説明

写真撮影プリント装置、写真撮影プリント装置制御プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、および、写真撮影プリント装置の制御方法

【課題】ゲーム工程により得られた画像を、煩雑な操作なく、すみやかに、ユーザの所持する端末に配信する。
【解決手段】撮影処理と、編集処理と、印刷処理とを含むゲーム工程を順に実行する写真撮影プリント装置100において、携帯端末100との間で無線通信を行う近距離無線通信部160と、携帯端末100とが上記無線通信を行うために必要な通信設定情報を、携帯端末100が備える非接触型ICチップから読み出して取得する近接通信部127と、取得した通信設定情報に基づいて無線通信を確立する通信確立部114と、近距離無線通信部160を介して、配信対象画像を配信する制御を行う配信制御部115と、を備え、配信制御部115は、上記編集処理が終了した後、配信を開始し、通信確立部114は、印刷処理の終了後、所定の時間後に、無線通信を終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが所持する端末に対して画像配信を行う写真撮影プリント装置、写真撮影プリント装置制御プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、および、写真撮影プリント装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばゲームセンターなどの娯楽(遊戯)施設において、ユーザを撮影して得られた撮影画像や、撮影画像に対して背景画像や前景画像の合成等の編集(落書き)を施した編集画像を写真シール紙に印刷するという一連のゲームを提供する写真撮影プリント装置が設置されており、人気を博している。
【0003】
一般的な写真撮影プリント装置の構成としては、ユーザを撮影する撮影空間と、編集を行う編集空間とが別々に設けられているものが多い。つまり、このような構成の写真撮影プリント装置においては、ユーザは、ゲームを開始すると、撮影空間にて撮影を行った後、編集空間に移動し、撮影画像に対して多種多様な編集を行い、編集した画像を写真シール紙に印刷することになる。
【0004】
また、写真撮影プリント装置では、娯楽(遊戯)施設において供されるという性質上、ゲームの提供に対して課金処理を行うのがほとんどである。このような事情から、写真撮影プリント装置では、ユーザの回転率の向上とともに、収益率の向上が望まれる。そのため、例えば、写真撮影プリント装置では、際限なくゲームが継続することができないよう、ゲームの提供に一定の時間制限を設けている。
【0005】
より具体的には、写真撮影プリント装置は、ユーザから硬貨(代金)の投入を受け付けることにより、ゲームの提供を開始するとともに、経過時間のカウントを始める。そして、ユーザは、限られた時間内で、撮影処理をはじめとするゲームを楽しむことができる。
【0006】
ここで、図8を用いて、写真撮影プリント装置における、典型的なゲーム処理の流れについて例示すると次のとおりである。
【0007】
図8は、写真撮影プリント装置におけるゲーム処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0008】
まず、写真撮影プリント装置は、課金処理を行う(S1)。そして、硬貨が投入されると(S1にてYES)、写真撮影プリント装置は、撮影空間での撮影処理を開始する(S2)。ユーザは撮影空間で複数回の写真撮影を行う。
【0009】
次に、写真撮影プリント装置は、編集空間に移動する指示を、自装置が備える表示部等に表示する(S3)。この指示に従って、ユーザは編集空間に移動する。次に、写真撮影プリント装置は、編集処理を開始する(S4)。ユーザは、編集空間において、撮影した画像を編集する。
【0010】
次に、写真撮影プリント装置は、撮影画像または編集画像をシール紙に印刷する処理を開始する(S5)。印刷処理が行われている間、写真撮影プリント装置は、液晶ディスプレイ画面などの表示部において事後接客処理を行う(S6)。この事後接客処理とは、ユーザが、印刷処理を待つ間、アンケートの入力をはじめとするミニゲームを行えるように、対応するアプリケーションを実行する処理である。
【0011】
その後、写真撮影プリント装置は、印刷されたシール紙が排出される印刷空間へユーザを誘導する(S7)。この指示に従って、ユーザは印刷空間へ移動する。そして、写真撮影プリント装置は、印刷空間において印刷されたシール紙を排出する(S8)。以上が、写真撮影プリント装置が提供するゲーム処理の流れの一例である。
【0012】
また、写真撮影プリント装置において、上記のようなゲームに対するユーザの満足度を向上させ、より集客力を上げるための種々のサービスが行われている。
【0013】
例えば、写真撮影プリント装置では、上記事後接客処理等において、撮影・編集した画像をユーザが所有する情報端末に送信する、いわゆる画像配信サービスが行われている。具体例を挙げると、写真撮影プリント装置において、ユーザからメールアドレスの入力を受け付け、受け付けたメールアドレスに基づいて、撮影・編集した画像を、サーバ経由で、ユーザが所有する情報端末に配信することが提案されている(例えば特許文献1)。
【0014】
また、撮影・編集した画像を、Bluetooth(登録商標)を代表とする無線通信や、IrDA(登録商標)を代表とする赤外線通信を介して、写真撮影プリント装置からユーザが所有する情報端末に配信することが提案されている(例えば特許文献2や、特許文献3)。
【0015】
他にも、ユーザの回転率を向上させるため、1台の写真撮影プリント装置において複数のユーザグループが利用できるようにしたり、ユーザの順番待ちの時間を短縮させたりするような様々な提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2007−228439号公報(2007年9月6日公開)
【特許文献2】特開2001−218176号公報(2001年8月10日公開)
【特許文献3】特開2008−61225号公報(2008年3月13日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、上記従来の画像配信サービスでは、ゲームの制限時間内に、ユーザが画像を取得することができない、あるいはゲーム時間が長くなってしまうという問題が生じていた。
【0018】
すなわち、特許文献1の技術では、まず、ゲームの制限時間内で、ユーザがメールアドレスを入力する時間を確保する必要がある。これに対し、例えば、編集処理においてメールアドレスを入力させるようにした場合、ユーザが編集を十分に行うことができなくなってしまい、これによりゲームに対する満足度が低下するので問題となる。また、メールアドレスが長い場合、入力の操作に手間がかかることが予測される。そして、メールアドレスは、ユーザの個人的な情報であるので、このような情報を入力すること自体を敬遠するユーザもいる。
【0019】
また、特許文献2の技術では、シール紙の取り出し口付近に設置されている画面において、ユーザが、取得したい画像を選択し、赤外線通信等を介して情報端末で画像を受信するという手順を採用しているので、この一連の操作に不慣れなユーザは、取得できる画像の枚数が限られてしまっていた。だからといって、このようなユーザでも一定の枚数を受信できるよう制限時間を延ばすと、他のユーザの順番待ち時間が増え、ユーザの回転率の低下を招く。
【0020】
このように、従来技術では、画像配信サービスが原因で、ゲーム時間が長くなってしまうという傾向があった。係る問題点について、図9を用いて、さらに具体的に、説明すると次の通りである。図9は、従来の写真撮影プリント装置における各処理の時間配分の一例を示すタイムチャートである。
【0021】
図9に示すように、従来、ユーザが画像を編集する「編集時間」の後、プリンタでの印刷出力のための「印刷時間」が設けられていた。また、「印刷時間」の間に、並行して、“携帯送信”、“赤外線送信”といった画像配信の時間が設けられていた。
【0022】
“携帯送信”では、まず、配信すべき画像をユーザが選択するための「画像選択」のための時間が設けられており、その後、「メールアドレス入力」のための時間が設けられている。“携帯送信”による画像配信を行う場合、ユーザが、「画像選択」の時間と、「メールアドレス入力」の時間とを足した所要時間が、「印刷時間」よりも長くなってしまい、ユーザの回転率が低下してしまうおそれがあった。
【0023】
また、“赤外線送信”では、画像選択と、赤外線通信による画像配信とを繰り返すことになり、結果として、これらの操作時間が、「印刷時間」よりも長くなってしまい、ユーザの回転率が低下してしまうおそれがあった。
【0024】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ゲーム工程により得られた画像を、煩雑な操作なく、すみやかに、ユーザの所持する端末に配信することができる写真撮影プリント装置、写真撮影プリント装置制御プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、および、写真撮影プリント装置の制御方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明に係る写真撮影プリント装置は、上記課題を解決するために、被写体を撮影して撮影画像を生成する撮影処理と、上記撮影画像を編集して編集画像を生成する編集処理と、上記各画像をシール紙に印刷する印刷処理とを含むゲーム工程を順に実行する写真撮影プリント装置において、外部の端末との間で無線通信を行う無線通信部と、上記無線通信部と、上記端末とが上記無線通信を行うために必要な通信設定情報を、上記端末が備える非接触型ICチップから読み出して取得する通信設定情報取得部と、上記通信設定情報取得部が取得した通信設定情報に基づいて、上記無線通信部と、上記端末との無線通信を確立する通信確立手段と、上記無線通信部を介して、上記撮影画像および/または上記編集画像を含む配信対象画像を配信する制御を行う画像配信手段と、を備え、上記画像配信手段は、上記編集処理が終了した後、上記配信を開始し、上記通信確立手段は、上記印刷処理の終了後、所定の時間後に、上記無線通信部による無線通信を終了することを特徴としている。
【0026】
また、本発明に係る写真撮影プリント装置の制御方法は、上記課題を解決するために、被写体を撮影して撮影画像を生成する撮影処理と、上記撮影画像を編集して編集画像を生成する編集処理と、上記各画像をシール紙に印刷する印刷処理とを含むゲーム工程を順に実行する写真撮影プリント装置の制御方法において、外部の端末との間で無線通信を行う、自装置が備える無線通信部と、上記端末とが上記無線通信を行うために必要な通信設定情報を、上記端末が備える非接触型ICチップから読み出して取得する通信設定情報取得ステップと、上記通信設定情報取得ステップにおいて取得した通信設定情報に基づいて、上記無線通信部と、上記端末との無線通信を確立する通信確立ステップと、上記編集処理が終了した後、上記無線通信部を介して、上記撮影画像および/または上記編集画像を含む配信対象画像の配信を開始する画像配信ステップと、上記印刷処理の終了後、所定の時間後に、上記無線通信部による無線通信を終了する通信終了ステップと、を含むことを特徴としている。
【0027】
まず、写真撮影プリント装置は、被写体を撮影して撮影画像を生成する撮影処理と、上記撮影画像を編集して編集画像を生成する編集処理と、上記各画像をシール紙に印刷する印刷処理とを含むゲーム工程を順に実行する構成を含む。
【0028】
このような写真撮影プリント装置において、外部の端末との間で無線通信を行う無線通信部と、上記端末とが上記無線通信を行うために必要な通信設定情報を、上記端末が備える非接触型ICチップから読み出して取得する通信設定情報取得部とが設けられている。
【0029】
この通信設定情報取得部は、例えば、非接触型ICの規格に準じた伝送距離内のみで無線通信を行うものであればよい。上記伝送距離は、例えば、約2mm以内、約10cm以内または約70cm以内であるが、これらの伝送距離の間の伝送距離以内のみで無線通信を行うものであってもよい。
【0030】
このような技術を用いて、通信設定情報取得部は、端末が備える非接触型ICチップに記憶されている通信設定情報を読み出す構成である。よって、例えば、ユーザが端末を、通信設定情報取得部に対してかざすといった端末認証動作を行えば、通信設定情報取得部は、端末が備える非接触型ICチップから、通信設定情報を読み出して取得できる。
【0031】
そして、無線通信部が行う無線通信では、例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a/b/g/nなどに準拠した無線LAN(Local Area Network)、ジグビー(ZigBee)、UWB(Ultra Wide Band)、Bluetooth(登録商標)の通信規格を用いることができる。この場合、無線通信の伝送距離は、約10〜100mであるので、ユーザの所持する端末が写真撮影プリント装置付近、または、写真撮影プリント装置が設置されている施設内に存在すれば、画像を配信することができることになる。
【0032】
また、通信確立手段は、通信設定情報取得部が取得した通信設定情報に基づいて、上記無線通信部と、上記端末との通信を確立する。一般に、無線通信部が行う無線通信では、通信を開始する際に、通信を行うもの同士が、互いに種々の通信設定情報をやり取りする必要となるが、本発明では、この通信設定情報を予め通信設定情報取得部が取得しておくというものである。
【0033】
そして、上記無線通信部を介して、上記撮影画像および/または上記編集画像を含む配信対象画像を配信する制御を行う画像配信手段は、編集処理が終了した後、上記配信を開始し、上記通信確立手段は、上記印刷処理の終了後、所定の時間後に、上記無線通信部による無線通信を終了する。このように、写真撮影プリント装置による画像配信は、上記印刷処理の終了後、所定の時間は継続して行われるが、無線通信を終了すれば、配信も終了となる。
【0034】
このため、通信障害等により、端末に画像配信が行えない場合に、無制限に無線通信部が無線通信を行い続けてしまうことを防ぐことができる。また、無線通信が終了されたことにより、開放された通信資源を再利用することができので、通信資源を有効利用することができる。
【0035】
一方、ユーザの立場に立てば、簡単な端末認証動作を行うだけで、編集処理終了後に画像配信サービスを受けることができるようになる。また、ユーザは、印刷処理の後、一定時間は、画像配信サービスを受けることができる。よって、ユーザは、例えば、ゲーム工程終了後であっても、一定時間は、画像配信サービスを受けることができる。
【0036】
この結果、ユーザが、メールアドレスの入力や、赤外線通信のための操作等の手間を省き、煩雑な操作なく、すみやかに、ゲーム工程により得られた画像を、ユーザの所持する端末に配信することができるという効果を奏する。さらには、メールアドレスのような個人情報を入力することもないので、ユーザが安心して画像配信サービスを受けることができる。
【0037】
また、本発明に係る写真撮影プリント装置では、上記配信手段は、上記印刷処理が終了した後、一定時間の経過後、上記配信を開始することが好ましい。
【0038】
上記構成によれば、印刷処理が終了した後、一定時間の経過後に、上記配信を開始する。
【0039】
このため、一定時間の間は、印刷の処理が終了し、ゲーム工程を終えたユーザを、無線通信部の通信圏内にとどまらせるための動機づけができるという効果を奏する。
【0040】
さらに付言すれば、ゲーム工程を終えても、写真撮影プリント装置が設置されている施設内にいることを、ユーザに動機づけられるので、例えば、この間に、ユーザが当該施設内に設置されている他のゲームを見て回る見込みが高くなる。そして、施設内に設置されている他のゲームを、ユーザがプレイすることが期待され、ゲームのプレイによる収益の向上が見込める。
【0041】
また、本発明に係る写真撮影プリント装置では、上記無線通信部は、複数の上記端末との無線通信を確立するものであり、上記通信設定情報取得部は、複数の上記端末から上記通信設定情報を取得するものであり、上記通信確立手段は、上記複数の上記端末との無線通信を確立するものであり、さらに、上記無線通信を確立した複数の上記端末を一群のものとして識別するための群識別情報を生成する群識別情報生成手段と、上記群識別情報により一群のものとして識別される複数の端末のうち、少なくとも1つの上記端末に対して、上記画像配信手段による配信が完了したことを検知する配信完了検知手段と、を備え、上記通信確立手段は、上記配信完了検知手段の検知に基づいて上記無線通信部による無線通信を終了することが好ましい。
【0042】
上記構成によれば、まず、複数の端末に対して無線通信を確立する。そして、群識別情報生成手段が、無線通信を確立した複数の端末を一群として識別するための群識別情報を生成する。つまり、複数の端末をひとまとめにしてグルーピングすることができる。このとき、配信完了検知手段が、このグループに属する端末のうちの少なくとも1つの端末に対して、画像の配信が完了したことを検知し、通信確立手段は、これに基づいて無線通信を終了する。
【0043】
同一のグループに属する端末を所持しているユーザ同士は、友人等の関係であると推察されるので、この友人グループの1人が画像配信を受けたことになる。あとは、友人同士で、端末間で画像を交換しあえばよいので、グループの1人にしか画像が配信されていなくても、グループ全体に画像が行き渡ることが見込める。
【0044】
また、すべての端末に画像を配信するまで、無線通信を維持する必要も無くなる。これにより、ユーザの満足度を維持しつつ、通信資源を有効活用することができるという効果を奏する。
【0045】
また、本発明に係る写真撮影プリント装置では、さらに、ゲーム工程の開始要求を検知する開始要求検知手段を備え、上記群識別情報生成手段は、上記開始要求検知手段の検知に応じて群識別情報を生成するものであり、さらに、複数の上記群識別情報の生成順を管理する群管理手段と、上記群管理手段が管理する上記群識別情報が、所定数に達しているとき、さらに上記開始要求検知手段が、開始要求を検知した場合において、上記所定数の上記群識別情報のうち、最も古く生成された上記群識別情報を特定する群特定手段と、を備え、上記配信完了検知手段は、上記群特定手段によって特定された上記群識別情報により一群のものとして識別される複数の端末のうち、少なくとも1つの上記端末に対して、上記画像配信手段による配信が完了したことを検知するものであることが好ましい。
【0046】
上記構成によれば、まず、開始要求検知手段が、ゲーム工程の開始要求を検知し、これに応じて、群識別情報生成手段が、群識別情報を生成する。ゲーム工程の開始要求の検知とは、例えば、課金処理を検知したこと等が挙げられる。
【0047】
また、複数の上記群識別情報の生成順を管理する群管理手段が設けられている。つまり、群管理手段は、群識別情報の生成順を管理するので、何れの群識別情報が、最も新しく生成されたか、あるいは、最も古く生成されたかを知ることができる。また、ゲーム工程を行っている複数のグループを群識別情報により識別できる。
【0048】
そして、群特定手段によって、群管理手段が管理する上記群識別情報が、所定数に達しているとき、さらに上記開始要求検知手段が、開始要求を検知した場合において、上記所定数の上記群識別情報のうち、最も古く生成された上記群識別情報が特定される。
【0049】
配信完了検知手段は、上記群特定手段によって特定された上記群識別情報により一群のものとして識別される複数の端末のうち、少なくとも1つの上記端末に対して、上記画像配信手段による配信が完了したことを検知する。
【0050】
このように、群識別情報の生成された順序を確認することにより、複数のグループのうち、最も古くゲーム工程を開始したグループを知ることができる。そして、その最も古くゲーム工程を開始したグループについて少なくとも1つの端末が画像配信を受けていれば、そのグループに属する端末との無線通信を終了することができる。
【0051】
これにより、新たにゲーム工程を開始しようとグループに属する端末に対し配信を行うための通信資源を確保することができる。
【0052】
また、前述のとおり、そのグループに属する端末との無線通信を終了し、配信を中止しても、そのグループのうち、1人でも画像の配信を受けられれば、他のユーザに画像を再配信することは実質上可能であるため、ユーザの満足度はある程度維持できる。
【0053】
すなわち、上記構成によれば、ゲーム工程を行うユーザが増えても、ユーザの満足度を維持しつつ、通信資源を有効活用することができるという効果を奏する。
【0054】
また、本発明に係る写真撮影プリント装置では、上記無線通信部は、複数の上記端末との無線通信を行うものであり、上記通信設定情報取得部は、複数の上記端末から上記通信設定情報を取得するものであり、上記通信確立手段は、上記複数の上記端末との無線通信を確立するものであり、かつ、上記複数の上記端末のすべてに画像を配信し終わったとき、上記無線通信部による無線通信を終了するものであることが好ましい。
【0055】
画像を配信するべき端末が、複数である場合、すべての端末に画像を配信し終われば、もはや、無線通信を維持しておく理由もない。そこで、画像配信手段は、複数の上記端末のすべてに画像を配信し終わったとき、無線通信部による無線通信を終了する。
【0056】
無線通信が終了されたことにより、開放された通信資源を再利用することができので、通信資源を有効利用することができる。
【0057】
また、本発明に係る写真撮影プリント装置では、上記通信確立手段は、上記端末から、上記配信を終了する命令を受け付け、当該命令に応じて、上記無線通信を終了することが好ましい。
【0058】
上記構成によれば、端末を所持するユーザの意思で、画像配信を終了させることができる。これにより、開放された通信資源を再利用することができので、通信資源を有効利用することができる。
【0059】
また、本発明に係る写真撮影プリント装置では、上記端末が、上記無線通信の通信圏外に移動したことを検知する移動検知手段を備え、上記通信確立手段は、上記移動検知手段の検知に基づいて上記無線通信部による無線通信を終了することが好ましい。
【0060】
上記構成によれば、端末が、無線通信の通信圏外に移動した場合、無線通信を終了することができる。通信圏外に移動してしまった端末に対してはもはや画像の配信は行えないので、このような場合、無線通信を終了することで、通信資源の有効利用を図ることができる。
【0061】
また、本発明に係る写真撮影プリント装置では、上記通信設定情報取得部は、自装置に設けられた面であって、床面に対して、垂直な面の付近に配備されていることが好ましい。
【0062】
ユーザが端末を据え置いておけるような、撮影空間の床面に対して水平な面を設けて近接通信部を配備すると、ユーザがその上に携帯端末を置き忘れてしまう可能性がある。
【0063】
上記構成によれば、近接通信部付近に端末を据え置くことができなくなるので、ユーザが端末を置き忘れてしまうことを防ぐことができる。
【0064】
なお、上記写真撮影プリント装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより写真撮影プリント装置をコンピュータにて実現させる写真撮影プリント装置制御プログラムおよびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0065】
本発明に係る写真撮影プリント装置は、外部の端末との間で無線通信を行う無線通信部と、上記無線通信部と、上記端末とが上記無線通信を行うために必要な通信設定情報を、上記端末が備える非接触型ICチップから読み出して取得する通信設定情報取得部と、上記通信設定情報取得部が取得した通信設定情報に基づいて、上記無線通信部と、上記端末との無線通信を確立する通信確立手段と、上記無線通信部を介して、上記撮影画像および/または上記編集画像を含む配信対象画像を配信する制御を行う画像配信手段と、を備え、上記画像配信手段は、上記編集処理が終了した後、上記配信を開始し、上記通信確立手段は、上記印刷処理の終了後、所定の時間後に、上記無線通信部による無線通信を終了する構成である。
【0066】
また、本発明に係る写真撮影プリント装置の制御方法は、外部の端末との間で無線通信を行う、自装置が備える無線通信部と、上記端末とが上記無線通信を行うために必要な通信設定情報を、上記端末が備える非接触型ICチップから読み出して取得する通信設定情報取得ステップと、上記通信設定情報取得ステップにおいて取得した通信設定情報に基づいて、上記無線通信部と、上記端末との無線通信を確立する通信確立ステップと、上記編集処理が終了した後、上記無線通信部を介して、上記撮影画像および/または上記編集画像を含む配信対象画像の配信を開始する画像配信ステップと、上記印刷処理の終了後、所定の時間後に、上記無線通信部による無線通信を終了する通信終了ステップと、を含む方法である。
【0067】
その結果、ゲーム工程により得られた画像を、煩雑な操作なく、すみやかに、ユーザの所持する端末に配信することができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、写真撮影プリント装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ハンドオーバー技術を用いた通信の確立について説明した模式図である。
【図3】(a)は本発明の一実施形態に係る写真撮影プリント装置における撮影部側からの外観を示す図であり、(b)は編集部および印刷部側からの外観を示す図である。
【図4】上記写真撮影プリント装置が備える編集部の正面図である。
【図5】上記写真撮影プリント装置が備える印刷部の正面図である。
【図6】上記写真撮影プリント装置における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図7】上記写真撮影プリント装置における各処理の時間配分を示すタイムチャートである。
【図8】従来の写真撮影プリント装置における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】従来の写真撮影プリント装置における各処理の時間配分の一例を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0069】
本発明の一実施形態について図1〜図7に基づいて説明すると以下の通りである。
【0070】
(写真撮影プリント装置の利用形態について)
まずは、図2を用いて、本実施形態に係る写真撮影プリント装置100の利用形態について説明する。図2は、写真撮影プリント装置100および携帯端末300の間において、ハンドオーバー技術を用いて通信を確立する場合について説明した模式図である。
【0071】
図2に示す写真撮影プリント装置100は、撮影処理、編集処理、印刷処理といった一連の処理を含むゲーム工程をユーザに提供するものである。また、写真撮影プリント装置100は、同図における携帯端末300に対して、写真撮影プリント装置100が提供するゲームの撮影処理において得られた撮影画像および/または編集処理において得られた編集画像を配信する。
【0072】
写真撮影プリント装置100から、携帯端末300に画像を配信するとき、写真撮影プリント装置100と、携帯端末300との間における通信の確立にはハンドオーバー技術が用いられる。
【0073】
ここで、ハンドオーバー技術について説明する。ハンドオーバー技術とは、非接触型ICに記憶されている2次通信キャリアの通信設定情報を、2次通信キャリアによって通信を行う2つの通信端末間で互いに読み出して、読み出した通信設定情報に基づいて2次通信キャリアによるP2P接続を確立し、データ通信を行う技術である。
【0074】
このハンドオーバー技術は、あらかじめ比較的近い距離で通信端末が互いの通信設定情報をやり取りしておけば、その後は通信端末間の距離がある程度離れても通信を行えるという点に特徴がある。
【0075】
本発明において用いるハンドオーバー技術では、非接触型ICカード規格として、密着型(伝送距離が約2mm以内)、近接型(伝送距離が約10cm以内)、または、近傍型(伝送距離が約70cm以内)が採用可能である。すなわち、非接触型のICカードまたは非接触型のICチップの規格に準じた伝送距離内のみで無線通信を行うものであればよい。ただし、セキュリティの面からは、密接型が好ましい。上記伝送距離は、非接触型ICの規格が変更されれば、それに応じて変化するものであるため、上述した伝送距離はあくまで一例でしかなく、本発明を限定するものではない。以下では、説明の便宜上、これらの非接触ICカード/チップによる通信のことを近接通信と称する。
【0076】
なお、非接触ICカードには、国際的に複数の規格(タイプA、B、C技術方式)が存在するが、本発明では、いずれの規格に準じるものを採用してもよい。なお、タイプA技術方式(適合規格 ISO/IEC14443)は、オランダフィリップス社が開発した非接触ICカードの規格である。タイプB技術方式(適合規格 ISO/IEC14443)は、タイプAよりも通信速度の高速化が可能なものである。タイプC技術方式(適合規格 ISO/IEC18092)は、FeliCa(登録商標)を含む規格であり、主に日本で普及している。
【0077】
また、P2P接続を確立するための2次通信キャリアとして採用する通信規格の例としては、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a/b/g/nなどに準拠した無線LAN(Local Area Network)、ジグビー(ZigBee)、UWB(Ultra Wide Band)、Bluetooth(登録商標)などが挙げられるが、これらに限定されるわけではなく、種々の通信規格を、適宜、採用可能である。
【0078】
また、これらの通信規格の伝送距離は、無線LANでは、約100m、ジグビーでは、約75m、UWBでは、約10m、Bluetoothでは、約100mとされているが、これらの規格の変更に応じて変化するものであるため、上述した伝送距離はあくまで一例でしかなく、本発明を限定するものではない。
【0079】
ここで、再び図2を参照して、本実施形態における、ハンドオーバー技術を用いた画像配信について、より詳しく説明する。図2の(a)に示すように、本実施形態では、写真撮影プリント装置100および携帯端末300は、それぞれ、上記ハンドオーバー技術を実現するため、非接触型ICによる近接通信20を行うように構成されている。
【0080】
また、図2の(b)に示すように、本実施形態では、写真撮影プリント装置100および携帯端末300は、それぞれ、上記の無線通信方式による近距離無線通信30によって通信可能に構成されている。この近距離無線通信30により、写真撮影プリント装置100から、携帯端末300へ配信すべき撮影画像および/または編集画像(配信対象画像40)が配信される。
【0081】
つまり、写真撮影プリント装置100および携帯端末300は、予め図2の(a)に示す非接触型ICによる近接通信20により、通信設定情報10をやり取りしておき、この通信設定情報10を用いて、図2の(b)に示す近距離無線通信30を確立する。そして、写真撮影プリント装置100が、携帯端末300に対して、配信対象画像40の配信を行う。
【0082】
(写真撮影プリント装置の外観)
次に、写真撮影プリント装置100の外観構成について、図3の(a)および図3の「(b)を参照しながら以下に説明する。この写真撮影プリント装置100は、ユーザの写真を撮影する撮影部120と、撮影した写真(撮影画像)に対して落書きなどの編集をユーザに行わせる編集部130と、ユーザが編集を行った写真(編集画像)をプリント紙に出力する印刷部140とを有している。図3の(a)は写真撮影プリント装置100における撮影部120側からの外観を示し、図3の(b)は編集部130および印刷部140側からの外観を示している。
【0083】
撮影部120と対面する空間は、外部からの光を遮断したり、撮影時の背景にしたりするためのカーテン部により覆われ、これにより撮影空間が形成される。
【0084】
図4は、編集部130aの正面図である。なお、編集部130bの構成は、編集部130aと同様であるので、ここでは図示しない。編集部130bは、編集部130aの対面に設けられている。以下では、編集部130aおよび130bを、まとめて編集部130として説明する。
【0085】
編集部130は、ユーザが撮影部120において撮影工程を終了した後に、撮影画像に対して落書きなどの編集工程を行うための機能を提供するものであり、タッチパネル部131、タッチペン132、および、音声出力部133などで構成される。編集部130の各部は、制御部(開始要求検知手段)110によって制御される。上述の各部の詳細については後述する。
【0086】
図5は、印刷部140の正面図である。本実施形態では、編集部130aおよび編集部130bの側面に印刷部140を設けており、したがって、図5は、編集部130の側面を表している。印刷部140は、ユーザが編集部130による編集工程を終了した後の編集画像をシール紙にプリントして、プリントしたシール紙を排出するものである。本実施形態では、編集部130側面に、プリント排出口144aおよび144bが設けられており、編集部130aにて編集が行われた編集画像のシール紙は、プリント排出口144aから排出され、編集部130bにて編集が行われた編集画像のシール紙は、プリント排出口144bから排出される。
【0087】
上述のような構成の写真撮影プリント装置100において、ユーザは、まず撮影部120が備えられた撮影空間に入って撮影工程を行う。その後、編集部130(編集部130aまたは編集部130b)が備えられた編集空間に移動して編集工程を行い、印刷部140により撮影画像または編集画像のプリントされたシール紙を印刷空間にて受け取る、という流れでゲームの一連の工程を楽しむ。
【0088】
以上のように、写真撮影プリント装置100は、撮影部120と編集部130とが別の空間に設けられている。よって、一組のユーザグループが編集部130において編集工程を行っている時でも、他のユーザグループが撮影工程を開始することが可能となっている。これにより、回転率を向上させることが可能である。なお、ユーザグループとは、複数人のユーザからなるグループのことである。ユーザグループとしては、例えば、友人同士のユーザからなるグループなどが挙げられる。
【0089】
また、このように、複数のユーザグループが、同時に、撮影、編集等の各工程を2つ以上の複数の場所で行えるように構成された写真撮影プリント装置100を、多重接客型の写真撮影プリント装置100という。本実施形態の写真撮影プリント装置100は、撮影部120と、2つの編集部130aおよび130bを備えているため、3重接客型に分類される。
【0090】
また、編集部130が実行する編集処理については、基本的には制限時間が設けられている。これに対して、別の利用者が撮影工程に入るまで編集工程に係る時間を無制限にし、他のユーザが撮影工程を開始した時点から、編集工程に制限時間を設けるようにしてもよい。
【0091】
また、写真撮影プリント装置100は図3の(a)および図3の(b)に示すとおり、編集部130を2つ備える構造となっており、第1の編集部130aと第2の編集部130bとが対面に設置されている。このように、編集部130を撮影部120よりも多く設けることで、ボトルネックとなっている編集工程に係る処理時間を分散し、回転率を向上させることが可能である。しかし、本発明の写真撮影プリント装置100は、上述の構成に限定されない。編集部130の設置位置は特に限定しないし、また、設置数も、編集部130を1つ設ける構成としてもよいし、設置場所が確保できれば、3つ以上の編集部130を設けるようにしてもよい。
【0092】
(写真撮影プリント装置の構成)
次に、図1を用いて、写真撮影プリント装置100の各部の動作について説明する。
【0093】
図1は、写真撮影プリント装置100の構成を示すブロック図である。同図に示すように、写真撮影プリント装置100は、撮影部120、編集部130、印刷部140、制御部110、記録部150および近距離無線通信部(無線通信部)160を備えている。
【0094】
制御部110は、写真撮影プリント装置100が備える上述の各部の動作を統括的に制御するものである。この制御部110は、例えばPC(personal computer)ベースのコンピュータによって構成される。そして、各種構成の動作制御は、制御プログラムをコンピュータに実行させることによって行われる。このプログラムは、例えばCD−ROMなどのリムーバブルメディアに記録されているものを読み出して使用する形態であってもよいし、ハードディスクなどにインストールされたものを読み出して使用する形態であってもよい。また、この制御部110がインターネットなどの通信ネットワークに接続された構成とする場合、この通信ネットワークを介して上記プログラムをダウンロードしてハードディスクなどにインストールして実行する形態なども考えられる。
【0095】
写真撮影プリント装置100は、上記したハードディスクなどの不揮発性の記憶装置によって構成される記録部150を備える。この記録部150に記憶される内容としては、上記制御プログラム、OS(Operating System)プログラム、その他の各種プログラム、カメラ部123における動作設定値、撮影画像および編集画像の画像データなどが挙げられる。上記カメラ部123における動作設定値としては、写真撮影プリント装置100の出荷時やメンテナンス時などに設定されるホワイトバランスの値、撮影画像の明暗などを調整する際の画像処理に関する各種パラメータ値などが挙げられる。
【0096】
撮影部120は、撮影処理を実行するものであり、硬貨処理部121、照明部122、カメラ部123、撮影画像表示部124、カメラ画像表示部125、操作部126、および、近接通信部(通信設定情報取得部)127により構成されている。なお、ここには図示しないが、撮影部120には、ユーザに所定の動作を促すよう音声案内を行うための音声出力部が含まれていてもよい。
【0097】
硬貨処理部121は、ユーザから料金の徴収を行う際の硬貨投入/返却処理を行うものである。硬貨処理部121は、所定の硬貨が投入されたと判定すると、制御部110にその旨を通知する。そして、制御部110は、硬貨処理部121からの通知を受け取ると、課金処理を行う。すなわち、制御部110は、硬貨処理部121からの通知をカウントし、ユーザが投入した金額に応じて、ユーザに対する各種動作を制御する。しかしながら、このような硬貨投入の判定による課金に限られず、いわゆる電子マネー技術を用いた課金を行う構成とすることも可能である。
【0098】
照明部122は、撮影時にストロボランプなどの写真閃光灯として機能するとともに、通常時の照明として機能するものである。本実施形態では、光源としてフラッシュランプを使用しているが、蛍光灯などのような連続光を発する光源を使用することもできる。また、フラッシュランプの近傍に蛍光灯などを補助光源として設けることもできる。連続光の光源や補助光源を使用することにより、撮影前のライブビュー画像から撮影時の写りを推測することができる。
【0099】
カメラ部123は、主にユーザを被写体として写真撮影を行うものであり、例えばレンズ群、絞り、CCD(charge coupled device)撮像素子などを備えたデジタルカメラによって構成される。カメラ部123は、全身撮影とクローズアップ撮影との両方に対応できるように、例えば使用するレンズ群および絞りを切り替えられるような構成となっている。
【0100】
撮影画像表示部124は、ユーザにユーザインターフェイスを提供するものであり、各種画像や各種操作ボタン等を表示する。操作部126は、写真撮影プリント装置100に対するゲームの操作をユーザが行うための指示信号を入力する入力デバイスである。本実施形態では、操作部126を撮影画像表示部124と一体としたタッチパネルとして実現する。すなわち、撮影画像表示部124に、操作ボタンなどのGUI画面を表示する。撮影画像表示部124の表示画面がユーザの指(または、タッチペンなどのポインティングデバイス)により押下されることにより、その位置に対応するボタンや画像を示す指示信号が、写真撮影プリント装置100内部に入力される。
【0101】
撮影画像表示部124は、例えば、液晶表示素子等のフラットパネルディスプレイやCRTなどの表面にタッチパネルが設けられて構成されている。カメラ部123が撮影した撮影画像を撮影画像表示部124に表示することにより、ユーザは、撮影画像を確認することができる。なお、本実施形態では、操作部126を撮影画像表示部124と一体に設けたタッチパネルとして構成することとしたが、これに限定されず、操作部126を、例えば、テンキーや十字キーなどが設けられたリモコンや、キーボードなどの入力デバイスとして構成してもよい。
【0102】
カメラ画像表示部125は、カメラ部123がとらえるリアルタイムの映像、すなわち、撮影前のライブビュー画像を表示するものである。カメラ画像表示部125にライブビュー画像を表示することにより、ユーザは前もって写りを確認して撮影に臨むことができる。
【0103】
近接通信部127は、自装置と近接した携帯端末300と近接型無線通信を行う通信回路であり、例えば、FeliCa(登録商標)と呼ばれる非接触型ICカード(ICチップ)用リーダ/ライタを備えるものである。換言すれば、近接通信部127は、自身に所定の距離以上近付いた携帯端末300と通信および認証可能な無線通信部である。
【0104】
この近接通信部127は、携帯端末300の端末識別情報をはじめとする各種個人情報および電子マネー情報など、認証に使用する最小限度の情報を格納する不揮発性メモリ(不図示)を備えている。また、近接通信部127は、携帯端末300と近接型無線通信を行うことにより携帯端末300の通信設定情報を取得し、取得した通信設定情報を通信確立部(通信確立手段、群識別情報生成手段)114に転送する。この通信設定情報には、携帯端末300の識別情報が含まれていてもよい。
【0105】
なお、近接通信部127は、硬貨処理部121の硬貨投入口の周辺に配備することができる。また、撮影画像表示部124や、カメラ画像表示部125の周辺に配備することも可能である。
【0106】
また、写真撮影プリント装置100は、複数のユーザからなるユーザグループによって利用されることが多い。つまり、1ゲームにつき複数のユーザがプレイに参加する場合がよく見られる。このように、そのゲームに参加している複数のユーザがそれぞれ、携帯端末300を所持している場合、それぞれのユーザが所持する携帯端末300から、通信設定情報を取得してもよい。具体的には、近接通信部127は、複数の携帯端末300の認証を同時に行えるように、複数配備されていてもよい。また、これに限られず、携帯端末300の認証を一台ずつ行う構成にしてもかまわない。
【0107】
編集部130は、編集処理を実行するものであり、タッチパネル部131、タッチペン132、音声出力部133を備えている。
【0108】
タッチパネル部131は、ユーザにユーザインターフェイスを提供するものであり、編集画像表示部131aおよび操作受付部131bにより構成される。編集画像表示部131aは、編集処理における編集の対象となる画像(編集対象画像)や、撮影画像に編集を施した結果(編集画像)を表示するものである。操作受付部131bは、タッチペンなどのポインティングデバイスを用いることにより入力されたユーザの指示信号を受け付けて、写真撮影プリント装置100内部に伝達するものである。
【0109】
タッチペン132は、画像編集処理などにおいて、タッチパネル部131上で細かな操作入力をユーザが行うためのものであり、タッチパネル部131の近くに配備される。ユーザは、このタッチペン132をタッチパネル部131に接触または接近させることによって、処理の進行に応じて表示されるボタンを選択したり、落書きなどの画像描画を行ったりすることができる。
【0110】
例えば、タッチパネル部131の画面がタッチペン132で押下されることにより、その位置に対応するボタンや画像を示す指示信号が、写真撮影プリント装置100内部に入力される。これにより、ユーザは、撮影画像に落書きを施したり、スタンプを押したり、また、印刷の対象となる印刷対象画像を選択したりすることができる。
【0111】
また、本実施形態では、タッチパネル部131において、携帯端末300に配信すべき配信対象画像を選択可能な構成としている。しかしながら、これに限られず、つぎのような構成を採用することで、配信対象画像の選択操作を省略してもよい。
【0112】
まず、ゲームで得られたすべての撮像画像および編集画像を配信対象画像とすることができる。また、写真撮影プリント装置100が、配信対象画像をランダムで選択する構成とすることができる。そして、あらかじめ所定の条件に合致した画像のみを配信対象画像として設定しておくこともできる。これらの構成とした場合、配信対象画像の選択操作を省略できる。
【0113】
なお、本実施形態では、複数のユーザが容易に画像編集を行うようにするために、タッチペン132を2本配備しているが、構成の簡略化のために、1本のみを配備することもできるし、3人以上のユーザのために、3本以上を配備することもできる。同様に、タッチパネル部131を複数個配備することもできる。
【0114】
音声出力部133は、各種操作上のガイダンス音声や効果音などを出力するものであり、写真撮影プリント装置100の適所に配備される。この音声出力部133としては、例えばスピーカが用いられる。
【0115】
印刷部140は、印刷対象として選択された撮影画像および/または編集画像を印刷することにより印刷処理を実行するものであり、IDタグリーダ/ライタ部141、および、プリンタ部142により構成されている。この印刷部140に対して、写真プリントの出力媒体となるシール紙145と、IDタグ144とが、シール紙ユニット143としてセットで納入されるようになっている。
【0116】
プリンタ部142は、出力すべき画像データが制御部110から送られてくると、その画像データに基づいてシール紙145に印刷するものである。このプリンタ部142としては、例えば昇華型プリンタが用いられる。なお、昇華型プリンタを用いる場合には、シール紙145およびIDタグ144に加えて、昇華型用インクフィルムがセットとなって納入されることになる。
【0117】
IDタグリーダ/ライタ部141は、IDタグ144に記録されている各種識別情報を読み出して制御部110に出力する。IDタグ144は、メモリ機能を有するICチップなどによって構成されるものである。上記識別情報としては、固有ID、用紙枚数、用紙種類、および、インク固有の色情報(インクフィルムがセットとなっている場合)などが挙げられる。
【0118】
制御部110は、IDタグリーダ/ライタ部141で読み取った識別情報に基づいて、装着されたシール紙145およびインクフィルムが、当該写真撮影プリント装置100において利用可能なものであるかを判定し、利用可能である場合にのみプリンタ部142を動作可能とする。すなわち、写真撮影プリント装置100において指定されているシール紙145およびインクフィルム以外は使用できないように設定されていることになる。
【0119】
また、IDタグ144に記録されている用紙枚数情報に基づいて、シール紙を使用するたびに用紙枚数をカウントダウンしていくことによって、残りの用紙枚数を把握することが可能となる。よって、残りの用紙枚数が少なくなってきた際に、これを表示手段などによって警告するような構成としておけば、ユーザの利用中に用紙切れを起こすというような不具合を回避することが可能となる。
【0120】
なお、用紙枚数をカウントダウンする際には、IDタグ144に記録されている用紙枚数情報も書き換えることが望ましい。これにより、用紙を使い切った場合には、IDタグ144に記録されている用紙枚数情報も0となり、このIDタグ144を無効にすることが可能となる。
【0121】
また、IDタグ144に記録されている用紙種類情報や、インク固有の色情報を読み出すことによって、これらを考慮して画像データの色成分などを補正することにより、そのシール紙145やインクフィルムに的確な画像出力を行うことが可能となる。
【0122】
IDタグ144としては、無線(ワイヤレス)によりデータ通信を行うことが可能な非接触型IDタグと、端子が設けられた接触型IDタグとがあり、IDタグリーダ/ライタ部141としては、これらの何れか一方あるいは両方に対応したものとなる。
【0123】
なお、本実施形態では、シール紙145として、粘着シートおよび該粘着シートの粘着面に貼り付けられている剥離シートからなるシールシートを想定しているが、これに限定されない。シール紙145の代わりに、通常の紙状媒体である紙状シートを用いるように本発明の写真撮影プリント装置100を構成することもできる。
【0124】
近距離無線通信部160は、携帯端末300などの外部装置と、近距離無線通信網を介して、データ通信を行うためのものである。本実施形態においては、近距離無線通信部160は、主に画像配信のため目的で用いられる。
【0125】
また、近距離無線通信部160は、制御部110から受信した各種データを、サポートしている近距離無線通信網の規格に準拠した信号形式に変換し、変換した信号を近距離無線通信網に送信する。また、近距離無線通信部160は、近距離無線通信網から受信した信号を装置内部のデータ形式に変換した後、制御部110に送信する。
【0126】
また、本発明の写真撮影プリント装置100は、カーテン部128を備えていてもよい。カーテン部128は、撮影画像の背景となるカーテンを提供するものである。カーテンは、さまざまな色や模様を施されたものが用意され、撮影時に、ユーザが自由に選択できたり、写真撮影プリント装置100が自動で選択したりする。これら複数のカーテンは、撮影空間の背面(撮影部120の対面)に重ねて配置されており、撮影時には、選択されたカーテンが、被写体の背後に写るよう、最前面に設置される。選択されたカーテンの設置は、制御部110の背景制御部116がカーテン部128を制御することにより実行してもよいし、ユーザ自身が手動で行う構成としてもよい。
【0127】
また、本実施形態では、カーテン部128が複数のカーテンを提供する構成としたが、これに限定されない。カーテン部128で設置可能なカーテンを1種類としてもよい。この場合は、合成用の背景画像を複数種類用意して、編集処理においてユーザが所望する背景画像を合成するようにすれば、カーテンの種類が1つしかなくても、ユーザの多様な好みに対応することができる。
【0128】
(写真撮影プリント装置の制御部および記憶部の詳細)
次に、写真撮影プリント装置100の制御部110および記録部150についてより詳細に説明する。図1に示すとおり、制御部110は、さらに内部に撮影画像取得部(画像データ取得手段)111、画像編集部112、印刷画像作成部113、通信確立部114、配信制御部(画像配信手段、配信完了検知手段、群管理手段、群特定手段、移動検知手段)115および背景制御部116を有している。なお、背景制御部116については、上記したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
【0129】
記録部150は、撮影画像を記録する撮影画像記録部151、画像編集において提供される、背景画像、フレーム画像、スタンプ画像などの編集用画像を記録する編集用画像記録部152、編集画像に関する情報を記録する編集画像情報記録部153、印刷画像を記録する印刷画像記録部154、ユーザが所有する携帯端末300と画像配信のための通信を行うために用いる通信設定情報を記録する通信設定情報記録部155を含んでいる。
【0130】
撮影画像取得部111は、被写体の撮影によって作成された撮影画像(画像データ)をカメラ部123から取得するものである。撮影画像取得部111は、取得した撮影画像を撮影画像記録部151に記録する。
【0131】
画像編集部112は、ユーザの操作にしたがって、撮影画像に対し画像編集を実行するものである。画像編集の例としては、編集用画像記録部152から読み出した背景画像および/またはフレーム画像を追加したり、編集用画像記録部152から読み出したスタンプ画像を任意の位置に追加したり、タッチペンによる落書きを追加したりすることなどが挙げられる。しかしながら、画像編集は、上述した例に限定されず、写真撮影プリント装置100に接続された何らかの入力手段(入力部)をユーザが操作することによって、編集が実行され、当初の撮影画像に変更が加えられた結果としての編集画像を得られる編集であれば、どのような処理内容であってもよい。
【0132】
そして、画像編集部112は、編集画像に含まれるデータや編集内容に関する編集画像情報を編集画像情報記録部153に記録している。
【0133】
印刷画像作成部113は、複数の分割領域のそれぞれに、該分割領域のサイズに合わせた編集画像を配置した印刷画像を作成するものである。印刷画像における編集画像のサイズおよび配置は、通常、ユーザが複数のパターンの中から1つを選択することによって決定されるが、ユーザが自由に決定してもよいし、写真撮影プリント装置100がランダムに決定しても良い。印刷画像作成部113は、作成した印刷画像記録部154に記録する。そして、制御部110は、適当なタイミングで印刷画像記録部154に記録された印刷画像をシール紙145に印刷するようにプリンタ部142に指示する。
【0134】
通信確立部114は、近接通信部127を介して携帯端末300から携帯電話の通信設定情報を取得し、近距離無線通信部160を介して携帯端末300との通信を確立するとともに、通信設定情報を通信設定情報記録部155に記録するものである。ここで、通信確立部114は、携帯端末300の識別情報と、当該携帯端末300から取得した通信設定情報とを対応付けて通信設定情報記録部155に記録してもよい。
【0135】
この通信設定情報は、配信制御部115が、近距離無線通信部160を介して、携帯端末300に画像を配信する際に用いられる。
【0136】
なお、通信確立部114は、配信制御部115が配信を開始するまでに、携帯端末300との通信の確立を行えばよい。つまり、通信確立部114は、通信設定情報を取得したあと、一定時間、または、所定の条件下まで待機してもよい。そして、通信確立部114は、一定時間経過後、または、所定の条件が満たされたとき、携帯端末300との通信の確立を行ってもよい。この場合、通信資源を効率よく使用することが可能である。所定の条件としては、例えば、各処理が終了した場合などが挙げられる。
【0137】
配信制御部115は、近距離無線通信部160を介して行う、携帯端末300への画像配信を制御するものである。
【0138】
具体的には、配信制御部115は、まず、通信設定情報記録部155から通信設定情報を読み出す。また、配信制御部115は、配信対象画像を、撮影画像記録部151および/または編集画像情報記録部153から読み出す。そして、配信制御部115は、読み出した通信設定情報に基づいて、近距離無線通信部160を介して、携帯端末300に配信対象画像を配信する。
【0139】
また、配信制御部115は、配信対象画像の配信処理を実行する際に、配信対象画像を、携帯端末300に適したデータ形式に変換する処理を行ってもよい。なお、変換処理は、携帯端末300において行ってもよくこの場合は、配信制御部115における変換処理を省略できる。
【0140】
(写真撮影プリント装置における処理の流れ)
次に、写真撮影プリント装置100における処理の流れの一例について図6を参照しつつ説明する。図6は、写真撮影プリント装置100における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0141】
まず、硬貨が投入されると(S11にてYES)、硬貨処理部121は、所定の硬貨が投入されたと判定し、その旨を制御部110に通知する。そして、制御部110は、硬貨処理部121からの通知を受け取ると、ユーザが撮影を行えるよう撮影用のアプリケーションを起動させる。
【0142】
次に、通信確立部114は、カメラ画像表示部125等において、ユーザに携帯端末300の端末認証動作を促す案内表示を行う(S12)。すなわち、撮影画像表示部124は、ユーザに対して、携帯端末300を、近接通信部127にかざすか、または近接通信部127の表面に軽く接触させるような動作を行うよう促す案内表示を行う。なお、S12では、音声により端末認証動作を促す案内を行ってもよい。ユーザの端末認証動作に応じて、通信確立部114は、携帯端末300との近接通信を試みる。
【0143】
そして、通信確立部114は、案内表示を行った後、近接通信を試みた結果、所定の時間内に、携帯端末300を認識できたか否かを判定する(S13)。携帯端末300を認識できなかった場合(S13においてNO)、さらに、端末認証動作を促す案内表示を行う(再度S12を行う)。
【0144】
ユーザの端末認証動作により携帯端末300を認識できた場合(S13においてYES)、携帯端末300の通信設定情報が近接通信部127を介して通信確立部114に入力される。
【0145】
通信確立部114は、取得した通信設定情報に基づいて、携帯端末300との近距離無線通信を確立する。また、通信確立部114は、取得した通信設定情報を、通信設定情報記録部155に記録する。
【0146】
その後、撮影画像取得部111が、ユーザの操作に応じてカメラ部123を制御し、ユーザを写真撮影する(S14)。ユーザは撮影空間で複数回の写真撮影を行うことができる。また、この時ユーザは、カメラ画像表示部125に表示されている自身の姿を視認しながら、写真撮影をすることができる。撮影画像の中から編集処理対象とする画像をキープ画像としてユーザが選択し、ここで選択された撮影画像が撮影画像記録部151に記録される。
【0147】
次に、制御部110は、編集部130が備えられた編集空間に移動する指示を、カメラ画像表示部125等に表示する(S15)。この指示に従って、ユーザは編集空間に移動する。
【0148】
次に、画像編集部112が、ユーザの操作に応じて、画像の編集処理を実行する(S16)。
【0149】
その後、印刷画像作成部113は、撮影画像または編集画像をシール紙145にプリントするための印刷画像を作成し、当該印刷画像を印刷するよう印刷部140のプリンタ部142に命じる。この命令を受けて、プリンタ部142は、印刷処理を開始する(S17)。
【0150】
そして、制御部110は、タッチパネル部131に、画像配信処理についての説明画面を表示させるとともに、また、配信対象画像の選択を受け付ける。そして、制御部110は、配信対象画像の選択が終了したら、印刷部140が配置された印刷空間へ移動する案内をタッチパネル部131に表示させる(S18)。ユーザは、印刷空間へ移動する案内に従って、印刷空間へ移動する。
【0151】
なお、画像配信処理についての説明画面では、ゲーム終了後、数分の間に画像配信が行われる旨の説明、画像配信を受け得る範囲についての説明、および、画像配信が行われるまでに、画像配信を受け得る範囲であれば、他のゲーム機を楽しむことができること等を説明してよい。
【0152】
また、画像配信を受け得る範囲についての説明では、例えば、通信方式に応じて、通信距離について説明すればよい。または、写真撮影プリント装置100が設置されている施設の範囲内であれば画像配信を受け得る等の説明を行ってもよい。
【0153】
そして、印刷部140のプリンタ部142は、印刷処理を実行し、撮影画像および/または編集画像がプリントされたシール紙145を排出する(S19)。S11〜S19のステップで、写真シール作成ゲーム処理としては、ひととおり終了したこととなる。
【0154】
つまり、写真撮影プリント装置100は、印刷処理が終了したことにより、ゲーム工程が終了したと判定することができる。ここで、写真撮影プリント装置100は、印刷処理によりシール紙が排出されたときに、「印刷処理が終了した」と、判定してもよいし、次の人の印刷が開始されたときに、処理していた「印刷処理が終了した」と、判定してもよい。
【0155】
その一方で、配信制御部115は、写真シール作成ゲーム処理の終了を検知したことに応じて、ゲーム工程の終了後、一定時間が経過した後、通信確立部114が通信を確立した携帯端末300に対して、選択された配信対象画像の画像配信処理を開始する。そして、通信確立部114は、ゲーム工程の終了後、所定の時間後に、上記近距離無線通信部160による無線通信を終了する処理を行う。すなわち、通信確立部114は、ゲーム工程の終了後、画像配信処理を開始してから、一定時間が経過した後、無線通信を終了する。無線通信の終了とともに、配信対象画像の画像配信処理は終了される。
【0156】
ここで、通信確立部114は、例えば、シール紙の排出(S19)時点から時間の計測を開始し、3分経過後に画像配信を開始した後、時間の計測を開始した時点から、10分で配信処理のための通信を終了してもよい。つまり、この例では、配信処理には、7分間を割り当てている。この間、写真撮影プリント装置100は、携帯端末300に画像配信を試みる。そして、所定の時間経過後には、写真撮影プリント装置100は、携帯端末300への画像配信の試みを中断し、他の画像配信に備える。
【0157】
この構成によれば、写真撮影プリント装置100が、際限なく接続を保持しなくてもよいので、通信機器の資源を有効利用できる。なお、この時間は、近距離無線通信部160の性能に応じて、適宜、増減させてよい。
【0158】
以上のように本実施形態に係る写真撮影プリント装置100は、被写体を撮影して撮影画像を生成する撮影処理と、撮影画像を編集して編集画像を生成する編集処理と、各画像をシール紙に印刷する印刷処理とを含むゲーム工程を順に実行する写真撮影プリント装置100において、携帯端末100との間で無線通信を行うための近距離無線通信部160と、近距離無線通信部160と、携帯端末100とが上記無線通信を行うために必要な通信設定情報を、携帯端末100が備える非接触型ICチップから読み出して取得する近接通信部127と、取得した通信設定情報に基づいて無線通信を確立する通信確立部114と、近距離無線通信部160を介して、上記撮影画像および/または上記編集画像を含む配信対象画像を配信する制御を行う配信制御部115と、を備え、配信制御部115は、上記編集処理が終了した後、配信を開始し、通信確立部114は、上記印刷処理の終了後、所定の時間後に、上記近距離無線通信部160による無線通信を終了する構成である。
【0159】
この結果、写真撮影プリント装置100により得られた画像を、煩雑な操作なく、すみやかに、ユーザの所持する端末に配信することができるという効果を奏する。
【0160】
また、上記写真撮影プリント装置100の構成によれば、図8を用いて示した従来のフローと比べて、事後接客処理のステップ(S6)を省略することが可能となる。
【0161】
(従来技術との対比)
ここで、図7および図9を用いて、本発明の効果についてより詳細に説明する。図7は、本実施形態に係る写真撮影プリント装置100における各処理の時間配分を示すタイムチャートである。
【0162】
写真撮影プリント装置100では、ユーザが画像を編集する「編集時間」の後、プリンタでの印刷出力のための「印刷時間」に、並行して、「画像選択」を受け付ける。そして、「印刷時間」が経過した後に、つまり編集処理の終了後に、予め接続を確立しておいた携帯端末300に対して、画像配信を行う。なお、前述のとおり、「画像選択」を省略する構成も可能である。
【0163】
このため、従来の“携帯送信”と、比べた場合、ユーザがメールアドレスを入力する操作を行わなくてもよく、「メールアドレス入力」のための時間(符号53で示す時間)を省略することができる。これにより、「メールアドレス入力」にかかっていた60秒間の手間を省くことができる。
【0164】
このため、「メールアドレス入力」の時間を編集時間に組み込む従来の構成と比べれば、この省略できた60秒間を、編集時間に充当することも可能となるので、ユーザの編集時間に対する満足度が向上することが見込める。
【0165】
また、「メールアドレス入力」の時間を編集時間に組み込まない従来の構成と比べても、ゲームのプレイ時間全体としては、15秒削減できる(符号51で示す時間)。従って、ユーザの回転率の向上が見込める。具体的には、削減できた15秒は、撮影時間では、実質10秒に相当するため、次のとおりになる。すなわち、従来、1組の接客に200秒かかっていたとした場合、1時間(=3,600秒)あたり、最大18組(3,600秒÷18組)の接客が可能である。これに対し、本実施形態の構成によれば、1組の接客に190秒しかかからなくなるので、1時間あたり、最大で、約19組の接客が可能となる。
【0166】
また、従来の“赤外線送信”と、比べた場合、画像選択および赤外線通信による画像配信の操作を、ユーザが繰り返す手間を省くことができる。
【0167】
〔変形例〕
以下において、本実施形態に係る写真撮影プリント装置100の好ましい変形例についいて説明する。
【0168】
(近接通信部の配備位置について)
上記の実施形態においては、硬貨処理部121において硬貨が投入され、課金処理が完了したあと、携帯端末300の端末認証を行うように構成している都合上、近接通信部127を、撮影部120に配備していた。つまり、携帯端末300の認証を撮影処理において行っていた。
【0169】
しかしながら、これに限られず、接続動作は、撮影処理、編集処理、印刷処理のいずれにおいて行ってもよく、携帯端末300の認証のタイミングにとくに制限はない。また、近接通信部127は、撮影部120に限られず、編集部130、印刷部140、または、これら以外の場所に配備してもよい。すなわち、近接通信部127は、端末認証のタイミングに応じて、適宜変更が可能である。
【0170】
また、本実施形態では、3重接客型の写真撮影プリント装置100について説明したが、その他にも、3重接客型の構成に加え、「受付部」をさらに備える4重接客型の写真撮影プリント装置100が存在する。このような4重接客型の写真撮影プリント装置100では、受付部に近接通信部127を配備してもよい。
【0171】
(近接通信部の配備の態様について)
また、携帯端末300を据え置いておけるような、撮影空間の床面に対して水平な面を近接通信部127に設けると、ユーザが携帯端末300を当該面上に置き忘れてしまう可能性がある。そこで、例えば、近接通信部127を、撮影空間内の側面の位置に配備することが好ましい。
【0172】
これに限られず、近接通信部127は、写真撮影プリント装置100に備えられた壁面に埋め込むような態様で設けられていてもよい。つまり、近接通信部127は、ユーザが手で携帯端末300を保持した状態で、近接通信部127に対して端末認証動作を行わなければならないような態様で配備されていればよい。
【0173】
さらに例示すれば、近接通信部127を、写真撮影プリント装置100に設けられている面であって、撮影空間内の床面に対して略垂直な面に設けてもよい。近接通信部127の携帯端末300をかざす部位(面)に、携帯端末300を据え置いておけないような程度の傾斜を設けておけばよい。
【0174】
このような構成によれば、ユーザは、近接通信部127に設けられた面に携帯端末300を据え置くことができないので、ユーザが、近接通信部127付近に携帯端末300を置き忘れて、他の場所に移動してしまうという事態を防ぐことができる。
【0175】
また、これに対して、携帯端末300を据え置いておけるような、撮影空間の床面に対して略水平な面を近接通信部127に設けた場合でも、一定時間、携帯端末300が据え置かれていた場合に、その旨を音声案内等で報知するようにしてもよい。
【0176】
(事後接客処理を行う場合について)
上記の実施形態においては、写真撮影プリント装置100が、ゲーム開始から、撮影処理(S14)までに、予め携帯端末300の認証を行う構成であったため、図6で説明したように、写真撮影プリント装置100における処理では、事後接客処理を省略していた。しかしながら、これに限られず、写真撮影プリント装置において、例えば、印刷処理(S17)の後に、事後接客処理を行う構成とすることも可能である。そして、撮影空間において、携帯端末300の認証処理を行うことに替えて、事後接客処理において、認証処理を行うようにしてもよい。
【0177】
(ユーザを施設内に滞留させる仕組みについて)
本実施形態では、配信制御部115は、写真シール作成ゲーム処理の終了を検知したことに応じて、ゲームの終了後、一定時間が経過した後、通信確立部114が通信を確立した携帯端末300に対して画像配信処理を開始する構成とした。
【0178】
この一定時間の時間設定の目安としては、ユーザが「長い」、「待てない」と感じない時間で、かつ写真撮影プリント装置100が設置されている施設に導入されている他のゲームを見て回れるような時間とすることが好ましい。例えば、シール紙の排出(S19)時点から時間の計測を開始し、3分経過後に画像配信を開始してもよい。
【0179】
このように時間設定を行うことにより、ユーザが他のゲームを利用する機会を設けることができ、他のゲームの利用により収益向上が期待できる。
【0180】
また、この一定時間が経過するまでに、ユーザの携帯端末300に対して、写真撮影プリント装置100が設置されている施設に導入されている他のゲームのクーポンや、種々の広告を配信してもよい。
【0181】
また、このクーポンや、広告の配信は、携帯端末300との接続を確立してから(S13)、シール紙排出(S19)の間に行ってもよい。
【0182】
以上のように構成することで、ユーザを他のゲーム機器へ誘導することができ、ユーザが他のゲームを利用することを促進することができる。
【0183】
なお、ゲームの終了後、直ちに画像配信を行うことも可能である。この場合、ユーザは、写真撮影プリント装置100のゲーム終了後、煩雑な操作なく、すみやかに画像を取得することができ、顧客満足度の向上が見込める。
【0184】
(通信終了のタイミング)
次に、前述の構成では、画像配信処理のための通信を終了するタイミングを、時間で制御する構成としていた。以下では、写真撮影プリント装置100が、画像配信処理のための通信を終了するタイミングの変形例について説明する。
【0185】
まず、上記タイミングを、すべてのユーザの携帯端末300に対する配信処理が終了した場合とすることができる。この場合、すべてのユーザの携帯端末300に対して、確実に画像配信が行われる。また、すべてのユーザの携帯端末300に対する配信処理が終了次第、接続は開放されるので、配信処理が比較的短い時間で完了することが予測される場合、通信機器の資源を有効利用できるという効果を奏する。また、全てのユーザの携帯端末300に画像が行き渡るというメリットもある。一方、通信障害等で、長時間、画像配信が完了しない携帯端末300が有る場合は、際限なく接続を保持することになる。
【0186】
他にも、上記タイミングを、同時に接客しているユーザグループの数で制御する構成としてもよい。具体的には、あるユーザグループに属する複数の携帯端末300のうち、1台でも画像配信を完了した場合、そのユーザグループについての配信のための通信を終了してもよい。
【0187】
例えば、ユーザグループを識別するために通信確立部114が、複数の携帯端末300から通信設定情報を取得した際にグループ識別情報(群識別情報)を生成してもよく、グループ識別情報と、各携帯端末300の通信設定情報とを対応付けて通信設定情報記録部155に記録しておけばよい。
【0188】
つまり、このような構成の場合、まず、配信制御部115が、ある携帯端末300への画像の配信を完了したときに、通信設定情報記録部155を参照し、当該携帯端末300の通信設定情報に対応付けられているグループ識別情報を取得する。そして、配信制御部115が、取得したグループ識別情報により同一グループのものと判定される他の携帯端末300への配信を中止し、そのグループに属する携帯端末300について、配信処理のための通信を終了すればよい。
【0189】
これにより、そのユーザグループのうち少なくとも1ユーザは、確実に画像配信を受けることができる。よって、この場合、そのユーザグループの他のユーザは、自己の携帯端末300において、画像配信を受けたユーザの携帯端末300から、画像を取得するようにすればよい。このようにすれば、そのユーザグループのユーザ全員に画像が行き渡ることになる。
【0190】
このように、ゲーム施設の込み具合や、写真撮影プリント装置100の稼働率に応じて、配信処理のタイミングを調整することができる。
【0191】
具体例としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
【0192】
まず、以下に示す例では、写真撮影プリント装置100の配信処理の性能は、説明上、1ゲームについて、最大4つの携帯端末300との接続を保持できるものとする。つまり1組のユーザグループについて、最大4人までゲームに参加可能であるとする。また、同時に配信処理を行うことができる組の数を4組とする。
【0193】
この場合、言い換えれば、写真撮影プリント装置100は、4組のユーザグループまでは、接続を保持できる。写真撮影プリント装置100は、1ゲームについて、4つの携帯端末300の接続を保持することができるので、1ゲームあたりの携帯端末300の数“4”に、同時に接客できるユーザグループの数“4”を乗じた計16台の携帯端末300を一時に管理することができる。
【0194】
ここで、4組のユーザグループを、それぞれ、A、B、C、Dとし、ゲームを開始した順が、A、B、C、Dの順であったとする。また、ユーザグループA〜Dに属する携帯端末300の各々は、それぞれ、まだ、画像配信を受けていないものとする。
【0195】
このとき、写真撮影プリント装置100が接続を保持できるユーザグループは最大数の4に達しているので、新たに、1組のユーザグループEがゲームを始めようとしても(硬貨の投入等)、写真撮影プリント装置100は、ゲームの開始を受け付けない。
【0196】
一方で、ユーザグループAに属する携帯端末300のうち少なくとも1つが、写真撮影プリント装置100から、画像配信を受けた場合、ユーザグループAに属するその他の端末への配信を中止し、ユーザグループAに対する配信処理のための通信を終了するとともに、ユーザグループEに対する配信処理に対応するべく、ユーザグループEについて端末認証動作を受け付けてもよい。
【0197】
以上のような構成例により、ユーザグループEは、写真撮影プリント装置100の利用が込み合っていても、画像配信を受けることができるようになり、また、ユーザグループAのうち、少なくとも1人のユーザの携帯端末300には、確実に画像を配信することができる。
【0198】
また、上記タイミングを、時間で制御する構成と、同時に接客しているユーザグループの数で制御する構成とを、条件により使い分ける制御を行う構成としてもよい。例えば、通常の時間帯は、時間で制御する構成を用いて、ユーザが込み合う時間帯には、同時に接客しているユーザグループの数で制御する構成を用いることが考えられる。また、写真撮影プリント装置100の利用率を監視し、写真撮影プリント装置100の利用率が増加した場合に、同時に接客しているユーザグループの数で制御する構成を用いてもよい。この利用率は、単位時間あたりに、写真撮影プリント装置100を利用するユーザの数等から求めることができる。
【0199】
また、ユーザの携帯端末300において、接続を切断する操作を行えるように構成してもかまわない。また、写真撮影プリント装置100の配信処理の通信圏外に携帯端末300が移動した場合、配信処理を終了してもよい。この場合、通信機器の資源を有効利用できるという効果を奏する。
【0200】
また、上記タイミングを、上記の構成例を適宜組み合わせることにより制御することも可能である。
【0201】
(画像を受信できないまま終了した場合の処置)
次に、写真撮影プリント装置100から、携帯端末300に画像の配信処理を完了することができなかった場合の処置について説明する。
【0202】
まず、ユーザグループのうち、1人でも配信を受けているユーザがいる場合は、次のように処置すればよい。つまり1台でも画像の配信処理が完了している携帯端末300がある場合、その携帯端末300を親機として、他のユーザの携帯端末300との間で、画像の再配信を行えばよい。このとき、携帯端末300が有する近接通信機能および近距離無線通信機能を用いてハンドオーバー技術によって他の携帯端末300との通信を確立してもよい。
【0203】
この場合は、ゲームを行った複数のユーザは、それぞれ、まだ同一施設内、あるいは、一定の距離の範囲内にとどまっている可能性が高いので、親機の携帯端末300から、他のユーザの携帯端末300に画像が行き渡り、そのユーザグループに属するユーザ全員が画像を取得できる可能性が高い。
【0204】
また、ユーザグループのうち、1人も配信を受けられなかった場合の措置について以下に説明する。この場合の例としては、ユーザ全員が、何らかの理由により、ゲーム終了の直後に、写真撮影プリント装置100の配信処理の通信圏外に出てしまったときなどが挙げられる。
【0205】
この場合、例えば、インターネット等からアクセス可能な再配信処理サーバを設ける措置が考えられる。
【0206】
具体的には、写真撮影プリント装置100と、携帯端末300との通信を確立するときに、写真撮影プリント装置100が、そのゲームに固有のIDを発行し、携帯端末300がこの固有IDを取得し、記憶しておく。そして、写真撮影プリント装置100が、当該携帯端末300に対する画像配信処理を完了できなかったときには、再配信処理サーバに画像配信処理に失敗した画像を保存しておき、上記固有IDをもつ携帯端末300からのアクセスを受け付けるようにすればよい。
【0207】
そうすれば、後に、ユーザが携帯端末300で、インターネット等を介し、上記再配信処理サーバにアクセスして、再配信処理サーバに対して固有IDを提示することで配信処理に失敗した画像を取得することができる。
【0208】
他にも、携帯端末300に上記固有IDを記憶させておく代わりに、プリントするシール紙に当該固有IDを印字しておいて、ユーザが、携帯端末300で再配信処理サーバにアクセスしたときに、再配信処理サーバが、当該固有IDの入力を受け付ける構成としてもよい。
【0209】
〔その他の変更例〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0210】
最後に、写真撮影プリント装置100の各ブロック、特に通信確立部114および配信制御部115は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0211】
すなわち、写真撮影プリント装置100は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである写真撮影プリント装置100の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記写真撮影プリント装置100に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0212】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0213】
また、写真撮影プリント装置100を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0214】
本発明は、ゲーム工程により得られた画像を、煩雑な操作なく、すみやかに、ユーザの所持する端末に配信することができるので、娯楽(遊戯)施設に配備される写真撮影プリント装置一般に適用可能である。
【符号の説明】
【0215】
10 通信設定情報
20 近接通信
30 近距離無線通信
40 配信対象画像
100 写真撮影プリント装置
110 制御部(開始要求検知手段)
111 撮影画像取得部
112 画像編集部
113 印刷画像作成部
114 通信確立部(通信確立手段、群識別情報生成手段)
115 配信制御部(画像配信手段、配信完了検知手段、群管理手段、群特定手段、移動検知手段)
120 撮影部
121 硬貨処理部
122 照明部
123 カメラ部
124 撮影画像表示部
125 カメラ画像表示部
126 操作部
127 近接通信部(通信設定情報取得部)
130(a,b) 編集部
131 タッチパネル部
131a 編集画像表示部
131b 操作受付部
132 タッチペン
133 音声出力部
140 印刷部
141 ライタ部
142 プリンタ部
143 シール紙ユニット
144 IDタグ
144(a,b) プリント排出口
145 シール紙
150 記録部
151 撮影画像記録部
152 編集用画像記録部
153 編集画像情報記録部
154 印刷画像記録部
155 通信設定情報記録部
160 近距離無線通信部(無線通信部)
300 携帯端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影して撮影画像を生成する撮影処理と、上記撮影画像を編集して編集画像を生成する編集処理と、上記各画像をシール紙に印刷する印刷処理とを含むゲーム工程を順に実行する写真撮影プリント装置において、
外部の端末との間で無線通信を行う無線通信部と、
上記無線通信部と、上記端末とが上記無線通信を行うために必要な通信設定情報を、上記端末が備える非接触型ICチップから読み出して取得する通信設定情報取得部と、
上記通信設定情報取得部が取得した通信設定情報に基づいて、上記無線通信部と、上記端末との無線通信を確立する通信確立手段と、
上記無線通信部を介して、上記撮影画像および/または上記編集画像を含む配信対象画像を配信する制御を行う画像配信手段と、を備え、
上記画像配信手段は、上記編集処理が終了した後、上記配信を開始し、
上記通信確立手段は、上記印刷処理の終了後、所定の時間後に、上記無線通信部による無線通信を終了することを特徴とする写真撮影プリント装置。
【請求項2】
上記画像配信手段は、上記印刷処理が終了した後、一定時間の経過後、上記配信を開始することを特徴とする請求項1に記載の写真撮影プリント装置。
【請求項3】
上記無線通信部は、複数の上記端末との無線通信を確立するものであり、
上記通信設定情報取得部は、複数の上記端末から上記通信設定情報を取得するものであり、
上記通信確立手段は、上記複数の上記端末との無線通信を確立するものであり、
さらに、上記無線通信を確立した複数の上記端末を一群のものとして識別するための群識別情報を生成する群識別情報生成手段と、
上記群識別情報により一群のものとして識別される複数の端末のうち、少なくとも1つの上記端末に対して、上記画像配信手段による配信が完了したことを検知する配信完了検知手段と、を備え、
上記通信確立手段は、上記配信完了検知手段の検知に基づいて上記無線通信部による無線通信を終了することを特徴とする請求項1または2に記載の写真撮影プリント装置。
【請求項4】
さらに、ゲーム工程の開始要求を検知する開始要求検知手段を備え、
上記群識別情報生成手段は、上記開始要求検知手段の検知に応じて群識別情報を生成するものであり、
さらに、複数の上記群識別情報の生成順を管理する群管理手段と、
上記群管理手段が管理する上記群識別情報が、所定数に達しているとき、さらに上記開始要求検知手段が、開始要求を検知した場合において、上記所定数の上記群識別情報のうち、最も古く生成された上記群識別情報を特定する群特定手段と、を備え、
上記配信完了検知手段は、上記群特定手段によって特定された上記群識別情報により一群のものとして識別される複数の端末のうち、少なくとも1つの上記端末に対して、上記画像配信手段による配信が完了したことを検知するものであることを特徴とする請求項3に記載の写真撮影プリント装置。
【請求項5】
上記無線通信部は、複数の上記端末との無線通信を行うものであり、
上記通信設定情報取得部は、複数の上記端末から上記通信設定情報を取得するものであり、
上記通信確立手段は、上記複数の上記端末との無線通信を確立するものであり、かつ、上記複数の上記端末のすべてに画像を配信し終わったとき、上記無線通信部による無線通信を終了するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の写真撮影プリント装置。
【請求項6】
上記通信確立手段は、上記端末から、上記配信を終了する命令を受け付け、当該命令に応じて、上記無線通信を終了することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の写真撮影プリント装置。
【請求項7】
上記端末が、上記無線通信の通信圏外に移動したことを検知する移動検知手段を備え、
上記通信確立手段は、上記移動検知手段の検知に基づいて上記無線通信部による無線通信を終了することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の写真撮影プリント装置。
【請求項8】
上記通信設定情報取得部は、自装置に設けられた面であって、床面に対して、垂直な面の付近に配備されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の写真撮影プリント装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の写真撮影プリント装置を動作させる写真撮影プリント装置制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための写真撮影プリント装置制御プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の写真撮影プリント装置制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項11】
被写体を撮影して撮影画像を生成する撮影処理と、上記撮影画像を編集して編集画像を生成する編集処理と、上記各画像をシール紙に印刷する印刷処理とを含むゲーム工程を順に実行する写真撮影プリント装置の制御方法において、
外部の端末との間で無線通信を行う、自装置が備える無線通信部と、上記端末とが上記無線通信を行うために必要な通信設定情報を、上記端末が備える非接触型ICチップから読み出して取得する通信設定情報取得ステップと、
上記通信設定情報取得ステップにおいて取得した通信設定情報に基づいて、上記無線通信部と、上記端末との無線通信を確立する通信確立ステップと、
上記編集処理が終了した後、上記無線通信部を介して、上記撮影画像および/または上記編集画像を含む配信対象画像の配信を開始する画像配信ステップと、
上記印刷処理の終了後、所定の時間後に、上記無線通信部による無線通信を終了する通信終了ステップと、を含むことを特徴とする写真撮影プリント装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−183156(P2010−183156A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22562(P2009−22562)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(307010096)フリュー株式会社 (210)
【Fターム(参考)】