説明

再生装置

【課題】複数番組同時再生中における各番組の再生制御が可能な再生装置を提供すること。
【解決手段】再生装置は、記録手段と、再生手段と、再生制御手段とを備える。前記記録手段は、複数番組を記録する。前記再生手段は、複数表示領域で前記複数番組を再生する。前記再生制御手段は、前記複数表示領域のうちの第1の表示領域により再生される第1の番組の選択に対応して、前記第1の表示領域により表示される第1の番組の現在再生時間位置を変更して再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、再生装置及び再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルテレビ放送信号を受信し、受信したデジタルテレビ放送信号に基づく番組を記録したり、再生したりすることが可能なテレビ放送受信装置が普及している。例えば、テレビ放送受信装置は、HDD又はDVDを使ってデジタルテレビ放送信号に基づく番組を記録することができる。また、テレビ放送受信装置は、デジタルテレビ放送信号からサービス情報を取得し、このサービス情報に基づき番組リストを表示することができる。
【0003】
さらに、近年、複数チューナーを備えた複数チャンネル放送受信装置が登場している。例えば、複数チャンネル放送受信装置は、複数チューナーで受信した複数チャンネルに対応した複数番組を記録したり再生したりすることができる。例えば、複数チャンネル放送受信装置は、1画面中の複数表示領域により複数番組を同時に表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−42520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したように、複数チャンネル放送受信装置は、1画面中の複数表示領域により複数番組を同時に表示することができる。しかしながら、複数チャンネル放送受信装置は、複数番組同時表示中には、複数番組の中の1番組の再生制御を受け付けない。つまり、ユーザは、1番組単独表示に切り替えてからでないと、1番組の再生を後戻ししたり、先送りしたりすることができず、不便である。
【0006】
本発明の目的は、複数番組同時再生中における各番組の再生制御が可能な再生装置及び再生方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の再生装置は、記録手段と、再生手段と、再生制御手段とを備える。前記記録手段は、複数番組を記録する。前記再生手段は、複数表示領域で前記複数番組を再生する。前記再生制御手段は、前記複数表示領域のうちの第1の表示領域により再生される第1の番組の選択に対応して、前記第1の表示領域により表示される第1の番組の現在再生時間位置を変更して再生する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1及び第2の実施形態に共通のデジタルテレビジョン放送受信装置(再生装置)の構成の一例を示す図である。
【図2】第1及び第2の実施形態に共通の再生制御の一例を示すフローチャートである。
【図3】第1及び第2の実施形態に共通の再生制御の一例を示すフローチャートである。
【図4】第1及び第2の実施形態に共通の再生制御の一例を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態のマルチ画面の一例を示す図である。
【図6】第1の実施形態のマルチ画面の一例を示す図である。
【図7】第1の実施形態のマルチ画面の一例を示す図である。
【図8】第1の実施形態のマルチ画面の一例を示す図である。
【図9】第1の実施形態のマルチ画面の一例を示す図である。
【図10】第1の実施形態のマルチ画面の一例を示す図である。
【図11】第2の実施形態の番組案内画面(マルチ画面)の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、第1及び第2の実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、第1及び第2の実施形態に共通のデジタルテレビジョン放送受信装置(再生装置)の構成の一例を示す図である。第1及び第2の実施形態では、映像表示部を備えたデジタルテレビジョン放送受信装置による再生制御について説明する。なお、映像表示部は必須の構成ではない。例えば、デジタルテレビジョン放送受信装置から映像表示部を除いた各種のレコーダにより以下説明する再生制御を実現することも可能である。各種のレコーダとは、例えば、HDDレコーダである。
【0011】
図1に示すように、デジタルテレビジョン放送受信装置1は、アンテナ101、入力端子102、チューナー部103、外部入力端子104〜107、信号処理モジュール108、コントローラ110、OSD信号生成モジュール111、グラフィック処理モジュール112、映像処理モジュール113、音声処理モジュール114、操作部115、受信部117、カードホルダ119、カードインターフェース120、明るさセンサー121、LAN端子122、通信インターフェース123、USB端子124、USBインターフェース125、iLINK端子126、iLINKインターフェース127、HDMI端子128、HDMIインターフェース129、映像表示部141、スピーカ142、及びHDD151、152を備えている。
【0012】
さらに、チューナー部103は、地上デジタルテレビジョン放送用のチューナー1031〜1038を備え、さらにBS/CSデジタルテレビジョン放送用のチューナーも備えている。地上デジタルテレビジョン放送用のチューナー1031〜1038により、地上デジタルテレビジョン放送に対応した地上デジタルテレビジョン放送の番組表を受信し、表示することができる。また、BS/CSデジタルテレビジョン放送用のチューナーにより、BS/CSデジタルテレビジョン放送に対応した番組表の表示を受信し、表示することもできる。
【0013】
また、図1に示すように、デジタルテレビジョン放送受信装置1が、映像表示部141及びスピーカ142を備えるケースについて説明する。しかしながら、デジタルテレビジョン放送受信装置1は、このような構成に限定されるものではない。例えば、デジタルテレビジョン放送受信装置1は、映像表示部141及びスピーカ142を含まない構成であってもよい。つまり、デジタルテレビジョン放送受信装置1は、HDMI等の接続手段を介して映像表示部141及びスピーカ142と接続する構成であってもよい。
【0014】
また、図1に示すように、デジタルテレビジョン放送受信装置1が、HDD151、152を備えるケースについて説明する。しかしながら、デジタルテレビジョン放送受信装置1は、このような構成に限定されるものではない。例えば、デジタルテレビジョン放送受信装置1は、HDD151、152を含まない構成であってもよい。つまり、デジタルテレビジョン放送受信装置1は、USB端子及びUSBインターフェース125などの接続手段を介して外部記憶装置(HDDなど)と接続する構成であってもよい。
【0015】
また、本実施形態では、図1に示すように、デジタルテレビジョン放送受信装置1が、複数のチューナーを備えるケースについて説明する。しかしながら、デジタルテレビジョン放送受信装置1は、このような構成に限定されるものではない。例えば、デジタルテレビジョン放送受信装置1が、複数のチューナーを含まない構成であってもよい。その場合、例えば、デジタルテレビジョン放送受信装置1は、LAN端子122を介してIP(Internet Protocol)放送を受信し、IP放送の複数チャンネルに対応した番組を再生したり、記録したりする構成であってもよい。
【0016】
以下、デジタルテレビジョン放送受信装置1の詳細について説明する。
【0017】
地上波放送受信用のアンテナ101で受信した地上デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子102を介してチューナー1031〜1038に供給され、チューナー1031〜1038の地上デジタルテレビジョン放送用信号処理部で、所望のチャンネルのデジタルテレビジョン放送信号が選局される。そして、このチューナー1031〜1038で選局された複数のデジタルテレビジョン放送信号は、OFDM(orthogonal frequency division multiplexing)復調モジュールに供給されて、デジタルの映像信号及び音声信号に復調された後、信号処理モジュール108に出力される。
【0018】
ここで、上記信号処理モジュール108は、OFDM復調モジュールから供給されたデジタルの映像信号及び音声信号に対して、選択的に所定のデジタル信号処理を施し、グラフィック処理モジュール112及び音声処理モジュール114に出力している。
【0019】
また、上記信号処理モジュール108には、例えば4つの入力端子104〜107が接続されている。これら入力端子104〜107は、それぞれ、アナログの映像信号及び音声信号を、デジタルテレビジョン放送受信装置1の外部から入力可能とするものである。
【0020】
そして、この信号処理モジュール108は、各入力端子104〜107からそれぞれ供給されたアナログの映像信号及び音声信号を選択的にデジタル化し、このデジタル化された映像信号及び音声信号に対して所定のデジタル信号処理を施した後、グラフィック処理モジュール112及び音声処理モジュール114に出力している。
【0021】
このうち、グラフィック処理モジュール112は、信号処理モジュール108から供給されるデジタルの映像信号に、OSD(on screen display)信号生成モジュール111で生成されるOSD信号を重畳して出力する機能を有する。このグラフィック処理モジュール112は、信号処理モジュール108の出力映像信号と、OSD信号生成モジュール111の出力OSD信号とを選択的に出力すること、また、両出力をそれぞれ画面の半分を構成するように組み合わせて出力することができる。
【0022】
そして、グラフィック処理モジュール112から出力されたデジタルの映像信号は、映像処理モジュール113に供給される。映像処理モジュール113により処理された映像信号は、映像表示部141に供給される。映像表示部141は、映像信号に基づく映像を表示する。
【0023】
また、上記音声処理モジュール114は、入力されたデジタルの音声信号を、スピーカ142で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換した後、スピーカ142に出力して音声再生させる。
【0024】
ここで、このデジタルテレビジョン放送受信装置1は、上記した各種の受信動作を含むその全ての動作をコントローラ110によって統括的に制御されている。コントローラ110は、CPU(central processing unit)等を備え、操作部115からの操作情報(各種指示)、または、リモートコントローラ116から送出され受光部117を介して受信した操作情報(各種指示)を受けて、その操作内容が反映されるように各モジュール等をそれぞれ制御する。
【0025】
また、コントローラ110は、CPUが実行する制御プログラムを格納したROM(read only memory)1101と、CPUに作業エリアを提供するRAM(random access memory)1102と、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリ1103とを備えている。
【0026】
また、コントローラ110は、カードインターフェース120を介して、メモリカード118が装着可能なカードホルダ119に接続されている。これによって、コントローラ110は、カードホルダ119に装着されたメモリカード118と、カードインターフェース120を介して、情報伝送を行なうことができる。
【0027】
また、上記コントローラ110は、通信インターフェース123を介してLAN端子122と接続されている。これにより、コントローラ110は、LAN端子21に接続されたLAN対応機器と、通信インターフェース123を介して情報伝送を行なうことができる。この場合、コントローラ110は、DHCP(dynamic host configuration protocol)サーバ機能を有し、LAN端子122に接続されたLAN対応機器にIP(internet protocol)アドレスを割り当てて制御している。
【0028】
さらに、上記コントローラ110は、HDMIインターフェース129を介してHDMI端子128と接続されている。これにより、コントローラ110は、HDMI端子128に接続されたHDMI対応機器と、HDMIインターフェース129を介して情報伝送を行なうことができる。
【0029】
そして、上記コントローラ110は、USBインターフェース125を介してUSB端子124と接続されている。これにより、コントローラ110は、USB端子124に接続されたUSB対応機器と、USBインターフェース125を介して情報伝送を行なうことができる。
【0030】
さらに、上記コントローラ110は、iLINKインターフェース127を介してiLINK端子126と接続されている。これにより、コントローラ110は、iLINK端子126に接続されたiLINK対応機器と、iLINKインターフェース127を介して情報伝送を行なうことができる。
【0031】
さらに、上記コントローラ110は、明るさセンサー121からの明るさ検出信号を受信するように構成されている。これにより、コントローラ110は、明るさ検出信号に基づき、映像及びバックライトの明るさ等を制御することができる。
【0032】
さらに、上記コントローラ110は、チューナー部103により選局されデスクランブルされた放送信号を、HDD151、152、或いはLAN端子122又はUSB端子124を介して接続された外部記憶装置(HDDなど)へ記録するための記録動作を制御することもできる。なお、上記したように、チューナー部103は、複数のチューナーを備えているので、同時に、複数チャンネルの複数番組を記録したり、複数チャンネルの複数番組を表示したりすることができる。例えば、デジタルテレビジョン放送受信装置1は、ハイビジョンレベルの画質で複数チャンネル(指定された複数チャンネル)の1週間分(例えば1週間分の指定された時間帯)の全番組を記録することが可能となる。このような記録をマルチ同時記録と称する。なお、デジタルテレビジョン放送受信装置1は、上記したマルチ同時記録を実現するために、複数チャンネルに対応した複数チューナー1031〜1038を備えており、更に、スクランブル放送に対応するために、複数チューナー1031〜1038に対応した複数のデスクランブル用のカードを挿入するための複数のカードスロットも備えている。
【0033】
(第1の実施形態)
次に、図2〜図10を参照し、デジタルテレビジョン放送受信装置1による再生制御について説明する。より具体的には、デジタルテレビジョン放送受信装置1による複数番組のうちの1以上の番組のタイムシフト再生と前記複数番組のうちの残りの1以上の番組のリアルタイム再生の同時制御について説明する。なお、デジタルテレビジョン放送受信装置1による再生制御は、複数番組の全てをリアルタイム再生するケース、及び複数番組の全てをタイムシフト再生するケースも含むものとする。また、放送中の番組をそのまま出力(表示)することをリアルタイム再生と呼び、放送中の番組をそのまま出力せずに番組を記録し記録番組を出力(表示)することをタイムシフト再生と呼ぶ。
【0034】
図2〜図4は、再生制御の一例を示すフローチャートである。図5〜図10は、映像表示部141による複数チャンネルに対応した複数番組の同時表示(同時再生)の一例を示す図である。なお、図5〜図10は、8チャンネルに対応した8番組を8つの表示領域で同時表示(同時再生)する画面(マルチ画面)の一例であるが、複数番組の同時表示はこのような8番組同時表示に限定されるものではない。複数番組の同時表示は、2番組以上の同時表示(同時再生)であればよい。
【0035】
例えば、図5に示すように映像表示部141にマルチ画面が表示された状態(8チャンネルに対応した8番組が同時表示された状態)を想定する。つまり、信号処理モジュール108が、8チャンネルに対応した8番組を8つの表示領域で同時再生(リアルタイム再生)し、これに対応して、映像表示部141は、8チャンネルに対応した8番組を8つの表示領域で同時表示する。即ち、信号処理モジュール108が、チャンネルCH101〜CH108の番組P1〜P8の映像を再生(リアルタイム再生)し、映像表示部141は、第1のサイズ(大きいサイズ)の表示領域E1により番組P1の放送中の映像を表示し、第1のサイズより小さい第2のサイズ(小さいサイズ)の表示領域E2〜E8により番組P2〜P8の放送中の映像を表示する。
【0036】
ユーザは、チャンネルCH101〜108の8チャンネル中からチャンネルCH102を指定(選択)することができる。例えば、ユーザは、操作部115又はリモートコントローラ116を介して、映像表示部141の表示領域E1〜E8の8つの表示領域の中から表示領域E2を選択することにより、チャンネルCH102を指定することができる(図2のS100)。
【0037】
コントローラ110は、表示領域E2の選択(チャンネルCH102の指定)に対応して、例えば、表示領域E2を第1の表示枠で表示し、他の表示領域E1、E3〜E8を第1の表示枠と異なる第2の表示枠で表示するように制御する。つまり、コントローラ110は、表示領域E2の選択(チャンネルCH102の指定)に対応して、表示領域E2と、他の表示領域E1、E3〜E8とを識別可能に表示するように制御する。これに対応して、映像表示部141は、表示領域E2と、他の表示領域E1、E3〜E8とを識別可能に表示する(図6参照)。なお、図6に示す表示領域E2をフォーカス領域、また番組P2をフォーカス番組と呼ぶこともある。
【0038】
図2を参照して、再生制御の一例について説明すると、コントローラ110は、表示領域E2の選択(チャンネルCH102の指定)に対応して、チャンネルCH102の番組P2の再生制御及び表示制御を実行する。例えば、ユーザが、操作部115又はリモートコントローラ116を介して所定操作(例えば頭出しキー操作又は巻き戻しキー操作)を入力すると(図2のS110、YES)(図2のS110、NO)、コントローラ110は、番組P2の現在再生時間位置を変更して再生する(図2のS120又は図2のS130)。言い換えると、コントローラ110は、番組P2のリアルタイム再生をタイムシフト再生に切り替える。
【0039】
例えば、上記所定操作(例えば頭出しキー操作或いは決定キー操作)に対応して、コントローラ110は、番組P2の現在放送中の第1の再生時間位置を番組P2の先頭の第2の再生時間位置へ変更し、番組P2を先頭から再生する(図2のS120)(図7参照)。つまり、コントローラ110は、番組P2のリアルタイム再生をタイムシフト再生に切り替え、番組P2を先頭から再生する。
【0040】
或いは、上記所定操作(例えば巻き戻しキー操作或いは決定キー操作)に対応して、コントローラ110は、番組P2の現在放送中の第1の再生時間位置を第1の再生時間位置より過去の第2の再生時間位置(第1の再生時間位置より所定時間遡った第2の再生時間位置)へ変更し、番組P2を第2の再生時間位置から再生する(図2のS130)(図8参照)。つまり、コントローラ110は、番組P2のリアルタイム再生をタイムシフト再生に切り替え、番組P2を第2の再生時間位置から再生する。
【0041】
続いて、図3を参照して、番組P2を先頭から再生する再生制御の一例についてより詳しく説明する。例えば、図5に示すチャンネルCH101〜CH108に対応した放送中の番組P1〜P8を記録している場合、つまり、番組P2(フォーカス番組)が記録されている場合であって(図3のS300、YES)、番組P2が放送中(リアルタイム再生中)の場合には(図3のS310、YES)、所定操作に対応して、コントローラ110は、番組P2の現在放送中の第1の再生時間位置を番組P2の先頭の第2の再生時間位置へ変更し、番組P2を先頭から再生する(図3のS320)(図7参照)。つまり、コントローラ110は、番組P2のリアルタイム再生をタイムシフト再生に切り替え、番組P2を先頭から再生する。このとき、コントローラ110は、他の番組P1、P3〜P8の現在放送中の映像を再生を継続する(図7参照)。つまり、コントローラ110は、他の番組P1、P3〜P8のリアルタイム再生を継続する。
【0042】
或いは、所定操作に対応して、コントローラ110が、全番組(番組P1〜P8)を先頭から再生することもできる。つまり、所定操作に対応して、コントローラ110が、全番組(番組P1〜P8)のリアルタイム再生をタイムシフト再生に切り替え、全番組を先頭から再生することもできる。
【0043】
或いは、所定操作に対応して、コントローラ110は、番組P2と番組P1の表示位置を入れ替えて、番組P2を先頭から再生し、他の番組P1、P3〜P8の現在放送中の映像の再生を継続することもできる。この場合、映像表示部141は、番組P2の映像を第1のサイズ(大きいサイズ)の表示領域E1で表示し、番組P1の映像を第2のサイズ(小さいサイズ)の表示領域E2で表示する(図9参照)。
【0044】
なお、番組P2が放送中(リアルタイム再生中)の番組でなく(図3のS310、NO)、タイムシフト再生中番組であれば(図3のS330、YES)、所定再生制御操作に対応して、コントローラ110は、番組P2のタイムシフト再生を制御する(図3のS340)。
【0045】
なお、番組P1〜P8のうちの番組P2が先頭から再生され、他の番組P1、P3〜P8の現在放送中の映像の再生がされている状態で、さらに、ユーザが、操作部115又はリモートコントローラ116を介して、表示領域E1〜E8の8つの表示領域の中から表示領域E3を選択し(チャンネルCH103を指定し)、操作部115又はリモートコントローラ116を介して、所定操作(例えば頭出しキー操作或いは決定キー操作)を入力すると、コントローラ110は、番組P3の現在放送中の第3の再生時間位置を番組P3の先頭の第4の再生時間位置へ変更し、番組P3を先頭から再生する(図10参照)。つまり、コントローラ110は、番組P2及びP3をタイムシフト再生しつつ、番組P1、P4〜P8をリアルタイム再生する。このようにして、デジタルテレビジョン放送受信装置は、8番組の夫々の再生を制御することができる。
【0046】
以上により、映像表示部141により8番組が同時に表示されている状態で、ユーザが視聴を希望していた番組P2が途中まで放送されてしまっていた場合に、簡単操作で、番組P2を最初から視聴することができる。例えば、ユーザが、操作部115又はリモートコントローラ116を介して、1番組単独表示を複数番組同時表示に切り替えたとき、ユーザは、視聴を希望していた番組P2が途中まで放送されてしまっていることに気付くことがある。このような場合に、ユーザは、簡単操作で、番組P2を最初から視聴することができ、非常に便利である。
【0047】
続いて、図4を参照して、番組P2を所定時間遡って再生する再生制御の一例についてより詳しく説明する。例えば、図5に示すチャンネルCH101〜CH108に対応した放送中の番組P1〜P8を記録している場合、つまり、番組P2(フォーカス番組)が記録されている場合であって(図4のS400、YES)、番組P2が放送中(リアルタイム再生中)の場合には(図4のS410、YES)、所定操作に対応して、コントローラ110は、番組P2の現在放送中の第1の再生時間位置を第1の再生時間位置より過去の第2の再生時間位置(第1の再生時間位置より所定時間遡った第2の再生時間位置)へ変更し、番組P2を第2の再生時間位置から再生する(図4のS420)(図8参照)。つまり、コントローラ110は、番組P2のリアルタイム再生をタイムシフト再生に切り替え、番組P2を第2の再生時間位置から再生する。このとき、コントローラ110は、他の番組P1、P3〜P8の現在放送中の映像の再生を継続する(図8参照)。つまり、コントローラ110は、他の番組P1、P3〜P8のリアルタイム再生を継続する。
【0048】
例えば、1回の所定操作に対応して、コントローラ110は、現在放送中の第1の再生時間位置より5秒遡った位置から番組P2を再生し、2回の所定操作に対応して、現在放送中の第1の再生時間位置より10秒遡った位置から番組P2を再生する。このとき、コントローラ110は、他の番組P1、P3〜P8の現在放送中の映像の再生を継続する。
【0049】
或いは、1回の所定操作に対応して、コントローラ110が、全番組(番組P1〜P8)を所定時間遡って再生することもできる。つまり、1回の所定操作に対応して、コントローラ110が、全番組(番組P1〜P8)のリアルタイム再生をタイムシフト再生に切り替え、全番組を所定時間遡って再生することもできる。
【0050】
或いは、所定操作に対応して、コントローラ110は、番組P2と番組P1の表示位置を入れ替えて、番組P2を所定時間遡って再生し、他の番組P1、P3〜P8の現在放送中の映像の再生を継続することもできる。この場合、映像表示部141は、番組P2の映像を第1のサイズ(大きいサイズ)の表示領域E1で表示し、番組P1の映像を第2のサイズ(小さいサイズ)の表示領域E2で表示する。
【0051】
なお、番組P2が放送中(リアルタイム再生中)の番組でなく(図4のS410、NO)、タイムシフト再生中番組であれば(図4のS430、YES)、所定再生制御操作に対応して、コントローラ110は、番組P2のタイムシフト再生を制御する(図4のS440)。
【0052】
なお、番組P1〜P8のうちの番組P2が所定時間遡って再生され、他の番組P1、P3〜P8の現在放送中の映像の再生がされている状態で、さらに、ユーザが、操作部115又はリモートコントローラ116を介して、表示領域E1〜E8の8つの表示領域の中から表示領域E3を選択し(チャンネルCH103を指定し)、操作部115又はリモートコントローラ116を介して、所定操作(例えば巻き戻しキー操作或いは決定キー操作)を入力すると、コントローラ110は、番組P3の現在放送中の第3の再生時間位置を第3の再生時間より過去の第4の再生時間位置へ変更し、番組P4を第4の再生時間位置から再生する。つまり、コントローラ110は、番組P2及びP3をタイムシフト再生しつつ、番組P1、P4〜P8をリアルタイム再生する。このようにして、デジタルテレビジョン放送受信装置1は、8番組の夫々の再生を制御することができる。
【0053】
以上により、映像表示部141により8番組が同時に表示されている状態で、ユーザが番組P2の所定のシーンを見逃してしまった場合に、簡単操作で、番組P2を所定時間遡って視聴することができる。例えば、ユーザが、操作部115又はリモートコントローラ116を介して、1番組単独表示を複数番組同時表示に切り替えたとき、ユーザは、番組P2の所定のシーンを見逃してしまってたことに気付くことがある。このような場合に、ユーザは、簡単操作で、番組P2を所定時間遡って視聴することができ、非常に便利である。
【0054】
以上説明したように、映像表示部141により8番組が同時に表示されている状態で、ユーザは、操作部115又はリモートコントローラ116を介して、簡単操作(ワンタッチ操作)で、番組P1〜P8の放送中の映像を視聴しながら、例えば番組P2を先頭から再生したり、番組P2を所定時間過去に遡って再生したりすることができる。さらに、番組P2を先頭から再生したり、番組P2を所定時間過去に遡って再生したままの状態で、ユーザは、操作部115又はリモートコントローラ116を介して、簡単操作(ワンタッチ操作)で、例えば番組P3を先頭から再生したり、番組P3を所定時間過去に遡って再生したりすることができる。
【0055】
(第2の実施形態)
次に、図11を参照し、デジタルテレビジョン放送受信装置1による再生制御について説明する。デジタルテレビジョン放送受信装置1は、アンテナ101を介して地上デジタルテレビジョン放送の信号を受信し、信号処理モジュールは、受信信号からサービス情報を検出することができる。サービス情報には、例えば、8日分の各チャンネル(例えばチャンネルCH101〜CH108)の番組情報が含まれる。例えば、1番組に対応する番組情報は、1番組のタイトル及び番組内容の情報を含む。
【0056】
OSD信号生成モジュール111は、チャンネルCH101〜CH108の番組情報に基づき、番組一覧表を表示するためのOSD信号を生成する。例えば、番組一覧表は、時間軸とチャンネル軸で構成され、且つ8チャンネルにより提供される各番組に対応した番組情報を含む。グラフィック処理モジュール112は、チャンネルCH101〜CH108の8番組の過去又は現在放送中の再生映像と番組一覧表とを合成し、図11に示す再生映像付き番組一覧表を表示するための表示情報を出力する。これに対応して、映像表示部141は、図11に示す再生映像付き番組一覧表を表示する。
【0057】
例えば、再生映像付き番組一覧表の最上段は、チャンネルCH101〜CH108の8番組の過去又は現在放送中の再生映像、チャンネルCH101〜CH108のチャンネル番号、チャンネルCH101〜CH108のチャンネルロゴ、及びチャンネルCH101〜CH108のチャンネル名などの情報を含む。さらに、再生映像付き番組一覧表の右上と時間軸に沿った位置に、現在日時情報(例えば10/22(金)PM5:13)が配置される。つまり、再生映像付き番組一覧表は、チャンネルCH101〜CH108により提供される各番組の現在再生時間位置を示す時間情報を含む。
【0058】
また、再生映像付き番組一覧表に含まれる番組情報は、再生中の番組情報であるのか、又は非再生中の番組情報であるのかを識別可能に表示している。例えば、表示領域E1にタイトルACCの番組の映像が表示されている場合には、タイトルACCの番組情報は第1の表示形式で表示される。同様に、表示領域E2にタイトルBBの番組の映像が表示されている場合には、タイトルBBの番組情報も第1の表示形式で表示される。同様に、表示領域E3にタイトルCBBBの番組の映像が表示されている場合には、タイトルCBBBの番組情報も第1の表示形式で表示される。同様に、表示領域E4にタイトルDBの番組の映像が表示されている場合には、タイトルDBの番組情報も第1の表示形式で表示される。同様に、表示領域E5にタイトルEAAの番組の映像が表示されている場合には、タイトルEAAの番組情報も第1の表示形式で表示される。同様に、表示領域E6にタイトルFAの番組の映像が表示されている場合には、タイトルFAの番組情報も第1の表示形式で表示される。同様に、表示領域E7にタイトルGCの番組の映像が表示されている場合には、タイトルGCの番組情報も第1の表示形式で表示される。同様に、表示領域E8にタイトルHCの番組の映像が表示されている場合には、タイトルHCの番組情報も第1の表示形式で表示される。上記以外の番組情報(例えばタイトルAA、タイトルABBBなど)は、第2の表示形式で表示される。
【0059】
次に、図5〜図10に示すマルチ画面から図11に示す再生映像付き番組一覧表への遷移の一例について説明する。例えば、10/22(金)PM4:30の時点で、図5に示すように映像表示部141にマルチ画面が表示された状態(8チャンネルに対応した8番組が同時表示された状態)で、ユーザは、操作部115又はリモートコントローラ116を介して、表示領域E2を選択し、さらに、所定操作(例えば頭出しキー操作又は巻き戻しキー操作)を入力すると、コントローラ110は、番組P2の現在放送中の第1の再生時間位置を番組P2の先頭の第2の再生時間位置へ変更し、番組P2を先頭から再生する(図7参照)。
【0060】
この後、例えば、10/22(金)PM4:45の時点で、図7に示すように映像表示部141にマルチ画面が表示された状態(8チャンネルに対応した8番組が同時表示された状態)で、ユーザは、操作部115又はリモートコントローラ116を介して、表示領域E3を選択し、さらに、所定操作(例えば頭出しキー操作又は巻き戻しキー操作)を入力すると、コントローラ110は、番組P3の現在放送中の第3の再生時間位置を番組P3の先頭の第4の再生時間位置へ変更し、番組P3を先頭から再生する(図10参照)。
【0061】
この後、例えば、10/22(金)PM5:13の時点で、図10に示すように映像表示部141にマルチ画面が表示された状態(8チャンネルに対応した8番組が同時表示された状態)で、ユーザは、操作部115又はリモートコントローラ116を介して、番組一覧表の表示を指定すると、コントローラ110は、図10に示すマルチ画面を図11に示す再生映像付き番組一覧表に切り替える。この時点で、図11に示すように、再生映像付き番組一覧表において、CH102の過去のタイトルBBが再生中であることが示されるとともに、表示領域E2によりCH102の過去のタイトルBBの映像が表示され、また、CH103の過去のタイトルCBBBが再生中であることが示されるとともに、表示領域E3によりCH103の過去のタイトルCBBBの映像が表示される。また、再生映像付き番組一覧表において、CH101の現在放送中のタイトルACCが再生中であることが示されるとともに、表示領域E1によりCH101の現在放送中のタイトルACCの現在放送中の映像が表示される。同様に、CH104〜CH108の現在放送中のタイトルが再生中であることが示されるとともに、表示領域E4〜E8によりCH104〜CH108の現在放送中のタイトルの現在放送中の映像が表示される。
【0062】
なお、第1の実施形態では、デジタルテレビジョン放送受信装置1が、図5〜図10に示すマルチ画面を表示した状態から、各番組の夫々の再生を制御するケース(リアルタイム再生からタイムシフト再生へ変更するケース)について説明し、第2の実施形態では、デジタルテレビジョン放送受信装置1が、例えば図10に示すマルチ画面から図11に示す再生映像付き番組一覧表へ切り換えるケースについて説明した。さらに、デジタルテレビジョン放送受信装置1は、図11に示す再生映像付き番組一覧表を表示した状態から、各番組の夫々の再生を制御する(リアルタイム再生からタイムシフト再生へ変更する)こともできるし、また、図11に示す再生映像付き番組一覧表から、図5〜図10に示すマルチ画面へ切り換えることもできる。
【0063】
なお、上記したモジュールとは、ハードウェアで実現するものであっても良いし、CPU等を使ってソフトウェアで実現するものであってもよい。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
1…デジタルテレビジョン放送受信装置、101…アンテナ、102…入力端子、103…チューナー部、104〜107…外部入力端子、108…信号処理モジュール、110…コントローラ、111…OSD信号生成モジュール、112…グラフィック処理モジュール、113…映像処理モジュール、114…音声処理モジュール、115…操作部、117…受信部、119…カードホルダ、120…カードインターフェース、121…明るさセンサー、122…LAN端子、123…通信インターフェース、124…USB端子、125…USBインターフェース、126…iLINK端子、127…iLINKインターフェース、128…HDMI端子、129…HDMIインターフェース、141…映像表示部、142…スピーカ、151、152…HDD。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数番組を記録する記録手段と、
複数表示領域で前記複数番組を再生する再生手段と、
前記複数表示領域のうちの第1の表示領域により再生される第1の番組の選択に対応して、前記第1の表示領域により表示される第1の番組の現在再生時間位置を変更して再生する再生制御手段と、
を備えた再生装置。
【請求項2】
前記再生制御手段は、前記第1の表示領域の選択に対応して、前記第1の番組の現在放送中の第1の再生時間位置を前記第1の再生時間位置より過去の第2の再生時間位置へ変更し、前記第1の番組を前記第2の再生時間位置から再生する請求項1記載の再生装置。
【請求項3】
前記再生制御手段は、前記第1の表示領域の選択に対応して、前記第1の番組の現在放送中の前記第1の再生時間位置を前記第1の番組の先頭の第2の再生時間位置へ変更し、前記第1の番組を前記先頭から再生する請求項1又は2記載の再生装置。
【請求項4】
前記再生制御手段は、前記複数表示領域のうちの第2の表示領域により再生される第2の番組の選択に対応して、前記第2の表示領域により表示される前記第2の番組の現在再生時間位置を変更して再生する請求項1乃至3の何れか1項に記載の再生装置。
【請求項5】
前記再生制御手段は、時間戻し操作に対応して、前記第1の番組を現在放送中の第3の再生時間位置へ戻して再生し、前記第2の番組も現在放送中の第4の再生時間位置へ戻して再生する請求項4記載の再生装置。
【請求項6】
時間軸とチャンネル軸で構成され且つ複数チャンネルにより提供される各番組に対応した番組情報を含む番組一覧表を表示する表示手段を備え、
前記表示手段は、前記複数チャンネルにより提供される各番組のうち再生中番組及び非再生中番組を識別可能に表示した前記番組情報を含む前記番組一覧表を表示する請求項1乃至5の何れか1項に記載の再生装置。
【請求項7】
前記表示手段は、前記複数表示領域を含む前記番組一覧表を表示する請求項6に記載の再生装置。
【請求項8】
複数番組を記録し、
複数表示領域で前記複数番組を再生し、
前記複数表示領域のうちの第1の表示領域により再生される第1の番組の選択に対応して、前記第1の表示領域により表示される第1の番組の現在再生時間位置を変更して再生する再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−95211(P2012−95211A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242473(P2010−242473)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】