説明

冷媒の流れ分布の均一性を改善した中型から大型の電池パックケース

本発明は、充放電可能な複数の電池セルまたはユニットモジュール(「ユニットセル」)を積み重ねることにより得られた電池モジュールが組み込まれる中型から大型サイズの電池パックケースを提供するものであり、ユニットセルを冷却するための冷媒が電池モジュールの一方の側から反対側までユニットセルの積層方向に対して垂直な方向に流れることができるように、冷媒流入ポートおよび冷媒放出ポートが、同パックケースの上部および下部に互いに反対方向に配置され、同パックケースは、それぞれ、冷媒流入ポートから電池モジュールまでの流れ領域(「冷媒流入部分」)および電池モジュールから冷媒放出ポートまでの流れ領域(「冷媒放出部分」)を有して形成され、冷媒流入部分の上側縁端部に沿って電池モジュールの上側縁端部に対向する内面は、同内面と電池モジュールの上側縁端部の間の距離が、冷媒流入部分の反対側の縁端部の方向に縮小する構造を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒流量の分布の均一性を改善した中型または大型の電池パックケースに関し、より詳細には、充放電可能な複数の積層電池セルまたはユニットモジュール(「ユニットセル」)を有する電池モジュールが装着されている中型または大型の電池パックケースに関するものであり、この電池パックケースには、上部および下部にそれぞれ冷媒入口ポートおよび冷媒出口ポートが備わっており、これらのポートは、ユニットセルを冷却する冷媒が電池モジュールの一方の側から他方の側までユニットセルの積層方向に対して垂直な方向へ流れることができるように、反対方向に向けられ、この電池パックケースには、冷媒入口ポートから電池モジュールまで延在する流れ空間(「冷媒導入部分」)および電池モジュールから冷媒出口ポートまで延在する別の流れ空間(「冷媒放出部分」)がさらに備わっており、電池モジュールの頂部と向かい合う冷媒導入部分の上端内部は、冷媒導入部分の上端内部と電池モジュールの頂部間の距離が、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端に向かって縮小するように構成され、また、冷媒を電池モジュールに導くように下方へ突出した部分が冷媒導入部分の上端内部に形成され、起伏のある部分が、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端から所定の距離だけ延在する。
【背景技術】
【0002】
最近、充放電可能な2次電池が、エネルギー源として無線モバイルデバイスに広く使用されている。また、化石燃料を使用する既存のガソリン車およびディーゼル車によって引き起こされた大気汚染などの問題を解決するために開発されている電気自動車(EV)およびハイブリッド電気自動車(HEV)用の電源として、2次電池が非常に注目されている。
【0003】
小型のモバイルデバイスは、各デバイスにつき1つまたはいくつかの電池セルを使用する。一方、車両などの中型または大型のデバイスは、高出力かつ大容量のものが必要であるため、互いに電気的に接続された複数の電池セルを有する中型または大型の電池モジュールを使用する。
【0004】
好ましくは、中型または大型の電池モジュールはできるだけ小さなサイズおよび軽い重量を有するように製造される。このために、高集積度で積み重ねることができ、小さな重量対容量比を有するプリズム形電池または小袋形電池が、中型または大型の電池モジュールの電池セルとして通常使用される。具体的には、小袋形電池は、軽量で製造原価が安く、形状変更も簡単であるため、被覆部材としてアルミニウム積層板を使用する小袋形電池に多くの関心が寄せられている。
【0005】
中型または大型の電池モジュールが、所定の装置またはデバイスによって必要とされる電力および容量を供給するためには、中型または大型の電池モジュールは、複数の電池セルが互いに直列に電気的接続され、かつ外力に対して安定な構造を有するように構成されなければならない。
【0006】
また、中型または大型の電池モジュールを構成する電池セルは、充放電可能な2次電池である。したがって、電池の充電および放電を通じて、高出力かつ大容量の2次電池から大量の熱が発生する。ユニットセルの充放電の期間中にユニットセルから発生する熱が効果的に除去されないと、熱がそれぞれのユニットセルに蓄積してユニットセルの劣化が加速されることになる。場合によっては、ユニットセルが発火するかまたは爆発する恐れがある。このため、高出力かつ大容量の電池である車両用電池パックには、電池パックに装着された電池セルを冷却するための冷却システムが必要である。
【0007】
一方、複数の電池セルを含む中型または大型の電池パックでは、いくつかの電池セルの性能劣化が全体の電池パックの性能劣化をもたらす。性能の不均一性をもたらす主な要因の1つに、電池セル間の冷却の不均一性がある。このため、冷媒が流れる間、冷却の均一性を確実にする構造を提供することが要求されている。
【0008】
いくつかの従来型の中型または大型の電池パックは、電池パックケースの上部および下部において冷媒入口ポートと冷媒出口ポートが反対の方向に向くように配置され、冷媒入口ポートから電池モジュールまで延在する流れ空間の頂部および底部が互いに平行である構造を有するように構成された電池パックケースを使用する。しかし、この構造では、冷媒出口ポートに隣接する電池セルの間に画定された流れチャンネルに導入される冷媒流量が比較的大きいのに対して、冷媒入口ポートに隣接する電池セルの間に画定された流れチャンネルに導入される冷媒流量が比較的小さく、その結果、電池セルの均一な冷却を達成するのが困難になる。
【0009】
このことに関して、韓国特許出願公開第2006−0037600号、韓国特許出願公開第2006−0037601号、および韓国特許出願公開第2006−0037627号には、エアガイド面が、電池パックケースの電池セルと反対側の側面の方へ下に傾けられ、その結果、エアガイド面が電池セルにより近くなって、エアガイド面と冷媒入口ポートの間の距離が増加する構造を有するように構成された中型または大型の電池パックが開示されている。具体的には、エアガイド面は、電池パックケースの電池セルと反対側の側面に対して所定の角度、例えば15度から45度の角度で傾斜しており、それによって、冷媒出口ポートに隣接する電池セルの間に画定された流れチャンネルに冷媒が過度に導入される現象が発生するのを抑制する。
【0010】
しかし、本出願の発明者は、前述の構造でさえ電池セル間の温度偏差が大きく、所望レベルの温度均一性を達成することが不可能であるという結果を伴うことに気付いた。
【0011】
さらに、この構造では、電池セルに隣接したエアガイド面の領域が、電池パックの振動中に電池セルまたは電池モジュールと接触する可能性があり、結果として電池パックからノイズが発生するかまたは電池パックが損傷する恐れがある。したがって、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端を所定の高さより低く下げることは不可能であり、結果として、最適の温度偏差を有するパックケースの設計は不可能である。
【0012】
一方、従来型の電池パックの構造に関して、図1は、電池モジュールが従来型の中型または大型の電池パックケースに装着される構造を有するように構成された中型または大型の電池パックを示す斜視図であり、図2は、図1の中型または大型の電池パックケースに装着する電池モジュールを有する中型または大型の電池パックを特徴的に示す垂直断面図である。
【0013】
これらの図面を参照すると、中型または大型の電池パック100は、複数のユニットセル30が互いに電気的に接続されるように積層される構造を有するように構成された電池モジュール32、電池モジュール32が装着される電池パックケース70、冷媒入口ポート10から電池モジュール32まで延在する流れ空間としての冷媒導入部分40、および電池モジュール32から冷媒出口ポート20まで延在する別の流れ空間としての冷媒放出部分50を含んでいる。
【0014】
冷媒入口ポート10を通って導入された冷媒は、冷媒導入部分40およびそれぞれのユニットセル30の間に画定された流れチャンネル60を通って流れる。この時、冷媒が電池セル30を冷却する。その後、冷媒は冷媒放出部分50を通って流れ、次いで冷媒出口ポート20を通って電池パックケースから放出される。
【0015】
冷媒導入部分40は、ユニットセル30が積み重ねられる方向と平行に形成される。上記の構造では、冷媒出口ポート20に隣接するユニットセル間に画定された流れチャンネルに導入される冷媒流量が比較的大きいのに対して、冷媒入口ポート10に隣接するユニットセル間に画定された流れチャンネルに導入される冷媒流量が比較的小さく、その結果、ユニットセル30の冷却が均一には達成されず、したがって、冷媒出口20に隣接したユニットセルと冷媒入口10に隣接したユニットセルの間の温度偏差が非常に大きい。冷媒が冷媒出口ポート20側に集中して、その結果冷媒入口ポート10側の温度が上昇するので、この現象が生じる。
【0016】
また、図3は、電池モジュールが別の従来型の中型または大型の電池パックケースに装着される構造を有するように構成された中型または大型の電池パックを特徴的に示す垂直断面図である。
【0017】
図3の中型または大型の電池パック100aは、ユニットセル30、電池モジュール32、冷媒放出部分50および流れチャンネル60に関して、図1の中型または大型の電池パック100と実質的に同一である。しかし、図3の中型または大型の電池パック100aは、冷媒入口ポート10aおよび冷媒導入部分40aが所定の角度で電池パックケース70aの方へ傾斜している点が図1の中型または大型の電池パック100と異なる。すなわち、冷媒導入部分40aの上端内部42aが、電池パックケース70の冷媒入口ポート10aと反対側の先端の方へ所定の角度で傾斜している。また、電池パックケース70の冷媒入口ポート10aと反対側の先端は、ユニットセル30の間を流れる冷媒の温度が均一になるように、約1mmの高さHだけ電池モジュール32の頂部と離隔される。
【0018】
この構造では、冷媒入口ポート10aに隣接したユニットセル30の冷却効率が、図1の中型または大型の電池パック100と比べて比較的大きい。しかし、依然としてかなり大きな温度差が存在する。また、冷媒導入部分40aの上端内部が、中型または大型の電池パック100aの振動中にユニットセルの頂部と接触し、結果として、中型または大型の電池パックがノイズを発生するかまたは損傷する可能性がある。
【0019】
したがって、前述の問題を根本的に解決する技術に対する高度な必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】韓国特許出願公開第2006−0037600号
【特許文献2】韓国特許出願公開第2006−0037601号
【特許文献3】韓国特許出願公開第2006−0037627号
【特許文献4】韓国特許出願第2006−45443号
【特許文献5】韓国特許出願第2006−45444号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
したがって、本発明は、まだ解決されていない上記の問題、および他の技術的問題を解決するために行なわれた。
【0022】
中型または大型の電池パックケースに関する様々な広範囲かつ集約的な調査および実験の結果、本出願の発明者は、中型または大型の電池パックケースを、電池モジュールへ冷媒を導くように下方へ突出した部分が電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端に隣接した冷媒導入部分の上端内部に形成された構造を有するように構成すると、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端を適切な高さに、またはより高く保つ一方で、電池セルの間に画定された流れチャンネルを流れる冷媒を均一に分配することができ、それによって電池セルの間に蓄積される熱を効果的に除去し、電池セルの性能および寿命を大幅に改善することが可能であることを発見した。本発明は、これらの発見に基づいて完成されている。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の一態様によれば、上記目的および他の目的は、充放電可能な複数の積層電池セルまたはユニットモジュール(「ユニットセル」)を有する電池モジュールが装着されている中型または大型の電池パックケースであって、この電池パックケースには、上部および下部にそれぞれ冷媒入口ポートおよび冷媒出口ポートが備わっており、これらのポートは、ユニットセルを冷却する冷媒が、電池モジュールの一方の側からもう一方の側までユニットセルの積層方向に対して垂直な方向へ流れることができるように、反対方向に向けられ、この電池パックケースには、冷媒入口ポートから電池モジュールまで延在する流れ空間(「冷媒導入部分」)および電池モジュールから冷媒出口ポートまで延在する別の流れ空間(「冷媒放出部分」)がさらに備わっており、電池モジュールの頂部と向かい合う冷媒導入部分の上端内部は、冷媒導入部分の上端内部と電池モジュールの頂部の間の距離が、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端に向かって縮小するように構成され、また、冷媒を電池モジュールに導くように下方へ突出した部分が冷媒導入部分の上端内部に形成され、起伏のある部分が、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端から所定の距離だけ延在する、中型または大型の電池パックケースを提供することにより達成され得る。
【0024】
すなわち、本発明による中型または大型の電池パックケースでは、冷媒を電池モジュールへ導くように下方へ突出した部分が、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端に隣接した冷媒導入部分の上端内部に形成され、したがって、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端を適切な高さに、または電池モジュールの頂部より高く保つ一方で、ユニットセル(電池セルまたはユニットモジュール)の間に画定された流れチャンネルを流れる冷媒の流量を均一に分配することができ、それによって、電池セルの充放電の期間中に電池セルから発生する熱を、冷媒の均一な流れによって効果的に除去することができる。したがって、効率的に冷却してユニットセルの動作性能を改善することが可能である。
【0025】
また、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端は、適切な高さに、または下方へ突出した部分より高く保たれる。したがって、電池パックによるノイズの発生または電池パックの振動中の冷媒入口ポートと電池パックケースのユニットセルと反対側の先端との間の衝突による損傷を防止することができる。
【0026】
本発明による、中型または大型の電池パックケースに装着する電池モジュールは、複数のユニットセルを高集積度で積み重ねることにより製造される。ユニットセルは、ユニットセルの充電および放電の期間中にユニットセルから発生する熱を除去するために、互いに所定の距離だけ離隔されるように積み重ねられる。例えば、電池セルは、所定の距離だけ互いに離隔されるように、さらなる部材を使用することなく順次に積み重ねられる。一方、機械的に低強度の電池セルについては、1つまたは複数の電池セルが取付け部材に装着され、複数の取付け部材が積み重ねられて電池モジュールを構成する。本発明では、後者は「ユニットモジュール」と称される。複数のユニットモジュールを積み重ねて電池モジュールを構成する場合には、積層電池セル間に蓄積する熱を効果的に除去するために、電池セルの間および/またはユニットモジュールの間に冷媒の流れチャンネルを形成する。
【0027】
冷媒導入部分および冷媒放出部分は、電池セルの充電および放電の期間中に電池セルから発生する熱を効果的に除去するための冷媒を、導入したり放出したりする流れ空間である。冷媒導入部分および冷媒放出部分は、それぞれ電池パックケースの上部および下部に反対方向に形成される。場合によっては、冷媒導入部分および冷媒放出部分は、それぞれ電池パックケースの下部および上部に反対方向に形成されてもよい。
【0028】
好ましい実例では、下方に突出した部分は、冷媒を渦巻かせるために、起伏のある部分を含んでよい。
【0029】
この場合、起伏のある部分は、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端高さの10〜50%に等しい高さを有する。起伏のある部分の高さが、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端高さの50%を超えると、流れ抵抗が過度に増加し、これは好ましいことではない。一方、起伏のある部分の高さが、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端高さの10%未満であると、冷媒を渦巻かせることができず、これは好ましいことではない。
【0030】
起伏のある部分は最も低いポイントを有してよく、それらのポイントのそれぞれが、ユニットセルのうち対応する1つの頂部の中心、前側または後側上に配置される。好ましくは、起伏のある部分には最も低いポイントがあり、それらのポイントのそれぞれが、ユニットセルのうち対応する1つの前側の頂部の上に配置され、というのは、ユニットセルの上を通過する冷媒がユニットセルのそれぞれの後側の上に集中するのが防止され、それによって冷媒の分布の均一性が改善するからである。
【0031】
起伏のある部分は、下方へ突出するかまたは窪んでいるビードまたは半球の形状に形成されてよい。好ましくは、起伏のある部分は下方への窪みを含む。
【0032】
別の好ましい実例では、下方へ突出する部分が隔壁を含んでよい。隔壁のない従来型の電池パックケースと比較して、冷媒の分布の均一性が改善される。
【0033】
場合によっては、下方へ突出する部分が、冷媒導入部分の横方向には不連続に配置されて冷媒導入部分の長手方向には交互に配置された下方への突出部を含んでよい。
【0034】
下方へ突出する部分が容易に冷媒を導く限り、下方へ突出する部分の長さには特に制限がない。例えば、突出する部分は、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端からの電池モジュールの頂部の長さの5〜100%、好ましくは20〜100%に等しい距離だけ下方へ延在してよい。
【0035】
好ましい実例では、冷媒導入部分の上端内部は、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端から始まる傾斜面の傾斜が、電池モジュールの頂部から冷媒入口ポートに向かって増加する構造を有するように構成されてよい。
【0036】
ここで、「傾斜の増加」という表現は、冷媒入口ポート側にある傾斜面が、冷媒入口ポートと反対側にある傾斜面より大きな傾斜を有することを意味する。したがって、傾斜面は、冷媒入口ポートに向かって連続的に、または不連続的に増加し得る。ここで、「不連続な増加」という表現は、傾斜面の間に画定された領域が0度の傾斜を有することがあることを意味する。例えば、セルの積み重ねの頂部に対して0度の傾斜を有する領域が、隣接した傾斜面の間に部分的に形成されてよい。
【0037】
冷媒導入部分の上端内部の傾斜面の傾斜は、様々な構造の冷媒入口ポートに向かって増加し得る。
【0038】
好ましい実例では、冷媒導入部分の上端内部は、2つ以上の連続した傾斜面を含んでよい。すなわち、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端から冷媒入口ポートに向かってその傾斜が増加する傾斜面が、冷媒導入部分の上端内部に形成されてよい。
【0039】
本出願の発明者が行なった実験により、冷媒導入部分の上端内部が2つ以上の傾斜面を含む構造を有するように構成されたときには、冷媒導入部分の上端内部が電池モジュールの頂部に対して平行であるとき、または冷媒導入部分の上端内部が単一の傾斜面を含む構造を有するように構成されているときより、ユニットセル間の温度偏差が減少し、したがってユニットセルの性能がさらに改善されることが明らかになった。
【0040】
具体的な実例では、上端内部の傾斜面は、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端から始まる第1の傾斜面と、第1の傾斜面と冷媒入口ポートの間に第1の傾斜面より大きな傾斜を有するように配置された第2の傾斜面とを含んでよい。
【0041】
上記の構造では、必要に応じて、下方へ突出する部分が、全体としてまたは部分的に第1の傾斜面に形成されてよい。好ましくは、冷媒の総合的な分布の均一性を確実にすることができるので、下方へ突出する部分が全体として第1の傾斜面に形成される。
【0042】
別の具体的な実例では、上端内部の傾斜面は、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端から延在する第1の平行面であって、電池モジュールの頂部に対して平行な第1の平行面と、第1の平行面から始まる第1の傾斜面と、第1の傾斜面と冷媒入口ポートの間に配置されて第1の傾斜面より大きな傾斜を有する第2の傾斜面とを含んでよい。
【0043】
上記の構造では、必要に応じて、下方へ突出する部分が、全体としてまたは部分的に第1の平行面に形成されてよい。好ましくは、冷媒の総合的な分布の均一性を確実にすることができるので、下方へ突出する部分が全体として第1の平行面に形成される。
【0044】
上記の例示的構造では、第2の傾斜面の傾斜が電池モジュールの頂部に対して45度を超過しない範囲内で、第2の傾斜面が、第1の傾斜面の傾斜より20〜500%、好ましくは100〜300%大きな傾斜を有する。第2の傾斜面の傾斜が45度を超過しないので、電池パックケースのサイズの増加を最小限にすることができる。また、第2の傾斜面の傾斜が第1の傾斜面の傾斜より少なくとも20%大きいので、冷媒流量の望ましい分布均一性を確実にすることができる。
【0045】
第1の傾斜面は、電池モジュールの頂部に対して15度以下の傾斜を有してよい。好ましくは、第1の傾斜面は、電池モジュールの頂部に対して2〜7度の傾斜を有する。より好ましくは、第1の傾斜面は、電池モジュールの頂部に対して3〜5度の傾斜を有する。
【0046】
この場合、第2の傾斜面は、第1の傾斜面の傾斜以下の範囲内で、電池モジュールの頂部に対して10〜30度以下の傾斜を有してよい。
【0047】
一方、冷媒入口ポートは、中型または大型の電池パックが装着されるデバイスの条件次第で、様々な傾斜を有してよい。例えば、冷媒入口ポートは、第2の傾斜面の傾斜以下の傾斜を有してよい。
【0048】
場合によっては、中型または大型の電池パックが装着されるデバイスの構造の限界により、冷媒入口ポートの傾斜を大きくする必要があるときには、冷媒入口ポートが第2の傾斜面の傾斜より大きな傾斜を有してよい。
【0049】
本出願の発明者は、冷媒導入部分の上端内部が以前に定義されたような特定の傾斜構造を有するように構成されたとき、冷媒流れチャンネルにおける冷媒流量の均一性に対する冷媒入口ポートの傾斜の影響が軽微であることを実験的に確認した。したがって、冷媒導入部分の上端内部が、本発明のように特定の傾斜構造を有するように構成されるとき、デバイスの実装条件次第で、冷媒入口ポートの傾斜を自由に決定することができる。
【0050】
好ましい実例では、冷媒入口ポートが第2の傾斜面の傾斜を上回る傾斜を有するという範囲内で、冷媒入口ポートがセルの積み重ねの頂部に対して30〜60度の傾斜を有してよい。したがって、電池パックが装着されるデバイスの条件次第で、冷媒入口ポートの傾斜を大きくする必要があるときでさえ、冷媒導入部分の上端内部の特性構造を与えることにより、効果的に所望の冷却効率を達成することができる。
【0051】
一方、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端は、電池モジュールの高さの2〜30%に等しい高さだけ電池モジュールの頂部と離隔されてよい。この構造は、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端に到達する冷媒の量を適切に限定し、それによって、ユニットセルに対する冷媒の一様分布の効果をさらに改善する。
【0052】
この場合、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端は、電池モジュールの頂部から、好ましくは3〜20mm、より好ましくは約5mmの高さだけ離隔される。
【0053】
電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端が、電池モジュールの頂部から約5mmだけ離隔される場合でさえ、下方に突出する部分が冷媒を渦巻かせるので、したがって、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端が電池モジュールの頂部から約1mmだけ離隔される場合でさえ、下方に突出する部分が冷媒を渦巻かせる構造によってもたらされる均一な冷却効率を確実にすることができ、また電池パックの振動中に発生する衝撃によって電池モジュールの頂部が損傷を受けるのを防止することができる。
【0054】
電池セルは、ニッケル水素2次電池またはリチウム2次電池などの2次電池でよい。それらの中で、リチウム2次電池が高エネルギー密度および高い放電電圧を有するので、好ましくはリチウム2次電池が使用される。その形状に基づいて、好ましくはプリズム形電池、小袋形電池または円筒状電池が、電池モジュールを構成する充放電可能なユニットセルとして使用される。より好ましくは、小袋形電池が、製造原価が安く重量が軽いので、電池モジュールのユニットセルとして使用される。
【0055】
また、本発明による電池パックケースは、冷却効率が深刻な構造、すなわち電池セルの積層方向に対応する電池パックケースの長さが電池セルの横方向に対応する電池パックケースの長さより長い構造において、より好ましい。
【0056】
一方、冷媒放出部分は、電池モジュールの底部に対して均一の高さを有してよい。すなわち、冷媒放出部分は、セルの積み重ねの底部に対して冷媒放出部分の内側部分の低い方の先端が均一の高さを有する構造を有するように構成されてよい。しかし、この構造は、もちろん冷媒放出効率を改善するために部分的に変更されてよい。
【0057】
場合によっては、電池パックケースは、冷媒入口ポートを通って導入された冷媒が、電池モジュールを通って流れた後に冷媒出口ポートへ速やかにかつ滑らかに移動するように、冷媒出口ポートにブローイングファンがさらに装着された構造を有するように構成されてよい。この構造では、狭い冷媒入口ポートを通って導入された冷媒が、ブローイングファンから発生する冷媒駆動力により、冷媒入口ポートから遠く離れている電池セルに高い流速で十分に到達し、したがって、同一の冷媒流量の条件で、冷媒流量の比較的一様な分布が達成される。
【0058】
本発明の別の態様によれば、前述の構造を有する中型または大型の電池パックケースに電池モジュールが装着される構造を有するように構成された中型または大型の電池パックが提供される。
【0059】
本明細書で使用される用語「電池モジュール」は、高出力で大容量の電力を供給するために、2つ以上の充放電可能な電池セルまたはユニットモジュールが機械的に結合され、加えて互いに電気的に接続された構造を有するように構成された電池システムの構造を包括的に意味する。したがって、電池モジュール自体が、単一装置または大型装置の一部分を構成することができる。例えば、大型電池モジュールを構成するために、複数の小型電池モジュールを互いに接続することができる。あるいは、ユニットモジュールを構成するために少数の電池セルを互いに接続することができ、複数のユニットモジュールを互いに接続することができる。
【0060】
一方、ユニットモジュールは様々な構造で構成されてよく、その例示的実例が以下で説明されることになる。
【0061】
ユニットモジュールは、それぞれの上端および下端に電極端子が形成されている複数のプレート形の電池セルが互いに直列接続された構造を有するように構成される。具体的には、ユニットモジュールは、電池セルの電極端子間の接続が曲げられ、高強度のセルカバーが電池セルの電極端子を除いて電池セルの外面を覆うように電池セルに結合される積層構造に配置された2つ以上の電池セルを含んでよい。
【0062】
プレート形の電池セルは、電池モジュールを構成するように電池セルを積み重ねたとき、電池セルの全体のサイズが最小限になるように、厚さが薄く比較的大きな幅と長さを有する。好ましい実例として、電池セルは、樹脂層および金属層を含む積層板で形成された電極組立体が電池ケースに装着され、電極端子が電池ケースの上端および下端から外へ突出する構造を有するように構成された2次電池でよい。具体的には、電池セルは、電極組立体がアルミニウム積層板で形成された小袋形電池ケースに装着される構造を有するように構成されてよい。前述の構造を有するように構成された2次電池は、小袋形電池セルと称されてよい。
【0063】
ユニットモジュールは、合成樹脂または金属材料で作製された高強度のセルカバーで2つ以上の電池セルを覆うことにより構成され得る。高強度のセルカバーは、電池セルの充電および放電を通じて繰り返される電池セルの伸縮による電池セルの変形を抑制し、機械的に低強度の電池セルを保護し、それによって電池セルのシーリング領域間の分離を防止する。したがって、最終的には安全性がより優れた中型または大型の電池モジュールを製造することができる。
【0064】
電池セルは、1つのユニットモジュールにおいて互いに直列および/または並列に接続され、あるいは1つのユニットモジュールの電池セルが別のユニットモジュールの電池セルと直列および/または並列に接続される。好ましい実例では、電池セルの電極端子を互いに結合し、電池セルの電極端子が互いに連続的に隣接するように電池セルを長手方向に連続して配置し、2つ以上の電池セルを曲げることによって電池セルを積み重ね、積み重ねられた電池セルの所定数をセルカバーで覆うことにより、複数のユニットモジュールが製造され得る。
【0065】
電極端子間の結合は、溶接、はんだ付け、および機械的結合などの様々なやり方で達成することができる。好ましくは、電極端子間の結合は、溶接によって達成される。
【0066】
電極端子が互いに接続された状態の高集積度で積み重ねられた複数の電池セルまたはユニットモジュールは、好ましくは長方形の電池モジュールを構成する組立型の結合構造で互いに結合されるように構成された分離可能な上ケースおよび下ケースの中に垂直に装着される。
【0067】
複数のユニットモジュールを用いて製造されるユニットモジュールおよび長方形の電池モジュールの詳細は、本願の出願人の名前で出願された韓国特許出願第2006−45443号および韓国特許出願第2006−45444号に開示されており、これらの開示は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0068】
本発明による中型または大型の電池パックは、好ましくは、大電力および大容量をもたらすように組み合わせた複数の電池セルから充電および放電の期間中に発生する高熱によってその安全性がひどく低下する恐れのある電気自動車、ハイブリッド電気自動車またはプラグインハイブリッド電気自動車用の電源として使用される。
【0069】
本発明の上記および他の目的、特徴ならびに他の利点は、添付図面とともに以下の詳細な説明を考慮することから、より明らかに理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】電池モジュールが従来型の中型または大型の電池パックケースに装着される構造を有するように構成された中型または大型の電池パックを示す斜視図である。
【図2】図1の中型または大型の電池パックを特徴的に示す垂直断面図である。
【図3】電池モジュールが別の従来型の中型または大型の電池パックケースに装着される構造を有するように構成された中型または大型の電池パックを特徴的に示す垂直断面図である。
【図4】電池モジュールが本発明の一実施形態による電池パックケースに装着される構造を有するように構成された中型または大型の電池パックを特徴的に示す垂直断面図である。
【図5】電池モジュールが本発明の別の実施形態による電池パックケースに装着される構造を有するように構成された中型または大型の電池パックを特徴的に示す垂直断面図である。
【図6】電池モジュールが本発明の別の実施形態による電池パックケースに装着される構造を有するように構成された中型または大型の電池パックを特徴的に示す垂直断面図である。
【図7】電池モジュールが本発明の様々な実施形態による電池パックケースに装着されるように構成された中型または大型の電池パックを特徴的に示す垂直断面図である。
【図8】電池モジュールが本発明の様々な実施形態による電池パックケースに装着されるように構成された中型または大型の電池パックを特徴的に示す垂直断面図である。
【図9】電池モジュールが本発明の別の実施形態による電池パックケースに装着される構造を有するように構成された中型または大型の電池パックを特徴的に示す垂直断面図である。
【図10】電池モジュールが本発明の別の実施形態による電池パックケースに装着される構造を有するように構成された中型または大型の電池パックを特徴的に示す垂直断面図である。
【図11】図10に示された起伏のある部分の様々な実施形態を特徴的に示す部分的垂直断面図である。
【図12】図10に示された起伏のある部分の様々な実施形態を特徴的に示す部分的垂直断面図である。
【図13】図10に示された起伏のある部分の様々な実施形態を特徴的に示す部分的垂直断面図である。
【図14】図3および図5の中型または大型の電池パックの電池セルの温度変化の測定結果を示すグラフである。
【図15】図6および図7の中型または大型の電池パックの電池セルの温度変化の測定結果を示すグラフである。
【図16】図9および図10の中型または大型の電池パックの電池セルの温度変化の測定結果を示すグラフである。
【図17】図11〜図13の起伏のある部分を有するように構成された中型または大型の電池パックの電池セルの温度変化の測定結果を示すグラフである。
【図18】図6の中型または大型の電池パックの中に隔壁が形成された構造を特徴的に示す部分図である。
【図19】図6および図18の中型または大型の電池パックの電池セルの温度変化の測定結果を示すグラフである。
【図20】特定の形状を有する下方への突出部が形成された構造を特徴的に示す部分図である。
【図21】図6および図20の中型または大型の電池パックの電池セルの温度変化の測定結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0071】
次に、本発明の好ましい実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。しかし、本発明の範囲は、図示された実施形態によって限定されないことに留意されたい。
【0072】
図4は、電池モジュールが本発明の一実施形態による電池パックケースに装着される構造を有するように構成された中型または大型の電池パックを特徴的に示す垂直断面図である。
【0073】
図4の中型または大型の電池パック100bは、ユニットセル30、電池モジュール32、冷媒放出部分50および流れチャンネル60に関して、図3の中型または大型の電池パック100aと実質的に同一である。しかし、図4の中型または大型の電池パック100bは、冷媒導入部分40bの上端内部における冷媒を渦巻かせるための起伏のある部分44bが、電池パックケース70bの冷媒入口ポート10bと反対側の先端からの電池モジュール32の頂部の長さDの35%に等しい距離dだけ延在するように形成され、また、電池パックケース70bの冷媒入口ポート10bと反対側の先端が、電池モジュール32の頂部から約5mmの高さだけ離隔される点が図3の中型または大型の電池パック100aとは異なる。
【0074】
したがって、電池パックケース70bの構造では、渦巻冷媒によって冷却効率が改善される。また、電池パックケース70bの冷媒入口ポート10bと反対側の先端が、図3の電池パックケースの先端より高く配置されるので、衝突によるノイズおよび損傷は最小限になる。
【0075】
図5は、電池モジュールが本発明の別の実施形態による電池パックケースに装着される構造を有するように構成された中型または大型の電池パックを特徴的に示す垂直断面図である。
【0076】
図5の中型または大型の電池パック100cは、ユニットセル30、電池モジュール32、冷媒放出部分50および流れチャンネル60に関して、図4の中型または大型の電池パック100bと実質的に同一である。しかし、図5の中型または大型の電池パック100cは、冷媒導入部分40bの上端内部における冷媒を渦巻かせるための起伏のある部分44cが、電池パックケース70cの冷媒入口ポート10bと反対側の先端からの電池モジュール32の頂部の長さDの100%に等しい距離d’だけ延在するように形成される点が図4の中型または大型の電池パック100bとは異なる。
【0077】
図6は、電池モジュールが本発明の別の実施形態による電池パックケースに装着される構造を有するように構成された中型または大型の電池パックを特徴的に示す垂直断面図である。
【0078】
図6を参照すると、電池パックケース70dは、ユニットセル30の積層方向Lに対応する電池パックケース70dの長さが、ユニットセル30の横方向Wに対応する電池パックケース70dの長さより長い構造を有するように構成される。また、冷媒が、電池セル30の積層方向Lに対して垂直な方向に電池モジュール32の一方の側から他方の側まで流れることができるように、冷媒入口ポート10dおよび冷媒出口ポート20dが、それぞれ電池パックケース70dの上部および下部において反対方向に形成される。
【0079】
冷媒が流れチャンネル60を通って流れることできるように、それぞれのユニットセル30の間に小さな流れチャンネル60が画定される。したがって、冷媒入口ポート10dを通って導入された冷媒は流れチャンネル60を通って流れる。このとき、ユニットセル30から発生した熱は、冷媒によって除去される。その後、冷媒は、冷媒出口ポート20dを通って外部へ放出される。
【0080】
図6の電池パックケース70dは、図6の電池パックケース70dの冷媒導入部分40dの上端内部42dが諸ステージで増加する傾斜を有する傾斜面の形で構成される点が、図3に示された電池パックケース70aとは異なる。すなわち、冷媒導入部分40dの上端内部42dは、電池パックケース70dの冷媒入口ポート10dと反対側の先端から始まる傾斜面の傾斜が、電池モジュール32の頂部から冷媒入口ポート10dに向かって増加する構造を有するように構成される。具体的には、冷媒導入部分40dの上端内部42dは、電池パックケース70dの冷媒入口ポート10dと反対側の先端から始まる第1の傾斜面aと、第1の傾斜面aと冷媒入口ポート10dの間に第1の傾斜面aより大きな傾斜を有するように配置された第2の傾斜面bとを含む。
【0081】
冷媒入口ポート10dを通って導入された冷媒が冷媒導入部分40dを通って第1の傾斜面aおよび第2の傾斜面bに沿って流れるとき、冷媒の流れの断面積は、冷媒入口ポート10dからの距離が増加するのに従って傾斜が減少する傾斜面aおよびbによって徐々に減少する。その結果、冷媒の流速が徐々に増加するが、冷媒流量が減少し、したがって、均一な冷媒流量がそれぞれの流れチャンネル60に導入される一方で、冷媒が、冷媒入口ポート10dから遠く離れたユニットセル30に到達する。
【0082】
冷媒の分布の均一性を向上するために、第1の傾斜面aが電池モジュール32の頂部に対して約5度の傾斜を有し、第2の傾斜面bが第1の傾斜面aの傾斜より200%大きな傾斜、すなわち電池モジュール32の頂部に対して約10度の傾斜を有するように、冷媒導入部分40dの上端内部42dに第1の傾斜面aおよび第2の傾斜面bが形成される。
【0083】
一方、図6に示されるように、冷媒入口ポート10dは、第2の傾斜面bより小さな傾斜を有する。したがって、冷媒が冷媒入口ポート10dを通って導入され、第2の傾斜面bが始まるポイントを通過するとき、冷媒の流速は、冷媒が冷媒入口ポート10bと反対側の電池パックケース70dの先端に到達するまで徐々に増加する。その結果、冷媒入口ポート10bに隣接するユニットセル30だけでなく冷媒入口ポート10bから遠く離れたユニットセル30も均一に冷却される。
【0084】
また、電池パックケース70dは、冷媒導入部分40dの傾斜が冷媒入口ポート10dと反対側の電池パックケース70dの先端に向かって徐々に減少するように、冷媒導入部分40dが諸ステージで傾けられる構造を有するように構成される。したがって、冷媒流量が冷媒出口ポート20d側で集中する現象の発生を防止することが可能であり、したがって、冷媒入口ポート10dに隣接するユニットセル30の温度の上昇を防止することができる。
【0085】
上記の構造で、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端が低いと、ユニットセル間の温度偏差が大きい。しかし、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端が低すぎると、冷媒導入部分の上端内部が電池モジュールと接触し、その結果、電池モジュールおよび電池パックケースが損傷する。一方、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端が高すぎると、所望の冷媒分布の均一性を達成することができない。
【0086】
図7および図8は、電池モジュールが本発明の様々な実施形態による電池パックケースに装着されるように構成された中型または大型の電池パックを特徴的に示す垂直断面図である。
【0087】
図7の中型または大型の電池パック100eは、ユニットセル30、電池モジュール32、冷媒放出部分50および流れチャンネル60に関して、図6の中型または大型の電池パック100dと実質的に同一である。しかし、図7の中型または大型の電池パック100eは、第1の傾斜面aの上端内部に冷媒を渦巻かせる起伏のある部分44eが形成されるという点が図6の中型または大型の電池パック100dとは異なる。
【0088】
図8の中型または大型の電池パック100fは、冷媒入口ポート10fが第2の傾斜面bの傾斜(10度)より大きい30度の角度で傾けられるという点を除いて、図7の中型または大型の電池パック100eと同一である。
【0089】
しかし、冷媒の一様な分布が、冷媒入口ポート10fの傾斜によってほとんど影響を及ぼされない。したがって、冷媒入口ポート10fの傾斜は、冷却効率を低下させることなく、電池パックが組み込まれるデバイスの構造に基づいて変化され得る。
【0090】
図9は、電池モジュールが本発明の別の実施形態による電池パックケースに装着される構造を有するように構成された中型または大型の電池パックを特徴的に示す垂直断面図である。
【0091】
図9の電池パックケース70gで、冷媒導入部分40gの上端内部42gは、電池パックケース70gの冷媒入口ポート10gと反対側の先端に形成されて所定の高さhを有する第1の平行面cであって電池モジュール32の頂部に対して平行な第1の平行面cと、第1の平行面cの一端から始まる第1の傾斜面aと、第1の傾斜面aと冷媒入口ポート10gの間に配置されて第1の傾斜面aより大きな傾斜を有する第2の傾斜面bとを含む。
【0092】
冷媒の分布の均一性を向上するために、第1の平行面c、第1の傾斜面aおよび第2の傾斜面bが、冷媒導入部分40gの上端内部42gに、第1の平行面cが電池モジュール32の頂部に対して0度の傾斜を有し、第1の傾斜面aが電池モジュール32の頂部に対して約5度の傾斜を有し、第2の傾斜面bが電池モジュール32の頂部に対して約10度の傾斜を有するように形成される。
【0093】
また、冷媒入口ポート10gは、第2の傾斜面bの傾斜(10度)より大きな30度の角度で傾けられる。
【0094】
図10は、電池モジュールが本発明の別の実施形態による電池パックケースに装着される構造を有するように構成された中型または大型の電池パックを特徴的に示す垂直断面図である。
【0095】
図10の中型または大型の電池パック100hは、ユニットセル30、電池モジュール32、冷媒放出部分50および流れチャンネル60に関して、図9の中型または大型の電池パック100gと実質的に同一である。しかし、図10の中型または大型の電池パック100hは、第1の平行面cの上端内部の全体にわたって冷媒を渦巻かせる起伏のある部分44hが形成されるという点が図9の中型または大型の電池パック100gとは異なる。
【0096】
図11〜図13は、図10に示された起伏のある部分の様々な実施形態を特徴的に示す部分的垂直断面図である。
【0097】
これらの図面を図10と一緒に参照すると、起伏のある部分44i、44jおよび44kのそれぞれが、電池パックケースの冷媒入口ポート10hと反対側の先端の高さTの20%に等しい高さtを有する。起伏のある部分44i、44jおよび44kのそれぞれが、下方へ窪んだビードの形状に形成される。
【0098】
図11で、起伏のある部分44iのそれぞれの最も低いポイント442が、ユニットセル30の対応する1つの頂部の中心の上に配置される。図12で、起伏のある部分44jのそれぞれの最も低いポイント444が、ユニットセル30の対応する1つの頂部の流れ方向における後側の上に配置される。図13で、起伏のある部分44kのそれぞれの最も低いポイント446が、ユニットセル30の対応する1つの頂部の流れ方向における前側の上に配置される。
【0099】
上記の説明に関連して、図14は、図3および図5の中型または大型の電池パックの電池セルの温度変化の測定結果を示すグラフである。
【0100】
図3および図5と一緒に図14を参照すると、図14は、冷媒出口ポートに隣接する電池セルから冷媒入口ポートに隣接する電池セルまで、電池パックケースの中に積み重ねられた電池セルの温度の測定結果を示す。すなわち、電池セルNo.1は冷媒出口ポートに隣接する電池セルを示し、電池セルNo.35は冷媒入口ポートに隣接する電池セルを示す。
【0101】
所定の負荷を電池セルに与え、外部温度を室温レベルに維持するという条件下で、温度測定実験を行なった。図3の電池パックに関して、測定実験により、電池セルNo.1、すなわち電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端に隣接した電池セルは−36%の相対温度比を有し、電池セルNo.35は3%の相対温度比を有し、電池セルNo.33は最大の相対温度比14%を有することが判明した。すなわち、電池セル間の温度偏差は50%であった。電池セルの温度が特定の温度レベルを超過すると、電池セルの寿命は急激に低下する。このような高温および大きな温度偏差により、電池パックを長い期間使用するのが不可能になり、さらに電池パックが爆発する可能性が高まる。
【0102】
参考のために、前述の電池セルの相対温度比は、以下で説明される図5に示された電池パックの実験結果に対して同等の相対値であるように示されている。また、電池セル間の相対温度比の偏差は、電池セル間の温度偏差が生じることを意味する。
【0103】
一方、図5の電池パックに関して、測定実験により、電池セルNo.1は−23%の相対温度比を有し、電池セルNo.35は−2%の相対温度比を有し、電池セルNo.31は最大の相対温度比8%を有することが判明した。したがって、図3の電池パックと比較して温度偏差を50%から31%に低減し、それによって冷媒の温度分布の均一性を大幅に改善することが可能であることが理解され得る。
【0104】
温度偏差が低減される理由は、前述のように、起伏のある部分が冷媒を渦巻かせて、冷媒が冷媒出口ポート側に集中するのを防止することである。
【0105】
図15は、図6および図7の中型または大型の電池パックの電池セルの温度変化の測定結果を示すグラフである。
【0106】
図6の電池パックに関して、測定実験により、電池セルNo.1、すなわち電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端に隣接した電池セルは−32%の相対温度比を有し、電池セルNo.35は2%の相対温度比を有し、電池セルNo.18は最大の相対温度比21%を有することが判明した。すなわち、電池セル間の温度偏差は53%であった。
【0107】
一方、図7の電池パックに関して、測定実験により、電池セルNo.1は−22%の相対温度比を有し、電池セルNo.35は−2%の相対温度比を有し、電池セルNo.15は最大の相対温度比5%を有することが判明した。したがって、図6の電池パックと比較して、温度偏差を53%から27%に低減することが可能であることが理解され得る。
【0108】
図16は、図9および図10の中型または大型の電池パックの電池セルの温度変化の測定結果を示すグラフである。
【0109】
図9の電池パックに関して、測定実験により、電池セルNo.1、すなわち電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端に隣接した電池セルは−28%の相対温度比を有し、電池セルNo.35は−9%の相対温度比を有し、電池セルNo.7は最大の相対温度比62%を有することが判明した。すなわち、電池セル間の温度偏差は90%であった。
【0110】
一方、図10の電池パックに関して、測定実験により、電池セルNo.1は−10%の相対温度比を有し、電池セルNo.35は−9%の相対温度比を有し、電池セルNo.3は最大の相対温度比13%を有することが判明した。したがって、図9の電池パックと比較して、温度偏差を90%から23%へと大幅に低減することが可能であることが理解され得る。
【0111】
すなわち、図9に示されたように、電池パックケースの冷媒入口ポート10gと反対側の先端が所定の高さHを有し、第1の平行面が0度の傾斜を有する場合、電池パックケースの冷媒入口ポート10gと反対側の先端に冷媒が集中して相対温度比が上昇する。一方、図10に示されたように、第1の平行面cにおいて起伏のある部分44hが形成される場合、起伏のある部分44hが冷媒を渦巻かせ、その結果、電池パックケースの冷媒入口ポート10hと反対側の先端に冷媒が集中するのが防止され、温度偏差が大幅に低下する。
【0112】
図17は、図11〜図13の起伏のある部分を有するように構成された中型または大型の電池パックの電池セルの温度変化の測定結果を示すグラフである。
【0113】
図17に関連した実験は、図11〜図13に示されるように起伏のある部分の最も低いポイントの位置が互いに異なることを除けば、図16と同一条件下で行なわれた。図17から、起伏のある部分のそれぞれの最も低いポイント446が、図13に示されるようにユニットセル30の対応する1つの頂部の流れ方向における前側の上に配置されると、電池セル30の間の温度偏差が比較的小さいことが理解され得る。
【0114】
図18は、図6の中型または大型の電池パックの中に隔壁が形成された構造を特徴的に示す部分図である。
【0115】
図6と一緒に図19を参照すると、ユニットセル30の対応する1つの頂部の流れ方向における前側の上に各隔壁441が配置される。また、各隔壁441は、冷媒導入部分40dの上端内部に、下方へ延在するように形成される。
【0116】
図19は、図6および図18の中型または大型の電池パックの電池セルの温度変化の測定結果を示すグラフである。
【0117】
図6の電池パックに関して、測定実験により、電池セル間の温度偏差が前述のように53%であることが判明した。
【0118】
一方、図18の電池パックに関して、測定実験により、電池セルNo.1は−22%の相対温度比を有し、電池セルNo.35は−2%の相対温度比を有し、電池セルNo.15は最大の相対温度比12%を有することが判明した。したがって、図6の電池パックと比較して、温度偏差を53%から34%に低減することが可能であることが理解され得る。
【0119】
図20は、特定の形状を有する下方への突出部が形成された構造を特徴的に示す部分図である。
【0120】
図8と一緒に図20を参照すると、図8の電池パック100fにおいて、起伏のある部分44fの代わりに、特定の形状を有する下方への突出部分44mが形成されている。下方への突出部分44mは、冷媒導入部分40fの横方向wにおいて不連続にf配置され、冷媒導入部分40fの長手方向lにおいて交互に配置されるように形成されている。
【0121】
図21は、図6および図20の中型または大型の電池パックの電池セルの温度変化の測定結果を示すグラフである。
【0122】
図6の電池パックに関して、測定実験により、電池セル間の温度偏差が前述のように53%であることが判明した。
【0123】
一方、図20の電池パックに関して、測定実験により、電池セルNo.1は−28%の相対温度比を有し、電池セルNo.35は2%の相対温度比を有し、電池セルNo.16は最大の相対温度比10%を有することが判明した。したがって、図6の電池パックと比較して、温度偏差を53%から38%に低減することが可能であることが理解され得る。
【産業上の利用可能性】
【0124】
上記の説明から明らかなように、本発明による中型または大型の電池パックケースは、冷媒を導くように下方へ突出した部分が、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端から所定の距離に配置されるように冷媒導入部分の上端内部に形成される構造を有するように構成される。したがって、電池パックケースの冷媒入口ポートと反対側の先端を適切な高さに、またはより高く保つ一方で、電池セルの間に画定された流れチャンネルを流れる冷媒を均一に分配することができ、それによって電池セルの間に蓄積される熱を効果的に除去し、電池セルの性能および寿命を大幅に改善することができる。
【0125】
本発明の好ましい実施形態が説明の目的のために開示されているが、当業者なら、添付の特許請求の範囲に開示された本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、様々な変更、追加および代替が可能であることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0126】
10b 冷媒入口ポート
10d 冷媒入口ポート
10g 冷媒入口ポート
20d 冷媒出口ポート
30 ユニットセル
32 電池モジュール
40b 冷媒導入部分
40d 冷媒導入部分
40g 冷媒導入部分
42d 冷媒導入部分40dの内部の上端
42g 冷媒導入部分40gの内部の上端
44b 起伏のある部分
44c 起伏のある部分
44e 起伏のある部分
44f 起伏のある部分
44h 起伏のある部分
44i 起伏のある部分
44j 起伏のある部分
44k 起伏のある部分
44m 下方への突出部分
50 冷媒放出部分
60 流れチャンネル
70b 電池パックケース
70c 電池パックケース
70g 電池パックケース
100b 電池パック
100c 電池パック
100d 電池パック
100e 電池パック
100f 電池パック
100h 電池パック
441 隔壁
442 起伏のある部分44iのそれぞれの最も低いポイント
443 起伏のある部分44jのそれぞれの最も低いポイント
444 起伏のある部分44kのそれぞれの最も低いポイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充放電可能な複数の積層電池セルまたはユニットモジュール(「ユニットセル」)を有する電池モジュールが装着される電池パックケースであって、
前記電池パックケースには、上部および下部にそれぞれ冷媒入口ポートおよび冷媒出口ポートが備えられており、これらのポートが、前記ユニットセルを冷却する冷媒が前記電池モジュールの一方の面から他方の面まで前記ユニットセルの積層方向に対して垂直な方向へ流れることができるように反対方向に向けられ、
前記電池パックケースには、前記冷媒入口ポートから前記電池モジュールまで延在する流れ空間(「冷媒導入部分」)および前記電池モジュールから前記冷媒出口ポートまで延在する別の流れ空間(「冷媒放出部分」)がさらに備えられており、
前記電池モジュールの頂部と向かい合う前記冷媒導入部分の上端内部が、前記冷媒導入部分の前記上端内部と前記電池モジュールの前記頂部の間の距離が前記電池パックケースの前記冷媒入口ポートと反対側の先端に向かって縮小するように構成され、
前記冷媒を前記電池モジュールに導くように下方へ突出した部分が前記冷媒導入部分の前記上端内部に形成され、前記起伏のある部分が、前記冷媒入口ポートと反対側の前記電池パックケースの前記先端から所定の距離だけ延在する電池パックケース。
【請求項2】
前記下方に突出した部分が、前記冷媒を渦巻かせるために、起伏のある部分を備える請求項1に記載の電池パックケース。
【請求項3】
前記起伏のある部分が、前記電池パックケースの前記冷媒入口ポートと反対側の前記先端の高さの10〜50%に等しい高さを有する請求項2に記載の電池パックケース。
【請求項4】
前記起伏のある部分が最も低いポイントを有し、それらのポイントのそれぞれが、前記ユニットセルのうち対応する1つの前記頂部の中心、前側または後側上に配置される請求項2に記載の電池パックケース。
【請求項5】
前記起伏のある部分には最も低いポイントがあり、それらのポイントのそれぞれが、前記ユニットセルのうち対応する1つの前記頂部の前側上に配置される請求項4に記載の電池パックケース。
【請求項6】
前記起伏のある部分が、下方へ突出するかまたは窪んでいるビードまたは半球の形状に形成される請求項2に記載の電池パックケース。
【請求項7】
前記起伏のある部分が下方への窪みを備える請求項6に記載の電池パックケース。
【請求項8】
前記下方へ突出する部分が隔壁を備える請求項1に記載の電池パックケース。
【請求項9】
前記下方へ突出する部分が、前記冷媒導入部分の横方向には不連続に配置されて前記冷媒導入部分の長手方向には交互に配置された下方への突出部を備える請求項1に記載の電池パックケース。
【請求項10】
前記突出する部分が、前記電池パックケースの前記冷媒入口ポートと反対側の前記先端からの前記電池モジュールの前記頂部の長さの5〜100%に等しい距離だけ下方へ延在する請求項1に記載の電池パックケース。
【請求項11】
前記冷媒導入部分の前記上端内部が、前記電池パックケースの前記冷媒入口ポートと反対側の前記先端から始まる傾斜面の傾斜が前記電池モジュールの前記頂部から前記冷媒入口ポートに向かって増加する構造を有するように構成される請求項1に記載の電池パックケース。
【請求項12】
前記冷媒導入部分の前記上端内部が、2つ以上の連続した傾斜面を備える請求項11に記載の電池パックケース。
【請求項13】
前記上端内部の前記傾斜面が、前記電池パックケースの前記冷媒入口ポートと反対側の前記先端から始まる第1の傾斜面と、前記第1の傾斜面と前記冷媒入口ポートの間に前記第1の傾斜面より大きな傾斜を有するように配置された第2の傾斜面とを備える請求項12に記載の電池パックケース。
【請求項14】
前記下方へ突出する部分が、全体としてまたは部分的に前記第1の傾斜面に形成される請求項13に記載の電池パックケース。
【請求項15】
前記上端内部の前記傾斜面が、前記電池パックケースの前記冷媒入口ポートと反対側の前記先端から延在する第1の平行面であって、前記電池モジュールの前記頂部に対して平行な第1の平行面と、前記第1の平行面から始まる第1の傾斜面と、前記第1の傾斜面と前記冷媒入口ポートの間に前記第1の傾斜面より大きな傾斜を有するように配置された第2の傾斜面とを備える請求項12に記載の電池パックケース。
【請求項16】
前記下方へ突出する部分が、全体としてまたは部分的に前記第1の平行面に形成される請求項15に記載の電池パックケース。
【請求項17】
前記第2の傾斜面の前記傾斜が前記電池モジュールの前記頂部に対して45度を超過しない範囲内で、前記第2の傾斜面が、前記第1の傾斜面の傾斜より20〜500%大きな傾斜を有する請求項13または15に記載の電池パックケース。
【請求項18】
前記第1の傾斜面が、前記電池モジュールの前記頂部に対して15度以下の傾斜を有する請求項13または15に記載の電池パックケース。
【請求項19】
前記第2の傾斜面が、前記第1の傾斜面の傾斜を超過する範囲内で、前記電池モジュールの頂部に対して10〜30度以下の傾斜を有する請求項13または15に記載の電池パックケース。
【請求項20】
前記冷媒入口ポートが、前記第2の傾斜面の傾斜以下の傾斜を有する請求項13または15に記載の電池パックケース。
【請求項21】
前記冷媒入口ポートが、前記第2の傾斜面の傾斜以上の傾斜を有する請求項13または15に記載の電池パックケース。
【請求項22】
前記電池パックケースの前記冷媒入口ポートと反対側の前記先端が、前記電池モジュールの高さの2〜30%に等しい高さだけ前記電池モジュールの前記頂部と離隔される請求項1に記載の電池パックケース。
【請求項23】
前記電池パックケースの前記冷媒入口ポートと反対側の前記先端が、前記電池モジュールの前記頂部から3〜20mmの高さだけ離隔される請求項22に記載の電池パックケース。
【請求項24】
前記電池パックケースが、前記ユニットセルの前記積層方向における前記電池パックケースの長さが前記ユニットセルの前記横方向における前記電池パックケースの長さより長い構造を有するように構成される請求項1に記載の電池パックケース。
【請求項25】
前記冷媒放出部分が、前記電池モジュールの底部に対して均一の高さを有する請求項1に記載の電池パックケース。
【請求項26】
前記電池パックケースが、前記冷媒入口ポートを通って導入された前記冷媒が前記電池モジュールを通って流れた後に前記冷媒出口ポートへ移動するように、前記冷媒入口ポートまたは前記冷媒出口ポートにブローイングファンがさらに装着されるように構成される請求項1に記載の電池パックケース。
【請求項27】
請求項1に記載の電池パックケースに電池モジュールが装着される構造を有するように構成された電池パック。
【請求項28】
前記電池パックが、電気自動車、ハイブリッド電気自動車またはプラグインのハイブリッド電気自動車用に電源として使用される請求項27に記載の電池パック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2012−519353(P2012−519353A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551983(P2011−551983)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際出願番号】PCT/KR2010/001184
【国際公開番号】WO2010/098598
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】