説明

再生信号評価方法、情報記録媒体、及び情報再生装置

【課題】所定の情報が高密度記録された情報記録媒体から得られる再生信号を精度良く評価することが可能な再生信号評価方法。
【解決手段】異なるサイズの記録マークによりディジタル情報が記録された情報記録媒体から再生信号を得るステップ(ST11)と、再生信号に含まれる信号のうち、最大サイズの記録マークにより記録されたディジタル情報が反映された第1の再生信号の振幅を求めるステップ(ST12)と、再生信号に含まれる信号のうち、最小サイズの次に小さい記録マークにより記録されたディジタル情報が反映された第2の再生信号の振幅を求めるステップ(ST13)と、第1及び第2の再生信号の振幅の比率から評価値を求めるステップ(ST14)と、評価値で再生信号の特性を評価するステップ(ST15)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディジタル情報が記録された情報記録媒体から再生される再生信号の品質を評価する再生信号評価方法に関する。また、本発明は、ディジタル情報が記録された情報記録媒体に関する。さらに、本発明は、ディジタル情報が記録された情報記録媒体からディジタル情報を再生する情報再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスクや磁気ディスク等のディジタルデータを書き込み/読み出しするディジタル記録再生装置では、高密度記録技術の向上により単位面積当たりの記憶容量が高くなってきており、再生信号品質の余裕が低下してきている。そのため、記録状態を正確に決めておく必要がある。特に交換可能な媒体を使用している場合には、同一の媒体を複数の装置で使用することや、同一の装置において複数の媒体を使用した場合の互換性の問題も発生する。そこで互換性を確保する点からも、媒体から所定の装置により信号を再生したときの特性を規定する必要がある。
【0003】
以下、従来の光ディスク装置について図10を用いて説明する。
【0004】
光ディスク100にはディジタルデータが信号トラックを形成して記録されている。光ディスクの形態は記録の可能な記録再生型に加えて、製造時にディスク表面の凹凸にデータを記録した再生専用ディスクや、記録可能な領域と再生専用の領域が混在したディスクでもよい。
【0005】
再生を行うには光ディスク100をモータ101により回転させ、光ヘッド102によりレーザー光を用いて光ディスク100に記録されている信号を読み出す。光ヘッド102では、LD(レーザダイオード)から出射される光ビームが対物レンズにより光ディスク100に形成されたトラック上の記録マーク(凹凸でデータが記録されたピット及び反射率変化で記録されたマークの両者を含む)に集光される。光ディスク100で反射された光ビームは集光レンズで光検出器に集光されて再生信号が得られる。
【0006】
光ヘッド102から出力された信号は、再生アンプ103において信号を増幅した後に波形等化部104で波形等化される。波形等化部104ではトラックに沿って連続して記録されたディジタルデータの識別を容易にするために、高域強調などの特性を持ったフィルタにより構成される。
【0007】
記録されたディジタルデータを元のデータに復元するためには、等化された再生信号を0か1の2値データにすると共に、クロック同期を取ってデータの識別を行う必要がある。光ディスクには特にクロック信号は記録されていないため、PLL回路105において再生信号からクロック信号を作り出す。一方、波形スライス識別回路106では、PLL回路105から出力されるクロック信号に同期して2値データを出力する。識別方法は再生信号の中心レベルを基準としてレベル比較器により0と1の区別を行う、波形スライス方式を用いていた。
【0008】
波形スライス方式について、図11の動作波形図を用いて説明する。光ディスクには、例えば図11(a)に示す記録データに対応する図11(b)に示す記録波形に従って、図11(c)に示すように記録マークが形成されている。このようにして光ディスクに記録された情報を再生する場合、光ディスク上に光ヘッド内のLDから再生用光ビームが図11(c)中に斜線で示すような微小なビームスポットとして照射され、記録マークが読み出されることにより、再生信号が得られる。この再生信号の波形(再生波形)は、記録再生系の特性から図11(b)の記録波形ような矩形波としてはならず、図11(d)に示すように鈍った波形として得られる。
【0009】
そこで、等化器では再生波形に対して図11(e)に示すように等化波形とある設定された閾値(一点鎖線で示す)との交点が識別点の中心になるような波形等化が施される。具体的には、再生信号の高周波成分の増幅が行なわれる。識別器では、識別点における等化波形と閾値と比較結果に対して、等化波形のレベルが高ければ‘1’、低ければ‘0’として2値データを出力する。その結果、図11(f)に示すように復号データが得られる。
【0010】
光ディスクやドライブの評価基準としては、波形等化後のジッタと、波形等化前の変調振幅及び非対称性が用いられている。
【0011】
ジッタの定義方法に付いて説明する。等化波形と閾値との交点は、雑音等のため必ずしもウィンドウの中心とはならない。従って、等化波形と閾値との交点は識別点の間隔(ウィンドウ)に対し図12に示すように分布する。このときウィンドウ幅で規格化したときの交点データの標準偏差でジッタを表現する。
【0012】
次に変調振幅と非対称性に付いて説明する。再生信号は光学系の分解能(MTF)特性により、光ディスク上の記録マークが小さく密度の高い信号の振幅は小さく、記録マークが大きく密度の低い信号の振幅は大きくなる。また記録マークの大きさが、光ディスク上のスポットサイズに応じた大きさ以上になると再生信号振幅はほぼ一定となる。その結果、複数種類の大きさの記録マークが形成された光ディスクからの再生信号は図13に示すようになる。
【0013】
このとき変調振幅(MA)は最も密度の高い信号の振幅(最密信号振幅:I0)と最も密度の低い信号の振幅(最粗信号振幅:I1)の比で定義される。最密信号振幅は最も密度の高い信号の振幅であり、最も信号レベルの変化周期が短く、信号振幅が最も小さい。最粗信号振幅は最も密度の低い信号の振幅であり、最も信号レベルの変化周期が長く、信号振幅が大きい。ある程度以上密度の低い信号振幅はほぼ等しいので、再生信号全体の振幅の最大値と考えて良い。この2つの値の比率から変調振幅は以下の式で示すことができる。
【0014】
MA=I0/I1 ・・・式1
また非対称性(SA)は最密信号の中心レベルと最粗信号の中心レベルのズレ量で定義される。最密信号の低レベル側(L0L)と高レベル側(L0H)、最粗信号振幅の低レベル側(L1L)と高レベル側(L1H)から、非対称性は以下の式で示すことができる。
【0015】
SA=((L1H+L1L)-(L0H+L0L))/2(L1H-L1L) ・・・式2
これらの定義方式は、最密信号の振幅が十分に確保されていると同時に、品質的にも十分なSNが確保されている場合には機能していた。実際2値波形スライスによるデータの識別を行った場合でも誤り率が十分に良好な場合には、最密信号の振幅を測定することが可能であった。
【0016】
しかし、記録密度を向上させると最密信号の振幅が低下して2値波形スライスによる識別が困難になると共に、隣接するデータの間で干渉が発生してデータの分離が困難になってくる。これらの現象は誤り率の悪化を引き起こし、記憶されたデータの読み出しができなくなってしまう。
【0017】
このような高密度化に伴う現象への対応手段としてPRML方式がある。PRMLは2値波形スライスに代わるデータ識別手段であり、データ間の干渉の影響を取り除き、最密信号の品質が多少低下してもその前後のデータからより確からしいデータを再生することができる。
【0018】
このように高密度化に対応した新しい手段を導入した場合でも、再生信号における最密信号振幅の低下と品質の低下は避けられない。このような状況下で従来通りの最密信号に依存した変調振幅と非対称性の定義では、再生信号を正確に評価することは困難となる。また識別方法が変わったにもかかわらず従来の2値波形スライスを前提とした評価方法では、評価結果と識別後の誤り率の対応が十分に取れないため、媒体からの再生信号に求められる要求を正しく反映させることができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
このように従来の定義に基づく変調振幅や非対称性などの再生信号に関する規定方法では、高密度化に伴い最密信号振幅が低下して品質が悪化した場合には、再生信号を正確に評価することが困難となる問題があった。
【0020】
また高密度化に対応してPRML方式を導入すると、2値波形スライスを前提とした定義では、評価結果と識別後の誤り率が正しく対応しない問題があった。
【0021】
再生信号を正確に評価できないことは、特に記憶媒体が交換可能なシステムにおいて、互換性を確保するための記憶媒体の規定ができなくなることを意味するため、識別後の誤り率との対応関係が良い評価方法を規定する必要がある。
【0022】
この発明の目的は、上記したような事情に鑑み成されたものであって、下記の再生信号評価方法、情報記録媒体、及び情報再生装置を提供することにある。
【0023】
(1)所定の情報が高密度記録された情報記録媒体から得られる再生信号を精度良く評価することが可能な再生信号評価方法。
【0024】
(2)所定の評価条件を満たした再生信号が得られるように所定の情報が高密度記録された情報記録媒体。
【0025】
(3)所定の評価条件を満たした再生信号が得られるように所定の情報が高密度記録された情報記録媒体を再生する情報再生装置。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記課題を解決し目的を達成するために、この発明の再生信号評価方法、情報記録媒体、及び情報再生装置は、以下のように構成されている。
【0027】
(1)この発明の再生信号評価方法は、様々なサイズの記録マークによりディジタル情報が記録された情報記録媒体を光学的手段により再生し、前記ディジタル情報が反映された再生信号を得るステップと、前記再生信号に含まれる信号のうち、最もサイズの大きい記録マークにより記録されたディジタル情報が反映された第1の再生信号(即ち最も記録密度の低い再生信号)の振幅を求めるステップと、前記再生信号に含まれる信号のうち、最もサイズの小さい記録マークを除く所定サイズの記録マークにより記録されたディジタル情報が反映された第2の再生信号(即ち最も記録密度の高い再生信号を除く所定記録密度の再生信号)の振幅を求めるステップと、前記第1及び第2の再生信号の振幅の比率に基づき評価値を求めるステップと、前記評価値で前記再生信号の特性を評価するステップとを備えている。
【0028】
(2)この発明の再生信号評価方法は、様々なサイズの記録マークによりディジタル情報が記録された情報記録媒体を光学的手段により再生し、前記ディジタル情報が反映された再生信号を得るステップと、前記再生信号に含まれる信号のうち、最もサイズの大きい記録マークにより記録されたディジタル情報が反映された第1の再生信号(即ち最も記録密度の低い再生信号)の振幅中心レベルを求めるステップと、前記再生信号に含まれる信号のうち、最もサイズの小さい記録マークを除く所定サイズの記録マークにより記録されたディジタル情報が反映された第2の再生信号(即ち最も記録密度の高い再生信号を除く所定記録密度の再生信号)の振幅中心レベルを求めるステップと、前記第1及び第2の再生信号の振幅中心レベルの差分値に基づき評価値を求めるステップと、前記評価値で前記再生信号の特性を評価するステップとを備えている。
【0029】
(3)この発明の再生信号評価方法は、上記(1)又は(2)の記載に加えて、最もサイズの小さい記録マークにより記録されたディジタル情報が反映された第3の再生信号(即ち最も記録密度が高い再生信号)の振幅が、最もサイズの大きい記録マークにより記録されたディジタル情報が反映された第1の再生信号(即ち最も記録密度が低い再生信号)の振幅に対して15%以下又は20%以下の場合に、第3の再生信号(即ち最も記録密度が高い再生信号)を評価対象から除く。
【0030】
(4)この発明の再生信号評価方法は、上記(1)〜(3)のいずれかの記載に加えて、第2の再生信号(即ち最も記録密度の高い再生信号を除く所定記録密度の再生信号)として、2番目にサイズの小さい記録マークにより記録されたディジタル情報が反映された再生信号(即ち2番目に密度の高い再生信号)を用いる。
【0031】
(5)この発明の再生信号評価方法は、ディジタル情報が記録された情報記録媒体を光学的手段により再生し、前記ディジタル情報が反映された再生信号を得るステップと、前記再生信号を所定のパーシャルレスポンス特性に基づき等化し、多値レベルの等化信号を得るステップと、前記等化信号の振幅のレベル分布を求め、このレベル分布から複数の実測ピーク値を求めるステップと、前記所定のパーシャルレスポンス特性から複数の理想ピーク値を求めるステップと、前記各実測ピーク値と前記各理想ピーク値との差分値を求めるステップと、各ピーク値の差分値の絶対値の総和又は平均値に基づき評価値を求めるステップと、前記評価値で前記再生信号の特性を評価するステップとを備えている。
【0032】
(6)この発明の再生信号評価方法は、ディジタル情報が記録された情報記録媒体を光学的手段により再生し、前記ディジタル情報が反映された再生信号を得るステップと、前記再生信号を所定のパーシャルレスポンス特性に基づき等化し、多値レベルの等化信号を得るステップと、前記等化信号の振幅のレベル分布を求め、このレベル分布から複数の実測ピーク値を求めるステップと、前記所定のパーシャルレスポンス特性から複数の理想ピーク値を求めるステップと、前記各実測ピーク値と前記各理想ピーク値との差分値を求めるステップと、各ピーク値の差分値の二乗値の総和又は平均値に基づき評価値を求めるステップと、前記評価値で前記再生信号の特性を評価するステップとを備えている。
【0033】
(7)この発明の再生信号評価方法は、上記(5)又は(6)の記載に加えて、前記差分値に対して各レベル分布のピークに対応した重み係数を掛け合わせて修正差分値を求めるステップを有し、前記差分値の代わりにこの修正差分値を採用する。
【0034】
(8)この発明の再生信号評価方法は、上記(7)の記載に加えて、各レベル分布のピークに対する分散値から前記重み係数を求める。
【0035】
(9)この発明の再生信号評価方法は、上記(7)の記載に加えて、各レベル分布のピークに対する発生頻度から前記重み係数を求める。
【0036】
(10)この発明の再生信号評価方法は、上記(7)の記載に加えて、前記等化信号に対してビタビ復号による識別を行う場合の誤りに対する、各レベル分布のピークに対する影響度から前記重み係数を求める。
【0037】
(11)この発明の再生信号評価方法は、上記(5)〜(10)のいずれかの記載に加えて、前記パーシャルレスポンス特性がPR(1,2,2,1)である。
【0038】
(12)この発明の再生信号評価方法は、上記(5)〜(11)のいずれかの記載に加えて、前記評価値を求めるに際し、少なくとも一部のレベル分布に対する差分値を評価値を求める対象から除く。
【0039】
(13)この発明の再生信号評価方法は、上記(1)〜(12)のいずれかの記載に加えて、情報記録媒体に記録されたディジタル情報の最短ビット長が2ビットである。
【0040】
(14)この発明の情報記録媒体は、上記(1)〜(13)のいずれかに記載された再生信号評価方法により再生信号が評価されたとき、所定の評価条件を満たした再生信号が得られるようにディジタル情報を記録する。
【0041】
(15)この発明の情報再生装置は、上記(14)に記載された情報記録媒体を再生し、所定の評価条件を満たした再生信号を得る。
【発明の効果】
【0042】
この発明によれば、下記の再生信号評価方法、情報記録媒体、及び情報再生装置を提供できる。
【0043】
(1)所定の情報が高密度記録された情報記録媒体から得られる再生信号を精度良く評価することが可能な再生信号評価方法。
【0044】
(2)所定の評価条件を満たした再生信号が得られるように所定の情報が高密度記録された情報記録媒体。
【0045】
(3)所定の評価条件を満たした再生信号が得られるように所定の情報が高密度記録された情報記録媒体を再生する情報再生装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0047】
本発明をディジタル光ディスク装置に適用した実施形態に関して図を参照しながら説明する。
【0048】
図1は高密度光ディスクに対応した、PRML(Partial Response and Maximum Likelihood)方式を採用した光ディスク装置の再生信号処理を示している。
【0049】
光ディスク100には高密度のディジタルデータが信号トラックを形成して記録されている。光ディスクの形態は記録の可能な記録再生型に加えて、製造時にディスク表面の凹凸にデータを記録した再生専用ディスクや、記録可能な領域と再生専用の領域が混在したディスクでもよい。
【0050】
再生を行うには光ディスク100をモータ101により回転させ、光ヘッド102により、レーザー光を用いて光ディスク100に記録されている信号を読み出す。光ヘッド102で読み出した信号は再生アンプ103において信号を増幅した後にA/D変換器107によりサンプリングを行いディジタルデータに変換する。サンプリングに使用するクロックはPLL回路105で等化後信号から位相誤差信号を検出し、再生信号と生成したクロック信号が同期するように動作する。
【0051】
ディジタルに変換された再生信号は次にPR等化部108によりPR等化される。図10に示す従来の波形等化部104では、2値波形スライスを容易にするために振幅の小さい最密信号を増幅する高域強調の特性を持っていた。それに対して図1に示すPR等化部108では、出力波形があらかじめ決められた特定の干渉パターンを受けた波形となる特性を持っている。
【0052】
図2を用いて再生信号波形とPR等化について説明する。図2(a)〜(d)は、図11(a)〜(d)と同様に、それぞれ記録データ、記録波形、記録マーク、再生波形を示す。図2(d)の再生波形に対し、等化器でPR(1,2,2,1)特性に基づく等化を行った場合の等化後の波形を図2(e)にそれぞれ示す。PR(1,2,2,1)特性とは、インパルス応答が、連続する4識別点に各々1:2:2:1の割合で現れる特性をいう。図示しないが、他のPR(1,2,1)等のPR特性についても同様である。PRML方式では、光ディスクから再生される実際の再生波形の特性に近いPR特性へ波形等化することにより、等化器での信号劣化を抑制できる。PR等化部108は例えば図3に示すように、縦列接続された1サンプル時間の各遅延器201の出力に対して、乗算器202において所定の係数を掛け合わせ、各乗算器202の出力を加算器203で足し合わせる形式の、トランスバーサルフィルタで構成することができる。
【0053】
PRML方式の再生信号処理系では、等化器の後に配置される識別器には、最尤復号器の代表的な一つであるビタビ復号器109が一般に用いられる。PR等化部108で再生信号がPR(1,2,2,1)特性へ等化されたとすると、ビタビ復号器は、PR(1,2,2,1)特性を満たす全ての系列の中から等化波形のサンプル系列との誤差が最も小さい系列を選択し、選択された系列に対応する2値データ(復号データ)を出力する。この様子を図4に示す。図4(a)において丸印で示した点が等化波形のサンプル系列、実線で結んだ線がビタビ復号により選択された信号系列を示している。選択された信号系列レベルは図4(b)となるので、PR(1,2,2,1)特性から復号データは図4(c)に示すように識別される。
【0054】
PRML方式では、復号を1つのサンプル値から行うのではなく複数のサンプル値から行い、最も確からしい信号系列として識別を行うため、サンプル値の間で相関を持たない信号劣化成分に対する耐性が強い。
【0055】
光ディスク装置では、光学系の特性から分解能(MTF:Modulation transfer function)が制約される。MTFは記録マークが小さくなるほど再生信号振幅が低下する特性を持っている。分解能が高ければより小さい記録マークの再生が可能となる。その一方で、分解能は使用するLDの波長や対物レンズの開口率によって制限されるため、自由に分解能を上げることはできない。従って分解能が制約された条件の下で記録密度を高めると、記録マークの小さい部分の再生信号振幅が低下してくる。
【0056】
MTF特性の例を図5に示す。縦軸は再生信号の振幅値、横軸は1ビットの大きさで規格化した記録マークのサイズを示している。データがRLL(1,7)変調で記録されている場合、最も密度の高い最密マーク(最もサイズの小さい記録マーク)は2ビット(2T)となり、最も密度の低い最粗マーク(最もサイズの大きい記録マーク)は8ビット(8T)となる。従って、最も密度の高い2Tの再生信号は非常に低い振幅しか得られない。実際の再生波形では、この振幅の低い信号に対して雑音が加わり、さらに隣接する信号からの干渉の影響を受け、さらに最密信号を安定して記録することも難しいため、再生される最密信号の品質は著しく低下してしまう。従って従来の最密信号の振幅を用いた再生信号の規定は正しい値を正確に求めることは困難となる。
【0057】
高密度光ディスクにRLL(1,7)変調されたランダムデータを記録した場合の再生信号波形の例を図6に示す。図6に示した波形は、再生アンプ103の出力をオシロスコープで観測することにより得ることができる。この観測結果から最も密度の低い8T信号は測定結果の最大振幅から図6のI8として測定することができる。一方最も密度の高い2T信号の振幅は図6のI2と思われるが、信号振幅が小さく雑音や干渉の影響を受けているために、精度良く測定することが困難なため、ディスクから再生された信号の評価には不適当である。
【0058】
そこで、最も密度の高い信号の振幅が最も密度の低い信号の20%以下(又は15%以下)となるような高密度ディスクの場合には、2T信号の次に密度の高い3T信号(即ち最もサイズの小さい記録マークより1ランク大きいサイズの記録マークにより記録された情報が反映された信号)の振幅に着目する。図6のI3に示す3T信号振幅は2T信号の場合と比較しても十分な振幅が確保できているため、高密度光ディスクの評価に適している。
【0059】
次に2番目に密度の高い準最密信号と、最も密度の低い最粗信号を用いた、高密度光ディスクにおける再生信号の評価方法に付いて図6を用いて説明する。
【0060】
再生信号の評価項目として変調振幅がある。光ディスク装置の光学系の分解能が悪化すると、MTF特性が低下するため、密度の低い信号に対する影響は小さいが、密度の高い信号振幅は大きく低下する。従って密度の高い信号振幅と密度の低い信号振幅を比較し、変調振幅を求めることによって、光学系の解像度が規定を満たしているか、あるいは光ディスクが所定の解像度を持った装置で正常に記録されたか否かを評価することが可能となる。
【0061】
RLL(1,7)変調で記録された高密度光ディスクの場合、準最密信号として2番目に密度の高い3T信号振幅(I3)を、最粗信号として最も密度の低い8T信号振幅(I8)を用い、以下の式で変調振幅(MA)を定義することで、光ディスク及び再生信号を安定して評価することができる。
【0062】
MA=I3/I8 ・・・式3
また再生信号の他の評価項目として非対称性がある。波形スライスによる識別を行うためには、再生信号の中心レベルが信号密度によらず一定であることが必要であったために、非対称性が評価項目に加えられていた。高密度化のために識別方式がPRML方式と変更になった場合には、中心レベルに加えて各密度に応じた信号レベルも重要となってくるため、引き続き非対称性は重要な評価項目となる。非対称性は光ディスクに形成されるマークの形状や、ビームスポット形状の影響を受ける。
【0063】
RLL(1,7)変調で記録された高密度光ディスクの場合、準最密信号として2番目に密度の高い3T信号の中心レベルと、最粗信号として最も密度の低い8T信号の中心レベルのズレ量で、非対称性を考えることができる。つまり、3T信号の低レベル側(L3L)と高レベル側(L3H)、最粗信号振幅の低レベル側(L8L)と高レベル側(L8H)から、以下の式で非対称性(SA)を定義することで、光ディスク及び再生信号を安定して評価することができる。
【0064】
SA=((L8H+L8L)-(L3H+L3L))/2(L8H-L8L) ・・・式4
このように、高密度の光ディスクにおいては最密信号を用いた変調振幅及び非対称性の定義では、最密信号のレベルと品質の低下により安定した評価が困難になるため、最密信号に替わり最密信号よりも密度が低い準最密信号を用いることにより、安定した評価が可能となる。準最密信号には2番目に密度が高い信号が適しているが、最粗信号に対して十分なレベル差があれば他のレベルの信号を用いても良い。
【0065】
ここで、上記説明した再生信号評価方法を、図8に示すフローチャートを参照してまとめる。図8に示すように、まず、再生信号が検出される(ST11)。つまり、様々なサイズの記録マークによりディジタル情報が記録された情報記録媒体を光学的手段により再生し、前記ディジタル情報が反映された再生信号が検出される。検出された再生信号に含まれる信号のうち、最もサイズの大きい記録マークにより記録されたディジタル情報が反映された第1の再生信号(即ち最も記録密度の低い再生信号)の振幅が求められる(ST12)。また、再生信号に含まれる信号のうち、最もサイズの小さい記録マークを除く所定サイズの記録マークにより記録されたディジタル情報が反映された第2の再生信号(即ち最も記録密度の高い再生信号を除く所定記録密度の再生信号)の振幅が求められる(ST13)。そして、第1及び第2の再生信号の振幅の比率、又は振幅中心レベルの差分値に基づき評価値が算出される(ST14)。この評価値で再生信号の特性が評価される(ST15)。
【0066】
また、上記した再生信号評価方法により再生信号を評価し、所定の評価条件を満たした再生信号が得られるようにディジタル情報を記録した情報記録媒体を提供することもできる。さらに、このような情報記録媒体を再生したとき、所定の評価条件を満たした再生信号を得ることができる情報再生装置も提供できる。上記した情報記録媒体を再生装置で再生した場合、確実に所定の評価条件を満たした再生信号が得られるため、特定に機種だけでなく、安定した再生結果を得ることができるようになる。
【0067】
これまでは波形等化前の再生アンプの出力信号を用いた場合の評価方法に付いて述べてきたが、波形等化後の信号で評価することも可能である。次に波形等化後の信号を用いた評価方法に付いて説明する。
【0068】
PR(1,2,2,1)特性の再生信号波形と等化波形のサンプル系列の例は図4で示した。この等化後のサンプル値をレベル方向に分類して収集したヒストグラムの例を図7に示す。PR(1,2,2,1)特性の場合には6個の分布の山が現れる。それぞれのレベル分布のピークの値をP0からP6とする。変調振幅と非対称性が良好で波形等化が適切に行われている場合には、P0からP6までの値がそれぞれPR(1,2,2,1)特性から計算で求めたC0からC6までの理想値に等しくなる。理想値は隣接するレベル分布のピークの間隔が全て等しいため以下の関係を持っている。
【0069】
(Cn)-(Cn-1)=(C6-C0)/6 ・・・式5
光ディスクが適切に作られていなかったり、装置に調整不良があると、変調振幅や非対称性がずれるために、これらのレベル分布におけるピークの値が理想値からずれてくる。サンプル値が理想値からずれてくるとビタビ復号器において最適データ系列を計算する段階で誤差が生じ、誤差が大きくなると識別誤りが発生する。従ってそれぞれのピークに対して理想値からのズレを求めることにより、光ディスク及び再生信号を評価することができる。
【0070】
次に図7に示した、等化波形のサンプル系列に対して求めたレベル分布のピークから、評価値を求める方法に付いて説明する。
【0071】
第1の方法として各レベル分布のピークの値毎に理想値との差分を求め、その絶対値の和で特性を評価する。その時信号特性(S1)は以下の式6で示される。
【数1】

【0072】
上記したように絶対値の和だけでなく、絶対値の平均値で特性を評価するようにしてもよい。
【0073】
又は、第2の方法として各レベル分布のピークの値毎に理想値との差分を求め、その二乗の和で特性を評価する。その時信号特性(S2)は以下の式7で示される。
【数2】

【0074】
上記したように二乗の和だけでなく、二乗の平均値で特性を評価するようにしてもよい。
【0075】
以上に示した等化波形を用いた評価方法は、比較的容易に等化器性能を含めた評価方法として有用である。一方、測定結果を識別後の誤り率がより確からしく反映させるようにするためには、信号の性質や識別方法を考慮して、各レベル分布のピークに関する差分値に重み付けを行った後に処理することが望ましい。そのとき式6及び式7は、各レベル分布のピークに対する重み係数をそれぞれW0からW6とすると、式8及び式9のように追加修正することができる。
【数3】

【0076】
次に重み係数の決定方法に関与するパラメータの例について説明する。
【0077】
ヒストグラムに現れる各ピークの分布に着目すると、雑音成分の発生要因や波形等化の周波数特性の影響を受けるため、各分布の分散は必ずしも同一ではない。ピーク値の理想値からのズレ量が同じでも、分散が大きいと分布の端のサンプル値は理想値から大きく離れ、隣の分布と大きく重なってしまうために、識別を行う段階で誤りとなる可能性が高くなる。従って分散が大きいピークに関しては重み付けを大きくすると共に、分散の小さいピークに関しては重み付けを小さくすることにより、評価結果と誤り率の関係を近づけることができる。
【0078】
また、記録データの変調特性から各レベル分布の発生頻度は必ずしも等しくない。発生頻度の高いレベル分布のピークがずれた場合の方が、全体としての誤り率への影響が高いと考えることができる。一般に記録データは信号の偏りをなくすためにランダム化されている場合が多い。従って変調方式が決まれば、実際の発生頻度分布はランダムデータを変調した場合の発生頻度とほぼ等しいと考えることができる。従ってランダムデータに対する各レベルの発生頻度の比率を重み係数として使うことにより、評価結果と誤り率の関係を近づけることができる。
【0079】
また、後段のビタビ復号の特性から、信号レベルによって識別後の誤りに対する影響度は同じとは限らない。例えばPR(1,2,2,1)特性の場合、等化波形の最小レベルP0が理想値C0よりも小さくなったり、最大レベルP6が理想値C6よりも多少大きくなっても、ビタビ復号ではエラーとなりにくい。その一方、P1,P2,P4,P5のような中間レベルのズレは比較的誤りの発生要因となり易い。このようなビタビ復号の特性を考慮した識別後の誤りに対する影響度は、実際に誤りが発生した時の等化波形のレベルを測定することにより求めることができる。誤りに対する影響度が大きいレベルに対する重み付けを大きくし、小さいレベルに対する重み付けを小さくすることにより、評価結果と誤り率の関係を近づけることができる。
【0080】
いずれの方法もPR特性で定義されるピークの数に合わせて、全てのピークに対して加算を行うことを基本とするが、簡略化のために一部ピークに関してのみ加算を行い評価値として代表させても良い。もちろんこれら複数のパラメータに対する影響度を組み合わせて最終的に総合的な重み係数を決定しても良い。
【0081】
このように、等化波形をサンプリングした値をレベル方向に分類して収集したヒストグラムからレベル分布のピークを求め、理想値との差分に重み付けを行った上で加算することにより、識別後の誤り率で評価する場合と比較して、より簡便に等化器性能を含めた誤り率との対応がとれる評価を行うことができる。
【0082】
ここで、上記説明した再生信号評価方法を、図9に示すフローチャートを参照してまとめる。図9に示すように、まず、再生信号が検出される(ST21)。つまり、様々なサイズの記録マークによりディジタル情報が記録された情報記録媒体を光学的手段により再生し、前記ディジタル情報が反映された再生信号が検出される。検出された再生信号を所定のパーシャルレスポンス特性に基づき等化し、多値レベルの等化信号が生成される(ST22)。等化信号の振幅のレベル分布が求められ、このレベル分布から複数の実測ピーク値が算出される(ST23)。所定のパーシャルレスポンス特性から複数の理想ピーク値が算出される(ST24)。各実測ピーク値と各理想ピーク値との差分値が求められる(ST25)。各ピーク値の差分値の絶対値の総和又は平均値、或いは二乗値の総和又は平均値に基づき評価値が算出される(ST26)。この評価値で再生信号の特性が評価される(ST27)。
【0083】
また、上記した再生信号評価方法により再生信号を評価し、所定の評価条件を満たした再生信号が得られるようにディジタル情報を記録した情報記録媒体を提供することもできる。さらに、このような情報記録媒体を再生したとき、所定の評価条件を満たした再生信号を得ることができる情報再生装置も提供できる。上記した情報記録媒体を再生装置で再生した場合、確実に所定の評価条件を満たした再生信号が得られるため、特定に機種だけでなく、安定した再生結果を得ることができるようになる。
【0084】
以下に、本実施形態についてまとめる。
【0085】
(1)本実施形態に係る再生信号評価方法は、様々なサイズの記録マークによりディジタル情報が記録された情報記録媒体を光学的手段により再生し、前記ディジタル情報が反映された再生信号を得るステップと、前記再生信号に含まれる信号のうち、最もサイズの大きい記録マークにより記録されたディジタル情報が反映された第1の再生信号の振幅を求めるステップと、前記再生信号に含まれる信号のうち、最もサイズの小さい記録マークを除く所定サイズの記録マークにより記録されたディジタル情報が反映された第2の再生信号の振幅を求めるステップと、前記第1及び第2の再生信号の振幅の比率に基づき評価値を求めるステップと、前記評価値で前記再生信号の特性を評価するステップと、を備えている。
【0086】
(2)本実施形態に係る再生信号評価方法は、様々なサイズの記録マークによりディジタル情報が記録された情報記録媒体を光学的手段により再生し、前記ディジタル情報が反映された再生信号を得るステップと、前記再生信号に含まれる信号のうち、最もサイズの大きい記録マークにより記録されたディジタル情報が反映された第1の再生信号の振幅中心レベルを求めるステップと、前記再生信号に含まれる信号のうち、最もサイズの小さい記録マークを除く所定サイズの記録マークにより記録されたディジタル情報が反映された第2の再生信号の振幅中心レベルを求めるステップと、前記第1及び第2の再生信号の振幅中心レベルの差分値に基づき評価値を求めるステップと、前記評価値で前記再生信号の特性を評価するステップと、を備えている。
【0087】
(3)本実施形態に係る再生信号評価方法は、ディジタル情報が記録された情報記録媒体を光学的手段により再生し、前記ディジタル情報が反映された再生信号を得るステップと、前記再生信号を所定のパーシャルレスポンス特性に基づき等化し、多値レベルの等化信号を得るステップと、前記等化信号の振幅のレベル分布を求め、このレベル分布から複数の実測ピーク値を求めるステップと、前記所定のパーシャルレスポンス特性から複数の理想ピーク値を求めるステップと、前記各実測ピーク値と前記各理想ピーク値との差分値を求めるステップと、各ピーク値の差分値の絶対値の総和又は平均値に基づき評価値を求めるステップと、前記評価値で前記再生信号の特性を評価するステップと、を備えている。
【0088】
(4)本実施形態に係る再生信号評価方法は、ディジタル情報が記録された情報記録媒体を光学的手段により再生し、前記ディジタル情報が反映された再生信号を得るステップと、前記再生信号を所定のパーシャルレスポンス特性に基づき等化し、多値レベルの等化信号を得るステップと、前記等化信号の振幅のレベル分布を求め、このレベル分布から複数の実測ピーク値を求めるステップと、前記所定のパーシャルレスポンス特性から複数の理想ピーク値を求めるステップと、前記各実測ピーク値と前記各理想ピーク値との差分値を求めるステップと、各ピーク値の差分値の二乗値の総和又は平均値に基づき評価値を求めるステップと、前記評価値で前記再生信号の特性を評価するステップと、を備えている。
【0089】
(5)本実施形態に係る情報記録媒体は、上記(1)の再生信号評価方法により再生信号が評価されたとき、所定の評価条件を満たした再生信号が得られるようにディジタル情報を記録している。
【0090】
(6)本実施形態に係る情報記録媒体は、上記(2)の再生信号評価方法により再生信号が評価されたとき、所定の評価条件を満たした再生信号が得られるようにディジタル情報を記録している。
【0091】
(7)本実施形態に係る情報再生装置は、上記(1)の再生信号評価方法により再生信号が評価されたとき、所定の評価条件を満たした再生信号が得られるようにディジタル情報が記録された情報記録媒体を再生したとき、所定の評価条件を満たした再生信号を得る。
【0092】
(8)本実施形態に係る情報再生装置は、上記(2)の再生信号評価方法により再生信号が評価されたとき、所定の評価条件を満たした再生信号が得られるようにディジタル情報が記録された情報記録媒体を再生したとき、所定の評価条件を満たした再生信号を得る。
【0093】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】PRMLを用いた光ディスク装置の再生信号処理系の概略構成を示す図である。
【図2】再生信号波形とPR等化の動作を示す図である。
【図3】トランスバーサルフィルタによるPR等化回路を示す図である。
【図4】PRML方式による識別動作を示す図である。
【図5】光ディスク装置のMTF特性の例を示す図である。
【図6】高密度光ディスク装置の再生信号波形を示す図である。
【図7】PR等化後の再生信号のサンプル値の頻度分布を示す図である。
【図8】波形等化前の信号を用いた再生信号評価方法の概要を示すフローチャートである。
【図9】波形等化後の信号を用いた再生信号評価方法の概要を示すフローチャートである。
【図10】従来のレベルスライスを用いた光ディスク装置の再生信号処理系の概略構成を示す図である。
【図11】従来の再生信号波形とレベルスライスによる識別動作を示す図である。
【図12】従来のジッタによる再生信号評価を示す図である。
【図13】従来の光ディスク装置の再生信号波形を示す図である。
【符号の説明】
【0095】
100…光ディスク
101…モータ
102…光ヘッド
103…再生アンプ
105…PLL回路
107…A/D変換器
108…PR等化部
109…ビタビ復号器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
様々なサイズの記録マークによりディジタル情報が記録された情報記録媒体を光学的手段により再生し、前記ディジタル情報が反映された再生信号を得るステップと、
前記再生信号に含まれる信号のうち、最もサイズの大きい記録マークにより記録されたディジタル情報が反映された第1の再生信号の振幅中心レベルを求めるステップと、
前記再生信号に含まれる信号のうち、最もサイズの小さい記録マークを除く所定サイズの記録マークにより記録されたディジタル情報が反映された第2の再生信号の振幅中心レベルを求めるステップと、
前記第1及び第2の再生信号の振幅中心レベルの差分値を前記第1の再生信号のハイレベルとローレベルの差分値で割った値に基づき評価値を求めるステップと、
前記評価値で前記再生信号の特性を評価するステップと、
を備えたことを特徴とする再生信号評価方法。
【請求項2】
様々なサイズの記録マークによりディジタル情報が記録された情報記録媒体を光学的手段により再生し、前記ディジタル情報が反映された再生信号を得るステップと、
前記再生信号に含まれる信号のうち、最もサイズの大きい記録マークにより記録されたディジタル情報が反映された第1の再生信号の振幅中心レベルを求めるステップと、
前記再生信号に含まれる信号のうち、最もサイズの小さい記録マークを除く所定サイズの記録マークにより記録されたディジタル情報が反映された第2の再生信号の振幅中心レベルを求めるステップと、
前記第1及び第2の再生信号の振幅中心レベルの差分値を前記第1の再生信号のハイレベルとローレベルの差分値で割った値に基づき評価値を求めるステップと、
前記評価値で前記再生信号の特性を評価するステップと、
を備えた再生信号評価方法により再生信号が評価されたとき、所定の評価条件を満たした再生信号が得られるようにディジタル情報を記録したことを特徴とする情報記録媒体。
【請求項3】
様々なサイズの記録マークによりディジタル情報が記録された情報記録媒体を光学的手段により再生し、前記ディジタル情報が反映された再生信号を得るステップと、
前記再生信号に含まれる信号のうち、最もサイズの大きい記録マークにより記録されたディジタル情報が反映された第1の再生信号の振幅中心レベルを求めるステップと、
前記再生信号に含まれる信号のうち、最もサイズの小さい記録マークを除く所定サイズの記録マークにより記録されたディジタル情報が反映された第2の再生信号の振幅中心レベルを求めるステップと、
前記第1及び第2の再生信号の振幅中心レベルの差分値を前記第1の再生信号のハイレベルとローレベルの差分値で割った値に基づき評価値を求めるステップと、
前記評価値で前記再生信号の特性を評価するステップと、
を備えた再生信号評価方法により再生信号が評価されたとき、所定の評価条件を満たした再生信号が得られるようにディジタル情報が記録された情報記録媒体から、所定の評価条件を満たした再生信号を読み取ることを特徴とする情報再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−313633(P2006−313633A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−197784(P2006−197784)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【分割の表示】特願2000−106639(P2000−106639)の分割
【原出願日】平成12年4月7日(2000.4.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】