説明

冷却タンクの目詰まり検出装置

【課題】 従来の冷却装置では、側壁や冷却器管6の導入口6aや冷却器管6の内部に付着生物や冷却水に浮遊している泥が付着し、冷却器管6の導入値6aが塞がって、冷却水の流量が低下し、冷却ができなくなるという問題があり、この冷却ができなくなる状態を検知する必要があるという問題があった。
【解決手段】 1は冷却タンクで、超音波振動子10は冷却タンク1の内部の側壁1aに装着されて対向する側壁に向けて超音波が照射され、又超音波振動子10はパーソナルコンピュータ11の発振機能11a及び受信機能11bに接続され、受信機能11bは比較機能11cに接続され、比較機能11cに閾値信号発生機能11dから閾値信号が入力され、又、比較機能11cの出力側にアラーム信号発生機能11eが接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電所に設置された冷却装置が付着物質による目詰まりを検出する冷却タンクの目詰まり検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、発電所における冷却装置としては、図3及び図4に示すように、冷却タンク1の端部に冷却水の流入口2と流出口3が装着され、冷却タンク1の流入口2の近傍に管板4が固着され、流出口3の近傍に管板5が固着され、管板4,5に複数の孔が形成され、これらの孔に複数の冷却器管6の端部が挿入されて固着され、流入口2の近傍の冷却タンク1にのぞき窓7が形成され、冷却タンク1の側面に冷却された液体が流入する流入口8及び冷却された液体が流出する流出口9が固着されている。
【0003】
このように構成された冷却タンク1では、図5に示すように、仕切り板4から冷却器管6の導入口6aを見ると、冷却器管6の内部がみえているが、冷却水として海水を使用しているので、図6に示すように、冷却器管6の導入口6aや冷却器管6の内部に付着生物や冷却水に浮遊している泥が付着し、冷却器管6の導入口6aが塞がって、冷却水の流量が低下し、冷却効果が悪くなったり、冷却器管6の漏洩を引き起こし、冷却ができなくなるという問題があり、この冷却ができなくなる状態を検知する必要があるという問題があり、冷却器管経路内に泥や付着生物が付着すると、流体抵抗の増加により取水ポンプの負荷が増大し、冷却効率が低下し、冷却器管の閉塞というような被害を与えるために、定期的に清掃や付着生物対策を行う必要があるが、冷却器内部の汚れ具合を確認する方法がなく、的確な洗浄タイミングが把握できないという問題があった。
【特許文献1】特開平9−178373
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、従来の冷却装置では、側壁や冷却器管6の導入口6aや冷却器管6の内部に付着生物や冷却水に浮遊している泥が付着し、冷却器管6の導入値6aが塞がって、冷却水の流量が低下し、冷却ができなくなるという問題があり、この冷却ができなくなる状態を検知する必要があるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、冷却タンクの側壁に対向して装着された超音波振動子と、該超音波振動子に発振出力を送信する発振機能、前記超音波振動子からの受信信号を受信する受信機能、該受信機能からの受信信号を入力する比較機能、該比較機能において、入力された受信信号と比較する予め決められた閾値信号を発生する閾値信号発生機能、前記受信信号が前記閾値信号より大きくなったときに前記比較機能から出力される信号によって発生するアラーム信号発生機能からなり、本発明の機能はパーソナルコンピュータによって処理することも可能であり、任意の目詰まり又は付着厚によりアラームをだすこともでき、又、前記冷却タンクは内部に間隔を開けて装着された管板にほぼ平行な複数の冷却器管の両端がそれぞれ固着され、該冷却器管の一端の流入口から流入された冷却液が前記冷却器管を通過して流れ、前記冷却器管の間を冷却される液体が通過するように側面に液体流入管体及び対向部に液体流出管体が装着され、前記複数の冷却器管の一端が固着された管板に向けて前記超音波振動子から超音波を照射するようにしたものであり、前記超音波振動子は前記冷却器管の他端が固着された看板に向けて超音波を照射するようにしたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の冷却タンクの目詰まり検出装置では、冷却装置の内部又はのぞき窓に超音波振動子を装着し、パーソナルコンピュータの発振機能によって超音波振動子に発振信号を印可し、超音波振動子から照射される超音波の反射波が管板に向けて照射されると、その反射波は管板の冷却器管の孔からの反射波がないことによって冷却器管が目詰まりしていないことを検出し、反射波信号が強くなることによって目詰まりが多くなるので、予め決められた閾値により反射信号が強くなると、目詰まりしていることをアラーム等で報知することができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明では、冷却タンクの内部又は管板に固着された冷却器管の面を超音波振動子から超音波を照射し、その反射波をパーソナルコンピュータの受信機能で受信し、受信した信号を比較機能で予め決められた閾値信号と順次比較し、受信信号が予め決められた閾値信号より強くなるとアラームで報知するものである。
【実施例】
【0008】
図1は本発明の実施例の冷却タンクの目詰まり検出装置の構成図で、1は冷却タンクで、超音波振動子10は冷却タンク1の内部の側壁1aに装着されて対向する側壁に向けて超音波が照射され、又超音波振動子10はパーソナルコンピュータ11の発振機能11a及び受信機能11bに接続され、受信機能11bは比較機能11cに接続され、比較機能11cに閾値信号発生機能11dから閾値信号が入力され、又、比較機能11cの出力側にアラーム信号発生機能11eが接続されている。
【0009】
このように構成された本実施例の冷却装置の目詰まり検出装置では、冷却タンク1の側壁1aに装着された超音波振動子10にパーソナルコンピュータ11の発振機能11aから一定時間毎に発信出力が印可されると、超音波振動子10から超音波が対向壁1bに向けて照射されるが、付着生物や冷却水に浮遊している泥が堆積していない状態であれば、反射波はそのまま超音波振動子10に戻るので、受信信号に変化はないが、超音波振動子10の対向壁面1bに付着生物や冷却水に浮遊している泥が堆積すると、超音波振動子10と対向壁面1bとの間隔が狭くなるため、超音波の反射波が強くなると、パーソナルコンピュータ11の受信機能11bで受信して、比較機能11cで閾値信号発生機能11dからの閾値信号と比較することにより、受信信号の受信量が閾値信号より高くなり、それによって比較機能11cから信号が出力され、この信号でアラーム信号発生機能よりアラーム信号が発生し、このアラーム信号でブザー等からアラーム信号が発生する。
【0010】
本発明は、このように、冷却タンク1の壁面に付着生物や冷却水に浮遊している泥が堆積することを超音波により非接触で検知することができるという利点がある。
【0011】
図2は本発明の他の実施例の冷却タンクの目詰まり検出装置の構成図で、1は冷却タンク、4は管板、6aは冷却器管6の導入口、7はのぞき窓で、これらの構成は上記従来例と同じ構成であるので、説明は省略するが、本実施例では、のぞき窓7に接触して超音波振動子10が装着され、超音波振動子10はパーソナルコンピュータ11の発振機能11a及び受信機能11bに接続され、受信機能11bは比較機能11cに接続され、比較機能11cに閾値信号発生機能11dから閾値信号が入力され、又、比較機能11cの出力側にアラーム信号発生機能11eが接続されている。
【0012】
このように構成された本実施例の冷却装置の目詰まり検出装置では、冷却タンク1のぞき窓7に接触して装着された超音波振動子10にパーソナルコンピュータ11の発振機能11aから一定時間毎に発信出力が印可されると、超音波振動子10から超音波が管板5に向けて照射されるが、図4に示すように、管板5に固着された冷却器管6に目詰まりがなけれぱ、管板5から超音波が反射されるが、冷却器管6の導入口6aが孔になっており、反射波は逸れて超音波振動子10に戻らないので、超音波の受信量が少なく、従って、受信された超音波が受信機能11cに入力され、閾値信号発生器11dからの閾値信号より強度が低いので、比較機能11cからアラーム信号は発生しない。
【0013】
ここで、時間が経て図5に示すように仕切り板4に固着されている冷却器管6の端部6aに目詰まりが生じると、超音波振動子8から照射された超音波は管板5の冷却器管6の導入口6aからの反射信号が強くなるので、パーソナルコンピュータ9の受信機能9bで受信して、比較機能9cで閾値信号発生機能9dからの閾値信号と比較すると、受信信号の受信量が多くなることにより、比較機能9cから信号が出力され、それによってアラーム信号発生機能よりアラーム信号が発生し、このアラーム信号でブザー等からアラーム信号が発生する。
【0014】
本発明は、このように、冷却タンク1の仕切り板4に一端が固着された冷却器管6の目詰まりをのぞき窓7に装着した超音波振動子10からの超音波により、非接触で検知することができるという利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0015】
なお、上記実施例において、パーソナルコンピュータ9の比較機能9cに温度センサから入力される温度情報による温度補正機能を持つようにしてもよいし、冷却タンク1の多数の冷却器管6の目詰まりを検出するように構成したが、細管を設けた他の冷却装置においても使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例の冷却タンクの目詰まり検出装置の構成図である。
【図2】本発明の実施例の冷却タンクの目詰まり検出装置の構成図である。
【図3】従来の冷却タンクの側面断面図である。
【図4】図3の冷却タンクの断面図である。
【図5】図3の冷却タンクの管板の一部の平面図である。
【図6】図3の冷却タンクの目詰まりした管板の一部の平面図である。
【符号の説明】
【0017】
1 冷却タンク
2 流入口
3 流出口
4、5 管板
6 冷却器管
7 のぞき窓
8 流入口
9 流出口
10 超音波振動子
11 パーソナルコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却タンクの側壁に対向して装着された超音波振動子と、該超音波振動子に発振出力を送信する発振機能、前記超音波振動子からの受信信号を受信する受信機能、該受信機能からの受信信号を入力する比較機能、該比較機能において、入力された受信信号と比較する予め決められた閾値信号を発生する閾値信号発生機能、前記受信信号が前記閾値信号より大きくなったときに前記比較機能から出力される信号によって発生するアラーム信号発生機能からなることを特徴とする冷却タンクの目詰まり検出装置。
【請求項2】
前記比較機能に温度センサから入力される温度情報による温度補正機能を持つことを特徴とする請求項1記載の冷却タンクの目詰まり検出装置。
【請求項3】
前記超音波振動子からの受信信号を受信する受信機能、該受信機能からの受信信号を入力する比較機能、該比較機能において、入力された受信信号と比較する予め決められた閾値信号を発生する閾値信号発生機能、前記受信信号が前記閾値信号より大きくなったときに前記比較機能から出力される信号によって発生するアラーム信号発生機能をパーソナルコンピュータで処理することを特徴とする請求項2記載の冷却タンクの目詰まり検出装置。
【請求項4】
前記冷却タンクは内部に間隔を開けて装着された管板にほぼ平行な複数の冷却器管の両端がそれぞれ固着され、該冷却器管の一端の流入口から流入された冷却液が前記冷却器管を通過して流れ、前記冷却器管の間を冷却される液体が通過するように側面に液体流入管体及び対向部に液体流出管体が装着され、前記複数の冷却器管の一端が固着された管板に向けて前記超音波振動子から超音波を照射するようにしたことを特徴とする請求項1〜3記載の冷却タンクの目詰まり検出装置。
【請求項5】
前記超音波振動子は前記冷却器管の他端が固着された看板に向けて超音波を照射するようにしたことを特徴とする請求項4記載の冷却タンクの目詰まり検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−243726(P2009−243726A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−89210(P2008−89210)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000243364)本多電子株式会社 (255)
【出願人】(000173809)財団法人電力中央研究所 (1,040)
【Fターム(参考)】