説明

円錐形の補強された再密封可能なディスペンサー

【解決手段】液体又は半液体の中身を入れるための円錐形の容器及びディスペンサーである。容器は、四角形で剛性のあるタブと、タブの両側の、錐体の先端より僅かに下方に設けられた2つの三角形の切り込みと、タブの残りの部分より剛性が低い、タブの頂部領域を破断又は切断し易くするためのミシン目又は刻み目付の切り目線と、を特徴としており、容器の頂部領域は、錐体の残りの部分とは異なる材料で作られており、錐体の頂部領域と残りの部分の間の刻み目付の分割線に弱い帯域を作っていて、ユーザーが、器具を必要とすること無く、タブの頂部領域を容易に破断して、錐体の頂部領域を切り離し、ディスペンサーの潰すことのできる壁又は背面を押すことによって中身をディスペンサーから出す通路を、錐体の先端に開くことができるようになっている。更に、タブと錐体の頂部領域を更に破断し易くするために、糸又は紐を、タブの切り目線及び錐体の分割線に沿ってタブに取り付けてもよい。更に、錐体の中間領域は、箔様の材料で作られていて、中間領域の壁を互いに対して押し付けることによって、錐体を再密封することができるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概括的には、計量した正確なやり方で液体又は半液体を保持し、小出しするための、補強された剛性のあるタブを備えた円錐形の新奇な装置で、ナイフ、ハサミ又は他の器具を使うこと無く、容易且つ便利に開くことができ、容易に再密封することのできる装置に関している。
【背景技術】
【0002】
本発明は、a)中身を計量した正確なやり方で利用することができ、b)使い易く便利で、c)器具又は他の装置を使用すること無く開いて使用することができ、d)容易に再密封することができ、e)簡単且つ経済的に製造することのできる、中身が流体又は半流体のディスペンサー又は容器に対する需要に取り組んでいる。以後、「容器」及び「ディスペンサー」という用語は、互換可能に用いる。
計量した正確な
流体又は半流体の中身を消費する際、中身を計量した正確なやり方で利用できるディスペンサーがあれば良いことが多い。例えば、フライドポテトを食べている人はポテトに少量のケチャップを小出しにしたいし、ベーグルやロールパンを食べている人は少量の良く延びるチーズ、ジャムまたはチョコレートペーストを使用したいし、サラダを食べている人は少量のサラダドレッシングが欲しいし、ホテルの客は宿泊用に少量のシャンプー又は石鹸を必要とする。これらの全ての事例において、消費者は、欲しい中身を欲しい量だけ利用できることを望んでいる。
使い易く
一般的に、容器などあらゆる消費者用の製品は、使い易くて便利でなければならない。この要件は、比較的少量の容器にこそ重要である。消費量が比較的少ない場合、容器を開け、少量を小出しするときに、実用上の障害に数多く遭遇したくないものである。消費者は、むしろ、容器を開けるのに余り時間を取られること無く少量を容易に小出しすることができ、或いは内容物が確実に適切且つ正確なやり方で小出しされことを望んでいる。
器具が要らない
多くの既存の容器は、容器を開くか、又は容器の内容物を小出しするのに器具を必要とする。例えば、容器は、開くのにナイフを、或いは容器の内容物を小出しするのにフォーク又はスプーンを必要とする。器具を必要とすることは、容器を使い難くするので、その実用性と、消費者にとっての魅力を大いに損なう。このことは、特に、小出しされる内容物が少量だからといって、器具を使用する労力又は時間という余分な負担を正当化できるわけではない、少量の容器とディスペンサーに当てはまる。容器を開けるか、又はその内容物を小出しするために器具を使用するには、一般的に時間と労力を掛けることが必要であるが、消費者は、選択できるとすれば、それを好まないであろう。従って、消費者は、器具又は他の装置を必要とすること無く、開いて使用できる容器の方を好む。
再密封可能性
消費者は、ディスペンサーを使用するときに、必ずしもディスペンサーの全内容物を消費したいわけではない。従って、消費者は、ディスペンサーの内容物の残りを後で消費できるように容易に再密封できるディスペンサーを好む。
製造し易く経済的
小出しする中身の値段は、常に非常に高いとは限らないので、ディスペンサーは、製造し易く、比較的安価であるのが望ましい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、円錐形の容器及びディスペンサーと、液体又は半液体を小出しするためのそのような容器を製造する方法に関する。容器は、潰すことのできる防水材料で作られており、液体又は半液体は、ディスペンサー内に完全に閉じ込められ、密封されている。四角形の剛性のあるタブが容器の側壁に取り付けられ、錐体の先端をタブ内に囲い込み、錐体の形状を維持し、錐体内の中身の量が減少しているときでも、内容物を計量した正確なやり方で小出しできるようになっている。タブは、タブの両側の錐体の先端より僅かに下方の高さに2つの三角形の切り込みが形成され、それと同じ高さに、ミシン目又は刻み目の付いた切り目線が設けられ、タブの上方領域と錐体の上部領域を破断又は切断し易くなっている。更に、切り目線より上方のタブの領域は、切り目線より下方のタブの領域ほど剛性がなく薄くなっており、タブの上部領域を破断又は切断し易くなっている。同様に、錐体の上部領域は、錐体の残部とは異なる材料で作られており、錐体の上部領域と残り部分の間の分割線に弱い帯域を作り出しており、そのような分割線は、錐体の上部領域を破断又は切断し易くするために、僅かに切り目が付けられている。更に、糸又は紐が、錐体の上部領域と残り部分との間の切り目線及び分割線に沿ってタブに取り付けられており、タブ及び錐体の上部領域を更に破断又は切断し易いようになっている。先端の上部が取り外された後は、ユーザーは、ナイフ、ハサミ又は他の器具を必要とすること無く、ディスペンサーの潰すことのできる壁又は背面を押すことによって、中身を正確で計量したやり方で容易に小出しすることができる。更に、錐体の中間領域は、錐体の中間領域の壁を押すだけで、錐体の当該領域を容易に再密封することのできる錫箔又は同様の材料で作られている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0004】
これより、本発明の好適な実施形態について詳細に見て行くが、その例を以下に説明する。本発明の代表的な実施形態について詳細に説明するが、当業者には自明のように、本発明に特に関係の無い機構は、分かり易くするために図示していない。従って、提供している例は、主に、可撓性プラスチック材料で作られた錐体ディスペンサーとして説明している。しかし、自明のように、本発明は、プラスチックではなく他の可撓性防水材料を使った製品も考慮している。更に、提供している例は、主に、少量の液体又は半液体の消費者用商品のためのディスペンサーとして述べている。しかしながら、自明のように、本発明は、非常に大きいものから極めて小さいものまで、どの様な大きさの製品にも、消費者用商品の分野に含まれない容器にも、そして食用又は非食用のどの様な中身にも適用することを考慮している。
【0005】
本発明は、液体又は半液体を正確なやり方で小出しにするための円錐形のディスペンサーと、ディスペンサーを製造する方法に着目している。ディスペンサーは、潰すことのできる材料で作られており、液体又は半液体は、ディスペンサー内に完全に閉じ込められ、密封されている。ディスペンサーは、紙、プラスチック、錫箔、金属又はそれらの組み合わせから選択した材料の少なくとも1つの層で作られている。
【0006】
図1は、水平方向位置にあるディスペンサーであり、その3つの主な構成要素、錐体の側壁41、錐体の背面42、及び四角形のタブ43を示している。錐体の背面42と側壁41は、共に、プラスチック又は錫箔のような、潰すことのできる防水材料で作られている。タブ43は、平坦で、ディスペンサーの中に入っている中身の量が減少しても、錐体の形状と剛性を維持する働きをする剛性のある材料で作られている。タブか無ければ、中に入っている中身の量が減少すると、錐体は、自身の形状を自分で維持することができない。その他にも、タブには、錐体の先端でディスペンサーを開き易くする機能がある。図1に示すように、タブには、タブ43の両側に2つの三角形の切り込み45が形成されている。ディスペンサーのユーザーは、タブ43の上部領域46の破断を開始する際には、タブのどちらかの側を選択して、どちらかの三角形の切り込み45の内側先端47で開始し、タブの一方の側から他方の側へ伸び錐体の頂部領域49と交差するミシン目又は刻み目付の切り目線48に沿って破り続ける。本発明の好適な実施形態では、タブ43は、切り目線48より下側の特別剛性が高く厚い領域50と、切り目線より上側の、剛性が低く薄い領域46で構成されている。タブの剛性が低く薄い上側の領域46は、ディスペンサーのユーザーが、タブのこの部分を破り取ってディスペンサーを開き易いようにしており、一方、タブの特別剛性が高く厚い下側の領域は、ディスペンサーを開いた後でも、小出しされた中身と錐体に残っている中身の量には関係なく、ディスペンサーの円錐形を維持する。タブの上側領域46の破断を開始する際には、ディスペンサーのユーザーは、タブの下側部分を一方の手の人差し指と親指の間に保持し、タブの上側部分を他方の手の人差し指と親指の間に保持することによってディスペンサーを保持し、2つの手を反対方向に動かして、ユーザーがディスペンサーを保持しているタブの側に位置する三角形の切り込み45の内側先端47に最大圧力を作り出す。圧力が掛かると、タブは、そのような内側先端で破れて分離し始める。
【0007】
本発明の好適な実施形態では、錐体の潰すことのできる壁41は、錐体の壁の3つの個々の領域を作っている3つの異なる材料を組み合わせて作られている。第1に、錐体の頂部領域49は、錐体の先端44から上方分割線51まで延びている。第2に、錐体の中間領域52は、上方分割線51から下方分割線53まで伸びており、この下方分割線53は、上方分割線51と、錐体の円形の背面が錐体の側壁41に取り付けられている円形境界55との間に位置している。第3に、錐体の下方領域54は、下方分割線53から円形境界55まで伸びている。
【0008】
これも図1に示すように、上方分割線51は、タブ43のミシン目又は刻み目付の切り目線48と一列になっている。ディスペンサーのユーザーが、タブの上方領域の一部を、どちらかの三角形の切り込み45の内側先端47から始めて、ミシン目又は刻み目付の切り目線48に沿って錐体の頂部領域49の上方分割線51に達するまで破り続けると、ユーザーは、分割線51に沿って破断運動を続けて錐体の頂部領域49を破り取り、更にタブの他方の側を、他方の側の分割線に沿って破り取ることができる。ユーザーが破断運動を継続して錐体の上方領域を取り外し易いようにするため、分割線51には、僅かに刻み目が付いている。また、錐体の頂部領域49は、ユーザーが破断運動を続けて分割線51に到達したときに、頂部領域49の破断が、タブの上方領域46の破断をより自然に発生させるのを保証するために、錐体の中間領域52より強くタブの上方領域46に取り付けられている。
【0009】
ユーザーが錐体の頂部領域49とタブの上方領域46を取り外すと、ユーザーにはタブの特別剛性のある厚い領域50と、錐体の下方領域54が手に残り、ユーザーは、分割線51の残り部分であるディスペンサーの新しい先端に、ディスペンサーを離れる中身の通路を効果的且つ容易に開いたことになる。図7は、錐体の頂部領域49とタブの上方領域46が取り外された後のディスペンサーを示している。ユーザーは、ディスペンサーの新しい先端51を、中身を小出しする点に向けることによって、錐体の中身を正確に小出しすることができるようになる。更に、ユーザーは、錐体の中間領域52、下方領域54又は背面42の潰すことのできる壁を大きく又は小さく押すことによって、錐体の中身を計量したやり方で小出しすることができるようになる。
【0010】
これも図7において、本発明の好適な実施形態では、ディスペンサーの潰すことのできる壁の中間領域52は、錫箔で作られている。ユーザーが先に述べたやり方でディスペンサーを開き、それを使って錐体の中身を幾らか小出しした後は、ディスペンサー内に利用可能な予備空間ができる。ユーザーは、この予備空間を使って、中間領域52の壁を互いに、具体的には、錐体がまだそれほど広がっていないディスペンサーの新しい先端51、又はその付近を互いに押し付けることができる。錫箔の中間領域の両壁を押し付けると、錐体の先端が気密密閉されるので、ユーザーは、ディスペンサーを効果的に再密封することができる。当業者には自明のように、錫箔以外の材料でも密封効果を達成することができる。錐体を再密封すると、ユーザーは、錐体を後で使用するために、錐体の中身を良好な状態に維持したまま保管することができる。
【0011】
図2は、概ね図1の2−2線に沿うディスペンサーの横方向断面図であり、錐体の頂部領域49、中間領域52、及び下方領域54の一部と、上方分割線51及び下方分割線53を内側から示している。図2は、切り目線48より下側の、タブ43の特別剛性のある厚い領域50の一部も示している。
【0012】
図3は、概ね図1の3−3線に沿うディスペンサーの長手方向断面図であり、錐体の頂部領域49、中間領域52、及び下方領域54と、タブの上方領域46を示している。図3は、更に、錐体の潰すことのできる壁の中のチャンバ60の半分を示しており、そこには、小出しされる中身が小出しされるまで保持される。
【0013】
図8は、図3の断面図の一部の拡大図である。図8は、タブの上方領域46と、錐体の頂部領域49、中間領域52及び下方領域54の一部と、錐体の潰すことのできる壁の中のチャンバの一部と、を示している。図8は、更に、錐体のユーザーが錐体の頂部領域49をより容易に破断できるように設けられた上方分割線51の刻み目を、より明確に示している。自明であるが、ディスペンサーの他の実施形態では、本発明の機能及びユーザーの使い易さを最適にするために、分割線51には頂部領域49を破断し易くするもっと多いか又は少ない刻み目又は他の機構を設けることができるようになっている。
【0014】
図9は、錐体の中間領域52が無いことを除いて、ディスペンサーが図1、図3、図8に示しているのと同じ、本発明の別の実施形態の一部の断面図の部分拡大図である。代わりに、錐体の潰すことのできる壁41は、2つの異なる材料だけを組み合わせて作られており、錐体の壁に2つの別々の領域だけが作られ、その第1は、錐体の先端44から上方分割線51まで伸びている錐体の頂部領域49であり、第2は、上方分割線51から円形境界55まで伸びている錐体の下方領域54である。この実施形態では、錐体の下方領域54は、錫箔、又は図8に示している実施形態の中間領域52と同様の特性を有する材料で作られており、従って、この実施形態は、錐体の下方領域54が再密封可能な特徴を備えている。
【0015】
図4は、概ね図1の4−4線に沿うディスペンサーの垂直方向図であり、錐体の頂部領域49、中間領域52及び下方領域54と、上方分割線51及び下方分割線53と、円形境界55と、タブの特別剛性がある厚い下方領域50と、タブの剛性が低く薄い上方領域46と、ディスペンサーのこの側に見える三角形の切り込み45と、を示している。
【0016】
図5は、概ね図1の5−5線に沿う錐体の背面42の正面図である。錐体の背面42は円形且つ平坦で、円形境界55で錐体の側壁41に取り付けられている。
図6は、概ね図1の6−6線に沿う錐体の正面図であり、タブの剛性が低く薄い上方領域46と、上方領域46より厚いので突き出しているタブの特別剛性のある下方領域50とを示している。図6は、更に、錐体の側壁41を示しており、側壁は、側壁が錐体42の背面に取り付けられている円形境界55に近づくほど徐々に広くなっており、逆に、タブの上方領域46内に取り囲まれている錐体の先端44に近づくほど狭くなっている。
【0017】
ディスペンサーの側壁41を円錐形に作る際には、可撓性材料のシートを図10に示す形状に畳むことになり、その際、シートの一方の側66をシートの他方の側67と一体に接合して円錐形のチャンバを作り、44がチャンバの先端となり、シートの残りの辺65はチャンバの底になる。2つの辺66と67を接合させると、図1と図6に示す本発明の最終的な実施形態に見ることができる継ぎ目68ができる。シートの残りの辺65は、錐体の背面42に取り付けられて円形境界55を形成し、図1と図7に示すように、ディスペンサーの底部の円周を構成する。図10に示すように、ディスペンサーの側壁41を構成するシートは、錐体の3つの異なる領域となる3つの領域、頂部領域49、中間領域52及び下方領域54を構成し、それぞれ上方分割線51と下方分割線53によって分けられている。先に述べたように、上方分割線51は、ディスペンサーのユーザーが頂部領域49を更に容易に破り取れるように、僅かに刻み目が付けられている。
【0018】
図11は、図9に関して先に述べた錐体の中間領域52が無い実施形態のディスペンサーに用いられるシートを示していることを除いて、ディスペンサーの側壁41を作るのに用いられるシートを示している図10と同じ図である。従って、シートは、2つの異なる材料のみを組み合わせて作られており、錐体の壁に唯2つの別々の領域、即ち、上方分割線51で分けられる錐体の頂部領域49と下方領域54を形成する。
【0019】
ディスペンサーの側壁41は、先に述べたように1つのシートを畳むのではなく、図12に示しているように、可撓性材料の2枚の同じシートを使って作ることもできる。そのような実施形態では、2つの辺71と72を、それぞれ他のシートの2つの辺72と71に接合して、先に述べた実施形態と同様の円錐形のチャンバを作る。具体的には、図12の2枚のシートの2つの残りの辺73は、図10の残りの辺65と同様で、錐体の背面42に取り付けられ;図12のシートの接合される上部領域76は、図10の頂部領域49と同様であり;図12のシートの接合される中間領域77は、図10の中間領域52と同様であり;図12のシートの接合される下方領域78は、図10の下方領域54と同様であり;図12のシートの接合される上方分割線74は、図10の上方分割線51と同様であり;図12のシートの接合される下方分割線75は、図10の下方分割線53と同様である。図10に記載されている実施形態と同様に、上方分割線74には、ディスペンサーのユーザーが接合された上部領域76をより容易に破断できるように、僅かに刻み目が付けられている。当業者には自明のように、側壁を、本発明の最終的な実施形態において側面の継ぎ目が、1つ又はそれ以上、或いは全く見えない円錐形に作ることのできる代わりの処理法もある。
【0020】
図13は、本発明を構成するため、本発明の3つの主な構成要素(錐体の側壁41、錐体の背面42、及び四角形のタブ43)がどのように組み立てられるかを示している。四角形のタブ43は、タブが錐体の中間に着座し、錐体の先端44をタブの中に取り囲むように、錐体の側壁41に取り付けられる。錐体の背面42は、円形であり、錐体の側壁41に取り付けられる。図13は、更に、錐体の3つの領域、即ち頂部領域49、中間領域52及び下方領域54;錐体の前記領域を分ける上方分割線51と下方分割線53;錐体の側面継ぎ目68;錐体42の背面に取り付けられる壁の下側辺65;タブ43の2つの領域、即ち切り目線48より下方の特別剛性のある厚い領域50と、切り目線48より上方の剛性が低く薄い領域46;タブ43の両側の2つの三角形の切り込み45、を示している。本発明の製造段階は、好適な実施形態では、概ね4つの段階を含んでいる。第1段階では、ディスペンサーを形成するために、図10に示しているシートを畳んで錐体の側壁41を作る。第2段階では、四角形のタブ43を、図13に示しているように、側壁の頂部に取り付ける。タブ43は、以下に詳細に説明するように、様々な実施形態に作ることができる。第3段階では、容器に、入れて小出しにする流体又は半流体の中身を充填する。最後の段階では、錐体の背面42を側壁に取り付ける。第3及び第4の連続する段階の代わりに、錐体の背面42を部分的に密封することもできる。充填する間は、底継ぎ目の未密封部分を、例えば吸着カップ付きの分離器で開いて、充填できるようにする。次いで、継ぎ目の残り部分を密封する。
【0021】
当業者には自明のように、別の工程と製造手順で、図1に示しているようなディスペンサーを組み立てることもできる。更に、これも自明であるが、異なる形状のシートを使って、ディスペンサーをもっと経済的又は効率的なやり方で製造することもできるし、先に述べたシート形状を僅かに調整又は切断して、ディスペンサーの様々な構成要素を溶着、糊付け又は取り付け易くするか、それらに対応させることもできる。更に、自明のように、本発明の様々な領域及び部分を溶着、ポリマー又は他の物質を使って糊付け、又は互いに取り付けることのできる様々な材料があり、そのような溶着、糊付け、又は取り付けを実現できる様々な方法及び手順がある。
【0022】
図14、15、16、17、18、19は、四角形のタブ43が側壁41に取り付けられる前の、その異なる実施形態を示している。これらの様々なタブの実施形態に、先に述べたディスペンサーの他の構成要素が、先に述べたようなやり方で取り付けられる。図14では、タブの上方領域46は、図1より長さが長い。このような実施形態は、ディスペンサーのユーザーが、上方領域をしっかりと握り、従って、その領域を容易に破断してディスペンサーを開くことができるという利点を有している。図15は、概ね図14の15−15線に沿うタブ43の側面図で、特別剛性のある厚い下方領域50と剛性が低く薄い上方領域46の間の幅に大きな差があることを示している。図15は、更に、下方の厚い領域50から上方の薄い領域46までの移行区画80が、三角形の切り込み45の下方部分でどのようになっているかを示している。
【0023】
図16は、三角形の切り込み45がタブ43の中に遙かに深く切り込まれ、何れの三角形の切り込み45の内側先端47も、錐体の先端が配置される領域に更に近く位置しているタブの或る実施形態を示している。このような実施形態では、ミシン目又は刻み目付の切り目線48も短いので、ディスペンサーのユーザーは、タブの上方領域46と錐体の上方領域49を切り離すのに掛ける破断力が少なくて済む。
【0024】
図17は、タブの上方領域46が図1のものよりも長く、三角形の切り込み45がタブ43の中に深く切り込まれていないので、何れの三角形の切り込み45の内側先端47も、錐体の先端が配置される領域から更に離れて位置しているタブの別の実施形態を示している。このような実施形態では、ミシン目又は刻み目付の切り目線48も長い。更に、図17の下方領域50と上方領域46は、同じか又は同様の厚さを有している。
【0025】
図18は、タブの上方領域46の、2つの三角形の切り込み45の直ぐ上に追加のスタブ81が設けられているタブの更に別の実施形態を示している。追加のスタブ81は、上方領域46と一体の部分であり、従って、上方領域46と同じ材料で作られているか、又は、上方領域46の残り部分より更に可撓性のある薄い材料で作られている
図19は、糸又は紐82が、上方領域46のミシン目又は刻み目付の切り目線48の直ぐ上に組み込まれているタブの或る実施形態を示している。追加のミシン目付の切り目線83が、糸又は紐82の直ぐ上に設けられている。ディスペンサーを開きたいディスペンサーのユーザーは、糸又は紐82を引っ張ることによって、タブの上方領域46と錐体の頂部領域49を簡単に切り離すことができ、この糸又は紐82の一部は、ユーザーが糸又は紐82を容易に掴むことができるように三角形の切り込み45の高さでタブの横に垂れ下がっている。糸又は紐は、紙、プラスチック、錫箔、金属、繊維又はそれらの組み合わせから選択された材料で作ることができる。代わりに、糸又は紐82は、タブの上方領域46の材料と同じか又は同様の材料で作ってもよい。また、糸又は紐82は、上方領域46に組み込むのではなく、タブ43が錐体の側壁41に取り付けられる前又は後に、上方領域に取り付けてもよい。
【0026】
図20は、図19に関連して先に述べたように糸又は紐82が上方領域46に取り付けられている本発明の実施形態の完成図である。更に、糸又は紐82は、ミシン目又は刻み目付の切り目線48と追加の切り目線83の間に整列しているだけでなく、タブの片側の錐体の頂部領域49の回りに包み込まれている。代わりに、2本の糸又は紐を切り目線に沿って平行に走らせ、一方の糸又は紐がタブの一方の側の頂部領域49の回りを取り巻き、他方の糸又は紐がタブの他方の側の頂部領域49の回りを取り巻いていてもよい。
【0027】
自明であるが、タブ43は、上に述べた各実施形態のあらゆる特徴を含む、広範な大きさ、長さ及び幅に作ることができる。
本発明は、先に述べたディスペンサーに必要とされていることに取り組んでいる。本ディスペンサーは、限定するわけではないが、ケチャップ、マヨネーズ又はサラダドレッシングのようなあらゆる種類のソース、伸ばすことのできるチーズ、チョコレートペースト、コーヒークリーム、他の調理済み食品、並びにコンディシヨナー又はシャンプー、ヘアージェル、液体石鹸又は練り歯磨きのような非食用の液体又は半液体の消費者用製品を含む様々な流体又は半流体を中身に入れて用いることができる。本発明は、ディスペンサーを開く器具を必要とせず、従って、器具が極めて厄介であるか、実用的でない事例に適している。円錐形と剛性のある四角形のスタブは、ディスペンサーのユーザーが、ディスペンサーの中に入っている中身を、極めて容易且つ便利なやり方で、欲しい場所に欲しい量だけ、計量した正確なやり方で使用できるようにしている。ディスペンサーは再密封可能なので、ディスペンサーのユーザーは、中に入っている中身を何度でも小出しすることができる。
【0028】
ここに図示し、説明してきたものは、可撓性材料で作られた流体の容器のような、或る種の搾り出す製品の改良品である。改良について、或る好適な実施形態に関連付けて図示し、説明してきたが、本発明は、それらに限定されるものではない。特に、上記の仕様及び実施形態は、分かり易くするためのものであって、限定するものではない。従って、当業者には、上記説明を読めば、構造的又は機械的等価物のような代替案、又は本発明の製造に関する代替的方法、及び他の修正案が想起できるであろう。従って、そのような代替案、変更、方法及び修正案は、それらが特許請求の範囲に述べる精神及び範囲の中にある限り、本発明の一部を形成するものと考えるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】或る実施形態のディスペンサーを水平方向に配置した状態を示している。
【図2】図1の実施形態の、概ね図1の2−2線に沿う横方向断面図である。
【図3】図1の実施形態の、概ね図1の3−3線に沿う長手方向断面図である。
【図4】図1の実施形態の、概ね図1の4−4線に沿う垂直方向の図である。
【図5】図1の実施形態の、概ね図1の5−5線に沿う正面図である。
【図6】図1の実施形態の、概ね図1の6−6線に沿う正面図である。
【図7】或る実施形態のディスペンサーの、ディスペンサーを開いた後の状態を示している。
【図8】図3の実施形態の断面図の一部の拡大図である。
【図9】或る実施形態のディスペンサーの断面図の一部の拡大図である。
【図10】本発明の構成要素、錐体の側壁を製造するのに用いるシートの或る実施形態を示している。
【図11】本発明の構成要素、錐体の側壁を製造するのに用いるシートの別の実施形態を示している。
【図12】本発明の構成要素、錐体の側壁を製造するのに用いる2枚のシートの或る実施形態を示している。
【図13】本発明の或る実施形態の組み立て方を示している。
【図14】本発明の構成要素、側壁に取り付けられる前の四角形のタブの或る実施形態を示している。
【図15】図14の本発明の構成要素の実施形態の、概ね図14の15−15線に沿う側面図である。
【図16】本発明の構成要素、側壁に取り付けられる前の四角形のタブの別の実施形態を示している。
【図17】本発明の構成要素、側壁に取り付けられる前の四角形のタブの別の実施形態を示している。
【図18】本発明の構成要素、側壁に取り付けられる前の四角形のタブの別の実施形態を示している。
【図19】本発明の構成要素、側壁に取り付けられる前の四角形のタブの別の実施形態を示している。
【図20】図19に示す本発明の実施形態の構成要素を組み込んだ本発明の或る実施形態を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体及び半液体の中身を入れるための円錐形の容器において、
潰すことのできる材料で形成されている円錐形の本体と、
前記円錐形の本体の頂部に取り付けられており、前記円錐形の本体の頂部を保持するように形成されている頂部領域と底部領域とを含んでいる四角形の剛性のあるタブと、を備えており、
前記底部領域は前記頂部領域より剛性が高く、
前記底部領域と前記頂部領域の間に形成されている移行区画には切り込みが形成されており、
前記円錐形の本体の頂部は、前記円錐形の本体の底部と異なる材料で形成されており、
前記四角形の剛性のあるタブの前記移行区画は、前記円錐形の本体の前記頂部を保持する前記頂部領域を、前記底部領域から破り取って、前記円錐形の本体を開くことができる弱い帯域として形成されている、容器。
【請求項2】
前記円錐形の本体の頂部を形成している前記異なる材料は、箔様の材料なので、前記箔様の材料は、前記箔様の材料を押し付けることによって再密封することができる、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記移行区画は、前記弱い帯域を形成するようになっている、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記移行区画は、前記弱い帯域を形成するためにミシン目が開けられている、請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記円錐形の本体の前記頂部の壁は、前記移行区画と同じ高さに刻み目が付いている、請求項1に記載の容器。
【請求項6】
前記移行区画と前記円錐形の本体の頂部に取り付けられている紐を更に備えている、請求項1に記載の容器。
【請求項7】
前記円錐形の本体は、紙、プラスチック、錫箔、金属及びそれらの組み合わせの内の1つの層で形成されている、請求項1に記載の容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公表番号】特表2008−511516(P2008−511516A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502495(P2008−502495)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【国際出願番号】PCT/IB2005/004190
【国際公開番号】WO2006/126041
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(506270145)
【Fターム(参考)】