説明

再生装置、その制御方法及びプログラム

【課題】 画像データが表示されていないコンテンツデータを含む全てのコンテンツデータの内容を把握し、コンテンツデータに対する操作を感覚的に行うことを可能とする。
【解決手段】 スピーカ位置決定部204は、複数のコンテンツデータと複数の音声出力装置とを対応付ける。音声出力部203は、複数のコンテンツデータの音声データを夫々対応する音声出力装置から出力する。リモコン方向検出部206は、再生装置に対して動作指示を与える操作装置の方向を検出する。映像合成部202は、リモコン方向検出部206により検出された操作装置の方向に対応するコンテンツデータの画像データを表示装置209に表示させる。音声出力部203は、リモコン方向検出部206により検出された操作装置の方向に対応するコンテンツデータの音声データを、複数の音声出力装置のうちの表示装置に対応する位置に配置される音声出力装置から出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生される複数のコンテンツデータに対する操作を行うための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ放送波だけでなくハードディスクやネットワーク上に大量に映像コンテンツが置かれ、ユーザがそれら映像コンテンツやテレビ放送波の中から視聴コンテンツを選択することが一般的に行われるようになってきている。
【0003】
視聴者が大量の映像コンテンツの中から視聴する映像コンテンツを選択する際に、ファイル名やサムネイル静止画から検索するのではなく、映像コンテンツを再生しながら複数の映像コンテンツを並べて選択するGUIが可能になってきている。なお、GUIは、グラフィック・ユーザ・インタフェースの略称である。
【0004】
但し、大量の映像コンテンツを、一度に全て画面上に並べることができないため、映像コンテンツをスクロール表示しながら視聴者が視聴する映像コンテンツを選択する方法が一般的である。若しくは、テレビ放送波等については、対応する識別子(例えば、局番号)を直接入力する選択方法もある。
【0005】
また、複数の映像コンテンツを同時に表示する場合、主視聴として選択している映像コンテンツの音声のみを出力する方法が一般的である。この方法の場合、他の映像コンテンツの音声は聞こえないため、視聴者は、各映像コンテンツの見たかった決定的なシーン等に気が付かずに、見逃してしまう場合があった。この対策として、表示している複数の映像と音声を対応させて同時に視聴することができる方法が幾つか開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平8−98102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の方法では、ディスプレイ上に表示して内容を確認できる映像コンテンツ数には限りがある。そのため、ディスプレイ上に表示されていない、裏で再生されている映像コンテンツについては、視聴者は再生状況を把握することができない。更には、映像コンテンツ数が多い場合のスクロール操作では、目的の映像コンテンツに行き着くまでに非常に時間が掛かる。また、映像コンテンツに対応する識別子を入力する操作等では、識別子を覚えたり確認したりする等、操作手間が掛かる。そのため、視聴者は、視聴することを望んでいたシーンを見逃すことが多く、操作性も快適でないといった問題があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、視聴者は画像データが表示されていないコンテンツデータを含む全てのコンテンツデータの内容や状況を把握することができ、操作装置の方向を向けることでコンテンツデータに対する操作を感覚的に行うことを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の再生装置は、複数のコンテンツデータと複数の音声出力装置とを対応付ける対応付け手段と、前記複数のコンテンツデータの音声データを夫々対応する音声出力装置から出力する音声出力手段と、当該再生装置に対して動作指示を与える操作装置の方向を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記操作装置の方向に対応するコンテンツデータの画像データを表示装置に表示させる表示制御手段とを有し、前記音声出力手段は、前記検出手段により検出された前記操作装置の方向に対応するコンテンツデータの音声データを、前記複数の音声出力装置のうちの前記表示装置に対応する位置に配置される音声出力装置から出力することを特徴とする。
本発明の再生装置の制御方法は、複数のコンテンツデータと複数の音声出力装置とを対応付ける対応付けステップと、前記複数のコンテンツデータの音声データを夫々対応する音声出力装置から出力する音声出力ステップと、当該再生装置に対して動作指示を与える操作装置の方向を検出する検出ステップと、前記検出ステップにより検出された前記操作装置の方向に対応するコンテンツデータの画像データを表示装置に表示させる表示制御ステップとを含み、前記音声出力ステップは、前記検出ステップにより検出された前記操作装置の方向に対応するコンテンツデータの音声データを、前記複数の音声出力装置のうちの前記表示装置に対応する位置に配置される音声出力装置から出力することを特徴とする。
本発明のプログラムは、再生装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、複数のコンテンツデータと複数の音声出力装置とを対応付ける対応付けステップと、前記複数のコンテンツデータの音声データを夫々対応する音声出力装置から出力する音声出力ステップと、当該再生装置に対して動作指示を与える操作装置の方向を検出する検出ステップと、前記検出ステップにより検出された前記操作装置の方向に対応するコンテンツデータの画像データを表示装置に表示させる表示制御ステップとをコンピュータに実行させ、前記音声出力ステップは、前記検出ステップにより検出された前記操作装置の方向に対応するコンテンツデータの音声データを、前記複数の音声出力装置のうちの前記表示装置に対応する位置に配置される音声出力装置から出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、複数のコンテンツデータの音声データを夫々対応する音声出力装置から出力する。そして、操作装置の方向を検出し、操作装置の方向に対応するコンテンツデータの画像データを表示するとともに、操作装置の方向に対応するコンテンツデータの音声データを表示装置に対応する位置に配置される音声出力装置から出力するように構成している。従って、本発明によれば、視聴者は画像データが表示されていないコンテンツデータを含む全てのコンテンツデータの内容や状況を把握することができ、操作装置の方向を向けることでコンテンツデータに対する操作を感覚的に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
【0012】
<第1の実施形態>
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態における映像再生制御装置の映像コンテンツの再生状況を示す図である。
【0013】
図1において、100はディスプレイの表示画面である。101、102、108は、ディスプレイ上に同時再生される表示映像データである。表示映像データ101、102、108は、表示画面100に示す形態に横方向に並べて表示再生される。この例では、表示画面100の中央に表示されている表示映像データ101は、視聴者に主に視聴されている映像データである。なお、本実施形態における映像データは、本発明の画像データの適用例となる構成である。
【0014】
103、104、105、106、107は、表示画面100上に表示されていない非表示映像データであるが、表示映像データと同時再生されている非表示映像データである。非表示映像データ103、104、105、106、107は、表示映像データとリング形状に仮想的に並べられている。表示画面100はスクロール表示され、映像データがリング形状の横方向へ移動していく。例えば、リング形状の左横方向へのスクロールによって、表示映像データは表示画面100から102、101、108の順で消えていき、非表示映像データとなる。逆に非表示映像データは表示画面100上に107、106、105、104、103の順で現れ、表示映像データとなる。
【0015】
110は、視聴者を中心とした空間に配置されたスピーカに、映像データ101〜108を仮想的にマッピングしたイメージを表している。
【0016】
111〜118は、マッピングした映像データの音声をスピーカから出力している音声データであり、スピーカの位置も表している。映像データ101〜108の音声は、それぞれ音声データ111〜118に対応し、且つ、対応する位置に配置されるスピーカから出力される。
【0017】
119は、映像再生制御装置に対して動作指示を与えるためのリモートコントロール装置であり、例えば視聴者が任意の映像データの視聴指示を与えるための操作が行われる。
【0018】
図2は、本発明の第1の実施形態における映像再生制御装置の構成を示すブロック図である。図2において、200は映像再生制御装置である。201は、映像再生制御装置200に入力される映像音声データである。映像音声データ201は、映像再生制御装置200に対し複数入力することが可能である。
【0019】
202は、映像合成部である。複数入力された映像音声データ201を表示映像データとして、表示画面100に示す形態に合成し出力する。非表示映像データについては、仮想的にリング形状にマッピングを行う。また、映像合成部202は、コンテンツ指示部205の結果に従い、指示された映像データの表示を調整する等、視聴者からの表示に関する指示を反映する。また、各映像データの最新のある時間分のデータを蓄積するリングバッファ等のメモリを映像合成部202に装備することもできる。設定によって映像合成部202は、実際の映像コンテンツの再生をリアルタイムで表示せずに、メモリから蓄積したデータを読み出す。これにより、リアルタイムで再生している映像コンテンツより、所定の時間分、例えば数秒程度遅延した映像コンテンツを表示するように、表示画面100に示す形態を合成することも可能である。なお、上記メモリは、本発明の蓄積手段の適用例となる構成である。
【0020】
203は、音声出力部である。音声出力部203は、映像合成部202の出力である表示画面100に表示される複数の表示映像データと、表示画面100には表示されない非表示映像データとの音声に関する制御を実行する。音声出力部203は、スピーカ位置決定部204の決定結果に従い、各映像データに対応する音声データをスピーカから出力する。場合によって音声出力部203は、複数の音声データを合成しながらスピーカから出力する。また、音声出力部203は、コンテンツ指示部205の指示決定に従い、指示された映像データの音量を調整する等、視聴者からの音に関する指示を反映する。また、設定によって音声出力部203は、主視聴しているスピーカ以外の音量は小さめに出力する。更には、音声出力部203は、歓声や悲鳴や視聴者が予め登録した特徴的な音声(所定の音声)等のモニタリングを行い、対象の音声を検出した場合には、その音声を大きめに出力する等の制御も行う。なお、音声出力部203は、本発明の音声出力手段の適用例となる構成である。
【0021】
204は、スピーカ位置決定部であり、予めスピーカの数と位置の情報が設定されている。スピーカ位置決定部204は、リング形状にマッピングした表示映像データと非表示映像データとの位置と、複数スピーカの数及び位置との情報により、各映像データに対応する音声データを出力するスピーカを決定する。即ち、スピーカ位置決定部204は、複数の映像コンテンツと複数のスピーカとの対応付けを行う。この際、スピーカの数が映像コンテンツの数より多い場合には、少なくとも何れか一つの映像コンテンツを複数のスピーカに割り当てるようにしてもよい。あるいは、映像コンテンツの音声データを出力するスピーカを映像データの数まで間引いて映像コンテンツを割り当てるようにしてもよい。逆に、スピーカの数が映像コンテンツの数より少ない場合には、少なくとも何れか一つのスピーカを複数の映像コンテンツに割り当てるようにしてもよい。なお、スピーカ位置決定部204は、本発明の請求項1に記載した対応付け手段の適用例となる構成である。
【0022】
205は、コンテンツ指示部である。リモートコントロール装置119により映像データの再生の制御を行う。コンテンツ指示部205は、リモコン方向検出部206の検出結果に従い、視聴者から指示された映像コンテンツの映像データを表示制御するための指示を映像合成部202に与え、音声データを出力制御するための指示を音声出力部203に与える。
【0023】
206は、リモコン方向検出部である。リモコン方向検出部206は、視聴者がリモートコントロール装置119であるリモコンを、どのスピーカ方向に向けて操作しているのかの検出を行う。例えば、各スピーカにリモコンの受信機がセットされ、リモコンからの送信光の受信機への侵入角度をセンサで感知し、どの音声出力に向けてのリモコン操作なのかを判断する。また、例えば、スピーカに位置を識別できるマークを設置し、リモコン側に画像を撮影するセンサを設け、操作方向を撮影し画像認識することで、どの音声出力に向けての操作なのかを判断する。なお、リモコン方向検出部206は、本発明の検出手段の適用例となる構成である。
【0024】
これらの方向の判断については、物体の姿勢や角度を検出するジャイロスコープ等の計測器を用いても可能であり、リモコンがどの方向に向いているのかを検出できれば、どんな方法でもよい。また、設定によってリモコン方向検出部206は、音声出力部203で検出される特徴的な音声データの映像コンテンツの方向とリモコンの方向とが異なっているが、それらの方向の違いが設定された所定の範囲内であれば、検出したリモコンの方向を、特徴的な音声の方向に補正する制御等も行う。
【0025】
208は、表示制御部である。表示制御部208は映像合成部202からの出力結果を表示装置209へ表示する。表示制御部208は、本発明の表示制御手段の適用例となる構成である。
【0026】
209は、表示装置である。表示装置209は表示制御部208に接続され、表示画面100が表示される。
【0027】
図3は、本発明の第1の実施形態における映像再生制御装置による映像コンテンツの再生結果を示す図である。
【0028】
図3において、300は、図1の100と同様にディスプレイの表示画面である。表示画面300は、表示画面100の状況からある時間が経過した状況を示している。
【0029】
301〜308は、リング形状にマッピングした映像データである。映像データ301〜308は、それぞれ図1の映像データ101〜108に対応する。この状態での表示映像データは303、304、305であり、非表示映像データは301、302、306、307、308である。映像データ304が主視聴されている状態である。
【0030】
310は、図1の110と同様に、視聴者を中心とした空間に配置されたスピーカに映像データ301〜308を仮想的にマッピングしたイメージを表している。但し、310は、110の状況からある時間が経過した状況を示している。
【0031】
311〜318は、マッピングした映像データの音声をスピーカから出力している音声データであり、スピーカの位置も表している。映像データ301〜308の音声は、それぞれ音声データ311〜318に対応し、且つ、対応する位置に配置されるスピーカから出力される。
【0032】
図4は、本実施形態における映像再生制御装置の処理手順を示すフローチャートである。以下、本発明の第1の実施形態の動作を図4のフローチャートに従って説明する。
【0033】
図4のフローチャートに示す処理は、視聴者が映像コンテンツを視聴している最中に、リモコン操作によって、主視聴している映像コンテンツの切り換え指示を行うことにより開始する。なお、リモコン操作による他の指示毎に本フローチャートと同様の処理が存在し、本フローチャートの各処理は、それら他の処理においても再利用、若しくは流用が可能である。
【0034】
ステップ400において、リモコン方向検出部206は、リモートコントロール装置119で操作を指示された方向を検出し、操作対象である映像データを特定する。図1の例では、リモートコントロール装置119では、音声データ114を出力しているスピーカ方向に対して操作しており、その結果、対応する映像データ104が操作対象として決定される。
【0035】
ステップ401において、コンテンツ指示部205は、仮想的にリング形状にマッピングされた各映像データの移動する位置を決定し、映像合成部202に指示する。図1において、映像切り換えの対象となった映像データ104が主視聴の表示映像データになるように、各映像データの位置を決定し、移動を指示する。この場合、各映像データの移動する位置は、視聴者の操作内容や、予め設定されている内容に従う。例えば、切り換え対象の映像データが主視聴の位置に来るまでリング全体を回転させる。或いは、切り換え対象の映像データだけを主視聴の位置に割り込ませ、他の割り込まれた映像データはどちらかにスライド移動する。或いは、切り換え対象の映像データと主視聴の映像データだけを入れ替える等の設定が考えられる。なお、図3はリング全体を回転させた場合を例示している。
【0036】
ステップ402において、コンテンツ指示部205は、スピーカにマッピングされている各音声データの移動する位置を決定し、音声出力部203に指示する。図1において、ステップ401での映像データが移動する位置と連動して、各音声データが移動するスピーカ位置を決定し、移動を指示する。図3の例では、ステップ401にてリング全体を回転させているので、音声データが出力されるスピーカ位置も全体的に移動する。
【0037】
ステップ403において、ステップ401の指示により映像合成部202は、新しく画面を構成する各映像データで画面を合成し、その結果を表示制御部208にて表示装置209に出力する。
【0038】
図3において、表示画面300が形成され、特に主視聴の対象が映像データ304(図1の映像データ104と同じ)に切り替わる。また、ステップ402の指示により音声出力部203は、新たに決まったスピーカ位置から各音声データを出力する。図3において、特に主視聴の対象が音声データ314(図1の音声データ114と同じ)に切り替わる。この際、新しく主視聴となる映像データにおいて、設定によっては表示を切り換える瞬間に、映像合成部202内のメモリで蓄積している数秒前の映像データで画面を合成し、且つ音声データを出力する。
【0039】
以上、説明したように本実施形態における映像再生制御装置200では、表示されていない映像コンテンツの音声データを出力することができ、視聴者は非表示の映像コンテンツの音声データを確認することができる。また、視聴者は、その音声を頼りに、音声のする方向にリモコンを向けて映像コンテンツに対して指示を与える等、感覚的な映像コンテンツの操作が可能となる。更に、映像切り換え操作をした映像コンテンツを瞬時にディスプレイ上の主視聴の映像として再生表示することができる。その結果、視聴者が望んでいた映像コンテンツのシーンに気が付くこと無く見逃してしまったり、切り換え操作に時間が掛かることで見逃してしまったりすることを、防止することが可能となる。
【0040】
また、その他の効果として、主視聴している映像コンテンツ以外の映像コンテンツの音量を小さく出力するように設定することにより、視聴者の視聴を妨げない。また、歓声や悲鳴や登録した音声等の特徴的な音声データの音量を、他の音声データよりも大きく出力するように設定することにより、視聴者は映像コンテンツの状況を音で把握しやすい。また、リモコンで操作した方向を、特徴的な音声データを出力したスピーカの位置を加味して補正するように設定することにより、視聴者の感覚的な操作を更に補助する。さらに、映像の切り換え操作を行った際に、数秒前から遅延して再生を表示するように設定することにより、更なる視聴者の望む瞬間のシーンの見逃しを防ぐことができる。
【0041】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下の説明において第1の実施形態と共通する部分の説明は省略する。
【0042】
図5は、本発明の第2の実施形態における映像再生制御装置600の構成を示すブロック図である。図5において、207は、チャンネル方向設定部である。チャンネル方向設定部207は、映像コンテンツの各チャンネル(例えば、放送局等)を、それぞれ空間上の各方向にマッピングする。なお、図5の207以外の構成は、図2に示す同符号の構成と同様である。
【0043】
図6は、本発明の第2の実施形態における映像再生制御装置600のチャンネルの音声再生状況を示す図である。
【0044】
図6において、500は、視聴者を中心とした空間にマッピングされた各映像コンテンツのチャンネルの方向と、そのチャンネルの音声データを出力するスピーカとの対応を表す図である。各チャンネルの方向と各スピーカとのマッピングは、チャンネル方向設定部207とスピーカ位置決定部204により予め対応づけられ設定されている。この設定処理は、本発明の請求項7に記載した対応付け手段の処理例となる。
【0045】
501は、主視聴されている映像コンテンツの音声データを出力しているスピーカである。500の状況においては、スピーカ501以外のスピーカからは音声データは出力されていない。
【0046】
502は、視聴者が任意のチャンネルに指示を与えるための操作を行うリモートコントロール装置である。
【0047】
510は、500と同様、視聴者を中心とした空間にマッピングされた各チャンネルと、そのチャンネルの音声データを出力するスピーカとの対応を表している。510は500の状況からある時間が経過した状況を示している。
【0048】
511は、501と同じであり、主視聴されている映像コンテンツの音声データを出力しているスピーカである。スピーカ511は同じ映像コンテンツの音声データの出力を継続している。
【0049】
512は、4チャンネルに割り付けられたスピーカであり、4チャンネルの音声データを出力する。
【0050】
以下、本発明の第2の実施形態の動作について説明する。視聴者は、あるコンテンツを主視聴しており、その音声がスピーカ501から出力されている。視聴者が500の状況にある際に、リモートコントロール装置502によりチャンネル方向(図5では、4ch)に音声データを追加で出力する操作を行う。その結果、図4のフローチャートのステップ400と同様の処理により、最終的に操作対象のチャンネルを特定する。
【0051】
次に、コンテンツ指示部205により、特定したチャンネル(4ch)に割り当てられているスピーカ512から、そのチャンネル(4ch)の音声データを出力するように、音声出力部203に指示が出される。音声出力部203は、スピーカ512からそのチャンネル(4ch)の音声データを出力する。その結果、500から510の状況に変更され、視聴者は、主視聴しているコンテンツの音声データをスピーカ511から、追加出力操作したチャンネル(4ch)の音声データをスピーカ512から、同時に両方を聞くことができる。
【0052】
以上説明したように、本実施形態における映像再生制御装置では、視聴者は、リモコンを空間上に割り当てられたチャンネルの方向に向けて操作することができる。その結果、チャンネル番号等を頼りにする操作と違い、感覚的な操作が可能となる。また、主視聴している映像コンテンツとは別に、視聴者が気になるチャンネルの音声だけを聞くことができる。
【0053】
なお、上述した第1、第2の実施形態における映像再生制御装置200、600は、本発明の再生装置の適用例となる構成である。また、映像コンテンツは本発明のコンテンツデータ、スピーカは本発明の音声出力装置、リモートコントロール装置119、502は本発明の操作装置、表示装置209は本発明の表示装置の適用例となる構成である。
【0054】
<その他の実施形態>
なお、本発明は、複数の機器から構成されるシステムの1部として適用しても、1つの機器からなる装置の1部に適用してもよい。
【0055】
また、本発明は上記実施形態を実現するための装置及び方法のみに限定されるものではない。
【0056】
例えば、上記システム又は装置内のコンピュータ(CPU或いはMPU)に、上記実施形態を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給するものも本発明の範疇に含まれる。また、このプログラムコードに従って上記システム或いは装置のコンピュータが上記各種デバイスを動作させることにより上記実施例を実現する場合も本発明の範疇に含まれる。
【0057】
この場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が上記実施形態の機能を実現することになる。即ち、そのプログラムコード自体、及びそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、具体的には上記プログラムコードを格納した記憶媒体も本発明の範疇に含まれる。
【0058】
この様なプログラムコードを格納する記憶媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0059】
また、本発明は上記プログラムコードのみに従って各種デバイスを制御することにより、上記実施形態の機能が実現される場合に限らない。例えば、上記プログラムコードがコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)、或いは他のアプリケーションソフト等と共同して上記実施形態が実現される場合も本発明の範疇に含まれる。
【0060】
更に、コンピュータの機能拡張ボードに備わるメモリに格納された上記プログラムコードの指示に基づいて、その機能拡張ボードに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合なども本発明の範疇に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1の実施形態における映像再生制御装置の映像コンテンツの再生状況を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における映像再生制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における映像再生制御装置による映像コンテンツの再生結果を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における映像再生制御装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態における映像再生制御装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施形態における映像再生制御装置のチャンネルの音声再生状況を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
200、600 映像再生制御装置
201 映像音声データ
202 映像合成部
203 音声出力部
204 スピーカ位置決定部
205 コンテンツ指示部
206 リモコン方向検出部
207 チャンネル方向設定部
208 表示制御部
209 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツデータと複数の音声出力装置とを対応付ける対応付け手段と、
前記複数のコンテンツデータの音声データを夫々対応する音声出力装置から出力する音声出力手段と、
当該再生装置に対して動作指示を与える操作装置の方向を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記操作装置の方向に対応するコンテンツデータの画像データを表示装置に表示させる表示制御手段とを有し、
前記音声出力手段は、前記検出手段により検出された前記操作装置の方向に対応するコンテンツデータの音声データを、前記複数の音声出力装置のうちの前記表示装置に対応する位置に配置される音声出力装置から出力することを特徴とする再生装置。
【請求項2】
前記対応付け手段は、前記複数のコンテンツデータのうち、前記表示装置に画像データが表示されているコンテンツデータと前記表示装置に画像データが表示されていないコンテンツデータとの双方を複数の音声出力装置との対応付けることを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
前記対応付け手段は、前記複数のコンテンツデータの数が前記複数の音声出力装置の数より少ない場合には、前記複数のコンテンツデータのうちの少なくとも何れか一つのコンテンツデータを複数の音声出力装置と対応付け、前記複数のコンテンツデータの数が前記複数の音声出力装置の数より多い場合には、前記複数の音声出力装置のうちの少なくとも何れか一つの音声出力装置を二以上のコンテンツデータと対応付けることを特徴とする請求項1又は2に記載の再生装置。
【請求項4】
前記音声出力手段は、前記表示装置に画像データが表示されているコンテンツデータの音声データより、前記表示装置に画像データが表示されていないコンテンツデータの音声データを小さい音量で出力することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の再生装置。
【請求項5】
前記音声出力手段は、所定の音声に対応する音声データを検出した場合、前記音声に対応する音声データの音量を大きくして出力することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の再生装置。
【請求項6】
前記検出手段は、前記検出手段が検出した前記操作装置の方向と、前記音声出力手段が前記所定の音声に対応する音声データを検出したコンテンツデータの方向とが異なっている場合、それらの方向の違いが所定の範囲内であれば、前記操作装置の方向を前記コンテンツデータの方向に補正することを特徴とすることを特徴とする請求項5に記載の再生装置。
【請求項7】
前記複数のコンテンツデータを蓄積する蓄積手段と、
前記表示制御手段は、前記検出手段により前記操作装置の方向に対応するコンテンツデータが検出された場合、当該コンテンツデータを前記蓄積手段より読み出し、所定の時間分だけ遅延させて前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の再生装置。
【請求項8】
複数のコンテンツデータのチャンネルと複数の音声出力装置とを対応付ける対応付け手段と、
当該再生装置に対して動作指示を与える操作装置の方向を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記操作装置の方向に対応するコンテンツデータのチャンネルの音声データを出力する音声出力手段とを有することを特徴とする再生装置。
【請求項9】
前記音声出力手段は、前記複数のコンテンツデータのうちの表示装置に画像データが表示されているコンテンツデータの音声データを、前記複数の音声出力装置のうちの前記表示装置に対応する位置に配置される音声出力装置から出力することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の再生装置。
【請求項10】
再生装置の制御方法であって
複数のコンテンツデータと複数の音声出力装置とを対応付ける対応付けステップと、
前記複数のコンテンツデータの音声データを夫々対応する音声出力装置から出力する音声出力ステップと、
当該再生装置に対して動作指示を与える操作装置の方向を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにより検出された前記操作装置の方向に対応するコンテンツデータの画像データを表示装置に表示させる表示制御ステップとを含み、
前記音声出力ステップは、前記検出ステップにより検出された前記操作装置の方向に対応するコンテンツデータの音声データを、前記複数の音声出力装置のうちの前記表示装置に対応する位置に配置される音声出力装置から出力することを特徴とする再生装置の制御方法。
【請求項11】
再生装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
複数のコンテンツデータと複数の音声出力装置とを対応付ける対応付けステップと、
前記複数のコンテンツデータの音声データを夫々対応する音声出力装置から出力する音声出力ステップと、
当該再生装置に対して動作指示を与える操作装置の方向を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにより検出された前記操作装置の方向に対応するコンテンツデータの画像データを表示装置に表示させる表示制御ステップとをコンピュータに実行させ、
前記音声出力ステップは、前記検出ステップにより検出された前記操作装置の方向に対応するコンテンツデータの音声データを、前記複数の音声出力装置のうちの前記表示装置に対応する位置に配置される音声出力装置から出力することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−171889(P2010−171889A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−14539(P2009−14539)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】