説明

再生装置、再生方法、およびプログラム

【課題】H.264/MPEG-4 MVCの符号化データの処理をフラグの値に応じて制御することができるようにする。
【解決手段】本技術の一側面の再生装置は、再生装置自身が、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であるか否かを表すフラグに値を設定する設定部と、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データの再生を前記フラグの値に応じて制御し、再生して得られた画像を表示装置に出力する再生制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、特に、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データの処理をフラグの値に応じて制御することができるようにした再生装置、再生方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、立体視が可能な画像を収録した3Dコンテンツが注目されている。3Dコンテンツのビデオデータには、左目用の画像(L画像)と右目用の画像(R画像)のデータが含まれる。L画像に写る被写体とR画像に写る被写体には、視差に相当するずれがある。
【0003】
例えば視差が設定されたL画像とR画像を交互に表示し、アクティブシャッタメガネをかけたユーザの左目と右目にそれぞれ届けることによって、被写体を立体的に認識させることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−280516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
L画像とR画像の符号化方式としてH.264/MPEG-4 MVCがある。H.264/MPEG-4 MVCにおいては、L画像とR画像のそれぞれについて、1080/60i(1920×1080画素のサイズ、インタレース方式の59.94フィールド/秒)または1080/50i(1920×1080画素のサイズ、インタレース方式の50フィールド/秒)での符号化が可能とされているが、L画像とR画像を1080/60iまたは1080/50iでH.264/MPEG-4 MVCによって符号化して得られた符号化データをデコード可能な再生装置は多くない。
【0006】
H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な再生装置として例えば3D BD-ROM(Blu-ray(商標) Disc- Read Only Memory)対応のプレーヤがあるが、3D BD-ROMでは1080/60i、1080/50iのL画像とR画像のデコードについては規格化されていない。従って、従来の3D BD-ROM対応のプレーヤでは、L画像とR画像を1080/60iまたは1080/50iでH.264/MPEG-4 MVCによって符号化して得られた符号化データをデコードすることができない。
【0007】
さらに、再生装置が、1080/60iまたは1080/50iでH.264/MPEG-4 MVCによって符号化して得られた符号化データをデコードすることが可能であっても、1080/60iまたは1080/50iで構成されたフレームシーケンシャル形式のステレオ画像を受信できない表示装置が接続された場合、ステレオ画像を表示することは出来ない。
【0008】
なお、本発明における1080/60iまたは1080/50iで構成されたフレームシーケンシャル形式のステレオ画像の受信とは、例えば、HDMI接続時においては、HDMI規格で定義された Frame packing for interlaced format形式またはField alternative形式による1080/60iまたは1080/50iのステレオ画像の受信を指す。
【0009】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データの処理をフラグの値に応じて制御することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本技術の一側面の再生装置は、再生装置自身が、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であるか否かを表すフラグに値を設定する設定部と、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データの再生を前記フラグの値に応じて制御し、再生して得られた画像を表示装置に出力する再生制御部とを備える。
【0011】
前記フラグは1ビットの情報であり、前記設定部には、前記再生装置自身がH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードができない装置である場合、前記フラグに0の値を設定させ、前記再生装置自身がH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置である場合、前記フラグに1の値を設定させることができる。
【0012】
H.264/MPEG-4 MVCに対応した復号部をさらに設けることができる。この場合、前記再生制御部には、前記フラグの値が、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であることを表す場合、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データを前記復号部にデコードさせることができる。
【0013】
H.264/MPEG-4 MVCに対応せず、H.264/AVCに対応した復号部をさらに設けることができる。この場合、前記再生制御部には、前記フラグの値が、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードができない装置であることを表す場合、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データに含まれるBase viewビデオストリームを前記復号部にデコードさせることができる。
【0014】
前記設定部には、前記再生装置自身がH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であり、かつ、前記表示装置がフレームシーケンシャル形式のステレオ画像を受信可能な装置である場合に、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であることを表す値を前記フラグに設定させることができる。
【0015】
前記設定部には、前記再生装置自身がH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であるが、前記表示装置がフレームシーケンシャル形式のステレオ画像を表示できない装置である場合、前記再生装置自身が、フレームシーケンシャル形式のステレオ画像を前記表示装置が受信可能な所定の形式のステレオ画像に変換可能であるときには、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であることを表す値を前記フラグに設定させることができる。
【0016】
H.264/MPEG-4 MVCに対応した復号部と、フレームシーケンシャル形式のステレオ画像を前記所定の形式のステレオ画像に変換する変換部とをさらに設けることができる。この場合、前記再生制御部には、前記フラグの値が、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であることを表す場合、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データを前記復号部にデコードさせ、前記変換部に、前記復号部によるデコードによって得られたフレームシーケンシャル形式のステレオ画像を前記所定の形式のステレオ画像に変換させることができる。
【0017】
ステレオ画像を撮影し、撮影したステレオ画像をH.264/MPEG-4 MVCによって符号化する撮影装置からH.264/MPEG-4 MVCの符号化データを取得する取得部をさらに設けることができる。この場合、前記再生制御部には、前記取得部により取得されたH.264/MPEG-4 MVCの符号化データの再生を制御させることができる。
【0018】
本技術の一側面においては、再生装置自身が、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であるか否かを表すフラグに値が設定され、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データの再生が前記フラグの値に応じて制御され、再生して得られた画像が表示装置に出力される。
【発明の効果】
【0019】
本技術によれば、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データの処理をフラグの値に応じて制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本技術の一実施形態に係る記録再生システムの構成例を示す図である。
【図2】H.264/MPEG-4 MVCについて説明する図である。
【図3】記録装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】3Dコンテンツの例を示す図である。
【図5】再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】コントローラの機能構成例を示すブロック図である。
【図7】MVCフラグの例を示す図である。
【図8】プレーヤレジスタの例を示す図である。
【図9】再生装置の構成を示す図である。
【図10】MVCフラグの設定処理について説明するフローチャートである。
【図11】3Dコンテンツの再生処理について説明するフローチャートである。
【図12】MVCフラグの他の設定処理について説明するフローチャートである。
【図13】3Dコンテンツの他の再生処理について説明するフローチャートである。
【図14】装置の組み合わせの第1の例を示す図である。
【図15】装置の組み合わせの第2の例を示す図である。
【図16】装置の組み合わせの第3の例を示す図である。
【図17】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本技術を実施するための形態について説明する。説明は以下の順序で行う。
1.記録再生システムについて
2.記録装置について
3.再生装置について
4.装置の組み合わせの例
【0022】
<記録再生システムについて>
図1は、本技術の一実施形態に係る記録再生システムの構成例を示す図である。
【0023】
図1の記録再生システムは、記録装置1、再生装置2、および表示装置3から構成される。再生装置2と表示装置3は、HDMI(High Definition Multimedia Interface)ケーブルなどのケーブル4を介して接続される。
【0024】
記録装置1は、L画像とR画像からなるステレオ画像の撮影と記録が可能なビデオカメラである。記録装置1の前面には、記録装置1から被写体に向かって右側の位置にレンズ11Rが設けられ、左側の位置にレンズ11Lが設けられる。記録装置1の内部には、レンズ11Rにより取り込まれた光に基づいてR画像を生成するための光学系を有する右目用のカメラと、レンズ11Lから取り込まれた光に基づいてL画像を生成するための光学系を有する左目用のカメラが設けられる。
【0025】
記録装置1は、ステレオ画像をH.264/MPEG-4 MVC(Multi-view Video coding)によって符号化し、AVCHD(Advanced Video Codec High Definition)などの記録フォーマットに従って記録する。L画像とR画像はそれぞれ1080/60iまたは1080/50iで符号化され、記録装置1が内蔵する記録媒体や、記録装置1に設けられるスロットに挿入されたメモリカードなどのリムーバブルメディア5に記録される。
【0026】
ここで、H.264/MPEG-4 MVCについて図2を参照して説明する。H.264/MPEG-4 MVCでは、Base viewビデオストリームと呼ばれるビデオストリームと、Non-base viewビデオストリームと呼ばれるビデオストリームが定義されている。
【0027】
Base viewビデオストリームは、L画像とR画像のうちの例えばL画像をH.264/AVCによって符号化することによって得られたストリームである。図2の縦方向の矢印で示すように、Base viewのピクチャには、他のviewのピクチャを参照画像とする予測符号化が許されていない。
【0028】
一方、Non-base viewのピクチャには、Base viewのピクチャを参照画像とする予測符号化が許されている。例えばL画像をBase viewにするとともにR画像をNon-base viewとして符号化を行った場合、その結果得られるR画像のビデオストリームであるNon-base viewビデオストリームのデータ量は、L画像のビデオストリームであるBase viewビデオストリームのデータ量に比較して少なくなる。
【0029】
なお、H.264/AVCでの符号化であるから、図2の横方向の矢印で示すように、Base viewのピクチャについて、時間方向の予測符号化が行われている。また、Non-base viewのピクチャについても、view間の予測とともに、時間方向の予測符号化が行われている。Non-base viewのピクチャを復号するには、符号化時に参照先とした、対応するBase viewのピクチャの復号が先に終了している必要がある。
【0030】
記録装置1の内蔵の記録媒体に記録されたH.264/MPEG-4 MVCの符号化データはUSB(Universal Serial Bus)ケーブルを介して再生装置2に提供される。また、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データがリムーバブルメディア5に記録された場合、その符号化データはリムーバブルメディア5を介して再生装置2に提供される。
【0031】
再生装置2は、記録装置1から提供された符号化データの再生を、Stereoscopic 1080/59.94i and 1080/50i Video Capabilityフラグの値に応じて制御する。
【0032】
後述するように、Stereoscopic 1080/59.94i and 1080/50i Video Capabilityフラグは、再生装置2自身が、1080/60iと1080/50iのうちの少なくともいずれかのH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であるか否かを示す。以下、適宜、Stereoscopic 1080/59.94i and 1080/50i Video CapabilityフラグをMVCフラグという。
【0033】
MVCフラグは、再生装置2の再生機能に関する各種の設定値を記録するプレーヤレジスタの所定の領域(PREG24)に記録される。
【0034】
再生装置2は、記録装置1から提供された3Dコンテンツの再生時、MVCフラグを参照し、2D画像を再生するか、ステレオ画像を再生するかを選択する。2D画像の再生は、例えば、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データに含まれるBase viewビデオストリームのみをデコードすることによって行われる。また、ステレオ画像の再生は、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データに含まれるBase viewビデオストリームとNon-base viewビデオストリームの両方のストリームをデコードすることによって行われる。
【0035】
例えばステレオ画像を再生する場合、再生装置2は、Base viewビデオストリームをデコードして得られたL画像と、Non-base viewビデオストリームをデコードして得られたR画像をケーブル4を介して表示装置3に出力し、交互に表示させる。
【0036】
表示装置3は、再生装置2から供給されたフレームシーケンシャル形式のL画像とR画像を受信し、表示することが可能なTVである。表示装置3には、LCD(Liquid Crystal Display)などよりなる表示デバイスが設けられる。
【0037】
MVCフラグを予め設定しておくことによって、再生装置2は、3Dコンテンツの再生時、MVCフラグの値に基づいて再生装置2自身の仕様を判定し、判定結果に従って符号化データの再生を制御することができる。
【0038】
<記録装置について>
図3は、記録装置1の構成例を示すブロック図である。記録装置1は、カメラ部21、記録部22、および記録媒体23から構成される。
【0039】
カメラ部21は、右目用カメラ31Rと左目用カメラ31Lから構成される。
【0040】
右目用カメラ31Rは、レンズ11Rと撮像素子12Rから構成され、レンズ11Rによって取り込まれた光の光電変換を撮像素子12Rにおいて行う。右目用カメラ31Rは、光電変換を行うことによって得られたビデオ信号に対してA/D変換などの処理を施し、R画像のデータを出力する。
【0041】
左目用カメラ31Lは、レンズ11Lと撮像素子12Lから構成され、レンズ11Lによって取り込まれた光の光電変換を撮像素子12Lにおいて行う。左目用カメラ31Lは、光電変換を行うことによって得られたビデオ信号に対してA/D変換などの処理を施し、L画像のデータを出力する。
【0042】
記録部22は、MVCエンコーダ41、プレイリスト生成部42、および記録制御部43から構成される。
【0043】
MVCエンコーダ41は、右目用カメラ31Rにより撮影されたR画像と左目用カメラ31Lにより撮影されたL画像をH.264/MPEG-4 MVCによって符号化する。MVCエンコーダ41は、Base viewビデオエンコーダ51、Non-base viewビデオエンコーダ52、および統合部53から構成される。右目用カメラ31Rから出力されたR画像のデータはNon-base viewビデオエンコーダ52に入力され、左目用カメラ31Lから出力されたL画像のデータはBase viewビデオエンコーダ51とNon-base viewビデオエンコーダ52に入力される。
【0044】
Base viewビデオエンコーダ51は、左目用カメラ31Lにより撮影されたL画像をH.264/AVCによって符号化し、Base viewビデオストリームを統合部53に出力する。
【0045】
Non-base viewビデオエンコーダ52は、右目用カメラ31Rにより撮影されたR画像を、適宜、左目用カメラ31Lにより撮影されたL画像を参照画像として用いて符号化し、Non-base viewビデオストリームを統合部53に出力する。
【0046】
統合部53は、Base viewビデオエンコーダ51から供給されたBase viewビデオストリームと、Non-base viewビデオエンコーダ52から供給されたNon-base viewビデオストリームを統合し、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データとして記録制御部43に出力する。
【0047】
プレイリスト生成部42は、MVCエンコーダ41により生成されたH.264/MPEG-4 MVCの符号化データの再生制御情報であるステレオ画像用のプレイリストを生成し、記録制御部43に出力する。ステレオ画像用のプレイリストにより、Base viewビデオストリームとNon-base viewビデオストリームの再生区間やデコード対象とするパケットなどが指定される。
【0048】
プレイリスト生成部42は、適宜、Base viewビデオエンコーダ51により生成されたBase viewビデオストリームの再生制御情報である2D再生用のプレイリストを生成し、記録制御部43に出力する。2D再生用のプレイリストにより、Base viewビデオストリームの再生区間やデコード対象とするパケットなどが指定される。Base viewビデオストリームはH.264/AVCで符号化することによって得られたストリームであるから単独での再生が可能である。Base viewビデオストリームをデコードすることによって得られたL画像を用いることによって、立体視ができない2D画像の表示が可能になる。
【0049】
記録制御部43は、MVCエンコーダ41から供給されたH.264/MPEG-4 MVCの符号化データとプレイリスト生成部42により生成されたプレイリストを例えばAVCHDに従って記録媒体23またはリムーバブルメディア5に記録させる。また、記録制御部43は、3Dコンテンツの再生時に再生装置2により実行されるプログラムであるナビコマンドを、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データ、プレイリストとともに記録媒体23またはリムーバブルメディア5に記録させる。
【0050】
記録媒体23またはリムーバブルメディア5には、図4に示すように、ステレオ画像のデータであるH.264/MPEG-4 MVCの符号化データ、プレイリスト、およびナビコマンドが記録される。
【0051】
記録媒体23は、フラッシュメモリやハードディスクなどよりなり、記録制御部43による制御に従って符号化データ等のデータを記録する。
【0052】
<再生装置について>
[再生装置の構成]
図5は、再生装置2の構成例を示すブロック図である。再生装置2は、取得部101、MVCデコーダ102、表示制御部103、およびコントローラ104から構成される。
【0053】
取得部101は、USBケーブルを介して接続された記録装置1の記録媒体23から、または、再生装置2のスロットに挿入されたリムーバブルメディア5から、3Dコンテンツを読み出して取得する。取得部101は、3Dコンテンツに含まれるH.264/MPEG-4 MVCの符号化データをMVCデコーダ102に出力し、ナビコマンドとプレイリストをコントローラ104に出力する。
【0054】
記録装置1から提供された3Dコンテンツのデータが再生装置2内の記録媒体に一度記録され、その記録媒体から、3Dコンテンツのデータが取得部101により取得されるようにしてもよい。
【0055】
MVCデコーダ102は、コントローラ104による制御に従って、取得部101から供給された符号化データをデコードする。MVCデコーダ102は、Base viewビデオデコーダ121とNon-base viewビデオデコーダ122から構成される。取得部101から出力された符号化データは、MVCデコーダ102のBase viewビデオデコーダ121とNon-base viewビデオデコーダ122に入力される。
【0056】
Base viewビデオデコーダ121は、取得部101から供給された符号化データに含まれるBase viewビデオストリームをH.264/AVCによって復号し、L画像を出力する。Base viewビデオデコーダ121から出力されたL画像はNon-base viewビデオデコーダ122と表示制御部103に供給される。
【0057】
Non-base viewビデオデコーダ122は、取得部101から供給された符号化データに含まれるNon-base viewビデオストリームを、適宜、Base viewビデオデコーダ121により復号されたL画像を参照画像として復号し、R画像を出力する。Non-base viewビデオデコーダ122から出力されたR画像は表示制御部103に供給される。
【0058】
表示制御部103は、Base viewビデオデコーダ121から供給されたL画像と、Non-base viewビデオデコーダ122から供給されたR画像を表示装置3に出力し、表示させる。
【0059】
また、表示制御部103は、適宜、Base viewビデオデコーダ121から供給されたL画像と、Non-base viewビデオデコーダ122から供給されたR画像とからなるフレームシーケンシャル形式のステレオ画像を他の形式のステレオ画像に変換する。表示制御部103によるフォーマット変換は、再生装置2に接続されている表示装置が表示装置3とは異なり、フレームシーケンシャル形式のステレオ画像の表示に対応していない表示装置である場合に行われる。例えば、フレームシーケンシャル形式のステレオ画像は、720pのSide-by-Side形式のステレオ画像に変換される。
【0060】
コントローラ104は、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などより構成され、所定のプログラムに従って、再生装置2の全体の動作を制御する。コントローラ104にはプレーヤレジスタであるレジスタ104Aが設けられる。
【0061】
図6は、コントローラ104の機能構成例を示すブロック図である。
【0062】
コントローラ104においては設定部131と再生制御部132が実現される。設定部131は、コントローラ104のCPUにより所定のプログラムが実行されることによって実現される。再生制御部132は、破線で囲んで示すように、コントローラ104のCPUにより、取得部101から供給されたナビコマンドが実行されることによって実現される。
【0063】
設定部131はMVCフラグに値を設定する。例えば、設定部131は、MVCデコーダ102の機能に基づいて、再生装置2が、1080/60iと1080/50iのうちの少なくともいずれかのH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であることを表す値をMVCフラグに設定する。設定部131によるMVCフラグの設定は3Dコンテンツの再生前に行われる。
【0064】
図7は、MVCフラグ(Stereoscopic 1080/59.94i and 1080/50i Video Capabilityフラグ)の例を示す図である。
【0065】
図7に示すように、MVCフラグの値が0であることは、再生装置2自身が、1080/60iと1080/50iのH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードができない装置であることを表す。
【0066】
一方、MVCフラグの値が1であることは、再生装置2自身が、1080/60iと1080/50iのうちの少なくともいずれかのH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であることを表す。
【0067】
このような意味を有するMVCフラグが、図8に示すようにレジスタ104Aの所定の領域であるPREG24の8ビット目に記録される。PREG24の値は、ナビコマンドからは書き換え不可とされる。
【0068】
図6の説明に戻り、再生制御部132は、3Dコンテンツの再生時、レジスタ104Aに記録されているMVCフラグの値を参照し、MVCフラグの値に応じてMVCデコーダ102と表示制御部103を制御する。
【0069】
以上のような構成が、再生装置2だけでなく、記録装置1から提供された3Dコンテンツを再生する他の再生装置にも設けられる。他の再生装置は、1080/60iと1080/50iのうちの少なくともいずれかのH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であることもあるし、デコードすることができない装置であることもある。
【0070】
また、他の再生装置は、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データをデコードして得られたフレームシーケンシャル形式のステレオ画像のフォーマット変換が可能な装置であることもあるし、フォーマット変換ができない装置であることもある。
【0071】
他の再生装置に接続される表示装置は、フレームシーケンシャル形式のステレオ画像を受信し、表示することが可能な装置であることもあるし、受信することができない装置であることもある。
【0072】
以下、記録装置1から提供された3Dコンテンツを再生する再生装置を再生装置2Xとし、再生装置2Xの動作について説明する。
【0073】
再生装置2Xは、図9に示すように、取得部101、デコーダ102X、表示制御部103X、およびコントローラ104を有する。取得部101、コントローラ104は、それぞれ図5の取得部101、コントローラ104と同じ機能を有する。コントローラ104においては、所定のプログラムが実行されることによって、図6の設定部131と再生制御部132が実現される。
【0074】
ある再生装置2Xのデコーダ102Xは1080/60iと1080/50iのうちの少なくともいずれかのH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードに対応し、他の再生装置2Xのデコーダ102Xはその符号化データのデコードに対応しない。1080/60iと1080/50iのH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードに対応していない場合であっても、デコーダ102Xは、少なくとも、H.264/AVCの符号化データ、すなわちBase viewビデオストリームのデコードには対応しているものとする。
【0075】
ある再生装置2Xの表示制御部103Xはフレームシーケンシャル形式のステレオ画像のフォーマット変換の機能を有し、他の再生装置2Xの表示制御部103Xはフォーマット変換の機能を有していない。
【0076】
同様に、再生装置2Xに接続される表示装置を表示装置3Xとして説明する。ある表示装置3Xはフレームシーケンシャル形式のステレオ画像を受信し、表示することが可能な装置であり、他の表示装置3Xはフレームシーケンシャル形式のステレオ画像を受信することができない装置である。フレームシーケンシャル形式のステレオ画像を表示することができない場合であっても、720pのSide-by-Side形式のステレオ画像を受信し、表示することは可能であるものとする。
【0077】
[再生装置の動作]
実施例1.
はじめに、図10のフローチャートを参照して、MVCフラグを設定する再生装置2Xの処理について説明する。
【0078】
ステップS1において、再生装置2Xの設定部131は、デコーダ102Xの機能を確認し、1080/60iと1080/50iのうちの少なくともいずれかのH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードに対応しているか否かを判定する。
【0079】
再生装置2Xが1080/60iと1080/50iのうちの少なくともいずれかのH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードに対応しているとステップS1において判定した場合、ステップS2において、設定部131は、MVCフラグに1を設定する。
【0080】
一方、1080/60iと1080/50iのH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードに対応していないとステップS1において判定した場合、ステップS3において、設定部131は、MVCフラグに0を設定する。MVCフラグに値が設定された後、処理は終了される。
【0081】
図10の処理が図5の再生装置2により行われる場合を考える。
【0082】
この場合、ステップS1において、1080/60iと1080/50iのうちの少なくともいずれかのH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードに対応していると判定される。再生装置2が有するMVCデコーダ102は、1080/60iと1080/50iのH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能なデコーダである。また、ステップS2において、MVCフラグの値として1が設定される。
【0083】
次に、図11のフローチャートを参照して、3Dコンテンツを再生する再生装置2Xの処理について説明する。図11の処理は、図10の処理が行われた後であって、記録装置1から3Dコンテンツが提供されたときに行われる。
【0084】
ステップS11において、再生装置2Xは、ナビコマンドを読み出して実行する。すなわち、取得部101は、3DコンテンツがUSBケーブルを介して供給された場合には記録装置1の記録媒体23から、3Dコンテンツがリムーバブルメディア5を介して供給された場合にはリムーバブルメディア5から、ナビコマンドを読み出す。また、コントローラ104のCPUは、取得部101により読み出されたナビコマンドを実行する。ナビコマンドが実行されることによって再生制御部132が実現される。
【0085】
ステップS12において、再生制御部132は、図10の処理によって設定されたMVCフラグの値を取得する。
【0086】
ステップS13において、再生制御部132は、MVCフラグの値が1であるか否かを判定する。
【0087】
MVCフラグの値が1、すなわち1080/60iと1080/50iのうちの少なくともいずれかのH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードに対応しているとステップS13において判定した場合、処理はステップS14に進む。ステップS14において、再生制御部132は、再生装置2Xの出力モードとしてステレオ画像の出力モードを設定する。
【0088】
ステップS15において、再生制御部132は、デコーダ102Xを制御し、取得部101により読み出されたステレオ画像用のプレイリストに従って、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データをデコードさせる。
【0089】
ステップS16において、再生制御部132は、表示制御部103Xを制御し、デコーダ102Xによるデコードによって得られたステレオ画像の出力を開始させる。
【0090】
一方、MVCフラグの値が0、すなわち1080/60iと1080/50iのH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードに対応していないとステップS13において判定した場合、処理はステップS17に進む。ステップS17において、再生制御部132は、再生装置2Xの出力モードとして2D画像の出力モードを設定する。
【0091】
ステップS18において、再生制御部132は、2D再生用のプレイリストがメディアに用意されているか否かを判定する。上述したように、記録装置1においては、2D再生用のプレイリストが生成され、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データとともに記録媒体23またはリムーバブルメディア5に記録されることがある。
【0092】
2D再生用のプレイリストがメディアに用意されていないとステップS18において判定した場合、処理はステップS19に進む。ステップS19において、再生制御部132は、デコーダ102Xを制御し、ステレオ画像用のプレイリストに従って、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データに含まれるBase viewビデオストリームをデコードさせる。
【0093】
ステップS20において、再生制御部132は、表示制御部103Xを制御し、デコーダ102Xによるデコードによって得られたL画像、すなわち2D画像の出力を開始させる。
【0094】
一方、2D再生用のプレイリストがメディアに用意されているとステップS18において判定した場合、処理はステップS21に進む。ステップS21において、再生制御部132は、デコーダ102Xを制御し、2D再生用のプレイリストに従って、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データに含まれるBase viewビデオストリームをデコードさせる。デコードによって得られたL画像はステップS20において出力される。
【0095】
ステレオ画像または2D画像の再生が終了したとき、再生制御部132は処理を終了させる。
【0096】
図11の処理が図5の再生装置2により行われる場合を考える。
【0097】
図10の処理が行われることによってMVCフラグの値として1が設定されているから、ステップS13においてMVCフラグの値が1であると判定される。また、ステップS14においてステレオ画像の出力モードが設定される。ステップS15において、ステレオ画像用のプレイリストに従って、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードがMVCデコーダ102により行われ、ステップS16においてステレオ画像の出力が開始される。
【0098】
以上のように、MVCフラグを設定しておくことによって、再生装置2Xは、記録装置1から取得した3Dコンテンツの再生を、再生装置2X自身の能力に応じて制御することができる。
【0099】
実施例2.
表示装置3Xの表示能力をも考慮してMVCフラグを設定し、3Dコンテンツの再生を行う再生装置2Xの動作について説明する。
【0100】
図12のフローチャートを参照して、MVCフラグを設定する再生装置2Xの他の処理について説明する。
【0101】
ステップS51において、再生装置2Xの設定部131は、デコーダ102Xの機能を確認し、1080/60iと1080/50iのうちの少なくともいずれかのH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードに対応しているか否かを判定する。
【0102】
再生装置2Xが1080/60iと1080/50iのうちの少なくともいずれかのH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードに対応しているとステップS51において判定した場合、処理はステップS52に進む。ステップS52において、設定部131は、再生装置2Xに接続された表示装置3Xが、1080/60iと1080/50iのフレームシーケンシャル形式のステレオ画像を受信し、表示することができるか否かを判定する。ここでの判定は、表示装置3Xと通信を行うことによって表示装置3Xから取得された表示装置3Xの表示能力を表す情報に基づいて行われる。
【0103】
表示装置3Xが1080/60iと1080/50iのフレームシーケンシャル形式のステレオ画像を受信することができないとステップS52において判定した場合、処理はステップS53に進む。ステップS53において、設定部131は、表示制御部103Xの機能を確認し、表示装置3Xが受信可能な形式のステレオ画像にフォーマット変換を行うことが可能であるか否かを判定する。
【0104】
表示装置3Xが受信可能な形式のステレオ画像にフォーマット変換を行うことが可能であるとステップS53において判定した場合、ステップS54において、設定部131は、MVCフラグに1を設定する。
【0105】
表示装置3Xが1080/60iと1080/50iのフレームシーケンシャル形式のステレオ画像を受信し、表示することができるとステップS52において判定された場合も同様に、ステップS54においてMVCフラグに1が設定される。
【0106】
一方、再生装置2Xが1080/60iと1080/50iのH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードに対応していないとステップS51において判定した場合、ステップS55において、設定部131はMVCフラグに0を設定する。
【0107】
表示装置3Xが受信可能な形式のステレオ画像にフォーマット変換を行うことができないとステップS53において判定された場合も同様に、ステップS55においてMVCフラグに0が設定される。MVCフラグに値が設定された後、処理は終了される。
【0108】
図12の処理が図5の再生装置2により行われる場合を考える。
【0109】
この場合、ステップS51において、1080/60iと1080/50iのうちの少なくともいずれかのH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードに対応していると判定される。
【0110】
また、ステップS52において、再生装置2に接続された表示装置3が、1080/60iと1080/50iのフレームシーケンシャル形式のステレオ画像を表示することができると判定され、ステップS54において、MVCフラグの値として1が設定される。
【0111】
次に、図13のフローチャートを参照して、3Dコンテンツを再生する再生装置2Xの他の処理について説明する。図13の処理は、図12の処理が行われた後であって、記録装置1から3Dコンテンツが提供されたときに行われる。
【0112】
ステップS61において、再生装置2Xは、ナビコマンドを読み出して実行する。すなわち、取得部101は、3DコンテンツがUSBケーブルを介して供給された場合には記録装置1の記録媒体23から、3Dコンテンツがリムーバブルメディア5を介して供給された場合にはリムーバブルメディア5から、ナビコマンドを読み出す。また、コントローラ104のCPUは、取得部101により読み出されたナビコマンドを実行する。ナビコマンドが実行されることによって再生制御部132が実現される。
【0113】
ステップS62において、再生制御部132は、図12の処理によって設定されたMVCフラグの値を取得する。
【0114】
ステップS63において、再生制御部132は、MVCフラグの値が1であるか否かを判定する。
【0115】
MVCフラグの値が1、すなわち1080/60iと1080/50iのうちの少なくともいずれかのH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードに対応しているとステップS63において判定した場合、処理はステップS64に進む。ステップS64において、再生制御部132は、再生装置2Xに接続された表示装置3Xが、1080/60iと1080/50iのフレームシーケンシャル形式のステレオ画像を受信し、表示することができるか否かを判定する。この判定は、表示装置3Xと通信を行うことによって表示装置3Xから取得された表示装置3Xの表示能力を表す情報に基づいて行われる。
【0116】
表示装置3Xが1080/60iと1080/50iのフレームシーケンシャル形式のステレオ画像を受信し、表示することができるとステップS64において判定した場合、処理はステップS65に進む。ステップS65において、再生制御部132は、再生装置2Xの出力モードとしてフレームシーケンシャル形式のステレオ画像の出力モードを設定する。
【0117】
ステップS66において、再生制御部132は、デコーダ102Xを制御し、ステレオ画像用のプレイリストに従ってH.264/MPEG-4 MVCの符号化データをデコードさせる。
【0118】
ステップS67において、再生制御部132は、表示制御部103Xを制御し、デコーダ102Xによるデコードによって得られたフレームシーケンシャル形式のステレオ画像の出力を開始させる。
【0119】
一方、表示装置3Xが1080/60iと1080/50iのフレームシーケンシャル形式のステレオ画像を受信することができないとステップS64において判定した場合、処理はステップS68に進む。ステップS68において、再生制御部132は、再生装置2Xの出力モードとして、表示装置3Xが受信可能な形式であるSide-by-Side形式のステレオ画像の出力モードを設定する。
【0120】
ステップS69において、再生制御部132は、デコーダ102Xを制御し、ステレオ画像用のプレイリストに従って、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データをデコードさせる。
【0121】
ステップS70において、再生制御部132は、表示制御部103Xを制御し、デコーダ102Xによるデコードによって得られたフレームシーケンシャル形式のステレオ画像を、720pのSide-by-Side形式のステレオ画像に変換させる。
【0122】
ステップS71において、再生制御部132は、表示制御部103Xを制御し、720pのSide-by-Side形式のステレオ画像の出力を開始させる。
【0123】
一方、MVCフラグの値が0、すなわち1080/60iと1080/50iのH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードに対応していないとステップS63において判定した場合、処理はステップS72に進む。ステップS72において、再生制御部132は、再生装置2Xの出力モードとして2D画像の出力モードを設定する。
【0124】
ステップS73において、再生制御部132は、2D再生用のプレイリストがメディアに用意されているか否かを判定する。
【0125】
2D再生用のプレイリストがメディアに用意されていないとステップS73において判定した場合、処理はステップS74に進む。ステップS74において、再生制御部132は、デコーダ102Xを制御し、ステレオ画像用のプレイリストに従って、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データに含まれるBase viewビデオストリームをデコードさせる。
【0126】
ステップS75において、再生制御部132は、表示制御部103Xを制御し、デコーダ102Xによるデコードによって得られたL画像、すなわち2D画像の出力を開始させる。
【0127】
一方、2D再生用のプレイリストがメディアに用意されているとステップS73において判定した場合、処理はステップS76に進む。ステップS76において、再生制御部132は、デコーダ102Xを制御し、2D再生用のプレイリストに従って、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データに含まれるBase viewビデオストリームをデコードさせる。デコードによって得られたL画像はステップS75において出力される。
【0128】
ステレオ画像または2D画像の再生が終了したとき、再生制御部132は処理を終了させる。
【0129】
図13の処理が図5の再生装置2により行われる場合を考える。
【0130】
図12の処理が行われることによってMVCフラグの値として1が設定されているから、ステップS63において、MVCフラグの値が1であると判定される。また、ステップS64において表示装置3が1080/60iと1080/50iのフレームシーケンシャル形式のステレオ画像を受信し、表示することができると判定され、ステップS65においてフレームシーケンシャル形式のステレオ画像の出力モードが設定される。
【0131】
ステップS66において、ステレオ画像用のプレイリストに従って、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードがMVCデコーダ102により行われ、ステップS67においてステレオ画像の出力が開始される。
【0132】
以上のように、MVCフラグを予め設定しておくことによって、再生装置2Xは、記録装置1から取得した3Dコンテンツの再生を、再生装置2X自身の能力に応じて制御することができる。また、表示装置3Xの表示能力をも考慮してMVCフラグを設定しておくことによって、再生装置2Xは、表示装置3Xが受信可能な形式の画像を表示装置3Xに供給することが可能になる。
【0133】
<装置の組み合わせの例>
表示装置の表示能力を考慮する場合のMVCフラグの設定の具体例について説明する。
【0134】
図14は、装置の組み合わせの第1の例を示す図である。
【0135】
図14の再生装置2Xは、1080/60iと1080/50iのうちの少なくともいずれかのH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置である。表示装置3Xは、1080/60iと1080/50iのフレームシーケンシャル形式のステレオ画像の受信、表示に対応した装置である。
【0136】
記録装置1においてはステレオ画像の撮影が行われているものとする。記録装置1により生成された3Dコンテンツは、USBケーブルを介して、またはリムーバブルメディア5を介して再生装置2Xに供給される。記録装置1は、図3の構成の他に図5の構成と同じ構成を有しており、記録再生装置として動作する。
【0137】
この場合、再生装置2Xは、MVCフラグの値として1を設定する(図12のステップS54)。また、記録装置1により撮影された3Dコンテンツの再生時、再生装置2Xは、MVCフラグに1の値が設定されていることに応じてH.264/MPEG-4 MVCの符号化データをデコードし、1080/60iまたは1080/50iのフレームシーケンシャル形式のステレオ画像を表示装置3Xに出力する(図13のステップS66,S67)。
【0138】
表示装置3Xは、再生装置2Xから供給されたステレオ画像を受信し、L画像とR画像を交互に表示する。
【0139】
記録装置1は、再生装置2Xと同様に、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データをデコードし、1080/60iまたは1080/50iのフレームシーケンシャル形式のステレオ画像を、HDMIケーブルを介して接続される表示装置3Xに表示させる。
【0140】
図15は、装置の組み合わせの第2の例を示す図である。
【0141】
図15の再生装置2Xは、1080/60iと1080/50iのうちの少なくともいずれかのH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置である。表示装置3Xは、1080/60iと1080/50iのフレームシーケンシャル形式のステレオ画像の受信、表示に非対応の装置である。この例においては、表示装置3Xは、720pのSide-by-Side形式のステレオ画像の受信、表示にも非対応の装置である。
【0142】
記録装置1においてはステレオ画像の撮影が行われているものとする。記録装置1により生成された3Dコンテンツは、USBケーブルを介して、またはリムーバブルメディア5を介して再生装置2Xに供給される。記録装置1は、図3の構成の他に図5の構成と同じ構成を有しており、記録再生装置として動作する。
【0143】
この場合、再生装置2Xは、MVCフラグの値として0を設定する(図12のステップS55)。また、記録装置1により撮影された3Dコンテンツの再生時、再生装置2Xは、MVCフラグに0の値が設定されていることに応じて、ステレオ画像用のプレイリスト、または2D再生用のプレイリストに従って、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データに含まれるBase viewビデオストリームをデコードし、2D画像を表示装置3Xに出力する(図13のステップS74,S75,S76)。
【0144】
表示装置3Xは、再生装置2Xから供給された2D画像を受信し、表示する。
【0145】
記録装置1は、再生装置2Xと同様に、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データに含まれるBase viewビデオストリームをデコードし、2D画像を表示装置3Xに表示させる。
【0146】
図16は、装置の組み合わせの第3の例を示す図である。
【0147】
図16の再生装置2Xは、1080/60iと1080/50iのH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードができない装置である。表示装置3Xは、1080/60iと1080/50iのフレームシーケンシャル形式のステレオ画像の受信、表示に対応、または非対応の装置である。
【0148】
また、記録装置1が2D画像のビデオカメラとして機能し、2D画像の撮影が行われているものとする。記録装置1は、図3の構成の他に図5の構成と同じ構成を有しており、記録再生装置として動作する。記録装置1と再生装置2Xに対しては、他の記録装置により撮影された3Dコンテンツがリムーバブルメディア5を用いて提供されている。
【0149】
この場合、再生装置2Xは、MVCフラグの値として0を設定する(図12のステップS55)。また、リムーバブルメディア5に記録されている3Dコンテンツの再生時、再生装置2Xは、MVCフラグに0の値が設定されていることに応じて、ステレオ画像用のプレイリスト、または2D再生用のプレイリストに従って、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データに含まれるBase viewビデオストリームをデコードし、2D画像を表示装置3Xに出力する(図13のステップS74,S75,S76)。
【0150】
表示装置3Xは、再生装置2Xから供給された2D画像を受信し、表示する。
【0151】
記録装置1は、リムーバブルメディア5に記録されている3Dコンテンツの再生時、再生装置2Xと同様に、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データに含まれるBase viewビデオストリームをデコードし、2D画像を表示装置3Xに表示させる。
【0152】
[コンピュータの構成例]
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0153】
図17は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0154】
CPU(Central Processing Unit)151、ROM(Read Only Memory)152、RAM(Random Access Memory)153は、バス154により相互に接続されている。
【0155】
バス154には、さらに、入出力インタフェース155が接続されている。入出力インタフェース155には、キーボード、マウスなどよりなる入力部156、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部157が接続される。また、入出力インタフェース155には、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部158、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部159、リムーバブルメディア161を駆動するドライブ160が接続される。
【0156】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU151が、例えば、記憶部158に記憶されているプログラムを入出力インタフェース155及びバス154を介してRAM153にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0157】
CPU151が実行するプログラムは、例えばリムーバブルメディア161に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供され、記憶部158にインストールされる。
【0158】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0159】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0160】
[構成の組み合わせ例]
本技術は、以下のような構成をとることもできる。
【0161】
(1)
再生装置自身が、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であるか否かを表すフラグに値を設定する設定部と、
H.264/MPEG-4 MVCの符号化データの再生を前記フラグの値に応じて制御し、再生して得られた画像を表示装置に出力する再生制御部と
を備える再生装置。
【0162】
(2)
前記フラグは1ビットの情報であり、
前記設定部は、
前記再生装置自身がH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードができない装置である場合、前記フラグに0の値を設定し、
前記再生装置自身がH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置である場合、前記フラグに1の値を設定する
前記(1)に記載の再生装置。
【0163】
(3)
H.264/MPEG-4 MVCに対応した復号部をさらに備え、
前記再生制御部は、前記フラグの値が、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であることを表す場合、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データを前記復号部にデコードさせる
前記(1)または(2)に記載の再生装置。
【0164】
(4)
H.264/MPEG-4 MVCに対応せず、H.264/AVCに対応した復号部をさらに備え、
前記再生制御部は、前記フラグの値が、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードができない装置であることを表す場合、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データに含まれるBase viewビデオストリームを前記復号部にデコードさせる
前記(1)または(2)に記載の再生装置。
【0165】
(5)
前記設定部は、前記再生装置自身がH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であり、かつ、前記表示装置がフレームシーケンシャル形式のステレオ画像を受信可能な装置である場合に、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であることを表す値を前記フラグに設定する
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の再生装置。
【0166】
(6)
前記設定部は、前記再生装置自身がH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であるが、前記表示装置がフレームシーケンシャル形式のステレオ画像を表示できない装置である場合、前記再生装置自身が、フレームシーケンシャル形式のステレオ画像を前記表示装置が受信可能な所定の形式のステレオ画像に変換可能であるときには、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であることを表す値を前記フラグに設定する
前記(5)に記載の再生装置。
【0167】
(7)
H.264/MPEG-4 MVCに対応した復号部と、
フレームシーケンシャル形式のステレオ画像を前記所定の形式のステレオ画像に変換する変換部と
をさらに備え、
前記再生制御部は、前記フラグの値が、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であることを表す場合、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データを前記復号部にデコードさせ、前記変換部に、前記復号部によるデコードによって得られたフレームシーケンシャル形式のステレオ画像を前記所定の形式のステレオ画像に変換させる
前記(6)に記載の再生装置。
【0168】
(8)
ステレオ画像を撮影し、撮影したステレオ画像をH.264/MPEG-4 MVCによって符号化する撮影装置からH.264/MPEG-4 MVCの符号化データを取得する取得部をさらに備え、
前記再生制御部は、前記取得部により取得されたH.264/MPEG-4 MVCの符号化データの再生を制御する
前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の再生装置。
【0169】
(9)
再生装置自身が、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であるか否かを表すフラグに値を設定し、
H.264/MPEG-4 MVCの符号化データの再生を前記フラグの値に応じて制御し、再生して得られた画像を表示装置に出力する
ステップを含む再生方法。
【0170】
(10)
再生装置自身が、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であるか否かを表すフラグに値を設定し、
H.264/MPEG-4 MVCの符号化データの再生を前記フラグの値に応じて制御し、再生して得られた画像を表示装置に出力する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0171】
1 記録装置, 2 再生装置, 3 表示装置, 101 取得部, 102 MVCデコーダ, 103 表示制御部, 104 コントローラ, 104A レジスタ, 131 設定部, 132 再生制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生装置自身が、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であるか否かを表すフラグに値を設定する設定部と、
H.264/MPEG-4 MVCの符号化データの再生を前記フラグの値に応じて制御し、再生して得られた画像を表示装置に出力する再生制御部と
を備える再生装置。
【請求項2】
前記フラグは1ビットの情報であり、
前記設定部は、
前記再生装置自身がH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードができない装置である場合、前記フラグに0の値を設定し、
前記再生装置自身がH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置である場合、前記フラグに1の値を設定する
請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
H.264/MPEG-4 MVCに対応した復号部をさらに備え、
前記再生制御部は、前記フラグの値が、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であることを表す場合、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データを前記復号部にデコードさせる
請求項1に記載の再生装置。
【請求項4】
H.264/MPEG-4 MVCに対応せず、H.264/AVCに対応した復号部をさらに備え、
前記再生制御部は、前記フラグの値が、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードができない装置であることを表す場合、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データに含まれるBase viewビデオストリームを前記復号部にデコードさせる
請求項1に記載の再生装置。
【請求項5】
前記設定部は、前記再生装置自身がH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であり、かつ、前記表示装置がフレームシーケンシャル形式のステレオ画像を受信可能な装置である場合に、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であることを表す値を前記フラグに設定する
請求項1に記載の再生装置。
【請求項6】
前記設定部は、前記再生装置自身がH.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であるが、前記表示装置がフレームシーケンシャル形式のステレオ画像を表示できない装置である場合、前記再生装置自身が、フレームシーケンシャル形式のステレオ画像を前記表示装置が受信可能な所定の形式のステレオ画像に変換可能であるときには、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であることを表す値を前記フラグに設定する
請求項5に記載の再生装置。
【請求項7】
H.264/MPEG-4 MVCに対応した復号部と、
フレームシーケンシャル形式のステレオ画像を前記所定の形式のステレオ画像に変換する変換部と
をさらに備え、
前記再生制御部は、前記フラグの値が、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であることを表す場合、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データを前記復号部にデコードさせ、前記変換部に、前記復号部によるデコードによって得られたフレームシーケンシャル形式のステレオ画像を前記所定の形式のステレオ画像に変換させる
請求項6に記載の再生装置。
【請求項8】
ステレオ画像を撮影し、撮影したステレオ画像をH.264/MPEG-4 MVCによって符号化する撮影装置からH.264/MPEG-4 MVCの符号化データを取得する取得部をさらに備え、
前記再生制御部は、前記取得部により取得されたH.264/MPEG-4 MVCの符号化データの再生を制御する
請求項1に記載の再生装置。
【請求項9】
再生装置自身が、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であるか否かを表すフラグに値を設定し、
H.264/MPEG-4 MVCの符号化データの再生を前記フラグの値に応じて制御し、再生して得られた画像を表示装置に出力する
ステップを含む再生方法。
【請求項10】
再生装置自身が、H.264/MPEG-4 MVCの符号化データのデコードが可能な装置であるか否かを表すフラグに値を設定し、
H.264/MPEG-4 MVCの符号化データの再生を前記フラグの値に応じて制御し、再生して得られた画像を表示装置に出力する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−249045(P2012−249045A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118740(P2011−118740)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】