説明

写真撮影遊戯機、写真撮影遊戯方法及び制御プログラム

【課題】種類の異なるレイアウトの印刷画像が複数印刷された印刷用紙を提供できる写真撮影遊戯機を提供する。
【解決手段】写真撮影遊戯機は、写真画像と編集画像とを合成して複数の合成画像を生成する。写真撮影遊戯機はさらに、印刷用紙850上にミシン目CLの延在方向に並んで配列される2つの印刷領域851内の各矩形領域852L及び852Rのレイアウトを、内部のハードディスクに記憶した複数のレイアウトサンプルの中から選択する。そして、選択されたレイアウトサンプルに基づいて、合成画像をレイアウトして印刷画像を生成する。写真撮影遊戯機は、印刷画像が印刷された印刷用紙850をラインC1に沿って印刷領域851ごとに切断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、写真撮影遊戯機に関し、さらに詳しくは、カメラ撮影に基づいて生成された写真画像にプレイヤが落書きをした写真シールを自動的に生成する写真撮影遊戯機に関する。
【背景技術】
【0002】
写真撮影遊戯機は、カメラ撮影により生成された写真画像上にタッチペンで落書き画像等の編集画像を入力し、写真画像と編集画像とを合成した合成画像をシール紙に印刷する。シール紙は複数の区分に分けられ、各区分に1つの合成画像が印刷される。プレイヤは、はさみやカッターを用いて各区分ごと(各合成画像ごと)に切り取り、写真シールを完成する。このような写真撮影遊戯機は、ゲームセンタ等に設置され、主として女子中高生の間で人気がある。
【0003】
特開2009−71545号公報(特許文献1)では、印刷媒体を切り分ける作業をプレイヤに行わせることなく、プレイヤが印刷媒体を分かち合える写真印刷装置が開示される。この文献の写真印刷装置は、合成画像を配置するための第1及び第2配置領域を含む印刷データを作製する。そして、印刷データを印刷用紙に印刷するとき、第1及び第2配置領域が分離するように、印刷用紙を切断する。特許文献1に開示された写真印刷装置では、ハサミを用いることなく2人のプレイヤの各々に印刷用紙を提供できる。
【0004】
また、特許第3516074号公報(特許文献2)では、プレイヤが複数で一緒に撮影しても各プレイヤの好みを反映させた配置の写真シールを出力し、写真シールを公平にハサミで切り取って利用者が分け合うことができる写真シール自動販売装置が開示されている。この文献の写真シール自動販売装置は、1枚の印刷用紙を、プレイヤの人数分(たとえば2人)に均等に分割した領域を設定し、各領域に割り当てる画像の数を各プレイヤが選択できる(特許文献2の図5等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−71545号公報
【特許文献2】特許第3516074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された写真印刷装置では、各プレイヤに提供される各印刷用紙には、1つのレイアウトに基づいて複数の合成画像が配置される。プレイヤは、合成画像ごとにハサミで切り分けるため、レイアウトをあまり気にしない。
【0007】
同様に、特許文献2に開示された写真シール自動販売装置でも、プレイヤは自己に割り当てられた領域内に印刷する合成画像の数を気にしても、そのレイアウトをあまり気にしない。合成画像ごとにハサミで切り分けるためである。
【0008】
最近のプレイヤは、このような従来の写真シールに満足しなくなってきている。そのため、今までにない斬新な写真シールが求められる。
【0009】
本発明の目的は、種類の異なるレイアウトの印刷画像が複数印刷された印刷用紙を提供できる写真撮影遊戯機を提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0010】
本発明者らは、従来のように合成画像ごとにハサミで切り分けるタイプのものではなく、複数の合成画像のレイアウト自体を楽しむ印刷画像を提供しようと考えた。複数の合成画像のレイアウト自体を楽しむ印刷画像を提供する場合、1種類のレイアウトだけでは物足りない。そこで、本発明者らは、異なるレイアウトの印刷画像を複数印刷用紙に印刷できるようにするべきと考えた。
【0011】
このようなレイアウト自体を楽しむ画像を印刷した印刷用紙を提供する場合、プレイヤがハサミを用いて、従来のように合成画像ごとに切り分けてしまう可能性もある。したがって、合成画像がレイアウトされた印刷画像自体が全体的にまとまったイメージを示し、プレイヤがハサミで合成画像ごとに切り分けるのを抑制できる方が好ましい。
【0012】
本発明は、以上の技術思想に基づいて完成したものである。
【0013】
本発明による写真撮影遊戯機は、カメラとプリンタとを備える。写真撮影遊戯機はさらに、撮影制御手段と、第1編集手段と、合成画像生成手段と、記憶手段と、レイアウト選択手段と、印刷画像生成手段と、印刷制御手段とを備える。撮影制御手段は、カメラにより被写体を撮影して複数の写真画像を生成する。第1編集手段は、各写真画像に対応した編集画像の入力を受け付ける。合成画像生成手段は、写真画像と編集画像とを合成して複数の合成画像を生成する。記憶手段は、複数のレイアウトサンプルを記憶する。レイアウト選択手段は、中央に直線状に延びるミシン目が形成された印刷用紙上にミシン目の延びる方向に並んで配列され、各々がミシン目により区分された第1及び第2矩形領域を有する複数の印刷領域における第1矩形領域のレイアウトと第2矩形領域のレイアウトとを複数のレイアウトサンプルの中から選択する。印刷画像生成手段は、第1矩形領域用に選択されたレイアウトサンプルに基づいて、複数の合成画像をレイアウトして第1印刷画像を生成し、第2矩形領域用に選択されたレイアウトサンプルに基づいて、複数の合成画像をレイアウトして第2印刷画像を生成する。印刷制御手段は、第1印刷画像を第1矩形領域に印刷し、第2印刷画像を第2矩形領域に印刷し、印刷用紙を印刷領域ごとに切断するようにプリンタを制御する。
【0014】
本発明による写真撮影遊戯機は、ミシン目を境に2つの矩形領域を有する印刷領域ごとに印刷用紙を切断する。そして、各矩形領域のレイアウトを矩形領域ごとに選択する。したがって、切断された印刷用紙を提供されたプレイヤは、異なるレイアウトの複数の印刷画像が印刷された印刷用紙を得ることができる。さらに、プレイヤは、ミシン目により2つの矩形領域を容易に切り分け、各レイアウトごとの印刷用紙をハサミを用いることなく得ることができる。
【0015】
好ましくは、印刷画像生成手段は、第1印刷画像と同じ複数の合成画像を用いて第2印刷画像を生成する。
【0016】
この場合、利用される合成画像自体は同じであって、レイアウトが異なる2種類の印刷画像を作成できる。
【0017】
好ましくは、各写真画像は、被写体画像と背景画像とを含む。写真撮影遊戯機はさらに、第1背景選択手段と、表示手段と、第2背景選択手段とを備える。第1背景選択手段は、基準となる背景画像の選択を受け付ける。表示手段は、基準となる背景画像に基づいて特定された複数の背景画像を、他の複数の背景画像と区別可能に表示する。第2背景選択手段は、表示手段に表示された複数の背景画像の中から背景画像の選択を受け付ける。撮影制御手段は、第1及び第2背景選択手段により選択された背景画像に被写体画像を合成して複数の写真画像を生成する。
【0018】
たとえば、各合成画像のイメージが互いに大きく異なれば、1つの矩形領域に印刷された印刷画像内の複数の合成画像は統一感に欠ける。そのため、プレイヤは、合成画像のレイアウトを楽しむことなく、合成画像ごとにハサミで切り分けてしまう可能性がある。本発明は、基準となる背景画像に基づいて特性された背景画像を、他の背景画像と区別して表示し、プレイヤに、基準となる背景画像に基づいて特定された背景画像の選択を促す。プレイヤが、基準となる背景画像に基づいて特定された背景画像を選択すれば、生成された合成画像のイメージをある程度統一することができる。そのため、矩形領域内に印刷された複数の合成画像のイメージに統一感を出すことができ、合成画像ごとに切り分けることなくプレイヤがレイアウト自体を楽しみ易くする。
【0019】
好ましくは、記憶手段に記憶される複数のレイアウトサンプルは、分割レイアウトサンプルと、コラージュレイアウトサンプルとを含む。分割レイアウトサンプルは、矩形領域を、合成画像と相似する形状を有し合成画像が配置される複数の配置領域に区分する。コラージュレイアウトサンプルは、矩形領域を、複数の配置領域と、複数の配置領域以外の領域であって、編集画像が配置される装飾領域とに区分する。
【0020】
この場合、従来にはない斬新なレイアウトであるコラージュレイアウトサンプルに基づいて、印刷画像を生成できる。
【0021】
好ましくは、レイアウト選択手段は、分割レイアウトサンプルとコラージュレイアウトサンプルとを組み合わせた複数のレイアウトテンプレートの中から、印刷領域内の第1及び第2矩形領域に利用するレイアウトテンプレートの選択を受け付ける。
【0022】
好ましくは、分割レイアウトサンプル内の複数の配置領域は、大型領域と、大型領域と相似し大型領域よりも小さいサイズの小型領域とを含む。写真撮影遊戯機はさらに、配置切替手段を備える。配置切替手段は、選択された分割レイアウトサンプル内の大型領域及び小型領域に配置される複数の合成画像の配置を切り替える。
【0023】
この場合、所望の合成画像を大型領域に配置できる。
【0024】
好ましくは、合成画像生成手段は、生成された第1及び第2印刷画像を前記印刷手段に送信する。印刷制御手段は、各印刷領域に同じ第1及び第2印刷画像を印刷するようにプリンタを制御する。
【0025】
この場合、プリンタに送信する印刷画像データ量を従来よりも減らすことができる。
【0026】
好ましくは、写真撮影遊戯機はさらに、検索手段と、第2編集手段とを備える。検索手段は、第1編集手段により対応する編集画像が入力されなかった写真画像を検索する。第2編集手段は、検索された写真画像に対応した編集画像の入力を受け付ける。
【0027】
複数の合成画像をレイアウトして印刷画像を生成する場合、編集画像が作製されていない写真画像は、編集画像が作製された写真画像と比較して目立ち、統一感が薄れる。本発明では、編集画像が作製されていない写真画像に対して編集画像を入力するようプレイヤを促すことができる。
【0028】
好ましくは、写真撮影遊戯機はさらに、撮影筐体と、スピーカと、音声出力制御手段とを備える。撮影筐体は、両側壁に前記被写体が出入り可能な開口を有し、内部に前記カメラが配置される。スピーカは、撮影筐体の前記側壁の外面上部に配置され、下方に向けられる。音声出力制御手段は、撮影制御手段の動作に応じてスピーカから音声を出力する。
【0029】
この場合、順番待ちのプレイヤに対して、写真撮影遊戯機を利用可能となった旨を容易に伝達できる。スピーカは下方に向けられているため、音声は下方に出力される。そのため、音声は広範囲に伝わりにくい。
【0030】
本発明による写真撮影遊戯方法は、上述の写真撮影遊戯機の動作方法に関する。また、制御プログラムは、上述の写真撮影遊戯機に実装される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態による写真撮影遊戯機の撮影ブース側から見た斜視図である。
【図2】図1に示す写真撮影遊戯機を編集ブース側から見た斜視図である。
【図3】図1に示す写真撮影遊戯機で提供される景品の一例を示す模式図である。
【図4】図1に示す写真撮影遊戯機の撮影ブース内に設置された撮影装置の斜視図である。
【図5】図1に示す写真撮影遊戯機の撮影装置と対向して配置される背面パネル周辺の構成を示す斜視図である。
【図6】図1中の案内装置の斜視図である。
【図7】図1に示す編集装置の斜視図である。
【図8】図7に示す編集装置の側面扉を開けた状態を示す斜視図である。
【図9】図1に示す写真撮影遊戯機の機能ブロック図である。
【図10】図1に示す写真撮影遊戯機で作製される写真シールの一例を示す模式図である。
【図11】図1に示す写真撮影遊戯機1で使用される印刷用紙の一例を示す模式図である。
【図12】図11に示す印刷用紙により作製可能な写真シールの模式図である。
【図13】図1に示す写真撮影遊戯機で作製される合成画像の模式図である。
【図14】図1に示す写真撮影遊戯機の撮影処理を示すフロー図である。
【図15】図14の動作中に撮影装置のディスプレイに表示される画面例を示す模式図である。
【図16】図14中の背景画像選択処理の詳細を示すフロー図である。
【図17】図9に示すコンピュータ装置内のハードディスクドライブに格納されるデータのデータ構造を示す模式図である。
【図18】図14の動作中に撮影装置のディスプレイに表示される他の画面例を示す模式図である。
【図19】図14中の撮影動作の詳細を示すフロー図である。
【図20】図14の動作中に撮影装置のディスプレイに表示される他の画面例を示す模式図である。
【図21】図1に示す写真撮影遊戯機の編集動作を示すフロー図である。
【図22】図21の動作中に選択されるレイアウトサンプルの模式図である。
【図23】図22に示すレイアウトサンプルの選択画面例を示す模式図である。
【図24】図21の動作中に編集装置のディスプレイに表示される画面例を示す模式図である。
【図25】図21の動作中に編集装置のディスプレイに表示される画面例を示す模式図である。
【図26】図21の動作中に編集装置のディスプレイに表示される画面例を示す模式図である。
【図27】図21の動作中に編集装置のディスプレイに表示される画面例を示す模式図である。
【図28】図21の動作中に作製される印刷画面例を示す模式図である。
【図29】図21中の払出処理の詳細を示すフロー図である。
【図30】図21中の印刷待機処理の詳細を示すフロー図である。
【図31】図1に示す写真撮影遊戯機の印刷処理の詳細を示すフロー図である。
【図32】図21の動作中に編集装置のディスプレイに表示される画面例を示す模式図である。
【図33】図21の動作中に編集装置のディスプレイに表示される画面例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0033】
[外観構成]
図1及び図2を参照して、写真撮影遊戯機1は、撮影を行う撮影ブース2と、撮影により得られた写真画像の編集を行う2つの編集ブース3と、写真シール紙の印刷中にプレイヤが待機する印刷待機ブース5とに分かれる。撮影ブース2には、撮影装置4が配置される。編集ブース3及び印刷待機ブース5には、編集装置8が配置される。編集装置8は、筐体状の本体800を備え、本体800の正面及び背面にはそれぞれ画像編集部80が設けられている。つまり、編集装置8は2つの画像編集部80を備える。各画像編集部80は編集ブース3に属する。編集装置8の一方の側面は撮影装置4と隣接する。編集装置8の他方の側面には、景品を排出する景品払出装置70が取り付けられている。景品は、図3に示すように、矩形の箱に収納されたつけまつげやつけ爪、指輪等のアクセサリ、化粧品等である。景品の種類は特に限定されない。さらに、所定の店舗のクーポン券や、広告が記載された小冊子等を矩形の箱に収納して景品としてもよい。
【0034】
図2を参照して、景品払出装置70が取り付けられた側面にはさらに、景品が排出される景品払出口603と、写真シール紙が排出されるシール紙排出口602とが形成される。そして、景品払出装置70の正面700には、印刷待機部90が配置される。印刷待機部90は、印刷待機ブース5に属する。
【0035】
図1及び図2を参照して、撮影ブース2及び編集ブース3は、図示しないカーテン等により外部と区分されている。印刷待機ブース5にはカーテン等が設定されず、外部と区分されない。
【0036】
[撮影ブース]
図1及び図2を参照して、撮影ブース2は、撮影筐体521と、撮影装置4とを備える。撮影筐体521は、両側壁に開口522を有する。撮影の被写体となるプレイヤは、撮影筐体521に形成された開口から、撮影筐体521内に出入り可能である。以下、撮影筐体521に形成された開口522を「出入口」522という。撮影筐体521の正面内壁には、図4に示す撮影装置4が配設される。そして、撮影筐体521の背面内壁には、図5に示す背面パネル6が配置される。背面パネル6は、クロマキ合成用のパネルである。背面パネル6の代わりに、クロマキ合成用の1又は複数のカーテンを設けてもよい。
【0037】
図4を参照して、撮影装置4の正面の右下部分(出入口522近傍部分)には、コインを投入するためのコイン投入口31が設けられる。写真撮影遊戯機1を利用する場合、プレイヤは撮影ブース2に入って、コイン投入口31にコインを投入した後、撮影装置4に向かって撮影操作を行う。撮影終了後、プレイヤは撮影筐体521を出て、写真撮影遊戯機1が指定するどちらかの編集ブース3に移動する。そして、プレイヤは、編集装置8の画像編集部80に向かって画像編集操作を行う。具体的には、フレーム、スタンプ、ペン書きの文字や図形などの編集画像を入力する。
【0038】
撮影装置4の正面中央にはカメラ10が設けられ、その下方には撮影用ディスプレイ11が設けられ、さらにそれらの周りには複数の照明装置9が設けられる。さらに、図5に示すように、照明装置9は、撮影筐体521の天井や背面上方及び側方にも配置される。要するに、複数の照明装置9は、撮影筐体521の前後上方から被写体を照射する。
【0039】
カメラ10はプレイヤを被写体として撮影するもので、一般にデジタルカメラが用いられる。図4ではカメラ10は1台であるが、カメラ10は複数台設けられてもよいし、移動や角度調節をできるようにされてもよい。
【0040】
撮影用ディスプレイ11は、自身が被写体となるプレイヤ用の確認モニタで、表示画面が見やすいようにプレイヤに向けられている。撮影用ディスプレイ11は、カメラ10で撮影されている映像を左右反転してライブ映像(動画)としてリアルタイムで表示する。したがって、プレイヤは鏡のように映る自分の姿を見ながら撮影を行うことができる。さらに、その表示画面上には透明なタッチパネルが貼り付けられており、撮影用ディスプレイ11は、タッチパネルを介してプレイヤの入力操作を受け付ける。図4では、プレイヤは自分の指を用いてディスプレイ11をタッチする。図4には図示していないが、撮影用ディスプレイ11には、プレイヤによる種々の操作をタッチパネル上で入力するためのタッチペンが設けられてもよい。
【0041】
撮影用ディスプレイ11はライブ映像の他、確認用の撮影済み画像を表示する(プレビュー表示)。また、各種案内画面、操作ボタンなども表示する。本実施の形態では、撮影用ディスプレイ11がライブ映像の表示及びプレイヤの入力操作の受け付けの両方を行うが、ライブ映像を表示するディスプレイと、プレイヤの入力操作を受け付けたり、案内表示をしたりするディスプレイとを別個に設けてもよい。
【0042】
複数の照明装置9は、カメラ10の上下左右及び天井に設けられ、被写体を前方及び後方から照明する。照明装置9はその内部に、蛍光灯などの常灯照明と、ストロボなどの閃光照明(フラッシュ)とを有する。ストロボは、プレイヤから撮影の開始が指示され、カメラ10が撮影しているライブ映像を画像(静止画)として取り込む瞬間に発光し、被写体を強く照明する。照明装置9は上記配置場所の他に、被写体の側方に設けられてもよい。
【0043】
撮影筐体521の側壁外側上部には、案内装置500が配置される。図6を参照して、案内装置500は、筐体505と、表示部503と、スピーカ504とを備える。表示部503は、筐体505の正面に配置される。表示部503は、図示しない光源と、表示パネルとを備える。光源は筐体505内に格納される。表示パネルには、「使用中」等の文字が描画されており、光源により照らされる。
【0044】
プレイヤが撮影装置4を使用中である場合、表示部503内の光源から光が照射される。光源により表示パネルが照らされ、撮影装置4が使用中である旨を表示する。これにより、他のプレイヤは撮影装置4が現在使用中であることを知ることができる。
【0045】
スピーカ504は、筐体505の下面に配置され、下方を向いて配置される。スピーカ504は、下方に音声を出力する。
【0046】
撮影装置4が使用中である場合、上述の他のプレイヤは順番を待つ。以降、順番を待つプレイヤを待機プレイヤと呼ぶ。待機プレイヤは、撮影筐体521の出入口522近傍で待機する場合が多い。そのため、待機プレイヤに表示部503が見えにくい場合がある。スピーカ504は、撮影装置4の動作に応じて、音声を下方に出力する。具体的には、撮影装置4での撮影処理の終了に応じて、撮影が終了した旨の音声を出力する。出入口近傍で待機する待機プレイヤは、スピーカ504の音声を聞き、撮影装置4の使用が終了したことを容易に知ることができる。
【0047】
スピーカ504は、下方に音を出力するそのため、出力される音声が、施設内の広範囲に拡がりにくい。そのため、施設内の他のゲーム機器を利用する他のプレイヤには、スピーカ504の出力は聞こえにくい。
【0048】
[編集ブース及び印刷待機ブース]
図2に示すとおり、編集ブース3及び印刷待機ブース5には、編集装置8が配置される。図7を参照して、編集装置8の上部正面及び上部背面にはそれぞれ画像編集部80が配置される。つまり、2つの編集部80は互いに背中合わせに配置される。編集装置8の側面上部には景品払出装置70が取り付けられ、その表面700には印刷待機部90が配置される。編集装置8の側面下部には、開閉可能な排出扉600が設けられており、図8に示すとおり、その内部にプリンタ601が収納される。編集装置8の側面のうち、景品払出装置70が取り付けられた側面と反対側の側面は、撮影装置4と隣接する。2つの画像編集部80は編集ブース3に属し、印刷待機部90は印刷待機ブースに属する。
【0049】
[画像編集部]
各画像編集部80は、撮影装置4で得られた写真画像を編集するための装置である。画像編集部80の正面中央には編集用ディスプレイ40が設けられる。編集用ディスプレイ40は、撮影装置4で生成された複数の写真画像を表示する。さらに、編集用ディスプレイ40の表示画面上には透明なタッチパネルが貼り付けられており、タッチパネルを介してプレイヤの編集操作を受け付ける。編集用ディスプレイ40の両側には、ペン画像やスタンプ画像といった編集画像をディスプレイ40で入力するためのタッチペン42が設けられる。画像編集部80は、プレイヤの編集操作に応じて写真画像上に編集画像を入力する。本例ではタッチペン42が用いられるが、タッチペン42の代わりにプレイヤの指が直接用いられてもよい。編集終了後、写真撮影遊戯機1は写真画像と編集画像とを合成し、合成画像を生成する。
【0050】
[排出扉周辺]
図7及び図8を参照して、排出扉600の内部には、プリンタ601が収納される。プリンタ601は、排出扉600を開くことで外部に取り出し可能である。プリンタ601は、たとえば、USBケーブル等により後述するコンピュータ装置101(図10参照)と接続されており、コンピュータ装置101からの命令に基づいて、画像編集部80で作製された合成画像をシール紙に代表される印刷用紙に印刷する。そして、印刷用紙を所定の長さで切断する。プリンタ601は、内部にマイコン及び周知のカッタを備え、カッタにより印刷用紙を切断する。
【0051】
排出扉600の下部には、シール紙排出口602が設けられる。プリンタ601で印刷された写真シール紙は、シール紙排出口602から外部に排出される。シール紙排出口602の上方には、景品払出口603が形成されている。景品払出装置70は内部に複数の景品を格納する。そして、景品を景品払出口603に排出する。景品払出装置70は、複数種類の景品を混在して積層して収納し、最下層の景品から順次払い出す。この場合、プレイヤがプレイするごとに景品の種類が異なる可能性が高くなり、嗜好性が増す。
【0052】
[印刷待機部]
プレイヤが画像編集部80を用いて写真画像を編集した後、プレイヤは、写真シール紙がシール紙排出口602から排出されるまで、印刷待機ブース5で待機する。印刷待機部90は、待機中のプレイヤの携帯電話機のメールアドレスを受け付けたり、写真シール紙が排出されるまでの時間を使ってプレイヤにミニゲームを提供したりする。また、プリンタ601や景品払出装置70に異常が生じたとき(たとえば、消耗品切れや故障等)、その旨を表示してプレイヤに案内する。印刷待機部90は景品払出装置70の正面700に設けられる。
【0053】
印刷待機部90の正面中央には待機用ディスプレイ95が設けられる。待機用ディスプレイ95は、アドレス入力画面や、ミニゲーム画面等を表示する。待機用ディスプレイ95の画面上には透明なタッチパネルが貼り付けられており、待機用ディスプレイ95は、タッチパネルを介してプレイヤの操作を受け付ける。待機用ディスプレイ95の両側には、アドレス等を入力するためのタッチペン92が設けられる。本例ではタッチペン92が用いられるが、タッチペン92の代わりにプレイヤの指が直接用いられてもよい。
【0054】
[機能構成]
図9を参照して、写真撮影遊戯機1は、写真撮影遊戯機1全体を制御するコンピュータ装置101と、動作中のコンピュータ装置101からの指示を受け付けて、接続されている各種装置を制御する制御基板102と、クロマキーキャプチャボード17とを備える。これらは写真撮影遊戯機1の制御装置100として機能する。制御装置100は撮影装置4に搭載されていてもよいし、編集装置8に搭載されていてもよい。
【0055】
コンピュータ装置101は、CPU(Central Processing Unit)103と、本装置に所定の処理を実行させるための制御プログラム、処理に必要なグラフィックデータ、音声データ、撮影された写真画像、あらかじめ用意された複数の背景画像、あらかじめ用意された複数のフレーム画像や複数のスタンプ画像等の編集画像等を記憶するハードディスク104、制御プログラムの一時的な作業領域となるメモリ105、インターネット等のネットワークを介して外部の端末と通信するための通信部106とを備える。
【0056】
コンピュータ装置101は、撮影ブース2での撮影処理を実行する。具体的には、コンピュータ装置101は制御プログラムを実行し、撮影用ディスプレイ11に対する入力操作に応じて、制御信号を制御基板102に送信する。また、コンピュータ装置101は、カメラ10、撮影用ディスプレイ11、スピーカ450及び制御基板102と接続され、それらを制御する。
【0057】
ディスプレイ11には、タッチパネルが画面上に積層されている。タッチパネルはプレイヤの指の接触を検知し、それに応じた指示信号をコンピュータ装置101に送信する。ディスプレイ11は、コンピュータ装置101から送信された画像、具体的には、カメラ10で撮像された写真画像、撮影のための案内、選択肢など表示する。スピーカ450は、コンピュータ装置101から与えられる指示信号に基づいて、撮影プレイのための操作方法などの案内やBGMなどを出力する。
【0058】
クロマキーキャプチャボード17は、カメラ10で撮影されている映像を所定の時間間隔(たとえば30フレーム/秒)でデジタルデータ(静止画像)として取り込み、取り込んだ静止画像の中からクロマキー技術により被写体以外の領域を検出し、その検出した領域に選択された所望の背景画像を合成する。コンピュータ装置101はさらに、必要に応じて映像をトリミングする。具体的には、所定の時間間隔で取り込まれた静止画像の所定の領域をトリミングして、トリミングされた画像をディスプレイ11に順次表示する。
【0059】
コンピュータ装置101はさらに、編集ブース3での画像編集処理を実行する。具体的には、コンピュータ装置101は制御プログラムを実行し、画像編集用ディスプレイ40に対するタッチペン42による入力操作に応じて、制御信号を制御基板102に送信する。コンピュータ装置101は、プリンタ601及び画像編集用ディスプレイ40と接続され、それらを制御する。画像編集部80は2台設けられるので、画像編集用ディスプレイ40、タッチペン42及びスピーカ46は2組設けられる。
【0060】
画像編集用ディスプレイ40には、タッチパネルが画面上に積層されている。タッチパネルはタッチペン42の接触を検知し、それに応じた指示信号をコンピュータ装置101に送信する。画像編集用ディスプレイ40は、コンピュータ装置101から送信された編集画像を写真画像上に重ねて表示する。スピーカ46は、編集ブース3に配備され、コンピュータ装置101から与えられる指示信号に基づいて、編集プレイのための操作方法などの案内やBGMなどを出力する。
【0061】
コンピュータ装置101はさらに、通信部106により、インターネット等のネットワークを介して図示しないサーバと通信する。そして、プレイヤの要求に応じて作製した合成画像をプレイヤの携帯端末にサーバ経由で送信する。これにより、プレイヤは携帯端末である携帯電話機に合成画像を取得できる。
【0062】
コンピュータ装置101はさらに、印刷待機ブース5での印刷待機処理を実行する。具体的には、コンピュータ装置101は、制御プログラムを実行し、待機用ディスプレイ95に対するタッチペン92の入力操作に応じて、制御信号を制御基板102に送信する。コンピュータ装置101は、待機用ディスプレイ95及びスピーカ96と接続され、それらを制御する。待機用ディスプレイ95にはタッチパネルが画面上に積層されている。タッチパネルはタッチペン92の接触を検知し、それに応じた指示信号をコンピュータ装置101に送信する。待機用ディスプレイ95は、プリンタ601が印刷している間、アドレス入力画面やミニゲームを表示する。スピーカ96は、コンピュータ装置101から与えられる指示信号に基づいて、印刷待機時のアドレス入力やミニゲームの操作方法等の案内やBGMなどを出力する。
【0063】
プリンタ601は図示しないマイコンを備える。コンピュータ装置101は、プリンタ601のマイコンに対して印刷指示を送信し、印刷すべき合成画像を送信する。プリンタ601のマイコンは、印刷すべき合成画像の受信を完了したとき、印刷指示に応じて印刷を開始する。
【0064】
コンピュータ装置101はさらに、制御基板102を介して景品払出装置70と接続される。景品払出装置70は、払出機構704と、払出機構704を制御するマイコン707とを備える。コンピュータ装置101は、マイコン707を介して払出機構704を制御する。つまり、コンピュータ装置101は、景品の排出タイミングを制御する。
【0065】
コンピュータ装置101はさらに、制御基板102を介して案内装置500内の表示部503及びスピーカ504と接続される。コンピュータ装置101は、撮影装置4の撮影処理における動作に応じて、スピーカ504から音声を出力する。
【0066】
制御基板102は、コンピュータ装置101の他に、ストロボ制御部110、ストロボ15、蛍光灯14、サービスパネル113及びコイン制御部112に接続される。ストロボ制御部110はカメラ10に接続され、カメラ10のシャッタタイミングに応じて発光するようにストロボ15を制御する。
【0067】
[動作概要]
本実施の形態による写真撮影遊戯機1は、上述のとおり、1つの合成画像を1つの単位とした写真シールではなく、複数の合成画像を所定のレイアウトで配置されたものを1つの単位とした新たな写真シールを提供する。以下、この点を詳述する。
【0068】
写真撮影遊戯機1はたとえば、図10に示すような、新たな写真シール810を提供する。写真シール810は、複数の合成画像(Composite Image)CI1〜CI6を含む。つまり、従来のように、1つの合成画像が1つの写真シールを構成するのではなく、複数の合成画像CI1〜CI6が1つの写真シール810を構成する。以降、図10に示すような写真シール810を「コラージュ写真シール」と呼ぶ。コラージュ写真シール810は、従来の写真シールよりも大きいサイズを有する。本実施の形態では、コラージュ写真シール810は、名刺サイズ程度の大きさを有する。たとえば、コラージュ写真シールのサイズは62mm×76mm程度である。
【0069】
コラージュ写真シール810は、合成画像が配置される複数の配置領域801と、配置領域意外の領域である装飾領域802とに区分されている。配置領域801は、合成画像と相似の形状を有する。装飾領域802には、編集画像が配置される。編集画像とは、たとえば、背景画像BIや前景画像FI、落書き画像SIである。コラージュ写真シール810における背景画像とは、複数の合成画像CI1〜CI6の背景となる画像である。また、コラージュ写真シール810における前景画像FIとは、合成画像CI1〜CI6の前景となる画像である。コラージュ写真シール810における落書き画像SIとは、背景画像BI内に配置される画像である。
【0070】
要するに、コラージュ写真シール810は、複数の合成画像CI1〜CI6がレイアウトされた1つの画像を構成するため、従来の写真シールのように、各合成画像CIごとに切り取って利用、保持することを意図しない。コラージュ写真シール810自体が1つの写真シールであり、複数の合成画像CI1〜CI6のレイアウト自体を楽しむものである。コラージュ写真シール810は従来の写真シールよりも大きいサイズを有するため、従来の写真シールのイメージと異なる斬新なイメージを有する。
【0071】
写真撮影遊戯機1を利用するプレイヤの中には、このような斬新なイメージを与えるコラージュ写真シール810だけでなく、従来の写真シールも欲しい場合もある。要するに、1つのレイアウトからなる画像だけでなく、種類の異なるレイアウトの画像が印刷された印刷用紙が提供されれば、プレイヤの満足度はさらに向上する。
【0072】
そこで、写真撮影遊戯機1は、プレイヤに対して2種類のレイアウトで構成された2つの印刷画像が印刷された印刷用紙を提供する。図11を参照して、印刷用紙850は、中央に直線状に延びるミシン目が形成されている。ここでいうミシン目CLは、直列に配列された複数のスリットで構成され、各スリットは、長方形状の穴又は溝である。ミシン目CLは、印刷用紙自体に予め形成されている。つまり、プリンタ601はミシン目CLを有する印刷用紙850を格納しており、ミシン目CLを有する印刷用紙850に画像を印刷する。なお、印刷用紙850のサイズはたとえば、124mm×152mm程度である。
【0073】
印刷用紙850には、2つの印刷領域(図中点線で囲まれた領域)851が配置される。各印刷領域851は矩形状であり、ミシン目CLの延在方向に並んで配置される。そのため、各印刷領域851の中央には、ミシン目CLが配置される。なお、各印刷領域851のサイズは62mm×152mm程度である。
【0074】
各印刷領域851はさらに、ミシン目CLにより2つの矩形領域852L及び852Rに区分される。各矩形領域852L及び852Rにはレイアウトが異なる印刷画像をそれぞれ配置することができる。図11では、矩形領域852Lに、従来のような、領域を複数の配置領域801で区分したレイアウトで構成された印刷画像が配置されている。そして、矩形領域852Rには、図10に示すレイアウトの印刷画像が配置されている。
【0075】
印刷用紙850は、プリンタ601により、ラインC1に沿って2つに切断される。要するに、印刷用紙850は、各印刷領域ごとに切断され、プレイヤに提供される。したがって、たとえば、2人のプレイヤが写真撮影遊戯機1を利用した場合、各プレイヤは、印刷領域ごとに切断された印刷用紙をそれぞれ取得できる。以降、ラインC1で切断された印刷用紙を「印刷用紙片」という。
【0076】
上述のとおり、各印刷用紙片の中央には、ミシン目CLが形成されている。したがって、各プレイヤは、ハサミを利用することなく、ミシン目CLに沿って印刷用紙片を2つに切り分けることができる。つまり、矩形領域852(852L及び852R)ごとに容易に切り分けられる。
【0077】
ミシン目CLに沿って切り分けられた印刷用紙片を図12に示す。図12(A)の印刷用紙片は、矩形領域852Lの印刷用紙片であり、図12(B)は、矩形領域852Rの印刷用紙片である。このように、各プレイヤは、異なるレイアウトの印刷画像が印刷された印刷用紙片をハサミを用いることなく容易に得ることができる。
【0078】
図12(A)の印刷用紙片の印刷画像のレイアウトは従来のものと同じであるが、写真撮影遊戯機1は、後述するように、イメージが互いに類似するように各合成画像を生成できる。そのため、図12(A)の印刷用紙片全体で統一感のあるイメージを与えることができ、従来のように、合成画像単位に切り分けなくても価値あるデザインに仕上げることができる。要するに、矩形領域852ごとにレイアウトの異なる印刷画像を作製でき、かつ、各矩形領域852全体で統一感のある印刷画像に仕上げることができる。
【0079】
さらに、写真撮影遊戯機1は、図12(B)の印刷画像を、図12(A)の印刷画像と同じ合成画像CI1〜CI6を用いて作製する。そのため、1回のプレイで2枚の写真シール(図12(A)及び図12(B))が得られた印象をプレイヤに与える。
【0080】
上述のとおり、印刷用紙は2つの印刷用紙片に切断され、各印刷用紙片の中央にはミシン目CLが形成される。そのため、2人のプレイヤが写真撮影遊戯機1を利用した場合、各プレイヤは印刷用紙片を得ることができる。そして、各プレイヤは印刷用紙片をミシン目に沿って2つに容易に切り分けることができる。そのため、各プレイヤが、ハサミを使わずに容易に印刷用紙片を切り分ける行為を楽しむことができる。
【0081】
さらに、2つに分かれた印刷用紙片は上述のとおり名刺サイズであるため、財布等にも入れることができ、持ち運びやすい。
【0082】
なお、プレイヤの希望により、図12(A)の印刷用紙片を、従来のようにハサミにより合成画像単位で切り分けて、図12(C)に示すように従来の写真シールを作製してもよい。
【0083】
以上のとおり、本実施の形態による写真撮影遊戯機1は、従来の写真シールと異なり、複数の合成画像により構成される印刷画像のレイアウト自体を各プレイヤに楽しんでもらうことを目的とする。そのために、各プレイヤが2種類のレイアウトの写真シールを得られるように、レイアウトを複数選択させる。また、図12(A)や図12(B)に示す写真シールをプレイヤに受け入れてもらいやすくするために、プレイヤがハサミを用いることなく、互いに異なるレイアウトの写真シールが容易に得られるように工夫している。さらに、矩形領域852単位での印刷画像内の複数の合成画像が統一感のあるイメージにまとまるように工夫している。以下、写真撮影遊戯機1の動作の詳細を説明する。
【0084】
[動作詳細]
写真撮影遊戯機1は初めに、撮影ブース2においてカメラ10で被写体を撮影する撮影処理を実行する。次に、編集ブース3においてプレイヤの入力操作に応じて撮影により生成された写真画像を編集する画像編集処理を実行する。そして、画像編集処理に基づいて生成された合成画像が印刷されている間、印刷待機ブース5において印刷待機処理を実行する。以下、それぞれの処理について詳述する。
【0085】
[撮影処理]
まず、撮影ブース2での写真撮影遊戯機1の動作を説明する。コンピュータ装置101のCPU103は、ハードディスク104に記憶された制御プログラムをメモリ105に読出して実行することにより、撮影処理を実現する。
【0086】
本実施の形態による写真撮影遊戯機1は、図13(A)及び(B)に示すように、各辺の長さがほぼ等しい正方形状の合成画像を作製する。ここでいう正方形状とは、各辺の長さの差が±5%以内、好ましくは±3%以内、さらに好ましくは±1%以内の矩形をいう。写真撮影遊戯機は図13(A)に示すように、全体に写真画像が配置された合成画像を作製することができる。さらに、図13(B)に示すように、写真画像が配置された写真領域301と、それ以外の余白領域302とを含む合成画像を作製することもできる。以降、図13(A)に示す合成画像を「ワクなし」画像と称し、図13(B)に示す合成画像を「ワクプリ」画像と呼ぶ。図13(A)に示す「ワクなし」画像は、被写体のアップ写真等を写真シール全体に描画するのに適している。一方、図13(B)に示す「ワクプリ」画像は、写真領域301縦長又は横長の形状とすれば、被写体の半身又は全身を描画しやすい。さらに余白領域302には写真画像が描画されないため、ペン画像等によりメッセージを入力すれば、写真画像上に入力する場合よりもより明確に、見やすく描画できる。要するに、余白領域302はメッセージボードのような役割を果たすことができ、写真を撮影したときの楽しい思い出や一緒に撮影した友人へのメッセージを見やすく書き込むことができる。
【0087】
写真撮影遊戯機1はさらに、図13(C)に示すように、正方形を2つ並べたサイズに相当する長方形状の「ワクなし」画像を作製できる。さらに、図示しないが、図13(C)と同じサイズの長方形状の「ワクプリ」画像を作製できる。図13(C)には縦長の画像を示すが、横長の長方形状の「ワクなし」画像及び「ワクプリ」画像も作製できる。
【0088】
CPU103は、カメラ10で被写体となるプレイヤを複数回撮影して写真画像を生成する。本例では6回撮影する。CPU103はまた、撮影前に、所望の画像タイプ(「ワクなし」画像又は「ワクプリ」画像)をプレイヤに選択させ、選択された画像タイプ用に撮影を行う。CPU103はさらに、撮影動作を2回に分け、1度の撮影動作で3回づつ撮影する。つまり、第1〜第3回目の撮影を連続して行い、いったん撮影動作を中断した後、第4〜第6回の撮影を連続して行う。
【0089】
第1〜第3回目の撮影が終了した後、CPU103は、画像タイプをプレイヤに再度選択させる。そして、選択された画像タイプに応じて第4〜第6回目の撮影を行う。これにより、プレイヤは、1回のプレイで、異なる画像タイプ(「ワクなし」画像又は「ワクプリ」画像)の合成画像を得ることができる。以下、撮影処理の詳細を説明する。
【0090】
図14を参照して、CPU103は、写真撮影遊戯機1の利用を促すタイトルデモ画面を撮影用ディスプレイ11に表示する(S1)。タイトルデモ画面の表示中にコイン制御部112が1プレイ分のコインの投入を受け付けると(S2でYES)、CPU103は予め定められた撮影制限時間のカウントダウンを開始する(S3)。そして、CPU103は、写真画像の明るさの選択画面を撮影用ディスプレイ11に表示し、撮影時の明るさの選択を受け付ける(S4)。
【0091】
続いて、CPU103は、画像タイプの選択を受け付ける(S5)。このとき、CPU103は、撮影用ディスプレイ11に図15に示す画面を表示する。図15を参照して、撮影用ディスプレイ11には、「ワクなし」画像を作製するための選択ボタン501と、「ワクプリ」画像を作製するための選択ボタン502とが表示される。プレイヤはいずれかの選択ボタンをタッチして、画像タイプを選択する。
【0092】
本例ではプレイヤははじめに「ワクなし」画像を選択したと仮定して説明を続ける。プレイヤが「ワクなし」画像選択ボタン501をタッチしたとき(S6でYES)、CPU103はプレイヤが図13(A)又は図13(C)に示すような「ワクなし」画像の作製を選択したと判断する。これにより、第1〜第3回目の撮影では、「ワクなし」画像用に撮影が実行される。
【0093】
CPU103は、プレイヤに背景画像を3回選択させる(S7)。写真撮影遊戯機1は、複数の合成画像にイメージの統一感を与えるために、類似のイメージを有する背景画像をプレイヤに選択させる。ステップS7の背景選択処理の詳細を図16に示す。図16を参照して、CPU103は、背景画像選択カウンタnをリセットし、n=1(回目)とする(S701及びS702)。続いて、CPU103は、カウンタnが「1」であるか否かを判断する(S703)。ここでは、n=1であるため、ステップS704に進む。CPU103は、HDD104に格納された複数の背景画像を読み出し(S704)、ディスプレイ11に表示する(S705)。HDD104は、図17に示す背景画像テーブルを記憶する。背景画像テーブルは、背景画像の識別子(以降、背景画像IDという)を格納するフィールドと、背景画像の属性情報を格納するフィールドとを備える。属性情報は、背景画像の色や模様、デザインに基づいて決定され、同じ属性情報を有する背景画像は、色、模様、デザインが類似しており、並べて配置しても違和感を与えにくい。図17では、属性情報G1を有する背景画像ID「0001」、「0003」及び「0052」は、互いに色、模様又はデザインが類似する。
【0094】
ステップS705で撮影用ディスプレイ11に表示される画面例を図18(A)に示す。図18(A)を参照して、画面には、種々の背景を含む「ワクなし」画像のサンプルが描画された複数の選択ボタン510が表示されている。プレイヤが好みの背景選択ボタン510をタッチすると、CPU103は、タッチされた選択ボタン510の背景画像が選択されたと判断し(S706でYES)、背景画像の選択を確定する(S707)。これにより、以降(2〜6回目)の背景選択の基準となる背景画像が選択される。選択された背景画像は、メモリ105に格納される。
【0095】
続いて、CPU103は、カウンタn=3又は6であるか否かを判断する(S708)。つまり、背景画像の選択が完了したか否かを判断する。ここでは、カウンタn=1であるため(S708でNO)、nをインクリメントしてn=2とし(S709)、ステップS703に戻る。そして、CPU103は、2回目の背景画像選択を行う。
【0096】
ステップS703で、CPU103は、カウンタnが「1」ではないと判断する(S703でNO)。そこで、CPU103は、1回目に選択された背景画像に基づいて、1回目の背景画像とイメージが類似する背景画像を特定する(S710)。具体的には、CPU103は、n=1回目に選択された背景画像の属性情報を背景画像テーブルから読み出す。ここで、n=1回目に選択された背景画像のIDが「0001」であったと仮定する。このとき、読み出された属性情報は「G1」である。
【0097】
続いて、CPU103は、読み出された属性情報「G1」と同じ属性情報を有する背景画像をHDD103から特定する。このとき、ID=「0003」や「0052」の背景画像が特定される。以降、ステップS710で特定された背景画像を「特定背景画像」という。
【0098】
CPU103は、特定背景画像を、他の複数の背景画像と区別可能に撮影用ディスプレイ11に表示する(S712)。図18(B)は、ステップS712で撮影用ディスプレイ11に表示される画面例である。図18(B)を参照して、特定背景画像511には、「オススメ」アイコン512が付与される。つまり、CPU103は、特定背景画像511に「オススメ」アイコン512を付与して表示する。これにより、特定背景画像511は、他の背景画像510と区別可能にディスプレイ11に表示される。
【0099】
なお、図18(B)では、特定背景画像511に「オススメ」アイコン512を付与することにより、特定背景画像511を他の背景画像510と区別可能に表示したが、他の方法により特定背景画像511を他の背景画像と区別可能に表示してもよい。たとえば、特定背景画像511を他の背景画像510よりも大きく表示してもよいし、特定背景画像511を点滅させながら表示してもよい。また、特定背景画像511のみを表示するパレットをディスプレイ11に表示させてもよい。
【0100】
プレイヤは、ディスプレイ11に表示された背景画像の中から、所望の背景画像をタッチする。このとき、プレイヤは「オススメ」アイコン512を見て、特定背景画像511を選択しやすい。ただし、プレイヤは特定背景画像511ではない他の背景画像510も選択できる。
【0101】
プレイヤが背景画像(511又は512)を選択したとき、CPU103は、プレイヤによる背景画像の選択を受け付け(S706でYES)、タッチされた背景画像を選択し、メモリ105に2回目に選択された背景画像として格納する(S707)。
【0102】
上述の動作をn=3となるまで、つまり、3回繰り返す。3回目の背景画像選択時、ステップS705で表示される背景画像は、n=2で表示されるものと同じである。
【0103】
3回目の背景画像の選択が完了したとき(S708でYES)、背景画像選択処理を終了する。
【0104】
以上の方法により、CPU103は、プレイヤに特定背景画像511の選択を勧める。プレイヤが特定背景画像511を選択すれば、選択された複数の背景画像は、互いに類似する。したがって、図12(A)及び図12(B)に示す矩形領域852内の複数の合成画像にイメージの統一感を与えることができ、図12(A)及び図12(B)の印刷用紙片を1つの写真シールとして認識しやすくなる。
【0105】
なお、CPU103は、ステップS712で特定背景画像511のみをディスプレイ11に表示して、プレイヤに特定背景画像511を選択させてもよい。
【0106】
図14に戻って、ステップS7での背景画像処理が完了した後、CPU103は、ディスプレイ11にライブ映像を表示する(S8)。具体的には、クロマキーキャプチャボード17は、カメラ10で撮影されている映像を取り込む。このとき、カメラ10から得られる映像(元画像)は縦長の長方形であるため、CPU103は、元画像の下部分をトリミングによりカットして、正方形状(又は図13(C)に対応するように、長辺が短辺の2倍である長方形状)の画像を取り込む。CPU103はさらに、得られた画像からクロマキー技術により被写体以外の領域を検出し、検出した領域に、ステップS7で選択された背景画像のうち、初めに選択された背景画像(つまり、カウンタn=1で選択された背景画像)を合成する。そして、背景が合成された画像を撮影用ディスプレイ11に表示する。
【0107】
続いて、CPU103は第1〜第3回目の撮影を実行する(S9)。撮影動作の詳細を図19に示す。はじめに、CPU103は、プレイヤにポーズを指示する(S91)。具体的には、撮影用ディスプレイ11に「胸に手をあてて!」等のポーズの指示文を表示する。さらに、スピーカ450から音声でポーズを指示する。プレイヤは指示に合わせてポーズを取る。このとき、プレイヤは、自身の写りをディスプレイ11で確認しながら、立ち位置やポーズを決めることができる。
【0108】
CPU103はカウントダウンを開始して、所定時間経過後にシャッタ動作を行い(S92)、トリミングされた正方形の映像から画像を固定し、メモリ105やハードディスク104に保存する。さらに、CPU103は、保存した画像に選択された背景を合成し、写真画像を生成する。生成された写真画像は撮影用ディスプレイ11にプレビュー画像として表示される(S93)。このとき、プレビュー画像はメモリ105に保存される。これにより、プレイヤは、写真画像の出来映えを確認できる。CPU103は生成された写真画像をメモリ105やハードディスク104に格納する。なお、写真画像生成時に、画像や画質の補正処理を実行してもよい。
【0109】
CPU103は第3回目の撮影が終了するまで(S94)、ステップS91〜S93の動作を繰り返す。第1回目の撮影が終了したとき、CPU103は、ステップS7で2番目(n=2)に選択された背景画像を、トリミングされた映像に合成して撮影用ディスプレイ11に表示する(S95)。そして、3回目の撮影時には、ステップS7で3番目(n=3)に選択された背景画像を表示する。プレイヤの操作により3枚撮影が完了すると(S94でYES)、撮影動作をいったん終了する。
【0110】
図14に戻って、第1〜第3回目の撮影が終了すると、CPU103はトータルの撮影枚数が最大数となっているか否かを確認する(S10)。本例では、最大数が6枚であり、現在の撮影枚数は3枚であるため(S10でNO)、ステップS5に戻る。つまり、CPU103は図15に示す画像タイプ選択画面を表示して、プレイヤに画像タイプを再び選択させる。これにより、プレイヤは、1回のプレイで異なる合成画像タイプ(「ワクなし」画像又は「ワクプリ」画像)を選択することができる。
【0111】
ここで、プレイヤが「ワクプリ」画像選択ボタン502をタッチしたと仮定して説明を続ける。このときCPU103は、「ワクプリ」画像が選択されたと判断し(S6でNO)、第4〜第6回目の撮影では、図13(B)に示すような、又は図13(c)のサイズに相当する「ワクプリ」画像用に撮影が行われる。CPU103は、「ワクなし」画像の場合と同様に、背景画像の選択を受け付ける(S14)。
【0112】
図16を再び参照して、CPU103は、ステップS701でカウンタnを確認する。カウンタnはメモリ105に格納されている。先に背景画像選択処理が行われているため、ここでは、カウンタn=3となっている。そこで、CPU103は、カウンタnをインクリメントしてn=4にする(S701でNO、S711)。そして、ステップS703に進む。ステップS703において、CPU103は、カウンタnは1ではないと判断する(S703でNO)、そのため、ステップS710に進み、2回目(n=2)及び3回目(n=3)と同じように、n=1回目に選択された背景画像に基づいて、HDD105から複数の特定背景画像を特定し(S710)、他の背景画像と区別可能に撮影用ディスプレイ11に表示する(S712)。そして、4回目の背景画像を選択する(S706及びS707)。5回目(n=5)及び6回目(n=6)も4回目と同様に、CPU103は、1回目に選択された背景画像に基づいて特定背景画像を読み出し(S710)、他の背景画像と区別可能に撮影用ディスプレイ11に表示する(S712)。そして、5回目及び6回目の背景画像を選択する(S706及びS707)。
【0113】
以上の動作を終了後、CPU103は、カウンタn=6であると判断し(S708でYES)。背景画像選択処理を完了する。以上の動作により選択された6枚の背景画像は、いずれも同じ属性情報を有する。そのため、いずれの背景画像も類似のイメージを有する。
【0114】
なお、新たなプレイヤが撮影プレイを行う場合、CPU103は、ステップS701でカウンタnが「6」であると判断する(S701でYES)。そのため、ステップS702に進んで上述の動作を行う。
【0115】
図14に戻って、ステップS14ではさらに、CPU103は、所望の形状の余白領域302を選択する。CPU103は、図20に示すように、種々の形状の写真領域301及び余白領域302を有する種々のテンプレート画像の写真領域301に、被写体を配置した複数のサンプル画像550を表示する。そして、その中から各撮影に利用する所望の画像の選択を順番に3回受け付ける。このとき、テンプレート画像が選択される。以上の動作により、CPU103は、第4〜第6回目の撮影で利用されるテンプレート画像及び背景画像の選択を受け付ける(S14)。各撮影時用に選択されたテンプレート画像の種類は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0116】
図14に戻って、各撮影時に利用されるテンプレート画像及び背景画像の選択を順次受け付けた後、CPU103は、選択されたテンプレート画像に応じてライブ映像をトリミングする(S15)。そして、テンプレート画像にトリミングされたライブ映像及び背景画像を重ねて撮影用ディスプレイ11に表示する(S16)。そして、第4回〜第6回目の撮影を実行する(S9)。
【0117】
撮影動作を終了した後、CPU103は最大枚数である6枚撮影したと判断する(S10でYES)。このとき、CPU103はさらに、ボーナス撮影動作を実行する(S11)。ボーナス撮影動作では、CPU103が「ワクなし」画像、「ワクプリ」画像の画像タイプと、背景等とを任意に選択し、S9と同様の撮影動作を行う。ボーナス撮影動作では、季節に応じた背景画像(たとえば、クリスマスシーズンであれば雪景色の背景画像等)がCPU103により自動的に選択される。ただし、ステップS7で選択された背景画像と同じ属性情報を有する背景画像が選択される。このような動作により、プレイ中のゲーム嗜好性を高めることができる。ボーナス撮影動作では、撮影回数は1回とする。つまり、ボーナス撮影動作では1枚の写真画像が生成される。ボーナス撮影を終了した後、CPU103は、スピーカ504を介して撮影プレイが終了した旨の音声を外部に出力する(S12)。この動作により、待機プレイヤは撮影プレイの終了を認識できる。このように、CPU103は、撮影装置4の動作に応じて、スピーカ504から音声を出力する。これにより、待機プレイヤは撮影プレイの終了を速やかに認識でき、プレイすることができる。そのため、写真撮影遊戯機1の回転効率が上がる。本例では、CPU103は、撮影処理を終了するとき(つまり、ステップS11の実行後)に音声による通知をしたが、撮影中にスピーカ504から音楽を流したり、所定の情報を音声で提供したりしてもよい。所定の情報は、たとえば、写真撮影遊戯機1の特徴の紹介、印刷用紙や景品等の消耗品切れの通知、写真撮影遊戯機1のエラー通知等である。
【0118】
上述の例では、撮影枚数を6枚とし、1回の連続撮影で3枚づつ撮影したが、撮影枚数及び連続撮影時に撮影する枚数はこれに限られない。
【0119】
また、上述の例では、1回目の連続撮影で「ワクなし」画像を選択し、2回目の連続撮影で「ワクプリ」画像を選択するが、写真撮影遊戯機1は、1回目の連続撮影で「ワクプリ」画像が選択されたとき、2回目の連続撮影で「ワクプリ」画像の選択を禁止してもよい。つまり、写真撮影遊戯機1は、全ての写真画像が「ワクプリ」画像になるのを禁止する。「ワクプリ」画像は、余白領域302を有する。後述の画像編集処理により余白領域302に編集画像が入力されない場合、余白領域302が目立つ。本実施の形態では、図12(A)及び図12(B)に示す印刷画像を1つの写真シールの単位とする。全ての写真画像を「ワクプリ」画像とすれば、余白領域302に編集画像が入力されない合成画像が発生する可能性が高くなり、そのような合成画像は印刷画像内で目立つ。つまり、印刷画像内の複数の合成画像同士の統一感が薄れる。そのため、写真撮影遊戯機1は、全ての画像が「ワクプリ」画像になるのを禁止してもよい。
【0120】
また、CPU103は、プレイヤが図13(C)に示す縦長の長方形画像を選択した場合、以降は、横長の長方形画像を選択できないように制限してもよい。つまり、CPU103は、印刷画像に縦長の長方形画像と横長の長方形画像とが混在しないようにする。1つの印刷画像に縦長の長方形画像と横長の長方形画像とが混在すれば、印刷画像内の複数の合成画像のイメージの統一感が薄れるからである。
【0121】
[画像編集処理]
次に、画像編集処理の詳細を説明する。CPU103は、制御プログラムに基づいて画像編集処理を実行する。
【0122】
図21を参照して、CPU103は、編集用ディスプレイ40に、画面をタッチして画像編集処理を開始するよう促す移動待ち画像を表示する(S21)。そして、プレイヤがタッチペン42でディスプレイ40をタッチしたとき、編集残り時間のカウントダウンを開始する(S22)。
【0123】
続いて、CPU103は、編集処理を行う写真画像を選択する(S23)。本実施の形態では、撮影処理により、7枚の写真画像が生成されている(ステップS9で生成される6枚の写真画像と、ステップS11で生成される1枚の写真画像)。そこで、CPU103は、7枚の写真画像を編集用ディスプレイ40に表示し、編集処理を行う6枚の写真画像の選択を受け付ける。プレイヤは、タッチペン42を用いて、所望の写真画像をタッチする。CPU103は、タッチされた6つの写真画像を、選択された写真画像として特定し、メモリ105に格納する。
【0124】
続いて、CPU103は、印刷用紙850の各印刷領域851内の各矩形領域852L及び852Rに利用されるレイアウトサンプルの選択を受け付ける(レイアウト選択処理:S24)。
【0125】
レイアウト選択処理は、以下の方法で実行される。HDD104は、複数のレイアウトサンプルを記憶する。図22(a)〜(h)はHDD104に記憶されたレイアウトサンプルの一例である。各レイアウトサンプルのサイズは、矩形領域852のサイズに対応する。図22(a)〜(d)に示すレイアウトサンプルは、矩形領域852を複数の配置領域801に区分したレイアウトサンプルである(図22(a)参照)。これらのレイアウトサンプルを、「分割レイアウトサンプル」と呼ぶ。分割レイアウトサンプルは、複数の配置領域801のみからなる。
【0126】
一方、図22(e)〜(h)に示すレイアウトサンプルは、コラージュ写真シール810用のレイアウトサンプルである。これらのレイアウトサンプルを、「コラージュレイアウトサンプル」と呼ぶ。図22(e)を参照して、コラージュレイアウトサンプルは、複数の配置領域801と、装飾領域802とを含む。装飾領域802には、所定の編集画像が既に配置されている。
【0127】
CPU103は、分割レイアウトサンプルとコラージュレイアウトサンプルとを組み合わせた複数のレイアウトテンプレートの選択画面を編集用ディスプレイ40に表示し(S241)、レイアウトテンプレートの選択を受け付ける(S242)。これにより、プレイヤは容易に、矩形領域852L及び852Rのレイアウトを選択できる。
【0128】
図23にステップS241における選択画面例を示す。図23を参照して、選択画面は、左右に2つの選択領域900L及び900Rが表示され、2人のプレイヤの各々が、所望するレイアウトテンプレートを選択できる。図11に示すように、印刷用紙850は各印刷領域851ごとに切断されるためである。したがって、各プレイヤは自分が取得する印刷用紙片のレイアウトを複数選択でき、かつ、自由に選択できる。
【0129】
各領域900(900L及び900R)は、「ノーマル」パレット901と、「コラージュ」パレット902とを含む。領域900Lを参照して、ノーマルパレット901には、矩形領域852L及び852Rに配置されるレイアウトサンプルが、いずれも分割レイアウトサンプルである。つまり、2つの分割レイアウトサンプルで組み合わされたレイアウトテンプレート920A及び920Bを表示する。一方、領域900Rを参照して、コラージュパレット902には、コラージュレイアウトサンプルと分割レイアウトサンプルとを組み合わせた複数のレイアウトテンプレート930A及び930Bが表示される。レイアウトテンプレート920A及び930Aは、印刷領域851を横長に配置した場合のレイアウトサンプルを組み合わせたものである。レイアウトテンプレート920B及び930Bは、印刷領域851を縦長に配置した場合のレイアウトサンプルである。各プレイヤは、各領域900内のタブをタッチして、ノーマルパレット901又はコラージュパレット902を選択し、所望のレイアウトテンプレート920A、920B及び930A、930Bを選択する。プレイヤがコラージュパレット902から所望のレイアウトテンプレート930Aを選択した場合、図11に示すように、一方の矩形領域852Lには分割レイアウトサンプルに応じた印刷画像が配置され、他方の矩形領域852Rにはコラージュレイアウトサンプルに応じた印刷画像が配置される。CPU103は、タッチされたレイアウトテンプレートを選択する(S242)。各プレイヤに選択されたレイアウトテンプレートは、メモリ105に格納される。
【0130】
続いて、CPU103は、図24に示す編集画面を編集用ディスプレイ40に表示する(S25)。編集画面には、左右に2つの編集領域60L及び60Rが表示され、2人のプレイヤがそれぞれの領域60(60L及び60R)で画像を編集できるようになっている。また、ステップS23で選択された複数の写真画像は、落書き切り替え領域75に表示され、左右のプレイヤの選択操作により、編集領域60L及び60Rのいずれかに割り当てられる。これにより、各々の編集領域60で異なる写真画像の編集を行うことができる。したがって、編集画像は、各写真画像ごとに作製される。
【0131】
編集画面にはさらに、スペシャル、絵文字、かざり、手書き、ペンといった編集ツールを選択するための編集ツール選択ボタン61が表示される。タッチペン42により所望の編集ツール選択ボタンがタッチされると、タッチされた編集ツールに対応したパレット67が編集領域60の下に表示される。本例では、編集領域60L用にペンツールが選択され、編集領域60R用にスペシャルツールが選択されている。各パレット67には、選択された編集ツールで利用可能なデザインの編集画像が表示された複数の選択ボタン64が配列されている。たとえば、スペシャルツールが選択された右側のパレット67には、血液型スタンプや星座スタンプ、干支スタンプ、役職スタンプが表示された選択ボタン64が列挙される。
【0132】
これらの編集画像は、編集領域60に表示された写真画像の背景画像に基づいて、HDD104から読み出され、各パレット67に表示してもよい。HDD104は、背景画像の属性情報G1〜Gm(mは自然数)に対応した複数の編集画像を記憶する。CPU103は、編集領域60内の背景画像の属性情報に応じて、複数の編集画像をパレット67に表示する。この場合、背景画像のイメージに合った編集画像が提供される。
【0133】
また、CPU103は、編集領域60に表示された写真画像の背景画像に基づいて編集画像を特定し、背景画像編集処理(図16)でのステップS712と同様に、特定された編集画像を他の編集画像と区別可能に表示してもよい。このとき、CPU103はたとえば、特定された編集画像に「オススメ」アイコン512を付与して編集用ディスプレイ40に表示する。
【0134】
他の編集ツールとして、編集処理ツール74も表示される。編集処理ツール74には、落書きを初めからやり直す「はじめから」ボタンや、1つ前の編集処理に戻る「もどる」ボタン、1つ後の編集処理に進む「すすむ」ボタン、領域60内の画像を回転する「回転」ボタン、編集により入力された編集画像を消去する「消しゴム」ボタン等が含まれる。
【0135】
CPU103は、落書き時間が制限時間に達するか(S29でYES)、おしまいボタン68がタッチペン42でタッチされる(S30でYES)までの間、選択された写真画像に対応する編集画像の入力を受け付ける。具体的には、CPU103は、タッチペン42による編集用ディスプレイ40へのタッチを検知する(S28)。CPU103がパレット67内の所望の選択ボタン64のタッチを検知すると(S28でYES、S32でYES)、タッチされた選択ボタンに表示されたデザインのツールが設定される(S34)。そして、編集領域60内をタッチすると(S28でYES、S32でNO)、タッチされた位置に選択されたデザインの編集画像を入力する(S33)。
【0136】
落書き時間が制限時間に達したとき(S29でYES)、または、おしまいボタン68へのタッチを検知したとき(S30でYES)、CPU103は、編集処理(ステップS28〜S30、S32〜S34)をいったん終了する。
【0137】
続いて、CPU103は、ステップS23で選択された写真画像のうち、対応する編集画像の入力が行われなかった写真画像を検索する(S31)。編集処理により入力された編集画像は、写真画像に対応付けてメモリ105に格納されている。CPU103はメモリ105を参照し、編集画像が対応付けられていない写真画像を検索する。
【0138】
編集画像が作製されていない写真画像が検索されたとき(S31でYES)、CPU103は、検索された写真画像に対応した編集画像の入力を受け付ける(S35及びS36)。具体的には、CPU103は、図25に示す編集画像選択画面を編集用ディスプレイ40に表示する(S35)。図25を参照して、編集画像選択画面には、検索された写真画像PI1〜PI3が表示される。そして、各写真画像PI1〜PI3の下方には、各写真画像PI1〜PI3に適した編集画像860が表示される。編集画像860は以下の方法でHDD104から選択され、読み出される。編集画像860は、各写真画像PI1〜PI3内の背景画像又はテンプレート画像(余白領域302の形状)と対応づけてHDD104に格納されている。CPU103は、検索された写真画像PI1〜PI3の背景画像又はテンプレート画像に基づいて、編集画像860をHDD104から読み出す。
【0139】
編集画像選択画面にはさらに、編集画像を入力しない「追加しない」ボタン861と、「決定」ボタン862とが表示される。
【0140】
CPU103は、各写真画像PI1〜PI3に対応した編集画像の入力を受け付ける(S36)。具体的には、プレイヤは、検索された各写真画像PI1〜PI3に対して、所望の編集画像860をタッチするか、「追加しない」ボタン861をタッチする。そして、全ての写真画像PI1〜PI3に対して編集画像860又はボタン861を選択した後、決定ボタン862を選択する。編集画像860がタッチされた場合、タッチされた編集画像が写真画像PIに対応付けられ、メモリ105に格納される。
【0141】
このように、写真撮影遊戯機1は、編集画像が作製されていない写真画像に対して、編集画像の入力を促す。図12(A)及び図12(B)に示すように、複数の合成画像がレイアウトされた印刷画像では、編集画像を含まない合成画像が目立つ。そのため、図12(A)及び図12(B)に示した印刷画像全体の統一感が出にくくなる。そこで、写真撮影遊戯機1は、なるべく写真画像に編集画像を合成するようにプレイヤに勧める。
【0142】
以上の動作を行った後、CPU103は、写真画像及び作製された編集画像を合成して複数の合成画像(本例では6つの合成画像)を生成する(S37)。生成された合成画像はメモリ105又はHDD104に保存される。
【0143】
続いて、CPU103は、ステップS24で決定されたレイアウトテンプレートが、分割レイアウトサンプルを含み、かつ、分割レイアウトサンプルが、形状が互いに相似し、かつ、サイズが異なる配置領域を含むか否かを判断する(S38)。図26に示すように、矩形領域852Lに利用されるレイアウトサンプルが分割レイアウトサンプルであり、かつ、大型領域A10と、大型領域A10と相似でありサイズが大型領域A10よりも小さい小型領域B10とを含む場合(S38でYES)、CPU103は、合成画像の配置切替を受け付ける(S39)。具体的には、CPU103は、図26に示す配置切替画面をディスプレイ40に表示する。配置切替画面には、合成画像A〜Fが配置された印刷画像例が表示される。配置切替画面にはさらに、切替ボタン910と決定ボタン911とが表示される。プレイヤは、合成画像A〜Fの配置を参照する。ここでは、合成画像A〜Eが正方形の合成画像であり、かつ、合成画像A〜Dが大型領域A10に配置され、合成画像Eが小型領域B10に配置されている。プレイヤが合成画像Eを大きなサイズで印刷したい場合、切替ボタン910をタッチする。CPU103は、切替ボタン910のタッチに応じて合成画像A〜Eの配置を変更する。より具体的には、図27に示すように、小型領域B10に配置された合成画像Eを、大型領域A10に配置された他の合成画像A〜Dのいずれかと切り替える。このように、合成画像の配置を切り替えることにより、好みの合成画像の印刷サイズを変更できる。変更後、合成画像の配置に問題がない場合、プレイヤは決定ボタン911をタッチする。CPU103は、決定ボタン911のタッチに応じて、合成画像A〜Eの配置を決定する。
【0144】
ステップS39の画像選択が完了した後、又は、互いに相似形であり、かつ、サイズが異なる複数の領域がある分割レイアウトが選択されていない場合(S38でNO)、CPU103は、ステップS24で決定されたレイアウトサンプルに基づいて、印刷領域851内の矩形領域852Lに印刷される印刷画像と矩形領域852Rに印刷される印刷画像とを含む印刷データを生成する(S40)。具体的には、ステップS24で決定された矩形領域852L用のレイアウトサンプルに基づいて、ステップS37で生成された6つの合成画像をレイアウトして矩形領域852L用の印刷画像を生成する。CPU103はさらに、矩形領域852R用のレイアウトサンプルに基づいて、ステップS37で生成された6つの合成画像をレイアウトして矩形領域852R用の印刷画像を生成する。このとき、矩形領域852R用の印刷画像には、矩形領域852L用の印刷画像と同じ6つの合成画像が利用される。CPU103は、矩形領域852L及び852R用のこれらの印刷画像を含む印刷データを作製する。各矩形領域852が異なるレイアウトサンプルを利用すれば、同じ合成画像を異なるレイアウトでレイアウトされた印刷画像を生成できる。
【0145】
プレイヤが分割レイアウトサンプルとコラージュレイアウトサンプルとを含むレイアウトテンプレートを選択した場合、ステップS40で生成される2つの印刷画像を含む印刷データは図28のようになる。矩形領域852Lと852Rとの間には余白領域855が存在する。この余白領域855は、印刷用紙850のミシン目CLに対応する。
【0146】
なお、印刷用紙850は2つの印刷領域851を有する。そして、上述のとおり、各プレイヤは各印刷領域851内の2つの矩形領域のレイアウトをそれぞれ決定する。そのため、ステップS40において、CPU103は、各印刷領域851に対応する印刷データをそれぞれ生成する。
【0147】
2つの印刷画像を含む印刷データを作製した後、CPU103は、印刷待機ブース5が使用中であるか否かを判断する(S41)。具体的には、CPU103は、後述する印刷待機処理が動作中であるか否かに基づいて、ステップS41の判断を行う。印刷待機ブース5が使用中である場合(S41でNO)、CPU103は、編集ブース3での待機をプレイヤに促す画面をディスプレイ40に表示する(S42)。一方、印刷待機ブースが空いている場合(S41でYES)、CPU103は、印刷指示及び印刷データのプリンタ601への送信を開始する(S43)。このとき、CPU103は印刷指示を初めに送信し、その後、印刷画像をプリンタ601に送信する。
【0148】
印刷指示及び印刷データの送信が開始されたとき、CPU103は、払出処理(S44)及び印刷待機処理(S45)を並行して実行する。
【0149】
[払出処理(前半)]
図29を参照して、払出処理(S44)では、CPU103は景品払出装置70内に格納された景品を、プリンタ601が印刷用紙をシール紙排出口602に排出するタイミングに合わせて、景品払出口603に排出する。
【0150】
CPU103は、印刷データの送信を開始したとき(S501でYES)、タイマカウントを開始する(S502)。そして、タイマカウント開始から所定時間ΔT1経過したか否かを監視する(S503)。この間、印刷待機処理(S45)が並行して実行される。
【0151】
所定時間ΔT1は、印刷データの送信が開始されてからプリンタ601が2枚の印刷用紙850にそれぞれのプレイヤが作製した印刷画像を印刷して排出口602に排出するまでに掛かる時間よりも短くする。これにより、景品は印刷用紙よりも先に排出口に排出される。そのため、プレイヤは印刷用紙を取り出すときに、景品の存在に気づきやすく、景品の取り忘れが抑制される。ステップS504以降の動作は後述する。
【0152】
[印刷待機処理]
ステップS502のカウントが開始されたとき、印刷待機処理(S45)は開始されている。図30を参照して、CPU103は、待機画面(デモ画面)をディスプレイ95に表示している(S601)。ステップS43で印刷画像の送信が開始されたとき、CPU103はカウントダウンを開始する(S602)。ここでは、印刷待機処理の残り時間がカウントダウンされる。続いて、CPU103は、プレイヤが操作したタッチペン92のディスプレイ95へのタッチに応じて、景品要否画面を表示する(S603)。景品要否画面には、景品を希望する場合に選択される「要求ボタン」と、景品が不要な場合に選択される「不要ボタン」とが表示される。プレイヤは、いずれかのボタンを選択する。プレイヤが景品を欲しい場合、「要求ボタン」を選択する(S603でYES)。このとき、CPU103は、景品フラグを「1」にする(S605)。景品フラグが「1」である場合、プレイヤが景品を希望したことを示し、「0」のとき、プレイヤは景品を希望しないことを示す。景品フラグはメモリ105に格納される。景品フラグを設定した後、CPU103は携帯電話機への画像送信処理を行う(S607〜S609及びS650)。
【0153】
一方、ステップS603において、プレイヤが景品を希望しない場合(S603でNO)、つまり、「不要ボタン」が選択された場合、CPU103は景品フラグを「0」としてメモリ105に格納する(S604)。ステップS601〜S605までの処理は、所定時間ΔT1よりも短い時間内に実行される。
【0154】
続いて、CPU103は、携帯電話機への画像送信処理を実行する(S607〜S609及びS650)。CPU103はまず、画像送信希望を受け付ける(S607)。CPU103は、ディスプレイ95に選択画面を表示する。選択画面には、携帯電話機への合成画像の送信を希望する「送信希望ボタン」と、画像転送を希望せずに、所定のゲームのプレイを希望する「ゲーム希望ボタン」とが表示される。
【0155】
プレイヤにより「送信希望ボタン」が選択されたとき、CPU103は、プレイヤが携帯端末機への合成画像の送信を希望したと判断する(S607でYES)。この場合、CPU103はまず、編集処理において作製された複数の合成画像のうち、携帯電話機に転送する合成画像の選択を受け付ける(S608)。このとき、複数の合成画像がレイアウトされたコラージュ画像が作製されてもよい。
【0156】
携帯電話機に転送する合成画像を受け付けた後(S608)、CPU103は携帯電話機のメールアドレスの入力を受け付ける(S609)。アドレスの入力を受け付けた後(S609)、CPU103は、入力されたアドレス宛にステップS608で選択された合成画像を送信する(S650)。具体的には、CPU103は選択された合成画像を図示しないサーバを経由してプレイヤの携帯電話機に送信する。なお、ステップS650はステップS609の入力が完了した後印刷待機処理が完了するまでの間のいずれの時期に実行してもよい。
【0157】
CPU103は、ステップS607でのプレイヤの選択にかかわらず、撮影処理(図14)中のステップS11で生成された写真画像(ボーナス写真画像)又は画像編集処理されたボーナス写真画像をサーバに送信してもよい。ボーナス写真画像は、プレイヤが持つブログ等に利用可能にする。
【0158】
S609のアドレス入力が完了したとき、又は、ステップS607でプレイヤが画像転送を希望しない場合、つまり、「ゲーム希望ボタン」が選択された場合(S607でNO)、CPU103は、ミニゲーム用プログラムを起動して、ディスプレイ95にミニゲーム画面を表示し、プレイヤにミニゲームを提供する(S610)。ミニゲームはたとえば、じゃんけんゲームやクイズ、心理テスト等であり、短時間で楽しめるものである。印刷待ち時間にミニゲームを提供することで、プレイヤは印刷待ち時間の退屈さを解消できる。
【0159】
CPU103はステップS602のカウントダウン開始から所定時間ΔT3が経過したか否かを監視する(S611)。ステップS611で所定時間ΔT3が経過したとCPU103が判断したとき(S611でYES)、CPU103はミニゲームを終了する(S612)。
【0160】
[払出指示処理(後半)]
CPU103がミニゲームを終了した後で、払出指示処理(図29)のステップS503において、CPU103は所定時間ΔT1が経過したと判断する(S503でYES)。このとき、CPU103は、メモリ105に格納された景品フラグを参照する(S504)。景品フラグが「1」である場合、プレイヤが景品を要求していることから、CPU103は景品払出指示を景品払出装置70に出力する(S505)。景品払出装置70のマイコン707は、景品払出指示を受け、景品を景品払出口603に排出する。景品払出指示を受けてから景品を払い出すまでに掛かる時間は1〜2秒程度である。この払出時間も考慮して、所定時間ΔT1は予め設定される。
【0161】
[印刷処理]
プリンタ601内で実行される印刷処理について説明する。プリンタ601はマイコンを内蔵する。プリンタ601内のマイコンは図31に示す印刷処理を実行する。
【0162】
図31を参照して、プリンタ601のマイコンは、CPU103からの印刷指示を受けたとき(S801でYES)、印刷データの受信が完了した後(S802でYES)、印刷用紙850内の対応する印刷領域851に各印刷画像を印刷する(S803)。具体的には、各印刷領域851の矩形領域852Lに、矩形領域852L用の印刷画像を印刷し、矩形領域852Rに、矩形領域852R用の印刷画像を印刷する。
【0163】
CPU103は、印刷用紙850を印刷領域851ごとにカッタで切断する(S804)。上述のとおり、プリンタ601には、予めミシン目CLが形成された印刷用紙850が格納されている。そして、プリンタ601は、ミシン目と直交する方向に印刷用紙850を切断する。
【0164】
以上の工程により、図11のラインC1で切断された2枚の印刷用紙片が、シール紙排出口602に排出される。2人のプレイヤでプレイしている場合、各プレイヤが1枚の印刷用紙片を取得できる。つまり、各プレイヤは2つの異なるレイアウトの写真シールを得ることができる。
【0165】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、図11に示す2つの印刷領域851の各々で、異なるレイアウトの画像を生成する。しかしながら、2人のプレイヤが同じ印刷画像が印刷されたおそろいの印刷用紙片を希望する場合がある。このような場合に各印刷領域851ごとに印刷画像を生成する必要はない。各印刷領域851に印刷される印刷画像は同じだからである。
【0166】
したがって、このような場合、CPU103は、1つの印刷領域用の印刷画像のみをプリンタ601に送信する。そして、プリンタ601は、2つの印刷領域に同じ印刷画像を印刷する。要するに、プリンタ601は、受信した印刷画像を2回印刷する。
【0167】
このように、プリンタ601で同じ印刷画像を2つの印刷領域に印刷すれば、コンピュータ装置101からプリンタ601に送信される印刷画像のデータ量は半分に減少する。そのため、処理時間を早めることができる。
【0168】
[その他の実施の形態]
上述の実施の形態では、印刷用紙850に配列される印刷領域851を2つとした。しかしながら、3以上の印刷領域851が配列されてもよい。プレイヤの人数に応じて、印刷用紙850上に配列される印刷領域851の数を変更してもよい。
【0169】
第1の実施の形態におけるレイアウト選択処理(図16)では、1回目に選択された背景画像に基づいて、他の背景画像が選択される。しかしながら、背景画像が選択されるごとに、ステップS710で選択される背景画像が順次異なってもよい。たとえば、3回目に選択される背景画像は、1回目及び2回目に選択される背景画像のいずれとも類似する背景画像が選択され、ステップS705で撮影用ディスプレイ11に表示されてもよい。
【0170】
図21のステップS24では、2つのレイアウトサンプルが組み合わされたレイアウトテンプレートから所望のレイアウトサンプルが選択された。しかしながら、ステップS241において図32に示す画面を表示し、レイアウトサンプルを1つずつ選択させてもよい。
【0171】
また、印刷領域851内の2つの矩形領域852L及び852Rの各々に利用するレイアウトサンプルの選択を制限してもよい。たとえば、CPU103は、図21中のステップS241で、図33に示す画面を表示する。プレイヤは、矩形領域852ごとにレイアウトサンプルを選択する。このとき、CPU103は、矩形領域852Lで選択されたレイアウトサンプルと同じレイアウトサンプルを、矩形領域852Rで選択するのを禁止する。この場合、印刷用紙片には異なるレイアウトの印刷画像が必ず印刷される。
【0172】
また、上述の第1及び第2の実施の形態では、図11に示す印刷用紙850の中央にミシン目CLを設けたが、ミシン目CLの代わりに点線を描画してもよい。この場合、各矩形領域852L及び852Rごとにハサミで切断される。また、点線も描画せずに印刷画像間に印刷しない領域(空白領域)を設けても良い。
【0173】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0174】
1 写真撮影遊戯機
4 撮影装置
8 編集装置
10 カメラ
100 制御装置
101 コンピュータ装置
104 ハードディスク
500 案内装置
521 筐体
522 開口
504 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラとプリンタとを備えた写真撮影遊戯機であって、
前記カメラにより被写体を撮影して複数の写真画像を生成する撮影制御手段と、
前記各写真画像に対応した編集画像の入力を受け付ける第1編集手段と、
前記写真画像と前記編集画像とを合成して複数の合成画像を生成する合成画像生成手段と、
複数のレイアウトサンプルを記憶する記憶手段と、
中央に直線状に延びるミシン目が形成された印刷用紙上に前記ミシン目の延びる方向に並んで配列され、各々が前記ミシン目により区分された第1及び第2矩形領域を有する複数の印刷領域における前記第1矩形領域のレイアウトと前記第2矩形領域のレイアウトとを、前記複数のレイアウトサンプルの中から選択するレイアウト選択手段と、
前記第1矩形領域用に選択されたレイアウトサンプルに基づいて、前記複数の合成画像をレイアウトして第1印刷画像を生成し、前記第2矩形領域用に選択されたレイアウトサンプルに基づいて、前記複数の合成画像をレイアウトして第2印刷画像を生成する印刷画像生成手段と、
前記第1印刷画像を前記第1矩形領域に印刷し、前記第2印刷画像を前記第2矩形領域に印刷し、前記印刷用紙を前記印刷領域ごとに切断するように前記プリンタを制御する印刷制御手段とを備える、写真撮影遊戯機。
【請求項2】
請求項1に記載の写真撮影遊戯機であって、
前記印刷画像生成手段は、前記第1印刷画像と同じ複数の合成画像を用いて前記第2印刷画像を生成する、写真撮影遊戯機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の写真撮影遊戯機であって、
前記各写真画像は、被写体画像と背景画像とを含み、
前記写真撮影遊戯機はさらに、
基準となる背景画像の選択を受け付ける第1背景選択手段と、
前記基準となる背景画像に基づいて特定された複数の背景画像を、他の複数の背景画像と区別可能に表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された複数の背景画像の中から背景画像の選択を受け付ける第2背景選択手段とを備え、
前記撮影制御手段は、前記第1及び第2背景選択手段により選択された背景画像に前記被写体画像を合成して前記複数の写真画像を生成する、写真撮影遊戯機。
【請求項4】
請求項1〜請求項3に記載の写真撮影遊戯機であって、
前記記憶手段に記憶される複数のレイアウトサンプルは、
前記第1又は第2矩形領域を、前記合成画像と相似する形状を有し前記合成画像が配置される複数の配置領域に区分した複数の分割レイアウトサンプルと、
前記第1又は第2矩形領域を、前記複数の配置領域と、前記複数の配置領域以外の領域であって、編集画像が配置される装飾領域とに区分した複数のコラージュレイアウトサンプルとを含む、写真撮影遊戯機。
【請求項5】
請求項4に記載の写真撮影遊戯機であって、
前記レイアウト選択手段は、
前記分割レイアウトサンプルとコラージュレイアウトサンプルとを組み合わせた複数のレイアウトテンプレートの中から、前記印刷領域内の第1及び第2矩形領域に利用するレイアウトテンプレートの選択を受け付ける、写真撮影遊戯機。
【請求項6】
請求項4に記載の写真撮影遊戯機であって、
前記分割レイアウトサンプル内の複数の配置領域は、大型領域と、前記大型領域と相似し前記大型領域よりも小さいサイズの小型領域とを含み、
前記写真撮影遊戯機はさらに、
選択された分割レイアウトサンプル内の大型領域及び小型領域に配置される複数の合成画像の配置を切り替える配置切替手段を備える、写真撮影遊戯機。
【請求項7】
請求項1に記載の写真撮影遊戯機であって、
前記合成画像生成手段は、生成された前記第1及び第2印刷画像を前記プリンタに送信し、
前記印刷制御手段は、前記各印刷領域に対して、同じ第1及び第2印刷画像を印刷するように前記プリンタを制御する、写真撮影遊戯機。
【請求項8】
請求項1に記載の写真撮影遊戯機であってさらに、
前記第1編集手段により、対応する編集画像が入力されなかった写真画像を検索する検索手段と、
検索された写真画像に対応した編集画像の入力を受け付ける第2編集手段とを備える、写真撮影遊戯機。
【請求項9】
請求項1に記載の写真撮影遊戯機であってさらに、
両側壁に前記被写体が出入り可能な開口を有し、内部に前記カメラが配置される撮影筐体と、
前記撮影筐体の前記側壁の外面上部に、下方を向いて配置されるスピーカと、
前記撮影制御手段の動作に応じて前記スピーカから音声を出力する音声出力制御手段とを備える、写真撮影遊戯機。
【請求項10】
カメラとプリンタとを備える写真撮影遊戯機を用いた写真撮影遊戯方法であって、
前記カメラにより被写体を撮影して複数の写真画像を生成するステップと、
前記各写真画像に対応した編集画像の入力を受け付けるステップと、
前記写真画像と前記編集画像とを合成して複数の合成画像を生成するステップと、
中央に直線状に延びるミシン目が形成された印刷用紙上に前記ミシン目の延びる方向に並んで配列され、各々が前記ミシン目により区分された第1及び第2矩形領域を有する複数の印刷領域における前記第1矩形領域のレイアウトと前記第2矩形領域のレイアウトとを前記複数のレイアウトサンプルの中から選択するステップと、
前記第1矩形領域用に選択されたレイアウトサンプルに基づいて、前記複数の合成画像をレイアウトして第1印刷画像を生成し、前記第2矩形領域用に選択されたレイアウトサンプルに基づいて、前記複数の合成画像をレイアウトして第2印刷画像を生成するステップと、
前記第1印刷画像を前記第1矩形領域に印刷し、前記第2印刷画像を前記第2矩形領域に印刷し、前記印刷用紙を前記印刷領域ごとに切断するように前記プリンタを制御するステップとを備える、写真撮影遊戯方法。
【請求項11】
写真撮影遊戯機のカメラ及びプリンタを制御するコンピュータに実装される制御プログラムであって、
前記カメラにより被写体を撮影して複数の写真画像を生成するステップと、
前記各写真画像に対応した編集画像の入力を受け付けるステップと、
前記写真画像と前記編集画像とを合成して複数の合成画像を生成するステップと、
中央に直線状に延びるミシン目が形成された印刷用紙上に前記ミシン目の延びる方向に並んで配列され、各々が前記ミシン目により区分された第1及び第2矩形領域を有する複数の印刷領域における前記第1矩形領域のレイアウトと前記第2矩形領域のレイアウトとを前記複数のレイアウトサンプルの中から選択するステップと、
前記第1矩形領域用に選択されたレイアウトサンプルに基づいて、前記複数の合成画像をレイアウトして第1印刷画像を生成し、前記第2矩形領域用に選択されたレイアウトサンプルに基づいて、前記複数の合成画像をレイアウトして第2印刷画像を生成するステップと、
前記第1印刷画像を前記第1矩形領域に印刷し、前記第2印刷画像を前記第2矩形領域に印刷し、前記印刷用紙を前記印刷領域ごとに切断するように前記プリンタを制御するステップとを前記コンピュータに実行させる、制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2011−142534(P2011−142534A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2583(P2010−2583)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【特許番号】特許第4608016号(P4608016)
【特許公報発行日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【出願人】(591237685)株式会社メイクソフトウェア (137)
【Fターム(参考)】