説明

分散液及びインク組成物

【課題】高度な隠蔽性を有する白色インク組成物の調製に有用な分散液、及びその分散液から得られるインク組成物を提供する。
【解決手段】分散液は、中空ポリマー微粒子を含有する分散液であって、前記中空ポリマー微粒子が複数の微粒子サブ群からなり、平均粒径の大きさの点で相互に隣接する各微粒子サブ群の平均粒径の差がそれぞれ100nm未満であることを特徴とする。インク組成物は、前記分散液を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分散液及びインク組成物に関する。本発明の分散液は、中空ポリマー微粒子を含有するので、白色インク組成物の調製に有用であり、特に、平均粒径が異なる中空ポリマー微粒子サブ群の3種又はそれ以上を組み合わせて調製されるので、高度な隠蔽性を有する白色インク組成物の調製に有用である。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録用の白色インク組成物に、白色着色剤として中空ポリマー微粒子を用いることは、公知である(例えば、特許文献1)。前記特許文献1に記載の中空ポリマー微粒子は、微粒子の中心に空洞を有し、外径が1μm以下の球状体であり、液体透過性のポリマー膜からなる。従って、水性インク組成物中に存在する場合には、中心の空洞は水性媒質で満たされている。水性媒質で満たされた中空ポリマー微粒子は、水性媒質と近接した比重を有するので、無機顔料を用いた場合に発生する沈殿の問題を著しく解消することができ、インク組成物の貯蔵安定性や吐出安定性などが向上する。また、中空ポリマー微粒子を含むインク組成物が記録紙などの媒体上に吐出されると、水性媒質が中心空洞から除去され、空気で満たされた空隙が残る。この空隙のサイズは、可視光を有効に散乱させるように設計されており、従って媒体上に白色像を形成することができる。
【0003】
前記特許文献1には、外径500nmの市販中空ポリマー微粒子を含む水性インク組成物が具体的に記載されており、外径500nmの非中空ポリマー微粒子を含む水性インク組成物と比較して不透明性が向上することが示されている。
【0004】
また、複数種の外径を有する中空ポリマー微粒子群を用いることも提案されている(特許文献2)。前記特許文献2の記載によれば、外径サイズが100nm以上異なる少なくとも2種の中空ポリマー微粒子群を用いることにより、白色画像の色相を制御することができるとされている。そして、具体的には、外径320nmの小サイズの中空ポリマー微粒子群と外径900nmの大サイズの中空ポリマー微粒子群との2種の中空ポリマー微粒子群の混合比率を種々に変化させることにより、Lab法においてb値により表されるような色相、又は白色イメージに対する青みの寄与を、系統的かつ調節可能に変化させることができるとしている。
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,880,465号明細書
【特許文献2】特開2003−313481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1に記載のインク組成物による隠蔽性は不充分である。また、前記特許文献2には、2種又はそれ以上の複数種の外径を有する中空ポリマー微粒子群を組み合わせることによる隠蔽性への効果については全く触れられていない。また、前記特許文献2には、2種の外径を有する中空ポリマー微粒子群を組み合わせて調製したインク組成物が具体的に記載されているだけであり、本発明者がそれらの具体的に開示されているインク組成物に関して実験によって確認したところによると、隠蔽性は不充分である(後述の実施例欄参照)。
本発明者は、白色着色剤として中空ポリマー微粒子を用いるインク組成物において隠蔽性を向上させる研究を鋭意行ったところ、3種又はそれ以上の中空ポリマー微粒子群(微粒子サブ群)を用いることによって、隠蔽性を向上させることが可能であることを見出した。
なお、前記のインク組成物は、中空ポリマー微粒子サブ群3種又はそれ以上を含有する分散液(特に、水系分散液)を最初に調製し、その分散液(特に、水系分散液)から調製することができる。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、本発明は、中空ポリマー微粒子を含有する分散液であって、前記中空ポリマー微粒子が、平均粒径200〜400nmの第1微粒子サブ群、平均粒径400〜600nmの第2微粒子サブ群、及び平均粒径900〜1110nmの第3微粒子サブ群を含むことを特徴とする、前記の分散液に関する。
本発明による前記分散液の好ましい態様は、水系分散液である。
【0008】
また、本発明は、前記分散液を含むことを特徴とする、インク組成物(特には、水系インク組成物)、好ましくは、インクジェット記録用インクであるインク組成物(特には、水系インク組成物)に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の分散液は、平均粒径が異なる中空ポリマー微粒子サブ群3種又はそれ以上を含有し、この分散液から調製されるインク組成物は、平均粒径が異なる中空ポリマー微粒子サブ群3種又はそれ以上を含むので、高度な隠蔽性を示すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明による分散液(特には、水系分散液)は、中空ポリマー微粒子を含有し、その中空ポリマー微粒子は、3種又はそれ以上の微粒子サブ群からなる。すなわち、前記中空ポリマー微粒子は、少なくとも3種の以下の微粒子サブ群を含む。
(1)平均粒径200〜400nmの第1微粒子サブ群、
(2)平均粒径400〜600nmの第2微粒子サブ群、及び
(3)平均粒径900〜1110nmの第3微粒子サブ群。
なお、ここで、前記第1微粒子サブ群の平均粒径は、前記第2微粒子サブ群の平均粒径よりも小さいものとする。
【0011】
前記第1微粒子サブ群の平均粒径と前記第2微粒子サブ群の平均粒径との間に、100〜400nmの差があることが好ましく、100〜300nmの差があることがより好ましい。また、前記第2微粒子サブ群の平均粒径と前記第3微粒子サブ群の平均粒径との間に、300〜700nmの差があることが好ましく、350〜550nmの差があることがより好ましい。更に、前記第1微粒子サブ群の平均粒径と前記第3微粒子サブ群の平均粒径との間に、500〜900nmの差があることが好ましく、500〜700nmの差があることがより好ましい。
【0012】
本明細書において、粒径又は平均粒径は、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置によって測定される粒径又は平均粒径を意味する。代表的なレーザー回折式粒度分布測定装置としては、例えば、動的光散乱法(FFTパワースペクトル法)を測定原理とする粒度分析計(例えば、「マイクロトラックUPA」;日機装株式会社製)を用いることができる。
【0013】
本発明による分散液は、前記の条件を満たす異なる平均粒径を有する中空ポリマー微粒子サブ群3種(すなわち、前記第1微粒子サブ群、前記第2微粒子サブ群、及び前記第3微粒子サブ群の3種)を組み合わせ、場合によりその他の平均粒径を有する中空ポリマー微粒子サブ群を追加して用いることによって調製することができる。
【0014】
本発明で用いる中空ポリマー微粒子の調製方法は特に制限されるものではなく、公知の様々な方法を用いることができる。例えば、前記特許文献1又は2、更には、米国特許第5229209号、第4594363号、第4427836号、又は第4089800号各明細書に記載されている。また、種々の中空ポリマー微粒子が市販されている。更に、前記中空ポリマー微粒子の調製方法や空洞サイズ若しくは外径の設計方法も公知であり、例えば、前記の各文献に記載されている。前記中空ポリマー微粒子は、代表的には、通常の乳化重合技術に従って調製され、通常の界面活性剤を含む。また、個々の中空ポリマー微粒子を水系媒質、有機水系媒質、又は有機媒質中に分散させた安定な分散系として調製することができ、こうして得られた分散液は、通常の顔料インク組成物を調製する際に必要とされる粉砕操作や磨砕操作を必要とせずに、良好な分散性を付与され、例えば、インクジェット記録用のインク組成物の調製に利用することができる。
【0015】
前記中空ポリマー微粒子の調製に用いることのできるビニルモノマーとしては、例えば、非イオン性モノエチレン不飽和モノマーを挙げることができ、非イオン性モノエチレン不飽和モノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、エチレン、ビニルアセテート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、メチルアクリレート(MA)、メチルメタクリレート(MMA)、エチルアクリレート(EA)又はブチルアクリレート(BA)などの(メタ)アクリル酸の種々のエステル、例えば、(C−C20)アルキル又は(C−C20)アルケニルエステルを挙げることができる。更に、(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチルメタクリレート(MMA)、メチルアクリレート(MA)、エチル(メタ)アクリレート(EMA)、ブチル(メタ)アクリレート(BMA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート(EHMA)、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、又はステアリル(メタ)アクリレートのようなアクリルエステルを用いることもできる。
【0016】
二官能性ビニルモノマー、例えば、ジビニルベンゼン、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタン−ジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、又はトリメチロールプロパントリメタクリレートなどを共重合させて架橋することによって外側シェル(ポリマー膜)を形成することもできる。
【0017】
本発明で用いる中空ポリマー微粒子の分散媒は、水系分散媒、有機水系分散媒、又は有機分散媒、特には水系分散媒若しくは有機水系分散媒、例えば、水、又は親水性有機溶媒を含む水である。また、乳化重合の際に用いる界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又は有機懸濁保護剤等を挙げることができる。
【0018】
本発明による分散液において、中空ポリマー微粒子の含有量(固形分)は特に限定されるものではないが、例えば、前記分散液の全重量に対して、好ましくは10〜90重量%、より好ましくは20〜80重量%である。また、本発明の分散液に含まれる個々の中空ポリマー微粒子サブ群の混合割合も、この分散液から調製されるインク組成物の隠蔽性を良好に発現させることができる限り、特に限定されるものではない。例えば、前記第2微粒子サブ群の含有量に対して、前記第1微粒子サブ群及び前記第3微粒子サブ群の含有量は、それぞれ相互に独立に、1/10倍〜10倍の量であることができる。また、前記第1微粒子サブ群、前記第2微粒子サブ群、及び前記第3微粒子サブ群の個々の固形分含有量は、混合した中空ポリマー微粒子の全固形分に対して、5重量%以上であればよい。
【0019】
前記分散液から、公知の方法によって本発明によるインク組成物を調製することができる。本発明のインク組成物は、前記中空ポリマー微粒子や前記水性分散媒のほかに、種々の公知の添加剤を含んでいることができる。添加剤は、通常のインク組成物に含有されている通常の添加剤を用いることができ、特に、インクジェット記録用インク組成物を調製する場合には、インクジェット記録用インク組成物の調製に通常使用されている添加剤を用いることができる。
【0020】
本発明のインク組成物において、前記中空ポリマー微粒子の含有量は、隠蔽性を良好に発現することができる限り、特に限定されるものではないが、例えば、前記インク組成物の全重量に対して、好ましくは5〜90重量%、より好ましくは10〜80重量%である。なお、本発明のインク組成物に含まれる個々の中空ポリマー微粒子サブ群の混合割合は、前記分散液における混合割合と同じである。
【0021】
本発明のインク組成物は、任意の記録媒体に対して白色インクとして付与することができる。記録媒体としては、例えば、紙、厚紙、繊維製品(例えば、織物)、天然又は合成のシート若しくはフィルム、あるいは、プラスチック、ガラス、又はセラミックなどの媒体に付与することができる。また、本発明のインク組成物は、任意の印刷方式に適用することができ、例えば、サーマルインクジェット、圧電インクジェット、連続インクジェット、ローラーアプリケーション、又はスプレーアプリケーションなどの各種印刷装置により利用することができる。
【実施例】
【0022】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において、特に断らない限り、部及び%は重量による。
【0023】
<中空ポリマー微粒子エマルジョンの製造方法>
(1)重合体粒子1
2Lの反応容器に、スチレン80部、メタクリル酸5部、メタクリル酸メチル15部、α−メチルスチレンダイマー1部、t−ドデシルメルカプタン14部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.8部、過硫酸カリウム1.0部及び水200部を入れ、窒素ガス中で攪拌し、80℃まで加温して6時間乳化重合を行った。これにより得られた重合体粒子1は、平均粒径0.15μmであった。
【0024】
(2)中空ポリマー微粒子エマルジョン1
前項(1)で得られた重合体粒子1の10部(固形分換算)とともにラウリル硫酸ナトリウム0.3部、過硫酸カリウム0.5部、及び水400部を反応容器にいれたものに、ジビニルベンゼン11.6部(純度55重量%;残余が1官能ビニルモノマーのもの)、エチルビニルベンゼン8.4部、アクリル酸5部、及びメタクリル酸メチル75部の混合物による架橋重合性モノマー組成物を添加し、30℃で1時間攪拌し、更に70℃で5時間攪拌しながら乳化重合処理を行い、水系分散液を得た。得られたものを粒度分析計(マイクロトラックUPA:日機装株式会社)で測定したところ粒径は320nmであり、別途、透過型電子顕微鏡で観察したところ中空ポリマー微粒子であった。こうして得られたエマルジョンを中空ポリマー微粒子エマルジョン1とする。
【0025】
(3)中空ポリマー微粒子エマルジョン2〜4及び6
表1に示した組成により得られた重合体粒子1〜4及び表2に示した組成を用いたこと以外は、前項(1)「中空ポリマー微粒子エマルジョン1」と同様にして、中空ポリマー微粒子エマルジョン2〜4及び6を得た。
【0026】
(4)中空ポリマー微粒子エマルジョン5
反応容器に、重合粒子1の2部、ポリビニルアルコール20部、重合開始剤3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド2部と水500部を仕込み、これにエチレンジメタクリレート25部、メタクリル酸5部、及びメタクリル酸メチル70部の混合物よりなる架橋重合性モノマー組成物とトルエン400部を混合したものを添加して、40℃で2時間攪拌した後、更に70℃で15時間攪拌しながら乳化重合処理を行い、水系分散液を得た。こうして得られたエマルジョンを中空ポリマー微粒子エマルジョン5とする。
【0027】
【表1】

【0028】
【表2】

【0029】
上記水系分散液をそれぞれ固形分25%になるように調整し、得られた中空ポリマー微粒子エマルジョンを種々に組み合わせて用いることにより、以下に示すように、本発明によるインク組成物1〜4(実施例1〜4)及び比較用のインク組成物1〜2(比較例1〜2)を作成した。
【0030】
<実施例1>
中空ポリマー微粒子エマルジョン1(粒径:320nm、固形分25.0%) 26重量%
中空ポリマー微粒子エマルジョン3(粒径:460nm、固形分25.0%) 27重量%
中空ポリマー微粒子エマルジョン5(粒径:920nm、固形分25.0%) 27重量%
グリセリン 10重量%
BYK348(ビッグケミー・ジャパン社製シリコン系界面活性剤) 0.3重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
純水 残量
【0031】
<実施例2>
中空ポリマー微粒子エマルジョン2(粒径:400nm、固形分25.0%) 26重量%
中空ポリマー微粒子エマルジョン4(粒径:520nm、固形分25.0%) 27重量%
中空ポリマー微粒子エマルジョン6(粒径:1000nm、固形分25.0%) 27重量%
グリセリン 10重量%
BYK348(ビッグケミー・ジャパン社製シリコン系界面活性剤) 0.3重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
純水 残量
【0032】
<実施例3>
中空ポリマー微粒子エマルジョン1(粒径:320nm、固形分25.0%) 20重量%
中空ポリマー微粒子エマルジョン3(粒径:460nm、固形分25.0%) 20重量%
中空ポリマー微粒子エマルジョン5(粒径:920nm、固形分25.0%) 40重量%
グリセリン 10重量%
BYK348(ビッグケミー・ジャパン社製シリコン系界面活性剤) 0.3重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
純水 残量
【0033】
<実施例4>
中空ポリマー微粒子エマルジョン2(粒径:400nm、固形分25.0%) 20重量%
中空ポリマー微粒子エマルジョン4(粒径:520nm、固形分25.0%) 20重量%
中空ポリマー微粒子エマルジョン6(粒径:1000nm、固形分25.0%) 40重量%
グリセリン 10重量%
BYK348(ビッグケミー・ジャパン社製シリコン系界面活性剤) 0.3重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
純水 残量
【0034】
<比較例1>
中空ポリマー微粒子エマルジョン1(粒径:320nm、固形分25.0%) 40重量%
中空ポリマー微粒子エマルジョン5(粒径:920nm、固形分25.0%) 40重量%
グリセリン 10重量%
BYK348(ビッグケミー・ジャパン社製シリコン系界面活性剤) 0.3重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
純水 残量
【0035】
<比較例2>
中空ポリマー微粒子エマルジョン2(粒径:400nm、固形分25.0%) 40重量%
中空ポリマー微粒子エマルジョン6(粒径:1000nm、固形分25.0%) 40重量%
グリセリン 10重量%
BYK348(ビッグケミー・ジャパン社製シリコン系界面活性剤) 0.3重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
純水 残量
【0036】
《隠蔽性評価》
インクジェットプリンタ(PX−A550;セイコーエプソン社製)でフォトマット紙(顔料専用;セイコーエプソン社製)にブラック単色ベタを印字した。これとは別に、前記実施例1〜4及び比較例1〜2で調製した6種のインク組成物を、前記インクジェットプリンタ(PX−A550)で、OHPシート(EPSON専用紙;セイコーエプソン社製)にそれぞれ印字し、白色印字OHPシートを、黒色印字フォトマット紙の上に重ね、Db値(黒色密度;Density of black;OD値)、及びL*a*b*値を測定した。測定装置として、Gretag Macbeth SPM50(Gretag Macbeth社製)を使用した。測定結果を表3に示す。なお、参考例は、白色印字OHPシートを重ねずに、黒色印字フォトマット紙のみでの測定値である。
【0037】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の分散液は、中空ポリマー微粒子を含有するので、白色インク組成物の調製に有用であり、特に、複数の平均粒径を有する中空ポリマー微粒子サブ群を組み合わせて調製されるので、高度な隠蔽性を有する白色インク組成物の調製に有用である。
本発明のインク組成物は、中空ポリマー微粒子を含有するので、白色インク組成物として用いることができ、特に、複数の平均粒径を有する中空ポリマー微粒子サブ群を組み合わせて含有しているので、高度な隠蔽性を要求される用途に好適に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空ポリマー微粒子を含有する分散液であって、前記中空ポリマー微粒子が、平均粒径200〜400nmの第1微粒子サブ群、平均粒径400〜600nmの第2微粒子サブ群、及び平均粒径900〜1110nmの第3微粒子サブ群を含むことを特徴とする、前記の分散液。
【請求項2】
水系である、請求項1に記載の分散液。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の分散液を含むことを特徴とする、インク組成物。

【公開番号】特開2007−211036(P2007−211036A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−29298(P2006−29298)
【出願日】平成18年2月7日(2006.2.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】