冷却能を向上させると共に撓みおよび変形を減少させるターゲットの設計およびその関連方法
【課題】向上した冷却能を有し、且つスパッタ材料の撓みを減少させることのできるスパッタリングターゲットを提供する。
【解決手段】a)ターゲット表面要素と、b)連結面がターゲット表面要素に連結されている芯裏打要素と、c)芯裏打要素の有効表面積を増大させる少なくとも1つの表面積形状を備える。付加的なスパッタリングターゲットは、a)ターゲット表面要素および芯裏打要素が同じターゲット材料を備えるかあるいは材料勾配を備える、一体型のターゲット表面要素および芯裏打要素と、b)少なくとも1つの表面積形状を備える。スパッタリングターゲットの形成方法は、a)ターゲット表面要素を提供することと、b)芯裏打要素を提供することと、c)芯裏打板の有効表面積を増大させる少なくとも1つの表面積形状を提供することと、d)表面ターゲット材料を芯裏打材料の連結面に連結することを備えている。
【解決手段】a)ターゲット表面要素と、b)連結面がターゲット表面要素に連結されている芯裏打要素と、c)芯裏打要素の有効表面積を増大させる少なくとも1つの表面積形状を備える。付加的なスパッタリングターゲットは、a)ターゲット表面要素および芯裏打要素が同じターゲット材料を備えるかあるいは材料勾配を備える、一体型のターゲット表面要素および芯裏打要素と、b)少なくとも1つの表面積形状を備える。スパッタリングターゲットの形成方法は、a)ターゲット表面要素を提供することと、b)芯裏打要素を提供することと、c)芯裏打板の有効表面積を増大させる少なくとも1つの表面積形状を提供することと、d)表面ターゲット材料を芯裏打材料の連結面に連結することを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2002年10月24日に出願されて権利者が同じであり、且つその内容が全体としてここに組み入れられる米国特許仮出願第60/421478号への利益を主張するものである。
【0002】
発明対象の分野は、向上した冷却能を有し、且つスパッタ材料の撓みを減少させることのできるスパッタリングターゲットの設計および使用である。
【背景技術】
【0003】
電子部品および半導体部品が、増加の一途をたどる数の消費者用および業務用の電子製品、通信用製品およびデータ交換用製品に使用されている。これらの消費者用および業務用の製品のいくつかの例は、テレビ、コンピュータ、携帯電話、ポケットベル、手のひら型あるいは手持ち型の電子システム手帳、携帯ラジオ、カーステレオ、あるいはリモコンである。これらの消費者用および業務用の電子機器についての需要が増大するにつれて、同じ製品を消費者および企業のためにより小さく且つよりポータブルにする要求も存在している。
【0004】
これらの製品の大きさが減少すると、これらの製品を備える部品もより小さくおよび/またはより薄くならなければならない。大きさを減少させるかあるいは縮小する必要のある部品のいくつかの例は、超小型電子チップ相互配線、半導体チップ部品、抵抗器、蓄電器、プリント回路基板あるいは配線基板、配線、キーボード、タッチパッド、およびチップ実装体である。
【0005】
電子部品および半導体部品の大きさが減少されあるいは縮小されると、より大きい部品に存在する欠陥は、縮小した部品においてきわだつようになる。したがって、より大きい部品に存在するかあるいは存在するおそれのある欠陥は、部品がより小さい電子部品のために縮小される前に、可能であれば確認して修正すべきである。
【0006】
電子部品、半導体部品および通信用部品における欠陥を確認して修正するために、使用された部品、材料およびそれらの部品を作るための製造方法は、分解して解析すべきである。電子部品、半導体部品および通信用/データ交換用部品は、場合によっては、金属、合金、セラミックス、無機材料、ポリマー、あるいは有機金属材料のような材料の層を備える。これらの材料の層はたいてい薄い(厚さがおよそ数十オングストローム未満程度である)。これらの材料の層の質を改善するために、層を形成する方法(金属あるいは他の化合物の物理的気相成長法のようなもの)を評価すべきであり、また、可能であれば、それを改変し且つ改善すべきである。
【0007】
材料の層を蒸着する方法を改善するために、表面組成および/または材料組成を測定し、定量化し、さらに、欠陥あるいは不具合を検出しなければならない。材料の単一層あるいは複数層を蒸着する場合には、それは、監視すべき材料からなる実際の単一層あるいは複数層だけでなく、監視すべき基板あるいは他の表面における材料の層を生成するために用いられる材料およびその材料の表面も含まれる。例えば、金属を備えるターゲットにスパッタリングすることで表面あるいは基板の上に金属の層を蒸着するときには、ターゲットは、一様でない摩耗、ターゲット変形、ターゲット撓みおよび他の関連状態について監視されなければならない。スパッタリングターゲットの一様でない摩耗は避けられず、また、磁石設計の作用によってターゲットの寿命が減少し、場合によっては、基板の表面における金属の蒸着がほとんどないかまったくない結果になる。
【0008】
Gardellらは、マグネット列支持板のための独立冷却システムが備わった高出力容量マグネトロンカソードを開示している(米国特許第5,628,889号)。Gardellの発明では、マグネット列支持板に水平マグネット列の流体制御面が物理的に取り付けられている。流体制御面あるいは装置は、支持板の材料、マグネット列の材料あるいはカソードの材料の中に一体化されていない。このため、より多くの作用部品、マグネトロンカソードの設計および使用の際における複雑な付加層、部品の修理および交換を行う作業員の余分な作業が存在している。
【0009】
電子部品および/または半導体部品の従来の製造および/または使用の間に、材料およびターゲットの摩耗を簡単に点検することはできないが、それは、そのような点検には、操作を中断することが必要であるか、または、経験を積んだオペレータが手近にいるかあるいはスケジュールを監視する機器の下にいるかが必要であるが、これらはいずれもコストがかかるからである。このため、そのような材料を定期的に(必要時におけるものではなく)交換することになり、特に、その材料が入手あるいは交換のために高価であるかその材料が第1位置に折り合わないときには、コストがかさむ材料浪費につながる。
【0010】
従来技術の図1および図2には、新しい従来型ターゲット100と、使用期間後に一様でない摩耗パターン220が示された同じターゲット200とが示されている。従来型ターゲットは、ターゲットが曲がりおよび/または変形が起きる温度まで加熱されるときに、そして、冷却システムあるいは冷却方法が効果的に利用されないか効率がよくないときに、図3および図4(さらに、実施例部分に説明された関連する図8および図9)の反り側面図に示された曲がりあるいは変形を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このために、a)ターゲットを冷却するために使用される基板についての接触面積を最大化することで従来型ターゲットおよび一体構造型ターゲットの双方における冷却システムの冷却効率を最大化し、b)使用時におけるターゲットの変形を減少させ、c)変形および反り/曲がりに対する付加的抵抗になるターゲット構造体の剛性を増大させ、d)従来のシステムに比べて使用の容易さをもたらし、e)スパッタされた原子および分子の好ましくない偏向を最小限にし、さらにf)裏打板に連結されたターゲットを有する、一体構造(単一体設計)で3次元型のスパッタリングターゲットおよび従来型のスパッタリングターゲットの双方に有効である、冷却システムを開発すると共に利用することは望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
ここで説明されたスパッタリングターゲットは、a)ターゲット材料を備えるターゲット表面要素と、b)連結面および背面を有し、連結面がターゲット表面要素に連結されている芯裏打要素(core backing component)と、c)芯裏打要素の背面に連結されるかあるいは配置され、芯裏打要素の有効表面積を増大させる少なくとも1つの表面積形状(surface area feature)を備える。
【0013】
ここで説明された別のスパッタリングターゲットは、a)ターゲット材料を備えるターゲット表面要素と、b)連結面および背面を有し、連結面がターゲット表面材料に連結されている芯裏打要素と、c)芯裏打要素の背面に連結されるかあるいは配置され、取除き形状、付加形状あるいはこれらの組み合わせを備える少なくとも1つの表面積形状を備える。
【0014】
意図されたさらに別のスパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体は、a)ターゲット表面要素および芯裏打要素が同じターゲット材料を備える一体型のターゲット表面要素および芯裏打要素と、b)芯裏打要素の上にあるかあるいは中に一体化され、芯裏打要素の有効要素を増大させる少なくとも1つの表面積形状を備える。
【0015】
意図された他の実施形態では、スパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体は、a)スパッタリングターゲットがターゲット材料勾配を備える一体型のターゲット表面要素および芯裏打要素と、b)芯裏打要素の上に配置されるかあるいは中に一体化され、芯裏打要素の有効要素を増大させる少なくとも1つの表面積形状を備える。
【0016】
さらに説明されたスパッタリングターゲットの形成方法は、a)表面材料を備えるターゲット表面要素を提供することと、b)裏打材料を備えると共に連結面および背面を有する芯裏打要素を提供することと、c)芯裏打板の背面に連結されるかあるいは配置され、芯裏打板の有効表面積を増大させる少なくとも1つの表面積形状を提供することと、d)表面ターゲット材料を芯裏打材料の連結面に連結することを備える。
【0017】
さらに説明されたスパッタリングターゲットの追加的な形成方法は、a)表面材料を備えるターゲット表面要素を提供することと、b)裏打材料を備えると共に連結面および背面を有する芯裏打要素を提供することと、c)芯裏打要素の連結面に連結されるかあるいは配置され、芯裏打要素の有効表面積を増大させる少なくとも1つの表面積形状を提供することと、d)表面ターゲット材料を芯裏打要素の連結面に連結することを備える。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来のスパッタリングターゲット組立体の写真である。
【図2】不均一に摩耗した従来のスパッタリングターゲット組立体の写真である。
【図3】スパッタリングターゲット組立体の反りを示す図である。
【図4】スパッタリングターゲット組立体の反りを示す図である。
【図5】意図されたいくつかの芯裏打要素構造体を示す図である。
【図6】意図されたいくつかの芯裏打要素構造体を示す図である。
【図7】意図された芯裏打要素構造体の拡大図を示す図である。
【図8】意図された実施形態の腐食プロファイルを示す図である。
【図9】側部冷却されたスパッタリングターゲット組立体の腐食プロファイルを示す図である。
【図10】CuCr製の芯裏打要素についての応力−歪み曲線を示す図である。
【図11】意図された実施形態についての比較腐食プロファイルを示す図である。
【図12】意図された実施形態についての比較腐食プロファイルを示す図である。
【図13】意図された実施形態についての比較腐食プロファイルを示す図である。
【図14】意図された実施形態についての比較腐食プロファイルを示す図である。
【図15】意図された実施形態についての比較腐食プロファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
スパッタリングターゲットおよび関連冷却システムが開発されてここに記載されているが、それは、a)ターゲットを冷却するために用いられる物質についての接触面積を最大化することで従来型ターゲットおよび一体構造型ターゲットの双方の冷却効率を最大化し、b)使用時におけるターゲットの変形を減少させ、c)変形および反り/曲がりに対する付加的抵抗になるターゲット構造体の剛性を増大させ、d)従来のシステムに比べて使用の容易さをもたらし、e)スパッタされた原子および分子の好ましくない偏向を最小限にし、さらにf)裏打板に連結されたターゲットを有する、一体構造(単一体設計)で3次元型のスパッタリングターゲットおよび従来型のスパッタリングターゲットの双方に有効である。
【0020】
このために、スパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体は、a)ターゲット材料を備えるターゲット表面要素と、b)連結面および背面を有し、連結面がターゲット表面要素に連結されている芯裏打要素と、c)芯裏打要素の背面に連結されるかあるいは配置され、芯裏打要素の有効表面積を増大させる少なくとも1つの表面積形状を備える。いくつかの実施形態では、ターゲット表面要素および芯裏打要素はターゲット材料と同じ材料を備える。
【0021】
意図されたさらに別のスパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体は、a)ターゲット表面要素および芯裏打要素が同じターゲット材料を備える一体型のターゲット表面要素および芯裏打要素と、b)芯裏打要素の上にあるかあるいは中に一体化され、芯裏打要素の有効要素を増大させる少なくとも1つの表面積形状を備える。意図された関連の実施形態では、スパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体は、a)スパッタリングターゲットがターゲット材料勾配を備える一体型のターゲット表面要素および芯裏打要素と、b)芯裏打要素の表面の上に配置されるかあるいは表面の中に一体化され、芯裏打要素の有効要素を増大させる少なくとも1つの表面積形状を備える。
【0022】
さらに別のスパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体は、a)ターゲット材料を備えるターゲット表面要素と、b)連結面および背面を有し、連結面がターゲット表面要素に連結されている芯裏打要素と、c)芯裏打要素の背面に連結されるかあるいは配置され、取除き形状、付加形状あるいはこれらの組み合わせを備える少なくとも1つの表面積形状を備える。いくつかの実施形態では、ターゲット表面要素および芯裏打要素は、ターゲット材料と同じ材料を備える。さらに他のいくつかの実施形態では、ターゲット表面要素および芯裏打要素は、これらが一体構造型のスパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体を形成するように、連結されている。
【0023】
ここで意図されたスパッタリングターゲットおよびスパッタリングターゲット組立体は、用途に左右される任意の適切な形状や大きさとPVD法に使用される機器とを備える。ここで意図されたスパッタリングターゲットは、ターゲット表面要素および芯裏打要素(裏打板を含んでいてもよい)も備えており、ターゲット表面要素がガスチャンバあるいはガス流を通しておよび/またはガスチャンバあるいはガス流の周りで、芯裏打要素に連結されている。ここで用いられるように、用語「連結された」は、事物あるいは複数要素の2つの部分における物理的付着(接着剤、付着境界面用材料)を意味するかあるいは、共有結合やイオン結合のような結合力と、ファンデルワールス引力、静電気引力、クーロン引力、水素結合引力および/または磁石引力のような非結合力とが含まれる、事物あるいは複数要素の2つの部分における物理的および/または化学的引き付けを意味する。ターゲット表面材料および芯裏打材料は、一般に同じ成分的構成あるいは化学組成/成分を備えていてもよく、または、ターゲット表面材料の成分的構成および化学組成は、芯裏打材料のそれと異なるように変更されても変性されてもよい。いくつかの実施形態では、ターゲット表面材料および芯裏打材料は、同じ成分的構成および化学組成を備える。上記のように、用語「連結された」は、スパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体が一体構造であるように、スパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体の構成要素同士の間に結合力あるいは接着力があることを意味する。
【0024】
ターゲット表面要素は、測定できる任意の箇所で適切な時期にエネルギー源にさらされるターゲットの特定部分であり、また、表面コーティング剤として望ましい原子および/または分子を生成するように意図されているすべてのターゲット材料からなる特定部分でもある。ターゲット表面要素は前方側表面と後方側表面とを備える。前方側表面は、エネルギー源にさらされる特定表面であり、また、表面コーティング剤として望ましい原子および/または分子を生成するように意図されているすべてのターゲット材料からなる特定部分である。後方側表面は芯裏打要素に連結された特定表面である。ターゲット表面要素はターゲット材料を備えるが、その材料はスパッタリングターゲットを形成するのに適した任意の材料であってもよい。いくつかの実施形態では、ターゲット表面要素は、凹形、凸形あるいは他の自由な何らかの形状であるターゲット表面のような3次元ターゲット表面を備える。ターゲット表面要素は、要素の形状がどのようなものであっても、測定できる任意の箇所で適切な時期にエネルギー源にさらされるターゲットの特定部分であり、また、表面コーティング剤として望ましい原子および/または分子を生成するように意図されているすべてのターゲット材料からなる特定部分でもある、ということを理解すべきである。
【0025】
芯裏打要素は、ターゲット表面の要素および材料の支持をもたらすと共に、スパッタ処理における付加的原子あるいはターゲットの耐用寿命が終わったときの情報をできる限りもたらすように設計されている。例えば、芯裏打材料が本来のターゲット表面材料とは異なる材料を備え、品質管理装置がターゲットとウェハとの空間における芯材料原子の存在を検出する状況では、ターゲットは、金属コーティングの化学的結合性と成分純度とが既存の表面/ウェハ層の表面に望ましくない材料を蒸着させることによって損なわれる可能性があるため、すべて取り外して取り替えるかあるいは廃棄する必要がある可能性がある。
【0026】
より具体的な例では、表面あるいは材料の磨耗および/または劣化をオペレータへ通知するために、感知/センサ装置および/またはこれまでに概略が説明された方法、特に感知/センサシステムが、気体の圧力あるいは流れの変化を利用するように設計された。具体的には、特定圧力での気体が材料に近接する空間に収容される。材料が磨耗するかあるいは劣化して気体が収容されている空間が開かれると、気体の圧力変化が存在し、オペレータへの信号あるいは通知が行われる。気体の圧力変化によって、材料の磨耗および/または表面劣化を、警報システム、光あるいは他の種類の信号を作動することによるか、システムを自動的に停止することによるか、あるいはメッセージをオペレータに発することによるなどが含まれるいくつかの方法で、オペレータへ警告することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、a)簡単な装置/器具および/または機械的設備と、表面あるいは材料の磨耗、摩滅および/または劣化を判定する簡単な方法とが備わっており、b)特定の保守管理計画において材料の品質を調査するのとは対照的に保守管理が必要なときにオペレータに通知し、さらにc)材料の早過ぎる取り替えあるいは修理を減少させおよび/またはなくすことにより材料のごみを減少させおよび/またはなくすような、感知システムが含まれていることも望ましいであろう。この種の装置および方法は、2003年9月12日に出願されて、2002年9月12日に出願された米国特許仮出願第60/410540号に優先権を主張するPCT出願(番号はまだ付与されていない)に記載されているが、両者は同じ権利者のものであり、それらは全体として本明細書に組み込まれる。
【0028】
芯裏打要素はスパッタリングターゲットに用いるのに適した任意の材料を備える。芯裏打要素は、ターゲット表面要素の背面に連結されるように設計された連結面を備える。芯裏打要素は、ターゲット表面要素と芯裏打要素とを備えるスパッタリングターゲット組立体の裏側を形成するように設計された背面も備えている。いくつかの実施形態では、芯裏打要素は裏打板を備える。
【0029】
スパッタリングターゲットは一般に、a)スパッタリングターゲットの中に確実に形成され、b)エネルギー源が浴びせられたときにターゲットからスパッタし、c)ウェハあるいは表面に最終層あるいは先駆物質層を形成するのに適した、任意の材料を備えてもよい。適切なスパッタリングターゲットを作るために意図された材料は、金属、合金、導電性ポリマー、導電性複合材料、導電性モノマー、誘電体材料、ハードマスク材料および他の任意の適切なスパッタリング材料である。
【0030】
ここで用いられるように、用語「金属」は、ケイ素やゲルマニウムのような金属的性質を有する元素に加えて、元素の周期律表のd−ブロックおよびf−ブロックにある元素を意味する。ここで用いられるように、語句「d−ブロック」は、元素の原子核を取り囲んでいる3d、4d、5d、6d軌道を満たしつつある電子を有している元素を意味する。ここで用いられるように、語句「f−ブロック」は、ランタニドおよびアクチニドが含まれている、元素の原子核を取り囲んでいる4f、5f軌道を満たしつつある電子を有している元素を意味する。好ましい金属としては、チタン、ケイ素、コバルト、銅、ニッケル、鉄、亜鉛、バナジウム、ジルコニウム、アルミニウムおよびアルミニウム基材料、タンタル、ニオブ、錫、クロム、白金、パラジウム、金、銀、タングステン、モリブデン、セリウム、プロメチウム、トリウムあるいはこれらの組み合わせが挙げられる。より好ましい金属としては、銅、アルミニウム、タングステン、チタン、コバルト、タンタル、マグネシウム、リチウム、ケイ素、マンガン、鉄あるいはこれらの組み合わせが挙げられる。最も好ましい金属としては、銅、アルミニウムおよびアルミニウム基材料、タングステン、チタン、ジルコニウム、コバルト、タンタル、ニオブあるいはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0031】
意図された材料の例としては、超微細粒のアルミニウムや銅のスパッタリングターゲットについてはアルミニウムや銅が、他のmm寸法のターゲットと共に200mmや300mmのスパッタリングターゲットに使用するためにはアルミニウム、銅、コバルト、タンタル、ジルコニウムおよびチタンが、表面層の上にアルミニウムからなる薄い高正角の「種子(seed)」層を蒸着させるアルミニウムスパッタリングターゲットに使用するためにはアルミニウムが挙げられる。語句「およびこれらの組み合わせ」は、ここでは、銅スパッタリングターゲットにおけるクロムおよびアルミニウムの不純物のような、いくつかのスパッタリングターゲットにおける金属不純物があってもよいか、あるいは合金、ホウ化物、炭化物、フッ化物、窒化物、ケイ化物、酸化物およびその他を備えるターゲットのようなスパッタリングターゲットを構成する金属および他の材料の意図的組み合わせがあってもよいことを意味するために用いられている、ことを理解すべきである。
【0032】
用語「金属」には、合金、金属/金属複合材料、金属セラミック複合材料、金属ポリマー複合材料、および他の金属複合材料も含まれる。ここで意図された合金には、金、アンチモン、ヒ素、ホウ素、銅、ゲルマニウム、ニッケル、インジウム、パラジウム、リン、ケイ素、コバルト、バナジウム、鉄、ハフニウム、チタン、イリジウム、ジルコニウム、タングステン、銀、白金、タンタル、錫、亜鉛、リチウム、マンガン、レニウム、および/またはロジウムが含まれる。特定の合金には、金アンチモン、金ヒ素、金ホウ素、金銅、金ゲルマニウム、金ニッケル、金ニッケルインジウム、金パラジウム、金リン、金ケイ素、金銀白金、金タンタル、金錫、金亜鉛、パラジウムリチウム、パラジウムマンガン、パラジウムニッケル、白金パラジウム、パラジウムレニウム、白金ロジウム、銀ヒ素、銀銅、銀ガリウム、銀金、銀パラジウム、銀チタン、チタンジルコニウム、アルミニウム銅、アルミニウムケイ素、アルミニウムケイ素銅、アルミニウムチタン、クロム銅、クロムマンガンパラジウム、クロムマンガン白金、クロムモリブデン、クロムルテニウム、コバルト白金、コバルトジルコニウムニオブ、コバルトジルコニウムロジウム、コバルトジルコニウムタンタル、銅ニッケル、鉄アルミニウム、鉄ロジウム、鉄タンタル、クロム酸化ケイ素、クロムバナジウム、コバルトクロム、コバルトクロムニッケル、コバルトクロム白金、コバルトクロムタンタル、コバルトクロムタンタル白金、コバルト鉄、コバルト鉄ホウ素、コバルト鉄クロム、コバルト鉄ジルコニウム、コバルトニッケル、コバルトニッケルクロム、コバルトニッケル鉄、コバルトニッケルハフニウム、コバルトニオブハフニウム、コバルトニオブ鉄、コバルトニオブチタン、鉄タンタルクロム、マンガンイリジウム、マンガンパラジウム白金、マンガン白金、マンガンロジウム、マンガンルテニウム、ニッケルクロム、ニッケルクロムケイ素、ニッケルコバルト鉄、ニッケル鉄、ニッケル鉄クロム、ニッケル鉄ロジウム、ニッケル鉄ジルコニウム、ニッケルマンガン、ニッケルバナジウム、タングステンチタンおよび/またはこれらの組み合わせが含まれる。
【0033】
スパッタリングターゲットについてここで意図された他の材料に関する限りは、以下の組み合わせが、意図されたスパッタリングターゲットの考えられる例である(ただし、一覧は網羅的なものではない)。クロムホウ化物、ランタンホウ化物、モリブデンホウ化物、ニオブホウ化物、タンタルホウ化物、チタンホウ化物、タングステンホウ化物、バナジウムホウ化物、ジルコニウムホウ化物、炭化ホウ素、炭化クロム、炭化モリブデン、炭化ニオブ、炭化ケイ素、炭化タンタル、炭化チタン、炭化タングステン、炭化バナジウム、炭化ジルコニウム、フッ化アルミニウム、フッ化バリウム、フッ化カルシウム、フッ化セリウム、氷晶石、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化カリウム、希土類フッ化物、フッ化ナトリウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ニオブ、窒化ケイ素、窒化タンタル、窒化チタン、窒化バナジウム、窒化ジルコニウム、ケイ化クロム、ケイ化モリブデン、ケイ化ニオブ、ケイ化タンタル、ケイ化チタン、ケイ化タングステン、ケイ化バナジウム、ケイ化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化バリウム、チタン酸バリウム、酸化ビスマス、チタン酸ビスマス、チタン酸バリウムストロンチウム、酸化クロム、酸化銅、酸化ハフニウム、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、五酸化ニオブ、希土類酸化物、二酸化ケイ素、一酸化ケイ素、酸化ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、五酸化タンタル、酸化錫、酸化インジウム、酸化インジウム錫、アルミン酸ランタン、酸化ランタン、チタン酸鉛、ジルコニウム酸鉛、チタン酸ジルコニウム酸鉛、アルミン酸チタン、ニオブ酸リチウム、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、テルル化ビスマス、セレン化カドミウム、テルル化カドミウム、セレン化鉛、硫化鉛、テルル化鉛、セレン化モリブデン、硫化モリブデン、セレン化亜鉛、硫化亜鉛、テルル化亜鉛および/またはこれらの組み合わせ。
【0034】
芯裏打材料および/またはターゲット表面材料の要素は、a)供給業者から芯材料および/または表面材料の要素を購入することと、b)別の供給元によって提供された化学物質を用いて、芯材料および/または表面材料の要素を工場内で下処理するかあるいは作製すること、および/またはc)工場内あるいは現場で作製されあるいは提供された化学物質も用いて、芯材料および/または表面材料の要素を工場内で下処理するかあるいは作製することを含む、任意の適切な方法によって提供することができる。
【0035】
芯材料および/または表面材料の要素は、要素を溶融して溶融した要素を混合すること、材料要素を削り屑あるいはペレットに処理すること、および混合・圧力処理法などによって要素を結合させることを含む、当業界において知られあるいは一般に用いられている任意の適切な方法によって結合させることができる。
【0036】
いくつかの実施形態、すなわち一体構造型あるいは単体構造型のターゲット構造体では、表面ターゲット要素および芯裏打要素は同じターゲット材料を備えていてもよい。しかしながら、スパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体の全体にわたって材料勾配があるときには、意図された一体構造型あるいは単体構造型のターゲット構造体および設計がある。ここで用いられたように、「材料勾配」とは、スパッタリングターゲットあるいはスパッタリングターゲット組立体がここで意図された少なくとも2種類の材料を備え、それらの材料がスパッタリングターゲットの中で勾配パターンに配置されている、ことを意味する。例えば、スパッタリングターゲットあるいはターゲット組立体は銅およびチタンを備えていてもよい。これと同じターゲットの表面ターゲット材料は90%の銅と10%のチタンとを備えていてもよい。ターゲット組立体あるいはスパッタリングターゲットの1断面から見ると、銅の量あるいは割合は芯裏打要素に近づくにつれて減少し、チタンの割合は芯裏打要素に近づくにつれて増大するであろう。芯裏打材料に近づくにつれてチタンの割合が減少し、芯裏打要素に近づくにつれて銅の割合が増大して、最終的に100%銅の芯裏打要素になるということが予想される。材料勾配は、ターゲットの磨耗を検出するかあるいはある要素が多かれ少なかれ含まれている後続の層を下処理するために、有利であろう。層、要素、装置および/または供給業者の必要性に左右されるが、材料勾配が3種類以上の要素を備えるということも予想される。
【0037】
少なくとも1つの表面積形状が芯裏打要素の背面に連結されるかあるいは配置されており、表面積形状によって芯裏打要素の有効表面積が増大する。表面積形状は、a)凸状形状、凹状形状あるいはこれらの組み合わせか、または、b)付加形状、取除き形状あるいはこれらの組み合わせか、のどちらかを備える。
【0038】
ここで用いられたように、語句「凸状形状」、「凹状形状」あるいは「これらの組み合わせ」は、それぞれの形状に関して、芯裏打要素自体が形成されるときに形状が芯裏打要素の一部として形成されることを意味する。これらの実施形態の例は、芯裏打要素が金型と凸状形状とを使用して形成されるときであり、凹状形状および/または形状のこれらの組み合わせは金型設計の一部である。ここで用いられたように、語句「付加形状」、「取除き形状」あるいは「これらの組み合わせ」は、それぞれの形状に関して、芯裏打要素が形成された後に形状が形成されることを意味する。これらの実施形態の例は、芯裏打要素が任意の適切な方法あるいは装置によって形成され、その後、形状を形成するような方法で芯裏打要素に材料を付加する(それによって、付加形状を形成する)かあるいは芯裏打要素から材料を取除く(それによって、取除き形状を形成する)かのどちらかを用いることのできるドリル、はんだ処理または他の何らかの処理あるいは器具によって、形状が芯裏打要素の内部または背面あるいは連結面に形成されるときである。
【0039】
ここで用いられたように、語句「付加形状」、「取除き形状」、「凸状形状」および「凹状形状」は、スパッタリングターゲットの芯裏打要素の中または上に作ることのできる溝、微小溝、溝筋、こぶおよび/またはくぼみを説明するために用いられる。溝、微小溝、溝筋、こぶ、へこみ、くぼみあるいはこれらの組み合わせは、ターゲットの背面の表面積を増大させることを基本的に意図するものである。溝、微小溝、溝筋、こぶ、へこみ、くぼみあるいはこれらの組み合わせを裏打要素の背面全体にあるいは中心に配置することによって、冷却方法および冷却流体の冷却効率は従来の側部冷却にまさって増大する。溝、微小溝、溝筋、こぶ、へこみ、くぼみあるいはこれらの組み合わせは、芯裏打要素の連結面の中または上に配置することもできる。
【0040】
溝、微小溝、溝筋、こぶ、へこみ、くぼみあるいはこれらの組み合わせは、同心の円あるいは溝、らせん構造、「側部」向き山形(“side” facing chevron)あるいは「中心部」向き山形(“center” facing chevron)を含む任意の適切な形状で芯裏打要素の中または上に配置しまたは形成することができる。意図されたいくつかの溝、微小溝、溝筋、こぶ、へこみ、くぼみあるいはこれらの組み合わせは、図5および図6に示されており、また、溝、微小溝、溝筋、こぶ、へこみ、くぼみあるいはこれらの組み合わせがある裏打板の断面は図7に示されており、ここで、相異なる2つの溝筋/溝の測定値は設計1および設計2として示されている。芯裏打要素に形成することのできる溝パターンの他の例は、クロスハッチングパターン、裏打板の背面にわたって延びる直線状溝筋、あるいは、芯裏打要素の表面積を効果的に増大させる任意の溝筋、溝および/または微小溝の配置である。
【0041】
他の実施形態では、芯裏打要素材料あるいは他の同等材料から形成されたこぶあるいは他の構造体は、芯裏打要素および/またはスパッタリングターゲット組立体の表面積を効果的に増大させるために芯裏打要素の背面あるいは連結面に「作り上げる(build up)」ことができる。芯裏打要素の背面にパターンあるいは構造を作り上げるために用いられた材料は、裏打板の表面積を増大させることができるだけではなく、ターゲットにおける冷却効果をさらに増進しおよび/またはスパッタリングターゲット組立体のターゲット表面要素から原子および/または分子の好ましくない偏向を減少させるために冷却用の装置/方法と共に作用することができるということがさらに予想される。
【0042】
溝、微小溝、溝筋、こぶ、へこみ、くぼみあるいはこれらの組み合わせは、先に説明されたように、最終的に少なくとも1つの付加形状、少なくとも1つの取除き形状あるいはこれらの組み合わせになる、機械加工、レーザなどを含む任意の適切な方法あるいは装置を用いることで、芯裏打要素に形成することができる。芯裏打要素は、供給業者の機械類とターゲットを使用する消費者の必要性とに左右されるが、最終的に少なくとも1つの凸状形状、少なくとも1つの凹状形状あるいはこれらの組み合わせになる、溝、微小溝、溝筋、こぶ、へこみ、くぼみあるいはこれらの組み合わせを含むように初めに金型形成することもできる。
【0043】
導電性材料の層を備える部品および材料のような電子的且つ半導体の用途および部品については、スパッタリングターゲットか、または導電性材料層を作るかあるいは適用するために使用されている他の類似型の部品について利用される冷却装置は、スパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体の芯裏打要素に隣接して配置される。意図された実施形態では、これより先に言及されたように、芯裏打要素は、同要素の連結側面あるいは背面に形成された溝、微小溝、溝筋、こぶ、へこみ、くぼみあるいはこれらの組み合わせを備え、また、冷却装置あるいは冷却方法は芯裏打要素に接しているだけでなく、溝、微小溝、溝筋、こぶ、へこみ、くぼみあるいはこれらの組み合わせにも接している。冷却促進のための方法および/または装置が感知/センサの装置/方法と共に用いられるときには、感知/センサ装置のためにターゲットと裏打板との間に配置された溝が存在し、また、冷却流体あるいは冷却方法と接するときにターゲットの裏打板の有効表面積を増大させるように裏打板に形成された溝、微小溝、溝筋、こぶ、へこみ、くぼみあるいはこれらの組み合わせが存在する。しかしながら、冷却促進のための方法および/または装置は、感知/センサの装置および/または方法といっしょにではなく単独で用いることができる、ということを認識すべきである。
【0044】
いくつかの実施形態では、溝、微小溝、溝筋、こぶ、へこみ、くぼみあるいはこれらの組み合わせを組み入れると、スパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体の冷却能が改善されるだけではなく、芯裏打要素に沿う冷却流体の流れも改善される。このような冷却流体の流れの改善は、従来の流体機構原理に容易に帰することができると共にこの原理によって説明することができる。
【0045】
冷却促進のための装置および/または方法に用いられる冷却流体には、表面を冷却する目的に関する特定温度に維持することができるかあるいは接触表面の冷却をもたらすことのできる任意の流体が挙げられる。ここで用いられたように、用語「流体」は液体あるいは気体のいずれかを含んでもよい。ここで用いられたように、用語「気体」へのあらゆる言及は、窒素、ヘリウム、あるいはアルゴン、二酸化炭素が含まれている純粋気体、あるいは空気が含まれている混合気体を含有している環境を意味する。この主題の目的については、電子的あるいは半導体の用途に用いるのに適した任意の気体がここで意図されている。
【0046】
ここに記載された意図ずみスパッタリングターゲットは、電子部品、半導体部品および通信部品を製造し、組み立て、さもなければ改造する任意の処理あるいは製造設計に組み入れることができる。電子部品、半導体部品および通信部品は、電子製品、半導体製品あるいは通信製品に利用することのできる任意の層状部品を備えると一般に考えられている。本明細書に記載された部品としては、半導体チップ、回路基板、チップパッケージ、セパレータシート、回路基板の誘電部品、プリント配線板、タッチパッド、導波管、光ファイバ部品、光子移送部品、音波移送部品、二重ダマスク模様処理(dual damascene process)を用いるか組み入れることで作られた任意の材料、および、コンデンサ、誘導器、および抵抗器のような回路基板の他の部品が挙げられる。
【0047】
ここで意図されたターゲットから原子あるいは分子のスパッタリングによって生成された薄い層または膜は、他の金属層、基板層、誘電層、ハードマスクあるいはエッチング停止層、写真平板層、反射防止層などを含む、任意の数あるいは粘度の層に形成することができる。いくつかの好ましい実施形態では、誘電層はハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド(Honeywell International Inc.)社によって意図され、製造されあるいは開示された誘電材料を備えてもよく、この材料には、a)発行された特許である米国特許第5959157号明細書、米国特許第5986045号明細書、米国特許第6124421号明細書、米国特許第6156812号明細書、米国特許第6172128号明細書、米国特許第6171687号明細書、米国特許第6214746号明細書、および係属中の出願である第09/197478号明細書、第09/538276号明細書、第09/544504号明細書、第09/741634号明細書、第09/651396号明細書、第09/545058号明細書、第09/587851号明細書、第09/618945号明細書、第09/619237号明細書、第09/792606号明細書に開示された化合物のようなFLARE(ポリアリレンエーテル)、b)係属中の出願である第09/545058号明細書、2001年10月17日に出願されたPCT/US01/22204号明細書、2001年12月31日に出願されたPCT/US01/50182号明細書、2001年12月31日に出願された第60/345374号明細書、2002年1月8日に出願された第60/347195号明細書、2002年1月15日に出願された第60/350187号明細書に示されたようなアダマンタン基材料、c)同一出願人による米国特許第5,115,082号明細書、第5,986,045号明細書および第6,143,855号明細書、同一出願人による2001年4月26日に発行された国際公開第01/29052号パンフレット、および2001年4月26日に発行された国際公開第01/29141号パンフレット、d)発行された特許である米国特許第6022812号明細書、米国特許第6037275号明細書、米国特許第6042994号明細書、米国特許第6048804号明細書、米国特許第6090448号明細書、米国特許第6126733号明細書、米国特許第6140254号明細書、米国特許第6204202号明細書、米国特許第6208014号明細書、および係属中の出願である第09/046474号明細書、第09/046473号明細書、第09/111084号明細書、第09/360131号明細書、第09/378705号明細書、第09/234609号明細書、第09/379866号明細書、第09/141287号明細書、第09/379484号明細書、第09/392413号明細書、第09/549659号明細書、第09/488075号明細書、第09/566287号明細書、および第09/214219号明細書に開示され、すべてが全体として参照によりここに組み込まれる化合物のようなナノポーラスのシリカ材料およびシリカ基化合物、およびe)ハネウェルHOSP(登録商標)オルガノシロキサンが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
ウェハあるいは基板は実質的に中実の望ましい任意材料を備えていてもよい。特に望ましい基板には、ガラス、セラミック、プラスチック、金属あるいは被覆金属、または複合材料を備える。好ましい実施形態では、基板は、ケイ素あるいはゲルマニウム砒素のダイ表面あるいはウェハ表面、銅、銀、ニッケルあるいは金でメッキされたリードフレームに認められるようなパッケージ表面、回路基板あるいはパッケージ相互連結トレースに認められるような銅表面、壁経由あるいは補強材インタフェース(「銅」には、むき出しの銅およびその酸化物が考慮されて含まれる)、ポリイミド基可撓性パッケージに認められるようなポリマー基パッケージあるいは基板インタフェース、鉛あるいは他の合金のはんだボール表面、ガラスおよびポリイミドのようなポリマーが挙げられる。より好ましい実施形態では、基板は、ケイ素、銅、ガラス、あるいはポリマーのような、パッケージおよび回路基板産業に共通である材料を備える。
【0049】
ここで意図された基板層はまた、少なくとも2つの材料層を備えてもよい。基板層を備える一方の材料層は、先に説明した基板材料を含んでいる。基板層を備える他方の材料層は、ポリマー、モノマー、有機化合物、無機化合物、有機金属化合物からなる層、連続層およびナノポーラス層を含んでいる。
【0050】
基板層にはまた、材料にとって連続である代わりにナノポーラスであるのが望ましいときには、複数の孔隙を備えてもよい。孔隙は、典型的には球状であるが、代わりにあるいはそれに加えて、管状、薄板状、円盤状が含まれる任意の適切な形状、あるいは他の形状であってよい。孔隙は任意の適切な直径を有していてもよい、ということもまた意図される。さらに、少なくともいくつかの孔隙は隣接する孔隙に接してかなりの大きさの連結したあるいは「開いた」孔を作り出してもよい、ということが意図される。孔隙は、平均直径が1マイクロメートル未満であるのが好ましく、平均直径が100ナノメートル未満であるのがより好ましく、平均直径が10ナノメートル未満であるのがより好ましい。さらに、孔隙は基板層の内部に均一に分散されていてもよくランダムに分散されていてもよい、ということが意図される。好ましい実施形態では、孔隙は基板層の内部に均一に分散されている。
[実施例]
【実施例1】
【0051】
図8および図9には、以下の冷却促進実験に利用される高純度で一体構造型の200mmCuSIPターゲットから収集されたデータが示されている。この一連の実験においてCuSIPターゲットを任意のスパッタリングターゲットに置き換えることができるということを認識すべきである。図9には、合計850キロワット時に対して約24キロワットでスパッタされたスパッタリングターゲットの腐食プロファイルが示されている。このターゲットが使用されたスパッタリング用具には側部冷却用設計があった。図4には、図9に示されたターゲットの裏打板の曲がりのプロファイルが示されている。最大曲がりは約3mmである。
【0052】
図8には、合計1050キロワット時に対して約40キロワットでスパッタされたスパッタリングターゲットの腐食プロファイルが示されている。元のターゲットは図9におけるものと同じであった。プロファイルの違いは、このターゲットが中心部冷却用設計のあるスパッタリング用具に使用されるためである。図3には、図8におけるターゲットの裏打板の曲がりのプロファイルが示されている。このターゲットがより大きいキロワット時に対してより高いスパッタリング出力でスパッタされたとしても、最大曲がりは約0.8mmにすぎない。違いは、より効果的な冷却用設計に帰するものであり、ターゲット冷却の重要性を示している。
【実施例2】
【0053】
この実施例は、一体構造型APEX/ECAEターゲット構成と一体構造型−促進型冷却APEX/ECAEターゲット構成とを比較する、200mmCuターゲットにおける撓みの概算が示されている。
【0054】
モデルは以下のモデル作製用パラメータのある有限要素モデルである。
・ 電力入力:合計24キロワット(約850キロワット時の後の腐食プロファイルに比例する)
・ 熱伝達係数α:約1500W/m/Kから約5000W/m/K(中心からOリング溝筋まで直線状)
・ 約18℃の入口温度で4ガル/分の水流
・ 芯裏打要素における圧力は約0.4MPa(約3気圧の水圧+1気圧に相当)
・ 双一次の動力学的降伏/硬化モデル
・ 線対称(2D)モデル、および
・ 組立体の外縁で締め付けられたターゲット組立体
【0055】
降伏モデルの詳細は以下のとおりである。
・ ミーゼスの降伏条件:
・ 降伏は同値のミーゼス応力(seqv)が降伏応力(sy)に等しいときに起きる
・ seqv=[1/2{(s1−s2)2+(s1−s3)2+(s2−s3)2}]1/2
>sy
・ 動力学的硬化法則:
・ 降伏面は大きさが一定に維持される
・ 降伏面は降伏が起きると応力空間に移される
・ 流れの方向:
・ 関連流動法則(プラントル−ルイス)
・ 降伏面に対して垂直である塑性歪み
【0056】
熱応力の計算については、以下の材料が20℃の参照温度で用いられた。
【表1】
【0057】
図10には、CuCr芯裏打要素についての応力−歪み曲線の例が示されている。図11および図12には、この研究についてのいくつかの結果、特に、従来の一体構造型ターゲットとここで開示された設計目標の少なくともいくつかが備わっている一体構造型ターゲットとの比較結果が示されている。図11において、新しい冷却用設計によって、最大ターゲット温度が20℃減少していると共に、ターゲットの撓みが14%減少している(3.09mmに対して2.67mm)。また、最大撓みはターゲットの中心に近い。図12において、新しい冷却用設計によって、最大ターゲット温度が26℃減少していると共に、ターゲットの撓みが17%減少している(3.09mmに対して2.56mm)。さらに、最大撓みはターゲットの中心に近い。
【0058】
図13には、850キロワット時および1400キロワット時での一体構造型CuECAEターゲット組立体が示されている。1400キロワット時での一体構造型CuECACターゲット組立体の最大撓みは、850キロワット時でのAPEX40ミクロン一体構造型組立体とほとんど同じである。
【0059】
図14には、意図された2つの設計の比較−ECAECu設計対APEX設計が示されている。同じように、最大撓みはターゲットの中心に近い。また、設計の変化によって、ターゲットの撓みがさらに6%減少している(2.56mmに対して2.36mm)。
【0060】
図15には、表面積修正のないAPEX40ミクロンターゲット組立体と、表面積修正のあるAPEX40ミクロンターゲット組立体との、長引いた寿命の比較が示されている。表面積修正によって、最大ターゲット温度が約30℃減少していると共に、撓みが8%減少している(3.44mmに対して3.16mm)。さらに、ターゲットの構造安定性はターゲットの「薄肉化」によって損なわれなかったことがわかる。
【0061】
以上のように、冷却促進の方法および装置を備えるスパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体と、ターゲットにおける磨耗および撓みを減少させる方法および装置とについての特定の実施形態および用途が開示された。しかしながら、当業者にとって、すでに説明したものに加えてより多くの修正を本明細書における発明思想から逸脱することなく行うことができるのは明らかである。したがって、特許請求の範囲を含む本発明の主題は、ここで開示された明細書の精神を除いて制限されることがない。さらにまた、明細書および特許請求の範囲を解釈するに際して、すべての用語は文脈に合わせた最も広い可能な意味に解釈すべきである。特に、用語「備える」および「備えている」は、非限定的な意味における要素、部品あるいは工程を指すものとして解釈すべきであり、言及された要素、部品あるいは工程が、特に言及されなかった他の要素、部品あるいは工程と共に存在しているかあるいは利用されるかあるいは結合されることがありえるということを表している。
【技術分野】
【0001】
この出願は、2002年10月24日に出願されて権利者が同じであり、且つその内容が全体としてここに組み入れられる米国特許仮出願第60/421478号への利益を主張するものである。
【0002】
発明対象の分野は、向上した冷却能を有し、且つスパッタ材料の撓みを減少させることのできるスパッタリングターゲットの設計および使用である。
【背景技術】
【0003】
電子部品および半導体部品が、増加の一途をたどる数の消費者用および業務用の電子製品、通信用製品およびデータ交換用製品に使用されている。これらの消費者用および業務用の製品のいくつかの例は、テレビ、コンピュータ、携帯電話、ポケットベル、手のひら型あるいは手持ち型の電子システム手帳、携帯ラジオ、カーステレオ、あるいはリモコンである。これらの消費者用および業務用の電子機器についての需要が増大するにつれて、同じ製品を消費者および企業のためにより小さく且つよりポータブルにする要求も存在している。
【0004】
これらの製品の大きさが減少すると、これらの製品を備える部品もより小さくおよび/またはより薄くならなければならない。大きさを減少させるかあるいは縮小する必要のある部品のいくつかの例は、超小型電子チップ相互配線、半導体チップ部品、抵抗器、蓄電器、プリント回路基板あるいは配線基板、配線、キーボード、タッチパッド、およびチップ実装体である。
【0005】
電子部品および半導体部品の大きさが減少されあるいは縮小されると、より大きい部品に存在する欠陥は、縮小した部品においてきわだつようになる。したがって、より大きい部品に存在するかあるいは存在するおそれのある欠陥は、部品がより小さい電子部品のために縮小される前に、可能であれば確認して修正すべきである。
【0006】
電子部品、半導体部品および通信用部品における欠陥を確認して修正するために、使用された部品、材料およびそれらの部品を作るための製造方法は、分解して解析すべきである。電子部品、半導体部品および通信用/データ交換用部品は、場合によっては、金属、合金、セラミックス、無機材料、ポリマー、あるいは有機金属材料のような材料の層を備える。これらの材料の層はたいてい薄い(厚さがおよそ数十オングストローム未満程度である)。これらの材料の層の質を改善するために、層を形成する方法(金属あるいは他の化合物の物理的気相成長法のようなもの)を評価すべきであり、また、可能であれば、それを改変し且つ改善すべきである。
【0007】
材料の層を蒸着する方法を改善するために、表面組成および/または材料組成を測定し、定量化し、さらに、欠陥あるいは不具合を検出しなければならない。材料の単一層あるいは複数層を蒸着する場合には、それは、監視すべき材料からなる実際の単一層あるいは複数層だけでなく、監視すべき基板あるいは他の表面における材料の層を生成するために用いられる材料およびその材料の表面も含まれる。例えば、金属を備えるターゲットにスパッタリングすることで表面あるいは基板の上に金属の層を蒸着するときには、ターゲットは、一様でない摩耗、ターゲット変形、ターゲット撓みおよび他の関連状態について監視されなければならない。スパッタリングターゲットの一様でない摩耗は避けられず、また、磁石設計の作用によってターゲットの寿命が減少し、場合によっては、基板の表面における金属の蒸着がほとんどないかまったくない結果になる。
【0008】
Gardellらは、マグネット列支持板のための独立冷却システムが備わった高出力容量マグネトロンカソードを開示している(米国特許第5,628,889号)。Gardellの発明では、マグネット列支持板に水平マグネット列の流体制御面が物理的に取り付けられている。流体制御面あるいは装置は、支持板の材料、マグネット列の材料あるいはカソードの材料の中に一体化されていない。このため、より多くの作用部品、マグネトロンカソードの設計および使用の際における複雑な付加層、部品の修理および交換を行う作業員の余分な作業が存在している。
【0009】
電子部品および/または半導体部品の従来の製造および/または使用の間に、材料およびターゲットの摩耗を簡単に点検することはできないが、それは、そのような点検には、操作を中断することが必要であるか、または、経験を積んだオペレータが手近にいるかあるいはスケジュールを監視する機器の下にいるかが必要であるが、これらはいずれもコストがかかるからである。このため、そのような材料を定期的に(必要時におけるものではなく)交換することになり、特に、その材料が入手あるいは交換のために高価であるかその材料が第1位置に折り合わないときには、コストがかさむ材料浪費につながる。
【0010】
従来技術の図1および図2には、新しい従来型ターゲット100と、使用期間後に一様でない摩耗パターン220が示された同じターゲット200とが示されている。従来型ターゲットは、ターゲットが曲がりおよび/または変形が起きる温度まで加熱されるときに、そして、冷却システムあるいは冷却方法が効果的に利用されないか効率がよくないときに、図3および図4(さらに、実施例部分に説明された関連する図8および図9)の反り側面図に示された曲がりあるいは変形を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このために、a)ターゲットを冷却するために使用される基板についての接触面積を最大化することで従来型ターゲットおよび一体構造型ターゲットの双方における冷却システムの冷却効率を最大化し、b)使用時におけるターゲットの変形を減少させ、c)変形および反り/曲がりに対する付加的抵抗になるターゲット構造体の剛性を増大させ、d)従来のシステムに比べて使用の容易さをもたらし、e)スパッタされた原子および分子の好ましくない偏向を最小限にし、さらにf)裏打板に連結されたターゲットを有する、一体構造(単一体設計)で3次元型のスパッタリングターゲットおよび従来型のスパッタリングターゲットの双方に有効である、冷却システムを開発すると共に利用することは望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
ここで説明されたスパッタリングターゲットは、a)ターゲット材料を備えるターゲット表面要素と、b)連結面および背面を有し、連結面がターゲット表面要素に連結されている芯裏打要素(core backing component)と、c)芯裏打要素の背面に連結されるかあるいは配置され、芯裏打要素の有効表面積を増大させる少なくとも1つの表面積形状(surface area feature)を備える。
【0013】
ここで説明された別のスパッタリングターゲットは、a)ターゲット材料を備えるターゲット表面要素と、b)連結面および背面を有し、連結面がターゲット表面材料に連結されている芯裏打要素と、c)芯裏打要素の背面に連結されるかあるいは配置され、取除き形状、付加形状あるいはこれらの組み合わせを備える少なくとも1つの表面積形状を備える。
【0014】
意図されたさらに別のスパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体は、a)ターゲット表面要素および芯裏打要素が同じターゲット材料を備える一体型のターゲット表面要素および芯裏打要素と、b)芯裏打要素の上にあるかあるいは中に一体化され、芯裏打要素の有効要素を増大させる少なくとも1つの表面積形状を備える。
【0015】
意図された他の実施形態では、スパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体は、a)スパッタリングターゲットがターゲット材料勾配を備える一体型のターゲット表面要素および芯裏打要素と、b)芯裏打要素の上に配置されるかあるいは中に一体化され、芯裏打要素の有効要素を増大させる少なくとも1つの表面積形状を備える。
【0016】
さらに説明されたスパッタリングターゲットの形成方法は、a)表面材料を備えるターゲット表面要素を提供することと、b)裏打材料を備えると共に連結面および背面を有する芯裏打要素を提供することと、c)芯裏打板の背面に連結されるかあるいは配置され、芯裏打板の有効表面積を増大させる少なくとも1つの表面積形状を提供することと、d)表面ターゲット材料を芯裏打材料の連結面に連結することを備える。
【0017】
さらに説明されたスパッタリングターゲットの追加的な形成方法は、a)表面材料を備えるターゲット表面要素を提供することと、b)裏打材料を備えると共に連結面および背面を有する芯裏打要素を提供することと、c)芯裏打要素の連結面に連結されるかあるいは配置され、芯裏打要素の有効表面積を増大させる少なくとも1つの表面積形状を提供することと、d)表面ターゲット材料を芯裏打要素の連結面に連結することを備える。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来のスパッタリングターゲット組立体の写真である。
【図2】不均一に摩耗した従来のスパッタリングターゲット組立体の写真である。
【図3】スパッタリングターゲット組立体の反りを示す図である。
【図4】スパッタリングターゲット組立体の反りを示す図である。
【図5】意図されたいくつかの芯裏打要素構造体を示す図である。
【図6】意図されたいくつかの芯裏打要素構造体を示す図である。
【図7】意図された芯裏打要素構造体の拡大図を示す図である。
【図8】意図された実施形態の腐食プロファイルを示す図である。
【図9】側部冷却されたスパッタリングターゲット組立体の腐食プロファイルを示す図である。
【図10】CuCr製の芯裏打要素についての応力−歪み曲線を示す図である。
【図11】意図された実施形態についての比較腐食プロファイルを示す図である。
【図12】意図された実施形態についての比較腐食プロファイルを示す図である。
【図13】意図された実施形態についての比較腐食プロファイルを示す図である。
【図14】意図された実施形態についての比較腐食プロファイルを示す図である。
【図15】意図された実施形態についての比較腐食プロファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
スパッタリングターゲットおよび関連冷却システムが開発されてここに記載されているが、それは、a)ターゲットを冷却するために用いられる物質についての接触面積を最大化することで従来型ターゲットおよび一体構造型ターゲットの双方の冷却効率を最大化し、b)使用時におけるターゲットの変形を減少させ、c)変形および反り/曲がりに対する付加的抵抗になるターゲット構造体の剛性を増大させ、d)従来のシステムに比べて使用の容易さをもたらし、e)スパッタされた原子および分子の好ましくない偏向を最小限にし、さらにf)裏打板に連結されたターゲットを有する、一体構造(単一体設計)で3次元型のスパッタリングターゲットおよび従来型のスパッタリングターゲットの双方に有効である。
【0020】
このために、スパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体は、a)ターゲット材料を備えるターゲット表面要素と、b)連結面および背面を有し、連結面がターゲット表面要素に連結されている芯裏打要素と、c)芯裏打要素の背面に連結されるかあるいは配置され、芯裏打要素の有効表面積を増大させる少なくとも1つの表面積形状を備える。いくつかの実施形態では、ターゲット表面要素および芯裏打要素はターゲット材料と同じ材料を備える。
【0021】
意図されたさらに別のスパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体は、a)ターゲット表面要素および芯裏打要素が同じターゲット材料を備える一体型のターゲット表面要素および芯裏打要素と、b)芯裏打要素の上にあるかあるいは中に一体化され、芯裏打要素の有効要素を増大させる少なくとも1つの表面積形状を備える。意図された関連の実施形態では、スパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体は、a)スパッタリングターゲットがターゲット材料勾配を備える一体型のターゲット表面要素および芯裏打要素と、b)芯裏打要素の表面の上に配置されるかあるいは表面の中に一体化され、芯裏打要素の有効要素を増大させる少なくとも1つの表面積形状を備える。
【0022】
さらに別のスパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体は、a)ターゲット材料を備えるターゲット表面要素と、b)連結面および背面を有し、連結面がターゲット表面要素に連結されている芯裏打要素と、c)芯裏打要素の背面に連結されるかあるいは配置され、取除き形状、付加形状あるいはこれらの組み合わせを備える少なくとも1つの表面積形状を備える。いくつかの実施形態では、ターゲット表面要素および芯裏打要素は、ターゲット材料と同じ材料を備える。さらに他のいくつかの実施形態では、ターゲット表面要素および芯裏打要素は、これらが一体構造型のスパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体を形成するように、連結されている。
【0023】
ここで意図されたスパッタリングターゲットおよびスパッタリングターゲット組立体は、用途に左右される任意の適切な形状や大きさとPVD法に使用される機器とを備える。ここで意図されたスパッタリングターゲットは、ターゲット表面要素および芯裏打要素(裏打板を含んでいてもよい)も備えており、ターゲット表面要素がガスチャンバあるいはガス流を通しておよび/またはガスチャンバあるいはガス流の周りで、芯裏打要素に連結されている。ここで用いられるように、用語「連結された」は、事物あるいは複数要素の2つの部分における物理的付着(接着剤、付着境界面用材料)を意味するかあるいは、共有結合やイオン結合のような結合力と、ファンデルワールス引力、静電気引力、クーロン引力、水素結合引力および/または磁石引力のような非結合力とが含まれる、事物あるいは複数要素の2つの部分における物理的および/または化学的引き付けを意味する。ターゲット表面材料および芯裏打材料は、一般に同じ成分的構成あるいは化学組成/成分を備えていてもよく、または、ターゲット表面材料の成分的構成および化学組成は、芯裏打材料のそれと異なるように変更されても変性されてもよい。いくつかの実施形態では、ターゲット表面材料および芯裏打材料は、同じ成分的構成および化学組成を備える。上記のように、用語「連結された」は、スパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体が一体構造であるように、スパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体の構成要素同士の間に結合力あるいは接着力があることを意味する。
【0024】
ターゲット表面要素は、測定できる任意の箇所で適切な時期にエネルギー源にさらされるターゲットの特定部分であり、また、表面コーティング剤として望ましい原子および/または分子を生成するように意図されているすべてのターゲット材料からなる特定部分でもある。ターゲット表面要素は前方側表面と後方側表面とを備える。前方側表面は、エネルギー源にさらされる特定表面であり、また、表面コーティング剤として望ましい原子および/または分子を生成するように意図されているすべてのターゲット材料からなる特定部分である。後方側表面は芯裏打要素に連結された特定表面である。ターゲット表面要素はターゲット材料を備えるが、その材料はスパッタリングターゲットを形成するのに適した任意の材料であってもよい。いくつかの実施形態では、ターゲット表面要素は、凹形、凸形あるいは他の自由な何らかの形状であるターゲット表面のような3次元ターゲット表面を備える。ターゲット表面要素は、要素の形状がどのようなものであっても、測定できる任意の箇所で適切な時期にエネルギー源にさらされるターゲットの特定部分であり、また、表面コーティング剤として望ましい原子および/または分子を生成するように意図されているすべてのターゲット材料からなる特定部分でもある、ということを理解すべきである。
【0025】
芯裏打要素は、ターゲット表面の要素および材料の支持をもたらすと共に、スパッタ処理における付加的原子あるいはターゲットの耐用寿命が終わったときの情報をできる限りもたらすように設計されている。例えば、芯裏打材料が本来のターゲット表面材料とは異なる材料を備え、品質管理装置がターゲットとウェハとの空間における芯材料原子の存在を検出する状況では、ターゲットは、金属コーティングの化学的結合性と成分純度とが既存の表面/ウェハ層の表面に望ましくない材料を蒸着させることによって損なわれる可能性があるため、すべて取り外して取り替えるかあるいは廃棄する必要がある可能性がある。
【0026】
より具体的な例では、表面あるいは材料の磨耗および/または劣化をオペレータへ通知するために、感知/センサ装置および/またはこれまでに概略が説明された方法、特に感知/センサシステムが、気体の圧力あるいは流れの変化を利用するように設計された。具体的には、特定圧力での気体が材料に近接する空間に収容される。材料が磨耗するかあるいは劣化して気体が収容されている空間が開かれると、気体の圧力変化が存在し、オペレータへの信号あるいは通知が行われる。気体の圧力変化によって、材料の磨耗および/または表面劣化を、警報システム、光あるいは他の種類の信号を作動することによるか、システムを自動的に停止することによるか、あるいはメッセージをオペレータに発することによるなどが含まれるいくつかの方法で、オペレータへ警告することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、a)簡単な装置/器具および/または機械的設備と、表面あるいは材料の磨耗、摩滅および/または劣化を判定する簡単な方法とが備わっており、b)特定の保守管理計画において材料の品質を調査するのとは対照的に保守管理が必要なときにオペレータに通知し、さらにc)材料の早過ぎる取り替えあるいは修理を減少させおよび/またはなくすことにより材料のごみを減少させおよび/またはなくすような、感知システムが含まれていることも望ましいであろう。この種の装置および方法は、2003年9月12日に出願されて、2002年9月12日に出願された米国特許仮出願第60/410540号に優先権を主張するPCT出願(番号はまだ付与されていない)に記載されているが、両者は同じ権利者のものであり、それらは全体として本明細書に組み込まれる。
【0028】
芯裏打要素はスパッタリングターゲットに用いるのに適した任意の材料を備える。芯裏打要素は、ターゲット表面要素の背面に連結されるように設計された連結面を備える。芯裏打要素は、ターゲット表面要素と芯裏打要素とを備えるスパッタリングターゲット組立体の裏側を形成するように設計された背面も備えている。いくつかの実施形態では、芯裏打要素は裏打板を備える。
【0029】
スパッタリングターゲットは一般に、a)スパッタリングターゲットの中に確実に形成され、b)エネルギー源が浴びせられたときにターゲットからスパッタし、c)ウェハあるいは表面に最終層あるいは先駆物質層を形成するのに適した、任意の材料を備えてもよい。適切なスパッタリングターゲットを作るために意図された材料は、金属、合金、導電性ポリマー、導電性複合材料、導電性モノマー、誘電体材料、ハードマスク材料および他の任意の適切なスパッタリング材料である。
【0030】
ここで用いられるように、用語「金属」は、ケイ素やゲルマニウムのような金属的性質を有する元素に加えて、元素の周期律表のd−ブロックおよびf−ブロックにある元素を意味する。ここで用いられるように、語句「d−ブロック」は、元素の原子核を取り囲んでいる3d、4d、5d、6d軌道を満たしつつある電子を有している元素を意味する。ここで用いられるように、語句「f−ブロック」は、ランタニドおよびアクチニドが含まれている、元素の原子核を取り囲んでいる4f、5f軌道を満たしつつある電子を有している元素を意味する。好ましい金属としては、チタン、ケイ素、コバルト、銅、ニッケル、鉄、亜鉛、バナジウム、ジルコニウム、アルミニウムおよびアルミニウム基材料、タンタル、ニオブ、錫、クロム、白金、パラジウム、金、銀、タングステン、モリブデン、セリウム、プロメチウム、トリウムあるいはこれらの組み合わせが挙げられる。より好ましい金属としては、銅、アルミニウム、タングステン、チタン、コバルト、タンタル、マグネシウム、リチウム、ケイ素、マンガン、鉄あるいはこれらの組み合わせが挙げられる。最も好ましい金属としては、銅、アルミニウムおよびアルミニウム基材料、タングステン、チタン、ジルコニウム、コバルト、タンタル、ニオブあるいはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0031】
意図された材料の例としては、超微細粒のアルミニウムや銅のスパッタリングターゲットについてはアルミニウムや銅が、他のmm寸法のターゲットと共に200mmや300mmのスパッタリングターゲットに使用するためにはアルミニウム、銅、コバルト、タンタル、ジルコニウムおよびチタンが、表面層の上にアルミニウムからなる薄い高正角の「種子(seed)」層を蒸着させるアルミニウムスパッタリングターゲットに使用するためにはアルミニウムが挙げられる。語句「およびこれらの組み合わせ」は、ここでは、銅スパッタリングターゲットにおけるクロムおよびアルミニウムの不純物のような、いくつかのスパッタリングターゲットにおける金属不純物があってもよいか、あるいは合金、ホウ化物、炭化物、フッ化物、窒化物、ケイ化物、酸化物およびその他を備えるターゲットのようなスパッタリングターゲットを構成する金属および他の材料の意図的組み合わせがあってもよいことを意味するために用いられている、ことを理解すべきである。
【0032】
用語「金属」には、合金、金属/金属複合材料、金属セラミック複合材料、金属ポリマー複合材料、および他の金属複合材料も含まれる。ここで意図された合金には、金、アンチモン、ヒ素、ホウ素、銅、ゲルマニウム、ニッケル、インジウム、パラジウム、リン、ケイ素、コバルト、バナジウム、鉄、ハフニウム、チタン、イリジウム、ジルコニウム、タングステン、銀、白金、タンタル、錫、亜鉛、リチウム、マンガン、レニウム、および/またはロジウムが含まれる。特定の合金には、金アンチモン、金ヒ素、金ホウ素、金銅、金ゲルマニウム、金ニッケル、金ニッケルインジウム、金パラジウム、金リン、金ケイ素、金銀白金、金タンタル、金錫、金亜鉛、パラジウムリチウム、パラジウムマンガン、パラジウムニッケル、白金パラジウム、パラジウムレニウム、白金ロジウム、銀ヒ素、銀銅、銀ガリウム、銀金、銀パラジウム、銀チタン、チタンジルコニウム、アルミニウム銅、アルミニウムケイ素、アルミニウムケイ素銅、アルミニウムチタン、クロム銅、クロムマンガンパラジウム、クロムマンガン白金、クロムモリブデン、クロムルテニウム、コバルト白金、コバルトジルコニウムニオブ、コバルトジルコニウムロジウム、コバルトジルコニウムタンタル、銅ニッケル、鉄アルミニウム、鉄ロジウム、鉄タンタル、クロム酸化ケイ素、クロムバナジウム、コバルトクロム、コバルトクロムニッケル、コバルトクロム白金、コバルトクロムタンタル、コバルトクロムタンタル白金、コバルト鉄、コバルト鉄ホウ素、コバルト鉄クロム、コバルト鉄ジルコニウム、コバルトニッケル、コバルトニッケルクロム、コバルトニッケル鉄、コバルトニッケルハフニウム、コバルトニオブハフニウム、コバルトニオブ鉄、コバルトニオブチタン、鉄タンタルクロム、マンガンイリジウム、マンガンパラジウム白金、マンガン白金、マンガンロジウム、マンガンルテニウム、ニッケルクロム、ニッケルクロムケイ素、ニッケルコバルト鉄、ニッケル鉄、ニッケル鉄クロム、ニッケル鉄ロジウム、ニッケル鉄ジルコニウム、ニッケルマンガン、ニッケルバナジウム、タングステンチタンおよび/またはこれらの組み合わせが含まれる。
【0033】
スパッタリングターゲットについてここで意図された他の材料に関する限りは、以下の組み合わせが、意図されたスパッタリングターゲットの考えられる例である(ただし、一覧は網羅的なものではない)。クロムホウ化物、ランタンホウ化物、モリブデンホウ化物、ニオブホウ化物、タンタルホウ化物、チタンホウ化物、タングステンホウ化物、バナジウムホウ化物、ジルコニウムホウ化物、炭化ホウ素、炭化クロム、炭化モリブデン、炭化ニオブ、炭化ケイ素、炭化タンタル、炭化チタン、炭化タングステン、炭化バナジウム、炭化ジルコニウム、フッ化アルミニウム、フッ化バリウム、フッ化カルシウム、フッ化セリウム、氷晶石、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化カリウム、希土類フッ化物、フッ化ナトリウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ニオブ、窒化ケイ素、窒化タンタル、窒化チタン、窒化バナジウム、窒化ジルコニウム、ケイ化クロム、ケイ化モリブデン、ケイ化ニオブ、ケイ化タンタル、ケイ化チタン、ケイ化タングステン、ケイ化バナジウム、ケイ化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化バリウム、チタン酸バリウム、酸化ビスマス、チタン酸ビスマス、チタン酸バリウムストロンチウム、酸化クロム、酸化銅、酸化ハフニウム、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、五酸化ニオブ、希土類酸化物、二酸化ケイ素、一酸化ケイ素、酸化ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、五酸化タンタル、酸化錫、酸化インジウム、酸化インジウム錫、アルミン酸ランタン、酸化ランタン、チタン酸鉛、ジルコニウム酸鉛、チタン酸ジルコニウム酸鉛、アルミン酸チタン、ニオブ酸リチウム、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、テルル化ビスマス、セレン化カドミウム、テルル化カドミウム、セレン化鉛、硫化鉛、テルル化鉛、セレン化モリブデン、硫化モリブデン、セレン化亜鉛、硫化亜鉛、テルル化亜鉛および/またはこれらの組み合わせ。
【0034】
芯裏打材料および/またはターゲット表面材料の要素は、a)供給業者から芯材料および/または表面材料の要素を購入することと、b)別の供給元によって提供された化学物質を用いて、芯材料および/または表面材料の要素を工場内で下処理するかあるいは作製すること、および/またはc)工場内あるいは現場で作製されあるいは提供された化学物質も用いて、芯材料および/または表面材料の要素を工場内で下処理するかあるいは作製することを含む、任意の適切な方法によって提供することができる。
【0035】
芯材料および/または表面材料の要素は、要素を溶融して溶融した要素を混合すること、材料要素を削り屑あるいはペレットに処理すること、および混合・圧力処理法などによって要素を結合させることを含む、当業界において知られあるいは一般に用いられている任意の適切な方法によって結合させることができる。
【0036】
いくつかの実施形態、すなわち一体構造型あるいは単体構造型のターゲット構造体では、表面ターゲット要素および芯裏打要素は同じターゲット材料を備えていてもよい。しかしながら、スパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体の全体にわたって材料勾配があるときには、意図された一体構造型あるいは単体構造型のターゲット構造体および設計がある。ここで用いられたように、「材料勾配」とは、スパッタリングターゲットあるいはスパッタリングターゲット組立体がここで意図された少なくとも2種類の材料を備え、それらの材料がスパッタリングターゲットの中で勾配パターンに配置されている、ことを意味する。例えば、スパッタリングターゲットあるいはターゲット組立体は銅およびチタンを備えていてもよい。これと同じターゲットの表面ターゲット材料は90%の銅と10%のチタンとを備えていてもよい。ターゲット組立体あるいはスパッタリングターゲットの1断面から見ると、銅の量あるいは割合は芯裏打要素に近づくにつれて減少し、チタンの割合は芯裏打要素に近づくにつれて増大するであろう。芯裏打材料に近づくにつれてチタンの割合が減少し、芯裏打要素に近づくにつれて銅の割合が増大して、最終的に100%銅の芯裏打要素になるということが予想される。材料勾配は、ターゲットの磨耗を検出するかあるいはある要素が多かれ少なかれ含まれている後続の層を下処理するために、有利であろう。層、要素、装置および/または供給業者の必要性に左右されるが、材料勾配が3種類以上の要素を備えるということも予想される。
【0037】
少なくとも1つの表面積形状が芯裏打要素の背面に連結されるかあるいは配置されており、表面積形状によって芯裏打要素の有効表面積が増大する。表面積形状は、a)凸状形状、凹状形状あるいはこれらの組み合わせか、または、b)付加形状、取除き形状あるいはこれらの組み合わせか、のどちらかを備える。
【0038】
ここで用いられたように、語句「凸状形状」、「凹状形状」あるいは「これらの組み合わせ」は、それぞれの形状に関して、芯裏打要素自体が形成されるときに形状が芯裏打要素の一部として形成されることを意味する。これらの実施形態の例は、芯裏打要素が金型と凸状形状とを使用して形成されるときであり、凹状形状および/または形状のこれらの組み合わせは金型設計の一部である。ここで用いられたように、語句「付加形状」、「取除き形状」あるいは「これらの組み合わせ」は、それぞれの形状に関して、芯裏打要素が形成された後に形状が形成されることを意味する。これらの実施形態の例は、芯裏打要素が任意の適切な方法あるいは装置によって形成され、その後、形状を形成するような方法で芯裏打要素に材料を付加する(それによって、付加形状を形成する)かあるいは芯裏打要素から材料を取除く(それによって、取除き形状を形成する)かのどちらかを用いることのできるドリル、はんだ処理または他の何らかの処理あるいは器具によって、形状が芯裏打要素の内部または背面あるいは連結面に形成されるときである。
【0039】
ここで用いられたように、語句「付加形状」、「取除き形状」、「凸状形状」および「凹状形状」は、スパッタリングターゲットの芯裏打要素の中または上に作ることのできる溝、微小溝、溝筋、こぶおよび/またはくぼみを説明するために用いられる。溝、微小溝、溝筋、こぶ、へこみ、くぼみあるいはこれらの組み合わせは、ターゲットの背面の表面積を増大させることを基本的に意図するものである。溝、微小溝、溝筋、こぶ、へこみ、くぼみあるいはこれらの組み合わせを裏打要素の背面全体にあるいは中心に配置することによって、冷却方法および冷却流体の冷却効率は従来の側部冷却にまさって増大する。溝、微小溝、溝筋、こぶ、へこみ、くぼみあるいはこれらの組み合わせは、芯裏打要素の連結面の中または上に配置することもできる。
【0040】
溝、微小溝、溝筋、こぶ、へこみ、くぼみあるいはこれらの組み合わせは、同心の円あるいは溝、らせん構造、「側部」向き山形(“side” facing chevron)あるいは「中心部」向き山形(“center” facing chevron)を含む任意の適切な形状で芯裏打要素の中または上に配置しまたは形成することができる。意図されたいくつかの溝、微小溝、溝筋、こぶ、へこみ、くぼみあるいはこれらの組み合わせは、図5および図6に示されており、また、溝、微小溝、溝筋、こぶ、へこみ、くぼみあるいはこれらの組み合わせがある裏打板の断面は図7に示されており、ここで、相異なる2つの溝筋/溝の測定値は設計1および設計2として示されている。芯裏打要素に形成することのできる溝パターンの他の例は、クロスハッチングパターン、裏打板の背面にわたって延びる直線状溝筋、あるいは、芯裏打要素の表面積を効果的に増大させる任意の溝筋、溝および/または微小溝の配置である。
【0041】
他の実施形態では、芯裏打要素材料あるいは他の同等材料から形成されたこぶあるいは他の構造体は、芯裏打要素および/またはスパッタリングターゲット組立体の表面積を効果的に増大させるために芯裏打要素の背面あるいは連結面に「作り上げる(build up)」ことができる。芯裏打要素の背面にパターンあるいは構造を作り上げるために用いられた材料は、裏打板の表面積を増大させることができるだけではなく、ターゲットにおける冷却効果をさらに増進しおよび/またはスパッタリングターゲット組立体のターゲット表面要素から原子および/または分子の好ましくない偏向を減少させるために冷却用の装置/方法と共に作用することができるということがさらに予想される。
【0042】
溝、微小溝、溝筋、こぶ、へこみ、くぼみあるいはこれらの組み合わせは、先に説明されたように、最終的に少なくとも1つの付加形状、少なくとも1つの取除き形状あるいはこれらの組み合わせになる、機械加工、レーザなどを含む任意の適切な方法あるいは装置を用いることで、芯裏打要素に形成することができる。芯裏打要素は、供給業者の機械類とターゲットを使用する消費者の必要性とに左右されるが、最終的に少なくとも1つの凸状形状、少なくとも1つの凹状形状あるいはこれらの組み合わせになる、溝、微小溝、溝筋、こぶ、へこみ、くぼみあるいはこれらの組み合わせを含むように初めに金型形成することもできる。
【0043】
導電性材料の層を備える部品および材料のような電子的且つ半導体の用途および部品については、スパッタリングターゲットか、または導電性材料層を作るかあるいは適用するために使用されている他の類似型の部品について利用される冷却装置は、スパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体の芯裏打要素に隣接して配置される。意図された実施形態では、これより先に言及されたように、芯裏打要素は、同要素の連結側面あるいは背面に形成された溝、微小溝、溝筋、こぶ、へこみ、くぼみあるいはこれらの組み合わせを備え、また、冷却装置あるいは冷却方法は芯裏打要素に接しているだけでなく、溝、微小溝、溝筋、こぶ、へこみ、くぼみあるいはこれらの組み合わせにも接している。冷却促進のための方法および/または装置が感知/センサの装置/方法と共に用いられるときには、感知/センサ装置のためにターゲットと裏打板との間に配置された溝が存在し、また、冷却流体あるいは冷却方法と接するときにターゲットの裏打板の有効表面積を増大させるように裏打板に形成された溝、微小溝、溝筋、こぶ、へこみ、くぼみあるいはこれらの組み合わせが存在する。しかしながら、冷却促進のための方法および/または装置は、感知/センサの装置および/または方法といっしょにではなく単独で用いることができる、ということを認識すべきである。
【0044】
いくつかの実施形態では、溝、微小溝、溝筋、こぶ、へこみ、くぼみあるいはこれらの組み合わせを組み入れると、スパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体の冷却能が改善されるだけではなく、芯裏打要素に沿う冷却流体の流れも改善される。このような冷却流体の流れの改善は、従来の流体機構原理に容易に帰することができると共にこの原理によって説明することができる。
【0045】
冷却促進のための装置および/または方法に用いられる冷却流体には、表面を冷却する目的に関する特定温度に維持することができるかあるいは接触表面の冷却をもたらすことのできる任意の流体が挙げられる。ここで用いられたように、用語「流体」は液体あるいは気体のいずれかを含んでもよい。ここで用いられたように、用語「気体」へのあらゆる言及は、窒素、ヘリウム、あるいはアルゴン、二酸化炭素が含まれている純粋気体、あるいは空気が含まれている混合気体を含有している環境を意味する。この主題の目的については、電子的あるいは半導体の用途に用いるのに適した任意の気体がここで意図されている。
【0046】
ここに記載された意図ずみスパッタリングターゲットは、電子部品、半導体部品および通信部品を製造し、組み立て、さもなければ改造する任意の処理あるいは製造設計に組み入れることができる。電子部品、半導体部品および通信部品は、電子製品、半導体製品あるいは通信製品に利用することのできる任意の層状部品を備えると一般に考えられている。本明細書に記載された部品としては、半導体チップ、回路基板、チップパッケージ、セパレータシート、回路基板の誘電部品、プリント配線板、タッチパッド、導波管、光ファイバ部品、光子移送部品、音波移送部品、二重ダマスク模様処理(dual damascene process)を用いるか組み入れることで作られた任意の材料、および、コンデンサ、誘導器、および抵抗器のような回路基板の他の部品が挙げられる。
【0047】
ここで意図されたターゲットから原子あるいは分子のスパッタリングによって生成された薄い層または膜は、他の金属層、基板層、誘電層、ハードマスクあるいはエッチング停止層、写真平板層、反射防止層などを含む、任意の数あるいは粘度の層に形成することができる。いくつかの好ましい実施形態では、誘電層はハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド(Honeywell International Inc.)社によって意図され、製造されあるいは開示された誘電材料を備えてもよく、この材料には、a)発行された特許である米国特許第5959157号明細書、米国特許第5986045号明細書、米国特許第6124421号明細書、米国特許第6156812号明細書、米国特許第6172128号明細書、米国特許第6171687号明細書、米国特許第6214746号明細書、および係属中の出願である第09/197478号明細書、第09/538276号明細書、第09/544504号明細書、第09/741634号明細書、第09/651396号明細書、第09/545058号明細書、第09/587851号明細書、第09/618945号明細書、第09/619237号明細書、第09/792606号明細書に開示された化合物のようなFLARE(ポリアリレンエーテル)、b)係属中の出願である第09/545058号明細書、2001年10月17日に出願されたPCT/US01/22204号明細書、2001年12月31日に出願されたPCT/US01/50182号明細書、2001年12月31日に出願された第60/345374号明細書、2002年1月8日に出願された第60/347195号明細書、2002年1月15日に出願された第60/350187号明細書に示されたようなアダマンタン基材料、c)同一出願人による米国特許第5,115,082号明細書、第5,986,045号明細書および第6,143,855号明細書、同一出願人による2001年4月26日に発行された国際公開第01/29052号パンフレット、および2001年4月26日に発行された国際公開第01/29141号パンフレット、d)発行された特許である米国特許第6022812号明細書、米国特許第6037275号明細書、米国特許第6042994号明細書、米国特許第6048804号明細書、米国特許第6090448号明細書、米国特許第6126733号明細書、米国特許第6140254号明細書、米国特許第6204202号明細書、米国特許第6208014号明細書、および係属中の出願である第09/046474号明細書、第09/046473号明細書、第09/111084号明細書、第09/360131号明細書、第09/378705号明細書、第09/234609号明細書、第09/379866号明細書、第09/141287号明細書、第09/379484号明細書、第09/392413号明細書、第09/549659号明細書、第09/488075号明細書、第09/566287号明細書、および第09/214219号明細書に開示され、すべてが全体として参照によりここに組み込まれる化合物のようなナノポーラスのシリカ材料およびシリカ基化合物、およびe)ハネウェルHOSP(登録商標)オルガノシロキサンが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
ウェハあるいは基板は実質的に中実の望ましい任意材料を備えていてもよい。特に望ましい基板には、ガラス、セラミック、プラスチック、金属あるいは被覆金属、または複合材料を備える。好ましい実施形態では、基板は、ケイ素あるいはゲルマニウム砒素のダイ表面あるいはウェハ表面、銅、銀、ニッケルあるいは金でメッキされたリードフレームに認められるようなパッケージ表面、回路基板あるいはパッケージ相互連結トレースに認められるような銅表面、壁経由あるいは補強材インタフェース(「銅」には、むき出しの銅およびその酸化物が考慮されて含まれる)、ポリイミド基可撓性パッケージに認められるようなポリマー基パッケージあるいは基板インタフェース、鉛あるいは他の合金のはんだボール表面、ガラスおよびポリイミドのようなポリマーが挙げられる。より好ましい実施形態では、基板は、ケイ素、銅、ガラス、あるいはポリマーのような、パッケージおよび回路基板産業に共通である材料を備える。
【0049】
ここで意図された基板層はまた、少なくとも2つの材料層を備えてもよい。基板層を備える一方の材料層は、先に説明した基板材料を含んでいる。基板層を備える他方の材料層は、ポリマー、モノマー、有機化合物、無機化合物、有機金属化合物からなる層、連続層およびナノポーラス層を含んでいる。
【0050】
基板層にはまた、材料にとって連続である代わりにナノポーラスであるのが望ましいときには、複数の孔隙を備えてもよい。孔隙は、典型的には球状であるが、代わりにあるいはそれに加えて、管状、薄板状、円盤状が含まれる任意の適切な形状、あるいは他の形状であってよい。孔隙は任意の適切な直径を有していてもよい、ということもまた意図される。さらに、少なくともいくつかの孔隙は隣接する孔隙に接してかなりの大きさの連結したあるいは「開いた」孔を作り出してもよい、ということが意図される。孔隙は、平均直径が1マイクロメートル未満であるのが好ましく、平均直径が100ナノメートル未満であるのがより好ましく、平均直径が10ナノメートル未満であるのがより好ましい。さらに、孔隙は基板層の内部に均一に分散されていてもよくランダムに分散されていてもよい、ということが意図される。好ましい実施形態では、孔隙は基板層の内部に均一に分散されている。
[実施例]
【実施例1】
【0051】
図8および図9には、以下の冷却促進実験に利用される高純度で一体構造型の200mmCuSIPターゲットから収集されたデータが示されている。この一連の実験においてCuSIPターゲットを任意のスパッタリングターゲットに置き換えることができるということを認識すべきである。図9には、合計850キロワット時に対して約24キロワットでスパッタされたスパッタリングターゲットの腐食プロファイルが示されている。このターゲットが使用されたスパッタリング用具には側部冷却用設計があった。図4には、図9に示されたターゲットの裏打板の曲がりのプロファイルが示されている。最大曲がりは約3mmである。
【0052】
図8には、合計1050キロワット時に対して約40キロワットでスパッタされたスパッタリングターゲットの腐食プロファイルが示されている。元のターゲットは図9におけるものと同じであった。プロファイルの違いは、このターゲットが中心部冷却用設計のあるスパッタリング用具に使用されるためである。図3には、図8におけるターゲットの裏打板の曲がりのプロファイルが示されている。このターゲットがより大きいキロワット時に対してより高いスパッタリング出力でスパッタされたとしても、最大曲がりは約0.8mmにすぎない。違いは、より効果的な冷却用設計に帰するものであり、ターゲット冷却の重要性を示している。
【実施例2】
【0053】
この実施例は、一体構造型APEX/ECAEターゲット構成と一体構造型−促進型冷却APEX/ECAEターゲット構成とを比較する、200mmCuターゲットにおける撓みの概算が示されている。
【0054】
モデルは以下のモデル作製用パラメータのある有限要素モデルである。
・ 電力入力:合計24キロワット(約850キロワット時の後の腐食プロファイルに比例する)
・ 熱伝達係数α:約1500W/m/Kから約5000W/m/K(中心からOリング溝筋まで直線状)
・ 約18℃の入口温度で4ガル/分の水流
・ 芯裏打要素における圧力は約0.4MPa(約3気圧の水圧+1気圧に相当)
・ 双一次の動力学的降伏/硬化モデル
・ 線対称(2D)モデル、および
・ 組立体の外縁で締め付けられたターゲット組立体
【0055】
降伏モデルの詳細は以下のとおりである。
・ ミーゼスの降伏条件:
・ 降伏は同値のミーゼス応力(seqv)が降伏応力(sy)に等しいときに起きる
・ seqv=[1/2{(s1−s2)2+(s1−s3)2+(s2−s3)2}]1/2
>sy
・ 動力学的硬化法則:
・ 降伏面は大きさが一定に維持される
・ 降伏面は降伏が起きると応力空間に移される
・ 流れの方向:
・ 関連流動法則(プラントル−ルイス)
・ 降伏面に対して垂直である塑性歪み
【0056】
熱応力の計算については、以下の材料が20℃の参照温度で用いられた。
【表1】
【0057】
図10には、CuCr芯裏打要素についての応力−歪み曲線の例が示されている。図11および図12には、この研究についてのいくつかの結果、特に、従来の一体構造型ターゲットとここで開示された設計目標の少なくともいくつかが備わっている一体構造型ターゲットとの比較結果が示されている。図11において、新しい冷却用設計によって、最大ターゲット温度が20℃減少していると共に、ターゲットの撓みが14%減少している(3.09mmに対して2.67mm)。また、最大撓みはターゲットの中心に近い。図12において、新しい冷却用設計によって、最大ターゲット温度が26℃減少していると共に、ターゲットの撓みが17%減少している(3.09mmに対して2.56mm)。さらに、最大撓みはターゲットの中心に近い。
【0058】
図13には、850キロワット時および1400キロワット時での一体構造型CuECAEターゲット組立体が示されている。1400キロワット時での一体構造型CuECACターゲット組立体の最大撓みは、850キロワット時でのAPEX40ミクロン一体構造型組立体とほとんど同じである。
【0059】
図14には、意図された2つの設計の比較−ECAECu設計対APEX設計が示されている。同じように、最大撓みはターゲットの中心に近い。また、設計の変化によって、ターゲットの撓みがさらに6%減少している(2.56mmに対して2.36mm)。
【0060】
図15には、表面積修正のないAPEX40ミクロンターゲット組立体と、表面積修正のあるAPEX40ミクロンターゲット組立体との、長引いた寿命の比較が示されている。表面積修正によって、最大ターゲット温度が約30℃減少していると共に、撓みが8%減少している(3.44mmに対して3.16mm)。さらに、ターゲットの構造安定性はターゲットの「薄肉化」によって損なわれなかったことがわかる。
【0061】
以上のように、冷却促進の方法および装置を備えるスパッタリングターゲットおよび/またはスパッタリングターゲット組立体と、ターゲットにおける磨耗および撓みを減少させる方法および装置とについての特定の実施形態および用途が開示された。しかしながら、当業者にとって、すでに説明したものに加えてより多くの修正を本明細書における発明思想から逸脱することなく行うことができるのは明らかである。したがって、特許請求の範囲を含む本発明の主題は、ここで開示された明細書の精神を除いて制限されることがない。さらにまた、明細書および特許請求の範囲を解釈するに際して、すべての用語は文脈に合わせた最も広い可能な意味に解釈すべきである。特に、用語「備える」および「備えている」は、非限定的な意味における要素、部品あるいは工程を指すものとして解釈すべきであり、言及された要素、部品あるいは工程が、特に言及されなかった他の要素、部品あるいは工程と共に存在しているかあるいは利用されるかあるいは結合されることがありえるということを表している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット材料からなるターゲット表面要素と、
連結面および背面を有しており、連結面がターゲット表面要素に連結されている芯裏打要素と、
芯裏打要素の背面に連結されるかあるいは配置され、芯裏打要素の有効表面積を増大させる少なくとも1つの表面積形状と、
を備える、スパッタリングターゲット。
【請求項2】
ターゲット材料は、金属、合金あるいはこれらの組み合わせからなる、請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項3】
金属あるいは合金は、遷移金属である、請求項2に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項4】
遷移金属は、銅、アルミニウムあるいはチタンである、請求項3に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項5】
少なくとも1つの表面積形状は、少なくとも1つの凹状形状、少なくとも1つの凸状形状あるいはこれらの組み合わせからなる、請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項6】
少なくとも1つの凹状形状は、少なくとも1つの同心状くぼみである、請求項5に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項7】
少なくとも1つの凹状形状は、へこみである、請求項5に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項8】
少なくとも1つの凹状形状は、複数の直線溝である、請求項5に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項9】
少なくとも1つの凸状形状は、複数の直線状の突条あるいは突出部である、請求項5に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項10】
少なくとも1つの凸状形状は、こぶである、請求項5に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項11】
少なくとも1つの凸状形状は、少なくとも1つの同心状の突条あるいは突出部である、請求項5に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項12】
ターゲット材料からなるターゲット表面要素と、
連結面および背面を有しており、連結面がターゲット表面要素に連結されている芯裏打要素と、
芯裏打要素の背面に連結されるかあるいは配置され、取除き形状、付加形状あるいはこれらの組み合わせからなる少なくとも1つの表面積形状と、
を備える、スパッタリングターゲット。
【請求項13】
ターゲット材料は、金属、合金あるいはこれらの組み合わせからなる、請求項12に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項14】
金属あるいは合金は、遷移金属である、請求項13に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項15】
遷移金属は、銅、アルミニウムあるいはチタンである、請求項14に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項16】
少なくとも1つの取除き形状は、少なくとも1つの同心状くぼみである、請求項12に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項17】
少なくとも1つの取除き形状は、へこみである、請求項12に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項18】
少なくとも1つの取除き形状は、複数の直線溝である、請求項12に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項19】
少なくとも1つの付加形状は、複数の直線状の突条あるいは突出部である、請求項12に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項20】
少なくとも1つの付加形状は、こぶである、請求項12に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項21】
少なくとも1つの付加形状は、少なくとも1つの同心状の突条あるいは突出部である、請求項12に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項22】
表面材料からなるターゲット表面要素を提供することと、
裏打材料からなると共に連結面および背面を有する芯裏打要素を提供することと、
芯裏打要素の背面に連結されるかあるいは配置され、芯裏打要素の有効表面積を増大させる少なくとも1つの表面積形状を提供することと、
表面ターゲット要素を芯裏打要素の連結面に連結すること、
を備える、スパッタリングターゲットの形成方法。
【請求項23】
表面材料からなるターゲット表面要素を提供することと、
裏打材料からなると共に連結面および背面を有する芯裏打要素を提供することと、
芯裏打要素の連結面に連結されるかあるいは配置され、芯裏打要素の有効表面積を増大させる少なくとも1つの表面積形状を提供することと、
表面ターゲット要素を芯裏打要素の連結面に連結すること、
を備える、スパッタリングターゲットの形成方法。
【請求項24】
ターゲット表面要素および芯裏打要素が同じターゲット材料からなる一体型のターゲット表面要素および芯裏打要素と、
芯裏打要素の上にあるかあるいは中に一体化され、芯裏打要素の有効要素を増大させる少なくとも1つの表面積形状と、
を備える、スパッタリングターゲット。
【請求項25】
ターゲット材料は、金属、合金あるいはこれらの組み合わせからなる、請求項24に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項26】
金属あるいは合金は、遷移金属である、請求項25に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項27】
遷移金属は、銅、アルミニウムあるいはチタンである、請求項26に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項28】
少なくとも1つの表面積形状は、少なくとも1つの凹状形状、少なくとも1つの凸状形状あるいはこれらの組み合わせである、請求項24に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項29】
少なくとも1つの凹状形状は、少なくとも1つの同心状くぼみである、請求項28に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項30】
少なくとも1つの凹状形状は、へこみである、請求項28に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項31】
少なくとも1つの凹状形状は、複数の直線溝である、請求項28に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項32】
少なくとも1つの凸状形状は、複数の直線状の突条あるいは突出部である、請求項28に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項33】
少なくとも1つの凸状形状は、こぶである、請求項28に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項34】
少なくとも1つの凸状形状は、少なくとも1つの同心状の突条あるいは突出部である、請求項28に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項35】
スパッタリングターゲットがターゲット材料勾配からなる一体型のターゲット表面要素および芯裏打要素と、
芯裏打要素の上に配置されるかあるいは中に一体化され、芯裏打要素の有効要素を増大させる少なくとも1つの表面積形状と、
を備える、スパッタリングターゲット。
【請求項36】
ターゲット材料は、金属、合金あるいはこれらの組み合わせからなる、請求項35に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項37】
金属あるいは合金は、遷移金属である、請求項36に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項38】
遷移金属は、銅、アルミニウムあるいはチタンである、請求項37に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項39】
少なくとも1つの表面積形状は、少なくとも1つの凹状形状、少なくとも1つの凸状形状あるいはこれらの組み合わせである、請求項35に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項40】
少なくとも1つの凹状形状は、少なくとも1つの同心状くぼみである、請求項39に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項41】
少なくとも1つの凹状形状は、へこみである、請求項39に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項42】
少なくとも1つの凹状形状は、複数の直線溝である、請求項39に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項43】
少なくとも1つの凸状形状は、複数の直線状の突条あるいは突出部である、請求項39に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項44】
少なくとも1つの凸状形状は、こぶである、請求項39に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項45】
少なくとも1つの凸状形状は、少なくとも1つの同心状の突条あるいは突出部である、請求項39に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項1】
ターゲット材料からなるターゲット表面要素と、
連結面および背面を有しており、連結面がターゲット表面要素に連結されている芯裏打要素と、
芯裏打要素の背面に連結されるかあるいは配置され、芯裏打要素の有効表面積を増大させる少なくとも1つの表面積形状と、
を備える、スパッタリングターゲット。
【請求項2】
ターゲット材料は、金属、合金あるいはこれらの組み合わせからなる、請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項3】
金属あるいは合金は、遷移金属である、請求項2に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項4】
遷移金属は、銅、アルミニウムあるいはチタンである、請求項3に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項5】
少なくとも1つの表面積形状は、少なくとも1つの凹状形状、少なくとも1つの凸状形状あるいはこれらの組み合わせからなる、請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項6】
少なくとも1つの凹状形状は、少なくとも1つの同心状くぼみである、請求項5に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項7】
少なくとも1つの凹状形状は、へこみである、請求項5に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項8】
少なくとも1つの凹状形状は、複数の直線溝である、請求項5に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項9】
少なくとも1つの凸状形状は、複数の直線状の突条あるいは突出部である、請求項5に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項10】
少なくとも1つの凸状形状は、こぶである、請求項5に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項11】
少なくとも1つの凸状形状は、少なくとも1つの同心状の突条あるいは突出部である、請求項5に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項12】
ターゲット材料からなるターゲット表面要素と、
連結面および背面を有しており、連結面がターゲット表面要素に連結されている芯裏打要素と、
芯裏打要素の背面に連結されるかあるいは配置され、取除き形状、付加形状あるいはこれらの組み合わせからなる少なくとも1つの表面積形状と、
を備える、スパッタリングターゲット。
【請求項13】
ターゲット材料は、金属、合金あるいはこれらの組み合わせからなる、請求項12に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項14】
金属あるいは合金は、遷移金属である、請求項13に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項15】
遷移金属は、銅、アルミニウムあるいはチタンである、請求項14に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項16】
少なくとも1つの取除き形状は、少なくとも1つの同心状くぼみである、請求項12に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項17】
少なくとも1つの取除き形状は、へこみである、請求項12に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項18】
少なくとも1つの取除き形状は、複数の直線溝である、請求項12に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項19】
少なくとも1つの付加形状は、複数の直線状の突条あるいは突出部である、請求項12に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項20】
少なくとも1つの付加形状は、こぶである、請求項12に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項21】
少なくとも1つの付加形状は、少なくとも1つの同心状の突条あるいは突出部である、請求項12に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項22】
表面材料からなるターゲット表面要素を提供することと、
裏打材料からなると共に連結面および背面を有する芯裏打要素を提供することと、
芯裏打要素の背面に連結されるかあるいは配置され、芯裏打要素の有効表面積を増大させる少なくとも1つの表面積形状を提供することと、
表面ターゲット要素を芯裏打要素の連結面に連結すること、
を備える、スパッタリングターゲットの形成方法。
【請求項23】
表面材料からなるターゲット表面要素を提供することと、
裏打材料からなると共に連結面および背面を有する芯裏打要素を提供することと、
芯裏打要素の連結面に連結されるかあるいは配置され、芯裏打要素の有効表面積を増大させる少なくとも1つの表面積形状を提供することと、
表面ターゲット要素を芯裏打要素の連結面に連結すること、
を備える、スパッタリングターゲットの形成方法。
【請求項24】
ターゲット表面要素および芯裏打要素が同じターゲット材料からなる一体型のターゲット表面要素および芯裏打要素と、
芯裏打要素の上にあるかあるいは中に一体化され、芯裏打要素の有効要素を増大させる少なくとも1つの表面積形状と、
を備える、スパッタリングターゲット。
【請求項25】
ターゲット材料は、金属、合金あるいはこれらの組み合わせからなる、請求項24に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項26】
金属あるいは合金は、遷移金属である、請求項25に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項27】
遷移金属は、銅、アルミニウムあるいはチタンである、請求項26に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項28】
少なくとも1つの表面積形状は、少なくとも1つの凹状形状、少なくとも1つの凸状形状あるいはこれらの組み合わせである、請求項24に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項29】
少なくとも1つの凹状形状は、少なくとも1つの同心状くぼみである、請求項28に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項30】
少なくとも1つの凹状形状は、へこみである、請求項28に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項31】
少なくとも1つの凹状形状は、複数の直線溝である、請求項28に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項32】
少なくとも1つの凸状形状は、複数の直線状の突条あるいは突出部である、請求項28に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項33】
少なくとも1つの凸状形状は、こぶである、請求項28に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項34】
少なくとも1つの凸状形状は、少なくとも1つの同心状の突条あるいは突出部である、請求項28に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項35】
スパッタリングターゲットがターゲット材料勾配からなる一体型のターゲット表面要素および芯裏打要素と、
芯裏打要素の上に配置されるかあるいは中に一体化され、芯裏打要素の有効要素を増大させる少なくとも1つの表面積形状と、
を備える、スパッタリングターゲット。
【請求項36】
ターゲット材料は、金属、合金あるいはこれらの組み合わせからなる、請求項35に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項37】
金属あるいは合金は、遷移金属である、請求項36に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項38】
遷移金属は、銅、アルミニウムあるいはチタンである、請求項37に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項39】
少なくとも1つの表面積形状は、少なくとも1つの凹状形状、少なくとも1つの凸状形状あるいはこれらの組み合わせである、請求項35に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項40】
少なくとも1つの凹状形状は、少なくとも1つの同心状くぼみである、請求項39に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項41】
少なくとも1つの凹状形状は、へこみである、請求項39に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項42】
少なくとも1つの凹状形状は、複数の直線溝である、請求項39に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項43】
少なくとも1つの凸状形状は、複数の直線状の突条あるいは突出部である、請求項39に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項44】
少なくとも1つの凸状形状は、こぶである、請求項39に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項45】
少なくとも1つの凸状形状は、少なくとも1つの同心状の突条あるいは突出部である、請求項39に記載のスパッタリングターゲット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−52325(P2011−52325A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−253973(P2010−253973)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【分割の表示】特願2004−547151(P2004−547151)の分割
【原出願日】平成15年10月24日(2003.10.24)
【出願人】(501228624)ハネウエル・インターナシヨナル・インコーポレーテツド (24)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253973(P2010−253973)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【分割の表示】特願2004−547151(P2004−547151)の分割
【原出願日】平成15年10月24日(2003.10.24)
【出願人】(501228624)ハネウエル・インターナシヨナル・インコーポレーテツド (24)
【Fターム(参考)】
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