説明

分析装置、製品受容試験方法および製品受容試験装置

【課題】単純かつ安全で、より一貫性の高い製品受容試験方法および装置を提供する。
【解決手段】コンピュータデバイスと他のデバイスとの無線ネットワーク上での通信をシミュレートし、これにより生成される製品受容データを無線デバイスにより収集する。そして、この収集された製品受容データを分析して製品の受容可否を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、一般に無線通信デバイスおよびコンピュータネットワークに関する。特にこの発明は、装置、無線デバイスの製品受容試験の方法と、無線デバイスからの製品受容データの収集および分析とを関連づける。
【背景技術】
【0002】
無線ネットワーキングは、メタリックケーブルや光ケーブルといった直接の電気的接続を介することなく、1または複数の無線デバイスを他のコンピュータデバイスに接続する。無線デバイスは無線ネットワーク、または部分的に無線化されたコンピュータネットワークを介して、典型的にはパケットの形でデータを通信する。そして無線デバイスはデータパケットを送受信すべくそのようなネットワーク上に”データ”または”通信”チャネルを開く。多くの無線デバイスは、ネットワークを介してデータを送受信するための開かれた通信コネクションを個々に使用するプログラムやハードウェアコンポーネントといった、無線デバイスリソースを備える。無線ネットワーク上で無線デバイスを機能させるためには、無線デバイスをセットアップまたは配置し、そのうえで試験する必要がある。すなわち製品受容試験である。このようなセットアップあるいは構成は一般に、無線デバイスに備わる種々のハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェア、および関連するパラメータのインストールまたは調整を含む。さらに、セットアップまたは配置は、一般に無線ネットワーク上での無線デバイスの性能および操作性を評価するために、無線デバイスに製品受容試験を実施することで分析される。各種の無線デバイスはそのデバイス自体に特有のセットアップを持つだろうし、それぞれの無線ネットワークおよびキャリアも同様に、それらに特有のセットアップを持つだろう。よって無線デバイスを所望の無線ネットワークで操作するための初期セットアップおよび配置は、普通、とても複雑で時間がかかる。
【0003】
無線デバイスの初期セットアップと試験には普通、外部試験装置を要することも複雑さを招く要因である。例えばセルラフォンのような無線デバイスにあっては、電話端末に種々のアナライザを直列に接続して種々の試験パラメータが入力および計測される。スループットを最大化するために、普通このような試験は複数の無線デバイス上でバッチモードで実施され、結果として多数の外部試験装置、ケーブルおよび無線デバイスが関わって混乱を招く元になる。さらにまたこのような試験には、携帯電話端末を所定の領域周辺で動作させて、種々に異なる環境下で送受信性能を試験するといったものも伴う。例えば、携帯電話端末に対しては、基地局とその端末間でのメッセージ授受の試験を要する。環境条件は一貫せず、天候も変化し、また無線デバイスの動作にとても時間がかかるので、このようなモバイルテストは非常に非能率的になり得る。さらには、モバイルテストに伴って無線デバイスを動かし、無線デバイスを接続/切断することは、無線デバイスを壊すおそれもある。
【0004】
このようなことから、単純かつ安全で、より一貫性の高い製品受容試験方法および装置を提供することは有利であろう。
【発明の開示】
【0005】
開示される実施形態は、無線デバイスの製品受容試験を網羅する装置、方法およびプログラムを含む。
この発明の一態様によれば、例えば、無線デバイスに搭載される製品受容試験装置であって、前記無線デバイスに備えられ、無線ネットワークとの現実の通信を代表する通信シミュレーションに関わる機能を含む製品受容試験アプリケーションと、前記無線デバイスに備えられ、前記通信シミュレーションを実施して製品受容決定に係わる製品受容データを生成する通信処理エンジンとを具備することを特徴とする製品受容試験装置が提供される。
【0006】
他の実施形態では、無線通信デバイスにおいて、無線ネットワークにおける前記無線通信デバイスの、規定のネットワーク通信試験シナリオに関連するネットワーク通信シミュレーションを実行可能なシミュレーションモジュールを備えるコンピュータプラットフォームと、前記ネットワーク通信シミュレーションを実行して、前記無線通信デバイスが規定の通信処理標準に即しているか否かを定義するための製品受容データを生成する通信処理エンジンとを具備することを特徴とする無線通信デバイスが提供される。
【0007】
他の実施形態では、無線通信デバイスからのデータを解析する分析装置であって、無線ネットワーク上の通信に関する通信シミュレーションメッセージが無線通信デバイスにおいて処理されることにより生成される、規定のネットワーク通信試験シナリオに関する製品受容データを受信するモジュールと、このモジュールにより実行可能であり、前記製品受容データを分析して製品受容決定を生成する解析エンジンを含む製品受容試験アプリケーションとを具備することを特徴とする分析装置が提供される。
【0008】
他の実施形態では、無線デバイスの製品受容試験方法であって、前記無線デバイスと他のデバイスとの無線通信ネットワークにおける通信を通信シミュレーションによりシミュレートし、前記通信シミュレーションが実行されることに伴う製品受容データを前記無線デバイスにより収集し、前記収集された製品受容データを解析して製品受容決定を下すことを特徴とする製品受容試験方法が提供される。
これに代わる実施形態では、コンピュータ読み取り可能な媒体に記録され、上記方法を前記無線デバイスに実行させることを特徴とするコンピュータプログラムが提供される。
【0009】
他の実施形態では、製品受容試験方法において、通信処理エンジンを備える無線通信デバイスに、製品受容試験アプリケーションの少なくとも一部を無線ネットワークを介して送信し、前記製品受容試験アプリケーションは、規定のネットワーク通信試験シナリオに即して通信処理エンジンにより実施されるネットワーク通信シミュレーションを処理するシミュレーションモジュールを含み、前記通信処理エンジンによる前記ネットワーク通信シミュレーションの実施に係わる試験結果データを含む製品受容データを前記無線通信デバイスから受信し、前記製品受容データに基づいて製品受容決定を下すことを特徴とする製品受容試験方法が提供される。
これに代わる実施形態では、コンピュータ読み取り可能な媒体に記録され、上記方法を前記無線デバイスに実行させることを特徴とするコンピュータプログラムが提供される。
【0010】
他の実施形態では、無線通信デバイスにおいて、無線ネットワーク上の無線通信デバイスにおいて、規定のネットワーク通信試験シナリオに即するネットワーク通信シミュレーションを実行する第1手段と、前記通信シミュレーションを実施して前記無線通信デバイスが規定の通信処理標準に準拠するか否かを決定するための製品受容データを生成する第2手段とを具備することを特徴とする無線通信デバイスが提供される。
【0011】
他の実施形態では、製品受容試験装置であって、通信処理エンジンを備える無線通信デバイスに、規定のネットワーク通信試験シナリオに即して通信処理エンジンにより実施されるネットワーク通信シミュレーションを処理するシミュレーションモジュールを含む製品受容試験アプリケーション、の少なくとも一部を無線ネットワークを介して送信する第1手段と、前記通信処理エンジンによる前記ネットワーク通信シミュレーションの実施に係わる試験結果データを含む製品受容データを前記無線通信デバイスから受信する第2手段と、前記製品受容データに基づいて製品受容決定を下す第3手段とを具備することを特徴とする製品受容試験装置が提供される。
【0012】
開示される実施形態における付加的な開示および利点は、下記の以下の記述により明らかになる。それは下記記述から、または開示された実施形態の実践により明らかになるであろう。また、開示される実施形態の付加的な開示および利点は、クレームにより典型的に示される手段およびその組み合わせにより理解され、達成されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】無線デバイスの製品受容試験装置の一つの実施形態を代表するブロック図。
【図2】セルラフォンネットワークにおける図1の装置の一つの実施形態、および図1の無線デバイスのコンピュータプラットフォームの一つの実施形態を模式的に示すブロック図。
【図3】製品受容試験アプリケーションと図1の無線デバイスの通信処理エンジンとの相互作用の一つの実施形態を示す機能ブロック図。
【図4】製品受容試験方法の一つの実施形態を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照すると、製品受容試験装置10の一つの実施形態が示される。この製品受容試験装置10は、複数の無線デバイス12、18、20、22を含む。各無線デバイス12、18、20、22は、規定のネットワーク通信試験シナリオ25をシミュレート可能な製品受容試験アプリケーション23を備える。このアプリケーションにより、その無線デバイスが規定の通信処理標準27に沿って構成され動作可能であるかが測定される。例えば、この種の規定のネットワーク通信試験シナリオ25、および通信処理標準27は、無線デバイスの初期化、メインテナンス、およびデータ通信の終端のプロトコルを含み、それによってネットワークにおけるデバイスの操作性と性能のレベルとを評価付けることができる。ひとつの実施形態において無線デバイス12、18、20、22は、無線ネットワークエリア28内に配置され、相互に、および(または)製品受容データ収集(サーバ)および(または)ユーザ管理サーバ16と、無線ネットワーク14を介して互いに通信する。ユーザ管理サーバ16は無線ネットワーク14内の通信では、ネットワークインタフェース26を介して直接、有線接続あるいは無線接続により無線デバイス12、18、20、22と通信可能である。ユーザ管理サーバ16と無線デバイス12、18、20、22の間の通信は、製品受容試験アプリケーション23の全て、または一部(一連の特定の試験のような)のダウンロードを含む。このような通信には、無線デバイス12、18、20、22からユーザ管理サーバ16に、製品受容データ29すなわち試験結果をアップロードで返送することも含まれる。加えて、ユーザ管理サーバ16は、受け取った製品受容データ29と規定の通信処理標準27とを比較して製品受容決定47を下す、解析エンジン21を備える。あるいは解析エンジン21は製品受容試験アプリケーション23に組み合わされ、各無線デバイス12、18、20、22で実行可能に設けても良い。しかしながら次の点には注目すべきである。すなわち製品受容試験アプリケーション23のシミュレーション性能により、このアプリケーションを実行するためと自己の通信処理能力を試すために、無線デバイス12、18、20、22は無線ネットワーク14とことさら通信する必要はない。製品受容試験アプリケーション23は何時でも起動されることができ、製品受容データ29は何時でも、有線または無線接続を介して無線デバイス12、18、20、22のそれぞれにおいて保持され、読出し可能である。製品受容試験アプリケーション23は仮想無線キャリアメッセージを生成して、無線ネットワーク、無線ネットワークコンポーネント、または無線ネットワーク上の他のデバイス、および関係する通信/メッセージングの少なくとも1つをシミュレートする。製品受容試験アプリケーション23はさらに、関係する通信処理データ、すなわち規定の通信処理標準27に合致しているかを判定するための製品受容データ29の履歴をとる。このような製品受容データ29は、無線デバイスセットアップ、ネットワーク上デバイスの性能および実装を示す。以上のように、記録された製品受容データ29は無線デバイス12、18、20、22のそれぞれにおいて保持され、有線または無線接続によりユーザ管理サーバ16にアップロードされて分析される。試験の際の無線ネットワークとの相互作用、あるいは込み入った外部配線や高価な外部デバイスを不要にすることで、規定のネットワーク通信試験シナリオ25を実行するのに要する時間とリソースを効果的に削減でき、規定の如何なる通信処理標準27にも準拠することの証明を得られる。従って一つの実施形態では、製品受容試験アプリケーション23により、無線デバイス12、18、20、22は、無線ネットワークとの現実の通信に相当する通信をシミュレートする機能と、製品受容試験を自動で実行する(生来的な、または内包する)機能とを与えられる。その一方でユーザ管理サーバ16は試験結果を分析し、デバイスの構成と作用を確認する。
【0015】
無線デバイスとはコンピュータ化されたどのような無線デバイスをも含む。無線デバイスは、例えばセルラフォン12、PDA(personal digital assistant)18、双方向テキストページャ20、および無線通信ポートとネットワークまたはインターネットへの有線チャネルとを備えたコンピュータプラットフォーム22を含む。また無線デバイスはリモートスレーブや、例えば遠隔センサ、自己診断ツール、データリレーなどのような、それ自体にはエンドユーザが無く無線ネットワーク14を介して単純に通信するデバイスであってもよい。無線デバイスの製品受容試験にかかわる装置および方法は、無線デバイス、または有線または無線通信ポートを備えるコンピュータモジュール、無線モデム、PCMCIAカード、アクセス端末、パーソナルコンピュータ、電話機、またはこれらの組み合わせまたはサブコンビネーションなどの形態で実現されるが、これに限られるものではない。
【0016】
図2を参照すると、各無線デバイス12、18、20、22は、この場合セルラフォン12はコンピュータプラットフォーム50を備える。コンピュータプラットフォーム50は無線ネットワーク14を介してデータを送信し、ソフトウェアアプリケーションを実行し、さらに、無線ネットワーク14に接続されるユーザ管理サーバ16あるいは別のコンピュータデバイスから送信されたデータを表示することができる。コンピュータ・プラットフォーム50はさらに特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit:ASIC)52、あるいは他のチップセット、プロセッサ、論理回路あるいは他のデータ処理デバイスを含む。ASIC52あるいは他のプロセッサは、アプリケーションプログラミングインタフェース(application programming interface:API)層54を実行できる。API層54は製品受容試験アプリケーション23のような、無線デバイスのメモリ56の任意の駐在プログラムとのインターフェースをとる。API54はそれぞれの無線デバイス12、18、20、22上で実行するランタイム環境である。そのようなランタイム環境の1つに、サンディエゴ(カリフォルニア)のクァルコム社によって開発されたソフトウェアであるBREW(Binary Runtime Environment for Wireless)(登録商標)がある。例えば、無線コンピュータデバイス上のアプリケーションの実行を制御するために他のランタイム環境を利用することもできる。メモリ56はROM(read-only memory)および(または)RAM(random-access memory)、EPROM、EEPROM、フラッシュカード、または他のコンピュータプラットフォームで普通に用いられるメモリである。コンピュータプラットフォーム50はまた、ローカルデータベース58を備える。ローカルデータベース58には、ソフトウェアアプリケーション、ファイル、または、ユーザ管理サーバ16からダウンロードされたソフトウェアアプリケーションあるいはデータのような、メモリ56では動的に用いられないデータが保持される。ローカルデータベース58は典型的には1つ以上のフラッシュメモリセルを含む。これに限らず磁気メディア、EPROM、EEPROM、光メディア、テープ、ソフトあるいはハードディスクのような記憶デバイスであってもよい。さらにローカルデータベース58は、後述するように製品受容アプリケーション23またはエージェントのコピーを保持することができる。
【0017】
図3を参照すると、一つの実施形態では、コンピュータプラットフォーム50は通信処理エンジン31を備える。通信処理エンジン31はAPI54をインタフェースとして製品受容試験アプリケーション23を実行する。通信処理エンジン31は種々の処理サブシステム33を備える。処理サブシステム33はハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアおよびそれらの組み合わせにより、各無線デバイス12、18、20、22の機能、および、他のデバイスとのデータ交換/通信といった各デバイスの無線ネットワーク14上での作用を実現する。例えば、通信処理エンジン31は、処理サブシステム33を備える。処理サブシステム33は、サウンダ、不揮発性メモリ、ファイルシステム、送信、受信、サーチャー、物理層、リンク層、呼処理層、主制御部、リモートプロシージャ、ハンドセット、パワーマネジメント、自己診断、ディジタル信号処理部、ボコーダ、メッセージング、呼管理部、ブルートゥース(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)LPOS、位置決定、位置エンジン、ユーザインターフェース、スリープ制御、データサービス、セキュリティ、認証、USIM/SIM、ボイスサービス、グラフィックス、USB、カメラ/カムコーダインタフェースおよび関連するディスプレイドライバ、および、MPEG、GPRSなどのようなマルチメディア機能などである。一つの実施形態では、API54は、製品受容試験アプリケーション23を通信処理エンジン31にアクセスさせるための拡張ソフトウェアのクラスを含む。これらの拡張ソフトウェアは無線デバイスの処理サブシステム33と通信してデータ読み取りおよびコマンド投入を行う。例えば、この拡張ソフトウェアはそれを起動するアプリケーションに代わって、ログメッセージの記録を含むコマンドを送出する。それを受けてこのモジュールはサブシステムのレスポンスを製品受容試験アプリケーション23に転送する。このレスポンスは最後には無線ネットワーク14を経由してユーザ管理サーバ16に達する。無線デバイスの組み込みアプリケーションは、サブシステムとそれぞれ個別に通信する拡張ソフトウェアのインスタンスを新規に生成することができる。
【0018】
セルラフォン12のような一つの実施形態では、処理サブシステム33は、少なくとも受信コンポーネント(Rx)35、呼処理コンポーネント(CP)37および(または)システム決定コンポーネント(SD)39、および送信コンポーネント(Tx)41を含む。受信コンポーネント(Rx)35は、無線デバイスのプロセッサに送られた通信を受信する。呼処理コンポーネント(CP)37および(または)システム決定コンポーネント(SD)39は、メッセージの処理に関わる初期化、認証、ハンドオフ、データ交換、メッセージングプロトコル、内部処理および処理決定などを取り扱う。送信コンポーネント(Tx)41は、ハンドセットコンポーネント、無線ネットワーク14、無線ネットワークコンポーネント、および無線ネットワークに接続された他のデバイスと無線デバイスのプロセッサとが通信するために設けられる。この実施形態では呼処理に関わるタスクのほとんどがCP37により処理される。またSD39は、CP37にも関わる高レベルの意思決定タスクだけでなく、複数のシステムから通信先として適切なシステムを選択するタスクをも実行する。
【0019】
一つの実施形態では、製品受容試験アプリケーション23はネットワークシミュレーションモジュール43とハンドセットシミュレーションモジュール45とをさらに備える。これらのモジュールのうち一方または両方は、Tx41からの通信を受信して適切なレスポンスをシミュレートする。通信シナリオのシミュレーション試験の際に、製品受容試験アプリケーション23およびAPI54は通信処理エンジン31を呼び出して、無線通信でなく製品受容試験アプリケーション23と通信するようにTx41に指示する。ネットワークシミュレーションモジュール43は、規定の試験シナリオ25および規定のデバイス/ネットワーク標準27(図1)に関連する複数のメッセージ、メッセージプロトコルおよびパラメータ、ならびにネットワーク特性などを含む。なおネットワークシミュレーションモジュール43これに限定されない。これにより無線ネットワーク、移動通信基地局のようなネットワークコンポーネント、あるいはコンテンツプロバイダサーバまたは無線ネットワークに接続される有線ネットワークのような他のデバイスの通信を、各無線デバイス12、18、20、22および通信処理エンジン31でシミュレートすることができる。同様にハンドセットシミュレーションモジュール45は、ハンドセットのメッセージプロトコルおよびユーザ相互作用を模写する。相互作用にはSMSメッセージの送信、画像取得および(または)アプリケーションの実行などがある。ハンドセットシミュレーションモジュール45は、規定の試験シナリオ25および規定のデバイス/ネットワーク標準27(図1)に関連する複数のメッセージ、メッセージプロトコル、ハンドセットの特性などを含む。これによりユーザ相互作用、および(または)ハンドセットおよび(または)コンポーネントの通信を通信処理エンジン31および(または)各無線デバイスの他のコンポーネントでシミュレートすることができる。このように、ネットワークシミュレーションモジュール43およびハンドセットシミュレーションモジュール45は、いずれもRx35に通信/メッセージを送信する。さらに(または)ネットワークシミュレーションモジュール43およびハンドセットシミュレーションモジュール45は、いずれもTx41から通信/メッセージを受信する。これにより規定のネットワーク通信試験シナリオ25の少なくとも一部がシミュレートされる。加えて、組み込み製品受容試験アプリケーション23は、試験シナリオ25の実行の際には通信処理エンジン31および種々の処理サブシステム33をモニタし、製品受容データ29となる種々のパラメータ、メッセージ、メッセージングプロトコルなどを記録する。製品受容データ29は規定の通信処理標準27(図1)との比較により分析され、無線デバイスが適切に構成され正しく操作可能であるかどうかが判断される。
【0020】
規定の試験シナリオ25は、製品受容試験アプリケーション23によりシミュレートされる広範囲の操作試験を含み、受容可能かまたは準拠する製品であるかを示す、製品一般および(または)キャリア特有の受容試験、パラメータ、メッセージングプロトコル、操作基準、および(または)関連パラメータ値を含む、規定の通信処理標準27(図1)により決められる。例えばセルラフォンの実施形態では、規定の通信処理標準27はパラメータ、メッセージングプロトコル、および無線デバイスの通信処理に関係する他の特性を含む。規定の通信処理標準27の適切な例は、次のものの少なくとも1つを含む。すなわち、CDMA2000(登録商標)モバイルのためのCDMAデベロップメントグループ(CDMA Development Group:CDG)ステージ2インタオペラビリティ試験;CDMA2000(登録商標)モバイルのためのCDGステージ3インタオペラビリティ試験;GSM(登録商標)サーティフィケーションフォーラム(GSM Certification Forum:GCF)標準;テレコミュニケーション工業協会(Telecommunication Industry Association:TIA)標準;第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project:3GPP)標準;3GPP2標準など。これらはいずれも文献として考慮することができる。規定の試験シナリオ25の適切な例として、以下の少なくとも一つが挙げられる。すなわち、エアインタフェース試験;一般電話(plain old telephone service:POTS)試験;ハンドオフ試験;電力制御試験;登録試験;認証試験;サービス転送試験;ショートメッセージサービス(short messaging service:SMS)試験;加入者コーリング特性試験;非同期データおよびファックスサービス試験;低速、中速、高速パケットデータサービス試験;通話品質試験;無線サービス試験;ローミングのためのシステム選択試験;メッセージ駆動インジケータ試験;上位互換性試験;最小性能試験;キャリア適合試験;アプリケーションインターフェース試験;フィールドテスト;およびデータ性能試験など。
【0021】
さらに、これらのテストシナリオは、例えば以下のような種々の機能、パラメータ、特性、メッセージングプロトコルなどの動作性能を試験する。すなわち、強信号、弱信号および混合信号環境化における終端、初期化およびメインテナンス;無線周波数(RF)性能パラメータ{受信(Rx)パラメータ(感度、分離磁気双極子(isolated magnetic dipole:IMD)および自己混信を含む)、送信(Tx)パラメータ(波形品質(Rho)、電力制御および最大電力)、およびブロードバンド(BB)およびDSP(digital signal processing)パラメータ(信号取得、ソフトハンドオフ(soft handoff:SHO)、サーチャ、およびフィンガアサインメント);チャネルパラメータ{アクセスチャネル(access channel:ACH)、ページング専用チャネル(dedicated paging channel:DPCH)、フォワードトラフィックチャネル(forward traffic channel:FTCH)およびリバーストラフィックチャネル(reverse traffic channel:RTCH)を含む}、レイヤ1および2を処理するメッセージングパラメータ、そしてSHO、帯域間ハードハンドオフ(interband hard handoff:HHO)および周波数間HHOを含むハンドオフパラメータなどといった双方向性能パラメータ。さらに、これらの試験シナリオは、システム利得、高速パケットデータ(high speed packet data:HSPD)、位置決定、コールタイプ(POTS、3−ウェイ、コール待ち、ボイスメール、認証など)、プロビジョニング(over-the-air service provisioning (OTASP)、over- the-air parameter administration (OTAPA)、IP over-the-air (IOTA)など)などといった無線デバイスの特性パラメータ、および、ショートメッセージサービス(SMS)、マルチメディアサービス(MMS)、ブラウザ、Java(登録商標)ソフトウェアおよびBREW(登録商標)ソフトウェアなどに関係する他のパラメータをも試験する。
【0022】
図1に戻り、無線ネットワーク14は下記の例の少なくとも一つ、またはいずれかの組み合わせであってよい。すなわちセルラフォンネットワーク;地上電話ネットワーク;衛星電話ネットワーク;IrDA(Infrared Data Association)などの赤外線ネットワーク;短距離無線ネットワーク;ブルートゥース(登録商標)ネットワーク;家庭無線(HomeRF)ネットワーク;共有無線アクセスプロトコル(shared wireless access protocol:SWAP)ネットワーク;広帯域ネットワーク(無線イーサネット(登録商標)互換アライアンス(Wireless Ethernet(登録商標) compatibility alliance:WECA)ネットワーク、Wi−Fiアライアンスネットワーク、802.11ネットワークなど);公衆交換電話ネットワーク;公衆異種通信ネットワーク(インターネットなど);私設通信ネットワーク;および地上移動体無線ネットワーク。電話ネットワークの適切な例として、アナログおよびディジタルのネットワーク/および技術である以下の少なくとも一つまたはいずれかの組み合わせが挙げられる。すなわち、私設通信サービス、CDMA(code division multiple access)、ワイドバンドCDMA、一般の移動通信システム、発展型移動電話システム、時分割多重アクセス、周波数分割多重アクセス、地球規模の移動体通信システム、アナログおよびディジタル衛星システム、および、他の少なくとも無線通信ネットワークまたはデータ通信ネットワークに利用可能な技術/プロトコルのいずれか。
【0023】
ネットワークインターフェース26は、無線ネットワーク14を介してユーザ管理サーバ16と通信できればどのような技術を用いても良い。例えば、ネットワークインターフェース26には、インターネットサービスプロバイダを介してユーザ管理サーバ16をインターネットに接続する、ローカルエリアネットワークを含めてもよい。ネットワークインターフェース26はキャリアネットワークと基地局とを介して各無線デバイスに順次接続される。
【0024】
ひとつの実施形態では、製品受容試験装置10は少なくとも一つの製品受容試験アプリケーション23を、各無線デバイス12、18、20、22のコンピュータプラットフォーム50上にプッシュして、少なくとも一時的に書き込むことができる。例えば、ユーザ管理サーバ16は、無線ネットワーク14を介して各無線デバイスに製品受容試験アプリケーション23をプッシュすることができる。またこれとは対照的に、製造時またはイニシャルプログラミングの段階で製品受容試験アプリケーション23をプラットフォーム50に書き込むようにしてもよい。あるいは、自動的またはエンドユーザのリクエストに応じて、無線デバイス12、18、20、22がネットワーク上の他のコンピュータデバイス(ユーザ管理サーバ16など)から製品受容試験アプリケーション23を取得(プル:pull)するようにしてもよい。製品受容データ29は、無線デバイスをシミュレートする処理中に通信処理エンジン31により生成されたメッセージ、メッセージングプロトコルおよびパラメータを含むが、これに限定されるものではない。無線ネットワーク14内のデバイスの、収集された製品受容データに基づく特定のトラブルシューティングも、製品受容データ29に含めても良い。上記したように製品受容アプリケーション23またはエージェントを、無線デバイスのコンピュータプラットフォーム50のローカルデータベース58に焼き付けても良いし、あるいは製品受容データ29の送信ごとに1回(あるいはn回)のみ一時的にメモリ56に保持するようにしても良い。
【0025】
製品受容試験アプリケーション23は、各無線デバイスに、無線ネットワーク上でユーザ管理サーバ16のような別のコンピュータデバイスにその無線デバイス用の製品受容データ29を選択的に送信させてもよい。一つの実施形態では、製品受容試験アプリケーション23は、無線デバイス12、18、20、22からの製品受容データ29をリクエストに応じて無線ネットワーク14を介してユーザ管理サーバ16に転送する。これとは対照的に、製品受容試験データ29は開放通信コネクションを介して無線デバイス12、18、20、22から無線ネットワーク14に転送されてもよい。よってセルラフォンの音声またはデータコールのように開放コネクションに便乗することになる。セルラネットワークの構成においては、ショートメッセージサービスにより製品受容データ29をユーザ管理サーバ16に転送することができる。他の実施形態では、リモートユーザ管理サーバ16は内部の製品受容アプリケーション23により各デバイスから製品受容データ29を読み出す。また、リモートユーザ管理サーバ16はコンピュータプラットフォーム50にコマンドを書き込んで、無線デバイス12、18、20、22のオペレーションを変更することもある。従って製品受容試験アプリケーション23にアクセスすることで、ユーザ管理サーバ16は、製品受容試験の制御およびセットアップ、カスタマーの相互作用、無線デバイスのモニタ、および特定の製品受容情報の収集をいずれも遠隔から実施することができるようになる。
【0026】
図1に戻り、ユーザ管理サーバ16は、任意のタイプのサーバ、パーソナルコンピュータ、小型のメインフレームおよびその他類するものの少なくとも1であってよい。ユーザ管理サーバ16およびその構成要素は、無線デバイスから収集した製品受容データ29を、テーブル、マッピングデータ、グラフィック表示、テキスト表示、双方向プログラムまたはウェブページ、または他の何らかのかたちで表示することができる。ユーザ管理サーバ16(または複数のサーバ)は、無線ネットワークエリア28において、製品受容試験アプリケーション23のようなソフトウェアエージェントまたはアプリケーションを無線デバイス12、18、20、22に送信することができる。無線デバイスは内蔵アプリケーションからのデータを無線ネットワークエリア28に戻す。無線デバイス12、18、20、22は、製品受容データ29のようなデータを、ユーザ管理サーバ16またはネットワーク上の他のコンピュータデバイスに送信できる。ユーザ管理サーバ16は、製品受容試験、製品のセットアップ、デバイス自己診断、および(または)データマイニングなどのため製品受容データ29を利用する。同様にユーザ管理サーバ16は、各無線デバイスおよび(または)ネットワークコンポーネントの、操作パラメータおよび(または)構成を、製品受容試験データ29、および(または)分析および解析エンジン21により生成された製品受容試験決定47に基づいて変更することができる。無線デバイス12、18、20、22とユーザ管理サーバ16間のデータフローにおける制御レイヤ間に利用可能な形態でデータを与えるために、ユーザ管理サーバ16に関連して協調動作するサーバまたはコンピュータデバイスを分離して設けることもできる。
【0027】
加えて、製品受容試験装置10は、製品受容データ29を分析して、各無線デバイス12、18、20、22が規定のネットワーク通信シナリオ25に係わる規定の通信処理標準27を満たすかどうかを示す製品受容決定47を生成する、解析エンジン21を備える。例えば、解析エンジン21は、製品受容データ29の一部を規定の通信処理標準27の一部と照らし合わせることで、データがこの標準に則っているかを分析する。規定の通信処理標準27の一部とは、最大値、最小値、値の範囲、規定の値、およびこれらの組み合わせなどである。さらに、製品受容試験データ29の初期設定に関する初期分析の完了ののち、解析エンジン21は1または複数の無線デバイス12、18、20、22との更なる通信を始める。これにより、製品受容試験データに関わる追加データを追跡することができる。または、追加シナリオ25のシミュレーションおよび新たな製品受容試験データの生成を開始することができる。解析エンジン21は規定の結果を得られるまで、すなわち試験の数が設定数に達し結果が確認されるまで、このようなフィードバックループを繰り返し行う。解析エンジン21は、製品受容データ29を分析し処理するハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアおよびこれらの組み合わせを含む。さらに解析エンジン21は、製品受容データ29を分析し解釈するためのアルゴリズム、意思決定ルーチン、静的プログラムなどを含んでも良い。解析エンジン21は、製品受容試験装置10との通信に際してユーザ管理サーバ16または各無線デバイス12、18、20、22のいずれに在っても良い。
【0028】
他の実施形態においては、例えば図2を参照すると、製品受容試験装置10(図1)は、キャリアネットワーク102を介して有線ネットワーク100に接続される無線ネットワーク14を含んでも良い。セルラフォン12のような無線デバイスの演算処理能力がパーソナルコンピュータや携帯PDA(personal digital assistants)並みに向上し、音声およびデータを含むパケットを無線ネットワーク上で通信できるようになってきているので、セルラ通信の帯域は拡大している。このような高機能のセルラフォンは、そのコンピュータプラットフォームにアプリケーションプログラミングインタフェース(application programming interface : API)を備え、ソフトウェアベンダによって開発された特定機能をデバイス上で動作させることができる。
【0029】
図2は、セルラフォンネットワークにおける図1の装置の一つの実施形態、および図1の無線デバイスのコンピュータプラットフォームの一つの実施形態を模式的に示すブロック図である。図2のブロック図によれば、セルラ無線ネットワークの各部と製品受容試験装置10の実施形態の各部との相互作用がより詳細に示される。図2のセルラ無線ネットワークは一つの典型的な例に過ぎないが、無線デバイス12、18、20、22のような遠隔モジュールの通信するあらゆるシステムを含むことができる。無線デバイス12、18、20、22は相互に無線通信できるし、無線ネットワークキャリアおよび(または)サーバ(これに限らないが)を含む無線ネットワーク14とも通信できる。LANネットワーク30においては、ユーザ管理サーバ16は個別のデータリポジトリ32と通信して、遠隔の無線デバイス12、18、20、22から収集した製品受容データ29のようなデータをデータリポジトリ32に記憶させる。またデータ管理サーバ34はユーザ管理サーバ16と通信して、後処理やデータフロー制御などを行う。この実施形態では、製品受容データを収集するユーザ管理サーバ16に加え、製品受容データベース32とデータ管理サーバ34とが、セルラテレコミュニケーションサービスの実現に要する他のコンポーネントとともにセルラデータネットワーク上に設けられる。ユーザ管理サーバ16および(または)データ管理サーバ34はデータリンク104を介してキャリアネットワーク102と通信する。データリンク104はインターネット、セキュアLAN、WAN(Wide Area Network)または他のネットワークである。キャリアネットワーク102はモバイル交換センタ(mobile switching center:MSC)42から送られるメッセージ(一般にはデータパケット)を制御する。またキャリアネットワーク102は、インターネットおよび(または)POTSなどのネットワーク106を介してMSC42と通信する。典型的にはネットワーク106においては、ネットワークまたはインターネットはデータを転送するし、POTSは音声データを転送する。MSC42は他のネットワーク108により複数の基地局(BTS)44に接続される。ネットワーク108はデータ転送のためのインターネット部分、および音声情報のためのPOTS部分を含む。BTS44は、セルラフォン12などの無線デバイスに、ショートメッセージサービス(SMS)または無線通信によってメッセージを無線でブロードキャストする。
【0030】
図4は、製品受容試験方法の一つの実施形態を示すフローチャートである。図4において、無線デバイスにおける製品受容試験方法の一つの実施形態は以下の手順により実現される。まず、製品受容試験アプリケーションの少なくとも一部を無線(コンピュータ)デバイスのコンピュータプラットフォームにロードする(ステップ150)。製品受容試験アプリケーションは、無線デバイスの製造過程においてそのハードウェアおよび(または)ファームウェアに書き込まれる。あるいは製品受容試験アプリケーションは、無線ネットワークを介して、ユーザマネージャにより無線デバイスにプッシュされても良いし、無線デバイスによりユーザマネージャからプルされても良い。そのほか製品受容試験アプリケーションのローディングは他の如何なる方法によっても良い。例えば関連する試験の失敗などといった規定のイベントに応じて開始されても良い。次に、無線デバイスと無線通信ネットワークに関係する他のデバイスとの通信がシミュレートされる(ステップS152)。例えば、製品受容試験アプリケーションはネットワークシミュレータモジュールやハンドセットシミュレータモジュールといった、1または複数のシミュレーションモジュールを備える。これらのシミュレータモジュールはいずれも、それぞれ無線デバイスの通信処理エンジンとの通信、ネットワークに特有の通信、外部通信およびハンドセット特有の通信、または内部デバイス通信をシミュレートすることができる。このようなシミュレートされた通信は、規定の通信処理標準に則する規定のネットワーク通信試験シナリオに関連付けられる。
【0031】
次に、シミュレート通信の実行に伴う製品受容データが無線デバイスにより収集される(ステップ154)。例えば、製品受容データは無線デバイスの通信処理エンジンによりシミュレート通信の実行に際して生成される。製品受容試験アプリケーションは製品受容データを無線デバイスのメモリに記憶させる。
【0032】
次に、収集された製品受容データが分析され、製品を受容するか否かが決定される(ステップ156)。例えば、通信処理エンジンから収集された製品受容データは無線デバイスのメモリに記憶されて、そのデバイスのコンピュータプラットフォームにより分析される。または無線ネットワークを介してユーザマネージャのような他のコンピュータデバイスに転送され、同様に分析される。集められた製品受容データを無線デバイスからアップロードするのには、標準HTTP、FTP、および他のデータ転送プロトコルを用いることができる。
【0033】
最後に、製品受容決定が定義される(ステップ158)。例えば、製品受容データはユーザマネージャに関係する解析エンジンにより分析される。ユーザマネージャは無線デバイスから無線ネットワークを横断的に配置される。一方で、解析エンジンは無線デバイスに内蔵されても良い。ひとつの実施形態では、解析エンジンは製品受容データの一部と規定の通信処理標準の一部とを比較して、データが標準を満たすか否かを決定する。データが標準を満たしていれば、製品受容決定は肯定的な結果を示す。すなわちこの無線デバイスは試験または標準に合格することがわかる。データが標準を満たさなければ、製品受容決定は否定的な結果を示す。すなわちこの無線デバイスは試験または標準に不合格であることがわかる。加えて、標準によっては多数の試験シナリオの実施を要することがあり、このような場合の製品受容決定は、一組以上の製品試験データの要約であっても良い。よって、製品受容決定は複数の試験結果の分析により得られるものであって良い。複数のテストのそれぞれ、および(または)基準が達成されれば肯定的な結果を得る。さらに、この実施形態に関わる方法は、他のビジネスあるいは商用システムの製品受容データへのアクセスを含むものであっても良い。ユーザマネージャによるアクセスはモニタされているので、収集された製品受容データのセキュリティおよび(または)保全は保証される。さらに、他のコンピュータデバイス(記憶装置と処理デバイスとの両方を含む)は、無線デバイスから無線ネットワークを横断的に配置される。従って、ユーザマネージャーに関連するアーキテクチャを容易に実現可能である。
【0034】
要約すれば、製品受容試験装置はもっぱら無線デバイス12、18、20、22にインプリメントすることができる。無線デバイスは、通信処理エンジン31から製品受容データ29を収集するアプリケーションまたはエージェントの少なくとも一つを、コンピュータプラットフォーム50に(固定的あるいは一時的に)備えることができる。これにより無線デバイスは、製品受容データを無線ネットワーク14上の(ユーザ管理サーバ16のような)他のコンピュータデバイスに選択的に伝送することができる。無線デバイス12、18、20、22のこのような実施形態によれば、無線デバイス12、18、20、22は無線ネットワーク14へと、オープンボイスまたはデータコールなどの開放通信コネクションを介して、製品受容データ29を転送することができる。図2に示すように、無線デバイスがセルラフォン12であり、無線ネットワークがセルラテレコミュニケーションネットワークであれば、ショートメッセージサービスまたは他の無線通信方法により製品受容データ29を転送することが可能である。
【0035】
無線デバイス12、18、20、22のコンピュータプラットフォーム50の処理能力に応じて、この方法はコンピュータ読み取り可能な媒体に書き込まれたプログラムにより実現されても良い。無線デバイス12、18、20、22のコンピュータプラットフォーム50は、このプログラムによって上記方法の各ステップを実行する。そのようなプログラムは単一のコンピュータプラットフォームによって実行されても良いし、あるいは複数のコンピュータプラットフォームにより分散処理されても良い。さらに、この方法はユーザ管理サーバ16のようなコンピュータデバイスに、無線デバイス12、18、20、22から製品受容データ29を収集して処理するためのプログラムとしてインプリメントしても良い。
【0036】
コンピュータ読み取り可能な媒体とは、セルラフォン12または無線デバイス18、20、22のコンピュータプラットフォーム50のメモリ56、またはデバイスプラットフォーム50のローカルデータベース58のようなローカルデータベースであって良い。さらに、コンピュータ読み取り可能な媒体は、磁気ディスクまたはテープ、光ディスク、ハードディスク、フラッシュメモリ、または他の既存のストレージメディアといった、無線デバイスのコンピュータプラットフォームにロード可能な二次記録メディアでも良い。
【0037】
さらに、この方法はマシン読み取り可能な命令のシーケンスを実行するために、例えば、デバイスプラットフォーム50およびユーザ管理サーバ16といった、無線ネットワーク14 および(または)LAN30の機能の一部として実装されても良い。命令は、伝送信号あるいは一次、二次、および三次記憶メディアといった種々のかたちで存在できる。このメディアは、例えば、無線ネットワーク14またはLAN30の一部に記憶されても良いし、これらからアクセス可能なRAM(図示せず)に記憶されていても良い。RAM、ディスク、あるいは他の二次記憶メディアに記録されていようといまいと、この命令は種々のマシン読み取り可能な記憶メディアに記録されて良い。この種のメディアには、例えば、旧来のハードドライブまたはRAID(Redundant Array of Independent Disks)アレイといったDASD(Direct Access Storage Device)ストレージ
、磁気テープ、メモリ(例えばROM、EPROMまたはEEPROM)、フラッシュメモリカード、光記録デバイス(例えばCD-ROM、WORM(書き込みだけの読出しメディア)、DVD(Digital Versatile Disk)ディジタル光学テープなど)、紙パンチカード、またはディジタルおよびアナログ伝送媒体を含む他の適切なデータ記録メディアがある。
【0038】
このほか、上記の実施形態にとらわれず、この実施形態の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることに注目すべきである。さらに、開示されたいずれの要素もそれ単独で記述またはクレームされて良いし、単独への制限が明示的に述べられなければ、複数備わっていてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線デバイスに搭載される製品受容試験装置であって、
前記無線デバイスに備えられ、無線ネットワークとの現実の通信を代表する通信シミュレーションに関わる機能を含む製品受容試験アプリケーションと、
前記無線デバイスに備えられ、前記通信シミュレーションを実施して製品受容決定に係わる製品受容データを生成する通信処理エンジンとを具備することを特徴とする製品受容試験装置。
【請求項2】
前記製品受容試験アプリケーションは、さらに、前記通信シミュレーションの少なくとも一部を生成するネットワークシミュレーションモジュールを含むことを特徴とする請求項1に記載の製品受容試験装置。
【請求項3】
前記ネットワークシミュレーションモジュールにより生成された通信シミュレーションは、無線ネットワーク基地局からの仮想メッセージを含むことを特徴とする請求項2に記載の製品受容試験装置。
【請求項4】
前記製品受容試験アプリケーションは、さらに、前記通信シミュレーションの少なくとも一部を生成するハンドセットシミュレーションモジュールを含むことを特徴とする請求項1に記載の製品受容試験装置。
【請求項5】
前記ハンドセットシミュレーションモジュールにより生成された通信シミュレーションは、無線デバイスのハンドセットコンポーネントからの仮想メッセージを含むことを特徴とする請求項4に記載の製品受容試験装置。
【請求項6】
前記通信シミュレーションは、規定の通信処理標準に関連する規定のネットワーク通信試験シナリオに即して実施されることを特徴とする請求項1に記載の製品受容試験装置。
【請求項7】
前記ネットワーク通信試験シナリオは、エアインタフェース試験、一般電話(plain old telephone service:POTS)試験、ハンドオフ試験、電力制御試験、登録試験、認証試験、サービス転送試験、ショートメッセージサービス(short messaging service:SMS)試験、加入者コーリング特性試験、非同期データおよびファックスサービス試験、低速、中速、高速パケットデータサービス試験、通話品質試験、無線サービス試験、ローミングのためのシステム選択試験、メッセージ駆動インジケータ試験、上位互換性試験、最小性能試験、キャリア適合試験、アプリケーションインターフェース試験、フィールドテスト、および、データ性能試験のいずれかであることを特徴とする請求項6に記載の製品受容試験装置。
【請求項8】
前記通信処理標準は、CDMA2000(登録商標)モバイル標準のためのCDMAデベロップメントグループ(CDMA Development Group:CDG)ステージ2インタオペラビリティ試験、CDMA2000(登録商標)モバイル標準のためのCDGステージ3インタオペラビリティ試験、GSMサーティフィケーションフォーラム(GSM Certification Forum:GCF)標準、テレコミュニケーション工業協会(Telecommunication Industry Association:TIA)標準、および、第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project:3GPP)標準
のいずれかであることを特徴とする請求項6に記載の製品受容試験装置。
【請求項9】
さらに、前記製品受容データと前記通信処理標準とを比較して製品受容決定を生成する解析エンジンを含むことを特徴とする請求項6に記載の製品受容試験装置。
【請求項10】
さらに、前記無線デバイスと通信して当該前記無線デバイスから前記製品受容データを受信可能なユーザマネージャを備え、
このユーザマネージャは、さらに、前記製品受容データと前記通信処理標準とを比較して製品受容決定を生成する解析エンジンを含むことを特徴とする請求項1に記載の製品受容試験装置。
【請求項11】
前記ユーザマネージャは、無線デバイスにより受信された操作パラメータを、前記製品受容データに基づいて変更可能であることを特徴とする請求項10に記載の製品受容試験装置。
【請求項12】
前記無線デバイスはセルラフォンを含み、
前記無線ネットワークは、セルラ電話ネットワークを含むことを特徴とする請求項1に記載の製品受容試験装置。
【請求項13】
前記製品受容データは前記無線デバイスに記憶され、前記無線ネットワークを介して他のコンピュータデバイスに選択的に送信可能であることを特徴とする請求項1に記載の製品受容試験装置。
【請求項14】
無線通信デバイスにおいて、
無線ネットワークにおける前記無線通信デバイスの、規定のネットワーク通信試験シナリオに関連するネットワーク通信シミュレーションを実行可能なシミュレーションモジュールを備えるコンピュータプラットフォームと、
前記ネットワーク通信シミュレーションを実行して、前記無線通信デバイスが規定の通信処理標準に即しているか否かを定義するための製品受容データを生成する通信処理エンジンとを具備することを特徴とする無線通信デバイス。
【請求項15】
前記ネットワーク通信シミュレーションは、前記無線通信デバイスのハンドセットコンポーネントにより内部的に生成される仮想メッセージ、および、無線ネットワーク基地局からの外部的に生成される仮想メッセージの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項14に記載の無線通信デバイス。
【請求項16】
さらに、前記製品受容データと前記通信処理標準とを比較して製品受容決定を生成する解析エンジンを含むことを特徴とする請求項14に記載の無線通信デバイス。
【請求項17】
前記ネットワーク通信試験シナリオは、エアインタフェース試験、一般電話(plain old telephone service:POTS)試験、ハンドオフ試験、電力制御試験、登録試験、認証試験、サービス転送試験、ショートメッセージサービス(short messaging service:SMS)試験、加入者コーリング特性試験、非同期データおよびファックスサービス試験、低速、中速、高速パケットデータサービス試験、通話品質試験、無線サービス試験、ローミングのためのシステム選択試験、メッセージ駆動インジケータ試験、上位互換性試験、最小性能試験、キャリア適合試験、アプリケーションインターフェース試験、フィールドテスト、および、データ性能試験のいずれかであることを特徴とする請求項14に記載の無線通信デバイス。
【請求項18】
前記製品受容データは前記無線デバイスに記憶され、前記無線ネットワークを介して他のコンピュータデバイスに選択的に送信可能であることを特徴とする請求項14に記載の無線通信デバイス。
【請求項19】
無線通信デバイスからのデータを解析する分析装置であって、
無線ネットワーク上の通信に関する通信シミュレーションメッセージが無線通信デバイスにおいて処理されることにより生成される、規定のネットワーク通信試験シナリオに関する製品受容データを受信するモジュールと、
このモジュールにより実行可能であり、前記製品受容データを分析して製品受容決定を生成する解析エンジンを含む製品受容試験アプリケーションとを具備することを特徴とする分析装置。
【請求項20】
前記製品受容決定は、前記解析エンジンにより前記製品受容データと規定の通信処理標準とを比較して生成されることを特徴とする請求項19に記載の分析装置。
【請求項21】
前記製品受容データは、前記無線通信デバイスに記憶され、前記無線ネットワークを介して当該製品受容データを前記無線通信デバイスから前記モジュールに伝送するアプリケーションから受信されることを特徴とする請求項19に記載の分析装置。
【請求項22】
前記モジュールおよび前記製品受容試験アプリケーションは、前記無線ネットワークを介して前記無線通信デバイスと通信するユーザマネージャに備えられ、
製品受容試験アプリケーションは、前記無線通信デバイスに前記製品受容データの伝送を要求することを特徴とする請求項19に記載の分析装置。
【請求項23】
無線デバイスの製品受容試験方法であって、
前記無線デバイスと他のデバイスとの無線通信ネットワークにおける通信を通信シミュレーションによりシミュレートし、
前記通信シミュレーションが実行されることに伴う製品受容データを前記無線デバイスにより収集し、
前記収集された製品受容データを解析して製品受容決定を下すことを特徴とする製品受容試験方法。
【請求項24】
前記通信シミュレーションは、前記無線通信デバイスのハンドセットコンポーネントにより内部的に生成される仮想メッセージ、および、無線通信ネットワークにおける他のデバイスからの外部的に生成される仮想メッセージの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項23の製品受容試験方法。
【請求項25】
前記無線デバイスはセルラフォンを含み、
前記無線通信ネットワークにおける他のデバイスは、無線ネットワーク基地局を含むことを特徴とする請求項24に記載の製品受容試験方法。
【請求項26】
前記通信シミュレーションは、さらに、規定のネットワーク通信試験シナリオに関する通信を含むことを特徴とする請求項24に記載の製品受容試験方法。
【請求項27】
前記ネットワーク通信試験シナリオは、エアインタフェース試験、一般電話(plain old telephone service:POTS)試験、ハンドオフ試験、電力制御試験、登録試験、認証試験、サービス転送試験、ショートメッセージサービス(short messaging service:SMS)試験、加入者コーリング特性試験、非同期データおよびファックスサービス試験、低速、中速、高速パケットデータサービス試験、通話品質試験、無線サービス試験、ローミングのためのシステム選択試験、メッセージ駆動インジケータ試験、上位互換性試験、最小性能試験、キャリア適合試験、アプリケーションインターフェース試験、フィールドテスト、および、データ性能試験のいずれかであることを特徴とする請求項26に記載の製品受容試験方法。
【請求項28】
前記ネットワーク通信試験シナリオは規定の通信処理標準に準拠することを特徴とする請求項26に記載の製品受容試験方法。
【請求項29】
前記通信処理標準は、CDMA2000(登録商標)モバイル標準のためのCDMAデベロップメントグループ(CDMA Development Group:CDG)ステージ2インタオペラビリティ試験、CDMA2000(登録商標)モバイル標準のためのCDGステージ3インタオペラビリティ試験、GSMサーティフィケーションフォーラム(GSM Certification Forum:GCF)標準、テレコミュニケーション工業協会(Telecommunication Industry Association:TIA)標準、および、第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project:3GPP)標準のいずれかであることを特徴とする請求項28に記載の製品受容試験方法。
【請求項30】
前記通信シミュレーションは、さらに、
規定のネットワーク通信試験シナリオに即する無線ネットワークコンポーネントからの仮想データを含むネットワーク通信シミュレーション、および、前記規定のネットワーク通信試験シナリオに即する無線デバイスハンドセットコンポーネントからの仮想データを含むハンドセット通信シミュレーション、を前記無線デバイスの通信処理エンジンにおいて受信し、
前記ネットワーク通信シミュレーションおよび前記ハンドセット通信シミュレーションの少なくともいずれか一方を処理して前記製品受容試験データを生成することを特徴とする請求項23に記載の製品受容試験方法。
【請求項31】
さらに、前記無線デバイスのコンピュータプラットフォームにおいて製品受容試験アプリケーションを実行し、前記ネットワーク通信シミュレーションおよび前記ハンドセット通信シミュレーションを生成することを特徴とする請求項30に記載の製品受容試験方法。
【請求項32】
さらに、規定のネットワーク通信試験シナリオの少なくとも一部、および、製品受容試験アプリケーションを前記無線デバイスにロードして前記通信シミュレーションを生成することを特徴とする請求項23に記載の製品受容試験方法。
【請求項33】
さらに、ユーザマネージャに前記無線デバイスから前記無線通信ネットワークを介して前記ロードの実行を要求することを特徴とする請求項32に記載の製品受容試験方法。
【請求項34】
さらに、規定のイベントに基づいて前記ロードを実行することを特徴とする請求項31に記載の製品受容試験方法。
【請求項35】
前記イベントは、関連する試験の失敗を含むことを特徴とする請求項34に記載の製品受容試験方法。
【請求項36】
さらに、
前記製品受容データと規定の通信処理標準とを比較し、
前記比較の結果に基づいて前記製品受容決定を定義することを特徴とする請求項23に記載の製品受容試験方法。
【請求項37】
前記収集された製品受容データの解析は、さらに、前記製品受容データの前記無線ネットワークを介する転送を含むことを特徴とする請求項23に記載の製品受容試験方法。
【請求項38】
製品受容試験方法において、
通信処理エンジンを備える無線通信デバイスに、製品受容試験アプリケーションの少なくとも一部を無線ネットワークを介して送信し、
前記製品受容試験アプリケーションは、
規定のネットワーク通信試験シナリオに即して通信処理エンジンにより実施されるネットワーク通信シミュレーションを処理するシミュレーションモジュールを含み、
前記通信処理エンジンによる前記ネットワーク通信シミュレーションの実施に係わる試験結果データを含む製品受容データを前記無線通信デバイスから受信し、
前記製品受容データに基づいて製品受容決定を下すことを特徴とする製品受容試験方法。
【請求項39】
さらに、前記製品受容試験アプリケーションの少なくとも一部を前記無線通信デバイスに送信することを特徴とする請求項38に記載の製品受容試験方法。
【請求項40】
さらに、製品受容試験アプリケーションの少なくとも一部を前記無線ネットワークを介して前記無線通信デバイスからユーザマネージャに送信することを特徴とする請求項38に記載の製品受容試験方法。
【請求項41】
さらに、規定のイベントに基づいて前記製品受容試験アプリケーションの少なくとも一部を送信することを特徴とする請求項38に記載の製品受容試験方法。
【請求項42】
前記製品受容決定は、前記製品受容データと規定の通信処理標準とを比較して決定されることを特徴とする請求項38に記載の製品受容試験方法。
【請求項43】
前記通信処理標準は、規定の通信試験シナリオに関連することを特徴とする請求項42に記載の製品受容試験方法。
【請求項44】
コンピュータ読み取り可能な媒体に記録されるコンピュータプログラムであって、
無線デバイスと他のデバイスとの無線通信ネットワークにおける通信を通信シミュレーションによりシミュレートする第1ステップと、
前記通信シミュレーションが実行されることに伴う製品受容データを前記無線デバイスにより収集する第2ステップと、
前記収集された製品受容データを解析して製品受容決定を下す第3ステップとを、前記無線デバイスに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項45】
前記通信シミュレーションは、前記無線通信デバイスのハンドセットコンポーネントにより内部的に生成される仮想メッセージ、および、無線通信ネットワークにおける他のデバイスからの外部的に生成される仮想メッセージの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項44に記載のコンピュータプログラム。
【請求項46】
前記無線デバイスはセルラフォンを含み、
前記無線通信ネットワークにおける他のデバイスは、無線ネットワーク基地局を含むことを特徴とする請求項45に記載のコンピュータプログラム。
【請求項47】
前記通信シミュレーションは、さらに、規定のネットワーク通信試験シナリオに関する通信を含むことを特徴とする請求項45に記載のコンピュータプログラム。
【請求項48】
前記ネットワーク通信試験シナリオは規定の通信処理標準に準拠することを特徴とする請求項47に記載のコンピュータプログラム。
【請求項49】
前記第1ステップは、さらに、
規定のネットワーク通信試験シナリオに即する無線ネットワークコンポーネントからの仮想データを含むネットワーク通信シミュレーション、および、前記規定のネットワーク通信試験シナリオに即する無線デバイスハンドセットコンポーネントからの仮想データを含むハンドセット通信シミュレーション、を前記無線デバイスの通信処理エンジンにおいて受信し、
前記ネットワーク通信シミュレーションおよび前記ハンドセット通信シミュレーションの少なくともいずれか一方を処理して前記製品受容試験データを生成するステップであることを特徴とする請求項44に記載のコンピュータプログラム。
【請求項50】
コンピュータ読み取り可能な媒体に記録されるコンピュータプログラムであって、
規定のネットワーク通信試験シナリオに即して通信処理エンジンにより実施されるネットワーク通信シミュレーションを処理するシミュレーションモジュールを含む製品受容試験アプリケーション、の少なくとも一部を無線ネットワークを介して、前記通信処理エンジンを備える無線通信デバイスに送信する第1ステップと、
前記通信処理エンジンによる前記ネットワーク通信シミュレーションの実施に係わる試験結果データを含む製品受容データを前記無線通信デバイスから受信する第2ステップと、
前記製品受容データに基づいて製品受容決定を下す第3ステップとを、前記無線デバイスに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項51】
前記第3ステップは、前記製品受容データと規定の通信処理標準とを比較する工程を含むことを特徴とする請求項50に記載のコンピュータプログラム。
【請求項52】
前記通信処理標準は、規定の通信試験シナリオに関連することを特徴とする請求項51に記載のコンピュータプログラム。
【請求項53】
無線通信デバイスにおいて、
無線ネットワーク上の無線通信デバイスにおいて、規定のネットワーク通信試験シナリオに即するネットワーク通信シミュレーションを実行する第1手段と、
前記通信シミュレーションを実施して前記無線通信デバイスが規定の通信処理標準に準拠するか否かを決定するための製品受容データを生成する第2手段とを具備することを特徴とする無線通信デバイス。
【請求項54】
製品受容試験装置であって、
通信処理エンジンを備える無線通信デバイスに、規定のネットワーク通信試験シナリオに即して通信処理エンジンにより実施されるネットワーク通信シミュレーションを処理するシミュレーションモジュールを含む製品受容試験アプリケーション、の少なくとも一部を無線ネットワークを介して送信する第1手段と、
前記通信処理エンジンによる前記ネットワーク通信シミュレーションの実施に係わる試験結果データを含む製品受容データを前記無線通信デバイスから受信する第2手段と、
前記製品受容データに基づいて製品受容決定を下す第3手段とを具備することを特徴とする製品受容試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−155660(P2011−155660A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−38128(P2011−38128)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【分割の表示】特願2008−502032(P2008−502032)の分割
【原出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】