説明

冷却構造及びそれを用いた投写型映像表示装置並びに電子機器

【課題】 高発熱部品を含む基板の冷却を効率的に行うことができる冷却構造及びそれを用いた投写型映像表示装置並びに電子機器を提供する。
【解決手段】 複数の発熱部品を搭載した複数の基板11a,11bを、高発熱部品21a,21bを搭載した面が互いに反対側を向くように対向させて配置すると共に、対向した基板11a,11bの高発熱部品21a,21bを熱伝導体22a,22bを介して金属製シールド板23a,23bに接触させて、対向した基板11a,11bの高発熱部品21a,21b間の距離と同等の大きさの吸入口12aを有する軸流ファン12を、その吸入口12aの外周側を対向した基板11a,11bの高発熱部品21a,21b位置に合わせて配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、冷却構造及びそれを用いた液晶プロジェクタ等の投写型映像表示装置並びに電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶プロジェクタ等の投写型映像表示装置に限らず、各種の電子機器では、基板に搭載された発熱部品を冷却ファンによって強制空冷する構造が一般的であるが、基板の片面に部品が密集し、高発熱部品や高発熱部品に取り付けられたヒートシンクに効率的に冷却空気が当たらず、高発熱部品を効率良く冷却できないといった問題がある。
【0003】
発熱部品の冷却を改善する技術として、特許文献1には、発熱部品を搭載した基板を、基板全体を覆うシールドケースに熱伝導体を介して接触させることにより冷却効果を高める技術が開示されている。
【特許文献1】特開平7−202478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の技術では、発熱部品を搭載した基板全体がシールドケースで覆われているので、強制空冷が必要なものには対応できない。
【0005】
そこで、本願発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、高発熱部品を含む基板の冷却を効率的に行うことができる冷却構造及びそれを用いた投写型映像表示装置並びに電子機器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記のような目的を達成するために、本願発明の請求項1に係る冷却構造は、複数の発熱部品を搭載した複数の基板を、高発熱部品を搭載した面が互いに反対側を向くように対向させて配置すると共に、対向した基板の高発熱部品を直接又は熱伝導体を介して金属製シールド板に接触させて、対向した基板の高発熱部品間の距離と同等の大きさの吸入口又は吐出口を有する冷却ファンを、その吸入口又は吐出口の外周側を対向した基板の高発熱部品位置に合わせて配置したことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に係る冷却構造は、請求項1記載の冷却構造において、前記冷却ファンによる冷却空気が前記金属製シールド板の外表面にも流れるように構成したことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に係る冷却構造は、請求項1又は請求項2記載の冷却構造において、前記基板は前記金属性シールド板に保持されることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4に係る冷却構造は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の冷却構造において、前記冷却ファンは軸流ファンから成ることを特徴とするものである。
【0010】
請求項5に係る冷却構造は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の冷却構造において、前記基板は電源ユニットを構成することを特徴とするものである。
【0011】
請求項6に係る投写型映像表示装置は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の冷却構造を備えて発熱部品を冷却すると共に、光源ランプから照射された光を映像信号に基づき変調し、変調された映像光を拡大投写することを特徴とするものである。
【0012】
請求項7に係る電子機器は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の冷却構造を備えて発熱部品を冷却することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本願発明の請求項1記載の冷却構造によれば、各基板の高発熱部品を搭載した面が互いに反対側を向くように対向させて配置すると共に、対向した基板の高発熱部品を直接又は熱伝導体を介して金属製シールド板に接触させて、対向した基板の高発熱部品間の距離と同等の大きさの吸入口又は吐出口を有する冷却ファンを、その吸入口又は吐出口の外周側を対向した基板の高発熱部品位置に合わせて配置したことにより、冷却ファンは一般に、その吸入口又は吐出口の外周側の風量が大きいので、高発熱部品には大きな風量の冷却空気が当たることで、高発熱部品を含む基板の冷却を効率的に行うことができる。
【0014】
請求項2記載の冷却構造によれば、冷却ファンによる冷却空気が金属製シールド板の外表面にも流れるように構成したことにより、高発熱部品を直接又は熱伝導体を介して接触させた金属製シールド板を両面から冷却することができるので、高発熱部品を含む基板の冷却をより効率的に行うことができる。
【0015】
請求項3記載の冷却構造によれば、基板は金属性シールド板に保持されるので、電磁波を遮蔽する金属製シールド板が基板保持も兼ねることで、別途保持部材が不要となって低コスト化を図ることができる。
【0016】
請求項4記載の冷却構造によれば、冷却ファンは軸流ファンから成るものであるから、軸流ファンはその吸入口又は吐出口の外周側の風量が特に大きいので、より効果的である。
【0017】
請求項5記載の冷却構造によれば、前記基板は電源ユニットを構成するものであるから、電源ユニットはパワーFETやパワーダイオード等の高発熱部品が多いので、特に効果的である。
【0018】
請求項6記載の投写型映像表示装置によれば、上記のような冷却構造を採用したことにより、当該装置内には、一般に、電源ユニットとしてメイン電源基板と光源ランプ駆動用のランプバラスト基板が対になって備えられているので、高発熱部品を多く含むこれらの基板の冷却を効率的に行うことができて特に有効である。
【0019】
請求項7記載の電子機器によれば、上記のような冷却構造を採用することにより、高発熱部品を含む基板の冷却を効率的に行うことができる電子機器を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本願発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1〜図3は、本願発明の一実施形態である液晶プロジェクタの全体構成を示す斜視図で、図1は背面側斜め上方から見た外観斜視図、図2は同じくその上ケースや制御基板等を取り外して見た斜視図、図3は同じくその光学系を取り外して見た斜視図である。
【0022】
図1に示すように、この液晶プロジェクタ1の外郭を成す本体ケース2は、樹脂製で、やや横長の箱形形状を成し、上ケース2aの上面中央部には、操作表示部3が設けられている。
【0023】
また、背面側の左下側には冷却用の吸気口4が形成され、その上方には、映像や音声等の各種入出力ケーブルを接続するための入出力端子群などを露出させたAVパネル5が設けられている。上記吸気口4は、スリット状の多数の通気孔が開閉可能な蓋6に形成されて成り、この開閉蓋6を開けることにより図示しないフィルタが着脱可能になっている。
【0024】
一方、背面側から見て右側面には、スリット状の多数の通気孔から成る排気口7が上ケース2aから下ケース2bにわたって形成されている。
【0025】
また、図2に示すように、前面側には投写レンズ8が露出している。本体ケース2(下ケース2b)の内部には、前方から見て左側奥部に光源ランプユニット9が配置されていると共に、この光源ランプユニット9から前記投写レンズ3に至る光学系10が略L字状に配置されている。
【0026】
上記投写レンズ8の排気口7側には電源ユニット11が配置されている。この電源ユニット11と排気口7間には、排気ファンとして電源周り冷却用の軸流ファン(プロペラファン)12が内蔵されている。また、排気ファンとしては、上記軸流ファン12と並設されると共に光源ランプユニット9に隣接してランプ周り冷却用の軸流ファン(プロペラファン)13が内蔵されている。さらに、光源ランプユニット9は、超高圧水銀ランプ等から成ってかなりの高温になるので、別途ランプ冷却専用の遠心ファン(シロッコファン)14が備えられている。
【0027】
一方、図3に示すように、吸気口4の内側には、RGB(赤色,緑色,青色)各色毎の液晶パネルと偏光板や偏光ビームスプリッタ等を冷却するための吸気ファンとして2台の遠心ファン(シロッコファン)15,15が内蔵されており、これらの遠心ファン15からの冷却風が吐出側ダクト16を介して吹出口17から液晶パネルと偏光板や偏光ビームスプリッタ等の光学部品に送風されて、これらが冷却されるようになっている。
【0028】
図4は本実施形態の排気構造を示す図で、(a)は排気口部分の外観斜視図、(b)は(a)では見えにくい金属製排気口を取り出して樹脂製排気口と共に示した斜視図である。
【0029】
本実施形態においては、樹脂製の外壁(上ケース2a及び下ケース2b)に形成された上述の排気口7の内側に、金属製の内壁16に形成された排気口17が設けられている。上記内壁16は、電磁波を遮蔽するアルミ等のシールド部材から形成されてシールドケースを兼ねている。
【0030】
上記樹脂製排気口7と金属製排気口17は共に多数の通気孔7a,17aから成っているが、金属製排気口17の各通気孔17aは、所定の安全規格に対応させて小さく形成すると共に、各通気孔17a間の間隔も小さく形成して、開口率をできる限り上げるように形成している。
【0031】
具体的には、手指を模したテストフィンガーや異物として小さなコイン(一般的に知られている米国のダイムコイン等)が内部に挿入できない程度に、図4(b)に示す如く、金属製排気口17の各通気孔17aを小さな矩形状に形成すると共に、各通気孔17a間の間隔は金属製を生かしてほぼ線状になるほど細くし、全体として網状になるようにして開口率を向上させている。
【0032】
一方、樹脂製排気口7の各通気孔7aは、上記金属製排気口17の通気孔17aより大きな横長の長孔状に形成して、各通気孔7a間の間隔を余り小さくできない樹脂成形上の制約を補って、開口率が低下しないように形成している。
【0033】
また、本実施形態では、外側にある樹脂製排気口7と内側にある金属製排気口17の各通気孔7a,17aの大きさや位置関係を、樹脂製排気口7の内側に異物としての小さなコインが入らないように設定している。すなわち、外側にある樹脂製排気口7の各通気孔7aの大きさを上記コインが入らない程度に小さくするか、あるいはコインが入る大きさであっても内側にある金属製排気口17の各通気孔17aの周縁にあたって入らないように設定されている。
【0034】
さらに、本実施形態の液晶プロジェクタ1においては、かなりの高温になる光源ランプユニット9や電源ユニット11からの排気が排出されて金属製排気口17が高温になる畏れがあるので、外側の樹脂製排気口7の各通気孔7aをテストフィンガーが貫通しない大きさに設定している。
【0035】
図5〜図9は、本実施形態の冷却構造を示す図で、図5は電源ユニットと軸流ファン等を示す斜視図、図6は図5からダクトを取り外して示した斜視図、図7は図5のファン側からみた側面図、図8は図5の分解斜視図、図9は図6の横断面図である。
【0036】
本実施形態における液晶プロジェクタ1の電源ユニット11は、図8,図9に示すように、装置全体への電源供給を司るメイン電源基板11aと、光源ランプユニット9への電源供給を司るランプバラスト基板11bとを有している。各基板11a,11bには、一面側に発熱部品を含む多くの部品20a,20bが搭載されていると共に、他面側には発熱部品の中でも発熱量が大きいパワーFETやパワーダイオード等の高発熱部品21a,21bが搭載されている。
【0037】
上記メイン電源基板11aとランプバラスト基板11bは、上記高発熱部品21a,21bを搭載した面が互いに反対側を向くように対向して配置されている。さらに、各基板11a,11bの高発熱部品21a,21bが、絶縁性を有する熱伝導体22a,22bを介して、電磁波を遮蔽するアルミ等の金属製シールド板23a,23bに接触するように、各基板11a,11bと各熱伝導体22a,22bがそれぞれの金属製シールド板23a,23bにネジ止め固定されて保持されている。なお、高発熱部品21a,21bが金属製シールド板23a,23bとの絶縁を不要とするものであれば、熱伝導体22a,22bを介さずに金属製シールド板23a,23bに直接接触させても良い。
【0038】
上記各金属製シールド板23a,23bは、図8の分解斜視図に示すように、縦断面が逆L字状に形成され、下述する軸流ファン側が開放され、その反対面側には多数の通気孔23cが形成されて、組み立てられると各基板11a,11bを覆うシールドケースを成すように形成されている。
【0039】
そして、上記各金属製シールド板23a,23bの開放した側には、図9に示すように、対向した基板11a,11bの高発熱部品21a,21b間の距離と同等の大きさの吸入口12aを有する冷却ファンとしての軸流ファン12が、その吸入口12aの外周側を対向した基板11a,11bの高発熱部品21a,21b位置に合わせて配置されている。これは、吸入口12aの外周側の方が風量が大きいからである。
【0040】
上記軸流ファン12は、その吸入口12aから吐出口12bにわたってダクト12cで覆われ、吸入口12a側のダクト12c開口が各金属製シールド板23a,23bの開口側にセットされ、吐出口12b側のダクト12c開口が前述した金属製排気口17側にセットされる。従って、軸流ファン12が駆動されると、電源ユニット11側から吸入した空気が金属製排気口17を介して樹脂製排気口7から装置外に排出されるようになっている。
【0041】
また、上記軸流ファン12の吸入口12aの大きさ及びダクト12cは、軸流ファン12による冷却空気が各金属製シールド板23a,23bの外表面にも流れるように構成されている。
【0042】
なお、上記では、冷却ファンとして軸流ファン12を用いた場合について説明したが、遠心ファン(シロッコファン)を用いた場合でも、軸流ファンほどではないが吸入口の外周側の方が風量が大きいので、上記とほぼ同様に構成すれば良い。また、上記では、軸流ファン12の上流側に電源ユニット11が配置されている場合について説明したが、軸流ファン12の下流側に電源ユニット11が配置される場合にも、電源ユニット11と対向する面が吸入口12aから吐出口12bになる以外はほぼ同様に構成すれば良い。
【0043】
本実施形態の液晶プロジェクタ1は以上のように構成されて、図2に示した光源ランプユニット9から照射された光を光学系10を介してRGBの3色に分離すると共に、各色毎の液晶パネルで映像信号に基づき変調し、変調された映像光を合成して、投写レンズ8を介してスクリーン上に拡大投写するようになっている。
【0044】
上記光学系10を構成する各色毎の液晶パネルと偏光板や偏光ビームスプリッタ等の光学部品は、図3に示したように吸気口4の内側に内蔵された2台の遠心ファン15,15からの冷却風が吐出側ダクト16を介して、上記光学部品の下側に形成された吹出口17から吹き付けられて冷却される。
【0045】
また、光源ランプユニット9は、図2に示したランプ冷却専用の遠心ファン14からの吐出風が吹き付けれて冷却されると共に、温度が上昇したランプ周りの空気が軸流ファン13により吸い込まれて排気口7から装置外に排出されることにより冷却される。
【0046】
一方、電源ユニット11は、温度が上昇した内部や周囲の空気が軸流ファン12により吸い込まれて排気口7から装置外に排出されると共に、当該軸流ファン12の吸引によって電源ユニット11の内部や外表面に生じる空気流によって冷却される。
【0047】
また、本実施形態の排気構造によれば、内側にある金属製排気口17の各通気孔17aを所定の安全規格に対応させて小さく形成すると共に、各通気孔17a間の間隔も小さく形成して開口率を上げる一方、外側にある樹脂製排気口7の各通気孔7aは金属製排気口17の各通気孔17aより大きく形成したことにより、排気口からの指や異物の挿入、排気口の強度低下、排気口温度の上昇等の問題を解決しながら、金属製排気口17の開口率を実現できるので、排気効率を上げることができる。
【0048】
また、上記金属製排気口17が形成される内壁16は、電磁波を遮蔽するアルミ等のシールド部材から形成されてシールドケースを兼ねているので、電磁波が漏れるのも防ぐことができる。
【0049】
さらに、外側の樹脂製排気口7と内側の金属製排気口17の各通気孔7a,17aの大きさや位置関係を、樹脂製排気口17の内側に異物としての小さなコインが入らないように設定したことにより、外側の樹脂製排気口7と内側の金属製排気口17の間にコインなどの異物が入るのを防ぐことができる。
【0050】
また、外側の樹脂製排気口7の各通気孔7aをテストフィンガーが貫通しない大きさに設定したことにより、光源ランプユニット9や電源ユニット11からの排気によって金属製排気口17が高温になる場合にも、その外側の樹脂製排気口7の通気孔7aから指を挿入できないので、高温の金属製排気口17に触れて火傷等をする畏れもなくなって、安全性が向上する。
【0051】
そして、本実施形態の液晶プロジェクタ1のような投写型映像表示装置に上記のような排気構造を採用したことにより、当該装置内には、かなりの高温になる光源ランプユニット9や電源ユニット11等が内蔵されているので、排気口からの指や異物の挿入、排気口の強度低下、排気口温度の上昇等を招くことなく排気効率を上げることが可能なものが実現できて、特に有効である。
【0052】
また、本実施形態の冷却構造によれば、電源ユニット11を構成するメイン電源基板11aとランプバラスト基板11bを、それぞれの高発熱部品21a,21bを搭載した面が互いに反対側を向くように対向させて配置すると共に、対向した基板11a,11bの高発熱部品21a,21bを絶縁性を有する熱伝導体22a,22bを介して金属製シールド板23a,23bに接触させて、対向した基板11a,11bの高発熱部品21a,21b間の距離と同等の大きさの吸入口12aを有する軸流ファン12を、その吸入口12aの外周側を対向した基板11a,11bの高発熱部品21a,21b位置に合わせて配置したことにより、軸流ファン12は、その吸入口12aの外周側の風量が大きいので、高発熱部品21a,21bに大きな風量の冷却空気が当たることで、高発熱部品21a,21bを含む基板11a,11bの冷却を効率的に行うことができる。
【0053】
また、上記軸流ファン12による冷却空気が金属製シールド板23a,23bの外表面にも流れるように構成したことにより、高発熱部品21a,21bを熱伝導体22a,22bを介して接触させた金属製シールド板23a,23bを両面から冷却することができるので、高発熱部品21a,21bを含む基板11a,11bの冷却をより効率的に行うことができる。
【0054】
また、各基板11a,11bは金属性シールド板23a,23bに保持されるので、電磁波を遮蔽する金属製シールド板23a,23bが基板保持も兼ねることで、別途保持部材が不要となって低コスト化を図ることができる。
【0055】
さらに、軸流ファン12はその吸入口12aや吐出口12bの外周側の風量が特に大きいので、より効果的である。
【0056】
また、上記各基板11a,12bは電源ユニット11を構成するものであるから、電源ユニット11はパワーFETやパワーダイオード等の高発熱部品21a,21bが多いので、特に効果的である。
【0057】
そして、本実施形態の液晶プロジェクタ1のような投写型映像表示装置に上記のような冷却構造を採用したことにより、当該装置内には電源ユニット11としてメイン電源基板11aと光源ランプ駆動用のランプバラスト基板11bが対になって備えられているので、高発熱部品21a,21bを多く含むこれらの基板11a,11bの冷却を効率的に行うことができて、特に有効である。
【0058】
なお、上記実施形態では、投写型映像表示装置として光変調素子に液晶パネルを用いた液晶プロジェクタを示したが、他の映像光生成系を備える投写型映像表示装置においても本願発明を適用することができる。すなわち、DLP(Digital Light Processing;テキサス・インスツルメンツ(TI)社の登録商標)方式等のプロジェクタにおいても本願発明を適用することができる。また、前面投写型の他、背面投写型映像表示装置においても本願発明を適用することができる。
【0059】
また、投写型映像表示装置に限らず、一般的な電子機器においても、上記のような排気構造や冷却構造を採用することにより、排気口からの指や異物の挿入、排気口の強度低下、排気口温度の上昇等を招くことなく排気効率を上げることが可能な電子機器や、高発熱部品を含む基板の冷却を効率的に行うことができる電子機器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本願発明の一実施形態としての液晶プロジェクタの全体構成を示す斜視図で、背面側斜め上方から見た外観斜視図。
【図2】同じくその上ケースや制御基板等を取り外して見た斜視図。
【図3】同じくその光学系を取り外して見た斜視図。
【図4】本実施形態の排気構造を示す図で、(a)は排気口部分の外観斜視図、(b)は(a)では見えにくい金属製排気口を取り出して樹脂製排気口と共に示した斜視図。
【図5】本実施形態の冷却構造を示す図で、電源ユニットと軸流ファン等を示す斜視図。
【図6】上記図5からダクトを取り外して示した斜視図。
【図7】上記図5のファン側からみた側面図。
【図8】上記図5の分解斜視図。
【図9】上記図6の横断面図。
【符号の説明】
【0061】
1 液晶プロジェクタ
2 本体ケース
2a 上ケース
2b 下ケース
4 吸気口
6 開閉蓋
7 排気口
7a 通気孔
8 投写レンズ
9 光源ランプユニット
10 光学系
11 電源ユニット
11a メイン電源基板
11b ランプバラスト基板
12,13 軸流ファン
12a 吸入口
12b 吐出口
12c ダクト
14,15 遠心ファン
16 内壁
17 排気口
17a 通気孔
21a,21b 高発熱部品
22a,22b 熱伝導体
23a,23b 金属製シールド板
23c 通気孔


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発熱部品を搭載した複数の基板を、高発熱部品を搭載した面が互いに反対側を向くように対向させて配置すると共に、対向した基板の高発熱部品を直接又は熱伝導体を介して金属製シールド板に接触させて、対向した基板の高発熱部品間の距離と同等の大きさの吸入口又は吐出口を有する冷却ファンを、その吸入口又は吐出口の外周側を対向した基板の高発熱部品位置に合わせて配置したことを特徴とする冷却構造。
【請求項2】
前記冷却ファンによる冷却空気が前記金属製シールド板の外表面にも流れるように構成したことを特徴とする請求項1記載の冷却構造。
【請求項3】
前記基板は前記金属性シールド板に保持されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の冷却構造。
【請求項4】
前記冷却ファンは軸流ファンから成ることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の冷却構造。
【請求項5】
前記基板は電源ユニットを構成することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の冷却構造。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の冷却構造を備えて発熱部品を冷却すると共に、光源ランプから照射された光を映像信号に基づき変調し、変調された映像光を拡大投写することを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の冷却構造を備えて発熱部品を冷却することを特徴とする電子機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−54644(P2009−54644A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−217419(P2007−217419)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】