分岐トンネル施工箇所のトンネル壁の構造およびその組み立て方法
【課題】切削可能な覆工部材を用いて確実に組み立てることができ、土水圧に耐えられる分岐トンネル施工箇所のトンネル壁の構造を提供すること。
【解決手段】分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁14は、その内側に新たな分岐トンネル16が位置するように設けられた矩形枠状の金属製の補強体20と、その内側に設けられた複数の第1のセグメント22で構成されている。各第1のセグメント22の延在方向の両端に鋼製部材30が設けられ、それら鋼製部材30がピン結合24を介して補強体20に結合されている。第1のセグメント22は、シールド機が掘進し易いように、切削し易くしかも剛性が確保された材料で形成されている。
【解決手段】分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁14は、その内側に新たな分岐トンネル16が位置するように設けられた矩形枠状の金属製の補強体20と、その内側に設けられた複数の第1のセグメント22で構成されている。各第1のセグメント22の延在方向の両端に鋼製部材30が設けられ、それら鋼製部材30がピン結合24を介して補強体20に結合されている。第1のセグメント22は、シールド機が掘進し易いように、切削し易くしかも剛性が確保された材料で形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親トンネルから分岐させる形で新たなトンネルを構築する場合に、その分岐トンネル施工箇所のトンネル壁の構造およびその組み立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、既に設置されたトンネル内で、新たなトンネルを分岐施工するための掘削機械を組み立て、一部が完成した状態で地山中に押し出し、逐次、組立と押出しを繰り返して掘削機械の発進を完了させる方法がある。
この方法では、既に設置されたトンネルの覆工のうち、新たなトンネルを発進させる部分の覆工を、鉄筋などを取り除きかつ切削可能な素材としておくことで施工の効率化をはかることが多い(特許文献1)。
【特許文献1】特開2003−253992
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、鉄筋などが取り除かれた切削可能な覆工部材は、鉄筋などが埋め込まれた覆工部材に比べて強度的に弱いため、覆工部材単体の組み立て時に、土水圧に耐えられるか否かが問題となる。
また、鉄筋などが取り除かれた切削可能な覆工部材の複数により分岐トンネル施工箇所が組み立てられた際には、土水圧に耐えられる壁構造となっていなければはならい。
このような観点から分岐トンネル施工箇所のトンネル壁の構造は極めて重要となる。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、鉄筋などが取り除かれた切削可能な覆工部材を用いて確実に組み立てることができ、土水圧に耐えられる分岐トンネル施工箇所のトンネル壁の構造およびその組み立て方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を達成するため本発明は、親トンネルから新たな分岐トンネルを施工する際に、前記分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁の構造であって、親トンネルの延在方向および周方向にそれぞれ並べられた複数の円弧状の補強用セグメントに埋設された鋼製部材を連結することで、前記分岐トンネルの発進開口の周囲を囲むように形成された矩形枠状の補強体と、前記補強体の内側で前記親トンネルの延在方向に並べられそれらの周方向の両端が前記補強体に連結されシールド機により切削し易い材料で形成された複数の円弧状の第1のセグメントとで構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、親トンネルの延在方向および周方向にそれぞれ並べられた複数の円弧状の補強用セグメントに埋設された鋼製部材を連結することで、前記分岐トンネルの発進開口の周囲を囲むように形成された矩形枠状の補強体と、前記補強体の内側で前記親トンネルの延在方向に並べられそれらの周方向の両端が前記補強体に連結されシールド機により切削し易い材料で形成された複数の円弧状の第1のセグメントとで構成されたトンネル壁の組み立て方法であって、前記矩形枠状の補強体の左辺または右辺の一方の辺が構成されるように前記補強用セグメントを組み付け、つぎに、前記一方の辺の上下端部に続く前記補強体の上辺の第1の部分および下辺の第1の部分が構成されるように前記補強用セグメントを組み付け、つぎに、それら補強体の上辺の第1の部分および下辺の第1の部分にそれぞれピン結合により連結することで前記第1のセグメントを組み付けると共に、前記第1のセグメントの両端を直線状に延在する補強鋼材で連結し、つぎに、前記補強体の上辺の第1の部分および下辺の第1の部分に続く上辺の第2の部分および下辺の第2の部分が構成されるように前記補強用セグメントを組み付け、つぎに、それら補強体の上辺の第2の部分および下辺の第2の部分にそれぞれピン結合により連結することで前記第1のセグメントを組み付けると共に、前記第1のセグメントの両端を直線状に延在する補強鋼材で連結し、前記発進開口を含む箇所にこのようにして複数の第1のセグメントを組み付けたならば、前記第1のセグメントに、前記矩形枠状の補強体の左辺または右辺の他方の辺が構成されるように前記補強用セグメントを組み付け、この補強用セグメントの組み付けにより前記補強体が構成されたならば、前記補強鋼材を取り外すようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明の新たな分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁の構造によれば、矩形枠状の金属製の補強体の内側が、切削し易い複数の第1のセグメントで構成されているので、親トンネルの内部から新たな分岐トンネルを施工する際に、その施工効率を向上でき、コストダウンを図ることが可能となる。
また、本発明のトンネル壁の組み立て方法によれば、ピン結合により第1のセグメントを補強用セグメントに連結していくので、補強鋼材を用いて確実に組み立てることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。
図1は親トンネルの内部から新たな分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁を見た図、図6は新たな分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁の断面図を示す。
図1、図6において符号12は施工中の親トンネルを示し、親トンネル12は、多数のセグメントSがトンネルの延在方向および周方向に組み付けられて構築されている。
符号14は、親トンネル12から新たな分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁を示しており、また、符合16は、新たな分岐トンネルの輪郭(直径または発進開口)を示している。
【0007】
分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁14は、その内側に新たな分岐トンネル16が位置するように設けられた矩形枠状の金属製の補強体20と、その内側に設けられた複数の第1のセグメント22で構成されている。
各第1のセグメント22の延在方向の両端は、ピン結合24を介して補強体20に結合されている。本実施の形態では、各第1のセグメント22の延在方向の両端に鋼製部材30が設けられており、それら鋼製部材30がピン結合24を介して補強体20に結合されている。
ここで、ピン結合24とは、親トンネルの延在方向と平行する軸心の周りに回転可能であるが、水平方向や鉛直方向の位置が拘束されて結合された状態をいう。
第1のセグメント22は、シールド機が掘進し易いように、切削し易くしかも剛性が確保された材料で形成されている。このようなセグメントとして、鉄筋などを用いないでガラス繊維や炭素繊維が強化された強化繊維などを用いた従来公知の様々なセグメントが使用可能である。
【0008】
より詳細に説明すると、分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁14の周囲は、複数の円弧状の補強用セグメント26が、親トンネル12の延在方向および周方向にそれぞれ並べられて構成されている。
各補強用セグメント26には、補強体20の部分を構成する鋼製部材28が埋め込まれている。
補強体20の部分を構成する鋼製部材28どうしは、ボルト、ナットの締結により、あるいは、溶接により強固に連結される。
なお、図面では省略されているが、セグメントSどうしの結合、補強用セグメント26どうしの結合、セグメントSと補強用セグメント26との結合は、それらの周方向の端面どうしや、幅方向の端面どうしが従来公知の様々な継ぎ手を用いて行なわれている。
【0009】
つぎに、分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁14について構築手順に従って説明する。
図2は、親トンネル12の延在方向の端部に、矩形枠状の補強体20の左辺の上部を構成する鋼製部材28Aが埋め込まれた補強用セグメント26Aと、矩形枠状の補強体20の左辺の上部と下部を除いた部分を構成する鋼製部材28Bが埋め込まれた補強用セグメント26Bと、矩形枠状の補強体20の左辺の下部を構成する鋼製部材28Cが埋め込まれた補強用セグメント26Cが組み付けられた状態を示している。
なお、鋼製部材28A、28B、28Cどうしは、ボルト、ナットの締結により、あるいは、溶接により強固に連結される。
【0010】
つぎに、図3に示すように、補強用セグメント26Aに、矩形枠状の補強体20の上辺の左半部を構成する鋼製部材28Dが埋め込まれた補強用セグメント26Dが組み付けられる。
また、補強用セグメント26Cに、矩形枠状の補強体20の下辺の左半部を構成する鋼製部材28Eが埋め込まれた補強用セグメント26Eが組み付けられる。
なお、補強用セグメント26Dの鋼製部材28Dは補強用セグメント26Aの鋼製部材28Aに、また、補強用セグメント26Eの鋼製部材28Eは補強用セグメント26Cの鋼製部材28Cにそれぞれ上述と同様に強固に連結される。
そして、補強用セグメント26A、26B、26Cの側部で、補強用セグメント26Dの下端と、補強用セグメント26Eの上端との間に、1つ目の第1のセグメント22Aが組み付けられる。
【0011】
第1のセグメント22Aは、図7に断面図で示し、図8に斜視図で示すように、円弧状に延在し、その延在方向の両端に鋼製部材30が埋め込まれている。
図9に示すように、鋼製部材30の両端面には凸部32が設けられ、凸部32にねじ孔34が形成されている。
また、鋼製部材30がトンネルの内部に臨む箇所には、後述する補強鋼材36の取り付け部37が形成されている。
第1のセグメント22Aの補強用セグメント26D、26Eへの結合は、凸部32の先端面を、鋼製部材28の端面に当接し、補強用セグメント26D、26Eの鋼製部材28のボルト挿通孔40に挿通したボルト42を、それぞれ凸部32のねじ孔34に螺合することで行なわれる。
なお、第1のセグメント22Aの補強用セグメント26A、26B、26Cの側部への結合は、従来公知の様々な継ぎ手を用いて行なわれている。
そして、第1のセグメント22Aの延在方向の両端にわたって断面がL字状で直線状に延在する補強鋼材36が掛けわたされ、その両端はそれぞれボルト38により鋼製部材30の取り付け部37に取着される。
本実施の形態では、一つの第1のセグメント22Aに対して二つの補強鋼材36がセグメント22Aの幅方向に間隔をおいて設けられている。
【0012】
したがって、第1のセグメント22Aの延在方向の両端は、補強用セグメント26D、26Eに対してトンネルの周方向にそって強固に一体的に連結されているということはできず、凸部32の先端面が鋼製部材28の端面に当接していることから、トンネルの延在方向に平行する仮想軸の周りに回転可能に連結されたピン結合24により連結されているということができる。
第1のセグメント22Aを含むトンネル断面が受けるこの軸力の分布を図11に示す。
図11に示すように、土水圧により第1のセグメント22Aを含むトンネル全周のセグメントにかかる軸力は、第1のセグメント22Aには掛からず、第1のセグメント22Aの部分では第1のセグメント22Aに代わって補強鋼材36で受けることになる。
【0013】
つぎに、図4に示すように、補強用セグメント26Dに、矩形枠状の補強体20の上辺の右半部を構成する鋼製部材28Fが埋め込まれた補強用セグメント26Fが組み付けられる。
また、補強用セグメント26Eに、矩形枠状の補強体20の下辺の右半部を構成する鋼製部材28Gが埋め込まれた補強用セグメント26Gが組み付けられる。
なお、補強用セグメント26Fの鋼製部材28Fは補強用セグメント26Dの鋼製部材28Dに、また、補強用セグメント26Gの鋼製部材28Gは補強用セグメント26Eの鋼製部材28Eにそれぞれ上述と同様に強固に連結される。
そして、第1のセグメント22Aの側部で、補強用セグメント26Fの下端と、補強用セグメント26Gの上端との間に、2つ目の第1のセグメント22Bが組み付けられる。
【0014】
2つ目の第1のセグメント22Bの補強用セグメント26F、26Gへの結合は、1つ目の第1のセグメント22Aと同様に、凸部32の先端面を、鋼製部材28の端面に当接し、補強用セグメント26F、26Gの鋼製部材28のボルト挿通孔40に挿通したボルト42を、それぞれ凸部32のねじ孔34に螺合することで行なわれる。
なお、2つ目の第1のセグメント22Bの1つの第1のセグメント22Aの側部への結合は、従来公知の様々な継ぎ手、合成樹脂製のボルトなどを用いて行なわれる。
また、1つ目の第1のセグメント22Aと同様に、2つ目の第1のセグメント22Bに対して二つの補強鋼材36が取り付けられる。
そして、図11に示すように、土水圧により2つ目の第1のセグメント22Bを含むトンネル全周のセグメントにかかる軸力は、2つ目の第1のセグメント22Bには掛からず、第1のセグメント22Bの部分では第1のセグメント22Bに代わって補強鋼材36で受けることになる。
【0015】
なお、用いる第1のセグメント22の数は、新たな分岐トンネルの直径や、第1のセグメント22の幅などに応じて適宜決定される。本実施の形態では、組み付けられる第1のセグメント22の数は2つである。
全ての第1のセグメント22の組み付けが終了したならば、図5に示すように、補強用セグメント26Fに、矩形枠状の補強体20の右辺の上部を構成する鋼製部材28Hが埋め込まれた補強用セグメント26Hが組み付けられる。
また、矩形枠状の補強体20の右辺の上部と下部を除いた部分を構成する鋼製部材28Iが埋め込まれた補強用セグメント26Iが、第1のセグメント22Bの側部に組み付けられる。
また、補強用セグメント26Gに、矩形枠状の補強体20の右辺の下部を構成する鋼製部材28Jが埋め込まれた補強用セグメント26Jが組み付けられる。
なお、新たに施工されるトンネル壁が切削し易ければよいので、図10に示すように、補強体20の内側でトンネルの延在方向の両端に位置する第1のセグメント22A、22Dについては、その上下端部2202を除く部分2204のみが切削し易い材料で形成されていれば足り、その全長にわたって切削し易い材料で形成されている必要はない。なお、図10では、補強体20の内側に設ける第1のセグメント22として22A乃至22Dの4つ用いた場合を示している。
【0016】
補強用セグメント26H、26I、26Jを含むトンネルの全周にセグメントが組み付けられたならば、補強体20が完成されるので、土水圧によりトンネル全周のセグメントにかかる軸力は、補強体20の内側の2つの第1のセグメント22A、22Bには掛からず補強体20で受けることになるので、4つの補強鋼材36は不要となる。
したがって、補強体20が組み上がった時点で4つの補強鋼材36を取り外してもよくあるいは、新たな分岐トンネルの掘進時に取り外してもよい。
【0017】
本実施の形態のトンネル壁14の構造によれば、矩形枠状の金属製の補強体20の内側が、切削し易い複数の第1のセグメント22で構成されている。
したがって、親トンネル12の内部から新たな分岐トンネルを施工する際に、その施工効率を向上でき、コストダウンを図ることが可能となる。
また、トンネル壁14の組み立ても、ピン結合24により第1のセグメント22を補強用セグメント26に連結していくので、補強鋼材36を用いて確実に組み立てることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】親トンネルの内部から新たな分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁を見た図である。
【図2】親トンネルの延在方向の端部に補強用セグメントが組み付けられて補強体の一部が構成された図である。
【図3】親トンネルの延在方向の端部に補強用セグメントと第1のセグメントが組み付けられた図である。
【図4】親トンネルの延在方向の端部に補強用セグメントと全ての第1のセグメントが組み付けられた図である。
【図5】親トンネルの延在方向の端部に全ての補強用セグメントと全ての第1のセグメントが組み付けられた図である。
【図6】新たな分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁の断面図である。
【図7】新たな分岐トンネルが施工される箇所の補強鋼材を含むトンネル壁の断面図である。
【図8】補強鋼材が連結された第1のセグメントの斜視図である。
【図9】ピン結合部分の拡大断面図である。
【図10】親トンネルの内部から新たな分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁を見た図である。
【図11】土水圧により第1のセグメントを含むトンネル全周のセグメントにかかる軸力の分布図である。
【符号の説明】
【0019】
12……親トンネル、14……トンネル壁、16……新たな分岐トンネルの輪郭、20……補強体、22……第1のセグメント、24……ピン結合、28……鋼製部材、30……鋼製部材、36……補強鋼材、S……セグメント。
【技術分野】
【0001】
本発明は、親トンネルから分岐させる形で新たなトンネルを構築する場合に、その分岐トンネル施工箇所のトンネル壁の構造およびその組み立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、既に設置されたトンネル内で、新たなトンネルを分岐施工するための掘削機械を組み立て、一部が完成した状態で地山中に押し出し、逐次、組立と押出しを繰り返して掘削機械の発進を完了させる方法がある。
この方法では、既に設置されたトンネルの覆工のうち、新たなトンネルを発進させる部分の覆工を、鉄筋などを取り除きかつ切削可能な素材としておくことで施工の効率化をはかることが多い(特許文献1)。
【特許文献1】特開2003−253992
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、鉄筋などが取り除かれた切削可能な覆工部材は、鉄筋などが埋め込まれた覆工部材に比べて強度的に弱いため、覆工部材単体の組み立て時に、土水圧に耐えられるか否かが問題となる。
また、鉄筋などが取り除かれた切削可能な覆工部材の複数により分岐トンネル施工箇所が組み立てられた際には、土水圧に耐えられる壁構造となっていなければはならい。
このような観点から分岐トンネル施工箇所のトンネル壁の構造は極めて重要となる。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、鉄筋などが取り除かれた切削可能な覆工部材を用いて確実に組み立てることができ、土水圧に耐えられる分岐トンネル施工箇所のトンネル壁の構造およびその組み立て方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を達成するため本発明は、親トンネルから新たな分岐トンネルを施工する際に、前記分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁の構造であって、親トンネルの延在方向および周方向にそれぞれ並べられた複数の円弧状の補強用セグメントに埋設された鋼製部材を連結することで、前記分岐トンネルの発進開口の周囲を囲むように形成された矩形枠状の補強体と、前記補強体の内側で前記親トンネルの延在方向に並べられそれらの周方向の両端が前記補強体に連結されシールド機により切削し易い材料で形成された複数の円弧状の第1のセグメントとで構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、親トンネルの延在方向および周方向にそれぞれ並べられた複数の円弧状の補強用セグメントに埋設された鋼製部材を連結することで、前記分岐トンネルの発進開口の周囲を囲むように形成された矩形枠状の補強体と、前記補強体の内側で前記親トンネルの延在方向に並べられそれらの周方向の両端が前記補強体に連結されシールド機により切削し易い材料で形成された複数の円弧状の第1のセグメントとで構成されたトンネル壁の組み立て方法であって、前記矩形枠状の補強体の左辺または右辺の一方の辺が構成されるように前記補強用セグメントを組み付け、つぎに、前記一方の辺の上下端部に続く前記補強体の上辺の第1の部分および下辺の第1の部分が構成されるように前記補強用セグメントを組み付け、つぎに、それら補強体の上辺の第1の部分および下辺の第1の部分にそれぞれピン結合により連結することで前記第1のセグメントを組み付けると共に、前記第1のセグメントの両端を直線状に延在する補強鋼材で連結し、つぎに、前記補強体の上辺の第1の部分および下辺の第1の部分に続く上辺の第2の部分および下辺の第2の部分が構成されるように前記補強用セグメントを組み付け、つぎに、それら補強体の上辺の第2の部分および下辺の第2の部分にそれぞれピン結合により連結することで前記第1のセグメントを組み付けると共に、前記第1のセグメントの両端を直線状に延在する補強鋼材で連結し、前記発進開口を含む箇所にこのようにして複数の第1のセグメントを組み付けたならば、前記第1のセグメントに、前記矩形枠状の補強体の左辺または右辺の他方の辺が構成されるように前記補強用セグメントを組み付け、この補強用セグメントの組み付けにより前記補強体が構成されたならば、前記補強鋼材を取り外すようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明の新たな分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁の構造によれば、矩形枠状の金属製の補強体の内側が、切削し易い複数の第1のセグメントで構成されているので、親トンネルの内部から新たな分岐トンネルを施工する際に、その施工効率を向上でき、コストダウンを図ることが可能となる。
また、本発明のトンネル壁の組み立て方法によれば、ピン結合により第1のセグメントを補強用セグメントに連結していくので、補強鋼材を用いて確実に組み立てることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。
図1は親トンネルの内部から新たな分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁を見た図、図6は新たな分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁の断面図を示す。
図1、図6において符号12は施工中の親トンネルを示し、親トンネル12は、多数のセグメントSがトンネルの延在方向および周方向に組み付けられて構築されている。
符号14は、親トンネル12から新たな分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁を示しており、また、符合16は、新たな分岐トンネルの輪郭(直径または発進開口)を示している。
【0007】
分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁14は、その内側に新たな分岐トンネル16が位置するように設けられた矩形枠状の金属製の補強体20と、その内側に設けられた複数の第1のセグメント22で構成されている。
各第1のセグメント22の延在方向の両端は、ピン結合24を介して補強体20に結合されている。本実施の形態では、各第1のセグメント22の延在方向の両端に鋼製部材30が設けられており、それら鋼製部材30がピン結合24を介して補強体20に結合されている。
ここで、ピン結合24とは、親トンネルの延在方向と平行する軸心の周りに回転可能であるが、水平方向や鉛直方向の位置が拘束されて結合された状態をいう。
第1のセグメント22は、シールド機が掘進し易いように、切削し易くしかも剛性が確保された材料で形成されている。このようなセグメントとして、鉄筋などを用いないでガラス繊維や炭素繊維が強化された強化繊維などを用いた従来公知の様々なセグメントが使用可能である。
【0008】
より詳細に説明すると、分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁14の周囲は、複数の円弧状の補強用セグメント26が、親トンネル12の延在方向および周方向にそれぞれ並べられて構成されている。
各補強用セグメント26には、補強体20の部分を構成する鋼製部材28が埋め込まれている。
補強体20の部分を構成する鋼製部材28どうしは、ボルト、ナットの締結により、あるいは、溶接により強固に連結される。
なお、図面では省略されているが、セグメントSどうしの結合、補強用セグメント26どうしの結合、セグメントSと補強用セグメント26との結合は、それらの周方向の端面どうしや、幅方向の端面どうしが従来公知の様々な継ぎ手を用いて行なわれている。
【0009】
つぎに、分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁14について構築手順に従って説明する。
図2は、親トンネル12の延在方向の端部に、矩形枠状の補強体20の左辺の上部を構成する鋼製部材28Aが埋め込まれた補強用セグメント26Aと、矩形枠状の補強体20の左辺の上部と下部を除いた部分を構成する鋼製部材28Bが埋め込まれた補強用セグメント26Bと、矩形枠状の補強体20の左辺の下部を構成する鋼製部材28Cが埋め込まれた補強用セグメント26Cが組み付けられた状態を示している。
なお、鋼製部材28A、28B、28Cどうしは、ボルト、ナットの締結により、あるいは、溶接により強固に連結される。
【0010】
つぎに、図3に示すように、補強用セグメント26Aに、矩形枠状の補強体20の上辺の左半部を構成する鋼製部材28Dが埋め込まれた補強用セグメント26Dが組み付けられる。
また、補強用セグメント26Cに、矩形枠状の補強体20の下辺の左半部を構成する鋼製部材28Eが埋め込まれた補強用セグメント26Eが組み付けられる。
なお、補強用セグメント26Dの鋼製部材28Dは補強用セグメント26Aの鋼製部材28Aに、また、補強用セグメント26Eの鋼製部材28Eは補強用セグメント26Cの鋼製部材28Cにそれぞれ上述と同様に強固に連結される。
そして、補強用セグメント26A、26B、26Cの側部で、補強用セグメント26Dの下端と、補強用セグメント26Eの上端との間に、1つ目の第1のセグメント22Aが組み付けられる。
【0011】
第1のセグメント22Aは、図7に断面図で示し、図8に斜視図で示すように、円弧状に延在し、その延在方向の両端に鋼製部材30が埋め込まれている。
図9に示すように、鋼製部材30の両端面には凸部32が設けられ、凸部32にねじ孔34が形成されている。
また、鋼製部材30がトンネルの内部に臨む箇所には、後述する補強鋼材36の取り付け部37が形成されている。
第1のセグメント22Aの補強用セグメント26D、26Eへの結合は、凸部32の先端面を、鋼製部材28の端面に当接し、補強用セグメント26D、26Eの鋼製部材28のボルト挿通孔40に挿通したボルト42を、それぞれ凸部32のねじ孔34に螺合することで行なわれる。
なお、第1のセグメント22Aの補強用セグメント26A、26B、26Cの側部への結合は、従来公知の様々な継ぎ手を用いて行なわれている。
そして、第1のセグメント22Aの延在方向の両端にわたって断面がL字状で直線状に延在する補強鋼材36が掛けわたされ、その両端はそれぞれボルト38により鋼製部材30の取り付け部37に取着される。
本実施の形態では、一つの第1のセグメント22Aに対して二つの補強鋼材36がセグメント22Aの幅方向に間隔をおいて設けられている。
【0012】
したがって、第1のセグメント22Aの延在方向の両端は、補強用セグメント26D、26Eに対してトンネルの周方向にそって強固に一体的に連結されているということはできず、凸部32の先端面が鋼製部材28の端面に当接していることから、トンネルの延在方向に平行する仮想軸の周りに回転可能に連結されたピン結合24により連結されているということができる。
第1のセグメント22Aを含むトンネル断面が受けるこの軸力の分布を図11に示す。
図11に示すように、土水圧により第1のセグメント22Aを含むトンネル全周のセグメントにかかる軸力は、第1のセグメント22Aには掛からず、第1のセグメント22Aの部分では第1のセグメント22Aに代わって補強鋼材36で受けることになる。
【0013】
つぎに、図4に示すように、補強用セグメント26Dに、矩形枠状の補強体20の上辺の右半部を構成する鋼製部材28Fが埋め込まれた補強用セグメント26Fが組み付けられる。
また、補強用セグメント26Eに、矩形枠状の補強体20の下辺の右半部を構成する鋼製部材28Gが埋め込まれた補強用セグメント26Gが組み付けられる。
なお、補強用セグメント26Fの鋼製部材28Fは補強用セグメント26Dの鋼製部材28Dに、また、補強用セグメント26Gの鋼製部材28Gは補強用セグメント26Eの鋼製部材28Eにそれぞれ上述と同様に強固に連結される。
そして、第1のセグメント22Aの側部で、補強用セグメント26Fの下端と、補強用セグメント26Gの上端との間に、2つ目の第1のセグメント22Bが組み付けられる。
【0014】
2つ目の第1のセグメント22Bの補強用セグメント26F、26Gへの結合は、1つ目の第1のセグメント22Aと同様に、凸部32の先端面を、鋼製部材28の端面に当接し、補強用セグメント26F、26Gの鋼製部材28のボルト挿通孔40に挿通したボルト42を、それぞれ凸部32のねじ孔34に螺合することで行なわれる。
なお、2つ目の第1のセグメント22Bの1つの第1のセグメント22Aの側部への結合は、従来公知の様々な継ぎ手、合成樹脂製のボルトなどを用いて行なわれる。
また、1つ目の第1のセグメント22Aと同様に、2つ目の第1のセグメント22Bに対して二つの補強鋼材36が取り付けられる。
そして、図11に示すように、土水圧により2つ目の第1のセグメント22Bを含むトンネル全周のセグメントにかかる軸力は、2つ目の第1のセグメント22Bには掛からず、第1のセグメント22Bの部分では第1のセグメント22Bに代わって補強鋼材36で受けることになる。
【0015】
なお、用いる第1のセグメント22の数は、新たな分岐トンネルの直径や、第1のセグメント22の幅などに応じて適宜決定される。本実施の形態では、組み付けられる第1のセグメント22の数は2つである。
全ての第1のセグメント22の組み付けが終了したならば、図5に示すように、補強用セグメント26Fに、矩形枠状の補強体20の右辺の上部を構成する鋼製部材28Hが埋め込まれた補強用セグメント26Hが組み付けられる。
また、矩形枠状の補強体20の右辺の上部と下部を除いた部分を構成する鋼製部材28Iが埋め込まれた補強用セグメント26Iが、第1のセグメント22Bの側部に組み付けられる。
また、補強用セグメント26Gに、矩形枠状の補強体20の右辺の下部を構成する鋼製部材28Jが埋め込まれた補強用セグメント26Jが組み付けられる。
なお、新たに施工されるトンネル壁が切削し易ければよいので、図10に示すように、補強体20の内側でトンネルの延在方向の両端に位置する第1のセグメント22A、22Dについては、その上下端部2202を除く部分2204のみが切削し易い材料で形成されていれば足り、その全長にわたって切削し易い材料で形成されている必要はない。なお、図10では、補強体20の内側に設ける第1のセグメント22として22A乃至22Dの4つ用いた場合を示している。
【0016】
補強用セグメント26H、26I、26Jを含むトンネルの全周にセグメントが組み付けられたならば、補強体20が完成されるので、土水圧によりトンネル全周のセグメントにかかる軸力は、補強体20の内側の2つの第1のセグメント22A、22Bには掛からず補強体20で受けることになるので、4つの補強鋼材36は不要となる。
したがって、補強体20が組み上がった時点で4つの補強鋼材36を取り外してもよくあるいは、新たな分岐トンネルの掘進時に取り外してもよい。
【0017】
本実施の形態のトンネル壁14の構造によれば、矩形枠状の金属製の補強体20の内側が、切削し易い複数の第1のセグメント22で構成されている。
したがって、親トンネル12の内部から新たな分岐トンネルを施工する際に、その施工効率を向上でき、コストダウンを図ることが可能となる。
また、トンネル壁14の組み立ても、ピン結合24により第1のセグメント22を補強用セグメント26に連結していくので、補強鋼材36を用いて確実に組み立てることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】親トンネルの内部から新たな分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁を見た図である。
【図2】親トンネルの延在方向の端部に補強用セグメントが組み付けられて補強体の一部が構成された図である。
【図3】親トンネルの延在方向の端部に補強用セグメントと第1のセグメントが組み付けられた図である。
【図4】親トンネルの延在方向の端部に補強用セグメントと全ての第1のセグメントが組み付けられた図である。
【図5】親トンネルの延在方向の端部に全ての補強用セグメントと全ての第1のセグメントが組み付けられた図である。
【図6】新たな分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁の断面図である。
【図7】新たな分岐トンネルが施工される箇所の補強鋼材を含むトンネル壁の断面図である。
【図8】補強鋼材が連結された第1のセグメントの斜視図である。
【図9】ピン結合部分の拡大断面図である。
【図10】親トンネルの内部から新たな分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁を見た図である。
【図11】土水圧により第1のセグメントを含むトンネル全周のセグメントにかかる軸力の分布図である。
【符号の説明】
【0019】
12……親トンネル、14……トンネル壁、16……新たな分岐トンネルの輪郭、20……補強体、22……第1のセグメント、24……ピン結合、28……鋼製部材、30……鋼製部材、36……補強鋼材、S……セグメント。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
親トンネルから新たな分岐トンネルを施工する際に、前記分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁の構造であって、
親トンネルの延在方向および周方向にそれぞれ並べられた複数の円弧状の補強用セグメントに埋設された鋼製部材を連結することで、前記分岐トンネルの発進開口の周囲を囲むように形成された矩形枠状の補強体と、
前記補強体の内側で前記親トンネルの延在方向に並べられそれらの周方向の両端が前記補強体に連結されシールド機により切削し易い材料で形成された複数の円弧状の第1のセグメントとで構成されている、
ことを特徴とする分岐トンネル施工箇所のトンネル壁の構造。
【請求項2】
前記複数の第1のセグメントの周方向の両端は、前記補強体にピン結合で連結されている、
ことを特徴とする請求項1記載の分岐トンネル施工箇所のトンネル壁の構造。
【請求項3】
前記複数の第1のセグメントの周方向の両端には鋼製部材がそれぞれ埋め込まれており、
前記第1のセグメントの周方向の両端の前記鋼製部材が前記補強体にピン結合で連結されている、
ことを特徴とする請求項1記載の分岐トンネル施工箇所のトンネル壁の構造。
【請求項4】
前記複数の第1のセグメントの周方向の両端には鋼製部材がそれぞれ埋め込まれており、
前記第1のセグメントの周方向の両端の前記鋼製部材が前記補強体にピン結合で連結され、
前記第1のセグメントの周方向の両端の前記鋼製部材には、直線状に延在する補強鋼材の両端が着脱可能に結合される結合部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載の分岐トンネル施工箇所のトンネル壁の構造。
【請求項5】
親トンネルの延在方向および周方向にそれぞれ並べられた複数の円弧状の補強用セグメントに埋設された鋼製部材を連結することで、前記分岐トンネルの発進開口の周囲を囲むように形成された矩形枠状の補強体と、
前記補強体の内側で前記親トンネルの延在方向に並べられそれらの周方向の両端が前記補強体に連結されシールド機により切削し易い材料で形成された複数の円弧状の第1のセグメントと、
で構成されたトンネル壁の組み立て方法であって、
前記矩形枠状の補強体の左辺または右辺の一方の辺が構成されるように前記補強用セグメントを組み付け、
つぎに、前記一方の辺の上下端部に続く前記補強体の上辺の第1の部分および下辺の第1の部分が構成されるように前記補強用セグメントを組み付け、
つぎに、それら補強体の上辺の第1の部分および下辺の第1の部分にそれぞれピン結合により連結することで前記第1のセグメントを組み付けると共に、前記第1のセグメントの両端を直線状に延在する補強鋼材で連結し、
つぎに、前記補強体の上辺の第1の部分および下辺の第1の部分に続く上辺の第2の部分および下辺の第2の部分が構成されるように前記補強用セグメントを組み付け、
つぎに、それら補強体の上辺の第2の部分および下辺の第2の部分にそれぞれピン結合により連結することで前記第1のセグメントを組み付けると共に、前記第1のセグメントの両端を直線状に延在する補強鋼材で連結し、
前記発進開口を含む箇所にこのようにして複数の第1のセグメントを組み付けたならば、前記第1のセグメントに、前記矩形枠状の補強体の左辺または右辺の他方の辺が構成されるように前記補強用セグメントを組み付け、
この補強用セグメントの組み付けにより前記補強体が構成されたならば、前記補強鋼材を取り外すようにした、
ことを特徴とするトンネル壁の組み立て方法。
【請求項6】
前記複数の第1のセグメントの周方向の両端には鋼製部材がそれぞれ埋め込まれており、
前記第1のセグメントの周方向の両端の前記補強体への連結は、前記鋼製部材が前記補強体にピン結合されることでなされる、
ことを特徴とする請求項5記載のトンネル壁の組み立て方法。
【請求項1】
親トンネルから新たな分岐トンネルを施工する際に、前記分岐トンネルが施工される箇所のトンネル壁の構造であって、
親トンネルの延在方向および周方向にそれぞれ並べられた複数の円弧状の補強用セグメントに埋設された鋼製部材を連結することで、前記分岐トンネルの発進開口の周囲を囲むように形成された矩形枠状の補強体と、
前記補強体の内側で前記親トンネルの延在方向に並べられそれらの周方向の両端が前記補強体に連結されシールド機により切削し易い材料で形成された複数の円弧状の第1のセグメントとで構成されている、
ことを特徴とする分岐トンネル施工箇所のトンネル壁の構造。
【請求項2】
前記複数の第1のセグメントの周方向の両端は、前記補強体にピン結合で連結されている、
ことを特徴とする請求項1記載の分岐トンネル施工箇所のトンネル壁の構造。
【請求項3】
前記複数の第1のセグメントの周方向の両端には鋼製部材がそれぞれ埋め込まれており、
前記第1のセグメントの周方向の両端の前記鋼製部材が前記補強体にピン結合で連結されている、
ことを特徴とする請求項1記載の分岐トンネル施工箇所のトンネル壁の構造。
【請求項4】
前記複数の第1のセグメントの周方向の両端には鋼製部材がそれぞれ埋め込まれており、
前記第1のセグメントの周方向の両端の前記鋼製部材が前記補強体にピン結合で連結され、
前記第1のセグメントの周方向の両端の前記鋼製部材には、直線状に延在する補強鋼材の両端が着脱可能に結合される結合部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載の分岐トンネル施工箇所のトンネル壁の構造。
【請求項5】
親トンネルの延在方向および周方向にそれぞれ並べられた複数の円弧状の補強用セグメントに埋設された鋼製部材を連結することで、前記分岐トンネルの発進開口の周囲を囲むように形成された矩形枠状の補強体と、
前記補強体の内側で前記親トンネルの延在方向に並べられそれらの周方向の両端が前記補強体に連結されシールド機により切削し易い材料で形成された複数の円弧状の第1のセグメントと、
で構成されたトンネル壁の組み立て方法であって、
前記矩形枠状の補強体の左辺または右辺の一方の辺が構成されるように前記補強用セグメントを組み付け、
つぎに、前記一方の辺の上下端部に続く前記補強体の上辺の第1の部分および下辺の第1の部分が構成されるように前記補強用セグメントを組み付け、
つぎに、それら補強体の上辺の第1の部分および下辺の第1の部分にそれぞれピン結合により連結することで前記第1のセグメントを組み付けると共に、前記第1のセグメントの両端を直線状に延在する補強鋼材で連結し、
つぎに、前記補強体の上辺の第1の部分および下辺の第1の部分に続く上辺の第2の部分および下辺の第2の部分が構成されるように前記補強用セグメントを組み付け、
つぎに、それら補強体の上辺の第2の部分および下辺の第2の部分にそれぞれピン結合により連結することで前記第1のセグメントを組み付けると共に、前記第1のセグメントの両端を直線状に延在する補強鋼材で連結し、
前記発進開口を含む箇所にこのようにして複数の第1のセグメントを組み付けたならば、前記第1のセグメントに、前記矩形枠状の補強体の左辺または右辺の他方の辺が構成されるように前記補強用セグメントを組み付け、
この補強用セグメントの組み付けにより前記補強体が構成されたならば、前記補強鋼材を取り外すようにした、
ことを特徴とするトンネル壁の組み立て方法。
【請求項6】
前記複数の第1のセグメントの周方向の両端には鋼製部材がそれぞれ埋め込まれており、
前記第1のセグメントの周方向の両端の前記補強体への連結は、前記鋼製部材が前記補強体にピン結合されることでなされる、
ことを特徴とする請求項5記載のトンネル壁の組み立て方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−163615(P2008−163615A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−353150(P2006−353150)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(302060926)株式会社フジタ (285)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(302060926)株式会社フジタ (285)
【Fターム(参考)】
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