説明

再生細骨材の吸水率を低減する設備及び方法

【課題】粒径が5mm未満の再生細骨材の吸水率を低減する設備及び方法を提供すること。
【解決手段】コンクリート廃材を破砕して得られた再生骨材のうち、粒径が5mm未満の再生細骨材を、慣性円錐磨砕機3で磨砕し、慣性円錐磨砕機3から排出された磨砕物中の再生細骨材とセメント分微粒子とを分級し、再生細骨材を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート廃材を破砕して得られた再生骨材のうち、粒径が5mm未満の再生細骨材の吸水率を低減する設備及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の解体や改良・改築に伴い多量に発生する建築廃棄物のうち、コンクリート廃材は約40%を占める。このコンクリート廃材の約50%は道路舗装用路盤材や、埋め戻し材として再利用されているが、残りの50%は廃棄されているのが実状である。
【0003】
一方、コンクリートには大量の骨材が使用されるが、砂利、河川砂等の良質な天然骨材は採取が困難となってきており、骨材資源の枯渇問題解消とコンクリート廃材の有効利用の両面から、コンクリート廃材から、骨材を再生・回収し、粗骨材・細骨材として再利用することが検討されている。
【0004】
コンクリート廃材から骨材を再生・回収するためには、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、ボールミル等の破砕機によってコンクリート廃材を破砕するという方法が従来より試みられている。しかし、この方法では、破砕機内に30分以上滞留させ、摩擦粉砕を行わないと、JISA5021 コンクリート用再生骨材Hに定められる品質規定のうち、最も重要な絶乾密度及び吸水率の基準(絶乾密度2.5kg/L以上、吸水率3.5%以下)を満たすのが困難であった。
【0005】
これに対して、本願出願人は、特許文献1において、振動式破砕機の破砕媒体の充填率及び組合せを特定の条件とすることにより、絶乾密度及び吸水率の基準を満たす再生骨材を少ない動力で、かつ、確実に製造できる方法を開示した。
【0006】
しかし、この方法で得られた再生骨材を精密に評価したところ、粒径が5mm未満の再生細骨材については吸水率の基準を満たさないものがあることがわかった。
【特許文献1】特開2006−111523号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、粒径が5mm未満の再生細骨材の吸水率を低減する設備及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本願発明者が研究を行った結果、粒径が5mm未満の再生細骨材を慣性円錐磨砕機を使用して磨砕することによって、その吸水率を低減することができることを知見し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の再生細骨材の吸水率を低減する設備は、コンクリート廃材を破砕して得られた再生骨材のうち、粒径が5mm未満の再生細骨材の吸水率を低減する設備であって、前記再生細骨材を磨砕する慣性円錐磨砕機と、この慣性円錐磨砕機から排出された磨砕物を受け入れて、この磨砕物中の再生細骨材とセメント分微粒子とを分級し、再生細骨材を得る分級機とを備え、前記慣性円錐磨砕機が、シェルと、このシェルに設けられた球面座支持体と、この球面座支持体に取り付けられた球面座と、この球面座に支承され、偏心しながら回転駆動される円錐ヘッドと、この円錐ヘッドに取り付けられたマントルと、このマントルに対向してシェルに取り付けられたコーンケーブと、マントルの下方に取り付けられたアンバランスウエイトとを備え、前記円錐ヘッドが球面座上を偏心しながら回転駆動されることにより、マントルとコーンケーブとの間で再生細骨材を磨砕するものである。
【0010】
また、本発明の再生細骨材の吸水率を低減する方法は、コンクリート廃材を破砕して得られた再生骨材のうち、粒径が5mm未満の再生細骨材の吸水率を低減する方法であって、前記再生細骨材を慣性円錐磨砕機によって磨砕する磨砕工程と、前記慣性円錐磨砕機から排出された磨砕物中の再生細骨材とセメント分微粒子とを分級し、再生細骨材を得る分級工程とを含み、前記慣性円錐磨砕機として、シェルと、このシェルに設けられた球面座支持体と、この球面座支持体に取り付けられた球面座と、この球面座に支承され、偏心しながら回転駆動される円錐ヘッドと、この円錐ヘッドに取り付けられたマントルと、このマントルに対向してシェルに取り付けられたコーンケーブと、マントルの下方に取り付けられたアンバランスウエイトとを備え、前記円錐ヘッドが球面座上を偏心しながら回転駆動されることにより、マントルとコーンケーブとの間で再生細骨材を磨砕するものを使用する。
【0011】
本発明においては、前記分級機で得られた再生細骨材を前記慣性円錐磨砕機に戻す循環ラインを設け、前記磨砕工程及び前記分級工程を繰り返して行うことで、再生細骨材の吸水率を、要求される基準を満たすまで確実に低減することができる。また、前記磨砕工程及び前記分級工程の繰り返しの程度を調整することで、再生細骨材の吸水率等の品質が目的とする品質となるようにコントロールできる。
【0012】
また、本発明においては、再生細骨材を慣性円錐磨砕機に投入する前段階で、再生細骨材中の粒径0.6mm以下、好ましくは粒径0.3mm以下の微粉を分級して除去する分級機構を設け、これによって磨砕工程の前に、再生細骨材中の粒径0.6mm以下、好ましくは粒径0.3mm以下の微粉を分級して除去するようにすることが好ましい。すなわち、再生細骨材中の粒径0.6mm以下、とくに粒径0.3mm以下の微粉には、セメント分微粒子が多く含まれ、慣性円錐磨砕機によって磨砕されると圧縮され、2〜10mm程度の圧片(2次粒子)となる。本来、この圧片は磨砕工程後に分級機によってセメント微粒子側に除去したいものであるが、分級機では圧片のまま分級作用を受けるため、粗粒側の再生細骨材に混入し、吸収率を上昇させる(低下を妨げる)原因となる。したがって、再生細骨材中の粒径0.6mm以下の微粉は、これを磨砕工程前に除去することが好ましい。
【0013】
ここで、本発明で使用する慣性円錐磨砕機は、マントルの下方にアンバランスウエイトを備えており、このアンバランスウエイトの調整及び円錐ヘッドの回転数の変更などで、磨砕力を容易に変更することができる。とくに円錐ヘッドの回転数の変更による磨砕力の調整は、インバータ制御の採用により、再生細骨材(被磨砕物)の性状に合わせ運転中に任意に行うことができるため、再生細骨材が過磨砕とならず、再生細骨材表面のセメント分のみを剥離することができる。すなわち、再生細骨材表面のセメント分のみを剥離可能な“ぎりぎり”の磨砕力に設定し高速回転で磨砕する(低い磨砕力で数多く磨砕する)ことで、再生細骨材表面のセメント分のみを効率的に剥離することができ、吸水率を低減することができる。
【0014】
これに対して、例えばコーンクラッシャであれば、磨砕力の調整ができないため、通常の出口隙間では過磨砕となり、骨材部分まで磨砕してしまう。そこで過磨砕とならないよう出口隙間を広げる必要がある。出口隙間を広げると、その分通過速度が速くなり磨砕時間(磨砕機内滞留時間)が短くなり、磨砕される回数が少なる。なお、コーンクラッシャの通常の回転数は250min−1〜300min−1であり、被磨砕物が磨砕中に受ける磨砕回数は、仮に磨砕時間(磨砕機内滞留時間)を1分とすると、250回〜300回である。
【0015】
本発明で使用する慣性円錐磨砕機の場合、上述のとおり磨砕力が調整できるため、低い磨砕力で出口隙間を小さくして通過速度を遅くし、磨砕時間(磨砕機内滞留時間)を長くすることができる。また、慣性円錐磨砕機の通常の回転数は800min−1〜1150min−1とコーンクラッシャに比べ3〜4倍であり、被磨砕物が破砕中に受ける磨砕回数は、仮に破砕時間(磨砕機内滞留時間)を同じく1分とすると、コーンクラッシャの3〜4倍の800〜1150回となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、粒径が5mm未満の再生細骨材の吸水率を確実かつ効率的に低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
図1は、本発明の再生細骨材の吸水率を低減する設備の設備構成を示す。
【0019】
コンクリート廃材は粒径40mm以下に予備破砕され、振動式破砕機1に連続的に投入される。振動破砕機1のドラム状の破砕室1a内には、ロッド径50〜30mm程度の大径破砕媒体ロッドとロッド径30未満〜19mm程度の小径破砕媒体ロッドの2種類が充填されており、この破砕室1aを加振機により振動させることにより骨材表面に付着したセメント分が剥離し、かつ骨材の大きさは粒径25mm以下程度に破砕され、排出口1bから排出される。排出口1bからは分級用空気が導入され、分級用空気とともに破砕物のうちの粒径が0.3mm以下程度の微粉(主にセメント分)が排気口1cから排出される。この微粉はブロアー7aによって吸引されて移送され、サイクロン5a及びバグフィルタ6aで回収され、ダストとして排出される。すなわち、この分級用空気を利用した分級機構によって、破砕物(粒径25mm以下程度の再生骨材)から0.3mm以下程度の微粉が除去される。
【0020】
微粉が除去された粒径25mm以下程度の再生骨材は、スクリーン2にかけられ、ふるい分けされる。スクリーン2は、20mmサイズの上段スクリーン2aと5mmサイズの下段スクリーン2bを備え、上段スクリーン2a上の粗粒は振動破砕機1に戻され、再度破砕される。そして、下段スクリーン2b上の粒径20mm未満〜5mmの骨材は再生粗骨材として回収される。また、下段スクリーン2b下の粒径5mm未満の再生骨材は再生細骨材として回収された後、慣性円錐磨砕機3に投入される。
【0021】
慣性円錐磨砕機3については後で詳しく説明するが、慣性円錐機磨砕機3では、遠心磨砕機構により、再生細骨材の表面のセメント分が骨材相互の磨砕により剥離され、かつ骨材は相互の磨砕により丸みの有る粒子に整粒され排出される。
【0022】
慣性円錐磨砕機3より排出された磨砕物(再生細骨材と剥離したセメント分微粒子の混合物)は、分級機としてのラダー式風力選別装置4に投入される。ラダー式風力選別装置4において、投入された磨砕物は、上部から下部方向へジグザグに通過して落下する。その際、本体上部に設けた吸引口4aよりブロアー7bの吸引力によってダスト(主に剥離したセメント分微粒子)のみ吸引されて分級される。吸引されたダストは、サイクロン5b及びバグフィルタ6bで回収される。すなわち、ラダー式風力選別装置4の本体下部からはダスト(セメント分微粒子)が取り除かれた再生細骨材が排出される。本体下部にはダンパ4bが設けられており、本体下部から排出される再生細骨材の0〜90%を循環ライン8を介して慣性円錐磨砕機3に戻し、残りの100〜10%を良質の再生細骨材として回収する。このように0〜90%を戻すことで、再度、磨砕及び分級が繰り返され、所望の良質の再生細骨材を得ることができる。
【0023】
ここで、0〜90%を戻して循環磨砕する理由は、コンクリート廃材は廃棄物回収品であり、コンクリートの原骨材の特性(吸水率など物理的性質)や、使用されたセメントの種類やコンクリート中の含有量、さらには、目的とする再生細骨材の要求物理的性質により、磨砕の程度を変えなければならないからである。すなわち、循環率を大きくすると、原骨材の吸水率に近い再生細骨材が得られる。再生細骨材原料の吸水率が再生細骨材M規格を満足する程度のおおよそ7〜6%程度であれば原骨材の品質にもよるが、循環率の調整で、再生細骨材H規格を十分満足する物理的品質の再生細骨材を得ることができる。
【0024】
次に、本発明の再生細骨材の吸水率を低減する設備において重要な役割を果たす慣性円錐磨砕機3の構成を図2により説明する。
【0025】
慣性円錐磨砕機3は、上部に骨材投入口10を有し、中間部に球面座支持体11を有し、下部に軸受部12を有する略円筒状のシェル13が防振ゴム14に支持されて設けられ、シェル13の骨材投入口10の下部には、表面が逆円錐状のコーンケーブ15が取り付けられ球面座支持体11には球面座16が取り付けられ、下部の軸受部12には、モータ17からVベルト18及びプーリ19を介して駆動される駆動軸20が支持されている。駆動軸20には回転を伝達でき、かつ揺動可能なスピンドルシャフト21の一端が支持され、スピンドルシャフト21の他端は主軸22に回転を伝達でき、かつ揺動可能に接続されている。また、主軸22の下部にはアンバランスウエイト23が取り付けられ、上部には球面座16に支承される円錐ヘッド24が取り付けられ、円錐ヘッド24の上面には、コーンケーブ15に対向してマントル25が取り付けられている。そして円錐ヘッド24は球面座16上を回転可能であると共に球面に沿って揺動することができるようになっている。なお、26は円錐ヘッド24と球面座支持体11との間をシールするように球面座支持体11に設けられたダストシール26である。
【0026】
この慣性円錐磨砕機3の磨砕作用を図3により説明する。
【0027】
まず、図3(a)の状態においてコーンケーブ15とマントル25とにより構成される破砕室左端では、アンバランスウエイト23の回転により発生する遠心力によりマントル25はコーンケーブ15との隙間が0mmに近い状態でコーンケーブ15内面を転動し、再生細骨材28の磨砕を行う、右端では破砕室内が振動しているため、再生細骨材の充填状態は高密度状態となる。
【0028】
次いで、マントル25が転動し図3(b)の状態となると、破砕室左端では圧縮磨砕された再生細骨材が重力と振動により排出される。さらにマントル25が転動し図3(c)の状態となると、図3(a)と反対に、破砕室左端に再生細骨材が充填され、右端では、高密度状態の再生細骨材をマントル25とコーンケーブ15との隙間が0mmに近い状態で転動するため、再生細骨材の逃げ場がなく、骨材相互で表面のセメントペースト分が磨砕により粒子から剥離され、かつ再生細骨材は丸みをおびた粒子となる。
【0029】
この慣性円錐磨砕機3では、上述のとおりアンバランスウエイト23の調整及び円錐ヘッド24の回転数の変更などで、磨砕力を容易に変更することができ、例えば、アンバランスウエイト23の固定ウエイトとの角度位置をずらすことで骨材自体は破砕されず、骨材表面のセメント分のみが剥離するぎりぎりの磨砕力に調整することができる。そして、この慣性円錐磨砕機3によれば、(1)磨砕機内滞留時間が長く取れる、(2)回転数が高い、という2つの相乗効果も相俟って、従来の磨砕機では、同一磨砕機による破砕工程を3〜4回繰り返す必要があるのに対し、慣性円錐磨砕機では1回又は循環連続処理による磨砕工程で、建築構造用再生骨材認定基準に定められた品質規定のうち最も重要な、絶乾密度2.5kg/cm以上及び吸水率3.5%以下を満たすことができる。
【0030】
また、コーンクラッシャでは、同一破砕機で3〜4回の破砕を行わなくてはならないため、処理工程がバッチ処理となり、連続的な処理ができない。これに比べ、慣性円錐破砕機では、1回の処理又は循環連続処理でよいため連続的な処理工程が実現できる。
【0031】
このように、本発明によれば、(1)連続処理ができるため、生産効率が向上する、(2)再生細骨材原料の品質又は要求品質に合わせた処理ができるため、省電力で消耗品も節約できるなど、生産性の向上に大きな効果を得ることができる。
【実施例1】
【0032】
図1の下段スクリーン2b下で回収した再生細骨材原料(絶乾密度2.28g/cm、吸水率6.61%)を供試材とし、これを慣性円錐磨砕機3の回転数を820min−1として磨砕し、ラダー式風力選別装置4の吸引口4aからの吸引量を調整し、分級点0.3mmまたは分級点0.3mmを目標として再生細骨材を得た。この際、ラダー式風力選別装置4の本体下部から慣性円錐磨砕機3に戻す循環率は0%とした。すなわち、再生細骨材原料の磨砕工程は1回のみとした。
【0033】
得られた再生細骨材の物理的性質は、分級点1.0mmを目標に吸引した試験結果では、絶乾密度2.58g/cm、吸水率3.10%であった。また、分級点0.3mmを目標に吸引した試験結果では、絶乾密度2.56g/cm、吸水率3.42%であった。いずれもJISA5021 コンクリート用再生骨材Hに定められている品質規定を満足するものであった。
【実施例2】
【0034】
図1の下段スクリーン2b下で回収した吸水率7.5%の再生細骨材原料を供試材とし、これを慣性円錐磨砕機3の回転数を820min−1として磨砕し、ラダー式風力選別装置4の吸引口4aからの吸引量を調整し、分級点0.3mmを目標として再生細骨材を得た。この際、ラダー式風力選別装置4の本体下部から慣性円錐磨砕機3に戻す循環率を変化させ、この循環率と得られた再生細骨材の吸水率との関係を調査した。
【0035】
その結果を図4に示す。同図に示すように、循環率を上げると吸水率は低下し、この例では循環率を約50%にすることにより、JISA5021 コンクリート用再生骨材Hに定められている品質規定(吸水率3.5%以下)を満足する再生細骨材が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、コンクリート廃材から細骨材を再生製造する設備に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の再生細骨材の吸水率を低減する設備の設備構成を示す。
【図2】本発明で使用する慣性円錐磨砕機の構成を示す。
【図3】慣性円錐磨砕機の作用を示す。
【図4】循環率と再生細骨材の吸水率との関係を示す。
【符号の説明】
【0038】
1 振動式破砕機
1a 破砕室
1b 排出口
1c 排気口
2 スクリーン
2a 上段スクリーン
2b 下段スクリーン
3 慣性円錐磨砕機
4 ラダー式風力選別装置
4a 吸引口
4b ダンパ
5a、5b サイクロン
6a、6b バグフィルタ
7a、7b ブロアー
8 循環ライン
10 骨材投入口
11 球面座支持体
12 軸受部
13 シェル
14 防振ゴム
15 コーンケーブ
16 球面座
17 モータ
18 Vベルト
19 プーリ
20 駆動軸
21 スピンドルシャフト
22 主軸
23 アンバランスウエイト
24 円錐ヘッド
25 マントル
26 ダストシール
27 球面軸受

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート廃材を破砕して得られた再生骨材のうち、粒径が5mm未満の再生細骨材の吸水率を低減する設備であって、
前記再生細骨材を磨砕する慣性円錐磨砕機と、
この慣性円錐磨砕機から排出された磨砕物を受け入れて、この磨砕物中の再生細骨材とセメント分微粒子とを分級し、再生細骨材を得る分級機とを備え、
前記慣性円錐磨砕機が、シェルと、このシェルに設けられた球面座支持体と、この球面座支持体に取り付けられた球面座と、この球面座に支承され、偏心しながら回転駆動される円錐ヘッドと、この円錐ヘッドに取り付けられたマントルと、このマントルに対向してシェルに取り付けられたコーンケーブと、マントルの下方に取り付けられたアンバランスウエイトとを備え、前記円錐ヘッドが球面座上を偏心しながら回転駆動されることにより、マントルとコーンケーブとの間で再生細骨材を磨砕するものである再生細骨材の吸水率を低減する設備。
【請求項2】
前記分級機で得られた再生細骨材を前記慣性円錐磨砕機に戻す循環ラインを備えた請求項1に記載の再生細骨材の吸水率を低減する設備。
【請求項3】
再生細骨材を慣性円錐磨砕機に投入する前段階で、再生細骨材中の粒径0.6mm以下の微粉を分級して除去する分級機構を備えた請求項1又は2に記載の再生細骨材の吸水率を低減する設備。
【請求項4】
コンクリート廃材を破砕して得られた再生骨材のうち、粒径が5mm未満の再生細骨材の吸水率を低減する方法であって、
前記再生細骨材を慣性円錐磨砕機によって磨砕する磨砕工程と、
前記慣性円錐磨砕機から排出された磨砕物中の再生細骨材とセメント分微粒子とを分級し、再生細骨材を得る分級工程とを含み、
前記慣性円錐磨砕機として、シェルと、このシェルに設けられた球面座支持体と、この球面座支持体に取り付けられた球面座と、この球面座に支承され、偏心しながら回転駆動される円錐ヘッドと、この円錐ヘッドに取り付けられたマントルと、このマントルに対向してシェルに取り付けられたコーンケーブと、マントルの下方に取り付けられたアンバランスウエイトとを備え、前記円錐ヘッドが球面座上を偏心しながら回転駆動されることにより、マントルとコーンケーブとの間で再生細骨材を磨砕するものを使用する再生細骨材の吸水率を低減する方法。
【請求項5】
前記磨砕工程及び前記分級工程を繰り返して行う請求項4に記載の再生細骨材の吸水率を低減する方法。
【請求項6】
前記磨砕工程の前に、再生細骨材中の粒径0.6mm以下の微粉を分級して除去する請求項4又は5に記載の再生細骨材の吸水率を低減する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−13016(P2009−13016A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−177077(P2007−177077)
【出願日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(000115500)ラサ工業株式会社 (19)
【出願人】(504350821)篠崎建材合資会社 (3)
【出願人】(500153552)ユーラステクノ株式会社 (5)
【Fターム(参考)】