説明

再現性の高い輝度信号を生成する画像信号処理装置

【課題】アナログ−デジタル変換部から入力される画像信号を画素毎に処理して、色信号に対応する輝度信号を生成する画像信号処理装置を提供する。
【解決手段】アナログ−デジタル変換部から入力される画像信号を画素毎に処理して、色信号に対応する輝度信号を生成する画像信号処理装置であって、入力画像信号に含まれる色信号の高周波成分を除去するローパスフィルタと、入力画像信号からローパスフィルタの出力信号を減算して高周波成分信号を生成する減算器と、ローパスフィルタの出力信号に、減算器によって生成された高周波成分信号を加算して輝度信号を生成する加算器と、入力画像信号の画素位置が或る対象領域の範囲内であれば、減算器からの高周波成分信号を増加させ、入力画像信号の画素位置が前記対象領域の範囲外であれば、減算器からの高周波成分信号を減少させる輝度信号制御部とを備える画像信号処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像信号処理装置に関するものである。より詳しくは、アナログ−デジタル変換部から入力される画像信号を画素毎に処理して、色信号に対応する輝度信号を生成する画像信号処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、一般的な画像信号処理装置であるデジタルカメラの電荷結合素子(Charge-Coupled Device:CCD)へ取り付けられるカラーフィルタの配列の一例を示す。図2は、一般的な画像信号処理装置、例えば、特許文献1で開示されたデジタルカメラの基本的な構成を示す。図3は、図2のアナログ−デジタル変換部(Analog-to-Digital Converter:ADC)からDBラインへ周期的に出力される画像信号の構成を示す。図4は、図2のADCからDRラインへ周期的に出力される画像信号の構成を示す。
【0003】
図2では、参照符号SB1、SB2、・・・、SBmは、DBラインを通過するCCDからADCへの信号を示し、参照符号SR1、SR2、・・・、SRmは、DRラインを通過するCCDからADCへの信号を示し、参照符号DB1、DB2、・・・、DBmは、DBラインを通過するADCから画像信号処理装置への信号を示し、参照符号DR1、DR2、・・・、DRmは、DRラインを通過するADCから画像信号処理装置への信号を示す。そして、参照符号(R−Y)、(B−Y)、・・・、(R−Y)2m、(B−Y)2mは、画像信号処理装置から出力される色信号を示し、参照符号YL、・・・、YL2mは、画像信号処理装置から出力される輝度信号を示す。
【0004】
図1では、上部のマゼンタ(Mg)、シアン(Cy)、緑(G)、及び黄(Ye)は、DBラインのために備えられ、下部の緑(G)、シアン(Cy)、マゼンタ(Mg)、及び黄(Ye)は、DRラインのために備えられる。
【0005】
これによると、ADCから第m番目のDBラインへ出力される信号DBmは、奇数番目の水平期間のMg+Cyに対応し、偶数番目の水平期間のG+Yeに対応する(図3を参照されたい)。
【0006】
したがって、画像信号処理装置では、第n番目の水平期間の第m番目のDBラインに対応する信号DBm(n)は、最終的に下記の数式1で求められる。
【0007】
Bm(n)=Mg+Cy−(G+Ye) (数式1)
【0008】
前記数式1では、nが奇数である場合、Mg+Cyは、第n番目の水平期間の第m番目のDBラインへ印加される信号を示し、G+Yeは、第(n+1)番目の水平期間の第m番目のDBラインへ印加される信号を示す。
【0009】
また、前記数式1において、nが偶数である場合、G+Yeは、第n番目の水平期間で第m番目のDBラインへ印加される信号を示し、Mg+Cyは、第(n+1)番目の水平期間で第m番目のDBラインへ印加される信号を示す。
【0010】
参考までに、色に関して、マゼンタ(Mg)はR(赤色)+B(青色)であり(Mg=R+B)、シアン(Cy)はB(青色)+G(緑色)である(Cy=B+G)ため、前記数式1は、2B−Gという結果になる。
【0011】
一方、ADCから第m番目のDRラインへ出力される信号DRmは、奇数番目の水平期間のG+Cyに対応し、偶数番目の水平期間のMg+Yeに対応する(図4を参照されたい)。
【0012】
したがって、画像信号処理装置では、第n番目の水平期間の第m番目のDRラインに対応する信号DRm(n)は、最終的に下記の数式2で求められる。
【0013】
Rm(n)=Mg+Ye−(G+Cy)=2R−G (数式2)
【0014】
前記数式2では、nが奇数である場合、G+Cyは、第n番目の水平期間の第m番目のDRラインへ印加される信号を示し、Mg+Yeは、第(n+1)番目の水平期間の第m番目のDBラインへ印加される信号を示す。
【0015】
また、前記数式2において、nが偶数である場合、Mg+Yeは、第n番目の水平期間の第m番目のDRラインへ印加される信号を示し、G+Cyは、第(n+1)番目の水平期間の第m番目のDRラインへ印加される信号を示す。
【0016】
参考までに、色に関して、マゼンタ(Mg)はR(赤色)+B(青色)であり(Mg=R+B)、シアン(Cy)はB(青色)+G(緑色)である(Cy=B+G)ため、前記数式2は、2R−Gという結果になる。
【0017】
上述の説明のようにして入力画像信号DB1、DB2、・・・、DBmが処理される理由は、ADCからのピクセル画像信号DB1、DB2、・・・、DBmが、2つの水平期間(サンプリング期間)を通して重畳されるためである。
【0018】
したがって、水平周波数(サンプリング周波数)をfsとすれば、図5で図示するように、入力画像信号D(n)又はD(n)では、輝度信号YL(n)の正常な成分と、色信号(R−Y)(n)又は(B−Y)(n)の搬送周波数である高周波成分とが重畳される。
【0019】
したがって、画像信号処理装置では、色信号(R−Y)(n)及び(B−Y)(n)に対応する輝度信号YL(n)を生成するプロセスにおいて、色信号(R−Y)(n)及び(B−Y)(n)の高周波成分を除去するために、図6の第1曲線Cの特性を有するローパスフィルタ(LPF)が使用される。
【0020】
また、画像信号処理装置では、色信号(R−Y)(n)又は(B−Y)(n)を得るプロセスにおいて、色信号(R−Y)(n)又は(B−Y)(n)の高周波成分を除去するために、図6の第2曲線Cの特性を有するローパスフィルタが使用される。
【0021】
図7は、図2の画像信号処理装置の入力画像信号DB1、DR1、・・・、DBm、及びDRmによって形成されたフレーム(FR)の被写体画像を示す。図7を参照して、1つの対象領域のみが存在するとすれば、その対象領域は、水平幅W及び垂直幅Wによって決定される。
【0022】
上述の説明のとおり、画像の背景領域ではない対象領域は彩度が比較的高い。したがって、輝度信号には正常な高周波成分が存在する。
【0023】
それでも、従来の画像信号処理装置によれば、輝度信号を生成するプロセスにおいて、色信号の高周波成分を除去するために、全ての入力画像信号DB1、DR1、・・・、DBm、及びDRmが、ローパスフィルタを通過している(図6のCを参照されたい)。すなわち、輝度信号を生成するプロセスにおいて、フレームFRの全範囲に対してローパスフィルタリングが実施される。
【0024】
したがって、輝度信号を生成するプロセスにおいて、或る対象領域に存在する輝度信号の高周波成分が除去されるため、画像の再現性が落ちるという問題点がある。
【0025】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007−0174780号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明の目的は、画像の再現性を高めた画像信号処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
前記目的を達成するための本発明は、アナログ−デジタル変換部(ADC)から入力される画像信号を画素毎に処理して、色信号に対応する輝度信号を生成する画像信号処理装置を提供するものである。前記画像信号処理装置は、前記入力画像信号に含まれる前記色信号の高周波成分を除去するローパスフィルタ(LPF)と、前記入力画像信号から、前記ローパスフィルタの出力信号を減算して高周波成分信号を生成する減算器と、前記ローパスフィルタの出力信号に、前記減算器によって生成された前記高周波成分信号を加算して、前記輝度信号を生成する加算器と、前記入力画像信号の画素位置が、或る対象領域の範囲内にある場合、前記減算器によって生成された前記高周波成分信号を増加させ、前記入力画像信号の画素位置が、前記対象領域の範囲外にある場合、前記減算器によって生成された前記高周波成分信号を減少させる輝度信号制御部とを備える。
【0028】
したがって、上述の説明のとおり、入力画像信号の画素位置が、前記対象領域の範囲内にある場合、入力画像信号の輝度信号には正常な高周波成分が含まれる。この輝度信号の正常な高周波成分は、ローパスフィルタによって、色信号の高周波成分と共に除去される。しかしながら、輝度信号の除去された正常な高周波成分は、輝度信号制御部によって補償される。
【発明の効果】
【0029】
本発明の画像信号処理装置によれば、ローパスフィルタで色信号の不要な高周波成分の除去をするしないにかかわらず、或る対象領域の範囲内で生成された輝度信号の正常な高周波成分を維持することができる。したがって、画像の再現性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、添付した図面を参照して本発明の望ましい実施形態について詳細に説明する。
【0031】
図8は、本発明の第1実施形態に係る画像信号処理装置のブロック図を示す。図8では、参照符号DBm(n)は、第n番目の水平期間の第m番目のDBラインへ印加される画像信号を示し、参照符号DRm(n)は、第n番目の水平期間の第m番目のDRラインへ印加される画像信号を示す。図2及び8を参照して、本発明の第1実施形態に係る画像信号処理装置は、アナログ−デジタル変換部(ADC)から入力される画像信号DBm(n)又はDRm(n)を画素毎に処理して、色信号に対応する輝度信号YL(n)を生成する。また、前記画像信号処理装置は、ローパスフィルタ(LPF1)370、減算器380、加算器530、及び輝度信号制御部(81、82、500、83、510、及び520)を備える。
【0032】
ローパスフィルタ(LPF1)370は、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)に含まれる色信号の不要な高周波成分を除去する。減算器380は、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)から、ローパスフィルタ(LPF1)370の出力信号を減算して高周波成分信号を生成する。加算器530は、ローパスフィルタ(LPF1)370の出力信号に、減算器380によって生成された高周波成分信号を加算して輝度信号YL(n)を生成する。
【0033】
輝度信号制御部(81、82、500、83、510、及び520)は、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の画素位置が、或る対象領域の範囲内にある場合、減算器380によって生成された高周波成分信号を増加させ(図7参照)、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の画素位置が、前記対象領域の範囲外にある場合、減算器によって生成された高周波成分信号を減少させる。
【0034】
ここで、上述の説明のとおり、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の画素位置が、前記対象領域の範囲内にある場合、正常な高周波成分が、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の輝度信号YL(n)に含まれている。この正常な高周波成分は、ローパスフィルタ(LPF1)370によって、色信号の不要な高周波成分と共に除去される。しかし、この輝度信号YL(n)の除去された正常な高周波成分は、輝度信号制御部(81、82、500、83、510、及び520)によって補償される。
【0035】
したがって、本発明の第1実施形態に係る画像信号処理装置によれば、ローパスフィルタ(LPF1)370で色信号の不要な高周波成分の除去をするしないにかかわらず、前記対象領域の範囲内で生成された輝度信号YL(n)の正常な高周波成分を維持することができる。したがって、画像の再現性を高めることができる。
【0036】
ガンマ変換部84は、陰極線管の輝度特性をあらかじめ逆ガンマ補正するために、加算器530から出力された輝度信号YL(n)のガンマ変換を行う。
【0037】
輝度信号制御部(81、82、500、83、510、及び520)は、水平幅判定部81、階調類似度測定部82、第1乗算器500、垂直幅判定部83、第2乗算器510、及び第3乗算器520を備える。
【0038】
水平幅判定部81は、水平幅判定信号P(n)を出力するに当たって、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の画素位置が、前記対象領域の水平幅(図7のW)の範囲内にある場合、バイナリ信号の「1」を出力し、そうでなければ、バイナリ信号の「0」を出力する。
【0039】
階調類似度測定部82は、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の階調の、水平方向の平均階調に対する類似の割合を示す階調類似度信号P(n)を生成する。ここで、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の階調が、水平方向の平均階調に近づくほど、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の画素位置が、前記対象領域の水平幅(図7のW)の範囲内にある確率が高くなる。
【0040】
第1乗算器500は、水平幅判定部81から出力された水平幅判定信号P(n)に、階調類似度測定部82から出力された階調類似度信号P(n)を掛ける。
【0041】
垂直幅判定部83は、垂直幅判定信号P(n)を出力するに当たって、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の画素位置が、前記対象領域の垂直幅(図7のW)の範囲内にある場合、バイナリ信号の「1」を出力し、そうでなければ、バイナリ信号の「0」を出力する。
【0042】
第2乗算器510は、第1乗算器500からの出力信号に、垂直幅判定部83から出力された垂直幅判定信号P(n)を掛ける。
【0043】
第3乗算器520は、減算器380から出力された高周波成分信号に、第2乗算器510から出力された信号P(n)を掛けて、その乗算をした結果得られた高周波成分信号を、加算器530へ出力する。
【0044】
図9は、図8の水平幅判定部81のブロック図を示す。図10は、図9のバンドパスフィルタ(BPF1)390の特性を示す。図10では、参照符号fsは、水平周波数(サンプリング周波数)を示す。図11は、図9の水平幅判定部81の各構成要素の特性を示す。図9及び11では、参照符号DBm(n)又はDRm(n)は、入力画像信号を示し、A390は、バンドパスフィルタ(BPF1)390の動作特性を示し、A400は、絶対値生成部400の動作特性を示し、A410は、メディアンフィルタ410の動作特性を示し、P(n)は、第n番目の水平期間の第m番目のラインに対応する水平幅判定信号を示し、P(n)は、第n番目の水平期間の全画素に対する水平幅判定信号を示す。
【0045】
図9乃至11を参照して、水平幅判定部81は、バンドパスフィルタ(BPF1)390、絶対値生成部400、メディアンフィルタ410、及び最小値フィルタ420を備える。
【0046】
水平方向の2つのエッジは、図10で図示する動作特性を有するバンドパスフィルタ(BPF1)390によって検出される(A390参照)。絶対値生成部400は、バンドパスフィルタ(BPF1)390の出力の絶対値を生成する(A400の特性の波形参照)。
【0047】
メディアンフィルタ410は、絶対値生成部400からの入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の絶対値が、水平方向の二つのエッジの間に含まれる場合、バイナリ信号の「1」を出力し、そうでなければ、バイナリ信号の「0」を出力する(A410の特性の波形参照)。周知のとおり、メディアンフィルタ410の動作において、各画素の階調値は、その周辺画素の階調値の中央値に変更される。
【0048】
最小値フィルタ420は、メディアンフィルタ410の2つのエッジそれぞれによって占められる水平方向の領域を減らすような特性を有する(P(n)の特性の波形参照)。
【0049】
図12は、図8の階調類似度測定部82の特性を示す。図12を参照して、階調類似度測定部82は、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の階調の、水平方向の平均階調Aに対する類似の割合を示す階調類似度信号P(n)を生成する。ここで、階調類似度信号P(n)の値は、0乃至1である。上述の説明のとおり、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の階調が、水平方向の平均階調Aに近づくほど、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の画素位置が、前記対象領域の水平幅(図7のW)の範囲内にある確率が高くなる。
【0050】
図13は、図8の垂直幅判定部83のブロック図を示す。図14は、図13の垂直エッジ検出部130のブロック図を示す。図15は、図13の垂直幅判定部83の各構成要素の特性を示す。
【0051】
図15では、参照符号DBmは、第m番目のDBラインへ印加される入力画像信号を示し、参照符号DRmは第m番目のDRラインへ印加される入力画像信号を示し、参照符号A(n−1)は、第(n−1)番目の水平期間の第m番目のDBライン又は第m番目のDRラインへ印加される入力画像信号を示し、参照符号A(n)は、第n番目の水平期間の第m番目のDBライン又は第m番目のDRラインへ印加される入力画像信号を示し、参照符号A(n+1)は、第(n+1)番目の水平期間の第m番目のDBライン又は第m番目のDRラインへ印加される入力画像信号を示す。図15では、入力画像信号A(n−1)、A(n)、及びA(n+1)は、いずれもGSの階調を有していると仮定する。すなわち、図15の入力画像信号DBm又はDRmにおいて、第m番目のDBライン又は第m番目のDRラインに関して、前記対象領域の垂直幅はWであると仮定する。
【0052】
図13乃至図15を参照して、垂直幅判定部83は、垂直エッジ検出部130、第2ローパスフィルタ(LPF2)440、絶対値生成部450、及び第3ローパスフィルタ(LPF3)460を備える。
【0053】
垂直方向の2つのエッジを検出するために備えられた垂直エッジ検出部130は、第1遅延器(1HDL)320、第2遅延器(1HDL)330、加算器340a、半減算器340b、及び減算器430を備える。
【0054】
第1遅延器(1HDL)320及び第2遅延器(1HDL)330は、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の或る画素の両側のエッジに位置する第1隣接画素及び第2隣接画素の入力画像信号DBm(n−1)、DRm(n−1)、DBm(n+1)、及びDRm(n+1)を生成するのに用いられる。
【0055】
加算器340aは、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の画素の垂直方向における両側のエッジに位置する第1隣接画素及び第2隣接画素の入力画像信号を加算する(A340aの特性の波形参照)。半減算器340bは、加算器340aの出力を半減させる(A340bの特性の波形参照)。減算器430は、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)から、半減算器340bの出力を減算して、最終的に垂直エッジ検出部130の出力DEmを生成する(DEmの特性の波形参照)。
【0056】
垂直エッジ検出部130の出力DEmは、第2ローパスフィルタ440へ入力される。
【0057】
第2ローパスフィルタ440は、垂直エッジ検出部130からの入力画像信号DEmに含まれる色信号の高周波成分を除去する。絶対値生成部450は、第2ローパスフィルタ440の出力の絶対値を生成する(A450の特性の波形参照)。
【0058】
最後に、第3ローパスフィルタ460が、A450の特性の波形に従って垂直幅判定信号Pを出力する。即ち、絶対値生成部450の出力の絶対値が、垂直方向の2つのエッジの間に含まれるものである場合、バイナリ信号の「1」が出力され、そうでなければ、バイナリ信号の「0」が出力される(Pの特性の波形参照)。
【0059】
図16は、本発明の第2実施形態に係る画像信号処理装置のブロック図を示す。
【0060】
図16を参照して、本発明の第2実施形態に係る画像信号処理装置は、アナログ−デジタル変換部(ADC)から入力される画像信号DBm(n)又はDRm(n)を画素毎に処理して、色信号に対応する輝度信号YL(n)を生成するものである。そして、前記画像信号処理装置は、第1ローパスフィルタ(LPF1)370、第2ローパスフィルタ(320、330、340a、340b、及び350)、第5ローパスフィルタ(LPF5)360、第1減算器380、第1加算器530、及び輝度信号制御部(81、470、480、490、500、320、330、340a、340b、430、440、450、460、510、及び520)を備える。
【0061】
第1ローパスフィルタ370は、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)に含まれる色信号の不要な周波成分を除去する。
【0062】
第2ローパスフィルタ(320、330、340a、340b、及び350)は、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の垂直方向の高周波成分を除去する。
【0063】
第5ローパスフィルタ360は、第2ローパスフィルタ(320、330、340a、340b、及び350)から出力される信号D(n)に含まれる色信号の高周波成分を除去する。
【0064】
第1減算器380は、第2ローパスフィルタ(320、330、340a、340b、及び350)から出力される信号D(n)から、第5ローパスフィルタ360の出力信号D(n)を減算して、高周波成分信号D(n)を生成する。
【0065】
第1加算器530は、第1ローパスフィルタ370の出力信号D(n)に、第1減算器380によって生成された高周波成分信号D(n)を加算して、輝度信号YL(n)を生成する。
【0066】
輝度信号制御部(81、470、480、490、500、320、330、340a、340b、430、440、450、460、510、及び520)は、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の画素位置が、或る対象領域の範囲内にある場合、第1減算器380によって生成された高周波成分信号D(n)を増加させ、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の画素位置が、前記対象領域の範囲外にある場合、第1減算器380によって生成された高周波成分信号D(n)を減少させる。
【0067】
ここで、上述の説明のとおり、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の画素位置が、前記対象領域の範囲内にある場合、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の輝度信号YL(n)には、正常な高周波成分が含まれている。この正常な高周波成分は、第1ローパスフィルタ370によって、色信号の不要な高周波成分と共に除去される。しかしながら、この輝度信号YL(n)の除去された正常な高周波成分は、輝度信号制御部(81、470、480、490、500、320、330、340a、340b、430、440、450、460、510、及び520)によって補償される。
【0068】
したがって、本発明の第2実施形態に係る画像信号処理装置によれば、第1ローパスフィルタ370で色信号の不要な高周波成分の除去をするしないにかかわらず、前記対象領域の範囲内で生成された輝度信号YL(n)の正常な高周波成分を維持することができる。したがって、画像の再現性を高めることができる。
【0069】
ガンマ変換部84は、陰極線管の輝度特性をあらかじめ逆ガンマ補正するために、第1加算器530から出力された輝度信号D(n)のガンマ変換を行う。
【0070】
輝度信号制御部(81、470、480、490、500、320、330、340a、340b、430、440、450、460、510、及び520)は、水平幅判定部81、階調類似度測定部(470、480、及び490)、第1乗算器500、垂直幅判定部(320、330、340a、340b、430、440、450、460、及び510)、第2乗算器510、及び第3乗算器520を備える。
【0071】
水平幅判定部81は、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の画素位置が、前記対象領域の水平幅の範囲内にある場合、バイナリ信号の「1」を出力し、そうでなければ、バイナリ信号の「0」を出力する。
【0072】
階調類似度測定部(470、480、及び490)は、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の階調の、水平方向の平均階調に対する類似の割合を示す階調類似度信号P(n)を生成する。
【0073】
第1乗算器500は、水平幅判定部81の出力信号に、階調類似度測定部(470、480、及び490)から出力された階調類似度信号P(n)を掛ける。
【0074】
垂直幅判定部(320、330、340a、340b、430、440、450、460、及び510)は、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の画素位置が、前記対象領域の垂直幅の範囲内にある場合、バイナリ信号の「1」を出力し、そうでなければ、バイナリ信号の「0」を出力する。
【0075】
第2乗算器510は、第1乗算器500から出力された信号に、垂直幅判定部(320、330、340a、340b、430、440、450、460、及び510)の出力信号P(n)を掛ける。
【0076】
そして、第3乗算器520は、第1減算器380から出力された高周波成分信号D(n)に、前記第2乗算器510から出力された信号P(n)を掛けて、その乗算をした結果得られた高周波成分信号を、第1加算器530へ出力する。
【0077】
輝度信号制御部(81、470、480、490、500、320、330、340a、340b、430、440、450、460、510、及び520)において、水平幅判定部81は、バンドパスフィルタ(図9の390)、絶対値生成部(図9の400)、メディアンフィルタ(図9の410)、及び最小値フィルタ(図9の420)を備える。すなわち、水平幅判定部81の構成及び動作は、上述の本発明の第1実施形態に係る水平幅判定部81の構成及び動作と同一であるため、水平幅判定部81の説明は省略する。
【0078】
階調類似度測定部(470、480、及び490)は、第6ローパスフィルタ(LPF6)470、平均レベル計算部490、及びレベル変換部480を備える。第6ローパスフィルタ470は、第1ローパスフィルタ370の出力信号D(n)に含まれる色信号の高周波成分を除去する。平均レベル計算部490は、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の画素位置の水平方向の平均階調を計算する。そして、レベル変換部480は、第6ローパスフィルタからの出力の階調の、平均レベル計算部490から出力された平均階調に対する類似の割合を示す階調類似度信号P(n)を生成する(図12参照)。
【0079】
垂直幅判定部(320、330、340a、340b、430、440、450、460、及び510)は、垂直エッジ検出部(320、330、340a、340b、及び430)、第3ローパスフィルタ(LPF3)440、絶対値生成部450、及び第4ローパスフィルタ(LPF4)460を備える。
【0080】
垂直方向の2つのエッジを検出するために備えられた垂直エッジ検出部(320、330、340a、340b、及び430)は、上述の本発明の第1実施形態に係る垂直エッジ検出部130(図13参照)と同一の動作特性を有する。
【0081】
第3ローパスフィルタ440は、垂直エッジ検出部(320、330、340a、340b、及び430)の出力信号に含まれる色信号の高周波成分を除去する。この第3ローパスフィルタ440は、上述の本発明の第1実施形態に係る第2ローパスフィルタ440(図13参照)と同一の動作特性を有する。
【0082】
第3ローパスフィルタ440の出力の絶対値を生成する絶対値生成部450は、上述の本発明の第1実施形態に係る絶対値生成部450と同一の動作特性を有する。
【0083】
第4ローパスフィルタ460は、絶対値生成部450によって生成された絶対値が、垂直方向の2つのエッジの間に含まれるものである場合、バイナリ信号の「1」を出力し、そうでなければ、バイナリ信号の「0」を出力する。この第4ローパスフィルタ460は、上述の本発明の第1実施形態に係る第3ローパスフィルタ460(図13参照)と同一の動作特性を有する。
【0084】
より詳しくは、垂直エッジ検出部(320、330、340a、340b、及び430)は、第1遅延器(1HDL)320、第2遅延器(1HDL)330、第2加算器340a、半減算器340b、及び第2減算器430を備える。
【0085】
第1遅延器(1HDL)320及び第2遅延器(1HDL)330は、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の画素の垂直方向における両側のエッジに位置する第1隣接画素及び第2隣接画素の入力画像信号を生成するのに用いられる。この第1遅延器(1HDL)320及び第2遅延器(1HDL)330は、上述の本発明の第1実施形態に係る第1遅延器(1HDL)320及び第2遅延器(1HDL)330(図14参照)と同一の動作特性を有する。
【0086】
第2加算器340aは、第1隣接画素及び第2隣接画素の入力画像信号を加算する。この第2加算器340aは、上述の本発明の第1実施形態に係る加算器340a(図14参照)と同一の動作特性を有する。
【0087】
第2加算器340aの出力を半減させる半減算器340bは、上述の本発明の第1実施形態に係る半減算器340b(図14参照)と同一の動作特性を有する。
【0088】
そして、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)から、半減算器340bの出力を減算する第2減算器430は、上述の本発明の第1実施形態に係る減算器430(図14参照)と同一の動作特性を有する。
【0089】
一方、第1ローパスフィルタは、第1遅延器(1HDL)320、第2遅延器(1HDL)330、第2加算器340a、半減算器340b、及び第3加算器350を備える。第3加算器350は、半減算器340bの出力信号に、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)を加算する。
【0090】
また、第1加算器530から出力された輝度信号D(n)が、水平輪郭補正部(540及び550)を介してガンマ変換部84へ入力される。ここで、水平輪郭補正部(540及び550)は、第2バンドパスフィルタ(BPF2)540及び第4加算器550を備える。
【0091】
第1加算器530から第2バンドパスフィルタ540へ、輝度信号D(n)が入力される。第4加算器550は、第1加算器530から出力された輝度信号D(n)に、第2バンドパスフィルタ540の出力信号を加算する。これにより、水平輪郭の補正を行うことができる。
【0092】
さらに、第4加算器550から出力された輝度信号は、垂直輪郭補正部(560、570、及び580)を介してガンマ変換部84へ入力される。ここで、垂直輪郭補正部(560、570、及び580)は、第3減算器560、第7ローパスフィルタ(LPF7)570、及び第5加算器580を備える。
【0093】
第3減算器560は、入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)から、半減算器340bの出力信号を減算する。第7ローパスフィルタ570は、第3減算器560の出力信号に含まれる色信号の高周波成分を除去する。そして、第5加算器580は、第4加算器550から出力された輝度信号に、第7ローパスフィルタ570の出力信号を加算する。これにより、垂直輪郭の補正を行うことができる。
【0094】
上述の説明のとおり、入力画像信号の画素位置が、或る対象領域の範囲内にある場合、入力画像信号の輝度信号には、正常な高周波成分が含まれている。この正常な高周波成分は、ローパスフィルタによって、色信号の高周波成分と共に除去される。しかしながら、輝度信号の除去された正常な高周波成分は、輝度信号制御部によって補償される。
【0095】
例示的な実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明は、それら実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で定義された本発明の精神及び範囲内で様々な変形及び改良をすることができることは、当業者には明らかであろう。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、輝度信号を生成する画像信号処理装置を使用する、あらゆる応用分野で利用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】一般的なデジタルカメラのCCDへ取り付けられるカラーフィルタの配列を示す図である。
【図2】一般的なデジタルカメラの基本的な構成を示すブロック図である。
【図3】図2のアナログ−デジタル変換部からのDBラインへ周期的に出力される画像信号の構成を示す図である。
【図4】図2のアナログ−デジタル変換部からDRラインへ周期的に出力される画像信号の構成を示す図である。
【図5】図2のアナログ−デジタル変換部からDRライン又はDBラインへ周期的に出力される画像信号の周波数特性を示す図である。
【図6】図2の画像信号処理装置における、入力画像信号に含まれる色信号及び輝度信号が印加されたローパスフィルタの特性を示すグラフである。
【図7】図2の画像信号処理装置の入力画像信号によって形成されたフレーム(FR)の被写体画像を示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る画像信号処理装置のブロック図である。
【図9】図8の水平幅判定部のブロック図である。
【図10】図9のバンドパスフィルタ(BPF1)の特性を示すグラフである。
【図11】図9の水平幅判定部の各構成要素の特性を示す図である。
【図12】図8の階調類似度測定部の特性を示すグラフである。
【図13】図8の垂直幅判定部のブロック図である。
【図14】図13の垂直エッジ検出部のブロック図である。
【図15】図13の垂直幅判定部の各構成要素の特性を示す図である。
【図16】本発明の第2実施形態に係る画像信号処理装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0098】
81 水平幅判定部
82 階調類似度測定部
83 垂直幅判定部
370 ローパスフィルタ
380 減算器
500、510、520 乗算器
530 加算器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナログ−デジタル変換部から入力される画像信号を画素毎に処理して、色信号に対応する輝度信号を生成するための画像信号処理装置であって、
前記入力画像信号に含まれる前記色信号の高周波成分を除去するローパスフィルタと、
前記入力画像信号から、前記ローパスフィルタの出力信号を減算して高周波成分信号を生成する減算器と、
前記ローパスフィルタの前記出力信号に、前記減算器によって生成された前記高周波成分信号を加算して前記輝度信号を生成する加算器と、
前記入力画像信号の画素位置が、或る対象領域の範囲内にある場合、前記減算器によって生成された前記高周波成分信号を増加させ、前記入力画像信号の画素位置が、前記対象領域の範囲外にある場合、前記減算器によって生成された前記高周波成分信号を減少させる輝度信号制御部とを備えることを特徴とする画像信号処理装置。
【請求項2】
陰極線管の輝度特性をあらかじめ逆ガンマ補正するために、前記加算器から出力される前記輝度信号のガンマ変換を行うガンマ変換部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像信号処理装置。
【請求項3】
前記輝度信号制御部が、
前記入力画像信号の画素位置が、前記対象領域の水平方向の幅の範囲内にある場合、バイナリ信号の「1」を出力し、そうでなければ、バイナリ信号の「0」を出力する水平幅判定部と、
前記入力画像信号の階調の、水平方向の平均階調に対する類似の割合を示す階調類似度信号を生成する階調類似度測定部と、
前記水平幅判定部の出力信号に、前記階調類似度測定部から出力された前記階調類似度信号を掛ける第1乗算器と、
前記入力画像信号の画素位置が、前記対象領域の垂直方向の幅の範囲内にある場合、バイナリ信号の「1」を出力し、そうでなければ、バイナリ信号の「0」を出力する垂直幅判定部と、
前記第1乗算器の出力信号に、前記垂直幅判定部の出力信号を掛ける第2乗算器と、
前記減算器から出力された前記高周波成分信号に、前記第2乗算器の出力信号を掛けて、前記乗算をして得られた高周波成分信号を前記加算器へ出力する第3乗算器とを備えることを特徴とする請求項1に記載の画像信号処理装置。
【請求項4】
前記水平幅判定部が、
前記水平方向の2つのエッジを検出するためのバンドパスフィルタと、
前記バンドパスフィルタの出力の絶対値を生成する絶対値生成部と、
前記絶対値生成部から出力された前記入力画像信号の絶対値が、前記水平方向の前記2つのエッジの間に含まれる場合、バイナリ信号の「1」を出力し、そうでなければ、バイナリ信号の「0」を出力するメディアンフィルタと、
前記メディアンフィルタの前記2つのエッジそれぞれによって占められる水平方向の領域を減らすための最小値フィルタとを備えることを特徴とする請求項3に記載の画像信号処理装置。
【請求項5】
前記垂直幅判定部が、
前記垂直方向の2つのエッジを検出するための垂直エッジ検出部と、
前記入力画像信号に含まれる前記色信号の高周波成分を除去する第2ローパスフィルタと、
前記第2ローパスフィルタの出力の絶対値を生成する絶対値生成部と、
前記絶対値生成部の前記出力信号の前記絶対値が、前記垂直方向の前記2つのエッジの間に含まれる場合、バイナリ信号の「1」を出力し、そうでなければ、バイナリ信号の「0」を出力する第3ローパスフィルタとを備えることを特徴とする請求項3に記載の画像信号処理装置。
【請求項6】
前記垂直エッジ検出部が、
前記入力画像信号の画素の垂直方向における両側のエッジに位置する第1隣接画素及び第2隣接画素の入力画像信号を加算する加算器と、
前記加算器の出力を半減させる半減算器と、
前記入力画像信号から、前記半減算器の出力を減算する減算器とを備えることを特徴とする請求項5に記載の画像信号処理装置。
【請求項7】
アナログ−デジタル変換部から入力される画像信号DBm(n)又はDRm(n)を画素毎に処理して、色信号に対応する輝度信号YL(n)を生成する画像信号処理装置であって、
前記入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)に含まれる前記色信号の不要な高周波成分を除去する第1ローパスフィルタと、
前記入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の垂直方向の高周波成分を除去する第2ローパスフィルタと、
前記第2ローパスフィルタから出力される信号D(n)に含まれる色信号の高周波成分を除去する第5ローパスフィルタと、
前記第2ローパスフィルタから出力される前記信号D(n)から、前記第5ローパスフィルタの出力信号D(n)を減算して、高周波成分信号D(n)を生成する第1減算器と、
前記第1ローパスフィルタの出力信号D(n)に、前記第1減算器によって生成された前記高周波成分信号D(n)を加算して、前記輝度信号YL(n)を生成する第1加算器と、
前記入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の画素位置が、或る対象領域の範囲内にある場合、前記第1減算器によって生成された前記高周波成分信号D(n)を増加させ、前記入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の画素位置が、前記対象領域の範囲外にある場合、前記第1減算器によって生成された前記高周波成分信号D(n)を減少させる輝度信号制御部とを備えることを特徴とする画像信号処理装置。
【請求項8】
陰極線管の輝度特性をあらかじめ逆ガンマ補正するために、前記第1加算器から出力された輝度信号D(n)のガンマ変換を行うガンマ変換部をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の画像信号処理装置。
【請求項9】
前記輝度信号制御部が、
前記入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の画素位置が、前記対象領域の水平方向の幅の範囲内にある場合、バイナリ信号の「1」を出力し、そうでなければ、バイナリ信号の「0」を出力する水平幅判定部と、
前記入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の階調の、水平方向の平均階調に対する類似の割合を示す階調類似度信号P(n)を生成する階調類似度測定部と、
前記水平幅判定部の出力信号に、前記階調類似度測定部から出力された前記階調類似度信号P(n)を掛ける第1乗算器と、
前記入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の画素位置が、前記対象領域の垂直方向の幅の範囲内にある場合、バイナリ信号の「1」を出力し、そうでなければ、バイナリ信号の「0」を出力する垂直幅判定部と、
前記第1乗算器の出力信号に、前記垂直幅判定部の出力信号P(n)を掛ける第2乗算器と、
前記第1減算器から出力された前記高周波成分信号D(n)に、前記第2乗算器の出力信号P(n)を掛けて、前記乗算をして得られた高周波成分信号を前記第1加算器へ出力する第3乗算器とを備えることを特徴とする請求項8に記載の画像信号処理装置。
【請求項10】
前記水平幅判定部が、
前記水平方向の2つのエッジを検出するためのバンドパスフィルタと、
前記バンドパスフィルタの出力の絶対値を生成する絶対値生成部と、
前記絶対値生成部から出力された前記入力画像信号の絶対値が、前記水平方向の前記2つのエッジの間に含まれる場合、バイナリ信号の「1」を出力し、そうでなければ、バイナリ信号の「0」を出力するメディアンフィルタと、
前記メディアンフィルタの前記2つのエッジそれぞれによって占められる水平方向の領域を減らすための最小値フィルタとを備えることを特徴とする請求項9に記載の画像信号処理装置。
【請求項11】
前記階調類似度測定部が、
前記第1ローパスフィルタの前記出力信号D(n)に含まれる前記色信号の前記高周波成分を除去する第6ローパスフィルタと、
前記入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の画素位置の水平方向の平均階調を計算する平均レベル計算部と、
前記第6ローパスフィルタからの出力の階調の、前記平均レベル計算部から出力された前記平均階調に対する類似の割合を示す前記階調類似度信号P(n)を生成するレベル変換部とを備えることを特徴とする請求項9に記載の画像信号処理装置。
【請求項12】
前記垂直幅判定部が、
前記垂直方向の2つのエッジを検出するための垂直エッジ検出部と、
前記垂直エッジ検出部の出力信号に含まれる前記色信号の高周波成分を除去する第3ローパスフィルタと、
前記第3ローパスフィルタの出力の絶対値を生成する絶対値生成部と、
前記絶対値生成部の前記出力信号の前記絶対値が、前記垂直方向の前記2つのエッジの間に含まれる場合、バイナリ信号の「1」を出力し、そうでなければ、バイナリ信号の「0」を出力する第4ローパスフィルタとを備えることを特徴とする請求項9に記載の画像信号処理装置。
【請求項13】
前記垂直エッジ検出部が、
前記入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)の画素の垂直方向における両側のエッジに位置する前記第1隣接画素及び前記第2隣接画素の入力画像信号を得るための第1遅延器及び第2遅延器と、
前記第1隣接画素及び第2隣接画素の前記入力画像信号を加算する第2加算器と、
前記第2加算器の出力を半減させる半減算器と、
前記入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)から、前記半減算器の出力を減算する第2減算器とを備えることを特徴とする請求項12に記載の画像信号処理装置。
【請求項14】
前記第1ローパスフィルタが、
前記第1遅延器と、
前記第2遅延器と、
前記第2加算器と、
前記半減算器と、
前記半減算器の前記出力に、前記入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)を加算する第3加算器とを備えることを特徴とする請求項13に記載の画像信号処理装置。
【請求項15】
前記第1加算器から出力された前記輝度信号D(n)が、水平輪郭補正部を介して前記ガンマ変換部へ入力されることを特徴とする請求項13に記載の画像信号処理装置。
【請求項16】
前記水平輪郭補正部が、
前記第1加算器から前記輝度信号D(n)を受信する第2バンドパスフィルタと、
前記第1加算器から出力された前記輝度信号D(n)に、前記第2バンドパスフィルタの出力信号を加算する第4加算器とを備えることを特徴とする請求項15に記載の画像信号処理装置。
【請求項17】
前記第4加算器から出力された輝度信号が、垂直輪郭補正部を介して前記ガンマ変換部へ入力されることを特徴とする請求項16に記載の画像信号処理装置。
【請求項18】
前記垂直輪郭補正部が、
前記入力画像信号DBm(n)又はDRm(n)から、前記半減算器の前記出力信号を減算する第3減算器と、
前記第3減算器の出力信号に含まれる色信号の高周波成分を除去する第7ローパスフィルタと、
前記第4加算器から出力された前記輝度信号に、前記第7ローパスフィルタの出力信号を加算する第5加算器とを備えることを特徴とする請求項17に記載の画像信号処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−301483(P2008−301483A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−129418(P2008−129418)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【出願人】(500548884)三星テクウィン株式会社 (156)
【Fターム(参考)】