説明

冗長なアクチュエータを有するシステムの管理方法

【課題】
冗長な軸を持つ軌跡制御で、冗長性を最適に管理する方法を提供すること。
【解決手段】
第1のシステムの制御軸(X、Y)とこれと冗長な第2のシステムの制御軸(U、V)とを持つシステムで、総合システムの軌跡にフィルタリングを行い、第1のシステムの軌跡を生成する工程と、総合システムの軌跡と第1のシステムの軌跡との差分の軌跡である第2のシステムの第2の軌跡を計算する工程と、第1のシステムの駆動のために、第1のシステムの軌跡をサーボコントロールモジュールに入力する工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冗長なアクチュエータを有するシステムの管理方法、特に冗長な軸を有する作業機械(operating machines)に関する。とはいうものの、本発明は、作業機械に限定されるものではなく、あらゆる可能な、1つ以上の運動学的自由度に沿って駆動される2以上の軸によって与えられる冗長な運動を有する機械構造(単なる平面直交座標系構造ではない)、または、冗長な変量に従って動作するシステムに拡張される。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、少なくとも、第1組の変数、代表的には制御すべき物理量に従って動作する第1システムと、第2組の前記変量、代表的には制御すべき物理量に従って動作する第2システムとを含み、第1組の変数および第2組の変数が1以上の冗長な変数を特定するような、冗長なアクチュエータを有するシステムの管理方法であって、前記方法が、数値制御ユニットおよびサーボコントロールモジュールを介してシステムのアクチュエータに命令し、所定の数列の関数である前記変量の軌跡に追従するものに関する。
【背景技術】
【0003】
ここで、実施形態は、変量が直交座標についての位置変量であり、それ故、軌跡が平面に描かれる曲線になる場合に関して記載されるが、変量の軌跡は、n個の変数によってn次の空間に特定される曲線全般を意味し、前記n個の変数は、位置変量である必要はなく、温度のような他の種類の量であってもよい。
【0004】
作業機械は、その関節が作業空間を記述するのに必要な自由度より多数であるとき、冗長性が定義される。これは、末端部材ののぞましい位置決めおよび方向付けを完遂する関節の無限に可能な配置をもたらす。
【0005】
冗長な解決策の設定は、作業機械に、動的構造と周囲の環境との相互作用との両面において、さらなる柔軟性を与えることを可能にする。特に、冗長性は、作業空間による制約に適合し、作業機械自身の物理的制約に反せず、衝突しないで軌跡を描くのに有効に活用されることができる。
【0006】
冗長な作業機械の分析の基本的な特徴は、直交空間における末端部材の座標と関節の空間における座標との間の関係を特定する冗長性を管理することにある。
【0007】
末端部材の直交空間における位置および向きは、以下の順運動学的法則による関節の空間に関連付けられる。
【数1】

ここで、p∈Rは直交空間における末端部材の位置を表し、mは直交座標軸の数を表す整数であり、q∈Rは関節の変位を表し、関節の軸の数を表す整数であり、f(・)は連続する非線形関数である。
【0008】
関節の適切な配置q(t)を見出すための逆運動力学の研究が、末端部材の位置p(t)の関数として次式で与えられる。
【数2】

【0009】
関数f(・)の非線形性により、方程式「数2」を解くことは容易ではない。
【0010】
通常、作業機械の逆運動学の問題は、(p’(t))で示される末端部材の速度と、(q’(t))で示される関節の速度との間に、方程式「数1」を時間について微分可能な線形関係があるので、速度の関数として取り扱われる。
【数3】

ここでJ(q(t))∈Rn×mは、次式で定義された行列関数である。
【数4】

【0011】
作業機械が冗長でないとき、行列関数J(q(t))は正方行列であり、関節の速度p’(t)は、関節の速度のベクトルについて、特定の位置でなく、次の方程式「数5」に示されるように、方程式「数3」を解くことで求められる。
【数5】

【0012】
関節の位置q(t)は、関節の速度q’(t)を位置の初期値q(0)として積分することで与えられる。
【0013】
しかしながら、冗長な作業機械においては、m<nであり、行列J(q(t))が正方行列でないために、方程式「数3」が定義されない。冗長な作業機械の関節の速度は、次式に表すことができる。
【数6】

ここで、Jは行列関数の疑似逆関数であり、PはJのゼロ空間に適合すると想定される(n×m)行列であり、q’は空間q’(t)内の任意のベクトルである。
【0014】
方程式「数6」は、次のように変形される。
【数7】

ここで、q’partはのぞましい移動を達成する方程式「数5」の特殊解であり、q’homは方程式「数5」の一般解である。この一般解q’homは、動作の冗長度を有効に使用するように選択されれば、作業機械の能力を最大化するために使用できる。特殊解q’partの役目は、末端部材の位置および向きを変えずに、例えば、割り当てられた作業を遂行するのに作業機械の巧妙な姿勢を特定することを可能にする構造体の内部動作を作り出すことである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の課題は、システムまたは作業機械の性能に係る自由度または軸の冗長性を最適に管理する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によれば、冗長なアクチュエータを有するシステムの軌跡を与える数列を補完する工程と、前記第1のシステムの軌跡を生成する冗長なアクチュエータを有するシステムの前記軌跡にフィルタリングする工程と、冗長なアクチュエータを有するシステムの前記軌跡と第1のシステムの軌跡との間の異なる軌跡である第2のシステムの第2の軌跡を計算する工程と、前記第1のシステムの駆動のためのサーボコントロールに、前記第1のシステムの軌跡を提供する工程とを含む方法によって前記課題は達成される。
【発明の効果】
【0017】
この解決案により、特に、特に、第2のシステムのコンピュータ化のコストが低く、簡単な方法で、第1のシステムの軌跡を生成するためになされるフィルタリングに始まるその動作が決定された、2つのシステムに関する軌跡の分割および分離を計算することができる。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によれば、第1のシステムの軌跡を生成するためになされるフィルタリングは、アクチュエータシステムの軌跡に適用されるフィルタリングである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、単なる非限定的例示の方法として提供された添付図面を参照しながら、ここに詳細に説明される。
【0020】
これより、本発明に係る方法を実行するシステムの例として、同じ出願人の名の下になされたイタリア国特許出願TO2005A000016号に開示されている種類のレーザ作業機械について記載する。
【0021】
先ず、図1および2を参照すると、レーザ作業機械は、基本的に、その上に加工される部品、典型的には寸法の大きい金属板Lが配置され、その両側に沿って支持構造体3のための長手方向の2本のガイド2が延伸する水平なベース1を含む。支持構造体3は、例えば、ベース1を横断して延伸する概略門形の形状を有し、第1の水平な直交座標軸Xについて、ガイド2に沿って直線移動可能である。支持構造体3の軸X方向へのベース1に対する移動は、一般に常套的な、当業者には公知であるので図示しないアクチュエータセットによって、比較的低い加速度および速度での動作で、略ベース1の長手方向の長さ全体に亘って実行される。
【0022】
支持構造体3は、さらに、軸Xに直交する水平な直交座標軸Yについて配置されるスライディングガイド4を支持する。スライディングガイド4に沿って、全体を参照番号5で示した可動装置が平行動可能である。軸Yに沿った可動装置5の直線移動もまた、比較的低い加速度および速度での動作で、やはり常套的で当業者には公知であるので図示しないモータを有するアクチュエータセットによって、略ベース1の横断の長さ全体に亘って、実行される。
【0023】
従って、支持構造体3および可動装置5は、軸XおよびYに沿って移動可能な第1のシステムを定める。
【0024】
可動装置5は、加工される部品Lの上でガイド4に沿って移動可能であり、水平方向に、支持構造体3に対して位置決めされ、概略「V]型に配置される一対のガイディングブロック7,8を支持するスライド6を含む。ガイディングブロック7,8は、下方に、それぞれ、スライディングブロック9,10にスライド可能に係合し、それぞれ第1のスライド11および第2のスライド12によって支持された、スライディングガイド(不図示)が設けられている。
【0025】
スライド11,12は、それぞれuおよびvで示された、2つの互いに直交する水平な直交座標に沿って、ブロック7,8に対して直線移動可能である。各スライド11,12の移動は、それぞれ、例えば、リニア電気モータ、または、スクリュおよびねじ送りナットを有するロータリ電気モータなどからなるアクチュエータ13,14によって実行される。
【0026】
2つのスライド11,12は、それぞれの前面に、それぞれガイド15,16を支持する。ガイド15,16の上では、レーザ光源により放出されたレーザ光を加工する部品Lに合焦するための、光学システム(例えば、反射またはファイバ光学系)を有する一般に公知の方法で設けた垂直軸を有するレーザカッティングヘッド17をスライド可能に支持する。レーザ光源および合焦システムは、いずれも、当業者には常套的で公知であるので、簡潔化のために図示していない。
【0027】
レーザヘッド17は、例えば、スライド11および12のスライディングブロックまたはキャリッジからなり、前面ガイド15および16に沿って移動可能な、一対の側面カーソル18および19が設けられている。
【0028】
それ故、移動可能なレーザヘッド17は、スライド11および12によって、軸uおよびvに沿って移動可能な第2システムを定める。
【0029】
モータ13および14は、数値制御ユニット50に動作可能に接続されている。数値制御ユニット50は、後に、図3に例示するものである。前記数値制御ユニット50は、予め定められたプログラムに従って、部品Lの加工の必要性に応じて、さらに、可動装置5のガイド4に沿った軸Y方向への移動を指示するアクチュエータ、同様に、支持構造体3の軸X方向への移動を、指示するアクチュエータの状況に合わせて、動作の命令を出す。前記プログラムは、レーザヘッド17を軸uおよびvに沿って、比較的広い空間の中での比較的低い加速度の可動装置5の軸Yに沿った移動および支持構造体3の軸Yに沿った移動が完了する間に、実質的に連続的な方法で、比較的限定された空間の中で、非常に高い速度および加速度で移動させるように用意しなければならない。
【0030】
また、可動バランス質量のためのアクチュエータ20および21も、部品Lの加工の間のすべての質量の動きが調整されて、動きの連続性を確保できるように、機械のプログラム可能な制御ユニット50に動作可能に接続されている。
【0031】
レーザヘッド17またはその一部も、好ましいモータを有するアクチュエータによって垂直軸Zに沿って移動可能であって、機械の制御装置に接続されてもよいことを注記する。
【0032】
それ故、第2のシステムに付属する軸uおよびvは、高い加速度(例として50m/s以上)であるが低い速度(約0.5m/s)を有する。一方で、作業量の小さいレーザヘッド17を機械の作業領域の端から端まで移動させる第1のシステムに付属する軸XおよびYは、低い加速度(例として、12m/s以下)および高い最高速度(約1.7m/s)を有する。全体として、第1のシステムおよび第2のシステムを含めた機械の軸は5つである。
【0033】
レーザ作業機械は、2次元で動作するが、TCP(工具中心点)、すなわち、レーザヘッド17の作業参照位置の移動に資する冗長な直交座標軸(軸uは軸Xと平行であり、同様に、軸vは軸Yと平行である)で動作する。
【0034】
前記レーザ作業機械の制御は、それ故、第1のシステムの軸XおよびYと、第2のシステムの軸uおよびvとを互いに協調させる必要がある。第1のシステムの軸XおよびYは、第2のシステムの軸uおよびvが、第1のシステムの軸XおよびYの移動のために停止することなく、ヘッド17を作業領域の端から端まで連続的に搬送する役目を負う。
【0035】
図3は2つのパーソナルコンピュータ51,52からなる動作の制御を管理する数値制御ユニット50の構成の概略を示す。
【0036】
パーソナルコンピュータ51は、ウィンドウズオペレーティングシステムを使用し、指示を送るユーザインターフェイスとして動作し、機械の管理のためのリアルタイムエクステンションと協動するリナックスオペレーティングシステム52aを含む第2のパーソナルコンピュータ52に命令する。パーソナルコンピュータ52は、アクチュエータ、中でも、スライド11および12を動かすアクチュエータ13および14と、可動装置5および支持構造体3のアクチュエータとの制御のためのDSP−PCIサーボ制御基板53に実行すべき軌跡を与える。
【0037】
パーソナルコンピュータ52およびサーボ制御基板53において、冗長な軸を管理するために用いられる手順は、例えば図4に、よりよく説明される。
【0038】
図4は、前記冗長な軸を管理する手順を示すフローチャートである。
【0039】
当業者には公知の処置に係る数値制御ユニット50は、予め定められた加速度および速度仕様を有する「仮想」機械のための「パートプログラム」と呼ばれるものに相当するプログラム指示の数列Pを生成する。この指示の数列Pは、パーソナルコンピュータ51から入力され、専用プログラムによって生成され、機械の軌跡および移動をオフラインで設定する。
【0040】
図4の参照番号100は、指示の数列Pおよび工作機械の軌跡(Xs,Ys)の生成に基づいて、補完関数が実行される補完器ブロックを示す。前記補完ブロック100は、指示の数列Pの中の送られた準備コード101またはGコードに応じて動作する。Gコードは、機械の数値制御およびCAM(コンピュータ支援製造)の範囲ではよく知られており、開始する関数、例えば、軸運動、平面の変更などを特定する文字Gおよび数値で、準備関数を特定する。
【0041】
前記機械の軌跡(Xs,Ys)は、ブロック110に入力され、前記機械の軌跡(Xs,Ys)は、その出力が第1のシステムの軌跡(X,Y)となるアウトプットフィルタ関数に適用される。
【0042】
フィルタリングブロック110は、第1のシステムでは実行されない、機械の軌跡(Xs,Ys)から特定の軌跡の特徴を除去、つまりフィルタを掛けることにより動作する。
【0043】
例えば、フィルタリングブロック110は、フィルタ関数を実行し、機械の軌跡(Xs,Ys)から、所定のしきい値より低い、搬送すべき単位の小さい距離を有する軌跡を除去する。同様に、フィルタリングブロック110は、特に、曲線の小さい角度または曲率半径で動作することが必要な、この場合、所定のしきい値より小さすぎ、それ故、第2のシステムで実行することが好ましい軌跡要素を取り除くように設定することができる。フィルタリングブロック110は、尖鋭なエッジまたは複雑な曲線の存在に関し、その特徴を取り除くこともできる。
【0044】
フィルタリングブロック11は、軌跡に関して所定のスペクトル要素をフィルタリングする、特に、機械の軌跡(Xs,Ys)の高周波成分をフィルタリングする、2つのシステム両方の詳細な運動の適合性を確保するような方法で動作できる。
【0045】
さらに、フィルタリングブロック110は、特定の形状および曲線をフィルタリングするように構成されてもよい。
【0046】
第1のシステムの軌跡(X,Y)は、ブロック120の入力および軸XおよびYに沿って移動する支持構造体3および可動装置5を含む第1のシステムの場合、動作を指示するサーボ制御基板の関数を意味する作動ブロック130に並行して伝達される。
【0047】
ブロック120において、機械の軌跡(Xs,Ys)からの差により、ヘッド17に関する第2のシステムの軌跡(u、v)が与えられる。これにより、第1のシステムの軌跡(X,Y)と第2のシステムの軌跡(u,v)との合計からもたらされる軌跡の定義は、指示の数列Pで記述される機械の軌跡(Xs,Ys)に対応する。
【0048】
ブロック110により除去された特徴は、このように、ブロック120により与えられる第2のシステムの軌跡(u,v)に見出される。
【0049】
差分の軌跡である、第2のシステムの第2の軌跡(u,v)の計算の操作は、機械の軌跡(Xs,Ys)と第1のシステムの軌跡(X,Y)との要素間の差分(u=Xs−X,v=Ys−Y)をとることにより、所定のしきい値より小さい単位、角度または曲率半径を有する補完軌跡要素、或いは、第2のシステムの軌跡(u,v)である高周波要素を得る工程を含む。
【0050】
キャリブレーションファイルへの変更は、2つのシステムの可能な最大の運動を、例として、例えば50m/sのヘッド17による第2のシステムの最大の接線方向の加速と、例えば1.667m/sの支持構造体3および可動装置5にかかる第1のシステムの最大の接線方向の速度とを引き出し、工具中心点(TCP)と呼ばれるヘッド17の参照点によって追従すべき軌跡を生成することを可能にする。このように生成された軌跡は、合計した軸を参照し、その作業空間における移動は、支持構造体3および可動装置5にかかる第1のシステムと、レーザヘッド17にかかる第2のシステムとの変位の合計により与えられる。
【0051】
当然に、構造の詳細および実施形態は、添付した特許請求の範囲に定める本発明の範囲から逸脱することなく、ここに図示および記載されたものから、広範な変形ができる。
【0052】
機械の軌跡において操作されるフィルタリングは、異なるシステムに割り当てるべき動力学的特徴にかかる種類と異なってもよい。
【0053】
本発明の方法は、如何なる数の冗長な軸、および、如何なる数のシステムを含む機械またはマニピュレータにも拡張されることは明らかである。よって、本発明は、レーザ作業機械のみに限定されず、1以上の運動力学的自由度について2以上の駆動される軸が設けられることで冗長な運動力学が与えられた、あらゆる可能な機械構造(単なる直交座標平面でない)に拡張される。
【0054】
さらに一般的に、n次の自由度と、問題解決に使用できる1式の制御技術(センサ、アクチュエータ、制御ソフトウェアおよびハードウェア)とによって特徴付けられる物理学的、および/または、工学的問題であって、n個の入力とn個の出力とが得られることを必要とし、その能力が可能な技術的解決策の限界により制限され、自由度n+m(M≧1)の冗長な物理的および/または工学的システムを与えることができる制御システムは、同じ技術的制限に際し、付加的な自由度を使用して与えられた目的関数(一般に、費用、消費、速度、精度、信頼性、安定性などの複数の要因の荷重和)を、例えば、冗長な変数の周波数分離によって最適化し、システムの能力を改善することを可能にする。
【0055】
一般論として、可能な適用の帰結として、
冗長な軸の周波数分離によって、よりよい動的性能を保証する機械/ロボットの物理的冗長性と、
冗長な流量の周波数分離によって、低い消費量を保証する熱流体システムの幾何学的冗長性と、
日差のための速い動力学特性備える、最低温度を保証するための専用の、遅い係数を有する冗長な加熱(温度調整)プラントの構成とが例示される。
【0056】
工作機械の際だった例は、平面および3次元レーザ作業機械に加え、ピックアンドプレイスシステム、フライス盤、成型機、木工機などの作業機械全般がある。
【0057】
上記に従い、本発明は、それ故、少なくとも、第1の制御すべき物理量を示す変数の組に従い動作する第1のシステムと、第2の制御すべき物理量を示す変数の組に従い動作する第2のシステムとを含み、前記第1の変数の組および第2の変数の組は1以上の冗長な変数を特定するものである冗長なアクチュエータが設けられたシステムを管理する方法であって、数値制御ユニットと、設定された数列の関数である前記変数の軌跡に追従するサーボコントロールモジュールとによって、前記システムの前記アクチュエータを統御すするものであって、
前記数列を補完して、冗長なアクチュエータを有するシステムの軌跡を得る工程と、
前記長なアクチュエータを有するシステムの軌跡のフィルタリング動作を行い、第1のシステムの軌跡を生成する工程と、
前記冗長なアクチュエータを有するシステムの軌跡と前記第1のシステムの軌跡との差分の軌跡である第2のシステムの第2の軌跡を計算する工程と、
前記第1のシステムの駆動のために、前記第1のシステムの軌跡を前記サーボコントロールモジュールに入力する工程とを有するものに関する。
【0058】
本発明にかかる発明は、冗長な軸を有する2つ以上のシステムにも適用できることが、先の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1実施形態に係るレーザ作業機械の概略斜視図。
【図2】図1を拡大した平面図。
【図3】図1および2に示した機械のコントロールユニットのブロック図。
【図4】図3のコントロールユニットにおいて実行される操作のフローチャート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、第1の制御すべき物理量を示す変数の組((X,Y))に従い動作する第1のシステム(3,5)と、第2の制御すべき物理量を示す変数の組((u,v))に従い動作する第2のシステム(17)とを含み、前記第1の変数の組((X,Y))および第2の変数の組((u,v))が1以上の冗長な変数を特定するものである冗長なアクチュエータが設けられたシステムを管理する方法であって、
数値制御ユニット(50)およびサーボコントロールモジュール(53)を介して、前記システムのアクチュエータ(13,14)に命令して、設定した数列(P)の関数である変数の軌跡((Xs,Ys),(X,Y),(u,v))に追従する操作を含み、
前記数列(P)を補完(100)して、冗長なアクチュエータを有するシステムの軌跡(Xs,Ys)を得る工程と、
前記冗長なアクチュエータを有するシステムの軌跡((Xs,Ys))にフィルタリング(110)を行い、第1のシステムの軌跡((X,Y))を生成する工程と、
前記冗長なアクチュエータを有するシステムの軌跡((Xs,Ys))と前記第1のシステムの軌跡((X,Y))との差分の軌跡である第2のシステムの第2の軌跡((u,v))を計算する工程と、
前記第1のシステム(3,5)の駆動のために、前記第1のシステムの軌跡((X,Y))を前記サーボコントロールモジュール(53)に入力(130)する工程とを有することを特徴とする管理方法。
【請求項2】
さらに、第2のシステム(17)の駆動のために、前記第2のシステムの軌跡((u,v))を、前記サーボコントロールモジュール(53)に入力することを特徴とする請求項1に記載の管理方法。
【請求項3】
前記フィルタリング(110)は、前記第2のシステムの軌跡((u,v))によってなすべき軌跡の特徴を除去することを特徴とする請求項1または2に記載の管理方法。
【請求項4】
前記フィルタリング(110)は、前記冗長なアクチュエータを有するシステムの軌跡((Xs、Ys))から、しきい値より小さい単位を有する排除分を除去することを特徴とする請求項3に記載の管理方法。
【請求項5】
前記フィルタリング(110)は、前記冗長なアクチュエータを有するシステムの軌跡((Xs,Ys))から、周波数成分、特に、高周波成分を除去することを特徴とする請求項3または4に記載の管理方法。
【請求項6】
前記差分の軌跡である第2のシステムの軌跡((u,v))の計算は、前記冗長なアクチュエータを有するシステムの軌跡((Xs,Ys))および前記第1のシステムの軌跡((X,Y))という機械構成要素の差分((u=Xs,v=Ys))により、補正軌跡要素および/または周波数を、前記第2のシステムの軌跡((u,v))として取得する工程を含むことを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の管理方法。
【請求項7】
冗長な軸を有する作業機械の動作を管理する方法であり、
前記第1の制御すべき物理量を示す変数の組((X,Y))は、動作の第1の軸の組((X,Y))であり、
前記第2の制御すべき物理量を示す変数の組((u,v))に従い動作する第2のシステム(17)は、動作の第2の軸の組((u,v))であり、
前記第1の軸の組((X,Y))と前記第2の軸の組((u,v))とは1以上の冗長な動作の軸を特定し、
前記設定した数列(P)の関数である変数の軌跡((Xs,Ys),(X,Y),(u,v))は、前記設定した動作の数列(P)の関数である動作の軌跡((Xs,Ys),(X,Y),(u,v))であり、
前記冗長なアクチュエータを有するシステムの軌跡((Xs,Ys))は、作業機械の軌跡((Xs,Ys))であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の管理方法。
【請求項8】
前記第1のシステム(3,5)は、前記第2のシステム(17)より加速度が低いことを特徴とする請求項7に記載の管理方法。
【請求項9】
前記第1のシステム(3,5)は、前記第2のシステム(17)より速度が速いことを特徴とする請求項8に記載の管理方法。
【請求項10】
前記フィルタリング(110)は、前記機械の軌跡((Xs,Ys))から、しきい値より低い角度または曲率半径の動作を必要とする軌跡の要素を除去することを含むことを特徴とする請求項7に記載の管理方法。
【請求項11】
前記フィルタリング(110)は、前記機械の軌跡((Xs,Ys))から、特定の形状、および/または、曲線成分を除去することを含むことを特徴とする請求項9または10に記載の管理方法。
【請求項12】
それぞれ、制御すべき物理量を示す変数の組(X,Y,u,v)に従って動作する複数のシステム(3,5,17)を含み、前記制御すべき物理量を示す変数の組(X,Y,u,v)は1以上の冗長な変量を特定する冗長なアクチュエータが設けられたシステムを管理する方法であって、
数値制御ユニット(50)およびサーボコントロールモジュール(53)を介して、前記システムのアクチュエータ(13,14)に命令して、設定した数列(P)の関数である変数の軌跡((Xs,Ys),(X,Y),(u,v))に追従する操作を含み、
前記数列(P)を補完(100)して、冗長なアクチュエータを有するシステムの軌跡(Xs,Ys)を得る工程と、
前記冗長なアクチュエータを有するシステムの軌跡((Xs,Ys))にフィルタリング(110)を行い、前記複数のシステム(3,5,17)に属する第1のシステムの軌跡((X,Y))を生成する工程と、
前記冗長なアクチュエータを有するシステムの軌跡((Xs,Ys))と前記第1のシステムの軌跡((X,Y))との差分の軌跡である第2の軌跡((u,v))を計算する工程と、
前記第1のシステム(3,5)をそれぞれ駆動するために、少なくとも前記第1のシステムの軌跡((X,Y))を前記サーボコントロールモジュール(53)に入力(130)する工程とを有することを特徴とする管理方法。
【請求項13】
少なくとも第1の動作の軸の組((X,Y))について操作する第1のシステム(3,5)と、第2の動作の軸の組((u,v))について操作する第2のシステム(17)とを含み、前記第1の軸の組((X,Y))および前記第2の軸の組((u,v))は、1以上の冗長な動作の軸を定める作業機械であって、
さらに、前記作業機械のアクチュエータ(13,14)に命令するように構成された数値制御ユニット(50)およびサーボコントロールモジュール(53)を含み、前記数値制御ユニット(50)および前記サーボコントロールモジュール(53)によって、設定した数列(P)の関数である動作の軌跡((Xs,Ys),(X,Y),(u,v))に追従し、
前記数値制御ユニット(50)は、前記数列(P)を補完(100)して、前記作業機械の軌跡(Xs,Ys)を取得し、
前記作業機械の軌跡((Xs,Ys))にフィルタリング(110)を行い、第1のシステムの軌跡((X,Y))を生成し、
前記作業機械の軌跡((Xs,Ys))と前記第1のシステムの軌跡((X,Y))との差分の軌跡である第2のシステムの第2の軌跡((u,v))を計算し、
前記第1のシステム(3,5)の駆動のために、前記第1のシステムの軌跡((X,Y))を前記サーボコントロールモジュール(53)に入力(130)することを特徴とする作業機械。
【請求項14】
前記作業機械は、また、第2のシステム(17)の駆動のために、前記第2のシステムの軌跡((u,v))を前記サーボコントロールモジュール(53)に入力することを特徴とする請求項13に記載の作業機械。
【請求項15】
前記作業機械は、レーザ作業機械であって、前記第1のシステム(3,5)は支持構造体および可動装置を含み、前記第2のシステムはレーザヘッドを含むことを特徴とする請求項13または14に記載の作業機械。
【請求項16】
前記作業機械は、フライス盤であることを特徴とする請求項13に記載の作業機械。
【請求項17】
請求項1から12のいずれかに記載の管理方法を実行することを特徴とする作業機械。
【請求項18】
第1の制御すべき物理量を示す変数の組((X,Y))および第2の制御すべき物理量を示す変数の組((u,v))は、少なくとも部分的に冗長な流量を示し、
請求項1から12のいずれかに記載の管理方法を実行することを特徴とする熱流体システム。
【請求項19】
第1の制御すべき物理量を示す変数の組((X,Y))および第2の制御すべき物理量を示す変数の組((u,v))は、温度を示す請求項1から12のいずれかに記載の管理方法を実行する加熱および/または温度調整システム。
【請求項20】
実質的に添付した図に記載されている方法、作業機械、熱流体システム、熱システムまたは調整システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−95035(P2007−95035A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−221466(P2006−221466)
【出願日】平成18年8月15日(2006.8.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ウィンドウズ
2.リナックス
【出願人】(592028868)プリマ インドゥストリー ソシエタ ペル アチオニ (4)
【氏名又は名称原語表記】PRIMA INDUSTRIE SOCIETA PER AZIONI
【出願人】(506278462)シンテシ・ソシエタ・コンソルティーレ・ペル・アチオニ (1)
【氏名又は名称原語表記】SINTESI ScpA
【Fターム(参考)】