説明

再構成促進剤を含有する疎水性薬剤組成物

疎水性活性物質、ポリマーおよび再構成促進剤を含む組成物を開示する。凍結乾燥形態の組成物の再構成は、該促進剤が存在しない場合より少ない時間でなされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2003年9月5日に出願された米国仮出願第60/500,908号の優先権を主張し、該出願は、全体として、引用することにより本明細書の1部をなす。
【背景技術】
【0002】
パクリタキセルおよびその類似体ドセタキセルのような種々の抗癌薬を包含する疎水性薬剤は、水または水溶液に実質的に不溶である。従って、パクリタキセルは、Cremophor EL(ポリオキシエチル化ヒマシ油)および無水アルコール(50%v/v)を含有する担体または賦形剤1mLにつきパクリタキセル6mgの濃厚溶液に処方され、次に、これを投与前に希釈している(Godspile,1994)。Cremophor ELは、血管拡張、呼吸困難および低血圧のような毒性作用を生じることが示されている(Ewiss et al.,1990)。従って、パクリタキセルの処方においてCremophorの使用を避ける試みがなされている。いくつかの試みでは、担体の種類に焦点を当てている。例えば、トコフェロール(ビタミンE)および/またはビタミンE誘導体、例えばビタミンE TPGSを含有する担体において、パクリタキセルを処方するという報告がいくつかなされている。例えば米国特許第6,358,373号を参照。他の試みは、活性物質自体に焦点を当て、その結果、水に可溶性のパクリタキセル類似体、プロドラッグおよび誘導体を製造している。例えば米国特許第6,344,571号および第6,175,023号を参照。場合によっては、パクリタキセルを、ポリアミノ酸との結合(conjugation)によって誘導体化している。例えば、Li et al.の米国特許第5,977,163号、第6,262,107号、第6,441,025号および第6,515,017号参照。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の1つの態様は、下記:(i)疎水性の生理活性分子または活性物質、(ii)活性物質を水に可溶性にするポリマー担体、および(iii)再構成促進剤または促進物質を含む凍結乾燥組成物に関する。本発明の他の態様は、該凍結乾燥組成物を含有する製品に関する。
【0004】
本発明の他の態様は、凍結乾燥組成物を水溶液において再構成する時間を短縮する方法に関しており、この方法は、疎水性の生理活性分子または活性物質、活性物質を水に可溶性にするポリマー担体、および再構成促進剤または促進物質を含む凍結乾燥組成物を調製するステップと、凍結乾燥組成物に水溶液を添加し、それによって、凍結乾燥組成物を、再構成促進剤不含の場合より短い時間で、水溶液において再構成するステップとを含む。
【0005】
本出願人は、疎水性活性物質とポリマー担体とを含有する凍結乾燥組成物中の再構成促進剤の存在が、該促進剤不含の場合より短い時間で組成物を再構成できることを見出した。本発明の実施形態は、1つまたは複数の付加的利益、即ち、再構成時の強烈撹拌の必要性の減少、より少ない発泡(他の場合には、過度に発泡し、活性物質を捕捉し、再構成時間を延長させ得る)、リオケーキ(lyocake)(即ち、凍結乾燥物質)の収縮の減少、凍結乾燥組成物の物理特性、例えば結晶性におけるより高い安定性、約96時間未満、ある実施形態においては約65時間の短い周期長を備えた強固な凍結乾燥サイクル(即ち、凍結乾燥を、より短い時間および長い目標保存寿命で行うことができる)、も提供し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
凍結乾燥は、昇華および脱離によって、生成物から水を除去する工程である。凍結乾燥装置は、可変温度調節器付きの乾燥室、生成物から除去された水を収集する凝縮器、および乾燥室内の圧力を減少させる真空システムから一般になる。凍結乾燥工程は、一般に、凍結、一次乾燥および二次乾燥の3段階からなる。所望最終生成物の種々の化学特性および物理特性を得るために、温度および圧力を種々の段階の間に変化させることができる。凍結段階の目的は、生成物中の遊離水を凍結することである。冷却速度は、凍結マトリックスの構造に影響を及ぼし得る。凍結水を昇華させる一次乾燥段階のために、乾燥室における圧力を減少させ、温度を上昇させる。一次乾燥段階後、生成物には凍結水がもはや存在しない。二次乾燥段階は、生成物に結合し得る水を除去するように設計される。この段階のために温度をさらに上昇させ、圧力は、変化させるか、増加させるか、または減少させてよい。二次乾燥後、生成物は最終凍結形態にある。
【0007】
疎水性の生理活性分子は、一般に、治療または診断目的で人または他の動物に投与される。「疎水性」という用語は、非イオン化形態において、水より脂質または脂肪に、より可溶性である分子または活性物質を意味する。米国特許第6,004,927号を参照。一般に、そのような物質は、水および/または水溶液に不溶性または実質的に不溶性である。疎水性の生理活性分子のいくつかの代表例は、治療薬、コントラスト剤および薬剤、例えば、タキサン(例えば、パクリタキセルおよびドセタキセル)、エトポシド、テニポシド、フルダラビン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エモジン、5−フルオロウラシル、FUDR、エストラジオール、カンプトテシン、レチン酸、ベラパミル、エポチロンおよびシクロスポリンである。抗癌薬、特に、タキサン、カンプトテシンン、エポチロン、エトポシドおよびテニポシド系の抗癌薬が、本発明における使用に好適である。本発明の好ましい実施形態において、疎水性活性物質は、タキサンまたはカンプトテシン、より好ましくは、パクリタキセル、ドセタキセルまたは20−S−カンプトテシンである。
【0008】
本発明のポリマーは、疎水性活性物質を水溶液に可溶性にする担体である。それは、本発明の組成物にどのような付加的治療または診断作用も付与するものではない(例えば、それは、治療的および診断的に不活性である)。ポリマーは、幾通りかの方法で、物理的または化学的に疎水性活性物質と結びつかせることができる。例えば、ポリマーは、活性物質と単に混合することができるか、活性物質を封入または捕捉することができるか、または、生理活性分子に付着するか、または例えば共有結合によって化学的に結合することができる。例えば米国特許第6,096,331号、第6,365,191号、第5,648,506号および第5,362,831号を参照。ポリマーの代表的な例は、タンパク質、ポリペプチド、ペプチドおよび非ペプチドポリマーであって、それらは、ホモポリマー、または2種類以上の異なるモノマーを含有するコポリマーである。そのようなポリマーの例は、アルブミン、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリル酸、ポリエチルオキサゾリン、ポリアクリルアミド、ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリビニルピロリジノン、ポリアクチド/グリコリド、線状ポリエチレングリコール、枝分れポリエチレングリコール、星型ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールと他の官能性モノマーとの枝分れコポリマー、多糖類、およびそれらの組合せを含む(Desai et al.,2003;Desai et al.,1997)。好ましくは、ポリマーはペプチドまたはポリペプチドであり、および/または親水性である。好ましいポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリ(l−グルタミン酸)、ポリ(d−グルタミン酸)、ポリ(dl−グルタミン酸)、ポリ(l−アスパラギン酸)、ポリ(d−アスパラギン酸)、ポリ(dl−アスパラギン酸)、ポリエチレングリコール、前記ポリアミノ酸と、ポリエチレングリコール、ポリカプロラクトン、ポリグリコール酸およびポリ乳酸とのコポリマー、ならびにポリアクリル酸、ポリ(2−ヒドロキシエチル1−グルタミン)、カルボキシメチルデキストラン、ヒアルロン酸、ヒト血清アルブミンおよびアルギン酸を包含するが、それらに限定されるわけではなく、ポリエチレングリコール、ポリアスパラギン酸およびポリグルタミン酸が特に好ましい。本発明のポリグルタミン酸またはポリアスパラギン酸は、好ましくは分子量約5,000〜約100,000を有し、約20,000〜約80,000または約30,000〜約60,000、および約32,000が好ましい。特に、最も好ましい本発明のポリマーは、ポリ(L)−グルタミン酸である。全てLi et al.へ付与された米国特許第5,977,163号、第6,262,107号、第6,441,025号および第6,515,017号を参照。本発明の組成物中に存在する疎水性活性物質およびポリマーの相対量は、組成物の意図する使用、活性物質およびポリマーの種類、およびそれらの関係の仕方のような要素を考慮して、標準的手法によって決定することができる。
【0009】
再構成促進剤は、凍結乾燥組成物に添加または含有された場合に、再構成促進剤を含有していない該凍結乾燥組成物が溶解するより速く、凍結乾燥組成物を水および/または水溶液に溶解させる物質である。本発明において、再構成促進剤を、疎水性生理活性分子およびポリマーと共に凍結乾燥させるのが好ましい。本発明に使用するのに好適な再構成促進剤は、スクロースおよびトレハロースのような二糖類を包含する。マンニトールも好適な促進剤である。これらの賦形剤は、凍結乾燥形態の生理活性タンパク質を安定化する1つまたは複数の態様において、有用であることが開示されている。具体的には、スクロースおよびトレハロースは、タンパク質変性および凝集を減じ、他の種々の賦形剤、例えば、他の糖、ポリオール、特定アミノ酸、メチルアミンおよび塩析塩と共に、生理活性タンパク質を含有する凍結乾燥組成物の非晶相成分(特に、タンパク質、非晶質賦形剤および水を包含する)を安定化し、凍結または凍結融解の際にタンパク質を安定化することが既知である。Carpenter, et al.,“Rational Design of Stable Lyophilized Protein Formulations: Theory and Practice”,Chapter 5 in “Rational Design of Stable Protein Formulations Theory and Practice”,Vol.13 in Pharmaceutical Biotechnology(Carpenter,et al.,eds.),Kluwer Academic/Plenum Pub.(New York),2002を参照。Carpenterは、そのような凍結乾燥組成物に、増量剤、例えば、マンニトール、グリシンおよびヒドロキシエチルデンプン(HES)を含有させることも開示している。タンパク質安定剤も、Arakawa, et al.,Adv.Drug Del.Rev.46:307〜326(2001)に開示されている(該文献は、糖(スクロース、ラクトースおよびグルコース)、アミノ酸(グリシン、アニリンおよびプロリン)、アミン(ベタインおよびトリメチルアミンN−オキシド)、ポリオール(マンニトールおよびソルビトール)および特定の塩(硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウムおよび硫酸マグネシウム)を包含するタンパク質安定剤を開示している)。
【0010】
しかし、再構成に関して、本出願人は、グリシンおよびHESは、本発明における再構成促進剤として好適でないことを示している。同様に、Zou,et al.,Cancer Chemother.Pharmacol.39(1/2):103〜108(1996)は、リン脂質およびアントラサイクリン薬アナマイシンを含有する凍結乾燥組成物におけるTween 20の存在は、再構成段階を2時間未満から1分に短縮し、遊離薬剤結晶の早期形成を回避し、リポソーム小胞を破壊せずに平均粒径を減少させるのに必須であることを報告している。しかし、本出願人は、関連界面活性剤Tween 80が、それを試験したいくつかの実施形態において、再構成を促進しないことを見出した。しかし、例えば下記に示すように、他の再構成促進剤と一緒に、それを使用することができる。このように、タンパク質安定剤が、本発明との関連で、再構成促進剤として機能することは予測可能でなかった。とはいえ、当業者は、所与のタンパク質安定剤、例えば、糖、二糖、ポリオール、アミノ酸、アミン、塩または増量剤が、本発明の目的のために再構成促進剤として機能するか否かを、例えば実施例部分に示すプロトコルに従って、試験するだけで判断することができる。
【0011】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、再構成促進剤がマンニトールを含む。しかし、本発明は、1つの再構成促進剤を含有する組成物に限定されない。他の好ましい実施形態において、組成物は、マンニトールとトレハロースとの組合せを含有する。1つまたは複数の再構成促進剤の量は、凍結乾燥組成物の全重量に基づいて、一般に約0.5%〜約10%の範囲である。さらに他の実施形態において、再構成の際に行われる撹拌によって生じることが多い気泡を減少させるために、SDS、Tween 20およびTween 80のような界面活性剤を、比較的少量(例えば、0.005〜0.2%、好ましくは約0.05〜約0.1%)で添加するとよい。いくつかの実施形態では、Tween 80の添加は再構成時間も減少させる。
【0012】
本発明の組成物は、薬学的に許容される他の不活性成分、例えば、緩衝剤(例えばリン酸緩衝液)、アミノ酸(例えば、グリシン、アルギニン、ヒスチジン)、塩(例えば塩化ナトリウム)、ポリマー(例えばポリエチレングリコール)または他の増量剤または担体物質を含有し得る。本発明の組成物は、バイアルおよびシリンジのような種々の容器に入れることができる。これらの容器を入れたパッケージに、凍結乾燥組成物を再構成するためのある容量の水、例えば静菌水を含有する追加容器を入れてもよい。
【0013】
当業者は、凍結乾燥手順に関連する他のパラメーターの調節が、組成物にプラスの作用をし得ることも理解するであろう。例えば、マンニトールを再構成促進剤として含有する組成物は、マンニトール水和物の形成による増加した水分レベルを示し、それによって貯蔵安定性に影響を及ぼす可能性がある。このような場合、例えば、組成物を比較的高い二次乾燥温度、例えば約40℃〜50℃で凍結乾燥することによって、凍結乾燥組成物の水分レベルを減じることができる。凍結乾燥サイクルは、一次乾燥所要時間に影響を与えるアニーリングパラメーターを最適化することによって減じることができる。より高い温度でのアニーリングは、オストワルド熟成、即ち、より大きい氷晶の形成を生じ、これは、次に、一次乾燥中の昇華速度を増加させることができる。さらに、再構成時間の短縮は、組成物に含有される薬学的不活性成分のモル濃度(濃度)、または組成物の化学特性、例えばpHを変化させることによって達成できる。例えば、実施例に示す実施形態において(例えば、好ましくはパクリタキセルの2’ヒドロキシル部位で共有結合した、α−ポリ−(L)−グルタミン酸とパクリタキセルとのエステル結合体(conjugate)を含有する組成物)、pHを調節することによって(例えば、5.4〜5.8、好ましくは5.7の範囲で)、再構成をさらに最適化できる。緩衝液を使用する場合は、緩衝液を150〜220mM、好ましくは200mMの量で存在させる。
【0014】
本発明を以下の詳細な実施例に関してさらに説明する。これらの実施例は、例示目的にすぎず、本明細書に記載する本発明の範囲を限定することを意図としない。
【実施例】
【0015】
材料
CT−2103は、以下の実施例に使用される活性薬学的成分(API)の呼称である。CT−2103は、パクリタキセルの2’ヒドロキシル部位で主に結合したα−ポリ−(L)−グルタミン酸(PG)とパクリタキセルとのエステル結合体である。ベースのPGポリマーは約17,000ダルトン(ゲル透過クロマトグラフィーおよび多角度レーザー光散乱による見掛平均分子量)である。パクリタキセルは、結合形態において、結合体中に約37%(32%〜43%添加、wt/wt)で存在し、これは、ポリマーの11モノマー単位当たり約1つのパクリタキセルエステル結合に相当する。最終生成物(FP)処方物は、9mg/mL結合(conjugated)パクリタキセル(約25mg/mL CT−2103)および260mMリン酸緩衝液pH6.0、および0.5%w/w Poloxamer 188(F−68)(例えば、3ブロックコポリマー、ポリ(エチレン)オキシド−ポリ(プロピレン)オキシド−ポリ(エチレン)オキシド)からなる。FPは、注射用滅菌水、USPを使用して、9mgパクリタキセル/mL(25mg CT−2103 API/mL)に再構成される。
【0016】
スクロース(カタログ S124−1、ロット #28409A)、トレハロース(カタログ T104−1、ロット #27881A)、マンニトール(カタログ M109−2、ロット #27214A)は、Pfanstiehlから入手した。Poloxamer 188、NF(F−68)は、BASFから入手した(ロット #WPDX−577B)。リン酸一ナトリウム一水和物、USP(カタログ SO130)およびリン酸二ナトリウム七水和物、USP(カタログ SO140)は、Spectrum chemicalsから購入した。水は、MilliporeからのMilliQシステムを使用して精製した。
【0017】
Schottガラスバイアル(West Co.から入手した)およびWestグレーストッパー(gray stoppers)4432/50を使用した。20mmの開口を有する5mLおよび20mLの2つのバイアルサイズを試験に使用した。2mL充填容量および10mL充填容量を使用する試験を、それぞれ、5mLおよび20mLバイアルサイズにおいて行った。バイアルは、使用前に少なくとも3回濯いで乾燥させた。ストッパーは、どのような追加処理も行わずに使用した。
【0018】
実験計画法および分析
ECHIP Design−of−Experiments(DOE)ソフトウエアを使用して、実験計画を立て、分析し、データを解釈した。応答局面二次計画(response surface quadratic design)を、実験に選択した。そのような計画は最適数の実験を提供し、分析結果は、種々の賦形剤およびそれらの濃度の論理的根拠、および、評価される実験変数間に存在し得る相互作用の優れた可視化を提供する。直交法によってECHIPから引き出された結論を確認するために、プリンシプル(principle)潜在構造(PLS)分析ソフトウエアを使用して、データをさらに分析した。全ての計画は、実験計画における質の尺度である少なくとも50%の実験G有効性を満たすかまたは超えていた。
【0019】
遠紫外線円偏光二色性による二次構造
遠紫外線円偏光二色性を行う目的は、CT2103 FPの再構成ロットから二次構造情報を得ることであった。遠紫外線円偏光二色性(FUV−CD)を使用して、種々のCT−2103ロットの構造を特性決定した。試料の遠視外線円偏光二色性(CD)スペクトルを、Avivモデル62 DS分光偏光計(Lakewood,NJ)によって収集した。各試料を、0.1cm経路長石英セルに装填し、サーモスタット付きセルホルダーに配置した。1.5nmバンド幅を使用し、各点での平均化時間5秒で、0.5nm間隔でデータを収集した。適切なバッファーブランク(buffer blank)を収集し、各スペクトルから減じた。
【0020】
二次導関数紫外線分光法
二次導関数紫外線分光法を使用して、再構成CT−2103 FPから三次構造情報を得た。二次導関数紫外線分光法を行って、吸収発色団の局所ミクロ環境によるCT−2103の種々のロットに生じ得るあらゆるかすかな構造特徴を比較した。紫外線データは、1cm経路長の石英セルにおいて、Hewlett Packard 8452Aダイオードアレー分光測光器によって、積分時間25秒で収集した。データをGrams 386ソフトウエアにインポートする。データを215〜350nmに切り捨て、Savitszky−Golay変換を使用して二次導関数を処理する。3データ点ウインド(window)および7点より以上を使用して、曲線を平滑化し、データ点を32Xのスプライン関数に挿入する。
【0021】
フーリエ変換赤外分光法(FTIR)
FTIRを使用して、CT−2103 FPロットの固体状態における二次構造情報を特性決定した。DTGS検出器を取り付けたBomem Prota FTIR分光器(Quebec City,Quebec,Canada)を使用して、赤外線スペクトルを得た。該装置を乾燥空気で継続的にパージした。各試料について、合計128のインターフェログラムを収集し、4cm-1の解像度で平均した。乾燥タンパク質スペクトルを単光束透過モードで収集し、乾燥空気に対する比率を求めて、吸光スペクトルを形成した。必要な場合に、水蒸気の二次導関数スペクトルを引いて、水蒸気干渉を除去した。Bomem Grams/32ソフトウエア(Galactic Industries)を使用し、7点ウインドで二次多項式(second degree polynomial)のSavitzky−Golay関数を使用して、二次導関数スペクトルを形成した。6種類のCT−2103 FPロットを代表する固体試料について、FTIRを行った。
【0022】
高温示差走査熱量測定
高温DSCを、Perkin−Elmer Diamond DSC装置を使用して行って、固体状態におけるあらゆる結晶化およびガラス転移事象を監視した。試料を、一般に、25℃/分で、100℃まで走査し、−20℃に冷却し、150℃まで再走査した。FPにおけるガラス転移温度の測定を向上させるために、StepScan DSC法を使用し、該方法は、他の熱事象、例えば、結晶化、エンタルピー緩和(enthalpic relaxation)および水分損失からの干渉を減少させ、明確なガラス転移温度を与え、これは、この分析の時間尺度において動的または不可逆的事象ではなく可逆的事象である。
【0023】
低温示差走査熱量測定(DSC)
液体窒素冷却を使用してSeiko DSC 6100によって、凍結溶液の示差走査熱量測定を行った。インジウム基準を用いて、DSC装置を校正した。再構成溶液の試料(パクリタキセル9mg/mLの溶液20μLまたは50μL)を、アルミ試料皿に入れ、熱分析のために気密密閉した。全ての試料について使用した基準は、空のアルミ皿であった。窒素を50mL/分の速度でパージガスとして使用した。試料を、約−70℃まで2℃/分の制御された速度で凍結させ、2℃/分で室温に昇温した。試料の凍結および加温中に、サーモグラムを記録した。
【0024】
0.5秒間隔でデータを取り込み、Seikoソフトウエアで分析した。熱転移温度、例えば、過冷却温度(Tsc)、凍結溶液のガラス転移温度(Tg’)、再結晶温度(Ter)および共融温度(Teu)を、熱流データから求めた。
【0025】
凍結乾燥
ストッパリング棚(stoppering shelves)3つおよび外部凝縮器を取り付けたGenesis Pilot−scale Virtis 1 2XL凍結乾燥器を使用して、凍結乾燥を行った。ランプ(ramp)速度、棚温度、時間および真空のようなパラメーターを、サイクルラン(cycle run)にプログラムし、生成物温度を、Virtis Companyから供給されているWizardコントロールシステムソフトウエアによって、4つの利用可能熱電対を使用して記録した。次に、データを処理し、IGOR科学グラフ化ソフトウエアを使用してグラフで示した。
【0026】
再構成法
真空下に栓をしたバイアルの側壁にMilliQ精製水を添加することによって、FPの再構成を査定した。30秒間放置後、%ケーキ水和を目視評価し、可視固形分がすべて溶解するまでバイアルをゆっくり回した。最終再構成時間を、ケーキが透明溶液に溶解するのに要した合計時間(ケーキ水和を評価するための30秒を含む)として記録した。場合によっては、生成物が完全に水和して、30秒未満で溶解して透明溶液になった。気泡量が実験間で変化し得るので、バイアルを、気泡度を変化させた5グループに分け、1〜5の尺度評価を査定し、ここで、1は気泡がほとんどない/全くないことを表し、5はいくらかの気泡を表した。
【0027】
X線回折法(XRD)
生成物の結晶度および処方成分の種々の多形の特性決定についての情報を得るために、凍結乾燥CT−2103 FP上でXRDを行った。凍結乾燥生成物をサイドドリフト法(side−drift method)によってアルミホルダーに充填し、広角X線粉末回折計(Model D5005,Siemens)においてCuKα輻射線(45kV×40mA)に暴露した。装置を、ステップスキャンモード(step−scan mode)で、増分0.05°2θで走査した。角度範囲は5°〜40°2θであり、各段階で1秒間、計数を累算した。使用したデータ収集プログラムは、JADE 5.0であった。
【0028】
走査電子顕微鏡法(SEM)
種々のCT−2103処方物のケーキ構造を視覚化し、種々の凍結乾燥処方物の再構成特性との可能な相関を見出すために、SEMを行った。新しく作った清浄な竹の棒を使用して、凍結乾燥ケーキを迅速に小片にカッティングすることによって、CT−2103 FPをSEM用に処理した(Electron Microscopy Sciences,PA)。スタブに取り付けた両面カーボン導電性タブ上に、試料の薄い層を広げることによって、小片を、12mm ODアルミニウムSEM試料装着スタブに取り付けた。試料取り扱いによるあらゆるアーチファクトを回避するために、これを室温で迅速(1〜2分)に行った。試料スタブを、迅速にスパッターコーターに移し、真空下に置いた。スパッターコーター(Biorad E5000M)を使用して、約40nm金/パラジウムで試料を被覆した。試料の検査を、10kVで走査されるHitachi A60電界放出SEMで行った。
【0029】
残留水分分析
無水メタノールで凍結乾燥物から水を抽出した後に、残留水分を、Karl Fisher電量分析法によって測定した。この方法は、直接的な試料取り扱いおよび大気湿度への暴露によるあらゆるアーチファクトを最少限にした。凍結乾燥CT−2103 FPを含有するバイアルに無水メタノールを添加し、渦を巻かせることによってケーキをメタノールに懸濁させた。未溶解賦形剤を約1時間沈降させ、ケーキから抽出した水を含有するメタノールを、含水量について分析した。無水メタノール溶液を使用して、メタノール中のバックグラウンド水分を差し引いた。
【0030】
バイオアナライザータンパク質チップ
SDS−PAGE分析用の高処理分析法を提供するタンパク質チップサイジング法を使用して、再構成CT−2103 FP試料を分析した。原理は、ミクロ液体細管電気泳動法に基づく。AgilentからのProtein 200 LabChip(登録商標)を使用して、試料を分析した。
【0031】
処方試験
薬学的に許容され、一般に安全と認識される(GRAS)賦形剤の多くは、マンニトールおよびTween−80含有処方物を包含する。対照F−68処方物の他に、13の処方マトリックスを評価した(表I)。CT−2103活性薬学的成分(API)および賦形剤を、200mM リン酸ナトリウム、pH6.5に、50℃〜55℃で溶解させることによって、処方物CT−1〜CT−14を調製した。溶液を0.22μm GV Milliporeフィルターで濾過し、2mLを、5mLのSchott Type Iガラスバイアルに入れ、これを、−10℃でのアニーリング段階、−25℃で30時間の一次乾燥、次に、+20℃で10時間以上の二次乾燥の保存的サイクル(conservative cycle)を使用して凍結乾燥した。非晶相からの結晶化に影響されやすい賦形剤のあらゆる結晶化を促進するために、アニーリングを凍結段階に組み込んだ。
【0032】
【表1】

【0033】
水2mLを添加し、30秒後またはそれ以内にケーキ水和を確認し、次に、全固形分が完全に溶解するまでバイアル含有物をゆっくり渦巻かせることによって、再構成特性を評価した。結果を表IIに示す(表中、S=sucr=スクロース、TW=Tween−80、G=グリシン、T=トレハロース、M=マンニトール、および文字の前の数字は%w/vを表す)。
【0034】
【表2】

【0035】
処方物CT−4、CT−8およびCT−11は、対照および他の処方物と比較して、比較的短い再構成時間を示した。結果は、マンニトールがCT−2103の再構成特性をかなり向上させたことを示す。スクロースおよびトレハロースも再構成時間を短縮させたが、Tween−80の機能は処方依存性のようであり、従って、単独再構成促進剤として有用でないと考えられた。一方、グリシンは、明らかに、どのような利益も与えず、CT−2103の再構成にマイナスの作用を有していたと考えられる。
【0036】
次の一連の試験では、Tween−80を添加して、または添加せずに、これら3つの処方物(すなわち、CT−4、CT−8、CT−11)をさらに試験した。ヒドロキシエチルデンプン(HES)の作用も評価した。処方物を、10mL/バイアルの最終投与形態で調製し、再構成時間および気泡特性を評価した。結果を表IIIに要約する(表中、S=スクロース、T=トレハロース、M=マンニトール、HE=ヒドロキシエチルデンプン、TW=Tween−80、対照=0.5%F−68、および数字は処方物に対する%レベルを表す)。
【0037】
【表3】

【0038】
この試験の結果は、トレハロースまたはスクロースに対して、HESがCT−2103の再構成を向上させなかったことを示す。Tween−80は、マンニトール−糖処方物に使用した場合、再構成時間を増加させたと考えられる。トレハロース/マンニトール処方物は、スクロース/マンニトール処方物より有意に速く再構成した(60秒に対して8秒)。対照(CT−14)は、約6分の長い再構成時間を示した。この処方物へのマンニトールの添加は、CT−2103の再構成特性をごく僅か向上させた。処方物の気泡特性を、1〜5段階で等級付けし、1は気泡の非存在を表し、5はいくらかの気泡を表す。
【0039】
これらの処方物の結果は、二糖(スクロースまたはトレハロース)、マンニトールおよびTween−80が、CT−2103の再構成特性を向上させたことを示す。
【0040】
これらの賦形剤の機能、それらの相対濃度、および処方物マトリックス中のあらゆる相互作用を評価するために、表IVに示す以下の変量を使用して、多変量統計的実験計画を実施した。
【0041】
【表4】

【0042】
全ての処方物は、200mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH6.5(APIとの混合前)を使用して製造された(NEAT=200mMリン酸ナトリウム緩衝液に溶解したCT−2103)。
【0043】
この一連の試験は、2mL/バイアル投与形態で実施した。2つのバイアルを再構成し、20〜30秒における%水和、合計再構成時間(秒)および気泡(等級1〜5)について評価した。この試験の結果を表Vに示す。
【0044】
【表5】

【0045】
ECHIPを使用して結果を分析した。結果(データは示さず)は、再構成時間に関して、マンニトールが最も重要な変量であり、再構成時間に負の相関関係を有すことを示し、このことは、より高い濃度のマンニトールは、CT−2103のより速い再構成時間を与えることを示している。さらに、結果は、再構成時間と正の相関関係にあった、マンニトールとTween−80との相互作用が存在したことも示し、このことは、マンニトール処方物へのTween−80の添加は、CT−2103の再構成時間を増加し得ることを示した。結果はさらに、トレハロース対マンニトールの比率の変化が、再構成時間に影響し得ることも示した。
【0046】
最少再構成時間、最少気泡および最大水和のために反応を最適化し、かつ至適処方物を実験計画から予測した。計画(示さず)は、CT−2103のさらに好ましい処方物を、4%マンニトール、5%トレハロースおよび0.05%Tween−80から構成し得ることを予測した。
【0047】
これらの結果に基づいて、CT−2103の処方物を最終投与形態10mL/バイアルにスケールアップし、%水和、再構成時間および気泡について評価した。これらの結果は、ECHIPが実験計画から主要な処方物を厳密に予測し、より好ましい2つの処方物が4%マンニトール、および4%マンニトール/5%トレハロース/0.1%Tween−80を含有することを示した。
【0048】
これらの処方物を、対照と共に、XRDでさらに特性決定した。全てのマンニトールに基づく処方物は、マンニトールの結晶δ多形を含有すると考えられる。9.6°、17.9°、25.7°および27.0°2θにおけるピークによって立証されるように、少量のマンニトール水和物が、4%マンニトール処方物(CT−31)において観察された。この処方物は、全ての処方物の中で最も高い結晶度を示した。純粋トレハロースおよび対照F−68処方物は、主として非晶質であった。しかし、F−68処方物における、割当てられていない(unassigned)ピークの存在は、いくらかの結晶度を示唆している。結果を表VIに要約する。
【0049】
【表6】

【0050】
本明細書に引用した全ての刊行物(例えば、下記の引用リスト)は、本発明に関係した技術分野の熟練者の技術レベルを示すものである。これら全ての刊行物は、個々の刊行物が参照により組み込まれることが明確にかつ個別に示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み入れられる。
【0051】
特定の実施形態に関して本発明を説明したが、これらの実施形態は本発明の原理および適用を例示するものにすぎないと理解すべきである。従って、添付の請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲を逸脱せずに、例示的実施形態に多くの変更を加えることができ、他の調整も考えられるものと理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水性の生理活性物質と、前記疎水性活性物質を水溶液に可溶性にするポリマーと、再構成促進剤とを含む凍結乾燥組成物であって、水溶液における前記組成物の再構成時間が、前記組成物が前記促進剤を含有しない場合より短時間である組成物。
【請求項2】
前記疎水性活性物質が、抗癌薬である請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記疎水性活性物質が、タキサン、カンプトテシン、エポチロン、エトポシドおよびテニポシドからなる群から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記疎水性活性物質が、タキサンを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記疎水性活性物質が、パクリタキセルを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記疎水性活性物質が、ドセタキセルを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記疎水性活性物質が、カンプトテシンを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記疎水性活性物質が、20−S−カンプトテシンを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記ポリマーが、ホモポリマーである請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記ポリマーが、ポリペプチドを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記ポリペプチドの大部分のアミノ酸残基がグルタミン酸残基である請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記ポリペプチドが、ポリ(L)−グルタミン酸である請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記ポリマーおよび前記疎水性活性物質を結合体(conjugate)の形態で含む請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記促進剤が、マンニトールを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記促進剤が、スクロースを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記促進剤が、トレハロースを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記促進剤が、マンニトールおよびトレハロースを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
第二再構成促進剤をさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記第二再構成促進剤が、Tween 80を含む請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
疎水性タキサンと、前記タキサンを水溶液に可溶性にするポリマーと、再構成促進剤とを含む凍結乾燥組成物であって、水溶液における前記組成物の再構成時間が、前記組成物が前記促進剤を含有しない場合より短時間である組成物。
【請求項21】
前記ポリマーが、ホモポリマーである請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記ポリマーが、ポリペプチドを含む請求項20に記載の組成物。
【請求項23】
前記ポリペプチドの大部分のアミノ酸残基がグルタミン酸残基である請求項20に記載の組成物。
【請求項24】
前記ポリペプチドが、ポリ(L)−グルタミン酸である請求項20に記載の組成物。
【請求項25】
前記ポリマーおよび前記疎水性活性物質を結合体(conjugate)の形態で含む請求項20に記載の組成物。
【請求項26】
前記促進剤が、マンニトールを含む請求項20に記載の組成物。
【請求項27】
前記促進剤が、スクロースを含む請求項20に記載の組成物。
【請求項28】
前記促進剤が、トレハロースを含む請求項20に記載の組成物。
【請求項29】
前記促進剤が、マンニトールおよびトレハロースを含む請求項20に記載の組成物。
【請求項30】
第二再構成促進剤をさらに含む請求項20に記載の組成物。
【請求項31】
前記第二再構成促進剤が、Tween 80を含む請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
前記タキサンが、パクリタキセルである請求項20に記載の組成物。
【請求項33】
前記タキサンがパクリタキセルであり、前記ポリマーが大部分のアミノ酸残基がグルタミン酸残基であるペプチドを含み、前記パクリタキセルおよび前記ポリマーが結合体(conjugate)の形態である請求項20に記載の組成物。
【請求項34】
前記ポリマーが、ポリ(L)−グルタメートを含む請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
前記促進剤が、マンニトールを含む請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
前記マンニトールが、前記組成物の約4重量%の量で存在する請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
前記促進剤が、スクロースを含む請求項34に記載の組成物。
【請求項38】
前記促進剤が、トレハロースを含む請求項34に記載の組成物。
【請求項39】
前記促進剤が、マンニトールおよびトレハロースを含む請求項34に記載の組成物。
【請求項40】
前記マンニトールが前記組成物の約4重量%の量で存在し、前記トレハロースが前記組成物の約5重量%の量で存在する請求項39に記載の組成物。
【請求項41】
第二再構成促進剤をさらに含む請求項35に記載の組成物。
【請求項42】
前記第二再構成促進剤が、Tween 80を含む請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
前記Tween 80が、前記組成物の約0.05〜0.1重量%の量で存在する請求項42に記載の組成物。
【請求項44】
pH約5.4〜約5.8を有する請求項35に記載の組成物。
【請求項45】
pH約5.7を有する請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
緩衝液をさらに含む請求項44に記載の組成物。
【請求項47】
前記緩衝液が、リン酸緩衝液を含む請求項46に記載の組成物。
【請求項48】
前記緩衝液の濃度が、約150mM〜約220mMである請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
前記緩衝液の前記濃度が、約200mMである請求項48に記載の組成物。

【公表番号】特表2007−504267(P2007−504267A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526158(P2006−526158)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2004/028366
【国際公開番号】WO2005/025499
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(596028228)セル・セラピューティックス・インコーポレーテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】Cell Therapeutics,Inc.
【Fターム(参考)】