説明

分割型鍛造部材の製造方法

【課題】第1部材に対して第2部材を精度よく位置決めでき、かつ、分割型コンロッドを容易に成形できる分割型鍛造部材の製造方法を提供する。
【解決手段】分割型鍛造部材の製造方法は、本体素材51およびキャップ素材52の一方に位置決め凹部39を成形する一次鍛造工程と、コンロッド本体21およびキャップ25の2部材を仮止め部53で仮止めした状態に鍛造するとともに位置決め凹部に対応させて位置決め凸部34を成形する二次鍛造工程と、2部材21,25に係止部29を加工する加工工程と、2部材をボルト27で締結する締結工程と、2部材を締結した状態で仮止め部を除去する除去工程と、ボルトによる2部材の締結を解除する分離工程とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1部材および第2部材が締結部材で締結されることにより、第1部材および第2部材が突き合わされた状態に締結可能な分割型鍛造部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関(エンジン)のクランクシャフトにピストンを連結する部材としてコネクティングロッド(以下、「コンロッド」という)が用いられる。このコンロッドは、クランクシャフトのクランクピンに連結するためにコンロッド本体およびキャップの二部材を備えている。
コンロッド本体の大端部にキャップが締結部材で組み付けられることで、大端部およびキャップがクランクピンに回転自在に連結される。
【0003】
このコンロッドのなかには、コンロッド本体の素材およびキャップの素材が突き合わされた状態で鍛造されることにより、コンロッド本体およびキャップの突合わせ部(以下、「合わせ部」という)が各々凹凸状に形成された分割型コンロッドがある。
コンロッド本体およびキャップの合わせ部が凹凸状に形成されることで合わせ部が互いに噛み合わされる。
【0004】
コンロッド本体およびキャップの合わせ部が噛み合わされることで、コンロッド本体およびキャップが一体化される。
コンロッド本体およびキャップが一体化された状態で加工され、加工後にコンロッド本体およびキャップに衝撃力を加えて各々の合わせ部が分離される(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
特許文献1の分割型コンロッドによれば、大端部の合わせ部に凹凸部(以下、「位置決め凹凸部」という)が形成されるとともに、キャップの合わせ部に凹凸部(以下、「位置決め凹凸部」という)が形成されている。
大端部およびキャップを締結部材で組み付ける際に、大端部の位置決め凹凸部にキャップの位置決め凹凸部を嵌合させることで、大端部に対してキャップを精度よく位置決めできる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3811200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、特許文献1の分割型コンロッドは、大端部の位置決め凹凸部およびキャップの位置決め凹凸部を噛み合わせて大端部およびキャップを一体化し、一体化したコンロッド本体およびキャップを加工している。
大端部およびキャップを一体化するために、大端部の位置決め凹凸部およびキャップの位置決め凹凸部を鋭角状に形成して互いに強固に噛み合わせる必要がある。
【0008】
しかし、大端部やキャップの位置決め凹凸部が鋭角状に形成された場合、コンロッド本体およびキャップに衝撃力を加えて各々の合わせ部を分離する際に、位置決め凹凸部が変形することが考えられる。
このため、コンロッド本体(第1部材)およびキャップ(第2部材)を分離する際に、位置決め凹凸部を変形させないように衝撃力を加える必要があり、コンロッドの成形(形成)に手間がかかる。
【0009】
本発明は、第1部材(コンロッド本体)に対して第2部材(キャップ)を精度よく位置決めでき、かつ、分割型コンロッドを容易に成形(形成)できる分割型鍛造部材の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、第1部材の第1素材および第2部材の第2素材を鍛造することにより、前記第1素材および前記第2素材に互いに突合わせ可能な合わせ部を成形するとともに、前記第1素材および前記第2素材の各合わせ部の少なくとも一方に位置決め凹部を成形する一次鍛造工程と、第1素材および第2素材をそれぞれの合わせ部で突き合わせた状態で鍛造することにより前記第1部材および前記第2部材を成形するとともに、前記第1部材および前記第2部材を仮止め部で仮止めし、前記合わせ部のうち前記位置決め凹部に対峙する部位を前記位置決め凹部に応じて成形することで位置決め凸部に成形する二次鍛造工程と、前記仮止め部で仮止めされた前記第1部材および前記第2部材に、前記第1部材および前記第2部材を締結可能な締結部材が係止可能な係止部を加工する加工工程と、前記係止部に前記締結部材を係止させて前記第1部材および前記第2部材を締結する締結工程と、前記第1部材および前記第2部材を前記締結部材で締結した状態で前記仮止め部を除去する除去工程と、前記締結部材による前記第1部材および前記第2部材の締結を解除して前記第1部材および前記第2部材を2部材に分離する分離工程と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2は、前記一次鍛造工程において、前記第1素材に第1仮止め部を一体に成形するとともに、前記第2素材に第2仮止め部を一体に成形し、前記第1仮止め部および前記第2仮止め部の少なくとも一方に、鍛造による押圧方向に対して直交する方向に延出された仮止め溝を形成し、前記二次鍛造工程において、前記第1部材および前記第2部材を鍛造するとともに、前記第1仮止め部および前記第2仮止め部を鍛造することにより、前記第1仮止め部および前記第2仮止め部のうち前記仮止め溝に対峙する部位を、前記仮止め溝に応じて成形することで前記第1仮止め部および前記第2仮止め部を仮止めすることを特徴とする。
【0012】
請求項3は、前記第1部材は、クランクピンに嵌合可能な大端部を有するコンロッド本体であり、前記第2部材は、前記コンロッド本体の前記大端部に前記締結部材で締結可能なキャップであり、前記除去工程において、前記仮止め部を除去することで、前記大端部および前記キャップに前記クランクピンが嵌合可能な嵌合孔を形成することを特徴とする。
【0013】
請求項4は、前記位置決め凹部を、前記第1素材および前記第2素材の各合わせ部の少なくとも一方で、かつ前記締結部材の周囲に相当する部位に一対成形することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明では、二次鍛造工程において、第1部材および第2部材を仮止め部で仮止めするとともに、位置決め凹部に応じて位置決め凸部を成形するようにした。
このように、第1部材および第2部材を仮止めした状態で、位置決め凹部に応じて位置決め凸部を成形することにより、位置決め凹部に対して位置決め凸部を精度よく成形できる。
【0015】
さらに、加工工程において、仮止めした第1部材および第2部材に係止部を加工し、締結工程において、係止部に締結部材を係止させて第1部材および第2部材を締結するようにした。
加えて、除去工程において、第1部材および第2部材を締結した状態で仮止め部を除去し、分離工程において、第1部材および第2部材の締結を解除して第1部材および第2部材を2部材に分離するようにした。
【0016】
ここで、位置決め凹部に対して位置決め凸部が精度よく成形されている。
これにより、2部材に分割された第1部材に第2部材を組み付ける際に、位置決め凹部に位置決め凸部を合わせることで、第1部材および第2部材を精度よく位置決めできる。
【0017】
また、請求項1によれば、位置決め凹部および位置決め凸部と、仮止め部とを各々独立させて個別に設け、除去工程において仮止め部を除去するようにした。
除去工程において仮止め部を除去することで、分離工程において、締結部材による締結を解除するだけで第1部材および第2部材を2部材に分離できる。
よって、従来技術のように、第1部材および第2部材に衝撃力を加えて第1部材および第2部材を分離する必要がない。
これにより、第1部材および第2部材を2部材に簡単に分離することが可能になり、第1部材や第2部材を容易に成形(形成)することができる。
【0018】
請求項2に係る発明では、一次鍛造工程において、第1仮止め部および第2仮止め部の少なくとも一方に仮止め溝を形成した。
よって、二次鍛造工程において、仮止め溝に対峙する部位を仮止め溝に応じて成形させることができる。
ここで、仮止め溝は、鍛造による押圧方向に対して直交する方向に延出されている。
【0019】
よって、二次鍛造工程において、第1仮止め部および第2仮止め部が鍛造されることにより、仮止め溝の幅寸法が狭められ、仮止め溝に応じて成形させた部位を仮止め溝で噛み込ませることができる。
これにより、第1部材および第2部材を鍛造することで、第1仮止め部および第2仮止め部を簡単に仮止めすることができ、第1部材や第2部材を容易に一体化することができる。
【0020】
ところで、一次鍛造工程において、第1仮止め部および第2仮止め部の少なくとも一方に形成する仮止め溝は簡素な形状である。
これにより、仮止め溝を有する仮止め部を簡単に成形することが可能になり、第1部材や第2部材を一層容易に成形(形成)することができる。
【0021】
請求項3に係る発明では、第1部材をコンロッド本体、第2部材をキャップとした。さらに、除去工程において、コンロッド本体およびキャップを仮止め可能な仮止め部を除去することで、大端部およびキャップに嵌合孔を形成するようにした。
よって、大端部およびキャップを締結部材で締結させてクランクピンに嵌合孔を嵌合することで、大端部およびキャップをクランクピンに回動自在に連結できる。
ここで、二次鍛造工程において、コンロッド本体およびキャップを鍛造する際に、コンロッド本体やキャップに位置決め凹部や位置決め凸部が精度よく成形される。
これにより、コンロッド本体の大端部に対してキャップを精度よく位置決めできる。
【0022】
また、請求項3によれば、位置決め凹部および位置決め凸部と、仮止め部とを各々個別(独立)に設け、除去工程において仮止め部を除去するようにした。
除去工程において仮止め部を除去することで、分離工程において、締結部材による締結を解除するだけでコンロッド本体およびキャップを2部材に分離できる。
よって、従来技術のように、コンロッド本体およびキャップに衝撃力を加えてコンロッド本体およびキャップを分離する必要がない。
これにより、コンロッド本体およびキャップを2部材に簡単に分離することが可能になり、コンロッド本体およびキャップを容易に成形(形成)することができる。
【0023】
請求項4に係る発明では、位置決め凹部を締結部材の周囲に相当する部位に一対成形した。よって、位置決め凹部に応じて位置決め凸部を成形することにより、位置決め凸部を締結部材の周囲に相当する部位に一対設けることができる。
【0024】
これにより、第1部材および第2部材を組み付ける際に、締結部材の周囲において一対の位置決め凹部を一対の位置決め凸部に係合させることができる。
したがって、締結部材を締め付ける際に、締結部材の回転方向に第1部材や第2部材が僅かにずれる(回転する)ことを防止できるので、第1部材および第2部材を正規の位置に精度よく組み付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る実施例1の分割型鍛造部材(分割型コンロッド)を備えたエンジンを示す断面図である。
【図2】図1の分割型コンロッドを分解した状態で示す正面図である。
【図3】(a)は図2の3a矢視図、(b)は図2の3b矢視図である。
【図4】図2の分割型コンロッドをクランクピンに組み付ける状態を示す断面図である。
【図5】図4の5部拡大図である。
【図6】(a)は実施例1の位置決め凸部を示す斜視図、(b)は実施例1の位置決め凹部を示す斜視図である。
【図7】実施例1の分割型鍛造部材の製造方法を示すフローチャートである。
【図8】実施例1の一次鍛造工程において本体素材およびキャップ素材を成形する例を説明する図である。
【図9】(a)は一次鍛造工程において成形したキャップ素材を示す正面図、(b)は一次鍛造工程において成形したキャップ素材を示す側面図である。
【図10】(a)は実施例1の二次鍛造工程において本体素材およびキャップ素材を金型に配置した状態を示す斜視図、(b)は実施例1の二次鍛造工程でコンロッド本体およびキャップを成形する例を説明する平面図である。
【図11】実施例1の二次鍛造工程において成形したコンロッド本体およびキャップを示す分解斜視図である。
【図12】(a)は図10(b)の12a−12a線断面図、(b)は図10(b)の12b−12b線断面図である。
【図13】(a)は実施例1の加工工程において大端部およびキャップに係止部を加工する例を説明する断面図、(b)は実施例1の締結工程において大端部およびキャップを締結する例を説明する断面図である。
【図14】実施例1の除去工程において仮止め部を除去する例を説明する断面図である。
【図15】実施例1の分離工程においてコンロッド本体およびキャップを分離する例を説明する断面図である。
【図16】(a)は実施例1の組付工程においてコンロッド本体およびキャップをクランクピンに組み付ける例を説明する断面図、(b)は図16(a)の16b部拡大図である。
【図17】実施例1の組付工程において位置決め凸部で位置決め凹部を案内する例を説明する断面図である。
【図18】実施例1の組付工程においてコンロッド本体およびキャップをクランクピンに組み付けた状態を示す断面図である。
【図19】実施例1の位置決め凸部および位置決め凹部の変形例を示す斜視図である。
【図20】本発明に係る実施例2の分割型鍛造部材(分割型コンロッド)を分解した状態で示す正面図である。
【図21】(a)は図20の21a矢視図、(b)は図20の21b矢視図である。
【図22】実施例2の一次鍛造工程において本体素材およびキャップ素材を成形する例を説明する図である。
【図23】(a)は実施例2の二次鍛造工程において本体素材およびキャップ素材を金型に配置した状態を示す斜視図、(b)は実施例2の二次鍛造工程でコンロッド本体およびキャップを成形する例を説明する平面図である。
【図24】実施例2の二次鍛造工程において成形したコンロッド本体およびキャップを示す分解斜視図である。
【図25】(a)は実施例2の組付工程においてコンロッド本体およびキャップをクランクピンに組み付ける例を説明する断面図、(b)は実施例2の組付工程においてコンロッド本体およびキャップを当接させた状態でボルトを締め付ける例を説明する断面図である。
【図26】(a)は図25(b)の26a拡大図、(b)は図25(b)の26b−26b線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0027】
実施例1に係る分割型鍛造部材の製造方法について説明する。
なお、実施例1においては分割型鍛造部材20として分割型のコネクティングロッド(以下、「分割型コンロッド」という)を例示するが、分割型鍛造部材20は分割型コンロッドに限定するものではない。例えば、本発明に係る分割型鍛造部材20を分割型のトランスミッションケースなど他の分割型鍛造部材に適用することも可能である。
【0028】
図1に示すように、エンジン10は、エンジンブロック11のシリンダ部12に摺動自在に設けられたピストン13と、エンジンブロック11のクランク室15に設けられたクランクシャフト16と、クランクシャフト16およびピストン13を連結可能な分割型コンロッド(分割型鍛造部材)20と、シリンダ部12の端部12aに設けられたシリンダヘッド17と、シリンダヘッド17に設けられた吸気弁18および排気弁19とを備えている。
【0029】
図2に示すように、分割型コンロッド20は、ピストンピン14およびクランクピン16a(図1も参照)を連結可能なコンロッド本体(第1部材)21と、コンロッド本体21の大端部22に締結可能なキャップ(第2部材)25と、キャップ25を大端部22に締結可能な一対のボルト(締結部材)27とを備えている。
【0030】
コンロッド本体21は、鍛造により成形されたアルミニウム合金製の鍛造部材である。
このコンロッド本体21は、クランクシャフト16のクランクピン16a(図1も参照)に連結可能な大端部22と、大端部22に連結されたロッド部23と、ロッド部23の端部23aに設けられてピストンピン14に連結可能な小端部24とを有する。
【0031】
ピストンピン14は、ピストン13の取付孔に嵌合されるとともに小端部24の嵌合孔24aに嵌合されている。
これにより、小端部24がピストンピン14を介してピストン13に連結されている。
【0032】
図3、図4に示すように、大端部22は、両端部22aに形成された一対のねじ孔(締結孔)31と、一対のねじ孔31間に形成された半円弧状の湾曲凹部32と、湾曲凹部32の両側部に形成された一対の合わせ部33と、一対の合わせ部33に形成された位置決め凸部34とを有する。
位置決め凸部34は略円錐状(図6(a)も参照)に形成されている。
以下、大端部22の合わせ部33を「大端合わせ部」という。
【0033】
キャップ25は、コンロッド本体21と同様に、鍛造により成形されたアルミニウム合金製の鍛造部材であり、大端部22に一対のボルト27を介して着脱自在に締結されている。
このキャップ25は、両端部25aに形成された一対の貫通孔36と、一対の貫通孔36間に形成された半円弧状の湾曲凹部37と、湾曲凹部37の両側部に形成された一対の合わせ部38と、一対の合わせ部38に形成された位置決め凹部39とを有する。
【0034】
大端部22のねじ孔31およびキャップ25の貫通孔36で係止部29が形成される。
位置決め凹部39は、位置決め凸部34に対応するように略円錐状(図6(b)も参照)に形成されている。
以下、キャップ25の合わせ部38を「キャップ合わせ部」という。
【0035】
一対のキャップ合わせ部38は、一対の大端合わせ部33にそれぞれ突き合わせ可能に形成されている。
さらに、一対の位置決め凸部34は、一対のキャップ合わせ部が一対の大端合わせ部に突き合わされた状態において、一対の位置決め凹部39に係合可能に形成されている。
加えて、貫通孔36は、一対の位置決め凸部34が一対の位置決め凹部39に係合された状態において、ねじ孔31に対して同軸上に位置するように形成されている。
【0036】
また、キャップ25の湾曲凹部37は、一対の位置決め凸部34が一対の位置決め凹部39に係合された状態において、大端部22の湾曲凹部32に対峙するように形成されている。
キャップ25の湾曲凹部37および大端部22の湾曲凹部32が対峙することで、各々の湾曲凹部32,37でクランクピン16aに嵌合可能な嵌合孔26(図1参照)が形成される。
【0037】
ボルト27は、先端部側にねじ部27aが形成された締結部材である。
ボルト27を貫通孔36に差し込み、貫通孔36から突出されたねじ部27aをねじ孔にねじ結合することで、キャップ25が大端部22に着脱自在に締結される。
この状態において、一対のキャップ合わせ部38が一対の大端合わせ部33にそれぞれ突き合わされた状態に保持される。
【0038】
さらに、一対の位置決め凸部34が一対の位置決め凹部39に係合された状態に保持される。
キャップ25が大端部22に組み付けられることで、大端部22およびキャップ25がクランクピン16aに回転自在に連結される。
【0039】
図5、図6に示すように、ボルト27は外径D1に形成され、貫通孔36は孔径D2に形成されている。
貫通孔36の孔径D2がボルト27の外径D1より大きく、貫通孔36およびボルト27間に隙間44が形成される。
この隙間44は、隙間寸法が孔径D2と外径D1との差(D2−D1)となる。
【0040】
位置決め凸部34は、略円錐状に突出された凸部であり、底部34aが幅寸法W1に形成され、頂部34bが底部34aの中央に位置している。
すなわち、頂部34bは、底部34aの幅寸法W1の1/2の位置に位置している。
位置決め凹部39は、位置決め凸部34に対応するように略円錐状に凹まされた凹部であり、開口部39aが幅寸法W2に形成され、底部39bが開口部39aの中央に位置している。
すなわち、底部39bは、開口部39aの幅寸法W2の1/2の位置に位置している。
【0041】
幅寸法W2は幅寸法W1より僅かに大きく形成されている。
幅寸法W2を幅寸法W1より僅かに大きく形成することで、位置決め凸部34が位置決め凹部39に精度よく係合される。
【0042】
ここで、貫通孔36およびボルト27間に隙間44が形成されることで、大端部22およびキャップ25にずれが生じることが考えられる。
すなわち、ボルト27を貫通孔36に貫通させてねじ部27aをねじ孔31にねじ結合させた状態において、大端部22およびキャップ25に隙間寸法(D2−D1)分のずれが生じることが考えられる。
【0043】
そこで、位置決め凸部34の幅寸法W1を隙間寸法(D2−D1)より大きくし、位置決め凹部39の幅寸法W2を隙間寸法(D2−D1)より大きくした。すなわち、
(D2−D1)<W1
(D2−D1)<W2
の関係が成立するようにした。
【0044】
ところで、位置決め凸部34は、底部34aの幅寸法W1の1/2の位置(底部34aの中央)に頂部34bが位置している。また、位置決め凹部39は、開口部39aの幅寸法W2の1/2の位置(開口部39aの中央)に底部39bが位置している。
よって、位置決め凸部34の幅寸法W1、位置決め凹部39の幅寸法W2および隙間寸法(D2−D1)は、
好ましくは、
2×(D2−D1)<W1
2×(D2−D1)<W2
の関係が成立するようにした。
【0045】
よって、大端部22およびキャップ25に隙間寸法(D2−D1)分のずれが生じた場合でも、位置決め凸部34の幅寸法W1内に位置決め凹部39を配置できる(図5参照)。
位置決め凹部39を幅寸法W1内に配置することで、貫通孔36に貫通させたボルト27をねじ孔31にねじ結合する際に、位置決め凸部34に位置決め凹部39を自動的に当接できる。
よって、位置決め凸部34および位置決め凹部39を目視で確認しなくても、位置決め凸部34で位置決め凹部39を係合位置まで案内できる。
これにより、大端部22およびキャップ25を容易に精度よく組み付けることができる。
【0046】
また、位置決め凸部34の幅寸法W1はボルト27の外径D1より小さく、位置決め凹部39の幅寸法W2はボルト27の外径D1より小さい。
すなわち、
W1<D1
W2<D1
の関係が成立する。
このように、W1<D1、W2<D1の関係が成立することで、大端部22およびキャップ25の締結に要する面積を小さくして分割型コンロッド20(図4参照)のコンパクト化を図ることができる。
【0047】
つぎに、実施例1に係る分割型鍛造部材の製造方法で図1に示す分割型コンロッド20を製造し、製造した分割型コンロッド20をエンジン10(図1参照)に組み付ける例を図7〜図18に基づいて説明する。
まず、分割型鍛造部材の製造方法で分割型コンロッド20を製造する工程を図7〜図15に基づいて説明する。
図7、図8に示すように、一次鍛造工程において、本体素材(第1素材)51およびキャップ素材(第2素材)52を鍛造で成形する。
本体素材51はコンロッド本体21(図2参照)が成形される素材である。キャップ素材52はキャップ25(図2参照)が成形される素材である。
【0048】
本体素材51は、キャップ素材52に突合わせ可能な一対の合わせ部33が平坦に形成され、一対の合わせ部33間に第1仮止め部54が一体に成形されている。
第1仮止め部54は、平坦に形成された仮止め面54aを有する。
【0049】
図8、図9に示すように、キャップ素材52は、本体素材51に突合わせ可能な一対の合わせ部38が平坦に形成されるとともに、一対の合わせ部38に位置決め凹部57がそれぞれ成形されている。
位置決め凹部57は、正面視で長孔状に形成され、かつ、底部57bが開口部57aに対して小さく形成されている。
具体的には、位置決め凹部57は、鍛造の際に押圧される方向に対して直交する方向に延びるように正面視で長孔状に形成されている。
【0050】
さらに、キャップ素材52は、一対の合わせ部38間に第2仮止め部55が一体に成形されている。
第2仮止め部55は、第1仮止め部54の仮止め面54aに突合わせ可能な仮止め面55aと、仮止め面55aに形成された仮止め溝61を有する。
仮止め溝61は、キャップ素材52からキャップ25(図2参照)を鍛造する際の押圧方向(矢印方向)に対して直交する方向に延出されている。
【0051】
図7、図10(a)に示すように、二次鍛造工程において、本体素材51およびキャップ素材52を金型65に配置する。
この状態で、本体素材51の一対の合わせ部33(図8参照)に、キャップ素材52の一対の合わせ部38(図8参照)が突き合わされる。
さらに、第1仮止め部54の仮止め面54a(図8参照)に、第2仮止め部55の仮止め面55a(図8参照)が突き合わされる。
【0052】
金型65を作動させて、本体素材51およびキャップ素材52や、第1仮止め部54および第2仮止め部55に矢印方向の押圧力をかける。
素材51,52や仮止め部54,55に押圧力をかけて素材51,52や仮止め部54,55を鍛造する。
【0053】
図10(b)に示すように、本体素材51およびキャップ素材52(図10(a)参照)を金型65で鍛造することで、コンロッド本体21およびキャップ25を成形する。
この際に、本体素材51の合わせ部33のうち位置決め凹部57に対峙する部位33aを位置決め凹部57に応じて成形(転写)する。
本体素材51の合わせ部33のうち位置決め凹部57に対峙する部位33aを、以下、「位置決め転写部位」と称す。
位置決め転写部位33aを位置決め凹部57に応じて成形することで、位置決め転写部位33a(図8参照)を位置決め凸部34に成形する。
【0054】
本体素材51およびキャップ素材52を金型65で鍛造するとともに、第1仮止め部54および第2仮止め部55(図10(a)参照)を鍛造する。
第1仮止め部54および第2仮止め部55を鍛造することで、第1仮止め部54の仮止め面54aのうち仮止め溝61に対峙する部位54b(図8参照)を仮止め溝61に応じて成形(転写)する。
第1仮止め部54の仮止め面54aのうち仮止め溝61に対峙する部位54bを、以下、「仮止め転写部位」と称す。
【0055】
仮止め転写部位54bを仮止め溝61に応じて成形することで、成形された仮止凸部54cが仮止め溝61に噛み込まれ、第1仮止め部54および第2仮止め部55を仮止めする。
仮止めされた第1仮止め部54および第2仮止め部55で仮止め部53が形成される。
よって、本体素材51およびキャップ素材52が仮止め部53で一体に仮止めされる。
【0056】
ここで、位置決め凹部39および位置決め凸部34は、略円錐状に形成されている(図6参照)。
よって、位置決め凹部39に応じて位置決め凸部34を鍛造で成形する際に、位置決め凹部39に位置決め凸部34が噛み込まれる虞がない。
すなわち、位置決め凹部39に応じて位置決め凸部34が鍛造で分離可能に成形される。
【0057】
図11、図12(a)に示すように、二次鍛造工程において、仮止め転写部位54b(図8参照)を仮止め溝61に応じて成形させることができる。
ここで、仮止め溝61は、鍛造による押圧方向に対して直交する方向に延出されている。
【0058】
よって、二次鍛造工程において、第1仮止め部54および第2仮止め部55が鍛造されることにより、仮止め溝61の幅寸法W3が狭められ、仮止め溝61に応じて成形された仮止凸部54cを仮止め溝61で噛み込ませることができる。
特に、第1仮止め部54および第2仮止め部55は、コンロッド本体21およびキャップ25と比較して鍛造による潰量が大きいので、第1仮止め部54および第2仮止め部55の肉厚寸法Tが小さくなる。
【0059】
よって、仮止め溝61の幅寸法W3を十分に狭めることができるので、成形された仮止凸部54cを仮止め溝61で強固に噛み込ませることができる。
これにより、コンロッド本体21およびキャップ25を鍛造することで、第1仮止め部54および第2仮止め部55を簡単に仮止めでき、コンロッド本体21およびキャップ25を容易に一体化することができる。
【0060】
図11、図12(b)に示すように、二次鍛造工程において、コンロッド本体21およびキャップ25を仮止め部53で仮止めする際に、位置決め凹部57(図8参照)を位置決め凹部39に成形し、位置決め凹部39に応じて位置決め凸部34を成形するようにした。
このように、コンロッド本体21およびキャップ25を仮止めした状態で、位置決め凹部39に応じて位置決め凸部34を成形することにより、位置決め凹部39に対して位置決め凸部34を精度よく成形できる。
【0061】
さらに、コンロッド本体21およびキャップ25を鍛造する際に、位置決め凹部39に応じて位置決め凸部34を成形することができる。
これにより、位置決め凹部39や位置決め凸部34を個別に加工する手間を省くことができるので、コンロッド本体21およびキャップ25を容易に成形(形成)することができる。
【0062】
ここで、図8、図9に示すように、位置決め凹部57は、二次鍛造工程において、鍛造の際に押圧される方向に対して直交する方向に延びるように平面視で長孔状に成形(形成)され、かつ、底部57bが開口部57aに対して小さく成形(形成)されている。
二次鍛造工程において、合わせ部33および合わせ部38は、鍛造の際に、矢印方向に押圧されるとともに、矢印方向に対して直交する方向にも押圧される。
よって、図11に示すように、二次鍛造工程において、位置決め凹部57(図8参照)を位置決め凹部39に成形し、位置決め凹部39に応じて位置決め凸部34を成形することで、位置決め凹部39および位置決め凸部34が略円錐状に成形される。
【0063】
ところで、図8、図9に示すように、一次鍛造工程において、第2仮止め部55の仮止め面55aに形成する仮止め溝61は直線状の簡素な形状である。
これにより、仮止め溝61を有する第2仮止め部55を簡単に成形することが可能になり、コンロッド本体21およびキャップ25を一層容易に成形(形成)することができる。
【0064】
二次鍛造工程において、本体素材51およびキャップ素材52からコンロッド本体21およびキャップ25を鍛造した後、仮止め部53で一体化されたコンロッド本体21およびキャップ25を金型から取り出す。
【0065】
図7、図13(a)に示すように、加工工程において、仮止め部53で仮止めされたコンロッド本体21(大端部22)およびキャップ25に係止部29を加工する。
係止部29は、キャップ25の両端部25aに加工された一対の貫通孔36と、大端部22の両端部22aに加工された一対のねじ孔31とを有する。
貫通孔36は合わせ部38に開口されている。ねじ孔31は合わせ部33に開口され、貫通孔36に対して同軸上に形成されている。
【0066】
図7、図13(b)に示すように、締結工程において、キャップ25の貫通孔36にボルト27を矢印Aの如く差し込み、貫通孔36から突出したねじ部27aをねじ孔31にねじ結合する。
この状態で、ボルト27の頭部27bがキャップ25の座部25bに当接し、ボルト27が貫通孔36およびねじ部27a(すなわち、係止部29)に係止される。
このように、ボルト27のねじ部27aがねじ孔31にねじ結合され、ボルト27の頭部27bがキャップ25の座部25bに当接することで、大端部22およびキャップ25が一対のボルト27で締結される。
【0067】
図7、図14に示すように、除去工程において、大端部22およびキャップ25を一対のボルト27で締結した状態で仮止め部53(図13(b)参照)を除去する。
仮止め部53を除去することで、大端部22およびキャップ25にクランクピン16a(図1参照)が嵌合可能な嵌合孔26が形成される。
同時に、小端部24にピストンピン14(図1参照)が嵌合可能な嵌合孔24aが形成される。
【0068】
図7、図15(a)に示すように、分離工程において、ボルト27のねじ部27aをねじ孔31から外して矢印Bの如く大端部22およびキャップ25から外す。
一対のボルト27を大端部22およびキャップ25から外すことで、ボルト27による大端部22およびキャップ25の締結が解除される。
【0069】
図15(b)に示すように、一対のボルト27(図15(a)参照)による大端部22およびキャップ25の締結を解除することで、大端部22(コンロッド本体21)およびキャップ25を2部材に分離する。
【0070】
ここで、二次鍛造工程において、位置決め凹部39および位置決め凸部34と、仮止め部53(図13(b)参照)とを各々独立させて個別に設けた。そして、除去工程において仮止め部53を除去するようにした。
除去工程において仮止め部53を除去することで、分離工程において、ボルト27による締結を解除するだけで大端部22(コンロッド本体21)およびキャップ25を2部材に分離できる。
【0071】
よって、従来技術のように、大端部(コンロッド本体)およびキャップに衝撃力を加えてコンロッド本体およびキャップを分離する必要がない。
これにより、大端部22(コンロッド本体21)およびキャップ25を2部材に簡単に分離することが可能になり、大端部22(コンロッド本体21)およびキャップ25を容易に成形(形成)することができる。
【0072】
つぎに、本発明に係る分割型鍛造部材の製造方法で製造した分割型コンロッド20をエンジン10(図1参照)に組み付ける組付工程を図16〜図18に基づいて説明する。
図16(a)に示すように、クランクピン16aのピストン13(図1参照)側の略半分の部位にコンロッド本体21の大端部22(湾曲凹部32)を対峙させる。
さらに、クランクピン16aのピストン13(図1参照)と反対側の略半分の部位にキャップ25(湾曲凹部37)を対峙させる。
【0073】
この状態で、大端部22の一対の合わせ部33に、キャップ25の一対の合わせ部38がそれぞれ対峙する。
一対の合わせ部33に一対の合わせ部38を対峙させた状態で、キャップ25に形成された一対の貫通孔36に、ボルト27をそれぞれ矢印Cの如く差し込む。
ボルト27を貫通孔36に差し込むことでねじ部27aが貫通孔36から突出し、貫通孔36から突出したねじ部27aをねじ孔31にねじ結合する。
【0074】
図16(b)に示すように、貫通孔36の孔径D2はボルト27の外径D1より大きい。よって、ボルト27のねじ部27aをねじ孔31にねじ結合した状態で、キャップ25が正規の取付位置より隙間寸法(D2−D1)だけ自重で下方にずれる(下降する)。
ここで、位置決め凸部34の幅寸法W1、位置決め凹部39の幅寸法W2および隙間寸法(D2−D1)の関係は、好ましくは、
2×(D2−D1)<W1
2×(D2−D1)<W2
に設定されている。
よって、位置決め凸部34の頂部34bに位置決め凹部39の開口部39aが対峙する。
【0075】
図17(a)に示すように、ボルト27のねじ部27aをねじ孔31に継続してねじ結合する。よって、キャップ25が矢印Dの如く大端部22の合わせ部33に向けて移動する。
キャップ25が大端部22の合わせ部33に向けて移動することで、位置決め凹部39の傾斜面39cが位置決め凸部34の頂部34bに当接する。
【0076】
図17(b)に示すように、ボルト27のねじ部27aをねじ孔31に継続してねじ結合する。よって、位置決め凹部39の傾斜面39cが位置決め凸部34の頂部34bに案内される。
傾斜面39cが頂部34bに案内されることで、位置決め凹部39が位置決め凸部34に係合する。
【0077】
図18に示すように、位置決め凹部39が位置決め凸部34に係合する状態までボルト27を締め付けることで、一対のボルト27で大端部22およびキャップ25が締結される。
この状態で、大端部22およびキャップ25がクランクピン16aに組み付けられる。
【0078】
ここで、位置決め凸部34は、二次鍛造工程において、コンロッド本体21およびキャップ25を仮止め部53(図13(b)参照)で仮止めするとともに、位置決め凹部39に応じて成形される。
よって、位置決め凸部34を位置決め凹部39に対して精度よく成形できる。
これにより、位置決め凹部39が位置決め凸部34に係合することで、大端部22およびキャップ25をクランクピン16aに精度よく組み付けることができる。
【0079】
さらに、図16(b)に示す位置決め凸部34の幅寸法W1、位置決め凹部39の幅寸法W2および隙間寸法(D2−D1)の関係を、好ましくは、
2×(D2−D1)<W1
2×(D2−D1)<W2
に設定した。
【0080】
よって、貫通孔36に貫通させたボルト27をねじ孔31にねじ結合する際に、位置決め凸部34に位置決め凹部39を自動的に当接できる。
これにより、位置決め凸部34および位置決め凹部39を目視で確認しなくても、位置決め凸部34で位置決め凹部39を係合位置まで案内できる。
【0081】
このように、位置決め凹部39に対して位置決め凸部34を精度よく成形し、かつ、2×(D2−D1)<W1、2×(D2−D1)<W2とすることで、一対のボルト27を締め付けるだけでコンロッド本体21およびキャップ25をクランクピン16aに容易に精度よく組み付けることができる。
【0082】
(変形例)
つぎに、実施例1の位置決め凸部34および位置決め凹部39の変形例を図19に基づいて説明する。
図19に示す位置決め凸部72は、実施例1で説明した略円錐状の位置決め凸部34(図6(a)参照)を略四角錐状に変えたものである。
位置決め凸部72は、底部72aが幅寸法W4、最短幅寸法(幅寸法)W5の略四角形状に形成されている。
【0083】
また、図19に示す位置決め凹部74は、実施例1で説明した略円錐状の位置決め凹部39(図6(b)参照)を略四角錐状に変えたものである。
位置決め凹部74は、開口部74aが幅寸法W6、最短幅寸法(幅寸法)W7の略四角形状に形成されている。
【0084】
幅寸法W6が幅寸法W4より僅かに大きく形成され、最短幅寸法W7が最短幅寸法W5より僅かに大きく形成されている。
よって、位置決め凸部72を位置決め凹部74に好適に(精度よく)係合させることができる。
【0085】
さらに、位置決め凸部72の最短幅寸法W5を隙間寸法(D2−D1)(図5参照)より大きくし、位置決め凹部74の最短幅寸法W7を隙間寸法(D2−D1)より大きくした。すなわち、
(D2−D1)<W5
(D2−D1)<W7
の関係が成立するようにした。
D1はボルト27の外径、D2は貫通孔36の孔径であり、隙間寸法(D2−D1)は貫通孔36およびボルト27間の隙間である。
【0086】
ところで、位置決め凸部72は、底部72aの最短幅寸法W5の1/2の位置(底部72aの中央)に頂部72bが位置している。また、位置決め凹部74は、開口部74aの幅寸法の1/2の位置(開口部74a中央)に底部74bが位置している。
よって、位置決め凸部72の最短幅寸法W5、位置決め凹部74の最短幅寸法W7および隙間寸法(D2−D1)は、
好ましくは、
2×(D2−D1)<W5
2×(D2−D1)<W7
の関係が成立する。
【0087】
よって、大端部22およびキャップ25に隙間寸法(D2−D1)分のずれが生じた場合でも、位置決め凸部72の最短幅寸法W5内に位置決め凹部74を配置できる。
これにより、貫通孔36に貫通させたボルト27をねじ孔31にねじ結合する際に、位置決め凸部72(頂部72b)に位置決め凹部74を当接させることができる。
したがって、ボルト27をねじ孔31にねじ結合する際に、位置決め凸部72で位置決め凹部74を係合位置まで案内できるので、大端部22およびキャップ25を容易に精度よく組み付けることができる。
【0088】
ここで、位置決め凹部74および位置決め凸部72は、略四角錐状に形成されている。
よって、位置決め凹部74に応じて位置決め凸部72を鍛造で成形する際に、位置決め凹部74に位置決め凸部72が噛み込まれる虞がない。
すなわち、位置決め凹部74に応じて位置決め凸部72が鍛造で分離可能に成形される。
【0089】
つぎに、実施例2を図20〜図26に基づいて説明する。
なお、実施例2の分割型鍛造部材の製造方法において実施例1と同一・類似部材については同じ符号を付して説明を省略する。
【実施例2】
【0090】
実施例2に係る分割型鍛造部材の製造方法について説明する。
実施例2においては、実施例1と同様に、分割型鍛造部材80として分割型コンロッドを例示するが、分割型鍛造部材80は分割型コンロッドに限定するものではない。例えば、本発明に係る分割型鍛造部材80を分割型のトランスミッションケースなど他の分割型鍛造部材に適用することも可能である。
【0091】
なお、実施例2においては分割型コンロッド80の構成の理解を容易にするために、便宜上、一対の合わせ部33のうち一方の合わせ部を33A、他方の合わせ部を33Bとして示す。また、一対の合わせ部38のうち一方の合わせ部を38A、他方の合わせ部を38Bとして示す。さらに、一対のボルト27のうち一方のボルトを27A、他方のボルトを27Bとして示す。
【0092】
図20に示すように、分割型コンロッド80は、ピストンピン14およびクランクピン16aを連結可能なコンロッド本体(第1部材)81と、コンロッド本体81の大端部82に締結可能なキャップ(第2部材)85と、キャップ85を大端部82に締結可能な一対のボルト(締結部材)27A,27Bとを備えている。
【0093】
コンロッド本体81は、実施例1の大端部22に代えて大端部82を設けたもので、その他の構成は実施例1のコンロッド本体21と同様である。
図21(a)に示すように、大端部82は、実施例1の大端部22と同様に、一方の合わせ部33Aおよび他方の合わせ部33Bからなる一対の合わせ部33A,33Bを有する。
この大端部82は、一方の合わせ部33Aに一対の位置決め凸部34を有し、かつ、他方の合わせ部33Bに一対の位置決め凸部34を有するもので、その他の構成は実施例1の大端部22と同様である。
【0094】
一対の合わせ部33A,33Bはそれぞれ略矩形状に形成されている。
一方の合わせ部33Aの対角線上に一対の位置決め凸部34が近づけられた状態で設けられ、一対の位置決め凸部34間に一方のねじ孔31が形成されている。
すなわち、一対の位置決め凸部34は、一方のねじ孔31の周囲に設けられている。
また、他方の合わせ部33Bの対角線上に一対の位置決め凸部34が近づけられた状態で設けられ、一対の位置決め凸部34間にねじ孔31が形成されている。
すなわち、一対の位置決め凸部34は、他方のねじ孔31の周囲に設けられている。
【0095】
図21(b)に示すように、キャップ85は、実施例1のキャップ25と同様に、一方の合わせ部38Aおよび他方の合わせ部38Bからなる一対の合わせ部38A,38Bを有する。
このキャップ85は、一方の合わせ部38Aに一対の位置決め凹部39が設けられ、かつ、他方の合わせ部38Bに一対の位置決め凹部39が設けられたもので、その他の構成は実施例1のキャップ25と同様である。
【0096】
一対の合わせ部38A,38Bは、一対の合わせ部33A,33Bと同様に、それぞれ略矩形状に形成されている。
一方の合わせ部38Aの対角線上に一対の位置決め凹部39が近づけられた状態で設けられ、一対の位置決め凹部39間に貫通孔36が形成されている。
すなわち、一対の位置決め凹部39は、一方の貫通孔36の周囲に設けられている。
また、他方の合わせ部38Bの対角線上に一対の位置決め凹部39が近づけられた状態で設けられ、一対の位置決め凹部39間に貫通孔36が形成されている。
すなわち、一対の位置決め凹部39は、他方の貫通孔36の周囲に設けられている。
【0097】
つぎに、実施例2に係る分割型鍛造部材の製造方法で図20に示す分割型コンロッド80を製造し、製造した分割型コンロッド80をエンジン10(図1参照)に組み付ける例を図22〜図26に基づいて説明する。
まず、分割型鍛造部材の製造方法で分割型コンロッド80を製造する工程を図22〜図24に基づいて説明する。
【0098】
図22に示すように、一次鍛造工程において、本体素材(第1素材)87およびキャップ素材(第2素材)88を鍛造で成形する。
本体素材87はコンロッド本体81(図20参照)が成形される素材である。キャップ素材88はキャップ85(図20参照)が成形される素材である。
【0099】
キャップ素材88は、一方の合わせ部38Aに一対の位置決め凹部57が成形され、他方の合わせ部38Bに一対の位置決め凹部57が成形されたもので、その他の構成は実施例1のキャップ素材52と同様である。
すなわち、一対の合わせ部38A,38Bに4個の位置決め凹部57が形成されている。
【0100】
一方の合わせ部38Aに形成された一対の位置決め凹部57は、一方のボルト27A(図25(a)参照)の周囲に相当する部位に設けられている。
また、他方の合わせ部38Bに形成された一対の位置決め凹部57は、他方のボルト27B(図25(a)参照)の周囲に相当する部位に設けられている。
【0101】
本体素材87は、一方の合わせ部33Aにおいて一対の位置決め凹部57に対峙する部位33aを有し、他方の合わせ部33Bにおいて一対の位置決め凹部57に対峙する部位33aを有するもので、その他の構成は実施例1の本体素材51と同様である。
以下、位置決め凹部57に対峙する部位33aを「位置決め転写部位」と称す。
よって、一対の合わせ部33A,33Bに4個の位置決め転写部位33aが形成されている。
【0102】
図23(a)に示すように、二次鍛造工程において、本体素材87およびキャップ素材88を金型65に配置する。
この状態で、金型65を作動させて、本体素材87およびキャップ素材88や、第1仮止め部54および第2仮止め部55に矢印方向の押圧力をかけて、素材87,88や仮止め部54,55を鍛造する。
【0103】
図22、図23(b)に示すように、本体素材87およびキャップ素材88(図23(a)参照)を金型65で鍛造することで、コンロッド本体81およびキャップ85を成形する。
この際に、本体素材87の一対の合わせ部33A,33Bのうち、4個の位置決め転写部位33aを4個の位置決め凹部57に応じてそれぞれ成形(転写)する。
これにより、一方の合わせ部33Aに設けられた一対の位置決め転写部位33aを一対の位置決め凸部34に成形する。同様に、他方の合わせ部33Bに設けられた一対の位置決め転写部位33aを一対の位置決め凸部34に成形する。
【0104】
また、本体素材87およびキャップ素材88(図23(a)参照)を金型65で鍛造することで、実施例1と同様に、本体素材87およびキャップ素材88が仮止め部53で一体に仮止めされる。
【0105】
図24に示すように、二次鍛造工程において、コンロッド本体81およびキャップ85を仮止め部53で仮止めする際に、一方の合わせ部38Aに設けられた一対の位置決め凹部57(図22参照)を一対の位置決め凹部39に成形し、一方の合わせ部33Aに一対の位置決め凸部34を成形するようにした。
同様に、図21に示すように、他方の合わせ部38Bに設けられた一対の位置決め凹部57(図22参照)を一対の位置決め凹部39に成形し、他方の合わせ部33Bに一対の位置決め凸部34を成形するようにした。
【0106】
二次鍛造工程の後工程、すなわち、加工工程、締結工程、除去工程および分離工程は、実施例1と同じなので各工程の説明を省略する。
【0107】
つぎに、本発明に係る分割型鍛造部材の製造方法で製造した分割型コンロッド80をエンジン10(図1参照)に組み付ける組付工程を図25〜図26に基づいて説明する。
図25(a)に示すように、クランクピン16aにコンロッド本体81の大端部82(湾曲凹部32)およびキャップ85(湾曲凹部37)を対峙させる。
この状態で、大端部82の一対の合わせ部33A,33Bに、キャップ85の一対の合わせ部38A,38Bがそれぞれ対峙する。
【0108】
この状態で、キャップ85に形成された一対の貫通孔36に、一対のボルト27A,27Bをそれぞれ矢印Eの如く差し込む。
各ボルト27A,27Bを貫通孔36に差し込むことでねじ部27aが貫通孔36から突出し、貫通孔36から突出したねじ部27aをねじ孔31にねじ結合する。
【0109】
図25(b)に示すように、一対のボルト27A,27Bを矢印Fの如く締め付けることにより、一方の合わせ部38Aに設けられた一対の位置決め凹部39が、一方の合わせ部33Aに設けられた一対の位置決め凸部34に係合する。
同様に、他方の合わせ部38Bに設けられた一対の位置決め凹部39が、他方の合わせ部33Bに設けられた一対の位置決め凸部34に係合する。
【0110】
図26(a)に示すように、一方の合わせ部38Aに一対の位置決め凹部39が対角線上に近づけられた状態で設けられている(図21(b)も参照)。また、一方の合わせ部33Aに一対の位置決め凸部34が対角線上に近づけられた状態で設けられている(図21(a)も参照)。
さらに、一対の位置決め凹部39および一対の位置決め凸部34は、一方のボルト27Aの周囲に設けられている。
【0111】
よって、図26(a),(b)に示すように、一方のボルト27Aの周囲(近傍)で一対の位置決め凹部39が一対の位置決め凸部34に係合する。これにより、一方のボルト27Aを矢印F方向に締め付ける際に、ボルト27Aの回転方向に一方の合わせ部38Aが僅かにずれる(回転する)ことを一層良好に防止できる。
したがって、一方の合わせ部33Aに対して一方の合わせ部38Aを正規の取付位置に位置決めできる。
【0112】
同様に、図21、図25(b)に示すように、他方の合わせ部38Bに一対の位置決め凹部39が対角線上に近づけられた状態で設けられている。また、他方の合わせ部33Bに一対の位置決め凸部34が対角線上に近づけられた状態で設けられている。
さらに、一対の位置決め凹部39および一対の位置決め凸部34は、他方のボルト27Bの周囲に設けられている。
【0113】
よって、図25(b)に示すように、他方のボルト27Bの周囲(近傍)で一対の位置決め凹部39が一対の位置決め凸部34に係合する。これにより、他方のボルト27Bを矢印F方向に締め付ける際に、ボルト27Bの回転方向に他方の合わせ部38Bが僅かにずれる(回転する)ことを一層良好に防止できる。
したがって、他方の合わせ部33Bに対して他方の合わせ部38Bを正規の取付位置に位置決めできるので、大端部82に対してキャップ85を正規の位置に一層精度よく組み付けることができる。
【0114】
なお、本発明に係る分割型鍛造部材の製造方法は、前述した実施例に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。
例えば、前記実施例1および前記実施例2では、分割型鍛造部材として分割型コンロッド20を例示したが、分割型鍛造部材はこれに限定するものではない。
例えば、本発明に係る分割型鍛造部材を分割型のトランスミッションケースなど他の分割型鍛造部材に適用することも可能である。
【0115】
また、前記実施例1および前記実施例2では、大端部22,82にねじ孔31を設け、キャップ25,85に貫通孔36を設けた例について説明したが、これに限らないで、大端部22,82に貫通孔36を設け、キャップ25,85にねじ孔31を設けることも可能である。
【0116】
さらに、前記実施例1および前記実施例2では、キャップ25,85に位置決め凹部39を設け、コンロッド本体21,81に位置決め凸部34を設けた例について説明したが、これに限らないで、キャップ25,85に位置決め凸部34を設け、コンロッド本体21,81に位置決め凹部39を設けることも可能である。
あるいは、キャップ25,85およびコンロッド本体21,81に位置決め凹部39を設け、キャップ25,85およびコンロッド本体21,81に位置決め凸部34を設けることも可能である。
さらには、キャップ25,85およびコンロッド本体21,81に位置決め凹部39を設け、キャップ25,85およびコンロッド本体21,81に位置決め凸部34を設けることも可能である。
【0117】
また、前記実施例1および前記実施例2では、一次鍛造工程において成形した位置決め凹部57の形状を、二次鍛造工程において変えることで、位置決め凹部39および位置決め凸部34を略円錐状に形成する例について説明したが、これに限定するものではない。
例えば、一次鍛造工程において成形した位置決め凹部の形状を変えることなく、二次鍛造工程を実施することも可能である。
【0118】
さらに、前記実施例1および前記実施例2では、位置決め凸部34や位置決め凹部39を略円錐状、位置決め凸部72や位置決め凹部74を略四角錐状に形成した例について説明したが、位置決め凸部や位置決め凹部の形状はこれに限るものではない。
例えば、位置決め凸部や位置決め凹部を多角錐状や円柱状などの他の形状に形成することも可能である。
【0119】
また、前記実施例2では、一対の合わせ部33A,33Bの対角線上に一対の位置決め凸部34を設け、一対の合わせ部38A,38Bの対角線上に一対の位置決め凹部39を設けた例について説明したがこれに限定するものではない。
例えば、一対の合わせ部33A,33Bの一辺側に一対の位置決め凸部34を設け、一対の合わせ部38A,38Bの一辺側に一対の位置決め凹部39を設けることも可能である。
【0120】
さらに、前記実施例1および前記実施例2で示したエンジン10、クランクピン16a、分割型コンロッド(分割型鍛造部材)20,80、コンロッド本体(第1部材)21,81、大端部22,82、キャップ(第2部材)25,85、係止部29、合わせ部33,38、位置決め凸部34,72、位置決め凹部39,74、本体素材(第1素材)51,87、キャップ素材(第2素材)52,88、仮止め部53、第1仮止め部54、第2仮止め部55および仮止め溝61などの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明は、第1部材および第2部材が締結部材で締結されることで、第1部材および第2部材が突き合わされた状態に組付可能な分割型鍛造部材の製造方法への適用に好適である。
【符号の説明】
【0122】
10…エンジン、16a…クランクピン、20,80…分割型コンロッド(分割型鍛造部材)、21,81…コンロッド本体(第1部材)、22,82…大端部、25,85…キャップ(第2部材)、26…嵌合孔、27…ボルト(締結部材)、27A…一方のボルト、27B…他方のボルト、29…係止部、33,38…合わせ部、33A,38A…一方の合わせ部、33B,38B…他方の合わせ部、33a…位置決め凹部に対峙する部位(位置決め転写部位)、34,72…位置決め凸部、39,74…位置決め凹部、51,87…本体素材(第1素材)、52,88…キャップ素材(第2素材)、53…仮止め部、54…第1仮止め部、54b…仮止め溝に対峙する部位(仮止め転写部位)、54c…仮止凸部、55…第2仮止め部、61…仮止め溝。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材の第1素材および第2部材の第2素材を鍛造することにより、前記第1素材および前記第2素材に互いに突合わせ可能な合わせ部を成形するとともに、前記第1素材および前記第2素材の各合わせ部の少なくとも一方に位置決め凹部を成形する一次鍛造工程と、
第1素材および第2素材をそれぞれの合わせ部で突き合わせた状態で鍛造することにより前記第1部材および前記第2部材を成形するとともに、前記第1部材および前記第2部材を仮止め部で仮止めし、前記合わせ部のうち前記位置決め凹部に対峙する部位を前記位置決め凹部に応じて成形することで位置決め凸部に成形する二次鍛造工程と、
前記仮止め部で仮止めされた前記第1部材および前記第2部材に、前記第1部材および前記第2部材を締結可能な締結部材が係止可能な係止部を加工する加工工程と、
前記係止部に前記締結部材を係止させて前記第1部材および前記第2部材を締結する締結工程と、
前記第1部材および前記第2部材を前記締結部材で締結した状態で前記仮止め部を除去する除去工程と、
前記締結部材による前記第1部材および前記第2部材の締結を解除して前記第1部材および前記第2部材を2部材に分離する分離工程と、
を備えたことを特徴とする分割型鍛造部材の製造方法。
【請求項2】
前記一次鍛造工程において、
前記第1素材に第1仮止め部を一体に成形するとともに、前記第2素材に第2仮止め部を一体に成形し、
前記第1仮止め部および前記第2仮止め部の少なくとも一方に、鍛造による押圧方向に対して直交する方向に延出された仮止め溝を形成し、
前記二次鍛造工程において、
前記第1部材および前記第2部材を鍛造するとともに、前記第1仮止め部および前記第2仮止め部を鍛造することにより、
前記第1仮止め部および前記第2仮止め部のうち前記仮止め溝に対峙する部位を、前記仮止め溝に応じて成形することで前記第1仮止め部および前記第2仮止め部を仮止めすることを特徴とする請求項1記載の分割型鍛造部材の製造方法。
【請求項3】
前記第1部材は、
クランクピンに嵌合可能な大端部を有するコンロッド本体であり、
前記第2部材は、
前記コンロッド本体の前記大端部に前記締結部材で締結可能なキャップであり、
前記除去工程において、
前記仮止め部を除去することで、前記大端部および前記キャップに前記クランクピンが嵌合可能な嵌合孔を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の分割型鍛造部材の製造方法。
【請求項4】
前記位置決め凹部を、前記第1素材および前記第2素材の各合わせ部の少なくとも一方で、かつ前記締結部材の周囲に相当する部位に一対成形することを特徴とする請求項1記載の分割型鍛造部材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2013−6214(P2013−6214A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−107759(P2012−107759)
【出願日】平成24年5月9日(2012.5.9)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】