説明

分析ディスク、並びに分析ディスクおよび分析装置の検査方法

【課題】 検体試料を展開する分析ディスクに光を照射するとともに、分析ディスクからの反射光を利用して回転制御を行ないながら、検体試料中の成分を分析する分析装置において、分析ディスクあるいは分析装置の欠陥の有無を、各分析動作の前に検査する。
【解決手段】 分析動作に先立って、分析装置に分析ディスクが装着される前に光ピックアップ2、およびフォトディテクタ1を検査する工程1と、分析ディスク8を分析装置に装着した後に、光を照射し、分析ディスク8の反射面からの反射光と、透過面からの透過光より検査を行う工程2、工程3のチェック結果に基づき各部の欠陥を検査する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療分野や環境分野において、検体試料の分析を行うための分析ディスク、並びに分析ディスクおよびそれを使用する分析装置の検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、血液、血漿、尿などの体液、あるいは汚水などの検体試料中の成分を光学的に分析するために、光ディスクドライブの技術を応用した分析ディスクおよび分析装置がある。
【0003】
分析ディスクとしては、検体が流れる流路を内部に持ち、その上面には分析光を検出するために光を透過する透過面を持ち、前記流路の下面には、その一部の光を反射する反射面を有するものがある。
【0004】
またこの分析ディスクが装着される分析装置としては、分析ディスクにレーザを照射するためのレーザと分析ディスクの反射面からの反射光を受光する受光素子を合わせて持つ光ピックアップと、分析ディスクの透過面からの透過光を受光する受光素子とを備え、分析ディスクを回転させて透過面をレーザで走査し、検体試料の状態を光学的に読み取るものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
このような分析装置においては、高精度な測定や高い信頼性が求められるため、分析ディスクや分析装置の光ピックアップ、受光素子に傷やごみが付着するなどの欠陥は、分析結果を大きく左右する。このため分析ディスクや分析装置に欠陥がないかどうかの検査をユーザが実際に使用する段階において、分析動作の前に都度実施することは非常に重要となる。
【0006】
従来、光ディスク装置の分野において、ディスクの製造時おける欠陥の検査方法として、反射光と透過光を利用し、ディスクの反射面だけでなく、ディスクの透過面の検査もできるようにしたものがある。(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
また、製造時ではなくユーザが実際に使用する段階において、光ディスク装置の光ピックアップにごみなどの付着がないかどうかを調べる技術として、光ピックアップにカバーを取り付ける技術がある(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2003−248007号公報
【特許文献2】特開昭61−236050号公報
【特許文献3】特開昭60−74130号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般的に上述のような分析装置は、液体の検体を使用するため汚れやすく、汚れたままま分析を行っていたのでは、精度の高い分析を行うことができない。また、欠陥のある分析ディスクを使用し続けた場合には、検体が飛散したり漏洩したりし、人体に影響を及ぼす可能性もある。
【0009】
しかしながら、従来の分析装置において、分析動作の都度、分析動作に先立って欠陥の検査を行うような装置はなかった。また特に、ディスクの反射面や透過面、あるいは光ピックアップや受光素子の欠陥を検査し、そのいずれの箇所に欠陥があるのかを特定するようなものはこれまで提案されていなかった。従来、光ディスク装置の分野で提案されていたものは、ディスクのみの欠陥の有無、あるいは、光ピックアップのみの欠陥の有無を検査するものであった。
【0010】
本発明は、各分析動作に先立って、各部の検査を実施し、傷やごみや漏れ検体の付着などの欠陥が分析ディスクにあるのか、それとも分析装置にあるのか、さらにはまた欠陥などのある部位を特定できるようにし、分析精度や信頼性を向上させることを目的とする。これとともに、欠陥の箇所を特定することで、ユーザの操作性をより向上させることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記従来の課題を解決するために、本発明の分析ディスクおよび分析装置の検査方法は、検体が流れる流路を内部に有する分析ディスクが装着され、
前記分析ディスクを回転させると共に、光ピックアップにより前記分析ディスクに光を照射し、その反射光を第1の受光素子にて受光して前記光ピックアップの照射位置の制御を行い、さらに前記分析ディスクからの透過光を、前記光ピックアップと対向して配置された第2の受光素子にて受光し検体の分析を行うようにした分析装置において、
前記分析動作に先立って、分析装置に分析ディスクが装着される前に、光ピックアップから光を照射し、前記第2の受光素子にて予め定められた光量が得られるかどうかをチェックする第1の工程と、
分析ディスクを分析装置に装着した後に、分析ディスクに光を照射し、予め定められた反射光量が前記第1の受光素子で得られるかどうかをチェックする第2の工程と、
前記検体が分析部に展開されていない分析ディスクに光を照射して、その透過光量が予め定められた量だけ前記第2の受光素子で得られるかどうかをチェックする第3の工程を備え、
前記第1、第2、第3のチェック結果に基づき、分析ディスクおよび分析装置の欠陥を調べるようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の検査方法によれば、分析ミスの原因の一つである、ごみなどの付着物や傷を各分析動作の前に検出することができ、このように欠陥が見つかった場合には、分析動作を中止することで、不正確な分析結果を得ることを防止することができる。
【0013】
また、欠陥が分析ディスクのどの部分にあるのか、分析装置にあるのかを判明するので、ユーザも欠陥の原因を把握でき、操作性が向上することとなる。
【0014】
さらに、分析中にも検査することによって分析中に生じた欠陥を検出することができ、不正確な分析結果を得ることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の分析ディスク、並びに分析ディスクおよび分析装置の検査方法について、その実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施の形態における分析装置の構成図を示すものである。図1において、フォトディテクタ1は、光ピックアップ2から照射されたレーザのうち、分析ディスク8を透過した光を受光し、受光したレーザを電気信号に置き換え、アナログ信号処理部3に出力する。アナログ信号処理部3は、入力された電気信号を波形整形して、A/Dコンバータ4に出力する。A/Dコンバータ4によりディジタル化された信号は、ディジタル信号処理部5に出力される。
【0017】
光ピックアップ2は、トラバースモータ6により駆動されて分析ディスク8の半径方向を自由に移動できる。スピンドルモータ7は分析ディスク8を回転させるためのモータであり、トラバースモータ6と合わせて、サーボ処理部9にて制御されている。光ピックアップ2は、レーザを分析ディスク8に照射するとともに、反射してきたレーザを受光する機能を有しており、受光した反射光を電気信号に置き換え、その信号を波形整形して出力する。アナログ信号処理部10にてディジタル化された信号は、ディジタル信号処理部5に渡される。このように、フォトディテクタ1からの信号と、光ピックアップ2からの信号は、ともにディジタル信号処理部5に入力されて、信号比較することができる構成になっている。
【0018】
さて、図2の(a)、(b)は、それぞれ分析ディスク8の分解斜視図および断面図を示している。図において、分析ディスク8は、その上部の構造は、ポリカーボネートなどの光を透過する材料からなる上カバー13と、ディスク貼り合わせのための接着剤などの材料からなり、検体試料を展開し保持するキャビティA,B,C,D(流路の詳細は図示せず)を形成するよう開孔する流路パターン層14と、反射膜15を蒸着させた、ATIPなどの時間情報を記録したデータピット層16からなる。上カバー13は、光ピックアップ2から照射されたレーザ17を透過する透過面11となる。
【0019】
またデータピット層16と反射膜15のある分析ディスク8の下面は反射面12となるが、反射膜の反射率を数十%(程度に金属を蒸着させているので)にすることにより光ピックアップ2から照射したレーザ17を分析ディスク8に当てたときに、そのレーザ17が分析ディスク8の反射面12により反射すると同時に、透過面11からレーザ17が透過する半透過性となっている。
【0020】
情報領域19には、分析ディスク8上の位置情報として、付着物、もしくは傷の検出を行うエリアの情報を記憶でき、また、検査回数とそれぞれの検査のタイミングの情報を記憶でき、また、欠陥かどうかを判断するための情報として、付着物、もしくは傷と判定するための閾値を入れておくことができる。これらの情報は、検査条件とし、分析ディスク8での分析を行う領域より内周にあることにより検体の漏れにより分析装置が読み取れなくなるのを防止できる。
【0021】
ここで、分析動作について、説明する。まず採取した検体を分析ディスク8に注入する。次に予め分析ディスク8の入っていない分析装置の電源を入れる。この時に、分析装置に分析ディスク8が装着される前に光ピックアップ2から光を照射し、光ピックアップ2にて予め定められた光量が得られるかどうかをチェックする第1の工程を行い、チェックにエラーがある場合には、機器の異常を表示する。
【0022】
工程1が正常である場合には、分析装置に分析ディスク8をセットする。そのとき、分析ディスク8はスピンドルモータ7に固定され、回転を開始する。光ピックアップ2は情報領域19に情報があるかどうかを読みに行き、ある場合は必要な情報を読み取り、ない場合は、装置に記憶してある情報を基に、次の動作に移る。
【0023】
情報領域19があるにもかかわらず、情報が何らかの影響で読み取れない、もしくは途中で読めなくなる場合は、情報領域19がある反射面12にエラーがあると判断する。
【0024】
次に工程2、工程3を行い、正常と判断された場合、検体の分析を開始する。また、試料の分析を行う分析時にも、工程2、工程3を定期的に複数回行い、検体の漏れによる分析ディスク8や光ピックアップ2の汚染の有無を監視する。測定完了まで、工程2と工程3のチェックにエラーが出なかったら、分析結果を表示もしくは出力し、終了となる。
【0025】
なお、分析ディスク8の構造としては、図示した構造以外に、光の透過や反射を利用して分析するような構造のものを用いても本発明の検査方法を適用することができる。具体例として、前記分析ディスクが厚みをもった円筒状であったり、光の透過や反射を利用して分析を行うが、回転をせずに分析を行う分析装置であったりするような場合があげられる。
【0026】
さて、ここで分析ディスク8および分析装置の検査方法について詳しく説明する。図3は、本発明の検査方法のうち、第1の工程を説明するため、要部を拡大して示す側面図である。第1の工程では、分析装置に分析ディスク8を装着しない状態で検査を行う。すなわち、分析ディスク8がない状態において、光ピックアップ2からレーザ17を照射し、そのレーザ17をフォトディテクタ1にて受光する。その受光した光量が、製品出荷時に予め測定されて分析装置に記憶された光量と差があるときは、分析装置に、欠陥があると判定するのが第1の工程である。
【0027】
次に図4を用いて工程2を説明する。図中の分析装置を用いて、分析ディスク8を装着した状態において、第1の工程でのチェックでエラーと判定されないとき、光ピックアップ2からレーザ17を照射し、反射面12にて反射したレーザ20を光ピックアップ2にて受光することで、分析ディスク8の反射面12のいずれかに欠陥があるかどうかを検査する、これが本発明の第2の工程である。
【0028】
この時、光ピックアップ2で受光した光量が、分析装置もしくは分析ディスク8に記憶しておいた予め定めた光量と差があるときは、分析ディスク8の反射面12に欠陥があると判定することができる。
【0029】
また次に図5を用いて工程3を説明する。検体を展開していない分析ディスク8を装着した状態において、第1と第2の工程でのチェックでエラーと判定されないとき、光ピックアップ2からレーザ17を照射し、分析ディスク8を透過したレーザ21をフォトディテクタ1にて受光することで、分析ディスク8の透過面11に欠陥があるかどうかを検査することが工程3になるものである。
【0030】
この時フォトディテクタ1で受光した光量が、分析装置もしくは分析ディスク8に記憶させておいた基準となる光量と差があるときは、分析ディスク8の透過面11に欠陥があると判定することができる。
【0031】
また、工程2と工程3を行う順番は変える事ができ、同時もしくは工程3を行ってから工程2を行うことができる。工程3を先に行った場合、工程3にてエラーが検出された場合、分析ディスク8の透過面11もしくは反射面12に欠陥があると判定する。
【0032】
上記の工程1,2,3の組み合わせでそれぞれ判定結果が異なる。それを示したのが図7である。No.1は第1の工程のチェックがNGとなっている。この場合は、分析装置に欠陥があるということになる。
【0033】
No.2と3は工程1がOKで、次に行う工程がそれぞれ違っている。No.2は工程2を先に行ったとき、No.3は工程3を先に行ったときにそれぞれNGが出たときのチェック結果を示している。
【0034】
No.4は第1、第2の工程がOKであり、引き続き第3の工程を行ったときにNGが出たときのチェック結果である。No.5は工程1,2,3すべてOKであったときのチェック結果である。
【0035】
ここで分析装置の検査方法について、その一連の動作を図6に示したフローチャートに従って説明する。まず図6(a)において、分析装置の電源をオンにする。次に、分析ディスク8の有無を光ピックアップ2から照射したレーザ17をフォトディテクタ1による検出、もしくは、スピンドルモータ7による負荷の検出により行う。
【0036】
分析ディスク8が既に分析装置に装着されている場合には、分析ディスク8をイジェクトし、分析ディスク8が装着されていない場合には、上記の第1の工程の検査を行う。第1の工程での判定により欠陥がないと判定された場合には、分析装置の表示もしくは音にてディスク挿入を促し、ユーザは分析装置に分析ディスク8を挿入する。
【0037】
分析ディスク8挿入後、分析ディスク8を回転させ、情報領域19を読みに行く。情報領域19に情報があるにもかかわらず、読み取れない、もしくは途中で読めなくなる時は、情報領域19のある反射面12にエラーがあると判定する。
【0038】
情報領域があり、情報がすべて読み込めたときは、その情報に従い、工程2や工程3を適時行う。情報領域がない場合は、分析装置に記憶されている情報により工程2や工程3を適時行う。
【0039】
工程2を先に行う場合は、検査条件にあるタイミングで行い、工程2のチェックにてエラー判定がなければ引き続き工程3を行う。もし、工程2でエラー判定があれば、分析ディスク反射面にエラーがあると判定される。
【0040】
引き続き工程3を行い、チェックにてエラー判定がなければ、図6(b)へ進む。もし、工程3でエラー判定があれば、分析ディスク透過面にエラーがあると判定される。
【0041】
工程3を先に行う場合は、検査条件にあるタイミングで行い、工程3のチェックにてエラー判定がなければ引き続き工程2を行う。もし、工程3でエラー判定があれば、分析ディスク透過面もしくは反射面にエラーがあると判定される。
【0042】
引き続き工程2を行い、チェックにてエラー判定がなければ、図6(b)へ進む。もし、工程2でエラー判定があれば、分析ディスク反射面にエラーがあると判定される。
【0043】
上記の工程1から工程3での検査において、すべて欠陥がないと判定された場合、光ピックアップ2、フォトディテクタ1、分析ディスク8のいずれにも欠陥がないので、分析を問題なく行えるので、分析装置は分析動作の開始を許可する。
図6(b)において、分析中での検査を行う場合には、検査条件の情報を基に、検査を行うが、この場合においても、工程2を先に行うときは、検査条件にあるタイミングで行い、工程2のチェックにてエラー判定がなければ引き続き工程3を行う。もし、工程2でエラー判定があれば、分析ディスク反射面にエラーがあると判定される。
【0044】
引き続き工程3を行い、チェックにてエラー判定がなければ、もう一回検査するかどうかの判定へ進む。もし、工程3でエラー判定があれば、分析ディスク透過面にエラーがあると判定される。
【0045】
工程3を先に行うときは、検査条件にあるタイミングで行い、工程3のチェックにてエラー判定がなければ引き続き工程2を行う。もし、工程3でエラー判定があれば、分析ディスク透過面もしくは反射面にエラーがあると判定される。
【0046】
引き続き工程2を行い、チェックにてエラー判定がなければ、もう一回検査するかどうかの判定へ進む。もし、工程2でエラー判定があれば、分析ディスク反射面にエラーがあると判定される。
【0047】
検査条件の情報に基づき、分析中必要な回数検査が行える。分析終了時に工程1,工程2,工程3にてチェックにエラーが一度も入っていなければ正常に分析が行えたものとする。
【0048】
また、上記の実施の形態において、一度、分析装置や分析ディスク8に欠陥の検出が合った場合は、分析装置内の不揮発性メモリ18に格納しておくことで、クリーニングもしくはメーカ修理が完了するまで、電源ON時にエラーとして表示できるため、誤分析を防ぐことができる。
【0049】
検査条件内容として、検査位置、タイミング、判定基準が入っているが、上記の工程1、工程2、工程3において、検査のタイミングを分析物により変えるとことにより、分析装置やディスクに付いた付着物もしくは傷を検出する時間と、分析に要する時間のトータル時間を短縮することができる。
【0050】
具体的には、血液の測定時、検体の前処理のために遠心分離や試薬との反応により、実際に分析データを取得するまでに時間を要するときに、前工程2,3を行ってから前処理の遠心分離を行うのではなく、前処理の遠心分離と同時に工程2,3を行うことによって工程2,3を行う時間を別に設けなくてよくなる。さらには、工程2と3を同時に行ったり、工程3を行ってから工程2を行ったりすることも可能である。もし、そこでエラーが発見された場合においても、分析不可とする。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明にかかる分析ディスクおよび分析装置の検査方法は、分析動作の都度、分析を行うに先立って欠陥の有無を検査するものであり、分析機器のなかでも、光ディスクの技術を応用し、反射光と透過光とを利用して分析する装置に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施の形態における分析装置の構成図
【図2】同分析装置に装着される分析ディスクの分解斜視図および断面図
【図3】同分析装置を用いた検査方法のうち、工程1を説明する側面図
【図4】同分析装置を用いた検査方法のうち、工程2を説明する側面図
【図5】同分析装置を用いた検査方法のうち、工程3を説明する側面図
【図6(a)】本発明の一実施の形態におけるフローチャート
【図6(b)】本発明の一実施の形態におけるフローチャート
【図7】本発明の欠陥判定の仕方を説明する図
【符号の説明】
【0053】
1 フォトディテクタ
2 光ピックアップ
3 アナログ信号処理部
4 A/Dコンバータ
5 ディジタル信号処理部
6 トラバースモータ
7 スピンドルモータ
8 分析ディスク
9 サーボ処理部
10 アナログ信号処理部
11 透過面
12 反射面
13 上カバー
14 流路パターン層
15 反射膜
16 データピット層
17 レーザ
18 不揮発メモリ
19 情報領域


【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体が流れる流路を内部に有する分析ディスクが装着され、
前記分析ディスクを回転させると共に、光ピックアップにより前記分析ディスクに光を照射し、その反射光を第1の受光素子にて受光して前記光ピックアップの照射位置の制御を行い、さらに前記分析ディスクからの透過光を、前記光ピックアップと対向して配置された第2の受光素子にて受光し検体の分析を行うようにした分析装置において、
前記分析動作に先立って、分析装置に分析ディスクが装着される前に、光ピックアップから光を照射し、前記第2の受光素子にて予め定められた光量が得られるかどうかをチェックする第1の工程と、
分析ディスクを分析装置に装着した後に、分析ディスクに光を照射し、予め定められた反射光量が前記第1の受光素子で得られるかどうかをチェックする第2の工程と、
前記検体が分析部に展開されていない分析ディスクに光を照射して、その透過光量が予め定められた量だけ前記第2の受光素子で得られるかどうかをチェックする第3の工程を備え、
前記第1、第2、第3のチェック結果に基づき、分析ディスクおよび分析装置の欠陥を調べるようにしたことを特徴とする分析ディスクおよび分析装置の検査方法。
【請求項2】
第1の工程にてチェックにエラーが生じた場合には、前記分析装置に欠陥があると判定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の分析ディスクおよび分析装置の検査方法。
【請求項3】
第1の工程において、チェックにエラーが生じず、第2の工程において、チェックにエラーが生じた場合には、前記分析ディスクの第1の受光素子に面する反射面に欠陥があると判定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の分析ディスクおよび分析装置の検査方法。
【請求項4】
第1の工程および第2の工程において、チェックにエラーが生じず、第3の工程において、チェックにエラーが生じた場合には、前記分析ディスクの前記第2の受光素子への透過面に欠陥があると判定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の分析ディスクおよび分析装置の検査方法。
【請求項5】
第1の工程、第2の工程程、第3の工程でのチェックのいずれにもエラーがない場合に、分析動作を許可するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の分析ディスクおよび分析装置の検査方法。
【請求項6】
前記第2の工程と、第3の工程とを、ディスク挿入時から分析が終わるまでの間で複数回行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載の分析ディスクおよび分析装置の検査方法。
【請求項7】
請求項6において、チェックにエラーが生じたときに分析装置もしくは分析ディスクに欠陥が生じたと判定することを特徴とする請求項1に記載の分析ディスクおよび分析装置の検査方法。
【請求項8】
前記第1の工程を行う前に、分析ディスクが既に分析装置内に装着されていることを検知したときは、分析ディスクを排出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の分析ディスクおよび分析装置の検査方法。
【請求項9】
第2の工程と第3の工程とを実施すべき、分析ディスク上の位置情報または正常か異常かを判定するための判定基準、または検査を行うタイミングを検査条件として予め分析ディスクに記録しておき、前記第2、第3の工程に先立って前記検査条件を読み取ってチェックを行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載の分析ディスクおよび分析装置の検査方法。
【請求項10】
第1の工程におけるチェックの基準となる予め定められた光量を、分析装置に記憶させておくことを特徴とする請求項1に記載の分析ディスクおよび分析装置の検査方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかの検査方法に使用される分析ディスクであって、検体が流れる流路をその内部に有するとともに前記第2の工程および第3の工程におけるチェックを行うべき分析ディスク上の検査条件を記録してあることを特徴とする分析ディスク。
【請求項12】
前記分析装置および分析ディスクの欠陥を検出するための検査条件を示す情報を、前記流路よりも内周側の反射面に記録してあることを特徴とする請求項11に記載の分析ディスク。
【請求項13】
前記請求項9において検査条件が読み取れなかった場合、前記分析ディスクに欠陥があると判定することを特徴とする請求項9に記載の分析ディスクおよび分析装置の検査方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6(a)】
image rotate

【図6(b)】
image rotate

【図7】
image rotate