説明

円筒体用支持装置

【課題】 中空な円筒体の変形を防止することによりディンギングの発生を抑制するとともに、円筒体を回転可能に支持することができる円筒体用支持装置を提供する。
【解決手段】 中心軸線C方向が略水平方向に沿うように配置された円筒体3と、円筒体3を下方から中心軸線C周りに回転可能に支持する支持手段17と、円筒体3に対して水平方向に働く押圧力を円筒体3に付与する押圧手段19と、が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒体用支持装置、特に蒸気発生器などの円筒状容器を回転可能に支持する支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、原子力発電に用いられる蒸気発生器801の製作工程では、図16に示すように、蒸気発生容器3を横にした状態で内部に伝熱管805や管支持板807等の部品を組み込む作業が行われる。これらの作業を行う工程のいくつかでは、蒸気発生容器3を長手軸線周りに回転させながら作業が行われることから、円筒状の蒸気発生容器3を回転可能に支持する支持装置が用いられている。
【0003】
このような円筒体を回転可能に支持する装置は、蒸気発生容器3を支持する支持装置に限られることなく、種々の支持装置が提案されている(例えば、特許文献1および2参照。)。
【特許文献1】実開昭61−172991号公報
【特許文献2】特開2003−057388号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1に記載の支持装置および特許文献2に記載の反転装置は、複数の支持ローラやターニングローラなどのローラ817を用いて、円筒体を下方から回転可能に支持するものであるため、蒸気発生容器3のように内部が中空の円筒体を支持すると、円筒体が変形する恐れがあった。つまり、円筒体の断面が、図17に示すように、円筒体の自重により円から楕円に変形する恐れがあった。
【0005】
上述の蒸気発生器801の製作工程では、蒸気発生容器3内に伝熱管805や管支持板807を組み込んだ後に、伝熱管805と管支持板807とが接触して伝熱管805に傷が付く現象(以下、ディンギング(Dinging)と表記する。)が起きることが知られている。
ディンギングが起きる要因としてはさまざまな要因が考えられ、そのうちの一つが蒸気発生容器3を上述の回転支持装置で支持した際に発生する蒸気発生容器3の変形であると考えられている。
【0006】
つまり、蒸気発生容器3の断面が楕円に変形することで、管支持板807が図17に示すように凹状または凸状に変形し、伝熱管805が貫通している領域では、図18に示すように管支持板807が傾斜した状態となる。このような管支持板807の傾斜により、管支持板807と伝熱管805とが干渉してディンギングが発生すると考えられる。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、中空な円筒体の変形を防止することによりディンギングの発生を抑制するとともに、円筒体を回転可能に支持することができる円筒体用支持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の円筒体用支持装置は、中心軸線方向が略水平方向に沿うように配置された円筒体と、該円筒体を下方から前記中心軸線周りに回転可能に支持する支持手段と、前記円筒体に対して水平方向に働く押圧力を前記円筒体に付与する押圧手段と、が設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、円筒体自身の重量による円筒体の変形を、水平方向に働く押圧力を円筒体に対して付与することで、円筒体の変形を防止することができる。
円筒体は、支持手段により支持されるため、中心軸線周りに回転可能に支持される。
【0010】
上記発明においては、前記支持手段が、前記円筒体を回転可能に支持する支持ローラであり、前記押圧手段が、少なくとも前記円筒体に前記押圧力を付与する押圧ローラであり、互いに交差する方向に延びるアーム部を備え、前記円筒体の下方に延びる前記アーム部に前記支持ローラが配置され、前記円筒体の側方に延びる前記アーム部に前記押圧ローラが配置されるローラ支持部と、前記中心軸線に沿う回動軸線周りに前記ローラ支持部を回動可能に支持するピボット部と、が設けられていることが望ましい。
【0011】
本発明によれば、支持ローラの上に円筒体が配置され、支持ローラにより円筒体は中心軸線周りに回転可能に支持される。
一方、支持ローラは円筒体の自重により下方に押され、円筒体の下方に延びるアーム部を介して、ローラ支持部は回動軸線周りに回動される。ローラ支持部の回動により、円筒体の側方に延びるアーム部を介して、押圧ローラは円筒体に向かって押される。このようにして押圧ローラは、円筒体における側方の円筒面に押圧力を付与することができ、円筒体の変形を防止することができる。
【0012】
上記発明においては、前記アーム部の少なくとも一方には、前記支持ローラまたは前記押圧ローラと、前記回動軸線との間の距離を変更する変更部が設けられていることが望ましい。
【0013】
本発明によれば、支持ローラとローラ支持部の回動軸線との間の距離、または、押圧ローラと回動軸線との間の距離の少なくとも一方が変更されるため、てこの原理により押圧ローラから円筒体に付与される押圧力を調節することができる。
【0014】
上記発明においては、前記円筒体における互いに交差する方向に沿った直径を計測する計測部と、該計測部の計測値に基づいて、前記変更部を制御する制御部と、が設けられていることが望ましい。
【0015】
本発明によれば、計測部の計測値に基づくことにより円筒体の変形量が求められ、求められた変形量に基づいて変更部が制御され、押圧ローラから円筒体に付与される押圧力が制御される。そのため、円筒体の変形を抑える適切な押圧力が円筒体に付与され、円筒体の変形を確実に防止することができる。
【0016】
上記発明においては、前記支持手段が、前記円筒体の下方に配置された支持ローラであり、前記押圧手段が、前記円筒体の側方に配置された押圧ローラであり、該押圧ローラを前記円筒体に向けて押し付ける押圧部と、が設けられていることが望ましい。
【0017】
本発明によれば、円筒体は支持ローラの上に配置され、支持ローラにより回転可能に支持されることができる。
押圧ローラは押圧部により、円筒体の側方から円筒体の円筒面に押し付けられる。そのため、押圧ローラから円筒体に押圧力を付与することができ、円筒体の変形を防止することができる。
【0018】
上記発明においては、前記円筒体における互いに交差する方向に沿った直径を計測する計測部と、該計測部の計測値に基づいて、前記押圧部を制御する制御部と、
が設けられていることが望ましい。
【0019】
本発明によれば、計測部の計測値に基づくことにより円筒体の変形量が求められ、求められた変形量に基づいて押圧部が制御され、押圧ローラから円筒体に付与される押圧力が制御される。そのため、円筒体の変形を抑える適切な押圧力が円筒体に付与され、円筒体の変形を確実に防止することができる。
【0020】
上記発明においては、前記支持手段および前記押圧手段が、環状に形成された索状体であり、該索状体は、前記円筒体における下方の円筒面から側方の円筒面にわたって巻かれ、前記索状体が回転可能に掛けられることにより、前記円筒体を持ち上げて支持する持ち上げ部と、が設けられていることが望ましい。
【0021】
本発明によれば、索状体から円筒体に向かって働く反力が、円筒体における下方の円筒面から側方の円筒面にわたって作用する。これらの反力の水平方向の分力の積分が上述の押圧力となり、円筒体の変形を防止することができる。そのため、ローラなどを円筒体に押し付けて狭い面積に押圧力を付与する方法と比較して、広い面積にわたって押圧力を付与することができ、円筒体の変形をより効果的に防止することができる。
索状体を持ち上げ部に掛け、円筒体用支持装置ごと円筒体を持ち上げることにより、円筒体を支持することができる。さらに、持ち上げ部により、索状体を回転させることにより、索状体が巻かれた円筒体を中心軸線周りに回転させることができる。
【0022】
上記発明においては、前記円筒体に対する前記索状体の接触長さである巻き角を調節する巻き角調節部が設けられていることが望ましい。
【0023】
本発明によれば、円筒体に対する索状体の巻き角を調節することにより、索状体から円筒体に向かって働く反力の水平方向の分力の積分である押圧力の大きさを調節することができる。
【0024】
上記発明においては、前記円筒体における互いに交差する方向に沿った直径を計測する計測部と、該計測部の計測値に基づいて、前記巻き角調節部を制御する制御部と、が設けられていることが望ましい。
【0025】
本発明によれば、計測部の計測値に基づくことにより円筒体の変形量が求められ、求められた変形量に基づいて巻き角調節部が制御され、索状体から円筒体に付与される押圧力が制御される。そのため、円筒体の変形を抑える適切な押圧力が円筒体に付与され、円筒体の変形を確実に防止することができる。
【0026】
本発明の円筒体用支持装置は、中心軸線方向が略水平方向に沿うように配置された円筒体と、該円筒体の下方に配置され、前記円筒体を回転可能に支持する複数の支持ローラと、該支持ローラを昇降させる複数の昇降部と、前記複数の支持ローラが支持する前記円筒体の荷重を略等しくなるように、前記複数の昇降部を制御する制御部と、が設けられていることを特徴とする。
【0027】
本発明によれば、複数の支持ローラが支持する円筒体の荷重が略等しくなるように制御されるため、支持ローラを4個よりも多く設けても、全ての支持ローラに略等しい荷重を分担させることができる。そのため、1つの支持ローラが支持する円筒体の荷重が低くなることから、円筒体に働く反力も小さくなり、円筒体の変形量を減少させることができる。
【0028】
上記発明においては、前記昇降部は、内部に流体を貯留するシリンダと、貯留された流体の圧力により昇降されるピストンとを備え、前記制御部は、前記複数のシリンダの間で前記流体を流通可能に接続する流体流路であることが望ましい。
【0029】
本発明によれば、例えば、複数の支持ローラのうち、一の支持ローラが支持する荷重が高い場合、一の支持ローラを支持する一の昇降部のピストンが押圧され、シリンダ内の流体の圧力が高くなる。圧力が高くなった流体は流体流路を介して他のシリンダに流入し、複数のシリンダ内の流体の圧力が等しくなる。このとき、一の昇降部のピストンおよび一の支持ローラの位置が下がり、残りの昇降部のピストンおよび残りの支持ローラの位置が上がる。そのため、一の支持ローラが支持する荷重が下がり、残りの支持ローラが支持する荷重が高くなって、全ての支持ローラが支持する荷重が略等しくなる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の円筒体用支持装置によれば、円筒体自身の重量による円筒体の変形を、水平方向に働く押圧力を円筒体に対して付与することで、中空な円筒体の変形を防止することによりディンギングの発生を抑制できるという効果を奏する。支持手段により円筒体を回転可能に支持することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態に係る支持装置ついて図1から図3を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る支持装置の構成を説明する模式図である。図2は、図1の支持装置の構成を説明するA−A断面図である。
本実施形態においては、本発明の回転体用支持装置を原子力発電に用いられる蒸気発生器の蒸気発生容器(円筒体)3を回転可能に支持する支持装置に適用して説明する。
支持装置(円筒体用支持装置)1には、図1および図2に示すように、蒸気発生器の蒸気発生容器3を回転可能に支持するとともに変形を防止する支持ユニット5と、支持ユニット5が上面に配置されるベースフレーム7と、が設けられている。
【0032】
本実施形態では4つの支持ユニット5がベースフレーム7に配置されている。すなわち、蒸気発生容器3の中心軸線C方向に離れた2箇所(図1参照。)に、一対の支持ユニット5が蒸気発生容器3をはさむように配置(図2参照。)され、合計4つの支持ユニット5が配置されている。
【0033】
支持ユニット5には、図2に示すように、蒸気発生容器3の下方に延びる下アーム部(アーム部)9および蒸気発生容器3の側方に延びる横アーム部(アーム部)11を備えたローラ支持部13と、ローラ支持部13を回動可能に支持するピボット部15と、下アーム部9の端部に回転可能に配置された支持ローラ(支持手段)17と、横アーム部11の端部に回転可能に配置された押圧ローラ(押圧手段)19と、が設けられている。
【0034】
ピボット部15の上側の端部には、ローラ支持部13を回動可能に支持するピボット軸21が設けられている。ピボット軸21は、軸線が蒸気発生容器3の中心軸線Cとほぼ平行に配置され、ローラ支持部13を中心軸線Cに対してほぼ垂直な面内(図2の紙面内)で回動可能に支持している。
【0035】
ローラ支持部13は、下アーム部9と横アーム部11との結合部においてピボット部15のピボット軸21により支持されている。そのため、例えば、下アーム部9が下方に回動すると、横アーム部11は蒸気発生容器3方向に回動するように支持されている。
なお、ローラ支持部13におけるピボット軸21による支持位置は、上述のように下アーム部9と横アーム部11との結合部であってもよいし、下アーム部9のいずれかの位置であってもよいし、横アーム部11のいずれかの位置であってもよく、特に限定するものではない。
【0036】
次に、上記の構成からなる支持装置1における蒸気発生容器3の変形防止方法について説明する。
蒸気発生容器3は、図1および図2に示すように、横向きの状態で支持装置1の上に置かれる。蒸気発生容器3の円筒面は支持ローラ17と接触し、蒸気発生容器3の自重により支持ローラ17および下アーム部9は下方に押される。
押圧ローラ19が蒸気発生容器3の円筒面と接触していない場合には、支持ローラ17および下アーム部9は下方に回動し、押圧ローラ19および横アーム部11は蒸気発生容器3に向かって回動し、横アーム部11は蒸気発生容器3の円筒面と接触する。
【0037】
図3は、図1の蒸気発生容器に働く押圧力の大きさを説明する模式図である。
支持ローラ17および押圧ローラ19が蒸気発生容器3の円筒面に接触すると、図3に示すように、蒸気発生容器3が自重により支持ローラ17を押す力(荷重力)Fは、ローラ支持部13により押圧ローラ19に伝達され、押圧ローラ19が蒸気発生容器3の円筒面を側方から押す力(押圧力)Fに変換される。
【0038】
これらの加重力Wと押圧力Fとの間には、以下の式(1)の関係が成立する。
F=W×(L2/L1) ・・・(1)
ここで、L1は支持ローラ17の回転中心からピボット軸21の中心軸線までの水平方向の長さであり、L2は押圧ローラ19の回転中心からピボット軸21の中心軸線までの垂直方向の長さである。
【0039】
そのため、蒸気発生容器3の変形量に応じてL1およびL2の少なくとも一方を調節することにより、蒸気発生容器3の変形を抑える適切な押圧力Fを蒸気発生容器3に付与することができる。
【0040】
蒸気発生容器3の円筒面には、上述のように押圧ローラ19により押圧力が付与されて蒸気発生容器3の変形が防止される。

また、蒸気発生容器3は、支持ローラ17および押圧ローラ19が回転することにより、中心軸線C周りに回転される。
【0041】
上記の構成によれば、支持ローラ17は蒸気発生容器3の自重により下方に押され、蒸気発生容器3の下アーム部9を介して、ローラ支持部13はピボット軸21周りに回動される。ローラ支持部13の回動により、蒸気発生容器3の側方に延びるアーム部を介して、押圧ローラ19は蒸気発生容器3に向かって押される。このようにして押圧ローラ19は、蒸気発生容器3における側方の円筒面に押圧力を付与することができ、蒸気発生容器3の変形を防止することによりディンギングの発生を抑制することができる。
【0042】
支持ローラ17の上に蒸気発生容器3が配置され、支持ローラ17および押圧ローラ19が回転することにより蒸気発生容器3は中心軸線C周りに回転される。そのため、支持装置1は、蒸気発生容器3を回転可能に支持することができる。
【0043】
〔第1の実施形態の第1変形例〕
次に、本発明の第1の実施形態の第1変形例について図4を参照して説明する。
本変形例の支持装置の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、ローラ支持部の構成が異なっている。よって、本変形例においては、図4を用いてローラ支持部の構成を中心に説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図4は、本変形例の支持装置の構成を説明する断面図である。
支持装置(円筒体用支持装置)101には、図4に示すように、蒸気発生器の蒸気発生容器3を回転可能に支持するとともに変形を防止する支持ユニット105と、支持ユニット105が上面に配置されるベースフレーム7と、が配置されている。
【0044】
支持ユニット105には、図2に示すように、蒸気発生容器3の下方に延びる下アーム部9および蒸気発生容器3の側方に延びる横アーム部(アーム部)111を備えたローラ支持部113と、ローラ支持部113を回動可能に支持するピボット部15と、下アーム部9の端部に回転可能に配置された支持ローラ17と、横アーム部111の端部に回転可能に配置された押圧ローラ19と、が設けられている。
【0045】
横アーム部111には、伸縮することにより押圧ローラ19の回転中心からピボット軸21の中心軸線までの長さを変更する油圧シリンダ(変更部)121が配置されている。
このような構成とすることで、上述の式(1)の関係に基づき、押圧ローラ19とピボット軸21との間の長さ(L2)が変更することができ、押圧ローラ19から蒸気発生容器3に付与される押圧力Fを適切に調節することができる。例えば、直径や板厚が異なる蒸気発生容器3を支持装置101に乗せる場合でも、油圧シリンダ121の長さを適切な長さに調節することにより、それぞれの蒸気発生容器3に適した押圧力Fを付与することができる。
【0046】
なお、上記の構成からなる支持装置101の支持ユニット105における各構成要素の動きは第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0047】
なお、上述のように、油圧シリンダ19を横アーム部111に配置してもよいし、下アーム部9に配置してもよく、特に限定するものではない。
また、上述のように、油圧シリンダ19の端部に押圧ローラ19を配置してもよいし、押圧ローラ19に働く力を受けるガイド部材を設けて油圧シリンダ19は押圧ローラ19の位置制御のみに用いる構成としてもよく、特に限定するものではない。
さらに、上述のように、押圧ローラ19の位置を変更するのに油圧シリンダ19を用いてもよいし、リンク機構や、ネジを用いた機構などを用いてもよく、特に限定するものではない。
【0048】
〔第1の実施形態の第2変形例〕
次に、本発明の第1の実施形態の第2変形例について図5を参照して説明する。
本変形例の支持装置の基本構成は、第1の実施形態の第1変形例と同様であるが、第1の実施形態の第1変形例とは、油圧シリンダの制御方法が異なっている。よって、本変形例においては、図5を用いて油圧シリンダの制御方法に関する構成を中心に説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
【0049】
図5は、本変形例の支持装置の構成を説明する模式図である。
支持装置(円筒体用支持装置)201には、図5に示すように、蒸気発生器の蒸気発生容器3を回転可能に支持するとともに変形を防止する支持ユニット105と、支持ユニット5が上面に配置されるベースフレーム7と、蒸気発生容器3の直径を測定する計測部209と、計測部209の測定結果に基づいて支持ユニット105を制御する制御部211と、が配置されている。
【0050】
計測部209は、支持装置201に乗せられた蒸気発生容器3の水平方向に係る直径D1と、垂直方向に係る直径D2と、を計測する測定器である。計測部209としては、蒸気発生容器3の内部に配置され、レーザ光等を蒸気発生容器3の内周面に向けて照射することにより直径を計測する計測器など、公知の計測器を用いることができる。
【0051】
制御部211は、計測部209の測定結果に基づいて蒸気発生容器3の変形量を算出するとともに、当該変形を抑えるために必要な押圧力Fを算出し、押圧ローラ19から蒸気発生容器3に算出された押圧力Fを付与できるように油圧シリンダ121を制御するものである。
【0052】
上記の構成によれば、計測部209の計測値に基づくことにより蒸気発生容器3の変形量が求められ、求められた変形量に基づいて油圧シリンダ121が制御され、押圧ローラ19から蒸気発生容器3に付与される押圧力Fが制御される。そのため、蒸気発生容器3の変形を抑える適切な押圧力Fが蒸気発生容器3に付与され、蒸気発生容器3の変形を確実に防止し、ディンギングの発生を抑制することができる。
【0053】
また、連続して蒸気発生容器3の変形量を求めることができるため、蒸気発生容器3の内部に伝熱管や管支持板などの部品を組み込むことにより、蒸気発生容器3の剛性が変化し、上述の変形量が変化するような場合でも、適切に蒸気発生容器3の変形を防止することができる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図6および図7を参照して説明する。
本実施形態の支持装置の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、支持ユニットの構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図6および図7を用いて支持ユニットの構成を説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
【0054】
図6は、本実施形態に係る支持装置の構成を説明する断面図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
支持装置(円筒体用支持装置)301には、図6に示すように、蒸気発生器の蒸気発生容器3を回転可能に支持するとともに変形を防止する支持ユニット305と、支持ユニット305が上面に配置されるベースフレーム7と、が配置されている。
【0055】
支持ユニット305には、ベースフレーム7上に配置されたサイドフレーム309および支持ローラ17と、サイドフレーム309に配置された押圧シリンダ(押圧部)313および押圧ローラ19と、が設けられている。
【0056】
サイドフレーム309は、ベースフレーム7から上方に延びる柱状の部材であり、蒸気発生容器3の側方に間隔をあけて配置されている。
押圧シリンダ313はサイドフレーム309の側面に設けられ、サイドフレーム309から蒸気発生容器3に向かって延びるように配置されている。押圧シリンダ313は、蒸気発生容器3の中心軸線とほぼ同じ高さに配置されている。
【0057】
押圧ローラ19は、押圧シリンダ313の蒸気発生容器3側の端部に配置され、押圧シリンダ313により発生された押圧力Fを蒸気発生容器3に付与するものである。
支持ローラ17はベースフレーム7の上面に配置され、蒸気発生容器3を下方から回転可能に支持するものである。
【0058】
次に、上記の構成からなる支持装置301における蒸気発生容器3の変形防止方法について説明する。
蒸気発生容器3は、図6に示すように、横向きの状態で支持装置301の支持ローラ17上に置かれる。蒸気発生容器3は、支持ローラ17により回転可能に支持される。
【0059】
その後、押圧シリンダ313により押圧ローラ19は蒸気発生容器3に押し付けられる。押圧シリンダ313は、蒸気発生容器3の変形を防止する、または、矯正する押圧力Fを発生させ、押圧ローラ19を介して蒸気発生容器3に付与する。押圧力Fが付与された蒸気発生容器3における変形の発生が防止される。
【0060】
上記の構成によれば、蒸気発生容器3は支持ローラ17の上に配置され、支持ローラ17により回転可能に支持される。
押圧ローラ19は押圧シリンダ313により、側方から蒸気発生容器3の円筒面に押し付けられるため、押圧シリンダ313により発生された押圧力Fは、押圧ローラ19から蒸気発生容器3に付与される。そのため、支持装置301により蒸気発生容器3の変形を防止することによりディンギングの発生を抑制することができる。
【0061】
図7は、図6の支持装置の他の実施例を説明する模式図である。
なお、押圧シリンダ313により発生される押圧力Fの大きさは、蒸気発生容器3の種類ごとに予め規定された所定値を用いてもよいし、図7に示すように、蒸気発生容器3の直径を測定する計測部209と、計測部209の測定結果に基づいて押圧シリンダ313を制御する制御部311とを設けて、蒸気発生容器3の変形量に応じて押圧力Fを制御してもよく、特に限定するものではない。
【0062】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態に係る支持装置ついて図8および図9を参照して説明する。
図8は、本実施形態の支持装置の構成について説明する模式図である。図9は、図8の支持装置の構成について説明するB−B断面図である。
支持装置(円筒体用支持装置)401には、図8および図9に示すように、蒸気発生器の蒸気発生容器3を回転可能に支持するとともに変形を防止する複数の支持ユニット405が設けられている。
【0063】
本実施形態では4つの支持ユニット405が蒸気発生容器3の中心軸線C方向に等間隔に離れて配置されている。
支持ユニット405には、図9に示すように、ユニットフレーム407と、一対の支持ローラ17と、一対の油圧ジャッキ(昇降部)413と、一対の油圧ジャッキ413とを繋ぐとともに隣接する支持ユニット405の油圧ジャッキ413の間を繋ぐホース(制御部、流体流路)411と、が設けられている。
【0064】
ユニットフレーム407は、蒸気発生容器3の中心軸線Cに対して直交するする方向(図9の紙面に沿う方向)に延びる棒状の部材であり、支持ローラ17および油圧ジャッキ413が配置される部材である。
支持ローラ17は、ユニットフレーム407の端部に1つずつ配置され、蒸気発生容器3を下方から回転可能に支持するものである。
【0065】
油圧ジャッキ413は、ユニットフレーム407の端部に1つずつ配置され、ユニットフレーム407を下方から昇降可能に支持するものである。油圧ジャッキ413には、シリンダ415とピストン417とが設けられ、シリンダ415内の油圧に基づいてピストン417が昇降される。シリンダ415には、複数のシリンダ415の間で油を流通させるホース411が接続されている。
【0066】
なお、上述のようにシリンダ415内に油を満たした油圧ジャッキ413を用いてもよいし、油の代わりに水を用いた水圧ジャッキを用いてもよく、使用する流体を特に限定するものではない。
【0067】
次に、上記の構成からなる支持装置1における蒸気発生容器3の変形防止方法について説明する。
蒸気発生容器3は、図8および図9に示すように、横向きの状態で支持装置401の上に置かれる。蒸気発生容器3の円筒面は支持ローラ17と接触し、蒸気発生容器3の自重により支持ローラ17およびユニットフレーム407は下方に押される。
【0068】
例えば、図8の左端に配置された支持ユニット405が、他の支持ユニット405より高い位置(蒸気発生容器3側の位置)にある場合には、左端の支持ユニット405が支持する蒸気発生容器3の荷重が高くなる。すると、左端の支持ユニット405における油圧ジャッキ413内の油圧は、他の支持ユニット405における油圧よりも高くなり油圧差が発生する。発生した油圧差により、左端の支持ユニット405における油圧ジャッキ413内の油は、ホース411を介して他の支持ユニット405の油圧ジャッキ413内に流入し、全ての油圧ジャッキ413内の油圧が等しくなる。
【0069】
このとき、左端の支持ユニット405における油圧ジャッキ413のピストン417は下方に移動し、他の支持ユニット405における油圧ジャッキ413のピストン417は上方に移動する。
このように、全ての支持ユニット405における油圧ジャッキ413内の油圧が等しい状態では、全ての支持ユニット405が支持する蒸気発生容器3の荷重が等しくなる。
【0070】
また、図9に示す左側の支持ローラ17が支持する蒸気発生容器3の荷重が、右側の支持ローラ17が支持する荷重より高い場合にも同様に、左側の油圧ジャッキ413内の油は、ホース411を介して右側の油圧ジャッキ413内に流入し、左右の油圧ジャッキ413内の油圧が等しくなる。
このようにして、全ての油圧ジャッキ413内の油圧が等しい状態では、全ての支持ローラ17が支持する蒸気発生容器3の荷重が等しくなる。
【0071】
上記の構成によれば、複数の支持ローラ17のそれぞれが支持する蒸気発生容器3の荷重が略等しくなるため、支持ローラ17を4個よりも多く設けても、全ての支持ローラ17に略等しい荷重を分担させることができる。そのため、1つの支持ローラ17が支持する蒸気発生容器3の荷重が低くなり、支持ローラ17から蒸気発生容器3に働く反力も小さくなることから、蒸気発生容器3の変形量を抑制することにより、ディンギングの発生を抑制することができる。
【0072】
なお、上述の実施形態のように、ユニットフレーム407に支持ローラ17のみを設けてもよいし、上述の第1および第2の実施形態において記載したローラ支持部13およびピボット部15や、サイドフレーム309、押圧シリンダ313および押圧ローラ19などを設けてもよく、特に限定するものではない。
【0073】
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態に係る支持装置ついて図10および図11を参照して説明する。
図10は、本実施形態に係る支持装置の構成について説明する断面図である。
支持装置(円筒体用支持装置)501には、図10に示すように、蒸気発生器の蒸気発生容器3に巻かれるチェーン(索状体)503と、駆動装置(持ち上げ部)505と、が設けられている。
【0074】
チェーン503は円環状に形成されたものであって、円環状のチェーン503内部に蒸気発生容器3が配置されている。
駆動装置505には、チェーン503が巻かれるスプロケット507と、スプロケット507を回転駆動する駆動部509と、支持装置501とともに蒸気発生容器3を吊り上げるクレーンのフック511と係合される係合部513と、が設けられている。
【0075】
次に、上記の構成からなる支持装置501における蒸気発生容器3の変形防止方法について説明する。
図11は、図10の蒸気発生容器に働く力の向きを説明する模式図である。
蒸気発生容器3が、支持装置501により吊り上げられると、チェーン503に蒸気発生容器3による荷重Wが作用する。チェーン503には荷重Wを支える張力Tが発生し、張力Tと荷重Wとが吊り合う。
【0076】
蒸気発生容器3におけるチェーン503との接触面には、チェーン503からの反力Faが作用し、反力Faの垂直方向成分の合計が荷重Wと等しくなる。また、蒸気発生容器3の右半部、および、左半部に作用する反力Faの水平方向成分の合計が押圧力Fとなる。
蒸気発生容器3に反力Faが作用することにより、蒸気発生容器3の変形が防止される。
【0077】
一方、駆動装置505は、駆動部509によりスプロケット507を回転駆動し、スプロケット507と噛み合わされているチェーン503を回転させる。チェーン503の回転は蒸気発生容器3に伝達され、蒸気発生容器3は中心軸線周りに回転される。
【0078】
上記の構成によれば、チェーン503から蒸気発生容器3に向かって働く反力Faが、蒸気発生容器3における下方の円筒面から側方の円筒面にわたって作用し、反力Faの水平方向の分力の積分が上述の押圧力Fとなる。そのため、押圧ローラ19などを蒸気発生容器3に押し付けて狭い面積に押圧力Fを付与する方法と比較して、広い面積にわたって押圧力Fを付与することができ、蒸気発生容器3の変形をより効果的に防止し、ディンギングの発生を抑制することができる。
【0079】
チェーン503を駆動装置505に掛け、支持装置501ごと蒸気発生容器3を持ち上げることにより、蒸気発生容器3を支持することができる。さらに、駆動装置505により、チェーン503を回転駆動することにより、チェーン503が巻かれた蒸気発生容器3を中心軸線周りに回転させることができる。
【0080】
なお、上述の実施形態のように、蒸気発生容器3にチェーン503を巻きつけて回転可能に支持してもよいし、円環状に形成されたワイヤを蒸気発生容器3に巻きつけて回転可能に支持してもよく、特に限定するものではない。
【0081】
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態に係る支持装置ついて図12から図15を参照して説明する。
図12は、本実施形態に係る支持装置の構成について説明する断面図である。
支持装置(円筒体用支持装置)601には、図12に示すように、ピット607と、チェーン503と、上ローラ(持ち上げ部、巻き角調節部)609と、油圧シリンダ(持ち上げ部、巻き角調節部)612と、チェーン調節部(巻き角調節部)613と、下ローラ615と、駆動装置605と、が設けられている。
【0082】
ピット607は、支持装置601および蒸気発生容器3が内部に収まるように形成された凹部である。ピット607における側面の上方には、上ローラ609および油圧シリンダ612が配置され、側面の下方にはチェーン調節部613が配置され、底面には下ローラ615および駆動装置605が配置されている。
【0083】
上ローラ609は油圧シリンダ612の端部に回転可能に配置され、チェーン503が巻かれるものである。油圧シリンダ612は、ピット607の側面から内側に向かって延びるように配置され、伸縮することにより蒸気発生容器3に対するチェーン503の巻き角を制御するものである。
【0084】
チェーン調節部613は、上ローラ609および油圧シリンダ612とともに、蒸気発生容器3に対するチェーン503の巻き角を制御するものである。チェーン調節部613は、伸縮する調節用シリンダ617と、調節用シリンダ617の端部に回転可能に配置された調節用ローラ619と、固定ローラ621と、を備えている。調節用ローラ619および調節用シリンダ617は、固定ローラ621と下ローラ615との間に配置され、ピット607の側面から内側に向かって伸縮可能に配置されている。
【0085】
駆動装置605には、チェーン503が巻かれるスプロケット623と、スプロケット623を回転駆動する駆動部629と、が設けられている。
【0086】
次に、上記の構成からなる支持装置601における蒸気発生容器3の変形防止方法について説明する。
ピット607の上方から蒸気発生容器3がチェーン503の上に置かれると、図11に示すように、蒸気発生容器3の円筒面の下方から側方にわたってチェーン503が巻かれる。すると、第4の実施形態と同様に、蒸気発生容器3に反力Faが作用し、蒸気発生容器3の変形が防止される。
【0087】
ここで、本実施形態における特徴であるチェーンの巻き角調節方法について説明する。
図13は、図12の上ローラの別の配置位置を説明する模式図である。図14は、図12の上ローラのさらに別の配置位置を説明する模式図である。
蒸気発生容器3に対するチェーン503の巻き角を大きくする場合には、図12および図13に示すように、油圧シリンダ612を伸ばして上ローラ609を互いに接近させる。同時に調節用シリンダ617を縮めてチェーン調節部613におけるチェーン503の迂回距離を短くする。すると、図13に示すように、蒸気発生容器3に対するチェーン503の巻き角が大きくなり、蒸気発生容器3とチェーン503との接触長も長くなり、蒸気発生容器3に付与される押圧力Fは大きくなる。
【0088】
一方、蒸気発生容器3に対するチェーン503の巻き角を小さくする場合には、図12および図14に示すように、油圧シリンダ612を縮めて上ローラ609を互いに離間させる。同時に調節用シリンダ617を伸ばしてチェーン調節部613におけるチェーン503の迂回距離を長くする。すると、図14に示すように、蒸気発生容器3に対するチェーン503の巻き角が小さくなり、蒸気発生容器3とチェーン503との接触長も短くなり、蒸気発生容器3に付与される押圧力Fは小さくなる。
【0089】
また、駆動装置605は駆動部629によりスプロケット623を回転駆動し、スプロケット623と噛み合わされているチェーン503を回転させる。チェーン503の回転は蒸気発生容器3に伝達され、蒸気発生容器3は中心軸線周りに回転される。
【0090】
上記の構成によれば、上ローラ609、油圧シリンダ612およびチェーン調節部613を用いて蒸気発生容器3に対するチェーン503の巻き角を調節することにより、チェーン503から蒸気発生容器3に向かって働く反力の水平方向の分力の積分である押圧力Fの大きさを調節することができ、蒸気発生容器3の変形をより効果的に防止し、ディンギングの発生を抑制することができる。
【0091】
図15は、図12の支持装置の他の実施例を説明する模式図である。
なお、上ローラ609、油圧シリンダ612およびチェーン調節部613による巻き角の調節は、蒸気発生容器3の種類ごとに予め規定された巻き角となるように調節してもよいし、図15に示すように、蒸気発生容器3の直径を測定する計測部209と、計測部209の測定結果に基づいて油圧シリンダ612および調節用シリンダ617を制御する制御部611とを設けて、蒸気発生容器3の変形量に応じて巻き角を調節してもよく、特に限定するものではない。
【0092】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、この発明を、蒸気発生容器を支持する支持装置に適用して説明したが、この発明は蒸気発生容器に限られることなく、その他各種の円筒体を回転可能に支持する支持装置に適応できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る支持装置の構成を説明する模式図である。
【図2】図1の支持装置の構成を説明するA−A断面図である。
【図3】図1の蒸気発生容器に働く押圧力の大きさを説明する模式図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の第1変形例における支持装置の構成を説明する断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の第2変形例における支持装置の構成を説明する断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る支持装置の構成を説明する断面図である。
【図7】図6の支持装置の他の実施例を説明する模式図である。
【図8】本発明の第3の実施形態の支持装置の構成について説明する模式図である。
【図9】図8の支持装置の構成について説明するB−B断面図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る支持装置の構成について説明する断面図である。
【図11】図10の蒸気発生容器に働く力の向きを説明する模式図である。
【図12】本発明の第5の実施形態に係る支持装置の構成について説明する断面図である。
【図13】図12の上ローラの別の配置位置を説明する模式図である。
【図14】図12の上ローラのさらに別の配置位置を説明する模式図である。
【図15】図12の支持装置の他の実施例を説明する模式図である。
【図16】原子力発電に用いられる蒸気発生器の構成を説明する模式図である。
【図17】蒸気発生器の変形を説明する模式図である。
【図18】ディンギングを説明する模式図である。
【符号の説明】
【0094】
1,101,201,301,401,501,601 支持装置(円筒体用支持装置)
3 蒸気発生容器(円筒体)
9 下アーム部(アーム部)
11,111 横アーム部(アーム部)
13 ローラ支持部
17 支持ローラ(支持手段)
19 押圧ローラ(押圧手段)
121 油圧シリンダ(変更部)
209 計測部
211,311,611 制御部
313 押圧シリンダ(押圧部)
413 油圧ジャッキ(昇降部)
411 ホース(制御部、流体流路)
503 チェーン(索状体)
505 駆動装置(持ち上げ部)
609 上ローラ(持ち上げ部、巻き角調節部)
612 油圧シリンダ(持ち上げ部、巻き角調節部)
613 チェーン調節部(巻き角調節部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸線方向が略水平方向に沿うように配置された円筒体と、
該円筒体を下方から前記中心軸線周りに回転可能に支持する支持手段と、
前記円筒体に対して水平方向に働く押圧力を前記円筒体に付与する押圧手段と、
が設けられていることを特徴とする円筒体用支持装置。
【請求項2】
前記支持手段が、前記円筒体を回転可能に支持する支持ローラであり、
前記押圧手段が、少なくとも前記円筒体に前記押圧力を付与する押圧ローラであり、
互いに交差する方向に延びるアーム部を備え、前記円筒体の下方に延びる前記アーム部に前記支持ローラが配置され、前記円筒体の側方に延びる前記アーム部に前記押圧ローラが配置されるローラ支持部と、
前記中心軸線に沿う回動軸線周りに前記ローラ支持部を回動可能に支持するピボット部と、
が設けられていることを特徴とする請求項1記載の円筒体用支持装置。
【請求項3】
前記アーム部の少なくとも一方には、前記支持ローラまたは前記押圧ローラと、前記回動軸線との間の距離を変更する変更部が設けられていることを特徴とする請求項2記載の円筒体用支持装置。
【請求項4】
前記円筒体における互いに交差する方向に沿った直径を計測する計測部と、
該計測部の計測値に基づいて、前記変更部を制御する制御部と、
が設けられていることを特徴とする請求項3記載の円筒体用支持装置。
【請求項5】
前記支持手段が、前記円筒体の下方に配置された支持ローラであり、
前記押圧手段が、前記円筒体の側方に配置された押圧ローラであり、
該押圧ローラを前記円筒体に向けて押し付ける押圧部と、
が設けられていることを特徴とする請求項1記載の円筒体用支持装置。
【請求項6】
前記円筒体における互いに交差する方向に沿った直径を計測する計測部と、
該計測部の計測値に基づいて、前記押圧部を制御する制御部と、
が設けられていることを特徴とする請求項5記載の円筒体用支持装置。
【請求項7】
前記支持手段および前記押圧手段が、環状に形成された索状体であり、
該索状体は、前記円筒体における下方の円筒面から側方の円筒面にわたって巻かれ、
前記索状体が回転可能に掛けられることにより、前記円筒体を持ち上げて支持する持ち上げ部と、
が設けられていることを特徴とする請求項1記載の円筒体用支持装置。
【請求項8】
前記円筒体に対する前記索状体の接触長さである巻き角を調節する巻き角調節部が設けられていることを特徴とする請求項7記載の円筒体用支持装置。
【請求項9】
前記円筒体における互いに交差する方向に沿った直径を計測する計測部と、
該計測部の計測値に基づいて、前記巻き角調節部を制御する制御部と、
が設けられていることを特徴とする請求項8記載の円筒体用支持装置。
【請求項10】
中心軸線方向が略水平方向に沿うように配置された円筒体と、
該円筒体の下方に配置され、前記円筒体を回転可能に支持する複数の支持ローラと、
該支持ローラを昇降させる複数の昇降部と、
前記複数の支持ローラが支持する前記円筒体の荷重を略等しくなるように、前記複数の昇降部を制御する制御部と、
が設けられていることを特徴とする円筒体用支持装置。
【請求項11】
前記昇降部は、内部に流体を貯留するシリンダと、貯留された流体の圧力により昇降されるピストンとを備え、
前記制御部は、前記複数のシリンダの間で前記流体を流通可能に接続する流体流路であることを特徴とする請求項10記載の円筒体用支持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−169928(P2008−169928A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−3844(P2007−3844)
【出願日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】