7の内側に、下定盤7とは独立に回転運動する太陽歯車52が配設され、下定盤7の外側には、太陽歯車52を取り囲むように、下定盤7とは独立に回転運動する内歯車51が配設されている。
【0021】
キャリヤ4は、図2及び図3に示すように、中央に円孔41を有する円環板状のキャリア本体42と、このキャリア本体42に開設され、積層円柱体3を、その軸心Aをキャリア本体42の板面421と平行にして軸心A周りに回転自在に保持する複数のワーク保持孔43と、キャリア本体42の外周全体に亘って設けられた固定歯部44と、から構成されている。
【0022】
キャリア本体42は、塩化ビニル樹脂製の厚み5mmの円環板材から形成されており、キャリア本体42の外周寄りに、計12個の矩形のワーク保持孔43が互いに等間隔に、キャリア本体42の上下面を真直ぐ貫通して開設されている。
【0023】
各ワーク保持孔43は、積層円柱体3の外周面31を支えるための一対の外周面側孔壁部431と、積層円柱体3の端面32を支えるための一対の端面側孔壁部432と、から構成されており、外周面側孔壁部431同士及び端面側孔壁部432同士は互いに平行に対向し、外周面側孔壁部431と端面側孔壁部432とは直交している。そして、外周面側孔壁部431は、キャリヤ本体42の円周接線方向T4に対し斜め(角度α)に形成されている。本実施形態では、角度αを30度としている。
【0024】
本実施形態の研磨工程は、具体的に次の手順により行う。
【0025】
まず、両面研磨機5の上定盤6を下定盤7に対して上昇させた状態で、図3に示すように、キャリヤ4の固定歯部44を両面研磨機5の内歯車51の全周に噛合させることによって、キャリヤ4を両面研磨機5の内歯車51に固定する。このとき、キャリヤ4の内周部(円孔41の孔縁部)と両面研磨機5の太陽歯車52との間に隙間があり、キャリヤ4は太陽歯車52には固定されない。
【0026】
次いで、キャリヤ4の各ワーク保持孔43内に積層円柱体3を収容する。このことで、積層円柱体3を、その軸心Aを下定盤7の対向面と平行に、かつ、下定盤7の回転接線方向T7に対し斜め(角度α;30度)にした姿勢で保持する。ワーク保持孔43内において、積層円柱体3とワーク保持孔43の外周面側孔壁部431及び端面側孔壁部432との間には若干の隙間があり、積層円柱体3は、ワーク保持孔43によりその軸心A回りに回転自在に保持される。
【0027】
なお、本実施形態では、一つのワーク保持孔43内に二つの積層円柱体3を縦列させて収容しているが、例えば、一つのワーク保持孔43内に一つの積層円柱体3を収容してもよい。ワーク保持孔43のサイズ等は、周面研磨すべき円盤状ワーク1及び積層円柱体3の直径、厚み、配列等を考慮して種々の設計変更が可能である。
【0028】
次いで、両面研磨機5の上定盤6を下定盤7に対して下降させることにより、図4及び図5に示すように、ワーク保持孔43内の積層円柱体3の外周面31を、上定盤6及び下定盤7とで挟む。そして、研磨材を供給しながら上定盤6及び下定盤7を互いに逆回転させることにより積層円柱体3の外周面31を研磨する。
【0029】
このとき、各積層円柱体3には、図4に示すように、下定盤7の回転移動R7によって、下定盤7の回転接線方向T7に摩擦力F7が働き、積層円柱体3の軸心A方向及び周方向にそれぞれ、その分力F7a及び分力F7hが働くことになり、同時に、上定盤6の回転移動R6によって、上定盤6の回転接線方向T6に摩擦力F6が働き、積層円柱体3の軸心A方向及び周方向にそれぞれ、その分力F6a及び分力F6hが働くことになる。このことで、図5(a)に示すように、積層円柱体3の外周面31が、分力F7a及び分力F6aにより下定盤7及び上定盤6との線接触部で研磨されると同時に、図5(b)に示すように、積層円柱体3自体が、分力F7h及びF6hによりその軸心A回りに従動回転することになり、積層円柱体3の外周面31全体が均等に研磨される。
【0030】
また、本実施形態では、研磨工程時に、図3に示すように、両面研磨機5の内歯車51を下定盤7の回転移動R7と同方向に、下定盤7より小さい速度で回転させてキャリヤ4を回転させる。このキャリヤ4の回転移動R4によって、各積層円柱体3自体を移動させることができ、より均等な研磨が可能となる。なお、必要に応じて、キャリヤ4を回転させなくてもよい。
【0031】
分離工程は、図6に示すように、積層円柱体3を一体化しているワックス等の凝固剤を液状化させることにより行う。本実施形態では、周面研磨した積層円柱体3を、凝固剤が液状化する温度に保った雰囲気に入れることによって、複数の円盤状ワーク1に分離している。そして、分離した各円盤状ワーク1を洗浄、乾燥処理する。こうして、周面が研磨された複数の円盤状ワーク1を得ることができる。
【0032】
このように本実施形態の円盤状ワークの周面研磨方法によれば、複数の円盤状ワーク1を積層一体化した積層円柱体3を、その軸心Aを上定盤6及び下定盤7の対向面と平行にして上定盤6と下定盤7との間に挟み、上定盤6及び下定盤7を互いに逆回転させて積層円柱体3の外周面31を研磨するので、たとえ円盤状ワーク1が小径化しても、研磨時に積層円柱体3が撓み変形等するようなこともなく、積層円柱体3の外周面を均等に研磨でき、各円盤状ワーク1の周面研磨をバラつきなく高能率に行うことができる。
【0033】
しかも、キャリヤ4によって、積層円柱体3を、その軸心A方向を上定盤6及び下定盤7の回転接線方向(T6、T7)に対し斜めにした姿勢を保って軸心A回りに回転自在に保持しながら研磨するので、研磨時に、積層円柱体3を軸心A回りに連続的に従動回転させることができ、積層円柱体3の外周面31全体を均等に研磨することができる。
【0034】
また、本実施形態の円盤状ワークの周面研磨方法によれば、積層円柱体3の両端部を円盤状ダミー2により構成しているので、積層円柱体3の中程部の各円盤状ワーク1の周面研磨をより均等に行うことができる。また、円盤状ダミー2によって、ワーク保持孔43内での積層円柱体3の姿勢の安定性を向上させることができる。
【0035】
また、本実施形態のキャリヤ4は、円環板状のキャリア本体42の外周に、両面研磨機5の内歯車51に固定可能な固定歯部44を設けているので、既存の両面研磨機5にキャリヤ4を装着して円盤状ワークの周面研磨方法を実施することができる。
【0036】
以上、本実施形態の円盤状ワークの周面研磨方法について説明したが、本発明は他の実施形態でも実施することができる。
【0037】
例えば、上記実施形態では、積層円柱体3の両端部を円盤状ダミー2により構成しているが、複数枚の円盤状ワーク1だけを積層一体化して積層円柱体3を形成してもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、キャリヤ4のワーク保持孔43の外周面側孔壁部431を、キャリヤ本体42の円周接線方向T4に対し角度α(30度)で斜めに形成しているが、この傾斜角度αは、例えば研磨時に働く積層円柱体3の軸心A方向及び周方向の摩擦分力を考慮して種々の設計変更が可能である。
【0039】
また、上記実施形態では、キャリヤ4のワーク保持孔43の外周面側孔壁部431を、下定盤7の回転上流側へ向かって下定盤7の内側へ傾斜させているが、本発明はこれに限定されるものではなく、下定盤7の外側へ傾斜させてもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、キャリヤ4のキャリア本体42の外周に、両面研磨機5の内歯車51に固定可能な固定歯部44を設けているが、キャリア本体42の内周にのみ、両面研磨機5の太陽歯車52に固定可能な固定歯部を設けてもよい。
【0041】
また、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づいて種々の改良、修正、変形を加えた態様で実施し得る。同一の作用又は効果が生じる範囲内でいずれかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良く、また、一体に構成されている発明特定事項を複数の部材から構成したり、複数の部材から構成されている発明特定事項を一体に構成した形態で実施してもよい。
【符号の説明】
【0042】
10 板材
20 ダミー板材
30 積層板状体
1 円盤状ワーク
2 ダミー
3 積層円柱体
31 外周面
32 端面
4 キャリヤ
41 円孔
42 キャリヤ本体
43 ワーク保持孔
431 外周面側孔壁部
432 端面側孔壁部
44 固定歯部
5 両面研磨機
51 内歯車
52 太陽歯車
6 上定盤
7 下定盤
A 積層円柱体の軸心
T4 キャリヤ本体の円周接線方向
T6 上定盤の回転接線方向
T7 下定盤の回転接線方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いの対向面にそれぞれ研磨パッドを貼設した上下一対の上定盤と下定盤との間に、キャリヤで保持したワークを挟み、研磨材を供給しながら該上定盤及び該下定盤を互いに逆回転させて該ワークを研磨する研磨方法であって、
複数の円盤状ワークを積層一体化した積層円柱体を準備する準備工程と、
前記積層円柱体を、該積層円柱体の軸心を前記上定盤及び前記下定盤の対向面と平行にして該上定盤と該下定盤との間に挟み、該積層円柱体の外周面を研磨する研磨工程と、
前記研磨工程により外周面を研磨した前記積層円柱体を複数の円盤状ワークに分離する分離工程と、を含み、
前記研磨工程において、
前記キャリヤにより、前記積層円柱体を、該積層円柱体の軸心方向を前記上定盤及び前記下定盤の回転接線方向に対し斜めにした姿勢を保って該軸心回りに回転自在に保持したことを特徴とする円盤状ワークの周面研磨方法。
【請求項2】
前記準備工程が、
複数の板材を積層一体化して積層板状体を形成する積層工程と、
前記積層板状体を円柱形状に切削加工して前記積層円柱体を形成する切削工程と、
を含む請求項1に記載の円盤状ワークの周面研磨方法。
【請求項3】
前記積層円柱体の両端部がダミーから成る請求項1または請求項2に記載の円盤状ワークの周面研磨方法。
【請求項4】
互いの対向面にそれぞれ研磨パッドを貼設した上下一対の上定盤と下定盤との間に、キャリヤで保持したワークを挟み、研磨材を供給しながら該上定盤及び該下定盤を互いに逆回転させて該ワークを研磨する両面研磨機に用いるキャリヤであって、
円環板状のキャリア本体と、
前記キャリア本体に開設され、複数の円盤状ワークを積層一体化した積層円柱体を、該積層円柱体の軸心を該キャリア本体の板面と平行にして該軸心回りに回転自在に保持可能なワーク保持孔と、
前記キャリア本体に設けられ、前記両面研磨機の太陽歯車または該太陽歯車を取り囲む内歯車に固定可能な固定歯部と、を備え、
前記ワーク保持孔は、前記積層円柱体の外周面を支える一対の外周面側孔壁部と、該積層円柱体の端面を支える一対の端面側孔壁部とから構成され、該外周面側孔壁部が、前記キャリヤ本体の円周接線方向に対し斜めに形成されていることを特徴とする両面研磨機用キャリヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−864(P2013−864A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136882(P2011−136882)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000232243)日本電気硝子株式会社 (1,447)
【Fターム(参考)】