説明

冊子集積装置、製本装置及び画像形成システム

【課題】冊子の荷崩れ発生を抑えることができる冊子集積装置、当該冊子集積装置を備える製本装置及び当該冊子集積装置を備える画像形成システムを提供する。
【解決手段】製本された冊子が積載される積載面(第1積載面L1や第2積載面L2)を備えた冊子集積部33において、積載面は、当該積載面に積載された冊子の小口側から背側に向かって下方向に傾斜するように傾斜自在であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冊子集積装置、製本装置及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像が形成された用紙を集積して束にした一冊の用紙束を、ステイプル綴じや糊付けなどによって表紙用紙と接合することにより、その用紙束を冊子に製本する製本装置が知られている。
このような製本装置においては、製本された冊子を集積する冊子集積装置が必要である。
【0003】
冊子集積装置としては、例えば、その冊子集積装置に着脱自在な移動台車を備え、冊子集積装置に集積された冊子を移動台車に移載することによって、製本された冊子を冊子集積装置から取り出して運搬できるよう構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−45595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、冊子集積装置に集積される冊子は、綴じられた背側(ステイプル綴じや糊付けなどがされた側)の端部の厚みが、その背側と対向する小口側の端部の厚みよりも大きくなること等の影響により、積載状態が扇状になることがある。積載状態が扇状になると、冊子にかかる小口側方向への力が大きくなり、荷崩れが発生してしまう場合がある。そのため、装置の集積容量よりも少ない冊数で集積限界となってしまう。また、特許文献1のように、ベルトコンベアによって冊子を移動台車に移載する構成の場合、特に移載時に荷崩れが発生しやすいため、この点でも、集積限界が装置の集積容量よりも低くなってしまう。
【0005】
本発明の課題は、冊子の荷崩れ発生を抑えることができる冊子集積装置、当該冊子集積装置を備える製本装置及び当該冊子集積装置を備える画像形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
製本された冊子が積載される積載面を備えた冊子集積装置において、
前記積載面は、当該積載面に積載された冊子の小口側から背側に向かって下方向に傾斜していることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の冊子集積装置において、
前記積載面の傾斜角度を変更可能であることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、
請求項2に記載の冊子集積装置において、
冊子の積載冊数、一冊分の用紙束を形成する用紙の枚数及び冊子のサイズのうちの少なくとも1つを含む冊子に関する冊子情報に基づいて、前記積載面の傾斜角度を制御する傾斜制御手段を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、
請求項3に記載の冊子集積装置において、
前記積載面としての第1積載面及び第2積載面と、
前記第1積載面に積載された冊子が所定の積載上限に達したか否かを判断する上限判断手段と、
前記上限判断手段により前記第1積載面に積載された冊子が所定の積載上限に達したと判断された場合に、前記第1積載面に積載された冊子を前記第2積載面に移載する移載手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、
請求項4に記載の冊子集積装置において、
前記傾斜制御手段は、前記第1積載面の傾斜角度を制御する第1傾斜制御手段と、前記第2積載面の傾斜角度を制御する第2傾斜制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、
請求項4又は5に記載の冊子集積装置において、
前記製本された冊子を集積する収容部と、
移動台車と、
前記移動台車が着脱自在に装着される被装着部と、
を備え、
前記第1積載面は、前記収容部に設けられ、
前記第2積載面は、前記移動台車に設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、
請求項6に記載の冊子集積装置において、
当該冊子集積装置の本体に設けられたレール部を備え、
前記移動台車は、前記被装着部に着脱される際に前記レール部上を回転するコロを備え、
前記移動台車が前記被装着部に装着された際に、前記コロが前記レール部上に乗り上げることで前記移動台車全体が浮いた状態になることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、
製本装置において、
請求項1〜7の何れか一項に記載の冊子集積装置と、
前記冊子を製本する製本手段と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、
画像形成システムにおいて、
請求項1〜7の何れか一項に記載の冊子集積装置と、
用紙に画像を形成して出力する画像形成装置と、
前記画像形成装置により出力された用紙を集積して束にした用紙束を前記冊子に製本する製本装置と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1、2、8及び9に記載の発明によれば、冊子にかかる小口側方向への力を打ち消すように積載面が傾斜するため、安定して冊子を積載することができ、冊子の荷崩れ発生を抑えることができる。
【0016】
請求項3、8及び9に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、荷崩れ発生への影響度が高いファクターに基づいて、積載面の傾斜角度を制御することができるため、より安定して冊子を積載することができる。
【0017】
請求項4、8及び9に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、第1積載面に積載された冊子が所定の積載上限に達したと判断した場合に、移載手段によって第1積載面に積載された冊子を第2積載面に移載することができるため、ユーザが手動で移載する必要がなくなって、使い勝手が良い。
【0018】
請求項5、8及び9に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、第1積載面の傾斜角度を制御する傾斜制御手段と、第2積載面の傾斜角度を制御する傾斜制御手段と、を別々に備えているため、それぞれに適した角度制御を行うことができる。
【0019】
請求項6、8及び9に記載の発明によれば、請求項4又は5に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、第1積載面は、収容部に設けられ、第2積載面は、移動台車に設けられているため、収容部に冊子を集積する際も、収容部に集積された冊子を移動台車に移載する際も、移動台車で冊子を運搬する際も、冊子の荷崩れ発生を抑えることができる。
【0020】
請求項7、8及び9に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、移動台車が被装着部に装着された際に、移動台車全体が浮いた状態になるため、本体に対する移動台車の装着高さは常に一定となり、収容部に集積された冊子を、スムーズかつ確実に、移動台車に移載できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0022】
図1は、本実施形態の画像形成システムの構成を示す模式図であり、図2は、本実施形態の画像形成システムの機能的構成を示すブロック図である。図3は、本実施形態の製本装置(くるみ製本機)の断面構成を模式的に示す図である。図4は、本実施形態の冊子集積装置(冊子集積部)が備える移動台車の側面図である。図5は、本実施形態の冊子集積装置(冊子集積部)が備える第1積載面及び第2積載面を説明するための図であって、冊子集積装置(冊子集積部)の側面断面構成を模式的に示す図であり、図6は、本実施形態の冊子集積装置(冊子集積部)が備える第1積載面及び第2積載面を説明するための図であって、冊子集積装置(冊子集積部)の正面断面構成を模式的に示す図である。
ここで、画像形成システム1000において、画像形成装置1側を右側、くるみ製本機3側を左側とする。また、画像形成装置1及びくるみ製本機3の正面側を前側、背面側を後側とし、左右方向及び前後方向の双方に垂直な方向を上下方向とする。
【0023】
<画像形成システム>
画像形成システム1000は、例えば、図1及び図2に示すように、大容量給紙装置1aが接続された画像形成装置1と、後処理装置であるくるみ製本機3と、を備えて構成される。具体的には、画像形成システム1000では、例えば、画像形成装置1とくるみ製本機3とがシリアル通信によりデータ送受信可能に接続されている。
画像形成システム1000では、例えば、画像形成装置1で、所定の用紙に画像を形成し、くるみ製本機3で、その画像が形成された用紙等を集積して束にした一冊の用紙束を冊子に製本して集積するようになっている。本実施形態において、くるみ製本機3には、冊子集積装置としての冊子集積部33が装着されている。冊子集積部33には、その本体33aに着脱自在な移動台車340が備えられており、製本されて集積された冊子を移動台車340に移載することによって、その冊子をくるみ製本機3から取り出して運搬できるようになっている。
【0024】
<画像形成装置>
画像形成装置1は、例えば、用紙に画像を形成して出力する装置である。
具体的には、画像形成装置1は、例えば、図1及び図2に示すように、シリアル通信部11と、操作部12と、用紙収納部13と、原稿トレイ用給送部14と、画像読取部15と、画像データ記憶部16と、画像形成部17と、搬送部18と、画像形成装置制御部19と、等を備えて構成される。
【0025】
シリアル通信部11は、例えば、シリアル通信I/F等により構成されている。シリアル通信部11は、例えば、くるみ製本機3のシリアル通信部311と接続され、例えば、画像形成装置制御部19から入力される制御信号に従って、画像形成装置1とくるみ製本機3との間でのシリアル通信によるデータ送受信を制御する。
【0026】
操作部12は、例えば、図2に示すように、表示部12a及び入力部12bを備えて構成される。
【0027】
表示部12aは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、例えば、画像形成装置制御部19から入力される制御信号に従って、表示画面上に各種操作ボタンや装置の状態、各機能の動作状況などの表示を行う。
【0028】
入力部12bは、例えば、操作キーや、表示部12a(LCD)と一体的に形成されたタッチパネルなどにより構成され、例えば、ユーザによる操作キーの押下操作やタッチパネルの押圧操作に応じた操作信号を画像形成装置制御部19に出力する。
【0029】
用紙収納部13は、例えば、画像を転写(形成)するための用紙(本身用紙)を収納する給紙トレイ13a等により構成されている。本実施形態において、用紙収納部13は、画像形成装置1が備える3つの給紙トレイ13aと、大容量給紙装置1aが備える3つの給紙トレイ13aと、等により構成されている。
用紙収納部13の各給紙トレイ13aは、例えば、用紙の収納の有無を検出する有無検出部と、収納されている用紙のサイズを検出するサイズ検出部と、等を備え、検出信号を画像形成装置制御部19に出力する。
【0030】
原稿トレイ用給送部14は、例えば、ADF(Auto Document Feeder)等により構成され、例えば、画像形成装置制御部19から入力される制御信号に従って、原稿トレイT1に載置された原稿を一枚ずつ順に、コンタクトガラス上に自動給送する。
【0031】
画像読取部15は、例えば、原稿を載置するコンタクトガラスの下部にスキャナを備えて構成され、例えば、画像形成装置制御部19から入力される制御信号に従って、原稿の画像を読み取る。スキャナは、光源やCCD(Charge Coupled Device)などにより構成され、光源から原稿へ照明走査した光の反射光を結像して光電変換することにより原稿の画像を読み取り、読み取った画像をA/D変換器によりデジタル画像データに変換して画像形成装置制御部19に出力する。ここで、画像は、図形や写真などのイメージデータに限らず、文字や記号などのテキストデータ等も含む。
【0032】
画像データ記憶部16は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により構成され、例えば、画像形成装置制御部19から入力される制御信号に従って、画像読取部15により生成された画像データを一時的に記憶する。
【0033】
画像形成部17は、例えば、静電潜像が形成される感光体ドラムと、感光体ドラムを一様に帯電させる帯電装置と、画像データに応じてON/OFFされるレーザ光を一様に帯電された感光体表面に照射して静電潜像を形成するレーザユニットと、静電潜像をトナー像に顕像化する現像装置と、感光体表面のトナー像を搬送されてきた用紙に転写した後、用紙を感光体表面から分離させる転写分離装置と、転写後の感光体表面に残ったトナーを除去するクリーニング装置と、用紙上のトナー像を加熱加圧して固着する定着装置と、等により構成され、例えば、画像形成装置制御部19から入力される制御信号に従って、電子写真方式等により用紙上に画像を形成する。そして、トナーの定着が行われた用紙は、搬送部18によりくるみ製本機3へ搬送される。
【0034】
搬送部18は、例えば、搬送ローラや搬送ベルト、これらを駆動するモータなどにより構成され、例えば、画像形成装置制御部19から入力される制御信号に従って、用紙収納部13(給紙トレイ13a)に収納されている用紙を、搬送経路に沿って搬送してくるみ製本機3に向けて排出する。
【0035】
画像形成装置制御部19は、画像形成装置1を構成する各部の動作を集中制御する。
具体的には、画像形成装置制御部19は、例えば、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)191と、RAM(Random Access Memory)192と、記憶部193と、などを備えて構成される。
【0036】
CPU191は、例えば、記憶部193に記憶された画像形成装置1用の各種処理プログラムに従って各種の制御動作を行う。
【0037】
RAM192は、例えば、CPU191によって実行される処理プログラムなどを展開するためのプログラム格納領域や、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果などを格納するデータ格納領域などを備える。
【0038】
記憶部193は、例えば、画像形成装置1で実行可能なシステムプログラム、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータなどを記憶する。なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形で記憶部193に記憶されている。
【0039】
<くるみ製本機>
くるみ製本機3は、例えば、用紙を集積して束にした一冊の用紙束を、所定位置P1に供給された表紙用紙と接合することにより、その用紙束を冊子に製本する製本装置である。
具体的には、くるみ製本機3は、例えば、図1〜図3に示すように、製本部31と、冊子集積部33と、くるみ製本機制御部35と、等を備えて構成される。製本部31を構成する各部と冊子集積部33を構成する各部とは、例えば、それぞれ別々の筐体内に収容されており、くるみ製本機制御部35は、例えば、製本部31を構成する各部が収容された筐体内に収容されている。
ここで、冊子を製本する製本手段及び画像形成装置1により出力された用紙を集積して束にした用紙束を冊子に製本する製本装置は、製本部31とくるみ製本機制御部35とにより構成され、製本装置により製本された冊子が積載される積載面(第1積載面L1や第2積載面L2)を備えた冊子集積装置は、冊子集積部33とくるみ製本機制御部35とにより構成される。
【0040】
製本部31は、例えば、シリアル通信部311と、サブコンパイル部312と、クランプ部313と、糊塗布部314と、断裁部315と、角背成形部316と、冊子搬送部317と、表紙用紙収納部318と、搬送部319と、等を備えて構成され、用紙束に糊を塗布して、所定位置P1に供給された表紙用紙でその用紙束をくるむことによって、冊子を作成する。
【0041】
シリアル通信部311は、例えば、シリアル通信I/F等により構成されている。シリアル通信部311は、例えば、画像形成装置1のシリアル通信部11と接続され、例えば、くるみ製本機制御部35から入力される制御信号に従って、くるみ製本機3と画像形成装置1との間でのシリアル通信によるデータ送受信を制御する。
【0042】
サブコンパイル部312は、例えば、くるみ製本機制御部35から入力される制御信号に従って、クランプ部313が一冊分の用紙束に対してクランプ処理を実施している間、画像形成装置1から搬入された次にクランプ処理される分の用紙をスタック集積する。
【0043】
クランプ部313は、例えば、くるみ製本機制御部35から入力される制御信号に従って、サブコンパイル部312においてスタック集積された用紙を取得して集積し、所定枚数(一冊分の枚数)に到達した時点でクランプ(固める)処理を実施する。
【0044】
糊塗布部314は、例えば、くるみ製本機3の前後方向中心よりも後方側に位置しており、例えば、くるみ製本機制御部35から入力される制御信号に従って、前進する時と後退する時にクランプ処理された用紙束の下端面に糊を塗布する。
ここで、くるみ製本機3には、例えば、図示しない糊補給部が備えられており、糊補給部によって糊塗布部314に糊が補給されるようになっている。
【0045】
断裁部315は、例えば、くるみ製本機制御部35から入力される制御信号に従って、所定位置P1に供給される表紙用紙又は用紙(表紙用紙の代替となる代替用紙)を、冊子の表紙に好適なサイズに断裁する。
具体的には、くるみ製本機制御部35は、例えば、クランプ部313において、クランプ処理された用紙束の厚みを計測し、次いで、その用紙束を形成する用紙のサイズ(幅及び長さ)と、計測した用紙束の厚みと、に基づいて、冊子の表紙に好適なサイズを決定し、次いで、断裁部315において、所定位置P1に供給される表紙用紙又は代替用紙をその決定したサイズに断裁する。
【0046】
角背成形部316は、例えば、クランプ部313の下方に位置しており、例えば、上下動可能に構成されている。
具体的には、角背成形部316は、例えば、くるみ製本機制御部35から入力される制御信号に従って、所定位置P1に供給された表紙用紙又は代替用紙を載せて上昇し、その表紙用紙又は代替用紙を用紙束の糊塗布面(用紙束の下端面)に貼り付けて糊塗布面の側縁に沿って折り曲げ、用紙束の表面及び裏面にそれぞれ表表紙及び裏表紙を重ね合わせる。
【0047】
冊子搬送部317は、例えば、搬送ローラや搬送ベルト、これらを駆動するモータなどにより構成され、例えば、くるみ製本機制御部35から入力される制御信号に従って、角背成形部316とともに上昇し、完成した冊子を受け取って冊子受渡位置まで移動し、冊子集積部33に向けて排出する。
【0048】
表紙用紙収納部318は、例えば、表紙用紙を収納する表紙給紙トレイ318a等により構成されている。本実施形態において、表紙用紙収納部318は、くるみ製本機3の製本部31が備える1つの表紙給紙トレイ318a等により構成されている。
表紙用紙収納部318の表紙給紙トレイ318aは、例えば、表紙用紙の収納の有無を検出する有無検出部と、収納されている表紙用紙のサイズを検出するサイズ検出部と、等を備え、検出信号をくるみ製本機制御部35に出力する。
【0049】
搬送部319は、例えば、搬送ローラや搬送ベルト、これらを駆動するモータなどにより構成され、例えば、くるみ製本機制御部35から入力される制御信号に従って、表紙用紙収納部318(表紙給紙トレイ318a)に収納されている表紙用紙を、搬送経路に沿って搬送して所定位置P1に供給したり、画像形成装置1から搬入された用紙を、搬送経路に沿って排紙トレイT2、サブコンパイル部312又は所定位置P1に搬送したりする。
【0050】
冊子集積装置としての冊子集積部33は、例えば、収容部331と、移載部332と、第1傾斜制御部333と、扉閉検出部334と、台車装着検出部335と、積載高さ検出部336と、台車上冊子検出部337と、移動台車340と、冊子搬送部341と、第2傾斜制御部342と、等を備えて構成され、製本部31で作成された冊子を収容部331に集積したり、その集積された冊子を移動台車340に移載したりする。
【0051】
例えば、図1及び図3に示すように、冊子集積部33を構成する各部(移動台車340、冊子搬送部341及び第2傾斜制御部342を含む)は、本体33a内に収納されている。
具体的には、例えば、製本部31により製本された冊子を集積する収容部331は、本体33aの左右方向略中央よりも右側(製本部31側)に収納されている。一方、例えば、本体33aの左右方向略中央よりも左側は、移動台車340が着脱自在に装着される被装着部33bとなっており、移動台車340は、本体33aの左右方向略中央よりも左側(被装着部33b)に着脱自在に収納されている。
すなわち、収容部331と被装着部33bとは隣接して配置されている。そして、本体33aは、収容部331と被装着部33bとを隔てるものを有しておらず、本体33a内の収容部331と被装着部33bとの間は、収容部331の左側(被装着部33b側)を露出する開口部となっている。これにより、冊子集積部33においては、収容部331に集積された冊子を被装着部33bに装着された移動台車340に移載できるようになっている。
【0052】
また、本体33aの前面及び下面のうち被装着部33b側は開口している。これにより、冊子集積部33の前面側から移動台車340を被装着部33bに着脱できるようになっている。
被装着部33bの前側(本体33aの前面の開口部分)は、扉33cで覆われている。扉33cは、例えば、本体33aの左面33a1に開閉自在に設けられており、例えば、被装着部33bに移動台車340を着脱する際に開かれるようになっている。
ここで、扉33cは、例えば、くるみ製本機3が動作している間はロックされており、開くことができないようになっている。
【0053】
また、冊子集積部33は、例えば、本体33aの下面の開口部分の左端部及び右端部に設けられたレール部33d,33dを備えている。レール部33dは、例えば、前後方向に沿って設けられており、被装着部33dに移動台車340を着脱する際に、移動台車340を案内する。
ここで、例えば、図4に示すように、レール部33dの上面33d1(図4においては仮想線で示す)は、前側の部分が外側に向かって下方向に傾斜しており、前側以外の部分が本体33aの下面に対して略平行になっている。
【0054】
また、冊子集積部33は、例えば、図6に示すように、本体33aの背面内側に設けられた位置決め部33eを備えている。位置決め部33eは、例えば、被装着部33bに移動台車340が装着された際に、移動台車340に取り付けられた突出ピン340dが挿入可能な挿入穴を有している。これにより、移動台車340は正確に位置決めされた状態で被装着部33bに装着されるため、収容部331に集積された冊子を、スムーズかつ確実に、移動台車340に移載できることになる。
【0055】
収容部331は、例えば、くるみ製本機制御部35から入力される制御信号に従って、完成した冊子、すなわち、製本部31で製本された冊子を集積する。
具体的には、収容部331は、例えば、図5に示すように、製本された冊子を収容部331に設けられた第1積載面L1(移載部332のベルトコンベア332a上面)に順次積載していく積載部331a等を備えている。積載部331aは、例えば、上下動可能に構成されており、例えば、冊子受取位置まで移動して、製本部31で製本された冊子を冊子搬送部317から受け取り第1積載面L1に順次積載していく。これにより、収容部331内に製本部31で製本された冊子が集積される。
【0056】
移載部332は、例えば、ベルトコンベア332aやこれを駆動するモータ332bなどにより構成され、例えば、くるみ製本機制御部35から入力される制御信号に従って、収容部331に集積された冊子を被装着部33bに装着された移動台車340に設けられた第2積載面L2(冊子搬送部341のベルトコンベア341a上面)に移載する。
【0057】
移載部332のベルトコンベア332aは、例えば、図6に示すように、支持部332a1と、4つのローラ332a2と、2つのベルト332a3と、等を備えて構成される。
支持部332a1は、例えば、下面が開口した断面視略コ字形状をなし、例えば、左側面及び右側面に、外側に向かって突出する突出部332a11を有している。ローラ332a2は、例えば、回転軸の方向が前後方向となるように、回転自在に突出部332a11に固定されており、支持部332a1の前側に取り付けられた一対のローラ332a2,332a2と、後側に取り付けられた一対のローラ332a2,332a2と、の各々にはベルト332a3が巻き回されている。したがって、支持部332a1の上面が、ベルト332a3の第1積載面L1となる部分を下側から支持しているため、第1積載面L1に冊子が積載されても、ベルト332a3が撓まないようになっている。
【0058】
支持部332a1の左側に取り付けられた2つのローラ332a2の回転軸は連結している。例えば、その回転軸の後端部には、モータ332bの駆動をベルトコンベア332aに伝達するための第1歯車332b1が固定されており、その回転軸の前端部には、モータ332bの駆動を移動台車340の冊子搬送部341に伝達するための第2歯車332b2が固定されている。
【0059】
ここで、移載部332のベルトコンベア332a上面(第1積載面L1)は、少なくとも第1積載面L1に積載された冊子の小口側から背側に向かって下方向に傾斜するように傾斜自在となっている。
具体的には、移載部332は、例えば、支持部332a1の左側に取り付けられた2つのローラ332a2の回転軸が回動自在に本体33aに固定されることによって、本体33aに設けられている。
【0060】
第1傾斜制御部333は、例えば、カム333aやこれを駆動するモータ333bなどにより構成され、例えば、くるみ製本機制御部35から入力される制御信号に従って、第1積載面L1の傾斜角度を変化させる。
カム333aは、例えば、外形略円筒形状をなし、例えば、回転軸の方向が前後方向となるように、かつ、支持部332a1の上面下側と接するように本体33aに取り付けられている。カム333aは、例えば、回転軸がカム333aの中心軸から半径方向にずれて側面近傍に位置しているため、回転することにより、支持部332a1を持ち上げたり持ち下げたりして、移載部332のベルトコンベア332a(第1積載面L1)の傾斜角度を変化させるようになっている。
【0061】
例えば、図5及び図6に示すように、カム333aの回転軸の前端部には、モータ333bの駆動をカム333aに伝達するためのウォームホイール333b1が固定されており、モータ333bの回転軸の先端には、ウォームホイール333b1と噛み合っているウォームギア333b2が固定されている。したがって、カム333aは、モータ333bが停止した時点での第1積載面L1の傾斜角度を自立して保持することができる。
また、モータ333bは、例えば、ステッピングモータ、或いは、DCモータ及びタイマにより構成されている。したがって、くるみ製本機制御部35は、例えば、モータ333bの回転方向や回転時間などに関する制御信号を第1傾斜制御部333に入力することによって、第1積載面L1の傾斜角度を、正確かつ任意に変化させることができる。
【0062】
ここで、例えば、図5に示すように、製本部31により製本された冊子は、小口側が右、背側が左を向いた状態で、冊子搬送部317から積載部331aに搬送されて、第1積載面L1に積載される。したがって、移載部332を、支持部332a1の左側に取り付けられた2つのローラ332a2の回転軸を軸として、上方向に回動させることによって、第1積載面L1は、第1積載面L1に積載された冊子の小口側から背側に向かって下方向に傾斜することになる。
【0063】
扉閉検出部334は、例えば、扉33cが閉まったことを検出して、検出信号をくるみ製本機制御部35に出力する。扉閉検出部334は、例えば、接触式センサにより構成され、扉33cが閉まった際にその扉33cと接触可能な位置に取り付けられている。具体的には、例えば、図3に示すように、扉閉検出部334は、本体33aの左面33a1内側に取り付けられている。
【0064】
台車装着検出部335は、例えば、被装着部33bに移動台車340が装着されたことを検出して、検出信号をくるみ製本機制御部35に出力する。台車装着検出部335は、例えば、光透過式センサにより構成され、被装着部33bに移動台車340が装着された際に、その移動台車340によって光透過式センサの発光部と受光部とが隔てられる位置に取り付けられている。
具体的には、例えば、図6に示すように、移動台車340の本体部340aには、被装着部33bに装着された際に冊子集積部33の本体33aの背面と対向する位置に外側に向かって突出する光遮蔽板340cが取り付けられており、冊子集積部33の本体33aの背面内側には、被装着部33bに装着された移動台車340の光遮蔽板340cと対向する位置に台車装着検出部335(光透過式センサ)が取り付けられている。そして、被装着部33bに移動台車340が装着されると、移動台車340に取り付けられた光遮蔽板340cによって、台車装着検出部335の発光部と受光部との間の光路が遮られるようになっている。
【0065】
積載高さ検出部336は、例えば、第1積載面L1に積載された冊子の積載高さが所定の高さ(積載上限(積載高さの上限))に達したことを検出して、検出信号をくるみ製本機制御部35に出力する。積載高さ検出部336は、例えば、光反射式センサにより構成され、例えば、収容部331が満載になった時の積載高さに基づいて決定される位置に取り付けられている。
具体的には、例えば、図3に示すように、積載高さ検出部336(光反射式センサ)は、冊子集積部33の本体33aの右面33a2内側に取り付けられており、例えば、第1積載面L1に積載された冊子が積載上限に達すると、積載高さ検出部336の発光部からの光がその冊子の積載上限に達した部分で反射されて積載高さ検出部336の受光部に受光されるようになっている。
【0066】
台車上冊子検出部337は、例えば、被装着部33bに装着された移動台車340に冊子が積載されたことを検出して、検出信号をくるみ製本機制御部35に出力する。台車上冊子検出部337は、例えば、光反射式センサにより構成され、例えば、被装着部33bに装着された移動台車340に冊子が積載された時の積載高さに基づいて決定される位置に取り付けられている。ここで、台車上冊子検出部337は、移動台車340に積載された冊子の冊数が1冊であってもその冊子を検出可能となるように、冊子搬送部341のベルトコンベア341a上面と接する任意の厚みの冊子を検出可能な位置に取り付けられるのが好ましい。
具体的には、例えば、図3に示すように、台車上冊子検出部337(光反射式センサ)は、冊子集積部33の本体33aの左面33a1内側に取り付けられており、例えば、被装着部33bに装着された移動台車340に冊子が1冊でも積載されると、台車上冊子検出部337の発光部からの光がその積載された冊子で反射されて台車上冊子検出部337の受光部に受光されるようになっている。
【0067】
移動台車340は、例えば、図4〜図6に示すように、本体部340aと、本体部340a上面に取り付けられた取っ手部340bや光遮蔽板340c、突出ピン340dなどと、本体部340a下面に取り付けられた車輪340e,…やコロ340f,…などと、等により構成され、例えば、取っ手部340bを持って、冊子集積部33の前面側から被装着部33bに着脱するようになっている。
ここで、移動台車340においては、移動台車340が被装着部33bに装着された状態で、取っ手部340bが取り付けられた側が前側、光遮蔽板340cや突出ピン340dが取り付けられた側が後側となる。
【0068】
例えば、コロ340f,…は、本体部340a下面の左端部の前側及び後側と、右端部の前側及び後側と、にそれぞれ1個ずつ取り付けられている。コロ340fは、例えば、移動台車340が被装着部33bに着脱される際に、本体33aに設けられたレール部33d,33d上(レール部33dの上面33d1)を回転するようになっており、これにより、移動台車340は、被装着部33b内の所定の装着位置まで案内される。
また、車輪340e,…は、本体部340aの下面の左側(左端部に取り付けられたコロ340fよりも内側)の前側及び後側と、右側(右端部に取り付けられたコロ340fよりも内側)の前側及び後側と、にそれぞれ1個ずつ取り付けられている。
【0069】
ここで、例えば、コロ340fの径は、車輪340eの径よりも小さく、コロ340fの回転軸は、車輪340eの回転軸よりも上側に設けられている。したがって、コロ340fの接地面は、車輪340eの接地面よりも上側となっている。
また、例えば、冊子集積部33の本体33aに設けられたレール部33dの上面33d1(図4においては仮想線で示す)は、前側の部分が外側に向かって下方向に傾斜しており、前側以外の部分が本体33aの下面に対して略平行になっている。
これにより、例えば、移動台車340を被装着部33bに装着させようとして、移動台車340を押し、車輪340eをくるみ製本機3の載置面Gで回転させて、被装着部33bの前方まで移動させると、例えば、図4に示すように、車輪340eがくるみ製本機3の載置面Gに接した状態で、後側のコロ340fがレール部33dの上面33d1と接するようになる。そして、さらに移動台車340を押し、コロ340fをレール部33d上に乗り上げさせて上面33d1で回転させ、装着位置まで移動させると、移動台車340全体が浮いた状態(車輪340fがくるみ製本機3の載置面Gから離れた状態)になる。
すなわち、レール部33dの上面33d2に傾斜を付けているため、コロ340fがレール部33d上に乗り上げやすくなる。
また、移動台車340を被装着部33bに装着させると、コロ340fがレール部33d上に乗り上げることで移動台車340全体が浮いた状態になるため、本体33aに対する移動台車340の装着高さは、くるみ製本機3の載置面Gの状態に依存せず、常に一定となる。さらに、移動台車340の本体部340aには、被装着部33bに装着された際に冊子集積部33の本体33aの背面と対向する位置に外側に向かって突出する突出ピン340dが備えられており、移動台車340を被装着部33bに装着させる際、突出ピン340dが本体33aに備えられた位置決め部33eに挿入されるため、移動台車340の本体33aに対する左右方向の装着位置が、正確に位置決めされる。したがって、収容部331に集積された冊子を、スムーズかつ確実に、移動台車340に移載できることになる。
【0070】
また、移動台車340は、例えば、本体部340aの上面に冊子搬送部341や第2傾斜制御部342などを備えている。
ここで、例えば、突出ピン340d及び位置決め部33eは、本体33aと移動台車340とを電気的に接続するための接続端子としても機能する。すなわち、突出ピン340dが位置決め部33eに挿入されると、第2傾斜制御部342を駆動するための駆動電源や、くるみ製本機制御部35からの制御信号などが、本体33aから移動台車340へ入力可能な状態となる。
【0071】
冊子搬送部341は、例えば、ベルトコンベア341a等により構成され、例えば、被装着部33bに移動台車340が装着されて移載部332が動作した際、この移載部332の駆動力で駆動されて、収容部331から移動台車340へ移載された冊子を、移動台車340の第2積載面L2上の所定位置に搬送する。
【0072】
冊子搬送部341のベルトコンベア341aは、例えば、図6に示すように、支持部341a1と、4つのローラ341a2と、2つのベルト341a3と、等を備えて構成される。
支持部341a1は、例えば、下面が開口した断面視略コ字形状をなし、例えば、左側面及び右側面に、外側に向かって突出する突出部341a11を有している。ローラ341a2は、例えば、回転軸の方向が前後方向となるように、回転自在に突出部341a11が固定されており、支持部341a1の前側に取り付けられた一対のローラ341a2,341a2と、後側に取り付けられた一対のローラ341a2,341a2と、の各々にはベルト341a3が巻き回されている。したがって、支持部341a1の上面が、ベルト341a3の第2積載面L2となる部分を下側から支持しているため、第2積載面L2に冊子が積載されても、ベルト341a3が撓まないようになっている。
【0073】
支持部341a1の右側に取り付けられた2つのローラ341a2の回転軸は連結しており、例えば、その回転軸の前端部には、本体部340aに回転自在に取り付けられた駆動伝達歯車341a4が固定されている。例えば、移動台車340が被装着部33bに装着されると、移載部332の第2歯車332b2と冊子搬送部341の駆動伝達歯車341a4とが噛み合って、移載部332のモータ332bの駆動が冊子搬送部341に伝達されるようになっている。
【0074】
ここで、冊子搬送部341のベルトコンベア341a上面(第2積載面L2)は、少なくとも第2積載面L2に積載された冊子の小口側から背側に向かって下方向に傾斜するように傾斜自在となっている。
具体的には、冊子搬送部341は、例えば、支持部341a1の右側に取り付けられた2つのローラ341a2の回転軸が回動自在に本体部340aに固定されることによって、本体部340aに設けられている。
【0075】
第2傾斜制御部342は、例えば、カム342aやこれを駆動するモータ342bなどにより構成され、例えば、くるみ製本機制御部35から入力される制御信号に従って、第2積載面L2の傾斜角度を変化させる。
カム342aは、例えば、外形略円筒形状をなし、例えば、回転軸の方向が前後方向となるように、かつ、支持部341a1の上面下側と接するように本体部340aに取り付けられている。カム342aは、例えば、回転軸がカム342aの中心軸から半径方向にずれて側面近傍に位置しているため、回転することにより、支持部341a1を持ち上げたり持ち下げたりして、冊子搬送部341のベルトコンベア341a(第2積載面L2)の傾斜角度を変化させるようになっている。
【0076】
例えば、図5及び図6に示すように、カム342aの回転軸の前端部には、モータ342bの駆動をカム342aに伝達するためのウォームホイール342b1が固定されており、モータ342bの回転軸の先端には、ウォームホイール342b1と噛み合っているウォームギア342b2が固定されている。したがって、カム342aは、モータ342bが停止した時点での第2積載面L2の傾斜角度を自立して保持することができる。
また、モータ342bは、例えば、ステッピングモータ、或いは、DCモータ及びタイマにより構成されている。したがって、くるみ製本機制御部35は、例えば、モータ342bの回転方向や回転時間などに関する制御信号を第2傾斜制御部342に入力することによって、第2積載面L2の傾斜角度を、正確かつ任意に変化させることができる。
【0077】
ここで、例えば、図5に示すように、製本部31により製本された冊子は、小口側が右、背側が左を向いた状態で、冊子搬送部317から積載部331aに搬送されて、第1積載面L1に積載され、第2積載面L2に移載される。したがって、冊子搬送部341を、支持部341a1の右側に取り付けられた2つのローラ341a2の回転軸を軸として、下方向に回動させることによって、第2積載面L2は、第2積載面L2に積載された冊子の小口側から背側に向かって下方向に傾斜することになる。
【0078】
くるみ製本機制御部35は、くるみ製本機3を構成する各部の動作を集中制御する。
具体的には、くるみ製本機制御部35は、例えば、図2に示すように、CPU351と、RAM352と、記憶部353と、などを備えて構成される。
【0079】
CPU351は、例えば、記憶部353に記憶されたくるみ製本機3用の各種処理プログラムに従って各種の制御動作を行う。
【0080】
RAM352は、例えば、CPU351によって実行される処理プログラムなどを展開するためのプログラム格納領域や、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果などを格納するデータ格納領域などを備える。
【0081】
記憶部353は、例えば、くるみ製本機3で実行可能なシステムプログラム、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータなどを記憶する。なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形で記憶部353に記憶されている。
【0082】
具体的には、記憶部353は、例えば、図2に示すように、基準傾斜角度テーブル353a1と、上限判断プログラム353b1と、移載制御プログラム353b2と、傾斜制御プログラム353b3と、等を記憶している。
【0083】
基準傾斜角度テーブル353a1は、例えば、図7に示すように、積載面(第1積載面L1や第2積載面L2)に積載される冊子の積載冊数と、積載面の基準傾斜角度(θ)と、を対応付けて記憶している。
ここで、冊子の積載冊数が大きくなるほど、冊子の積載状態が扇状になり、荷崩れが発生しやすくなる。これは、サイドグルー(のど糊)の厚み分だけ、綴じられた側の端部の厚み(背側の厚み)が、綴じられた側と対向する側の端部の厚み(小口側の厚み)よりも大きくなること等が影響している。すなわち、冊子の積載冊数が大きくなるほど、当該影響が大きくなり、積載面に対する積載面に積載された冊子の上面の勾配が大きくなるため、荷崩れが発生しやすくなる。
そこで、本実施形態では、積載冊数が10冊増える毎に、基準傾斜角度を1°ずつ大きくしていくこととする。これは、使用頻度が高い中で問題が起こりやすい条件(冊子のサイズが5.5インチ×8.5インチ(冊子の幅が140mm)、本身用紙の坪量が80g/m紙、表紙用紙の坪量が128g/m紙)のときに、冊子の積載を安定化するための傾斜角度を想定したものである。
【0084】
上限判断プログラム353b1を実行したCPU351は、例えば、上限判断手段として、第1積載面L1に積載された冊子が所定の積載上限に達したか否かを判断する。
ここで、所定の積載上限には、例えば、第1積載面L1に積載された冊子の「積載高さの上限」や「積載冊数の上限」などがある。本実施形態では、例えば、採用する積載上限の種類を、ユーザ(入力部12b)により選択できるようになっている。
【0085】
例えば、ユーザ(入力部12b)により採用する積載上限の種類として「積載高さの上限」が選択されて、その旨が画像形成装置1から通知された場合、CPU351は、第1積載面L1に積載された冊子の積載高さが積載上限に達したか否か判断する。
具体的には、CPU351は、例えば、積載高さ検出部336からの検出信号がくるみ製本機制御部35に入力されると、第1積載面L1に積載された冊子の積載高さが積載上限に達したと判断する。
【0086】
また、例えば、ユーザ(入力部12b)により採用する積載上限の種類として「積載冊数の上限」が選択されて、その旨が画像形成装置1から通知された場合、CPU351は、第1積載面L1に積載された冊子の積載冊数が所定の閾値(積載上限(積載冊数の上限))に達したか否か判断する。なお、積載冊数の上限は、例えば、ユーザ(入力部12b)により予め設定されていることとする。
【0087】
移載制御プログラム353b2を実行したCPU351は、例えば、所定の移載条件が満たされた際に、移載部332を制御して、第1積載面L1に積載された冊子を第2積載面L2に移載させる。
ここで、所定の移載条件には、例えば、自動移載条件やマニュアル移載条件などがある。本実施形態では、例えば、採用する移載条件の種類を、ユーザ(入力部12b)により選択できるようになっている。
【0088】
例えば、ユーザ(入力部12b)により採用する移載条件の種類として「自動移載条件」が選択されて、その旨が画像形成装置1から通知された場合、CPU351は、上限判断プログラム353b1を実行したCPU351により第1積載面L1に積載された冊子が所定の積載上限に達したと判断された際に、移載部332を制御して、第1積載面L1に積載された冊子を第2積載面L2に移載させる。
【0089】
また、例えば、ユーザ(入力部12b)により採用する移載条件の種類として「マニュアル移載条件」が選択されて、その旨が画像形成装置1から通知された場合、CPU351は、ユーザ(入力部12b)により収容部331に集積された冊子を移動台車336に移載するよう指示された際に、移載部332を制御して、第1積載面L1に積載された冊子を第2積載面L2に移載させる。
ここで、第1積載面L1に積載された冊子を第2積載面L2に移載する移載手段は、移載制御プログラム353b2を実行したCPU351と、移載部332と、により構成される。
【0090】
傾斜制御プログラム353b3を実行したCPU351は、例えば、積載面(第1積載面L1や第2積載面L2)に積載される冊子に関する冊子情報に基づいて、第1傾斜制御部333や第2傾斜制御部342を制御して、積載面の傾斜角度を変化させる。
ここで、冊子情報は、例えば、冊子の積載冊数と、一冊分の用紙束を形成する本身用紙の枚数と、冊子のサイズ(冊子の幅)と、用紙束を形成する本身用紙の坪量と、冊子の表紙を形成する表紙用紙の坪量と、を含む情報である。
【0091】
具体的には、CPU351は、例えば、第1積載面L1に積載される冊子の積載冊数が10の倍数になる度に、当該積載冊数に対応する基準傾斜角度(θ)を、基準傾斜角度テーブル353a1から取得する。
【0092】
次いで、CPU351は、例えば、第1積載面L1の傾斜角度として、第1積載面L1の水平時に第1積載面L1に積載された冊子にかかる、小口側方向への力を打ち消すことができるような角度を決定する。
具体的には、CPU351は、例えば、取得した基準傾斜角度(θ)に、本身用紙の枚数に関するパラメータ係数(p)と、冊子の幅に関するパラメータ係数(w)と、本身用紙の坪量に関するパラメータ(a)と、表紙用紙の坪量に関するパラメータ(b)と、を掛けて、第1積載面L1の傾斜角度を決定する。すなわち、CPU351は、第1積載面L1の傾斜角度=θ×p×w×a×bを算出する。
ここで、本身用紙の枚数に関するパラメータ係数(p)、冊子の幅に関するパラメータ係数(w)、本身用紙の坪量に関するパラメータ(a)及び表紙用紙の坪量に関するパラメータ(b)は、それぞれ本身用紙の枚数、冊子の幅、本身用紙の坪量及び表紙用紙の坪量の、荷崩れ発生への影響度を係数として定義したものである。
【0093】
上述したように、冊子の積載冊数が大きくなるほど、冊子の積載状態が扇状になり、荷崩れが発生しやすくなる。したがって、本実施形態では、積載面への冊子の積載冊数が増える毎に、傾斜角度を大きくしていくこととする。
【0094】
また、一冊分の本身用紙の枚数が少なくなるほど、冊子の積載状態が扇状になり、荷崩れが発生しやすくなる。これは、本身用紙の枚数が少ないほど(冊子の厚みが小さいほど)、冊子の厚みに対するサイドグルー(のど糊)の厚みの割合が大きくなり、積載面に対する積載面に積載された冊子の上面の勾配が大きくなるからである。そこで、本実施形態では、本身用紙の枚数に関するパラメータ係数(p)として「p=1.1−0.009×(本身用紙の枚数) ただし、p≦0の時はp=0」を定義し、一冊分の本身用紙の枚数が少ないほど、傾斜角度を大きくしていくこととする。
【0095】
また、冊子の幅が小さくなるほど、冊子の積載状態が扇状になり、荷崩れが発生しやすくなる。これは、背側の厚みが小口側の厚みよりもサイドグルー(のど糊)の厚み分だけ大きくなること等の影響が、冊子の幅が小さくなるほど大きくなり、積載面に対する積載面に積載された冊子の上面の勾配が大きくなるからである。そこで、本実施形態では、冊子の幅に関するパラメータ係数(w)として「w=140/(冊子の幅)」を定義し、冊子の幅が小さくなるほど、傾斜角度を大きくしていくこととする。
【0096】
また、本身用紙の坪量が小さくなるほど、冊子の積載状態が扇状になり、荷崩れが発生しやすくなる。これは、坪量が小さいほど、用紙のコシが弱くなり、画像形成時等にカールしたり波打ったりしやすくなるためである。本身用紙がカールしたり波打ったりすると、冊子に製本された際、本身用紙同士の間に空気を孕みやすくなる。冊子を積載していくと当該空気は抜けていくが、開放されていない背側の方では開放された小口側よりも空気が抜けにくく、背側の厚みが小口側の厚みよりも大きくなる。したがって、カールしたり波打ったりしやすいほど、積載面に対する積載面に積載された冊子の上面の勾配が大きくなる。そこで、本実施形態では、本身用紙の坪量に関するパラメータ係数(a)として「a=80/(本身用紙の坪量)」を定義し、本身用紙の坪量が小さくなるほど、傾斜角度を大きくしていくこととする。
【0097】
また、表紙用紙の坪量が大きくなるほど、表紙用紙のコシが強くなり、小口側で開きやすくなる。したがって、表紙用紙の坪量が大きくなるほど、積載面に対する積載面に積載された冊子の上面の勾配が小さくなり、冊子の積載状態が扇状になるのをキャンセルする方向に作用する。そこで、本実施形態では、表紙用紙の坪量に関するパラメータ係数(b)として「b=(128/(表紙用紙の坪量))×0.9」を定義し、表紙用紙の坪量が大きくなるほど、傾斜角度を小さくしていくこととする。
【0098】
次いで、CPU351は、第1積載面L1の傾斜角度が決定した傾斜角度となるように、第1傾斜制御部333を制御して、第1積載面L1の傾斜角度を変化させる。
すなわち、例えば、現在の第1積載面l1の傾斜角度が0.5°であり、決定された傾斜角度が0.6°である場合、CPU351は、第1積載面L1をさらに0.1°傾斜させる。
また、例えば、現在の第1積載面L1の傾斜角度が0.5°であり、決定された傾斜角度が0.5°である場合、CPU351は、第1積載面L1をさらには傾斜させず、現在の傾斜角度を維持する。
【0099】
また、CPU351は、例えば、移載部332が第1積載面L1に積載された冊子を第2積載面L2に移載させる前に、第2積載面L2に積載される冊子の積載冊数に対応する基準傾斜角度(θ)を、基準傾斜角度テーブル353a1から取得する。
【0100】
次いで、CPU351は、例えば、第2積載面L2の傾斜角度として、第2積載面L2の水平時に第2積載面L2に積載された冊子にかかる、小口側方向への力を打ち消すことができるような角度を決定する。
具体的には、CPU351は、例えば、取得した基準傾斜角度(θ)に、本身用紙の枚数に関するパラメータ係数(p)と、冊子の幅に関するパラメータ係数(w)と、本身用紙の坪量に関するパラメータ(a)と、表紙用紙の坪量に関するパラメータ(b)と、を掛けて、第2積載面L2の傾斜角度を決定する。
【0101】
次いで、CPU351は、第2積載面L2の傾斜角度が決定した傾斜角度となるように、位置決め部33e及び突出ピン340dを介して第2傾斜制御部342を制御して、第2積載面L2の傾斜角度を変化させる。
そして、その後、移載部332により、第1積載面L1に積載された冊子が第2積載面L2に移載される。
【0102】
また、傾斜制御プログラム353b3を実行したCPU351は、例えば、所定のタイミングで、第1傾斜制御部333や第2傾斜制御部342を制御して、積載面の傾斜角度を変化させて、傾斜した積載面(第1積載面L1や第2積載面L2)を水平に戻す。
ここで、第1積載面L1の傾斜角度を制御する傾斜制御手段(第1傾斜制御手段)は、傾斜制御プログラム353b3を実行したCPU351と、第1傾斜制御部333と、により構成される。
また、第2積載面L2の傾斜角度を制御する傾斜制御手段(第2傾斜制御手段)は、傾斜制御プログラム353b3を実行したCPU351と、第2傾斜制御部342と、により構成される。
【0103】
<積載面傾斜処理>
次に、画像形成システム1000が備えるくるみ製本機3による積載面の傾斜に関する処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0104】
まず、くるみ製本機3のCPU351は、第1積載面L1に積載された冊子の積載冊数が10の倍数になったか否かを判断する(ステップS1)。
【0105】
ステップS1で、第1積載面L1に積載された冊子の積載冊数が10の倍数になったと判断すると(ステップS1;Yes)、CPU351は、傾斜制御プログラム353b3を実行して、第1積載面L1に積載された冊子の積載冊数に対応する基準傾斜角度(θ)を基準傾斜角度テーブル353a1から取得し、第1積載面L1の傾斜角度を決定する(ステップS2)。
【0106】
次いで、CPU351は、第1積載面L1の傾斜角度がステップS2で決定した傾斜角度となるように、第1傾斜制御部333に第1積載面L1の傾斜角度を変化させ(ステップS3)、ステップS4の処理に移行する。
【0107】
一方、ステップS1で、第1積載面L1に積載された冊子の積載冊数が10の倍数になっていないと判断すると(ステップS1;No)、CPU351は、上限判断プログラム353b1を実行して、第1積載面L1に積載された冊子が所定の積載上限に達したか否かを判断する(ステップS4)。
【0108】
ステップS4で、第1積載面L1に積載された冊子が所定の積載上限に達していないと判断すると(ステップS4;No)、CPU351は、ステップS1以降の処理を繰り返し行う。
【0109】
一方、ステップS4で、第1積載面L1に積載された冊子が所定の積載上限に達したと判断すると(ステップS4;Yes)、CPU351は、傾斜制御プログラム353b3を実行して、第2積載面L2に積載される冊子の積載冊数に対応する基準傾斜角度(θ)を基準傾斜角度テーブル353a1から取得し、第2積載面L2の傾斜角度を決定する(ステップS5)。
【0110】
次いで、CPU351は、第2積載面L2の傾斜角度がステップS5で決定した傾斜角度となるように、第2傾斜制御部342に第2積載面L2の傾斜角度を変化させる(ステップS6)。
【0111】
次いで、CPU351は、移載制御プログラム353b2を実行して、移載部332を制御して、第1積載面L1に積載された冊子を第2積載面L2に移載させて(ステップS7)、本処理を終了する。
【0112】
以上説明した本発明の冊子集積装置(冊子集積部33及びくるみ製本機制御部35)、製本装置(くるみ製本機3)、画像形成システム1000によれば、製本された冊子が積載される積載面(第1積載面L1や第2積載面L2)は、当該積載面に積載された冊子の小口側から背側に向かって下方向に傾斜するように傾斜自在である。
すなわち、冊子にかかる小口側方向への力を打ち消すように積載面が傾斜するため、安定して冊子を積載することができ、冊子の荷崩れ発生を抑えることができる。
したがって、積載面を傾斜させることができない従来の冊子集積装置と比較して、より多くの冊子を積載することができ、効率が良い。
【0113】
また、以上説明した本発明の冊子集積装置、製本装置、画像形成システム1000によれば、冊子の積載冊数、一冊分の用紙束を形成する用紙の枚数及び冊子のサイズを含む冊子に関する冊子情報に基づいて、積載面の傾斜角度を制御することができる。
すなわち、冊子の積載冊数、本身用紙の枚数及び冊子の幅といった荷崩れ発生への影響度が高いファクターに基づいて、積載面の傾斜角度を制御することができるため、より安定して冊子を積載することができる。
【0114】
また、以上説明した本発明の冊子集積装置、製本装置、画像形成システム1000によれば、第1積載面L1に積載された冊子が所定の積載上限に達したと判断した場合に、移載部332によって第1積載面L1に積載された冊子を第2積載面L2に移載することができる。
したがって、ユーザが手動で移載する必要がなく、使い勝手が良い。
【0115】
また、以上説明した本発明の冊子集積装置、製本装置、画像形成システム1000によれば、第1積載面L1の傾斜角度を制御する第1傾斜制御部333と、第2積載面L2の傾斜角度を制御する第2傾斜制御部342と、を備えている。
すなわち、第1積載面L1の傾斜角度を制御する傾斜制御部と、第2積載面L2の傾斜角度を制御する傾斜制御部と、を別々に備えているため、第1積載面L1及び第2積載面L2のそれぞれに適した角度制御を行うことができ、好適である。
【0116】
また、以上説明した本発明の冊子集積装置、製本装置、画像形成システム1000によれば、第1積載面L1は、収容部331に設けられ、第2積載面L2は、移動台車340に設けられている。
したがって、収容部331に冊子を集積する際も、収容部331に集積された冊子を移動台車340に移載する際も、移動台車340で冊子を運搬する際も、冊子の荷崩れ発生を抑えることができる。
【0117】
また、以上説明した本発明の冊子集積装置、製本装置、画像形成システム1000によれば、冊子集積部33の本体33aに設けられたレール部33dを備え、移動台車340は、被装着部33bに着脱される際にレール部33d上を回転するコロ340fを備え、移動台車340が被装着部33bに装着された際に、コロ340fがレール部33d上に乗り上げることで移動台車340全体が浮いた状態になる。
したがって、本体33aに対する移動台車340の装着高さは、常に一定となるため、第1積載面L1に積載された冊子を、スムーズかつ確実に、第2積載部L2に移載できる。
【0118】
なお、本発明は、上記した実施の形態のものに限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0119】
画像形成装置1は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークを介して外部装置とデータ送受信可能に接続されていても良い。この場合、画像読取部15により生成された画像データだけでなく、外部装置から入力されたデータに基づいて用紙に画像を形成して出力できるよう、画像形成装置1を構成すると良い。
【0120】
画像形成装置1や大容量給紙装置1aが備える給紙トレイ13aの個数、くるみ製本機3(製本部31)が備える表紙給紙トレイ318aの個数は、上記実施形態の例に限ることはなく任意である。
【0121】
画像形成システム1000は、大容量給紙装置1aを備えていなくても良く、また、くるみ製本機3以外の後処理装置(例えば、マルチ折り装置等)を備えていても良い。
【0122】
本発明の製本装置は、一冊の用紙束に糊を塗布し、その用紙束を表紙用紙でくるむことによって冊子を作成するくるみ製本機3(製本部31)に限ることはなく、一冊の用紙束を、表紙用紙と接合することにより、その用紙束を冊子に製本する製本装置であれば任意であり、例えば、一冊の用紙束を、ステイプル綴じによって表紙用紙と接合することにより、その用紙束を冊子に製本する製本装置等であっても良い。
【0123】
扉閉検出部334は、接触式センサに限ることはなく任意であり、具体的には、例えば、光透過式センサや光反射式センサなどであっても良い。
台車装着検出部335は、光透過式センサに限ることはなく任意であり、具体的には、例えば、接触式センサや光反射式センサなどであっても良い。
積載高さ検出部336及び台車上冊子検出部337は、光反射式センサに限ることはなく任意であり、具体的には、例えば、接触式センサや光透過式センサなどであっても良い。
また、扉閉検出部334、台車装着検出部335、積載高さ検出部336、台車上冊子検出部337の配置位置や個数は、上記実施形態の例に限ることはなく任意である。
【0124】
操作部12は、画像形成システム1000内に備えられていれば良く、画像形成装置1とくるみ製本機3との両方に備えられていても良いし、くるみ製本機3のみに備えられていても良い。
【0125】
移動台車340は、被装着部33bに着脱できるのであれば、冊子集積部33の前面側から被装着部33bに着脱する構成に限ることはなく、例えば、冊子集積部33の左面33a1側から着脱するように構成しても良い。
【0126】
製本部31を構成する各部と冊子集積部33を構成する各部とは、同一の筐体内に収納されていても良い。
【0127】
上記実施形態に示した傾斜角度を決定するための決定変数(基準傾斜角度(θ)、本身用紙の枚数に関するパラメータ係数(p)、冊子の幅に関するパラメータ係数(w)、本身用紙の坪量に関するパラメータ(a)及び表紙用紙の坪量に関するパラメータ(b))は例示であり、これに限るものではない。
また、上記実施形態において、第1積載面L1に積載される冊子の冊子情報と、第2積載面L2に積載される冊子の冊子情報と、が同一である場合、第1積載面L1の傾斜角度と、第2積載面L2の傾斜角度と、は同一になるが、これに限ることはなく、第1積載面L1に積載される冊子の冊子情報と、第2積載面L2に積載される冊子の冊子情報と、が同一である場合、第1積載面L1の傾斜角度と、第2積載面L2の傾斜角度と、は異なっても良い。すなわち、第1積載面L1用の決定変数と、第2積載面L2用の決定変数と、をそれぞれ別個に設定しても良い。
【0128】
上記実施形態の基準傾斜角度テーブル353a1では、積載冊数が10冊増える毎に、基準傾斜角度を大きくするようにしたが、これに限ることはなく、積載冊数が増えるにつれて、基準傾斜角度が大きくなるのであれば任意であり、具体的には、例えば、積載冊数が5冊増える毎に、基準傾斜角度を大きくするようにしても良い。この場合、積載冊数が5の倍数になる度に、基準傾斜角度を基準傾斜角度テーブル353a1から取得して、傾斜角度を決定するよう構成しても良い。
【0129】
取得した基準傾斜角度に、本身用紙の枚数に関するパラメータ係数と、冊子の幅に関するパラメータ係数と、本身用紙の坪量に関するパラメータ係数と、表紙用紙の坪量に関するパラメータ係数と、を掛けて、積載面の傾斜角度を決定するようにしたが、これに限ることはなく、冊子の積載冊数、一冊分の用紙束を形成する用紙の枚数(本身用紙の枚数)及び冊子のサイズ(冊子の幅)のうちの少なくとも1つを含む冊子情報に基づいて、積載面の傾斜角度を決定できるのであれば、例えば、取得した基準傾斜角度を積載面の傾斜角度と決定しても良いし、取得した基準傾斜角度に、本身用紙の枚数に関するパラメータ係数、冊子の幅に関するパラメータ係数、本身用紙の坪量に関するパラメータ係数及び表紙用紙の坪量に関するパラメータ係数のうちの少なくとも何れか1つを掛けて積載面の傾斜角度を決定するようにしても良い。
また、冊子情報は、冊子の積載冊数、本身用紙の枚数、冊子のサイズ(冊子の幅)、本身用紙の坪量及び表紙用紙の坪量以外の、荷崩れ発生に影響があるファクターを含んでも良い。
【0130】
上記実施形態の基準傾斜角度テーブル353a1では、基準傾斜角度と積載冊数とを対応付けるようにしたが、これに限ることはなく、冊子の積載冊数、一冊分の用紙束を形成する用紙の枚数(本身用紙の枚数)及び冊子のサイズ(冊子の幅)のうちの少なくとも1つを含む冊子情報に基づいて、積載面の傾斜角度を決定できるのであれば、基準傾斜角度テーブル353a1において基準傾斜角度は、例えば、本身用紙の枚数、冊子の幅、本身用紙の坪量及び表紙用紙の坪量のうちの何れか1つと対応付けられていても良い。
【0131】
上記実施形態の積載面傾斜処理(図8)において、冊子を移動台車340に移載する直前に、第2積載面L2を傾斜させるようにしたが、冊子を移動台車340に移載するまでに第2積載面L2を傾斜させることができるのであれば、第2積載面L2を傾斜させるタイミングは任意であり、例えば、第1積載面L1を傾斜させるタイミングと同期させても良い。
【0132】
移載部332の構成は、第1積載面L1に積載された冊子を第2積載面L2に移載することができるのであれば、上記実施形態の構成に限ることはなく任意である。
また、第1傾斜制御部333の構成は、第1積載面L1を傾斜させることができるのであれば、上記実施形態の構成に限ることはなく任意である。
また、冊子搬送部341の構成は、収容部331から移動台車340へ移載された冊子を、移動台車340の第2積載面L2上の所定位置に搬送することができるのであれば、上記実施形態の構成に限ることはなく任意である。
また、第2傾斜制御部342の構成は、第2積載面L2を傾斜させることができるのであれば、上記実施形態の構成に限ることはなく任意である。
【0133】
上記実施形態において、製本部31により製本された冊子は、小口側が右方向、背側が左方向を向いた状態で、冊子搬送部317から積載部331aに搬送されて、積載部331a1によって第1積載面L1に積載されるようにしたが、これに限ることはなく、小口側及び背側が向く方向は任意である。
【0134】
上記実施形態において、突出ピン340d及び位置決め部33eを、本体33aと移動台車340とを電気的に接続するための接続端子としても機能させるようにしたが、これに限ることはなく、例えば、突出ピン340d及び位置決め部33eの他に、接続端子(例えば、本体側接続端子及び移動台車側接続端子)を設け、当該接続端子を介して、第2傾斜制御部342を駆動するための駆動電源や、くるみ製本機制御部35からの制御信号などを本体33aから移動台車340へ入力するようにしても良い。この場合、突出ピン340d及び位置決め部33eは接続端子として機能しなくても良い。
【0135】
上記実施形態において、冊子集積部33の移動台車340に1個の積載面を備えるようにしたが、移動台車340が備える積載面の個数は複数個であっても良い。
また、冊子集積部33は、移動台車340を備えていなくても良い。
また、上記実施形態において、冊子集積部33の本体33aに1個の積載面を備えるようにしたが、本体33aが備える積載面の個数は複数個であっても良い。
すなわち、上記実施形態において、冊子集積部33に積載面を2個備えたが、積載面の個数は任意であり、1個であっても良いし、3個以上であっても良い。
尚、本発明は冊子の積載面が予め所定の傾斜角度に固定されている冊子集積装置を含むものである。その様な装置も、水平に積載面が固定されている装置に比して、冊子の荷崩れ抑制効果を得ることができる。しかしながら、傾斜角度を適宜制御できる装置の方が、より荷崩れの抑制効果が高まることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】本実施形態の画像形成システムの構成を示す模式図である。
【図2】本実施形態の画像形成システムの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態の製本装置の断面構成を模式的に示す図である。
【図4】本実施形態の冊子集積装置が備える移動台車の側面図である。
【図5】本実施形態の冊子集積装置が備える第1積載面及び第2積載面を説明するための図であって、冊子集積装置の側面断面構成を模式的に示す図である。
【図6】本実施形態の冊子集積装置が備える第1積載面及び第2積載面を説明するための図であって、冊子集積装置の正面断面構成を模式的に示す図である。
【図7】基準傾斜角度テーブルのデータ構成を示す図である。
【図8】本実施形態の冊子集積装置による積載面の傾斜に関する処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0137】
1 画像形成装置
3 くるみ製本機(製本装置)
31 製本部(製本手段、製本装置)
33 冊子集積部(冊子集積装置)
33a 本体
33b 被装着部
33d レール部
35 くるみ製本機制御部(冊子集積装置、製本手段、製本装置)
331 収容部
332 移載部(移載手段)
333 第1傾斜制御部(傾斜制御手段(第1傾斜制御手段))
340 移動台車
340f コロ
341 冊子搬送部
341a ベルトコンベア
341a1 支持部
341a2 ローラ
341a3 ベルト
341a4 駆動伝達歯車
342 第2傾斜制御部(傾斜制御手段(第2傾斜制御手段))
351 CPU(上限判断手段、移載手段、傾斜制御手段)
353b1 上限判断プログラム(上限判断手段)
353b2 移載制御プログラム(移載手段)
353b3 傾斜制御プログラム(傾斜制御手段)
1000 画像形成システム
L1 第1積載面
L2 第2積載面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製本された冊子が積載される積載面を備えた冊子集積装置において、
前記積載面は、当該積載面に積載された冊子の小口側から背側に向かって下方向に傾斜していることを特徴とする冊子集積装置。
【請求項2】
請求項1に記載の冊子集積装置において、
前記積載面の傾斜角度を変更可能であることを特徴とする冊子集積装置。
【請求項3】
請求項2に記載の冊子集積装置において、
冊子の積載冊数、一冊分の用紙束を形成する用紙の枚数及び冊子のサイズのうちの少なくとも1つを含む冊子に関する冊子情報に基づいて、前記積載面の傾斜角度を制御する傾斜制御手段を備えることを特徴とする冊子集積装置。
【請求項4】
請求項3に記載の冊子集積装置において、
前記積載面としての第1積載面及び第2積載面と、
前記第1積載面に積載された冊子が所定の積載上限に達したか否かを判断する上限判断手段と、
前記上限判断手段により前記第1積載面に積載された冊子が所定の積載上限に達したと判断された場合に、前記第1積載面に積載された冊子を前記第2積載面に移載する移載手段と、
を備えることを特徴とする冊子集積装置。
【請求項5】
請求項4に記載の冊子集積装置において、
前記傾斜制御手段は、前記第1積載面の傾斜角度を制御する第1傾斜制御手段と、前記第2積載面の傾斜角度を制御する第2傾斜制御手段と、を備えることを特徴とする冊子集積装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の冊子集積装置において、
前記製本された冊子を集積する収容部と、
移動台車と、
前記移動台車が着脱自在に装着される被装着部と、
を備え、
前記第1積載面は、前記収容部に設けられ、
前記第2積載面は、前記移動台車に設けられていることを特徴とする冊子集積装置。
【請求項7】
請求項6に記載の冊子集積装置において、
当該冊子集積装置の本体に設けられたレール部を備え、
前記移動台車は、前記被装着部に着脱される際に前記レール部上を回転するコロを備え、
前記移動台車が前記被装着部に装着された際に、前記コロが前記レール部上に乗り上げることで前記移動台車全体が浮いた状態になることを特徴とする冊子集積装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項に記載の冊子集積装置と、
前記冊子を製本する製本手段と、
を備えることを特徴とする製本装置。
【請求項9】
請求項1〜7の何れか一項に記載の冊子集積装置と、
用紙に画像を形成して出力する画像形成装置と、
前記画像形成装置により出力された用紙を集積して束にした用紙束を前記冊子に製本する製本装置と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−89849(P2010−89849A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−258560(P2008−258560)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】