説明

出力光パルス幅制御装置、方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】光ファイバを用いて圧縮した光パルスのパルス幅を一定にする。
【解決手段】出力光パルス幅制御装置1が、入力光パルスP2のパルス幅を圧縮した出力光パルスP3を出力する圧縮光ファイバ12と、出力光パルスP3を分岐して、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7を出力する光パルス分岐部14a、14bと、第一分岐光パルスP6のパワーを測定する第一パワー測定部16a、18aと、第二分岐光パルスP7を受け、通過域の内の波長成分を通過させるフィルタ15(例えば、ショートパスフィルタまたはロングパスフィルタ)と、フィルタ15を通過した光パルスのパワーを測定する第二パワー測定部16b、18bと、第一パワー測定部の測定結果Vaと、第二パワー測定部の測定結果Vbとの比であるパワー比を、目標値に合わせるように、入力光パルスP2のパワーを制御するパワー制御部20とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバを用いた光パルスの圧縮に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、光パルスを圧縮することが知られている(例えば、特許文献1の要約を参照)。また、光ファイバを用いて光パルスを圧縮することが可能である。
【0003】
なお、圧縮した光パルスを計測に用いる場合(例えば、光サンプリングに用いる場合)、圧縮した光パルスのパルス幅を一定にすることが好ましい。
【0004】
【特許文献1】特開平11−298076号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、光ファイバを用いて圧縮した光パルスのパルス幅を一定にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる出力光パルス幅制御装置は、入力光パルスのパルス幅を圧縮した出力光パルスを出力する圧縮光ファイバと、前記出力光パルスを分岐して、第一分岐光パルスおよび第二分岐光パルスを出力する光パルス分岐部と、前記第一分岐光パルスのパワーを測定する第一パワー測定部と、前記第二分岐光パルスを受け、通過域の内の波長成分を通過させるフィルタと、前記フィルタを通過した光パルスのパワーを測定する第二パワー測定部と、前記第一パワー測定部の測定結果と、前記第二パワー測定部の測定結果との比であるパワー比を、目標値に合わせるように、前記入力光パルスのパワーを制御するパワー制御部と、を備え、前記出力光パルスが所望のパルス幅であるときに、前記通過域の一部と、前記第二分岐光パルスの信号成分の波長領域の一部とが重なっており、前記目標値は、前記出力光パルスが前記所望のパルス幅であるときの、前記パワー比であるように構成される。
【0007】
上記のように構成された出力光パルス幅制御装置によれば、圧縮光ファイバは、入力光パルスのパルス幅を圧縮した出力光パルスを出力する。光パルス分岐部は、前記出力光パルスを分岐して、第一分岐光パルスおよび第二分岐光パルスを出力する。第一パワー測定部は、前記第一分岐光パルスのパワーを測定する。フィルタは、前記第二分岐光パルスを受け、通過域の内の波長成分を通過させる。第二パワー測定部は、前記フィルタを通過した光パルスのパワーを測定する。パワー制御部は、前記第一パワー測定部の測定結果と、前記第二パワー測定部の測定結果との比であるパワー比を、目標値に合わせるように、前記入力光パルスのパワーを制御する。さらに、前記出力光パルスが所望のパルス幅であるときに、前記通過域の一部と、前記第二分岐光パルスの信号成分の波長領域の一部とが重なっている。しかも、前記目標値は、前記出力光パルスが前記所望のパルス幅であるときの、前記パワー比である。
【0008】
なお、本発明にかかる出力光パルス幅制御装置は、前記フィルタがショートパスフィルタであり、前記通過域の内の波長は、前記フィルタのカットオフ波長以下であるようにしてもよい。
【0009】
なお、本発明にかかる出力光パルス幅制御装置は、前記フィルタがロングパスフィルタであり、前記通過域の内の波長は、前記フィルタのカットオフ波長以上であるようにしてもよい。
【0010】
なお、本発明にかかる出力光パルス幅制御装置は、前記入力光パルスを出力する光ファイバアンプを備え、前記パワー制御部は、前記光ファイバアンプの増幅度を、前記パワー比に応じて制御する増幅度制御部を有するようにしてもよい。
【0011】
なお、本発明にかかる出力光パルス幅制御装置は、前記光パルス分岐部が、前記出力光パルスを分岐して、部分出力光パルスを取得する部分出力光パルス取得部と、前記部分出力光パルスを分岐して、第一分岐光パルスおよび第二分岐光パルスを出力する分岐光パルス出力部とを有するようにしてもよい。
【0012】
なお、本発明にかかる出力光パルス幅制御装置は、前記パワー制御部が、前記パワー比を大きくする場合は、前記入力光パルスのパワーを大きくし、前記パワー比を小さくする場合は、前記入力光パルスのパワーを小さくするようにしてもよい。
【0013】
本発明は、入力光パルスのパルス幅を圧縮した出力光パルスを出力する圧縮光ファイバと、前記出力光パルスを分岐して、第一分岐光パルスおよび第二分岐光パルスを出力する光パルス分岐部と、前記第一分岐光パルスのパワーを測定する第一パワー測定部と、前記第二分岐光パルスを受け、通過域の内の波長成分を通過させるフィルタと、前記フィルタを通過した光パルスのパワーを測定する第二パワー測定部と、を備えた出力光パルス幅制御装置における前記出力光パルスのパルス幅を制御する出力光パルス幅制御方法であって、前記第一パワー測定部の測定結果と、前記第二パワー測定部の測定結果との比であるパワー比を、目標値に合わせるように、前記入力光パルスのパワーを制御するパワー制御工程を備え、前記出力光パルスが所望のパルス幅であるときに、前記通過域の一部と、前記第二分岐光パルスの信号成分の波長領域の一部とが重なっており、前記目標値は、前記出力光パルスが前記所望のパルス幅であるときの、前記パワー比である出力光パルス幅制御方法である。
【0014】
本発明は、入力光パルスのパルス幅を圧縮した出力光パルスを出力する圧縮光ファイバと、前記出力光パルスを分岐して、第一分岐光パルスおよび第二分岐光パルスを出力する光パルス分岐部と、前記第一分岐光パルスのパワーを測定する第一パワー測定部と、前記第二分岐光パルスを受け、通過域の内の波長成分を通過させるフィルタと、前記フィルタを通過した光パルスのパワーを測定する第二パワー測定部と、を備えた出力光パルス幅制御装置における前記出力光パルスのパルス幅を制御する出力光パルス幅制御処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記出力光パルス幅制御処理は、前記第一パワー測定部の測定結果と、前記第二パワー測定部の測定結果との比であるパワー比を、目標値に合わせるように、前記入力光パルスのパワーを制御するパワー制御工程を備え、前記出力光パルスが所望のパルス幅であるときに、前記通過域の一部と、前記第二分岐光パルスの信号成分の波長領域の一部とが重なっており、前記目標値は、前記出力光パルスが前記所望のパルス幅であるときの、前記パワー比であるプログラムである。
【0015】
本発明は、入力光パルスのパルス幅を圧縮した出力光パルスを出力する圧縮光ファイバと、前記出力光パルスを分岐して、第一分岐光パルスおよび第二分岐光パルスを出力する光パルス分岐部と、前記第一分岐光パルスのパワーを測定する第一パワー測定部と、前記第二分岐光パルスを受け、通過域の内の波長成分を通過させるフィルタと、前記フィルタを通過した光パルスのパワーを測定する第二パワー測定部と、を備えた出力光パルス幅制御装置における前記出力光パルスのパルス幅を制御する出力光パルス幅制御処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、前記出力光パルス幅制御処理は、前記第一パワー測定部の測定結果と、前記第二パワー測定部の測定結果との比であるパワー比を、目標値に合わせるように、前記入力光パルスのパワーを制御するパワー制御工程を備え、前記出力光パルスが所望のパルス幅であるときに、前記通過域の一部と、前記第二分岐光パルスの信号成分の波長領域の一部とが重なっており、前記目標値は、前記出力光パルスが前記所望のパルス幅であるときの、前記パワー比である記録媒体である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0017】
第一の実施形態
図1は、本発明の第一の実施形態にかかる出力光パルス幅制御装置1の構成を示す機能ブロック図である。第一の実施形態にかかる出力光パルス幅制御装置1は、光ファイバアンプ10、圧縮光ファイバ12、部分出力光パルス取得部14a、分岐光パルス出力部14b、フィルタ15、フォトダイオード16a、16b、A/Dコンバータ18a、18b、パワー制御部20を備える。
【0018】
光ファイバアンプ10は、光パルスP1を増幅して、圧縮光ファイバ12に入力される入力光パルスP2を出力する。光ファイバアンプ10は、例えば、EDFA(Erbium-doped Fiber Amplifier:エルビウム添加光ファイバ増幅器)である。光ファイバアンプ10に制御信号を与えることにより、光ファイバアンプ10の増幅度(入力光パルスP2のパワー/光パルスP1のパワー)を制御できる。
【0019】
圧縮光ファイバ12は、入力光パルスP2を受け、出力光パルスP3を出力する。出力光パルスP3は、入力光パルスP2のパルス幅を圧縮した光パルスである。圧縮光ファイバ12は、例えば、高非線形ファイバとシングルモードファイバ(SMF)とにより構成される。この場合は、圧縮光ファイバ12により線形圧縮が行われる。圧縮光ファイバ12は、例えば、分散減少ファイバである。この場合は、圧縮光ファイバ12によりソリトン圧縮が行われる。
【0020】
部分出力光パルス取得部14aおよび分岐光パルス出力部14bは、光パルス分岐部を構成する。光パルス分岐部は、出力光パルスP3を分岐して、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7を出力するものである。
【0021】
部分出力光パルス取得部14aは、出力光パルスP3を分岐して、計測器用光パルスP4および部分出力光パルスP5を取得する。計測器用光パルスP4のパワーは、部分出力光パルスP5のパワーのおよそ9倍になるようにする。
【0022】
計測器用光パルスP4は計測器へ与えられる。計測器は、例えば、計測器用光パルスP4を使用して、光サンプリングを行う。光サンプリングに使用するためには、計測器用光パルスP4のパルス幅が一定に保たれる必要がある。計測器用光パルスP4のパルス幅がサンプラ周波数帯域と等価であるからである。出力光パルスP3および計測器用光パルスP4のパルス幅は同じなので、出力光パルスP3のパルス幅を所望の一定値に保てばよい。出力光パルスP3および部分出力光パルスP5のパルス幅は同じなので、部分出力光パルスP5のパルス幅を所望の一定値に保てばよい。
【0023】
分岐光パルス出力部14bは、部分出力光パルスP5を分岐して、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7を出力する。なお、第一分岐光パルスP6のパワーと、第二分岐光パルスP7のパワーとは等しいものとする。
【0024】
第一分岐光パルスP6、第二分岐光パルスP7および部分出力光パルスP5のパルス幅は同じなので、部分出力光パルスP5のパルス幅を所望の一定値に保つためには、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7のパルス幅を所望の一定値に保てばよい。
【0025】
一般的に、光パルスのパルス幅と、光パルスの信号成分のスペクトルの幅とは対応関係がある。よって、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7のパルス幅を所望の一定値に保つためには、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅を一定に保てばよい。スペクトルの幅とは、例えば、半値幅である。
【0026】
すなわち、出力光パルスP3および計測器用光パルスP4のパルス幅を一定に保つためには、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅を一定に保てばよい。
【0027】
図2は、第一の実施形態にかかる第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の波長とパワーとの関係(図2(a))、第一の実施形態にかかるフィルタ15の透過特性(図2(b))、第一の実施形態にかかる第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の波長とパワーとの関係と、フィルタ15の透過特性とを重ねたもの(図2(c))を示す図である。
【0028】
図2(a)は、出力光パルスP3のパルス幅が所望の一定値である場合の、第一分岐光パルスP6(第二分岐光パルスP7)の波長とパワーとの関係を示す図である。第一分岐光パルスP6(第二分岐光パルスP7)は信号成分とノイズ成分とを有する。第一分岐光パルスP6(第二分岐光パルスP7)のパワースペクトルは、信号成分の波長領域S(信号成分に対応する)と、ノイズ部分N(ノイズ成分に対応する)とを有する。なお、信号成分の波長領域Sは、パワースペクトルの信号成分が存在する領域をいう。第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅は、信号成分の波長領域Sの幅であるともいえる。
【0029】
フィルタ15は、第二分岐光パルスP7を受け、通過域の内の波長成分を通過させる。第一の実施形態において、フィルタ15はショートパスフィルタである。
【0030】
図2(b)を参照して、フィルタ15は、波長が短い光を透過率ほぼ100%(ゲイン0dB)で透過させるが、光の波長が長くなると透過率が低減する。ここで、フィルタ15のカットオフ波長(ゲインが−3dBとなる波長)をλcとする。さらに、フィルタ15は、カットオフ波長以下の波長の光を、カットオフ波長以上の波長の光に比べて、良く透過する。ここで、カットオフ波長以下の波長の領域を通過域、カットオフ波長を超える波長の領域を減衰域という。すなわち、フィルタ15は、通過域の光を、減衰域の光に比べて良く透過させる。なお、カットオフ波長λcは、変化させることができる。
【0031】
図2(c)を参照して、出力光パルスP3(計測器用光パルスP4)のパルス幅が所望の一定値である場合(すなわち、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅がある一定値をとる場合)、通過域(≦λc)の一部と、第二分岐光パルスの信号成分の波長領域Sの一部とが重なっている。通過域と、信号成分の波長領域Sとが重なっている領域を重複領域Hという。
【0032】
ただし、図2(c)においては、図示の便宜上、フィルタ15の透過特性における0[dB]を、信号成分の波長領域Sの高さよりも、やや高いところに配置している(図3、図4、図5も同様)。さらに、図2(c)においては、図示の便宜上、フィルタ15の透過特性を、カットオフ波長λcにおいて折れ曲がる折れ線で図示している(図3も同様)。
【0033】
フォトダイオード16aは、第一分岐光パルスP6を受光し、第一分岐光パルスP6のパワーに相当する電圧を示すアナログの電気信号を出力する。A/Dコンバータ18aは、フォトダイオード16aの出力するアナログ電気信号をデジタル信号に変換する。このデジタル信号の値(第一分岐光パルスP6のパワーに相当する電圧の値をデジタルで表現した値)をVaとする。フォトダイオード16aとA/Dコンバータ18aとが第一パワー測定部(第一分岐光パルスP6のパワーを測定する)に相当する。
【0034】
フォトダイオード16bは、フィルタ15を通過した光パルスを受光し、フィルタ15を通過した光パルスのパワーに相当する電圧を示すアナログの電気信号を出力する。A/Dコンバータ18bは、フォトダイオード16bの出力するアナログ電気信号をデジタル信号に変換する。このデジタル信号の値(フィルタ15を通過した光パルスのパワーに相当する電圧の値をデジタルで表現した値)をVbとする。フォトダイオード16bとA/Dコンバータ18bとが第二パワー測定部(フィルタ15を通過した光パルスのパワーを測定する)に相当する。
【0035】
パワー制御部20は、第一パワー測定部(フォトダイオード16aとA/Dコンバータ18a)の測定結果Vaと、第二パワー測定部(フォトダイオード16bとA/Dコンバータ18b)の測定結果Vbとの比であるパワー比Vb/Vaを、目標値に合わせるように、入力光パルスP2のパワーを制御する。
【0036】
ただし、目標値は、出力光パルスP3(計測器用光パルスP4)が所望のパルス幅であるときの、パワー比Vb/Vaである。
【0037】
パワー制御部20は、パワー比導出部22、目標値記録部24、増幅度制御部26を有する。
【0038】
パワー比導出部22は、パワー比Vb/Vaを導出する。目標値記録部24は、目標値を記録する。
【0039】
増幅度制御部26は、光ファイバアンプ10に制御信号を与えることにより、光ファイバアンプ10の増幅度を、パワー比に応じて制御する。具体的には、増幅度制御部26は、パワー比Vb/Vaをパワー比導出部22から受ける。増幅度制御部26は、目標値を目標値記録部24から受ける。ここで、パワー比Vb/Vaが目標値よりも小さい(大きい)場合は、光ファイバアンプ10の増幅度を大きく(小さく)して、入力光パルスP2のパワーを大きく(小さく)し、パワー比Vb/Vaを大きく(小さく)する。
【0040】
ここで、出力光パルスP3(計測器用光パルスP4)が所望のパルス幅をとれば、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅がある一定値をとる(図2(a)参照)。しかし、出力光パルスP3(計測器用光パルスP4)が所望のパルス幅をとらない場合、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅が狭すぎる(図3(a)参照)、または広すぎる(図3(b)参照)ことになる。
【0041】
図3は、第一の実施形態にかかる第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の波長とパワーとの関係と、フィルタ15の透過特性とを重ねたものを示す図であり、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅が狭すぎる場合(図3(a)参照)、広すぎる場合(図3(b)参照)を示す図である。
【0042】
図3(a)を参照して、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅が狭すぎる場合は、重複領域H(図2(c)参照)が消滅する(または小さくなる)。この場合、フィルタ15を通過する光は、ほぼノイズ成分だけとなる。よって、Vbが小さくなり、パワー比Vb/Vaもまた小さくなる。
【0043】
図3(b)を参照して、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅が広すぎる場合は、重複領域H(図2(c)参照)が大きくなる。この場合、フィルタ15を通過する光のパワーは、図2(c)の場合よりも大きくなる。よって、Vbが大きくなり、パワー比Vb/Vaもまた大きくなる。
【0044】
パワー比Vb/Vaが目標値に比べて小さい場合は、増幅度制御部26は、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅を広くして、パワー比Vb/Vaを大きくする。第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅を広くする(すなわち、出力光パルスP3の信号成分のスペクトルの幅を広くする)ためには、入力光パルスP2のパワーを大きくすればよい。入力光パルスP2のパワーが大きくなれば、自己位相変調効果により、出力光パルスP3の信号成分のスペクトルの幅が広がる。よって、増幅度制御部26は、光ファイバアンプ10の増幅度を大きくするように制御する。
【0045】
パワー比Vb/Vaが目標値に比べて大きい場合は、増幅度制御部26は、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅を狭くして、パワー比Vb/Vaを小さくする。第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅を狭くする(すなわち、出力光パルスP3の信号成分のスペクトルの幅を狭くする)ためには、入力光パルスP2のパワーを小さくすればよい。よって、増幅度制御部26は、光ファイバアンプ10の増幅度を小さくするように制御する。
【0046】
次に、第一の実施形態の動作を説明する。
【0047】
光パルスP1は光ファイバアンプ10により増幅され、入力光パルスP2となる。入力光パルスP2は圧縮光ファイバ12によりパルス幅が圧縮され、出力光パルスP3となる。出力光パルスP3は、部分出力光パルス取得部14aにより、計測器用光パルスP4(計測器に与えられる)および部分出力光パルスP5に分岐される。部分出力光パルスP5は分岐光パルス出力部14bにより、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7に分岐される。
【0048】
第一分岐光パルスP6は、フォトダイオード16aによりアナログ電気信号(第一分岐光パルスP6のパワーに相当する電圧を示す)に変換され、A/Dコンバータ18aにより、デジタル化される(値はVa)。
【0049】
第二分岐光パルスP7は、フィルタ15に与えられる。フィルタ15を通過した光パルスは、フォトダイオード16bによりアナログ電気信号(フィルタ15を通過した光パルスのパワーに相当する電圧を示す)に変換され、A/Dコンバータ18bにより、デジタル化される(値はVb)。
【0050】
パワー制御部20のパワー比導出部22は、VaおよびVbを受け、パワー比Vb/Vaを導出する。増幅度制御部26は、パワー比Vb/Vaをパワー比導出部22から受ける。増幅度制御部26は、目標値を目標値記録部24から受ける。ここで、パワー比Vb/Vaが目標値よりも小さい(大きい)場合は、光ファイバアンプ10の増幅度を大きく(小さく)して、入力光パルスP2のパワーを大きく(小さく)し、パワー比Vb/Vaを大きく(小さく)する。
【0051】
第一の実施形態によれば、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅をある一定値にすることにより、出力光パルスP3(計測器用光パルスP4)が所望のパルス幅をとるようにすることができる。
【0052】
しかも、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅を一定にするために、パワー比Vb/Vaを測定し、測定結果に基づき、光ファイバアンプ10の増幅度を制御する。第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅自体を光スペクトラムアナライザにより測定するといった手法に比較して、出力光パルス幅制御装置1を簡便にすることができる。
【0053】
第二の実施形態
第二の実施形態にかかる出力光パルス幅制御装置1は、第一の実施形態にかかる出力光パルス幅制御装置1のフィルタ15をロングパスフィルタに置き換えたものである。
【0054】
第二の実施形態にかかる出力光パルス幅制御装置1の構成は、第一の実施形態と同様である(図1参照)。第二の実施形態にかかる出力光パルス幅制御装置1は、光ファイバアンプ10、圧縮光ファイバ12、部分出力光パルス取得部14a、分岐光パルス出力部14b、フィルタ15、フォトダイオード16a、16b、A/Dコンバータ18a、18b、パワー制御部20を備える。光ファイバアンプ10、圧縮光ファイバ12、部分出力光パルス取得部14a、分岐光パルス出力部14b、フォトダイオード16a、16b、A/Dコンバータ18a、18bは第一の実施形態と同様であり説明を省略する。
【0055】
図4は、第二の実施形態にかかる第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の波長とパワーとの関係(図4(a))、第二の実施形態にかかるフィルタ15の透過特性(図4(b))、第二の実施形態にかかる第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の波長とパワーとの関係と、フィルタ15の透過特性とを重ねたもの(図4(c))を示す図である。
【0056】
図4(a)は図2(a)と同じであるため、説明を省略する。
【0057】
フィルタ15は、第二分岐光パルスP7を受け、通過域の内の波長成分を通過させる。第二の実施形態において、フィルタ15はロングパスフィルタである。
【0058】
図4(b)を参照して、フィルタ15は、波長が長い光を透過率ほぼ100%(ゲイン0dB)で透過させるが、光の波長が短くなると透過率が低減する。ここで、フィルタ15のカットオフ波長(ゲインが−3dBとなる波長)をλcとする。さらに、フィルタ15は、カットオフ波長以上の波長の光を、カットオフ波長以下の波長の光に比べて、良く透過する。ここで、カットオフ波長以上の波長の領域を通過域、カットオフ波長未満の波長の領域を減衰域という。すなわち、フィルタ15は、通過域の光を、減衰域の光に比べて良く透過させる。なお、カットオフ波長λcは、変化させることができる。
【0059】
図4(c)を参照して、出力光パルスP3(計測器用光パルスP4)のパルス幅が所望の一定値である場合(すなわち、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅がある一定値をとる場合)、通過域(≧λc)の一部と、第二分岐光パルスの信号成分の波長領域Sの一部とが重なっている。通過域と、信号成分の波長領域Sとが重なっている領域を重複領域Hという。
【0060】
ただし、図4(c)においては、図示の便宜上、フィルタ15の透過特性における0[dB]を、信号成分の波長領域Sの高さよりも、やや高いところに配置している(図5も同様)。さらに、図4(c)においては、図示の便宜上、フィルタ15の透過特性を、カットオフ波長λcにおいて折れ曲がる折れ線で図示している(図5も同様)。
【0061】
パワー制御部20は、第一パワー測定部(フォトダイオード16aとA/Dコンバータ18a)の測定結果Vaと、第二パワー測定部(フォトダイオード16bとA/Dコンバータ18b)の測定結果Vbとの比であるパワー比Vb/Vaを、目標値に合わせるように、入力光パルスP2のパワーを制御する。
【0062】
ただし、目標値は、出力光パルスP3(計測器用光パルスP4)が所望のパルス幅であるときの、パワー比Vb/Vaである。
【0063】
パワー制御部20は、パワー比導出部22、目標値記録部24、増幅度制御部26を有する。
【0064】
パワー比導出部22は、パワー比Vb/Vaを導出する。目標値記録部24は、目標値を記録する。
【0065】
増幅度制御部26は、光ファイバアンプ10に制御信号を与えることにより、光ファイバアンプ10の増幅度を、パワー比に応じて制御する。具体的には、増幅度制御部26は、パワー比Vb/Vaをパワー比導出部22から受ける。増幅度制御部26は、目標値を目標値記録部24から受ける。ここで、パワー比Vb/Vaが目標値よりも小さい(大きい)場合は、光ファイバアンプ10の増幅度を大きく(小さく)して、入力光パルスP2のパワーを大きく(小さく)し、パワー比Vb/Vaを大きく(小さく)する。
【0066】
ここで、出力光パルスP3(計測器用光パルスP4)が所望のパルス幅をとれば、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅がある一定値をとる(図4(a)参照)。しかし、出力光パルスP3(計測器用光パルスP4)が所望のパルス幅をとらない場合、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅が狭すぎる(図5(a)参照)、または広すぎる(図5(b)参照)ことになる。
【0067】
図5は、第二の実施形態にかかる第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の波長とパワーとの関係と、フィルタ15の透過特性とを重ねたものを示す図であり、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅が狭すぎる場合(図5(a)参照)、広すぎる場合(図5(b)参照)を示す図である。
【0068】
図5(a)を参照して、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅が狭すぎる場合は、重複領域H(図4(c)参照)が消滅する(または小さくなる)。この場合、フィルタ15を通過する光は、ほぼノイズ成分だけとなる。よって、Vbが小さくなり、パワー比Vb/Vaもまた小さくなる。
【0069】
図5(b)を参照して、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅が広すぎる場合は、重複領域H(図4(c)参照)が大きくなる。この場合、フィルタ15を通過する光のパワーは、図4(c)の場合よりも大きくなる。よって、Vbが大きくなり、パワー比Vb/Vaもまた大きくなる。
【0070】
パワー比Vb/Vaが目標値に比べて小さい場合は、増幅度制御部26は、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅を広くして、パワー比Vb/Vaを大きくする。第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅を広くする(すなわち、出力光パルスP3の信号成分のスペクトルの幅を広くする)ためには、入力光パルスP2のパワーを大きくすればよい。入力光パルスP2のパワーが大きくなれば、自己位相変調効果により、出力光パルスP3の信号成分のスペクトルの幅が広がる。よって、増幅度制御部26は、光ファイバアンプ10の増幅度を大きくするように制御する。
【0071】
パワー比Vb/Vaが目標値に比べて大きい場合は、増幅度制御部26は、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅を狭くして、パワー比Vb/Vaを小さくする。第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅を狭くする(すなわち、出力光パルスP3の信号成分のスペクトルの幅を狭くする)ためには、入力光パルスP2のパワーを小さくすればよい。よって、増幅度制御部26は、光ファイバアンプ10の増幅度を小さくするように制御する。
【0072】
第二の実施形態の動作は、第一の実施形態の動作と同様であるため説明を省略する。
【0073】
第二の実施形態によれば、第一の実施形態と同様な効果を奏する。
【0074】
また、上記の実施形態は、以下のようにして実現できる。CPU、ハードディスク、メディア(フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROMなど)読み取り装置を備えたコンピュータに、上記の各部分(例えば、パワー制御部20)を実現するプログラムを記録したメディアを読み取らせて、ハードディスクにインストールする。このような方法でも、上記の機能を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかる出力光パルス幅制御装置1の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】第一の実施形態にかかる第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の波長とパワーとの関係(図2(a))、第一の実施形態にかかるフィルタ15の透過特性(図2(b))、第一の実施形態にかかる第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の波長とパワーとの関係と、フィルタ15の透過特性とを重ねたもの(図2(c))を示す図である。
【図3】第一の実施形態にかかる第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の波長とパワーとの関係と、フィルタ15の透過特性とを重ねたものを示す図であり、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅が狭すぎる場合(図3(a)参照)、広すぎる場合(図3(b)参照)を示す図である。
【図4】第二の実施形態にかかる第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の波長とパワーとの関係(図4(a))、第二の実施形態にかかるフィルタ15の透過特性(図4(b))、第二の実施形態にかかる第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の波長とパワーとの関係と、フィルタ15の透過特性とを重ねたもの(図4(c))を示す図である。
【図5】第二の実施形態にかかる第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の波長とパワーとの関係と、フィルタ15の透過特性とを重ねたものを示す図であり、第一分岐光パルスP6および第二分岐光パルスP7の信号成分のスペクトルの幅が狭すぎる場合(図5(a)参照)、広すぎる場合(図5(b)参照)を示す図である。
【符号の説明】
【0076】
1 出力光パルス幅制御装置
10 光ファイバアンプ
12 圧縮光ファイバ
14a 部分出力光パルス取得部
14b 分岐光パルス出力部
15 フィルタ
16a、16b フォトダイオード
18a、18b A/Dコンバータ
20 パワー制御部
22 パワー比導出部
24 目標値記録部
26 増幅度制御部
P2 入力光パルス
P3 出力光パルス
P4 計測器用光パルス
P5 部分出力光パルス
P6 第一分岐光パルス
P7 第二分岐光パルス
S 信号成分の波長領域
N ノイズ部分
H 重複領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力光パルスのパルス幅を圧縮した出力光パルスを出力する圧縮光ファイバと、
前記出力光パルスを分岐して、第一分岐光パルスおよび第二分岐光パルスを出力する光パルス分岐部と、
前記第一分岐光パルスのパワーを測定する第一パワー測定部と、
前記第二分岐光パルスを受け、通過域の内の波長成分を通過させるフィルタと、
前記フィルタを通過した光パルスのパワーを測定する第二パワー測定部と、
前記第一パワー測定部の測定結果と、前記第二パワー測定部の測定結果との比であるパワー比を、目標値に合わせるように、前記入力光パルスのパワーを制御するパワー制御部と、
を備え、
前記出力光パルスが所望のパルス幅であるときに、前記通過域の一部と、前記第二分岐光パルスの信号成分の波長領域の一部とが重なっており、
前記目標値は、前記出力光パルスが前記所望のパルス幅であるときの、前記パワー比である、
出力光パルス幅制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の出力光パルス幅制御装置であって、
前記フィルタはショートパスフィルタであり、
前記通過域の内の波長は、前記フィルタのカットオフ波長以下である、
出力光パルス幅制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の出力光パルス幅制御装置であって、
前記フィルタはロングパスフィルタであり、
前記通過域の内の波長は、前記フィルタのカットオフ波長以上である、
出力光パルス幅制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の出力光パルス幅制御装置であって、
前記入力光パルスを出力する光ファイバアンプを備え、
前記パワー制御部は、
前記光ファイバアンプの増幅度を、前記パワー比に応じて制御する増幅度制御部を有する出力光パルス幅制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載の出力光パルス幅制御装置であって、
前記光パルス分岐部は、
前記出力光パルスを分岐して、部分出力光パルスを取得する部分出力光パルス取得部と、
前記部分出力光パルスを分岐して、第一分岐光パルスおよび第二分岐光パルスを出力する分岐光パルス出力部と、
を有する出力光パルス幅制御装置。
【請求項6】
請求項1に記載の出力光パルス幅制御装置であって、
前記パワー制御部は、
前記パワー比を大きくする場合は、前記入力光パルスのパワーを大きくし、
前記パワー比を小さくする場合は、前記入力光パルスのパワーを小さくする、
出力光パルス幅制御装置。
【請求項7】
入力光パルスのパルス幅を圧縮した出力光パルスを出力する圧縮光ファイバと、
前記出力光パルスを分岐して、第一分岐光パルスおよび第二分岐光パルスを出力する光パルス分岐部と、
前記第一分岐光パルスのパワーを測定する第一パワー測定部と、
前記第二分岐光パルスを受け、通過域の内の波長成分を通過させるフィルタと、
前記フィルタを通過した光パルスのパワーを測定する第二パワー測定部と、
を備えた出力光パルス幅制御装置における前記出力光パルスのパルス幅を制御する出力光パルス幅制御方法であって、
前記第一パワー測定部の測定結果と、前記第二パワー測定部の測定結果との比であるパワー比を、目標値に合わせるように、前記入力光パルスのパワーを制御するパワー制御工程を備え、
前記出力光パルスが所望のパルス幅であるときに、前記通過域の一部と、前記第二分岐光パルスの信号成分の波長領域の一部とが重なっており、
前記目標値は、前記出力光パルスが前記所望のパルス幅であるときの、前記パワー比である、
出力光パルス幅制御方法。
【請求項8】
入力光パルスのパルス幅を圧縮した出力光パルスを出力する圧縮光ファイバと、
前記出力光パルスを分岐して、第一分岐光パルスおよび第二分岐光パルスを出力する光パルス分岐部と、
前記第一分岐光パルスのパワーを測定する第一パワー測定部と、
前記第二分岐光パルスを受け、通過域の内の波長成分を通過させるフィルタと、
前記フィルタを通過した光パルスのパワーを測定する第二パワー測定部と、
を備えた出力光パルス幅制御装置における前記出力光パルスのパルス幅を制御する出力光パルス幅制御処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記出力光パルス幅制御処理は、
前記第一パワー測定部の測定結果と、前記第二パワー測定部の測定結果との比であるパワー比を、目標値に合わせるように、前記入力光パルスのパワーを制御するパワー制御工程を備え、
前記出力光パルスが所望のパルス幅であるときに、前記通過域の一部と、前記第二分岐光パルスの信号成分の波長領域の一部とが重なっており、
前記目標値は、前記出力光パルスが前記所望のパルス幅であるときの、前記パワー比である、
プログラム。
【請求項9】
入力光パルスのパルス幅を圧縮した出力光パルスを出力する圧縮光ファイバと、
前記出力光パルスを分岐して、第一分岐光パルスおよび第二分岐光パルスを出力する光パルス分岐部と、
前記第一分岐光パルスのパワーを測定する第一パワー測定部と、
前記第二分岐光パルスを受け、通過域の内の波長成分を通過させるフィルタと、
前記フィルタを通過した光パルスのパワーを測定する第二パワー測定部と、
を備えた出力光パルス幅制御装置における前記出力光パルスのパルス幅を制御する出力光パルス幅制御処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、
前記出力光パルス幅制御処理は、
前記第一パワー測定部の測定結果と、前記第二パワー測定部の測定結果との比であるパワー比を、目標値に合わせるように、前記入力光パルスのパワーを制御するパワー制御工程を備え、
前記出力光パルスが所望のパルス幅であるときに、前記通過域の一部と、前記第二分岐光パルスの信号成分の波長領域の一部とが重なっており、
前記目標値は、前記出力光パルスが前記所望のパルス幅であるときの、前記パワー比である、
記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−141262(P2009−141262A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−318558(P2007−318558)
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【出願人】(390005175)株式会社アドバンテスト (1,005)
【Fターム(参考)】