説明

分散シミュレーション連携装置、該連携装置に用いられる連携制御方法及び連携制御プログラム

【課題】移動体からの現在位置情報を、共通基盤を利用した仮想空間上の分散シミュレーションにリアルタイムに取り込み、反映させる分散シミュレーション連携装置を提供する。
【解決手段】移動体1に搭載されたセンサ11の現在位置情報が伝送装置A21及び伝送装置B22を経て連接装置23へ伝送される。連接装置23上で動作するプログラム24により、送られてきた現在位置情報の形式変換や不足する情報の補間計算が行われる。移動体1に状況変化が生じていると判断される場合、連接装置23のシミュレーションインタフェース23aを通じて更新メッセージが送出され、分散シミュレーションシステム3における移動体1のオブジェクトインスタンスが更新される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、分散シミュレーション連携装置、該連携装置に用いられる連携制御方法及び連携制御プログラムに係り、特に、実世界上を移動する移動体(たとえば、飛行体、車両、歩行者など)に搭載された位置センサの情報(位置情報)を、複数の計算機上で異なるシミュレーションプログラムを実行する分散シミュレーションシステムに取り込む場合に用いて好適な分散シミュレーション連携装置、該連携装置に用いられる連携制御方法及び連携制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
飛行体、車両、歩行者などの移動体の位置、速度、姿勢などの状態を複数の計算機で分散して解析する分散シミュレーションシステムでは、たとえば、RTI(Run-Time Infrastructure )などの共通基盤が用いられ、各計算機上で仮想的に移動体を模したオブジェクトインスタンスが作成されてシミュレーションが実行される。この場合、各計算機でRTIを介して互いに位置などに関するメッセージを送受し合い、同各計算機上のシミュレーションでは、送受された情報を該当のオブジェクトインスタンスに対して反映させることにより、常に最新の状態のオブジェクトインスタンスが分散シミュレーションシステム全体で保持される。
【0003】
また、従来、この種の技術としては、たとえば、特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1に記載された道路交通管制シミュレーション装置では、車両走行モデル設定手段により、車両走行モデルの種類や特性が設定され、車両交通データ作成手段により、交通パターン設定手段にて設定された交通パターンと上記車両走行モデルとが結合されて交通データが作成される。信号制御モデル設定手段にて設定された信号制御モデルに基づいて、信号制御モデル生成手段で個々の制御機のモデルが生成され、車両走行モデル生成手段にて個々の車両走行モデルを生成しながら、信号制御システムの動作と道路網における車両の走行がシミュレーションされる。また、このシミュレーションは、複数のプロセッサに分散されて並列的に行われることも可能である。
【特許文献1】特開平06−259407号公報(第6頁、要約書、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の分散シミュレーションシステムでは、次のような問題点があった。
すなわち、従来の分散シミュレーションシステムでは、各計算機上で扱うオブジェクトインスタンスを全て仮想的なデータとして扱う必要がある。このため、実世界上を移動する移動体に搭載されたセンサの情報、特に位置情報を分散シミュレーションシステムへリアルタイムに取り込む場合には、得られた情報を人が介在して手動で逐一入力する必要があり、処理が繁雑になるという問題点がある。
【0005】
また、特許文献1に記載された道路交通管制シミュレーション装置では、シミュレーションが複数のプロセッサに分散されて並列的に行われるが、上記の問題点を改善するものではない。
【0006】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、複数の計算機上の仮想的な分散シミュレーション上に、実世界上を移動する移動体に搭載されたセンサの情報、特に位置情報をリアルタイムに取り込み、分散シミュレーションへ反映させる分散シミュレーション連携装置、該連携装置に用いられる連携制御方法及び連携制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、移動体の状態を計測して計測情報を出力するセンサシステムを、前記移動体の状態に関するシミュレーションを所定の共通基盤を用いて複数の計算機上で分散して行う分散シミュレーションシステムに連結する分散シミュレーション連携装置に係り、当該連携装置が前記分散シミュレーションシステムに加入するための連接手段と、前記センサシステムから出力される前記計測情報を受信する受信手段と、該受信手段で受信された前記計測情報に基づいて、前記移動体に対応する移動体モデルを用いて該移動体の状態情報を算出する状態情報算出手段と、該状態情報算出手段で算出された状態情報と既に記憶されている過去の状態情報とを比較して状態変化があるとき、前記算出された状態情報を最新状態情報として更新して記憶する最新状態情報記憶手段と、該最新状態情報記憶手段に記憶されている前記最新状態情報を、前記分散シミュレーションシステムに適合する表現形式に変換する形式変換手段と、前記状態情報が前記最新状態情報に更新される毎に、形式変換された当該最新状態情報を前記分散シミュレーションシステムの前記複数の計算機へ送信する送信手段とを備えてなることを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の分散シミュレーション連携装置に係り、前記センサシステムから出力される前記計測情報は、前記移動体の現在位置情報であり、前記状態情報算出手段で算出される状態情報は、前記移動体の位置、速度及び姿勢に関する情報であることを特徴としている。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の分散シミュレーション連携装置に係り、前記移動体は、飛行体、車両、又は歩行者の少なくとも1つに対応することを特徴としている。
【0010】
請求項4記載の発明は、移動体の状態を計測して計測情報を出力するセンサシステムを、前記移動体の状態に関するシミュレーションを所定の共通基盤を用いて複数の計算機上で分散して行う分散シミュレーションシステムに連結する分散シミュレーション連携装置に用いられる連携制御方法に係り、当該連携装置が前記分散シミュレーションシステムに加入する連接処理と、前記センサシステムから出力される前記計測情報を受信する受信処理と、該受信処理で受信された前記計測情報に基づいて、前記移動体に対応する移動体モデルを用いて該移動体の状態情報を算出する状態情報算出処理と、該状態情報算出処理で算出された状態情報と既に記憶されている過去の状態情報とを比較して状態変化があるとき、前記算出された状態情報を最新状態情報として更新して記憶する最新状態情報記憶処理と、該最新状態情報記憶処理で記憶されている前記最新状態情報を、前記分散シミュレーションシステムに適合する表現形式に変換する形式変換処理と、前記状態情報が前記最新状態情報に更新される毎に、形式変換された当該最新状態情報を前記分散シミュレーションシステムの前記複数の計算機へ送信する送信処理とを行うことを特徴としている。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の連携制御方法に係り、前記センサシステムから出力される前記計測情報は、前記移動体の現在位置情報であり、前記状態情報算出手段で算出される状態情報は、前記移動体の位置、速度及び姿勢に関する情報であることを特徴としている。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載の連携制御方法に係り、前記移動体は、飛行体、車両、又は歩行者の少なくとも1つに対応することを特徴としている。
【0013】
請求項7記載の発明は、連携制御プログラムに係り、コンピュータに請求項1乃至3のいずれか一に記載の分散シミュレーション連携装置を制御させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
この発明の構成によれば、連携装置が分散シミュレーションシステムに加入し、センサシステムから出力される計測情報が受信される。受信された計測情報に基づいて、移動体に対応する移動体モデルを用いて同移動体の状態情報が算出され、この算出された状態情報と既に記憶されている過去の状態情報とが比較されて状態変化があるとき、上記算出された状態情報が最新状態情報として更新されて記憶され、この記憶されている最新状態情報が、分散シミュレーションシステムに適合する表現形式に変換される。そして、上記状態情報が上記最新状態情報に更新される毎に、形式変換された当該最新状態情報が分散シミュレーションシステムの各計算機へ送信される。これにより、センサシステムの計測情報を、人が逐一手動入力することなく、自動でリアルタイムに分散シミュレーションシステムへ取り込み反映させることが可能となり、シミュレーションを円滑に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
移動体に搭載されたセンサの現在置情報を、人が逐一手動入力することなく、自動でリアルタイムに分散シミュレーションシステムへ取り込み反映させる分散シミュレーション連携装置、同連携装置に用いられる連携制御方法及び連携制御プログラムを提供する。
【実施例】
【0016】
図1は、この発明の一実施例である分散シミュレーション連携装置の要部の電気的構成)及び同連携装置が用いられる環境を示すブロック図である。
この例の環境では、同図に示すように、移動体1が連携装置2を介して分散シミュレーションシステム3に連結されている。移動体1は、たとえばヘリコプタなどの飛行体であり、センサ11を有している。センサ11は、たとえば、GPS(Global Positioning System )などで構成され、移動体1の状態(位置、速度、姿勢)を計測して計測情報(すなわち、現在位置情報)を出力する。
【0017】
連携装置2は、伝送装置A21と、伝送装置B22と、連接装置23とから構成されている。伝送装置A21は、移動体1に搭載され、センサ11又は同センサ11に付随する図示しないコンピュータからの計測情報(現在位置情報)を受け取り、同現在位置情報を同伝送装置A21と伝送装置B22との間で用いられるプロトコルへ変換し、変換された同現在位置情報に所定の変調をかけて無線回線DWを介して同伝送装置B22へ送信する。伝送装置B22は、伝送装置A21から送られてくる現在位置情報を受信して復調し、同伝送装置A21と同伝送装置B22との間で用いられるプロトコルに基づいて同現在位置情報を取り出し、連接装置23へ送出する。
【0018】
連接装置23は、シミュレーションインタフェース23aを備え、プログラム24を有している。プログラム24は、連携装置2を制御させるための連携制御プログラムとして構成され、伝送装置B22から受け取った現在位置情報を分散シミュレーションシステム3へ反映させるためのメッセージ生成を行うものであり、データ記憶部25及び移動体モデル26とから構成されている。移動体モデル26は、移動体1の挙動、特に、同移動体1の種別、速度、姿勢をモデル化して記述したものである。
【0019】
連接装置23は、プログラム24により、伝送装置B22から受け取った現在位置情報の形式変換や、不足する情報の補間計算、データ記憶部25の内容の更新を行い、移動体モデル26を用いて移動体1の状態(位置、速度、姿勢)情報を算出すると共に、状況更新メッセージを生成する。データ記憶部25は、伝送装置B22から受け取った現在位置情報や当該プログラム24での処理結果などを蓄積する。特に、この実施例では、データ記憶部25は、連接装置23で算出された状態情報と既に記憶されている過去の状態情報とを比較して状態変化があるとき、算出された状態情報を最新状態情報として更新して記憶する。
【0020】
シミュレーションインタフェース23aは、連接装置23が分散シミュレーションシステム3に加入するためのものであり、プログラム24により生成されたメッセージを、同分散シミュレーションシステム3に加入している他の計算機31,31,…,31と共有するためのメッセージ送受信機能を有している。特に、この実施例では、シミュレーションインタフェース23aは、データ記憶部25に記憶されている最新状態情報を、分散シミュレーションシステム3に適合する表現形式に変換すると共に、上記状態情報が上記最新状態情報に更新される毎に、形式変換された当該最新状態情報を分散シミュレーションシステム3の各計算機31へ送信する。分散シミュレーションシステム3は、移動体1の状態に関するシミュレーションを、たとえばRTIなどの共通基盤を用いて複数の計算機31,31,…,31上で分散して行う。各計算機31は、分散シミュレーションシステム3に加入するためのシミュレーションインタフェース31aを有している。
【0021】
図2は、連携装置2の動作を説明するフローチャート、及び、図3が、図1に示す環境の具体例を示す図である。
これらの図を参照して、この例の分散シミュレーション連携装置に用いられる連携制御方法の処理内容について説明する。
この分散シミュレーション連携装置では、連携装置2が分散シミュレーションシステム3に加入する(連接処理)。センサ11から出力される計測情報(現在位置情報)が受信される(受信処理)。この受信処理で受信された計測情報に基づいて、移動体1に対応する移動体モデルを用いて同移動体1の状態情報(位置、速度、姿勢)が算出される(状態情報算出処理)。この状態情報算出処理で算出された状態情報と既に記憶されている過去の状態情報とを比較して状態変化があるとき、上記算出された状態情報が最新状態情報として更新されて記憶される(最新状態情報記憶処理)。この最新状態情報記憶処理で記憶されている最新状態情報が、分散シミュレーションシステム3に適合する表現形式に変換される(形式変換処理)。そして、上記状態情報が上記最新状態情報に更新される毎に、形式変換された当該最新状態情報が分散シミュレーションシステム3の各計算機31へ送信される(送信処理)。
【0022】
すなわち、センサ11により取得された現在位置情報は、伝送装置A21に入力される。伝送装置A21では、センサ11に依存する形式で表現された現在位置情報が、同伝送装置A21と伝送装置B22との間で用いられるプロトコルにより変換され、変調される(ステップA1)。この場合、伝送装置A21と伝送装置B22との間で用いられるプロトコルや変調に用いる方式は、あらかじめ手動にて設定される必要があるが、この設定は、初期の選択時のみに行うものであり、繰り返し行う必要はない。変調された信号は、無線回線DWを経て送信され、伝送装置B22で受信される。伝送装置B22では、伝送装置A21と同様の方式に基づいて信号の復調が行われ、伝送装置A21と同伝送装置B22との間で用いられるプロトコルに基づいて元の現在位置情報が抽出され(ステップA2)、接装置23へ送出される。
【0023】
連接装置23では、最初に、センサ11が搭載された移動体1に関する情報、つまり移動体モデルを設定される(ステップA3)。たとえば、センサ11が車両に搭載されている場合では、車両の移動体モデルが設定され、航空機の場合では、航空機の移動体モデルが設定されする。移動体1の選択は、あらかじめ手動にて行う必要があるが、初期の選択時のみに行うものであり、繰り返し行う必要はない。次に、センサ11に依存する現在位置情報の座標系が、連接装置23内で取り扱う統一的な座標系に変換され(ステップA4)、現在位置情報の座標変換後に移動体1の速度及び姿勢の計算が行われる。最初に、速度の計算が行われる。この場合、前回の受信時の位置情報がデータ記憶部25から読み込まれ、今回受信した位置情報との差から速度ベクトルが計算される(ステップA5)。次に、姿勢の計算が行われる。この場合、前回及び前々回受信時の位置情報がデータ記憶部25から読み込まれ、今回受信した位置情報との変化から推定される移動体1の姿勢、ここでは、ヨー角、ピッチ角及びロール角が計算される(ステップA6)。
【0024】
最後に、前回受信時の位置、速度及び姿勢と、今回受信した位置、速度及び姿勢から、それぞれの項目について差分絶対値が計算され、移動体1の状況に変化が生じたか否かの判定が行われる(ステップA7)。この結果、差分値絶対値が所定の閾値より小さい場合は、状況変化がないと判定され、同閾値より大きい場合は、状況変化が生じていると判定される(ステップA8)。このステップA8において状況変化が生じている場合、今回受信した位置、速度及び姿勢が、データ記憶部25に新しく登録され、分散シミュレーションシステム3に加入した連接装置23のシミュレーションインタフェース23aに対して更新メッセージが送出される(ステップA9)。
【0025】
以上の処理は、具体的には、たとえば図3に示す環境で行われる。すなわち、センサ11(GPS)及び伝送装置A21がヘリコプタ(移動体1)に搭載される。センサ11(GPS)は、図示しない3つ以上の衛星STからの各信号電波を受信して現在位置情報を検出する。伝送装置A21と伝送装置B22との間は、無線接続されている。センサ11からの現在位置情報は、伝送装置A21及び伝送装置B22を経て連接装置23へ送出される。連接装置23では、現在位置情報が受信され、速度及び姿勢の計算が行われ、位置、速度及び姿勢が前回受信時の値と比較され、変化が生じた場合は、シミュレーションインタフェース23aを経て更新メッセージが各計算機31へ送出される。更新メッセージを受け取った各計算機31では、移動体1のオブジェクトインスタンスの状況が更新される。これにより、分散シミュレーションシステム3全体で各計算機31の表示画面にヘリコプタ(移動体1)の現在位置がリアルタイムに表示され、位置の変化に応じて表示が更新される。
【0026】
以上のように、この実施例では、実世界上を移動する移動体1に搭載されたセンサ11の現在置情報を、人が逐一手動入力することなく、自動でリアルタイムに分散シミュレーションシステム3へ取り込み反映させることが可能となり、シミュレーションが円滑に行われる。
【0027】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成は同実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても、この発明に含まれる。
たとえば、移動体1は、ヘリコプタに限らず、他の飛行体、車両、又は歩行者でも良い。また、センサ11として、GPS装置が用いられているが、たとえば、ヨーロッパで計画されている「Galileo」や、日本で計画されている「準天頂衛星」が実用化されたとき、これらを用いても良い。
【産業上の利用可能性】
【0028】
この発明は、移動体の状態を計測して計測情報を出力するセンサシステムを、同移動体の状態に関するシミュレーションを所定の共通基盤を用いて複数の計算機上で分散して行う分散シミュレーションシステムに連結する場合全般に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明の一実施例である分散シミュレーション連携装置の要部の電気的構成)及び同連携装置が用いられる環境を示すブロック図である。
【図2】連携装置2の動作を説明するフローチャートである。
【図3】図1に示す環境の具体例を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
1 移動体
2 連携装置
3 分散シミュレーションシステム
11 センサ(センサシステムの一部)
21 伝送装置A(センサシステムの一部)
22 伝送装置B(受信手段)
23 連接装置(連接手段、状態情報算出手段)
23a シミュレーションインタフェース(連接手段、形式変換手段、送信手段)
24 プログラム(状態情報算出手段の一部)
25 データ記憶部(最新状態情報記憶手段)
26 移動体モデル(状態情報算出手段の一部)
31 計算機
31a シミュレーションインタフェース(計算機の一部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の状態を計測して計測情報を出力するセンサシステムを、前記移動体の状態に関するシミュレーションを所定の共通基盤を用いて複数の計算機上で分散して行う分散シミュレーションシステムに連結する分散シミュレーション連携装置であって、
当該連携装置が前記分散シミュレーションシステムに加入するための連接手段と、
前記センサシステムから出力される前記計測情報を受信する受信手段と、
該受信手段で受信された前記計測情報に基づいて、前記移動体に対応する移動体モデルを用いて該移動体の状態情報を算出する状態情報算出手段と、
該状態情報算出手段で算出された状態情報と既に記憶されている過去の状態情報とを比較して状態変化があるとき、前記算出された状態情報を最新状態情報として更新して記憶する最新状態情報記憶手段と、
該最新状態情報記憶手段に記憶されている前記最新状態情報を、前記分散シミュレーションシステムに適合する表現形式に変換する形式変換手段と、
前記状態情報が前記最新状態情報に更新される毎に、形式変換された当該最新状態情報を前記分散シミュレーションシステムの前記複数の計算機へ送信する送信手段とを備えてなることを特徴とする分散シミュレーション連携装置。
【請求項2】
前記センサシステムから出力される前記計測情報は、前記移動体の現在位置情報であり、
前記状態情報算出手段で算出される状態情報は、前記移動体の位置、速度及び姿勢に関する情報であることを特徴とする請求項1記載の分散シミュレーション連携装置。
【請求項3】
前記移動体は、
飛行体、車両、又は歩行者の少なくとも1つに対応することを特徴とする請求項1又は2記載の分散シミュレーション連携装置。
【請求項4】
移動体の状態を計測して計測情報を出力するセンサシステムを、前記移動体の状態に関するシミュレーションを所定の共通基盤を用いて複数の計算機上で分散して行う分散シミュレーションシステムに連結する分散シミュレーション連携装置に用いられる連携制御方法であって、
当該連携装置が前記分散シミュレーションシステムに加入する連接処理と、
前記センサシステムから出力される前記計測情報を受信する受信処理と、
該受信処理で受信された前記計測情報に基づいて、前記移動体に対応する移動体モデルを用いて該移動体の状態情報を算出する状態情報算出処理と、
該状態情報算出処理で算出された状態情報と既に記憶されている過去の状態情報とを比較して状態変化があるとき、前記算出された状態情報を最新状態情報として更新して記憶する最新状態情報記憶処理と、
該最新状態情報記憶処理で記憶されている前記最新状態情報を、前記分散シミュレーションシステムに適合する表現形式に変換する形式変換処理と、
前記状態情報が前記最新状態情報に更新される毎に、形式変換された当該最新状態情報を前記分散シミュレーションシステムの前記複数の計算機へ送信する送信処理とを行うことを特徴とする連携制御方法。
【請求項5】
前記センサシステムから出力される前記計測情報は、前記移動体の現在位置情報であり、
前記状態情報算出手段で算出される状態情報は、前記移動体の位置、速度及び姿勢に関する情報であることを特徴とする請求項4記載の連携制御方法。
【請求項6】
前記移動体は、
飛行体、車両、又は歩行者の少なくとも1つに対応することを特徴とする請求項4又は5記載の連携制御方法。
【請求項7】
コンピュータに請求項1乃至3のいずれか一に記載の分散シミュレーション連携装置を制御させるための連携制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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