説明

分岐口付き湯水混合水栓

【課題】
湯又は水の分岐を行うことのできる分岐口付き湯水混合水栓において、例えば、湯・水の分岐を変更するなど分岐流路を変更する場合でも水栓の本体部を兼用することができるようにすることにより、製造コスト及び保守コストを低減させること。
【解決手段】
給湯配管2に接続される湯側流路22と給水配管3に連通接続される水側流路24とが設けられ、湯側流路22には湯側周回流路26が連設され水側流路24には水側周回流路28が連設された本体部20と、本体部20に対して上下反転してそれぞれ装着可能に設けられるとともに、本体部20に対して上下反転して装着されることにより、分岐口32が、湯側周回流路26又は水側連絡流路28のいずれか一方に選択的に連通接続するように設けられて、湯側周回流路26又は水側周回流路28と浄水器や食器洗浄機等の他の機器とを連通接続する分岐口部材30と、を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は分岐口付き湯水混合水栓に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給湯配管に連通接続される湯側流路と給水配管に連通接続される水側流路とが設けられるとともに、前記湯側流路には湯側連絡流路が連設され前記水側流路には水側連絡流路が連設された本体部と、前記湯側連絡流路又は前記水側連絡流路と浄水器や食器洗浄機等の他の機器とを連通接続する分岐口が設けられた分岐口部材と、が備えられた分岐口付き湯水混合水栓には、下記のようなものが知られている。
【0003】
従来例1では、二つの分岐口を備えるとともに、湯側流路に連設される湯側連絡流路に分岐口を連通接続するように構成し、他方の分岐口は水側流路を避けるよう対向する位置に分岐口を構成し、湯側流路のみが一方の分岐口と連通接続されるように設けることとしている。一方、水側流路に連設される水側連絡流路に分岐口を連通接続するように構成する場合には、他方の分岐口は湯側流路を避けるよう構成するものとしている(特許文献1)。また、従来例2では、円筒状ハブに分岐口が設けられ、この分岐口と連通する周回流路が、水栓本体に形成された貫通孔を介して湯側流路に連通接続されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−133451公報(図1から図5)
【特許文献2】特開2001−336665公報(図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した従来例では、湯側流路から湯を分岐させたい場合と、水側流路から水を分岐させたい場合とでは、それぞれの分岐用に水栓の本体部を構成しなくてはならず、湯側分岐用と水側分岐用で本体部を兼用できない。よって、湯側孔を備えた湯側分岐用の本体部と、水側貫通孔を備えた水側分岐用の本体部とをそれぞれ用意しておく必要が生じ、分岐口付き湯水混合水栓の製造コストが増加し、また、湯側分岐と水側分岐とを切り換える際の保守コストも増加する要因となっていた。
【0006】
本発明は前述した従来の分岐口付き湯水混合水栓の問題点を解決するものであり、湯又は水の分岐を行うことのできる分岐口付き湯水混合水栓において、例えば、湯・水の分岐を変更するなど分岐流路を変更する場合でも水栓の本体部を兼用することができるようにすることにより、製造コスト及び保守コストを低減させることのできる分岐口付き湯水混合水栓を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した課題を解決するための本発明の第一の手段は、
給湯配管に接続される湯側流路と給水配管に連通接続される水側流路とが設けられ、前記湯側流路には湯側連絡流路が連設され前記水側流路には水側連絡流路が連設された本体部と、
前記本体部に対して上下反転してそれぞれ装着可能に設けられるとともに、前記本体部に対して上下反転して装着されることにより、分岐口が、前記湯側連絡流路又は前記水側連絡流路のいずれか一方に選択的に連通接続するように設けられて、前記湯側連絡流路又は前記水側連絡流路と浄水器や食器洗浄機等の他の機器とを連通接続する分岐口部材と、
が備えられたことを特徴とする分岐口付き湯水混合水栓である。
【0008】
本発明によれば、本体部には湯側連絡流路と水側連絡流路が設けられており、一方、分岐口部材を上下反転すれば、分岐口部材に設けられた分岐口が湯側連絡流路又は水側連絡流路のいずれかに選択的に連通接続される。よって、分岐口部材を上下反転することにより、本体部を変更することなく湯側の分岐、水側の分岐を変更することができる。
【0009】
また本発明の第二の手段は、
給湯配管に接続される湯側流路と給水配管に連通接続される水側流路とが設けられ、前記湯側流路には湯側連絡流路が連設され前記水側流路には水側連絡流路が連設されるとともに、前記湯側連絡流路と前記水側連絡流路との間の外周面に、複数以上のシール部材が取り付けられた本体部と、
前記湯側連絡流路又は前記水側連絡流路と浄水器や食器洗浄機等の他の機器とを連通接続する分岐口が設けられた分岐口部材と、
が備えられたことを特徴とする分岐口付き湯水混合水栓である。
【0010】
また本発明の第三の手段は、
給湯配管に接続される湯側流路と給水配管に連通接続される水側流路とが設けられ、前記湯側流路には湯側連絡流路が連設され前記水側流路には水側連絡流路が連設されるとともに、前記湯側連絡流路と前記水側連絡流路との間の外周面に、複数以上のシール部材が取り付けられた本体部と、
前記湯側連絡流路と浄水器や食器洗浄機等の他の機器とを連通接続する第一分岐口が設けられるとともに、内周面に、前記複数以上のシール部材の少なくとも一つが内接されるように配設された第一分岐口部材と、
該第一分岐口部材と別体に設けられ、前記水側連絡流路と浄水器や食器洗浄機等の他の機器とを連通接続する第二分岐口が設けられるとともに、内周面に、前記複数以上のシール部材の少なくとも一つが内接されるように配設された第二分岐口部材と、
が備えられたことを特徴とする分岐口付き湯水混合水栓である。
【0011】
また本発明の第四の手段は、
給湯配管に接続される湯側流路と給水配管に連通接続される水側流路とが設けられるとともに、前記湯側流路には湯側連絡流路が連設され前記水側流路には水側連絡流路が連設され、前記湯側連絡流路と前記水側連絡流路との間の外周面に、複数以上のシール部材が取り付けられた本体部と、
前記本体部に対して上下反転してそれぞれ装着可能に設けられるとともに、前記本体部に対して上下反転して装着されることにより、分岐口が、前記湯側連絡流路又は前記水側連絡流路のいずれか一方に選択的に連通接続するように設けられて、前記湯側連絡流路又は前記水側連絡流路と浄水器や食器洗浄機等の他の機器とを連通接続する分岐口部材、
又は、
前記湯側連絡流路と浄水器や食器洗浄機等の他の機器とを連通接続する第一分岐口が設けられるとともに、内周面に、前記複数以上のシール部材の少なくとも一つが内接されるように配設された第一分岐口部材と、
該第一分岐口部材と別体に設けられ、前記水側連絡流路と浄水器や食器洗浄機等の他の機器とを連通接続する第二分岐口が設けられるとともに、内周面に、前記複数以上のシール部材の少なくとも一つが内接されるように配設された第二分岐口部材と、
が備えられたことを特徴とする分岐口付き湯水混合水栓である。
【0012】
本体部の湯側連絡流路と前記水側連絡流路との間の外周面に、複数以上のシール部材を取り付けることにより、本体部の外周面と分岐口部材の内周面とのシールをより確実にすることができる。特に、前述した本発明の第三の手段のように、湯側連絡流路と他の機器とを連通接続する第一分岐口が設けられた第一分岐口部材と、この第一分岐口部材と別体に設けられ、水側連絡流路と他の機器とを連通接続する第二分岐口が備えられた分岐口付き湯水混合水栓の場合には、本体部とそれぞれの分岐口部材とのシールを図ることが必要とされるが、前述したように複数以上のシール部材が取り付けられていれば、第一分岐口部材及び第二分岐口部材のそれぞれの内周面にシール部材が各々確実に圧着されるようにすることができる。よって、それぞれの分岐口部材の向きをそれぞれ変えて第一分岐口と第二分岐口の位置をそれぞれ調整可能とするために、前述した本発明の第三の手段のように第一分岐口部材と第二分岐口部材とを別体に設けたいような場合であっても、それぞれの分岐口部材毎に各々のシール部材が確実に内接されるので、第一分岐口部材及び第二分岐口部材共にシールを確実にすることができる。
【0013】
また、前述した本発明の第四の手段のように、本体部に対して上下反転してそれぞれ装着可能に設けられるとともに、前記本体部に対して上下反転して装着されることにより、分岐口が、前記湯側連絡流路又は前記水側連絡流路のいずれか一方に選択的に連通接続するように設けられて、前記湯側連絡流路又は前記水側連絡流路と浄水器や食器洗浄機等の他の機器とを連通接続する分岐口部材、
又は、
前記湯側連絡流路と浄水器や食器洗浄機等の他の機器とを連通接続する第一分岐口が設けられるとともに、内周面に、前記複数以上のシール部材の少なくとも一つが内接されるように配設された第一分岐口部材と、該第一分岐口部材と別体に設けられ、前記水側連絡流路と浄水器や食器洗浄機等の他の機器とを連通接続する第二分岐口が設けられるとともに、内周面に、前記複数以上のシール部材の少なくとも一つが内接されるように配設された第二分岐口部材、
のいずれかを選択的に装着しても、前述の通り、複数以上のシール部材により分岐口部材と本体部とのシールを確実にすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の分岐口付き湯水混合水栓は前述のように構成され、湯又は水の分岐を行うことのできる分岐口付き湯水混合水栓において、例えば、湯・水の分岐を変更するなど分岐流路を変更する場合でも水栓の本体部を兼用することができるので、製造コスト及び保守コストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】湯側流路に分岐口を連通させた状態の本発明の分岐口付き湯水混合水栓の一部破断面図である。
【図2】図1の分岐口付き湯水混合水栓の要部拡大破断面図である。
【図3】水側流路に分岐口を連通させた状態の本発明の分岐口付き湯水混合水栓の一部破断面図である。
【図4】第一分岐口部材と第二分岐口部材とを別体に設けた本発明の分岐口付き湯水混合水栓の一部破断面図である。
【図5】図4の分岐口付き湯水混合水栓の要部拡大破断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態を図を参考にして詳細に説明する。図1から図3に示されるように、本発明の分岐口付き湯水混合水栓1aは、分岐口部材30が上下反転されて水栓本体14の本体部20に装着可能に設けられたものであり、本体部20を変更することなく、それぞれ湯の分岐(図1)又は水の分岐(図3)に変更可能に設けられたものである。
【0017】
分岐口付き湯水混合水栓1aは、図示しない給湯源・給水源に給湯配管2・給水配管3を介して接続されており、上下方向及び水平方向に揺動自在に水栓本体14上部に取り付けられた操作ハンドル4を操作することにより、水栓本体14内部に配設された弁カートリッジ(図示省略)を駆動し、所望の吐水温度・吐水量で吐水管5先端の吐水口6から湯水を吐水可能に設けられたものである。吐水管5は、その基端側において、略円柱形状の本体部20の外周面に対して回動自在に取り付けられたハブ5aを介して、本体部20周りに装着されている。
【0018】
分岐口付き湯水混合水栓1aの水栓本体14は略円柱形状に形成され、設置部(図示省略)に立設されて固定されている。水栓本体14の下端部には、後述する本体部20等が取り付け固定されるベース7が備えられている。ベース7の下端には設置部に開設された挿通孔に挿通される挿通部8がわずかに突設されており、水栓本体14は、この挿通部8周りに装着されたシートパッキン9を介して、設置部上に載置されている。
【0019】
本体部20下端には、給湯配管2及び給水配管3の端末具2a、3aが螺合され、湯側流路22及び水側流路24に連通接続されている。また、本体部20の下端部の背面寄りには、下方に突設されたボルト10が備えられている。このボルト10の下方先端側から、いわゆる迅速取付ナット11が取り付け可能に設けられており、ボルト10に取り付けられた迅速取付ナット11により、ボルト10の基端寄りに挿通された馬蹄座金12を設置部の裏側面に向けて圧着可能に構成されている。このようにして、水栓本体14に固設される馬蹄座金12とベース7とで設置部を挟持固定し、湯水混合水栓1aが設置部に固定されることになる。
【0020】
次いで本体部20の詳細について説明する。水栓本体14内の本体部20には、湯側流路22及び水側流路24が、軸心方向に沿って形成されている。また、図示は省略するが、弁カートリッジにおいて所望の温度に混合された湯水を吐水管5へ流出させるための混合流路も別途形成されている。また、ハブ5aより下方に位置する本体部20の外周面には、湯側流路22に連通する湯側周回流路26と、水側流路24に連通する水側周回流路28とが、それぞれ周回状に凹設されている。湯側周回流路26は本体部20の下方寄りに、水側周回流路28は本体部20の上方寄りにそれぞれ設けられている。本実施の形態においては、この湯側周回流路26が本発明に言う「湯側連絡流路」に相当し、また水側周回流路28が「水側連絡流路」に相当するが、本発明の「湯側連絡流路」及び「水側連絡流路」は周回状に凹設された流路に限定されるものではなく他の形状に形成されたものも含む。
【0021】
また、湯側流路22と湯側周回流路26とは、湯側流路22から本体部20外周面方向に向けて形成された湯側貫通孔23とにより連通され、同様に、水側流路24と水側周回流路28とは、水側流路24から本体部20外周面方向に向けて形成された水側貫通孔25とにより連通されている。図1及び図2に示されるように、湯側貫通孔23は、本体部20内において、正面視左側外周面に向けて形成され、一方、水側貫通孔25は、本体部20内において、正面視右側外周面に向けて形成されており、湯側貫通孔23と水側貫通孔25とがその軸心方向を左右に対向させるようにして設けられている。
【0022】
また、本体部20の外周面には、下から順に本発明の「シール部材」の一例である第一〜第四Oリング29a〜29dがそれぞれ取り付けられている。湯側周回流路26の上下の本体部20の外周面には、第一Oリング29a、第二Oリング29bが湯側周回流路26を上下に挟むようにして装着されている。また、水側周回流路28の外周面には、同様に、「シール部材」の一例である第三Oリング29c、第四Oリング29dが水側周回流路28を上下に挟むようにして装着されている。本実施の形態においては、湯側周回流路26と水側周回流路28との間に装着されている第二Oリング29bと第三Oリング29cとが、本発明にいう「前記湯側連絡流路と前記水側連絡流路との間の外周面に」取り付けられた「複数以上のシール部材」に相当する。
【0023】
次いで分岐口部材30について説明する。湯側周回流路26と水側周回流路28とが設けられた部位の本体部20の外周面には、前述したハブ5aの下方に、円筒状の分岐口部材30が回動自在に取り付けられている。分岐口部材30は、前述した第一〜第四Oリング29a〜29dを内接させるように取り付けられている。分岐口部材30の下端付近の内周面には第一Oリング29aが内接され、上端付近の内周面には第四Oリング29dが内接されている。また、湯側周回流路26と水側周回流路28との間の内周面には、下方から順に第二Oリング29b及び第三Oリング29cが内接されている。このようにして、湯側周回流路26及び水側周回流路28からの水漏れ防止が図られ、本体部20の外周面と分岐口部材30の内周面とのシールをより確実にするように構成されている。
【0024】
また、分岐口部材30の軸心方向の一端寄りには分岐口32が設けられている。分岐口32には分岐口部材30内周面に連通する連通孔34が設けられている。分岐口部材30は本体部20に対して上下反転してそれぞれ装着可能に設けられており、図1及び図2の状態では、分岐口32が本体部20の下方寄りに位置するように取り付けられて、連通孔34が湯側周回流路26と連通接続されるように取り付けられている。この場合には、分岐口32は湯水混合水栓1aの湯側流路22から分岐され、湯側流路22と浄水器や食器洗浄機等の他の機器(図示省略)とが連通接続可能に構成されることになる。一方で、図3のように、分岐口部材30が図1及び図2の状態から上下反転されて本体部20に装着された場合には、連通孔34が水側周回流路28と連通接続されるように取り付けられる。この場合には、分岐口32は湯水混合水栓1aの水側流路24から分岐され、水側流路24と浄水器や食器洗浄機等の他の機器(図示省略)とが連通接続可能に構成されることになる。なお、図1及び図2に示されるように、分岐口32には、これを使用しない場合にはフタ36を取り付けて閉止することができるように構成されている。
【0025】
次いで、本発明の第二の実施の形態について説明する。本実施の形態の分岐口付き湯水混合水栓1bは、図4及び図5に示されるように、前述の第一の実施の形態と異なり第一分岐口部材30aと第二分岐口部材30bとが互いに別体に構成され、湯の分岐及び水の分岐を同時に行うことができるように設けられたものである。なお、以下において前述した第一の実施の形態と同一の構成については、図中に第一の実施の形態に付した符号と同一の符号を付することにより、その説明を省略する。
【0026】
図5に示されるように、この分岐口付き湯水混合水栓1bでは、ハブ5aとベース7との間の本体部20外周に、ベース7側に第一分岐口部材30aが、ハブ5a側に第二分岐口部材30bが装着されている。また、第一分岐口部材30aと第二分岐口部材30bは、それぞれ本体部20軸心周りに回動自在に装着されており、分岐口付き湯水混合水栓1bの周りの設置部上の空きスペースの状況や棚等の水栓部品の設置状況等により、分岐口付き湯水混合水栓1bから分岐接続される他の機器の設置場所に制約を受ける場合であっても、第一分岐口部材30a又は第二分岐口部材30bの向きを回動調節して、他の機器への接続を容易にしたり、分岐接続されるホースなどが邪魔にならないように構成されている。
【0027】
また、第一分岐口部材30aは、円筒形状に形成され、第一Oリング29a、湯側周回流路26及び第二Oリング29bがその内周面に内接するようにして本体部20に装着されている。また、第二分岐口部材30bは、同様に円筒形状に形成され、第三Oリング29c、水側周回流路28及び第四Oリング29dがその内周面に内接するようにして本体部20に装着されている。このようにして、第一分岐口部材30aにおいては、湯側周回流路26を挟んで第一Oリング29a及び第二Oリング29bがその内周面に確実に圧着され、また、第二分岐口部材30bにおいては、水側周回流路28を挟んで第三Oリング29c及び第四Oリング29dがその内周面に確実に圧着され、湯側周回流路26と水側周回流路28は、それぞれ上下に配設されたシール部材によって確実にシールされる。
【0028】
このように、分岐口付き湯水混合水栓1bでは、第一分岐口部材30aと第二分岐口部材30bとの向きをそれぞれ調節可能にするために別体に設けた場合であっても、第一分岐口部材30a及び第二分岐口部材30bと本体部20とのシールをそれぞれに確実に図ることが可能に構成されている。
【0029】
本発明は前述のように構成されているが、これらに限られるものではなく、本発明の趣旨の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、「シール部材」はOリングに限られず、Xパッキン等の他の種類のシール部材でも良い。また、第一分岐口部材30aと第二分岐口部材30bとはその上下方向の位置を入れ替えると共に、本体部20の湯側貫通孔23及び湯側周回流路26と、水側貫通孔25及び水側周回流路28の上下方向の位置を入れ替えることとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は分岐口付き湯水混合水栓に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0031】
1a,1b;分岐口付き湯水混合水栓、2;給湯配管、2a;端末具、3;給水配管、3a;端末具、4;操作ハンドル、5;吐水管、5a;ハブ、6;吐水口、7;ベース、8;挿通部、9;シートパッキン、10;ボルト、11;迅速取付ナット、12;馬蹄座金、14;水栓本体、20;本体部、22;湯側流路、23;湯側貫通孔、24;水側流路、25;水側貫通孔、26;湯側周回流路、28;水側周回流路、29a;第一Oリング、29b;第二Oリング、29c;第三Oリング、29d;第四Oリング、30;分岐口部材、30a;第一分岐口部材、30b;第二分岐口部材、32;分岐口、34;連通孔、36;フタ。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯配管に接続される湯側流路と給水配管に連通接続される水側流路とが設けられ、前記湯側流路には湯側連絡流路が連設され前記水側流路には水側連絡流路が連設された本体部と、
前記本体部に対して上下反転してそれぞれ装着可能に設けられるとともに、前記本体部に対して上下反転して装着されることにより、分岐口が、前記湯側連絡流路又は前記水側連絡流路のいずれか一方に選択的に連通接続するように設けられて、前記湯側連絡流路又は前記水側連絡流路と浄水器や食器洗浄機等の他の機器とを連通接続する分岐口部材と、
が備えられたことを特徴とする分岐口付き湯水混合水栓。
【請求項2】
給湯配管に接続される湯側流路と給水配管に連通接続される水側流路とが設けられ、前記湯側流路には湯側連絡流路が連設され前記水側流路には水側連絡流路が連設されるとともに、前記湯側連絡流路と前記水側連絡流路との間の外周面に、複数以上のシール部材が取り付けられた本体部と、
前記湯側連絡流路又は前記水側連絡流路と浄水器や食器洗浄機等の他の機器とを連通接続する分岐口が設けられた分岐口部材と、
が備えられたことを特徴とする分岐口付き湯水混合水栓。
【請求項3】
給湯配管に接続される湯側流路と給水配管に連通接続される水側流路とが設けられ、前記湯側流路には湯側連絡流路が連設され前記水側流路には水側連絡流路が連設されるとともに、前記湯側連絡流路と前記水側連絡流路との間の外周面に、複数以上のシール部材が取り付けられた本体部と、
前記湯側連絡流路と浄水器や食器洗浄機等の他の機器とを連通接続する第一分岐口が設けられるとともに、内周面に、前記複数以上のシール部材の少なくとも一つが内接されるように配設された第一分岐口部材と、
該第一分岐口部材と別体に設けられ、前記水側連絡流路と浄水器や食器洗浄機等の他の機器とを連通接続する第二分岐口が設けられるとともに、内周面に、前記複数以上のシール部材の少なくとも一つが内接されるように配設された第二分岐口部材と、
が備えられたことを特徴とする分岐口付き湯水混合水栓。
【請求項4】
給湯配管に接続される湯側流路と給水配管に連通接続される水側流路とが設けられるとともに、前記湯側流路には湯側連絡流路が連設され前記水側流路には水側連絡流路が連設され、前記湯側連絡流路と前記水側連絡流路との間の外周面に、複数以上のシール部材が取り付けられた本体部と、
前記本体部に対して上下反転してそれぞれ装着可能に設けられるとともに、前記本体部に対して上下反転して装着されることにより、分岐口が、前記湯側連絡流路又は前記水側連絡流路のいずれか一方に選択的に連通接続するように設けられて、前記湯側連絡流路又は前記水側連絡流路と浄水器や食器洗浄機等の他の機器とを連通接続する分岐口部材、
又は、
前記湯側連絡流路と浄水器や食器洗浄機等の他の機器とを連通接続する第一分岐口が設けられるとともに、内周面に、前記複数以上のシール部材の少なくとも一つが内接されるように配設された第一分岐口部材と、
該第一分岐口部材と別体に設けられ、前記水側連絡流路と浄水器や食器洗浄機等の他の機器とを連通接続する第二分岐口が設けられるとともに、内周面に、前記複数以上のシール部材の少なくとも一つが内接されるように配設された第二分岐口部材と、
が備えられたことを特徴とする分岐口付き湯水混合水栓。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−149478(P2012−149478A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10799(P2011−10799)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000242378)株式会社ケーブイケー (130)
【Fターム(参考)】