冷却用熱交換器の運転方法、及び、その運転方法を実施するのに使用する外気調整システム
【課題】冬期において冷却用熱交換器における内部水の凍結を効果的に防止しながら、省エネルギ化の面や運転コストの節減面でも有利にする。
【解決手段】外気OAを冷水Wと熱交換させて冷却する外気冷却運転では、冷却用熱交換器6の通風通水方式を対向流方式に切り換えた状態にし、凍結防止用水Wを通水して凍結を防止する凍結防止運転では、冷却用熱交換器6の通風通水方式を並行流方式に切り換えた状態にするとともに、凍結防止用水Wの通水量を調整することで、冷却用熱交換器6の通風路出口における外気OAの温度to、又は、冷却用熱交換器6の通水路出口における凍結防止用水Wの温度を設定凍結防止温度toxに調整する。
【解決手段】外気OAを冷水Wと熱交換させて冷却する外気冷却運転では、冷却用熱交換器6の通風通水方式を対向流方式に切り換えた状態にし、凍結防止用水Wを通水して凍結を防止する凍結防止運転では、冷却用熱交換器6の通風通水方式を並行流方式に切り換えた状態にするとともに、凍結防止用水Wの通水量を調整することで、冷却用熱交換器6の通風路出口における外気OAの温度to、又は、冷却用熱交換器6の通水路出口における凍結防止用水Wの温度を設定凍結防止温度toxに調整する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調設備などで用いる冷却用熱交換器の運転方法、及び、その運転方法を実施するのに使用する外気調整システムに関する。
【0002】
さらに詳しくは、冷却用熱交換器の通風路に高温の外気を通風するとともに、冷却用熱交換器の通水路に冷却手段により冷却した冷水を通水することで、その高温外気を冷水と熱交換させて冷却する外気冷却運転と、
通風路に低温の外気が通風されている冷却用熱交換器の通水路に凍結防止用水を通水することで、その通水路における水が低温外気により冷却されて凍結するのを防止する凍結防止運転とを、選択的に実施する冷却用熱交換器の運転方法、及び、その運転方法を実施するのに使用する外気調整システムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来、外気調整システムとして、図12に示すように、外気OAを予冷又は予熱する第1熱交換器N1と、外気OAを冷却する第2熱交換器N2と、外気OAを加熱する第3熱交換器N3とを、その順に外気OAの通風方向に並べて装備したシステムが提案されている。
【0004】
このシステムでは、夏期には冷却塔CTにより冷却した冷却熱媒水Wを第1熱交換器N1に通水することで、第1熱交換器N1に通風する高温の外気OAを冷却熱媒水Wと熱交換させて予冷する予冷運転を第1熱交換器N1において実施し、この予冷後の外気OAを除湿目的などのために次段の第2熱交換器N2において更に冷却する。
【0005】
一方、冬期には熱回収熱交換器Hによる回収熱で加熱した加熱熱媒水Wを第1熱交換器N1に通水することで、第1熱交換器N1に通風する低温の外気OAを加熱熱媒水Wと熱交換させて予熱し、この予熱後の外気OAを後段の第3熱交換器N3において更に加熱する。
【0006】
そして、このように冬期において、第1熱交換器N1に加熱熱媒水Wを通水して外気OAを予熱することで、運転休止状態にある次段の第2熱交換器N2における内部滞留水が低温外気OAにより冷却されて凍結するのを防止するとともに、第1熱交換器N1における内部の熱媒水Wそのものが低温外気OAにより冷却されて凍結するのを防止する凍結防止運転を兼ねるようにしている。(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−50562
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、空気を水と熱交換させる熱交換器については、通風路上流側を通水路上流側とする並行流方式の熱交換器に比べて、通風路上流側を通水路下流側とする対向流方式の熱交換器の方が高い熱交換効率を得られることが知られており、このことから、外気を水と熱交換させて冷却又は加熱する外気用の熱交換器についても一般的には対向流方式の熱交換器が用いられる。
【0009】
即ち、上記システムにおいて、第1〜第3熱交換器N1〜N3に対向流方式の熱交換器を用いることで、外気の冷却効率や加熱効率を高く確保することができ、省エネルギ化の面や運転コストの節減面で有利になる。
【0010】
しかし、上記システムにおいて第1熱交換器N1(本発明で言う冷却用熱交換器に相当)に対向流方式の熱交換器を用いた場合、冬期の凍結防止運転において、図4の実線のグラフに示すように、凍結防止用水として熱交換器の通水路に通水する水Wが、通水路下流側(即ち、外気OAの通風路上流側)へ進むほど、熱交換器の通風路入口における未だ予熱されていない低温外気OAの温度に向かって大きく温度降下し、このため、熱交換器の通風路入口における外気OAの温度がかなり低い場合(例えば−8℃)や、凍結防止用水として熱交換器の通水路に通水する水Wの温度が低い場合(例えば7℃)には、熱交換器における内部の水(即ち、熱交換器の通水路における凍結防止用水)そのものが冷温外気OAにより冷却されて凍結に至り易いことが判明した。
【0011】
なお、上記の図4及び後記の図5において破線のグラフは熱交換器における通風外気OAの温度変化を示す。
【0012】
一方、上記システムにおいて第1熱交換器N1に並行流方式の熱交換器を用いた場合、冬期の凍結防止運転において、図5の実線のグラフに示すように、凍結防止用水として熱交換器の通水路に通水する水Wが熱交換器の通風路出口における外気OAの温度(即ち、水Wとの熱交換で昇温した外気OAの温度)未満に温度降下することはなく、このため、対向流方式の熱交換器を用いる場合に比べ、熱交換器における内部水Wの凍結を効果的に防止することができる。
【0013】
しかし、上記システムにおいて第1熱交換器N1に並行流方式の熱交換器を用いた場合には、第1熱交換器N1に対向流方式の熱交換器を用いる場合に比べ、前述の如く外気OAの冷却効率や加熱効率が低く制限され、省エネルギ化の面や運転コストの節減面で不利になる。
【0014】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、合理的な運転形態を採ることで、冬期において冷却用熱交換器における内部水の凍結を効果的に防止しながら、省エネルギ化の面や運転コストの節減面でも有利にし得る冷却用熱交換器の運転方法を提供する点にあり、併せて、その運転方法の実施に好適な外気調整システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1特徴構成は、冷却用熱交換器の運転方法に係り、その特徴は、
冷却用熱交換器の通風路に高温の外気を通風するとともに、前記冷却用熱交換器の通水路に冷却手段により冷却した冷水を通水することで、その高温外気を冷水と熱交換させて冷却する外気冷却運転と、
通風路に低温の外気が通風されている前記冷却用熱交換器の通水路に凍結防止用水を通水することで、その通水路における水が低温外気により冷却されて凍結するのを防止する凍結防止運転とを、選択的に実施する冷却用熱交換器の運転方法であって、
前記外気冷却運転では、前記冷却用熱交換器の通風通水方式を通風路上流側が通水路下流側となる対向流方式に切り換えた状態にし、
前記凍結防止運転では、前記冷却用熱交換器の通風通水方式を通風路上流側が通水路上流側となる並行流方式に切り換えた状態にするとともに、
前記冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水の通水量を調整することで、前記冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、前記冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度を設定凍結防止温度に調整する点にある。
【0016】
つまり、この運転方法によれば、外気冷却運転では冷却用熱交換器の通風通水方式を対向流方式に切り換えるから、並行流方式の熱交換器を用いて外気を冷却するのに比べ、外気の冷却において高い冷却効率を得ることができ、省エネルギ化の面や運転コストの節減面において有利にすることができる。
【0017】
一方、凍結防止運転では、冷却用熱交換器の通風通水方式を、冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水が冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度未満に温度降下することのない並行流方式(前記図5参照)に切り換えるから、冷却用熱交換器における内部水の凍結(即ち、冷却用熱交換器の通水路における凍結防止用水の凍結)も効果的に防止することができる。
【0018】
また、凍結防止運転では、冷却用熱交換器の通風通水方式を並行流方式に切り換えることに加え、冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水の通水量を調整することで、冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度を設定凍結防止温度に調整するから、あるいはまた、凍結防止用水の温度が最も低くなる冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度を設定凍結防止温度に調整するから、それら設定凍結防止温度として凍結防止用水の凍結に至らない適当な温度を設定しておくことで、冷却用熱交換器における内部水の凍結を一層確実に防止することができる。
【0019】
そしてまた、冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水の通水量を上記の如く調整する方式を採ることで、凍結防止用水の通水量を安全を見込んだ固定の通水量にするのに比べ、凍結防止用水の平均通水量を効果的に少量化してポンプ消費動力を低減しながら、通風路入口における外気温度の変動にも対応した状態で冷却用熱交換器における内部水の凍結を効果的に防止することができ、この点からも、省エネルギ化の面や運転コストの節減面において一層有利にすることができる。
【0020】
なお、上記運転方法において、外気冷却運転で冷却用熱交換器の通水路に通水する冷水を冷却する冷却手段は、各種形式の冷凍機や冷水発生機に限らず、冷却塔などであってもよく、また、種々の流体などからの回収冷熱により水を冷却するものであってもよい。
【0021】
凍結防止運転で冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水は、加熱水に限らず、非加熱の水や冷却された水であってもよく、また、外気冷却運転と同様に冷却手段により冷却した冷水を凍結防止用水として冷却用熱交換器に通水するようにしてもよい。
【0022】
冷却用熱交換器の通風通水方式を対向流方式と並行流方式とに選択的に切り換えるには、冷却用熱交換器の通水路に対する通水向きを切り換えるのが容易ではあるが、場合によっては、冷却用熱交換器の通風路に対する外気の通風向きを切り換えることにより対向流方式と並行流方式との切り換えを行なうにしてもよい。
【0023】
本発明において対向流方式とは、冷却用熱交換器における通水路の一部に外気の通風方向に対して直交ないし斜交する部分が含まれてもよく、冷却用熱交換器の全体として通風路上流側が通水路下流側になるものであればよい。
【0024】
また、同様に本発明において並行流方式とは、冷却用熱交換器における通水路の一部に外気の通風方向に対して直交ないし斜交する部分が含まれてもよく、冷却用熱交換器の全体として通風路上流側が通水路上流側になるものであればよい。
【0025】
凍結防止用水の通水量調整については、その通水量調整により冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度を設定凍結防止温度に調整する調整形態と、その通水量調整により冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度を設定凍結防止温度に調整する調整形態とのいずれを採用してもよい。
【0026】
また、設定凍結防止温度としては、冷却用熱交換器の通水路における凍結防止用水が凍結に至らない温度範囲内で、上記した両調整形態のいずれを採用するかによって、あるいはまた、冷却用熱交換器の設置条件や運転条件などによって適当な温度を選定すればよい。
【0027】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成の運転方法に係り、その特徴は、
前記凍結防止運転において、前記冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水の通水量を調整するのに、
その通水量調整の調整範囲を、前記冷却用熱交換器の通水路における凍結防止用水の流速が設定下限流速以上となる水量範囲内に制限する点にある。
【0028】
つまり、冷却用熱交換器の通水路を流れる凍結防止用水の温度が凍結温度(例えば0℃)より高く保たれたとしても、図6の(a)に示す如く外気が低温(例えば−8℃)で冷却用熱交換器の伝熱壁18における通水路側18aの壁面温度が凍結温度以下になると、その通水路側壁面18aにおいて氷核が形成され、この氷核の成長により冷却用熱交換器における内部水Wの凍結(即ち、冷却用熱交換器の通水路における凍結防止用水そのものの凍結)に至る場合がある。
【0029】
そして、このような伝熱壁における通水路側壁面での氷核形成を防止するには、冷却用熱交換器の通水路における凍結防止用水の流速vを大きくして、凍結防止用水Wと通水路側壁面18aとの間の熱抵抗を小さくし、そのことで、図6の(b)に示す如く伝熱壁18における通水路側壁面18aの温度降下を抑制することが有効であることも判明した。
【0030】
このことに基づき、上記運転方法では、前述の如く凍結防止用水の通水量調整により、冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度を設定凍結防止温度に調整することにおいて、その通水量調整の調整範囲を、冷却用熱交換器の通水路における凍結防止用水の流速が設定下限流速以上となる水量範囲内に制限し、これにより、凍結防止用水と伝熱壁における通水路側壁面との間の熱抵抗を小さくして、伝熱壁における通水路側壁面の温度降下を抑制する。
【0031】
即ち、冷却用熱交換器の通水路における凍結防止用水の流速が設定下限流速以上であるときには、凍結防止用水の通水量調整により、冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度を設定凍結防止温度に調整するが、その通水量調整において冷却用熱交換器の通水路における凍結防止用水の流速が設定下限流速まで低下すると、冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度が設定凍結防止温度より高温になることを許して、それ以上の減少側への通水量調整を禁止し、そのことで伝熱壁における通水路側壁面の温度降下を抑制する。
【0032】
したがって、この運転方法において、設定下限流速として適当な流速を設定しておけば、並行流方式に切り換えた状態にある冷却用熱交換器において、冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度を設定凍結防止温度に調整しているにもかかわらず、上記の如き氷核形成に原因して冷却用熱交換器の内部水凍結を招くことも効果的に防止することができ、これにより、冷却用熱交換器における内部水の凍結を一層確実に防止することができる。
【0033】
本発明の第3特徴構成は、第2特徴構成の運転方法に係り、その特徴は、
前記凍結防止運転において、前記冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が低温になるほど、前記設定下限流速を増大側に変更する点にある。
【0034】
つまり、この運転方法によれば、冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が低温になるほど、換言すれば、前述の氷核形成が生じ易くなるほど、前記設定下限流速を増大側に変更するから、氷核形成に原因する冷却用熱交換器の内部水凍結を一層確実に防止することができる。
【0035】
そしてまた、この運転方法によれば、凍結防止用水の設定下限流速として安全を見込んだ一つの固定の流速を設定するのに比べ、凍結防止用水の平均通水量を一層少量化してポンプ消費動力を一層低減しながら、通風路入口における外気温度の変動にも対応した状態で氷核形成に原因する冷却用熱交換器の内部水凍結を効果的に防止することができ、この点で、省エネルギ化の面や運転コストの節減面でも一層有利にすることができる。
【0036】
本発明の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成いずれかの運転方法に係り、その特徴は、
前記冷却用熱交換器は、伝熱壁の通風路側の壁面にフィンを備えていない無フィン式熱交換器部分と、伝熱壁の通風路側の壁面にフィンを備えている有フィン式熱交換器部分とを、それら熱交換器部分の通風路が直列となる状態に並置した構成にしておき、
前記凍結防止運転では、前記無フィン式熱交換器部分の通風路から前記有フィン式熱交換器部分の通風路の順に外気を通風する点にある。
【0037】
つまり、伝熱壁の通風路側の壁面にフィンを備えていない無フィン式の熱交換器は、伝熱壁の通風路側の壁面にフィンを備えている有フィン式の熱交換器に比べ、フィンがない分、伝熱壁の通風路側の壁面と通風外気との間の熱抵抗が大きく、このため、外気が低温である場合にも伝熱壁における通水路側壁面の温度降下が抑制される特性を有する。
【0038】
また、前述の如き伝熱壁における通水路側壁面での氷核形成は、冷却用熱交換器における通風路下流側部分に比べ通風路上流側部分(即ち、通風外気の温度が低い側の部分)において生じ易い。
【0039】
このことに基づき、上記運転方法で用いる冷却用熱交換器は、無フィン式熱交換器部分と有フィン式熱交換器部分とを、それら熱交換器部分の通風路が直列となる状態に並置した構成にしておく。
【0040】
そして、凍結防止運転では、無フィン式熱交換器部分の通風路から有フィン式熱交換器部分の通風路の順に外気を通風するから、冷却用熱交換器の通風路上流側部分で伝熱壁における通水路側の壁面が低温外気により大きく温度降下することを、上記の如き無フィン式熱交換器部分の特性により効果的に抑制することができる。
【0041】
したがって、この運転方法によれば、凍結防止運転において冷却用熱交換器の通風路上流側部分で前述の氷核形成が生じることを効果的に防止することができ、これにより、冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が極低温の場合についても、冷却用熱交換器における内部水の凍結を効果的に防止することができる。
【0042】
また、この運転方法であれば、冷却用熱交換器が無フィン式熱交換器部分と有フィン式熱交換器部分とを備えるから、外気冷却運転では、冷却用熱交換器の通風通水方式を対向流方式に切り換えることと相俟って、有フィン式熱交換器部分が備える高い伝熱性(即ち、フィンによる高い伝熱性)により、外気の冷却効率を高く確保することができる。
【0043】
なお、上記運転方法の実施においては、外気冷却運転において凍結防止運転と同様に無フィン式熱交換器部分の通風路から有フィン式熱交換器部分の通風路の順に外気を通風する方式、あるいは、外気冷却運転において凍結防止運転とは逆に有フィン式熱交換器部分の通風路から無フィン式熱交換器部分の通風路の順に外気を通風する方式のいずれを採用してもよい。
【0044】
本発明の第5特徴構成は、第1〜第4特徴構成いずれかの運転方法に係り、その特徴は、
前記凍結防止運転において、前記冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度、又は、前記冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、前記冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が設定危険温度まで低下したときに、
供給先への前記冷却用熱交換器を通じた外気の供給を停止した状態で、前記供給先と前記冷却用熱交換器との間で空気を循環させる形態にして、その循環空気を前記冷却用熱交換器の通風路に通風するリサイクル運転を実施する点にある。
【0045】
つまり、この運転方法によれば、凍結防止運転において、冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度、又は、冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が設定危険温度まで低下したときに、供給先への冷却用熱交換器を通じた外気の供給を停止するから、設定危険温度として適当な温度を設定しておけば、冷却用熱交換器における内部水の凍結が生じる危険性が高くなることに対し、冷却用熱交換器の通風路に対する外気通風の停止により、その凍結を未然に防止することができて、内部水凍結による冷却用熱交換器の破損を確実に回避することができる。
【0046】
また、このように供給先への冷却用熱交換器を通じた外気供給を停止した状態では、供給先と冷却用熱交換器との間で空気を循環させる形態にして、その循環空気を冷却用熱交換器の通風路に通風するリサイクル運転を実施するから、供給先に対する新鮮外気の供給は停止するものの、このリサイクル運転により供給先に対する空調は継続して実施することができる。
【0047】
なお、冷却用熱交換器への外気通風を停止する前の処置として、凍結防止運転では、冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が低温になるほど、冷却用熱交換器の通風路に対する外気の通風量を減少側に調整し、これにより、冷却用熱交換器における内部水の凍結を一層確実に防止するようにしてもよい。
【0048】
また、その場合、冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が低温になるほど、冷却用熱交換器の通風路に対する外気の通風量を減少側に調整するとともに、冷却用熱交換器を通じた外気供給の供給先と冷却用熱交換器との間で循環させる形態で、外気とともに冷却用熱交換器の通風路に通風する循環空気の通風量を増大側に調整し、これにより、冷却用熱交換器における内部水の凍結をさらに確実に防止するようにしてもよい。
【0049】
本発明の第6特徴構成は、第1〜第5特徴構成いずれかの運転方法に係り、その特徴は、
前記外気冷却運転では、前記冷却手段により冷却した冷水を前記冷却用熱交換器と他の冷却負荷装置とに対して並列的に循環させる形態で、前記冷却手段により冷却した冷水を前記冷却用熱交換器の通水路に通水し、
前記凍結防止運転では、同じく前記冷却手段により冷却した冷水を前記冷却用熱交換器と前記他の冷却負荷装置とに対して並列的に循環させる形態で、前記冷却手段により冷却した冷水を凍結防止用水として前記冷却用熱交換器の通水路に通水する点にある。
【0050】
つまり、この運転方法では、冷却用熱交換器の通水路に凍結防止用水として通水した冷水を、他の冷却負荷装置に通水した冷水とともに冷却手段に戻して再度冷却し、その冷却冷水を再び冷却用熱交換器と他の冷却負荷装置とに対して並列的に供給する形態を採る。
【0051】
したがって、この運転方法によれば、凍結防止用水として冷却用熱交換器の通水路に通水する冷水(冷却手段による冷却冷水)が冷却用熱交換器での低温外気との熱交換で低温外気から回収した冷熱分だけ、凍結防止運転時における冷却手段の冷却負荷を軽減することができ、これにより、省エネルギ化の面や運転コストの節減面でさらに有利にすることができる。
【0052】
また、この運転方法によれば、外気冷却運転及び凍結防止運転のいずれにおいても冷却手段で冷却した冷水を冷却用熱交換器の通水路に通水するから、冷却用熱交換器の周りの配管構成を簡略なもので済ませることができ、この点で装置コスト面でも有利にすることができる。
【0053】
本発明の第7特徴構成は、第1〜第5特徴構成いずれかの運転方法に係り、その特徴は、
前記凍結防止運転の実施時に、前記冷却手段により冷却した冷水又は他の冷却手段により冷却した冷水を冷却負荷装置に循環させるのに併行して、その冷却負荷装置から送出される冷水、又は、その送出冷水と中継熱交換器で熱交換させた循環水を、凍結防止用水として前記冷却用熱交換器の通水路に通水する点にある。
【0054】
つまり、この運転方法では、冷却手段により冷却した冷水又は他の冷却手段により冷却した冷水を冷却負荷装置に循環させるのに併行して、その冷却負荷装置から送出される冷水(即ち、冷却負荷装置で昇温した冷水)、又は、その昇温した送出冷水と中継熱交換器で熱交換させた循環水を凍結防止用水として冷却用熱交換器の通水路に通水するから、凍結防止運転の実施時において運転される冷却負荷装置での排熱を凍結防止用の熱として利用する形態になり、これにより、冷却用熱交換器における内部水の凍結(即ち、冷却用熱交換器の通水路における凍結防止用水の凍結)を一層効果的に防止することができる。
【0055】
また、この運転方法によれば、冷却負荷装置での排熱(即ち、冷却負荷装置での冷水に対する付与熱)を凍結防止用の熱として冷却用熱交換器で消費する分、その冷却負荷装置との間で冷水循環させる冷却手段又は他の冷却手段の冷却負荷を軽減することができ、これにより、省エネルギ化の面や運転コストの節減面でもさらに有利にすることができる。
【0056】
本発明の第8特徴構成は、第1特徴構成の運転方法を実施するのに使用する外気調整システムに係り、その特徴は、
冷却用熱交換器の通風路に高温の外気を通風するとともに、前記冷却用熱交換器の通水路に冷却手段により冷却した冷水を通水することで、その高温外気を冷水と熱交換させて冷却する外気冷却運転と、
通風路に低温の外気が通風されている前記冷却用熱交換器の通水路に凍結防止用水を通水することで、その通水路における水が低温外気により冷却されて凍結するのを防止する凍結防止運転とを、選択的に実施する構成として、
前記冷却用熱交換器の通水路に対する通水向きの切り換えにより、前記冷却用熱交換器の通風通水方式を、通風路上流側が通水路下流側となる対向流方式と通風路上流側が通水路上流側となる並行流方式とに選択的に切り換える通水切換手段を備えるとともに、
前記凍結防止運転において、前記冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水の通水量を調整することで、前記冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、前記冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度を設定凍結防止温度に調整する運転制御手段を備えている点にある。
【0057】
つまり、このシステムによれば、通水切換手段により冷却用熱交換器の通水路に対する通水向きを切り換えることで、冷却用熱交換器の通風通水方式を外気冷却運転では対向流方式に切り換え、一方、凍結防止運転では並行流方式に切り換えることができる。
【0058】
また、凍結防止運転では、運転制御手段により冷却用熱交換器の通水路に対する凍結防止用水の通水量を調整して、冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度を設定凍結防止温度に調整することを運転制御手段に実行させることができる。
【0059】
したがって、このシステムであれば、前述した第1特徴構成の運転方法を円滑に実施することができ、第1特徴構成の運転方法による前述の効果を得るのに好適なシステムとなる。
【0060】
また、このシステムによれば、冷却用熱交換器の通水路に対する通水向きの切り換えにより、冷却用熱交換器の通風通水方式を対向流方式と並行流方式とに切り換えるから、冷却用熱交換器の通風路に対する外気の通風向きを切り換えることにより対向流方式と並行流方式との切り換えを行なうのに比べ、対向流方式と並行流方式との切り換えのための構成を簡略にすることができ、その分、装置コスト面でも有利にすることができる。
【0061】
なお、上記システムの実施において、外気冷却運転で冷却用熱交換器の通水路に通水する冷水と、凍結防止運転で冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水とを、互いに異なる給水源から冷却用熱交換器に供給する場合、前記通水切換手段は、冷却用熱交換器の通水路に対する通水向きの切り換えとともに、冷却用熱交換器の通水路に対する給水源の切り換えも併せて行なうものにする。
【0062】
本発明の第9特徴構成は、第8特徴構成の外気調整システムに係り、その特徴は、
前記運転制御手段は、前記凍結防止運転において前記冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水の通水量を調整するのに、その通水量調整の調整範囲を、前記冷却用熱交換器の通水路における凍結防止用水の流速が設定下限流速以上となる水量範囲内に制限する構成にしてある点にある。
【0063】
つまり、このシステムによれば、凍結防止運転において運転制御手段が上記の如く調整範囲を制限した状態で通水量調整を行なう点で、前述した第2特徴構成の運転方法を円滑に実施することができ、第2特徴構成の運転方法による前述の効果を得るのに好適なシステムとなる。
【0064】
本発明の第10特徴構成は、第9特徴構成の外気調整システムに係り、その特徴は、
前記運転制御手段は、前記凍結防止運転において前記冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が低温になるほど、前記設定下限流速を増大側に変更する構成にしてある点にある。
【0065】
つまり、このシステムによれば、凍結防止運転において運転制御手段が上記の如く設定下限流速の変更を行なう点で、前述した第3特徴構成の運転方法を円滑に実施することができ、第3特徴構成の運転方法による前述の効果を得るのに好適なシステムとなる。
【0066】
本発明の第11特徴構成は、第8〜第10特徴構成いずれかの外気調整システムに係り、その特徴は、
前記冷却用熱交換器は、伝熱壁の通風路側の壁面にフィンを備えていない無フィン式熱交換器部分と、伝熱壁の通風路側の壁面にフィンを備えている有フィン式熱交換器部分とを、それら熱交換器部分の通風路が直列となる状態に並置した構成にするとともに、
前記外気冷却運転及び前記凍結防止運転の夫々で無フィン式熱交換器部分の通風路から有フィン式熱交換器部分の通風路の順に外気を通風する構成にしてある点にある。
【0067】
つまり、このシステムによれば、冷却用熱交換器を上記構成にしてある点で、前述した第4特徴構成の運転方法を円滑に実施することができ、第4特徴構成の運転方法による前述の効果を得るのに好適なシステムとなる。
【0068】
そしてまた、このシステムであれば、外気冷却運転でも有フィン式熱交換器部分が冷却用熱交換器の通風路下流側に位置することで、外気冷却運転において冷却用熱交換器の通風通水方式を対向流方式に切り換えることとも相俟って、外気冷却運転での外気の冷却効率も高く確保することができる。
【0069】
本発明の第12特徴構成は、第8〜第11特徴構成いずれかの外気調整システムに係り、その特徴は、
前記運転制御手段は、前記凍結防止運転において前記冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度、又は、前記冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、前記冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が設定危険温度まで低下したときに、
供給先への前記冷却用熱交換器を通じた外気の供給を停止した状態で、前記供給先と前記冷却用熱交換器との間で空気を循環させる形態にして、その循環空気を前記冷却用熱交換器の通風路に通風するリサイクル運転を実施する構成にしてある点にある。
【0070】
つまり、このシステムによれば、凍結防止運転において冷却用熱交換器の内部水凍結が生じる危険性が高くなると運転制御手段が上記リサイクル運転を実施する点で、前述した第5特徴構成の運転方法を円滑に実施することができ、第5特徴構成の運転方法による前述の効果を得るのに好適なシステムとなる。
【0071】
なお、冷却用熱交換器への外気通風を停止する前の処置として、運転制御手段は、凍結防止運転において冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が低温になるほど、冷却用熱交換器の通風路に対する外気の通風量を減少側に調整する構成にしてもよい。
【0072】
また、その場合、運転制御手段は、冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が低温になるほど、冷却用熱交換器の通風路に対する外気の通風量を減少側に調整するとともに、冷却用熱交換器を通じた外気供給の供給先と冷却用熱交換器との間で循環させる形態で、外気とともに冷却用熱交換器の通風路に通風する循環空気の通風量を増大側に調整する構成にしてもよい。
【0073】
本発明の第13特徴構成は、第8〜第12特徴構成いずれかの外気調整システムに係り、その特徴は、
前記運転制御手段は、切換指令又は設定タイムスケジュール又は前記冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度に基づき、前記通水切換手段を操作して前記外気冷却運転と前記凍結防止運転との切り換えを自動的に行なう構成にしてある点にある。
【0074】
つまり、このシステムによれば、運転制御手段が通水切換手段を操作して外気冷却運転と凍結防止運転との切り換えを自動的に行なうから、手作業により通水切換手段を操作して外気冷却運転と凍結防止運転との切り換えを行なうのに比べ、その運転切り換えを容易にすることができる。
【0075】
また、この運転制御手段による自動的な運転切り換えを冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度に基づき行なうようにした場合には、凍結防止運転が必要な状況になったときに的確に凍結防止運転への切り換えを行なうことができ、この点でも、冷却用熱交換器における内部水の凍結を一層確実に防止することができる。
【0076】
本発明の第14特徴構成は、第8〜第13特徴構成いずれかの外気調整システムに係り、その特徴は、
前記通水切換手段は、前記外気冷却運転では、前記冷却手段により冷却した冷水を前記冷却用熱交換器と他の冷却負荷装置とに対して並列的に循環させる形態で、前記冷却手段により冷却した冷水を前記冷却用熱交換器の通水路に通水し、
前記凍結防止運転では、同じく前記冷却手段により冷却した冷水を前記冷却用熱交換器と前記他の冷却負荷装置とに対して並列的に循環させる形態で、前記冷却手段により冷却した冷水を凍結防止用水として外気冷却運転時の通水向きとは逆向きで前記冷却用熱交換器の通水路に通水する構成にしてある点にある。
【0077】
つまり、このシステムによれば、外気冷却運転及び凍結防止運転の夫々において上記の如き通水形態を採るように通水切換手段を構成してある点で、前述した第6特徴構成の運転方法を円滑に実施することができ、第6特徴構成の運転方法による前述の効果を得るのに好適なシステムとなる。
【0078】
本発明の第15特徴構成は、第8〜第13特徴構成いずれかの外気調整システムに係り、その特徴は、
前記通水切換手段は、前記凍結防止運転の実施時に、前記冷却手段により冷却した冷水又は他の冷却手段により冷却した冷水を冷却負荷装置に循環させるのに併行して、その冷却負荷装置から送出される冷水、又は、その送出冷水と中継熱交換器で熱交換させた循環水を、凍結防止用水として前記冷却用熱交換器の通水路に通水する構成にしてある点にある。
【0079】
つまり、このシステムによれば、凍結防止運転において上記の如き通水形態を採るように通水切換手段を構成してある点で、前述した第7特徴構成の運転方法を円滑に実施することができ、第7特徴構成の運転方法による前述の効果を得るのに好適なシステムとなる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】空調設備の設備構成図
【図2】外気冷却運転及び凍結防止運転を示すシステム構成図
【図3】外気温度と制御弁の設定下限開度との関係を示すグラフ
【図4】対向流方式の熱交換器における外気と水の温度変化を示すグラフ
【図5】並行流方式の熱交換器における外気と水の温度変化を示すグラフ
【図6】伝熱壁における水側壁面での氷核形成を説明する図
【図7】別実施形態を示すシステム構成図
【図8】他の別実施形態を示すシステム構成図
【図9】他の別実施形態を示すシステム構成図
【図10】他の別実施形態を示すシステム構成図
【図11】他の別実施形態を示すシステム構成図
【図12】従来の外気調整システムのシステム構成図
【発明を実施するための形態】
【0081】
図1は空調設備を示し、ここで、1は冷凍機、2は温水発生器、3は屋外からの導入外気OAを温湿度調整する外調機、4は生産室などの空調対象域5を温湿度調整する空調機である。
【0082】
外調機3には、冷却用熱交換器6と加熱用熱交換器7と加湿装置8とを、その順に外気通風方向の上流側から並べて装備してあり、冷却用熱交換器6及び加熱用熱交換器7には夫々、フィンチューブ型熱交換器を用いてある。
【0083】
この外調機3では、夏期には基本的に、屋外から導入する高温の外気OAを冷却用熱交換器6及び加熱用熱交換器7にその順に通風するのに伴い、冷凍機1と冷却用熱交換器6との間で冷水Wを循環させるとともに、温水発生機2と加熱用熱交換器7との間で温水Wを循環させる。
【0084】
つまり、高温の導入外気OAを冷却用熱交換器6において冷凍機1による冷却冷水Wと熱交換させて冷却除湿し、続いて、この除湿外気OAを加熱用熱交換器7において温水発生器2による加熱温水Wと熱交換させて再熱加熱し、この除湿再熱外気OAを調整外気として給気ファン9により空調対象域5に送給する。
【0085】
また、この外調機3では、冬期には基本的に、屋外から導入する低温の外気OAを冷却用熱交換器6及び加熱用熱交換器7にその順に通風するのに伴い、温水発生機2と加熱用熱交換器7との間で温水Wを循環させ、これにより、低温の導入外気OAを加熱用熱交換器7において温水発生機2による加熱温水Wと熱交換させて加熱し、この加熱外気OAを必要応じ加湿装置8により加湿調整した上で調整外気として給気ファン9により空調対象域5に送給する。
【0086】
一方、空調対象域5では、夏期及び冬期の夫々において外調機3から調整外気OAの送給を受けることに並行して、外調機3からの調整外気OAの送給量に相当する量の域内空気RAを排気ファン10により外部に排出する。
【0087】
空調対象域5を温湿度調整する空調機4にはフィンチューブ型の温調用熱交換器11を装備してあり、夏期には、外調機3から除湿再熱外気OAが空調対象域5に送給されることに対して、空調機4の温調用熱交換器11に空調対象域5の域内空気RAを循環通風するとともに、その温調用熱交換器11と冷凍機1との間で冷水Wを循環させる。
【0088】
また、この空調対象域5は冬期にも冷却負荷(冷房負荷)が存在するため、外調機3から加熱外気OAが空調対象域5に送給される冬期にも、空調機4の温調用熱交換器11に空調対象域5の域内空気RAを循環通風するのに対し、夏期と同じく、その温調用熱交換器11と冷凍機1との間で冷水Wを循環させる。
【0089】
つまり、夏期及び冬期のいずれにおいても、空調対象域5の域内空気RAを空調機4の温調用熱交換器11において冷凍機1による冷却冷水Wと熱交換させて冷却し、これにより、空調対象域5において夏期及び冬期に存在する冷却負荷を処理して空調対象域5を所要の温湿度状態に調整する。
【0090】
外調機3では、冬期において基本的に冷却用熱交換器6を休止状態にするため、冷却用熱交換器6の内部に残った水(具体的には、冷却用熱交換器6における通水路rwの滞留水)が冬期における低温の導入外気OAにより冷却されて凍結する虞がある。
【0091】
この為、この外調機3では、冬期にも冷却用熱交換器6と冷凍機1との間で冷水Wを循環させて、冷却用熱交換器6の通水路rwに冷凍機1による冷却冷水Wを凍結防止用水として通水することで、冷却用熱交換器6における内部水の凍結(実質的には、冷却用熱交換器6の通水路rwに凍結防止用水として通水する冷水Wの凍結)を防止する凍結防止運転を実施する。
【0092】
換言すれば、夏期には高温の導入外気OAを前述の如く冷却除湿することを目的として、図2(a)に示す如く、冷却用熱交換器6の通風路rfに夏期における高温の導入外気OA(例えば32℃)を通風するのに対し、冷却用熱交換器6の通水路rwに冷凍機1による冷却冷水W(例えば7℃)を通水することで、高温の導入外気OAを冷水Wと熱交換させて所定温度(例えば11.4℃)に冷却する外気冷却運転を冷却用熱交換器6で実施する。
【0093】
一方、冬期には図2(b)に示す如く、冬期における低温の導入外気OAが通風路rf通風されている状態にある冷却用熱交換器6の通水路rwに夏期と同じく冷凍機1による冷却冷水W(例えば7℃〜9℃)を凍結防止用水として通水することで、その冷水Wが冷却用熱交換器6の通水路rwにおいて低温の導入外気OA(例えば−8℃)により冷却されて凍結するのを防止する凍結防止運転を冷却用熱交換器6で実施する。
【0094】
そして、このように冷却用熱交換器6において外気冷却運転と凍結防止運転とを選択的に実施するのに、冷却用熱交換器6の通水路rwに対する冷水Wの通水向きを切り換えることで、外調機3における冷却用熱交換器6の通風通水方式を、同図2(a)に示す如く通風路rfの上流側が通水路rwの下流側となる対向流方式と、同図2(b)に示す如く通風路rfの上流側が通水路rwの上流側となる並行流方式とに選択的に切り換える通水切換手段としての切換三方弁12を装備してある。
【0095】
つまり、この切換三方弁12のよる通水向きの切り換えにより、外気冷却運転では冷却用熱交換器6の通風通水方式を図2(a)に示す如き対向流方式にし、一方、凍結防止運転では冷却用熱交換器6の通風通水方式を図2(b)に示す如き並行流方式にするようにしてある。
【0096】
即ち、対向流方式の熱交換器は並行流方式の熱交換器に比べ高い熱交換効率を得られることから、外気冷却運転では、冷却用熱交換器6の通風通水方式を図2(a)に示す対向流方式に切り換えておくことで、高温外気OAの冷却において高い冷却効率を得られるようにする。
【0097】
また、並行流方式の熱交換器では(図5の実線のグラフ参照)、凍結防止用水として冷却用熱交換器6の通水路rwに通水する冷水W(例えば7℃〜9℃)が冷却用熱交換器6の通風路出口における外気OAの温度(即ち、冷水Wとの熱交換で昇温した外気OAの温度、例えば5℃)未満に温度降下することがなく凍結に至り難いことから、凍結防止運転では、冷却用熱交換器6の通風通水方式を並行流方式に切り換えておくことで、凍結防止用水としての冷水Wが冷却用熱交換器6の通水路rwで凍結するのを効果的に防止する。
【0098】
13は外調機3の運転制御を司る運転制御手段としての制御装置であり、この制御装置13は、冷却用熱交換器6及び通水切換手段としての切換三方弁12などとともに外気調整システムを構成する。
【0099】
この制御装置13は、冷却用熱交換器6の外気冷却運転では、冷却用熱交換器6に対する制御として、冷却用熱交換器6の通風路出口における外気OAの温度toを検出する出口温度センサ14の検出情報に基づき外気冷却用制御弁15の開度を調整して、冷却用熱交換器6の通水路rwに対する冷水Wの通水量を調整することで、冷却用熱交換器6の通風路出口における外気OAの温度toを設定冷却温度tos(上記例では11.4℃)に調整する。
【0100】
即ち、この調整により、夏期における高温高湿の導入外気OAを冷却用熱交換器6において所定湿度まで冷却除湿する。
【0101】
また、この制御装置13は、冷却用熱交換器6の凍結防止運転では、冷却用熱交換器6に対する制御として、上記出口温度センサ14の検出情報に基づき凍結防止用制御弁16の開度を調整して、冷却用熱交換器6の通水路rwに対する凍結防止用水(冷水W)の通水量を調整することで、冷却用熱交換器6の通風路出口における外気OAの温度toを設定凍結防止温度tox(例えば5℃)に調整する。
【0102】
即ち、前述の如く冷却用熱交換器6の通水路rwに通水する凍結防止用水(冷水W)が冷却用熱交換器6の通風路出口における外気OAの温度to未満に温度降下することがない並行流方式に冷却用熱交換器6の通風通水方式を切り換えた状態において、上記の如く通水量調整により冷却用熱交換器6の通風路出口における外気OAの温度toを設定凍結防止温度toxに調整することで、凍結防止用水(冷水W)が冷却用熱交換器6の通水路rwにおいて凍結することを一層確実に防止する。
【0103】
さらに、この制御装置13は、凍結防止運転において冷却用熱交換器6の通水路rwに対する凍結防止用水(冷水W)の通水量を凍結防止用制御弁16の開度調整により調整するのに、その通水量調整の調整範囲を冷却用熱交換器6の通水路rwにおける凍結防止用水(冷水W)の流速vが設定下限流速vmin以上となる水量範囲内に制限するように、凍結防止用制御弁16の開度調整範囲を設定下限開度αmin以上の範囲に規定する。
【0104】
具体的には、制御装置13は、冷却用熱交換器6の通風路入口における外気OAの温度tiを検出する入口温度センサ17の検出情報に基づき、図3に示す如く通風路入口における外気OAの温度tiが低温になるほど上記の設定下限開度αminを増大側に変更(換言すれば、設定下限流速vminを増大側に変更)する構成にしてある。
【0105】
つまり、冷却用熱交換器6の通水路rwにおける凍結防止用水(冷水W)の流速vが設定下限流速vmin以上であるときには、凍結防止用水(冷水W)の通水量調整により、冷却用熱交換器6の通風路出口における外気OAの温度toを設定凍結防止温度toxに調整するが、その通水量調整において冷却用熱交換器6の通水路rwにおける凍結防止用水(冷水W)の流速vが設定下限流速vminまで低下すると、冷却用熱交換器6の通風路出口における外気OAの温度toが設定凍結防止温度toxより高温になることを許して、それ以上の減少側への通水量調整を禁止するようにしてある。
【0106】
そして、このように凍結防止用水(冷水W)の流速vを設定下限流速vmin以上に確保することで、凍結防止用水(冷水W)と冷却熱交換器6の伝熱壁18における通水路側壁面18aとの間の熱抵抗を小さくして、図6(a)との比較において図6(b)に示す如く伝熱壁18における通水路側壁面18aの温度降下を抑制し、これにより、冷却用熱交換器6の通風路出口における外気OAの温度toを設定凍結防止温度toxに調整しているにもかかわらず、伝熱壁18における通水路側壁面18aでの氷核形成に原因して冷却用熱交換器6の通水路rwで凍結防止用水(冷水W)の凍結を招くことを防止するようにしてある。
【0107】
一方、この空調設備において、通水切換手段としての切換三方弁12は、夏期には冷凍機1による冷却冷水Wを外調機3の冷却用熱交換器6と他の冷却負荷装置としての空調機4の温調用熱交換器11とに対して並列的に循環させる形態で、冷凍機1による冷却冷水Wを外気冷却運転状態にある冷却用熱交換器6の通水路rwに通水する通水形態を採るようにしてある。
【0108】
また、この切換三方弁12は、冬期にも夏期と同じく冷凍機1による冷却冷水Wを外調機3の冷却用熱交換器6と他の冷却負荷装置としての空調機4の温調用熱交換器11とに対して並列的に循環させる形態で、冷凍機1による冷却冷水Wを凍結防止用水として外気冷却運転時の通水向きとは逆の通水向きで凍結防止運転状態にある冷却用熱交換器6の通水路rwに通水する通水形態を採るようにしてある。
【0109】
換言すれば、この切換三方弁12は、冬期には、外調機3における冷却用熱交換器6の通水路rwに凍結防止用水として通水した冷水Wを、他の冷却負荷装置である空調機4の温調用熱交換器11に通水した冷水Wとともに冷凍機1に戻して再冷却し、その冷却冷水Wを再び外調機3の冷却用熱交換器6と他の冷却負荷装置である空調機4の温調用熱交換器11とに対して並列的に供給する通水形態を採る。
【0110】
即ち、この通水形態を採ることで、凍結防止運転で凍結防止用水として冷却用熱交換器6の通水路rwに通水した冷水Wが冷却用熱交換器6での低温外気OAとの熱交換で低温外気OAから回収した冷熱分だけ、凍結防止運転時における冷凍機1の冷却負荷を軽減できるようにしてある。
【0111】
制御装置13はまた、凍結防止運転において冷却用熱交換器6の通水路rwから排出される凍結防止用水(冷水W)の温度twを検出する出口水温センサ21の検出情報に基づき、冷却用熱交換器6の通水路rwから排出される凍結防止用水(冷水W)の温度twが設定危険温度twzまで低下すると、外調機3に対する外気導入ダンパ19を閉じるとともに、それまで閉じていたリサイクルダンパ20を開いた状態で、給気ファン9及び排気ファン10を継続して運転し、これにより、調整外気OAの供給先である空調対象域5への外調機3を通じた外気OAの供給を停止した状態で、空調対象域5と外調機3との間で域内空気RAを循環させる形態にして、その循環空気RAを冷却用熱交換器6の通風路rfに通風するリサイクル運転を実施する構成にしてある。
【0112】
つまり、このリサイクル運転では、低温外気OAの導入を遮断した状態で、空調対象域5に対する循環空気RAを冷却用熱交換器6の通風路rfに通風することにより、冷却用熱交換器6の通水路rwでの内部水凍結を防止する。
【0113】
ここで、設定危険温度twzには前記した設定凍結防止温度toxより低い温度を設定するが、これら設定危険温度twz及び設定凍結防止温度toxにはいずれも、凍結防止用水(冷水W)が冷却用熱交換器6の通水路rwにおいて凍結に至らない温度を設定してある。
【0114】
以上、本例で示した冷却用熱交換器6の運転方法、及び、外気調整システムによれば、冷却用熱交換器6の外気冷却運転において外気OAの冷却効率を高く確保しながら、冷却用熱交換器6の凍結防止運転において冷却用熱交換器6の通水路rwでの内部水の凍結も効果的に防止することができる。
【0115】
なお、冷却用熱交換器6を外気冷却運転と凍結防止運転とに切り換えるのに、切換三方弁12の切り換え操作は、人為的な切り換え指令により制御手段13に実行させる方式、あるいは、設定タイムスケジュールや入口温度センサ17による検出外気温度tiなどに基づいて制御手段13に実行させる方式のいずれを採用してもよい。
【0116】
〔別実施形態〕
次に本発明の別の実施形態を列記する。
【0117】
前述の実施形態では、凍結防止運転において、冷却用熱交換器6の通水路rwに対する凍結防止用水(冷水W)の通水量を調整することで、冷却用熱交換機6の通風路出口における外気OAの温度toを設定凍結防止温度toxに調整するようにしたが、これに代え、凍結防止運転において、冷却用熱交換器6の通水路rwに対する凍結防止用水の通水量を調整することで、冷却用熱交換機6の通水路出口における凍結防止用水の温度を設定凍結防止温度に調整するようにしてもよい。
【0118】
前述の実施形態では、冷却用熱交換器6にフィンチューブ型の熱交換器を用いる例を示したが、これに代えて図7に示す如く、冷却用熱交換器6の構成として、伝熱壁18の通風路側の壁面18bにフィンを備えていない無フィン式熱交換器部分6A(所謂ベアチューブ型熱交換器部分)と、伝熱壁18の通風路側の壁面18bにフィン(図示省略)を備えている有フィン式熱交換器部分6B(即ち、フィンチューブ型熱交換器部分)とを、それら熱交換器部分6A,6Bの通風路rfが直列となる状態に並置した構成を採用し、そして、外気冷却運転及び凍結防止運転の夫々において無フィン式熱交換器部分6Aの通風路rfから有フィン式熱交換器部分6Bの通風路rfの順に外気OAを通風するようにしてもよい。
【0119】
前述の実施形態では、冷却用熱交換器6の通水路rwに対する通水向きを切り換えることで冷却用熱交換器6の通風通水方式を対向流方式と並行流方式とに選択的に切り換える通水切換手段として切換三方弁12を用いた例を示したが、図8に示すように、この通水切換手段を4つの二方弁12Aにより構成してもよく、また、図9に示すように、この通水切換手段として4方切換弁12Bを用いるようにしてもよい。
【0120】
前述の実施形態では、外気冷却運転において冷却用熱交換器6の通水路rwに対する通水量を調整する外気冷却用制御弁15と、凍結防止運転において冷却用熱交換器6の通水路rwに対する通水量を調整する凍結防止用制御弁16とを各別に装備したが、上記の図8や図9に示す如く、外気冷却運転と凍結防止運転との夫々において兼用制御弁15Aにより冷却用熱交換器6の通水路rwに対する通水量を調整するようにしてもよい。
【0121】
冷却用熱交換器6の通水路rwに対する通水向きを切換三方弁12などの通水切換手段により切り換えて、冷却用熱交換器6の通風通水方式を対向流方式と並行流方式とに選択的に切り換えるのに、切換三方弁12などの通水切換手段の切り換え操作は、手作業により行うようにしてもよく、あるいはまた、切換指令や設定タイムスケジュールあるいは冷却用熱交換器6の通風路入口における外気OAの温度tiに基づいて制御装置13(運転制御手段)に自動的に行なわせるようにしてもよい。
【0122】
また場合によっては、冷却用熱交換器6の通水路rwに対する通水向きの切り換えにより、冷却用熱交換器6の通風通水方式を対向流方式と並行流方式とに切り換えるのに代えて、冷却用熱交換器6の通風路rfに対する外気通風向きの切り換えにより冷却用熱交換器6の通風通水方式を対向流方式と並行流方式とに切り換えるようにしてもよい。
【0123】
前述の実施形態では、凍結防止運転においても外気冷却運転と同様に冷凍機1(冷却手段の一例)による冷却冷水Wを凍結防止用水として冷却用熱交換器6の通水路rwに通水する例を示したが、凍結防止運転において冷却用熱交換器6の通水路rwに通水する凍結防止用水は、外気冷却運転において冷却用熱交換器6の通水路rwに通水する冷水Wとは別の給水源から供給される冷水や常温水あるいは加熱水であってもよい。
【0124】
なお、冷却用熱交換器6の通水路rwに対する通水向きを通水切換手段により切り換えることで冷却用熱交換器6の通風通水方式を対向流方式と並行流方式とに切り換える場合において、外気冷却運転で冷却用熱交換器6の通水路rwに通水する冷水と凍結防止運転において冷却用熱交換器6の通水路rwに通水する凍結防止用水とを各別の給水源から供給する場合は、通水切換手段は冷却用熱交換器6の通水路rwに対する通水向きの切り換えとともに、給水源の切り換えも行なうものにする。
【0125】
前述の実施形態では、外気通風方向において冷却用熱交換器6の下流側に加熱用熱交換器7を装備する例を示したが、本発明は、外気通風方向において冷却用熱交換器6の下流側に熱交換器を装備しない場合にも適用することができ、また場合によっては、外気通風方向において冷却用熱交換器6の上流側に所定用途の熱交換器を装備する場合にも適用することができる。
【0126】
前述の実施形態では、凍結防止運転において冷却用熱交換器6の通水路出口における凍結防止用水Cの温度twが設定危険温度twzまで低下したときリサイクル運転を実施するようにしたが、これに代え、凍結防止運転において冷却用熱交換器6の通風路出口における外気OAの温度toや通風路入口における外気OAの温度tiが設定危険温度まで低下したときにリサイクル運転を実施するようにしてもよい。
【0127】
また、リサイクル運転に至るまでの処置として、凍結防止運転において冷却用熱交換器6の通風路入口における外気OAの温度tiが低温になるほど、冷却用熱交換器6の通風路rfに対する外気OAの通風量を減少側に調整するようにしてもよい。
【0128】
さらに、その場合、冷却用熱交換器6の通風路入口における外気OAの温度tiが低温になるほど、冷却用熱交換器6の通風路rfに対する外気OAの通風量を減少側に調整するとともに、外気供給の供給先5と冷却用熱交換器6との間で循環させる形態で外気OAとともに冷却用熱交換器6の通風路rfに通風する循環空気RAの通風量を増大側に調整するようにしてもよい。
【0129】
前述の実施形態では凍結防止運転において、冷凍機1(冷却手段の一例)により冷却した冷水Wを冷却用熱交換器6と他の冷却負荷装置(温調用熱交換器11)とに対して並列的に循環させる形態で、冷凍機1による冷却冷水Wを凍結防止用水として冷却用熱交換器6の通水路rwに通水するようにしたが、これに代え、図10,図11に示す如く、凍結防止運転の実施時に、外気冷却運転で冷却用熱交換器6に通水する冷水Wを冷却する冷凍機等の冷却手段又は他の冷凍機等の冷却手段のいずれかの冷却手段1′により冷却した冷水Wを冷却負荷装置11′に循環させるのに併行して、その冷却負荷装置11′から送出される冷水W(即ち、冷却負荷緒装置11′で昇温した冷水)、又は、その送出冷水Wと中継熱交換器H(即ち、熱回収熱交換器)で熱交換させた循環水W′を、凍結防止用水として冷却用熱交換器6の通水路rwに通水するようにしてもよい。
【0130】
即ち、このようにすれば、凍結防止運転の実施時において運転される冷却負荷装置11′での排熱を凍結防止用の熱として利用する形態で、冷却用熱交換器6における内部水の凍結を一層効果的に防止することができ、また、冷却負荷装置11′での排熱を凍結防止用の熱として冷却用熱交換器6で消費する分、その冷却負荷装置11′との間で冷水循環させる冷却手段1′の冷却負荷を軽減することができる。
【0131】
外気冷却運転において冷却用熱交換器6の通水路rwに通水する冷水Wを冷却する冷却手段は、冷凍機1に限らず各種形式の冷水発生機や蓄熱冷熱により冷水Wを冷却するものであってもよく、また場合によっては、冷却塔や種々の流体からの回収冷熱により冷水Wを冷却するものであってもよい。
【0132】
外気冷却運転において冷却用熱交換器6で冷却した外気OAの供給先は空調対象域5に限られるものではなく、冷却用熱交換器6で冷却した外気OAはどのような用途に供するものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明による冷却用熱交換器の運転方法及び外気調整システムは、凍結防止を必要とするものであれば、空調用に限らず各種分野における種々の用途の冷却用熱交換器に適用することができる。
【符号の説明】
【0134】
6 冷却用熱交換器
rf 通風路
OA 外気
rw 通水路
1 冷却手段
W 冷水,凍結防止用水
to 通風路出口の外気温度
tox 設定凍結防止温度
v 流速
vmin 設定下限流速
ti 通風路入口の外気温度
18 伝熱壁
18b 通風路側壁面
6A 無フィン式熱交換器部分
6B 有フィン式熱交換器部分
5 供給先
PA 循環空気
11 冷却負荷装置
1′ 冷却手段
12 通水切換手段
13 運転制御手段
tw 通水路出口の水温度
twz 設定危険温度
H 中継熱交換器
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調設備などで用いる冷却用熱交換器の運転方法、及び、その運転方法を実施するのに使用する外気調整システムに関する。
【0002】
さらに詳しくは、冷却用熱交換器の通風路に高温の外気を通風するとともに、冷却用熱交換器の通水路に冷却手段により冷却した冷水を通水することで、その高温外気を冷水と熱交換させて冷却する外気冷却運転と、
通風路に低温の外気が通風されている冷却用熱交換器の通水路に凍結防止用水を通水することで、その通水路における水が低温外気により冷却されて凍結するのを防止する凍結防止運転とを、選択的に実施する冷却用熱交換器の運転方法、及び、その運転方法を実施するのに使用する外気調整システムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来、外気調整システムとして、図12に示すように、外気OAを予冷又は予熱する第1熱交換器N1と、外気OAを冷却する第2熱交換器N2と、外気OAを加熱する第3熱交換器N3とを、その順に外気OAの通風方向に並べて装備したシステムが提案されている。
【0004】
このシステムでは、夏期には冷却塔CTにより冷却した冷却熱媒水Wを第1熱交換器N1に通水することで、第1熱交換器N1に通風する高温の外気OAを冷却熱媒水Wと熱交換させて予冷する予冷運転を第1熱交換器N1において実施し、この予冷後の外気OAを除湿目的などのために次段の第2熱交換器N2において更に冷却する。
【0005】
一方、冬期には熱回収熱交換器Hによる回収熱で加熱した加熱熱媒水Wを第1熱交換器N1に通水することで、第1熱交換器N1に通風する低温の外気OAを加熱熱媒水Wと熱交換させて予熱し、この予熱後の外気OAを後段の第3熱交換器N3において更に加熱する。
【0006】
そして、このように冬期において、第1熱交換器N1に加熱熱媒水Wを通水して外気OAを予熱することで、運転休止状態にある次段の第2熱交換器N2における内部滞留水が低温外気OAにより冷却されて凍結するのを防止するとともに、第1熱交換器N1における内部の熱媒水Wそのものが低温外気OAにより冷却されて凍結するのを防止する凍結防止運転を兼ねるようにしている。(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−50562
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、空気を水と熱交換させる熱交換器については、通風路上流側を通水路上流側とする並行流方式の熱交換器に比べて、通風路上流側を通水路下流側とする対向流方式の熱交換器の方が高い熱交換効率を得られることが知られており、このことから、外気を水と熱交換させて冷却又は加熱する外気用の熱交換器についても一般的には対向流方式の熱交換器が用いられる。
【0009】
即ち、上記システムにおいて、第1〜第3熱交換器N1〜N3に対向流方式の熱交換器を用いることで、外気の冷却効率や加熱効率を高く確保することができ、省エネルギ化の面や運転コストの節減面で有利になる。
【0010】
しかし、上記システムにおいて第1熱交換器N1(本発明で言う冷却用熱交換器に相当)に対向流方式の熱交換器を用いた場合、冬期の凍結防止運転において、図4の実線のグラフに示すように、凍結防止用水として熱交換器の通水路に通水する水Wが、通水路下流側(即ち、外気OAの通風路上流側)へ進むほど、熱交換器の通風路入口における未だ予熱されていない低温外気OAの温度に向かって大きく温度降下し、このため、熱交換器の通風路入口における外気OAの温度がかなり低い場合(例えば−8℃)や、凍結防止用水として熱交換器の通水路に通水する水Wの温度が低い場合(例えば7℃)には、熱交換器における内部の水(即ち、熱交換器の通水路における凍結防止用水)そのものが冷温外気OAにより冷却されて凍結に至り易いことが判明した。
【0011】
なお、上記の図4及び後記の図5において破線のグラフは熱交換器における通風外気OAの温度変化を示す。
【0012】
一方、上記システムにおいて第1熱交換器N1に並行流方式の熱交換器を用いた場合、冬期の凍結防止運転において、図5の実線のグラフに示すように、凍結防止用水として熱交換器の通水路に通水する水Wが熱交換器の通風路出口における外気OAの温度(即ち、水Wとの熱交換で昇温した外気OAの温度)未満に温度降下することはなく、このため、対向流方式の熱交換器を用いる場合に比べ、熱交換器における内部水Wの凍結を効果的に防止することができる。
【0013】
しかし、上記システムにおいて第1熱交換器N1に並行流方式の熱交換器を用いた場合には、第1熱交換器N1に対向流方式の熱交換器を用いる場合に比べ、前述の如く外気OAの冷却効率や加熱効率が低く制限され、省エネルギ化の面や運転コストの節減面で不利になる。
【0014】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、合理的な運転形態を採ることで、冬期において冷却用熱交換器における内部水の凍結を効果的に防止しながら、省エネルギ化の面や運転コストの節減面でも有利にし得る冷却用熱交換器の運転方法を提供する点にあり、併せて、その運転方法の実施に好適な外気調整システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1特徴構成は、冷却用熱交換器の運転方法に係り、その特徴は、
冷却用熱交換器の通風路に高温の外気を通風するとともに、前記冷却用熱交換器の通水路に冷却手段により冷却した冷水を通水することで、その高温外気を冷水と熱交換させて冷却する外気冷却運転と、
通風路に低温の外気が通風されている前記冷却用熱交換器の通水路に凍結防止用水を通水することで、その通水路における水が低温外気により冷却されて凍結するのを防止する凍結防止運転とを、選択的に実施する冷却用熱交換器の運転方法であって、
前記外気冷却運転では、前記冷却用熱交換器の通風通水方式を通風路上流側が通水路下流側となる対向流方式に切り換えた状態にし、
前記凍結防止運転では、前記冷却用熱交換器の通風通水方式を通風路上流側が通水路上流側となる並行流方式に切り換えた状態にするとともに、
前記冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水の通水量を調整することで、前記冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、前記冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度を設定凍結防止温度に調整する点にある。
【0016】
つまり、この運転方法によれば、外気冷却運転では冷却用熱交換器の通風通水方式を対向流方式に切り換えるから、並行流方式の熱交換器を用いて外気を冷却するのに比べ、外気の冷却において高い冷却効率を得ることができ、省エネルギ化の面や運転コストの節減面において有利にすることができる。
【0017】
一方、凍結防止運転では、冷却用熱交換器の通風通水方式を、冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水が冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度未満に温度降下することのない並行流方式(前記図5参照)に切り換えるから、冷却用熱交換器における内部水の凍結(即ち、冷却用熱交換器の通水路における凍結防止用水の凍結)も効果的に防止することができる。
【0018】
また、凍結防止運転では、冷却用熱交換器の通風通水方式を並行流方式に切り換えることに加え、冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水の通水量を調整することで、冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度を設定凍結防止温度に調整するから、あるいはまた、凍結防止用水の温度が最も低くなる冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度を設定凍結防止温度に調整するから、それら設定凍結防止温度として凍結防止用水の凍結に至らない適当な温度を設定しておくことで、冷却用熱交換器における内部水の凍結を一層確実に防止することができる。
【0019】
そしてまた、冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水の通水量を上記の如く調整する方式を採ることで、凍結防止用水の通水量を安全を見込んだ固定の通水量にするのに比べ、凍結防止用水の平均通水量を効果的に少量化してポンプ消費動力を低減しながら、通風路入口における外気温度の変動にも対応した状態で冷却用熱交換器における内部水の凍結を効果的に防止することができ、この点からも、省エネルギ化の面や運転コストの節減面において一層有利にすることができる。
【0020】
なお、上記運転方法において、外気冷却運転で冷却用熱交換器の通水路に通水する冷水を冷却する冷却手段は、各種形式の冷凍機や冷水発生機に限らず、冷却塔などであってもよく、また、種々の流体などからの回収冷熱により水を冷却するものであってもよい。
【0021】
凍結防止運転で冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水は、加熱水に限らず、非加熱の水や冷却された水であってもよく、また、外気冷却運転と同様に冷却手段により冷却した冷水を凍結防止用水として冷却用熱交換器に通水するようにしてもよい。
【0022】
冷却用熱交換器の通風通水方式を対向流方式と並行流方式とに選択的に切り換えるには、冷却用熱交換器の通水路に対する通水向きを切り換えるのが容易ではあるが、場合によっては、冷却用熱交換器の通風路に対する外気の通風向きを切り換えることにより対向流方式と並行流方式との切り換えを行なうにしてもよい。
【0023】
本発明において対向流方式とは、冷却用熱交換器における通水路の一部に外気の通風方向に対して直交ないし斜交する部分が含まれてもよく、冷却用熱交換器の全体として通風路上流側が通水路下流側になるものであればよい。
【0024】
また、同様に本発明において並行流方式とは、冷却用熱交換器における通水路の一部に外気の通風方向に対して直交ないし斜交する部分が含まれてもよく、冷却用熱交換器の全体として通風路上流側が通水路上流側になるものであればよい。
【0025】
凍結防止用水の通水量調整については、その通水量調整により冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度を設定凍結防止温度に調整する調整形態と、その通水量調整により冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度を設定凍結防止温度に調整する調整形態とのいずれを採用してもよい。
【0026】
また、設定凍結防止温度としては、冷却用熱交換器の通水路における凍結防止用水が凍結に至らない温度範囲内で、上記した両調整形態のいずれを採用するかによって、あるいはまた、冷却用熱交換器の設置条件や運転条件などによって適当な温度を選定すればよい。
【0027】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成の運転方法に係り、その特徴は、
前記凍結防止運転において、前記冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水の通水量を調整するのに、
その通水量調整の調整範囲を、前記冷却用熱交換器の通水路における凍結防止用水の流速が設定下限流速以上となる水量範囲内に制限する点にある。
【0028】
つまり、冷却用熱交換器の通水路を流れる凍結防止用水の温度が凍結温度(例えば0℃)より高く保たれたとしても、図6の(a)に示す如く外気が低温(例えば−8℃)で冷却用熱交換器の伝熱壁18における通水路側18aの壁面温度が凍結温度以下になると、その通水路側壁面18aにおいて氷核が形成され、この氷核の成長により冷却用熱交換器における内部水Wの凍結(即ち、冷却用熱交換器の通水路における凍結防止用水そのものの凍結)に至る場合がある。
【0029】
そして、このような伝熱壁における通水路側壁面での氷核形成を防止するには、冷却用熱交換器の通水路における凍結防止用水の流速vを大きくして、凍結防止用水Wと通水路側壁面18aとの間の熱抵抗を小さくし、そのことで、図6の(b)に示す如く伝熱壁18における通水路側壁面18aの温度降下を抑制することが有効であることも判明した。
【0030】
このことに基づき、上記運転方法では、前述の如く凍結防止用水の通水量調整により、冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度を設定凍結防止温度に調整することにおいて、その通水量調整の調整範囲を、冷却用熱交換器の通水路における凍結防止用水の流速が設定下限流速以上となる水量範囲内に制限し、これにより、凍結防止用水と伝熱壁における通水路側壁面との間の熱抵抗を小さくして、伝熱壁における通水路側壁面の温度降下を抑制する。
【0031】
即ち、冷却用熱交換器の通水路における凍結防止用水の流速が設定下限流速以上であるときには、凍結防止用水の通水量調整により、冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度を設定凍結防止温度に調整するが、その通水量調整において冷却用熱交換器の通水路における凍結防止用水の流速が設定下限流速まで低下すると、冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度が設定凍結防止温度より高温になることを許して、それ以上の減少側への通水量調整を禁止し、そのことで伝熱壁における通水路側壁面の温度降下を抑制する。
【0032】
したがって、この運転方法において、設定下限流速として適当な流速を設定しておけば、並行流方式に切り換えた状態にある冷却用熱交換器において、冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度を設定凍結防止温度に調整しているにもかかわらず、上記の如き氷核形成に原因して冷却用熱交換器の内部水凍結を招くことも効果的に防止することができ、これにより、冷却用熱交換器における内部水の凍結を一層確実に防止することができる。
【0033】
本発明の第3特徴構成は、第2特徴構成の運転方法に係り、その特徴は、
前記凍結防止運転において、前記冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が低温になるほど、前記設定下限流速を増大側に変更する点にある。
【0034】
つまり、この運転方法によれば、冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が低温になるほど、換言すれば、前述の氷核形成が生じ易くなるほど、前記設定下限流速を増大側に変更するから、氷核形成に原因する冷却用熱交換器の内部水凍結を一層確実に防止することができる。
【0035】
そしてまた、この運転方法によれば、凍結防止用水の設定下限流速として安全を見込んだ一つの固定の流速を設定するのに比べ、凍結防止用水の平均通水量を一層少量化してポンプ消費動力を一層低減しながら、通風路入口における外気温度の変動にも対応した状態で氷核形成に原因する冷却用熱交換器の内部水凍結を効果的に防止することができ、この点で、省エネルギ化の面や運転コストの節減面でも一層有利にすることができる。
【0036】
本発明の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成いずれかの運転方法に係り、その特徴は、
前記冷却用熱交換器は、伝熱壁の通風路側の壁面にフィンを備えていない無フィン式熱交換器部分と、伝熱壁の通風路側の壁面にフィンを備えている有フィン式熱交換器部分とを、それら熱交換器部分の通風路が直列となる状態に並置した構成にしておき、
前記凍結防止運転では、前記無フィン式熱交換器部分の通風路から前記有フィン式熱交換器部分の通風路の順に外気を通風する点にある。
【0037】
つまり、伝熱壁の通風路側の壁面にフィンを備えていない無フィン式の熱交換器は、伝熱壁の通風路側の壁面にフィンを備えている有フィン式の熱交換器に比べ、フィンがない分、伝熱壁の通風路側の壁面と通風外気との間の熱抵抗が大きく、このため、外気が低温である場合にも伝熱壁における通水路側壁面の温度降下が抑制される特性を有する。
【0038】
また、前述の如き伝熱壁における通水路側壁面での氷核形成は、冷却用熱交換器における通風路下流側部分に比べ通風路上流側部分(即ち、通風外気の温度が低い側の部分)において生じ易い。
【0039】
このことに基づき、上記運転方法で用いる冷却用熱交換器は、無フィン式熱交換器部分と有フィン式熱交換器部分とを、それら熱交換器部分の通風路が直列となる状態に並置した構成にしておく。
【0040】
そして、凍結防止運転では、無フィン式熱交換器部分の通風路から有フィン式熱交換器部分の通風路の順に外気を通風するから、冷却用熱交換器の通風路上流側部分で伝熱壁における通水路側の壁面が低温外気により大きく温度降下することを、上記の如き無フィン式熱交換器部分の特性により効果的に抑制することができる。
【0041】
したがって、この運転方法によれば、凍結防止運転において冷却用熱交換器の通風路上流側部分で前述の氷核形成が生じることを効果的に防止することができ、これにより、冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が極低温の場合についても、冷却用熱交換器における内部水の凍結を効果的に防止することができる。
【0042】
また、この運転方法であれば、冷却用熱交換器が無フィン式熱交換器部分と有フィン式熱交換器部分とを備えるから、外気冷却運転では、冷却用熱交換器の通風通水方式を対向流方式に切り換えることと相俟って、有フィン式熱交換器部分が備える高い伝熱性(即ち、フィンによる高い伝熱性)により、外気の冷却効率を高く確保することができる。
【0043】
なお、上記運転方法の実施においては、外気冷却運転において凍結防止運転と同様に無フィン式熱交換器部分の通風路から有フィン式熱交換器部分の通風路の順に外気を通風する方式、あるいは、外気冷却運転において凍結防止運転とは逆に有フィン式熱交換器部分の通風路から無フィン式熱交換器部分の通風路の順に外気を通風する方式のいずれを採用してもよい。
【0044】
本発明の第5特徴構成は、第1〜第4特徴構成いずれかの運転方法に係り、その特徴は、
前記凍結防止運転において、前記冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度、又は、前記冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、前記冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が設定危険温度まで低下したときに、
供給先への前記冷却用熱交換器を通じた外気の供給を停止した状態で、前記供給先と前記冷却用熱交換器との間で空気を循環させる形態にして、その循環空気を前記冷却用熱交換器の通風路に通風するリサイクル運転を実施する点にある。
【0045】
つまり、この運転方法によれば、凍結防止運転において、冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度、又は、冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が設定危険温度まで低下したときに、供給先への冷却用熱交換器を通じた外気の供給を停止するから、設定危険温度として適当な温度を設定しておけば、冷却用熱交換器における内部水の凍結が生じる危険性が高くなることに対し、冷却用熱交換器の通風路に対する外気通風の停止により、その凍結を未然に防止することができて、内部水凍結による冷却用熱交換器の破損を確実に回避することができる。
【0046】
また、このように供給先への冷却用熱交換器を通じた外気供給を停止した状態では、供給先と冷却用熱交換器との間で空気を循環させる形態にして、その循環空気を冷却用熱交換器の通風路に通風するリサイクル運転を実施するから、供給先に対する新鮮外気の供給は停止するものの、このリサイクル運転により供給先に対する空調は継続して実施することができる。
【0047】
なお、冷却用熱交換器への外気通風を停止する前の処置として、凍結防止運転では、冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が低温になるほど、冷却用熱交換器の通風路に対する外気の通風量を減少側に調整し、これにより、冷却用熱交換器における内部水の凍結を一層確実に防止するようにしてもよい。
【0048】
また、その場合、冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が低温になるほど、冷却用熱交換器の通風路に対する外気の通風量を減少側に調整するとともに、冷却用熱交換器を通じた外気供給の供給先と冷却用熱交換器との間で循環させる形態で、外気とともに冷却用熱交換器の通風路に通風する循環空気の通風量を増大側に調整し、これにより、冷却用熱交換器における内部水の凍結をさらに確実に防止するようにしてもよい。
【0049】
本発明の第6特徴構成は、第1〜第5特徴構成いずれかの運転方法に係り、その特徴は、
前記外気冷却運転では、前記冷却手段により冷却した冷水を前記冷却用熱交換器と他の冷却負荷装置とに対して並列的に循環させる形態で、前記冷却手段により冷却した冷水を前記冷却用熱交換器の通水路に通水し、
前記凍結防止運転では、同じく前記冷却手段により冷却した冷水を前記冷却用熱交換器と前記他の冷却負荷装置とに対して並列的に循環させる形態で、前記冷却手段により冷却した冷水を凍結防止用水として前記冷却用熱交換器の通水路に通水する点にある。
【0050】
つまり、この運転方法では、冷却用熱交換器の通水路に凍結防止用水として通水した冷水を、他の冷却負荷装置に通水した冷水とともに冷却手段に戻して再度冷却し、その冷却冷水を再び冷却用熱交換器と他の冷却負荷装置とに対して並列的に供給する形態を採る。
【0051】
したがって、この運転方法によれば、凍結防止用水として冷却用熱交換器の通水路に通水する冷水(冷却手段による冷却冷水)が冷却用熱交換器での低温外気との熱交換で低温外気から回収した冷熱分だけ、凍結防止運転時における冷却手段の冷却負荷を軽減することができ、これにより、省エネルギ化の面や運転コストの節減面でさらに有利にすることができる。
【0052】
また、この運転方法によれば、外気冷却運転及び凍結防止運転のいずれにおいても冷却手段で冷却した冷水を冷却用熱交換器の通水路に通水するから、冷却用熱交換器の周りの配管構成を簡略なもので済ませることができ、この点で装置コスト面でも有利にすることができる。
【0053】
本発明の第7特徴構成は、第1〜第5特徴構成いずれかの運転方法に係り、その特徴は、
前記凍結防止運転の実施時に、前記冷却手段により冷却した冷水又は他の冷却手段により冷却した冷水を冷却負荷装置に循環させるのに併行して、その冷却負荷装置から送出される冷水、又は、その送出冷水と中継熱交換器で熱交換させた循環水を、凍結防止用水として前記冷却用熱交換器の通水路に通水する点にある。
【0054】
つまり、この運転方法では、冷却手段により冷却した冷水又は他の冷却手段により冷却した冷水を冷却負荷装置に循環させるのに併行して、その冷却負荷装置から送出される冷水(即ち、冷却負荷装置で昇温した冷水)、又は、その昇温した送出冷水と中継熱交換器で熱交換させた循環水を凍結防止用水として冷却用熱交換器の通水路に通水するから、凍結防止運転の実施時において運転される冷却負荷装置での排熱を凍結防止用の熱として利用する形態になり、これにより、冷却用熱交換器における内部水の凍結(即ち、冷却用熱交換器の通水路における凍結防止用水の凍結)を一層効果的に防止することができる。
【0055】
また、この運転方法によれば、冷却負荷装置での排熱(即ち、冷却負荷装置での冷水に対する付与熱)を凍結防止用の熱として冷却用熱交換器で消費する分、その冷却負荷装置との間で冷水循環させる冷却手段又は他の冷却手段の冷却負荷を軽減することができ、これにより、省エネルギ化の面や運転コストの節減面でもさらに有利にすることができる。
【0056】
本発明の第8特徴構成は、第1特徴構成の運転方法を実施するのに使用する外気調整システムに係り、その特徴は、
冷却用熱交換器の通風路に高温の外気を通風するとともに、前記冷却用熱交換器の通水路に冷却手段により冷却した冷水を通水することで、その高温外気を冷水と熱交換させて冷却する外気冷却運転と、
通風路に低温の外気が通風されている前記冷却用熱交換器の通水路に凍結防止用水を通水することで、その通水路における水が低温外気により冷却されて凍結するのを防止する凍結防止運転とを、選択的に実施する構成として、
前記冷却用熱交換器の通水路に対する通水向きの切り換えにより、前記冷却用熱交換器の通風通水方式を、通風路上流側が通水路下流側となる対向流方式と通風路上流側が通水路上流側となる並行流方式とに選択的に切り換える通水切換手段を備えるとともに、
前記凍結防止運転において、前記冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水の通水量を調整することで、前記冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、前記冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度を設定凍結防止温度に調整する運転制御手段を備えている点にある。
【0057】
つまり、このシステムによれば、通水切換手段により冷却用熱交換器の通水路に対する通水向きを切り換えることで、冷却用熱交換器の通風通水方式を外気冷却運転では対向流方式に切り換え、一方、凍結防止運転では並行流方式に切り換えることができる。
【0058】
また、凍結防止運転では、運転制御手段により冷却用熱交換器の通水路に対する凍結防止用水の通水量を調整して、冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度を設定凍結防止温度に調整することを運転制御手段に実行させることができる。
【0059】
したがって、このシステムであれば、前述した第1特徴構成の運転方法を円滑に実施することができ、第1特徴構成の運転方法による前述の効果を得るのに好適なシステムとなる。
【0060】
また、このシステムによれば、冷却用熱交換器の通水路に対する通水向きの切り換えにより、冷却用熱交換器の通風通水方式を対向流方式と並行流方式とに切り換えるから、冷却用熱交換器の通風路に対する外気の通風向きを切り換えることにより対向流方式と並行流方式との切り換えを行なうのに比べ、対向流方式と並行流方式との切り換えのための構成を簡略にすることができ、その分、装置コスト面でも有利にすることができる。
【0061】
なお、上記システムの実施において、外気冷却運転で冷却用熱交換器の通水路に通水する冷水と、凍結防止運転で冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水とを、互いに異なる給水源から冷却用熱交換器に供給する場合、前記通水切換手段は、冷却用熱交換器の通水路に対する通水向きの切り換えとともに、冷却用熱交換器の通水路に対する給水源の切り換えも併せて行なうものにする。
【0062】
本発明の第9特徴構成は、第8特徴構成の外気調整システムに係り、その特徴は、
前記運転制御手段は、前記凍結防止運転において前記冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水の通水量を調整するのに、その通水量調整の調整範囲を、前記冷却用熱交換器の通水路における凍結防止用水の流速が設定下限流速以上となる水量範囲内に制限する構成にしてある点にある。
【0063】
つまり、このシステムによれば、凍結防止運転において運転制御手段が上記の如く調整範囲を制限した状態で通水量調整を行なう点で、前述した第2特徴構成の運転方法を円滑に実施することができ、第2特徴構成の運転方法による前述の効果を得るのに好適なシステムとなる。
【0064】
本発明の第10特徴構成は、第9特徴構成の外気調整システムに係り、その特徴は、
前記運転制御手段は、前記凍結防止運転において前記冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が低温になるほど、前記設定下限流速を増大側に変更する構成にしてある点にある。
【0065】
つまり、このシステムによれば、凍結防止運転において運転制御手段が上記の如く設定下限流速の変更を行なう点で、前述した第3特徴構成の運転方法を円滑に実施することができ、第3特徴構成の運転方法による前述の効果を得るのに好適なシステムとなる。
【0066】
本発明の第11特徴構成は、第8〜第10特徴構成いずれかの外気調整システムに係り、その特徴は、
前記冷却用熱交換器は、伝熱壁の通風路側の壁面にフィンを備えていない無フィン式熱交換器部分と、伝熱壁の通風路側の壁面にフィンを備えている有フィン式熱交換器部分とを、それら熱交換器部分の通風路が直列となる状態に並置した構成にするとともに、
前記外気冷却運転及び前記凍結防止運転の夫々で無フィン式熱交換器部分の通風路から有フィン式熱交換器部分の通風路の順に外気を通風する構成にしてある点にある。
【0067】
つまり、このシステムによれば、冷却用熱交換器を上記構成にしてある点で、前述した第4特徴構成の運転方法を円滑に実施することができ、第4特徴構成の運転方法による前述の効果を得るのに好適なシステムとなる。
【0068】
そしてまた、このシステムであれば、外気冷却運転でも有フィン式熱交換器部分が冷却用熱交換器の通風路下流側に位置することで、外気冷却運転において冷却用熱交換器の通風通水方式を対向流方式に切り換えることとも相俟って、外気冷却運転での外気の冷却効率も高く確保することができる。
【0069】
本発明の第12特徴構成は、第8〜第11特徴構成いずれかの外気調整システムに係り、その特徴は、
前記運転制御手段は、前記凍結防止運転において前記冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度、又は、前記冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、前記冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が設定危険温度まで低下したときに、
供給先への前記冷却用熱交換器を通じた外気の供給を停止した状態で、前記供給先と前記冷却用熱交換器との間で空気を循環させる形態にして、その循環空気を前記冷却用熱交換器の通風路に通風するリサイクル運転を実施する構成にしてある点にある。
【0070】
つまり、このシステムによれば、凍結防止運転において冷却用熱交換器の内部水凍結が生じる危険性が高くなると運転制御手段が上記リサイクル運転を実施する点で、前述した第5特徴構成の運転方法を円滑に実施することができ、第5特徴構成の運転方法による前述の効果を得るのに好適なシステムとなる。
【0071】
なお、冷却用熱交換器への外気通風を停止する前の処置として、運転制御手段は、凍結防止運転において冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が低温になるほど、冷却用熱交換器の通風路に対する外気の通風量を減少側に調整する構成にしてもよい。
【0072】
また、その場合、運転制御手段は、冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が低温になるほど、冷却用熱交換器の通風路に対する外気の通風量を減少側に調整するとともに、冷却用熱交換器を通じた外気供給の供給先と冷却用熱交換器との間で循環させる形態で、外気とともに冷却用熱交換器の通風路に通風する循環空気の通風量を増大側に調整する構成にしてもよい。
【0073】
本発明の第13特徴構成は、第8〜第12特徴構成いずれかの外気調整システムに係り、その特徴は、
前記運転制御手段は、切換指令又は設定タイムスケジュール又は前記冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度に基づき、前記通水切換手段を操作して前記外気冷却運転と前記凍結防止運転との切り換えを自動的に行なう構成にしてある点にある。
【0074】
つまり、このシステムによれば、運転制御手段が通水切換手段を操作して外気冷却運転と凍結防止運転との切り換えを自動的に行なうから、手作業により通水切換手段を操作して外気冷却運転と凍結防止運転との切り換えを行なうのに比べ、その運転切り換えを容易にすることができる。
【0075】
また、この運転制御手段による自動的な運転切り換えを冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度に基づき行なうようにした場合には、凍結防止運転が必要な状況になったときに的確に凍結防止運転への切り換えを行なうことができ、この点でも、冷却用熱交換器における内部水の凍結を一層確実に防止することができる。
【0076】
本発明の第14特徴構成は、第8〜第13特徴構成いずれかの外気調整システムに係り、その特徴は、
前記通水切換手段は、前記外気冷却運転では、前記冷却手段により冷却した冷水を前記冷却用熱交換器と他の冷却負荷装置とに対して並列的に循環させる形態で、前記冷却手段により冷却した冷水を前記冷却用熱交換器の通水路に通水し、
前記凍結防止運転では、同じく前記冷却手段により冷却した冷水を前記冷却用熱交換器と前記他の冷却負荷装置とに対して並列的に循環させる形態で、前記冷却手段により冷却した冷水を凍結防止用水として外気冷却運転時の通水向きとは逆向きで前記冷却用熱交換器の通水路に通水する構成にしてある点にある。
【0077】
つまり、このシステムによれば、外気冷却運転及び凍結防止運転の夫々において上記の如き通水形態を採るように通水切換手段を構成してある点で、前述した第6特徴構成の運転方法を円滑に実施することができ、第6特徴構成の運転方法による前述の効果を得るのに好適なシステムとなる。
【0078】
本発明の第15特徴構成は、第8〜第13特徴構成いずれかの外気調整システムに係り、その特徴は、
前記通水切換手段は、前記凍結防止運転の実施時に、前記冷却手段により冷却した冷水又は他の冷却手段により冷却した冷水を冷却負荷装置に循環させるのに併行して、その冷却負荷装置から送出される冷水、又は、その送出冷水と中継熱交換器で熱交換させた循環水を、凍結防止用水として前記冷却用熱交換器の通水路に通水する構成にしてある点にある。
【0079】
つまり、このシステムによれば、凍結防止運転において上記の如き通水形態を採るように通水切換手段を構成してある点で、前述した第7特徴構成の運転方法を円滑に実施することができ、第7特徴構成の運転方法による前述の効果を得るのに好適なシステムとなる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】空調設備の設備構成図
【図2】外気冷却運転及び凍結防止運転を示すシステム構成図
【図3】外気温度と制御弁の設定下限開度との関係を示すグラフ
【図4】対向流方式の熱交換器における外気と水の温度変化を示すグラフ
【図5】並行流方式の熱交換器における外気と水の温度変化を示すグラフ
【図6】伝熱壁における水側壁面での氷核形成を説明する図
【図7】別実施形態を示すシステム構成図
【図8】他の別実施形態を示すシステム構成図
【図9】他の別実施形態を示すシステム構成図
【図10】他の別実施形態を示すシステム構成図
【図11】他の別実施形態を示すシステム構成図
【図12】従来の外気調整システムのシステム構成図
【発明を実施するための形態】
【0081】
図1は空調設備を示し、ここで、1は冷凍機、2は温水発生器、3は屋外からの導入外気OAを温湿度調整する外調機、4は生産室などの空調対象域5を温湿度調整する空調機である。
【0082】
外調機3には、冷却用熱交換器6と加熱用熱交換器7と加湿装置8とを、その順に外気通風方向の上流側から並べて装備してあり、冷却用熱交換器6及び加熱用熱交換器7には夫々、フィンチューブ型熱交換器を用いてある。
【0083】
この外調機3では、夏期には基本的に、屋外から導入する高温の外気OAを冷却用熱交換器6及び加熱用熱交換器7にその順に通風するのに伴い、冷凍機1と冷却用熱交換器6との間で冷水Wを循環させるとともに、温水発生機2と加熱用熱交換器7との間で温水Wを循環させる。
【0084】
つまり、高温の導入外気OAを冷却用熱交換器6において冷凍機1による冷却冷水Wと熱交換させて冷却除湿し、続いて、この除湿外気OAを加熱用熱交換器7において温水発生器2による加熱温水Wと熱交換させて再熱加熱し、この除湿再熱外気OAを調整外気として給気ファン9により空調対象域5に送給する。
【0085】
また、この外調機3では、冬期には基本的に、屋外から導入する低温の外気OAを冷却用熱交換器6及び加熱用熱交換器7にその順に通風するのに伴い、温水発生機2と加熱用熱交換器7との間で温水Wを循環させ、これにより、低温の導入外気OAを加熱用熱交換器7において温水発生機2による加熱温水Wと熱交換させて加熱し、この加熱外気OAを必要応じ加湿装置8により加湿調整した上で調整外気として給気ファン9により空調対象域5に送給する。
【0086】
一方、空調対象域5では、夏期及び冬期の夫々において外調機3から調整外気OAの送給を受けることに並行して、外調機3からの調整外気OAの送給量に相当する量の域内空気RAを排気ファン10により外部に排出する。
【0087】
空調対象域5を温湿度調整する空調機4にはフィンチューブ型の温調用熱交換器11を装備してあり、夏期には、外調機3から除湿再熱外気OAが空調対象域5に送給されることに対して、空調機4の温調用熱交換器11に空調対象域5の域内空気RAを循環通風するとともに、その温調用熱交換器11と冷凍機1との間で冷水Wを循環させる。
【0088】
また、この空調対象域5は冬期にも冷却負荷(冷房負荷)が存在するため、外調機3から加熱外気OAが空調対象域5に送給される冬期にも、空調機4の温調用熱交換器11に空調対象域5の域内空気RAを循環通風するのに対し、夏期と同じく、その温調用熱交換器11と冷凍機1との間で冷水Wを循環させる。
【0089】
つまり、夏期及び冬期のいずれにおいても、空調対象域5の域内空気RAを空調機4の温調用熱交換器11において冷凍機1による冷却冷水Wと熱交換させて冷却し、これにより、空調対象域5において夏期及び冬期に存在する冷却負荷を処理して空調対象域5を所要の温湿度状態に調整する。
【0090】
外調機3では、冬期において基本的に冷却用熱交換器6を休止状態にするため、冷却用熱交換器6の内部に残った水(具体的には、冷却用熱交換器6における通水路rwの滞留水)が冬期における低温の導入外気OAにより冷却されて凍結する虞がある。
【0091】
この為、この外調機3では、冬期にも冷却用熱交換器6と冷凍機1との間で冷水Wを循環させて、冷却用熱交換器6の通水路rwに冷凍機1による冷却冷水Wを凍結防止用水として通水することで、冷却用熱交換器6における内部水の凍結(実質的には、冷却用熱交換器6の通水路rwに凍結防止用水として通水する冷水Wの凍結)を防止する凍結防止運転を実施する。
【0092】
換言すれば、夏期には高温の導入外気OAを前述の如く冷却除湿することを目的として、図2(a)に示す如く、冷却用熱交換器6の通風路rfに夏期における高温の導入外気OA(例えば32℃)を通風するのに対し、冷却用熱交換器6の通水路rwに冷凍機1による冷却冷水W(例えば7℃)を通水することで、高温の導入外気OAを冷水Wと熱交換させて所定温度(例えば11.4℃)に冷却する外気冷却運転を冷却用熱交換器6で実施する。
【0093】
一方、冬期には図2(b)に示す如く、冬期における低温の導入外気OAが通風路rf通風されている状態にある冷却用熱交換器6の通水路rwに夏期と同じく冷凍機1による冷却冷水W(例えば7℃〜9℃)を凍結防止用水として通水することで、その冷水Wが冷却用熱交換器6の通水路rwにおいて低温の導入外気OA(例えば−8℃)により冷却されて凍結するのを防止する凍結防止運転を冷却用熱交換器6で実施する。
【0094】
そして、このように冷却用熱交換器6において外気冷却運転と凍結防止運転とを選択的に実施するのに、冷却用熱交換器6の通水路rwに対する冷水Wの通水向きを切り換えることで、外調機3における冷却用熱交換器6の通風通水方式を、同図2(a)に示す如く通風路rfの上流側が通水路rwの下流側となる対向流方式と、同図2(b)に示す如く通風路rfの上流側が通水路rwの上流側となる並行流方式とに選択的に切り換える通水切換手段としての切換三方弁12を装備してある。
【0095】
つまり、この切換三方弁12のよる通水向きの切り換えにより、外気冷却運転では冷却用熱交換器6の通風通水方式を図2(a)に示す如き対向流方式にし、一方、凍結防止運転では冷却用熱交換器6の通風通水方式を図2(b)に示す如き並行流方式にするようにしてある。
【0096】
即ち、対向流方式の熱交換器は並行流方式の熱交換器に比べ高い熱交換効率を得られることから、外気冷却運転では、冷却用熱交換器6の通風通水方式を図2(a)に示す対向流方式に切り換えておくことで、高温外気OAの冷却において高い冷却効率を得られるようにする。
【0097】
また、並行流方式の熱交換器では(図5の実線のグラフ参照)、凍結防止用水として冷却用熱交換器6の通水路rwに通水する冷水W(例えば7℃〜9℃)が冷却用熱交換器6の通風路出口における外気OAの温度(即ち、冷水Wとの熱交換で昇温した外気OAの温度、例えば5℃)未満に温度降下することがなく凍結に至り難いことから、凍結防止運転では、冷却用熱交換器6の通風通水方式を並行流方式に切り換えておくことで、凍結防止用水としての冷水Wが冷却用熱交換器6の通水路rwで凍結するのを効果的に防止する。
【0098】
13は外調機3の運転制御を司る運転制御手段としての制御装置であり、この制御装置13は、冷却用熱交換器6及び通水切換手段としての切換三方弁12などとともに外気調整システムを構成する。
【0099】
この制御装置13は、冷却用熱交換器6の外気冷却運転では、冷却用熱交換器6に対する制御として、冷却用熱交換器6の通風路出口における外気OAの温度toを検出する出口温度センサ14の検出情報に基づき外気冷却用制御弁15の開度を調整して、冷却用熱交換器6の通水路rwに対する冷水Wの通水量を調整することで、冷却用熱交換器6の通風路出口における外気OAの温度toを設定冷却温度tos(上記例では11.4℃)に調整する。
【0100】
即ち、この調整により、夏期における高温高湿の導入外気OAを冷却用熱交換器6において所定湿度まで冷却除湿する。
【0101】
また、この制御装置13は、冷却用熱交換器6の凍結防止運転では、冷却用熱交換器6に対する制御として、上記出口温度センサ14の検出情報に基づき凍結防止用制御弁16の開度を調整して、冷却用熱交換器6の通水路rwに対する凍結防止用水(冷水W)の通水量を調整することで、冷却用熱交換器6の通風路出口における外気OAの温度toを設定凍結防止温度tox(例えば5℃)に調整する。
【0102】
即ち、前述の如く冷却用熱交換器6の通水路rwに通水する凍結防止用水(冷水W)が冷却用熱交換器6の通風路出口における外気OAの温度to未満に温度降下することがない並行流方式に冷却用熱交換器6の通風通水方式を切り換えた状態において、上記の如く通水量調整により冷却用熱交換器6の通風路出口における外気OAの温度toを設定凍結防止温度toxに調整することで、凍結防止用水(冷水W)が冷却用熱交換器6の通水路rwにおいて凍結することを一層確実に防止する。
【0103】
さらに、この制御装置13は、凍結防止運転において冷却用熱交換器6の通水路rwに対する凍結防止用水(冷水W)の通水量を凍結防止用制御弁16の開度調整により調整するのに、その通水量調整の調整範囲を冷却用熱交換器6の通水路rwにおける凍結防止用水(冷水W)の流速vが設定下限流速vmin以上となる水量範囲内に制限するように、凍結防止用制御弁16の開度調整範囲を設定下限開度αmin以上の範囲に規定する。
【0104】
具体的には、制御装置13は、冷却用熱交換器6の通風路入口における外気OAの温度tiを検出する入口温度センサ17の検出情報に基づき、図3に示す如く通風路入口における外気OAの温度tiが低温になるほど上記の設定下限開度αminを増大側に変更(換言すれば、設定下限流速vminを増大側に変更)する構成にしてある。
【0105】
つまり、冷却用熱交換器6の通水路rwにおける凍結防止用水(冷水W)の流速vが設定下限流速vmin以上であるときには、凍結防止用水(冷水W)の通水量調整により、冷却用熱交換器6の通風路出口における外気OAの温度toを設定凍結防止温度toxに調整するが、その通水量調整において冷却用熱交換器6の通水路rwにおける凍結防止用水(冷水W)の流速vが設定下限流速vminまで低下すると、冷却用熱交換器6の通風路出口における外気OAの温度toが設定凍結防止温度toxより高温になることを許して、それ以上の減少側への通水量調整を禁止するようにしてある。
【0106】
そして、このように凍結防止用水(冷水W)の流速vを設定下限流速vmin以上に確保することで、凍結防止用水(冷水W)と冷却熱交換器6の伝熱壁18における通水路側壁面18aとの間の熱抵抗を小さくして、図6(a)との比較において図6(b)に示す如く伝熱壁18における通水路側壁面18aの温度降下を抑制し、これにより、冷却用熱交換器6の通風路出口における外気OAの温度toを設定凍結防止温度toxに調整しているにもかかわらず、伝熱壁18における通水路側壁面18aでの氷核形成に原因して冷却用熱交換器6の通水路rwで凍結防止用水(冷水W)の凍結を招くことを防止するようにしてある。
【0107】
一方、この空調設備において、通水切換手段としての切換三方弁12は、夏期には冷凍機1による冷却冷水Wを外調機3の冷却用熱交換器6と他の冷却負荷装置としての空調機4の温調用熱交換器11とに対して並列的に循環させる形態で、冷凍機1による冷却冷水Wを外気冷却運転状態にある冷却用熱交換器6の通水路rwに通水する通水形態を採るようにしてある。
【0108】
また、この切換三方弁12は、冬期にも夏期と同じく冷凍機1による冷却冷水Wを外調機3の冷却用熱交換器6と他の冷却負荷装置としての空調機4の温調用熱交換器11とに対して並列的に循環させる形態で、冷凍機1による冷却冷水Wを凍結防止用水として外気冷却運転時の通水向きとは逆の通水向きで凍結防止運転状態にある冷却用熱交換器6の通水路rwに通水する通水形態を採るようにしてある。
【0109】
換言すれば、この切換三方弁12は、冬期には、外調機3における冷却用熱交換器6の通水路rwに凍結防止用水として通水した冷水Wを、他の冷却負荷装置である空調機4の温調用熱交換器11に通水した冷水Wとともに冷凍機1に戻して再冷却し、その冷却冷水Wを再び外調機3の冷却用熱交換器6と他の冷却負荷装置である空調機4の温調用熱交換器11とに対して並列的に供給する通水形態を採る。
【0110】
即ち、この通水形態を採ることで、凍結防止運転で凍結防止用水として冷却用熱交換器6の通水路rwに通水した冷水Wが冷却用熱交換器6での低温外気OAとの熱交換で低温外気OAから回収した冷熱分だけ、凍結防止運転時における冷凍機1の冷却負荷を軽減できるようにしてある。
【0111】
制御装置13はまた、凍結防止運転において冷却用熱交換器6の通水路rwから排出される凍結防止用水(冷水W)の温度twを検出する出口水温センサ21の検出情報に基づき、冷却用熱交換器6の通水路rwから排出される凍結防止用水(冷水W)の温度twが設定危険温度twzまで低下すると、外調機3に対する外気導入ダンパ19を閉じるとともに、それまで閉じていたリサイクルダンパ20を開いた状態で、給気ファン9及び排気ファン10を継続して運転し、これにより、調整外気OAの供給先である空調対象域5への外調機3を通じた外気OAの供給を停止した状態で、空調対象域5と外調機3との間で域内空気RAを循環させる形態にして、その循環空気RAを冷却用熱交換器6の通風路rfに通風するリサイクル運転を実施する構成にしてある。
【0112】
つまり、このリサイクル運転では、低温外気OAの導入を遮断した状態で、空調対象域5に対する循環空気RAを冷却用熱交換器6の通風路rfに通風することにより、冷却用熱交換器6の通水路rwでの内部水凍結を防止する。
【0113】
ここで、設定危険温度twzには前記した設定凍結防止温度toxより低い温度を設定するが、これら設定危険温度twz及び設定凍結防止温度toxにはいずれも、凍結防止用水(冷水W)が冷却用熱交換器6の通水路rwにおいて凍結に至らない温度を設定してある。
【0114】
以上、本例で示した冷却用熱交換器6の運転方法、及び、外気調整システムによれば、冷却用熱交換器6の外気冷却運転において外気OAの冷却効率を高く確保しながら、冷却用熱交換器6の凍結防止運転において冷却用熱交換器6の通水路rwでの内部水の凍結も効果的に防止することができる。
【0115】
なお、冷却用熱交換器6を外気冷却運転と凍結防止運転とに切り換えるのに、切換三方弁12の切り換え操作は、人為的な切り換え指令により制御手段13に実行させる方式、あるいは、設定タイムスケジュールや入口温度センサ17による検出外気温度tiなどに基づいて制御手段13に実行させる方式のいずれを採用してもよい。
【0116】
〔別実施形態〕
次に本発明の別の実施形態を列記する。
【0117】
前述の実施形態では、凍結防止運転において、冷却用熱交換器6の通水路rwに対する凍結防止用水(冷水W)の通水量を調整することで、冷却用熱交換機6の通風路出口における外気OAの温度toを設定凍結防止温度toxに調整するようにしたが、これに代え、凍結防止運転において、冷却用熱交換器6の通水路rwに対する凍結防止用水の通水量を調整することで、冷却用熱交換機6の通水路出口における凍結防止用水の温度を設定凍結防止温度に調整するようにしてもよい。
【0118】
前述の実施形態では、冷却用熱交換器6にフィンチューブ型の熱交換器を用いる例を示したが、これに代えて図7に示す如く、冷却用熱交換器6の構成として、伝熱壁18の通風路側の壁面18bにフィンを備えていない無フィン式熱交換器部分6A(所謂ベアチューブ型熱交換器部分)と、伝熱壁18の通風路側の壁面18bにフィン(図示省略)を備えている有フィン式熱交換器部分6B(即ち、フィンチューブ型熱交換器部分)とを、それら熱交換器部分6A,6Bの通風路rfが直列となる状態に並置した構成を採用し、そして、外気冷却運転及び凍結防止運転の夫々において無フィン式熱交換器部分6Aの通風路rfから有フィン式熱交換器部分6Bの通風路rfの順に外気OAを通風するようにしてもよい。
【0119】
前述の実施形態では、冷却用熱交換器6の通水路rwに対する通水向きを切り換えることで冷却用熱交換器6の通風通水方式を対向流方式と並行流方式とに選択的に切り換える通水切換手段として切換三方弁12を用いた例を示したが、図8に示すように、この通水切換手段を4つの二方弁12Aにより構成してもよく、また、図9に示すように、この通水切換手段として4方切換弁12Bを用いるようにしてもよい。
【0120】
前述の実施形態では、外気冷却運転において冷却用熱交換器6の通水路rwに対する通水量を調整する外気冷却用制御弁15と、凍結防止運転において冷却用熱交換器6の通水路rwに対する通水量を調整する凍結防止用制御弁16とを各別に装備したが、上記の図8や図9に示す如く、外気冷却運転と凍結防止運転との夫々において兼用制御弁15Aにより冷却用熱交換器6の通水路rwに対する通水量を調整するようにしてもよい。
【0121】
冷却用熱交換器6の通水路rwに対する通水向きを切換三方弁12などの通水切換手段により切り換えて、冷却用熱交換器6の通風通水方式を対向流方式と並行流方式とに選択的に切り換えるのに、切換三方弁12などの通水切換手段の切り換え操作は、手作業により行うようにしてもよく、あるいはまた、切換指令や設定タイムスケジュールあるいは冷却用熱交換器6の通風路入口における外気OAの温度tiに基づいて制御装置13(運転制御手段)に自動的に行なわせるようにしてもよい。
【0122】
また場合によっては、冷却用熱交換器6の通水路rwに対する通水向きの切り換えにより、冷却用熱交換器6の通風通水方式を対向流方式と並行流方式とに切り換えるのに代えて、冷却用熱交換器6の通風路rfに対する外気通風向きの切り換えにより冷却用熱交換器6の通風通水方式を対向流方式と並行流方式とに切り換えるようにしてもよい。
【0123】
前述の実施形態では、凍結防止運転においても外気冷却運転と同様に冷凍機1(冷却手段の一例)による冷却冷水Wを凍結防止用水として冷却用熱交換器6の通水路rwに通水する例を示したが、凍結防止運転において冷却用熱交換器6の通水路rwに通水する凍結防止用水は、外気冷却運転において冷却用熱交換器6の通水路rwに通水する冷水Wとは別の給水源から供給される冷水や常温水あるいは加熱水であってもよい。
【0124】
なお、冷却用熱交換器6の通水路rwに対する通水向きを通水切換手段により切り換えることで冷却用熱交換器6の通風通水方式を対向流方式と並行流方式とに切り換える場合において、外気冷却運転で冷却用熱交換器6の通水路rwに通水する冷水と凍結防止運転において冷却用熱交換器6の通水路rwに通水する凍結防止用水とを各別の給水源から供給する場合は、通水切換手段は冷却用熱交換器6の通水路rwに対する通水向きの切り換えとともに、給水源の切り換えも行なうものにする。
【0125】
前述の実施形態では、外気通風方向において冷却用熱交換器6の下流側に加熱用熱交換器7を装備する例を示したが、本発明は、外気通風方向において冷却用熱交換器6の下流側に熱交換器を装備しない場合にも適用することができ、また場合によっては、外気通風方向において冷却用熱交換器6の上流側に所定用途の熱交換器を装備する場合にも適用することができる。
【0126】
前述の実施形態では、凍結防止運転において冷却用熱交換器6の通水路出口における凍結防止用水Cの温度twが設定危険温度twzまで低下したときリサイクル運転を実施するようにしたが、これに代え、凍結防止運転において冷却用熱交換器6の通風路出口における外気OAの温度toや通風路入口における外気OAの温度tiが設定危険温度まで低下したときにリサイクル運転を実施するようにしてもよい。
【0127】
また、リサイクル運転に至るまでの処置として、凍結防止運転において冷却用熱交換器6の通風路入口における外気OAの温度tiが低温になるほど、冷却用熱交換器6の通風路rfに対する外気OAの通風量を減少側に調整するようにしてもよい。
【0128】
さらに、その場合、冷却用熱交換器6の通風路入口における外気OAの温度tiが低温になるほど、冷却用熱交換器6の通風路rfに対する外気OAの通風量を減少側に調整するとともに、外気供給の供給先5と冷却用熱交換器6との間で循環させる形態で外気OAとともに冷却用熱交換器6の通風路rfに通風する循環空気RAの通風量を増大側に調整するようにしてもよい。
【0129】
前述の実施形態では凍結防止運転において、冷凍機1(冷却手段の一例)により冷却した冷水Wを冷却用熱交換器6と他の冷却負荷装置(温調用熱交換器11)とに対して並列的に循環させる形態で、冷凍機1による冷却冷水Wを凍結防止用水として冷却用熱交換器6の通水路rwに通水するようにしたが、これに代え、図10,図11に示す如く、凍結防止運転の実施時に、外気冷却運転で冷却用熱交換器6に通水する冷水Wを冷却する冷凍機等の冷却手段又は他の冷凍機等の冷却手段のいずれかの冷却手段1′により冷却した冷水Wを冷却負荷装置11′に循環させるのに併行して、その冷却負荷装置11′から送出される冷水W(即ち、冷却負荷緒装置11′で昇温した冷水)、又は、その送出冷水Wと中継熱交換器H(即ち、熱回収熱交換器)で熱交換させた循環水W′を、凍結防止用水として冷却用熱交換器6の通水路rwに通水するようにしてもよい。
【0130】
即ち、このようにすれば、凍結防止運転の実施時において運転される冷却負荷装置11′での排熱を凍結防止用の熱として利用する形態で、冷却用熱交換器6における内部水の凍結を一層効果的に防止することができ、また、冷却負荷装置11′での排熱を凍結防止用の熱として冷却用熱交換器6で消費する分、その冷却負荷装置11′との間で冷水循環させる冷却手段1′の冷却負荷を軽減することができる。
【0131】
外気冷却運転において冷却用熱交換器6の通水路rwに通水する冷水Wを冷却する冷却手段は、冷凍機1に限らず各種形式の冷水発生機や蓄熱冷熱により冷水Wを冷却するものであってもよく、また場合によっては、冷却塔や種々の流体からの回収冷熱により冷水Wを冷却するものであってもよい。
【0132】
外気冷却運転において冷却用熱交換器6で冷却した外気OAの供給先は空調対象域5に限られるものではなく、冷却用熱交換器6で冷却した外気OAはどのような用途に供するものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明による冷却用熱交換器の運転方法及び外気調整システムは、凍結防止を必要とするものであれば、空調用に限らず各種分野における種々の用途の冷却用熱交換器に適用することができる。
【符号の説明】
【0134】
6 冷却用熱交換器
rf 通風路
OA 外気
rw 通水路
1 冷却手段
W 冷水,凍結防止用水
to 通風路出口の外気温度
tox 設定凍結防止温度
v 流速
vmin 設定下限流速
ti 通風路入口の外気温度
18 伝熱壁
18b 通風路側壁面
6A 無フィン式熱交換器部分
6B 有フィン式熱交換器部分
5 供給先
PA 循環空気
11 冷却負荷装置
1′ 冷却手段
12 通水切換手段
13 運転制御手段
tw 通水路出口の水温度
twz 設定危険温度
H 中継熱交換器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却用熱交換器の通風路に高温の外気を通風するとともに、前記冷却用熱交換器の通水路に冷却手段により冷却した冷水を通水することで、その高温外気を冷水と熱交換させて冷却する外気冷却運転と、
通風路に低温の外気が通風されている前記冷却用熱交換器の通水路に凍結防止用水を通水することで、その通水路における水が低温外気により冷却されて凍結するのを防止する凍結防止運転とを、選択的に実施する冷却用熱交換器の運転方法であって、
前記外気冷却運転では、前記冷却用熱交換器の通風通水方式を通風路上流側が通水路下流側となる対向流方式に切り換えた状態にし、
前記凍結防止運転では、前記冷却用熱交換器の通風通水方式を通風路上流側が通水路上流側となる並行流方式に切り換えた状態にするとともに、
前記冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水の通水量を調整することで、前記冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、前記冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度を設定凍結防止温度に調整する冷却用熱交換器の運転方法。
【請求項2】
前記凍結防止運転において、前記冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水の通水量を調整するのに、
その通水量調整の調整範囲を、前記冷却用熱交換器の通水路における凍結防止用水の流速が設定下限流速以上となる水量範囲内に制限する請求項1に記載した冷却用熱交換器の運転方法。
【請求項3】
前記凍結防止運転において、前記冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が低温になるほど、前記設定下限流速を増大側に変更する請求項2に記載した冷却用熱交換器の運転方法。
【請求項4】
前記冷却用熱交換器は、伝熱壁の通風路側の壁面にフィンを備えていない無フィン式熱交換器部分と、伝熱壁の通風路側の壁面にフィンを備えている有フィン式熱交換器部分とを、それら熱交換器部分の通風路が直列となる状態に並置した構成にしておき、
前記凍結防止運転では、前記無フィン式熱交換器部分の通風路から前記有フィン式熱交換器部分の通風路の順に外気を通風する請求項1〜3のいずれか1項に記載した冷却用熱交換器の運転方法。
【請求項5】
前記凍結防止運転において、前記冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度、又は、前記冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、前記冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が設定危険温度まで低下したときに、
供給先への前記冷却用熱交換器を通じた外気の供給を停止した状態で、前記供給先と前記冷却用熱交換器との間で空気を循環させる形態にして、その循環空気を前記冷却用熱交換器の通風路に通風するリサイクル運転を実施する請求項1〜4のいずれか1項に記載した冷却用熱交換器の運転方法。
【請求項6】
前記外気冷却運転では、前記冷却手段により冷却した冷水を前記冷却用熱交換器と他の冷却負荷装置とに対して並列的に循環させる形態で、前記冷却手段により冷却した冷水を前記冷却用熱交換器の通水路に通水し、
前記凍結防止運転では、同じく前記冷却手段により冷却した冷水を前記冷却用熱交換器と前記他の冷却負荷装置とに対して並列的に循環させる形態で、前記冷却手段により冷却した冷水を凍結防止用水として前記冷却用熱交換器の通水路に通水する請求項1〜5のいずれか1項に記載した冷却用熱交換器の運転方法。
【請求項7】
前記凍結防止運転の実施時に、前記冷却手段により冷却した冷水又は他の冷却手段により冷却した冷水を冷却負荷装置に循環させるのに併行して、その冷却負荷装置から送出される冷水、又は、その送出冷水と中継熱交換器で熱交換させた循環水を、凍結防止用水として前記冷却用熱交換器の通水路に通水する請求項1〜5のいずれか1項に記載した冷却用熱交換器の運転方法。
【請求項8】
請求項1に記載した冷却用熱交換器の運転方法を実施するのに使用する外気調整システムであって、
冷却用熱交換器の通風路に高温の外気を通風するとともに、前記冷却用熱交換器の通水路に冷却手段により冷却した冷水を通水することで、その高温外気を冷水と熱交換させて冷却する外気冷却運転と、
通風路に低温の外気が通風されている前記冷却用熱交換器の通水路に凍結防止用水を通水することで、その通水路における水が低温外気により冷却されて凍結するのを防止する凍結防止運転とを、選択的に実施する構成として、
前記冷却用熱交換器の通水路に対する通水向きの切り換えにより、前記冷却用熱交換器の通風通水方式を、通風路上流側が通水路下流側となる対向流方式と通風路上流側が通水路上流側となる並行流方式とに選択的に切り換える通水切換手段を備えるとともに、
前記凍結防止運転において、前記冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水の通水量を調整することで、前記冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、前記冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度を設定凍結防止温度に調整する運転制御手段を備えている外気調整システム。
【請求項9】
前記運転制御手段は、前記凍結防止運転において前記冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水の通水量を調整するのに、その通水量調整の調整範囲を、前記冷却用熱交換器の通水路における凍結防止用水の流速が設定下限流速以上となる水量範囲内に制限する構成にしてある請求項8に記載した外気調整システム。
【請求項10】
前記運転制御手段は、前記凍結防止運転において前記冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が低温になるほど、前記設定下限流速を増大側に変更する構成にしてある請求項9に記載した外気調整システム。
【請求項11】
前記冷却用熱交換器は、伝熱壁の通風路側の壁面にフィンを備えていない無フィン式熱交換器部分と、伝熱壁の通風路側の壁面にフィンを備えている有フィン式熱交換器部分とを、それら熱交換器部分の通風路が直列となる状態に並置した構成にするとともに、
前記外気冷却運転及び前記凍結防止運転の夫々で無フィン式熱交換器部分の通風路から有フィン式熱交換器部分の通風路の順に外気を通風する構成にしてある請求項8〜10のいずれか1項に記載した外気調整システム。
【請求項12】
前記運転制御手段は、前記凍結防止運転において前記冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度、又は、前記冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、前記冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が設定危険温度まで低下したときに、
供給先への前記冷却用熱交換器を通じた外気の供給を停止した状態で、前記供給先と前記冷却用熱交換器との間で空気を循環させる形態にして、その循環空気を前記冷却用熱交換器の通風路に通風するリサイクル運転を実施する構成にしてある請求項8〜11のいずれか1項に記載した外気調整システム。
【請求項13】
前記運転制御手段は、切換指令又は設定タイムスケジュール又は前記冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度に基づき、前記通水切換手段を操作して前記外気冷却運転と前記凍結防止運転との切り換えを自動的に行なう構成にしてある請求項8〜12のいずれか1項に記載した外気調整システム。
【請求項14】
前記通水切換手段は、前記外気冷却運転では、前記冷却手段により冷却した冷水を前記冷却用熱交換器と他の冷却負荷装置とに対して並列的に循環させる形態で、前記冷却手段により冷却した冷水を前記冷却用熱交換器の通水路に通水し、
前記凍結防止運転では、同じく前記冷却手段により冷却した冷水を前記冷却用熱交換器と前記他の冷却負荷装置とに対して並列的に循環させる形態で、前記冷却手段により冷却した冷水を凍結防止用水として外気冷却運転時の通水向きとは逆向きで前記冷却用熱交換器の通水路に通水する構成にしてある請求項8〜13のいずれか1項に記載した外気調整システム。
【請求項15】
前記通水切換手段は、前記凍結防止運転の実施時に、前記冷却手段により冷却した冷水又は他の冷却手段により冷却した冷水を冷却負荷装置に循環させるのに併行して、その冷却負荷装置から送出される冷水、又は、その送出冷水と中継熱交換器で熱交換させた循環水を、凍結防止用水として前記冷却用熱交換器の通水路に通水する構成にしてある請求項8〜13のいずれか1項に記載した外気調整システム。
【請求項1】
冷却用熱交換器の通風路に高温の外気を通風するとともに、前記冷却用熱交換器の通水路に冷却手段により冷却した冷水を通水することで、その高温外気を冷水と熱交換させて冷却する外気冷却運転と、
通風路に低温の外気が通風されている前記冷却用熱交換器の通水路に凍結防止用水を通水することで、その通水路における水が低温外気により冷却されて凍結するのを防止する凍結防止運転とを、選択的に実施する冷却用熱交換器の運転方法であって、
前記外気冷却運転では、前記冷却用熱交換器の通風通水方式を通風路上流側が通水路下流側となる対向流方式に切り換えた状態にし、
前記凍結防止運転では、前記冷却用熱交換器の通風通水方式を通風路上流側が通水路上流側となる並行流方式に切り換えた状態にするとともに、
前記冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水の通水量を調整することで、前記冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、前記冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度を設定凍結防止温度に調整する冷却用熱交換器の運転方法。
【請求項2】
前記凍結防止運転において、前記冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水の通水量を調整するのに、
その通水量調整の調整範囲を、前記冷却用熱交換器の通水路における凍結防止用水の流速が設定下限流速以上となる水量範囲内に制限する請求項1に記載した冷却用熱交換器の運転方法。
【請求項3】
前記凍結防止運転において、前記冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が低温になるほど、前記設定下限流速を増大側に変更する請求項2に記載した冷却用熱交換器の運転方法。
【請求項4】
前記冷却用熱交換器は、伝熱壁の通風路側の壁面にフィンを備えていない無フィン式熱交換器部分と、伝熱壁の通風路側の壁面にフィンを備えている有フィン式熱交換器部分とを、それら熱交換器部分の通風路が直列となる状態に並置した構成にしておき、
前記凍結防止運転では、前記無フィン式熱交換器部分の通風路から前記有フィン式熱交換器部分の通風路の順に外気を通風する請求項1〜3のいずれか1項に記載した冷却用熱交換器の運転方法。
【請求項5】
前記凍結防止運転において、前記冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度、又は、前記冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、前記冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が設定危険温度まで低下したときに、
供給先への前記冷却用熱交換器を通じた外気の供給を停止した状態で、前記供給先と前記冷却用熱交換器との間で空気を循環させる形態にして、その循環空気を前記冷却用熱交換器の通風路に通風するリサイクル運転を実施する請求項1〜4のいずれか1項に記載した冷却用熱交換器の運転方法。
【請求項6】
前記外気冷却運転では、前記冷却手段により冷却した冷水を前記冷却用熱交換器と他の冷却負荷装置とに対して並列的に循環させる形態で、前記冷却手段により冷却した冷水を前記冷却用熱交換器の通水路に通水し、
前記凍結防止運転では、同じく前記冷却手段により冷却した冷水を前記冷却用熱交換器と前記他の冷却負荷装置とに対して並列的に循環させる形態で、前記冷却手段により冷却した冷水を凍結防止用水として前記冷却用熱交換器の通水路に通水する請求項1〜5のいずれか1項に記載した冷却用熱交換器の運転方法。
【請求項7】
前記凍結防止運転の実施時に、前記冷却手段により冷却した冷水又は他の冷却手段により冷却した冷水を冷却負荷装置に循環させるのに併行して、その冷却負荷装置から送出される冷水、又は、その送出冷水と中継熱交換器で熱交換させた循環水を、凍結防止用水として前記冷却用熱交換器の通水路に通水する請求項1〜5のいずれか1項に記載した冷却用熱交換器の運転方法。
【請求項8】
請求項1に記載した冷却用熱交換器の運転方法を実施するのに使用する外気調整システムであって、
冷却用熱交換器の通風路に高温の外気を通風するとともに、前記冷却用熱交換器の通水路に冷却手段により冷却した冷水を通水することで、その高温外気を冷水と熱交換させて冷却する外気冷却運転と、
通風路に低温の外気が通風されている前記冷却用熱交換器の通水路に凍結防止用水を通水することで、その通水路における水が低温外気により冷却されて凍結するのを防止する凍結防止運転とを、選択的に実施する構成として、
前記冷却用熱交換器の通水路に対する通水向きの切り換えにより、前記冷却用熱交換器の通風通水方式を、通風路上流側が通水路下流側となる対向流方式と通風路上流側が通水路上流側となる並行流方式とに選択的に切り換える通水切換手段を備えるとともに、
前記凍結防止運転において、前記冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水の通水量を調整することで、前記冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、前記冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度を設定凍結防止温度に調整する運転制御手段を備えている外気調整システム。
【請求項9】
前記運転制御手段は、前記凍結防止運転において前記冷却用熱交換器の通水路に通水する凍結防止用水の通水量を調整するのに、その通水量調整の調整範囲を、前記冷却用熱交換器の通水路における凍結防止用水の流速が設定下限流速以上となる水量範囲内に制限する構成にしてある請求項8に記載した外気調整システム。
【請求項10】
前記運転制御手段は、前記凍結防止運転において前記冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が低温になるほど、前記設定下限流速を増大側に変更する構成にしてある請求項9に記載した外気調整システム。
【請求項11】
前記冷却用熱交換器は、伝熱壁の通風路側の壁面にフィンを備えていない無フィン式熱交換器部分と、伝熱壁の通風路側の壁面にフィンを備えている有フィン式熱交換器部分とを、それら熱交換器部分の通風路が直列となる状態に並置した構成にするとともに、
前記外気冷却運転及び前記凍結防止運転の夫々で無フィン式熱交換器部分の通風路から有フィン式熱交換器部分の通風路の順に外気を通風する構成にしてある請求項8〜10のいずれか1項に記載した外気調整システム。
【請求項12】
前記運転制御手段は、前記凍結防止運転において前記冷却用熱交換器の通水路出口における凍結防止用水の温度、又は、前記冷却用熱交換器の通風路出口における外気の温度、又は、前記冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度が設定危険温度まで低下したときに、
供給先への前記冷却用熱交換器を通じた外気の供給を停止した状態で、前記供給先と前記冷却用熱交換器との間で空気を循環させる形態にして、その循環空気を前記冷却用熱交換器の通風路に通風するリサイクル運転を実施する構成にしてある請求項8〜11のいずれか1項に記載した外気調整システム。
【請求項13】
前記運転制御手段は、切換指令又は設定タイムスケジュール又は前記冷却用熱交換器の通風路入口における外気の温度に基づき、前記通水切換手段を操作して前記外気冷却運転と前記凍結防止運転との切り換えを自動的に行なう構成にしてある請求項8〜12のいずれか1項に記載した外気調整システム。
【請求項14】
前記通水切換手段は、前記外気冷却運転では、前記冷却手段により冷却した冷水を前記冷却用熱交換器と他の冷却負荷装置とに対して並列的に循環させる形態で、前記冷却手段により冷却した冷水を前記冷却用熱交換器の通水路に通水し、
前記凍結防止運転では、同じく前記冷却手段により冷却した冷水を前記冷却用熱交換器と前記他の冷却負荷装置とに対して並列的に循環させる形態で、前記冷却手段により冷却した冷水を凍結防止用水として外気冷却運転時の通水向きとは逆向きで前記冷却用熱交換器の通水路に通水する構成にしてある請求項8〜13のいずれか1項に記載した外気調整システム。
【請求項15】
前記通水切換手段は、前記凍結防止運転の実施時に、前記冷却手段により冷却した冷水又は他の冷却手段により冷却した冷水を冷却負荷装置に循環させるのに併行して、その冷却負荷装置から送出される冷水、又は、その送出冷水と中継熱交換器で熱交換させた循環水を、凍結防止用水として前記冷却用熱交換器の通水路に通水する構成にしてある請求項8〜13のいずれか1項に記載した外気調整システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−154543(P2012−154543A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13146(P2011−13146)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000149790)株式会社大気社 (136)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000149790)株式会社大気社 (136)
【Fターム(参考)】
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