説明

分析装置

【課題】反応容器からあふれた反応液や洗浄液の拡散を防止した分析装置を提供すること。
【解決手段】本発明にかかる分析装置は、回転テーブル6に収納された反応容器7内の反応液における光学的特性を測定して反応液を分析する分析装置1において、光学的特性の測定が終了した反応容器7に洗浄液を注入および吸引して該反応容器を洗浄する洗浄装置11と、回転テーブル6に収納された各反応容器7の開口部分に対応して設けられた開口部21bと、開口部21bを介して反応容器7からあふれた反応液および洗浄液を反応容器の外壁よりも外側に向かって導く流路とを有し、反応容器7の開口部分を構成する反応容器の側壁上面と密着する蓋21と、蓋21における流路が導いた反応液および洗浄液を蓋の外部に排出する排出溝22と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、反応容器に収容された反応液の光学的特性を測定して反応液を分析する分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人体の血液や尿などを含む反応液の光学的特性を測定して反応液を分析する分析装置においては、反応容器が保持した試薬と検体とを所定温度のもとで反応させるため、回転テーブル内に収納された各反応容器内の反応液を保温する恒温槽を備える。この恒温槽として、所定温度の恒温液を封入した熱伝導槽またはヒーターを設けた熱伝導層を、回転テーブル内に収容された各反応容器周囲に設けて反応容器内の反応液を保温するドライバス形式の恒温槽が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。また、所定温度の恒温液を収容および循環し、この恒温液中に反応容器を直接浸漬して反応容器内の反応液を保温するウォーターバス形式の恒温槽が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開昭63−186129号公報
【特許文献2】特開平4−258767号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような分析装置は、分析が終了した反応容器を洗浄し反応容器を繰り返し使用している。具体的には、分析装置は、ノズルによって、測定が終了した反応容器内の反応液を吸引して排出するとともに、洗剤や洗浄水等の洗浄液を注入および吸引して排出することで反応容器の洗浄を行っている。
【0005】
しかしながら、従来においては、洗浄時に吸引用のノズルが詰まった場合、反応液や洗浄液を吸引できず反応容器からあふれ出てしまい、あふれた反応液や洗浄液が反応容器を収納した回転テーブル内や回転テーブル周囲に入り込んでしまっていた。この場合、ドライバス形式の恒温槽においては、反応容器からあふれた反応液や洗浄液が反応容器周囲に侵入し、反応容器表面に曇りが発生して測光できなくなるという問題があった。また、ウォーターバス形式の恒温槽においては、反応容器からあふれた反応液や洗浄液が恒温槽内の恒温液に混入してしまい、恒温槽内の恒温液が汚染され、測光精度が低化するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、反応容器からあふれた反応液や洗浄液の拡散を防止した分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる分析装置は、収納手段に収納された反応容器内の反応液における光学的特性を測定して前記反応液を分析する分析装置において、前記光学的特性の測定が終了した前記反応容器に洗浄液を注入および吸引して該反応容器を洗浄する洗浄手段と、前記収納手段に収納された反応容器の開口部分に対応して設けられた開口領域と、前記開口領域を介して前記反応容器からあふれた前記反応液および前記洗浄液を前記反応容器の外壁よりも外側に向かって導く流路とを有し、前記反応容器の開口部分を構成する反応容器の側壁上面と密着する蓋と、前記蓋における流路が導いた前記反応液および前記洗浄液を前記蓋の外部に排出する排出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、この発明にかかる分析装置は、前記蓋は、各開口領域の間に仕切りを設けて前記流路を形成することを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかる分析装置は、前記蓋は、前記排出手段側に位置する領域に下方に向かう傾斜を設けて前記流路を形成することを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる分析装置は、前記蓋は、前記反応容器の開口部分を構成する反応容器の側壁上面と当該蓋下面との間を密閉する弾性体を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる分析装置は、前記蓋は、前記反応容器からあふれた前記反応液および前記洗浄液を溜める凹部を設けて前記流路を形成することを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる分析装置は、前記排出手段は、前記収納手段の外側に設けられ、前記蓋の前記流路によって導かれた前記反応液および前記洗浄液を前記蓋の外部に排出する排出溝であり、前記蓋における流路は、前記反応容器からあふれた前記反応液および前記洗浄液を前記排出手段に導くことを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる分析装置は、前記排出手段は、前記凹部に溜まった前記反応液および前記洗浄液を吸引し、吸引した前記反応液および前記洗浄液を前記蓋の外部に排出する吸引装置であることを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる分析装置は、前記凹部に前記反応液および前記洗浄液が溜まったか否かを検出する検出手段と、前記検出手段が前記凹部に前記反応液および前記洗浄液が溜まったことを検出した場合に、前記反応容器から前記反応液および前記洗浄液があふれたことを示す警告を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかる分析装置は、前記吸引装置は、前記検出手段が前記凹部に前記反応液および前記洗浄液が溜まったことを検出した場合に、前記凹部に溜まった前記反応液および前記洗浄液を吸引して前記蓋の外部に排出することを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかる分析装置は、前記収納手段は、所定数の反応容器を収納するとともに当該分析装置に着脱可能である複数の収納ユニットによって構成され、前記蓋は、前記収納ユニットに対応する大きさを有する複数の蓋ユニットによって構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明にかかる分析装置は、反応容器からあふれた反応液および洗浄液を反応容器の外壁よりも外側に向かって導く流路を有する蓋と、蓋における流路が導いた反応液および洗浄液を蓋の外部に排出する排出手段とを備えることによって、反応容器からあふれた反応液および洗浄液の拡散を防止することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態である分析装置について説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0019】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1について説明する。図1は、実施の形態1にかかる分析装置の概略構成図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる分析装置1は、作業テーブル2上に検体テーブル3、検体分注機構5、回転テーブル6、測光装置10、洗浄装置11、試薬分注機構12、試薬テーブル13、攪拌装置20、内蓋21および排水溝22が設けられている。そして、分析対象である検体および検体の分析に使用される試薬は、反応容器7(図2参照)内に収容される。
【0020】
検体テーブル3は、図1に示すように、駆動手段によって矢印で示す方向に回転され、外周には周方向に沿って等間隔で配置される収納室3aが複数設けられている。各収納室3aは、検体を収容した検体容器4が着脱自在に収納される。
【0021】
検体分注機構5は、回転テーブル6に保持された複数の反応容器7に検体を分注する手段であり、図1に示すように、検体テーブル3の複数の検体容器4から検体を順次反応容器7に分注する。
【0022】
回転テーブル6は、検体テーブル3とは異なる駆動手段によって、図1に矢印で示す方向に回転され、外周には試薬や検体等を含む液体を保持した反応容器7を個々に収納する複数のホルダが周方向に沿って等間隔で天板6bに設けられている。複数のホルダ6a(図3、図4参照)が周方向に沿って等間隔で天板6bに着脱自在に設けられている。当該ホルダ6aは、適宜の連結板6fにより複数個連結された状態で天板6bに保持されているが、個々単独に天板6bに保持されていても良い。また、上記ホルダ6aの内壁の一部には弾性体6eが固着されており、収納された反応容器7が安易にホルダ6aから離脱しないよう保持されている。当該反応容器7は、ホルダ6aから上方へ手指により引き出すあるいはホルダ6aの底面に設けられた図示しない貫通孔から適宜の棒部材で上方へ突き出す等の動作によりホルダから取り出すことができるようになっている。回転テーブル6は、一周期で時計方向に(1周−1反応容器)/4分回転し、四周期で反時計方向にホルダの1個分回転する。回転テーブル6の外周近傍には、測光装置10、洗浄装置11及び攪拌装置20が配置されている。回転テーブル6の上方には、図示しない開閉自在な外蓋が設けられている。また、回転テーブル6の下方には、後述する恒温槽がホルダ6aと所定の空隙を介して周方向に設けられている。このため、回転テーブル6内に反応容器7が収納され、外蓋が閉じられた場合、反応容器7内に収容された反応液を恒温状態に保つことができる。
【0023】
回転テーブル6上には、外蓋の他に内蓋21が設けられている。内蓋21は、少なくとも反応容器7を覆うように、回転テーブル6内に収納された反応容器7上部から回転テーブル6端部にかけて周方向に設けられている。内蓋21の下面は、反応容器7の開口部を構成する側壁上面と密着する。そして、内蓋21は、回転テーブル6に収納された各反応容器7の開口部分に対応して設けられた開口部21bと、開口部21bを介して反応容器7からあふれた反応液および洗浄液を反応容器7の外壁よりも外側に向かって導く流路を有する。なお、検体および試薬を収容する反応容器7は、開口部21b下方において回転テーブル6内に収納されている。
【0024】
回転テーブル6の外側には周方向に排水溝22が設けられている。排水溝22は、内蓋21における流路が導いた反応液および洗浄液を内蓋21の外部に排出する。内蓋21および排水溝22は、反応容器7からあふれた反応液および洗浄液による回転テーブル6内および回転テーブル周囲への入り込みを防止している。
【0025】
測光装置10は、図1に示すように、回転テーブル6の外周近傍に配置され、反応容器7に保持された液体を分析する分析光(340〜800nm)を出射する光源と、液体を透過した分析光を分光して受光する受光器とを有している。測光装置10は、前記光源と受光器が回転テーブル6のホルダを挟んで半径方向に対向する位置に配置されている。
【0026】
洗浄装置11は、ノズル11a,11b(図2参照)によって、測光装置10による測定が終了した反応容器7内の反応液を吸引して排出するとともに、洗剤や洗浄水等の洗浄液を注入および吸引することで反応容器7の洗浄を行う。洗浄装置11は、測光終了後の反応容器7から測光後の反応液を排出した後、洗浄液を分注する。そして、洗浄装置11は、洗浄液の分注と排出の動作を複数回繰り返すことにより、反応容器7の内部を洗浄する。このようにして洗浄された反応容器7は、再度、新たな検体の分析に使用される。
【0027】
試薬分注機構12は、回転テーブル6に保持された複数の反応容器7に試薬を分注する手段であり、図1に示すように、試薬テーブル13の所定の試薬容器14から試薬を順次反応容器7に分注する。
【0028】
試薬テーブル13は、検体テーブル3及び回転テーブル6とは異なる駆動手段によって図1に矢印で示す方向に回転され、扇形に成形された収納室13aが周方向に沿って複数設けられている。各収納室13aは、試薬容器14が着脱自在に収納される。複数の試薬容器14は、それぞれ検査項目に応じた所定の試薬が満たされ、外面には収容した試薬に関する情報を記録する情報媒体(図示せず)が貼付されている。
【0029】
試薬テーブル13の外周には、図1に示すように、試薬容器14に貼付した情報媒体に記録された試薬の種類,ロット及び有効期限等の情報を読み取り、制御部16へ出力する読取装置15が設置されている。
【0030】
制御部16は、検体テーブル3、検体分注機構5、回転テーブル6、測光装置10、洗浄装置11、試薬分注機構12、試薬テーブル13、読取装置15、分析部17、入力部18、表示部19及び攪拌装置20等と接続され、たとえば、分析結果を記憶する記憶機能を備えたマイクロコンピュータ等が使用される。制御部16は、分析装置1の各部の作動を制御するとともに、情報媒体の記録から読み取った情報に基づき、試薬のロットや有効期限等が設置範囲外の場合、分析作業を停止するように分析装置1を制御し、或いはオペレータに警告を発する機能を備えている。
【0031】
分析部17は、制御部16を介して測光装置10に接続され、受光器が受光した光量に基づく反応容器7内の液体の吸光度から検体の成分濃度等を分析し、分析結果を制御部16に出力する。入力部18は、制御部16へ検査項目等を入力する操作を行う部分であり、例えば、キーボードやマウス等が使用される。表示部19は、分析内容,分析結果あるいは警告等を表示するもので、ディスプレイパネル等が使用される。攪拌装置20は、反応容器7に保持された液体を攪拌する装置であり、攪拌棒によって直接液体を攪拌するものや音波によって非接触で液体を攪拌するものがある。
【0032】
以上のように構成される分析装置1は、回転する回転テーブル6によって周方向に沿って搬送されてくる複数の反応容器7に試薬分注機構12が試薬容器14から試薬を順次分注する。試薬が分注された反応容器7は、回転テーブル6によって周方向に沿って搬送され、検体分注機構5によって検体テーブル3に保持された複数の検体容器4から検体が順次分注される。
【0033】
そして、検体が分注された反応容器7は、回転テーブル6によって攪拌装置20へ搬送され、分注された試薬と検体が順次攪拌されて反応する。このようにして検体と試薬が反応した反応液を保持した反応容器7は、回転テーブル6が再び回転したときに測光装置10を通過し、光源から出射された分析光の光束が透過する。このとき、反応液を透過した光束は、受光部で測光され、分析部17によって成分濃度等が分析される。そして、分析が終了した反応容器7は、洗浄装置11によって洗浄された後、再度検体の分析に使用される。分析装置1は、このような一連の動作を制御部16の制御の下に自動で実行する。
【0034】
つぎに、図2〜図5を参照して、図1に示す回転テーブル6、内蓋21および排水溝22について説明する。図2は、図1に示す分析装置の回転テーブル、洗浄装置、内蓋および排水溝を拡大した平面図である。図3は、図1および図2に示す回転テーブルおよび内蓋の一部を拡大して示す斜視図である。図4は、図2に示すX1−X1線に沿った断面図である。図5は、図1に示す内蓋および排水溝の一部を拡大して示す平面図である。
【0035】
図2、図3および図5に示すように、回転テーブル6上に設けられた内蓋21には、内蓋21の各開口部21bの間に仕切り21aが設けられている。そして、図2および図4に示すように、回転テーブル6の下方および外周にかけて設けられた排水溝22には、排水溝22に流入した反応液および洗浄液を、接続するチューブ22bを介して外部に排出する排水口22aが設けられている。また、図2および図4に示すように、洗浄装置11は、反応容器7内の液体を吸引するノズル11aと反応容器7内に洗浄液11cを注入するノズル11bとを有する。
【0036】
図3および図4に示すように、内蓋21は、天板6bと反応容器7とにおける開口部分に開口部21bが重なるように、ねじ穴21dを介して挿通されるねじ21eによって天板6bにおけるねじ穴6dにねじ締結されて天板6bに固定される。このため、内蓋21は、天板6bと一体となって回転することとなる。また、図4に示すように、内蓋21は、天板6bおよび反応容器7における開口部分に開口部21bが重なるように天板6bに固定される。このため、反応容器7における開口部分上に重なる開口部21bおよび天板6bの開口部を介して、検体分注機構5におけるノズル、試薬分注機構12におけるノズルおよび洗浄装置11におけるノズル11a,11bの反応容器7内への挿脱が可能となる。したがって、検体分注機構5、試薬分注機構12および洗浄装置11は、反応容器7内へ検体、試薬および洗浄液を注入することができる。
【0037】
そして、図3および図4に示すように、内蓋21においては、各開口部21bの間を仕切る仕切り21aとともに、領域Shに、各仕切り21aの天板6b中心側の端部に接触する壁が周方向に設けられる。仕切り21aと領域Shの壁との高さは、反応容器7からあふれた反応液および洗浄液が、隣り合う反応容器7に侵入しないように、反応容器7に収容される反応液および反応容器7内に注入される洗浄液の容量をもとに設定される。さらに、図3〜図5に示すように、内蓋21においては、排水溝22側に位置する外周の領域Spに、下方に向かう傾斜が設けられている。
【0038】
また、分析装置1は、図4に示すように、天板6bの下方に、反応容器7の側壁から底壁にかけて所定の空隙Sを介して反応容器7を囲む恒温槽6cが周方向に設けられている。恒温槽6cは、熱伝導率の高い部材で構成された外壁6c1、内壁6c2とこの内部に貯留された恒温液6c3からなり、図示しないヒーターによる熱を反応容器7に伝導して、反応容器7内の反応液を所定温度に保持する。
【0039】
ここで、分析装置1において、洗浄時に吸引用のノズル11bが詰まって反応液や洗浄液を吸引できず反応容器7から反応液や洗浄液があふれ出てしまった場合について、図4および図5を参照して説明する。図4および図5において、反応容器7からあふれ出た反応液および洗浄液は、開口部21bを介して内蓋21上にあふれ出る。開口部21bからあふれ出た反応液および洗浄液は、領域Shの壁に阻まれることによって、矢印Yaに示すように、内蓋21の内周側ではなく内蓋21の外周側に流れ出る。また、内蓋21には開口部21b間に仕切り21aが設けられているため、図5に示す矢印Ydに示すように、図5に示す反応容器7aからあふれ出た反応液および洗浄液は、仕切り21aに阻害されて、隣り合う反応容器7b内に侵入することがない。そして、反応容器7aからあふれ出た反応液および洗浄液は、矢印Ybに示すように、領域Spの傾斜によって、内蓋21の外周側から排水溝22内に流れ落ち、矢印Ycに示すように、排水溝22における排水口22aからチューブ22bを介して外部に排出される。
【0040】
このように、内蓋21においては、仕切り21a、壁が設けられた領域Shおよび傾斜が設けられた領域Spが、反応容器7からあふれた反応液および洗浄液を反応容器7の外壁よりも外側に向かって導く流路を形成している。そして、内蓋21における流路によって導かれた反応液および洗浄液は、排出溝22によって外部に輩出される。
【0041】
従来においては、反応液や洗浄液が反応容器からあふれ出てしまった場合、回転テーブル内や回転テーブル周囲に入り込んでしまっていた。このため、図6に示すようにドライバス形式の恒温槽においては、矢印Yfに示すように反応容器7からあふれた反応液や洗浄液11cが、矢印Ygに示すように反応容器7周囲に侵入してしまい、洗浄液11cが反応容器表面に付着して反応容器表面に曇り7cが発生していた。また、図7に示すようにウォーターバス形式の恒温槽においては、矢印Yhに示すように、反応容器7からあふれた反応液や洗浄液11cが恒温槽内の恒温液106c内に混入してしまい、恒温液106cが汚染されてしまっていた。この結果、測光装置10における光源10aから発せられた光は、曇り7cまたは恒温液106cの汚染のために反応容器7内の反応液Lに十分に入射されない上に液体Lを通過した通過光Pの光量も低下してしまう。このため、従来の分析装置においては、反応容器7内の反応液Lを通過する光の受光量を正確に測定することができず、精度の高い分析を行うことができなかった。
【0042】
これに対し、本実施の形態1にかかる分析装置1においては、仕切り21a、壁が設けられた領域Shおよび傾斜が設けられた領域Spによって形成される流路を有する内蓋21と排水溝22とを備えることによって、反応容器7からあふれた反応液および洗浄液を決められた経路で外部に排出して反応容器7からあふれた反応液および洗浄液の拡散を防止している。このため、反応容器7からの反応液および洗浄液のあふれによる分析装置に対する被害を最小限に抑えることができる。具体的には、分析装置1においては、反応容器7からあふれた反応液や洗浄液が回転テーブル内や回転テーブル周囲に入り込まないため、反応容器7の曇りや恒温液の汚染が発生しない。この結果、分析装置1においては、反応容器7の曇りや恒温液の汚染に起因する反応液の通過光の光量低下を防止して、測光装置10において反応容器7内の反応液を通過した光の受光量を正確に測定できるため、精度の高い分析を行うことが可能になる。
【0043】
なお、本実施の形態1においては、内蓋として、仕切り21aと領域Spにおける傾斜との双方を設けた場合について説明したが、これに限らず、仕切り21aのみを設けてもよい。仕切り21aによって、反応容器7からあふれた反応液および洗浄液が、隣り合う反応容器7内に侵入することなく排出溝22に向かって流れ出ることができるためである。また、内蓋21外周の領域Spに傾斜を設けた場合について説明したが、もちろん、内蓋21の壁が設けられた領域Shよりも外側に位置する領域全てに下方に向かう傾斜を設けて反応容器7からあふれた反応液および洗浄液の排水溝22への導きを円滑に行ってもよい。
【0044】
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2について説明する。図8は、実施の形態2にかかる分析装置の回転テーブル、洗浄装置、内蓋および排水溝を拡大した平面図である。実施の形態2にかかる分析装置は、図8に示すように、図1および図2に示す分析装置1における内蓋21に代えて、内蓋221を有する。なお、実施の形態2にかかる分析装置は、図1に示す分析装置1と同様の構成を有する。
【0045】
つぎに、図9を参照して、図8に示す内蓋221について説明する。図9は、図8に示すX2−X2線に沿った断面図である。図9に示すように、内蓋221は、反応容器7の開口部分を構成する反応容器の側壁上面および天板、ホルダ6aの側壁上面の開口部周囲の上面と蓋221の下面との間を密閉する弾性体221fを有する。図10に、図9に示す弾性体の平面図を示す。図10に示すように、弾性体221fは、反応容器7の開口部形状に対応して矩形の開口部を有し、反応容器7の側壁と天板6bにおける反応容器7を収納するホルダ6aとの間を塞いでいる。弾性体221fは、弾性を有する樹脂などによって形成される。なお、内蓋221は、天板6bおよび反応容器7における開口部分と開口部21bが重なるように設けられており、開口部21bおよび天板6bの開口部を介して、洗浄装置11におけるノズル11a,11bの反応容器7内への挿脱が可能となる。
【0046】
そして、内蓋221が天板6bにねじ21eによってねじ締結された場合、弾性体221fの上面と内蓋221の開口部21b周囲の下面とが密着し、弾性体221fの下面と反応容器7の側壁上面、天板6bの開口部周囲の上面とが密着する。このため、弾性体221fは、反応容器7の側壁上面および天板6bの開口部周囲の上面と蓋221の下面との間を密閉する。したがって、反応容器7からあふれた反応液および洗浄液は、弾性体221fによる密閉によって、反応容器7の側壁上面と内蓋221との間、および、反応容器7側壁とホルダ6aとの間のいずれにも侵入することがない。この結果、図9に示す矢印Yaおよび矢印Ybに示すように、反応容器7からあふれた反応液および洗浄液を、内蓋221における仕切り21a、壁が設けられた領域Shおよび傾斜が設けられた領域Spによって形成される流路から排出溝22に確実に流し入れることができ、矢印Ycに示すように外部に確実に排出することができる。
【0047】
このように、実施の形態2においては、反応容器7の開口部分を構成する反応容器の側壁上面および天板6bの開口部周囲の上面と内蓋221下面との間を密閉する弾性体221fを設けた内蓋221を備えることによって、実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、反応容器7からあふれた反応液および洗浄液を確実に外部に排出することができる。
【0048】
なお、実施の形態2にかかる弾性体は、図10に示す弾性体221fに限らない。反応容器7からあふれた反応液および洗浄液による反応容器7と内蓋221との間の侵入を防止するには、弾性体は、反応容器7の開口部分を構成する反応容器の側壁上面と内蓋221下面との間を密閉すれば足りる。このため、図11に示すように、環状の弾性体221faであってもよく、図12に示すように、開口部が反応容器7の開口部よりも小さい弾性体221fbであってもよい。
【0049】
(実施の形態3)
つぎに、実施の形態3について説明する。図13は、実施の形態3にかかる分析装置の概略構成図である。図13に示すように、実施の形態3にかかる分析装置301は、図1に示す内蓋21に代えて、内蓋321を備える。また、分析装置301は、図1に示す分析装置1と比して、さらに検出装置323を備えた構成を有する。なお、制御部16は、検出装置323の制御も行う。
【0050】
つぎに、図14〜図16を参照して、内蓋321および検出装置323について説明する。図14は、図13に示す分析装置の回転テーブル、洗浄装置、内蓋、排水溝および検出装置を拡大した平面図である。図15は、図14に示すX3−X3線に沿った断面図である。図15には、説明のため、検出装置323、制御部16および表示部19についても記載する。図16は、図14に示すX4−X4線に沿った断面図である。
【0051】
図14および図15に示すように、内蓋321は、実施の形態1にかかる内蓋21に比して、蓋部321cの外周領域Pgに周方向に形成された凹部321gを有する。反応容器7から開口部21bを介して内蓋321上にあふれた反応液や洗浄液は、領域Shの壁に阻まれることによって、内蓋321の内周側ではなく内蓋321の外周側に流れる。そして、反応容器7からあふれた反応液や洗浄液は、仕切り21aに阻害されて隣り合う反応容器7内に侵入することなく、図15の矢印Yiに示すように、凹部321g内に導かれる。
【0052】
さらに、図14および図16に示すように、内蓋321は、凹部321gの一部と内蓋321の外端とに接続する溝321hを有する。図16の矢印Yjに示すように、外周領域Pgの凹部321gに溜まった反応液および洗浄液は、溝321hに流れ込み、矢印Ykに示すように、排水溝22に流れ落ちる。そして、反応液および洗浄液は、矢印Ycに示すように、排水溝22における排水口22aからチューブ22bを介して外部に排出される。
【0053】
このように、内蓋321においては、仕切り21aと壁が設けられた領域Shとともに、外周領域Pgに設けられた凹部321gおよび溝321hが、反応容器7からあふれた反応液および洗浄液を内蓋321の外部に位置する排水溝22に導く流路を形成している。
【0054】
また、図14および図15に示すように、検出装置323は、電極323a,323bを有する。電極323a,323bの各一端は、凹部321g内に配置され、電極323a,323bの各他端は、検出装置323に接続する。凹部321g内に、反応容器7からあふれた反応液および洗浄液が溜まった場合、電極323aおよび電極323bは、凹部321gに溜まった液体を介して接続する。電極323aが入力電極であり電極323bが出力電極である場合、検出装置323から電極323aに入力された電気信号は、液体を介して電極323bに送信された後、電極323bから検出装置323に出力される。したがって、検出装置323は、電極323aに入力した電気信号が電極323bから出力された場合、凹部321gに反応液および洗浄液が溜まり反応容器7から反応液および洗浄液があふれたことを検出する。一方、検出装置323は、電極323aに入力した電気信号が電極323bから出力されない場合、凹部321gに反応液および洗浄液が溜まっておらず反応容器7から反応液および洗浄液があふれていないことを検出する。検出装置323は、検出結果を制御部16に出力する。
【0055】
つぎに、分析装置301において、反応容器から反応液および洗浄液があふれた場合の処理手順について、図17を参照して説明する。まず、図17に示すように、制御部167は、検出装置323が反応容器7からの反応液および洗浄液のあふれを検出したか否かを判断する(ステップS2)。制御部16は、検出装置323が反応容器7からの反応液および洗浄液のあふれを検出するまでステップS2の判断を繰り返す。そして、検出装置323が反応容器7からの反応液および洗浄液のあふれを検出したと判断した場合(ステップS2:Yes)、表示部19に対して、反応容器から反応液および洗浄液があふれたことを示す警告を表示出力させる。表示部19は、制御部16の制御のもと、反応容器から反応液および洗浄液があふれたことを示す警告を表示出力する警告処理を行う(ステップS4)。なお、制御部16は、ステップS4終了後、ステップS2に戻り、ステップS2における判断処理を行ってもよい。
【0056】
このように、実施の形態3にかかる分析装置301は、仕切り21a、壁が設けられた領域Sh、凹部321gおよび溝321hによって形成される流路を有する内蓋321を備えることによって、反応容器7からあふれた反応液および洗浄液を排水溝22を介して外部に排出することができるため、実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0057】
さらに、分析装置301は、簡便な電極方式で反応液および洗浄液のあふれを検出できる検出装置323を備え、検出装置323が反応容器7からの反応液および洗浄液のあふれを検出したと判断した場合には所定の警告を出力する。このため、分析装置301の操作者は、洗浄装置11におけるノズル11a,11bに異常が発生した旨を即時に認識することができ、洗浄装置11の異常に迅速に対応することが可能になる。
【0058】
なお、実施の形態3においては、検出装置323として、電極323a,323bを有する装置について説明したが、これに限らず、凹部321gに溜まった液体の有無を検出できるセンサであればよい。また、実施の形態3においては、溝321hを、蓋321の外周領域の4箇所に設けた場合について説明したが、もちろん、1箇所のみに設けてもよく、4箇所以上設けてもよく、また、洗浄装置11近傍のみに設けてもよく、凹部321gに溜まった反応容器7からあふれた反応液および洗浄液を排出溝22に流し入れることができれば足りる。
【0059】
また、分析装置301においては、図17のステップS4に示す警告処理として、表示部19が警告を表示出力する場合について説明したが、分析装置301が音声等を出力する出力手段を備えている場合には、反応容器から反応液および洗浄液があふれた旨を報知する警告音声を出力してもよい。
【0060】
(実施の形態4)
つぎに、実施の形態4について説明する。図18は、実施の形態4にかかる分析装置の概略構成図である。図18に示すように、実施の形態4にかかる分析装置401は、図13に示す内蓋321に代えて、内蓋421を備える。また、分析装置401は、図13に示す分析装置301と比して排出溝22を削除した構成を有する。また、分析装置401は、図13に示す分析装置301と比して吸引装置424をさらに備えた構成を有する。なお、制御部16は、吸引装置424の制御も行う。
【0061】
つぎに、図19および図20を参照して、内蓋421、検出装置323および吸引装置424について説明する。図19は、図18に示す分析装置の回転テーブル、内蓋、洗浄装置、検出装置および吸引装置を拡大した平面図である。図20は、図19に示す回転テーブルおよび内蓋の断面図である。図20には、説明のため、検出装置323、吸引装置424、制御部16および表示部19についても記載する。
【0062】
図19および図20に示すように、内蓋421は、実施の形態3にかかる内蓋321に比して、外周領域Skにおいては溝321hを削除し凹部321gのみを有する蓋部421cを備える。図20に示すように、吸引装置424は、凹部321gに溜まった反応液および洗浄液を吸引するノズル424aと、ノズル424aが吸引した反応液および洗浄液を図示しない外部の排出部に導くチューブ424bを有する。吸引装置424は、検出装置323が、凹部321gに反応液および洗浄液が溜まり反応容器7から反応液および洗浄液があふれたことを検出した場合、凹部321gに溜まった反応液および洗浄液を吸引する。
【0063】
図20に示すように、反応容器7から開口部21bを介して内蓋421上にあふれた反応液や洗浄液は、領域Shの壁に阻まれることによって、内蓋421の内周側ではなく内蓋21の外周側に流れる。そして、反応容器7からあふれた反応液や洗浄液は、仕切り21aに阻害されて隣り合う反応容器7内に侵入することなく、図20の矢印Ylに示すように、凹部321g内に導かれる。そして、凹部321g内に溜まった反応液および洗浄液は、矢印Ymに示すように吸引装置424のノズル424aによって吸引され、矢印Ynに示すようにチューブ424bを介して外部に排出される。
【0064】
つぎに、分析装置401において、反応容器から反応液および洗浄液があふれた場合の処理動作について、図21を参照して説明する。まず、図21に示すように、制御部16は、図17に示すステップS2と同様に、検出装置323が反応容器7からの反応液および洗浄液のあふれを検出したか否かを判断する(ステップS12)。制御部16は、検出装置323が反応容器7からの反応液および洗浄液のあふれを検出するまでステップS12の判断を繰り返す。そして、検出装置323が反応容器7からの反応液および洗浄液のあふれを検出したと判断した場合(ステップS12:Yes)、図17に示すステップS4と同様に、表示部19は、制御部16の制御のもと、反応容器から反応液および洗浄液があふれたことを示す警告を表示出力する警告処理を行う(ステップS14)。そして、吸引装置424は、凹部321gに溜まった反応液および洗浄液を吸引して外部に排出する吸引処理を行う(ステップS16)。なお、制御部16は、ステップS16終了後、ステップS12に戻り、ステップS12における判断処理を行ってもよい。
【0065】
このように、実施の形態4にかかる分析装置401は、凹部321gに溜まった反応液および洗浄液を吸引し外部に排出する吸引装置424を備えることによって、反応容器7からあふれた反応液および洗浄液を外部に排出することができ、反応容器7から反応液および洗浄液があふれたこと示す警告を出力するため、実施の形態1および実施の形態3と同様の効果を奏する。
【0066】
なお、実施の形態4にかかる分析装置401として、検出装置323と吸引装置424との双方を備えた場合について説明したが、これに限らず、検出装置323を削除した構成であってもよい。この場合、吸引装置424は、凹部321gに溜まった液体を、常時吸引および排出してもよく、また、所定時間ごとに吸引および排出してもよい。この場合も、反応容器7からあふれた反応液および洗浄液を外部に排出することが可能になる。
【0067】
また、回転テーブル6が所定数の反応容器を収納するとともに分析装置1,301,401に着脱可能である複数のホルダユニットによって構成される場合、実施の形態1〜4において説明した内蓋21,221,321,421は、このホルダユニットに対応する大きさを有する複数の内蓋ユニットによって構成されてもよい。図22は、たとえば、実施の形態1にかかる内蓋21を構成する内蓋ユニット21Aについて示す。図22に示すように、回転テーブル6に着脱可能であり所定数の反応容器7を収納するホルダユニット6fは、各反応容器7の光照射領域に対応させて測光装置10からの測定光が通過する窓6gを備える。そして、内蓋ユニット21Aは、ホルダユニット6fの上面の大きさに対応した大きさであって、ホルダユニット6fに収納される反応容器の数量に対応させた開口部21bおよび仕切り21aを有する蓋部を備える。内蓋ユニット21Aは、内蓋21と同様に、壁を有する領域Shおよび下方に向かう傾斜を有する領域Spを備え、ねじ21eによってねじ穴21dおよびホルダユニット6fにおけるねじ穴を介してホルダユニット6fにねじ締結される。
【0068】
また、内蓋21,221,321,421または内蓋ユニット21Aを、ねじ21eによって天板6bまたはホルダユニット6fに取り付けるほか、蝶つがいなどの金具によって天板6bまたはホルダユニット6fに取り付けてもよい。さらに、内蓋321および内蓋421は、実施の形態2における弾性体221f,221fa,221fbをさらに備え、反応容器7からあふれた反応液および洗浄液を確実に外部に排出してもよい。
【0069】
また、実施の形態1〜4においては、ヒーターによる熱を反応容器に伝導するドライバス形式の恒温槽を使用した場合について説明したが、もちろんこれに限らず、所定温度の恒温液を恒温槽内に封入する場合および所定温度の恒温液中に反応容器を直接浸漬して反応容器の反応液を保温するウォーターバス形式の恒温槽を使用した場合も同様に、反応容器からあふれた反応液および洗浄液の拡散を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施の形態1にかかる分析装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す分析装置の回転テーブル、洗浄装置、内蓋および排水溝を拡大した平面図である。
【図3】図1および図2に示す回転テーブルおよび内蓋の一部を拡大して示す斜視図である。
【図4】図4は、図2に示すX1−X1線に沿った断面図である。
【図5】図5は、図1に示す内蓋および排水溝の一部を拡大して示す平面図である。
【図6】従来技術にかかる分析装置における回転テーブルの断面図である。
【図7】従来技術にかかる分析装置における回転テーブルの断面図である。
【図8】実施の形態2にかかる分析装置の回転テーブル、洗浄装置、内蓋および排水溝を拡大した平面図である。
【図9】図8に示すX2−X2線に沿った断面図である。
【図10】図9に示す弾性体の平面図である。
【図11】図9に示す弾性体の他の例を示す平面図である。
【図12】図9に示す弾性体の他の例を示す平面図である。
【図13】実施の形態3にかかる分析装置の概略構成図である。
【図14】図13に示す分析装置の回転テーブル、洗浄装置、内蓋および排水溝を拡大した平面図である。
【図15】図14に示すX3−X3線に沿った断面図である。
【図16】図16は、図14に示すX4−X4線に沿った断面図である。
【図17】図13に示す分析装置における反応容器から反応液および洗浄液があふれた場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図18】実施の形態4にかかる分析装置の概略構成図である。
【図19】図18に示す分析装置の回転テーブル、洗浄装置、内蓋、検出装置および吸引装置を拡大した平面図である。
【図20】図19に示す回転テーブルおよび内蓋の断面図である。
【図21】図18に示す分析装置における反応容器から反応液および洗浄液があふれた場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図22】実施の形態1における内蓋の他の例を説明する斜視図である。
【符号の説明】
【0071】
1,301,401 分析装置
2 作業テーブル
3 検体テーブル
3a,13a 収納室
4 検体容器
5 検体分注機構
6 回転テーブル
6a ホルダ
6b 天板
6c 恒温槽
6d ねじ穴
6f ホルダユニット
6g 窓
7 反応容器
10 測光装置
10a 光源
10b 受光部
11 洗浄装置
11a,11b,424a ノズル
11c 洗浄液
12 試薬分注機構
13 試薬テーブル
14 試薬容器
15 読取装置
16 制御部
17 分析部
18 入力部
19 表示部
20 攪拌装置
21,221,321,421 内蓋
21a 仕切り
21b 開口部
21c,321c,421c 蓋部
21d ねじ穴
21e ねじ
21A 内蓋ユニット
22 排水溝
22a 排水口
22b,424b チューブ
106c 恒温液
221f,221fa,221fb 弾性体
321g 凹部
321h 溝
323 検出装置
323a,323b 電極
424 吸引装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納手段に収納された反応容器内の反応液における光学的特性を測定して前記反応液を分析する分析装置において、
前記光学的特性の測定が終了した前記反応容器に洗浄液を注入および吸引して該反応容器を洗浄する洗浄手段と、
前記収納手段に収納された反応容器の開口部分に対応して設けられた開口領域と、前記開口領域を介して前記反応容器からあふれた前記反応液および前記洗浄液を前記反応容器の外壁よりも外側に向かって導く流路とを有し、前記反応容器の開口部分を構成する反応容器の側壁上面と密着する蓋と、
前記蓋における流路が導いた前記反応液および前記洗浄液を前記蓋の外部に排出する排出手段と、
を備えたことを特徴とする分析装置。
【請求項2】
前記蓋は、各開口領域の間に仕切りを設けて前記流路を形成することを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記蓋は、前記排出手段側に位置する領域に下方に向かう傾斜を設けて前記流路を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記蓋は、前記反応容器の開口部分を構成する反応容器の側壁上面と当該蓋下面との間を密閉する弾性体を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項5】
前記蓋は、前記反応容器からあふれた前記反応液および前記洗浄液を溜める凹部を設けて前記流路を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項6】
前記排出手段は、前記収納手段の外側に設けられ、前記蓋の前記流路によって導かれた前記反応液および前記洗浄液を前記蓋の外部に排出する排出溝であり、
前記蓋における流路は、前記反応容器からあふれた前記反応液および前記洗浄液を前記排出溝に導くことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項7】
前記排出手段は、前記凹部に溜まった前記反応液および前記洗浄液を吸引し、吸引した前記反応液および前記洗浄液を前記蓋の外部に排出する吸引装置であることを特徴とする請求項5に記載の分析装置。
【請求項8】
前記凹部に前記反応液および前記洗浄液が溜まったか否かを検出する検出手段と、
前記検出手段が前記凹部に前記反応液および前記洗浄液が溜まったことを検出した場合に、前記反応容器から前記反応液および前記洗浄液があふれたことを示す警告を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項9】
前記吸引装置は、前記検出手段が前記凹部に前記反応液および前記洗浄液が溜まったことを検出した場合に、前記凹部に溜まった前記反応液および前記洗浄液を吸引して前記蓋の外部に排出することを特徴とする請求項8に記載の分析装置。
【請求項10】
前記収納手段は、所定数の反応容器を収納するとともに当該分析装置に着脱可能である複数の収納ユニットによって構成され、
前記蓋は、前記収納ユニットに対応する大きさを有する複数の蓋ユニットによって構成されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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