再生樹脂ペレットとその製造方法
【課題】ロスフィルムの材質や形状にかかわらず、嵩密度や形状が均一な再生樹脂ペレットを形成できるペレットの製造方法を提供する。
【解決手段】連続的に供給された1または複数の長尺のロスフィルムfにスリット加工又は孔加工を施し、スリット加工又は孔加工後のロスフィルムFを細く絞り込んだ状態で一対の絞りローラ26a,26b間に供給し、絞りローラ26a,26bの下流側にて絞りローラ26a,26bに対して相対的に回転し、且つ、その外周面に凹凸が形成された一対の圧縮ローラ28a,28b間に細く絞り込まれたロスフィルムFを送り出し、絞りローラ26a,26bと圧縮ローラ28a,28bとの間でロスフィルムFを捩ってコヨリ状の紐Kとし、一対の圧縮ローラ28a,28bにてコヨリ状の紐Kを所定間隔で点圧縮して紐Rを形成し、該紐Rを凹状圧痕Xの間隔よりも広い間隔で、且つ、スリットS又は孔Hを含んだ状態で切断する。
【解決手段】連続的に供給された1または複数の長尺のロスフィルムfにスリット加工又は孔加工を施し、スリット加工又は孔加工後のロスフィルムFを細く絞り込んだ状態で一対の絞りローラ26a,26b間に供給し、絞りローラ26a,26bの下流側にて絞りローラ26a,26bに対して相対的に回転し、且つ、その外周面に凹凸が形成された一対の圧縮ローラ28a,28b間に細く絞り込まれたロスフィルムFを送り出し、絞りローラ26a,26bと圧縮ローラ28a,28bとの間でロスフィルムFを捩ってコヨリ状の紐Kとし、一対の圧縮ローラ28a,28bにてコヨリ状の紐Kを所定間隔で点圧縮して紐Rを形成し、該紐Rを凹状圧痕Xの間隔よりも広い間隔で、且つ、スリットS又は孔Hを含んだ状態で切断する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばインフレーション成形で製造したフィルムの裁断屑である耳端やその他の製造工程で発生したロスフィルムを原料とした再生樹脂ペレット、更にはその製造方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂フィルムの製造過程で発生する大量のロスフィルムf(長尺で、ある程度の幅があり巻き取られている耳端や製品ロス)を加工して再生樹脂ペレットとして利用することが従来から広く行われている。
【0003】
その一例として、例えば特許文献1には、ロスフィルムf(1枚の幅広のものや、複数枚の幅狭のもの)を供給してこれを絞りローラの所で細く絞り込み、更に、これに捩りを加えてコヨリ状の紐(この状態では、捩り力をゼロにすると捩りが緩む。)とし、このコヨリ状の紐を長手方向において狭い間隔で点圧縮することにより圧縮点で重ね合わさった部分同士を圧着させ、狭い間隔で点圧着された圧着紐を形成し、当該圧着紐を、圧縮点を含む所定間隔で裁断することにより再生樹脂ペレットを製造する方法や該方法で製造された再生樹脂ペレットが開示されている。
【0004】
この従来の方法によれば、集束したロスフィルムを強固に捩ることによって内部の空気を外部に確実に押し出すことができるので、嵩密度が高く、しかも、均一な形状の再生樹脂ペレットを製造することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−021519号公報(図7、図10)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、再生樹脂ペレットの原料となるロスフィルムは、上述したように樹脂フィルムの製造過程で発生する廃棄ロス品であることから、品質的には問題がないもののその幅や厚みは多種多様であり、幅の狭いものだけでなく、中には、分厚いロスフィルム(例えば、厚みが200μm程度のもの)や、幅がかなり広いものを再生樹脂ペレットの原料として使用する場合が出てくる。
【0007】
ところが、分厚いロスフィルムを原料として使用した場合には、細く絞り込まれたロスフィルムに捩りを加えてコヨリ状の紐としようとしたとき、絞り込まれたロスフィルムの襞が不均一になって、捩った時に大きい襞が小さい襞の上に複雑に折り重なり、しかもその重なり具合が部分的に異なり、これに加えて襞の間に空気を巻き込んだ状態となり、その結果、ロスフィルムの腰の強さや巻き込んだ空気の存在とも相俟って絞られたロスフィルム全体に均一な捩り力が加わらず、部分的にデコボコが出来て均一な太さで捩ることができないということが分かってきた。
【0008】
すなわち、絞られることによってロスフィルムに生じた大小の襞の入り乱れた重なり具合と内包された空気とによって、捩ったときにコヨリ状の紐の表面に凹凸が生じ(すなわち、重なりが多い部分は積層枚数も多く、且つ、捩ったときに巻き込まれる空気量も多いので太くなり、反対に、重なりが少ない部分は積層枚数も少なく、且つ、捩ったときに巻き込まれる空気量も少ないので細くなる。)、しかも、部分的にロスフィルムに過大な捩り力が加わる部分とそれほど捩り力が加わらない部分とが発生し(太い部分では加わる捩り力が小さく、細い部分には加わる捩り力が大きい。)、過大な捩り力が加わる部分では、図16のAで示すように細径となるが、捩り力がそれほど加わらない部分では、図16のBで示すように太径となる。
【0009】
そして、このような太さが不均一なコヨリ状の紐をそのまま点圧縮したのでは、得られる圧縮紐の太さも不均一となり、これを裁断して得られる再生樹脂ペレットの大きさも当然不均一となる。再生樹脂ペレットの大きさが不均一であると、ヴァージンペレットと一緒にホッパ内に投入したときに両者をうまく混ぜ合わせることができず、成形不良を招く恐れがある。
【0010】
また、上述したように、捩り力が過大に加わっている細径部分と、捩り力がそれほど加わっていない太径部分とが存在すると、得られる再生樹脂ペレットの嵩密度に差が生じるということも新たに分かってきた。
【0011】
すなわち、捩り力が過大に加わって内部の空気が確実に外部に押し出される細径部分では、点圧縮後の嵩密度が大きくなるのに対し、捩り力が弱く内部の空気を確実に外部に押し出すことができない太径部分では、点圧縮後の嵩密度が小さくなり、嵩密度にバラツキが生じるのである。
【0012】
得られる再生樹脂ペレットの嵩密度が不均一であると、ヴァージンペレットと一緒にホッパ内に投入したとき、嵩密度が小さく軽い再生樹脂ペレットは混練時に浮き上がり、反対に、嵩密度が大きく重たい再生樹脂ペレットは沈むことになるので、この場合もやはり両者をうまく混ぜ合わせることができず、成形不良を招く結果となる。
【0013】
なお、同様の問題は、(i)薄くて幅広のロスフィルム(例えば、厚みが数10μmで幅が200mm程度のもの)、(ii)ロスフィルムの材質が、例えばウレタン系樹脂のような弾性を有するものである場合にも生じる。即ち、前者の場合は、幅広であるためロスフィルムの襞の不均一な重なりがより多くなって外部の空気を抱き込みやすく、又、抱き込み空気量も多くなり、後者の場合は、弾性のため絞り込んだ時の襞の重なりあった部分の腰が強く、しかも捩った時の部分的伸びが微妙に異なるからである。
【0014】
又、ロスフィルムの材質が、破れやすい材質のものである場合には、大きな捩り力を加えることが出来ず(大きな捩り力を加えると、捩り力が集中的に加わった部分でロスフィルムが破れたり、断裂をおこしてしまう。)、全体的に捩りが不足する状態になることも発明者らの研究により新たに分かってきた。
【0015】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、ロスフィルムの幅や厚み、材質等にかかわらず、嵩密度や形状が均一な再生樹脂ペレットを形成できる再生樹脂ペレットの製造方法ならびに当該再生樹脂ペレットの製造に最適な均一な太さの紐の製造方法、さらには、嵩密度や形状が均一な再生樹脂ペレットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1に記載した発明は、「連続的に供給された1または複数の長尺のロスフィルムfにスリット加工又は孔加工を施し、スリット加工又は孔加工後のロスフィルムFを細く絞り込んだ状態で一対の絞りローラ26a,26b間に供給し、絞りローラ26a,26bの下流側にて絞りローラ26a,26bに対して相対的に回転し、且つ、その外周面に凹凸が形成された一対の圧縮ローラ28a,28b間に細く絞り込まれたロスフィルムFを送り出し、絞りローラ26a,26bと圧縮ローラ28a,28bとの間でロスフィルムFを捩ってコヨリ状の紐Kとし、一対の圧縮ローラ28a,28bにてコヨリ状の紐Kを所定間隔で点圧縮して紐Rを形成し、該紐Rを凹状圧痕Xの間隔よりも広い間隔で、且つ、スリットS又は孔Hを含んだ状態で切断し、圧着により形成された凹状圧痕Xがその表面に点状に形成されている再生樹脂ペレットPを形成する」ことを特徴とする再生樹脂ペレットPの製造方法である。
【0017】
請求項2に記載した発明は、請求項1と異なり、捩りを加えず、折り畳んだ状態で圧縮し、その後、切断して再生樹脂ペレットPとするもので「連続的に供給された1または複数の長尺のロスフィルムfにスリット加工又は孔加工を施し、スリット加工又は孔加工後のロスフィルムFを折り畳んで屏風状の紐Bとし、一対の圧縮ローラ28a,28bにて前記屏風状の紐Bを所定間隔で点圧縮して紐Rを形成し、該紐Rを凹状圧痕Xの間隔よりも広い間隔で、且つ、スリットS又は孔Hを含んだ状態で切断し、圧着により形成された凹状圧痕Xがその表面に点状に形成されている再生樹脂ペレットPを形成する」ことを特徴とする再生樹脂ペレットPの製造方法である。
【0018】
請求項3に記載した発明は、「連続的に供給された1または複数の長尺のロスフィルムfを折り畳むことにより屏風状の紐Bとし、前記屏風状の紐Bにスリット加工又は孔加工を施し、一対の圧縮ローラ28a,28bにて前記スリット加工又は孔加工後の屏風状の紐Bを所定間隔で点圧縮して紐Rを形成し、該紐Rを凹状圧痕Xの間隔よりも広い間隔で、且つ、スリットS又は孔Hを含んだ状態で切断し、圧着により形成された凹状圧痕Xがその表面に点状に形成されている再生樹脂ペレットPを形成する」ことを特徴とする再生樹脂ペレットPの製造方法である。
【0019】
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3の改良で「多列に形成された場合のスリットS間の間隔Wが一定である」ことを特徴とする。
【0020】
請求項5に記載した発明は、前記方法で形成された再生樹脂ペレットPに関するもので、「スリットS又は孔Hが形成されたロスフィルムFが多重且つ捩り状態で巻設され又は屏風状に多重に折り畳まれて圧縮され、更に短寸切断された粒状物の表面に凹状圧痕Xが形成されてなる」ことを特徴とする再生樹脂ペレットPである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載の発明によれば、スリット又は孔加工の施されたロスフィルムを捩るようにしているので、襞の間に取り込まれた空気はロスフィルムを絞った時、スリット又は孔を通って速やかに外部に排出され、コヨリ状の紐全体での空気の含有量は捩り状態にかかわらずほぼ極小となる。
【0022】
又、ロスフィルムにスリット又は孔が多列に設けられている場合には、スリット又は孔の列を境にロスフィルムが折り畳まれて絞られる事になるため、襞がある程度均一で折り重ねられ、更に捩られることなり、前記スリット又は孔による抜気効果と相俟って折り畳まれ、更に捩られてコヨリ状態とされた紐の外形は全長に亘ってかなり均一な状態となる。それ故、加えられた捩り力は全体にある程度均一に加わる事になる。
【0023】
このように、スリットによる捩り力の分散効果と、空気抜き効果との両方が相俟って、又、孔の場合は空気抜き効果によって、コヨリ状の紐は稠密でその太さが均一となり、特に前者は再生樹脂ペレットを製造するのに最適な稠密で均一な太さのコヨリ状の紐となる。そして、これを所定間隔で点圧縮し、更にペレット状に短寸にて切断するので、得られた再生樹脂ペレットは均一な形状と大なる嵩密度を有する。なお、点圧縮では、圧縮点においてロスフィルム同士が圧着する程度まで圧縮されるが、圧縮点以外の部分でも圧縮ローラで強く圧縮されるようになっている。この点は本明細書において共通する。
【0024】
請求項2および3に記載の発明は、捩り作用がないが、それ以外の点は請求項1に記載の発明と同じで、得られた再生樹脂ペレットは均一な形状と大なる嵩密度を有する。なお、スリット加工又は孔加工が多列に施されている場合には、スリット加工又は孔加工の箇所で折り畳まれることになるので、折り畳みがかなり均一に行われる事になる。
【0025】
特に、請求項4に記載の発明のように、スリット間隔を一定にした場合には、スリットを境に同幅で折り畳まれ且つ折り畳まれて形成された襞が全体的にある程度均一な状態で重なり合うことになる。
【0026】
請求項5に記載の発明によれば、スリットS又は孔H及び凹状圧痕Xを含む事になるので、外形的に均一で且つ大なる嵩密度を有し、しかも表面の圧痕によるロスフィルム同士の圧着で再生樹脂ペレットが膨れたりほぐれたりすることもなく、バージンペレットと同様の取り扱いが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】再生樹脂ペレットの製造装置を示す概略図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】ロスフィルムに連続スリット加工を施した一例を示す図である。
【図4】断続スリット加工例を示す図である。
【図5】傾斜スリット加工例を示す図である。
【図6】ロスフィルムに多列の孔加工を施した一例を示す図である。
【図7】スリット加工を施したロスフィルムに捩りを加えた状態を示す図である。
【図8】ロスフィルムに連続スリットを設けるためのスリッタの斜視図である。
【図9】ロスフィルムに断続スリットを設けるためのスリッタの斜視図である。
【図10】ロスフィルムに傾斜スリットを設けるためのスリッタの斜視図である。
【図11】本発明にかかる再生樹脂ペレットの斜視図である。
【図12】再生樹脂ペレットの製造装置の変形例を示す図である。
【図13】図12の平面図である。
【図14】折り畳み機構の変形例を示す図である。
【図15】折り畳み機構の他の変形例を示す図である。
【図16】スリット加工又は孔加工が施されていない従来のロスフィルムに捩りを加えた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明に係る再生樹脂ペレットP(以下、単に「ペレット」という。)の製造方法は、図1〜2又は図12〜13に示すペレット製造装置10、40を用いて実現されることから、以下には、まずペレット製造装置10(実施例1)について説明し、その後、ペレットの製造方法について説明する。ペレット製造装置40については(実施例2)で説明する。
【実施例1】
【0029】
ペレット製造装置10は、図1〜図2に示すように、スリット機構12、絞り機構14、圧縮機構16、回転機構18および裁断機構20により大略構成されている。
【0030】
スリット機構12は、ロスフィルムfにスリット又は孔加工を施すために設けられるものであり、図の実施例では、連続スリットを形成する場合が示されており、スリッタ22、ローラ24およびスリッタ22とローラ24を回転させるためのモーターのような回転駆動体(図示省略)を備えている。断続スリットや孔加工を施す場合は後述する。
【0031】
スリッタ22は、回転軸22aと、回転軸22aと同軸的に且つその軸方向に所定間隔を隔てて設けられた複数(本実施例では4つ)の回転刃22bとを有し、ローラ24に対して近接離間可能に設けられており、スリッタ22をローラ24に近接させたときに、スリッタ22の回転刃22bがローラ24に当接又は圧接できるようになっている。
【0032】
各回転刃22bの形状は、スリットSの形状に応じて適宜設定され、図8に示すように、回転軸22aと、回転軸22aと同軸的に且つその軸方向に所定間隔を隔てて複数(本実施例では4つ)設けられ、その外周縁全周に刃が形成された円盤状のもの、図9に示すように回転軸22aと、回転軸22aと同軸的に且つその軸方向に所定間隔を隔てて複数(本実施例では4つ)設けられ、その外周縁に所定間隔で切欠22b1が形成されていて、切欠22b1の間が刃部22b2となっている円盤状の回転刃22bとで構成されたもの、図10に示すように回転軸22aと、回転軸22aの外周に一定間隔で螺旋状に回転刃22bが形成されたもの、図示していないが、孔加工用として、図9の刃部22b2の先端が細く尖っているようなもの、あるいは回転軸の外周に針状のものが散点状(ランダム)に植設されているようなものなどがある。
【0033】
本実施例では、ロスフィルムfの送り方向に対して平行なスリットSを連続的に形成するために回転刃22bが円盤状に形成されているものが使用されている(図8)。
【0034】
スリッタ22の回転軸22a及びローラ24の軸方向は、ロスフィルムfの送り方向に対して直交しており、その回転方向は、ロスフィルムfの送り方向に対して順方向(図1では、スリッタ22は反時計回り、ローラ24は時計回り)に設定されている。スリッタ22の回転速度は、ロスフィルムfの送り速度に応じて適宜定められる。
【0035】
ローラ24は、スリッタ22の回転刃22bの刃当たりとして必要に応じて設けられるものであり、その外面は、塩化ビニルやオレフィン系樹脂といった刃の切り跡が表面に現れにくい樹脂で覆われている。
【0036】
なお、スリッタ22の回転刃22bをローラ24の外面に当接又は圧接させた状態で回転刃22bとローラ24との間にロスフィルムfを拡幅状態で通すと、回転刃22bの外周の先鋭な刃の部分がロスフィルムfを切り裂いてロスフィルムfに連続的なスリットS(或いは異なる回転刃22bを使用した場合には、回転刃22bの形状にあわせたスリットSや孔H)を平行にて一定間隔で1又は複数条或いはランダムな状態で形成できるようになっている。形成されるスリットSや孔Hは、ロスフィルムfの幅に合わせて適当な条数が選ばれる。ここで、スリット又は孔加工後のロスフィルムには参照番号「F」を付し、スリット加工前のロスフィルムfと区別をすることにする。
【0037】
絞り機構14は、(スリット又は孔加工後の)ロスフィルムFを捩る際の基点となる部分であり、ロスフィルムFの引き取り方向に同期して回転する一対の絞りローラ26a,26bと、絞りローラ26a,26bを回転させるための回転駆動体(図示省略)とを備えている(通常は、一方が主動で他が従動となる。)。
【0038】
一方の絞りローラ26aは、他方の絞りローラ26bに対して近接或いは当接離間可能となっており、ロスフィルムFはスリット機構12では拡幅状態で加工されているが、絞り機構14では、スリットされたロスフィルムFを細く絞り込んだ状態で絞りローラ26a,26bで挟み込みつつ後工程に送り出すようになっている。
【0039】
なお、絞りローラ26a,26bは、ロスフィルムFとの間でスリップすることがないよう、その材質としてはロスフィルムFとの摩擦係数が高いものを選択するのが望ましく、本実施例では、ウレタンゴムなどの弾性材料が使用されており、その外面は平滑面となっている。従って、スリットされたロスフィルムFを絞り込んだ部分を挟みつけている部分はその表面が若干撓む事になる。
【0040】
圧縮機構16は、絞り込まれたロスフィルムFを捩ってコヨリ状とされた紐Kを更に点圧縮して圧縮紐Rを形成するために設けられるものであり、コヨリ状になった紐Kを引き込む方向に同期回転する一対の圧縮ローラ28a,28bと、圧縮ローラ28a,28bを回転させるための回転駆動体(図示省略)とを備えている(通常は、一方が主動で他が従動となる)。
【0041】
各圧縮ローラ28a,28bは、その外周に凹凸(ギザギザ)が設けられた円盤状部材30を複数枚(本実施例では9枚)同軸的に重ね合わせることによって構成されており、一方の圧縮ローラ28aが他方の圧縮ローラ28bに対して近接離間可能となっている。なお、各圧縮ローラ28a,28bにおいては、隣り合う円盤状部材30の外周部分の凹凸(ギザギザ)が重なり合うことがないよう、周方向に少しづつずらした状態で各円盤状部材30が重ね合わされている。また、各円盤状部材30間には、薄いスペーサー(図示せず)が設けられており、隣合う円盤状部材30の間に僅かな隙間が形成されている。
【0042】
なお、本実施例では、コヨリ状の紐Kに引張力を若干加えるために圧縮ローラ28a,28bによる圧縮紐Rの送り出し速度が、絞りローラ26a,26bによるロスフィルムFの送り出し速度より若干速くなるよう設定されているが、コヨリ状の紐Kの材質を勘案して両者を同じ速度に設定してもよいし、例えば、コヨリ状の紐Kを構成するロスフィルムFの引っ張り強度が低い場合には、捩り時の剪断を避けるため、反対に圧縮ローラ28a,28bによる圧縮紐Rの送り出し速度を絞りローラ26a,26bによるロスフィルムFの送り出し速度よりも遅く設定してもよい(ロスフィルムFの材質や送り速度や捩り度合いに応じて適宜設定すればよい)。
【0043】
回転機構18は、絞り機構14と圧縮機構16のいずれか一方に対して他方を相対的に回転させるものであり(図1,2の場合は圧縮機構16側を回転させる。)、回転板32と、支持部材34と、回転板32を回転させる回転駆動体(図示省略)とを備えている。回転板32の回転中心は圧縮ローラ28a,28bの噛合面に一致し、圧縮紐Rを通る中心線である。
【0044】
回転板32は、円盤状のもので、その中心には圧縮紐Rを挿通するための孔32aが設けられている。そして、この回転板32に左右一対の前記支持部材34が2組、孔32aを挟むようにして取り付けられており、各支持部材34の先端に上述した圧縮機構16の圧縮ローラ28a,28bがそれぞれ回転可能に取り付けられている。そして、この左右一対の前記支持部材34は、これと平行に設けられている他の左右一対の前記支持部材34に対して圧縮ローラ28a,28bが近接離間するように移動可能となっている。
【0045】
なお、本実施例では、回転機構18に圧縮機構16を取り付けて絞り機構14(の絞りローラ26a,26b)に対して圧縮機構16(の圧縮ローラ28a,28b)を相対的に回転させるようにしているが、これとは反対に回転機構18に絞り機構14を取り付けて圧縮機構16に対して絞り機構14とその上流側全体を相対的に回転させるようにしてもよい。つまり、絞り機構14と圧縮機構16のいずれか一方に対して他方を相対的に回転させることができるように回転機構18を設ければよい。
【0046】
裁断機構20は、圧縮ローラ28a,28bから送られてくる圧縮紐Rを所定長さに裁断してペレット化するものであり、外周面に多数の裁断刃36aが形成されたカッター36と、圧縮機構16から送り出された圧縮紐Rをカッター36に案内するガイド孔38aが形成されたガイド部材38と、カッター36を回転させるための回転駆動体(図示省略)とを備えている。
【0047】
カッター36の回転速度は、圧縮紐Rの送り速度ならびに目的とするペレットPの大きさに応じて適宜設定されるが、少なくとも、表面に形成される凹状圧痕X間の間隔よりも広い間隔(換言すれば、少なくとも1つの凹状圧痕Xを含む。)で、且つ、スリットSを含んだ状態で切断することが必要である。
【0048】
以上のように構成されたペレット製造装置10を用いてペレットPを製造する方法について説明する。ペレット製造装置10を用いてペレットPを製造する際には、まず、スリッタ22とローラ24、一方の絞りローラ26aと他方の絞りローラ26bならびに一方の圧縮ローラ28aと他方の圧縮ローラ28bをそれぞれ互いに離間させておき、(スリット加工前の)ロスフィルムfを所定の送り経路にセットする。具体的には、ロスフィルムfの先端を引き出し、スリッタ22とローラ24との間の隙間を通す際は、ロスフィルムfを拡幅状態でセットし、スリッタ22をローラ24に近づけて回転刃22bの外周の先鋭部分を拡幅状態のロスフィルムfに押し当てる。そして、絞りローラ26a,26b間の隙間、圧縮ローラ28a,28b間の隙間、回転板32の孔32aならびにガイド部材38のガイド孔38aに通す際は、ロスフィルムfを軽く撚った状態でセットする。
【0049】
ロスフィルムfの送り経路へのセットが完了すると、一方の絞りローラ26aを他方の絞りローラ26bに当接又は近接させて軽く撚った状態のロスフィルムfを挟み込む。続いて、一方の圧縮ローラ28aを他方の圧縮ローラ28bに近接させて噛み込ませ、軽く撚った状態のロスフィルムfを一対の絞りローラ26a,26bならびに一対の圧縮ローラ28a,28bの2点でしっかりと挟み込む。
【0050】
なお、本実施例では、フィルムの製造ラインで作り出されるロスフィルムfを直接インラインでペレット製造装置10に取り込むようにしているが、ロスフィルムfを筒軸に巻き取ったロール状の物を予め準備しておき、これをペレット製造装置10に取り込むようにしてもよい。
【0051】
以上のようにしてロスフィルムfのセッティングが完了すると、次に、ペレット製造装置10の電源を投入する。すると、スリット機構12のスリッタ22およびローラ24、絞り機構14の絞りローラ26a,26b、圧縮機構16の圧縮ローラ28a,28b、回転機構18の回転板32および裁断機構20のカッター36がそれぞれ回転を始めて、絞りローラ26a,26bによるロスフィルムfの引き込みが始まる。
【0052】
絞りローラ26a,26bによるロスフィルムfの引き込みが始まると、ロスフィルムfはスリット機構12のスリッタ22によってスリット加工(孔加工も同様、以下同じ)が施される。本実施例では、円盤状に形成された4枚の回転刃22bが回転軸22aにその軸方向に所定間隔を隔てて設けられているので、ロスフィルムfには、4本のスリットSがその長手方向に連続的に設けられることになる(図2、図3参照)。
【0053】
そして、このスリット加工後のロスフィルムFは細く絞り込まれながら絞り機構14の絞りローラ26a,26bに送られることになる(図2参照)。
【0054】
絞りローラ26a,26bに絞り込まれた状態で送られたスリット加工後のロスフィルムFは、回転機構18の回転により、絞りローラ26a,26bと圧縮ローラ28a,28bとの間で捩られながら圧縮ローラ28a,28bに送られることになる。
【0055】
なお、本実施例では、圧縮ローラ28a,28bによるロスフィルムFの送り速度が絞りローラ26a,26bによるロスフィルムFの送り速度よりも速く設定されているため、ロスフィルムFは、常にテンションが加わった状態で捩られることとなる。
【0056】
ここで重要な点は、スリット加工が施されていないロスフィルムfを捩るのではなく、スリット加工を施した後のロスフィルムFを捩ることによりコヨリ状紐Kを形成しているという点である(図1〜図3参照)。つまり、スリット加工の施されたロスフィルムFを捩るようにしているので、ロスフィルムFを絞り込んだ時に取り込まれた外部の空気をスリットSから効果的に逃がすことができる。また、ロスフィルムFは、スリットSを境に折り重ねられ(=連続スリットの場合)又は折り畳まれて(=断続・多列スリット又は多列孔の場合)絞られる事になるため、折り重ね又は折り畳まれた襞がある程度均一にて捩られることなる。したがって、前記スリットSによる空気抜き効果と相俟って捩られてコヨリ状態とされた紐Kの外形は全長に亘ってかなり均一な状態となる。このように、スリットSによる空気抜き効果と、捩り力の分散効果との両方が相俟って、コヨリ状紐Kは稠密でその太さが均一となる(図7参照)。
【0057】
そして、稠密で均一な太さで捩られたコヨリ状紐Kが圧縮ローラ28a,28bに送られると、圧縮ローラ28a,28bの外周面に形成されている凹凸によって全体が1又は多列且つ所定間隔にて点圧縮され、フィルムFの層同士がこの部分で圧着されて稠密で均一な太さの紐Rが形成されることになる。紐Rの表面には、圧縮ローラ28a,28bの点圧縮による凹状圧痕Xが1又は多列且つ所定間隔にて全体的に形成されている。この時、スリットSが多列でありスリットSの間隔が等しければスリットSを境に均一に折り重ねられ又は折り畳まれて全体的な捩りも均一に行われる。なお、繰り返しになるが、点圧縮では圧縮点ではロスフィルム同士が圧着する程度まで圧縮されるが、圧縮点以外の部分でも圧縮ローラで強く圧縮されるようになっている。この点は実施例2においても共通する。
【0058】
そして、最後にこの紐Rを裁断機構20のカッター36で凹状圧痕X及びスリットSや孔Hを含む所定長さに裁断することにより、嵩密度が非常に高く、均一な大きさのペレットPが得られることになる(図11(A)〜(D)参照)。
【0059】
このようにして得られたペレットPは、スリット加工の施されたロスフィルムFをコヨリ状に捩ることによって形成されたものであるから、その内部には、空気が殆ど存在しない稠密なものとなっている。しかも、その表面には、点状又は線状に凹状圧痕Xが形成されており、ロスフィルムF同士が圧着されているので、ペレットPが膨れたりほぐれたりすることもない。
【0060】
なお、上述の実施例では、各スリットSをロスフィルムfの長手方向に連続的に形成するようにしていたが、図4に示すように、各スリットS(S2)をロスフィルムfの長手方向に断続的に形成するようにしてもよいし、図5に示すように、各スリットS(S3)がロスフィルムfの送り方向に対して斜めとなるように形成してもよい。また、図6に示すように、スリットSの代わりに孔HをフィルムFの全面に1又は多列或いは散点状にてランダムに形成するようにしてもよい。
【0061】
また、上述実施例では、凹状圧痕Xが点状に1又は多列にて形成されていたが、凹状圧痕Xを連続させて1又は多列にて線状に形成するようにしてもよい。
【0062】
さらに、上述の実施例では、スリット又は孔加工が施された1本のロスフィルムfをペレットの製造装置10に引き込み、ペレットPを形成するようにしているが、スリット又は孔加工が施された複数本のロスフィルムfを同時にペレット製造装置10に引き込んで再生樹脂ペレットPを製造するようにしてもよい。
【実施例2】
【0063】
図12〜図13に示すペレット製造装置40は、スリット機構12、実施例1の絞り機構14に代わる折り畳み機構44、圧縮機構16および裁断機構20により大略構成されている。なお、上述実施例と共通する構成については上述の記載を援用し、異なる点のみ説明する。
【0064】
本実施例で用いられるスリット機構12は、基本的には第1実施例で使用したものをそのまま利用できるが、第1実施例と異なる点は、使用できる回転刃22bの形状に制約があるという点である。
【0065】
すなわち、本実施例では、図9に示すように回転軸22aと、回転軸22aと同軸的に且つその軸方向に所定間隔を隔てて複数(本実施例では4つ)設けられ、その外周縁に所定間隔で切欠22b1が形成されていて、切欠22b1の間が刃部22b2となっている円盤状の回転刃22bとで構成されたものや、図9の刃部22b2の先端が細く尖っているようなもの、あるいは回転軸の外周に針状のものが散点状(ランダム)に植設されているようなものが用いられる(ロスフィルムfに断続的なスリットS(S2)や孔Hを形成するような形状のものに制約される。)が、図8のような円盤状のもの(ロスフィルムfに連続的なスリットS(S1)を形成するような形状のもの)は含まれない。
【0066】
折り畳み機構44は、スリット後のロスフィルムFを屏風状に折り畳む部分であり、左右一対のガイド板44a,44bだけで構成される場合と、更にガイド部材46を設ける場合があり、前者の場合を以下説明する。
【0067】
折り畳み機構44は、左右一対のガイド板44a,44b、これらを近接離間可能に連結する4隅に設けられたガイド軸44c、これらに螺入された左右螺子が螺設された左右螺子棒44dおよび左右螺子棒44dを回転させるハンドル44eとを備えている。
【0068】
ガイド板44a,44bの内側面は、その上流側となる部分(図13の左側)がテーパ状に切り欠かれている。従って、一方のガイド板44aと他方のガイド板44aとの間のテーパ状切欠部分の隙間は、上流側が広く、下流側に行くにしたがって徐々に狭まるようになっている。圧縮機構16および裁断機構20は、実施例1と同じである。
【0069】
以上のように構成されたペレット製造装置40を用いてペレットPを製造する際には、まず、スリッタ22とローラ24、一方のガイド板44aと他方のガイド板44bならびに一方の圧縮ローラ28aと他方の圧縮ローラ28bとをそれぞれ互いに離間させておき、スリット加工前のロスフィルムfを送り経路にセットする。具体的には、上述実施例と同様、ロスフィルムfの先端を引き出し、スリッタ22とローラ24との間の隙間を通す際には、ロスフィルムfを拡幅状態でセットし、スリッタ22をローラ24に近づけて回転刃22bの外周の先鋭部分を、広げた状態のロスフィルムfに押し当てる。そして、折り畳み機構44の上流側の上下のガイド軸44c間及び下流側の上下のガイド軸44c間を通して2枚のガイド板44a,44b間の隙間、圧縮ローラ28a,28b間の隙間、回転板32の孔32aならびにガイド部材38のガイド孔38aに通す際は、ロスフィルムfを屏風状に均一な幅で折り畳んだ状態でセットする。
【0070】
ロスフィルムfの送り経路へのセットが完了すると、一方のガイド板44aを他方のガイド板44bに近接させて、屏風状に折り畳まれた紐Bが広がらないようにこれを軽く挟み込む。続いて、一方の圧縮ローラ28aを他方の圧縮ローラ28bに近接させて噛み込ませる。
【0071】
以上のようにしてロスフィルムfのセッティングが完了すると、次に、ペレット製造装置40の電源を投入する。すると、スリット機構12のスリッタ22およびローラ24、圧縮機構16の圧縮ローラ28a,28bおよび裁断機構20のカッター36がそれぞれ回転を始めて、圧縮ローラ28a,28bによるロスフィルムfの引き込みが始まる。
【0072】
圧縮ローラ28a,28bによるロスフィルムfの引き込みが始まると、ロスフィルムfはスリット機構12のスリッタ22によってスリット加工が施される。本実施例では、その外周縁に所定間隔で切欠22b1が形成されていて、切欠22b1の間が刃部22b2となっている円盤状の4枚の回転刃22bが回転軸22aにその軸方向に所定間隔を隔てて設けられているので、ロスフィルムfには、4本のスリットS(S2)がその長手方向に断続的に設けられることになる(図4、図9、図13参照)。
【0073】
そして、このスリット加工後のロスフィルムFは、折り畳み機構44のテーパ状に形成されたガイド板44a,44bの間の隙間を通過する際に細長く折り畳まれながら圧縮機構16の圧縮ローラ28a,28bに送られることになる。スリット加工が多列に形成される場合は、スリットS(S2)を境に折り畳まれやすくなる。
【0074】
そして、細長く折り畳まれた屏風状の紐Bが圧縮ローラ28a,28bに送られると、圧縮ローラ28a,28bの外周面に形成されている凹凸によって全体が点圧縮される。
【0075】
ここで重要な点は、屏風状に折り畳まれた紐Bにスリット加工が施されているという点である(図12〜図13参照)。
【0076】
つまり、スリット加工が施され、且つ、屏風状に均一な幅で折り畳まれた紐Bを点圧縮するようにしているので、ロスフィルムFを折り畳んだ時に取り込まれた外部の空気を点圧縮時にスリットS(S2)から効果的に逃がすことができる。このように、フィルムFの均一な幅での折り畳み効果と、スリットSによる空気抜き効果とにより、稠密でその太さが均一な紐Rを得ることができる。なお、紐Rの表面には、圧縮ローラ28a,28bの点圧縮による凹状圧痕Xが全体的に形成されている。
【0077】
そして、上述実施例と同様、最後にこの紐Rを裁断機構20のカッター36で凹状圧痕Xを含む所定長さに裁断することにより、嵩密度が非常に高く、均一な大きさのペレットPが得られることになる(図11(E)参照)。
【0078】
なお、折り畳み機構44の入り口側に、図14に示すような櫛歯状の隙間46aを有するガイド部材46、或いは千鳥状にて互いに入り込むようにして上下に配置されたローラ48a、48bにて構成されたガイド部材48を設けておき、このガイド部材46の隙間46a、或いはローラ48a、48b間にロスフィルムFを通すようにすれば、ロスフィルムFの折り畳み作業をより確実、且つ、正確に行うことができるようになる。
【0079】
また、本実施例では、スリット加工後のロスフィルムFを折り畳んで屏風状に折り畳まれた紐Bを形成するようにしていたが、スリット加工前のロスフィルムfを折り畳んだ後にスリット加工を施すことにより屏風状に折り畳まれた紐Bを形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0080】
10…ペレット製造装置
12…スリット機構
14…絞り機構
16…圧縮機構
18…回転機構
20…裁断機構
26a,26b…絞りローラ
28a,28b…圧縮ローラ
32…回転板
36…カッター
f…(スリット前の)ロスフィルム
F…(スリット後の)ロスフィルム
K…コヨリ状の紐
B…屏風状に折り畳まれた紐
R…紐
P…ペレット
S…スリット
H…孔
X…凹状圧痕
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばインフレーション成形で製造したフィルムの裁断屑である耳端やその他の製造工程で発生したロスフィルムを原料とした再生樹脂ペレット、更にはその製造方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂フィルムの製造過程で発生する大量のロスフィルムf(長尺で、ある程度の幅があり巻き取られている耳端や製品ロス)を加工して再生樹脂ペレットとして利用することが従来から広く行われている。
【0003】
その一例として、例えば特許文献1には、ロスフィルムf(1枚の幅広のものや、複数枚の幅狭のもの)を供給してこれを絞りローラの所で細く絞り込み、更に、これに捩りを加えてコヨリ状の紐(この状態では、捩り力をゼロにすると捩りが緩む。)とし、このコヨリ状の紐を長手方向において狭い間隔で点圧縮することにより圧縮点で重ね合わさった部分同士を圧着させ、狭い間隔で点圧着された圧着紐を形成し、当該圧着紐を、圧縮点を含む所定間隔で裁断することにより再生樹脂ペレットを製造する方法や該方法で製造された再生樹脂ペレットが開示されている。
【0004】
この従来の方法によれば、集束したロスフィルムを強固に捩ることによって内部の空気を外部に確実に押し出すことができるので、嵩密度が高く、しかも、均一な形状の再生樹脂ペレットを製造することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−021519号公報(図7、図10)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、再生樹脂ペレットの原料となるロスフィルムは、上述したように樹脂フィルムの製造過程で発生する廃棄ロス品であることから、品質的には問題がないもののその幅や厚みは多種多様であり、幅の狭いものだけでなく、中には、分厚いロスフィルム(例えば、厚みが200μm程度のもの)や、幅がかなり広いものを再生樹脂ペレットの原料として使用する場合が出てくる。
【0007】
ところが、分厚いロスフィルムを原料として使用した場合には、細く絞り込まれたロスフィルムに捩りを加えてコヨリ状の紐としようとしたとき、絞り込まれたロスフィルムの襞が不均一になって、捩った時に大きい襞が小さい襞の上に複雑に折り重なり、しかもその重なり具合が部分的に異なり、これに加えて襞の間に空気を巻き込んだ状態となり、その結果、ロスフィルムの腰の強さや巻き込んだ空気の存在とも相俟って絞られたロスフィルム全体に均一な捩り力が加わらず、部分的にデコボコが出来て均一な太さで捩ることができないということが分かってきた。
【0008】
すなわち、絞られることによってロスフィルムに生じた大小の襞の入り乱れた重なり具合と内包された空気とによって、捩ったときにコヨリ状の紐の表面に凹凸が生じ(すなわち、重なりが多い部分は積層枚数も多く、且つ、捩ったときに巻き込まれる空気量も多いので太くなり、反対に、重なりが少ない部分は積層枚数も少なく、且つ、捩ったときに巻き込まれる空気量も少ないので細くなる。)、しかも、部分的にロスフィルムに過大な捩り力が加わる部分とそれほど捩り力が加わらない部分とが発生し(太い部分では加わる捩り力が小さく、細い部分には加わる捩り力が大きい。)、過大な捩り力が加わる部分では、図16のAで示すように細径となるが、捩り力がそれほど加わらない部分では、図16のBで示すように太径となる。
【0009】
そして、このような太さが不均一なコヨリ状の紐をそのまま点圧縮したのでは、得られる圧縮紐の太さも不均一となり、これを裁断して得られる再生樹脂ペレットの大きさも当然不均一となる。再生樹脂ペレットの大きさが不均一であると、ヴァージンペレットと一緒にホッパ内に投入したときに両者をうまく混ぜ合わせることができず、成形不良を招く恐れがある。
【0010】
また、上述したように、捩り力が過大に加わっている細径部分と、捩り力がそれほど加わっていない太径部分とが存在すると、得られる再生樹脂ペレットの嵩密度に差が生じるということも新たに分かってきた。
【0011】
すなわち、捩り力が過大に加わって内部の空気が確実に外部に押し出される細径部分では、点圧縮後の嵩密度が大きくなるのに対し、捩り力が弱く内部の空気を確実に外部に押し出すことができない太径部分では、点圧縮後の嵩密度が小さくなり、嵩密度にバラツキが生じるのである。
【0012】
得られる再生樹脂ペレットの嵩密度が不均一であると、ヴァージンペレットと一緒にホッパ内に投入したとき、嵩密度が小さく軽い再生樹脂ペレットは混練時に浮き上がり、反対に、嵩密度が大きく重たい再生樹脂ペレットは沈むことになるので、この場合もやはり両者をうまく混ぜ合わせることができず、成形不良を招く結果となる。
【0013】
なお、同様の問題は、(i)薄くて幅広のロスフィルム(例えば、厚みが数10μmで幅が200mm程度のもの)、(ii)ロスフィルムの材質が、例えばウレタン系樹脂のような弾性を有するものである場合にも生じる。即ち、前者の場合は、幅広であるためロスフィルムの襞の不均一な重なりがより多くなって外部の空気を抱き込みやすく、又、抱き込み空気量も多くなり、後者の場合は、弾性のため絞り込んだ時の襞の重なりあった部分の腰が強く、しかも捩った時の部分的伸びが微妙に異なるからである。
【0014】
又、ロスフィルムの材質が、破れやすい材質のものである場合には、大きな捩り力を加えることが出来ず(大きな捩り力を加えると、捩り力が集中的に加わった部分でロスフィルムが破れたり、断裂をおこしてしまう。)、全体的に捩りが不足する状態になることも発明者らの研究により新たに分かってきた。
【0015】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、ロスフィルムの幅や厚み、材質等にかかわらず、嵩密度や形状が均一な再生樹脂ペレットを形成できる再生樹脂ペレットの製造方法ならびに当該再生樹脂ペレットの製造に最適な均一な太さの紐の製造方法、さらには、嵩密度や形状が均一な再生樹脂ペレットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1に記載した発明は、「連続的に供給された1または複数の長尺のロスフィルムfにスリット加工又は孔加工を施し、スリット加工又は孔加工後のロスフィルムFを細く絞り込んだ状態で一対の絞りローラ26a,26b間に供給し、絞りローラ26a,26bの下流側にて絞りローラ26a,26bに対して相対的に回転し、且つ、その外周面に凹凸が形成された一対の圧縮ローラ28a,28b間に細く絞り込まれたロスフィルムFを送り出し、絞りローラ26a,26bと圧縮ローラ28a,28bとの間でロスフィルムFを捩ってコヨリ状の紐Kとし、一対の圧縮ローラ28a,28bにてコヨリ状の紐Kを所定間隔で点圧縮して紐Rを形成し、該紐Rを凹状圧痕Xの間隔よりも広い間隔で、且つ、スリットS又は孔Hを含んだ状態で切断し、圧着により形成された凹状圧痕Xがその表面に点状に形成されている再生樹脂ペレットPを形成する」ことを特徴とする再生樹脂ペレットPの製造方法である。
【0017】
請求項2に記載した発明は、請求項1と異なり、捩りを加えず、折り畳んだ状態で圧縮し、その後、切断して再生樹脂ペレットPとするもので「連続的に供給された1または複数の長尺のロスフィルムfにスリット加工又は孔加工を施し、スリット加工又は孔加工後のロスフィルムFを折り畳んで屏風状の紐Bとし、一対の圧縮ローラ28a,28bにて前記屏風状の紐Bを所定間隔で点圧縮して紐Rを形成し、該紐Rを凹状圧痕Xの間隔よりも広い間隔で、且つ、スリットS又は孔Hを含んだ状態で切断し、圧着により形成された凹状圧痕Xがその表面に点状に形成されている再生樹脂ペレットPを形成する」ことを特徴とする再生樹脂ペレットPの製造方法である。
【0018】
請求項3に記載した発明は、「連続的に供給された1または複数の長尺のロスフィルムfを折り畳むことにより屏風状の紐Bとし、前記屏風状の紐Bにスリット加工又は孔加工を施し、一対の圧縮ローラ28a,28bにて前記スリット加工又は孔加工後の屏風状の紐Bを所定間隔で点圧縮して紐Rを形成し、該紐Rを凹状圧痕Xの間隔よりも広い間隔で、且つ、スリットS又は孔Hを含んだ状態で切断し、圧着により形成された凹状圧痕Xがその表面に点状に形成されている再生樹脂ペレットPを形成する」ことを特徴とする再生樹脂ペレットPの製造方法である。
【0019】
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3の改良で「多列に形成された場合のスリットS間の間隔Wが一定である」ことを特徴とする。
【0020】
請求項5に記載した発明は、前記方法で形成された再生樹脂ペレットPに関するもので、「スリットS又は孔Hが形成されたロスフィルムFが多重且つ捩り状態で巻設され又は屏風状に多重に折り畳まれて圧縮され、更に短寸切断された粒状物の表面に凹状圧痕Xが形成されてなる」ことを特徴とする再生樹脂ペレットPである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載の発明によれば、スリット又は孔加工の施されたロスフィルムを捩るようにしているので、襞の間に取り込まれた空気はロスフィルムを絞った時、スリット又は孔を通って速やかに外部に排出され、コヨリ状の紐全体での空気の含有量は捩り状態にかかわらずほぼ極小となる。
【0022】
又、ロスフィルムにスリット又は孔が多列に設けられている場合には、スリット又は孔の列を境にロスフィルムが折り畳まれて絞られる事になるため、襞がある程度均一で折り重ねられ、更に捩られることなり、前記スリット又は孔による抜気効果と相俟って折り畳まれ、更に捩られてコヨリ状態とされた紐の外形は全長に亘ってかなり均一な状態となる。それ故、加えられた捩り力は全体にある程度均一に加わる事になる。
【0023】
このように、スリットによる捩り力の分散効果と、空気抜き効果との両方が相俟って、又、孔の場合は空気抜き効果によって、コヨリ状の紐は稠密でその太さが均一となり、特に前者は再生樹脂ペレットを製造するのに最適な稠密で均一な太さのコヨリ状の紐となる。そして、これを所定間隔で点圧縮し、更にペレット状に短寸にて切断するので、得られた再生樹脂ペレットは均一な形状と大なる嵩密度を有する。なお、点圧縮では、圧縮点においてロスフィルム同士が圧着する程度まで圧縮されるが、圧縮点以外の部分でも圧縮ローラで強く圧縮されるようになっている。この点は本明細書において共通する。
【0024】
請求項2および3に記載の発明は、捩り作用がないが、それ以外の点は請求項1に記載の発明と同じで、得られた再生樹脂ペレットは均一な形状と大なる嵩密度を有する。なお、スリット加工又は孔加工が多列に施されている場合には、スリット加工又は孔加工の箇所で折り畳まれることになるので、折り畳みがかなり均一に行われる事になる。
【0025】
特に、請求項4に記載の発明のように、スリット間隔を一定にした場合には、スリットを境に同幅で折り畳まれ且つ折り畳まれて形成された襞が全体的にある程度均一な状態で重なり合うことになる。
【0026】
請求項5に記載の発明によれば、スリットS又は孔H及び凹状圧痕Xを含む事になるので、外形的に均一で且つ大なる嵩密度を有し、しかも表面の圧痕によるロスフィルム同士の圧着で再生樹脂ペレットが膨れたりほぐれたりすることもなく、バージンペレットと同様の取り扱いが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】再生樹脂ペレットの製造装置を示す概略図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】ロスフィルムに連続スリット加工を施した一例を示す図である。
【図4】断続スリット加工例を示す図である。
【図5】傾斜スリット加工例を示す図である。
【図6】ロスフィルムに多列の孔加工を施した一例を示す図である。
【図7】スリット加工を施したロスフィルムに捩りを加えた状態を示す図である。
【図8】ロスフィルムに連続スリットを設けるためのスリッタの斜視図である。
【図9】ロスフィルムに断続スリットを設けるためのスリッタの斜視図である。
【図10】ロスフィルムに傾斜スリットを設けるためのスリッタの斜視図である。
【図11】本発明にかかる再生樹脂ペレットの斜視図である。
【図12】再生樹脂ペレットの製造装置の変形例を示す図である。
【図13】図12の平面図である。
【図14】折り畳み機構の変形例を示す図である。
【図15】折り畳み機構の他の変形例を示す図である。
【図16】スリット加工又は孔加工が施されていない従来のロスフィルムに捩りを加えた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明に係る再生樹脂ペレットP(以下、単に「ペレット」という。)の製造方法は、図1〜2又は図12〜13に示すペレット製造装置10、40を用いて実現されることから、以下には、まずペレット製造装置10(実施例1)について説明し、その後、ペレットの製造方法について説明する。ペレット製造装置40については(実施例2)で説明する。
【実施例1】
【0029】
ペレット製造装置10は、図1〜図2に示すように、スリット機構12、絞り機構14、圧縮機構16、回転機構18および裁断機構20により大略構成されている。
【0030】
スリット機構12は、ロスフィルムfにスリット又は孔加工を施すために設けられるものであり、図の実施例では、連続スリットを形成する場合が示されており、スリッタ22、ローラ24およびスリッタ22とローラ24を回転させるためのモーターのような回転駆動体(図示省略)を備えている。断続スリットや孔加工を施す場合は後述する。
【0031】
スリッタ22は、回転軸22aと、回転軸22aと同軸的に且つその軸方向に所定間隔を隔てて設けられた複数(本実施例では4つ)の回転刃22bとを有し、ローラ24に対して近接離間可能に設けられており、スリッタ22をローラ24に近接させたときに、スリッタ22の回転刃22bがローラ24に当接又は圧接できるようになっている。
【0032】
各回転刃22bの形状は、スリットSの形状に応じて適宜設定され、図8に示すように、回転軸22aと、回転軸22aと同軸的に且つその軸方向に所定間隔を隔てて複数(本実施例では4つ)設けられ、その外周縁全周に刃が形成された円盤状のもの、図9に示すように回転軸22aと、回転軸22aと同軸的に且つその軸方向に所定間隔を隔てて複数(本実施例では4つ)設けられ、その外周縁に所定間隔で切欠22b1が形成されていて、切欠22b1の間が刃部22b2となっている円盤状の回転刃22bとで構成されたもの、図10に示すように回転軸22aと、回転軸22aの外周に一定間隔で螺旋状に回転刃22bが形成されたもの、図示していないが、孔加工用として、図9の刃部22b2の先端が細く尖っているようなもの、あるいは回転軸の外周に針状のものが散点状(ランダム)に植設されているようなものなどがある。
【0033】
本実施例では、ロスフィルムfの送り方向に対して平行なスリットSを連続的に形成するために回転刃22bが円盤状に形成されているものが使用されている(図8)。
【0034】
スリッタ22の回転軸22a及びローラ24の軸方向は、ロスフィルムfの送り方向に対して直交しており、その回転方向は、ロスフィルムfの送り方向に対して順方向(図1では、スリッタ22は反時計回り、ローラ24は時計回り)に設定されている。スリッタ22の回転速度は、ロスフィルムfの送り速度に応じて適宜定められる。
【0035】
ローラ24は、スリッタ22の回転刃22bの刃当たりとして必要に応じて設けられるものであり、その外面は、塩化ビニルやオレフィン系樹脂といった刃の切り跡が表面に現れにくい樹脂で覆われている。
【0036】
なお、スリッタ22の回転刃22bをローラ24の外面に当接又は圧接させた状態で回転刃22bとローラ24との間にロスフィルムfを拡幅状態で通すと、回転刃22bの外周の先鋭な刃の部分がロスフィルムfを切り裂いてロスフィルムfに連続的なスリットS(或いは異なる回転刃22bを使用した場合には、回転刃22bの形状にあわせたスリットSや孔H)を平行にて一定間隔で1又は複数条或いはランダムな状態で形成できるようになっている。形成されるスリットSや孔Hは、ロスフィルムfの幅に合わせて適当な条数が選ばれる。ここで、スリット又は孔加工後のロスフィルムには参照番号「F」を付し、スリット加工前のロスフィルムfと区別をすることにする。
【0037】
絞り機構14は、(スリット又は孔加工後の)ロスフィルムFを捩る際の基点となる部分であり、ロスフィルムFの引き取り方向に同期して回転する一対の絞りローラ26a,26bと、絞りローラ26a,26bを回転させるための回転駆動体(図示省略)とを備えている(通常は、一方が主動で他が従動となる。)。
【0038】
一方の絞りローラ26aは、他方の絞りローラ26bに対して近接或いは当接離間可能となっており、ロスフィルムFはスリット機構12では拡幅状態で加工されているが、絞り機構14では、スリットされたロスフィルムFを細く絞り込んだ状態で絞りローラ26a,26bで挟み込みつつ後工程に送り出すようになっている。
【0039】
なお、絞りローラ26a,26bは、ロスフィルムFとの間でスリップすることがないよう、その材質としてはロスフィルムFとの摩擦係数が高いものを選択するのが望ましく、本実施例では、ウレタンゴムなどの弾性材料が使用されており、その外面は平滑面となっている。従って、スリットされたロスフィルムFを絞り込んだ部分を挟みつけている部分はその表面が若干撓む事になる。
【0040】
圧縮機構16は、絞り込まれたロスフィルムFを捩ってコヨリ状とされた紐Kを更に点圧縮して圧縮紐Rを形成するために設けられるものであり、コヨリ状になった紐Kを引き込む方向に同期回転する一対の圧縮ローラ28a,28bと、圧縮ローラ28a,28bを回転させるための回転駆動体(図示省略)とを備えている(通常は、一方が主動で他が従動となる)。
【0041】
各圧縮ローラ28a,28bは、その外周に凹凸(ギザギザ)が設けられた円盤状部材30を複数枚(本実施例では9枚)同軸的に重ね合わせることによって構成されており、一方の圧縮ローラ28aが他方の圧縮ローラ28bに対して近接離間可能となっている。なお、各圧縮ローラ28a,28bにおいては、隣り合う円盤状部材30の外周部分の凹凸(ギザギザ)が重なり合うことがないよう、周方向に少しづつずらした状態で各円盤状部材30が重ね合わされている。また、各円盤状部材30間には、薄いスペーサー(図示せず)が設けられており、隣合う円盤状部材30の間に僅かな隙間が形成されている。
【0042】
なお、本実施例では、コヨリ状の紐Kに引張力を若干加えるために圧縮ローラ28a,28bによる圧縮紐Rの送り出し速度が、絞りローラ26a,26bによるロスフィルムFの送り出し速度より若干速くなるよう設定されているが、コヨリ状の紐Kの材質を勘案して両者を同じ速度に設定してもよいし、例えば、コヨリ状の紐Kを構成するロスフィルムFの引っ張り強度が低い場合には、捩り時の剪断を避けるため、反対に圧縮ローラ28a,28bによる圧縮紐Rの送り出し速度を絞りローラ26a,26bによるロスフィルムFの送り出し速度よりも遅く設定してもよい(ロスフィルムFの材質や送り速度や捩り度合いに応じて適宜設定すればよい)。
【0043】
回転機構18は、絞り機構14と圧縮機構16のいずれか一方に対して他方を相対的に回転させるものであり(図1,2の場合は圧縮機構16側を回転させる。)、回転板32と、支持部材34と、回転板32を回転させる回転駆動体(図示省略)とを備えている。回転板32の回転中心は圧縮ローラ28a,28bの噛合面に一致し、圧縮紐Rを通る中心線である。
【0044】
回転板32は、円盤状のもので、その中心には圧縮紐Rを挿通するための孔32aが設けられている。そして、この回転板32に左右一対の前記支持部材34が2組、孔32aを挟むようにして取り付けられており、各支持部材34の先端に上述した圧縮機構16の圧縮ローラ28a,28bがそれぞれ回転可能に取り付けられている。そして、この左右一対の前記支持部材34は、これと平行に設けられている他の左右一対の前記支持部材34に対して圧縮ローラ28a,28bが近接離間するように移動可能となっている。
【0045】
なお、本実施例では、回転機構18に圧縮機構16を取り付けて絞り機構14(の絞りローラ26a,26b)に対して圧縮機構16(の圧縮ローラ28a,28b)を相対的に回転させるようにしているが、これとは反対に回転機構18に絞り機構14を取り付けて圧縮機構16に対して絞り機構14とその上流側全体を相対的に回転させるようにしてもよい。つまり、絞り機構14と圧縮機構16のいずれか一方に対して他方を相対的に回転させることができるように回転機構18を設ければよい。
【0046】
裁断機構20は、圧縮ローラ28a,28bから送られてくる圧縮紐Rを所定長さに裁断してペレット化するものであり、外周面に多数の裁断刃36aが形成されたカッター36と、圧縮機構16から送り出された圧縮紐Rをカッター36に案内するガイド孔38aが形成されたガイド部材38と、カッター36を回転させるための回転駆動体(図示省略)とを備えている。
【0047】
カッター36の回転速度は、圧縮紐Rの送り速度ならびに目的とするペレットPの大きさに応じて適宜設定されるが、少なくとも、表面に形成される凹状圧痕X間の間隔よりも広い間隔(換言すれば、少なくとも1つの凹状圧痕Xを含む。)で、且つ、スリットSを含んだ状態で切断することが必要である。
【0048】
以上のように構成されたペレット製造装置10を用いてペレットPを製造する方法について説明する。ペレット製造装置10を用いてペレットPを製造する際には、まず、スリッタ22とローラ24、一方の絞りローラ26aと他方の絞りローラ26bならびに一方の圧縮ローラ28aと他方の圧縮ローラ28bをそれぞれ互いに離間させておき、(スリット加工前の)ロスフィルムfを所定の送り経路にセットする。具体的には、ロスフィルムfの先端を引き出し、スリッタ22とローラ24との間の隙間を通す際は、ロスフィルムfを拡幅状態でセットし、スリッタ22をローラ24に近づけて回転刃22bの外周の先鋭部分を拡幅状態のロスフィルムfに押し当てる。そして、絞りローラ26a,26b間の隙間、圧縮ローラ28a,28b間の隙間、回転板32の孔32aならびにガイド部材38のガイド孔38aに通す際は、ロスフィルムfを軽く撚った状態でセットする。
【0049】
ロスフィルムfの送り経路へのセットが完了すると、一方の絞りローラ26aを他方の絞りローラ26bに当接又は近接させて軽く撚った状態のロスフィルムfを挟み込む。続いて、一方の圧縮ローラ28aを他方の圧縮ローラ28bに近接させて噛み込ませ、軽く撚った状態のロスフィルムfを一対の絞りローラ26a,26bならびに一対の圧縮ローラ28a,28bの2点でしっかりと挟み込む。
【0050】
なお、本実施例では、フィルムの製造ラインで作り出されるロスフィルムfを直接インラインでペレット製造装置10に取り込むようにしているが、ロスフィルムfを筒軸に巻き取ったロール状の物を予め準備しておき、これをペレット製造装置10に取り込むようにしてもよい。
【0051】
以上のようにしてロスフィルムfのセッティングが完了すると、次に、ペレット製造装置10の電源を投入する。すると、スリット機構12のスリッタ22およびローラ24、絞り機構14の絞りローラ26a,26b、圧縮機構16の圧縮ローラ28a,28b、回転機構18の回転板32および裁断機構20のカッター36がそれぞれ回転を始めて、絞りローラ26a,26bによるロスフィルムfの引き込みが始まる。
【0052】
絞りローラ26a,26bによるロスフィルムfの引き込みが始まると、ロスフィルムfはスリット機構12のスリッタ22によってスリット加工(孔加工も同様、以下同じ)が施される。本実施例では、円盤状に形成された4枚の回転刃22bが回転軸22aにその軸方向に所定間隔を隔てて設けられているので、ロスフィルムfには、4本のスリットSがその長手方向に連続的に設けられることになる(図2、図3参照)。
【0053】
そして、このスリット加工後のロスフィルムFは細く絞り込まれながら絞り機構14の絞りローラ26a,26bに送られることになる(図2参照)。
【0054】
絞りローラ26a,26bに絞り込まれた状態で送られたスリット加工後のロスフィルムFは、回転機構18の回転により、絞りローラ26a,26bと圧縮ローラ28a,28bとの間で捩られながら圧縮ローラ28a,28bに送られることになる。
【0055】
なお、本実施例では、圧縮ローラ28a,28bによるロスフィルムFの送り速度が絞りローラ26a,26bによるロスフィルムFの送り速度よりも速く設定されているため、ロスフィルムFは、常にテンションが加わった状態で捩られることとなる。
【0056】
ここで重要な点は、スリット加工が施されていないロスフィルムfを捩るのではなく、スリット加工を施した後のロスフィルムFを捩ることによりコヨリ状紐Kを形成しているという点である(図1〜図3参照)。つまり、スリット加工の施されたロスフィルムFを捩るようにしているので、ロスフィルムFを絞り込んだ時に取り込まれた外部の空気をスリットSから効果的に逃がすことができる。また、ロスフィルムFは、スリットSを境に折り重ねられ(=連続スリットの場合)又は折り畳まれて(=断続・多列スリット又は多列孔の場合)絞られる事になるため、折り重ね又は折り畳まれた襞がある程度均一にて捩られることなる。したがって、前記スリットSによる空気抜き効果と相俟って捩られてコヨリ状態とされた紐Kの外形は全長に亘ってかなり均一な状態となる。このように、スリットSによる空気抜き効果と、捩り力の分散効果との両方が相俟って、コヨリ状紐Kは稠密でその太さが均一となる(図7参照)。
【0057】
そして、稠密で均一な太さで捩られたコヨリ状紐Kが圧縮ローラ28a,28bに送られると、圧縮ローラ28a,28bの外周面に形成されている凹凸によって全体が1又は多列且つ所定間隔にて点圧縮され、フィルムFの層同士がこの部分で圧着されて稠密で均一な太さの紐Rが形成されることになる。紐Rの表面には、圧縮ローラ28a,28bの点圧縮による凹状圧痕Xが1又は多列且つ所定間隔にて全体的に形成されている。この時、スリットSが多列でありスリットSの間隔が等しければスリットSを境に均一に折り重ねられ又は折り畳まれて全体的な捩りも均一に行われる。なお、繰り返しになるが、点圧縮では圧縮点ではロスフィルム同士が圧着する程度まで圧縮されるが、圧縮点以外の部分でも圧縮ローラで強く圧縮されるようになっている。この点は実施例2においても共通する。
【0058】
そして、最後にこの紐Rを裁断機構20のカッター36で凹状圧痕X及びスリットSや孔Hを含む所定長さに裁断することにより、嵩密度が非常に高く、均一な大きさのペレットPが得られることになる(図11(A)〜(D)参照)。
【0059】
このようにして得られたペレットPは、スリット加工の施されたロスフィルムFをコヨリ状に捩ることによって形成されたものであるから、その内部には、空気が殆ど存在しない稠密なものとなっている。しかも、その表面には、点状又は線状に凹状圧痕Xが形成されており、ロスフィルムF同士が圧着されているので、ペレットPが膨れたりほぐれたりすることもない。
【0060】
なお、上述の実施例では、各スリットSをロスフィルムfの長手方向に連続的に形成するようにしていたが、図4に示すように、各スリットS(S2)をロスフィルムfの長手方向に断続的に形成するようにしてもよいし、図5に示すように、各スリットS(S3)がロスフィルムfの送り方向に対して斜めとなるように形成してもよい。また、図6に示すように、スリットSの代わりに孔HをフィルムFの全面に1又は多列或いは散点状にてランダムに形成するようにしてもよい。
【0061】
また、上述実施例では、凹状圧痕Xが点状に1又は多列にて形成されていたが、凹状圧痕Xを連続させて1又は多列にて線状に形成するようにしてもよい。
【0062】
さらに、上述の実施例では、スリット又は孔加工が施された1本のロスフィルムfをペレットの製造装置10に引き込み、ペレットPを形成するようにしているが、スリット又は孔加工が施された複数本のロスフィルムfを同時にペレット製造装置10に引き込んで再生樹脂ペレットPを製造するようにしてもよい。
【実施例2】
【0063】
図12〜図13に示すペレット製造装置40は、スリット機構12、実施例1の絞り機構14に代わる折り畳み機構44、圧縮機構16および裁断機構20により大略構成されている。なお、上述実施例と共通する構成については上述の記載を援用し、異なる点のみ説明する。
【0064】
本実施例で用いられるスリット機構12は、基本的には第1実施例で使用したものをそのまま利用できるが、第1実施例と異なる点は、使用できる回転刃22bの形状に制約があるという点である。
【0065】
すなわち、本実施例では、図9に示すように回転軸22aと、回転軸22aと同軸的に且つその軸方向に所定間隔を隔てて複数(本実施例では4つ)設けられ、その外周縁に所定間隔で切欠22b1が形成されていて、切欠22b1の間が刃部22b2となっている円盤状の回転刃22bとで構成されたものや、図9の刃部22b2の先端が細く尖っているようなもの、あるいは回転軸の外周に針状のものが散点状(ランダム)に植設されているようなものが用いられる(ロスフィルムfに断続的なスリットS(S2)や孔Hを形成するような形状のものに制約される。)が、図8のような円盤状のもの(ロスフィルムfに連続的なスリットS(S1)を形成するような形状のもの)は含まれない。
【0066】
折り畳み機構44は、スリット後のロスフィルムFを屏風状に折り畳む部分であり、左右一対のガイド板44a,44bだけで構成される場合と、更にガイド部材46を設ける場合があり、前者の場合を以下説明する。
【0067】
折り畳み機構44は、左右一対のガイド板44a,44b、これらを近接離間可能に連結する4隅に設けられたガイド軸44c、これらに螺入された左右螺子が螺設された左右螺子棒44dおよび左右螺子棒44dを回転させるハンドル44eとを備えている。
【0068】
ガイド板44a,44bの内側面は、その上流側となる部分(図13の左側)がテーパ状に切り欠かれている。従って、一方のガイド板44aと他方のガイド板44aとの間のテーパ状切欠部分の隙間は、上流側が広く、下流側に行くにしたがって徐々に狭まるようになっている。圧縮機構16および裁断機構20は、実施例1と同じである。
【0069】
以上のように構成されたペレット製造装置40を用いてペレットPを製造する際には、まず、スリッタ22とローラ24、一方のガイド板44aと他方のガイド板44bならびに一方の圧縮ローラ28aと他方の圧縮ローラ28bとをそれぞれ互いに離間させておき、スリット加工前のロスフィルムfを送り経路にセットする。具体的には、上述実施例と同様、ロスフィルムfの先端を引き出し、スリッタ22とローラ24との間の隙間を通す際には、ロスフィルムfを拡幅状態でセットし、スリッタ22をローラ24に近づけて回転刃22bの外周の先鋭部分を、広げた状態のロスフィルムfに押し当てる。そして、折り畳み機構44の上流側の上下のガイド軸44c間及び下流側の上下のガイド軸44c間を通して2枚のガイド板44a,44b間の隙間、圧縮ローラ28a,28b間の隙間、回転板32の孔32aならびにガイド部材38のガイド孔38aに通す際は、ロスフィルムfを屏風状に均一な幅で折り畳んだ状態でセットする。
【0070】
ロスフィルムfの送り経路へのセットが完了すると、一方のガイド板44aを他方のガイド板44bに近接させて、屏風状に折り畳まれた紐Bが広がらないようにこれを軽く挟み込む。続いて、一方の圧縮ローラ28aを他方の圧縮ローラ28bに近接させて噛み込ませる。
【0071】
以上のようにしてロスフィルムfのセッティングが完了すると、次に、ペレット製造装置40の電源を投入する。すると、スリット機構12のスリッタ22およびローラ24、圧縮機構16の圧縮ローラ28a,28bおよび裁断機構20のカッター36がそれぞれ回転を始めて、圧縮ローラ28a,28bによるロスフィルムfの引き込みが始まる。
【0072】
圧縮ローラ28a,28bによるロスフィルムfの引き込みが始まると、ロスフィルムfはスリット機構12のスリッタ22によってスリット加工が施される。本実施例では、その外周縁に所定間隔で切欠22b1が形成されていて、切欠22b1の間が刃部22b2となっている円盤状の4枚の回転刃22bが回転軸22aにその軸方向に所定間隔を隔てて設けられているので、ロスフィルムfには、4本のスリットS(S2)がその長手方向に断続的に設けられることになる(図4、図9、図13参照)。
【0073】
そして、このスリット加工後のロスフィルムFは、折り畳み機構44のテーパ状に形成されたガイド板44a,44bの間の隙間を通過する際に細長く折り畳まれながら圧縮機構16の圧縮ローラ28a,28bに送られることになる。スリット加工が多列に形成される場合は、スリットS(S2)を境に折り畳まれやすくなる。
【0074】
そして、細長く折り畳まれた屏風状の紐Bが圧縮ローラ28a,28bに送られると、圧縮ローラ28a,28bの外周面に形成されている凹凸によって全体が点圧縮される。
【0075】
ここで重要な点は、屏風状に折り畳まれた紐Bにスリット加工が施されているという点である(図12〜図13参照)。
【0076】
つまり、スリット加工が施され、且つ、屏風状に均一な幅で折り畳まれた紐Bを点圧縮するようにしているので、ロスフィルムFを折り畳んだ時に取り込まれた外部の空気を点圧縮時にスリットS(S2)から効果的に逃がすことができる。このように、フィルムFの均一な幅での折り畳み効果と、スリットSによる空気抜き効果とにより、稠密でその太さが均一な紐Rを得ることができる。なお、紐Rの表面には、圧縮ローラ28a,28bの点圧縮による凹状圧痕Xが全体的に形成されている。
【0077】
そして、上述実施例と同様、最後にこの紐Rを裁断機構20のカッター36で凹状圧痕Xを含む所定長さに裁断することにより、嵩密度が非常に高く、均一な大きさのペレットPが得られることになる(図11(E)参照)。
【0078】
なお、折り畳み機構44の入り口側に、図14に示すような櫛歯状の隙間46aを有するガイド部材46、或いは千鳥状にて互いに入り込むようにして上下に配置されたローラ48a、48bにて構成されたガイド部材48を設けておき、このガイド部材46の隙間46a、或いはローラ48a、48b間にロスフィルムFを通すようにすれば、ロスフィルムFの折り畳み作業をより確実、且つ、正確に行うことができるようになる。
【0079】
また、本実施例では、スリット加工後のロスフィルムFを折り畳んで屏風状に折り畳まれた紐Bを形成するようにしていたが、スリット加工前のロスフィルムfを折り畳んだ後にスリット加工を施すことにより屏風状に折り畳まれた紐Bを形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0080】
10…ペレット製造装置
12…スリット機構
14…絞り機構
16…圧縮機構
18…回転機構
20…裁断機構
26a,26b…絞りローラ
28a,28b…圧縮ローラ
32…回転板
36…カッター
f…(スリット前の)ロスフィルム
F…(スリット後の)ロスフィルム
K…コヨリ状の紐
B…屏風状に折り畳まれた紐
R…紐
P…ペレット
S…スリット
H…孔
X…凹状圧痕
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1a) 連続的に供給された1または複数の長尺のロスフィルムにスリット加工又は孔加工を施し、
(1b) スリット加工又は孔加工後のロスフィルムを細く絞り込んだ状態で一対の絞りローラ間に供給し、
(1c) 前記絞りローラの下流側にて前記絞りローラに対して相対的に回転し、且つ、その外周面に凹凸が形成された一対の圧縮ローラ間に細く絞り込まれた前記ロスフィルムを送り出し、前記絞りローラと前記圧縮ローラとの間で前記ロスフィルムを捩ってコヨリ状の紐とし、
(1d) 前記一対の圧縮ローラにて前記コヨリ状の紐を所定間隔で点圧縮して紐を形成し、
(1e) 該紐を凹状圧痕の間隔よりも広い間隔で、且つ、スリット又は孔を含んだ状態で切断し、圧着により形成された凹状圧痕がその表面に点状に形成されている再生樹脂ペレットを形成する
(1f) ことを特徴とする再生樹脂ペレットの製造方法。
【請求項2】
(2a) 連続的に供給された1または複数の長尺のロスフィルムにスリット加工又は孔加工を施し、
(2b) スリット加工又は孔加工後のロスフィルムを折り畳んで屏風状の紐とし、
(2c) 一対の圧縮ローラにて前記屏風状の紐を所定間隔で点圧縮して紐を形成し、
(2d) 該紐を凹状圧痕の間隔よりも広い間隔で、且つ、スリット又は孔を含んだ状態で切断し、圧着により形成された凹状圧痕がその表面に点状に形成されている再生樹脂ペレットを形成する
(2e) ことを特徴とする再生樹脂ペレットPの製造方法。
【請求項3】
(3a) 連続的に供給された1または複数の長尺のロスフィルムを折り畳むことにより屏風状の紐とし、
(3b) 前記屏風状の紐にスリット加工又は孔加工を施し、
(3c) 一対の圧縮ローラにて前記スリット加工又は孔加工後の屏風状の紐を所定間隔で点圧縮して紐を形成し、
(3d) 該紐を凹状圧痕の間隔よりも広い間隔で、且つ、スリット又は孔を含んだ状態で切断し、圧着により形成された凹状圧痕がその表面に点状に形成されている再生樹脂ペレットを形成する
(3e) ことを特徴とする再生樹脂ペレットの製造方法。
【請求項4】
多列に形成された場合のスリット間の間隔が一定であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された再生樹脂ペレットの製造方法。
【請求項5】
スリット又は孔が形成されたロスフィルムが多重且つ捩り状態で巻設され又は屏風状に多重に折り畳まれて圧縮され、更に短寸切断された粒状物の表面に凹状圧痕が形成されてなることを特徴とする再生樹脂ペレット。
【請求項1】
(1a) 連続的に供給された1または複数の長尺のロスフィルムにスリット加工又は孔加工を施し、
(1b) スリット加工又は孔加工後のロスフィルムを細く絞り込んだ状態で一対の絞りローラ間に供給し、
(1c) 前記絞りローラの下流側にて前記絞りローラに対して相対的に回転し、且つ、その外周面に凹凸が形成された一対の圧縮ローラ間に細く絞り込まれた前記ロスフィルムを送り出し、前記絞りローラと前記圧縮ローラとの間で前記ロスフィルムを捩ってコヨリ状の紐とし、
(1d) 前記一対の圧縮ローラにて前記コヨリ状の紐を所定間隔で点圧縮して紐を形成し、
(1e) 該紐を凹状圧痕の間隔よりも広い間隔で、且つ、スリット又は孔を含んだ状態で切断し、圧着により形成された凹状圧痕がその表面に点状に形成されている再生樹脂ペレットを形成する
(1f) ことを特徴とする再生樹脂ペレットの製造方法。
【請求項2】
(2a) 連続的に供給された1または複数の長尺のロスフィルムにスリット加工又は孔加工を施し、
(2b) スリット加工又は孔加工後のロスフィルムを折り畳んで屏風状の紐とし、
(2c) 一対の圧縮ローラにて前記屏風状の紐を所定間隔で点圧縮して紐を形成し、
(2d) 該紐を凹状圧痕の間隔よりも広い間隔で、且つ、スリット又は孔を含んだ状態で切断し、圧着により形成された凹状圧痕がその表面に点状に形成されている再生樹脂ペレットを形成する
(2e) ことを特徴とする再生樹脂ペレットPの製造方法。
【請求項3】
(3a) 連続的に供給された1または複数の長尺のロスフィルムを折り畳むことにより屏風状の紐とし、
(3b) 前記屏風状の紐にスリット加工又は孔加工を施し、
(3c) 一対の圧縮ローラにて前記スリット加工又は孔加工後の屏風状の紐を所定間隔で点圧縮して紐を形成し、
(3d) 該紐を凹状圧痕の間隔よりも広い間隔で、且つ、スリット又は孔を含んだ状態で切断し、圧着により形成された凹状圧痕がその表面に点状に形成されている再生樹脂ペレットを形成する
(3e) ことを特徴とする再生樹脂ペレットの製造方法。
【請求項4】
多列に形成された場合のスリット間の間隔が一定であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された再生樹脂ペレットの製造方法。
【請求項5】
スリット又は孔が形成されたロスフィルムが多重且つ捩り状態で巻設され又は屏風状に多重に折り畳まれて圧縮され、更に短寸切断された粒状物の表面に凹状圧痕が形成されてなることを特徴とする再生樹脂ペレット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−20413(P2011−20413A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−169314(P2009−169314)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(591038451)株式会社マルヤス (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(591038451)株式会社マルヤス (6)
【Fターム(参考)】
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