説明

冷却装置及び画像形成装置

【課題】シート状部材の幅方向の温度差を低減できる冷却装置、及び、その冷却装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】中空状の管状部材からなる冷却ローラと、管状部材内に冷却媒体を搬送する冷却媒体搬送手段と、を備え、冷却ローラにシート状部材を接触させてシート状部材を冷却する冷却装置において、画像形成装置で使用可能なシート状部材の最大幅よりも軸方向の幅が短い冷却ローラを、前記最大幅を占めるように少なくとも2つ配設した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置に用いられる冷却装置、及び、その冷却装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置としては、電子写真技術を用いてシート状部材である用紙上にトナー画像を形成し、熱定着装置を通過させることでトナーを溶融し融着させるものが知られている。一般に熱定着装置の温度は、トナーや用紙の種類、用紙搬送スピードなどによって異なるが180℃〜200℃程度の温度に設定され制御されて、トナーを瞬時に融着させる。熱定着装置を通過した直後の用紙の表面温度は、用紙の熱容量(比熱、密度など)に左右されるが例えば100℃〜130℃程度の高い温度となっている。また、熱定着装置通過直後のトナーは完全に固まっておらず少し軟らかいままであり、しばらく粘着状態にある。そのため、連続的に画像出力動作が繰り返され熱定着装置通過後の用紙が排紙収容部に積載される場合、用紙上のトナーが十分に硬化できず軟化状態にあると、用紙上のトナーが別の用紙に貼り付く、所謂、ブロッキング現象を起こし画像品質が著しく低下することがある。
【0003】
特許文献1に記載の画像形成装置では、熱定着装置よりも用紙搬送方向下流側に、用紙に接触して用紙を搬送しつつ冷却する冷却ローラを備えた冷却装置が設けられている。熱定着装置通過後の用紙が冷却装置の冷却ローラによって冷却されることで、用紙上のトナーも冷やされ硬化し、上記ブロッキング現象が起こるのを抑えることができる。また、冷却ローラは管状構造であり、冷却ローラ長手方向一端側から他端側に向かって冷却ローラ内に冷却液が流され、用紙から熱を奪うことで温度が上昇した冷却ローラが冷却液により冷却される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、冷却ローラ長手方向一端側から他端側に向かって一方向に一つの経路で冷却ローラ内に冷却液が流されるので、前記一端側では冷却液の温度が最も低く、前記他端側に行くほど用紙から冷却ローラが吸熱した熱により冷却液の温度が高くなる。そのため、冷却ローラの長手方向の温度差により冷却ローラ長手方向で用紙に対する冷却効率に差が生じ、冷却ローラ長手方向に温度勾配を持って用紙が冷却され、冷却ローラ長手方向、言い換えれば、用紙の幅方向で用紙に温度差が生じる。用紙に幅方向で温度差が生じると、例えば、用紙がカールして冷却装置から排紙収容部に至る用紙搬送経路中で用紙のジャムが生じ易くなってしまう。
【0005】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、シート状部材の幅方向の温度差を低減できる冷却装置、及び、その冷却装置を備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、中空状の管状部材からなる冷却ローラと、該管状部材内に冷却媒体を搬送する冷却媒体搬送手段と、を備え、前記冷却ローラにシート状部材を接触させてシート状部材を冷却する冷却装置において、画像形成装置で使用可能なシート状部材の最大幅よりも軸方向の幅が短い前記冷却ローラを、前記最大幅を占めるように少なくとも2つ配設したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の冷却装置において、上記管状部材には、冷却ローラ軸方向で上記最大幅の中央部側の端部に冷却媒体が前記管状部材内に供給される供給口が設けられ、冷却ローラ軸方向で前記最大幅の端部側に冷却媒体が前記管状部材内から排出される排出口が設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の冷却装置において、上記管状部材には、少なくとも冷却ローラ軸方向で上記最大幅の中央部側の端部に、前記管状部材が回転可能な状態で取り付けられ、該管状部材と前記冷却媒体供給搬送手段とをつなぐ回転管継手手段を有し、前記管状部材の冷却ローラ軸方向両端は装置本体または画像形成装置の構造体に回転可能に嵌合関係で支持されることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の冷却装置において、上記管状部材である外管の中空内部に該外管よりも小径の中子部材を内包し、上記冷却ローラは前記外管の内周面と前記中子部材の外周面とで形成される間隙に冷却媒体が流れる流路を有することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2または3の冷却装置において、上記管状部材である外管の中空内部に該外管よりも細管構造の内管を内包し、上記冷却ローラは、該外管と該内管との間を冷却媒体が流れる外側流路、及び、該内管内を冷却媒体が流れる内側流路を有する二重管構造であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5の冷却装置において、上記冷却ローラの上記最大幅の端部側は上記外管と軸部とが一体構造であり、前記軸部が回転可能に軸受によって軸支されており、装置外側端の排出口は冷却媒体がリザーブタンク内に排出されるように構成したことを特徴とするものである。また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5または6の冷却装置において、第1の冷却ローラ及び第2の冷却ローラは、シート状部材の搬送方向と直交する方向に移動可能に設けられており、シート状媒体の搬送方向と直交する方向において、搬送されるシート状媒体の幅方向中央部が、上記通紙幅において第1の冷却ローラの流路と第2の冷却ローラの流路とが重なっている範囲の略中央部の位置を通るように、第1の冷却ローラと第2の冷却ローラとの少なくとも一方を前記直交する方向に移動させることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6または7の冷却装置において、上記シート状部材の搬送方向と直交する方向の幅が、上記第1の冷却ローラと上記第2の冷却ローラとのどちらかの冷却ローラ軸方向の幅よりも狭い場合には、前記シート状部材の前記幅よりも冷却ローラ軸方向の幅が広い、前記第1の冷却ローラまたは前記第2の冷却ローラに前記シート状部材が搬送され、前記シート状部材が搬送される側の冷却ローラにのみ冷却媒体を流すことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の冷却装置において、上記第1の冷却ローラに流す冷却媒体の流量と上記第2の冷却ローラに流す冷却媒体の流量とを調整する流量調整手段を有しており、前記第1の冷却ローラによるシート状部材の冷却効率と前記第2の冷却ローラによるシート状部材の冷却効率とが同一になるように、前記第1の冷却ローラに流す冷却媒体の流量と前記第2の冷却ローラに流す冷却媒体の流量とを前記流量調整手段によって調整することを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、シート状部材上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、該シート状部材上に形成されたトナー像を少なくとも熱によってシート状部材に定着させる熱定着手段と、該熱定着手段によってトナー像が定着されたシート状部材を冷却する冷却手段とを備えた画像形成装置において、前記冷却手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の冷却装置を用いることを特徴とするものである。
【0007】
本発明においては、画像形成装置で使用可能なシート状部材の最大幅を占めるように配設された、軸方向の幅がシート状部材の最大幅よりも短い少なくとも2つの冷却ローラによって、シート状部材の幅方向の冷却範囲が分割される。これにより、各冷却ローラ内を流れる冷却媒体が受熱する熱量は、シート状部材の最大幅で1つの冷却ローラ内を一端側から他端側に流れる冷却媒体が受熱する熱量よりも少なくなり、その分、各冷却ローラ内を流れる冷却媒体の温度上昇が抑えられる。よって、シート状部材の最大幅で1つの冷却ローラ内を一端側から他端側に冷却媒体が流れる構成よりも、各冷却ローラの軸方向の温度差を低減できる。このように、各冷却ローラの軸方向の温度差を低減できることで、シート状部材の幅方向で各冷却ローラによるシート状部材の冷却効率の差が小さくなり、その分、各冷却ローラによって冷却されたシート状部材の幅方向の温度差を低減できる。
【発明の効果】
【0008】
以上、本発明によれば、シート状部材の幅方向の温度差を低減できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】構成例1に係る冷却ローラ及び冷却装置の模式図。
【図2】冷却ローラを備えた冷却装置の一例の概略図。
【図3】単式ロータリージョイントを取り付けた冷却ローラの一例の模式図。
【図4】複式ロータリージョイントを取り付けた冷却ローラの一例の模式図。
【図5】構成例2に係る冷却ローラの模式図。
【図6】構成例3に係る冷却ローラの模式図。
【図7】構成例4に係る冷却ローラ及び冷却装置の模式図。
【図8】冷却装置のユニット全体構成図。
【図9】冷却ローラの概略図。
【図10】冷却装置のブラケット上板部の概略図。
【図11】構成例5に係る冷却ローラ及び冷却装置の模式図。
【図12】構成例6に係る冷却ローラ及び冷却装置の模式図。
【図13】本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の冷却ローラおよび冷却装置を、熱定着手段によって記録用紙上のトナーを定着させる画像形成装置を用いて説明する。しかし、本発明の冷却ローラおよび冷却装置はこれに限定されることなく、シート媒体の冷却が必要な装置であれば適応可能である。
【0011】
冷却手段としての冷却ローラは、管状構造であり、内部に冷却液を流して循環させることで冷却ローラ表面を冷却するようにしたものである。この冷却ローラを有する冷却装置を熱定着手段直後の用紙搬送経路中に配置し、冷却ローラによって用紙を搬送させると同時に接触させることで用紙から熱を除去し冷却する。
【0012】
図2は、用紙搬送の働きも担う冷却ローラ10aと冷却ローラ10bとを備えた冷却装置100の一例の概略図である。冷却装置100には用紙Pの搬送方向(左右方向)に間隔をおいて配列されたローラ2とローラ3が設けられて、用紙搬送の搬送ベルト4を展張している。そして用紙搬送方向下流側のローラ2を駆動ローラ(図示しない駆動源と連結)として、搬送ベルト4を反時計回り方向に回転させ、用紙を図中右側から左側へ搬送する。
【0013】
冷却装置100よりも用紙搬送方向上流側には熱定着手段7が配置されており、冷却装置100よりも用紙搬送方向下流側には排紙収容部8があり、ローラ3の上方には熱定着手段7から搬送されてきた用紙Pをガイドする上ガイド5が設けられている。また、ローラ2とローラ3との中間位置には、搬送ベルト4に食い込むように上から冷却ローラ10aと冷却ローラ10bとが圧接されており、冷却ローラ10aと冷却ローラ10bとは搬送ベルト4の搬送力を利用した連れ回りで回転するようになっている。図中の符号6は冷却装置100本体を構成するブラケットであり、ローラ2、ローラ3、冷却ローラ10a、冷却ローラ10b、及び、上ガイド5などの構成部品を固定または回転自在に支持する部材である。冷却装置100はこのブラケット6によりユニット化され、画像形成装置本体に組み込まれる。
【0014】
熱定着手段7で熱せられ高温となった用紙Pは、排紙収容部8に排出される前に冷却装置100を通過する。詳細には、熱定着手段7を通って高温となった用紙Pが、冷却装置100の上ガイド5とローラ3との間に入り込み、その後、冷却ローラ10bと搬送ベルト4とで形成されるニップ領域部と、冷却ローラ10aと搬送ベルト4とで形成されるニップ領域部を通過して排紙収容部8に排出される。冷却ローラ10aと冷却ローラ10bとの内部は中空の管構造になっており、外部で十分に冷却された冷却液が冷却ローラ10a内や冷却ローラ10b内に供給され、冷却ローラ10a内や冷却ローラ10b内を循環した後に冷却液が冷却ローラ10a内や冷却ローラ10b内から排出される。用紙Pは、冷却ローラ10aと搬送ベルト4とが接することで形成されるニップ領域や、冷却ローラ10bと搬送ベルト4とが接することで形成されるニップ領域で冷却ローラ10に密着し接触しながら通過されるので、その際に用紙Pの熱は冷却ローラ10aや冷却ローラ10bに吸熱され用紙Pが十分に冷却される。例えば、熱定着手段7の通過直後の用紙Pの表面温度が100℃程度のときに用紙Pを冷却装置100に通過させることで、用紙Pを50〜60℃程度まで冷却することができる。
【0015】
なお図12を用いて後述するが、冷却ローラ10aや冷却ローラ10bは、ロータリージョイント11を介してタンク51、ポンプ52、冷却ファン53を装着したラジエータ54などの冷却液循環装置500と送液チューブ55により連結され、冷却ローラ10a内や冷却ローラ10b内に冷却液を流すことで冷却ローラ10aや冷却ローラ10bが冷却される。そして、冷却された冷却ローラ10aや冷却ローラ10bに熱定着手段7で熱せられて高温となった用紙Pが搬送され、冷却ローラ10aや冷却ローラ10bにより用紙Pは冷却される。
【0016】
ここで、一般に用いられている回転管継手手段には、ロータリージョイントがある。ロータリージョイントには、単式タイプと複式タイプがあり、単式タイプは冷却液の供給を一方向からのみ行い、排出は反対側から行う。複式タイプは同一方向から冷却液の供給および排出を行う。単式ロータリージョイントを取り付けた冷却ローラ10の一例を図3に示す。
【0017】
図3に示す冷却ローラ10には、回転管継手手段としてのロータリージョイント20の供給口19から、図12に示すような冷却液循環装置500によって冷却された冷却液が供給され、外管14内の流路16を通り、冷却ローラ軸方向でロータリージョイント29とは反対側のロータリージョイント21の排出口13から排出される。このとき、流路16を流れる冷却液1によって外管14が冷却される。
【0018】
ここで、供給口19から流路16に冷却液が流れ込んだ位置(流路16の冷却ローラ軸方向ロータリージョイント20側端部)では、冷却液の温度は低い状態であるが、図2に示す熱定着手段7を通り加熱された用紙Pが冷却ローラ10の表面に接触しながら通過するので、流路16を流れる冷却液の温度は、冷却ローラ軸方向でロータリージョイント20側からロータリージョイント21側に行くほど上昇する。したがって、冷却ローラ10の外管14の表面温度は冷却ローラ軸方向でロータリージョイント20側が最も低く、冷却ローラ軸方向でロータリージョイント21側が最も高くなる。
【0019】
よって、冷却ローラ10による用紙Pの冷却効率は、外管14の冷却ローラ軸方向でロータリージョリント20側が最も高く、外管14の冷却ローラ軸方向でロータリージョイント21側が最も低くなり、冷却ローラ10の冷却ローラ軸方向の全幅で温度勾配を持ち、温度差および冷却効率差も大きくなる。
【0020】
次に、一般に用いられている複式の回転管継手手段であるロータリージョイント11を取り付けた冷却ローラ10の一例について図4に示す概略断面図を用いて説明する。
【0021】
図4に示すように冷却ローラ10は外管14と内管15から成る中空の管構造で、外管14が回転し用紙Pを接触および搬送する。
【0022】
外管14は、軸付のフランジ10cと、軸受10gを嵌合圧入したフランジ10dで両端が構成されており、両フランジに漏洩防止のOリング10eを入れ込んでネジ10fでそれぞれのフランジを外管14に取り付けている。このとき、両フランジとも、外管14に嵌合関係で挿入して取り付け、外管14との同軸度を出している。冷却ローラ10は、フランジ10cの軸と、フランジ10dの軸受10gを用いて冷却装置100のブラケット6に対して両端を回転自在に支持される。
【0023】
また、フランジ10dには平行ネジ部10hと嵌合部10iから成る結合部が形成されており、フランジ10dには、その結合部と相対するように形成した平行ネジ部11bと嵌合部11cとを有するロータ11aが取り付けられる。フランジ10dとロータ11aそれぞれの平行ネジ部10h,11bは、外管14の回転方向(用紙Pの搬送方向)に対して締まり勝手となるような方向にネジ加工されている。
【0024】
ロータ11aはロータリージョイント11の構成部品であり、間隔をおいて設けた2箇所の軸受11dとの嵌合関係で回転自在にロータリージョイント11のケーシング11eに支持されている。
【0025】
ロータ11aとフランジ10dとの取り付けは、上記したように嵌合関係による挿入および取り付けであるため、ロータ11aとフランジ10dとの同軸度が出される。このことから、外管14は、それぞれ嵌合関係で取り付けられたロータ11a及びフランジ22dを介して、ロータリージョイント11のケーシング11eに対して軸が合わされた状態となっており、高精度な回転ができるようになっている。なお、ロータ11aにはフランジ10dとの隙間から冷却液の漏洩を防ぐOリング11gを入れ込んでいる。
【0026】
冷却ローラ10は、外管14が回転し内管15は固定(非回転)されている構成と、外管14が回転し外管14と共に内管15も回転する構成が考えられる。ここでは、外管14が回転し内管15は固定(非回転)されている構成の冷却ローラ10について説明する。
【0027】
図4に示すように、内管15のロータリージョイント11側の一端側を回転しないようにロータリージョイント11で固定支持し、他端側を外管14のフランジ10cに回転自在に支持させる。内管15のロータリージョイント11への取り付けは、ケーシング11eに取り付けられるフランジ11fに内管15の一端側を圧入することで内管15がフランジ11fに固定支持される。また、ケーシング11e、フランジ11f、及び、内管15は互いに嵌合関係で挿入され取り付けられるので、ケーシング11eに対して内管15の同軸度は出された状態となっている。なお、フランジ11fは漏洩防止のOリング11iを入れ込んで、ネジ11hでケーシング11eに取り付けられる。また、内管15はフランジ10cに軸受10jを介して内管15の他端側が取り付けられ、回転自在に支持される。フランジ10c、軸受10j、及び、内管15は互いに嵌合関係で挿入され取り付けられるので、フランジ10cに対して内管15の同軸度も出された状態となっている。
【0028】
以上の構成により、冷却ローラ10の一端側では、ロータリージョイント11のケーシング11eを基準にして外管14と内管15との同軸度が出され、そしてロータリージョイント11のケーシング11eに対して外管14は回転自在に支持され、内管15はケーシング11eに対して回転しないよう固定支持されるようになっている。冷却ローラ10の他端側は、フランジ10cを介して外管14と内管15との同軸度が出され、そして外管14に対して内管15が回転自在となるように支持されている。
【0029】
内管15のフランジ10c側の外周壁には開口孔10kが形成されており、内管15のロータリージョイント11側の端面には断面孔10mが形成されている。ロータリージョイント11の供給口19から内管15の断面孔10mを通って内管15内に供給された冷却液は、開口孔10kを通って外管14と内管15との間の隙間に流れ込み、ロータリージョイント11内を通って排出口13から外部に排出される。
【0030】
冷却液1の流路は矢印で示すように、先ずロータリージョイント11内に供給された冷却液1は、内管15内を軸方向に流れ、内管15の軸方向フランジ側端部まで行く。図4においては、ロータリージョイント11の供給口19から内管15の軸方向フランジ10c側端部までの冷却液の流路を往流路とする。そして、内管15の軸方向フランジ10c側端部まで行った冷却液は、Uターンをするように開口孔10kを通って外管14と内管15との間の隙間で形成される外側流路に流れ込み、内管15とロータ11aとの狭小間隙を通り、外管14と内管15とで形成される広い間隙を軸方向フランジ11f側に向かって流れ、このとき冷却液によって外管14が冷却される。そして、ロータリージョイント11のケーシング11eに形成された排出口13からロータリージョイント11の外部に冷却液が排出される。図4においては、開口孔10kから上記外側流路を通って排出口13までの冷却液の流路を復流路とする。
【0031】
このように冷却ローラ10は内部に冷却液が流れる往復循環する流路を有し、ロータリージョイント11を介して後述する冷却液循環装置500と閉ループの流路を形成して冷却液を循環させる。
【0032】
ここで、内管15の開口孔10kから前記外側流路に冷却液が流れ込んだ位置(前記外側流路の冷却ローラ軸方向フランジ10c側端部)では、冷却液の温度は低い状態であるが、図2に示す熱定着手段7を通り加熱された用紙Pが冷却ローラ10の表面に接触しながら通過するので、前記外側流路を流れる冷却液の温度は、冷却ローラ軸方向でフランジ10c側からロータリージョイント21側に行くほど上昇する。したがって、冷却ローラ10の外管14の表面温度は冷却ローラ軸方向でフランジ10c側が最も低く、冷却ローラ軸方向でロータリージョイント20側が最も高くなる。
【0033】
よって、冷却ローラ10による用紙Pの冷却効率は、外管14の冷却ローラ軸方向でフランジ10c側が最も高く、外管14の冷却ローラ軸方向でロータリージョイント20側が最も低くなり、冷却ローラ10の冷却ローラ軸方向の全幅で温度勾配を持ち、温度差および冷却効率差も大きくなる。
【0034】
[構成例1]
次に、図1を用いて、構成例1に係る冷却ローラ10及び冷却装置200について説明する。
【0035】
本構成例においては、図1に示すように用紙搬送方向に直交する方向の通紙領域幅Lを通る用紙Pの全幅を冷却できるように、画像形成装置で使用可能な用紙Pの最大幅Wmaxよりも外管14の軸方向の長さが短い、冷却ローラ10aと冷却ローラ10bとの2つの冷却ローラ10が、用紙Pの最大幅Wmaxを少なくとも占めるように配設し、通紙領域幅Lを冷却ローラ10aと冷却ローラ10bとで分割して用紙Pを冷却する構成になっている。
【0036】
各冷却ローラ10の冷却ローラ軸方向両端には回転管継手手段としてロータリージョイント20(供給口側)とロータリージョイント21(排出口側)とがそれぞれ接続されており、冷却ローラ10の外管14は回転自在となっている。
【0037】
以下、2つの冷却ローラ10をそれぞれ特定して指すときは、用紙搬送方向に向かって左側にある冷却ローラ10の各部材を示す符号の後ろにaを付し、用紙搬送方向に向かって右側にある冷却ローラ10の各部材を示す符号の後にbを付して区別する。
【0038】
まず、図1を用いて冷却ローラ10内の冷却液の流れについて説明する。
冷却ローラ10aにおいて冷却液は、冷却ローラ10aの通紙領域幅Lの中央側にあるロータリージョイント20aの供給口19aから冷却ローラ10a内に供給され、外管14a内の流路16aを通り、冷却ローラ軸方向でロータリージョイント20aとは反対側のロータリージョイント21aの排出口13aから排出される。このとき、流路16aを流れる冷却液によって外管14aが冷却される。
【0039】
同様に、冷却ローラ10bにおいて冷却液は、冷却ローラ10bの通紙領域幅Lの中央側にあるロータリージョイント20bの供給口19bから冷却ローラ10b内に供給され、外管14b内の流路16bを通り、冷却ローラ軸方向でロータリージョイント20bとは反対側のロータリージョイント21bの排出口13bから排出される。このとき、流路16bを流れる冷却液1によって外管14bが冷却される。
【0040】
このように冷却ローラ10aと冷却ローラ10bとを有することにより、通紙領域幅Lを2つの独立した流路16aと流路16bとに冷却領域を分割し、ロータリージョイント20aとロータリージョイント20bとを介して、後述する図12に示すような冷却液循環装置500と閉ループの流路を形成して冷却液を循環させる。
【0041】
ここで、冷却ローラ10aにおいて、供給口19aから外管14内の流路16aに冷却液が流れ込んだ位置(流路16aの冷却ローラ軸方向ロータリージョイント20a側端部、通紙領域幅Lの中央側)では、冷却液の温度は低い状態であるが、図2に示す熱定着手段7を通り加熱された用紙Pが冷却ローラ10aの表面に接触しながら通過するので、流路16aを流れる冷却液の温度は、冷却ローラ軸方向でロータリージョイント20a側からロータリージョイント21a側に行くほど上昇する。したがって、冷却ローラ10aの外管14の表面温度は冷却ローラ軸方向でロータリージョイント20a側が最も低く、冷却ローラ軸方向でロータリージョイント21a側が最も高くなる。
【0042】
よって、冷却ローラ10aによる用紙Pの冷却効率は、外管14aの冷却ローラ軸方向でロータリージョリント20a側が最も高く、外管14aの冷却ローラ軸方向でロータリージョイント21a側が最も低くなる。
【0043】
同様に、冷却ローラ10bにおいて、供給口19bから外管14b内の流路16bに冷却液が流れ込んだ位置(流路16bの冷却ローラ軸方向ロータリージョイント20b側端部、通紙領域幅Lの中央側)では、冷却液の温度は低い状態であるが、図2に示す熱定着手段7を通り加熱された用紙Pが冷却ローラ10bの表面に接触しながら通過するので、流路16bを流れる冷却液の温度は、冷却ローラ軸方向でロータリージョイント20b側からロータリージョイント21b側に行くほど上昇する。したがって、冷却ローラ10bの外管14bの表面温度は冷却ローラ軸方向でロータリージョイント20b側が最も低く、冷却ローラ軸方向でロータリージョイント21b側が最も高くなる。
【0044】
よって、冷却ローラ10bによる用紙Pの冷却効率は、外管14bの冷却ローラ軸方向でロータリージョリント20b側が最も高く、外管14bの冷却ローラ軸方向でロータリージョイント21b側が最も低くなる。
【0045】
したがって、冷却ローラ10aと冷却ローラ10bとによる用紙Pの冷却効率は、図2に示した通紙領域幅Lの中央付近で最も高く、通紙領域幅Lの両端側で最も低くなり、通紙領域幅Lの中央付近を境にして対称の温度勾配を持つと共に、冷却ローラ10aと冷却ローラ10bとによって冷却された用紙Pの通紙領域幅方向の温度差を小さくすることができる。
【0046】
また、通紙領域幅Lの中央付近を境にして用紙Pの通紙領域幅方向で冷却ローラ10aと冷却ローラ10bとによって冷却される範囲が分割されているので、冷却ローラ10aの流路16a内を流れる冷却液と冷却ローラ10bの流路16b内を流れる冷却液とが用紙Pの熱を受熱する量は1つの冷却ローラ10だけによって用紙Pを冷却する場合よりも約半分となる。そのため、流路16aを流れる冷却液や流路16bを流れる冷却液の温度上昇は、1つの冷却ローラ10だけによって用紙Pを冷却する場合よりも低く抑えることができる。その結果、1つの冷却ローラ10だけによって用紙Pを冷却する場合よりも、冷却ローラ10aと冷却ローラ10bそれぞれの用紙Pに対する冷却効率が高くなると共に、冷却ローラ幅方向の冷却効率差が小さくなり、冷却ローラ10a,10bによって冷却された用紙Pの通紙領域幅方向の温度差を低減できる。これにより、例えば用紙Pがカールして、冷却装置100から排紙収容部8に至る用紙搬送経路中で用紙のジャムが生じてしまうのを抑制することができる。
【0047】
さらに、上述したように通紙領域幅Lの中央付近で冷却効率が最も高くなることから、一般に印字率の高い用紙Pの中央部分を効率良く冷却することができるので、用紙Pが排紙収容部8に排紙され積載されたときに蓄熱し易い用紙Pの中央部分のブロッキングを抑制することができる。
【0048】
[構成例2]
次に、図5を用いて、構成例2に係る冷却ローラ10について説明する。図5に示すように本構成例の冷却ローラ10は、外管14とコア30とから成る管構造とし、外管14とコア30とで形成された狭い間隙を冷却液が流れる流路としている。
【0049】
図5において、回転管継手手段としてのロータリージョイント20の供給口19から、図12に示すような冷却液循環装置500によって冷却された冷却液が冷却ローラ10に供給される。冷却ローラ10内の流路16は、外管14の内周面近傍付近のみを通水するように狭小構造になっている。外管14の冷却ローラ軸方向における排出口13側では外管14と外管軸23とが一体となっており、軸受22で外管14が回転可能に軸支されていて、外管14内の流路16を通水した冷却液は排出口13から排出される。また、図6に示すように、冷却液を少量貯蔵できるリザーブタンク25にベアリング24を介して外管軸23を回転可能に軸支し、外管14内の流路16を通水した冷却液が外管軸23の排出口13からリザーブタンク25内に排出するような構成を採用しても良い。これにより、冷却ローラ10の排出口13側の継手手段の構成を簡素化することができるので、装置の小型化や低コスト化を図ることができる。
【0050】
ここで、図3に示す冷却ローラ10のように、外管14内の容積が大きいと流路16内を流れる冷却液の流速が遅くなるだけではなく、外管14の内周面近傍を流れる冷却液の流れが悪くなる可能性があることや、外管14内の流路16を流れる冷却液の流れにムラが起こり易いことが考えられ、用紙Pに対する冷却ローラ10の冷却効率の低下や冷却ムラが起こる可能性がある。
【0051】
そこで、本構成例のように流路16を、外管14の内周面近傍付近のみを通水するように狭小構造にすることによって、図3に示す冷却ローラ10と比較して、流路16内を流れる冷却液の流速が速くなり、流路16を流れる冷却液による外管14の冷却効率を高めることができる。その結果、用紙Pに対する冷却ローラ10の冷却効率を高めることができると共に、冷却ムラが起こるのを抑制することができる。
【0052】
[構成例3]
次に、図7を用いて、構成例3に係る冷却ローラ10及び冷却装置300について説明する。冷却装置300の基本的な構成は冷却装置100と略同じなので、その説明は省略する。
【0053】
冷却ローラ10aにおいて冷却液は図12に示す様な冷却液循環装置500によって、冷却ローラ10aの通紙領域幅Lの中央側にあるロータリージョイント20aの供給口19aから冷却ローラ10a内に供給され、外管14a内の流路16aを通り、冷却ローラ軸方向でロータリージョイント20aとは反対側のロータリージョイント21aの排出口13aから排出される。このとき、流路16aを流れる冷却液によって外管14aが冷却される。
【0054】
同様に、冷却ローラ10bにおいて冷却液は図12に示すような冷却液循環装置500によって、冷却ローラ10bの通紙領域幅Lの中央側にあるロータリージョイント20bの供給口19bから冷却ローラ10b内に供給され、外管14b内の流路16bを通り、冷却ローラ軸方向でロータリージョイント20bとは反対側のロータリージョイント21bの排出口13bから排出される。このとき、流路16bを流れる冷却液によって外管14bが冷却される。
【0055】
図7に示すように、通紙領域幅Lに対して通紙される用紙Pの幅Wが狭く、通紙領域幅Lの中央を通紙された場合について説明する。
【0056】
本構成例では、通紙される用紙Pの幅Wが通紙領域幅Lよりも狭いときに、用紙Pの幅W及び通紙される位置に応じて冷却ローラ10aを通紙領域幅方向に平行な幅Xa方向に移動可能な構成となっている。また、同様に、通紙される用紙Pの幅Wが通紙領域幅Lよりも狭いときに、用紙Pの幅W及び通紙される位置に応じて冷却ローラ10bを通紙領域幅方向に平行な幅Xb方向に移動可能な構成となっている。
【0057】
図8、図9、図10を用いて、冷却装置300における、冷却ローラ10aの幅Xa方向に移動可能な構成、及び、冷却ローラ10bの幅Xb方向に移動可能な構成について説明する。
【0058】
図8は、冷却装置300を用紙搬送方向側から見た場合における冷却装置300のユニット全体構成図であり、図9は冷却ローラ10の概略図であり、図10は冷却装置300を上方から見た場合における冷却装置300に設けられたブラケット上板6uの概略図である。
【0059】
冷却装置300は、ブラケット側板6sを介して画像形成装置に固定される。冷却ローラ10a及び冷却ローラ10bの両端は、冷却ローラ側面ブラケット6aに回転自在に支持される。冷却ローラ上面ブラケット6bは冷却ローラ側面ブラケット6aと一体であり、図10に示した冷却装置300のブラケット上板6uの移動レール31を介して図示しない駆動装置により、冷却ローラ10aが幅Xa方向に、冷却ローラ10bが幅Xb方向に移動可能な構造である。
【0060】
そして、図1に示すような冷却ローラ10aと冷却ローラ10bの冷却可能領域が重複しない位置から、外管14の冷却可能領域の左端を用紙Pの左端になるような位置の範囲で冷却ローラ10aを幅Xa方向に移動する。同様に、外管14の冷却可能領域の右端を用紙Pの右端になるような位置の範囲で冷却ローラ10bを幅Xb方向に移動する。
【0061】
これにより、用紙Pの幅に応じて、用紙Pと冷却ローラ10との接触面積を最大、且つ、用紙Pの幅方向中央部で冷却効率を最大にするので、用紙Pを効率よく冷却することができる。
【0062】
ここで、この位置は、用紙Pが冷却ローラ10aと冷却ローラ10bとで冷却される重複した領域と、供給口19側の最も冷却液の液温が低い、外管14aの冷却ローラ軸方向における供給口19a側の位置及び外管14bの冷却ローラ軸方向における供給口19b側の位置と、によって、冷却ローラ10aと冷却ローラ10bとによる用紙Pに対する冷却効率が最も良くなる領域の関係によって決定される。
【0063】
[構成例4]
次に、図11を用いて、構成例4に係る冷却ローラ10及び冷却装置400について説明する。冷却装置400の基本的な構成は冷却装置100と略同じなので、その説明は省略する。
【0064】
本構成例では、通紙される用紙Pの幅が、冷却ローラ10aの外管14aの冷却ローラ軸方向の長さと、冷却ローラ10bの外管14bの冷却ローラ軸方向の長さとのどちらか一方よりも狭い場合に、用紙Pの幅よりも外管14の冷却ローラ軸方向の長さが長いほうの冷却ローラ10側に用紙Pを片側通紙し、用紙Pが通紙される側にある冷却ローラ10のみを駆動させて用紙Pを冷却可能なように構成している。
【0065】
本構成例においては、図11に示すように用紙Pの幅Wが、冷却ローラ10aの外管14aの幅、言い換えれば、冷却ローラ10aによる用紙Pの冷却可能領域より狭い。冷却ローラ10aによる用紙Pの冷却可能領域は、冷却ローラ10bによる用紙Pの冷却可能領域と同等あるいは大きいとする。用紙Pは冷却ローラ10aによる用紙Pの冷却可能領域を通るように図11に示す位置に通紙する。この際、図12に示すような冷却液循環装置500による冷却液の循環は冷却ローラ10aに対してのみ行い、冷却ローラ10bに対する送液は停止する。
【0066】
また、本実施形態では、冷却ローラ10a及び冷却ローラ10bは冷却装置400の搬送ベルト4の搬送力を利用した連れ回りで回転するようになっているが、冷却ローラ10a及び冷却ローラ10bをモータなどからなる駆動装置によって回転駆動させるような構成を採用している場合には、冷却ローラ10aのみを回転駆動させ冷却ローラ10bは回転駆動させずに停止させる。
【0067】
このような制御することにより、冷却液を送液するポンプ(後述する図12の符号52)の消費電力の低減や、用紙Pの冷却を行なわない冷却ローラ10(図11においては冷却ローラ10b)を駆動する消費電力の低減を図ることができる。
【0068】
ここで、用紙Pの幅Wが冷却ローラ10の冷却可能領域より狭い場合、用紙Pの熱容量が小さいまたは用紙Pの印字率が低く、用紙Pより外管14の冷却ローラ軸方向の長さが長い冷却ローラ10の1つで十分に用紙Pを冷却することができるときに、用紙Pの片側通紙を行い、用紙Pが通紙される側にある冷却ローラのみを駆動させて用紙Pを冷却するのが好ましい。すなわち、用紙Pの幅Wが冷却ローラ10aの冷却可能領域より狭い場合であっても、例えば、用紙Pの種類がコート紙のように熱容量が高く排紙後の積載時にブロッキングが起こり易いものや、連続使用時および周囲温度が高い等で機内温度が上昇している場合は、図7に示す構成例3のような制御を行うことが望ましい。
【0069】
[構成例5]
図2に示す冷却装置100に用いられている図12に示す冷却循環装置500は、タンク51内の冷却液1をポンプ52で送り出し、放熱手段であるラジエータ54を通るときに、冷却ファン53から送風を受けて外部に熱を放熱して冷却液1の温度を下げる(冷却液1と外部との熱交換)。ラジエータ54で冷却された冷却液1は送液チューブ55内を流れ、送液チューブ55の分岐点J1で冷却液1の流路が2つに分かれ、一方は、冷却ローラ10aのロータリージョイント20aの供給口19aから冷却ローラ10a内に供給され冷却ローラ10a内の図示しない流路を流れる。他方は、冷却ローラ10bのロータリージョイント20bの供給口19bから冷却ローラ10b内に供給され冷却ローラ10b内の図示しない流路を流れる。このとき、図2に示す熱定着手段7を通って高温となった用紙Pの熱を冷却ローラ10aや冷却ローラ10bで奪い、冷却ローラ10a内の冷却液1や冷却ローラ10b内の冷却液1の温度は上昇する(冷却液1と用紙Pとの熱交換)。冷却ローラ10a内の冷却液1は冷却ローラ10aのロータリージョイント21aの排出口13aから排出され、冷却ローラ10b内の冷却液1は冷却ローラ10bのロータリージョイント21bの排出口13bから排出される。排出口13aと排出口13bとから排出された冷却液1は、送液チューブ55の合流点J2で再び1つの流路となり、タンク51を経由して再びポンプ52で送り出される。これらの冷却液1の循環を通して、用紙Pの熱を冷却装置100の外部に放出することを繰り返す。
【0070】
図12に示す冷却循環装置500において、分岐点J1から冷却ローラ10aの供給口19aまでの流路と分岐点J1から冷却ローラ10bの供給口19bまでの流路、冷却ローラ10aの排出口13aから合流点J2までの流路と冷却ローラ10bの排出口13bから合流点J2までの流路、及び、冷却ローラ10a内の流路(例えば図1に示した流路16a)と冷却ローラ10b内の流路(例えば図1に示した流路16b)、の構造が同一である場合、1つのポンプ52で冷却液1を送液することにより、供給口19aと供給口19bとでは同一の流量及び圧力となる。したがって、外部からの受熱の影響がなければ冷却ローラ10aと冷却ローラ10bとは同一の冷却効率とすることができる。
【0071】
しかしながら、実際に冷却循環装置500を画像形成装置等に実装する場合、画像形成装置本体内のレイアウト上の問題やスペースの問題により、例えば、冷却液1がラジエータ54を通過してから冷却ローラ10aと冷却ローラ10bまでの流路、及び、冷却ローラ10a内の流路と冷却ローラ10b内の流路、に関する構造が同一であっても、2つのロータリージョイントに繋がれた送液チューブ55の長さが異なることが十分に考えられる。このとき、圧力損失等の影響により冷却ローラ10a内を流れる冷却液1と冷却ローラ10b内を流れる冷却液1との流れが異なって、冷却ローラ10aによる用紙Pの冷却効率と冷却ローラ10bによる用紙Pの冷却効率とに差が生じる。また、冷却液1の循環に係る循環系の構成の違いに加え、部品精度のばらつきやロット間のばらつき、周囲の環境温度の違いも考えられる。
【0072】
そこで、図12に示すように、分岐点J1から冷却ローラ10aの供給口19aまでの流路中に流量調整弁56aを設け、分岐点J1から冷却ローラ10bの供給口19bまでの流路中に流量調節弁56bを設けて、機械的機構により冷却ローラ10aと冷却ローラ10bとに供給される冷却液1の流量の調整を可能にし、冷却ローラ10aによる用紙Pの冷却効率と冷却ローラ10bによる用紙Pの冷却効率とが同一になるように冷却液1の流量を制御することによって、用紙Pの幅方向の冷却のばらつきを最小限に抑えることができる。
【0073】
図13は、本発明の冷却ローラ10を有する冷却装置100を搭載したタンデム型中間転写ベルト方式のカラー画像形成装置の構成概略図である。
【0074】
複数のローラによって中間転写媒体としての中間転写ベルト61を展張し、中間転写ベルト61はこれらのローラにより回転するように構成すると共に、中間転写ベルト61のまわりに画像形成用のプロセス手段を配置している。
【0075】
中間転写ベルト61の回転方向を図中矢印aとするとき、中間転写ベルト61の上方であってローラ62とローラ63との間には、中間転写ベルト61の回転方向の上流側から順に画像形成用のプロセス手段として、第1画像ステーション64Y、第2画像ステーション64C、第3画像ステーション64M、第5画像ステーション64Bkが配置されている。例えば第1画像ステーション64Yは、ドラム状の感光体71Yの周囲に帯電手段70Y、光書き込み手段72Y、現像装置73Y、クリーニング手段74Yが配置され、さらに中間転写ベルト61を挟んで感光体71の対向位置に中間転写ベルト61への転写手段としての一次転写ローラ75Yが設けられており、他の3つの画像ステーションも同一構成となっている。そしてそれら4つの画像ステーションが互いに所定のピッチ間隔となるように左右並列に配置されている。
【0076】
本実施形態では光書き込み手段72をLEDを光源とする光学系としているが、半導体レーザーを光源とするレーザー光学系で構成することもでき、感光体71に対して画像情報に応じた露光を行う。
【0077】
中間転写ベルト61の下方には、シート状部材である用紙Pの用紙収納部76および給紙コロ77、レジストローラ対78、中間転写ベルト61を張架するローラ65に中間転写ベルト61を介して対向するように設けられた中間転写ベルト61から用紙Pへの転写手段としての二次転写ローラ66、中間転写ベルト61の裏面に接するローラ68の対向位置に中間転写ベルト61のおもて面に接するように設けられたクリーニング手段69、熱定着手段7、用紙Pを冷却する冷却ローラ10を有する冷却装置100、トナー定着後の用紙Pの排出部である排紙収容部8などが配置されている。そして、用紙収納部76から排紙収容部8へ至る用紙搬送路79が延びている。両面画像形成時に裏面の画像形成を行わせるため、冷却装置100を一度通過した用紙Pを反転させ、再度、レジストローラ対78へ搬送する両面画像形成用の用紙搬送路80も備えている。
【0078】
なお、冷却装置100の冷却ローラ10は用紙Pの熱を受熱する受熱部であり、冷却ファン53を装着したラジエータ54、ポンプ52、タンク51と共に送液チューブ55で連通するように連結され、冷却液1が封入されている。冷却液の循環経路は送液チューブ55の矢印で示すように、ラジエータ54で冷やされた冷却液1を、冷却ローラ10へ供給し、そして冷却ローラ10内を廻ってから排出し、その後にタンク51、ポンプ52へ送り、再び、ラジエータ54に戻す順序であり、ポンプ52の回転圧力により冷却液1を循環させ、ラジエータ54で放熱することで冷却液1、如いては冷却ローラ10を冷やす。ポンプ52のパワーやラジエータ54の大きさなどは、熱設計条件(冷却ローラ10が冷却すべき熱量と温度の条件)によって決定される流量、圧力、冷却効率などを元に選定される。
【0079】
画像の形成プロセスは、第1画像ステーション64Yに着目すれば、一般の静電記録方式に準じていて、暗中にて帯電手段70Yにより一様に帯電された感光体71Y上に光書き込み手段72Yにより露光して静電潜像を形成し、この静電潜像を現像装置73Yによりトナー像として可視像化する。そのトナー像は一次転写ローラ75Yにより感光体71Y上から中間転写ベルト61に転写される。転写後の感光体71Yの表面はクリーニング手段74によりクリーニングされる。他の画像ステーション64も第1画像ステーション64Yと同構成であり、同様の画像形成プロセスが行われる。
【0080】
画像ステーション64Y,64C,64M,64Bkにおける各現像装置73は、それぞれ異なる4色のトナーによる可視像化機能を有しており、各画像ステーション64Y,64C,64M,64Bkでイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックを分担すれば、フルカラー画像を形成することができる。よって、中間転写ベルト61の同一画像形成領域が4つの画像ステーション64Y,64C,64M,64Bkを順次通過する間に、中間転写ベルト61を挟むようにして各感光体71とそれぞれ対向して設けられた一次転写ローラ75により与えられる転写バイアスによって、それぞれ1色ずつトナー像を中間転写ベルト61上に重ね転写されるようにすれば、上記同一画像形成領域が各画像ステーション64Y,64C,64M,64Bkを1回通過した時点で、この同一画像領域に、重ね転写によってフルカラートナー画像を得ることができる。
【0081】
そして、中間転写ベルト61上に形成されてフルカラートナー画像は、用紙Pに転写される。転写後の中間転写ベルト61はクリーニング手段69によりクリーニングされる。用紙Pへの転写は転写時においてローラ65上で中間転写ベルト61を介して二次転写ローラ66に転写バイアスを印加し、二次転写ローラ66と中間転写ベルト61とのニップ部に用紙Pを通過させることにより行なわれる。用紙Pへの転写後、用紙P上に担持されたフルカラートナー像を熱定着手段7で定着することにより、用紙P上にフルカラーの最終画像が形成され、排紙収容部8に積載される。
【0082】
本実施形態の画像形成装置においては、排紙収容部8に用紙Pが積載される前に、熱定着手段7の直後に配置した冷却装置100を用紙Pが通過する。通過する際、熱定着手段7で熱せられた用紙Pが受熱部である冷却ローラ10に接触しながら通過することになるので、冷却ローラ10の表面で用紙Pから熱を吸熱し、この熱を冷却ローラ10内部の冷却液1へ伝達する。熱が伝達され高温となった冷却液1は、この後、冷却ローラ10から排出され、冷却液1はタンク51、ポンプ52を経て、冷却ファン53を装着したラジエータ54に送られ、そこで熱が画像形成装置外に排熱される。ラジエータ54で熱が除去され室温近くにまで下げられた冷却液1は、その後、再び冷却ローラ10へと送られる。このような冷却液1による高い冷却性能の排熱サイクルによって、熱定着手段7で熱せられて高温となった用紙Pが効率良く冷やされる。従って、用紙Pが排紙収容部8に積載される時点では、用紙P上のトナーを確実に硬化状態とさせることができる。特に両面画像形成出力の際に大きな問題となっていたブロッキング現象を回避することができる。
【0083】
以上、本実施形態によれば、中空状の管状部材である外管14などからなる冷却ローラ10と、外管14内に冷却液を搬送する冷却媒体搬送手段であるポンプ52と、を備え、冷却ローラ10にシート状部材である用紙Pを接触させて用紙Pを冷却する冷却装置100において、画像形成装置で使用可能な用紙Pの最大幅Wmaxよりも軸方向の幅が短い冷却ローラ10を、前記最大幅Wmaxを占めるように少なくとも2つ配設した。本実施形態においては、冷却ローラ10a,10b内を流れる冷却液1が受熱する熱量は、用紙Pの最大幅Wmaxで1つの冷却ローラ10内を一端側から他端側に流れる冷却液1が受熱する熱量よりも少なくなり、その分、冷却ローラ10a,10b内を流れる冷却媒体の温度上昇が抑えられる。よって、用紙Pの最大幅Wmaxで1つの冷却ローラ10内を一端側から他端側に冷却液1が流れる構成よりも、冷却ローラ10a,10bの軸方向の温度差を低減することができ、その結果、用紙Pの幅方向で冷却ローラ10による冷却効率の差を低減できる。
また、本実施形態によれば、外管14aには、冷却ローラ軸方向で上記最大幅Wmaxの中央部側の端部に冷却液1が外管14a内に供給される供給口が設けられ、冷却ローラ軸方向で前記最大幅Wmaxの端部側に冷却液1が外管14a内から排出される排出口が設けられていることで、上述したように通紙領域幅Lの中央付近で冷却効率が最も高くなることから、一般に印字率の高い用紙Pの中央部分を効率良く冷却することができるので、用紙Pが排紙収容部8に排紙され積載されたときに蓄熱し易い用紙Pの中央部分のブロッキングを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、冷却ローラ10は外管14の中空内部に外管14よりも小径の中子部材であるコア30を内包し、外管14の内周面とコア30の外周面とで形成される間隙に冷却液が流れる流路を有する。これにより、コア30を内包して形成した狭間隙流路に冷却液を流すので、外管内壁近傍における冷却液の流速が増加し、ローラ内壁と冷却液との熱伝達率が増加して、延いては用紙Pの冷却効率を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、冷却ローラ10は、外管14の中空内部に外管14よりも細管構造の内管15を内包し、外管14と内管15との間を冷却液が流れる外側流路、及び、内管15内を冷却液が流れる内側流路を有する二重管構造である。これにより、外管14と内管15との間隙と内管15内部とで冷却液の流路を分けることができるため、一方を冷却液の流れの往路とし他方を冷却液の流れの復路とすることができる。そのため、冷却液の流入流出口を冷却ローラ10の軸方向片側に設けることができ、冷却液の流入流出口を冷却ローラ10の軸方向両側に設ける場合よりも省スペース化を図ることができる。また、冷却ローラ10を冷却装置や画像形成装置に容易に組み付けることができる。
また、本実施形態によれば、上記冷却ローラの上記最大幅Wmaxの端部側は上記外管と軸部とが一体構造であり、前記軸部が回転可能に軸受によって軸支されており、装置外側端の排出口は冷却媒体がリザーブタンク内に排出されるように構成したことで、冷却ローラ10の排出口13側の継手手段の構成を簡素化しているので、装置の小型化や低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、用紙Pの冷却ローラ軸方向に直交する方向の幅が、冷却ローラ10aと冷却ローラ10bとのどちらかの冷却ローラ軸方向の幅よりも狭い場合には、用紙Pの前記幅よりも冷却ローラ軸方向の幅が広い、冷却ローラ10aまたは冷却ローラ10bに用紙Pが搬送され、用紙Pが搬送される側の冷却ローラ10のみ冷却液を流す。これにより、冷却ローラ10aと冷却ローラ10bとのどちらか一方への通水のみで用紙Pの冷却を行なうので、冷却液の送液などに係るエネルギーなどの消費を低減させることができる。
また、本実施形態によれば、冷却ローラ10aに流す冷却液の流量と冷却ローラ10bに流す冷却液の流量とを調整する流量調整手段である流量調整弁56a,56bを有しており、冷却ローラ10aによる用紙Pの冷却効率と冷却ローラ10aによる用紙Pの冷却効率とが同一になるように、冷却ローラ10aに流す冷却液の流量と冷却ローラ10bに流す冷却液の流量とを流量調整弁56a,56bによって調整することにより、用紙Pの幅方向の冷却のばらつきを最小限に抑えることができる。
また、本実施形態によれば、用紙P上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、用紙P上に形成されたトナー像を少なくとも熱によって用紙Pに定着させる熱定着手段7と、熱定着手段7によってトナー像が定着された用紙Pを冷却する冷却手段とを備えた画像形成装置において、前記冷却手段として、本発明の冷却装置100を用いることにより、用紙の幅方向のカールや、定着による画質及び光沢ムラを低減することができる。
【符号の説明】
【0084】
1 冷却液
2 ローラ
3 ローラ
4 搬送ベルト
5 上ガイド
6 ブラケット
6a 冷却ローラ側面ブラケット
6b 冷却ローラ上面ブラケット
6s ブラケット側板
6u ブラケット上板
7 熱定着手段
8 排紙収容部
10 冷却ローラ
10c フランジ
10d フランジ
10e リング
10f ネジ
10g 軸受
10h 平行ネジ部
10i 嵌合部
10j 軸受
10k 開口孔
10m 断面孔
11 ロータリージョイント
11a ロータ
11b 平行ネジ部
11c 嵌合部
11d 軸受
11e ケーシング
11f フランジ
11g リング
11h ネジ
11i リング
13 排出口
14 外管
15 内管
16 流路
19 供給口
20 ロータリージョリント
21 ロータリージョイント
22 軸受
23 外管軸
24 ベアリング
25 リザーブタンク
29 ロータリージョイント
30 コア
31 移動レール
51 タンク
52 ポンプ
53 冷却ファン
54 ラジエータ
55 送液チューブ
56a 流量調整弁
56b 流量調節弁
61 中間転写ベルト
62 ローラ
63 ローラ
64 画像ステーション
65 ローラ
66 二次転写ローラ
68 ローラ
69 クリーニング手段
70 帯電手段
71 感光体
72 光書き込み手段
73 現像装置
74 クリーニング手段
75 一次転写ローラ
76 用紙収納部
77 給紙コロ
78 レジストローラ対
79 用紙搬送路
80 用紙搬送路
100 冷却装置
200 冷却装置
300 冷却装置
400 冷却装置
500 冷却循環装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0085】
【特許文献1】特開2006−003819号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空状の管状部材からなる冷却ローラと、
該管状部材内に冷却媒体を搬送する冷却媒体搬送手段と、を備え、
前記冷却ローラにシート状部材を接触させてシート状部材を冷却する冷却装置において、
画像形成装置で使用可能なシート状部材の最大幅よりも軸方向の幅が短い前記冷却ローラを、前記最大幅を占めるように少なくとも2つ配設したことを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
請求項1の冷却装置において、
上記管状部材には、冷却ローラ軸方向で上記最大幅の中央部側の端部に冷却媒体が前記管状部材内に供給される供給口が設けられ、冷却ローラ軸方向で前記最大幅の端部側に冷却媒体が前記管状部材内から排出される排出口が設けられていることを特徴とする冷却装置。
【請求項3】
請求項1または2の冷却装置において、
上記管状部材には、少なくとも冷却ローラ軸方向で上記最大幅の中央部側の端部に、前記管状部材が回転可能な状態で取り付けられ、該管状部材と前記冷却媒体供給搬送手段とをつなぐ回転管継手手段を有し、
前記管状部材の冷却ローラ軸方向両端は装置本体または画像形成装置の構造体に回転可能に嵌合関係で支持されることを特徴とする冷却装置。
【請求項4】
請求項1、2または3の冷却装置において、
上記管状部材である外管の中空内部に該外管よりも小径の中子部材を内包し、上記冷却ローラは前記外管の内周面と前記中子部材の外周面とで形成される間隙に冷却媒体が流れる流路を有することを特徴とする冷却装置。
【請求項5】
請求項1、2または3の冷却装置において、
上記管状部材である外管の中空内部に該外管よりも細管構造の内管を内包し、上記冷却ローラは、該外管と該内管との間を冷却媒体が流れる外側流路、及び、該内管内を冷却媒体が流れる内側流路を有する二重管構造であることを特徴とする冷却装置。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5の冷却装置において、
上記冷却ローラの上記最大幅の端部側は上記外管と軸部とが一体構造であり、前記軸部が回転可能に軸受によって軸支されており、装置外側端の排出口は冷却媒体がリザーブタンク内に排出されるように構成したことを特徴とする冷却装置。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5または6の冷却装置において、
第1の冷却ローラ及び第2の冷却ローラは、シート状部材の搬送方向と直交する方向に移動可能に設けられており、
シート状媒体の搬送方向と直交する方向において、搬送されるシート状媒体の幅方向中央部が、上記通紙幅において第1の冷却ローラの流路と第2の冷却ローラの流路とが重なっている範囲の略中央部の位置を通るように、第1の冷却ローラと第2の冷却ローラとの少なくとも一方を前記直交する方向に移動させることを特徴とする冷却装置。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5、6または7の冷却装置において、
上記シート状部材の搬送方向と直交する方向の幅が、上記第1の冷却ローラと上記第2の冷却ローラとのどちらかの冷却ローラ軸方向の幅よりも狭い場合には、前記シート状部材の前記幅よりも冷却ローラ軸方向の幅が広い、前記第1の冷却ローラまたは前記第2の冷却ローラに前記シート状部材が搬送され、前記シート状部材が搬送される側の冷却ローラにのみ冷却媒体を流すことを特徴とする冷却装置。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5、6、7または8の冷却装置において、
上記第1の冷却ローラに流す冷却媒体の流量と上記第2の冷却ローラに流す冷却媒体の流量とを調整する流量調整手段を有しており、
前記第1の冷却ローラによるシート状部材の冷却効率と前記第2の冷却ローラによるシート状部材の冷却効率とが同一になるように、前記第1の冷却ローラに流す冷却媒体の流量と前記第2の冷却ローラに流す冷却媒体の流量とを前記流量調整手段によって調整することを特徴とする冷却装置。
【請求項10】
シート状部材上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
該シート状部材上に形成されたトナー像を少なくとも熱によってシート状部材に定着させる熱定着手段と、
該熱定着手段によってトナー像が定着されたシート状部材を冷却する冷却手段とを備えた画像形成装置において、
前記冷却手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の冷却装置を用いることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−145365(P2011−145365A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−4599(P2010−4599)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】