分枝型ステントデリバリーシステム
遠位端に側枝管部を有する第1カテーテル;第1カテーテルの周りに取り付けた、遠位端に主管部を有する第2カテーテル;第1カテーテルの側枝管部に取り付けた側枝管装具;及び第2カテーテルの主管部に取り付けた主管装具を備えるインターベンショナルデリバリーシステム。主管装具と側枝管装具は治療部位に同時に送達することが可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に拡張型の管腔内人工装具たとえばステントグラフトなどを送達するデリバリーシステム及び方法に、特に単一の挿入用切開部を介して鋭角分岐ステントグラフトを留置するための装置及び方法に関する。拡張型外科装具たとえばステント又はステントグラフトは人体の様々な部位で動脈瘤の修復や種々の解剖学的管腔たとえば血管、気管、胃腸管などのサポートに使用されている。
【背景技術】
【0002】
通常、この種の装具は動脈瘤に対して、又は体の標的とする管腔狭窄部に、動脈瘤を修復するために又は管腔の通りを維持するために展開される。ステントグラフト移植術は比較的非侵襲性の処置であるため、たとえば動脈瘤の修復では外科手術に代わる好ましい方法となっている。分枝状の管腔系たとえば冠血管系や末梢血管系には幹−分枝構造の分岐型装具の使用が特に好適である。冠血管系には左右の総頸動脈、左前下行及び回旋動脈・枝などが含まれる。末梢血管系には頸動脈、大動脈、大腿動脈、膝窩動脈、内腸骨動脈及び関連動脈などの各分枝が含まれる。そうした分岐型装具の留置はかなり面倒な場合があり、また少なくとも2本の側枝を経由した、又は幹と1本の側枝とを経由した、動脈分岐部へのアプローチを伴うこともしばしばである。それでは処置に時間がかかるばかりでなく、患者の体に設ける切開部が多くなりかねないし、手術のための手技も複雑化しかねない。たとえば内腸骨動脈の修復などのように、鋭角につまり逆方向に枝分かれした側枝にアクセスする場合は、さらに面倒になる。米国特許第6,645,242号明細書はプライマリーステント部とプライマリーグラフトスリーブとを備え、主流路を形成しかつ側面開口部を有する分岐型静脈内ステントグラフトを開示している。
【0003】
しかし、外科的な処置をもっと単純化するような鋭角脈管系内への分岐型ステントグラフトの留置を可能にするステントグラフトデリバリーシステムの必要性は残っている。外科的な処置の単純化により切開部の数又はサイズが小さくなり、外科的な手順も少なくなるし、より複雑な処置に付随する患者の外傷も緩和される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、インターベンショナルデリバリーシステムであって、遠位端に側枝管部を有する第1カテーテル;第1カテーテルの周りに取り付けた、遠位端に主管部を有する第2カテーテル;及び第1カテーテルの側枝管部に取り付けた側枝管装具を備え、主管部と側枝管装具が治療部位に同時に送達されること、またさらに第2カテーテルは第2カテーテル遠位端近くの側壁に第1カテーテルの側枝管部を通すための開口部を有することを特徴とするインターベンショナルデリバリーシステムを提供する。第2カテーテルは、分岐ガイドワイヤを囲みかつ分岐ガイドワイヤの管腔からの抜去を容易にする回収チューブを備えてもよい。少なくとも2つの遠位チップを有する分岐ガイドワイヤは第1カテーテルと用いてもよい。2つの遠位チップは反対方向を向いており、一方の遠位チップは先端、他方の遠位チップは逆向き端である。
【0005】
本発明はさらに、遠位端に側枝管部を有する第1カテーテル;第1カテーテルの周りに取り付けた、遠位端に主管部を有する第2カテーテル;第1カテーテルの側枝管部に取り付けた側枝管装具;及び第2カテーテルの主管部に取り付けた主管装具を提供する。主管装具と側枝管装具は治療部位に同時に送達される。
【0006】
分枝型ステントアセンブリを展開する方法であって、分岐ガイドワイヤの上でカテーテルアセンブリを治療部位まで進める手順;カテーテルアセンブリを主管内に配置する手順;分岐ガイドワイヤを引っ張ってガイドワイヤの逆向きチップを側枝管の中に配置する手順;主管装具を主管内に展開する手順;次いで側枝管装具を所期の位置まで進める手順;及び側枝管装具を展開する手順を含んでなる方法もまた提供される。ステント展開後のデリバリーアセンブリの抜去はガイドワイヤと第1カテーテルを、ガイドワイヤの逆向きチップと第1カテーテルの逆向き部分が側枝管から引っ込められるまで進めて、分岐ガイドワイヤを第1及び第2カテーテルと共に抜去しうるようにすることで、容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】管腔に挿入した状態の第1カテーテルと第2カテーテルとを備えるインターベンショナルデリバリーシステムを示す。
【図2A】インターベンショナルデリバリーシステムの第1カテーテルを示す。図2Aは湾曲シャフト構造である。
【図2B】インターベンショナルデリバリーシステムの第1カテーテルを示す。図2Bは結合具使用のシャフト構造である。
【図3】先端部と逆向き部とを備える分岐ガイドワイヤアセンブリを示す。
【図4A】分岐ガイドワイヤ用の湾曲シャフトと頂点開口部とを備える第1カテーテルシャフトの、側枝管部に側枝管装具を取り付けた状態を示す。
【図4B】分岐ガイドワイヤ用の結合具使用のシャフト構造を備える第1カテーテルの、側枝管部に側枝管装具を取り付けた状態を示す。
【図5】側枝管部の拡大図であり、取り付けられた側枝管装具がシース内に拘束されている状態を示す。
【図6A】側枝用開口部を備える第2カテーテルの側面図である。
【図6B】側枝用開口部を備える第2カテーテルの側面図である。
【図7】拡張状態の本体ステントグラフトの等角図である。
【図8】本体ステントの部分断面図であり、併せて分岐ガイドワイヤと側枝管装具を備えた第1カテーテルとを示す。
【図9】本体ステントの部分断面図であり、併せて分岐ガイドワイヤと第2カテーテル内に納めた側枝管装具を備えた第1カテーテルとを示す。本体ステントに被さる拘束シース及び本体ステントと拘束シースの各開口も示す。
【図10A】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。遠位装具部は分枝管に隣接する主管内に位置している。
【図10B】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。遠位装具部は分枝管に隣接する主管内に位置している。
【図11A】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。鋭角に付いた側枝管の中へ逆向きガイドワイヤが送り込まれている。
【図11B】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。鋭角に付いた側枝管の中へ逆向きガイドワイヤが送り込まれている。
【図12A】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。本体ステントが拡張状態にある。
【図12B】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。本体ステントが拡張状態にある。
【図13A】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。第1カテーテルの逆向き部が拘束された側枝装具と共に、鋭角に付いた側枝管の中へと進められている。
【図13B】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。第1カテーテルの逆向き部が拘束された側枝装具と共に、鋭角に付いた側枝管の中へと進められている。
【図14A】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。側枝ステントが拡張状態にある。
【図14B】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。側枝ステントが拡張状態にある。
【図15A】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。第1カテーテルの逆向き部とガイドワイヤが回収チューブの中へと進められている。
【図15B】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。第1カテーテルの逆向き部とガイドワイヤが回収チューブの中へと進められている。
【図16A】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。第1カテーテル、第2カテーテル及びガイドワイヤが治療部位から引き抜かれている。
【図16B】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。第1カテーテル、第2カテーテル及びガイドワイヤが治療部位から引き抜かれている。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は鋭角脈管系内に分岐型ステントグラフトを留置するためのインターベンショナルデリバリーシステムを提供する。鋭角脈管系は腎血管、鎖骨下動脈、胆管、前立腺血管に、また他の非血管系にも存在する。ステント留置術の難関は大腿動脈などのような主管から逆向きの鋭角分枝管への展開である。本発明は、鋭角脈管系内への分岐型ステントグラフトの留置に必要な切開部の数又はサイズを小さくし、また外科的な手順を減らし、より複雑な従来の処置に付随する患者の外傷を緩和するような装置及び方法を提供する。図1に示すように、本発明はインターベンショナルデリバリーシステム30を提供するが、該システムは第1カテーテルシャフト32、第2カテーテルアセンブリ34A又は34B、第1カテーテルハブアセンブリ36、第2カテーテルハブアセンブリ38、分岐ガイドワイヤ先端チップ40、分岐ガイドワイヤ逆向きチップ42、分岐ガイドワイヤ近位端44、及び装具アセンブリ46を備える。インターベンショナルデリバリーシステム30は図では、解剖学的主管48の中に、装具アセンブリ46が解剖学的側枝管50の近くに配置されるように、配置されている。以下の図で説明するように、装具アセンブリ46は展開されて、主管48内の本体ステントを、側枝管50内の一体型側枝管ステントと共に、形成することになろう。
【0009】
図2ないし9に示すのは(図1の)インターベンショナルデリバリーシステム30の様々なサブコンポーネント及びアセンブリである。図2Aに示すのは第1カテーテルハブアセンブリ36を有する第1カテーテルアセンブリ52Aである。ハブアセンブリ36は灌流ポート54、分岐ガイドワイヤポート56、展開ラインポート60から突き出ている側枝展開ライン58を含む。第1カテーテルアセンブリ52Aはさらに、頂点開口部62Aを有する第1カテーテルシャフト32を備える。頂点開口部62Aは図のように第1カテーテルシャフト32の壁に設けた切り抜き穴である。第1カテーテルシャフトは図のように頂点開口部62A付近で湾曲し、逆向き部64を形成する。逆向き部64は側枝装具部66と側枝装具−頂点開口部間隔68とを有する。
【0010】
図2Bに示すように、第1カテーテルアセンブリ52Bは第1カテーテルハブアセンブリ36を有する。ハブアセンブリ36は灌流ポート54、分岐ガイドワイヤポート56、展開ラインポート60から突き出ている側枝展開ライン58を含む。第1カテーテルアセンブリ52Bはさらに、頂点開口部62Bを有する第1カテーテルシャフト32を備える。頂点開口部62Bは図のようにカテーテルシャフト32の切断開放端を備える。両切断端は結合部70で結合され、2つの切断されたシャフトが図のように逆向き部64を形成する。逆向き部64は側枝装具部66と側枝装具−頂点開口部間隔68とを有する。
【0011】
図3に示すのは、近位端74と主部76とを有する分岐ガイドワイヤアセンブリ72である。ガイドワイヤ主部76の遠位部には結合部78があり、ガイドワイヤ先端部80とガイドワイヤ逆向き部82を区切っている。ガイドワイヤ先端部は先端チップ84を有し、またガイドワイヤ逆向き部は逆向きチップ86を有する。
【0012】
図4Aは第1カテーテルアセンブリ(図2Aの52A)と分岐ガイドワイヤアセンブリ(図3の72)の合体状況を示す。図2A、3及び4Aを参照すると、分岐ガイドワイヤアセンブリ72は第1カテーテルアセンブリ52A内にある。頂点開口部62Aからは分岐ガイドワイヤ結合部78がガイドワイヤ先端部80と共に突き出ている。分岐ガイドワイヤポート56からは分岐ガイドワイヤの近位端74が、また第1カテーテルの逆向き部からはガイドワイヤの逆向きチップ86が、それぞれ突き出ている。
【0013】
同様に、図4Bは好ましい実施形態の第1カテーテルアセンブリ(図2Bの52B)と分岐ガイドワイヤアセンブリ(図3の72)の合体状況を示す。図2B、3及び4Bを参照すると、分岐ガイドワイヤアセンブリ72は第1カテーテルアセンブリ52B内にある。頂点開口部62Bからは分岐ガイドワイヤ結合部78がガイドワイヤ先端部80と共に突き出ている。分岐ガイドワイヤポート56からは分岐ガイドワイヤの近位端74が、また第1カテーテルの逆向き部からはガイドワイヤの逆向きチップ86が、それぞれ突き出ている。チューブ対チューブ結合部70は、展開ライン58がその作動時に両チューブ又は頂点開口部に対して摺動しやすいよう、減摩コンポーネント又は機構を含むようにしてもよい。
【0014】
図5に示すのは、側枝装具部66と側枝装具−頂点開口部間隔68とを含む逆向き部64の部分断面図である。分岐ガイドワイヤ72の逆向きチップ44がオリーブ88から出ている。側枝収容部94には拘束された自己拡張型側枝装具90が位置する。側枝装具90は拘束シース92により圧縮状態で保持されている。拘束シースには側枝装具展開ライン58が取り付けられ又は一体化されている。
【0015】
図6A及び6Bは第2カテーテルの2実施形態の側面図である。図6Aに示すのは、第2カテーテルハブアセンブリ38を有する第2カテーテルアセンブリ34Aである。第2カテーテルハブアセンブリはさらに近位灌流ポート54を備える。ハブアセンブリは第2カテーテル本体96に結合してある。第2カテーテル本体96の遠位端付近にはカテーテル壁の切り抜き部により形成された側枝装具用開口部98がある。開口部98により、後で第2カテーテルから分岐ガイドワイヤと側枝装具を送り出すことが可能になる。展開後は、分岐ガイドワイヤを開口部98から第2カテーテル内に引き込んで抜去することが可能である。第2カテーテル本体の遠位端には回収チューブ部100がある。このチューブ部は装具展開後に分岐ガイドワイヤを「回収(capture)」するもので、外傷を伴わないガイドワイヤ及びデリバリーシステムの抜去を可能にする。
【0016】
同様に、図6Bは第2カテーテルアセンブリ34Bの別の実施形態を示す。第2カテーテル本体96の遠位端は、少なくとも1つの本体/回収チューブ結合部材102で回収チューブ部100に結合してある。したがって、本体96と回収チューブ102は結合部材102により隔てられかつ結合されている。本体と回収チューブの間のすき間は開口部98を形成するが、これは図6Aの開口部98と機能的に類似する。
【0017】
図7は拡張状態の本体装具104の等角図である。本体装具壁に開口106を設け、後で側枝装具の挿入及び該開口/本体への取り付けが可能なようにしてある。
【0018】
図8は第1カテーテルアセンブリ52Bを囲む本体装具104の部分断面図である。(図4Bに示したように)分岐ガイドワイヤ72が第1カテーテル内にある。拘束された側枝装具を備えた第1カテーテルの逆向き部が本体ステントの開口106から突き出ている。第1カテーテルの逆向き部から出ているのは分岐ガイドワイヤの逆向きチップ42である。また第1カテーテルシャフト32及び頂点開口部62Bも示している。
【0019】
図9は前の図8に示したコンポーネント及び第2カテーテル34B(図6Bを参照)の部分断面図である。第2カテーテル本体96は少なくとも1つの結合部材102で回収チューブ部100に結合されている。分岐ガイドワイヤの遠位端は回収チューブ部100内にある。第1カテーテルシャフト32は第2カテーテル本体96内にある。拘束シース92と取り付け型又は一体型の本体展開ライン109も示されている。拘束シース92内の開口108からは第1カテーテルの逆向き部が突き出している。
【0020】
本発明の本体及び側枝用ステントを送達し展開する手順を図10ないし16で説明する。
【0021】
展開手順1
図10Aは、図1のものと同等のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位端の部分断面図である。装具アセンブリは当初、解剖学的主管48の中で、解剖学的側枝管50の近くになるように配置される。分岐ガイドワイヤの先端チップ40と分岐ガイドワイヤの逆向きチップ42が示されている。装具アセンブリ(図1の46)はすでに拡張されて、図9に示すような内部コンポーネントを見せている。図10Bは図1のものと同様のインターベンショナルデリバリーシステムの近位端を示す。第1カテーテルハブアセンブリ36と第2カテーテルハブアセンブリ38が示されている。
【0022】
展開手順2
図11A及び11Bは分岐ガイドワイヤ逆向きチップ44が側枝管50の中に、矢印110で示す方向に沿って送り込まれるところを示す。ガイドワイヤ逆向きチップ42は、ガイドワイヤ近位端44を(矢印112で示す方向へと)引くことによって送り込まれる。ガイドワイヤ近位端44が引かれるとき、2つのハブアセンブリ36、38は動かないように保持される。ガイドワイヤ近位端が引かれると、ガイドワイヤ先端チップ40は頂点開口部62Bに向かって、矢印114で示す方向へと移動する。そのためガイドワイヤ逆向きチップ42は側枝管50の中に、矢印110で示す方向へと、送り込まれる。
【0023】
展開手順3
図12A及び12Bを参照すると、本体ステント104は本体ステント展開ライン109を、矢印116で示す方向へと引くことにより展開される。拘束シース(図9の92)を拘束解除すると、本体ステントは矢印118で示す方向へと自己拡張できるようになる。展開ラインが引かれるとき、2つのハブアセンブリ36、38は動かないように保持される。なおガイドワイヤ及び/又は側枝装具は本体装具104の開口106を通して位置決めされる。
【0024】
展開手順4
次いで、図13A及び13Bに示すように、側枝装具を側枝管の中に送り込む。第2カテーテルハブアセンブリ38を動かないよう保持したまま、ガイドワイヤ44と第1カテーテルハブアセンブリ36を同時に引くことにより、側枝装具は矢印120で示す方向に沿って移動する。この手順を容易にするため、随意にガイドワイヤを第1カテーテルハブアセンブリ36に固定してもよい。ガイドワイヤとハブアセンブリが引かれると、ガイドワイヤの遠位チップ40が矢印124で示す方向に移動して、本体装具開口106を通して矢印120で示す方向に側枝管系50の中へと側枝管装具が部分的に送り込まれる。
【0025】
展開手順5
次に、図14A及び14Bに示すように、側枝展開ライン58を矢印126で示す方向に引き、側枝装具66を矢印128で示す方向に自己拡張させる。なお、側枝装具は本体装具開口106内に部分的に格納され、かつ該開口に拘束されている。展開ラインが引かれるとき、2つのハブアセンブリ36、38は動かないように保持される。
【0026】
展開手順6
図15A及び15Bを参照すると、矢印130で示す方向に沿って第1カテーテルの逆向き部64を拡張させた側枝装具から引き戻し、回収チューブ100の中に引き込むことにより、本発明のデリバリーシステムは血管系から抜き去られる。第1カテーテルの逆向き部は、第1カテーテルハブアセンブリ36をガイドワイヤ44と共に、矢印132で示す方向に沿って押すことにより、回収チューブの中に押し込まれる。第1カテーテルハブアセンブリとガイドワイヤを進めるときは、第2カテーテルハブアセンブリ38は動かないように保持される。
【0027】
展開手順7
第1カテーテルハブアセンブリ36、ガイドワイヤ近位端44及び第2カテーテルハブアセンブリ38を図16A及び16Bの矢印134で示す方向へと同時に引いて本発明の装具及びシステムの送達を完了させる。分岐ガイドワイヤと第1カテーテルの逆向き部64とを格納した回収チューブ100は外傷を伴うことなく血管系から抜去され、拡張した本体装具104と付属の側枝装具66が血管系内に留置される。
【0028】
図7に戻ると、本体装具104には側壁に1つの開口106が設けてある。別の構造として、2、3、4、5、6個又はさらに多くの側枝開口を本体装具に設けてもよい。本発明の種々のカテーテルに複数の装具を組み込んでもよく、たとえば第1カテーテルに2つ以上の側枝装具を組み込んでもよい。本体と側枝装具の間のシール又は締まりばめは「シールスリーブ」の導入により強化してもよい。そうしたシールスリーブの開示についてはQuinnに対する米国特許第6,645,242号の明細書を参照。本体装具に複数のシールスリーブを導入して複数の側枝装具のシール又は取り付けを強化してもよい。シールスリーブは人体ステントの管腔に対し「内面」、「外面」いずれのスリーブでもよいし、また特定構造の側枝装具をシールするように形状とサイズを決めてもよい。
【0029】
本発明に使用するステントは裸(無コート)でも、種々の薬剤溶出性、抗血栓性などのコーティングでコートしても、あるいは(ステントグラフトのように)部分的な又は完全なカバーを備えてもよい。血管系への固定を容易にするため、本体装具及び/又は側枝装具にアンカー機構たとえばかかり(barbs)、「フィシュスケール(fish-scales)」、生物学的付着手段などを組み込んでもよい。
【0030】
本体ステント及び/又は側枝ステントは断面形状が均一でもよいし、テーパー、トランペットエンド形、「ドッグボーン」形、曲線断面形状などのように不均一にして、特定の治療部位で装具の性能を高めてもよい。本発明の複数の装具は連結又は相互接続してマルチコンポーネント系にしてもよい。本発明の装具は、複数の装具間の相互接続又は「ドッキング」を可能にする又は強化するような機能を含んでもよい。
【0031】
血管系内の留置及び視覚化を容易にするため、本体装具、本発明に使用される種々のカテーテル及び/又は側枝装具に放射線不透過性のマーカー又は表示部を組み込んでもよい。
【0032】
本発明の装具は臓器の非血管系導管、中空又は管状部分たとえば胆道、膀胱、尿道、胃食道、気管支、胆管、及び他管路の治療に使用してもよい。本発明の装具が特に好適なのは、非限定的な例として、本体に対し「鋭」角をなす側枝管などである(たとえば図1を参照)。
【0033】
本発明の装具は自己拡張型だけでなくバルーン拡張型でもよい。たとえば本発明の第1カテーテルは特定の装具を拡張する必要に応じて単数又は複数のバルーン及び膨張用ルーメンを組み込むことができる。本発明では自己拡張型とバルーン拡張型の装具を組み合わせた構成にすることも可能である。また、別個のバルーン拡張器の使用も本発明の範囲内である。
【0034】
本発明のカテーテルコンポーネントは通常の材料たとえばナイロン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリシロキサン、ステンレス鋼、ニチノール、又は他の生体適合材料で製作できる。
【0035】
以上、本発明の特定の実施形態を図解、説明してきたが、本発明は以上の図解及び説明に限定されない。以下の特許請求の範囲内で種々の変化及び態様変更を本発明の一部として組み込み、実施しうるのは自明である。
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に拡張型の管腔内人工装具たとえばステントグラフトなどを送達するデリバリーシステム及び方法に、特に単一の挿入用切開部を介して鋭角分岐ステントグラフトを留置するための装置及び方法に関する。拡張型外科装具たとえばステント又はステントグラフトは人体の様々な部位で動脈瘤の修復や種々の解剖学的管腔たとえば血管、気管、胃腸管などのサポートに使用されている。
【背景技術】
【0002】
通常、この種の装具は動脈瘤に対して、又は体の標的とする管腔狭窄部に、動脈瘤を修復するために又は管腔の通りを維持するために展開される。ステントグラフト移植術は比較的非侵襲性の処置であるため、たとえば動脈瘤の修復では外科手術に代わる好ましい方法となっている。分枝状の管腔系たとえば冠血管系や末梢血管系には幹−分枝構造の分岐型装具の使用が特に好適である。冠血管系には左右の総頸動脈、左前下行及び回旋動脈・枝などが含まれる。末梢血管系には頸動脈、大動脈、大腿動脈、膝窩動脈、内腸骨動脈及び関連動脈などの各分枝が含まれる。そうした分岐型装具の留置はかなり面倒な場合があり、また少なくとも2本の側枝を経由した、又は幹と1本の側枝とを経由した、動脈分岐部へのアプローチを伴うこともしばしばである。それでは処置に時間がかかるばかりでなく、患者の体に設ける切開部が多くなりかねないし、手術のための手技も複雑化しかねない。たとえば内腸骨動脈の修復などのように、鋭角につまり逆方向に枝分かれした側枝にアクセスする場合は、さらに面倒になる。米国特許第6,645,242号明細書はプライマリーステント部とプライマリーグラフトスリーブとを備え、主流路を形成しかつ側面開口部を有する分岐型静脈内ステントグラフトを開示している。
【0003】
しかし、外科的な処置をもっと単純化するような鋭角脈管系内への分岐型ステントグラフトの留置を可能にするステントグラフトデリバリーシステムの必要性は残っている。外科的な処置の単純化により切開部の数又はサイズが小さくなり、外科的な手順も少なくなるし、より複雑な処置に付随する患者の外傷も緩和される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、インターベンショナルデリバリーシステムであって、遠位端に側枝管部を有する第1カテーテル;第1カテーテルの周りに取り付けた、遠位端に主管部を有する第2カテーテル;及び第1カテーテルの側枝管部に取り付けた側枝管装具を備え、主管部と側枝管装具が治療部位に同時に送達されること、またさらに第2カテーテルは第2カテーテル遠位端近くの側壁に第1カテーテルの側枝管部を通すための開口部を有することを特徴とするインターベンショナルデリバリーシステムを提供する。第2カテーテルは、分岐ガイドワイヤを囲みかつ分岐ガイドワイヤの管腔からの抜去を容易にする回収チューブを備えてもよい。少なくとも2つの遠位チップを有する分岐ガイドワイヤは第1カテーテルと用いてもよい。2つの遠位チップは反対方向を向いており、一方の遠位チップは先端、他方の遠位チップは逆向き端である。
【0005】
本発明はさらに、遠位端に側枝管部を有する第1カテーテル;第1カテーテルの周りに取り付けた、遠位端に主管部を有する第2カテーテル;第1カテーテルの側枝管部に取り付けた側枝管装具;及び第2カテーテルの主管部に取り付けた主管装具を提供する。主管装具と側枝管装具は治療部位に同時に送達される。
【0006】
分枝型ステントアセンブリを展開する方法であって、分岐ガイドワイヤの上でカテーテルアセンブリを治療部位まで進める手順;カテーテルアセンブリを主管内に配置する手順;分岐ガイドワイヤを引っ張ってガイドワイヤの逆向きチップを側枝管の中に配置する手順;主管装具を主管内に展開する手順;次いで側枝管装具を所期の位置まで進める手順;及び側枝管装具を展開する手順を含んでなる方法もまた提供される。ステント展開後のデリバリーアセンブリの抜去はガイドワイヤと第1カテーテルを、ガイドワイヤの逆向きチップと第1カテーテルの逆向き部分が側枝管から引っ込められるまで進めて、分岐ガイドワイヤを第1及び第2カテーテルと共に抜去しうるようにすることで、容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】管腔に挿入した状態の第1カテーテルと第2カテーテルとを備えるインターベンショナルデリバリーシステムを示す。
【図2A】インターベンショナルデリバリーシステムの第1カテーテルを示す。図2Aは湾曲シャフト構造である。
【図2B】インターベンショナルデリバリーシステムの第1カテーテルを示す。図2Bは結合具使用のシャフト構造である。
【図3】先端部と逆向き部とを備える分岐ガイドワイヤアセンブリを示す。
【図4A】分岐ガイドワイヤ用の湾曲シャフトと頂点開口部とを備える第1カテーテルシャフトの、側枝管部に側枝管装具を取り付けた状態を示す。
【図4B】分岐ガイドワイヤ用の結合具使用のシャフト構造を備える第1カテーテルの、側枝管部に側枝管装具を取り付けた状態を示す。
【図5】側枝管部の拡大図であり、取り付けられた側枝管装具がシース内に拘束されている状態を示す。
【図6A】側枝用開口部を備える第2カテーテルの側面図である。
【図6B】側枝用開口部を備える第2カテーテルの側面図である。
【図7】拡張状態の本体ステントグラフトの等角図である。
【図8】本体ステントの部分断面図であり、併せて分岐ガイドワイヤと側枝管装具を備えた第1カテーテルとを示す。
【図9】本体ステントの部分断面図であり、併せて分岐ガイドワイヤと第2カテーテル内に納めた側枝管装具を備えた第1カテーテルとを示す。本体ステントに被さる拘束シース及び本体ステントと拘束シースの各開口も示す。
【図10A】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。遠位装具部は分枝管に隣接する主管内に位置している。
【図10B】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。遠位装具部は分枝管に隣接する主管内に位置している。
【図11A】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。鋭角に付いた側枝管の中へ逆向きガイドワイヤが送り込まれている。
【図11B】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。鋭角に付いた側枝管の中へ逆向きガイドワイヤが送り込まれている。
【図12A】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。本体ステントが拡張状態にある。
【図12B】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。本体ステントが拡張状態にある。
【図13A】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。第1カテーテルの逆向き部が拘束された側枝装具と共に、鋭角に付いた側枝管の中へと進められている。
【図13B】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。第1カテーテルの逆向き部が拘束された側枝装具と共に、鋭角に付いた側枝管の中へと進められている。
【図14A】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。側枝ステントが拡張状態にある。
【図14B】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。側枝ステントが拡張状態にある。
【図15A】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。第1カテーテルの逆向き部とガイドワイヤが回収チューブの中へと進められている。
【図15B】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。第1カテーテルの逆向き部とガイドワイヤが回収チューブの中へと進められている。
【図16A】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。第1カテーテル、第2カテーテル及びガイドワイヤが治療部位から引き抜かれている。
【図16B】本発明のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位装具部と近位ハブ部の部分断面図である。第1カテーテル、第2カテーテル及びガイドワイヤが治療部位から引き抜かれている。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は鋭角脈管系内に分岐型ステントグラフトを留置するためのインターベンショナルデリバリーシステムを提供する。鋭角脈管系は腎血管、鎖骨下動脈、胆管、前立腺血管に、また他の非血管系にも存在する。ステント留置術の難関は大腿動脈などのような主管から逆向きの鋭角分枝管への展開である。本発明は、鋭角脈管系内への分岐型ステントグラフトの留置に必要な切開部の数又はサイズを小さくし、また外科的な手順を減らし、より複雑な従来の処置に付随する患者の外傷を緩和するような装置及び方法を提供する。図1に示すように、本発明はインターベンショナルデリバリーシステム30を提供するが、該システムは第1カテーテルシャフト32、第2カテーテルアセンブリ34A又は34B、第1カテーテルハブアセンブリ36、第2カテーテルハブアセンブリ38、分岐ガイドワイヤ先端チップ40、分岐ガイドワイヤ逆向きチップ42、分岐ガイドワイヤ近位端44、及び装具アセンブリ46を備える。インターベンショナルデリバリーシステム30は図では、解剖学的主管48の中に、装具アセンブリ46が解剖学的側枝管50の近くに配置されるように、配置されている。以下の図で説明するように、装具アセンブリ46は展開されて、主管48内の本体ステントを、側枝管50内の一体型側枝管ステントと共に、形成することになろう。
【0009】
図2ないし9に示すのは(図1の)インターベンショナルデリバリーシステム30の様々なサブコンポーネント及びアセンブリである。図2Aに示すのは第1カテーテルハブアセンブリ36を有する第1カテーテルアセンブリ52Aである。ハブアセンブリ36は灌流ポート54、分岐ガイドワイヤポート56、展開ラインポート60から突き出ている側枝展開ライン58を含む。第1カテーテルアセンブリ52Aはさらに、頂点開口部62Aを有する第1カテーテルシャフト32を備える。頂点開口部62Aは図のように第1カテーテルシャフト32の壁に設けた切り抜き穴である。第1カテーテルシャフトは図のように頂点開口部62A付近で湾曲し、逆向き部64を形成する。逆向き部64は側枝装具部66と側枝装具−頂点開口部間隔68とを有する。
【0010】
図2Bに示すように、第1カテーテルアセンブリ52Bは第1カテーテルハブアセンブリ36を有する。ハブアセンブリ36は灌流ポート54、分岐ガイドワイヤポート56、展開ラインポート60から突き出ている側枝展開ライン58を含む。第1カテーテルアセンブリ52Bはさらに、頂点開口部62Bを有する第1カテーテルシャフト32を備える。頂点開口部62Bは図のようにカテーテルシャフト32の切断開放端を備える。両切断端は結合部70で結合され、2つの切断されたシャフトが図のように逆向き部64を形成する。逆向き部64は側枝装具部66と側枝装具−頂点開口部間隔68とを有する。
【0011】
図3に示すのは、近位端74と主部76とを有する分岐ガイドワイヤアセンブリ72である。ガイドワイヤ主部76の遠位部には結合部78があり、ガイドワイヤ先端部80とガイドワイヤ逆向き部82を区切っている。ガイドワイヤ先端部は先端チップ84を有し、またガイドワイヤ逆向き部は逆向きチップ86を有する。
【0012】
図4Aは第1カテーテルアセンブリ(図2Aの52A)と分岐ガイドワイヤアセンブリ(図3の72)の合体状況を示す。図2A、3及び4Aを参照すると、分岐ガイドワイヤアセンブリ72は第1カテーテルアセンブリ52A内にある。頂点開口部62Aからは分岐ガイドワイヤ結合部78がガイドワイヤ先端部80と共に突き出ている。分岐ガイドワイヤポート56からは分岐ガイドワイヤの近位端74が、また第1カテーテルの逆向き部からはガイドワイヤの逆向きチップ86が、それぞれ突き出ている。
【0013】
同様に、図4Bは好ましい実施形態の第1カテーテルアセンブリ(図2Bの52B)と分岐ガイドワイヤアセンブリ(図3の72)の合体状況を示す。図2B、3及び4Bを参照すると、分岐ガイドワイヤアセンブリ72は第1カテーテルアセンブリ52B内にある。頂点開口部62Bからは分岐ガイドワイヤ結合部78がガイドワイヤ先端部80と共に突き出ている。分岐ガイドワイヤポート56からは分岐ガイドワイヤの近位端74が、また第1カテーテルの逆向き部からはガイドワイヤの逆向きチップ86が、それぞれ突き出ている。チューブ対チューブ結合部70は、展開ライン58がその作動時に両チューブ又は頂点開口部に対して摺動しやすいよう、減摩コンポーネント又は機構を含むようにしてもよい。
【0014】
図5に示すのは、側枝装具部66と側枝装具−頂点開口部間隔68とを含む逆向き部64の部分断面図である。分岐ガイドワイヤ72の逆向きチップ44がオリーブ88から出ている。側枝収容部94には拘束された自己拡張型側枝装具90が位置する。側枝装具90は拘束シース92により圧縮状態で保持されている。拘束シースには側枝装具展開ライン58が取り付けられ又は一体化されている。
【0015】
図6A及び6Bは第2カテーテルの2実施形態の側面図である。図6Aに示すのは、第2カテーテルハブアセンブリ38を有する第2カテーテルアセンブリ34Aである。第2カテーテルハブアセンブリはさらに近位灌流ポート54を備える。ハブアセンブリは第2カテーテル本体96に結合してある。第2カテーテル本体96の遠位端付近にはカテーテル壁の切り抜き部により形成された側枝装具用開口部98がある。開口部98により、後で第2カテーテルから分岐ガイドワイヤと側枝装具を送り出すことが可能になる。展開後は、分岐ガイドワイヤを開口部98から第2カテーテル内に引き込んで抜去することが可能である。第2カテーテル本体の遠位端には回収チューブ部100がある。このチューブ部は装具展開後に分岐ガイドワイヤを「回収(capture)」するもので、外傷を伴わないガイドワイヤ及びデリバリーシステムの抜去を可能にする。
【0016】
同様に、図6Bは第2カテーテルアセンブリ34Bの別の実施形態を示す。第2カテーテル本体96の遠位端は、少なくとも1つの本体/回収チューブ結合部材102で回収チューブ部100に結合してある。したがって、本体96と回収チューブ102は結合部材102により隔てられかつ結合されている。本体と回収チューブの間のすき間は開口部98を形成するが、これは図6Aの開口部98と機能的に類似する。
【0017】
図7は拡張状態の本体装具104の等角図である。本体装具壁に開口106を設け、後で側枝装具の挿入及び該開口/本体への取り付けが可能なようにしてある。
【0018】
図8は第1カテーテルアセンブリ52Bを囲む本体装具104の部分断面図である。(図4Bに示したように)分岐ガイドワイヤ72が第1カテーテル内にある。拘束された側枝装具を備えた第1カテーテルの逆向き部が本体ステントの開口106から突き出ている。第1カテーテルの逆向き部から出ているのは分岐ガイドワイヤの逆向きチップ42である。また第1カテーテルシャフト32及び頂点開口部62Bも示している。
【0019】
図9は前の図8に示したコンポーネント及び第2カテーテル34B(図6Bを参照)の部分断面図である。第2カテーテル本体96は少なくとも1つの結合部材102で回収チューブ部100に結合されている。分岐ガイドワイヤの遠位端は回収チューブ部100内にある。第1カテーテルシャフト32は第2カテーテル本体96内にある。拘束シース92と取り付け型又は一体型の本体展開ライン109も示されている。拘束シース92内の開口108からは第1カテーテルの逆向き部が突き出している。
【0020】
本発明の本体及び側枝用ステントを送達し展開する手順を図10ないし16で説明する。
【0021】
展開手順1
図10Aは、図1のものと同等のインターベンショナルデリバリーシステムの遠位端の部分断面図である。装具アセンブリは当初、解剖学的主管48の中で、解剖学的側枝管50の近くになるように配置される。分岐ガイドワイヤの先端チップ40と分岐ガイドワイヤの逆向きチップ42が示されている。装具アセンブリ(図1の46)はすでに拡張されて、図9に示すような内部コンポーネントを見せている。図10Bは図1のものと同様のインターベンショナルデリバリーシステムの近位端を示す。第1カテーテルハブアセンブリ36と第2カテーテルハブアセンブリ38が示されている。
【0022】
展開手順2
図11A及び11Bは分岐ガイドワイヤ逆向きチップ44が側枝管50の中に、矢印110で示す方向に沿って送り込まれるところを示す。ガイドワイヤ逆向きチップ42は、ガイドワイヤ近位端44を(矢印112で示す方向へと)引くことによって送り込まれる。ガイドワイヤ近位端44が引かれるとき、2つのハブアセンブリ36、38は動かないように保持される。ガイドワイヤ近位端が引かれると、ガイドワイヤ先端チップ40は頂点開口部62Bに向かって、矢印114で示す方向へと移動する。そのためガイドワイヤ逆向きチップ42は側枝管50の中に、矢印110で示す方向へと、送り込まれる。
【0023】
展開手順3
図12A及び12Bを参照すると、本体ステント104は本体ステント展開ライン109を、矢印116で示す方向へと引くことにより展開される。拘束シース(図9の92)を拘束解除すると、本体ステントは矢印118で示す方向へと自己拡張できるようになる。展開ラインが引かれるとき、2つのハブアセンブリ36、38は動かないように保持される。なおガイドワイヤ及び/又は側枝装具は本体装具104の開口106を通して位置決めされる。
【0024】
展開手順4
次いで、図13A及び13Bに示すように、側枝装具を側枝管の中に送り込む。第2カテーテルハブアセンブリ38を動かないよう保持したまま、ガイドワイヤ44と第1カテーテルハブアセンブリ36を同時に引くことにより、側枝装具は矢印120で示す方向に沿って移動する。この手順を容易にするため、随意にガイドワイヤを第1カテーテルハブアセンブリ36に固定してもよい。ガイドワイヤとハブアセンブリが引かれると、ガイドワイヤの遠位チップ40が矢印124で示す方向に移動して、本体装具開口106を通して矢印120で示す方向に側枝管系50の中へと側枝管装具が部分的に送り込まれる。
【0025】
展開手順5
次に、図14A及び14Bに示すように、側枝展開ライン58を矢印126で示す方向に引き、側枝装具66を矢印128で示す方向に自己拡張させる。なお、側枝装具は本体装具開口106内に部分的に格納され、かつ該開口に拘束されている。展開ラインが引かれるとき、2つのハブアセンブリ36、38は動かないように保持される。
【0026】
展開手順6
図15A及び15Bを参照すると、矢印130で示す方向に沿って第1カテーテルの逆向き部64を拡張させた側枝装具から引き戻し、回収チューブ100の中に引き込むことにより、本発明のデリバリーシステムは血管系から抜き去られる。第1カテーテルの逆向き部は、第1カテーテルハブアセンブリ36をガイドワイヤ44と共に、矢印132で示す方向に沿って押すことにより、回収チューブの中に押し込まれる。第1カテーテルハブアセンブリとガイドワイヤを進めるときは、第2カテーテルハブアセンブリ38は動かないように保持される。
【0027】
展開手順7
第1カテーテルハブアセンブリ36、ガイドワイヤ近位端44及び第2カテーテルハブアセンブリ38を図16A及び16Bの矢印134で示す方向へと同時に引いて本発明の装具及びシステムの送達を完了させる。分岐ガイドワイヤと第1カテーテルの逆向き部64とを格納した回収チューブ100は外傷を伴うことなく血管系から抜去され、拡張した本体装具104と付属の側枝装具66が血管系内に留置される。
【0028】
図7に戻ると、本体装具104には側壁に1つの開口106が設けてある。別の構造として、2、3、4、5、6個又はさらに多くの側枝開口を本体装具に設けてもよい。本発明の種々のカテーテルに複数の装具を組み込んでもよく、たとえば第1カテーテルに2つ以上の側枝装具を組み込んでもよい。本体と側枝装具の間のシール又は締まりばめは「シールスリーブ」の導入により強化してもよい。そうしたシールスリーブの開示についてはQuinnに対する米国特許第6,645,242号の明細書を参照。本体装具に複数のシールスリーブを導入して複数の側枝装具のシール又は取り付けを強化してもよい。シールスリーブは人体ステントの管腔に対し「内面」、「外面」いずれのスリーブでもよいし、また特定構造の側枝装具をシールするように形状とサイズを決めてもよい。
【0029】
本発明に使用するステントは裸(無コート)でも、種々の薬剤溶出性、抗血栓性などのコーティングでコートしても、あるいは(ステントグラフトのように)部分的な又は完全なカバーを備えてもよい。血管系への固定を容易にするため、本体装具及び/又は側枝装具にアンカー機構たとえばかかり(barbs)、「フィシュスケール(fish-scales)」、生物学的付着手段などを組み込んでもよい。
【0030】
本体ステント及び/又は側枝ステントは断面形状が均一でもよいし、テーパー、トランペットエンド形、「ドッグボーン」形、曲線断面形状などのように不均一にして、特定の治療部位で装具の性能を高めてもよい。本発明の複数の装具は連結又は相互接続してマルチコンポーネント系にしてもよい。本発明の装具は、複数の装具間の相互接続又は「ドッキング」を可能にする又は強化するような機能を含んでもよい。
【0031】
血管系内の留置及び視覚化を容易にするため、本体装具、本発明に使用される種々のカテーテル及び/又は側枝装具に放射線不透過性のマーカー又は表示部を組み込んでもよい。
【0032】
本発明の装具は臓器の非血管系導管、中空又は管状部分たとえば胆道、膀胱、尿道、胃食道、気管支、胆管、及び他管路の治療に使用してもよい。本発明の装具が特に好適なのは、非限定的な例として、本体に対し「鋭」角をなす側枝管などである(たとえば図1を参照)。
【0033】
本発明の装具は自己拡張型だけでなくバルーン拡張型でもよい。たとえば本発明の第1カテーテルは特定の装具を拡張する必要に応じて単数又は複数のバルーン及び膨張用ルーメンを組み込むことができる。本発明では自己拡張型とバルーン拡張型の装具を組み合わせた構成にすることも可能である。また、別個のバルーン拡張器の使用も本発明の範囲内である。
【0034】
本発明のカテーテルコンポーネントは通常の材料たとえばナイロン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリシロキサン、ステンレス鋼、ニチノール、又は他の生体適合材料で製作できる。
【0035】
以上、本発明の特定の実施形態を図解、説明してきたが、本発明は以上の図解及び説明に限定されない。以下の特許請求の範囲内で種々の変化及び態様変更を本発明の一部として組み込み、実施しうるのは自明である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠位端に側枝管部を有する第1カテーテル;
第1カテーテルの周りに取り付けた、遠位端に主管部を有する第2カテーテル;
第1カテーテルの側枝管部に取り付けた側枝管装具;
第2カテーテルの主管部に取り付けた主管装具;及び
第1カテーテル内を摺動自在に動くよう構成された、少なくとも2つの遠位チップを備える分岐ガイドワイヤ;
を備えた鋭角分枝型ステントグラフト用インターベンショナルデリバリーシステムであって、主管装具と側枝管装具が治療部位に同時に送達されることを特徴とするインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項2】
第1カテーテルの遠位端の一部分が折り返されている請求項1に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項3】
側枝管部が第1カテーテルの折り返された部分を含んでなる請求項2に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項4】
分岐ガイドワイヤが第1カテーテル内にある請求項2に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項5】
分岐ガイドワイヤは分岐ガイドワイヤを引くことにより第1カテーテルの側枝管部を通して進められる請求項4に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項6】
第1カテーテル、第2カテーテル及び分岐ガイドワイヤが同時に治療部位に送達されるように構成された請求項4に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項7】
第1カテーテル、第2カテーテル及び分岐ガイドワイヤが少なくとも部分的には互いに独立に動かせる請求項4に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項8】
複数の装具が第1カテーテルに取り付けられている請求項1に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項9】
第1カテーテルが複数の遠位端を有し、鋭角分枝管への脈管装具の送達を可能にする請求項8に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項10】
第2カテーテルが第2カテーテル遠位端近くの側壁に開口部を有し、第1カテーテルの側枝管部を通すことを可能にする請求項1に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項11】
遠位端に側枝管部を有する第1カテーテル;
第1カテーテルの周りに取り付けた、遠位端に主管部を有する第2カテーテル;
第1カテーテルの側枝管部に取り付けた側枝管装具;を備えるインターベンショナルデリバリーシステムであって、主管部と側枝管装具が同時に治療部位に送達されること、及び第2カテーテルが第2カテーテル遠位端近くの側壁に開口部を有し、第1カテーテルの側枝管部を通すことを可能にすることを特徴とするインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項12】
側枝管部が開口部を通り、主管部に対し鋭角に配向している請求項11に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項13】
側枝管装具の少なくとも1cm分が主管装具と接触している請求項12に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項14】
2つの遠位チップを有する分岐ガイドワイヤ;
遠位端に、該2つの遠位チップの間に位置する側枝管部を有する第1カテーテル;
第1カテーテルの周りに取り付けた、遠位端に主管部を有する第2カテーテル;及び
第1カテーテルの側枝管部に取り付けた側枝管装具;を備えるインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項15】
2つの遠位チップが反対方向を向いている請求項14に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項16】
2つの遠位チップのうち一方が先端である請求項14に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項17】
2つの遠位チップのうち一方がカテーテルを進めるのに役立つ請求項16に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項18】
2つの遠位チップのうち一方が逆向き端である請求項14に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項19】
逆向き端が主管部の側部から突き出している請求項18に記載の逆向き端。
【請求項20】
逆向き端が側枝管から引き戻すことができる請求項18に記載の逆向き端。
【請求項21】
第2カテーテル上に回収チューブをさらに備える請求項14に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項22】
回収チューブが側部から逆向き端を突き出させることが可能な開口部を有する請求項21に記載の回収チューブ。
【請求項23】
先端チップと逆向きチップが回収チューブの中へと引き込まれるように回収チューブが配置される請求項21に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項24】
分枝型ステントアセンブリを展開する方法であって、
請求項1に記載のカテーテルアセンブリを分岐ガイドワイヤ上で治療部位まで進める;
カテーテルアセンブリを主管内に配置させる;
分岐ガイドワイヤを引いて分岐ガイドワイヤの一部分を側枝管内に配置する;
主管装具を主管内で展開する;
側枝管装具を所期の位置まで進める;
側枝管装具を展開する;
ガイドワイヤの側枝管内部分が第1カテーテル内に引き込まれるまでガイドワイヤを押し込んで進める;
逆向きチップが回収チューブ内に引き込まれるまで第1カテーテルを押し込んで進める;及び
第1カテーテル、分岐ガイドワイヤ及び第2カテーテルを引き抜く;
ことを含む方法。
【請求項25】
分枝型ステントアセンブリは互いに鋭角をなす主管と側枝管の中に展開される請求項24に記載の方法。
【請求項26】
第1カテーテルは側枝管装具の一部分を主管装具本体のシールスリーブ内に維持して十分な係合を確実なものにするためのポジティブストップ機構となるクロッチをさらに備える請求項1に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項1】
遠位端に側枝管部を有する第1カテーテル;
第1カテーテルの周りに取り付けた、遠位端に主管部を有する第2カテーテル;
第1カテーテルの側枝管部に取り付けた側枝管装具;
第2カテーテルの主管部に取り付けた主管装具;及び
第1カテーテル内を摺動自在に動くよう構成された、少なくとも2つの遠位チップを備える分岐ガイドワイヤ;
を備えた鋭角分枝型ステントグラフト用インターベンショナルデリバリーシステムであって、主管装具と側枝管装具が治療部位に同時に送達されることを特徴とするインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項2】
第1カテーテルの遠位端の一部分が折り返されている請求項1に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項3】
側枝管部が第1カテーテルの折り返された部分を含んでなる請求項2に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項4】
分岐ガイドワイヤが第1カテーテル内にある請求項2に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項5】
分岐ガイドワイヤは分岐ガイドワイヤを引くことにより第1カテーテルの側枝管部を通して進められる請求項4に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項6】
第1カテーテル、第2カテーテル及び分岐ガイドワイヤが同時に治療部位に送達されるように構成された請求項4に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項7】
第1カテーテル、第2カテーテル及び分岐ガイドワイヤが少なくとも部分的には互いに独立に動かせる請求項4に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項8】
複数の装具が第1カテーテルに取り付けられている請求項1に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項9】
第1カテーテルが複数の遠位端を有し、鋭角分枝管への脈管装具の送達を可能にする請求項8に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項10】
第2カテーテルが第2カテーテル遠位端近くの側壁に開口部を有し、第1カテーテルの側枝管部を通すことを可能にする請求項1に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項11】
遠位端に側枝管部を有する第1カテーテル;
第1カテーテルの周りに取り付けた、遠位端に主管部を有する第2カテーテル;
第1カテーテルの側枝管部に取り付けた側枝管装具;を備えるインターベンショナルデリバリーシステムであって、主管部と側枝管装具が同時に治療部位に送達されること、及び第2カテーテルが第2カテーテル遠位端近くの側壁に開口部を有し、第1カテーテルの側枝管部を通すことを可能にすることを特徴とするインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項12】
側枝管部が開口部を通り、主管部に対し鋭角に配向している請求項11に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項13】
側枝管装具の少なくとも1cm分が主管装具と接触している請求項12に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項14】
2つの遠位チップを有する分岐ガイドワイヤ;
遠位端に、該2つの遠位チップの間に位置する側枝管部を有する第1カテーテル;
第1カテーテルの周りに取り付けた、遠位端に主管部を有する第2カテーテル;及び
第1カテーテルの側枝管部に取り付けた側枝管装具;を備えるインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項15】
2つの遠位チップが反対方向を向いている請求項14に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項16】
2つの遠位チップのうち一方が先端である請求項14に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項17】
2つの遠位チップのうち一方がカテーテルを進めるのに役立つ請求項16に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項18】
2つの遠位チップのうち一方が逆向き端である請求項14に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項19】
逆向き端が主管部の側部から突き出している請求項18に記載の逆向き端。
【請求項20】
逆向き端が側枝管から引き戻すことができる請求項18に記載の逆向き端。
【請求項21】
第2カテーテル上に回収チューブをさらに備える請求項14に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項22】
回収チューブが側部から逆向き端を突き出させることが可能な開口部を有する請求項21に記載の回収チューブ。
【請求項23】
先端チップと逆向きチップが回収チューブの中へと引き込まれるように回収チューブが配置される請求項21に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【請求項24】
分枝型ステントアセンブリを展開する方法であって、
請求項1に記載のカテーテルアセンブリを分岐ガイドワイヤ上で治療部位まで進める;
カテーテルアセンブリを主管内に配置させる;
分岐ガイドワイヤを引いて分岐ガイドワイヤの一部分を側枝管内に配置する;
主管装具を主管内で展開する;
側枝管装具を所期の位置まで進める;
側枝管装具を展開する;
ガイドワイヤの側枝管内部分が第1カテーテル内に引き込まれるまでガイドワイヤを押し込んで進める;
逆向きチップが回収チューブ内に引き込まれるまで第1カテーテルを押し込んで進める;及び
第1カテーテル、分岐ガイドワイヤ及び第2カテーテルを引き抜く;
ことを含む方法。
【請求項25】
分枝型ステントアセンブリは互いに鋭角をなす主管と側枝管の中に展開される請求項24に記載の方法。
【請求項26】
第1カテーテルは側枝管装具の一部分を主管装具本体のシールスリーブ内に維持して十分な係合を確実なものにするためのポジティブストップ機構となるクロッチをさらに備える請求項1に記載のインターベンショナルデリバリーシステム。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【公表番号】特表2009−540930(P2009−540930A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−516553(P2009−516553)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/014338
【国際公開番号】WO2008/002426
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/014338
【国際公開番号】WO2008/002426
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】
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