説明

分散染料混合物

本発明は、
これ以降に明示され且つ定義された式(I)
【化1】


で示される1種以上の染料と、
場合により、これ以降に明示され且つ定義された一般式(II)
【化2】


で示される1種以上、例えば2若しくは3種、好ましくは1若しくは2種の染料と、
場合により、これ以降に明示され且つ定義された一般式(III)
【化3】


で示される1種以上、例えば2若しくは3種、好ましくは1若しくは2種の染料と、
〔式中、R11〜R17、R21〜R24、X、Y、W、n、R31〜R33、T、U、及びVは、請求項1に記載したように定義される〕
を含む染料混合物、該染料混合物を用いた合成テキスタイル材料の着色方法、及び該着色方法で着色された合成テキスタイル材料に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、くすんだ青色〜濃紺色の分散染料の混合物、特に、分散多環式染料と分散アゾ染料との混合物、該染料混合物を用いた合成テキスタイル材料の着色方法、及び該着色方法で着色された合成テキスタイル材料、に関する。
【背景技術】
【0002】
混合分散染料、及び通常の吸尽染色法、連続染色法、及び直接捺染法により、ポリエステル並びにポリエステルとセルロース、エラスタン、ナイロン、及びウールのような他の繊維とのブレンドを染色するためのそれらの使用については、例えば、特許文献1又は特許文献2からすでに知られている。しかしながら、それらは、いくつかの適用上の欠点、例えば、比較的劣悪な均染性/移染性、染色プロセスにおけるさまざまな染色パラメーターへのカラーイールドの過度に大きい依存性、若しくはポリエステル上への不十分なカラービルドアップ(良好なカラービルドアップは、染浴中でより高い濃度で使用したときにそれに比例してより高強度の染色を提供する染料の能力から生じる)など、又は不満足な堅牢性を有する。このため、染色されたポリエステル又はポリエステルとセルロース、エラスタン、ナイロン、及びウールのような他の繊維とのブレンドのカラービルドアップ性及び堅牢性(すなわち、耐洗濯堅牢性及び耐光堅牢性)が改善された染色物を提供することができる分散染料が必要とされている。
【0003】
【特許文献1】国際公開第9704031号パンフレット
【特許文献2】EP0492893
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明は、ポリエステル上又はポリエステルと他の繊維とのブレンド上で非常に良好なカラービルドアップ性、耐湿潤堅牢性、及び耐光堅牢性の染色物を提供する分散染料の染料混合物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
それに応じて、本発明は、これ以降に明示され且つ定義された式(I)
【化1】

〔式中、
11及びR12は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、若しくはアラルキルであるか、又はR11及びR12は、N原子と一緒になって、ヘテロ環式の5、6、若しくは7員環を形成していてもよく、
13及びR14は、独立して、水素、ハロゲン、又は場合により置換されていてもよいアルキル、アルケニル、若しくはアルコキシであるか、或いはR11及びR13は、N原子と一緒になって、ヘテロ環式の5、6、若しくは7員環を形成していてもよく、
12及びR14は、N原子と一緒になって、ヘテロ環式の5、6、若しくは7員環を形成していてもよく、
15は、水素、ハロゲン、又は場合により置換されていてもよいアルキル基若しくはアルコキシ基、或いは−NR1112(ここで、R11及びR12は、先に定義した通りである)
であり、
16及びR17は、独立して、水素、ハロゲン、又は場合により置換されていてもよいアルキル、アルケニル、若しくはアルコキシであり、
15及びR16は、N原子と一緒になって、ヘテロ環式の5、6、若しくは7員環を形成していてもよく、又は
15及びR17は、N原子と一緒になって、ヘテロ環式の5、6、若しくは7員環を形成していてもよい〕
で示される1種以上の染料と、
場合により、これ以降に明示され且つ定義された一般式(II)
【化2】

〔式中、
X及びWは、独立して、水素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ、又はニトリルであり、
Yは、ニトロ又はシアノであり、
21は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、又はNHCOZ
(ここで、Zは、水素、C〜Cアルキル、アミノ、C〜Cアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、又はアラルキルオキシである)
であり、
22は、水素、シアノ、式(a)
【化3】

で示されるアルコキシカルボニルであるか、又は式(b)
【化4】

で示されるアルコキシカルボニルオキシであり、
(ここで、
25は、C〜Cアルキル、アリール、又はアラルキルである)
23は、R22の意味のうちの1つを有し、
nは、2〜4の整数であり、
24は、水素、C〜Cアルキル、又はC〜Cアルコキシである〕
で示される1種以上、例えば2若しくは3種、好ましくは1若しくは2種の染料と、
場合により、これ以降に明示され且つ定義された一般式(III)
【化5】

〔式中、
T、U、及びVは、独立して、水素、ホルミル、アセチル、クロロ、ブロモ、シアノ、又はニトロであり、
31及びR32は、独立して、C〜Cアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、カルボニルアルキル、カルボニルアルケニル、カルボニルアリール、カルボニルアルコキシアルキル、又はカルボニルアリールオキシアルキルであり、
33は、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、又はNHCOR34(ここで、
34は、C〜Cアルキル又はC〜Cアルコキシである)
である〕
で示される1種以上、例えば2若しくは3種、好ましくは1若しくは2種の染料と、
を含む染料混合物を提供する。
【0006】
33がNHCOR34である場合、CHOR31/R32は、構造(IIIa)
【化6】

〔式中、
35及びR36は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、又はアルキルカルボニルアルコキシである〕
に示されるような、R35及びR36で置き換えられる。
【0007】
アルキルRは、直鎖状であっても分枝状であってもよく、特定的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、又はtert−ブチルのようなC〜C−アルキルである。メチル又はエチルが好ましい。同一の論理が(C〜C)−アルコキシ基にもあてはまる。アルケニルRは、特定的には、エテニル、プロペニル、ブテニルのようなC〜C−アルケニルである。
【0008】
一般式(I)に包含される重要と思われる特定構造としては、例えば、表1に記載のものが挙げられる。
【0009】
【表1】

【0010】
【表2】

【0011】
式(II)で示される好ましい染料は、例えば、次の通りである。
【0012】
【表3】

【0013】
一般式(III)に包含される重要と思われる好ましい構造としては、例えば、表3に記載のものが挙げられる。
【0014】
【表4】

【0015】
【表5】

【0016】
重要と思われる一般式(I)で示される染料の好ましい二成分混合物は、例えば、次の通りである。
【0017】
【表6】

【0018】
重要と思われる一般式(I)で示される染料の好ましい三成分混合物は、例えば、次の通りである。
【0019】
【表7】

【0020】
一般式(II)又は(III)で示される染料を有する二成分混合物では、一般式(I)で示される染料又は染料混合物は、5〜95重量%、好ましくは70〜90重量%の量で存在し、一般式(II)又は(III)で示される個別の染料、複数の染料は、95〜5重量%、好ましくは15〜40重量%の量で混合物中に存在する。
【0021】
重要と思われる一般式(I)及び(II)又は(III)で示される染料の好ましい二成分混合物は、例えば、次の通りである。
【0022】
【表8】

【0023】
【表9】

【0024】
【表10】

【0025】
【表11】

【0026】
一般式(II)及び(III)で示される染料を有する三成分混合物では、一般式(I)で示される染料又は染料混合物は、5〜95重量%、好ましくは70〜90重量%の量で存在し、一般式(II)で示される個別の染料、複数の染料は、5〜50重量%、好ましくは10〜20重量%の量で混合物中に存在し、式(III)で示される個別の染料は、好ましくは10〜20重量%、複数の染料は、5〜50重量%、好ましくは10〜20重量%の量で混合物中に存在する。
【0027】
重要と思われる式(I)及び(II)及び(III)で示される染料の好ましい三成分混合物は、例えば、次の通りである。
【0028】
【表12】

【0029】
【表13】

【0030】
【表14】

【0031】
【表15】

【0032】
一般式(I)で示される染料はEP363034A2から公知であり、ベンゾジフラノン染料の混合物は国際公開第9704031号パンフレットから公知である。
【0033】
本発明を具現化した混合物は、例えば、必要量で染料成分を混合することにより調製可能である。好適な混合方法としては、以下のものが挙げられる。
【0034】
共結晶化
典型的には、例えば、好適な溶媒中に染料を入れ、染料が溶解するまで溶媒の還流温度にまで加熱することにより、染料を高温溶媒に溶解させ、その後、濾過して溶液を得る。次に、溶液を冷却して結晶を生成させる。得られた混合物を、その後、摩砕や噴霧乾燥のようなさらなる処理に付してもよい。この方法に好適な溶媒の例は、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、アルコール、アミド、スルホキシド、エステル、ケトン、及びエーテルのような有機溶媒である。有機溶媒の特定例は、トルエン、エチルセロソルブ、アセトン、クロロベンゼン、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エチルアセテート、ベンゼン、テトラヒドロフラン、及びシクロヘキサンである。共結晶化は、一般的には、3成分以上を含有する混合物に適さない。
【0035】
共摩砕
染料を混合し、次に、一緒に摩砕して均質ブレンドを生成させ、次に、これを噴霧乾燥させて固体混合物を得るか;又は
共乾燥
各染料を個別に摩砕し、次に、所要の比で混合し、その後、噴霧乾燥させる。
【0036】
ドライブレンディング
各染料を個別に噴霧乾燥させ、次に、ドライブレンディング法により所要の比で混合する。
【0037】
本発明を具現化した混合物は、吸尽染色、パジング(padding)、又は捺染により合成テキスタイル材料及びそれらの繊維ブレンドを着色するのに非常に役立つ特に有用な分散染料を提供し、この目的に合ったディスパージョンの形態に変換可能である。それらはまた、例えば、染料拡散熱転写捺染、さらにはプラスチックの着色に、使用可能である。
【0038】
本発明の特定の態様は、一般式(I)で示される染料の混合物と、場合により、一般式(II)で示される染料と、場合により、一般式(III)で示される染料と、追加的に、分散剤及び場合により界面活性剤又は湿潤剤のような着色用途で慣用される少なくとも1種のさらなる成分と、を含む組成物を提供する。組成物は、典型的には、固体媒体中に1%〜65%、好ましくは10〜60%、より好ましくは20〜55%の全染料混合物を含む。
【0039】
分散剤の典型的な例は、リグノスルホネート、ナフタレンスルホン酸/ホルムアルデヒド縮合物、及びフェノール/クレゾール/スルファニル酸/ホルムアルデヒド縮合物であり、湿潤剤の典型的な例は、スルホン化又はリン酸化されていてもよいアルキルアリールエトキシラートであり、存在してもよい他の成分の典型的な例は、無機塩、鉱油又はノナノールのような消泡剤、有機液体、及び緩衝剤である。分散剤は、染料混合物の重量を基準にして10%〜200%で存在してもよい。湿潤剤は、染料混合物の重量を基準にして0%〜20%で使用してもよい。
【0040】
組成物は、水性媒体中においてガラスビーズ又はサンドで染料混合物をビーズミリングすることにより調製してもよい。組成物は、分散剤、充填剤、及び他の界面活性剤がさらに添加されていてもよく、噴霧乾燥のような技術により乾燥させると、5%〜65%の染料を含む固体組成物を生成しうる。
【0041】
本発明の他の態様によれば、合成テキスタイル材料又はそれらの繊維ブレンドを着色する方法を提供する。この方法は、合成テキスタイル材料又は繊維ブレンドに本発明に係る染料混合物を適用することを含む。
【0042】
合成テキスタイル材料は、芳香族ポリエステル(特にポリエチレンテレフタレート)、ポリアミド(特にポリヘキサメチレンアジパミド)、二次セルロースアセテート、セルローストリアセテート、及び天然テキスタイル材料(特に、セルロース系材料及びウール)から選択可能である。特に好ましいテキスタイル材料は、芳香族ポリエステル又はそれと上記のテキスタイル材料のいずれかの繊維との繊維ブレンドである。特に好ましい繊維ブレンドとしては、ポリエステル−綿のようなポリエステル−セルロース及びポリエステル−ウールが挙げられる。テキスタイル材料又はそのブレンドは、フィラメント、バラ繊維、糸、又は織布若しくは編布の形態であってもよい。
【0043】
本発明に係る染料混合物を、合成テキスタイル材料又は繊維ブレンドに適用することは可能であり、そのような材料及び繊維ブレンドに分散染料を適用する際に利用している従来の方法を用いることによって行いうる。
【0044】
好適なプロセス条件は、以下の中から選択可能である。
(i)4〜6.5のpH、125℃〜140℃の温度で10〜120分間、及び1〜2barの圧力下、場合により金属イオン封鎖剤の添加による、吸尽染色;
(ii)4〜6.5のpH、190℃〜225℃の温度で15秒間〜5分間、場合により移染防止剤の添加による、連続染色;
(iii)4〜6.5のpH、高温蒸熱の場合は160℃〜185℃の温度で4〜15分間、又は乾熱による焼成固着の場合は190℃〜225℃の温度で15秒間〜5分間、又は加圧蒸熱の場合は120℃〜140℃の温度及び1〜2barで10〜45分間、場合により染料の重量を基準にして5〜100%の湿潤剤及び増粘剤(例えばアルギネート)の添加による、直接捺染;
(iv)4〜6.5のpH、場合により移染防止剤及び増粘剤の添加による、抜染(テキスタイル材料上への染料のパジング(padding)、乾燥、及びオーバー捺染による);
(v)4〜6.5のpH、95℃〜100℃の温度、メチルナフタレン、ジフェニルアミン、又は2−フェニルフェノールのようなキャリヤーの使用、場合により金属イオン封鎖剤の添加による、キャリヤー染色;並びに
(vi)4〜6.5のpH、アセテート用の場合は85℃の温度で又はトリアセテート及びナイロンの場合は90℃の温度で15〜90分間、場合により金属イオン封鎖剤の添加による、アセテート、トリアセテート、及びナイロンの常圧染色。
【0045】
上記の方法のいずれにおいても、染料混合物は、水性媒体中に0.001%〜20%、好ましくは0.005〜16%の染料混合物を含むディスパージョンとして適用される。
【0046】
染料混合物はまた、超臨界二酸化炭素を用いてテキスタイル材料に適用することも可能であり、その際、場合により染料配合剤を省略してもよい。
【0047】
次に、以下の実施例を参考にして本発明の実施形態についてより詳細に説明する。その際、部は、特に指定がないかぎり重量基準である。
【実施例】
【0048】
実施例1
染料I−1と染料I−2との50:50混合物は、等モル比の2−メチルアニリン及び2−エチルアニリンをBDT中間体と反応させることにより調製可能である。単離される着色剤は、ほぼ等しい割合の2つの成分の均質混合物であり、これは、分析により確認しうる。次に、20.3部のこの混合物を5部の染料III−1と混合し、染料粒径(平均直径)が0.1〜5ミクロンの範囲内になるまで、15部の高温安定性分散剤と共に40%の水性スラリーとして摩砕しうる。
【0049】
10部の「充填」/「希釈」剤(a `filler`/`cutting` agent)を添加して噴霧乾燥機で粒子又は粉末のいずれかの形態に乾燥させることにより、50%の混合物及び50%の分散剤を含有する固体種として、このディスパージョンを標準化した。この生成物は、ポリエステル(マイクロ繊維ポリエステル及び軽量化ポリエステルを含む)、ポリエステル/セルロース、ポリエステル/エラスタン、ポリエステル/ナイロン(特に、コンジュゲートマイクロ繊維)、及びポリエステル/ウールのブレンドを吸尽染色するのに特に好適であり、連続染色及び直接捺染にも使用可能である。
【0050】
57mlの脱イオン水及び1.2mlの緩衝溶液に、固体種の水性ディスパージョン(40〜50℃で水100ml中に染料1g)の7.5mlを添加することにより、布片形態のポリエステルを吸尽染色するための染浴を調製した。この染浴に5gのポリエステル布片を添加し、全体をウェルナー・マティス・ラボマート(Werner Mathis Labomat)高温染色機中に130℃で45分間保持した。水ですすぎ、還元洗浄処理を行った後、材料は優れた耐湿潤堅牢性を有する濃紺色色調に染色された。混合物の興味深い特徴は、ポリエステル上における、特に、従来のポリエステルと比較して同一のビジュアルイールド(visual yield)を得るために比例的により多くの染料を適用しなければならないポリエステルマイクロ繊維上におけるその優れたビルドアップ性能である。
【0051】
実施例2
染料I−1と染料I−2との50:50混合物は、等モル比の2−メチルアニリン及び2−エチルアニリンをBDT中間体と反応させることにより調製可能である。単離された着色剤は、ほぼ等しい割合の2つの成分の均質混合物であり、これは、分析により確認しうる。次に、染料粒径(平均直径)が0.1〜5ミクロンの範囲内になるまで、24部のこの混合物を13部の高温安定性分散剤と共に40%の水性スラリーとして摩砕しうる。
【0052】
13部の「充填」/「希釈」剤(a `filler`/`cutting` agent)を添加して噴霧乾燥機で粒子又は粉末のいずれかの形態に乾燥させることにより、50%の混合物及び50%の分散剤を含有する固体種として、このディスパージョンを標準化した。この生成物は、ポリエステル(マイクロ繊維ポリエステル及び軽量化ポリエステルを含む)、ポリエステル/セルロース、ポリエステル/エラスタン、ポリエステル/ナイロン(特に、コンジュゲートマイクロ繊維)、及びポリエステル/ウールのブレンドを吸尽染色するのに特に好適であり、連続染色及び直接捺染にも使用可能である。
【0053】
57mlの脱イオン水及び1.2mlの緩衝溶液に、固体種の水性ディスパージョン(40〜50℃で水100ml中に染料1g)の7mlを添加することにより、布片形態のポリエステルを吸尽染色するための染浴を調製した。この染浴に5gのポリエステル布片を添加し、全体をウェルナー・マティス・ラボマート(Werner Mathis Labomat)高温染色機中に130℃で45分間保持した。水ですすぎ、還元洗浄処理を行った後、材料は優れた耐湿潤堅牢性を有する濃紺色色調に染色された。混合物の興味深い特徴は、ポリエステル上における、特に、従来のポリエステルと比較して同一のビジュアルイールド(visual yield)を得るために比例的により多くの染料を適用しなければならないポリエステルマイクロ繊維上におけるその優れたビルドアップ性能である。
【0054】
実施例3
24.4部の染料I−1と6部の染料III−1を一緒に混合し、そして18部の高温安定性分散剤を加えて40%の水性スラリーとして染料粒径(平均直径)が0.1〜5ミクロンの範囲内になるまで、それらを摩砕することにより2種の該染料の混合物を調製した。
【0055】
12部の「充填」/「希釈」剤を添加して噴霧乾燥機で粒子又は粉末のいずれかの形態に乾燥させることにより、50%の混合物及び50%の分散剤を含有する固体種として、このディスパージョンを標準化した。この生成物は、ポリエステル(マイクロ繊維ポリエステル及び軽量化ポリエステルを含む)、ポリエステル/セルロース、ポリエステル/エラスタン、ポリエステル/ナイロン(特に、コンジュゲートマイクロ繊維)、及びポリエステル/ウールのブレンドを吸尽染色するのに特に好適であり、連続染色及び直接捺染にも使用可能である。
【0056】
57.5mlの脱イオン水及び1.2mlの緩衝溶液に固体種の7.5mlの水性ディスパージョン(40〜50℃の100mlの水中の1gの染料)を添加することにより、布片形態のポリエステルを吸尽染色するための染浴を調製した。この染浴に5gのポリエステル布片を添加し、全体をウェルナー・マティス・ラボマート(Werner Mathis Labomat)高温染色機中に130℃で45分間保持した。水ですすぎ、還元洗浄処理を行った後、材料は優れた耐湿潤堅牢性を有して濃紺色色調に染色された。混合物の興味深い特徴は、ポリエステル上における、特に、従来のポリエステルと比較して同一のビジュアルイールドを得るために比例的により多くの染料を適用しなければならないポリエステルマイクロ繊維上におけるその優れたビルドアップ性能である。
【0057】
実施例4
20.3部の染料I−2と5部の染料III−1を一緒に混合し、そして15部の高温安定性分散剤を加えて40%の水性スラリーとして染料粒径(平均直径)が0.1〜5ミクロンの範囲内になるまで、それらを摩砕することにより、2種の該染料の混合物を調製した。
【0058】
10部の「充填」/「希釈」剤を添加して噴霧乾燥機で粒子又は粉末のいずれかの形態に乾燥させることにより、50%の混合物及び50%の分散剤を含有する固体種として、このディスパージョンを標準化した。この生成物は、ポリエステル(マイクロ繊維ポリエステル及び軽量化ポリエステルを含む)、ポリエステル/セルロース、ポリエステル/エラスタン、ポリエステル/ナイロン(特に、コンジュゲートマイクロ繊維)、及びポリエステル/ウールのブレンドを吸尽染色するのに特に好適であり、連続染色及び直接捺染にも使用可能である。
【0059】
57.5mlの脱イオン水及び1.2mlの緩衝溶液に固体種の7.5mlの水性ディスパージョン(40〜50℃の100mlの水中の1gの染料)を添加することにより、布片形態のポリエステルを吸尽染色するための染浴を調製した。この染浴に5gのポリエステル布片を添加し、全体をウェルナー・マティス・ラボマート(Werner Mathis Labomat)高温染色機中に130℃で45分間保持した。水ですすぎ、還元洗浄処理を行った後、材料は優れた耐湿潤堅牢性を有して濃紺色色調に染色された。混合物の興味深い特徴は、ポリエステル上における、特に、従来のポリエステルと比較して同一のビジュアルイールドを得るために比例的により多くの染料を適用しなければならないポリエステルマイクロ繊維上におけるその優れたビルドアップ性能である。
【0060】
実施例5
24.4部の染料I−3と6部の染料III−1を一緒に混合し、そして18部の高温安定性分散剤を加えて40%の水性スラリーとして染料粒径(平均直径)が0.1〜5ミクロンの範囲内になるまでそれらを摩砕することにより、2種の該染料の混合物を調製した。
【0061】
12部の「充填」/「希釈」剤を添加して噴霧乾燥機で粒子又は粉末のいずれかの形態に乾燥させることにより、50%の混合物及び50%の分散剤を含有する固体種として、このディスパージョンを標準化した。この生成物は、ポリエステル(マイクロ繊維ポリエステル及び軽量化ポリエステルを含む)、ポリエステル/セルロース、ポリエステル/エラスタン、ポリエステル/ナイロン(特に、コンジュゲートマイクロ繊維)、及びポリエステル/ウールのブレンドを吸尽染色するのに特に好適であり、連続染色及び直接捺染にも使用可能である。
【0062】
57.5mlの脱イオン水及び1.2mlの緩衝溶液に固体種の7.5mlの水性ディスパージョン(40〜50℃の100mlの水中の1gの染料)を添加することにより、布片形態のポリエステルを吸尽染色するための染浴を調製した。この染浴に5gのポリエステル布片を添加し、全体をウェルナー・マティス・ラボマート(Werner Mathis Labomat)高温染色機中に130℃で45分間保持した。水ですすぎ、還元洗浄処理を行った後、材料は優れた耐湿潤堅牢性を有して濃紺色色調に染色された。混合物の興味深い特徴は、ポリエステル上における、特に、従来のポリエステルと比較して同一のビジュアルイールドを得るために比例的により多くの染料を適用しなければならないポリエステルマイクロ繊維上におけるその優れたビルドアップ性能である。
【0063】
実施例6
染料I−1と染料I−2と染料I−3との3成分混合物は、45:45:10の分子比の2−メチルアニリン、2−エチルアニリン、及び2:6ジメチルアニリンをBDT中間体と反応させることにより調製可能である。
【0064】
単離された着色剤は、ほぼ所望の比の三成分の均質混合物であり、これは、分析により確認しうる。次に、16.2部のこの混合物を4部の染料III−1と混合し、染料粒径(平均直径)が0.1〜5ミクロンの範囲内になるまで、12部の高温安定性分散剤と共に40%の水性スラリーとして摩砕しうる。
【0065】
8部の「充填」/「希釈」剤を添加して噴霧乾燥機で粒子又は粉末のいずれかの形態に乾燥させることにより、50%の混合物及び50%の分散剤を含有する固体種として、このディスパージョンを標準化した。この生成物は、ポリエステル(マイクロ繊維ポリエステル及び軽量化ポリエステルを含む)、ポリエステル/セルロース、ポリエステル/エラスタン、ポリエステル/ナイロン(特に、コンジュゲートマイクロ繊維)、及びポリエステル/ウールのブレンドを吸尽染色するのに特に好適であり、連続染色及び直接捺染にも使用可能である。
【0066】
57mlの脱イオン水及び1.2mlの緩衝溶液に固体種の7.5mlの水性ディスパージョン(40〜50℃の100mlの水中の1gの染料)を添加することにより、布片形態のポリエステルを吸尽染色するための染浴を調製した。この染浴に5gのポリエステル布片を添加し、全体をウェルナー・マティス・ラボマート(Werner Mathis Labomat)高温染色機中に130℃で45分間保持した。水ですすぎ、還元洗浄処理を行った後、材料は優れた耐湿潤堅牢性を有して濃紺色色調に染色された。混合物の興味深い特徴は、ポリエステル上における、特に、従来のポリエステルと比較して同一のビジュアルイールドを得るために比例的により多くの染料を適用しなければならないポリエステルマイクロ繊維上におけるその優れたビルドアップ性能である。
【0067】
実施例7
染料I−1と染料I−2と染料I−3との3成分混合物は、45:45:10の分子比の2−メチルアニリン、2−エチルアニリン、及び2,6ジメチルアニリンをBDT中間体と反応させることにより調製可能である。
【0068】
単離された着色剤は、ほぼ所望の比の三成分の均質混合物であり、これは、分析により確認しうる。次に、染料粒径(平均直径)が0.1〜5ミクロンの範囲内になるまで、20.2部のこの混合物を12部の高温安定性分散剤と共に40%の水性スラリーとして摩砕しうる。
【0069】
8部の「充填」/「希釈」剤を添加して噴霧乾燥機で粒子又は粉末のいずれかの形態に乾燥させることにより、50%の混合物及び50%の分散剤を含有する固体種として、このディスパージョンを標準化した。この生成物は、ポリエステル(マイクロ繊維ポリエステル及び軽量化ポリエステルを含む)、ポリエステル/セルロース、ポリエステル/エラスタン、ポリエステル/ナイロン(特に、コンジュゲートマイクロ繊維)、及びポリエステル/ウールのブレンドを吸尽染色するのに特に好適であり、連続染色及び直接捺染にも使用可能である。
【0070】
57mlの脱イオン水及び1.2mlの緩衝溶液に固体種の7mlの水性ディスパージョン(40〜50℃の100mlの水中の1gの染料)を添加することにより、布片形態のポリエステルを吸尽染色するための染浴を調製した。この染浴に5gのポリエステル布片を添加し、全体をウェルナー・マティス・ラボマート(Werner Mathis Labomat)高温染色機中に130℃で45分間保持した。水ですすぎ、還元洗浄処理を行った後、材料は優れた耐湿潤堅牢性を有して濃紺色色調に染色された。混合物の興味深い特徴は、ポリエステル上における、特に、従来のポリエステルと比較して同一のビジュアルイールドを得るために比例的により多くの染料を適用しなければならないポリエステルマイクロ繊維上におけるその優れたビルドアップ性能である。
【0071】
一般構造Iの1成分、2成分、及び3成分をベースとするさらなる染料混合物を、一般構造II又はIIIの染料と混合して使用し、上記の実施例1〜7に記載の吸尽染色条件下でポリエステルに適合することが可能である。この場合も、通常の洗浄処理の後、得られた染色物は、青色の色調であり、良好な/優れたビルドアップ性を有し、優れた耐湿潤堅牢性を備えて濃紺色色調を生成した。評価した混合物はすべて、ポリエステル上において、特に、従来のポリエステルと比較して同一のビジュアルイールドを得るために比例的により多くの染料を適用しなければならないポリエステルマイクロ繊維上において、良好なビルドアップ性能を呈した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
これ以降に明示され且つ定義された式(I)
【化1】

〔式中,
11及びR12は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、若しくはアラルキルであるか、又はR11及びR12は、N原子と一緒になって、ヘテロ環式の5、6、若しくは7員環を形成していてもよく、
13及びR14は、独立して、水素、ハロゲン、又は場合により置換されていてもよいアルキル、アルケニル、若しくはアルコキシであるか、或いはR11及びR13は、N原子と一緒になって、ヘテロ環式の5、6、若しくは7員環を形成していてもよく、
12及びR14は、N原子と一緒になって、ヘテロ環式の5、6、若しくは7員環を形成していてもよく、
15は、水素、ハロゲン、又は場合により置換されていてもよいアルキル基若しくはアルコキシ基、或いは−NR1112(ここで、R11及びR12は、先に定義した通りである)であり、
16及びR17は、独立して、水素、ハロゲン、又は場合により置換されていてもよいアルキル、アルケニル、若しくはアルコキシであり、
15及びR16は、N原子と一緒になって、ヘテロ環式の5、6、若しくは7員環を形成していてもよく、又は
15及びR17は、N原子と一緒になって、ヘテロ環式の5、6、若しくは7員環を形成していてもよい〕
で示される1種以上の染料と、
場合により、これ以降に明示され且つ定義された一般式(II)
【化2】

〔式中、
X及びWは、水素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ、又はニトリルであり、
Yは、ニトロ又はシアノであり、
21は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、又はNHCOZ
(ここで、
Zは、水素、C〜Cアルキル、アミノ、C〜Cアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、又はアラルキルオキシである)
であり、
22は、水素、シアノ、式(a)
【化3】

で示されるアルコキシカルボニルであるか、又は式(b)
【化4】

で示されるアルコキシカルボニルオキシであり、
(ここで、
25は、C〜Cアルキル、アリール、又はアラルキルである)
23は、R22の意味のうちの1つを有し、
nは、2〜4の整数であり、
24は、水素、C〜Cアルキル、又はC〜Cアルコキシである〕
で示される1種以上、例えば2若しくは3種、好ましくは1若しくは2種の染料と、
場合により、これ以降に明示され且つ定義された一般式(III)
【化5】

〔式中、
T、U、及びVは、独立して、水素、ホルミル、アセチル、クロロ、ブロモ、シアノ、又はニトロであり、
31及びR32は、独立して、C〜Cアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、カルボニルアルキル、カルボニルアルケニル、カルボニルアリール、カルボニルアルコキシアルキル、又はカルボニルアリールオキシアルキルであり、
33は、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、又はNHCOR34(ここで、R34は、C〜Cアルキル又はC〜Cアルコキシである)
である〕
で示される1種以上、例えば2若しくは3種、好ましくは1若しくは2種の染料と、を含む染料混合物。
【請求項2】
一般式(I)で示される1種以上の染料と一般式(II)で示される1種以上の染料とを含む、請求項1に記載の染料混合物。
【請求項3】
一般式(I)で示される1種以上の染料と一般式(III)で示される1種以上の染料とを含む、請求項1に記載の染料混合物。
【請求項4】
一般式(I)で示される1種以上の染料と一般式(II)で示される1種以上の染料と一般式(III)で示される1種以上の染料とを含む、請求項1に記載の染料混合物。
【請求項5】
33がNHCOR34である場合、(CHOR/Rが、構造(IIIa)
【化6】

〔式中、R35及びR36は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、又はアルキルカルボニルアルコキシである〕に示されるような、R35及びR36と置き換えられる、請求項1に記載の染料混合物。
【請求項6】
一般式(I)で示される1種若しくは複数種の染料と一般式(II)又は(III)で示される1種若しくは複数種の染料との重量比が、95〜5%(I)対5〜95%(II)又は(III)である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の染料混合物。
【請求項7】
一般式(I)で示される1種若しくは複数種の染料と一般式(II)又は(III)で示される1種若しくは複数種の染料との重量比が、95〜50%(I)対5〜50%(II)又は(III)である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の染料混合物。
【請求項8】
一般式(I)で示される1種若しくは複数種の染料と一般式(II)又は(III)で示される1種若しくは複数種の染料との重量比が、85〜60%(I)対15〜40%(II)又は(III)である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の染料混合物。
【請求項9】
一般式(I)で示される1種若しくは複数種の染料と一般式(II)で示される1種若しくは複数種の染料と一般式(III)で示される1種若しくは複数種の染料との重量比が、5〜95%(I)対5〜50%(II)対5〜50%(III)である、請求項1に記載の染料混合物。
【請求項10】
一般式(I)で示される1種若しくは複数種の染料と一般式(II)で示される1種若しくは複数種の染料と一般式(III)で示される1種若しくは複数種の染料との重量比が、70〜90%(I)対10〜20%(II)対10〜20%(III)である、請求項1に記載の染料混合物。
【請求項11】
必要量で染料成分を混合することを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の染料混合物の調製方法。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の染料混合物と、分散剤、界面活性剤、及び湿潤剤の少なくとも1種と、を含む組成物。
【請求項13】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の染料混合物を適用することを含む、合成テキスタイル材料又はその繊維ブレンドの着色方法。
【請求項14】
前記合成テキスタイル材料又はその繊維ブレンドが、ポリエステル又はポリエステル−セルロースブレンド若しくはポリエステル−ウールブレンドである、請求項12に記載の着色方法。

【公表番号】特表2007−515509(P2007−515509A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540353(P2006−540353)
【出願日】平成16年11月20日(2004.11.20)
【国際出願番号】PCT/EP2004/013209
【国際公開番号】WO2005/054375
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(503412791)ダイスター・テクスティルファルベン・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・ドイッチュラント・コマンデイトゲゼルシャフト (40)
【Fターム(参考)】