説明

処理剤を混合かつ噴霧し、および安定したエアロゾルを速やかに製造するための方法、ならびにこの方法を実施するための装置およびこれに所属するノズル

本発明の課題は、処理剤の作用物質を希釈するのに必要な液体量を最小にできる可能性を提供し、さらに浮遊持続時間が長い、液体が遊離したエアロゾルになるまでの極めて様々な液体割合により、極めて安定したエアロゾルを速やかに生成するための方法、及び様々なエアロゾル媒質を浮遊持続時間の長い、ほぼ同じ大きさで細かいエアロゾル粒子の、粉末状または液状に配分することができる、特に害虫駆除、植物保護、消毒および施肥を行うための方法を実施するための装置と所属するノズルを提供することにある。処理剤を空気あるいは他のガスあるいはガス混合物と混合し、空気処理剤混合物あるいはガス処理剤混合物を噴霧するための方法、所属する装置と対応するノズルを備えた、極めて安定したエアロゾルを速やかに発生させるための方法を提案する。本発明の適用分野は、植物保護、害虫駆除の専門分野および似たような専門分野にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理剤が植物保護剤、植物育成剤、有害生物駆除剤、消毒剤、肥料および/または例えば液体分散物あるいは粉末状物質としての、霧状化してまかねばならない、臭気結合(Geruchsbindung)あるいは静電気防止処理のための香料のような他の任意の作用物質であり、前記処理剤が少なくとも一つの作用物質を含んでいる、処理剤を空気あるいは他のガスあるいはガス混合物と混合し、かつ空気処理剤混合物を噴霧するための方法と、浮遊持続時間の長い、液体が遊離したエアロゾルになるまでの極めて様々な液体割合により、極めて安定したエアロゾルを速やかに生成するための方法と、この方法を実施するための装置、および所属する同軸ノズル、多角形ノズルあるいは扁平間隙ノズルの形式のノズルに関する。しかしながら、本発明は作用物質を使用せずに湿潤させるのにも適している。
【背景技術】
【0002】
特許文献1からは、大面積の温室内で急冷霧化を行うための装置が知られている。ノズルは植物保護剤を噴霧するための中央開口部を備えており、この植物保護剤はポンプを通って中央開口部に供給される。中央開口部の周囲では、同軸ノズルから流出している圧縮空気を渦流化させるための積層板を備えた同軸ノズルが延びている。この中から生じる霧は、ノズルの渦中側に設けられた温室内の送風機により分配される。
【0003】
特許文献2からは、急速冷間霧吹きを行うためのノズルヘッドが知られており、このノズルヘッドは、ポンプから搬送される植物保護剤を送り出すための内側同軸ノズルを備えている。内側同軸ノズルは圧縮空気のための中央ノズル開口部を取囲んでおり、かつ圧縮空気のための外側同軸ノズルにより取囲まれている。これにより内側同軸ノズルから流出する植物保護剤は内側圧縮空気流と外側圧縮空気流の間で半径方向に存在している。植物保護剤は圧縮空気流により霧化される。
【0004】
ノズルヘッドにより霧化された水と作用物質から成る混合物は、ノズルヘッドのすぐ後方ではエアロゾル噴流の形を有しており、このエアロゾル噴流はノズルヘッドからの距離が増大することにより、空気とますます多く混合し、かつノズルヘッドからさらに離れた状態では霧に変わる。霧は処理されるべき植物に付着する。
【0005】
さらに実践経験から、ノズルヘッドにより霧化噴霧されたエアロゾル噴流は、送風機により温室の室内に分配することが知られている。ノズルヘッドと送風機は、大きな温室を霧化して噴霧する場合は自動車上にあり、この自動車は噴霧と霧化噴霧の間は温室中を移動する。特許文献2によるノズルヘッドで霧化噴霧する場合、処理剤は約100:1の比率の水と作用物質から成る浸液(Bruhe)である。処理されるべき温室面積に対して平均11:1の浸液の量が必要である。しかしながら、さらに故意であると、実質的にそれ以上に処理剤が霧化噴霧される。
【0006】
したがって小さい温室においても、そして大きな温室においても、極めて短時間で、温室全体が一定に経過時間の間霧で完全に満たされる程度に、多量の霧が生成し、かつ100%温室内に分配される。
【0007】
霧化噴霧とは異なり、霧化噴霧用の処理剤を噴霧あるいは吹付ける場合1000:1の比率の水と作用物質が使用される。これから約100:1が必要とされる。
【0008】
霧の中の水分が高い場合、植物には滴が生成し、この植物は作用物質により関係する植物に場所が燃焼する恐れがある。
【特許文献1】独国特許第19922435号明細書
【特許文献2】独国特許第10033274号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、処理剤の作用物質を希釈するのに必要な液体量を最小にできる可能性を提供し、
さらに浮遊持続時間の長い、液体が遊離したエアロゾルになるまでの極めて様々な液体割合により、極めて安定したエアロゾルを速やかに生成するための方法、及び
様々なエアロゾル媒質を浮遊持続時間の長い、ほぼ同じ大きさで細かいエアロゾル粒子の、粉末状または液状に配分することができる、特に害虫駆除、植物保護、消毒および施肥を行うための方法を実施するための装置と所属するノズルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、本発明によれば独立請求項の特徴により解決される。
【0011】
それに応じて、本発明は、処理剤が植物保護剤、植物育成剤、有害生物駆除剤、消毒剤、肥料および/または霧状化してまかねばならない、臭気結合あるいは静電気防止処理のための例えば香料のような他の任意の作用物質であり、前記処理剤が少なくとも一つの作用物質をこのために含んでいる、処理剤を空気あるいは他のガスあるいはガス混合物と混合し、かつ空気処理剤混合物あるいはガス処理剤混合物を噴霧するための方法に関しており、
処理剤が第一混合段において、空気流あるいはガス流内に装入され、その中で流れ横方向に分配されること、
そこから形成される第一混合流が液体導管を通って少なくとも一つの、あるいは相前後した複数の別の混合段に供給されること、
この別の混合段かあるいはこれらの別の混合段において、各々関係する混合流が別の空気流あるいはガス流内に装入され、かつこの中で流れ横方向に、各々新しい混合流を形成することにより分配されること、そして
最後の混合流がエアロゾルの形で使用領域内かあるいは使用領域上に噴霧されることを特徴とする。
【0012】
さらに本発明は、様々なエアロゾル媒質が浮遊持続時間の長い、ほぼ同じ大きさで細かいエアロゾル粒子の、粉末状または液状に分配される、浮遊持続時間の長い、液体が遊離したエアロゾルになるまでの極めて様々な液体割合により、極めて安定したエアロゾルを速やかに生成するための方法に関する。さらに本方法により、気候的に面倒で、かつ霧の生成にほとんど適していない条件化で、霧の生成が可能になる。
【0013】
処理剤が、植物保護剤、植物育成剤、有害生物駆除剤、消毒剤および/または霧状化してまかねばならない、例えば臭気結合兼静電気防止処理のためのような他の任意の作用物質であり、前記処理剤が少なくとも一つの作用物質をこのために含んでいる、エアロゾルを生成し、処理剤を空気と混合し、空気処理剤混合物を噴霧するための、これに所属するノズルを備えた装置に関し、処理剤源からの処理剤を空気流と自動的に混合するための第一混合段を備えており、従って空気流の空気と混合された処理剤を含む混合流が、各々新しい混合流を生成することにより、その都度、各々先行する混合段の混合流を別の混合流と混合するための、少なくとも一つの別の混合段あるいは相前後した複数の別の混合段を備えており、この際混合段が全て、関係する混合流のための液体導管を経由して互いに接続していること、そして
最後の混合段において、噴霧装置が流れに従って接続されているか、あるいは最後の混合段が噴霧装置として設けられていることを特徴とする。
【0014】
独立した特許請求の範囲による本発明の長所:本発明により、植物処理剤の少なくとも2回の希釈は水の代わりに空気で行われる。これにより大きな温室と広い露天栽培地面は、これまでよりも短時間で処理剤を用いて処理することができる。この場合、水は処理剤液の生成に全く必要とされないか、あるいは公知の方法の場合に使用される水量のほんのわずかな割合だけが処理剤液の生成に必要とされる。本発明の特定の使用事例にとって、植物処理剤を噴霧するための加圧水を使用することも可能であり、この場合、この加圧水量は実質的に従来技術の場合よりも少ない。植物処理剤は一つ以上の作用物質と水、ならびに添加剤の混合物であってもよいが、この際従来技術に比べてはるかに僅かな水で十分である。本発明の別の長所は、空気の一部を用いて植物あるいは植物の一部を動かすために、例えば枝あるいは葉をたたむかあるいは立てるために、植物処理剤のエアロゾル噴流を植物に向けることができることにある。したがって、エアロゾル噴流は関係する植物部分の下側あるいは後側にも達する。水の含有量がわずかであるか、あるいは水が全体的に不足していることにより、これに関しては、関係する植物部分に滴が生成し、その作用物質濃度が関係する植物部分を焼くという危険はない。本発明により水は空気で代替えされるので、エアロゾル噴流あるいはエアロゾル霧は、全く水を含まないか、あるいは従来技術に比べて実質的にわずかに水を含んでいる浮遊持続時間の長い速やかな作用物質濃度が達せられ、従って作用物質が実際に作用するか、あるいは所望の効果が生じるという基盤が作られる。わずかな希釈によりエアロゾル媒質の作用物質濃度は高くなり、これによりエアロゾルの作用物質濃度は高くなる。それによって、本発明は、例えば病院、住宅及びオフィス内で、その中で湿気が生じることなく、茸類、寄生虫類、マウス類、ネズミ類等に抗して、特に室内で速やかに消毒および害虫駆除を行うためのような、十分新しい目的のために使用することができる。湿度は家財道具類、ベッド類及び家具類だけでなく、バクテリア類及び茸類の培地にも影響を与える。このようなものは、本発明により、バクテリア類あるいは茸類のための湿度培地を形成することなく、短時間で効果的に処分することができる。従って本発明により噴霧可能であるか、あるいは霧状化してまくことが可能な処理剤は、特に植物保護剤(昆虫類、動物類、茸類等に抗する)、植物育成剤(例えば成長促進剤、成長抑制剤、強壮剤等)、有害生物駆除剤(例えば、温室、オープンエアグラウンド、病院、ホテル、住宅等内の昆虫、あるいは他の動物、茸等に抗する)、あるいは消毒剤(例えば、温室、オープンエアグラウンド、病院、ホテル、住宅等内のバクテリア類および茸類)、臭気結合兼静電気防止処理剤、あるいは精油または塩である。処理剤は液状でも、粉末状でも、塵埃状であってもよい。処理剤は関係する使用目的のための少なくとも一つの作用物質から成るか、あるいは関係する使用目的のための少なくとも一つの作用物を含んでいる。
【0015】
ノズルはきわめて細かい霧を生成する以外に、大量に沈殿する物質を霧状化するのに適している。エアロゾルの横断面が大きいことにより、流量を大きくすることができる。したがって、使用時に特定の時間、実質的に大きな流量でもって機能することができる。洗浄媒質として、霧状化されるべき媒質、あるいは洗浄液、あるいは洗浄ガスの何れかを使用することができる。この洗浄媒質は吸入されるか、あるいは圧力により装置内に加えられてもよい。したがって、洗浄は所望される装置の領域全体で達せられる。したがって、供給部とノズルの洗浄は、それ自体、各々を機械的に分解せずに極めて容易に行うことができる。
【0016】
本発明の他の特徴は、従属請求項に含まれている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を以下に図に関して、例としての好ましい実施形態を基にして説明する。
【実施例】
【0018】
図1に示した処理剤(殺虫剤、殺菌剤のような植物保護剤、植物育成剤、有害生物駆除剤、消毒剤および/または例えば臭気結合、静電気防止処理のためのような他の任意の作用物質)を噴霧するための装置は、処理剤源6からの処理剤4を外気からの空気流8と自動的に混合するための第一混合段2を備えており、したがって混合流10が生じ、この混合流は空気流8の空気と混合した処理剤4を含んでいる。処理剤源6は攪拌装置を備えていてもよい。第一混合段2の混合流10を一つのあるいは図1による二つの空気流14及び16と混合するための第二混合段は、噴霧装置として形成されており、かつこのために互いに同軸な二つの空気流ノズル開口部18及び20をノズルヘッド24内に備えている。半径方向で内側の空気流ノズル開口部20は同軸開口部かあるいは図1に相当している全開ノズル開口部であってもよく、このノズル開口部を通って、半径方向で内側かつ同軸の空気流16が流出する。半径方向で外側の空気流ノズル開口部18は同軸ノズルであり、この同心円ノズルから、半径方向で外側の空気流が断面が環状の空気流として流出する。
【0019】
従って、空気流ノズル開口部18及び20は両方とも、両開口部から流出する空気流14及び16が、互いの間で、両空気流ノズル開口部18及び20の上流側の外側の両開口部により区画された負圧領域22内で負圧を形成するように、近くで並んで設けられており、かつほぼ同じ方向に向いている。両方の互いに同軸の空気流ノズル開口部18及び20は、圧縮空気導管を経由して、好ましくは例えば圧力レギュレータ28のような圧力調節部材の中間接続の下で圧縮空気源30と接続している。圧力源30は圧縮機、および/または圧縮空気容器あるいはガス圧貯蔵庫であるのが好ましい。これにより両方の互いに同軸の空気流14及び16は各々圧縮空気ジェットである。
ノズルヘッド24は互いに同軸な空気流ノズル開口部18と20の間に横断面が円形の同心円ノズルの様式の混合流ノズル開口部32を備えており、この混合流ノズル開口部は負圧領域内に合流している。混合流ノズル開口部32は液体導管34を経由して第一混合段2と流れにしたがって接続している。互いに同軸な空気流14と16により負圧領域22内で生じる負圧は、第一混合段2において、外気からの空気流8と処理剤4を混合流10として一緒に、液体導管34の上流側の液体導管34の入口端部36内に、次いでこの液体導管34の中を通り、そして混合流ノズル開口部32を通って負圧領域22内へと吸引する。混合流10は空気流14及び16により負圧領域22内を通って吸引され、かつ帯行され、従って混合流10と、空気流14及び16は、一緒にエアロゾル噴流40あるいはエアロゾル霧化流を形成し、このエアロゾル噴流はノズルヘッド24から放出され、植物に直接噴霧可能であるか、あるいは分配することにより広い領域に噴霧器でまくことができる。エアロゾル噴流40は送風機42を用いて、広い領域に、例えば温室、倉庫などの室内全体に、あるいは露天栽培地面に分配されるので、エアロゾル噴流40から生じる、このような処理剤霧を分配することは、送風機42により支援することができる。
【0020】
本発明による実施形態は全て、送風機42を使用してか、あるいは使用せずに、このようにして利用することができる。液体導管34の上流側の液体導管34の入口端部36内に処理剤4を供給するために、様々な可能性がある。これらの可能性の一つは図1を示している。図1の実施形態の場合、処理剤源6は噴霧器48を通ってリザーブタンク46から処理剤4を搬送するためのポンプ44を備えており、前記噴霧器は処理剤4を上流側の液体導管34の入口端部36内に噴霧する。噴霧器48は噴霧ノズルあるいは回転噴霧器であってもよい。流量(噴霧される処理剤の量)は、例えば弁または回転噴霧器の手段、あるいはポンプにより調節可能であり、かつ制御可能である。
【0021】
第一混合段3の混合流10は、処理剤4が噴霧器48から高いエネルギーでもって放出され、それにより外気空気流8を形成しかつ吸入する処理剤噴流が生じることにより液体導管34を通って流され、および/または前述の方法で負圧領域22内の負圧により吸入することにより流される。
【0022】
噴霧器48と上流側の液体導管34の入口端部36は、中間容器50内に配設されており、この中間容器は外雰囲気からの空気流8のための入口開口部52を備えている。
【0023】
図3に示すように、図1の処理剤源6の代わりに、処理剤源6−2を使用してもよく、この処理剤源は耐圧縮性のリザーブタンク46−2と圧力源30を備えている。これらの圧送側は圧力導管54を介して、及び好ましくは圧力調節部材、更に好ましくは圧力レギュレータ56を介して圧縮空気入口58と接続しており、この圧縮空気入口は、その中に処理剤4が噴霧器48に対して押圧可能である圧縮空気クッション部を形成するために、処理剤の高さ60の上方で容器室62内に合流している。ノズルヘッド24は、特許文献1及び特許文献2から知られたノズルヘッドのように、あるいはこれらの文献に記載されているように、同一にあるいは同じように形成されていてもよい。
【0024】
図4に示した本発明の実施形態の場合、圧縮空気源30は、好ましくは例えば圧力レギュレータ205のような圧力調節部材を備えている第一圧縮空気導管203を経由して第一混合段202と流れに従い接続しており、かつ好ましくは例えば圧力レギュレータ209のような圧力調節部材を備えている第二圧縮空気導管207を経由して第二混合段212と流れに従い接続している。第二混合段212は混合流導管213を経由して、噴霧装置224、すなわちエアロゾル塗布器、例えば処理剤空気流スプレー噴流240を噴霧するか、あるいは噴霧するための噴霧ノズルと接続している。
【0025】
第一混合段202はインジェクタ241を備えており、このインジェクタは搬送液体入口215、吸入開口部217及び混合流出口219を有しており、これらは負圧領域221を規定する負圧室内で交差している。搬送液体入口215は混合流出口219に軸方向で対向している。上流側の圧縮流導管203の端部は、搬送液体入口215に接続している。この圧縮流導管203の圧縮空気−空気流により負圧領域で負圧が発生し、この負圧により圧縮空気−空気流は処理剤を吸入開口部217において吸入し、かつ混合流出口219とそこに接続している混合流導管223とを経由して第二混合段212に供給し、そこで混合流は第二圧縮流導管207の圧縮空気−空気流と混合し、次いで新しい混合流270として噴霧装置240まで流れ、かつエアロゾル噴流240あるいはエアロゾル霧化流として噴霧装置224から放出される。
【0026】
処理剤4は負圧領域221に吸入開口部217を経由して様々な方法で供給することができる。その可能な方法の一つは、処理剤を負圧領域221内の負圧を用いてリザーブタンク246から連続的に調節可能にあるいは通過調節可能に吸入することにある。別の可能な方法は、リザーブタンク246が同期装置を備えることにあり、この同期装置はリザーブタンク246の出口開口部を単に同期して開閉し、したがって負圧領域221の負圧は処理剤を単に同期してだけ吸入することができるにすぎない。
【0027】
図5は図4の実施形態に似た実施形態を示しているが、この場合、リザーブタンク246の代わりに、図1の処理剤源6と図1の第一混合段2が設けられているが設けられている。図1の第一混合段2は、図5では吸入管334を介してインジェクタ241の吸入開口部217と上流側で接続している。これにより、図5では、インジェクタ241は第一混合段202の代わりに第二混合段302を形成し、図4の第二混合段212は図5では第三混合段312を形成している。
【0028】
本発明の実施形態の場合はすべて、同じ部材は同じ参照符号を備えている。
【0029】
同様に図4の第二混合段212と図5の第三混合段312は、各々図6に示すように、インジェクタ241と同じようなインジェクタにより形成されている。図4,5および6によるこれらの実施形態の場合、第二圧縮流導管207の圧縮空気流は接続導管の混合流よりも高い圧力を有しており、従って第二圧縮空気−空気流は混合流を吸入し、かつ帯行することができる。
図7に記載の変形によれば、図4の混合段212および/または図5の混合段312は、混合ヘッド280により形成されていてもよく、この混合ヘッド内で第二圧力導管207の圧縮空気−空気流と接続導管223の混合流は一緒にされる。この際、一方の流れあるいは他方の流れは、その都度他方の流れを一緒に運び去りかつ噴霧装置224へエアロゾル塗布器を搬送するために、高い流れエネルギーを有することができる。
【0030】
本発明による図8の別の実施形態の場合、処理剤源6の噴霧器48は処理剤4を中間容器450内へ噴霧る。インジェクタ241は中間容器450から処理剤4を吸入し、かつ容器空気入口開口部453を通して周囲空気空気流8を負圧を用いて負圧領域内へ吸入する。この負圧は圧縮空気導管403の圧縮空気−空気流482により発生する。圧縮空気導管403は、圧力調節部材、例えば圧力レギュレータ205を備えており、かつ圧縮空気源30に流れに従って接続しているのが好ましい。負圧領域221は、吸入開口部217と中間容器450内に形成された容器出口開口部455を通って、中間容器450の内室と流れが接続している。インジェクタ241の混合流出口219は混合流導管213を経由して混合流470を噴霧するための噴霧装置224と流れに従い接続している。噴霧装置224、好ましくは噴霧ノズルにより噴霧されるエアロゾル噴流240あるいは噴霧されるエアロゾル霧化流は、周囲空気8と圧縮空気482並びに処理剤4を含んでいる。中間容器450は容器空気入口開口部453および容器出口開口部455と協働して、第一処理剤空気混合段402を形成する。インジェクタ241は第二混合段412を形成し、この第二混合段において、周囲空気8と処理剤4から成る第一混合流410は圧縮空気源30の圧縮空気482と混合して第二混合流270を形成する。処理剤4は中間容器450内において、噴流あるいは雲または霧の状態である。
【0031】
図9は本発明の一実施形態を示し、この実施形態は図5及び7の実施形態の組合せであり、この場合第三混合段312は導管213あるいは管路により第四混合段512に後続しており、この第三混合段の混合流出口219には混合流導管513を経由して噴霧装置224が接続している。第四混合段512は例えば再度、インジェクタ241を備えており、このインジェクタの液体搬送入口215は先行する第三混合段312の混合流出口219と流れに従って接続している。第四混合段512のインジェクタ241の負圧領域221の吸入開口部217は、その中から外部空気空気流508を吸入し、かつ先行する第三混合段312から供給される混合流270と混合して、新しい混合流570を形成するために、外部雰囲気と流れ的に接続している。この新しい混合流は噴霧装置224からエアロゾル噴流240あるいはエアロゾル霧化流の様式で噴霧される。図9において、エアロゾル噴流240は植物590に整向されている。図9で、図5及び図6の部材と同一の部材は同じ参照符号を備えている。
一定のエアロゾルを速やかに製造するための本発明による方法は、本発明によるノズルと装置により、ノズルを用いて、植物保護、消毒あるいは肥料のための、害虫撲滅にとって十分な作用物質濃度が、エアロゾルの作用物質の分解が始まる前に、液状、塵埃状あるいは粉末状の、浮遊持続時間の長い安定したエアロゾルの様式で、所定の面積にわたり生じることにより可能になる。この場合、所定の時間単位T1内で一度、十分な作用物質濃度はエアロゾルの様式の作用物質を散布することにより生じ、さらにエアロゾルが時点T2まで生じることにより、あるいは所定の時間単位T1内だけで、十分な作用物質濃度がエアロゾルの様式の作用物質を散布することにより生じ、次いで作用物質の散布が調節され、作用物質分解の開始T2までのこの作用物質濃度が精確なエアロゾルの発生によってのみ、ほぼ一定に維持されることにより、作用物質分解の開始T2までのこの作用物質濃度は、ほぼ一定に維持することができる。図18に示した特性曲線に基づき、従来の方法K2による、及び本発明による方法K1の方法の相違点は、きわめてはっきりと見分けがつく。従来の方法では、本発明によるように短時間で極めて高い作用物質濃度には達しない。方法の変形は全て、0.8バールから10バールの圧力値の圧縮空気でもって機能するのが好ましく、この場合同軸ノズルの圧縮空気は個別の空気同軸ノズル601を介してエアロゾル同軸ノズル603の隣で流出する。その圧力値は特殊な使用事例では下回るかあるいは超過することがある。空気同軸ノズル601、エアロゾル同軸ノズル603及び空気同軸ノズル606、エアロゾル同軸ノズル603、空気同軸ノズル606等の順序の場合、最後の外側のノズルは、0.8バール未満の圧縮空気値でも機能することができる。
【0032】
浮遊持続時間の長い極めて十分なエアロゾルを発生させるために、二つの異なるノズルを提案する。一方の同軸ノズルと他方の扁平間隙ノズルは各々異なる構造変形である。
【0033】
内側空気同軸ノズル601、その周囲にあるエアロゾル同軸ノズル603及びさらにエアロゾル同軸ノズル603の周囲にある外側空気同軸ノズル606から成る、完全な同軸ノズルの構造は、以下の詳細な説明を特徴とする。内側空気同軸ノズル601はカラー602を備えた中空シリンダを有する。カラー602は、圧縮空気のための空気流入部608の側にある。内側空気同軸ノズル601の内径は、カラー602を基準にすれば少なくとも倍は先細りになっている。別の実施形態の場合、先細りはあるかあるいは全く無い。出口平面Aの直前で、内径は再度広がっている。この端部の広がりは、同時にエアロゾル同軸ノズル603のエアロゾル媒質に関するリング状の出口間隙のための間隙形態を形成する。間隙開口は実施例では約1mmであるが、実質的には大きく選択しても小さく選択してもよい。これは特に噴霧すべきエアロゾル媒質に基づきノズル間隙の詰まりを見込まねばならない場合である。
【0034】
エアロゾル同軸ノズル603は、内側空気同軸ノズル601のカラー602と続く隔壁の厚い、中空円筒形部分で保持される。エアロゾル同軸ノズル603は、その後方領域では、内側空気同軸ノズル601の主要部の端部においてエアロゾル媒質のための流入開口部605を有する。流入開口部605の後、エアロゾル同軸ノズル603の内径は先細りになっている。エアロゾル同軸ノズル603は、出口平面Aまでこの内径を維持している。しかしながら、この点において誤差があってもかまわない。すでに先に示したように、エアロゾル同軸ノズル603の間隙状の開口部は内側空気同軸ノズル601の形により形成される。エアロゾル同軸ノズル603の一部を介して、中空円筒形の外側空気同軸ノズル606が位置しており、この外側空気同軸ノズルはエアロゾル同軸ノズル603のカラー604により保持される。外側空気同軸ノズル606の内径は、出口平面Aの領域まで変わらない。まずここで、外壁はエアロゾル同軸ノズル603の方向に曲がっており、かつそれにより環状のノズル開口部を形成している。外側空気同軸ノズル606の外周部に沿って、出口平面Aの近くにはネジ山が設けられており、このネジ山はスリーブ609を担持している。外周部の他方の端部には、空気流入部607が設けられている。このスリーブ609は交換可能であり、かつネジ山により位置調節可能であるか、あるいは交換可能である。スリーブ609は、例えば広がっているか、あるいは狭まっている円錐形の形式の、あるいは直線の中空円筒体としての、様々な大きさを有していてもよい。大きさが様々であることにより、エアロゾル形成の際に、集中された噴流、渦流などの様々な効果が得られる。さらにスリーブ609は、適切な支持により出口平面Aと間隔をおいて位置されている。この場合、スリーブ609と出口平面Aの間には間隙がある。この処置によっても、エアロゾル形成の程度は左右される。
【0035】
内側空気同軸ノズル601、エアロゾル同軸ノズル603および外側空気同軸ノズル606の同軸ノズルの三分割は、外側周囲部に沿って識別可能である。三つのノズル部分全ての出口開口部は、通常の場合、平面、いわゆる出口平面A内に配置されている。しかしながら、これと異なっていてもよい。さらに個々のノズルの機能を交換すること、すなわちエアロゾル同軸ノズル603が、空気同軸ノズル601または606の機能を引受け、かつ逆に両空気同軸ノズルがエアロゾル同軸ノズルの機能を引受けることも考えられる。その上さらに、出口環状部の数量、あるいは空気同軸ノズル601、エアロゾル同軸ノズル603、空気同軸ノズル606、エアロゾル同軸ノズル603及び空気同軸ノズル606の組を随意に拡張可能である。
【0036】
内側空気同軸ノズル601および/または外側空気同軸ノズル606は各々、内部空間において、空気回転を生じさせるための手段、すなわち渦流を形成させるための手段を有していてもよい。この手段はネジ状に設けられた積層板、材料突起部、またさらに外側空気同軸ノズル606では螺旋状に取付けられた管体であってもよい。さらに空気流入部607は半径方向に設けられており、かつ単独噴流ノズル内で終わっている。従って、外側空気同軸ノズル606の内側ではすでに空気回転が生じている。さらにこの空気回転は空気出口においては外側空気同軸ノズル606によってよりいっそう作用する。
【0037】
一変形において、内側空気同軸ノズル601とエアロゾル同軸ノズル603は共通の空気エアロゾル同軸ノズル610に統合されていてもよい。エアロゾル媒質のための流入開口部605は、外周部に配置されており、空気入口608はノズル出口の相対する端部に配置されている。空気入口608と流入開口部605の間には、インジェクタノズル613が設けられている。この配設によりインジェクタ効果が上がる。空気エアロゾル同軸ノズル610の外周部は、ノズル出口の方向で円錐状に先細りになっている。外側空気同軸ノズル606はこの形状に合っている。空気エアロゾル同軸ノズル610の外壁と外側同軸ノズル606の内壁の間の間隔は、ノズル長の全体にわたってほぼ一定であり、かつ同様に上記のように、空気回転すなわち渦流を生じさせるための手段を備えている。
【0038】
同軸ノズルと同じで、長方形ノズルあるいは多角形ノズルが構成されている。角が多数の場合、個々のノズルの形状は環状体内に移行する。さらにこの実施形態の場合、例えばノズルの三つの部分は内側空気同軸ノズル601、エアロゾル同軸ノズル603及び外側空気同軸ノズル606内に設けられている。
【0039】
扁平間隙ノズルの構造は、圧縮空気102のためのかつエアロゾル媒質101のための水平に配置された間隙開口部を備えていることを特徴とする。各々少なくとも一つの、圧縮空気102のための間隙開口部と少なくとも一つの、エアロゾル媒質101のための間隙開口部が扁平間隙ノズル内に設けられている。
【0040】
しかしながら、三つの間隙開口部を備えたノズル体103は有利であり、この場合圧縮空気102のための二つの間隙開口部は、エアロゾル媒質101のための間隙開口部を取囲んでいる。上側104と下側105は、両間隙開口部101と102の間のウェブの上方に突出している。上側104と下側105は、間隙開口部101と102の間のこのウェブのオーバーラップ部を可変に保持できるように、スライダ104として移動可能に設けられていてもよい。これにより、エアロゾルの出口は影響を受ける。移動可能な上側104と下側105の場所では、全ての側、もしくは上側104と下側105だけが別のスライダ104を備えている。しかしながら、外側には固定したケーシングが設けられていてもよい。さらにこれはエアロゾルの出口に影響を与える。
【0041】
間隙開口部101と102の数量は、さらに尚、増やしてもよい。すなわち圧縮空気102のための複数の間隙開口部は、エアロゾル媒質101のための間隙開口部と互いに代わる。
【0042】
間隙開口部101及び102の正面には、扁平でかつ長方形のノズル調節装置107が設けられており、このノズル調節装置は側方で外側に向かって拡張しており、従ってその都度拡張された間隙開口部108を形成する。それに従い、ノズル調節装置107は扁平なトランペット形状を有する。しかしながら逆の実施形態も可能である。すなわちノズル調節装置が先細りになっていることも可能である。
【0043】
同軸ノズルと扁平間隙ノズルは、出口平面Aにおいて様々な出口形状を有していてもよい。図18と19に異なる形状を示してある。図18には上から下に向かって続く形状を示してある。すなわち、内側に向いた流線案内部、次いで一様に先細りになった流線案内部、さらに折れ曲がった外縁部、内側に向いた流線案内部と外側に一様に開口した流線案内部、そしてノズル縦方向軸線に対してずれている平行な出口平面である。図19には上から下に向かって続く形状を示してある。同様に、内側に向いた流線案内部、次いで片側だけの案内部、一様にまたは一様にではなく丸みを付された出口縁部、互いに異なる角度、そして上側開口部が狭まっており、下側開口部が広がっている部分である。
【0044】
本発明の実施形態の場合では全て、処理剤4は液体であり、この液体は作用物質だけから、あるいは作用物質と水が少々あるいは他の添加物の混合物から成ることを前提としている。水の代わりに、例えばオイルのような他の担持物質も可能である。オイルは、特に温暖な地域においてバッタを撲滅するために使用される。というのも、ここでは即座に水を使用することはオイルに比べて不都合であるからである。しかしながら、本発明は粉末状処理剤を一つ以上の空気流と混合するのに、かつ植物地域内、温室内、あるいは露天栽培地面のどこかにこのような混合流を噴霧あるいは霧状化してまくのに適している。
【0045】
本発明による記載された実施形態は各々、露天栽培地を処理する場合には、車両あるいは航空機に取り付けるのが好ましく、進行中に広い領域を処理する。乗り物は人力で動く車両、あるいはエンジン動力で動く車両、あるいは船、あるいはホバークラフト、あるいは他の様式で動く担持体、例えばロープウェーであってもよい。
【0046】
特許請求の範囲は、本発明の好ましい実施形態の例に関する。しかしながら、本発明は、個々の特徴の各々と、特許請求の範囲、明細書および/または図面に開示されている特徴の組合せとの使用にも関する。
【0047】
空気の代わりに、本発明の場合、いつでも他のガス、例えば植物栄養としてのCOあるいは任意の混合物を使用することができる。
【0048】
液体の場合は、極めて密度の高い液体も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】処理剤を混合し、かつ噴霧するための装置の概略的かつ部分的な縦断面図である。
【図2】図1のノズルヘッドのエグゾースト側の端面を示す図である。
【図3】図1の装置の一部分の他の実施形態の概略図である。
【図4】本発明による装置の他の実施形態の概略的かつ部分的な縦断面図である。
【図5】本発明による装置のさらに別の実施形態の概略的かつ部分的な縦断面図である。
【図6】本発明による装置の他の実施形態の概略的かつ部分的な縦断面図である。
【図7】図4及び5の実施形態の詳細の特別な実施形態を示す図である。
【図8】図4及び5の実施形態の詳細のさらに別の実施形態を示す図である。
【図9】本発明による装置のさらに別の実施形態の概略的かつ部分的な縦断面図である。
【図10】三つのノズル部分、すなわち内側の空気図である。
【図11】円錐形の外径とそれに適合した空気用同軸ノズルを有する、組み合わされた空気エアロゾル同軸ノズルを備えた同軸ノズルの断面図である。
【図12】内側空気用同軸ノズルと、エアロゾル同軸ノズルと、外側空気用同軸ノズルとを有する円錐形の外径を備えた同軸ノズルの断面図である。
【図13】放射状に設けられた空気吸入部と入射ノズルを備えた同軸ノズルの断面図と正面図である。
【図14】媒質が流出するための及び空気が流出するための間隙を各々備えた扁平間隙ノズルの正面図と、側面図でのそれに所属する断面図である。
【図15】空気、媒質、空気の順序で、三つの間隙開口部を備えた扁平間隙ノズルの正面図と、側面図でのそれに所属する断面図である。
【図16】空気、媒質、空気、媒質、空気の順序で、五つの間隙開口部を備えた扁平間隙ノズルの正面図と、側面図でのそれに所属する断面図である。
【図17】三つの間隙開口部と、間隙毎に前方に設けられ、かつ広がっている出口を備えた扁平間隙ノズルの正面図とノズル調節装置の平面図である。
【図18】個々の同軸ノズルと間隙開口部の異なる出口形状を備えた、同軸ノズルあるいは扁平ノズルとしてのノズルヘッドの断面図である。
【図19】個々の同軸ノズルと間隙開口部の異なる出口形状を備えた、同軸ノズルあるいは扁平ノズルとしてのノズルヘッドの断面図である。
【図20】本発明による方法に従った作用物質−時間のグラフ(K1)と従来の方法に従った作用物質−時間のグラフ(K2)を示す図である。
【図21】多角形ノズルを備えたノズルヘッドの出口側の端面図である。
【符号の説明】
【0050】
2 第一混合段
4 処理剤
6 処理剤源
8 空気流
10 混合流
14 外側空気流
16 内側空気流
18 外側ノズル開口部
20 内側ノズル開口部
22 負圧領域
24 ノズルヘッド
26 負圧導管
28 圧力レギュレータ
30 圧縮空気源
32 混合流ノズル開口部
34 流体導管
36 流体導管の入口
40 エアロゾル噴流
42 送風機
44 ポンプ
46 リザーブタンク
48 噴霧器
50 中間容器
52 入口開口部
54 圧力導管
56 圧力レギュレータ
58 圧縮空気入口
60 処理剤の高さ
62 容器室
101 エアロゾル媒質のための間隙開口部
102 圧縮空気のための間隙開口部
103 ノズル体
104 ノズル体の上側、スライダ
105 ノズル体の下側
106 ノズル体のパネル
107 ノズル調節装置
108 拡張された間隙開口部
202 第一混合段
203 第一圧縮空気導管
205 圧力レギュレータ
207 第二圧縮空気導管
209 圧力レギュレータ
212 第二混合段
213 混合流導管
215 搬送液体入口
217 吸入開口部
219 混合流出口
221 負圧領域
223 混合流導管/接続導管
240 処理剤空気流噴流/エアロゾル噴流
241 インジェクタ
601 内側空気同軸ノズル
602 カラー
603 エアロゾル同軸ノズル
604 カラー
605 流入開口部
606 外側空気同軸ノズル
607 空気入口
608 空気入口
609 スリーブ
610 空気エアロゾル同軸ノズル
611 空気出口リング
612 入射ノズル
613 インジェクタノズル
A 出口平面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体あるいは固体の処理剤が、植物保護剤、植物育成剤、有害生物駆除剤、消毒剤、肥料および/または他の任意の作用物質であり、前記処理剤が少なくとも一つの作用物質をこのために含んでいる、処理剤を空気あるいは他のガスあるいはガス混合物と混合し、かつ空気処理剤混合物を噴霧するための方法において、
処理剤が第一混合段において、空気流内に装入され、かつその中で流れ横方向に分配されること、
そこから形成される第一混合流が、液体導管を通って少なくとも一つの、あるいは相前後した複数の別の混合段に供給されること、
この別の混合段かあるいはこれらの別の混合段において、各々関係する混合流が別の空気流内に装入され、かつこの中で流れ横方向に、各々新しい混合流を形成することにより分配されること、そして
最後の混合流がエアロゾルの形で使用領域内かあるいは使用領域上に噴霧されることを特徴とする方法。
【請求項2】
最終混合段において、二つの別の空気流を用いて、互いに同軸に設けられた二つの空気噴流が生じ、その際これらの空気噴流の間に負圧領域が形成され、この負圧領域内で両空気噴流が協働して噴流ポンプ原理による負圧を発生させること、および
最後から二番目の混合段の混合流が、互いに同軸な両空気噴流間で負圧領域内に案内され、次いでこれらにより両空気噴流が収容され、したがって両空気噴流とこれにより収容される混合流が、協働してエアロゾル噴流あるいはエアロゾル霧化流を形成することことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
最終混合段の混合流が、混合流として噴霧するために、噴霧装置まで案内され、この際噴霧装置を用いてエアロゾル噴流あるいはエアロゾル霧化流が噴霧されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
混合段の少なくとも一つにおいて、圧縮空気流が空気流として使用されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
混合段の少なくとも一つにおいて、吸入空気流が空気流として使用される
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
処理剤が第一混合段で連続的に、流動調節可能に、あるいは同期して第一混合段の空気流内に投入されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
液体あるいは固体の処理剤が、植物保護剤、植物育成剤、有害生物駆除剤、消毒剤、肥料および/または他の任意の作用物質であり、前記処理剤が少なくとも一つの作用物質をこのために含んでいる、処理剤を空気と混合し、かつ空気処理剤混合物を噴霧するための装置において、
処理剤源(6)からの処理剤(4)を空気流と自動的に混合するための第一混合段(2;202;402)を備えており、
従って空気流の空気と混合された処理剤を含む混合流が、各々新しい混合流を生成することにより、その都度、各々先行する混合段の混合流を別の混合流と混合するための、少なくとも一つの別の混合段(12;212;302;312;512)あるいは相前後した複数の別の混合段を備えており、
この際混合段が全て、関係する混合流のための液体導管(34;223;334;455;213)を経由して互いに接続していること、そして
最後の混合段において、エアロゾル噴流あるいはエアロゾル霧化流を補うために、噴霧装置(224)が流れに従って接続されているか、あるいは最後の混合段が噴霧装置(24)として設けられていることを特徴とする請求項記載の装置。
【請求項8】
混合段(12;202;212;302;312;412)が、この混合段の空気流としての圧縮空気流を形成するための圧縮空気源(30)の圧縮空気のための圧縮空気入口(26;215)を備えていることを特徴とする請求項7記載の装置。
【請求項9】
混合段(2)の少なくとも一つが、この混合段の空気流としての吸入空気流のための吸入空気導管(34;334;455)を備えていること、および
この混合段(2)に後続して設けられた混合段(302;412)の一つが、インジェクタ(241)を備えており、このインジェクタがこの混合段の空気流としての圧縮空気源(30)からの圧縮空気流のための圧縮空気入口(215)と、吸入空気導管の流れ上流側端部を形成するかあるいはそれと流れに従い接続している、吸入開口部(217)を備えており、
その際、圧縮空気入口(215)と吸入開口部(217)が、インジェクタの負圧領域(221)内に開口し、この負圧領域内で圧縮空気−空気流により負圧が生じる
ことを特徴とする請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
最終混合段(12)が噴霧装置(24)として形成されており、かつこのために二つの別の空気流のための互いに同軸な二つの空気流ノズル開口部(18,20)を備えており、この場合、これらの空気流ノズル開口部が、これらの空気流ノズル開口部から流出する両空気噴流(14,26)を、互いの間で両開口部により区画された負圧領域(22)内で負圧を形成するようにほぼ並んで設けられていること、及び
最後から2番目の混合段(2)の液体導管(34)が、互いに同軸な空気流ノズル開口部(18,20)間の混合流ノズル開口部(32)を通って負圧領域(22)内に開口しており、この場合、最後から2番目の混合段(2)の混合流(10)が負圧領域(22)内に案内され、そこから両空気噴流(14,16)により収容され、これらと協働して、エアロゾル噴流あるいはエアロゾル霧化流の様式の新たな混合流(40)を形成することを特徴とする請求項7〜9のいずれか一つに記載の装置。
【請求項11】
特に有害生物駆除、植物保護、消毒および施肥のために、液体拡散あるいは粉末状物質を用いてエアロゾルを速やかに生成するための方法において、
ノズルにより、十分な作用物質濃度が、浮遊持続時間の長い液体の無いエアロゾルになるまでの様々な液体割合を備えた安定したエアロゾルの様式で、所定の面積にわたり短時間で生じることを特徴とする方法。
【請求項12】
所定の時間単位T内で、十分な作用物質濃度が、浮遊持続時間の長い、液体を含まないエアロゾルになるまでの極めて様々な液体割合を備えたエアロゾルの様式で作用物質を供給することにより生じ、この作用物質濃度が作用物質の分解が始まるまでほぼ一定に維持されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項13】
所定の時間単位T内だけで、十分な作用物質濃度が、浮遊持続時間の長い、液体を含まないエアロゾルになるまでの極めて様々な液体割合を備えたエアロゾルの様式で作用物質を供給することにより生じ、引き続き作用物質の供給が調節され、作用物質の分解開始T2までのこの作用物質濃度が、極めて精確なエアロゾルあるいは霧の発生によってのみほぼ一定に維持されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項14】
特に有害生物駆除、植物保護、消毒および施肥のために、エアロゾルを速やかに生成するための方法において、
カラー(602)を備えた中空円筒形の形式の内側空気同軸ノズル(601)が、外周部のエアロゾル媒質に関するカラー(604)と流入開口部(605)を備えたエアロゾル同軸ノズル(603)を担持しており、他方また、この内側空気同軸ノズルが外周部の空気入口(607)を備えた外側空気同軸ノズル(606)を担持しており、この場合、ノズル(601,603及び606)がすべて、出口平面Aで終わることを特徴とする同軸ノズル。
【請求項15】
外側空気同軸ノズル(606)に、移動可能あるいはネジ回し可能で、かつ交換可能なスリーブ(609)が設けられており、このスリーブが例えば広がっているか、あるいは狭まっている円錐状体の様式、あるいは中空円筒体としてのように個別に様々な口径を有することを特徴とする請求項14記載の装置。
【請求項16】
スリーブ(609)が、出口平面(A)の前において、間隔維持が適切な同軸ノズルに対して間隔をおいた状態で、出口平面Aとスリーブ(609)の間の間隙が存在し、この間隙がその大きさを変更可能であるように設けられていることを特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
内側空気同軸ノズル(601)が、出口平面Aの相対する端部では空気入口(608)を有し、流入開口部(605)の正面ではインジェクタノズル(613)を有し、内部空間では例えばネジ様式で設けられた空気案内部あるいは材料膨出部のような、空気回転あるいは渦流を生じさせるための手段を有することを特徴とする請求項14〜16のいずれか一つに記載の同軸ノズル。
【請求項18】
内側空気同軸ノズル(601)が、内径が出口平面Aの方向で何度か先細りになっており、かつ出口平面Aの領域において広がっていることを特徴とする請求項14〜17のいずれか一つに記載の同軸ノズル。
【請求項19】
エアロゾル同軸ノズル(603)が流入開口部(605)のすぐ後方で内径が先細りになっており、次いで内径を出口平面の直前まで維持し、次いで間隙内に移行していることを特徴とする請求項14〜18のいずれか一つに記載の同軸ノズル。
【請求項20】
外側空気同軸ノズル(606)の内径は、出口平面Aにおけるエアロゾル同軸ノズル(603)と外側空気同軸ノズル(606)の間の空気出口リング(611)上まで一定であり、かつ内部空間では、例えばネジ式に設けられた空気案内部、材料膨出部あるいは螺旋状に設けられた管体のような、空気回転あるいは渦流を生じさせるための手段を有し、空気入口(607)が入射ノズル(612)と放射状に構成されていることを特徴とする請求項14〜19のいずれか一つに記載の同軸ノズル。
【請求項21】
内側空気同軸ノズル(601)とエアロゾル同軸ノズル(603)が、共通の空気エアロゾル同軸ノズル(610)に統合されており、エアロゾル媒質のための流入開口部(605)が外周部にあり、空気入口(608)がノズル出口の相対する端部にあることを特徴とする請求項14記載の同軸ノズル。
【請求項22】
空気エアロゾル同軸ノズル(610)が、外周部のノズル出口の方向で円錐形状に先細りになっていて、外側空気同軸ノズル(606)がこの形状に適合しており、この場合、空気エアロゾル同軸ノズル(610)の外壁と外側空気同軸ノズル(606)内壁の間の間隔が、空気出口間隙(611)上までノズル長全体にわたりほぼ一定である
ことを特徴とする請求項21記載の同軸ノズル。
【請求項23】
空気エアロゾル同軸ノズル(610)において、および/または外側空気同軸ノズル(606)において、例えばネジ式に設けられた積層板、材料膨出部、あるいは螺旋状に設けられた管体のような、空気回転あるいは渦流を生じさせるための手段が配置されていることを特徴とする請求項21および22に記載の同軸ノズル。
【請求項24】
出口平面Aにおけるノズル開口部が円形の孔列から構成されていることを特徴とする請求項14〜23のいずれか一つに記載の同軸ノズル。
【請求項25】
ノズル開口部の数が三つよりも多く、媒質出口がノズル開口部毎にばらならに構成されており、ノズル開口部が各々、固有の圧力と流れにより使用されており、この場合、最後の外側ノズル開口部には、0.8バール未満の圧力がかかってもよく、ノズル開口部が様々な出口平面にあることを特徴とする請求項14〜24のいずれか一つに記載の同軸ノズル。
【請求項26】
特に請求項14〜25にいずれか一つに記載の実施形態に従った、有害生物駆除、植物保護、消毒および施肥のために、エアロゾルを速やかに発生させるための長方形ノズルあるいは多角形ノズルにおいて、
個々のノズル開口部が、出口平面Aにおいて、長方形あるいは多角形を形成していることを特徴とする長方形ノズルまたは多角形ノズル。
【請求項27】
特に有害生物駆除、植物保護、消毒および施肥のために、エアロゾルを速やかに発生させるための扁平間隙ノズルにおいて、
水平に配置された圧縮空気(102)のための間隙開口部が、水平に配置されたエアロゾル媒質(101)のための間隙開口部の上方でノズル体(103)の内側に配置されており、この場合、上側(104)と下側(105)が、両間隙開口部(101および102)の間のウェブの上方に突出していることを特徴とする扁平間隙ノズル。
【請求項28】
上側(104)あるいは全ての側がスライダ104として形成されているか、あるいは全ての側がその外側面においてスライダ(104)と固定されたパネル(106)を有していることを特徴とする請求項27記載の扁平間隙ノズル。
【請求項29】
上側(104)と下側(105)の間に、圧縮空気(102)のための複数の間隙開口部とエアロゾル媒質(101)のための複数の間隙開口部が、各々入れ代わりに設けられていることを特徴とする請求項27あるいは28に記載の扁平間隙ノズル。
【請求項30】
間隙開口部(101,102)の正面に、扁平でかつ長方形のノズル調節装置(107)が設けられており、このノズル調節装置が側方で外側に向かって拡張しており、従ってその都度拡張された間隙開口部(108)を形成していることを特徴とする請求項27〜29のいずれか一つに記載の扁平間隙ノズル。
【請求項31】
請求項14〜25のいずれか一つに記載の同軸ノズルと、請求項26に記載の長方形ノズルあるいは多角形ノズルと、請求項27〜30のいずれか一つに記載の扁平間隙ノズルにおいて、
同軸ノズルあるいは多角形ノズル、または間隙開口部の出口形状が、出口平面Aにおいて、内側に向いた流線案内部、一様に先細りになった流線案内部、一様にまたは一様にではなく丸みを付された出口縁部、内側に向いた流線案内部、外側に一様に開口した流線案内部、ノズル縦方向軸線に対してずれている平行な出口平面、片側だけの案内部、および互いに異なる角度のような様々な形状を有していることを特徴とする同軸ノズル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2008−520405(P2008−520405A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535991(P2007−535991)
【出願日】平成17年10月15日(2005.10.15)
【国際出願番号】PCT/DE2005/001839
【国際公開番号】WO2006/039918
【国際公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(507123257)
【出願人】(507123268)
【Fターム(参考)】