説明

再成形可能な熱可塑性材料からなる幾何学的孔付き保護及び/又はスプリント器具

保護及び/又はスプリント器具、例えば遠位橈骨スプリント器具(200)は、保護及び/又はスプリント部材(201)及びスペーサ部材(13)を有する。保護及び/又はスプリント部材(201)は複合保護及び/又はスプリント材料からなり、成形温度で成形可能で周囲温度で実質的に硬質である。この材料はポリカプロラクトン及びリグノセルロース添加材料からなる。保護及び/又はスプリント部材(201)は要素(202)の網状体からなり、保護及び/又はスプリント部材(201)を複数の開口(203)が貫通している。スプリント部材(201)の周囲から離れた位置で開口(203)は菱形である。スプリント部材(201)の周囲の両側に沿って2つの辺縁要素(204)が延長している。この部材の3点曲げ強さ対開放度比率は0.1より大きく、かつ該部材の一方向曲げ強度の対開放度比率は4より大きい。この結果、器具(200)は十分な強度を有し、開放された表面によって呼吸可能であり、使用される材料の容積が最適化される。腕の長手方向と平行な部材(201)の強度は、周方向に平行な強度より大きい。成形温度において、部材(201)は伸張可能である。部材(201)は、部材(201)の外面と開口(203)の周縁部との間が丸み付けされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間及び動物の体肢及び身体部分の固定、矯正支持、ギブス、保護又は支持のために複合スプリント材料として使用することができる、再成形可能な熱可塑性材料を含む幾何学的孔付き保護スプリント器具に関する。
【0002】
本明細書において、用語「器具」は、再成形可能な熱可塑性材料を含む幾何的孔付き器具の用語を表すのに使用されるものである。
本明細書に使用する用語スプリントは、体肢の固定、支持及び/又は保護のために使用されるシート状又は予備成型したシート状の器具の実施例を言うものとする。
本発明は、スプリント器具及びそのような目的に使用される複合材料に関する。
【背景技術】
【0003】
骨折した又は損傷した関節又は体肢の固定は一般に、スプリント、ギブス又は矯正装具(グレース)で関節又は体肢を所定位置に拘束する過程を伴う。これは、骨折した/損傷した部位が治療過程で動いたり妨げられることを防止するために行われる。
【0004】
従来、布またはガーゼ包帯の石膏を用いて、体肢の固定のためのギブスを形成している。しかしながら、石膏はそれに関連する多くの不利な点を有する。例えば、石膏は比較的重くかつ嵩張り、凝固時間が遅く、一旦凝固すると再成形することができず、対衝撃性が低く、一旦湿気に晒されると劣化したり損傷しやすく、従って入浴したりシャワーをすることが困難である。石膏を用いたギブス包帯の使用に関連する別の問題は、その最大強度を実現するために通常24〜72時間もの多大な時間を必要とすること、及び発熱凝固反応から熱が発生することである。また、石膏は放射線造影性が低く、それにより治療過程において体肢の連続的なモニタが妨げられる。更に、石膏は発汗のような水蒸気の通過を実質的に通さない。従って、石膏は湿気をため、それがひどい皮膚の浸軟を生じさせる場合がある。
【0005】
呼吸作用を改善する一つの部分的な解決策が、Custer外による米国特許第4143655号明細書に開示される熱可塑性網状体の使用である。しかしながら、この方法の欠点は、身体部位を支持しかつ保護するのに十分な強度を実現するのに多数の層の網状体を適用する必要があることである。この方法の別の欠点は、様々な身体の部分に適合させるために網状体をトリム処理することが必要であり、トリム処理によって縁が鋭く形成されるということである。この方法の別の欠点は、前記材料は通常熱湯槽を用いて加熱し、前記材料を軟化させて成形を容易にするので、その下側の包帯、パッド、手当用品及びガーゼが湿る虞があることである。湿った手当用品はバクテリアの成長を促し、不快感や更に併発症を招く虞がある。
【0006】
熱可塑性網状体及び有孔熱可塑性シートは通常、水槽を用いて加熱することが規定されている。これは、さもなければ利用者が取り扱うことを困難にする、これらの材料に関連した(好ましくない)高いタック特性を減少させるのに役立つ。しかしながら、これは、これらの器具及び材料が多くの場合に使用する際に濡れることを意味している。
【0007】
スプリント及びギブスの場合には、器具及び材料が、治療を促進し、又は損傷した体肢の腫れを安定化させかつ抑えるのに役立つように、又は身体の部分を衝撃及び損傷から保護するために、骨折した骨を正しい位置に維持し、又は体肢の動きを抑制するために十分な強度を有することが重要である。骨折の場合に腫れや腫れの虞があるとき、使用した器具又は材料が下側の折れた骨をしっかりと正しい位置に維持するように体肢に沿って横方向に強度を有すると有利であり、更に、使用する同じ器具または材料が、前記器具を調整して腫れを相殺するために、覆われた体肢の周方向に沿って強度が小さくかつわずかな柔軟性を有すると更に有意である。
【0008】
器具又は材料を用いて身体の部分を衝撃や損傷から保護する場合、前記器具又は材料は、衝撃に耐え得る十分な強度を有し、かつ衝撃の力をその下側のパッド又は衝撃吸収材料全体に亘って伝達/消散させて、その下側の人間又は動物の身体部分への損傷を低減させ又は防止し得ることが重要である。
【0009】
当業者は、皮膚の浸軟の問題及び臨床的な合併症を少なくしかつ治療時間の減少を促進するために、人間及び動物の体肢及び身体部分の固定、矯正支持、ギブス、保護又は支持のために使用される器具および材料が呼吸可能で開放した表面を有することが重要であることを認識している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
装着者の快適さ、自然な身体の動きへの抑制を最小にするため、及び回復時間を減少させるために、固定、矯正支持、ギブス及び保護のために、使用される器具及び材料の重量を最小に維持することが重要である。器具の設計、使用される材料の容積及び材料密度は、このような器具の最終重量に影響する要素である。
【0011】
本願発明者らは、3つの相互依存する要素が、人間及び動物の体肢及び身体部分の固定、矯正支持、ギブス、保護又は支持のために使用される器具の重要な性能に大きく寄与していることを見出した。
【0012】
これらの要素とは、
・器具が体肢に平行な横方向の軸に特に十分な強度を有すること、
・器具が乾燥及び通気を容易にする呼吸可能で開放された表面を有すること、
・器具に使用する材料の容積が企図する器具の目的に最適化されること、
である。
【0013】
本願発明者らは、熱可塑特性を有する材料と幾何学的開口を有するように成形されたプロファイルドブランクとを組み合わせて、人間及び動物の体肢及び身体部分の固定、矯正支持、ギブス、保護又は支持のために使用される器具の重要な性能を改善する器具の費用効果的な製造を可能にした。
【0014】
本明細書には、最適化した及び最適化されていない器具において、表面開放度に対する強度の相互依存関係を、使用する材料の容積の関数として示す数値的データを生成する試験技術を開示する。
【0015】
更に、本明細書には、開示した器具の強度と開放した表面積との関係を数値形式で表して、本明細書に開示される再成形可能な熱可塑性材料からなる幾何学的孔付き器具の優れた特性を示すことができる最も好ましい強度対開放度指数の範囲を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によれば、保護及び/又はスプリント部材からなる保護及び/又はスプリント器具であって、前記部材が該部材の少なくとも一部分にそれを貫通する1つ又は複数の開口を有し、前記部材の3点曲げ強さの対開放度比率(S/O)が0.1より大きく、前記S/Oが、
F=本願明細書に記載される3点曲げ試験において、100cmの試験面積を有するサンプルの前記部材を10mmだけ変位させるのに必要な力(N)、
V=前記部材のサンプルの容積(cm)、
%OA=(前記1つ又は複数の開口の合計面積/前記部材のサンプルの合計面積)百分率表示、
とした場合に、
S/O=F/V×%OA
によって定義される器具が提供される。
【0017】
前記S/Oは、0.1〜5.0の範囲内とすることができる。前記S/Oは、0.3以上とすることができる。前記S/Oは、0.3〜4.0の範囲内とすることができる。前記S/Oは、0.3〜2.6の範囲内にすることができる。前記S/Oは、0.3〜0.45の範囲内にすることができる。前記S/Oは、2.0〜2.55の範囲内とすることができる。
【0018】
本発明の別の側面によれば、保護及び/又はスプリント部材からなる保護及び/又はスプリント器具であって、前記部材が該部材の少なくとも一部分にそれを貫通する1つ又は複数の開口を有し、前記部材の一方向曲げ強度の対開放度比率(S/O)が4より大きく、前記S/Oが、
F=本願明細書に記載される一方向曲げ試験において、100cmの試験面積を有するサンプルの前記部材を10mmだけ変位させるのに必要な力(N)、
V=前記部材のサンプルの容積(cm)、
%OA=(前記1つ又は複数の開口の合計面積/前記部材のサンプルの合計面積)百分率表示、
とした場合に、
S/O=F/V×%OA
によって定義される器具が提供される。前記S/Oは、4〜20の範囲内とすることができる。前記S/Oは、5以上とすることができる。前記S/Oは、5〜15の範囲内にすることができる。前記S/Oは、5〜7の範囲内にすることができる。前記S/Oは、8〜9.5の範囲内にすることができる。前記S/Oは、11〜12.5の範囲内にすることができる。
【0019】
ある実施例では、前記部材が少なくとも前記部材の一部分において第1の方向及び第2の方向を画定し、前記第1の方向における前記部材の強度が前記第2の方向における前記部材の強度より大きい。前記第1の方向における前記部材の撓み強度は、前記第2の方向における前記部材の撓み強度より大きくすることができる。前記第1の方向は、第2の方向と実質的に直交させることができる。前記第1の方向は長手方向とすることができる。前記第2の方向は周方向とすることができる。前記第2の方向における前記部材の強度は、前記第1の方向における前記部材の強度の10%〜95%の範囲内とすることができる。前記第2の方向における前記部材の強度は、前記第1の方向における前記部材の強度の20%〜70%の範囲内とすることができる。前記第2の方向における前記部材の強度は、前記第1の方向における前記部材の強度の30%〜60%の範囲内にすることができる。
【0020】
ある実施例では、前記部材がそれを貫通する1つまたは複数の開口を有する。前記部材は要素の網状体を有することができる。少なくとも1つの前記要素の部材の幅は、2mm〜12mmの範囲内とすることができる。少なくとも1つの前記要素の幅は、4mm〜10mmの範囲内とすることができる。
ある実施例では、前記部材が、前記部材の周囲の少なくとも一部分に沿って辺縁要素を有する。
【0021】
前記部材は、少なくとも1つの前記開口の周囲に3つまたはそれ以上の概ね真直ぐな縁部を有することができる。前記部材は少なくとも1つの前記開口の周囲に4つの概ね真直ぐな縁部を有することができる。2つの前記縁部がその間になす角度を第1の鋭角とすることができる。2つの前記縁部がその間になす角度を第2の鋭角とすることができる。前記第1の鋭角の頂点を通過しかつ前記第2の鋭角の頂点を通過する線は、前記第1の方向と概ね平行にすることができる。前記鋭角は15°〜85°の範囲内とすることができる。前記鋭角は30°〜80°の範囲内とすることができる。前記鋭角は約60°とすることができる。2つの前記縁部がその間になす角度を第1の鈍角とすることができる。2つの前記縁部がその間になす角度を第2の鈍角とすることができる。前記第1の鈍角の頂点を通過しかつ前記第2の鈍角の頂点を通過する線は、前記第2の方向と概ね平行にすることができる。前記鈍角は95°〜175°の範囲内とすることができる。前記鈍角は100°〜150°の範囲内とすることができる。前記鈍角は約120°とすることができる。
【0022】
ある実施例では、少なくとも1つの前記開口が概ね菱形である。
ある実施例では、少なくとも1つの前記開口が概ね平行四辺形である。
ある実施例では、前記部材が少なくとも1つの前記開口の周囲に概ね湾曲した縁部を有する。少なくとも1つの前記開口が概ね楕円形である。
【0023】
ある実施例では、前記縁部の長さが2mm〜30mmの範囲内である。前記縁部の長さは5mm〜25mmの範囲内とすることができる。
【0024】
別の実施例では、前記部材がそれを貫通する複数の開口を有し、隣接する前記開口の各対の間に、前記部材が接合部を有する。少なくとも1つの前記開口について、前記部材は前記開口の一方の側に第1の接合部と、前記開口の反対側に第2の接合部とを有することができる。前記第1の接合部を通過しかつ前記第2の接合部を通過する線は、前記第1の方向に概ね平行にすることができる。少なくとも1つの前記開口について、前記部材は前記開口の一方の側に第3の接合部と該開口の反対側に第4の接合部とを有することができる。前記第3の接合部を通過しかつ前記第4の接合部を通過する線は、前記第2の方向に概ね平行にすることができる。前記第1の接合部と前記第2の接合部との距離は、前記第3の接合部と前記第4の接合部との距離より大きくすることができる。前記第3の接合部と前記第4の接合部との距離は、前記第1の接合部と前記第2の接合部との距離の10%〜95%の範囲内にすることができる。
【0025】
ある実施例では、前記部材の少なくとも一部分について、0.1m当たりの開口の数が1〜300の範囲内である。0.1m当たりの前記開口の数は3〜200の範囲内とすることができる。0.1m当たりの前記開口の数は5〜100の範囲内とすることができる。1cm当たりの前記開口の数は前記スプリント部材全体に亘って一様にすることができる。1cm当たりの前記開口の数は前記スプリント部材全体に亘って変化させることができる。
【0026】
別の実施例では、前記部材の少なくとも一部分において、前記部材の合計断面積に対する前記1つ又は複数の開口の合計断面積の割合が1%〜80%の範囲内である。前記部材の合計断面積に対する前記1つ又は複数の開口の合計断面積の割合が10%〜60%の範囲内である。前記部材の合計断面積に対する前記1つ又は複数の開口の合計断面積の割合は15%〜50%の範囲内とすることができる。
【0027】
別の実施例では、前記器具が、前記1つ又は複数の開口内に位置するように構成されたフィラー部材を有する。
【0028】
ある実施例では、前記部材のすくなくとも一部分が周囲温度以上の成形温度で成形可能であり、かつ周囲温度で概ね硬質である。周囲温度において、前記第1の方向における前記部材の強度は前記第2の方向における前記部材の強度より大きくすることができる。前記成形温度において、前記スプリントは伸張可能にすることができる。
【0029】
別の実施例では、前記部材が成形前に概ね平らである。前記部材は成形前に概ね平らな部品として提供することができる。
ある実施例では、前記部材が射出成形部材からなる。別の実施例では、前記部材が圧縮成形部材からなる。
【0030】
更に別の実施例では、前記部材が、該部材の少なくとも一部分において、保護及び/又はスプリント装着される対象物とは反対向きの外面と1つ又は複数の縁部とを有し、前記部材が、前記外面と少なくとも1つの前記縁部との間で丸み付けされている。
【0031】
前記部材は以下に記載される材料から構成することができる。
【0032】
また、本発明によれば、別の側面において、低温溶融ポリマー及びリグノセルロース添加材料からなる複合保護及び/又はスプリント材料が提供される。
【0033】
ある実施例では、前記低温溶融ポリマーが熱可塑性物質である。前記低温溶融ポリマーはコポリマーとすることができる。前記低温溶融ポリマーはポリカプロラクトンとすることができる。前記添加材料は木質とすることができる。前記添加材料は複数のファイバの形態で提供することができる。前記ファイバは前記低温溶融ポリマーの中に分散させることができる。
【0034】
ある実施例では、前記材料が周囲温度以上の成形温度で成形可能であり、かつ周囲温度で概ね硬質である。前記周囲温度において、前記材料のヤング率は300MPa〜2500MPaの範囲内とすることができる。周囲温度において、前記材料のヤング率が500MPa〜2000MPaの範囲内とすることができる。
【0035】
ある実施例では、前記材料成形温度が35℃以上である。前記材料成形温度は55℃以上とすることができる。
ある実施例では、前記材料が発泡剤からなる。
【0036】
別の実施例では、前記材料が高い熱絶縁特性を有する。前記材料は手で成形しかつ人の体肢に適用するように構成することができる。前記成形温度において前記材料はタックを小さくすることができる。前記リグノセルロース添加材料は、少なくとも部分的に前記成形温度においてタックを小さくすることができる。前記材料は高い溶融強度を持たせることができる。前記リグノセルロース添加材は、少なくとも部分的に前記溶融強度を高くすることができる。前記材料は少なくとも部分的に生分解性を有することができる。
【0037】
本発明の別の側面では、上述した材料からなる保護及び/又はスプリント部材からなる保護及び/又はスプリント器具が提供される。
ある実施例では、前記部材が成形部材からなる。前記部材は射出成形部材とすることができる。前記部材は圧縮成形部材とすることができる。
【0038】
別の側面では、本発明によって、射出成形した保護及び/又はスプリント部材からなり、前記部材の少なくとも一部分が周囲温度以上の成形温度で成形可能でありかつ周囲温度で概ね硬質である保護及び/又はスプリント器具が提供される。
【0039】
本発明によれば、更に別の側面において、圧縮成形した保護及び/又はスプリント部材からなり、前記部材の少なくとも一部分が周囲温度以上の成形温度で成形可能でありかつ周囲温度で概ね硬質である保護及び/又はスプリント器具が提供される。
【0040】
本発明の別の側面では、低温溶融ポリマー及びリグノセルロース添加材料からなるスプリント材料が提供される。
【0041】
本発明によれば、更に別の側面において、保護及び/又はスプリント部材からなり、前記部材が該部材の少なくとも一部分において第1の方向と第2の方向とを画定し、前記第1の方向における前記部材の強度が前記第2の方向における前記部材の強度より大きい保護及び/スプリント器具が提供される。
【0042】
ある実施例では、前記第1の方向における前記部材の撓み強度が前記第2の方向における前記部材の撓み強度より大きい。前記第1の方向は前記第2の方向に直交させることができる。前記第1の方向は、前記第2の方向と概ね直角にすることができる。前記第1の方向は長手方向にすることができる。前記第2の方向は周方向にすることができる。前記第2の方向における前記部材の強度は、前記第1の方向における前記部材の強度の10%〜95%の範囲内とすることができる。前記第2の方向における前記部材の強度は、前記第1の方向における前記部材の強度の20%〜70%の範囲内とすることができる。前記第2の方向における前記部材の強度は、前記第1の方向における前記部材の強度の30%〜60%の範囲内とすることができる。
【0043】
ある実施例では、前記部材がそれを貫通する1つまたは複数の開口を有する。前記部材は要素の網状体で構成することができる。少なくとも1つの前記要素の幅は2mm〜12mmの範囲内とすることができる。少なくとも1つの前記要素の幅が4mm〜10mmの範囲内とすることができる。
ある実施例では、前記部材が、前記部材の周囲の少なくとも一部分に沿って辺縁要素を有する。
【0044】
別の実施例では、前記部材が少なくとも1つの前記開口の周囲に3つまたはそれ以上の概ね真直ぐな縁部を有する。前記部材は、少なくとも1つの前記開口の周囲に4つの概ね真直ぐな縁部を有することができる。2つの前記縁部がその間になす角度は第1の鋭角とすることができる。2つの前記縁部がそれらの間になす角度は第2の鋭角とすることができる。前記第1の鋭角の頂点を通過しかつ前記第2の鋭角を通過する線は、前記第1の方向に概ね平行にすることができる。前記鋭角は15°〜85°の範囲内とすることができる。前記鋭角は30°〜80°の範囲内とすることができる。前記鋭角は約60°とすることができる。2つの前記縁部がその間になす角度を第1の鈍角とすることができる。2つの前記縁部がその間になす角度を第2の鈍角とすることができる。前記第1の鈍角の頂点の鈍角の頂点を通過しかつ前記第2の鈍角の頂点を通過する線は、前記第2の方向に概ね平行にすることができる。前記鈍角を95°〜175°の範囲内にすることができる。前記鈍角を100°〜150°の範囲内にすることができる。前記鈍角を約120°にすることができる。
【0045】
ある実施例では、少なくとも1つの前記開口が概ね菱形である。
別の実施例では、少なくとも1つの前記開口が概ね平行四辺形である。
前記縁部の長さは2mm〜30mmの範囲内とすることができる。前記縁部の長さは5mm〜25mmの範囲内とすることができる。
【0046】
更に別の実施例では、前記部材がそれを貫通する複数の開口を有し、隣接する前記開口の各対の間に、前記部材が接合部を有する。少なくとも1つの前記開口について、前記部材が前記開口の一方の側に第1の接合部と、前記開口の反対側に第2の接合部とを有することができる。前記第1の接合部を通過しかつ前記第2の接合部を通過する線は、前記第1の方向に概ね平行にすることができる。少なくとも1つの前記開口について、前記部材は前記開口の一方の側に第3の接合部と該開口の反対側に第4の接合部とを有することができる。前記第3の接合部を通過しかつ前記第4の接合部を通過する線は、前記第2の方向に概ね平行にすることができる。前記第1の接合部と前記第2の接合部との距離は、前記第3の接合部と前記第4の接合部との距離より大きくすることができる。
【0047】
別の実施例では、前記部材の少なくとも一部分について、0.1m当たりの開口の数が1〜300の範囲内である。0.1m当たりの開口の数を3〜200の範囲内とすることができる。
0.1m当たりの前記開口の数を5〜100の範囲内にすることができる。cm当たりの前記開口の数を前記スプリント部材全体に亘って一定にすることができる。cm当たりの前記開口の数をスプリント部材全体に亘って変化させることができる。
【0048】
別の実施例では、前記部材の少なくとも一部分において、前記部材の合計断面積に対する前記1つ又は複数の開口の合計断面積の割合が1%〜80%の範囲内である。前記部材の合計断面積に対する前記1つ又は複数の開口の合計断面積の割合は、10%〜60%の範囲内とすることができる。前記部材の合計断面積に対する前記1つ又は複数の開口の合計断面積の割合は、15%〜50%の範囲内とすることができる。
【0049】
ある実施例では、前記部材のすくなくとも一部分が周囲温度以上の成形温度で成形可能であり、かつ周囲温度で概ね硬質である。周囲温度において、前記第1の方向における前記部材の強度が前記第2の方向における前記部材の強度より大きくすることができる。前記成形温度において前記部材の少なくとも一部分を伸張可能にすることができる。前記部材は、成形以前に概ね平坦にすることができる。前記部材は成形以前に概ね平坦な部品として提供することができる。
【0050】
ある実施例では、前記部材が射出成形部材からなる。
別の実施例では、前記部材が圧縮成形部材からなる。前記部材は、該部材の少なくとも一部分において、保護及び/又はスプリント装着される対象物とは反対向きの外面と1つ又は複数の縁部とを有し、前記部材は、前記外面と少なくとも1つの前記縁部との間で丸み付けすることができる。
前記部材は上述した部材で構成することができる。
【0051】
別の側面では、本発明によれば、保護及び/又はスプリント部材からなり、前記部材がそれを貫通する1つ又は複数の概ね菱形開口を有する保護及び/又はスプリント器具が提供される。
更に別の側面では、本発明によれば、保護及び/又はスプリント部材からなり、前記部材がそれを貫通する1つ又は複数の平行四辺形の開口を有する保護及び/又はスプリント器具が提供される。
本発明の更に別の側面によれば、保護及び/又はスプリント部材からなり、前記部材がそれを貫通する1つ又は複数の卵型開口を有する保護及び/又はスプリント器具が提供される。
【0052】
また、本発明によれば、別の側面において、保護及び/又はスプリント部材からなり、
前記部材がそれを貫通する複数の開口を有し、
隣接する前記開口の各対の間に前記部材が接合部を有し、かつ
少なくとも1つの前記開口について、前記部材が該開口の一方の側に第1の接合部と、該開口の前記第1の接合部とは反対側に第2の接合部と、該開口の別の側に第3の接合部と、該開口の前記第3の接合部とは反対側に第4の接合部とを有し、
前記第1の接合部と前記第2の接合部との距離が前記第3の接合部と前記第4の接合部との距離より大きい保護及び/又はスプリント器具が提供される。
【0053】
更に別の側面では、本発明によれば、保護及び/又はスプリント部材からなり、前記部材の少なくとも一部分が周囲温度以上の成形温度で成形可能であり、かつ周囲温度で概ね硬質であり、前記成形温度において、前記部材の少なくとも一部分が伸張可能である保護及び/又はスプリント器具が提供される。
【0054】
ある実施例では、前記部材が第1の方向及び第2の方向を画定し、前記成形温度において前記部材が前記第1の方向及び前記第2の方向に伸張可能である。前記第1の方向は前記第2の方向と概ね直角にすることができる。前記成形温度において、前記部材は長手方向に伸張可能にすることができる。前記成形温度において、前記部材は周方向に伸張可能にすることができる。
【0055】
ある実施例では、前記部材がそれを貫通する1つまたは複数の開口を有する。前記部材は要素の網状体で構成することができる。少なくとも1つの前記要素の幅を2mm〜10mmの範囲内とすることができる。少なくとも前記要素の幅を4mm〜8mmの範囲内とすることができる。
別の実施例では、前記部材が、前記部材の周囲の少なくとも一部分に沿って辺縁要素を有する。
【0056】
更に別の実施例では、前記部材が、少なくとも1つの前記開口の周囲に3つ又はそれ以上の真直ぐな縁部を有する。前記部材は、少なくとも1つの前記開口の周囲に4つの概ね真直ぐな縁部を有することができる。2つの前記縁部がその間になす角度を第1の鋭角とすることができる。2つの前記縁部がその間になす角度を第2の鋭角とすることができる。前記鋭角は15°〜85°の範囲内とすることができる。前記鋭角は30°〜80°の範囲内とすることができる。前記鋭角は約60°にすることができる。2つの前記縁部がその間になす角度を第1の鈍角にすることができる。2つの前記縁部がその間になす角度を第2の鈍角にすることができる。前記鈍角は95°〜175°の範囲内にすることができる。前記鈍角は100°〜150°の範囲内にすることができる。前記鈍角は約120°にすることができる。
【0057】
ある実施例では、少なくとも前記開口が概ね菱形である。
別の実施例では、少なくとの前記開口が概ね平行四辺形である。
前記縁部の長さを2mm〜30mmの範囲内とすることができる。前記縁部の長さを5mm〜25mmの範囲内とすることができる。
少なくとも1つの前記開口を卵型にすることができる。
【0058】
別の実施例では、前記部材がそれを貫通する複数の開口を有し、隣接する前記開口の各対の間に、前記部材が接合部を有する。少なくとも1つの前記開口について、前記部材は前記開口の一方の側に第1の接合部と、前記開口の反対側に第2の接合部とを有することができる。少なくとも1つの前記開口について、前記部材は前記開口の一方の側に第3の接合部と該開口の反対側に第4の接合部とを有することができる。前記第1の接合部と前記第2の接合部との距離は、前記第3の接合部と前記第4の接合部との距離より大きくすることができる。
【0059】
ある実施例では、前記部材の少なくとも一部分について、0.1m当たりの開口の数が1〜300の範囲内である。0.1m当たりの前記開口の数を3〜200の範囲内とすることができる。0.1m当たりの前記開口の数を5〜100の範囲内にすることができる。1cm当たりの前記開口の数を前記スプリント部材全体に亘って一定にすることができる。1cm当たりの前記開口の数を前記スプリント部材全体に亘って変化させることができる。
【0060】
ある実施例では、前記部材の少なくとも一部分において、前記部材の合計断面積に対する前記1つ又は複数の開口の合計断面積の割合が1%〜80%の範囲内である。前記部材の合計断面積に対する前記1つ又は複数の開口の合計断面積の割合は10%〜60%の範囲内とすることができる。前記部材の合計断面積に対する前記1つ又は複数の開口の合計断面積の割合が15%〜50%の範囲内とすることができる。
【0061】
別の実施例では、前記部材が射出成形部材からなる。
更に別の実施例では、前記部材が圧縮成形部材からなる。
【0062】
前記部材が、該部材の少なくとも一部分において、保護及び/又はスプリント装着される対象物とは反対向きの外面と1つ又は複数の縁部とを有し、前記部材は、前記外面と少なくとも1つの前記縁部との間で丸み付けすることができる。
前記部材は上述した材料で構成することができる。
前記部材は成形以前に概ね平坦にすることができる。前記部材は成形以前に概ね平坦な部材として提供することができる。
【0063】
本発明の別の側面では、保護及び/又はスプリント部材からなり、
前記部材の少なくとも一部分が周囲温度以上の成形温度で成形可能であり、かつ周囲温度で硬質であり、
前記部材が、スプリント装着されかつ/又は保護される対象物とは反対側を向いた外面と一つ又は複数の縁部とを有し、
前記部材の少なくとも一部分において、前記部材が前記外面と少なくとも一つの前記縁部との間で丸み付けされている保護及び/又はスプリント器具が提供される。
【0064】
ある実施例では、前記部材が複数の縁部を有し、かつ前記部材が前記外面と前記各縁部との間で丸み付けされている。前記部材はそれを貫通する1つのまたは複数の開口を有することができる。前記部材はスプリント要素の網状体で構成することができる。
【0065】
前記部材は、少なくとも1つの前記開口の周囲に1つまたは複数の縁部を有することができる。前記部材は、前記部材の周囲に1つまたは複数の縁部を有することができる。
【0066】
ある実施例では、前記部材が、スプリント装着されかつ/又は保護される対象物の側を向いた内面を有する。前記部材は、前記内面と前記縁部との間に角部を有することができる。前記内面と前記縁部との間になす角度を概ね90°にすることができる。
【0067】
ある実施例では、前記部材が射出成形部材からなる。
別の実施例では、前記部材が圧縮成形部材からなる。
【0068】
前記部材の断面形状を前記部材全体に亘って一様にすることができる。
前記部材の断面形状を前記部材全体に亘って変化させることができる。
ある実施例では、前記成形温度において、前記部材の少なくとも一部分が伸張可能である。
前記部材は上述した材料で構成することができる。
【0069】
前記部材は成形以前に概ね平坦にすることができる。前記部材は成形以前に概ね平坦な部品として提供することができる。
【0070】
別の実施例では、前記部材の少なくとも一部分において、前記部材の厚さが0.2mmから10mmの範囲内である。前記部材の厚さを2mm〜8mmの範囲内とすることができる。前記部材の厚さを3mm〜7mmの範囲内にすることができる。
【0071】
前記部材の厚さを前記スプリント部材全体に亘って一定にすることができる。前記部材の厚さを前記スプリント部材全体に亘って変化させることができる。
ある実施例では、前記部材が高分子材料からなる。
【0072】
別の実施例では、前記器具が、前記部材とスプリント装着されかつ/又は保護される対象物との間に位置するように構成されたスペーサ部材を有する。前記スペーサ部材は前記部材に取り付けることができる。前記スペーサ部材は発泡体で構成することができる。前記スペーサ部材はパッド付き包帯で構成することができる。
【0073】
別の実施例では、前記器具が前記部材を覆うためのカバー部材を有する。前記カバー部材は、前記部材のカバーを選択的に外すことを容易にするように構成することができる。前記カバー部材は前記部材を包むように構成することができる。前記カバー部材は選択的に開放可能にすることができる。
【0074】
ある実施例では、前記部材が第一層及び第二層を有し、前記成形温度において前記第一層を前記第二層に関して動かすことができる。前記第1層は前記第2層に関してヒンジ動作可能にすることができる。
【0075】
ある実施例では、前記部材が網状体を有し、前記網状体がそれを貫通する菱形形状の開口を有する単一の一様に平坦な材料からなり、前記網状体が、コンサーティーナ(蛇腹)作用によって及び前記部材が前記成形温度にあるときに前記部材の前記複合材料を伸張することによって、隣接した菱形開口に関して動かすことができる。
前記動作の結合効果によって前記部材の+40%または−20%までの拡張性を得ることができる。
【0076】
別の実施例では、前記部材が第一部材と第二部材とを有し、周囲温度において前記第一部材を前記第二部材に関して動かすことができる。周囲温度では、前記第1部材を前記第2部材に関してヒンジ動作可能にすることができる。
【0077】
前記部材は、1つまたは複数の開口を有することができる。少なくとも1つの前記開口は予備成形することができる。前記部材は成形部材とすることができる。前記部材は無孔にすることができる。
【0078】
ある実施例では、前記部材が、スプリント装着されかつ/又は保護される対象物の一部分の周囲のみに延在するように構成されている。
【0079】
前記器具は上腕骨中央部分用ブレースとすることができる。
前記器具は遠位橈骨スプリントとすることができる。
前記器具は身体保護器具とすることができる。
前記器具は治療または作業用保護器具とすることができる。
【0080】
更に別の実施例では、本発明によれば、周囲温度以上の成形温度で成形可能でありかつ周囲温度で硬質である保護及び/又はスプリント部材を提供する過程と、
前記部材を前記成形温度に加熱する過程と、
前記部材を対象物の周囲に成形する過程と、
前記対象物の周囲で前記部材を周囲温度に冷却することを容易にする過程とからなる方法が提供される。
ある実施例では、熱湯、対流又は放射による加熱によって前記部材を活性化する。
【0081】
前記部材は、前記対象物の周囲に前記スプリント部材を成形する際に少なくとも部分的に伸張することができる。前記部材は伸張可能な網状体で構成することができる。前記部材は第1層を第2層に関してヒンジ動作させることにより伸張させることができる。
【0082】
ある実施例では、前記部材が網状体を有し、前記網状体がそれを貫通する菱形形状の開口を有する単一の一様に平坦な材料からなり、前記網状体を、コンサーティーナ(蛇腹)作用によって、及び前記部材が前記成形温度にあるときに前記部材の前記複合材料を伸張することによって、隣接した菱形開口に関して動かす。
【0083】
前記動作の結合効果は、前記部材の+40%または−20%までの拡張性を得ることができる。
別の実施例では、前記方法が、周囲温度において第一部材を第二部材に関して動かす過程を有する。
前記部材は上述した材料で構成することができる。
【0084】
ある実施例では、前記方法が前記部材を対象物から取り外す過程を有する。前記部材の少なくとも一部分を切断して前記部材を対象物から取り外すことができる。前記部材は要素の網状体で構成することができる。1つまたは複数の前記要素を切断することができる。
【0085】
本発明によれば、ある実施例において、上述したようにスプリント装着しかつ/保護する方法が提供される。
【0086】
本発明によれば、別の側面において、保護及び/又はスプリント器具の少なくとも一部分を切断して、スプリント装着されかつ/又は保護される対象物から前記器具を取り外すための切断器具が提供される。
【0087】
ある実施例では、前記切断器具が、要素の網状体からなる器具を、スプリント装着されかつ/又は保護される対象物から取り外すように構成される。前記切断器具は、1つまたは複数の要素を切断するように構成することができる。前記切断器具は、少なくとも器具の一部分を切断するべく第2の切刃に関して動かすことができる第1の切刃を有することができる。前記切断器具は、スプリント装着されかつ/または保護される対象物の表面を切断/摘むことを最小にするように構成することができる。
【0088】
本発明によれば、幾つかの利点を有する熱可塑性成形可能な器具が提供される。この器具は保管及び輸送コストを最小にする平坦な形態で製造されかつ供給される有孔プラークからなる。要求があると前記器具を材料の成形温度以上に加熱し、次にそれをドレープ成形、モールド成形及び冷却して、十分に呼吸可能な硬質のスプリント器具を形成できるようにする。前記器具は予め所定の寸法にして提供できるので、そのようなスプリント器具を適用するのに必要な時間または技術は最小で済む。前記器具は単品として適用することができる。部分品を次々に加えることによって前記器具を準備する必要が無い。
【0089】
本明細書に記載される平坦な熱成形可能な器具は、一方向試験技術を用いて測定したときに5.0またはそれ以上の「強度対開放度指数」と、三点曲げ試験装置を用いて測定したときに1軸に沿って0.3またはそれ以上の開放度指数を有する。前記孔の数は、1〜300個/0.1mの範囲内にすべきであり、好ましくは3〜200個/0.1m、及び最も好ましくは5〜100個/0.1mである。
【0090】
前記スプリント部材の、それを使用する体肢の軸に対する周方向の撓み強度は、該スプリント部材の体肢の軸に平行な方向における撓み強度の10%〜95%の範囲内とすることができ、好ましくは前記撓み強度の20%〜80%の範囲である。
【0091】
本発明の基本的な構成を適用することによって、それを使用する体肢のジオメトリに適合したスプリント部材を製造することができる。これは特に、前記技術を所定寸法に形成したスプリントの形態に使用する場合に価値がある。これによって、成形したスプリント部材をきちんと装着者の体肢に一致させることが保証される。
【0092】
活性化したとき、前記器具は、本明細書に記載されるコンサーティナの構成によって、リブの厚さに大きな変化を生じることなく、40%まで伸張させることができる。スプリント装着される対象物とは反対側を向いた前記要素の外面は、丸み付けして引っかける可能性を少なくすることができる。
【0093】
前記添加材料によって、ポリカプロラクトンの機械的特性が強化される。ファイバフィラー、例えばリグノセルロース材料は、マトリックスポリマの撓み剛性を、その生分解性を妨げることなく、因数3まで増大させることができる。材料の成形温度は35℃以上であり、好ましくは50℃以上、及び本実施例では57℃以上である。周囲温度において、前記複合材料のヤング率は400MPa〜2500MPaの範囲内であり、好ましくは500MPa〜2200MPaの範囲内である。ポリカプロラクトン及び木質が生分解材材料であるので、木質を添加材料として用いることによって、前記複合スプリント材料は環境友好な材料である。添加材料として使用し得るおがくずのような木質ファイバは経済的でかつ広範に入手可能な資源である。焼却によって、ポリカプロラクトンはCO及びHOを生成する。更に、リグノセルロース材料は費用効果的で自然かつ再生可能な添加剤である。
【0094】
特に、前記複合スプリント材料が成形温度にあるとき、前記添加材料はポリカプロラクトンの容積を大きくし、その結果、粘着性を少なくして取り扱いを容易にした材料が得られる。従って、この柔軟な複合材料を対象物の周囲に所定の位置でかつ/または向きに、該複合材料をぺちゃんこにすることなく、配置することがより容易になる。
【0095】
前記ファイバをポリカプロラクトンの全体に分散させることによって、従来の熱可塑性材料の加工設備で加工し得る均一な特性を持った均質な複合スプリント材料を作る手助けとなる。
【0096】
また、前記リグノセルロース添加材料は、活性化の際またはその後で取り扱う際に加熱による不便が起こる可能性を減らすことが判明したことに注目すべきである。この改善点は、前記複合スプリント材料の絶縁特性が改善されたこと、前記材料の界面に複数の木質ファイバの先端があることに起因するものである。これによって、隣接する表面への熱エネルギの流れる速度が遅くなる。これは特に、前記材料が取り扱いが容易でかつ熱くと感じないので、手で成形する際に有用である。
【0097】
また、前記複合スプリント材料を発泡させることが、例えば水のような発泡剤を前記複合材料に添加することによって可能である。前記発泡剤にサセプタのような適当なマイクロ波放射線吸収剤をドープすることによって、発泡剤がマイクロ波照射に曝露したときに急速に熱くなって、軟化した複合材料の内部に膨張し、全体に亘って多孔性の構造が生成されることを確実にする。
【0098】
本発明の複合スプリント材料はまた、フィラー、顔料、可塑剤、発泡剤、難燃剤、安定化剤、及び芳香剤のような従来の高分子添加剤と共に用いることができる。
【0099】
この開放性は、スプリント器具を用いて患者の身体の一部分を長期間に亘ってスプリント処置する場合に特に有利である。従って、皮膚の浸軟や炎症の虞及びバクテリアの成長を助ける条件が減少する。また、前記開口によって器具及びライナは迅速に乾かすことができる。スプリントの場合には、シャワー及び入浴が可能である。また、前記器具は衛生上の理由で洗浄することができる。
【0100】
また、大きな開口は、器具に窓を作る必要なくして、その下側の体肢へのアクセスが必要な場合に有利である。このような用途の例として、内在器具、光治療、プローブ、イメージング、調合薬、ガス、注射、局所噴霧、超音波器具、電気器具及び回路、神経筋刺激器具及び経皮ピニングが含まれる。
【0101】
スプリント器具の重要な要件は、骨折部位の周囲において骨のアライメントを支持しかつ維持することである。
【0102】
本発明のスプリント器具は、製品の重量を大きく増加させることなく、支持を実現する。本発明によれば、スプリント器具の曲げに対する抵抗及び開放性の双方を最適化するスプリント器具を案出した。高度の開放性によって前記スプリント器具は、単位面積当たりのスプリントの重量/容積の増加を最小にして厚さを増すことができる。
【0103】
開示した器具は、前記開口のジオメトリを選択することによって、スプリント器具における強度の変化即ち異方性特性を可能にしている。従って、前記スプリント器具の性能は、使用者の要求に適応するように制御することができる。この特性は、体肢を長手方向に最大に支持しつつ、体肢の周方向の軸に剛性を小さくし得るという大きな価値を有する。これによって、体肢のアライメントを維持しつつ膨らませることを可能にしている。
【0104】
ある好適な実施例では、前記スプリント器具は丸み付けした外面を設けて、装着者の衣服に引っかけることを少なくしている。また、大きな開口が存在する場合に、テーブルの角のような対象物に引っかける虞がある。本願発明者らは、丸み付けした索状体がこのような虞を大幅に低減させることを見出した。更に、前記スプリント部材の構成によって、断面積の大幅な低減が可能となり、かつ従って、前記索状体の体肢とは反対側をテーパ加工/丸み付けすることによって、体肢との接触による支持を犠牲にすることなく製品重量の大幅な低減が可能になる。また、テーパ加工した又は丸み付けした外面を用いることは、離型を容易にすることによって製造を補助している。
【0105】
前記開口は、前記スプリント部材が呼吸可能であることを保証している。これは、前記スプリント器具を用いて患者の身体の一部をスプリント処置する場合に特に有用である。従って、皮膚の浸軟、炎症の虞及びバクテリアの成長を助ける条件が低減する。また、これらの開口によって、前記スプリント器具は素早く乾くことができる。スプリント器具の場合には、石膏の場合と異なり、シャワーや水泳が可能である。本発明のスプリント器具は洗うことができる。
【0106】
網目形状、例えば菱形網目形状は、前記スプリント部材を対象物の周囲に所望の位置にかつ/又は向きに容易に配置すること、及び必要があれば寸法合わせのために伸張させることを可能にする。
【0107】
スプリント器具の場合、コンプライアンスを改善しかつ成形時に器具の拡張性を容易にするため、菱形の網目を処置される体肢の中心線と平行な向きに合わせることができる。また、この構成上の特徴によって、スプリント器具を完全なギブスとして用いることができる。また、前記スプリント器具は、追加の補強が必要な場合に、合成樹脂材料を「被覆」することができる。
【0108】
菱形の網目はまた、衝撃の際に優れた衝撃分散性能を提供する。
前記網目の構成によって、40%までの伸張及び良好なコンプライアンスが可能となる。
【0109】
前記スプリント部材における菱形形状の開口の利点には、
−菱形の網目は形状一致性、柔軟性、伸張性及び圧縮性を有すること、
−装着過程が容易で素早く適用でき、かつ乾式処理であること、
がある。
前記スプリント部材の網目形状によって、良好な衝撃分散が得られる。
【0110】
前記スプリント部材の網目形状によって、良好な支持及びスポーツの負傷などのための保護及び/又はさらなる負傷からの保護が得られる。
前記スプリント部材の網目形状によって、痒みの虞が低減し、かつ装着者はその下側の痒い部分を掻くことができる。
【0111】
前記スプリント器具は、活性化したしたときにトリム加工によって丸み付けした縁部を得ることができる。これは、リグノセルロース添加材料が切断の際に材料の縁部を引き落ろす結果である。前記材料は、石膏のような従来の成形材料や合成ギブス材料と異なり、トリム加工又は切断の際に屑を生じない。
【0112】
前記スプリント器具が患者の身体の一部分をスプリント処置するために用いられているとき、パッド付包帯、発泡体またはスペーサ部材がスプリント部材と患者の皮膚との間にバリアを提供する機能を果たす。従って、スプリント部材の熱や剛性が、患者への不快感を生じさせることは防止される。更に、前記スプリント部材は、それが粘着性を有する場合に患者の皮膚を保護する。
【0113】
前記スプリント部材を相互に動くようにすることによって、前記スプリント器具は、前記スプリント部材が実質的に固い場合でさえ、調整し又は対象物から取り外すことができる。
【0114】
前記スプリント器具を一連の要素を有するように構成することによって、前記スプリント器具は、前記スプリント部材が固い場合でさえ、例えばヒンジ機構を用いて、調整し又はスプリント装着された対象物から取り外すことができる。前記ヒンジ機構はまた、パッド、発泡体又は布スペーサを有する積層機構の一部分として組み込むことができる。ある実施例では、布製支持体を前記機構のヒンジとして機能させることができる。これによって、完全なシステムを保証し、例えばスプリント器具の場合にその用途を簡単かつ効率よくすることができる。
【0115】
本発明の複合スプリント材料は、2ロール式ミル及び押出しのような従来の設備で混合することができる。同様に成形は、圧縮、トランスファ又は射出成形及び関連する技術を用いて実行することができる。
【0116】
ある実施例では、本発明は新規な熱可塑性複合材からなる放射線活性化成形物品及びそれを製造する技術に関する。本発明は、従来の加熱又はマイクロ波放射を介して活性化することができる。本発明は、例えば整形外科のスプリント又はギブスにおいて用いることができる。活性化したとき、前記熱可塑性複合材料は柔軟かつドレープ状になり、使用者は物品を所望の形状に形作ることを可能にする。冷却すると、前記物品は硬質のスプリントを形成し、その寿命に亘ってその形状を保持する。
【0117】
本発明の使用領域には、整形外科の用途のための矯正、スプリント器具の固定及びギブスの包帯や、カスタム成形の座席、ハンドル及びグリップ、劣化しそうな刃物類、人間又は動物のすね当てのような保護用パッド、足の筋神経関節補強回復術、潰瘍化した足の状態のための矯正支持及びヒッププロテクタが含まれる。
【0118】
本発明によれば、モールド成形に使用するのに適した複合材料であって、
前記材料が周囲温度以上の成形温度で柔軟な形態を有し、かつ周囲温度で硬質の形態を有し、
前記材料が低温溶融ポリマと添加材料とからなる複合材料が提供される。
【0119】
ある実施例では、前記低温溶融ポリマが熱可塑性材料からなる。別の実施例では、前記低温溶融ポリマからなる。更に別の実施例では、前記低温溶融ポリマがポリカプロラクトンからなる。
【0120】
前記添加材料によって、ポリカプロラクトンの機械的特性が強化される。特に、前記複合材料が成形温度において柔軟な形態にある場合、前記添加材料はポリカプロラクトンの容積を増やし、その結果、粘着性が低下してより取扱いしやすい複合材料が得られる。従って、柔軟な複合材料を対象物の周囲に、該複合材料がぺちゃんこになることなく、所望の位置及び/又は向きに配置することがより容易である。
【0121】
更に、前記添加材料は、必要な場合に加熱によって膨張することができ、より大きな断面積が得られる。このようにして、前記複合材料の柔軟な形態及び硬質の形態における強度対重量比が改善される。
【0122】
好ましくは、前記材料成形温度が40℃以上である。理想的には、前記材料成形温度が50℃以上である。より好ましくは、前記材料成形温度が57℃以上である。本発明のある実施例では、前記添加材料が複数のファイバの形態で提供される。好ましくは、前記ファイバがポリカプロラクトン全体に亘って分散される。
前記ファイバをポリカプロラクトン全体に分散させることによって、均一な特性を有する均質な複合材料を作る手助けとなる。
【0123】
前記添加材料は水分保持材料で構成することができる。好ましくは、前記添加材料が水からなる。
前記添加材料に水が存在するとき、水はサセプタとして機能する。この側面は特に、前記複合材料がマイクロ波加熱を用いて加熱される場合に有利である。前記サセプタはマイクロ波照射を吸収し、その結果より速くかつより効率的な複合材料の加熱が得られる。更に、水を用いることによって、比較的絶縁性を有する複合材の中における熱の分散が改善され、活性化の際に熱い場所と冷たい場所とが発生する可能性が低減する。この特性は更に、器具のパッケージ内に有効な環境をつくることによって利用可能である。袋の中で照射したとき、発生した水蒸気が大幅に器具の加熱効率及び分散を改善する。
【0124】
ある実施例では、前記添加材料がリグノセルロース材料である。好ましくは、前記添加剤が木質からなる。
【0125】
ポリカプロラクトン及び木質が双方とも生分解性材料であるので、木質を添加材料として用いることによって、前記複合材料が環境友好的な材料であることが保証される。
添加材料として使用できるおが屑のような木質ファイバは、経済的かつ広範に利用可能な資源である。
前記添加材料はカーボンで形成することができる。前記添加材料はマイカで構成することができる。前記添加材料はポリアニリンで形成することができる。
【0126】
ある実施例では、前記材料が発泡剤からなる。
前記材料は放射線吸収剤で構成することができる。
【0127】
本発明の別の側面では、本発明の材料からなる成形可能な部材からなる器具が提供される。
【0128】
ある実施例では、前記器具が、成形可能な部材と対象物との間に位置するように構成されたスペーサ部材を有する。
【0129】
前記器具が患者の身体の一部分をスプリント装着するのに用いられているとき、包帯の発泡体又はスペーサ部材が、成形可能な前記部材と患者の皮膚との間のバリアを提供するように機能する。従って、前記成形可能な部材の熱又は剛性が患者への不快感を生じさせることは防止される。更に、成形可能な前記部材は、該部材が粘着性を有する場合に患者の皮膚を保護する。
【0130】
前記器具は、活性化したときのトリム加工によって、丸み付けした縁部が得られる。これは、リグノセルロース部品が、切断の際に前記材料の縁部を引き落ろす結果である。この材料は、石膏のような従来の多くの成形材料と異なり、トリム加工又は切断の際に屑を発生しない。
【0131】
また、リグノセルロース化合物は、活性化の際又はその後に取り扱うときに熱による不便さの可能性を低減することが判明したことに注目すべきである。この改善点は、前記複合材の絶縁特性が改善されたこと、及び前記材料の界面に木質ファイバの複数の先端が存在することによるものである。これによって、隣接する面への熱エネルギの流れの速度が低減する。これは特に、手で成形する場合に、前記材料の取扱いが容易で熱さを感じないので、有利である。これは特に、前記材料を子供が成形する場合に有用である。
【0132】
前記成形可能な部材は、一つ又は複数の開口を有することができる。好ましくは、前記器具は、前記一つ又は複数の開口内に位置するように構成されたフィラー部材を有する。
【0133】
前記開口によって、前記成形可能な部材は呼吸可能であることが保証される。これは特に、前記器具を用いて患者の身体の一部分をスプリント処置する場合に有利である。従って、皮膚の浸軟、炎症の虞やバクテリアの成長を助ける条件が低減する。また、これらの開口によって、前記器具は素早く乾くことができ、スプリント及びギブスの場合に、石膏とは異なり、シャワー(ギブスは洗うことができる)及び水泳が可能である。
【0134】
スプリント及びギブスに関連するこのシステムの別の利点は、局所的に又は全体的に再成形し得る能力にある。これは、従来のギブス材料に対する利点であり、装着者が腫れに苦しんでいる場合に非常に価値がある。局所的な再成形は、ホットエアガン又はヘアドライヤーで行うことができる。
【0135】
理想的には、前記成形可能な部材は少なくとも部分的に網状体の形態で提供される。最も好ましくは、前記網状体がそれを貫通する概ね菱形の開口を画定する。
【0136】
網目形状、特に菱形の網目形状は、前記成形可能な部材を対象物の周囲に所定の位置にかつ/又は向きに簡単に配置すること、及び必要により伸張することを可能にする。
【0137】
スプリント又はギブスの場合には、コンプライアンスを改良しかつ前記器具の成形時における拡張性を容易にするために、前記菱形網目を、処置される体肢の中心線と平行に配置する。また、この構成の特徴によって、前記システムをシーム線なしで完全なギブスとして使用することができる。また、前記システムは、追加の補強が必要な場合に、合成樹脂材料で「被覆」することができる。
また、前記菱形網目システムによって、衝撃の際に優れた衝撃分散が得られる。
【0138】
前記網状体は、第一層及び第二層を有することができ、前記第一層は、前記成形可能な部材が柔軟な形態にあるときに、前記第二層に関して動かすことができる。好ましくは、前記第一層が第二層に関してヒンジ動作可能である。
【0139】
前記網状体は、それを貫通する菱形開口を有する単一の一様に平坦な材料からなり、前記網状体は、コンサーティーナ作用によって、及び前記成形可能な部材が柔軟な形態にあるときに、前記複合材料を前記成形可能な部材内で伸張することによって、隣接する菱形開口に関して動くようにすることができる。好ましくは、この動作の結合効果によって、前記複合材料で形成されかつ菱形開口/網状体を有するように形成された前記成形可能な部材において(+又は−)30%までの拡張性が得られる。
【0140】
別の実施例では、前記器具が、前記成形可能な部材を覆うのに適したカバー部材を有する。好ましくは、前記カバー部材は、前記成形可能な部材のカバーを選択的に外すことを容易にするように構成される。前記カバー部材は、前記成形可能な部材を包むように構成することができる。好ましくは、前記カバー部材は選択的に開くことができる。
【0141】
別の実施例では、前記器具は、前記成形可能な部材が成形温度にあるときを示すインジケータを有する。好ましくは、前記インジケータは視覚的インジケータからなる。理想的には、前記器具の一部分が、成形温度にあると透明になるように構成される。前記インジケータは、前記器具の一部分が透明である場合にのみ見ることができる表示で構成することができる。
【0142】
前記成形可能な部材の加熱は、該成形可能な部材が成形温度にあるときを利用者に示すインジケータを用いることによって、非常に効率的に実行することができる。
【0143】
更に別の実施例では、前記器具が、第一の成形可能な部材と第二の成形可能な部材とを有し、硬質な形態の前記第一の成形可能な部材が硬質な形態にある前記第二の成形可能な部材に関して動かすことができる。好ましくは、硬質な形態の前記第一の成形可能な部材が、硬質な形態の前記第二の成形可能な部材に関してヒンジ動作可能である。
【0144】
前記成形可能な部材を相互に動くようにすることによって、前記器具は、前記成形可能な部材が硬質の形態である場合でさえ、調整しまたは対象物から取り外すことができる。
【0145】
前記器具を一連の要素を有するように構成することによって、前記器具は、前記部材が硬質の形態にある場合でさえ、調整し又は成形される対象物から取り外し得ること即ちヒンジシステムを確実にする。また、このシステムは、パッド、発泡体または布製スペーサを有する積層システムの一部分として組み込むことができる。これによって完全なシステムが確保され、特にギブスやバックスラブの場合に、その適用を簡単かつ効率的にする。
【0146】
また、本発明によれば、更に別の側面において、ポリカプロラクトンからなる成形可能な部材からなり、前記成形可能な部材が、周囲温度以上の成形温度において柔軟な形態を有し、かつ周囲温度において硬質の形態を有し、前記成形可能な部材が少なくとも部分的に網状体の形態で提供される器具が提供される。
ある場合には、本発明によってスプリント器具が提供される。
【0147】
本発明の別の側面では、
周囲温度以上の成形温度で柔軟な形態を有しかつ周囲温度で硬質の形態を有する成形可能な部材を提供する過程と、
前記成形可能な部材を前記成形温度に加熱する過程と、
前記柔軟な形態の前記成形可能な部材を対象物の周囲に配置する過程と、
前記対象物の周りの周囲温度への前記成形可能な部材の冷却を容易にする過程とからなる方法が提供される。
ある実施例では、前記成形可能な部材がマイクロ波加熱によって加熱される。
【0148】
前記成形可能な部材が、前記対象物の周囲に前記成形可能な部材を配置する際に少なくとも部分的に伸張可能にすることができる。好ましくは、前記成形可能な部材が少なくとも部分的に網状体の形態で提供され、各前記成形可能な部材が前記網状体の第一層を該網状体の第二層に関して動かすことによって引き伸ばされる。理想的には、前記成形可能な部材が、前記第一層を第二層に関してヒンジ動作させることにより引き伸ばされる。
【0149】
前記成形可能な部材は、それを貫通する菱形開口を有する単一の一様に平坦な材料を有する網状体で構成することができ、前記網状体は、コンサーティーナ作用によって、かつ前記成形可能な部材が柔軟な形態にあるときに前記複合材料を前記成形可能な部材内で伸張することによって、隣接する菱形開口に関して動かすことができる。好ましくは、これらの動作の結合効果によって、前記複合材料から形成されかつ菱形開口/網状体を有するように構成された前記成形可能な部材は(+又は−)30%までの拡張性が得られる。
【0150】
ある実施例では、前記方法が、前記成形可能な部材が成形温度にあるときを決定するインジケータをモニタする過程を有する。好ましくは、前記インジケータが該インジケータを視覚的に観察することによってモニタされる。
【0151】
ある実施例では、前記方法が、硬質の形態にある第一の成形可能な部材を硬質な形態の第二の成形可能な部材に関して動かす過程を有する。
別の実施例では、前記成形可能な部材が本発明の材料からなる。
【0152】
本発明によれば、ある実施例では、スプリント装着の方法が提供される。
【0153】
更に別の側面では、本発明によって、成形可能な部材からなり、該成形可能な部材が一つ又は複数の開口を有する医療用器具が提供される。
【0154】
ある実施例において、前記成形可能な部材は、周囲温度以上の成形温度で柔軟な形態を有し、かつ周囲温度で硬質の形態を有する。
好ましくは、前記成形可能な部材が少なくとも部分的に網状体の形態で提供される。理想的には、前記網状体によってそれを貫通する概ね菱形形状の開口が画定される。
【0155】
ある実施例では、本発明によってスプリント器具が提供される。
好ましくは、前記網状体の構成によって良好な衝撃分散が得られる。理想的には、前記網状体の構成によって良好な支持及びスポーツのような負傷に対する保護及び/又はさらなる負傷からの保護が提供される。最も好ましくは、前記網状体の構成が痒みの虞を低減させ、かつ装着者はその下側の痒い領域を掻くことができる。
【0156】
前記網状体の構成によって、30%までの伸張及び良好なコンプライアンスが可能になる。またこれによって、シームのない完全なギブスとして器具を用いることが保証される。
【0157】
前記材料は放射線透過性を有し、かつ従ってギブスシステムとしてX線のために取り外す必要がない。
【0158】
上述したシステムはまた、フィラー、顔料、可塑剤、発泡剤、難燃剤、安定化剤、及び芳香剤のような従来の高分子添加物とともに用い得ることに注目すべきである。水を保持するクレー、マイカ及びシリカゲルのような添加物をも用いて、水をエネルギサセプタとして保持することができる。木質は天然の抗菌物質を含んでいるにも拘わらず、Alphasan(登録商標)のような抗菌物質の添加を用いて、複合材の性能を向上させることができる。
【0159】
本明細書に記載した前記複合体は、2ロール式ミルや押出しのような従来の設備上で混合し得ると考えられる。同様に、成形は、圧縮成形、トランスファ成形、又は射出成形及び関連する技術を用いて行うことができる。
【0160】
このシステムの別の用途は、美術及び工芸、玩具及び試作品作成である。前記材料はマイクロ波放射線により又は従来の加熱技術によって柔軟になり得るので、特に子供によって快適にかつ安全に取り扱うことができる良質の成形化合物が得られる。形削り又はキャスティングの後、冷却して硬い構造を形成する。また、前記フィラーによって前記複合材に美的な価値が与えられる。
【0161】
ある実施例では、本発明は新規な熱可塑性複合材からなる放射線活性成形物品と、それを製造する技術とに関する。開示される前記物品は、従来の加熱又はマイクロ波放射線によって活性化することができる。本発明は、例えば整形外科用スプリント又はギブスにおいて用いることができる。活性化すると、前記熱可塑性複合材は柔軟にかつドレープ状になり、使用者が前記物品を所望の形状に作ることができるようにする。冷却すると、前記物品は硬質のギブスを形成し、その形状をその寿命に亘って維持する。
【0162】
従来の熱可塑性材料は、溶融温度以上に加熱すると、その構造的な完全性をもはや維持せず、高粘度の液体のそれと同様に作用する。本発明では、木質ファイバのようなリグノセルロース材料がポリカプロラクトンの溶融粘度を制御することによって、その溶融強度及び従ってその完全性を十分に維持する。これによって使用者は、「拡がり過ぎ」を生じることなく、加熱した材料を形作ることができる。このように、柔軟な前記複合材料を対象物の周囲に所望の位置及び/又は向きに配置してモールド成形し又は形作ることがより容易になる。木粉及び/又は木質ファイバの使用によって、活性化した前記複合材の粘着性が大幅に低減される。これは、形作り又はモールド成形がスプリント及びギブスの場合には手で行われることから特に重要である。
【0163】
また、木質ファイバは圧縮可能であるので、複合材料の密度を制御することができる。製品の製造に関わる圧力を変化させることによって、発泡体様の多孔性複合材から高密度複合材まで自由空間を変化させることが可能である。
【0164】
ポリカプロラクトンマトリクスの中に繊維状材料が存在することによって、複合材料の強度及び耐クリープ性の双方が改善される。前記材料は、石膏や合成樹脂のような従来の成形材料と異なり、衝撃による亀裂を生じにくい。
【0165】
ポリカプロラクトンへの木質繊維/木粉の添加によって、見た目が天然で、例えばスプリントとして用いた場合に、美的に楽しいが独立した製品を形成する材料が生成される。更に、リグノセルロース材料はポリカプロラクトンのぬれ性を、容易に被覆されるように変化させる。ある実施例では、前記複合材料がPVDCエマルジョンで被覆され、それによって円滑で光沢のある肌面を作ることができる。
【0166】
また、前記複合材料を発泡させることが、前記複合材料への発泡材(例えば、水)の添加によって可能である。発泡材に適当なマイクロ波照射吸収材(サセプタ)をドープすることによって、発泡材はマイクロ波照射に曝露したときに急速に熱を発生し、それにより軟化した複合材料内部で膨張して、全体的に多孔性の構造を形成する。
【0167】
ポリカプロラクトン及び木質の双方が成分解性材料であるので、添加材料として木質を用いることによって、前記複合材料は環境友好な材料であることが保証される。添加材料として用いるおがくずのような木質ファイバは経済的かつ広範に入手可能な資源である。焼却によって、ポリカプロラクトンはCO及びHOを生成する。
【0168】
木質と低温溶融熱可塑性材料との組み合わせによって、水のような天然のマイクロ波サセプタを組み込む能力が得られる。前記複合材を100℃以下で配合しかつ処理することによって、前記木質は予め水和することができ、従って押し出し工程における水蒸気の発生を排除することができる。これは、マトリクス内の湿気がマイクロ波サセプタ及び熱分散材として機能することから、重要な特性である。また、これは、水が熱可塑性材料内部で発泡材として機能する場合に現場発泡現場の潜在能力を有する。
【0169】
本発明の適用領域には、整形外科的用途のグレース、スプリント固定及びギブス包帯、カスタム成形の座席、ハンドル及びグリップ、劣化可能な刃物類、人間又は動物のすね当てのような保護パッド、足の筋・関節補強回復術、潰瘍した足の状態の矯正装具及び支持具、ヒッププロテクタが含まれる。
【0170】
木質のようなリグノセルロース材料を充填ポリカプトラクトンに使用することの利益には次のものが含まれる。
−リグノセルロース材料は安価で低コストな材料である。
−リグノセルロース材料はポリカプトラクトンのかさを増やす。
−リグノセルロース材料は天然材料である。
−リグノセルロース材料を用いることにより美的な魅力が増す。
−リグノセルロース材料は分解可能/使い捨て可能である。
−リグノセルロース材料は環境友好な解決策である。廃棄物のリグノセルロース材料の使用は再生可能な資源となる。
−リグノセルロース材料によってポリカプトラクトンの強度/剛性が増す。
−リグノセルロース材料によってポリカプトラクトンの耐クリープ性が増す。
−リグノセルロース材料によってポリカプトラクトンの溶融強度が改善される。
−リグノセルロース材料によってポリカプトラクトンの熱伝導性が改善される。
−リグノセルロース材料によって表面仕上げが改善される。特にぬれ性及び被覆への接着性が改善される。
−リグノセルロース材料はポリカプトラクトンの粘着性を低下させる。
−リグノセルロース材料によりポリカプトラクトンの密度/重量を制御できる。
−リグノセルロース材料はポリカプトラクトンの発泡化改善できる場合がある。
−リグノセルロース材料は柔軟な状態にあるポリカプトラクトンの拡張性を増大させることになる。
−結果物の材料は、クレーと同様により多くの柔軟性を有する。
−従来の射出成形技術を用いて製造できる。
−従来の配合技術を混和及び混合に用いることができる。
−リグノセルロース材料は水分をより多くすることができる。芳香材をリグノセルロース材料ファイバに添加することができる。
−マイクロ波加熱について、リグノセルロース材料は該材料に一体化された天然の水分サセプタを提供する。
−水和したリグノセルロース材料により加熱能力が改善される。水は熱伝導体である。
−リグノセルロース材料により複合材のマイクロ波加熱が改善される。密閉した袋や包装の中で加熱したとき、リグノセルロース材料ファイバから放出された湿気がより均一に加熱された製品を生みだし、即ちマイクロ波加熱に関連する「高温及び低温」のスポットに関連する問題を低減させる。
−前記材料の縁部が鋏のせん断作用により丸み付けされ、従って(石膏又は合成樹脂のギブスと比較して)装着者にとってより安全である。
−前記材料/製品を鋏でトリム加工したとき(石膏又は合成樹脂のギブスと比較して)全く屑が発生せず、かつギブスカッタで切断したとき(石膏又は合成樹脂のギブスと比較して)屑の発生が少ない。
−前記製品/材料は前記製品が濡れたときに劣化したり重くなることがない。
−前記マトリックスは放射線透過性を有する。
−前記材料は菱形マトリックス形状に成形することができる。
−抗菌材を前記材料に添加することができる。
−前記複合材料は毒素の放出なしで焼却することができる。
−せん断機又は鋏で切断したときに前記材料から屑が発生しない。
−本明細書に開示される前記複合材料は水での劣化を生じにくく、その特性は湿度の高い条件でも劣化しない。
【0171】
木質充填ポリカプロラクトンの菱形マトリックス構造の利点には次のものが含まれる。
−菱形マトリックスは適合性、順応性、伸張性及び圧縮性を有する。
−適用の過程が容易で素早く適用でき、乾式処理である。
−菱形マトリクスは軽量で、強度対重量比率が良い。
−菱形マトリクスは硬質で、製造が容易である。
−菱形マトリクスによりバクテリアの成長を助ける条件及び感染の虞(特に高温多湿の気候において)が減少し、皮膚の浸軟及び炎症の虞(特に高温多湿の気候において)が減少し、皮膚に過度のかゆみを生じさせる条件(特に高温多湿の気候において)が減少し、皮膚が呼吸しかつ下側の傷が治癒を早めることを促進し、かつ菱形網目構造によって装着者は局所的に痒い部位を掻くことができる。
−前記マトリックスによって、水に漬けた後の体肢を早い乾燥を容易にし、特に子供にとって水泳に適している。
−不適合な部分を局所的にヘアドライヤを用いてポストモールドすることができ、腫れが少なくなった後、ギブスを局所的にヘアドライヤを用いて再成形して、前記ギブスをきちんと適合させることができる。
−前記菱形マトリクスによって、ハイブリッドな完全なギブスの構成が容易になり、それによってバックスラブは標準的な合成樹脂ギブス(腫れが退いた後)でカバーされる。これにより、骨が移動する虞が減少しかつ材料コストが低減する。
−菱形マトリクスは湾曲した形状例えば体肢の周りに成形したときに強度を有する。
−菱形マトリクス形状を有する予備成形したスプリント製品への天然及び人造材料からなる布製スペーサ、不織布、発泡体及び包帯の積層構造は容易に製造でき、医療処置を迅速かつ簡単にする。(これは石膏では不可能である。)
−菱形マトリクス形状によって良好な衝撃分散特性が得られる。
−石膏又は合成樹脂ギブスと比較して、応力又は衝撃による材料の切断や亀裂の虞がない。
【0172】
開示した技術に関連する別の新規性は、下側の成形可能な材料のマイクロ波加熱を改善するパッケージ又はコーティングに関する技術である。エステル結合のような適当な極性分子シーケンスを有する高分子種がマイクロ波エネルギを吸収し、かつ熱エネルギに変換する。(例えば、ポリエステルウレタン)。また、そのような膜又はコーティングをサセプタでドープしてその特性を改善できることに注意すべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0173】
本発明は、添付図面を参照しつつ、その単なる実施例として以下に詳細に記載される幾つかの実施態様からより明確に理解することができる。
明細書中に使用される用語「保護及び/スプリント器具」は予備成形することができ、かつ体肢固定、支持及び/又は保護のために使用される構成要素を言うものとする。用語「保護及び/又はスプリント器具」は、人間又は動物のスプリント、ギブス、ブレース(矯正装具)、及び身体の保護を含むものと理解される。このような保護及び/又はスプリント器具は、整形外科用の器具として、又は作業用の器具として、又はスプリントガードとして使用することができる。前記器具は人間又は動物について使用することができる。保護及び/又はスプリント器具の実施例には、ヒッププロテクタ、すね当て、骨折した骨について使用するブレースが含まれる。
【0174】
本明細書中の実施例において、使用される主要な低温溶融熱可塑性材料は、Solvay UKから供給されているCAPA(登録商標)6500である。CAPA6500はカプロラクトンモノマから誘導された分子重量の大きい直鎖状ポリエステルである。これは分子重量が約50,000で、顆粒の形状で供給される。これは広範な一般の熱可塑性材料と相溶性を有し、かつ幾つかの一般的な溶剤について可溶性を有する。これは溶融温度が57〜59℃であり、これによって加熱した製品が患者に不快感を与えないスプリントの用途に適した理想的な材料としている。このようなものから製造される木質複合材料の機械的強度は、ポリカプロラクトンが木質ファイバを混合時に十分に湿潤させることを示唆している。
【0175】
高分子の配合組成に詳しい当業者であれば、本明細書でに言うところの熱可塑性材料の必要な特性を表す適当な系が広範に存在することが分かる。EVA、低温溶融ポリオリフィン、ワックス及びポリカプロラクトン/PVCのような混合物並びにコポリマーなどの材料がある。非反応性ホットメルト接着剤の技術分野では、広い範囲の適当な材料を見出すことができる。
【0176】
添付図面に関し、最初に図1、2は、本発明によるファイバ複合スプリント材料1が示されている。複合スプリント材料1は、周囲温度以上の成形温度で成形可能であり、かつ周囲温度で実質的に硬質である。従って、複合材料1は特にスプリントのような成形の用途に用いるのに適している。成形温度によって、複合スプリント材料1は成形することができかつ骨折した骨を有する前腕のようなスプリント装着される対象物の周囲に所望の位置及び/又は向きで配置することができる。周囲温度において、硬質の複合材料1は前腕のスプリントとして機能することができる。
【0177】
複合材料1は、本実施例ではポリカプロラクトン2である低温溶融熱可塑性コポリマーと、ポリカプロラクトン2全体に亘って分散させた添加材料からなる複数のファイバ11とからなる。本実施例では、前記添加材料が木質のようなリグノセルロース材料からなる。木質は水分保持材料である。従って、木質を添加材料として用いることによって、水分が複合材料1内に保持できることを保証している。
【0178】
前記材料成形温度は35℃以上であり、好ましくは50℃以上、及び本実施例では57℃以上である。
【0179】
図1は加熱可能な熱可塑性複合剤1の概略図である。ポリカプロラクトンマトリクス2は、マイクロ波を用いて加熱することができる吸湿性の木質ファイバ11を含む。
【0180】
図2乃至図4に関し、本発明による遠位橈骨スプリント器具200が示されている。スプリント器具200は、圧縮成形したスプリント器具201とスペーサ部材13とを有する。スプリント部材201は、図1に関連して上述した複合スプリント材料1からなる。従って、スプリント部材201は前記成形温度で成形可能であり、かつ周囲温度において実質的に硬質である。図4に示すように、スプリント部材201は、スプリント装着される体肢の部分の周囲にのみ延在するように構成されている。
【0181】
スプリント部材201は、スプリント要素202の網状体からなり、スプリント部材201を貫通する複数の開口203が設けられている。スプリント部材201の周辺部を除いて、開口203は図2に示すように菱形を有する。2つの辺縁要素204がスプリント部材201の周囲の2辺に沿って延長している。スプリント部材201の周囲に隣接するいくつかの開口203は、図2に示すように菱形形状ではない。
【0182】
図5に示すように、スプリント要素202からなる網状体は、各菱形開口203の周囲に4つの真直ぐな縁部205を有する。縁部205は、互いに対向する2つの鋭角αと互いに対向する2つの鈍角βとを画定する。各鋭角αは15°から85°の範囲内であり、本実施例では60°である。各鈍角βは95°から175°の範囲内であり、本実施例では120°である。
【0183】
図6に示すように、軸線1が2つの鋭角αの頂点を通り、かつ軸線3が2つの鈍角βの頂点を通過している。器具200の長手方向軸である軸線1は、器具200の周方向軸である軸線2と直交している。周囲温度において、スプリント部材201の軸線1に平行な方向における撓み強度は、スプリント部材1の軸線3に平行な方向における撓み強度より大きい。スプリント部材201の軸線3に平行な方向における撓み強度は、スプリント部材201の軸線1に平行な方向における撓み強度の10%から90%の範囲内であり、かつ好ましくはスプリント部材201の軸線1に平行な方向における撓み強度の20%から80%の範囲内である。
【0184】
隣接する開口203の各対の間には、スプリント部材201が接合部を有する。各開口203について、スプリント部材201は開口203の一方の側に第1接合部206と、開口203の第1接合部206とは反対側に第2の接合部207と、開口203の別の側に第3接合部208と、開口203の第3接合部208とは反対側に第4接合部209とを有する。図5及び図6に示すように、第1接合部206と第2接合部207間の距離は、第3接合部208と第4接合部209間の距離より大きい。図6に示すように、軸線1が第1接合部206及び第2接合部207を通り、かつ軸線3が第3接合部208及び第4接合部209を通る。
【0185】
成形温度において、スプリント器具201は軸線1に平行な方向及び軸線3に平行な方向の双方に伸張可能である。スプリント器具201をこのように伸張することによって、スプリント器具201はスプリント装着される対象物の周囲に形成されかつ配置することができる。
【0186】
図3に示すように、スプリント器具201は、スプリント装着される対象物と反対側を向いた外面210と、スプリント装着される前記対象物を向いた内面211とを有する。
【0187】
スプリント部材201は、外面210と各開口203の周囲の各縁部205との間が丸み付けされている。また、スプリント部材201は、外面210とスプリント部材201の周辺部の周りの各側縁部212との間が丸み付けされている。
【0188】
スプリント部材201は、内面211と各開口203の各縁部205との間に本実施例では90°の角部を有する。また、スプリント部材201は、内面211とスプリント部材201の周辺部の各側縁部212との間に本実施例では90°の角部を有する。
【0189】
本実施例では、スプリント部材201の断面形状がスプリント部材201全体に亘って一定である。
スプリント部材201の合計断面積に対する開口203の合計断面積の割合は、1%から80%の範囲内とすることができ、好ましくは10%から60%の範囲内であり、最も好ましくは15%から50%の範囲内である。
【0190】
スペーサ部材13は発泡体又はパッド付き包帯で構成することができ、スペーサ部材13は、スプリント部材201とスプリント装着される対象物との間に配置されるように構成される(図4)。
【0191】
使用時、スプリント器具201は、例えば従来の加熱方法によって、周囲温度から成形温度まで加熱される。前記成形温度において、スプリント部材201は比較的柔軟である。従って、スプリント器具200は、カバーすべき対象物の周囲で所望の位置及び/又は向きに形成しかつ配置することができる。
【0192】
次に、器具200を前記対象物の周囲で所望のスプリント位置及び/又は向きに維持したまま、周囲温度に冷却させる。周囲温度において、スプリント部材201は硬質である。この硬質の器具200が、スプリント装着された前記対象物を所望の位置及び/又は向きに維持する。
【0193】
図2は、スプリント器具下面211に固定した布パッド13と並列をなす、活性化していない橈骨Tバー・スプリント部材201の平面図を示している。スプリント部材201は、成形技術を用いて予備成形され、従ってスプリント部材201は、押出し加工や打ち抜き加工の場合に生じ得るような鋭い縁部を全く有しない。本実施例では、開口203が、スプリント器具200によって骨の軸に対して僅かな角度で最大の撓み剛性が得られるように配置されている。これによって、開口203を指関節部のジオメトリと整合させることができ、従って体肢の支持を最大にしかつきちんと適合させることができる。パッド材料13は、穿孔した開口を有する独立気泡発泡体とすることができる。適当なパッド材料が米国特許第4,294,240号明細書に開示されている。スプリント部材13によって、三次元における呼吸が可能となり、かつ効率よく乾燥させて患者の快適性を最大にする。理想的には、パッド材料13はドレープ抵抗が低く、前記器具の開口3の使用を最適にするために、水を素早くかつ効率よく除去することができる。
【0194】
図3は、図2に示す橈骨Tバー・スプリント器具200のX−X線における断面を示している。スプリントライナ/パッド材料13は、スプリント部材201の下面211に設けられている。
【0195】
図4は、図2の橈骨バックスラブスプリント器具200の活性化後及び前腕に適用した後の等角投影図である。説明のために、ひも類は省略した。しかしながら、ベルクロテープ、クレープ包帯、粘着テープなどのような様々な包み方及びひも類を用い得ることが理解される。
【0196】
スプリント部材201は、従来のオーブン又はマイクロ波加熱のような乾式加熱手段を用いて活性化することができる。この場合、使用者は水と接触することがなく、パッド材料13は乾燥したままである。また、スプリント部材201は、加熱した水の中で活性化させることができる。スプリント器具201は非常に開放しているので、乾燥は効率的で、従って下側のパッド材料13が濡れることに関する問題は少ないと考えられる。水での活性化を用いた場合では、スプリント部材201及びパッド材料13を別個に供給して、スプリント部材を活性化した後に結合させることができる。
【0197】
本願発明者らは、リグノセルロース添加材料11を15重量%以上の量でCAPA6500に加えたとき、活性化した材料1の取扱いが粘着性が非常に少なくなって非常に容易になったことを見出した。また、フィラー11が高分子弾性特性を低減させ、材料1が濡れた布のように包んで、体肢の形に作ることを容易にしている。
【0198】
図5に関し、スプリント器具200の網目状スプリント部材201の等角投影図が、十字形に連なるリブ202を示しており、それが網目状に配置されて連続的なプラークを形成している。リブ付き要素202は厚さTの索として表示され、その厚さは0.2mmから10mmの範囲内であり、好ましくは3mmから8mm、より最も好ましくは4mmから7mmの範囲内である。前記索の幅Wはシステム全体の開放度に相関し、2〜12mmの範囲内、好ましくは4mm〜10mmの範囲内である。前記開口のジオメトリは、長さL1、長さL2、及び要素角度α、βによって画定され、長さL1、L2は2〜25mmの範囲内であり、好ましくは5〜18mmの範囲内である。リブ角度α、βは、スプリント部材201における異方性の程度を決定し、15°から175°の範囲内、より好ましくは30°から150°の範囲内である。材料の特性とともに、これらパラメータの全部は、スプリント部材201の機械的特性、開放度、単位面積当たりの開口、重量及び異方性特性を画定するように変化させることができる。
【0199】
図6は、網目状スプリント部材201の別の等角投影図であり、網目状プラークにおける一連の軸A1、A2、A3を画定している。これらの軸は、スプリント部材201の異方性特性についてより詳細に説明する以下の実施例において使用する。軸1は、菱形開口203の最も幅広の部分を通過し、殆どの場合にこの軸1が撓み強度の最も大きい軸であり、従って骨に対して平行に走らせるのに最も適した軸であることが分かっている。軸3は菱形開口203の最も短い点を通過し、従ってこの骨と直交する軸3を矯正装具システムの調整及び腫れの際に最大の弾性を与えられるようにすると有利である。菱形のジオメトリは、例えば以下の図9乃至図14を参照するように、このような異方性効果を得るように適応し得る唯一の開口のジオメトリではない。しかしながら、図示のため及び開示事項の説明を容易にするために、菱形形状の開口203を選択した。
【0200】
図7及び図8は、それぞれ活性化以前と活性化及び伸張後の網目状プラークスプリント部材201の平面図を示している。図8に示すプラーク201は、要素の厚さを大きく減少させることなくその元の長さを25%超伸張させて、それにより強度を維持している。この機能によって、スプリント部材はより大きな寸法範囲で設計することができ、従って製品リストを少なくすることができる。さらに、この伸張によって、使用者は製品の強度を様々な向きに再配置することができる。
【0201】
図9は、図2乃至図8に示す菱形網目状ジオメトリに対するスプリント部材201の別の実施例である。この実施例では、網目状要素202が結合されて長円形の開口203を形成している。このジオメトリを用いた場合、異方性スプリント特性が表現される。
【0202】
図10は格子状のスプリント部材201であり、網目状の要素202が結合されて、矩形開口203を有するスプリント部材201を形成している。
【0203】
図1乃至図14は、スプリント部材201の別の考えられる構成・形態を示しており、例えば六角形の開口203(図11)、円形の開口203(図12)、S字形の開口203(図14)、星形の開口203などである。他の特に適した形状は、平行四辺形又は平行六面体の開口203である。本発明が菱形形状の開口203に限定され又は制限されるものでないことは理解される。
【0204】
開口203の様々な形態によって、材料の配合組成を変えることなくスプリント部材201の柔軟性を変化させることができる。例えば、開口203の様々な形態は、身体の様々な部分にスプリント装着するために有利であり又は特に適している。
【0205】
図15は、本発明による別のスプリント器具220を示しており、これは図2乃至図8のスプリント器具200に類似し、図15の類似要素には同じ参照符号が付されている。
【0206】
この実施例において、スプリント器具220は上腕骨中央部分(幹部)ブレースであり、図15は成形された上腕骨スプリントブレース220を示している。ブレース器具220は、活性化及び成形後の上肢にある状態を示している。
【0207】
図16及び図17には、本発明による別のスプリント器具230が示され、これは図15のスプリント器具220に類似し、図16及び図17の類似要素には同じ参照符号が付されている。
【0208】
この実施例において、開口203の寸法及びcm当たりの開口203の数はスプリント部材201全体において変化している。
【0209】
図16及び図17は、様々な菱形の上腕骨中央部分ブレース器具230を示している。この変形によって、スプリント器具230における伸張/強度の勾配が可能である。これによって、肩の領域及び上腕骨の下側の周囲に成形する際に器具230の寸法合わせが容易になる。
【0210】
図18には、本発明による更に別のスプリント器具240が示され、これは図15のスプリント器具220に類似し、図18の類似要素には同じ参照符号が付されている。
【0211】
この実施例では、ヒンジ機構241が組み込まれて、上腕骨スプリント器具240の簡単な取り外し及び調整を可能にしている。この構成では、網目状要素202が布製ブリッジ241を有する2つの構成要素242、243の形態で設けられ、一方の網目状構成要素241を他方の網目状構成要素243に関して動かすことができるようにしている。
【0212】
図19に関し、図2乃至図8の器具200に類似する、本発明による更に別の器具250が示され、図21における類似の要素には同じ参照符号が付されている。器具250は菱形開口を有するハンドプロテクタである。
【0213】
図30及び図31は、図2乃至図8のスプリント器具200に類似する、本発明による更に別のスプリント器具300を示している。
【0214】
この実施例では、スプリント器具300が、一連のリブ110で接合された第1スプリント部材301と第2スプリント部材302とを有する。リブ101は破壊/切断して、第2スプリント部材302に関する第1スプリント部材301の動きを容易にすることができる。図20及び図21の「鮫歯」状リブ110によって、活性化可能なスプリント−反射性交感神経性ジストロフィ(RSD)が可能となる。犠牲的リブ110が設けられて、スプリント器具300のヒンジ動作を可能にしている。
【0215】
図22は、本発明の更に別のスプリント器具310が示され、これは図20及び図21のスプリント器具300に類似し、図22の類似の要素には同じ参照符号が付されている。
【0216】
この実施例では、ヒンジ継手311が第1スプリント部材301と第2スプリント部材302との間に設けられて、第2スプリント部材302に関する第1スプリント部材301の動きを容易にしている。図22のスプリント部材310によって、活性化した前腕スプリント−反射性交感神経性ジストロフィが可能となる。スプリント器具310によって、治療を改善する一軸上の動作治療が可能となる。
【0217】
スプリント器具の重要な要件は、骨折部位の周りに骨のアライメントを支持しかつ維持することである。本発明のスプリント器具は、製品の重量を大幅に増加させることなく支持を行う。本発明によれば、曲げ抵抗及びスプリント器具の開放度の双方を最適化したスプリント器具を案出した。開放度が大きいことによって、前記スプリント器具は単位面積あたりのスプリント重量の増加を最小にしつつ厚くすることができ、従って断面二次モーメントの増加を最小にすることができる。
【0218】
本発明によれば、ある実施例では、例えば整形外科の固定や身体の保護器具として有用な平坦な予め寸法を定めた部品の形態で提供される、成形した有孔プラークからなるスプリント器具が提供される。成形温度に加熱すると、前記スプリント部材材料が熱遷移を呈して、手で成形又は形作りできるようにし、従って例えば体肢の周りに成形できるようにする。冷却すると、前記スプリント部材は再び硬化して体肢の外形に適合する。本発明のスプリント器具は、装着者に優れた支持具を提供し、広い開放面積で下側の表面への通気を提供する。
【0219】
本発明のスプリント器具200によって、ギブスカッタを用いる必要なく、患者からの簡単な取り外しを容易にする。図23に示すように、これは手鋏400を上から直接入れることを容易にするスプリント器具200のジオメトリによって達成される。手鋏400をスプリント部材201の各リブの下側に滑らせ、使用者が患者の皮膚を切断したりつまむ虞なく、スプリント器具200全体を切断することができる。また、前記器具の選択した領域に手鋏を用いて個々のリブを除去し、検査用モニタが治療を容易にし、又は内在器具、光治療、プローブ、イメージング、調合薬、ガス、注射、局所的噴霧、超音波器具、電気器具及び回路、神経筋刺激器具及び経皮ピニングを容易にするべく前記器具を通して侵入を可能にすることができる。
【0220】
この特徴によって、前記器具は動力器具の必要なくかつ最小の騒音で切断し又はトリム加工することができる。また、患者に対する不快感及びストレスを最小にし、患者への危険が低減する。また、この特徴によって、過度の浮腫や血栓症のような緊急時に安価な器具を用いて前記スプリントを取り外すことができる。前記器具を取り外す人は屑にさらされないので、局所的に摘出を行って屑や繊維状のごみを捕捉する必要がない。
【0221】
本発明の別の実施例では、前記スプリント部材の断面形状がスプリント部材全体に亘って変化し得ることが分かる。同様に、別の実施例では、前記スプリント部材の厚さを該スプリント部材全体に亘って変化させることができる。
【0222】
本発明の複合スプリント部材及びスプリント器具は、例えば背中の支持具又は体肢のスプリントにおいて、広範な用途で使用するのに適していることが分かる。
【0223】
添付図面に表示されかつ本明細書中に記載される実施例は体肢の固定及び支持の目的で可能な広範な用途の一部に過ぎないことを注意すべきである。考えられる別の用途には、背中の支持、身体の保護などが含まれる。更に、前記スプリント器具を予備成形した状態で用いて、活性化の必要性を低減させることができる。別の用途には、獣医用の支持具、保護器具、業務用治療支持具などが含まれる。
【0224】
本発明は添付図面に関連して上述した実施例に限定されるものでなく、構成及び詳細において様々に変化させることができる。
【実施例】
【0225】
強度対開放度比率
3つの代替品の成形可能なスプリント/ギブス材料(石膏、合成及び熱可塑性成形可能スプリント)を選択し、試験し、かつ本発明のスプリント器具に対して評価した。
代替品の成形可能なスプリント/ギブス材料を本発明のスプリント器具に対して評価できるようにする2つの試験方法を開発した。
用いた第1テストは3点撓み曲げ試験方法であり、試験されるスプリント/ギブス材料の様々な軸において異方性撓み強度特性を確立するのに有用であった。
【0226】
一方向曲げ試験方法を用いて、同時に全ての軸において代替材料及びスプリント器具の平均撓み強度特性を測定した。前記一方向試験方法は、各器具の全ての軸における撓み強度特性をカバーする単一のS:O指数を示すために、様々なジオメトリの開口を有する器具を試験するのに有用であることが証明された。
【0227】
3点撓み曲げ試験
サンプル準備手順A
本発明のスプリント器具を二段階で準備した。第一段階には、複合ポリマスプリント材料の調整が関連する。この材料は、ロール温度95〜115℃の2ロール式ミルで形成した。最初に、重量を計った新しいポリカプロラクトン6500のサンプルをローラに加えて、2分間加熱した。33重量%のリグノセルS150TRを添加して、均一な混合分散が観察されるまでミキシングを行った。次に、前記材料を加熱したロールからナイフエッジで取り除いた。
【0228】
加熱した前記材料を計量し、かつ次に菱形形状の開口を有する平坦なアルミニウム成形型を用いた圧縮成形プレスで500mm×500mmのプラトンに30トンの圧力でモールド成形した。
【0229】
サンプル準備手順B
石膏及び合成樹脂サンプルを次のように準備した。前記材料を水に浸漬する前に所望の寸法にトリム加工した。次に、予め切断した部分を様々な層数の積層体に積層し、微温の水に3秒間浸漬した。製造した石膏サンプルは7層であり、製造した合成サンプルは4層であった。取り外す際に、余分な水を積層した各層の間から押し出し、かつ前記サンプルをテフロン(登録商標)でカバーした平坦な表面上に24時間載置した。
【0230】
サンプル準備手順C
試験用の代替熱可塑剤サンプルを、鋭いナイフを用いて寸法にトリム加工し、次に通常の製品用途の指示に従って加熱し、かつ試験前に室温で24時間保存した。これを行ったのは、試験される全てのサンプルが、これらの器具の使用の際に当該分野においてその各製造者が特定した条件にできる限り近いものを確実に現すためである。
本発明のスプリント器具は、体肢の横方向軸に対応して正しい寸法に切断した。
【0231】
3点曲げ試験を、Zwick社製万能引張り試験機モデルZwickZ2.5で3点曲げアタッチメントを用いて行った。下側の支持用あご及び上側の歯形部の幅は100mmであった(図24を参照)。前記サンプルを前記装置の中央に配置し、上側の前記歯形部を徐々に前記サンプルの表面に近づけた。試験は25.00mm/分の速度で行い、10mmの偏位量で終了した。前記サンプルのスパン長さは、支持する前記歯形部の間で100mmであった。従って、試験を受けた有効面積は100cmであった。
試験を終了した後、100cmの各試験サンプルの容積を測定しかつ記録した。計算の全ての入力は100cmのサンプルに基づくものである。
【0232】
強度の対開放度比率指数(S:O比率指数)を、3点曲げにおいて10mmの変位を生じるのに必要な力を用いて計算し、用いた材料の容積で割り、かつ開口面積の割合を掛けた。
前記S:O指数は次の式で表すことができる。
F/V×%OA=S:O指数
F=100cm試験サンプルを10mm変位させるのに必要な力(N)
V=100cm試験サンプルに使用した材料の容積(cm
%OA=100cm試験サンプルの開口面積の割合(%)
【0233】
【表1】

注:合成包帯サンプル及び石膏サンプルの開放度はそれぞれ0.1%及び1.5%と評価された。
【0234】
本発明のスプリント器具は比較3点曲げテストにおいて代替製品よりも高いS:O指数値を示した。従って、本発明のスプリント器具は、試験した代替製品と比較して当該分野でより高い性能評価を有すると考えることができる。
【0235】
一方向曲げ試験
本発明のスプリント器具、石膏、合成及び代替熱可塑剤サンプルを、サンプル準備手順A、B及びCにおいてそれぞれ説明したと同じ手順を用いて準備した。
【0236】
注:サンプルのサイズは135mm×135mmであった。
【0237】
一方向曲げ試験の説明
一方向曲げ試験は、Zwick社製万能試験装置ZN2.5で一方向曲げアタッチメント(図24を参照)を用いて以下のように行った。
【0238】
寸法135mm×135mmのサンプルを前記装置の支持要素に配置した。この要素は内径が102.8mmで外径が122.8mmであり、半径5mmの縁部を有する。この丸み付けした縁部で囲まれる有効面積は100cmであった。
中央曲げ要素により前記サンプルに押圧力を印加した。前記要素の下端は5mmの半径を有する。前記中央曲げ要素で囲まれる有効面積は20cmであった。
【0239】
試験方法の簡単な説明
サンプルを下側の支持要素の中央に接触縁部を覆うように配置した。中央の圧縮曲げ要素を徐々にサンプル表面まで加工させた。25mm/分のクロスセット速度で10mmの偏位を達成するまで荷重を前記サンプルに印加した(図25を参照)。この偏位を達成するのに必要な印加力を記録した。計算の全ての入力は100cmのサンプルに基づくものである。
【0240】
強度対開放度指数(S:O指数)を、一方向曲げにおいて10mmの偏位を生じさせるのに必要な力を用いて計算し、用いた材料の容積で割り、開放表面積の割合を掛けた。
前記S:O指数は、次の式で表すことができる。
F/V×%OA=S:O指数
F=100cmの試験サンプルを10mm変位させるのに必要な力(N)
V=100cmの試験サンプルに使用した材料の容積(cm
%OA=100cmの試験サンプルの開口面積の割合(%)
【0241】
【表2】

【0242】
本発明のスプリント器具は、比較一方向曲げ試験において代替製品よりもS:O指数値を示した。従って、本発明のスプリント器具は、前記比較試験における代替製品と比較して当該分野でより高い性能評価を有すると考えられる。
【0243】
前記スプリント材料の外面に非永久膜を組み合わせることによって、前記膜が活性化されたスプリントを支持しかつその変形を抑制する。また、前記膜は使用者を保護し、かつ下側の表面を濡らすことなく、水を用いて前記網状体を周囲温度まで冷却することができる。冷却すると、前記膜を取り外すことができる。スプリントのパッケージは上述した機能性膜として用いることができる。この場合、前記パッケージは、軟化したスプリントの支持を補助するように用いられ、冷却しながらそれを所定位置に保持する。また、冷却時に、前記パッケージは剥がすことができる。このような用途に考えられる膜には、柔軟なポリオレフィンのものや熱可塑性ポリウレタンエラストマが含まれる。
【0244】
適用時に前記開口が閉じる可能性を少なくするために、充填部品を前記開口内に組み込むことができる。器具を適用した後、この充填部品またはプラグは取り外すことができる。ある方法は、前記スプリントの外面に気泡乾燥剤のカバーを用いることであり、その気泡部分を前記開口に合わせて充填させる。加熱、適用および器具の硬化の後に、前記気泡部分を含む膜を取り外すことができる。
【0245】
本発明の前記器具において、前記開口はモールド成形され、即ち無孔である。最初の製造過程の後、それに続いて材料を取り除く工程を必要としない(二次的工程を必要としない)。
これは、孔付きシートを二次加工工程で打ち抜き加工する、例えば前記シートを穿孔/パンチ加工する代替構成と対照的である。
【図面の簡単な説明】
【0246】
【図1】本発明による複合スプリント材料の部分概略図である。
【図2】手首又は遠位橈骨骨折の支持のために使用するのに適した本発明によるTバー・スプリント器具の、適用以前の平面図である。
【図3】図2のX−X線における橈骨Tバー・スプリント器具の断面図である。
【図4】図2のスプリント器具の体肢への適用後の斜視図である。
【図5】図2のスプリント器具のスプリント部材の好適な実施例の等角投影図である。
【図6】スプリント部材の曲げ特性を画定するのに使用する軸を示す図5と同様の図である。
【図7】図5の網状スプリント部材の活性化以前の平面図である。
【図8】図5の網状スプリント部材の活性化及び伸張後の平面図である。
【図9】シート状要素が絡み合って卵形開口を形成している、本発明による別の器具の部材である。
【図10】シート状要素が絡み合って矩形開口を形成している、本発明による別の器具の部材である。
【図11】本発明による別のスプリント器具のスプリント部材の平面図である。
【図12】本発明による別のスプリント器具のスプリント部材の平面図である。
【図13】本発明による別のスプリント器具のスプリント部材の平面図である。
【図14】本発明による別のスプリント器具のスプリント部材の平面図である。
【図15】本発明の実施例を使用して上肢の上腕骨中央部分基端側を支持するための、本発明によるスプリント器具の斜視図である。
【図16】本発明によるスプリント器具の平面図である。
【図17】図16のスプリント器具の使用状態における斜視図である。
【図18】スプリント器具の簡単な調整及び取り外しを可能にするヒンジを有する、本発明による別のスプリント器具である。
【図19】本発明によるハンドプロテクタの斜視図である。
【図20】本発明による更に別のスプリント器具の平面図である。
【図21】図46のスプリント器具の側面図である。
【図22】本発明による別のスプリント器具の斜視図である。
【図23】図2のスプリント器具の取り外しを説明する斜視図である。
【図24】S/O指数の測定のために用いた三点曲げ治具を示す説明図である。
【図25】S/O指数の測定のために用いた一方向曲げ治具を示す説明図である。
【図26】S/O指数の測定のために用いた図25に示す治具の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護及び/又はスプリント部材からなる保護及び/又はスプリント器具であって、前記部材が該部材の少なくとも一部分にそれを貫通する1つ又は複数の開口を有し、前記部材の3点曲げ強さの対開放度比率(S/O)が0.1より大きく、前記S/Oが、
F=本願明細書に記載される3点曲げ試験において、100cmの試験面積を有するサンプルの前記部材を10mmだけ変位させるのに必要な力(N)、
V=前記部材のサンプルの容積(cm)、
%OA=(前記1つ又は複数の開口の合計面積/前記部材のサンプルの合計面積)百分率表示、
とした場合に、
S/O=F/V×%OA
によって定義されることを特徴とする器具。
【請求項2】
前記S/Oが0.1〜5.0の範囲内である請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記S/Oが0.3より大きい請求項2に記載の器具。
【請求項4】
前記S/Oが0.3〜4.0の範囲内である請求項3に記載の器具。
【請求項5】
前記S/Oが0.3〜2.6の範囲内である請求項4に記載の器具。
【請求項6】
前記S/Oが0.3〜0.45の範囲内である請求項5に記載の器具。
【請求項7】
前記S/Oが2.0〜2.55の範囲内である請求項5に記載の器具。
【請求項8】
保護及び/又はスプリント部材からなる保護及び/又はスプリント器具であって、前記部材が該部材の少なくとも一部分にそれを貫通する1つ又は複数の開口を有し、前記部材の一方向曲げ強度の対開放度比率(S/O)が4より大きく、前記S/Oが、
F=本願明細書に記載される一方向曲げ試験において、100cmの試験面積を有するサンプルの前記部材を10mmだけ変位させるのに必要な力(N)、
V=前記部材のサンプルの容積(cm)、
%OA=(前記1つ又は複数の開口の合計面積/前記部材のサンプルの合計面積)百分率表示、
とした場合に、
S/O=F/V×%OA
によって定義されることを特徴とする器具。
【請求項9】
前記S/Oが4〜20の範囲内である請求項8に記載の器具。
【請求項10】
前記S/Oが5より大きい請求項9に記載の器具。
【請求項11】
前記S/Oが5〜15の範囲内である請求項10に記載の器具。
【請求項12】
前記S/Oが5〜7の範囲内である請求項11に記載の器具。
【請求項13】
前記S/Oが8〜9.5の範囲内である請求項11に記載の器具。
【請求項14】
前記S/Oが11〜12.5の範囲内である請求項11に記載の器具。
【請求項15】
前記部材が少なくとも前記部材の一部分において第1の方向及び第2の方向を画定し、前記第1の方向における前記部材の強度が前記第2の方向における前記部材の強度より大きい請求項1乃至14のいずれかに記載の器具。
【請求項16】
前記第1の方向における前記部材の撓み強度が前記第2の方向における部材の撓み強度より大きい請求項15に記載の器具。
【請求項17】
前記第1の方向が前記第2の方向と直交している請求項15又は16に記載の器具。
【請求項18】
前記第1の方向が長手方向である請求項15乃至17のいずれかに記載の器具。
【請求項19】
前記第2の方向が周方向である請求項15乃至18のいずれかに記載の器具。
【請求項20】
前記第2の方向における前記部材の強度が、前記第1の方向における前記部材の強度の10%〜95%の範囲内である請求項15乃至19のいずれかに記載の器具。
【請求項21】
前記第2の方向における前記部材の強度が、前記第1の方向における前記部材の強度の20%〜70%の範囲内である請求項20に記載の器具。
【請求項22】
前記第2の方向における前記部材の強度が、前記第1の方向における前記部材の強度の30%〜60%の範囲内である請求項21に記載の器具。
【請求項23】
前記部材がそれを貫通する1つ又は複数の開口を有する請求項1乃至22のいずれかに記載の器具。
【請求項24】
前記部材が要素の網状体からなる請求項23に記載の器具。
【請求項25】
少なくとも1つの前記要素の幅が2mm〜12mmの範囲内である請求項24に記載の器具。
【請求項26】
少なくとも1つの前記要素の幅が4mm〜10mmの範囲内である請求項25に記載の器具。
【請求項27】
前記部材が、前記部材の周囲の少なくとも一部分に沿って辺縁要素を有する請求項1乃至26のいずれかに記載の器具。
【請求項28】
前記部材が、少なくとも1つの前記開口の周囲に3つ又はそれ以上の真直ぐな縁部を有する請求項23乃至27のいずれかに記載の器具。
【請求項29】
前記部材が、少なくとも1つの前記開口の周囲に4つの真直ぐな縁部を有する請求項28に記載の器具。
【請求項30】
2つの前記縁部がそれらの間になす角度が第1の鋭角である請求項28又は29に記載の器具。
【請求項31】
2つの前記縁部がそれらの間になす角度が第2の鋭角である請求項28乃至30のいずれかに記載の器具。
【請求項32】
前記第1の鋭角の頂点を通過しかつ前記第2の鋭角を通過する線が前記第1の方向に平行である請求項31に記載の器具。
【請求項33】
前記鋭角が15°〜85°の範囲内である請求項30乃至32のいずれかに記載の器具。
【請求項34】
前記鋭角が30°〜80°の範囲内である請求項33に記載の器具。
【請求項35】
前記鋭角が60°である請求項34に記載の器具。
【請求項36】
前記2つの縁部がそれらの間になす角度が第1の鈍角である請求項28乃至35のいずれかに記載の器具。
【請求項37】
2つの前記縁部がそれらの間になす角度が第2の鈍角である請求項28乃至36のいずれかに記載の器具。
【請求項38】
前記第1の鈍角の頂点の鈍角の頂点を通過しかつ前記第2の鈍角の頂点を通過する線が前記第2の方向に平行である請求項37に記載の器具。
【請求項39】
前記鈍角が95°〜175°の範囲内である請求項36乃至38のいずれかに記載の器具。
【請求項40】
前記鈍角が100°〜150°の範囲内である請求項36に記載の器具。
【請求項41】
前記鈍角が120°である請求項40に記載の器具。
【請求項42】
少なくとも1つの前記開口が菱形である請求項23乃至41のいずれかに記載の器具。
【請求項43】
少なくとも1つの前記開口が平行四辺形である請求項23乃至42のいずれかに記載の器具。
【請求項44】
前記部材が少なくとも1つの前記開口の周囲に湾曲した縁部を有する請求項23乃至43のいずれかに記載の器具。
【請求項45】
少なくとも1つの前記開口が楕円形である請求項44に記載の器具。
【請求項46】
前記縁部の長さが2mm〜30mmの範囲内である請求項28乃至45のいずれかに記載の器具。
【請求項47】
前記縁部の長さが5mm〜25mmの範囲内である請求項46に記載の器具。
【請求項48】
前記部材がそれを貫通する複数の開口を有し、隣接する前記開口の各対の間に、前記部材が接合部を有する請求項23乃至47のいずれかに記載の器具。
【請求項49】
少なくとも1つの前記開口について、前記部材が前記開口の一方の側に第1の接合部と、前記開口の反対側に第2の接合部とを有する請求項48に記載の器具。
【請求項50】
前記第1の接合部を通過しかつ前記第2の接合部を通過する線が前記第1の方向に平行である請求項49に記載の器具。
【請求項51】
少なくとも1つの前記開口について、前記部材が前記開口の一方の側に第3の接合部と該開口の反対側に第4の接合部とを有する請求項48乃至50のいずれかに記載の器具。
【請求項52】
前記第3の接合部を通過しかつ前記第4の接合部を通過する線が前記第2の方向に平行である請求項51に記載の器具。
【請求項53】
前記第1の接合部と前記第2の接合部との距離が前記第3の接合部と前記第4の接合部との距離より大きい請求項51又は52に記載の器具。
【請求項54】
前記第3の接合部と前記第4の接合部との距離が、前記第1の接合部と前記第2の接合部との距離の10%〜95%の範囲内である請求項53に記載の器具。
【請求項55】
前記部材の少なくとも一部分について、0.1m当たりの開口の数が1〜300の範囲内である請求項23乃至54のいずれかに記載の器具。
【請求項56】
0.1m当たりの前記開口の数が3〜200の範囲内である請求項55に記載の器具。
【請求項57】
0.1m当たりの前記開口の数が5〜100の範囲内である請求項56に記載の器具。
【請求項58】
1cm当たりの前記開口の数が前記スプリント部材全体に亘って一様である請求項23乃至57のいずれかに記載の器具。
【請求項59】
1cm当たりの前記開口の数が前記スプリント部材全体に亘って変化している請求項23乃至57のいずれかに記載の器具。
【請求項60】
前記部材の少なくとも一部分において、前記部材の合計断面積に対する前記1つ又は複数の開口の合計断面積の割合が1%〜80%の範囲内である請求項28乃至59のいずれかに記載の器具。
【請求項61】
前記部材の合計断面積に対する前記1つ又は複数の開口の合計断面積の割合が10%〜60%の範囲内である請求項60に記載の器具。
【請求項62】
前記部材の合計断面積に対する前記1つ又は複数の開口の合計断面積の割合が15%〜50%の範囲内である請求項61に記載の器具。
【請求項63】
前記1つ又は複数の開口内に位置するように構成されたフィラー部材を有する請求項23乃至62のいずれかに記載の器具。
【請求項64】
前記部材のすくなくとも一部分が周囲温度以上の成形温度で成形可能であり、かつ周囲温度で硬質である請求項1乃至63のいずれかに記載の器具。
【請求項65】
周囲温度において、前記第1の方向における前記部材の強度が前記第2の方向における前記部材の強度より大きい請求項64に記載の器具。
【請求項66】
前記成形温度において、前記スプリントが伸張可能である請求項64又は65に記載の器具。
【請求項67】
前記部材が成形前に平らである請求項1乃至66のいずれかに記載の器具。
【請求項68】
前記部材が成形前に平らな部品として提供される請求項1乃至67のいずれかに記載の器具。
【請求項69】
前記部材が射出成形部材である請求項1乃至68のいずれかに記載の器具。
【請求項70】
前記部材が圧縮成形部材である請求項1乃至68のいずれかに記載の器具。
【請求項71】
前記部材が、該部材の少なくとも一部分において、保護及び/又はスプリント装着される対象物とは反対向きの外面と1つ又は複数の縁部とを有し、前記部材が、前記外面と少なくとも1つの前記縁部との間で丸み付けされている請求項1乃至70のいずれかに記載の器具。
【請求項72】
前記部材が請求項73乃至93のいずれかに記載される材料からなる請求項1乃至71のいずれかに記載の器具。
【請求項73】
低温溶融ポリマー及びリグノセルロース添加材料からなる複合保護及び/又はスプリント材料。
【請求項74】
前記低温溶融ポリマーが熱可塑性物質である請求項73に記載の材料。
【請求項75】
前記低温溶融ポリマーがコポリマーからなる請求項73又は74に記載の材料。
【請求項76】
前記低温溶融ポリマーがポリカプロラクトンである請求項73乃至75のいずれかに記載の材料。
【請求項77】
前記添加材料が木質からなる請求項73乃至76のいずれかに記載の材料。
【請求項78】
前記添加材料が複数のファイバの形態で提供される請求項73乃至77のいずれかに記載のファイバ複合材料。
【請求項79】
前記ファイバが前記低温溶融ポリマーの全体に亘って分散される請求項78に記載の材料。
【請求項80】
前記材料が周囲温度以上の成形温度で成形可能であり、かつ周囲温度で硬質である請求項73乃至79のいずれかに記載の材料。
【請求項81】
前記周囲温度において、前記材料のヤング率が300MPa〜2500MPaの範囲内である請求項73乃至80のいずれかに記載の材料。
【請求項82】
周囲温度において、前記材料のヤング率が500MPa〜2000MPaの範囲内である請求項81に記載の材料。
【請求項83】
前記材料成形温度が35℃以上である請求項80乃至82のいずれかに記載の材料。
【請求項84】
前記材料成形温度が55℃以上である請求項83に記載の材料。
【請求項85】
前記材料が発泡材を有する請求項73乃至84のいずれかに記載の材料。
【請求項86】
前記材料が高い熱絶縁特性を有する請求項73乃至85のいずれかに記載の材料。
【請求項87】
前記材料が手で成形されかつ人の体肢に適用するように構成されている請求項73乃至86のいずれかに記載の材料。
【請求項88】
前記成形温度において前記材料のタックが小さいことを特徴とする請求項73乃至87のいずれかに記載の材料。
【請求項89】
前記リグノセルロース添加材料が少なくとも部分的に前記成形温度においてタックを小さくすることを促進する請求項73乃至88のいずれかに記載の材料。
【請求項90】
前記材料が高い溶融強度を有する請求項73乃至89のいずれかに記載の材料。
【請求項91】
前記リグノセルロース添加材が少なくとも部分的に前記溶融強度を高くすることを促進する請求項90に記載の材料。
【請求項92】
前記材料が少なくとも部分的に生分解性を有する請求項73乃至91のいずれかに記載の材料。
【請求項94】
請求項73乃至93のいずれかに記載される材料からなる保護及び/又はスプリント部材からなる保護及び/又はスプリント器具。
【請求項95】
前記部材が成形部材である請求項94に記載の器具。
【請求項96】
前記部材が射出成形部材である請求項95に記載の器具。
【請求項97】
前記部材が圧縮成形部材である請求項95に記載の器具。
【請求項98】
射出成形した保護及び/又はスプリント部材からなり、前記部材の少なくとも一部分が周囲温度以上の成形温度で成形可能でありかつ周囲温度で硬質である保護及び/又はスプリント器具。
【請求項99】
圧縮成形した保護及び/又はスプリント部材からなり、前記部材の少なくとも一部分が周囲温度以上の成形温度で成形可能でありかつ周囲温度で硬質である保護及び/又はスプリント器具。
【請求項100】
低温溶融ポリマー及びリグノセルロース添加材料からなるスプリント材料。
【請求項101】
保護及び/又はスプリント部材からなり、前記部材が該部材の少なくとも一部分において第1の方向と第2の方向とを画定し、前記第1の方向における前記部材の強度が前記第2の方向における前記部材の強度より大きい保護及び/スプリント器具。
【請求項102】
前記第1の方向における前記部材の撓み強度が前記第2の方向における前記部材の撓み強度より大きい請求項101に記載の器具。
【請求項103】
前記第1の方向が前記第2の方向に直交している請求項101又は102に記載の器具。
【請求項104】
前記第1の方向が長手方向である請求項101乃至103のいずれかに記載の器具。
【請求項105】
前記第2の方向が周方向である請求項101乃至104のいずれかに記載の器具。
【請求項106】
前記第2の方向における前記部材の強度が、前記第1の方向における前記部材の強度の10%〜95%の範囲内である請求項101乃至105のいずれかに記載の器具。
【請求項107】
前記第2の方向における前記部材の強度が、前記第1の方向における前記部材の強度の20%〜70%の範囲内である請求項106に記載の器具。
【請求項108】
前記第2の方向における前記部材の強度が、前記第1の方向における前記部材の強度の30%〜60%の範囲内である請求項107に記載の器具。
【請求項109】
前記部材がそれを貫通する1つ又は複数の開口を有する請求項101乃至108のいずれかに記載の器具。
【請求項110】
前記部材が要素の網状体からなる請求項109に記載の器具。
【請求項111】
少なくとも1つの前記要素の幅が2mm〜12mmの範囲内である請求項110に記載の器具。
【請求項112】
少なくとも1つの前記要素の幅が4mm〜10mmの範囲内である請求項111に記載の器具。
【請求項113】
前記部材が、前記部材の周囲の少なくとも一部分に沿って辺縁要素を有する請求項101乃至112のいずれかに記載の器具。
【請求項114】
前記部材が、少なくとも1つの前記開口の周囲に3つ又はそれ以上の真直ぐな縁部を有する請求項109乃至113のいずれかに記載の器具。
【請求項115】
前記部材が、少なくとも1つの前記開口の周囲に4つの真直ぐな縁部を有する請求項114に記載の器具。
【請求項116】
2つの前記縁部がそれらの間になす角度が第1の鋭角である請求項114又は115に記載の器具。
【請求項117】
2つの前記縁部がそれらの間になす角度が第2の鋭角である請求項114乃至116のいずれかに記載の器具。
【請求項118】
前記第1の鋭角の頂点を通過しかつ前記第2の鋭角を通過する線が前記第1の方向に平行である請求項117に記載の器具。
【請求項119】
前記鋭角が15°〜85°の範囲内である請求項116乃至118のいずれかに記載の器具。
【請求項120】
前記鋭角が30°〜80°の範囲内である請求項119に記載の器具。
【請求項121】
前記鋭角が60°である請求項120に記載の器具。
【請求項122】
前記2つの縁部がそれらの間になす角度が第1の鈍角である請求項114乃至121のいずれかに記載の器具。
【請求項123】
2つの前記縁部がそれらの間になす角度が第2の鈍角である請求項119乃至122のいずれかに記載の器具。
【請求項124】
前記第1の鈍角の頂点の鈍角の頂点を通過しかつ前記第2の鈍角の頂点を通過する線が前記第2の方向に平行である請求項123に記載の器具。
【請求項125】
前記鈍角が95°〜175°の範囲内である請求項122又は123に記載の器具。
【請求項126】
前記鈍角が100°〜150°の範囲内である請求項125に記載の器具。
【請求項127】
前記鈍角が120°である請求項126に記載の器具。
【請求項128】
少なくとも1つの前記開口が菱形である請求項109乃至127のいずれかに記載の器具。
【請求項129】
少なくとも1つの前記開口が平行四辺形である請求項109乃至127のいずれかに記載の器具。
【請求項130】
前記縁部の長さが2mm〜30mmの範囲内である請求項114乃至129のいずれかに記載の器具。
【請求項131】
前記縁部の長さが5mm〜25mmの範囲内である請求項130に記載の器具。
【請求項132】
前記部材がそれを貫通する複数の開口を有し、隣接する前記開口の各対の間に、前記部材が接合部を有する請求項109乃至131のいずれかに記載の器具。
【請求項133】
少なくとも1つの前記開口について、前記部材が前記開口の一方の側に第1の接合部と、前記開口の反対側に第2の接合部とを有する請求項132に記載の器具。
【請求項134】
前記第1の接合部を通過しかつ前記第2の接合部を通過する線が前記第1の方向に平行である請求項133に記載の器具。
【請求項135】
少なくとも1つの前記開口について、前記部材が前記開口の一方の側に第3の接合部と該開口の反対側に第4の接合部とを有する請求項132乃至134のいずれかに記載の器具。
【請求項136】
前記第3の接合部を通過しかつ前記第4の接合部を通過する線が前記第2の方向に平行である請求項135に記載の器具。
【請求項137】
前記第1の接合部と前記第2の接合部との距離が前記第3の接合部と前記第4の接合部との距離より大きい請求項135又は136に記載の器具。
【請求項138】
前記部材の少なくとも一部分について、0.1m当たりの開口の数が1〜300の範囲内である請求項109乃至137のいずれかに記載の器具。
【請求項139】
0.1m当たりの前記開口の数が3〜200の範囲内である請求項138に記載の器具。
【請求項140】
0.1m当たりの前記開口の数が5〜100の範囲内である請求項139に記載の器具。
【請求項141】
1cm当たりの前記開口の数が前記スプリント部材全体に亘って一様である請求項109乃至140のいずれかに記載の器具。
【請求項142】
1cm当たりの前記開口の数が前記スプリント部材全体に亘って変化している請求項109乃至140のいずれかに記載の器具。
【請求項143】
前記部材の少なくとも一部分において、前記部材の合計断面積に対する前記1つ又は複数の開口の合計断面積の割合が1%〜80%の範囲内である請求項109乃至142のいずれかに記載の器具。
【請求項144】
前記部材の合計断面積に対する前記1つ又は複数の開口の合計断面積の割合が10%〜60%の範囲内である請求項143に記載の器具。
【請求項145】
前記部材の合計断面積に対する前記1つ又は複数の開口の合計断面積の割合が15%〜50%の範囲内である請求項144に記載の器具。
【請求項146】
前記部材のすくなくとも一部分が周囲温度以上の成形温度で成形可能であり、かつ周囲温度で硬質である請求項101乃至145のいずれかに記載の器具。
【請求項147】
周囲温度において、前記第1の方向における前記部材の強度が前記第2の方向における前記部材の強度より大きい請求項146に記載の器具。
【請求項148】
前記成形温度において、前記部材の少なくとも一部分が伸張可能である請求項146又は147に記載の器具。
【請求項149】
前記部材が成形前に平らである請求項101乃至148のいずれかに記載の器具。
【請求項150】
前記部材が成形前に平らな部品として提供される請求項101乃至149のいずれかに記載の器具。
【請求項151】
前記部材が射出成形部材である請求項101乃至150のいずれかに記載の器具。
【請求項152】
前記部材が圧縮成形部材である請求項101乃至150のいずれかに記載の器具。
【請求項153】
前記部材が、該部材の少なくとも一部分において、保護及び/又はスプリント装着される対象物とは反対向きの外面と1つ又は複数の縁部とを有し、前記部材が、前記外面と少なくとも1つの前記縁部との間で丸み付けされている請求項101乃至152のいずれかに記載の器具。
【請求項154】
前記部材が請求項73乃至93のいずれかに記載される材料からなる請求項101乃至153のいずれかに記載の器具。
【請求項155】
保護及び/又はスプリント部材からなり、前記部材がそれを貫通する1つ又は複数の菱形開口を有する保護及び/又はスプリント器具。
【請求項156】
保護及び/又はスプリント部材からなり、前記部材がそれを貫通する1つ又は複数の平行四辺形の開口を有する保護及び/又はスプリント器具。
【請求項157】
保護及び/又はスプリント部材からなり、前記部材がそれを貫通する1つ又は複数の卵型開口を有する保護及び/又はスプリント器具。
【請求項158】
保護及び/又はスプリント部材からなり、
前記部材がそれを貫通する複数の開口を有し、
隣接する前記開口の各対の間に前記部材が接合部を有し、かつ
少なくとも1つの前記開口について、前記部材が該開口の一方の側に第1の接合部と、該開口の前記第1の接合部とは反対側に第2の接合部と、該開口の別の側に第3の接合部と、該開口の前記第3の接合部とは反対側に第4の接合部とを有し、
前記第1の接合部と前記第2の接合部との距離が前記第3の接合部と前記第4の接合部との距離より大きい保護及び/又はスプリント器具。
【請求項159】
保護及び/又はスプリント部材からなり、前記部材の少なくとも一部分が周囲温度以上の成形温度で成形可能であり、かつ周囲温度で硬質であり、前記成形温度において、前記部材の少なくとも一部分が伸張可能である保護及び/又はスプリント器具。
【請求項160】
前記部材が第1の方向及び第2の方向を画定し、前記成形温度において前記部材が前記第1の方向及び前記第2の方向に伸張可能である請求項159に記載の器具。
【請求項161】
前記第1の方向が長手方向である請求項160に記載の器具。
【請求項162】
前記成型温度において、前記部材が長手方向に伸張可能である請求項159乃至161のいずれかに記載の器具。
【請求項163】
前記成型温度において、前記部材が周方向に伸張可能である請求項159乃至162のいずれかに記載の器具。
【請求項164】
前記部材がそれを貫通する1つ又は複数の開口を有する請求項159乃至163のいずれかに記載の器具。
【請求項165】
前記部材が要素の網状体からなる請求項164に記載の器具。
【請求項166】
少なくとも1つの前記要素の幅が2mm〜12mmの範囲内である請求項165に記載の器具。
【請求項167】
少なくとも1つの前記要素の幅が4mmから8mmの範囲内である請求項166に記載の器具。
【請求項168】
前記部材が、前記部材の周囲の少なくとも一部分に沿って辺縁要素を有する請求項159乃至167のいずれかに記載の器具。
【請求項169】
前記部材が、少なくとも1つの前記開口の周囲に3つ又はそれ以上の真直ぐな縁部を有する請求項164乃至168のいずれかに記載の器具。
【請求項170】
前記部材が、少なくとも1つの前記開口の周囲に4つの真直ぐな縁部を有する請求項169に記載の器具。
【請求項171】
2つの前記縁部がそれらの間になす角度が第1の鋭角である請求項169又は170に記載の器具。
【請求項172】
2つの前記縁部がそれらの間になす角度が第2の鋭角である請求項169乃至171のいずれかに記載の器具。
【請求項173】
前記鋭角が15°〜85°の範囲内である請求項171又は172に記載の器具。
【請求項174】
前記鋭角が30°〜80°の範囲内である請求項173に記載の器具。
【請求項175】
前記鋭角が60°である請求項174に記載の器具。
【請求項176】
前記2つの縁部がそれらの間になす角度が第1の鈍角である請求項169乃至175のいずれかに記載の器具。
【請求項177】
2つの前記縁部がそれらの間になす角度が第2の鈍角である請求項169乃至176のいずれかに記載の器具。
【請求項178】
前記鈍角が95°〜175°の範囲内である請求項176又は177に記載の器具。
【請求項179】
前記鈍角が100°〜150°の範囲内である請求項178に記載の器具。
【請求項180】
前記鈍角が120°である請求項179に記載の器具。
【請求項181】
少なくとも1つの前記開口が菱形である請求項164乃至180のいずれかに記載の器具。
【請求項182】
少なくとも1つの前記開口が平行四辺形である請求項164乃至180のいずれかに記載の器具。
【請求項183】
前記縁部の長さが2mm〜30mmの範囲内である請求項169乃至182のいずれかに記載の器具。
【請求項184】
前記縁部の長さが5mm〜25mmの範囲内である請求項183に記載の器具。
【請求項185】
少なくとも一つの前記開口が卵形である請求項159乃至184のいずれかに記載の器具。
【請求項186】
前記部材がそれを貫通する複数の開口を有し、隣接する前記開口の各対の間に、前記部材が接合部を有する請求項159乃至185のいずれかに記載の器具。
【請求項187】
少なくとも1つの前記開口について、前記部材が前記開口の一方の側に第1の接合部と、前記開口の反対側に第2の接合部とを有する請求項186に記載の器具。
【請求項188】
少なくとも1つの前記開口について、前記部材が前記開口の一方の側に第3の接合部と該開口の反対側に第4の接合部とを有する請求項186又は187に記載の器具。
【請求項189】
前記第1の接合部と前記第2の接合部との距離が前記第3の接合部と前記第4の接合部との距離より大きい請求項188に記載の器具。
【請求項190】
前記部材の少なくとも一部分について、0.1m当たりの開口の数が1〜300の範囲内である請求項164乃至189のいずれかに記載の器具。
【請求項191】
0.1m当たりの前記開口の数が3〜200の範囲内である請求項190に記載の器具。
【請求項192】
0.1m当たりの前記開口の数が5〜100の範囲内である請求項151に記載の器具。
【請求項193】
1cm当たりの前記開口の数が前記スプリント部材全体に亘って一様である請求項164乃至192のいずれかに記載の器具。
【請求項194】
1cm当たりの前記開口の数が前記スプリント部材全体に亘って変化している請求項164乃至192のいずれかに記載の器具。
【請求項195】
前記部材の少なくとも一部分において、前記部材の合計断面積に対する前記1つ又は複数の開口の合計断面積の割合が1%〜80%の範囲内である請求項164乃至194のいずれかに記載の器具。
【請求項196】
前記部材の合計断面積に対する前記1つ又は複数の開口の合計断面積の割合が10%〜60%の範囲内である請求項195に記載の器具。
【請求項197】
前記部材の合計断面積に対する前記1つ又は複数の開口の合計断面積の割合が15%〜50%の範囲内である請求項196に記載の器具。
【請求項198】
前記部材が射出成形部材である請求項159乃至197のいずれかに記載の器具。
【請求項199】
前記部材が圧縮成形部材である請求項159乃至197のいずれかに記載の器具。
【請求項200】
前記部材が、該部材の少なくとも一部分において、保護及び/又はスプリント装着される対象物とは反対向きの外面と1つ又は複数の縁部とを有し、前記部材が、前記外面と少なくとも1つの前記縁部との間で丸み付けされている請求項159乃至199のいずれかに記載の器具。
【請求項201】
前記部材が請求項73乃至93のいずれかに記載される材料からなる請求項159乃至200のいずれかに記載の器具。
【請求項202】
前記部材が成形前に平らである請求項159乃至201のいずれかに記載の器具。
【請求項203】
前記部材が成形前に平らな部品として提供される請求項159乃至202のいずれかに記載の器具。
【請求項204】
保護及び/又はスプリント部材からなり、
前記部材の少なくとも一部分が周囲温度以上の成形温度で成形可能であり、かつ周囲温度で硬質であり、
前記部材が、スプリント装着されかつ/又は保護される対象物とは反対側を向いた外面と一つ又は複数の縁部とを有し、
前記部材の少なくとも一部分において、前記部材が前記外面と少なくとも一つの前記縁部との間で丸み付けされている保護及び/又はスプリント器具。
【請求項205】
前記部材が複数の縁部を有し、かつ前記部材が前記外面と前記各縁部との間で丸み付けされている請求項204に記載の器具。
【請求項206】
前記部材がそれを貫通する一つ又は複数の開口を有する請求項204又は205に記載の器具。
【請求項207】
前記部材がスプリント要素の網状体からなる請求項206に記載の器具。
【請求項208】
前記部材が、少なくとも一つの前記開口の周囲に一つ又は複数の縁部を有する請求項206又は207に記載の器具。
【請求項209】
前記部材が該部材の周囲に一つ又は複数の縁部を有する請求項204乃至208のいずれかに記載の器具。
【請求項210】
前記部材が、スプリント装着されかつ/又は保護される対象物の側を向いた内面を有する請求項204乃至209のいずれかに記載の器具。
【請求項211】
前記部材が前記内面と前記縁部との間に角部を有する請求項210に記載の器具。
【請求項212】
前記内面と前記縁部とがそれらの間になす角度が90°である請求項211に記載の器具。
【請求項213】
前記部材が射出成形部材からなる請求項204乃至212のいずれかに記載の器具。
【請求項214】
前記部材が圧縮成形部材からなる請求項204乃至212のいずれかに記載の器具。
【請求項215】
前記部材の断面形状が前記部材の全体に亘って一様である請求項204乃至214のいずれかに記載の器具。
【請求項216】
前記部材の断面形状が前記部材の全体に亘って変化する請求項204乃至215のいずれかに記載の器具。
【請求項217】
前記成形温度において、前記部材の少なくとも一部分が伸張可能である請求項204乃至216のいずれかに記載の器具。
【請求項218】
前記部材が請求項73乃至93のいずれかに記載される材料からなる請求項204乃至217のいずれかに記載の器具。
【請求項219】
前記部材が成形以前に平らである請求項204乃至218のいずれかに記載の器具。
【請求項220】
前記部材が成形以前に平坦な部品として提供される請求項204乃至219のいずれかに記載の器具。
【請求項221】
前記部材の少なくとも一部分において、前記部材の厚さが0.2mmから10mmの範囲内である請求項1乃至72又は請求項101乃至220のいずれかに記載の器具。
【請求項222】
前記部材の厚さが2mmから8mmの範囲内である請求項221に記載の器具。
【請求項223】
前記部材の厚さが3mmから7mmの範囲内である請求項222に記載の器具。
【請求項224】
前記部材の厚さが前記スプリント部材の全体に亘って一定である請求項1乃至72又は請求項101乃至223のいずれかに記載の器具。
【請求項225】
前記部材の厚さが前記スプリント部材の全体に亘って変化する請求項1乃至72又は請求項101乃至224のいずれかに記載の器具。
【請求項226】
前記部材が高分子材料からなる請求項1乃至72又は請求項101乃至225のいずれかに記載の器具。
【請求項227】
前記部材とスプリント装着されかつ/又は保護される対象物との間に位置するように構成されたスペーサ部材を有する請求項1乃至72又は請求項101乃至226のいずれかに記載の器具。
【請求項228】
前記スペーサ部材が前記部材に取り付けられている請求項227に記載の器具。
【請求項229】
前記スペーサ部材が発泡体からなる請求項227又は228に記載の器具。
【請求項230】
前記スペーサ部材がパッド付き包帯からなる請求項227乃至229のいずれかに記載の器具。
【請求項231】
前記部材を覆うためのカバー部材を有する請求項1乃至72又は請求項101乃至230のいずれかに記載の器具。
【請求項232】
前記カバー部材が、前記部材のカバーを選択的に外すことを容易にするように構成されている請求項231に記載の器具。
【請求項233】
前記カバー部材が前記部材を包むように構成されている請求項231又は232に記載の器具。
【請求項234】
前記カバー部材が選択的に開放可能である請求項233に記載の器具。
【請求項235】
前記部材が第一層及び第二層を有し、前記成形温度において前記第一層を前記第二層に関して動かすことができる請求項1乃至72又は請求項101乃至234のいずれかに記載の器具。
【請求項236】
前記第一層が前記第二層に関してヒンジ動作可能である請求項235に記載の器具。
【請求項237】
前記部材が網状体を有し、前記網状体がそれを貫通する菱形形状の開口を有する単一の一様に平坦な材料からなり、前記網状体が、コンサーティーナ(蛇腹)作用によって及び前記部材が前記成形温度にあるときに前記部材の前記複合材料を伸張することによって、隣接した菱形開口に関して動かすことができる請求項1乃至72又は請求項101乃至236のいずれかに記載の器具。
【請求項238】
動作の結合効果によって前記部材の+40%又は−20%までの拡張性が得られる請求項237に記載の器具。
【請求項239】
第一部材と第二部材とを有し、周囲温度において前記第一部材を前記第二部材に関して動かすことができる請求項1乃至72又は請求項101乃至238のいずれかに記載の器具。
【請求項240】
周囲温度において、前記第一部材が前記第二部材に関してヒンジ動作可能である請求項239に記載の器具。
【請求項241】
前記部材が一つまたは複数の開口を有する請求項1乃至72又は請求項101乃至240のいずれかに記載の器具。
【請求項242】
少なくとも一つの前記開口が予備成形されている請求項241に記載の器具。
【請求項243】
前記部材が成形部材である請求項1乃至72又は請求項101乃至242のいずれかに記載の器具。
【請求項244】
前記部材が無孔である請求項1乃至72又は請求項101乃至243のいずれかに記載の器具。
【請求項245】
前記部材が、スプリント装着されかつ/又は保護される対象物の一部分の周囲のみに延在するように構成されている請求項1乃至72又は請求項101乃至244のいずれかに記載の器具。
【請求項246】
上腕骨中央部分ブレースからなる請求項1乃至72又は請求項101乃至245のいずれかに記載の器具。
【請求項247】
遠位橈骨スプリントからなる請求項1乃至72又は請求項101乃至245のいずれかに記載の器具。
【請求項248】
身体保護器具からなる請求項1乃至72又は請求項101乃至245のいずれかに記載の器具。
【請求項249】
治療用または業務用保護器具からなる請求項1乃至72又は請求項101乃至245のいずれかに記載の器具。
【請求項251】
周囲温度以上の成形温度で成形可能でありかつ周囲温度で硬質である保護及び/又はスプリント部材を提供する過程と、
前記部材を前記成形温度に加熱する過程と、
前記部材を対象物の周囲に成形する過程と、
前記対象物の周囲で前記部材を周囲温度に冷却することを容易にする過程とからなる方法。
【請求項252】
熱湯、対流又は放射による加熱によって前記部材を活性化する請求項251に記載の方法。
【請求項253】
前記対象物の周囲に前記スプリント部材を成形する際に前記部材を少なくとも部分的に伸張する請求項251又は252に記載の方法。
【請求項254】
前記部材が伸張可能な網状体からなる請求項253に記載の方法。
【請求項255】
前記第一層を前記第二層に関してヒンジ動作させることによって前記部材を伸張させる請求項254に記載の方法。
【請求項256】
前記部材が網状体を有し、前記網状体がそれを貫通する菱形形状の開口を有する単一の一様に平坦な材料からなり、前記網状体を、コンサーティーナ(蛇腹)作用によって及び前記部材が前記成形温度にあるときに前記部材の前記複合材料を伸張することによって、隣接した菱形開口に関して動かす請求項251乃至255のいずれかに記載の方法。
【請求項257】
動作の結合効果によって前記部材の+40%又は−20%までの拡張性が得られる請求項256に記載の方法。
【請求項258】
周囲温度において第一部材を第二部材に関して動かす過程を有する請求項251乃至257のいずれかに記載の方法。
【請求項259】
前記部材が請求項73乃至93のいずれかに記載される材料からなる請求項251乃至258のいずれかに記載の方法。
【請求項260】
前記部材を前記対象物から取り外す過程を有する請求項251乃至259のいずれかに記載の方法。
【請求項261】
前記部材の少なくとも一部分を切断して前記部材を前記対象物から取り外す請求項260に記載の方法。
【請求項262】
前記部材が要素の網状体からなる請求項261に記載の方法。
【請求項263】
一つ又は複数の前記要素を切断する請求項262に記載の方法。
【請求項264】
請求項251乃至253のいずれかに記載されるようにスプリント装着しかつ/又は保護する方法。
【請求項266】
保護及び/又はスプリント器具の少なくとも一部分を切断して、スプリント装着されかつ/又は保護される対象物から前記器具を取り外すための切断器具。
【請求項267】
前記切断器具が、要素の網状体からなる器具を、スプリント装着されかつ/又は保護される対象物から取り外すように構成されている請求項266に記載の器具。
【請求項268】
前記切断器具が、一つ又は複数の要素を切断するように構成されている請求項267に記載の器具。
【請求項269】
前記切断器具が、器具の少なくとも一部分を切断するように第二の切刃に関して動かすことができる第一の切刃を有する請求項266乃至268のいずれかに記載の器具。
【請求項270】
前記切断器具が、スプリント装着されかつ/又は保護される対象物の表面を切断/つまむことが最小となるように構成されている請求項266乃至269のいずれかに記載の器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公表番号】特表2008−512170(P2008−512170A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530843(P2007−530843)
【出願日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【国際出願番号】PCT/IE2005/000098
【国際公開番号】WO2006/027763
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(507077477)ファストフォーム・リサーチ・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】