説明

分析装置

【課題】試料が配置される分析用具の形状がどのようなものであっても、分析用具の位置ズレを抑制して分析精度の向上を図り得る分析装置を提供する。
【解決手段】分析用具の光透過性のセルに配置された試料に対して光学測定を実施する分析装置に、光源部8と、受光部9と、分析用具を載置するためのトレー1と、トレー1を駆動する駆動機構10とを備えさせる。トレー1に、分析用具を定められた位置で保持する保持部2を備えさせる。駆動機構10は、トレー1に載置された分析用具が装置外部に露出する第1のポジションと、分析用具が装置内部に収容される第2のポジションとの間で、トレー1を往復運動させる。光源部8は、トレー1が第2のポジションにあるときに、出射光が分析用具のセルに入射するように配置される。受光部9は、トレー1が第2のポジションにあるときに、セルを通過した光が受光されるように配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料の成分分析に用いられる分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、血液、間質液、尿、髄液、唾液等の試料の成分分析は、バイオチップ(またはマイクロチップ)と呼ばれる分析用具を用いた、吸光度測定等によって行われている。バイオチップは、直径が1mm程度又はそれ以下の微細な分析用のセルを備え、通常、光透過性の板状の部材を貼り合せて構成されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
具体的には、バイオチップは、セルとなる微細な凹部や、試料供給用の微細な流路となる溝が形成された光透過性の基板(透明基板)と、透明基板を覆う光透過性のカバーとで構成されている。また、バイオチップのセルそれぞれには、種々の試薬が配置されている。そして、これらセルに、流路から試料が供給されると、試料は、試料中の特定の成分に反応して発色する。
【0004】
また、このようなバイオチップに対して、分析装置(例えば、特許文献1及び2参照)による吸光度測定が実施される。具体的には、分析装置は、その内部に、光を出射する光源部と、光源部から出射された光を受光する受光部とを備えている。バイオチップは、分析装置の挿入口から内部に挿入され、セルが光源部と受光部との間に位置するように配置される。
【0005】
そして、光源部から出射された光は、セルに入射する。入射した光のうち、一部はセルで吸収され、残りは透過して受光部によって受光される。分析装置は、受光した透過光から吸光度を算出し、更に、吸光度から試料中の特定成分の濃度を算出する。算出された濃度は、分析装置に接続された表示装置に表示される。
【0006】
ところで、吸光度の算出精度の向上を図るためには、光源部から出射された光が正確にセルに入射し、そして、セルを透過した光が正確に受光部に入射するように、光源部、受光部及びセルの位置関係を最適化することが必要である。このとき、光源部及び受光部を動かして、三者の位置関係の最適化を図る構成にすると、分析装置の構造が複雑化し、コストが増大化してしまう。
【0007】
このため、分析装置では、光源部及び受光部の位置を固定し、バイオチップを予め設定した位置に正確に配置することによって、三者の位置関係の最適化が行われる構成が採用されている。例えば、特許文献1及び2に記載の分析装置は、内部に、マイクロチップの一端に接触してその位置決めを行う部材を備えている。利用者は、マイクロチップの一部がこの部材に接触するように、マイクロチップを挿入するだけで良い。
【特許文献1】特開2007−163344号公報
【特許文献2】特開2007−170943号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述のバイオチップを挿入口から挿入し、接触によって位置決めを行う構成では、セルが微細であることから、ユーザの操作ミスによる位置ズレが生じ易いという問題がある。
【0009】
また、近年、円板状のバイオチップが提案されている。このバイオチップでは、複数個のセルが円弧に沿って配列されている。円板状のバイオチップを用いた場合は、それを回転させながら、各セルに対して光学測定を行えるため、効率的な分析を行うことができる。但し、このような円板状のバイオチップでは、接触によって位置決めを行うことが難しいため、上記の問題は更に顕著なものとなってしまう。
【0010】
本発明の目的は、上記問題を解消し、試料が配置される分析用具の形状がどのようなものであっても、分析用具の位置ズレを抑制して分析精度の向上を図り得る分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明における分析装置は、分析用具のセルに配置された試料に対して光学測定を実施する分析装置であって、光学測定用の光を出射する光源部と、前記光源部から出射され、前記試料を通過した光又は前記試料で反射された光を受光する受光部と、前記分析用具を載置するためのトレーと、前記トレーを駆動する駆動機構とを備え、前記トレーは、載置された前記分析用具を定められた位置で保持する保持部を備え、前記駆動機構は、前記トレーに載置された前記分析用具が当該分析装置の外部に露出する第1のポジションと、載置された前記分析用具が当該分析装置の内部に収容される第2のポジションとの間で、前記トレーを往復運動させ、前記光源部は、前記トレーが前記第2のポジションにあるときに、出射された光が前記分析用具の前記セルに入射するように配置され、前記受光部は、前記トレーが前記第2のポジションにあるときに、前記セルを通過した光が受光されるように配置されていることを特徴とする。
【0012】
上記特徴を備える本発明の分析装置によれば、当該装置の外に飛び出したトレーに分析用具を載置するだけで、分析用具の位置決めを正確に行うことができる。また、光源部と受光部とは、予め設定された位置にあるため、セルへの光の入射は正確に行われ、更に、透過光は確実に受光される。
【0013】
上記本発明における分析装置は、前記分析用具が、円弧状に配列された複数個の前記セルを備えている場合においては、前記トレーが、前記分析用具が載置される部分に、開口部を備え、当該分析装置が、前記分析用具に接続されるコネクタと、前記開口部を介して前記分析用具を支持する支持部とを更に備え、前記コネクタは、前記トレーが前記第2のポジションにあるときに、前記円弧の中心に対向する位置で前記分析用具に接続され、前記支持部は、前記コネクタに対向する位置で前記分析用具を支持し、前記コネクタによる接続と前記支持部による支持とが行われると、前記保持部による前記分析用具の保持が解除される態様であるのが好ましい。
【0014】
上記態様によれば、トレーが分析装置に引き込まれた後、トレーによる分析用具の拘束は解除され、分析用具は、コネクタと支持部とで挟まれた状態となる。このため、円板状の分析用具に対する位置決めの精度の向上がいっそう図られることとなる。また、この場合、分析用具を回転させながら各セルを順次光学測定することができるので、セルの光学測定の効率化を図ることができる。
【0015】
また、上記態様においては、前記開口部の側壁の全部または一部が、前記分析用具の外形に整合するように形成され、前記開口部の側壁には、前記開口部の内側に向かって突き出した凸部が形成され、前記分析用具の外形に整合するように形成された部分と前記凸部とが、前記保持部として機能するのが好ましい。この場合は、簡単な構成で、トレー上における分析用具の位置決めを確実に行うことができる。また、この場合では、トレーを下方に移動させるだけで、保持部による分析用具の保持を解除することができる。
【0016】
更に、上記態様では、前記駆動機構が、前記トレーの往復運動の方向に沿って摺動する第1のスライダ及び第2のスライダを備え、前記第1のスライダは、前記トレーの摺動方向とそれに載置された前記分析用具の法線方向とに垂直な軸を中心にして前記トレーが揺動するように、前記トレーの前記第2のポジション側の部分と連結され、前記第2のスライダは、カム機構を介して、前記トレーに連結され、前記カム機構は、前記第2のスライダの位置に応じて、前記トレーが、前記軸を中心に揺動するように構成され、前記カム機構による前記トレーの揺動により、前記トレーの前記保持部が移動したときに、前記保持部による前記分析用具の保持が解除されるのが好ましい。
【0017】
この場合は、第1のスライダの摺動により、トレーが分析装置の内部に引き込まれ、第2のスライダの摺動により、トレーによる分析用具の保持が解除される。また、両スライダの摺動方向は同一である。よって、上記態様によれば、一つの動力源(例えば、電動機等)のみで、トレーの引き込みと、トレーによる分析用具の拘束の解除とを行うことができ、分析装置のコストの低減化が図られる。
【0018】
また、この場合は、当該分析装置が、前記コネクタと前記第2のスライダとを連結するアーム部材を更に備え、前記アーム部材は、前記第2のスライダの位置に応じて、前記コネクタが前記分析用具から離れたところに位置するポジションとそれが前記分析用具に接続するポジションとの間で、前記コネクタを往復運動させ、且つ、前記カム機構が前記トレーの前記保持部を移動させたとき、又は移動させる前に、前記コネクタを前記分析用具に接続させるのが良い。この場合、第2のスライダの摺動により、コネクタを昇降させることもできる。よって、一つの動力源により、コネクタと分析用具との接続までも行わせることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上の特徴により、本発明における分析装置によれば、試料が配置される分析用具の形状がどのようなものであっても、分析用具の位置ズレを抑制できる。また、この結果、本発明における分析装置は、従来に比べて、分析精度の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態における分析装置について、図1〜図8を参照しながら説明する。最初に、本実施の形態における分析装置の全体構成、及び本実施の形態で用いられる分析用具について図1及び図2を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態における分析装置の外観を示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態において用いられる分析用具の一例を示す分解斜視図である。
【0021】
図1に示すように、本実施の形態における分析装置30は、試料に対して光学測定を実施し、それによって試料の成分を分析する装置である。試料は、分析用具40の光透過性のセルに配置されており、分析装置30は、分析用具40(図2参照)を介して光学測定を実施する。分析用具40は、一般に、バイオチップと呼ばれるものである。
【0022】
図2に示すように、分析用具40は、光透過性の基板(透明基板)41と、その上面を覆う光透過性のカバー(透明カバー)42とを備えている。透明基板41には、試料が一旦貯留される貯留部43と、光学測定の対象となる複数個のセル44と、これらを結ぶ複数本の流路45とが設けられている。貯留部43、セル44及び流路45の形成は、透明基板41の一方側の主面に凹部や溝を形成することによって行われている。セル44には、図示されていないが、種々の試薬が予め配置されている。
【0023】
また、本実施の形態では、分析用具40は、周縁に円弧が形成された板状を呈している。具体的には、透明基板41の法線上から見た形状が、円の対向する2箇所を切り落として得られた形状(言い換えると、例えば、矩形の対向する二辺に半円を接合して得られる形状)となっている。これにより、透明基板41の側面には、2つの平面部分46が形成される。これらの平面部分46は、後述するように、分析用具40の位置決めに用いられる。透明カバー42の外形は、この透明基板41の外形に整合するように形成されている。
【0024】
更に、複数個のセル44は、分析用具40の外形の円弧に沿って配置されており、その配列は円を描いている。貯留部43は、セル44の配列の中心、即ち、透明基板41の中心部分に一つ配置されている。透明カバー42の中心部分には、貯留部43に対応して、試料を貯留部43に導くための供給口47が設けられている。そして、複数本の流路45は、放射状に配置され、一つの貯留部43と複数個のセル44とを結んでいる。
【0025】
貯留部43に供給された試料は、各流路45を介して、各セル44に送られる。各セル44においては、試料中の特定の成分と、予め配置されている試薬とが反応し、発色が生じる。なお、透明カバー42の供給口47の周辺には、後述するコネクタ23と分析用具40との接続に用いられる接続孔48が形成されている。
【0026】
ところで、このような分析用具40の位置決めを正確に行うため、図1に示すように、本実施の形態における分析装置30は、従来の分析装置と異なり、分析用具40を載置するためのトレー1を備えている。トレー1は、分析用具40を定められた位置で保持する保持部2を備えている。保持部2の構成については後述する。また、トレー1は、それに載置された分析用具40が分析装置30の外部に露出している第1のポジションと、載置された分析用具40が分析装置30の内部に収容され、光学測定が行われる第2のポジションとの間で往復運動する。
【0027】
このため、本実施の形態では、従来と異なり、ユーザは、分析用具40をトレー1に載置するだけで、正確に、分析用具40の位置決めを正確に行うことができる。以下に、更に具体的に説明する。なお、図1において、31は分析装置30の表示部であり、32は操作キーであり、33は、トレー飛出口33である。
【0028】
本実施の形態における分析装置の内部構成について、図3〜図6を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態における分析装置の主な構成部材を示す分解斜視図である。図4は、図3に示されたサブスライダを示す斜視図であり、図4(a)及び図4(b)はそれぞれ投影角度の点で異なっている。図5及び図6は、図3及び図4に示した構成部材の組み立て図である。図5は、トレーが装置の外に飛び出た状態(第1のポジション)を示している。図6は、トレーが装置内部に引き込まれた状態(第2のポジション)を示している。
【0029】
図3に示すように、本実施の形態における分析装置は、図1において説明したトレー1と、光学測定用の光を出射する光源部8と、光源部8から出射された光(出射光)を受光する受光部9と、駆動機構10とを備えている。駆動機構10は、トレー1を駆動し、これを、第1のポジション(図5参照)と第2のポジション(図6参照)との間で往復運動させる。
【0030】
光源部8は、トレー1が第2のポジションにあるときに、それから出射された光(出射光)が分析用具40のセル44(図2参照)に入射するように配置されている。受光部9は、トレー1が第2のポジションにあるときに、セル44を通過した光が受光されるように配置されている。本実施の形態では、光源部8及び受光部9は、分析装置を構成するフレーム(図7参照)に固定されている。このように、光源部8と受光部9とは、予め設定された位置にあるので、分析用具40の位置決めを行うだけで、セル44への光の入射と透過光の受光とは確実に行われる。
【0031】
本実施の形態では、光源部8は、半導体レーザや発光ダイオードといった光源と光学系とを備え、設定された波長の光を出射する。受光部9は、フォトダイオードやフォトトランジスタといった受光素子を備え、受光した光の光量や強度に応じて信号を出力する。
【0032】
また、本実施の形態では、トレー1は、分析用具40が載置される部分に、開口部3を備えている。開口部3の側壁の一部分は、分析用具40の外形に整合するように形成され、位置決め部4となっている。開口部3の側壁には、開口部3の内側に向かって突き出した凸部5が形成されている。
【0033】
具体的には、開口部3は、その開口形状が、トレー1の運動方向を長軸方向とする長方形状(又はそれに準じた形状)となるように形成されている。位置決め部4は、開口部3の各長辺の側壁の一部分における形状を、分析用具40の平面部分46(図2参照)とその周辺とに合わせた形状とすることによって得られている。また、位置決め部4の下方に段差を設けることにより、凸部5が得られている。
【0034】
よって、分析用具40の平面部分46(図2参照)とトレー1の位置決め部4とが整合し、そして分析用具40が凸部5によって支えられた状態とすることにより、分析用具40のトレー1への載置と位置決めとが完了する。本実施の形態では、位置決め部4と凸部5とが、上述した保持部2として機能しており、簡単な構成で、トレー1上における分析用具40の位置決めを確実に行うことができる。なお、開口部3は、その側壁の全部が分析用具40の外形に整合するように形成されていても良い。保持部2の構成は、上記態様に限定されるものではない。
【0035】
また、本実施の形態では、駆動機構10は、メインスライダ11とサブスライダ16(図4参照)とを備えている。メインスライダ11及びサブスライダ16は、動力源から伝達される動力によって、トレー1の往復運動の方向に沿って摺動する。動力源については後述する。
【0036】
具体的には、メインスライダ11及びサブスライダ16は、2本のスライド軸22a及び22bに沿って摺動する(図5及び図6参照)。スライド軸22a及び22bは、互いに並行な状態で配置されている。また、スライド軸22a及び22bそれぞれの両端は、分析装置30のフレーム(図7参照)に固定されている。
【0037】
メインスライダ11は、本体部12と、軸受部13a及び13bとを備えている。軸受部13a及び13bは、本体部12に設けられており、摺動方向において一定の距離を空けて配置されている。軸受部13a及び13bそれぞれには、平行に配置されたスライド軸22aとスライド軸22bとの両方を挿通させるため(図5及び図6参照)、軸孔14が2つずつ形成されている。
【0038】
この構成により、メインスライダ11は、スライド軸22a及び22bに沿って摺動することができる。なお、本実施の形態では、本体部12と軸受部13a及び13bとは一体的に形成されているが、これに限定されるものではない。
【0039】
また、メインスライダ11は、トレー1の第2のポジション側の部分において、トレー1と連結されている。メインスライダ11とトレー1との連結は、トレー1の摺動方向とトレー1に載置された分析用具40(図1参照)の法線方向との2方向に垂直な軸を中心にして、トレー1が揺動するように行われている。
【0040】
具体的には、トレー1の第2のポジション側の部分には、上記2方向に垂直に軸孔6が設けられている。メインスライダ11の本体部12には、スライド軸22a及び22bに対して垂直となるように、軸15が設けられている。そして、メインスライダ11の軸15をトレー1の軸孔6に挿入すれば、トレー1は、メインスライダ11の軸15を中心に揺動可能な状態となる(図5及び図6参照)。また、メインスライダ11を摺動させると、それによってトレー1も移動する(図5及び図6参照)。
【0041】
サブスライダ16は、壁部17a及び17bと、軸受部20とを備えている。図4(a)及び(b)に示すように、軸受部20は、メインスライダ11の軸受部13a及び13bと同様に、平行に配置されたスライド軸22a及び22b(図3)を挿通させる2つの軸孔21を備えている。
【0042】
この構成により、サブスライダ16も、メインスライダ11と同様に、スライド軸22a及び22bに沿って摺動することができる。但し、図5及び図6に示すように、サブスライダ16の軸受部20へのスライダ軸22a及び22bの挿入は、メインスライダ11の軸受部13aと軸受部13bとの間に軸受部20を位置させた状態で行われる。サブスライダ16の可動範囲は、軸受部13aと軸受部13bとによって制限される。
【0043】
また、壁部17aと壁部17bとは、互いに距離を於いて、それぞれの壁面が、スライド軸22a及び22bに対して平行となるようにして、軸受部20に取り付けられている。壁部17aの軸受部20から離れた部分は、壁部17aに向かって突起した形状となっている。この部分は、壁部17bに接触し、それによって、壁部17aと壁部17bとの距離を一定に保っている。
【0044】
更に、壁部17aには溝18が形成され、壁部17bには溝19が形成されている。溝18及び溝19は、共に、上段の溝と下段の溝とを傾斜した溝でつなげて構成されている。即ち、溝18及び19の形状は、直線状ではなく、折れ曲がった形状となっている。但し、溝18と溝19との形状は同一ではなく、両者は、傾斜した溝の位置の点で異なっている。
【0045】
サブスライダ16も、メインスライダ11と同様に、トレー1に連結されている。但し、サブスライダ16は、メインスライダ11と異なり、カム機構を介してトレー1に連結されている。具体的には、カム機構は、トレー1から突出する軸7と、サブスライダ16の壁部17aに形成された溝18とによって構成されている。また、図5に示すように、トレー1の軸7は溝18に挿入される。
【0046】
この構成により、サブスライダ16を動かせば、サブスライダ16の位置に応じて、軸7の上下方向における位置は変動し、この結果、トレー1は、軸15を中心に揺動することとなる(図5及び図6参照)。つまり、軸7はカムフォロワとして機能し、溝18はカム溝として機能する。軸7と溝18とによるカム機構は、サブスライダ16の位置に応じて、トレー1を、軸15を中心に揺動させる。
【0047】
また、図3に示すように、本実施の形態における分析装置は、分析用具40に接続されるコネクタ23と、トレー1の開口部3を介して分析用具40を支持する支持部29とを、更に備えている。コネクタ23は、トレー1が第2のポジション(図6参照)にあるときに、載置されている分析用具40の上側から、その円弧の中心に対向する位置で分析用具40に接続される。支持部29は、トレー1が第2のポジション(図6参照)にあるときに、コネクタ23に対向する位置で分析用具40を支持している。
【0048】
具体的には、コネクタ23は、その先端に、複数本の接続ピン24を備えている。コネクタ23と分析用具40との接続は、接続ピン24を透明カバー42の接続孔48(図2参照)に挿入することによって行われる。また、コネクタ23は、アーム部材25によって保持され、分析用具40へと運ばれる。
【0049】
アーム部材25は、コネクタ23が分析用具40から離れたところ(上方)に位置しているポジションと、コネクタ23が分析用具40に接続されているポジションとの間で、コネクタ23を往復運動させる。また、アーム部材25は、図6に示すように、トレー1が第2のポジションにあるときに、コネクタ23を下げ、コネクタ23と分析用具40とを接続させることができる。
【0050】
具体的には、アーム部材25は、C形の部分26を備え、Cを構成している二つの端部25aと25bとでコネクタ23に連結されている。また、この連結は、コネクタ23が端部25a及び25bに対して回転可能となるように行われている。更に、アーム部材25は、C形の部分26に対向する部分において、分析装置30のフレーム(図7参照)に取り付けられている。アーム部材25の分析装置への取り付けは、フレーム(図7参照)に設けられた突起を取り付け穴27に挿入することによって行われている。アーム部材25は、取り付け穴27を通る軸を中心にして回転可能な状態となっている。
【0051】
また、アーム部材25も、トレー1と同様に、カム機構を介して、サブスライダ16に連結されている。アーム部材25とサブスライダ16とを連結するカム機構は、アーム部材25に設けられた軸28と、サブスライダ16の壁部17bに形成された溝19とによって構成されている。図5及び図6に示すように、この軸28は、トレー1の軸7と平行な状態で溝19に挿入される。
【0052】
この構成により、サブスライダ16を動かせば、軸28の上下方向における位置も、軸7と同様に、サブスライダ16の位置に応じて変動する。つまり、軸28はカムフォロワとして機能し、溝19はカム溝として機能する。この結果、アーム部材25は、取り付け穴27を中心に揺動することとなる(図5及び図6参照)。
【0053】
また、溝19は、サブスライダ16を奥へと動かしたときに(サブスライダ16の軸受部20がメインスライダ11の軸受部13bに近づく方向へと動かしたときに)、アーム部材25が下方へと動くように形成されている。よって、図6に示すように、トレー1が第2のポジションにあるとき、即ち、光学測定が実施されるときに、分析用具40とコネクタ23とが接続される。このとき、分析用具40はコネクタ23と支持部29とで挟み込まれ、分析用具40の位置決めは確実に行われる。
【0054】
本実施の形態においては、コネクタ23は、回転体23aと、それを回転可能な状態で保持するホルダー23bとを備えている。接続ピン24は、回転体23aに設けられている。一方、ホルダー23bは、アーム部材25の端部25a及び25bに連結されている。
【0055】
よって、本実施の形態では、コネクタ23が分析用具40に接続されると、回転体23aをその長軸を中心にして回転させることにより、分析用具40を回転させることができる。例えば、サーボモータ等が、光学測定と連動して回転体23aを回転させる構成とすれば、光学測定の対象となるセル44(図2参照)を順次切り替えることができる。
【0056】
但し、回転体23aによって分析用具40を回転させようとしても、分析用具40が、トレー1の保持部2によって保持されていると、分析用具40の回転は困難である。このため、本実施の形態では、コネクタ23が分析用具40に接続されると(又は接続された後に)、トレー1の保持部2による分析用具40の保持が解除されるようになっている。
【0057】
具体的には、保持部2は位置決め部4と凸部5とによって構成されている。このため、分析用具40の上下方向の位置が支持部29によって保たれている状態で、トレー1の保持部2が形成されている部分が下方へと移動すると、保持部2による分析用具40の保持は解除される。このため、溝18は、サブスライダ16を奥へと動かしたときに(サブスライダ16の軸受部20がメインスライダ11の軸受部13bに近づく方向へと動かしたときに)、トレー1が下方へと揺動するように形成されている。
【0058】
つまり、本実施の形態では、トレー1が第2のポジションにあるときに、サブスライダ16を奥へと動かせば、コネクタ23が分析用具40に接続され、そして、トレー1の保持部2による分析用具40の保持が解除される。よって、分析用具40の正確な位置決めと、分析用具40の回転による効率の良い光学測定とが達成される。また、従来のように、利用者によって分析用具40が直接内部に挿入されないため、分析用具40自体が摺動することはない。よって、本実施の形態によれば、従来に比べて、塵や埃の進入を抑制できる。
【0059】
なお、本実施の形態は、上記した例に限定されるものではない。例えば、コネクタ23及びアーム部材がトレー1の下方に位置し、支持部29がトレー1の上方に位置した態様であっても良い。この態様においても、分析用具40はコネクタ23と支持部29とで挟み込まれ、分析用具40の位置決めは確実に行われる。また、従来に比べて、塵や埃の進入を抑制できる。
【0060】
ここで、トレー1及びアーム部材25の動作について、図7を用いて説明する。図7は、本実施の形態の分析装置の動作を概略的に示す図であり、図7(a)〜図7(c)は一連の動作を示している。図7においては、各構成部材は簡略化したモデルによって表現されている。更に、以下の説明では、適宜、図3〜図6も参酌する。
【0061】
先ず、図7(a)について説明する。図7(a)は、図5に示した状態を模式的に示している。図7(a)に示した状態では、メインスライダ11は手前側(分析装置30の外部側)に移動しており、それに伴ってトレー1も手前側へと移動している。トレー1は、それに載置される分析用具40が分析装置30の外部に露出する第1のポジションに位置している。
【0062】
図7(a)に示した状態のときに、分析用具40は、トレー1の上に載置される。図7(a)〜(c)には図示していないが、メインスライダ11の手前側の位置(飛び出し位置)は、フレーム36に取り付けられた位置決め部材(図8参照)によって決定される。
【0063】
また、図7(a)に示した状態では、サブスライダ16は、その軸受部20がメインスライダ11の手前側の軸受部13aに接触するまで、手前側に移動している。このとき、トレー1の軸7は、溝18の上段に位置し、トレー1は水平状態となる。一方、アーム部材25の軸28は、溝19の上段に位置するが、アーム部材25は水平状態とはならず、そのC型部分26(図3参照)の位置は上昇する。コネクタ23は、載置された分析用具40の上方側に位置する。
【0064】
続いて、図7(b)に示すように、図7(a)に示した状態から、メインスライダ11が奥側(分析装置30の内部側)へと移動すると、トレー1及びサブスライダ16も、メインスライダ11と一緒に奥側に移動する。このとき、メインスライダ11の奥側の位置(引き込み位置)は、フレーム36に取り付けられた位置決め部材34によって決定される。本実施の形態では、メインスライダ11が位置決め部材34に接触しているときのトレー1の位置が、第2のポジションである。
【0065】
また、図7(b)に示した状態では、トレー1とサブスライダ16との位置関係は変わらないため、軸7と溝18との位置関係も変わらず、トレー1は水平状態のままである。一方、アーム部材25は、上述したように、フレーム36に取り付けられており、メインスライダ11と一緒に移動しない。よって、アーム部材25とサブスライダ16との位置関係は変化し、軸28の溝19内における相対位置も変化する。具体的には、図7(b)に示すように、アーム部材25の軸28は、溝19により下方へと移動するため、アーム部材25のC型部分26(図3参照)の位置が下降する。コネクタ23は、トレー1に載置されている分析用具40に接近する。
【0066】
次に、図7(c)に示した状態、即ち、図6にも示したように、サブスライダ16のみが奥側に移動すると、アーム部材25の軸28は、溝19の下段に移動し、コネクタ23は分析用具40に接続される。また、トレー1の軸7は、軸28が完全に溝19の下段に移動した後、溝18の下段へと移動する。そして、トレー1が揺動し、その保持部2が下方に移動するため、保持部2による分析用具40の保持は解除される。そして、分析用具40は、コネクタ23と支持部29とで挟み込まれた状態となり、コネクタ23によって回転可能となる。この状態で光学測定が行われる。
【0067】
本実施の形態では、サブスライダ16とトレー1とを連結しているカム機構は、トレー1の保持部2を下方へと移動させる前に、アーム部材25に取り付けられたコネクタ23を分析用具40に接続させているが、これに限定されるものではない。本実施の形態は、サブスライダ16とトレー1とを連結しているカム機構が、保持部2を下方へと移動させると同時に、コネクタ23を分析用具40に接続させる態様であっても良い。
【0068】
このように、図3〜図7に示した駆動機構10によれば、トレー1の引き込み、引き出し、トレー1による分析用具40の保持及びその解除、コネクタ23の接続及びその解除といった動作が、メインスライダ11とサブスライダ16の摺動のみによって可能となる。また、この摺動方向は同一である。よって、後述するように、動力伝達のための機構(動力伝達機構)の構成を単純化できる。また、センサや制御装置を用いることなく、各動作間の動作タイミングをとることもできるので、分析装置30のコストの増大化が抑制される。
【0069】
図3〜図7においては、図示していないが、メインスライダ11及びサブスライダ16の移動は、分析装置30内の動力源から伝達される動力によって行われる。本実施の形態において、動力伝達のための機構(動力伝達機構)は、特に限定されるものではないが、例えば、図8に示すものがあげられる。
【0070】
ここで、本実施の形態において採用される動力伝達機構の一例について図8を用いて説明する。図8は、本実施の形態における動力伝達機構の一例を示す図である。図8(a)はトレーが分析装置の内部に位置している状態を示している。図8(b)はトレーが分析装置の外部に位置している状態を示している。
【0071】
図8(a)及び(b)の例では、動力源として、電動機55が用いられている。また、電動機55の動力は、ベルト53によって、メインスライダ11及びサブスライダ16に伝達される。具体的には、図8(a)及び(b)に示すように、サブスライダ16は、軸受部20において、ベルト53に固定されている。電動機55の出力軸を回転させ、ベルト53を移動させると、それにより、サブスライダ16は移動する。図8(a)及び(b)において、56、57、58及び59はプーリーを示している。
【0072】
一方、メインスライダ11は、ベルト53に固定されていないため、ベルト53の動きに常に追随して動くことはない。但し、代わりに、メインスライダ11は、軸受部13bの下方側(図8(a)及び(b)において紙面上方側)に、突き出しと引き込みとが可能な突起52を備えている。また、メインスライダ11は、軸受部13bの奥側には、突き出しと引き込みが可能なピン51も備えている。
【0073】
このピン51と突起52とは、連動しており、図8(b)に示すように、ピン51が突き出ているときは、突起52も突き出た状態となる。一方、図8(a)に示すように、メインスライダ11が、位置決め部材34に接触し、これにより、ピン51が引き込まれると、突起52も引き込まれた状態となる(引き込まれた状態は破線で示されている)。
【0074】
突起52は、ベルト53に設けられた突起状の引掛り部54に引っ掛かることができる。突起52が、ベルト53の移動方向の反対側の部分で、引掛り部54に引っ掛かり、それによって押されたときは、メインスライダ11はベルト53によって移動する。
【0075】
ここで、引き出されたトレー1を分析装置30の内部に引き込む場合について考える(図5参照)。図7(a)に示した状態から図7(b)に示した状態となる場合では、図8(b)に示すように、ピン51は引き込まれておらず、突起52は突き出ている。また、引掛り部54は、サブスライダ11の軸受部20がメインスライダの手前側の軸受部13aに接触しているときに、突起52の手前側(図8中下側)に接触するように、ベルト53に設けられている。
【0076】
よって、図8(b)に示すように、図7(a)の状態では、突起52は、その手前側で引掛り部54に引っ掛かる。このため、電動機53がプーリー56を時計回りに回転させると、メインスライダ11はベルト53によって奥側(図8中上側)へと移動する。このとき、サブスライダ16も一緒に奥側へと移動する。
【0077】
そして、メインスライダ11が位置決め部材34に接触すると(図7(b)に示した状態)、ピン51が引き込まれ、それにより、突起52も引き込まれる。この場合、ベルト53は更に移動できるので、図8(a)に示すように、サブスライダ16(軸受部20)のみが、ベルト53によって、より奥側へと移動する(図5及び図7(c)参照)。
【0078】
次に、引き込まれたトレー1を引き出して、分析用具40を取り出す場合について考える。先ず、図7(c)に示した状態から図7(b)に示した状態となる場合は、電動機55がプーリー56に動力を伝達し、ベルト53が半時計周りに移動する。これにより、図8(a)に示すように、サブスライダ16は手前側(図8中下側)に移動し、その軸受部20はメインスライダ11の軸受部13aに接触する。
【0079】
更に、ベルト53の移動が進むと、メインスライダ11はサブスライダ16に押されながら、位置決め部材35に接触するまで手前側に移動する。また、メインスライダ11の軸受部13bが位置決め部材34から離れると、ピン51が引き出され、それによって突起52が突き出した状態となる(図8(b)参照)。
【0080】
このように、図8に示す動力伝達機構を用いれば、電動機55の動力軸を時計回り又は反時計回りのいずれかに回転させるだけで、トレー1の引き込み、引き出し、トレー1による分析用具40の保持及びその解除や、コネクタ23の接続及びその解除が可能となる。このとき、電動機55を高い精度で制御する必要性や、位置検出用のセンサを用いる必要性は無い。よって、図8に示す動力伝達機構を用いれば、ステップ角の粗いステッピングモータや、安価なDCモータを電動機55として用いることができるため、分析装置30のコストの削減化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上のように、本発明は、分析用具を用いて、試料に対して光学測定を実施する分析装置に有用となる。よって、本発明の分析装置は、産業上の利用可能性を有している。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1は、本発明の実施の形態における分析装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態において用いられる分析用具の一例を示す分解斜視図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態における分析装置の主な構成部材を示す分解斜視図である。
【図4】図4は、図3に示されたサブスライダを示す斜視図であり、図4(a)及び図4(b)はそれぞれ投影角度の点で異なっている。
【図5】図5は、図3及び図4に示した構成部材の組み立て図であり、トレーが装置の外に飛び出た状態(第1のポジション)を示している。
【図6】図6は、図3及び図4に示した構成部材の組み立て図であり、トレーが装置内部に引き込まれた状態(第2のポジション)を示している。
【図7】図7は、本実施の形態の分析装置の動作を概略的に示す図であり、図7(a)〜図7(c)は一連の動作を示している。
【図8】図8は、本実施の形態における動力伝達機構の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0083】
1 トレー
2 保持部
3 開口部
4 位置決め部
5 凸部
6 軸孔
7 軸(従動節:カムフォロワ)
8 光源部
9 受光部
10 駆動機構
11 メインスライダ
12 本体部
13a、13b 軸受部
14 軸孔
15 軸
16 サブスライダ
17a、17b 側壁
18 溝(カム溝)
19 カム溝
20 軸受部
21 軸孔
22a、22b スライド軸
23 コネクタ
23a 回転体
23b ホルダー
24 接続ピン
25 アーム部材
25a、25b Cを構成している端部
26 C形の部分
27 取り付け穴
28 軸(従動節:カムフォロワ)
29 支持部
30 分析装置
31 ディスプレイ
32 キー
33 トレー飛出口
34 位置決め部材(引き込み位置)
35 位置決め部材(飛び出し位置)
36 フレーム
40 分析用具(バイオチップ)
41 透明基板
42 透明カバー
43 貯留部
44 セル
45 流路
46 平面部分
47 供給口
48 接続孔
51 接触ピン
52 突起
53 ベルト
54 引掛り部
55 電動機
56 メインプーリー
57、58、59 サブプーリー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析用具のセルに配置された試料に対して光学測定を実施する分析装置であって、
光学測定用の光を出射する光源部と、前記光源部から出射され、前記試料を通過した光又は前記試料で反射された光を受光する受光部と、前記分析用具を載置するためのトレーと、前記トレーを駆動する駆動機構とを備え、
前記トレーは、載置された前記分析用具を定められた位置で保持する保持部を備え、
前記駆動機構は、前記トレーに載置された前記分析用具が当該分析装置の外部に露出する第1のポジションと、載置された前記分析用具が当該分析装置の内部に収容される第2のポジションとの間で、前記トレーを往復運動させ、
前記光源部は、前記トレーが前記第2のポジションにあるときに、出射された光が前記分析用具の前記セルに入射するように配置され、
前記受光部は、前記トレーが前記第2のポジションにあるときに、前記セルを通過した光が受光されるように配置されていることを特徴とする分析装置。
【請求項2】
前記分析用具が、円弧状に配列された複数個の前記セルを備えている場合であって、
前記トレーが、前記分析用具が載置される部分に、開口部を備え、
当該分析装置が、前記分析用具に接続されるコネクタと、前記開口部を介して前記分析用具を支持する支持部とを更に備え、
前記コネクタは、前記トレーが前記第2のポジションにあるときに、前記円弧の中心に対向する位置で前記分析用具に接続され、
前記支持部は、前記コネクタに対向する位置で前記分析用具を支持し、
前記コネクタによる接続と前記支持部による支持とが行われると、前記保持部による前記分析用具の保持が解除される請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記開口部の側壁の全部または一部が、前記分析用具の外形に整合するように形成され、
前記開口部の側壁には、前記開口部の内側に向かって突き出した凸部が形成され、
前記分析用具の外形に整合するように形成された部分と前記凸部とが、前記保持部として機能する請求項2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記駆動機構が、前記トレーの往復運動の方向に沿って摺動する第1のスライダ及び第2のスライダを備え、
前記第1のスライダは、前記トレーの摺動方向とそれに載置された前記分析用具の法線方向とに垂直な軸を中心にして前記トレーが揺動するように、前記トレーの前記第2のポジション側の部分と連結され、
前記第2のスライダは、カム機構を介して、前記トレーに連結され、
前記カム機構は、前記第2のスライダの位置に応じて、前記トレーが、前記軸を中心に揺動するように構成され、
前記カム機構による前記トレーの揺動により、前記トレーの前記保持部が移動したときに、前記保持部による前記分析用具の保持が解除される請求項2に記載の分析装置。
【請求項5】
当該分析装置が、前記コネクタと前記第2のスライダとを連結するアーム部材を更に備え、
前記アーム部材は、前記第2のスライダの位置に応じて、前記コネクタが前記分析用具から離れたところに位置するポジションとそれが前記分析用具に接続するポジションとの間で、前記コネクタを往復運動させ、且つ、前記カム機構が前記トレーの前記保持部を移動させたとき、又は移動させる前に、前記コネクタを前記分析用具に接続させる請求項4に記載の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−109198(P2009−109198A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−278462(P2007−278462)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(000141897)アークレイ株式会社 (288)
【Fターム(参考)】