説明

出退管理システム

【課題】 塾、学校、会社等へ通う管理対象者の出退状況を、管理対象者の識別情報(ID)を記憶したIDタグを介して自動で管理する出退管理システムにおいて、外部電話端末から出退状況を問い合わせることができるようにする。
【解決手段】タグリーダ12が生徒のIDタグ2に記憶された識別情報(ID)を読み込み、対応する管理対象者の出退を検知して出退履歴としてデータベースに記憶しておく。外部電話端末8bより、管理センタ20に特定の管理対象者に関する出退情報等の要求があった場合には、通知用コンピュータ32を介して管理用コンピュータ30は外部電話端末8bとデータを送受信し、認証処理と要求された情報の抽出、送信先に合わせたデータ変換を行って結果を通知用コンピュータ32に出力する。上記のようなシステムによれば、外部電話端末8bからでも容易に出退状況を確認することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塾、学校、会社、病院といった各種施設に通う関係者(生徒、学生、教師、社員、医者、看護士等)の出退状況を管理するための出退管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、塾、学校、会社、病院等において、これらの施設に通う関係者(生徒、学生、教師、社員、医者、看護士)が登校又は出勤したときや、下校又は退社したときに、保護者や配偶者等にその旨を自動で通知することにより、保護者や配偶者等が関係者の所在若しくは行動を把握できるようにすることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
つまり、この提案システムでは、学生等に個人の識別情報を記憶したICカードを持たせ、学生等が通う施設の出入り口には、学生等が所持するICカードから識別番号を読み取るカードリーダを配置することにより、学生等の施設への出退状況を自動で検出できるようにし、しかもその出退状況を検知した際には、その時刻を記録することで出退履歴を残すと共に、予め設定された連絡先に学生等が登校又は下校(或いは出勤或いは帰社)した旨を通知するようにしている。
【特許文献1】特開2004―46458
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来システムにおいては、出退情報を電子メールで通知するよう構成されていることから、パソコンやPDA、携帯電話、PHS等の電子メールを受信可能な端末機器を所持しない者は、上記のようなシステムを利用することができないか又は新たに購入する必要があった。
【0005】
また、電子メールを受信可能な端末機器を所持していたとしても、例えばパソコンの場合は外出先、特に屋外でインターネット回線を利用することは困難であるし、携帯電話やPHS等においては、通話可能エリアの圏外では利用できない。
【0006】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、塾、学校、会社、病院等へ通う管理対象者の出退状況を、管理者の識別番号(ID)を記憶したIDタグ(ICカード等)を介して自動で管理する出退管理システムにおいて、管理対象者の保護者や親戚等の関係者がインターネットを利用できない状況でも出退情報を取得することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
係る目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、複数の管理対象者が各々所持し且つ各管理対象者の識別情報が記憶されたIDタグを介して、各管理対象者の管理対象施設への出退記録を管理する出退管理システムであって、
前記施設の出入り口に配置され、前記IDタグから管理対象者の識別情報を読み取るタグリーダと、
前記各管理対象者毎に前記施設への出退状況を記憶するための出退状況記憶手段と、
前記タグリーダにて読み取られた識別情報に基づき、該識別情報に対応した特定の管理対象者の前記施設への出退を検知し、該検知結果を該管理対象者の出退履歴として前記出退状況記憶手段に登録する出退履歴登録手段と、
公衆電話網を通して外部電話端末との間で通信を行うための通信手段と、
前記外部電話端末から前記通信手段を介して、特定の管理対象者の出退情報を要求する出退情報要求信号を受信すると、該出退情報要求信号に対応した特定の管理対象者の出退情報を前記出退状況記憶手段より抽出し、該抽出した出退情報を音声信号に変換して前記通信手段から前期外部電話端末へ送信させる情報通知手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
このように構成された本発明の出退管理システムにおいては、管理対象施設の出入り口に配置されたタグリーダにて、管理対象者が所持するIDタグから管理対象者の識別情報が読み取られると、出退履歴登録手段が、その識別情報に対応した特定の管理対象者の当該施設への出退を検知し、その検知結果を管理対象者の出退履歴として出退状況記憶手段に登録する。また、公衆電話網を通して外部電話端末から特定の管理対象者に関する出退情報の要求があると、情報通知手段が対応する情報を出退状況記憶手段より抽出し、抽出した情報を音声信号に変換して送信する。
【0009】
このため、本発明の出退管理システムによれば、電子メールを受信可能なパソコンやPDA、携帯電話、PHS等の端末機器を所持しない者でも、固定電話や公衆電話等から各情報を要求することで容易に必要な情報を取得できるので、上述した従来システムと比較しても、より多くの人が公平に本発明を利用したサービスを享受することができる。
【0010】
さらに、電子メールを受信可能な端末機器を所持する者も、この端末機器を利用できない場合(例えばインターネット回線が利用できない場合や、通話可能エリア圏外の場合)に、固定電話や公衆電話等を利用して情報を取得できる。従って、本発明はこのような点においてサービスの向上につながる。
【0011】
次に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の出退管理システムにおいて、外部電話端末からの要求に対応して送信すべき連絡情報を記憶する連絡情報記憶手段を備え、
前記情報通知手段は、前記通信手段を介して外部電話端末から特定の管理対象者に対する連絡情報を要求する連絡情報要求信号を受信すると、該連絡情報要求信号に対応した特定の管理対象者に対する連絡情報を前記連絡情報記憶手段より抽出し、該抽出した連絡情報を音声信号に変換して、前記通信手段から前期外部電話端末へ送信させることを特徴とする。
【0012】
このため、出退情報のみでなく管理対象者への連絡事項等も本システムの情報通知手段に問い合わせることで確認できるので、例えば管理対象者が休んだりした場合でも確実に必要な情報を取得できる。
【0013】
次に、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の出退管理システムにおいて、前記情報通知手段は、前記外部電話端末から情報を要求してきた者がシステムに登録された正規の者か否かを判断し、正規の者である場合に、前記外部電話端末からの情報要求信号に対応した情報を前記情報記憶手段より抽出して、該抽出した情報を音声信号に変換して前記通信手段から前期外部電話端末へ送信させ、前記情報を要求してきた者が正規の者でない場合には、前記情報要求信号の受信を禁止することを特徴とする。
【0014】
よって、本発明によれば、外部電話端末より不正にアクセスされて管理対象者の出退情報(或いは連絡情報)が盗まれることを防止することができる。
次に、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3の何れかに記載の出退管理システムにおいて、記情報通知手段は、前記通信手段を介して受信した情報要求信号が、情報をファクシミリデータ形式で要求する信号である場合には、前記記憶手段から抽出した情報をファクシミリデータ形式に変換して、前記通信手段から該ファクシミリデータの送信先となる外部電話端末へ送信させることを特徴とする。
【0015】
このため、電話端末を利用して特定の管理対象者の出退情報及び個人情報を本システムの情報通知手段に要求した際に、そのデータの送信先をファクシミリ装置に指定して文書として情報を取得できる。従って、例えば聴覚に不安のあるような利用者でも、確実に情報を取得できるという利点がある。
【0016】
次に、請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4の何れかに記載の出退管理システムにおいて、前記情報通知手段が前記通信手段を介して情報を送信した後、前記情報要求信号を送信してきた外部電話端末から前記通信手段を介して他の外部電話端末への通話転送を要求する転送指令を受けると、該転送指令に従い他の外部電話端末へ通話回線を繋ぐと共に通話を維持させる中継手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
つまり、このシステムによれば、例えば特定の管理対象者が予定時刻になって帰宅していないにもかかわらず、出退状況が「帰宅」となっている場合等において、問い合わせた者は、警察や友人宅等あらかじめ登録しておいた箇所や直接電話番号を入力して指定した箇所に通話を中継してもらうことができる。
【0018】
このため本発明によれば、上述した、いわば異常時や緊急時に関係箇所に速やかに連絡をとることができるので、管理対象者の所在、状況をいち早く把握できると共に事故を未然に防止することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明が適用された実施形態の出退管理システム全体の構成を表す概略構成図である。ここでは、管理対象施設が塾及び学校の場合において説明する。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の出退管理システムは、塾若しくは学校である管理対象施設10の出入り口或いは各教室毎に設けられるタグリーダ12を備える。
このタグリーダ12は、管理対象施設10に通う生徒や先生が所持するIDタグ2から、IDタグ2内に記憶された生徒若しくは先生の識別情報を読み取るためのものであり、本実施形態では、数十cm離れたIDタグ2から識別情報を非接触に読み取ることのできるものが使用されている。
【0021】
なお、IDタグ2には、タグリーダ12側で非接触に情報を読み取ることができるように、タグリーダ12からの無線による送信電力により起動して識別情報を無線送信する機能を有するRFIDタグが用いられている。
【0022】
そして、このタグリーダ12は、通信端末14を介して広域ネットワーク(本実施形態ではインターネット3)に接続されており、通信端末14は、タグリーダ12がIDタグ2から読み取った識別情報を、インターネット3を介して、インターネット3に接続された管理センタ20内の管理用コンピュータ30に送信するように構成されている。
【0023】
また、管理対象施設10には、こうしたタグリーダ12や通信端末14とは別に、先生が生徒の出退状況を確認したり変更したりすることができるパーソナルコンピュータ(以下、単にパソコンともいう)からなる管理端末16も備えられている。
【0024】
なお、生徒や先生の出退状況は、全て管理センタ20側で管理されており、管理センタ20には、管理対象施設10に通う生徒や先生の個人情報が登録された個人情報データベース(個人情報DB)22と、同じく生徒や先生の出退状況を管理するための出退情報が登録された出退情報データベース(出退情報DB)24と、本人や保護者、親族等への各種連絡事項が登録された連絡情報データベース(連絡情報DB)26と、管理対象施設10の通信端末14から送信されてきた識別情報(ID)や、管理端末16及び通知用コンピュータ32から送信されてきた指令に従い、これら各DB22、24、26の情報の読み出し、書き込み、若しくは書き換えを行う管理用コンピュータ30と、電話端末8bからの信号を管理用コンピュータ30に送信し、また出退情報を始めとする各種情報を外部に通知するための通知用コンピュータ32と、公衆電話網4上の電話端末8b及びファクシミリ装置8aと通信を行うための複数のモデム34が備えられている。
【0025】
そして、通知用コンピュータ32は、出退履歴が更新された際に管理用コンピュータ30から入力される送信データに従い、対応する連絡先に出退情報(或いは連絡情報)を送信する。
【0026】
この連絡先が電子メールアドレスであれば、インターネット3を利用した電子メール送信によって、保護者等が所持する携帯電話6a、PDA等の携帯情報端末6b、パソコン等のインターネット端末6cに情報を送信する。
【0027】
また、連絡先がファクシミリ装置の電話番号であれば、複数のモデム34の一つを介してその電話番号に電話を掛けることで、公衆電話網4上の特定のファクシミリ装置8aを呼び出し、その後ファクシミリデータを送信することで、連絡先として登録されたファクシミリ装置8aに、ファクシミリ画像にて情報を送信する。
【0028】
また更に、連絡先が普通電話の電話番号であれば、複数のモデム34の一つを介してその電話番号に電話を掛けることで、公衆電話網4上の特定の電話端末8bを呼び出し、その電話端末8bから受呼信号が送信されてくると、音声データを送信することで、連絡先として登録された電話端末8bに音声にて情報を送信する。
【0029】
一方、この通知用コンピュータ32は、外部電話端末8bから呼び出し信号を受信すると、この外部電話端末8bとの通話回線を接続し、接続後に外部電話端末8bから送信された信号を管理用コンピュータ30に送信する。管理用コンピュータ30は、受信した信号に基づいて必要な情報を各DBから抽出し、連絡先が電話端末8bであれば音声信号に変換し、ファクシミリ装置8aであればファクシミリデータに変換して通知用コンピュータ32に出力する。
【0030】
そして、通知用コンピュータ32は、管理用コンピュータ30から送信される信号又はデータに従い、連絡先が情報要求元の電話端末8bであれば、そのまま音声信号を返信する。
【0031】
また、連絡先がファクシミリ装置8aであれば、複数のモデム34の一つを介してその電話番号に電話を掛けることで、公衆電話網4上の特定のファクシミリ装置8aを呼び出し、その後ファクシミリデータを送信することで、連絡先として指定されたファクシミリ装置8aに、ファクシミリ画像にて情報を送信する。
【0032】
次に、図2は、個人情報DB22、出退情報DB24、通知情報DB26にそれぞれ登録された生徒の個人情報、出退情報、及び通知情報を表している。
図2(a)に示す如く、生徒の個人情報は、その生徒の識別情報(ID:生徒が所持するIDタグ2と同じもの)、生徒の名前、学年、クラスなどの所属情報や連絡先(電話番号、ファクシミリ番号、メールアドレス等)等から構成されており、その登録番号順にDB22に登録されている。
【0033】
また図2(b)に示す如く、出退情報は、生徒の個人情報の登録番号に関連づけて各生徒毎に出退情報DB24に登録されるものであり、タグリーダ12の識別情報の読み取り状態に応じて更新される生徒の最新の出退状態を表す出退フラグ、先生がその生徒の出席を確認した際に管理端末16を操作して手動で入力(セット)し得る出席確認フラグ、先生がその生徒から帰宅の報告を受けた際に管理端末16を操作して手動で入力(セット)し得る帰宅確認フラグ、先生が保護者等から事前に欠席の報告を受けた際に管理端末16を操作して手動で入力(セット)し得る欠席確認フラグ、及び、生徒の過去の出退状況を表す出退履歴、等から構成されている。
【0034】
一方、図2(c)に示す如く、連絡情報DB26には、複数の生徒への一斉連絡用の連絡情報として定期連絡用と緊急連絡用の連絡情報とが登録されており、これら定期連絡用及び緊急連絡用の連絡情報は、それぞれ生徒全員への連絡情報と、学年単位の連絡情報と、クラス単位の連絡情報とから構成されている。また、各生徒毎に個別に連絡するための個別連絡用の連絡情報が、生徒の個人情報の登録番号に関連づけて各生徒毎に登録されている。
【0035】
次に、図3は、公衆電話網4上の外部電話端末8bから呼び出し信号を受けて、通知用コンピュータ32が管理用コンピュータ30とデータを送受信することで情報通知、回線中継をするのに実行される処理を表すフローチャートである。
【0036】
まず、S110にて、公衆電話網4上の外部電話端末8bから送信された呼び出し信号を受信したか否かを判断する。受信したと判断すると、S115にて、外部電話端末8bとの間の通話回線を接続し、次にS120へ移行して、外部電話端末8bとの間の通話回線を接続した旨を知らせる接続信号を、管理用コンピュータ30に送信する。
【0037】
次に、S130にて、管理用コンピュータ30より送信された、システムが起動して実行可能であることを示す起動信号を受信すると、続いてS140へ移行する。ここでは、外部電話端末8bとの間の通話回線接続後にこの外部電話端末8bより送信された、ID、パスワード等の番号及び符号といった認証信号を受信する。この認証信号は、外部電話端末8bの操作者があらかじめ決められたルールに従って外部電話端末8bを操作することにより送信されてくるものである。例えば特定のプッシュボタンを押すことにより、ID、パスワード等を入力する。
【0038】
なお、ID、パスワード等の入力方法を音声ガイダンスで案内することで、外部電話端末8bを操作させるようにしても良い。また、発信元の電話番号を読み込み、その番号を認証番号として用いることもできる。
【0039】
そして、S150にて、受信した認証信号を管理用コンピュータ30に送信する。管理用コンピュータ30では、送信されてくる信号を基に、問い合わせてきた者がシステムに登録された正規のものか否か、すなわち認証の可否を判断する。
【0040】
S160にて、管理用コンピュータ30から送信されてくる認証の可否の判断結果を受信すると、次にS170へ移行する。ここでは、先に受信した認証の可否の判断結果から認証がされているかどうかを確認する。認証がされていなければ、S210へ移行して、通話を遮断する旨を示す遮断ガイダンスを外部電話端末8bに送信し、S220にて通話を遮断して当該処理を終了する。逆に認証がされていれば、S180へ移行して、認証ができた旨を示す認証確認ガイダンスを外部電話端末8bに送信する。
【0041】
認証確認ガイダンス送信後、S190へ移行して、情報を要求することを示す情報要求信号を外部電話端末8bより受信する。この信号は、外部電話端末8bの操作者があらかじめ決められたルールに従って外部電話端末8bを操作することにより送信されてくるものである。例えば特定のプッシュボタンを押すことにより、必要な情報を指定したりすることができる。
【0042】
なお、情報を要求したり指定したりするにはどのプッシュボタンを押せばいいか、等の操作の方法について音声ガイダンスで案内することで、外部電話端末8bを操作させるようにしても良い。そして、S200にて、受信した信号を管理用コンピュータ30へ送信する。管理用コンピュータ30では、送信されてきた信号に基づいて、要求される情報を各DB22,24,26より抽出する。
【0043】
次に、S230にて、情報の連絡先を読み込む。連絡先は、現在通話している外部電話端末8bとなるように設定することができる。また、電話端末8bの操作者は、連絡先をあらかじめ登録された複数の連絡先の中から選択することもできるし、連絡先の電話番号又はファクシミリ番号を直接入力することで指定することもできる。そして、続くS240にて、読み込んだ連絡先を管理用コンピュータ30へ送信する。
【0044】
次に、S250へ移行して、連絡先が電話端末8bかどうかを判断する。連絡先が電話端末8bであると判断すると、そのまま次のS280へ移行する。逆に、連絡先が電話端末8bではなくファクシミリ装置8aと判断すると、次に、S260にて、ファクシミリデータを送信するために通話の切断を要求する切断ガイダンスを送信し、続くS270にて、通話が切断されたか否かを判断する。
【0045】
S280においては、管理用コンピュータから、音声信号又はファクシミリデータが送信されてきたか否かを判断する。音声信号又はファクシミリデータが送信されてきたと判断すると、次のS290にて、読み込んだ連絡先へ、音声信号又はファクシミリデータを送信する。
【0046】
次に、S300において、外部電話端末8bより送信される信号をもとに、通話転送を要求する転送指令信号を受信したか否かを判断する。転送指令信号を受信したと判断すると、次にS305へ移行して、指定された転送先へ通話を転送する。なお、転送先はあらかじめ登録してある複数の転送先の中から、例えば特定のプッシュボタンを押して選択させるようにしても良いし、プッシュボタンを用いて転送先の電話番号を入力させるようにしても良い。
【0047】
そして、S310においては、通話状態が維持されているかどうかを判断する。通話状態が維持されていない、つまり通話回線が遮断されていると判断すると、そのまま当該処理を終了する。
【0048】
逆に、通話回線が遮断されていなければ、S320へと移行し、ここでは外部電話端末8bより送信されてくる信号をもとに、要求される情報の追加があるかどうかを判断する。要求される情報の追加があると判断すると、再度S190の、情報要求信号を受信するステップへと移行する。要求される情報の追加がないと判断すると、次にS330へ移行して、外部電話端末8bより送信されてくる信号をもとに、通話回線を切断する旨の要求があるかどうかを判断する。切断する旨の要求がなければ、S320へ移行して、再度要求される情報の追加があるかどうかを判断する。通話回線を切断する旨の要求があれば、S340にて、通話を切断する旨の音声ガイダンスを外部電話端末8bに送信し、続いてS345にて通話回線を切断する。そして、S350へ移行して、通話回線を切断した旨の信号を管理用コンピュータ30に送信して、当該処理を終了する。
【0049】
次に、図4は、管理用コンピュータ30が通知用コンピュータ32から接続信号を受け、さらに認証信号を受信して行う認証処理と、情報要求信号に基づき各情報をデータベースより抽出して出力する処理を表すフローチャートである。
【0050】
まず、S410にて、通知用コンピュータ32と外部電話端末8bの通話回線が接続された旨を知らせる、通知用コンピュータ32より送信された接続信号を受信したか否かを判断する。接続信号を受信したと判断すると、S415にて、認証処理及び情報を抽出する処理を行うシステムを起動し、S420にて、システムが起動した旨を知らせる起動信号を通知用コンピュータ32に送信する。
【0051】
次に、S425において、通知用コンピュータ32より送信されてきた認証信号を受信すると、続いてS430へ移行し、該認証信号、つまり外部電話端末8bより入力されたID、パスワード等の番号及び符号と、あらかじめ登録されているID、パスワード等とを照合して、問い合わせてきた者がシステムに登録された正規の者か否か、つまり認証の可否を判断する。認証ができないと判断すると、S440にて、外部電話端末8bとの接続を拒否する接続拒否信号を通知用コンピュータ32に送信し、当該処理を終了する。逆に認証がなされると、S450にて、認証したことを通知する認証通知信号を通知用コンピュータ32に送信する。
【0052】
次に、S460にて、通知用コンピュータ32より送信されてくる情報要求信号を基に、要求されている情報が確認できたかどうかを判断する。要求されている情報が確認できたと判断すると、続いて、S470にて、要求されている情報を各DB22、24、26より抽出する。
【0053】
また、通知用コンピュータ32より転送指令信号が送信されてきた場合は、特定の管理対象者に関してあらかじめ登録されている複数の転送先の情報を抽出する。
次に、S480にて、データを送信する連絡先を読み込み、続いてS490にて、抽出したデータを連絡先に対応したデータに変換する。すなわち電話端末8bに対応した音声信号又はファクシミリ装置8aに対応したファクシミリデータを生成して、続いてS500にて、生成したデータを通知用コンピュータ32へ出力する。
【0054】
そして、S510へ移行して、通知用コンピュータ32より送信されてくる信号をもとに、要求される情報の追加があるかどうかを判断し、要求される情報の追加があると判断すると、再度S460の、要求された情報が確認できたかどうかを判断するステップへ移行する。逆に要求される情報の追加がないと判断すると、S520へ移行して、通知用コンピュータ32が外部電話端末8bとの通話回線を切断した旨を示す、通知用コンピュータ32より送信された切断信号を受信したかどうかを判断する。該切断信号を受信していないと判断すると、再びS510にて、要求される情報の追加があるかどうかを判断し、逆に切断信号を受信したと判断すると、そのまま当該処理を終了する。
【0055】
以上説明したように、本実施形態の出退管理システムにおいては、管理対象者の出退情報をパソコン、PDA,携帯電話、PHS等を用いて電子メールで受信できるのみでなく、複数のモデム34を介して、公衆電話網4上の外部電話端末8bから管理センタ20内の通知用コンピュータ32に電話を掛けることで通話回線を接続し、外部電話端末8bの操作により管理対象者の出退情報を要求することができるようにされている。
【0056】
このため、本実施形態の出退管理システムによれば、電子メールを利用することができないような場合であっても、電話端末8b又はファクシミリ装置8aを利用することで容易に管理対象者の出退情報を取得できる。
【0057】
また、本発明の実施形態においては、外部電話端末8bを用いて管理対象者の出退情報を要求した際に、その情報の出力先をファクシミリに指定し、文書形式で情報を取得することができるようにされている。
【0058】
このため、本実施形態の出退管理システムによれば、例えば耳の不自由な人でも文書形式で確実に情報を取得でき安心であるので、利用者へのサービス向上を図ることができる。
【0059】
また更に、本実施形態の出退管理システムにおいては、外部電話端末8bの操作によりあらかじめ登録してある複数の転送先から選択して、又は直接電話番号を入力して指定した転送先に通話を転送できるようにされている。
【0060】
このため、例えば管理対象者が実際には登校したのに出退情報が「欠席」となっている場合や、出退情報が「帰宅」となっているのに実際には帰宅していない場合等の、いわば異常時や緊急時に対応して、関係箇所に速やかに連絡をとることができるようにすることで事故を未然に防止することができる。
【0061】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術範囲内において種々の形態を採ることができる。
例えば、上記実施形態では、塾若しくは学校における生徒の出退管理について説明したが、生徒に限らず先生の出退管理についても同様に行うことができるし、また、企業や病院等で従業員若しくは職員の出退管理を行う場合でも本発明を適用すれば、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0062】
また、上記実施形態では、外部電話端末からの問い合わせに対して出退情報を送信する構成となっているが、出退履歴が更新された際に、指定された連絡先に自動で出退情報を送信するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】実施形態の出退管理システム全体の構成を表す概略構成図である。
【図2】データベースに登録された個人情報、出退情報、連絡情報を説明する説明図である。
【図3】通知用コンピュータ32にて実行される情報送信処理を表すフローチャートである。
【図4】管理用コンピュータ30にて実行される認証処理及び情報送信処理を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
2…IDタグ、3…インターネット、4…公衆電話網、6a…携帯電話、6b…携帯情報端末、6c…インターネット端末、8a…ファクシミリ装置、8b…電話端末、10…管理対象施設、12…タグリーダ、14…通信端末、16…管理端末、20…管理センタ、22…個人情報データベース、24…出退情報データベース、26…連絡情報データベース、30…管理用コンピュータ、32…通知用コンピュータ、34…モデム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の管理対象者が各々所持し且つ各管理対象者の識別情報が記憶されたIDタグを介して、各管理対象者の管理対象施設への出退記録を管理する出退管理システムであって、
前記施設の出入り口に配置され、前記IDタグから管理対象者の識別情報を読み取るタグリーダと、
前記各管理対象者毎に前記施設への出退状況を記憶するための出退状況記憶手段と、
前記タグリーダにて読み取られた識別情報に基づき、該識別情報に対応した特定の管理対象者の前記施設への出退を検知し、該検知結果を該管理対象者の出退履歴として前記出退状況記憶手段に登録する出退履歴登録手段と、
公衆電話網を通して外部電話端末との間で通信を行うための通信手段と、
前記外部電話端末から前記通信手段を介して、特定の管理対象者の出退情報を要求する出退情報要求信号を受信すると、該出退情報要求信号に対応した特定の管理対象者の出退情報を前記出退状況記憶手段より抽出し、該抽出した出退情報を音声信号に変換して前記通信手段から前期外部電話端末へ送信させる情報通知手段と、
を備えたことを特徴とする出退管理システム。
【請求項2】
外部電話端末からの要求に対応して送信すべき連絡情報を記憶する連絡情報記憶手段を備え、
前記情報通知手段は、前記通信手段を介して外部電話端末から特定の管理対象者に対する連絡情報を要求する連絡情報要求信号を受信すると、該連絡情報要求信号に対応した特定の管理対象者に対する連絡情報を前記連絡情報記憶手段より抽出し、該抽出した連絡情報を音声信号に変換して、前記通信手段から前期外部電話端末へ送信させることを特徴とする請求項1に記載の出退管理システム。
【請求項3】
前記情報通知手段は、前記外部電話端末から情報を要求してきた者がシステムに登録された正規の者か否かを判断し、正規の者である場合に、前記外部電話端末からの情報要求信号に対応した情報を前記情報記憶手段より抽出して、該抽出した情報を音声信号に変換して前記通信手段から前期外部電話端末へ送信させ、前記情報を要求してきた者が正規の者でない場合には、前記情報要求信号の受信を禁止することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の出退管理システム。
【請求項4】
前記情報通知手段は、前記通信手段を介して受信した情報要求信号が、情報をファクシミリデータ形式で要求する信号である場合には、前記記憶手段から抽出した情報をファクシミリデータ形式に変換して、前記通信手段から該ファクシミリデータの送信先となる外部電話端末へ送信させることを特徴とする請求項1〜請求項3何れかに記載の出退管理システム。
【請求項5】
前記情報通知手段が前記通信手段を介して情報を送信した後、前記情報要求信号を送信してきた外部電話端末から前記通信手段を介して他の外部電話端末への通話転送を要求する転送指令を受けると、該転送指令に従い他の外部電話端末へ通話回線を繋ぐと共に通話を維持させる中継手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項4何れかに記載の出退管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−92196(P2006−92196A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−275916(P2004−275916)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(399031827)エイディシーテクノロジー株式会社 (163)
【Fターム(参考)】