分光器
【課題】 信頼性を維持しつつ小型化を図ることができる分光器を提供する。
【解決手段】 分光器1は、導光部7が設けられたキャップ4と、ステム5と、を有するパッケージ2と、パッケージ2内においてステム5に支持された支持部材29と、支持部材29に支持された基板11と、基板11に搭載された光検出素子12と、基板11とステム5との間に配置され、導光部7から入射した光を分光すると共に光検出素子12に反射する分光部13と、を備える。
【解決手段】 分光器1は、導光部7が設けられたキャップ4と、ステム5と、を有するパッケージ2と、パッケージ2内においてステム5に支持された支持部材29と、支持部材29に支持された基板11と、基板11に搭載された光検出素子12と、基板11とステム5との間に配置され、導光部7から入射した光を分光すると共に光検出素子12に反射する分光部13と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージ内に分光モジュールが収容されてなる分光器に関する。
【背景技術】
【0002】
分光器は、測定対象となる光をプリズムや回折格子等の分光部で各スペクトル成分に分解する光学装置である(例えば、特許文献1参照)。このような分光器によれば、分光部で分光された光のスペクトル成分を光検出素子により検出することで、光の波長分布や特定波長成分の強度等を知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−145794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、様々な分光測定装置や測定システムに対して適用される小型の分光器の開発が進められている。小型の分光器においては、光入射部、光検出素子、分光部等の各光学要素を高い位置精度で配置すると共に、パッケージをコンパクトにする必要がある。このような小型の分光器は、使用場所を問わずその場での光分析を可能にし、環境計測、果物等の糖度確認、プリンタ等の色補正等に使用することができる。そのため、使用環境によっては、分光器に振動や熱的負荷が加えられ、各光学要素の位置精度に影響を及ぼすことがある。したがって、特に小型の分光器には、様々な使用環境に対応するため高い信頼性が要求される。
【0005】
上記特許文献1には、各種光学素子が装着される光学ベンチと、この光学ベンチが収容される容器とを備える分光器が開示されている。この分光器においては、光学ベンチは、光学素子が取り付けられる素子取付部と、容器に固定される容器固定部とを有し、素子取付部は、容器固定部に対して片持ちはりの構造で形成されている。
【0006】
このような上記特許文献1記載の分光器を小型化した場合、容器の内壁面と、収容される各種光学素子との間隔がより狭くなる。そして、素子取付部が容器固定部に対して片持ちはりの構造で形成されているために、分光器に振動や熱的負荷が加えられると、光学素子が容器の内壁面と接触し、場合によっては破損するおそれがある。
【0007】
そこで本発明では、このような事情に鑑みてなされたものであり、信頼性を維持しつつ小型化を図ることができる分光器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の分光器は、導光部が設けられたキャップと、ステムと、を有するパッケージと、パッケージ内においてステムに支持された支持部と、支持部に支持された基板と、基板に搭載された光検出素子と、基板とステムとの間に配置され、導光部から入射した光を分光すると共に光検出素子に反射する分光部と、を備える。
【0009】
また、基板には、導光部から分光部に光を入射させる光入射部が設けられていてもよい。また、光検出素子は、半導体基板を有し、半導体基板には、導光部から分光部に光を入射させる光入射部が設けられていてもよい。また、キャップとステムとは、気密に接合されていてもよい。また、導光部は、キャップに設けられた開口部を覆う入射窓であってもよい。また、分光器は、支持部の外側且つキャップの内側の領域においてステムを貫通し、光検出素子と電気的に接続されたリードピンを更に備えてもよい。また、リードピンは、ステムの互いに対向する一対の側縁部のそれぞれに複数配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、信頼性を維持しつつ、分光器の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態の係る分光器の断面図である。
【図2】図1に示した分光器の分解斜視図である。
【図3】図1に示した分光モジュールの断面図である。
【図4】図3に示した光検出素子の斜視図である。
【図5】他の第1実施形態に係る分光器の分解斜視図である。
【図6】更に他の第1実施形態に係る分光器の分解斜視図である。
【図7】更に他の第1実施形態に係る分光器の断面図である。
【図8】更に他の第1実施形態に係る分光器の断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る分光器の断面図である。
【図10】図9に示した分光器の分解斜視図である。
【図11】図9に示した分光モジュールの断面図である。
【図12】図11に示した光検出素子の斜視図である。
【図13】他の第2実施形態に係る分光器の断面図である。
【図14】更に他の第2実施形態に係る分光器の断面図である。
【図15】更に他の第2実施形態に係る分光器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の知見は、例示のみのために示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解することができる。引き続いて、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
【0013】
図1及び図2に示されるように、本発明の第1実施形態に係る分光器1は、パッケージ2内に収容された分光モジュール3により、外部からパッケージ2内に入射した対象光を分光し、その分光された光のスペクトルを検出して出力するための装置である。
【0014】
パッケージ2は、一端が開口された直方体箱状の金属製のキャップ4と、周縁部に段差部が設けられた矩形板状の金属製のステム5とを含む、いわゆるCANパッケージの構成を有している。キャップ4は、開口端から外側に向かって突出するフランジ4aを有し、このフランジ4aとステム5の段差部とが溶接により接合され、開口部分が塞がれている。このため、パッケージ2は、気密なパッケージとすることができ、分光器1の信頼性を高めることができる。キャップ4の上壁4bには、円形状に開口したキャップ開口部4cが形成され、このキャップ開口部4cを覆うように中空のコネクタ6が設けられている。このコネクタ6の中空部分には、光ファイバ7(導光部)が挿入されている。なお、図2においては、コネクタ6及び光ファイバ7は省略されている。この光ファイバ7は、対象光をパッケージ2内に導入するために、キャップ開口部4cからパッケージ2内に延びている。ステム5の互いに対向する一対の側縁部に、複数のリードピン9が、電気的に絶縁性を有する低融点ガラス8を介して固定されることで、パッケージ2はハーメティックシール(気密シール)とされている。このリードピン9は、銅線等の導電性材料からなり、その一端部はパッケージ2の内部に延び、他端部はパッケージ2の外部に導出されている。
【0015】
図3に示されるように、分光モジュール3は、ガラス又は樹脂材料からなる矩形状の基板(本体部)11を有している。この基板11は、分光対象となる所定範囲内の対象光Lを通過させ、後述する光検出素子12及び分光部13を保持するものである。この基板11においてキャップ4の上壁4bに対向する上面11a上の略中央部には、光を検出するための光検出素子12が設けられている。
【0016】
図4に示されるように、光検出素子12は、例えばシリコン(Si)等の半導体材料からなる半導体基板14を有している。この半導体基板14の上面14a上には、複数のフォトダイオード15を有するフォトダイオードアレイ16が所定の配列で形成されている。このフォトダイオードアレイ16は、分光された光のスペクトル成分の検出に用いられるものである。なお、光検出素子12はフォトダイオードアレイに限られたものではなく、CCDイメージセンサやC‐MOSイメージセンサ等であってもよい。
【0017】
また、半導体基板14には、上面14aから下面へと貫通する矩形スリット状の開口部17が形成されている。この開口部17は、本光検出素子12を基板11に搭載し分光器に適用した場合に、フォトダイオード15で検出する対象光を基板11に入射させるための光入射部として用いられるものである。これは、フォトダイオードアレイ16に対して所定の位置関係で、あらかじめ位置決めされて設けられている。なお、光入射部(開口部)17は、半導体基板14とは別体で基板11の上面11a上に形成してもよい。
【0018】
更に、上面14aには、電子回路部18が設けられている。この電子回路部18には、各フォトダイオード15へのバイアス電圧の印加及び信号処理に必要な配線や回路等が設けられている。また、上面14a上の左側及び右側の端部には、それぞれ電気信号の入出力等に用いられるバンプ用電極パッド19が設けられている。
【0019】
図3に戻って、基板11の上面11a上には、光検出素子12の入出力信号等を伝送するための基板配線21が複数形成されている。各基板配線21の一端は、光検出素子12を固定するためのAu等のバンプ22に接続され、他端は、上面11a上の周縁部に形成された外部入出力のための電極パッド23に接続されている。光検出素子12は、フォトダイオードアレイ16が形成された半導体基板14の上面14aと、基板11の上面11aとが対向するようにバンプ22によりバンプボンディングされ、基板11に搭載されている。また、バンプボンディングにより、基板11と光検出素子12との間に生じたギャップには、アンダーフィル材24が充填され、光学的なカップリングがなされている。
【0020】
また、基板11の下面11b(所定の面、上面11aと対向する面)において、光入射部17から入射する対象光Lの光路上となる所定の位置には、ガラス又は透光性樹脂等、光を透過する材料からなるグレーティング基体25が設けられている。このグレーティング基体25は、基板11の下面11b上又はその近傍の所定位置を中心とする基板11の外側に向かって突出した略半球状のレンズである。このグレーティング基体25は、基板11と別体で設けてもよいし、基板11の下面11b上に一定の曲率を有する曲面部分を形成することによって基板11と一体に設けてもよい。
【0021】
また、グレーティング基体25の表面には、分光部13が設けられている。この分光部13は、光入射部17から入射してグレーティング基体25を通過した対象光Lを分光するものである。本実施形態に係る分光部13は、グレーティング基体25上に設けられた樹脂材料からなる回折層27と、この回折層27の表面に設けられたアルミニウム等の金属反射膜からなる反射層28とから構成された反射型の凹面回折格子である。また、回折層27の表面、すなわち反射面は、グレーティング基体25の曲面(表面)の曲率半径と略同一の曲率半径を有し、光の分散方向がフォトダイオードアレイ16でのフォトダイオード15の配列方向と一致するように調整され形成されている。本実施形態においては、回折層27が樹脂材料からなることから、所定の形状に成形することが容易となる。また、支持部材29により、パッケージ2の内壁面、すなわちステム5と分光部13とが離間していることから、キャップ4及びステム5の溶接時の熱が分光部13に伝熱しにくいので、熱に対して不具合の生じやすい樹脂材料からなる回折層27を保護することができる。
【0022】
図1及び図2に戻って、上述した分光モジュール3は、パッケージ2内において、分光部13を包囲するように矩形環状の支持部材29を介して支持され、ステム5に固定されている。支持部材29は、分光モジュール3における基板11の上面11a上に形成された電極パッド23の位置に対向する下面11bの位置で、基板11に接合されている。このため、電極パッド23とリードピン9とをワイヤボンディングによって接続する際に、支持部材29が基台の役割をはたすので、分光モジュール3の破損等を防止することができる。また、この支持部材29は、その高さが基板11から外側に突出した分光部13(反射層28)の高さよりも高いものが用いられ、ステム5と分光部13とが離間するように配置されている。更に、矩形環状の支持部材29の内部に分光部13が密閉されるように配置されている。これにより、分光部13がステム5に接触するのを確実に防止することができると共に、分光部13を迷光から遮光することができる。
【0023】
また、支持部材29により固定された分光モジュール3は、その光入射部17が導光部である光ファイバ7の端部に対向する位置に調整され配置されている。更に、パッケージ2内に導入された光ファイバ7の端部が、分光モジュール3の光入射部17に当接されるように挿入されている。このため、導光部を構成する光ファイバ7の位置決めが容易となり、光ファイバ7から光入射部17に確実に光を入射させることができる。
【0024】
また、基板11の上面11aに形成された電極パッド23と、ステム5のリードピン9とが、ワイヤ31によりワイヤボンディングされて電気的に接続されている。
【0025】
以上の構成を有する分光器1において、光ファイバ7から導入され、光検出素子12の半導体基板14に設けられた光入射部17から入射した対象光Lは、基板11の下面11bに到達し、グレーティング基体25を通過して分光部13へと入射する。
【0026】
入射した光は、分光部13の反射層28によって反射されると同時にその波長によって各スペクトル成分へと分解され、グレーティング基体25を介して基板11の上面11aに向けて出射される。そして、分光された光のスペクトル成分は、上面11a上に設けられたフォトダイオードアレイ16へと集束されつつ入射し、それぞれ対応するフォトダイオード15によって検出される。
【0027】
以上のように、本実施形態に係る分光器1によれば、分光モジュール3が、基板11の下面11bに設けられた分光部13がステム5から離間した状態で下面11bにおいて支持部材29によって支持されているので、分光器1を小型化しても、分光部13がステム5に接触するのを防止することができる。したがって、分光器1の信頼性を維持しつつ小型化を図ることができる。
【0028】
次に、他の第1実施形態に係る分光器について説明する。
【0029】
図5及び6に示されるように、上記第1実施形態に係る分光器において、支持部材29の形状を他の形状に代えることができる。
【0030】
図5に示されるように、他の第1実施形態に係る分光器1aは、上記第1実施形態の矩形環状の支持部材29に代えて、一対の棒状の支持部材29aが分光部13を挟んで対向する位置に設けられている。この棒状の支持部材29aは、基板11側においては、基板11の上面11a上に設けられた複数の電極パッド23の配列方向に沿って、電極パッド23に対向する下面11bの位置に接合されている。また、支持部材29aは、その高さが基板11から外側に突出した分光部13(反射層28)の高さよりも高いものが用いられ、ステム5と分光部13とが離間するように配置されている。
【0031】
この他の第1実施形態に係る分光器1aによれば、棒状の支持部材29aが分光部13を挟んで対向するように一対配置されているので、分光部13がステム5に接触するのをより確実に防止することができる。
【0032】
また、図6に示されるように、更に他の第1実施形態に係る分光器1bは、上記第1実施形態の矩形環状の支持部材29に代えて、2対の柱状の支持部材29bが分光部13を挟んで対向する位置に設けられている。具体的には、この柱状の支持部材29bは、矩形状の基板11の四つ角部に対応する位置に配置され、基板11の上面11a上に設けられた電極パッド23に対向する下面11bの位置で接合されている。また、支持部材29bは、その高さが基板11から外側に突出した分光部13(反射層28)の高さよりも高いものが用いられ、ステム5と分光部13とが離間するように配置されている。
【0033】
この他の第1実施形態に係る分光器1bによれば、柱状の支持部材29bが分光部13を挟んで対向するように2対配置されているので、分光部13がステム5に接触するのをより確実に防止することができる。
【0034】
また、図7及び図8に示されるように、上記第1実施形態に係る分光器において、導光部の構成を他の構成に代えることができる。
【0035】
図7に示されるように、更に他の第1実施形態に係る分光器1cは、上記第1実施形態の光ファイバ7に代えて、キャップ4のキャップ開口部4cを内側から覆うように入射窓7aが設けられている。この入射窓7aの材質は、対象光を透過することができれば特に制限されない。例えば、石英、硼珪酸ガラス(BK7)、パイレックス(登録商標)ガラス、コバール等を用いることができる。また、この入射窓7aには必要に応じてAR(Anti Reflection)コートを施してもよい。
【0036】
この他の第1実施形態に係る分光器1cによれば、入射窓7aと分光モジュール3の光入射部17との距離を正確に規定することができる。
【0037】
また、図8に示されるように、更に他の第1実施形態に係る分光器1dは、上記第1実施形態の光ファイバ7に加えて、キャップ4のキャップ開口部4cにボールレンズ7bが設けられている。光ファイバ7は、パッケージ2の内部に延びることなく、ボールレンズ7bの上部付近まで延びるように、コネクタ6内の中空部に挿入されている。なお、本実施形態において、光ファイバ7及びコネクタ6を省略し、ボールレンズ7bのみを導光部とした構成としてもよい。
【0038】
また、パッケージについても、上記実施形態で示したCANパッケージの構成以外にも様々な構成のものを用いてもよい。例えば、リードピンをパッケージの側面側に設けたバタフライパッケージ又はセラミックパッケージの構成を用いることもできる。
[第2実施形態]
【0039】
図9及び図10に示されるように、本発明の第2実施形態に係る分光器1は、パッケージ2内に収容された分光モジュール3により、外部からパッケージ2内に入射した対象光を分光し、その分光された光のスペクトルを検出して出力するための装置である。
【0040】
パッケージ2は、一端が開口された直方体箱状の金属製のキャップ4と、周縁部に段差部が設けられた矩形板状の金属製のステム5とを含む、いわゆるCANパッケージの構成を有している。キャップ4は、開口端から外側に向かって突出するフランジ4aを有し、このフランジ4aとステム5の段差部とが溶接により接合され、開口部分が塞がれている。このため、パッケージ2は、気密なパッケージとすることができ、分光器1の信頼性を高めることができる。キャップ4の上壁4bには、円形状に開口したキャップ開口部4cが形成され、このキャップ開口部4cを覆うように中空のコネクタ6が設けられている。このコネクタ6の中空部分には、光ファイバ7(導光部)が挿入されている。なお、図10においては、コネクタ6及び光ファイバ7は省略されている。この光ファイバ7は、対象光をパッケージ2内に導入するために、キャップ開口部4cからパッケージ2内に延びている。ステム5の互いに対向する一対の側縁部に、複数のリードピン9が、電気的に絶縁性を有する低融点ガラス8を介して固定されることで、パッケージ2はハーメティックシール(気密シール)とされている。このリードピン9は、銅線等の導電性材料からなり、その一端部はパッケージ2の内部に延び、他端部はパッケージ2の外部に導出されている。
【0041】
図11に示されるように、分光モジュール3は、ガラス又は樹脂材料からなる矩形状の基板(本体部)11を有している。この基板11は、分光対象となる所定範囲内の対象光Lを通過させ、後述する光検出素子12及び分光部13を保持するものである。この基板11においてキャップ4の上壁4bに対向する上面11a上の略中央部には、光を検出するための光検出素子12が設けられている。
【0042】
図12に示されるように、光検出素子12は、例えばシリコン(Si)等の半導体材料からなる半導体基板14を有している。この半導体基板14の上面14a上には、複数のフォトダイオード15を有するフォトダイオードアレイ16が所定の配列で形成されている。このフォトダイオードアレイ16は、分光された光のスペクトル成分の検出に用いられるものである。
【0043】
また、半導体基板14には、上面14aから下面へと貫通する矩形スリット状の開口部17が形成されている。この開口部17は、本光検出素子12を基板11に搭載し分光器に適用した場合に、フォトダイオード15で検出する対象光を基板11に入射させるための光入射部として用いられるものである。これは、フォトダイオードアレイ16に対して所定の位置関係で、あらかじめ位置決めされて設けられている。なお、光入射部(開口部)17は、半導体基板14とは別体で基板11の上面11a上に形成してもよい。
【0044】
更に、上面14aには、電子回路部18が設けられている。この電子回路部18には、各フォトダイオード15へのバイアス電圧の印加及び信号処理に必要な配線や回路等が設けられている。また、上面14a上の左側及び右側の端部には、それぞれ電気信号の入出力等に用いられるバンプ用電極パッド19が設けられている。
【0045】
図11に戻って、基板11の上面11a上には、光検出素子12の入出力信号等を伝送するための基板配線21が複数形成されている。各基板配線21の一端は、光検出素子12を固定するためのAu等のバンプ22に接続され、他端は、上面11a上の周縁部に形成された外部入出力のための電極パッド23に接続されている。光検出素子12は、フォトダイオードアレイ16が形成された半導体基板14の上面14aと、基板11の上面11aとが対向するようにバンプ22によりバンプボンディングされ、基板11に搭載されている。また、バンプボンディングにより、基板11と光検出素子12との間に生じたギャップには、アンダーフィル材24が充填され、光学的なカップリングがなされている。
【0046】
また、基板11の下面11b(所定の面、上面11aと対向する面)において、光入射部17から入射する対象光Lの光路上となる所定の位置には、ガラス又は透光性樹脂等、光を透過する材料からなるグレーティング基体25が設けられている。このグレーティング基体25は、基板11の下面11b上又はその近傍の所定位置を中心とする基板11の外側に向かって突出した略半球状のレンズである。このグレーティング基体25は、基板11と別体で設けてもよいし、基板11の下面11b上に一定の曲率を有する曲面部分を形成することによって基板11と一体に設けてもよい。
【0047】
また、グレーティング基体25の表面には、分光部13が設けられている。この分光部13は、光入射部17から入射してグレーティング基体25を通過した対象光Lを分光するものである。本実施形態に係る分光部13は、グレーティング基体25上に設けられた樹脂材料からなる回折層27と、この回折層27の表面に設けられたアルミニウム等の金属反射膜からなる反射層28とから構成された反射型の凹面回折格子である。また、回折層27の表面、すなわち反射面は、グレーティング基体25の曲面(表面)の曲率半径と略同一の曲率半径を有し、光の分散方向がフォトダイオードアレイ16でのフォトダイオード15の配列方向と一致するように調整され形成されている。本実施形態においては、回折層27が樹脂材料からなることから、所定の形状に成形することが容易となる。また、支持部材29により、パッケージ2の内壁面、すなわちステム5と分光部13とが離間していることから、キャップ4及びステム5の溶接時の熱が分光部13に伝熱しにくいので、熱に対して不具合の生じやすい樹脂材料からなる回折層27を保護することができる。
【0048】
図9及び図10に戻って、上述した分光モジュール3は、パッケージ2内において、分光部13を包囲するように矩形環状の支持部材29(環状部40)を介して支持され、ステム5に固定されている。支持部材29は、分光モジュール3における基板11の上面11a上に形成された電極パッド23の位置に対向する下面11bの位置で、基板11に接合されている。このため、電極パッド23とリードピン9とをワイヤボンディングによって接続する際に、支持部材29が基台の役割をはたすので、分光モジュール3の破損等を防止することができる。また、この支持部材29は、その高さが基板11から外側に突出した分光部13(反射層28)の高さよりも高いものが用いられ、ステム5と分光部13とが離間するように配置されている。これにより、分光器1に振動や熱的負荷が加えられても、分光部13がステム5に接触するのを防止することができる。したがって、分光器1の信頼性を維持しつつ小型化を図ることができる。
【0049】
更に、矩形環状の支持部材29の内部に分光部13が密閉されるように配置され、環状部40の内部に形成された空間全体にわたって、光吸収部41が充填されている。光吸収材料としては、例えば、シリコーン系、エポキシ系、ウレタン系、アクリル系、ポリイミド系等の樹脂に、黒色フィラー等の光を吸収する粒子等を混合した複合材料を用いることができる。これら光吸収材料は、固体状であっても液状であってもよい。光吸収部41は、ステム5に支持部材29を実装した後に、支持部材29内に光吸収材料を充填し、支持部材29上に分光モジュール3を実装することにより形成することができる。
【0050】
また、支持部材29により固定された分光モジュール3は、その光入射部17が導光部である光ファイバ7の端部に対向する位置に調整され配置されている。更に、パッケージ2内に導入された光ファイバ7の端部が、分光モジュール3の光入射部17に当接されるように挿入されている。このため、導光部を構成する光ファイバ7の位置決めが容易となり、光ファイバ7から光入射部17に確実に光を入射させることができる。
【0051】
また、基板11の上面11aに形成された電極パッド23と、ステム5のリードピン9とが、ワイヤ31によりワイヤボンディングされて電気的に接続されている。
【0052】
以上の構成を有する分光器1において、光ファイバ7から導入され、光検出素子12の半導体基板14に設けられた光入射部17から入射した対象光Lは、基板11の下面11bに到達し、グレーティング基体25を通過して分光部13へと入射する。
【0053】
入射した光は、分光部13の反射層28によって反射されると同時にその波長によって各スペクトル成分へと分解され、グレーティング基体25を介して基板11の上面11aに向けて出射される。そして、分光された光のスペクトル成分は、上面11a上に設けられたフォトダイオードアレイ16へと集束されつつ入射し、それぞれ対応するフォトダイオード15によって検出される。
【0054】
以上のように、本実施形態に係る分光器1によれば、分光モジュール3を支持する支持部材29が分光部13を包囲する環状部40を有し、この環状部40内に形成された空間に光吸収部41が充填されているので、外部から分光部13へ侵入する迷光を確実に遮光すると共に、分光部13内で発生する迷光を確実に吸収することができる。このため、これら迷光をノイズとして検出することがない。したがって、分光器1の信頼性、特に正確な分光特性を維持しつつ小型化を図ることができる。
【0055】
次に、他の第2実施形態に係る分光器について説明する。
【0056】
図13に示されるように、上記第2実施形態に係る分光器において、支持部材29の形状を他の形状に代えることができる。
【0057】
図13に示されるように、他の第2実施形態に係る分光器1aは、上記第2実施形態の矩形環状の支持部材29に代えて、一面が開口した箱状の支持部材43が設けられている。この支持部材43は、矩形環状の側壁(環状部)43aと、この側壁43aのステム5側の一端を塞ぐように形成された矩形の下壁(板状部)43bとを有している。基板11側において、支持部材43は、開口した端部が、分光モジュール3における基板11の上面11a上に形成された電極パッド23の位置に対向する下面11bの位置に沿うように、基板11に接合されている。一方、ステム5側においては、下壁43bの外面が、ステム5に接合されている。
【0058】
この他の第2実施形態に係る分光器1aによれば、支持部材43が側壁43aのステム5側の一端を覆うように形成された矩形の下壁43bを有しているので、支持部材43をパッケージ2内に固定する際に、予め側壁43a内に形成される空間に光吸収部41となる光吸収材料を充填することができる。したがって、光吸収部41が形成された分光器1aを容易に製造することができる。
【0059】
また、図14及び図15に示されるように、上記第2実施形態に係る分光器において、導光部の構成を他の構成に代えることができる。
【0060】
図14に示されるように、更に他の第2実施形態に係る分光器1bは、上記第2実施形態の光ファイバ7に代えて、キャップ4のキャップ開口部4cを内側から覆うように入射窓7aが設けられている。この入射窓7aの材質は、対象光を透過することができれば特に制限されない。例えば、石英、硼珪酸ガラス(BK7)、パイレックス(登録商標)ガラス、コバール等を用いることができる。また、この入射窓7aには必要に応じてAR(Anti Reflection)コートを施してもよい。
【0061】
この他の第2実施形態に係る分光器1bによれば、入射窓7aと分光モジュール3の光入射部17との距離を正確に規定することができる。
【0062】
また、図15に示されるように、更に他の第2実施形態に係る分光器1cは、上記第2実施形態の光ファイバ7に加えて、キャップ4のキャップ開口部4cにボールレンズ7bが設けられている。光ファイバ7は、パッケージ2の内部に延びることなく、ボールレンズ7bの上部付近まで延びるように、コネクタ6内の中空部に挿入されている。なお、本実施形態において、光ファイバ7及びコネクタ6を省略し、ボールレンズ7bのみを導光部とした構成としてもよい。なお、レンズを透過した光の集光位置は、好適には光入射部17であり、レンズはボール形状に限ったものではなく、凹面、凸面、シリンドリカル、フレネル、アクロマティックレンズ等であってもよい。
【0063】
また、パッケージについても、上記実施形態で示したCANパッケージの構成以外にも様々な構成のものを用いてもよい。例えば、リードピンをパッケージの側面側に設けたバタフライパッケージ又はセラミックパッケージの構成を用いることもできる。
【符号の説明】
【0064】
1…分光器、2…パッケージ、4…キャップ、5…ステム、7…光ファイバ(導光部)、9…リードピン、11…基板、12…光検出素子、13…分光部、17…光入射部(開口部)、29,43…支持部材。
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージ内に分光モジュールが収容されてなる分光器に関する。
【背景技術】
【0002】
分光器は、測定対象となる光をプリズムや回折格子等の分光部で各スペクトル成分に分解する光学装置である(例えば、特許文献1参照)。このような分光器によれば、分光部で分光された光のスペクトル成分を光検出素子により検出することで、光の波長分布や特定波長成分の強度等を知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−145794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、様々な分光測定装置や測定システムに対して適用される小型の分光器の開発が進められている。小型の分光器においては、光入射部、光検出素子、分光部等の各光学要素を高い位置精度で配置すると共に、パッケージをコンパクトにする必要がある。このような小型の分光器は、使用場所を問わずその場での光分析を可能にし、環境計測、果物等の糖度確認、プリンタ等の色補正等に使用することができる。そのため、使用環境によっては、分光器に振動や熱的負荷が加えられ、各光学要素の位置精度に影響を及ぼすことがある。したがって、特に小型の分光器には、様々な使用環境に対応するため高い信頼性が要求される。
【0005】
上記特許文献1には、各種光学素子が装着される光学ベンチと、この光学ベンチが収容される容器とを備える分光器が開示されている。この分光器においては、光学ベンチは、光学素子が取り付けられる素子取付部と、容器に固定される容器固定部とを有し、素子取付部は、容器固定部に対して片持ちはりの構造で形成されている。
【0006】
このような上記特許文献1記載の分光器を小型化した場合、容器の内壁面と、収容される各種光学素子との間隔がより狭くなる。そして、素子取付部が容器固定部に対して片持ちはりの構造で形成されているために、分光器に振動や熱的負荷が加えられると、光学素子が容器の内壁面と接触し、場合によっては破損するおそれがある。
【0007】
そこで本発明では、このような事情に鑑みてなされたものであり、信頼性を維持しつつ小型化を図ることができる分光器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の分光器は、導光部が設けられたキャップと、ステムと、を有するパッケージと、パッケージ内においてステムに支持された支持部と、支持部に支持された基板と、基板に搭載された光検出素子と、基板とステムとの間に配置され、導光部から入射した光を分光すると共に光検出素子に反射する分光部と、を備える。
【0009】
また、基板には、導光部から分光部に光を入射させる光入射部が設けられていてもよい。また、光検出素子は、半導体基板を有し、半導体基板には、導光部から分光部に光を入射させる光入射部が設けられていてもよい。また、キャップとステムとは、気密に接合されていてもよい。また、導光部は、キャップに設けられた開口部を覆う入射窓であってもよい。また、分光器は、支持部の外側且つキャップの内側の領域においてステムを貫通し、光検出素子と電気的に接続されたリードピンを更に備えてもよい。また、リードピンは、ステムの互いに対向する一対の側縁部のそれぞれに複数配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、信頼性を維持しつつ、分光器の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態の係る分光器の断面図である。
【図2】図1に示した分光器の分解斜視図である。
【図3】図1に示した分光モジュールの断面図である。
【図4】図3に示した光検出素子の斜視図である。
【図5】他の第1実施形態に係る分光器の分解斜視図である。
【図6】更に他の第1実施形態に係る分光器の分解斜視図である。
【図7】更に他の第1実施形態に係る分光器の断面図である。
【図8】更に他の第1実施形態に係る分光器の断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る分光器の断面図である。
【図10】図9に示した分光器の分解斜視図である。
【図11】図9に示した分光モジュールの断面図である。
【図12】図11に示した光検出素子の斜視図である。
【図13】他の第2実施形態に係る分光器の断面図である。
【図14】更に他の第2実施形態に係る分光器の断面図である。
【図15】更に他の第2実施形態に係る分光器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の知見は、例示のみのために示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解することができる。引き続いて、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
【0013】
図1及び図2に示されるように、本発明の第1実施形態に係る分光器1は、パッケージ2内に収容された分光モジュール3により、外部からパッケージ2内に入射した対象光を分光し、その分光された光のスペクトルを検出して出力するための装置である。
【0014】
パッケージ2は、一端が開口された直方体箱状の金属製のキャップ4と、周縁部に段差部が設けられた矩形板状の金属製のステム5とを含む、いわゆるCANパッケージの構成を有している。キャップ4は、開口端から外側に向かって突出するフランジ4aを有し、このフランジ4aとステム5の段差部とが溶接により接合され、開口部分が塞がれている。このため、パッケージ2は、気密なパッケージとすることができ、分光器1の信頼性を高めることができる。キャップ4の上壁4bには、円形状に開口したキャップ開口部4cが形成され、このキャップ開口部4cを覆うように中空のコネクタ6が設けられている。このコネクタ6の中空部分には、光ファイバ7(導光部)が挿入されている。なお、図2においては、コネクタ6及び光ファイバ7は省略されている。この光ファイバ7は、対象光をパッケージ2内に導入するために、キャップ開口部4cからパッケージ2内に延びている。ステム5の互いに対向する一対の側縁部に、複数のリードピン9が、電気的に絶縁性を有する低融点ガラス8を介して固定されることで、パッケージ2はハーメティックシール(気密シール)とされている。このリードピン9は、銅線等の導電性材料からなり、その一端部はパッケージ2の内部に延び、他端部はパッケージ2の外部に導出されている。
【0015】
図3に示されるように、分光モジュール3は、ガラス又は樹脂材料からなる矩形状の基板(本体部)11を有している。この基板11は、分光対象となる所定範囲内の対象光Lを通過させ、後述する光検出素子12及び分光部13を保持するものである。この基板11においてキャップ4の上壁4bに対向する上面11a上の略中央部には、光を検出するための光検出素子12が設けられている。
【0016】
図4に示されるように、光検出素子12は、例えばシリコン(Si)等の半導体材料からなる半導体基板14を有している。この半導体基板14の上面14a上には、複数のフォトダイオード15を有するフォトダイオードアレイ16が所定の配列で形成されている。このフォトダイオードアレイ16は、分光された光のスペクトル成分の検出に用いられるものである。なお、光検出素子12はフォトダイオードアレイに限られたものではなく、CCDイメージセンサやC‐MOSイメージセンサ等であってもよい。
【0017】
また、半導体基板14には、上面14aから下面へと貫通する矩形スリット状の開口部17が形成されている。この開口部17は、本光検出素子12を基板11に搭載し分光器に適用した場合に、フォトダイオード15で検出する対象光を基板11に入射させるための光入射部として用いられるものである。これは、フォトダイオードアレイ16に対して所定の位置関係で、あらかじめ位置決めされて設けられている。なお、光入射部(開口部)17は、半導体基板14とは別体で基板11の上面11a上に形成してもよい。
【0018】
更に、上面14aには、電子回路部18が設けられている。この電子回路部18には、各フォトダイオード15へのバイアス電圧の印加及び信号処理に必要な配線や回路等が設けられている。また、上面14a上の左側及び右側の端部には、それぞれ電気信号の入出力等に用いられるバンプ用電極パッド19が設けられている。
【0019】
図3に戻って、基板11の上面11a上には、光検出素子12の入出力信号等を伝送するための基板配線21が複数形成されている。各基板配線21の一端は、光検出素子12を固定するためのAu等のバンプ22に接続され、他端は、上面11a上の周縁部に形成された外部入出力のための電極パッド23に接続されている。光検出素子12は、フォトダイオードアレイ16が形成された半導体基板14の上面14aと、基板11の上面11aとが対向するようにバンプ22によりバンプボンディングされ、基板11に搭載されている。また、バンプボンディングにより、基板11と光検出素子12との間に生じたギャップには、アンダーフィル材24が充填され、光学的なカップリングがなされている。
【0020】
また、基板11の下面11b(所定の面、上面11aと対向する面)において、光入射部17から入射する対象光Lの光路上となる所定の位置には、ガラス又は透光性樹脂等、光を透過する材料からなるグレーティング基体25が設けられている。このグレーティング基体25は、基板11の下面11b上又はその近傍の所定位置を中心とする基板11の外側に向かって突出した略半球状のレンズである。このグレーティング基体25は、基板11と別体で設けてもよいし、基板11の下面11b上に一定の曲率を有する曲面部分を形成することによって基板11と一体に設けてもよい。
【0021】
また、グレーティング基体25の表面には、分光部13が設けられている。この分光部13は、光入射部17から入射してグレーティング基体25を通過した対象光Lを分光するものである。本実施形態に係る分光部13は、グレーティング基体25上に設けられた樹脂材料からなる回折層27と、この回折層27の表面に設けられたアルミニウム等の金属反射膜からなる反射層28とから構成された反射型の凹面回折格子である。また、回折層27の表面、すなわち反射面は、グレーティング基体25の曲面(表面)の曲率半径と略同一の曲率半径を有し、光の分散方向がフォトダイオードアレイ16でのフォトダイオード15の配列方向と一致するように調整され形成されている。本実施形態においては、回折層27が樹脂材料からなることから、所定の形状に成形することが容易となる。また、支持部材29により、パッケージ2の内壁面、すなわちステム5と分光部13とが離間していることから、キャップ4及びステム5の溶接時の熱が分光部13に伝熱しにくいので、熱に対して不具合の生じやすい樹脂材料からなる回折層27を保護することができる。
【0022】
図1及び図2に戻って、上述した分光モジュール3は、パッケージ2内において、分光部13を包囲するように矩形環状の支持部材29を介して支持され、ステム5に固定されている。支持部材29は、分光モジュール3における基板11の上面11a上に形成された電極パッド23の位置に対向する下面11bの位置で、基板11に接合されている。このため、電極パッド23とリードピン9とをワイヤボンディングによって接続する際に、支持部材29が基台の役割をはたすので、分光モジュール3の破損等を防止することができる。また、この支持部材29は、その高さが基板11から外側に突出した分光部13(反射層28)の高さよりも高いものが用いられ、ステム5と分光部13とが離間するように配置されている。更に、矩形環状の支持部材29の内部に分光部13が密閉されるように配置されている。これにより、分光部13がステム5に接触するのを確実に防止することができると共に、分光部13を迷光から遮光することができる。
【0023】
また、支持部材29により固定された分光モジュール3は、その光入射部17が導光部である光ファイバ7の端部に対向する位置に調整され配置されている。更に、パッケージ2内に導入された光ファイバ7の端部が、分光モジュール3の光入射部17に当接されるように挿入されている。このため、導光部を構成する光ファイバ7の位置決めが容易となり、光ファイバ7から光入射部17に確実に光を入射させることができる。
【0024】
また、基板11の上面11aに形成された電極パッド23と、ステム5のリードピン9とが、ワイヤ31によりワイヤボンディングされて電気的に接続されている。
【0025】
以上の構成を有する分光器1において、光ファイバ7から導入され、光検出素子12の半導体基板14に設けられた光入射部17から入射した対象光Lは、基板11の下面11bに到達し、グレーティング基体25を通過して分光部13へと入射する。
【0026】
入射した光は、分光部13の反射層28によって反射されると同時にその波長によって各スペクトル成分へと分解され、グレーティング基体25を介して基板11の上面11aに向けて出射される。そして、分光された光のスペクトル成分は、上面11a上に設けられたフォトダイオードアレイ16へと集束されつつ入射し、それぞれ対応するフォトダイオード15によって検出される。
【0027】
以上のように、本実施形態に係る分光器1によれば、分光モジュール3が、基板11の下面11bに設けられた分光部13がステム5から離間した状態で下面11bにおいて支持部材29によって支持されているので、分光器1を小型化しても、分光部13がステム5に接触するのを防止することができる。したがって、分光器1の信頼性を維持しつつ小型化を図ることができる。
【0028】
次に、他の第1実施形態に係る分光器について説明する。
【0029】
図5及び6に示されるように、上記第1実施形態に係る分光器において、支持部材29の形状を他の形状に代えることができる。
【0030】
図5に示されるように、他の第1実施形態に係る分光器1aは、上記第1実施形態の矩形環状の支持部材29に代えて、一対の棒状の支持部材29aが分光部13を挟んで対向する位置に設けられている。この棒状の支持部材29aは、基板11側においては、基板11の上面11a上に設けられた複数の電極パッド23の配列方向に沿って、電極パッド23に対向する下面11bの位置に接合されている。また、支持部材29aは、その高さが基板11から外側に突出した分光部13(反射層28)の高さよりも高いものが用いられ、ステム5と分光部13とが離間するように配置されている。
【0031】
この他の第1実施形態に係る分光器1aによれば、棒状の支持部材29aが分光部13を挟んで対向するように一対配置されているので、分光部13がステム5に接触するのをより確実に防止することができる。
【0032】
また、図6に示されるように、更に他の第1実施形態に係る分光器1bは、上記第1実施形態の矩形環状の支持部材29に代えて、2対の柱状の支持部材29bが分光部13を挟んで対向する位置に設けられている。具体的には、この柱状の支持部材29bは、矩形状の基板11の四つ角部に対応する位置に配置され、基板11の上面11a上に設けられた電極パッド23に対向する下面11bの位置で接合されている。また、支持部材29bは、その高さが基板11から外側に突出した分光部13(反射層28)の高さよりも高いものが用いられ、ステム5と分光部13とが離間するように配置されている。
【0033】
この他の第1実施形態に係る分光器1bによれば、柱状の支持部材29bが分光部13を挟んで対向するように2対配置されているので、分光部13がステム5に接触するのをより確実に防止することができる。
【0034】
また、図7及び図8に示されるように、上記第1実施形態に係る分光器において、導光部の構成を他の構成に代えることができる。
【0035】
図7に示されるように、更に他の第1実施形態に係る分光器1cは、上記第1実施形態の光ファイバ7に代えて、キャップ4のキャップ開口部4cを内側から覆うように入射窓7aが設けられている。この入射窓7aの材質は、対象光を透過することができれば特に制限されない。例えば、石英、硼珪酸ガラス(BK7)、パイレックス(登録商標)ガラス、コバール等を用いることができる。また、この入射窓7aには必要に応じてAR(Anti Reflection)コートを施してもよい。
【0036】
この他の第1実施形態に係る分光器1cによれば、入射窓7aと分光モジュール3の光入射部17との距離を正確に規定することができる。
【0037】
また、図8に示されるように、更に他の第1実施形態に係る分光器1dは、上記第1実施形態の光ファイバ7に加えて、キャップ4のキャップ開口部4cにボールレンズ7bが設けられている。光ファイバ7は、パッケージ2の内部に延びることなく、ボールレンズ7bの上部付近まで延びるように、コネクタ6内の中空部に挿入されている。なお、本実施形態において、光ファイバ7及びコネクタ6を省略し、ボールレンズ7bのみを導光部とした構成としてもよい。
【0038】
また、パッケージについても、上記実施形態で示したCANパッケージの構成以外にも様々な構成のものを用いてもよい。例えば、リードピンをパッケージの側面側に設けたバタフライパッケージ又はセラミックパッケージの構成を用いることもできる。
[第2実施形態]
【0039】
図9及び図10に示されるように、本発明の第2実施形態に係る分光器1は、パッケージ2内に収容された分光モジュール3により、外部からパッケージ2内に入射した対象光を分光し、その分光された光のスペクトルを検出して出力するための装置である。
【0040】
パッケージ2は、一端が開口された直方体箱状の金属製のキャップ4と、周縁部に段差部が設けられた矩形板状の金属製のステム5とを含む、いわゆるCANパッケージの構成を有している。キャップ4は、開口端から外側に向かって突出するフランジ4aを有し、このフランジ4aとステム5の段差部とが溶接により接合され、開口部分が塞がれている。このため、パッケージ2は、気密なパッケージとすることができ、分光器1の信頼性を高めることができる。キャップ4の上壁4bには、円形状に開口したキャップ開口部4cが形成され、このキャップ開口部4cを覆うように中空のコネクタ6が設けられている。このコネクタ6の中空部分には、光ファイバ7(導光部)が挿入されている。なお、図10においては、コネクタ6及び光ファイバ7は省略されている。この光ファイバ7は、対象光をパッケージ2内に導入するために、キャップ開口部4cからパッケージ2内に延びている。ステム5の互いに対向する一対の側縁部に、複数のリードピン9が、電気的に絶縁性を有する低融点ガラス8を介して固定されることで、パッケージ2はハーメティックシール(気密シール)とされている。このリードピン9は、銅線等の導電性材料からなり、その一端部はパッケージ2の内部に延び、他端部はパッケージ2の外部に導出されている。
【0041】
図11に示されるように、分光モジュール3は、ガラス又は樹脂材料からなる矩形状の基板(本体部)11を有している。この基板11は、分光対象となる所定範囲内の対象光Lを通過させ、後述する光検出素子12及び分光部13を保持するものである。この基板11においてキャップ4の上壁4bに対向する上面11a上の略中央部には、光を検出するための光検出素子12が設けられている。
【0042】
図12に示されるように、光検出素子12は、例えばシリコン(Si)等の半導体材料からなる半導体基板14を有している。この半導体基板14の上面14a上には、複数のフォトダイオード15を有するフォトダイオードアレイ16が所定の配列で形成されている。このフォトダイオードアレイ16は、分光された光のスペクトル成分の検出に用いられるものである。
【0043】
また、半導体基板14には、上面14aから下面へと貫通する矩形スリット状の開口部17が形成されている。この開口部17は、本光検出素子12を基板11に搭載し分光器に適用した場合に、フォトダイオード15で検出する対象光を基板11に入射させるための光入射部として用いられるものである。これは、フォトダイオードアレイ16に対して所定の位置関係で、あらかじめ位置決めされて設けられている。なお、光入射部(開口部)17は、半導体基板14とは別体で基板11の上面11a上に形成してもよい。
【0044】
更に、上面14aには、電子回路部18が設けられている。この電子回路部18には、各フォトダイオード15へのバイアス電圧の印加及び信号処理に必要な配線や回路等が設けられている。また、上面14a上の左側及び右側の端部には、それぞれ電気信号の入出力等に用いられるバンプ用電極パッド19が設けられている。
【0045】
図11に戻って、基板11の上面11a上には、光検出素子12の入出力信号等を伝送するための基板配線21が複数形成されている。各基板配線21の一端は、光検出素子12を固定するためのAu等のバンプ22に接続され、他端は、上面11a上の周縁部に形成された外部入出力のための電極パッド23に接続されている。光検出素子12は、フォトダイオードアレイ16が形成された半導体基板14の上面14aと、基板11の上面11aとが対向するようにバンプ22によりバンプボンディングされ、基板11に搭載されている。また、バンプボンディングにより、基板11と光検出素子12との間に生じたギャップには、アンダーフィル材24が充填され、光学的なカップリングがなされている。
【0046】
また、基板11の下面11b(所定の面、上面11aと対向する面)において、光入射部17から入射する対象光Lの光路上となる所定の位置には、ガラス又は透光性樹脂等、光を透過する材料からなるグレーティング基体25が設けられている。このグレーティング基体25は、基板11の下面11b上又はその近傍の所定位置を中心とする基板11の外側に向かって突出した略半球状のレンズである。このグレーティング基体25は、基板11と別体で設けてもよいし、基板11の下面11b上に一定の曲率を有する曲面部分を形成することによって基板11と一体に設けてもよい。
【0047】
また、グレーティング基体25の表面には、分光部13が設けられている。この分光部13は、光入射部17から入射してグレーティング基体25を通過した対象光Lを分光するものである。本実施形態に係る分光部13は、グレーティング基体25上に設けられた樹脂材料からなる回折層27と、この回折層27の表面に設けられたアルミニウム等の金属反射膜からなる反射層28とから構成された反射型の凹面回折格子である。また、回折層27の表面、すなわち反射面は、グレーティング基体25の曲面(表面)の曲率半径と略同一の曲率半径を有し、光の分散方向がフォトダイオードアレイ16でのフォトダイオード15の配列方向と一致するように調整され形成されている。本実施形態においては、回折層27が樹脂材料からなることから、所定の形状に成形することが容易となる。また、支持部材29により、パッケージ2の内壁面、すなわちステム5と分光部13とが離間していることから、キャップ4及びステム5の溶接時の熱が分光部13に伝熱しにくいので、熱に対して不具合の生じやすい樹脂材料からなる回折層27を保護することができる。
【0048】
図9及び図10に戻って、上述した分光モジュール3は、パッケージ2内において、分光部13を包囲するように矩形環状の支持部材29(環状部40)を介して支持され、ステム5に固定されている。支持部材29は、分光モジュール3における基板11の上面11a上に形成された電極パッド23の位置に対向する下面11bの位置で、基板11に接合されている。このため、電極パッド23とリードピン9とをワイヤボンディングによって接続する際に、支持部材29が基台の役割をはたすので、分光モジュール3の破損等を防止することができる。また、この支持部材29は、その高さが基板11から外側に突出した分光部13(反射層28)の高さよりも高いものが用いられ、ステム5と分光部13とが離間するように配置されている。これにより、分光器1に振動や熱的負荷が加えられても、分光部13がステム5に接触するのを防止することができる。したがって、分光器1の信頼性を維持しつつ小型化を図ることができる。
【0049】
更に、矩形環状の支持部材29の内部に分光部13が密閉されるように配置され、環状部40の内部に形成された空間全体にわたって、光吸収部41が充填されている。光吸収材料としては、例えば、シリコーン系、エポキシ系、ウレタン系、アクリル系、ポリイミド系等の樹脂に、黒色フィラー等の光を吸収する粒子等を混合した複合材料を用いることができる。これら光吸収材料は、固体状であっても液状であってもよい。光吸収部41は、ステム5に支持部材29を実装した後に、支持部材29内に光吸収材料を充填し、支持部材29上に分光モジュール3を実装することにより形成することができる。
【0050】
また、支持部材29により固定された分光モジュール3は、その光入射部17が導光部である光ファイバ7の端部に対向する位置に調整され配置されている。更に、パッケージ2内に導入された光ファイバ7の端部が、分光モジュール3の光入射部17に当接されるように挿入されている。このため、導光部を構成する光ファイバ7の位置決めが容易となり、光ファイバ7から光入射部17に確実に光を入射させることができる。
【0051】
また、基板11の上面11aに形成された電極パッド23と、ステム5のリードピン9とが、ワイヤ31によりワイヤボンディングされて電気的に接続されている。
【0052】
以上の構成を有する分光器1において、光ファイバ7から導入され、光検出素子12の半導体基板14に設けられた光入射部17から入射した対象光Lは、基板11の下面11bに到達し、グレーティング基体25を通過して分光部13へと入射する。
【0053】
入射した光は、分光部13の反射層28によって反射されると同時にその波長によって各スペクトル成分へと分解され、グレーティング基体25を介して基板11の上面11aに向けて出射される。そして、分光された光のスペクトル成分は、上面11a上に設けられたフォトダイオードアレイ16へと集束されつつ入射し、それぞれ対応するフォトダイオード15によって検出される。
【0054】
以上のように、本実施形態に係る分光器1によれば、分光モジュール3を支持する支持部材29が分光部13を包囲する環状部40を有し、この環状部40内に形成された空間に光吸収部41が充填されているので、外部から分光部13へ侵入する迷光を確実に遮光すると共に、分光部13内で発生する迷光を確実に吸収することができる。このため、これら迷光をノイズとして検出することがない。したがって、分光器1の信頼性、特に正確な分光特性を維持しつつ小型化を図ることができる。
【0055】
次に、他の第2実施形態に係る分光器について説明する。
【0056】
図13に示されるように、上記第2実施形態に係る分光器において、支持部材29の形状を他の形状に代えることができる。
【0057】
図13に示されるように、他の第2実施形態に係る分光器1aは、上記第2実施形態の矩形環状の支持部材29に代えて、一面が開口した箱状の支持部材43が設けられている。この支持部材43は、矩形環状の側壁(環状部)43aと、この側壁43aのステム5側の一端を塞ぐように形成された矩形の下壁(板状部)43bとを有している。基板11側において、支持部材43は、開口した端部が、分光モジュール3における基板11の上面11a上に形成された電極パッド23の位置に対向する下面11bの位置に沿うように、基板11に接合されている。一方、ステム5側においては、下壁43bの外面が、ステム5に接合されている。
【0058】
この他の第2実施形態に係る分光器1aによれば、支持部材43が側壁43aのステム5側の一端を覆うように形成された矩形の下壁43bを有しているので、支持部材43をパッケージ2内に固定する際に、予め側壁43a内に形成される空間に光吸収部41となる光吸収材料を充填することができる。したがって、光吸収部41が形成された分光器1aを容易に製造することができる。
【0059】
また、図14及び図15に示されるように、上記第2実施形態に係る分光器において、導光部の構成を他の構成に代えることができる。
【0060】
図14に示されるように、更に他の第2実施形態に係る分光器1bは、上記第2実施形態の光ファイバ7に代えて、キャップ4のキャップ開口部4cを内側から覆うように入射窓7aが設けられている。この入射窓7aの材質は、対象光を透過することができれば特に制限されない。例えば、石英、硼珪酸ガラス(BK7)、パイレックス(登録商標)ガラス、コバール等を用いることができる。また、この入射窓7aには必要に応じてAR(Anti Reflection)コートを施してもよい。
【0061】
この他の第2実施形態に係る分光器1bによれば、入射窓7aと分光モジュール3の光入射部17との距離を正確に規定することができる。
【0062】
また、図15に示されるように、更に他の第2実施形態に係る分光器1cは、上記第2実施形態の光ファイバ7に加えて、キャップ4のキャップ開口部4cにボールレンズ7bが設けられている。光ファイバ7は、パッケージ2の内部に延びることなく、ボールレンズ7bの上部付近まで延びるように、コネクタ6内の中空部に挿入されている。なお、本実施形態において、光ファイバ7及びコネクタ6を省略し、ボールレンズ7bのみを導光部とした構成としてもよい。なお、レンズを透過した光の集光位置は、好適には光入射部17であり、レンズはボール形状に限ったものではなく、凹面、凸面、シリンドリカル、フレネル、アクロマティックレンズ等であってもよい。
【0063】
また、パッケージについても、上記実施形態で示したCANパッケージの構成以外にも様々な構成のものを用いてもよい。例えば、リードピンをパッケージの側面側に設けたバタフライパッケージ又はセラミックパッケージの構成を用いることもできる。
【符号の説明】
【0064】
1…分光器、2…パッケージ、4…キャップ、5…ステム、7…光ファイバ(導光部)、9…リードピン、11…基板、12…光検出素子、13…分光部、17…光入射部(開口部)、29,43…支持部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光部が設けられたキャップと、ステムと、を有するパッケージと、
前記パッケージ内において前記ステムに支持された支持部と、
前記支持部に支持された基板と、
前記基板に搭載された光検出素子と、
前記基板と前記ステムとの間に配置され、前記導光部から入射した光を分光すると共に前記光検出素子に反射する分光部と、を備える、分光器。
【請求項2】
前記基板には、前記導光部から前記分光部に光を入射させる光入射部が設けられている、請求項1記載の分光器。
【請求項3】
前記光検出素子は、半導体基板を有し、
前記半導体基板には、前記導光部から前記分光部に光を入射させる光入射部が設けられている、請求項1又は2記載の分光器。
【請求項4】
前記キャップと前記ステムとは、気密に接合されている、請求項1〜3のいずれか一項記載の分光器。
【請求項5】
前記導光部は、前記キャップに設けられた開口部を覆う入射窓である、請求項1〜4のいずれか一項記載の分光器。
【請求項6】
前記支持部の外側且つ前記キャップの内側の領域において前記ステムを貫通し、前記光検出素子と電気的に接続されたリードピンを更に備える、請求項1〜5のいずれか一項記載の分光器。
【請求項7】
前記リードピンは、前記ステムの互いに対向する一対の側縁部のそれぞれに複数配置されている、請求項6記載の分光器。
【請求項1】
導光部が設けられたキャップと、ステムと、を有するパッケージと、
前記パッケージ内において前記ステムに支持された支持部と、
前記支持部に支持された基板と、
前記基板に搭載された光検出素子と、
前記基板と前記ステムとの間に配置され、前記導光部から入射した光を分光すると共に前記光検出素子に反射する分光部と、を備える、分光器。
【請求項2】
前記基板には、前記導光部から前記分光部に光を入射させる光入射部が設けられている、請求項1記載の分光器。
【請求項3】
前記光検出素子は、半導体基板を有し、
前記半導体基板には、前記導光部から前記分光部に光を入射させる光入射部が設けられている、請求項1又は2記載の分光器。
【請求項4】
前記キャップと前記ステムとは、気密に接合されている、請求項1〜3のいずれか一項記載の分光器。
【請求項5】
前記導光部は、前記キャップに設けられた開口部を覆う入射窓である、請求項1〜4のいずれか一項記載の分光器。
【請求項6】
前記支持部の外側且つ前記キャップの内側の領域において前記ステムを貫通し、前記光検出素子と電気的に接続されたリードピンを更に備える、請求項1〜5のいずれか一項記載の分光器。
【請求項7】
前記リードピンは、前記ステムの互いに対向する一対の側縁部のそれぞれに複数配置されている、請求項6記載の分光器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−208134(P2012−208134A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−173053(P2012−173053)
【出願日】平成24年8月3日(2012.8.3)
【分割の表示】特願2008−557370(P2008−557370)の分割
【原出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(000236436)浜松ホトニクス株式会社 (1,479)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年8月3日(2012.8.3)
【分割の表示】特願2008−557370(P2008−557370)の分割
【原出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(000236436)浜松ホトニクス株式会社 (1,479)
【Fターム(参考)】
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