説明

分注装置、自動分析装置、および分注方法

【課題】液面を正確に検出し、早期に分析結果を得ることを可能とする分注装置、自動分析装置、および分注方法を提供する。
【解決手段】本発明は、静電容量方式の液面検知部6pを備える第1試薬分注装置6であって、プローブ6bを接続した配管6c内におけるプローブ6bの第1試薬吸引時の圧力変化を測定する圧力センサ6iと、圧力センサ6iが測定した圧力データに基づき、正常な試薬吸引が行なわれたか否かを判定する判定部6uと、判定部6uが正常な試薬吸引が行なわれていないと判定した場合に、試薬容器2a内の液体量を確認後、プローブ6bを試薬容器2a内から上昇させることなく降下させて再度液面検知処理を行い、第1試薬の分注を行なうよう制御する制御部15と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に収容される液体を分注する分注装置、および前記分注装置を使用して検体等の分注を行なう自動分析装置、ならびに分注方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検体または試薬分注の際のキャリーオーバーやコンタミネーションを防止するために、検体または試薬液面を検知した後、プローブの挿入量を制御して分注を行なっている。液面検知の方式として、静電容量方式や、プローブが接続された配管内の圧力検出方式、光学的な方式によるものなど種々の方式が提案されているが、これらの方式のうち、静電容量による液面検知方法では、周辺機器からの突発的なノイズや、検体や試薬を収容する容器の帯電による該容器とプローブ間での放電、または検体や試料液面に発生する泡の存在により、静電容量方式による液面検知において液面誤検知が発生する場合があった。
【0003】
外来ノイズや静電気、泡等による液面誤検知を防止するものとして、プローブと液体の接触信号を認識した後であって、液体吸引前に、前記プローブと前記液体との離脱信号が検知されたか否かを判定手段により判定し、離脱信号が検知された場合に前記プローブを再降下させて再度液面を検知する液面検知装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、検体や試薬上に発生した膜や泡により正常な吸引が妨げられるのを検知する自動分析装置として、吸引プローブにより液体を吸引する際の吸引圧力を測定し、記憶手段に記憶された異なる空気吸引時の吸引圧力値に基づき空気吸引時の閾値を算出し、測定した吸引圧力値と閾値とを比較することにより、正常に定量吸引されたか否かを検出するものが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
さらに、液面検知において、プローブの検体または試薬内への挿入量を制御するために、液体を収容する容器からプローブにより連続して吸引を行ない、吸引による液面の高さの変化を測定し、その結果を基に該容器内の残液量と容器底部からの液面高さとの関係を記憶する分注装置が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−271328号公報
【特許文献2】特開2005−17144号公報
【特許文献3】特開平9−274047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のものでは、液面上の泡の表面張力が大きい場合や泡が細かく液面を覆っている場合には泡が破裂せず、離脱信号が検出されないため、正常な液面を検知することができず、分注量の誤差が生じ、分析データの信頼性も低下する。
【0008】
また、特許文献2に記載のものは、泡による液面誤検知を検出し、オペレータにその旨警告できるものの、その後再検処理が必要となり、プローブ洗浄後、再度分注処理から行なうため、分析結果を得るまで時間を要するだけでなく、複数回の洗浄が必要となるためランニングコストが高くなる。
【0009】
一方、特許文献3に記載の分注装置は、プローブの検体または試薬内への挿入量を制御できるものの、泡等による液面誤検知を防止するものでない。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、プローブと泡との接触により泡が破裂しない場合であっても、液面を正確に検出し、早期に分析結果を得ることを可能とする分注装置、自動分析装置、および分注方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の分注装置は、容器に収容された液体を分注するプローブと前記容器との間における静電容量の変化を検知し、検知した信号に基づいて前記液体の液面に前記プローブ下端が接触したか否かにより液面を検知する液面検知機構を備え、前記液面検知機構により液面検知後、前記プローブで液体を分注する分注装置において、前記プローブを接続した配管内における前記プローブの液体吸引時の圧力変化を測定する圧力測定手段と、前記圧力測定手段が測定した圧力データに基づき、正常な液体吸引が行なわれたか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が正常な液体吸引が行なわれていないと判定した場合に、容器内の液体量を確認後、前記プローブをさらに降下させて再度液面検知処理を行い、前記液体の分注を行なうよう制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の分注装置は、上記発明において、前記制御手段は、前記判定手段により正常な液体吸引が行なわれたと判定されるまで、前記分注プローブによる前記液体の吸引処理を連続して行うことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の分注装置は、上記発明において、前記圧力測定手段が測定した圧力データに基づき、前記プローブが吸引した空気量を算出する算出手段と、所定量の前記液体の吐出を行なうために、前記算出手段が算出した空気量に基づき分注ポンプの駆動信号を補正する補正手段を備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の分注装置は、上記発明において、前記判定手段が正常な液体吸引が行なわれていないと判定した場合に、異常分注である旨報知する出力手段を備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の分注装置は、上記発明において、プローブ駆動手段が前記プローブを停止させる際の最大振幅、前記液体の吸引量および前記容器の内部形状を記憶する記憶手段を備え、前記制御手段は、前記液面検知機構が液面を検知して前記プローブが一旦停止された後、前記プローブ駆動手段の最大振幅分、前記プローブを前記液体中に降下するよう制御して、前記液体を吸引し、前記プローブの前記液体の吸引による液面低下を、前記記憶手段が記憶する前記液体の吸引量および前記容器の内部形状に基づき算出して、液面低下に追随するよう前記プローブを降下制御することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の自動分析装置は、検体と試薬との反応物を光学的に分析する自動分析装置において、上記のいずれか一つに記載の分注装置により、検体または試薬の分注を行うことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の自動分析装置は、上記発明において、プローブの内外壁を洗浄する洗浄手段を備えることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の分注方法は、容器に収容された液体を分注するプローブと前記容器との間における静電容量の変化を検知し、検知した信号に基づいて前記液体の液面に前記プローブ下端が接触したか否かにより液面を検知した後、前記液体を分注する分注方法において、前記プローブを前記容器内に降下させて液面を検知する第1液面検知ステップと、前記第1液面検知ステップ後、前記液体を吸引する第1吸引ステップと、前記第1吸引ステップ時において、前記プローブを接続した配管内の圧力変化を測定する第1圧力測定ステップと、前記第1圧力測定ステップが測定した圧力データに基づき、正常な液体吸引が行なわれたか否かを判定する第1判定ステップと、前記第1判定ステップが正常な液体吸引が行なわれていないと判定した場合に、容器内の液体量を確認後、前記プローブをさらに降下させて液面を再度検知する第2液面検知ステップと、前記第2液面検知ステップ後、液体を再吸引する第2吸引ステップと、を含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の分注方法は、上記発明において、前記第2吸引ステップ時の前記プローブによる前記液体の再吸引時の圧力変化を測定する第2圧力測定ステップと、前記第2圧力測定ステップが測定した圧力データに基づき、正常な液体吸引が行なわれたか否かを判定する第2判定ステップを含み、前記第2判定ステップにより正常な液体吸引が行なわれたと判定されるまで、第2液面検知ステップ、第2吸引ステップ、第2圧力測定ステップおよび第2判定ステップを連続して行うことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の分注方法は、上記発明において、第1圧力測定ステップおよび第2圧力測定ステップで測定した圧力データに基づき、前記プローブが吸引した空気量を算出する算出ステップと、所定量の前記液体の吐出を行なうために、前記算出ステップで算出した空気量に基づき分注ポンプの駆動信号を補正する補正ステップと、を含むことを特徴とする。
【0021】
また、本発明の分注方法は、上記発明において、前記第1判定ステップおよび前記第2判定ステップで正常な液体吸引が行なわれていないと判定した場合に、異常分注である旨報知する出力ステップを含むことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の分注方法は、上記発明において、プローブ駆動手段が前記プローブを停止させる際の最大振幅、前記液体の吸引量および前記容器の内部形状を抽出する抽出ステップと、前記第1液面検知ステップおよび第2液面検知ステップ後、前記プローブ駆動手段の最大振幅分、前記プローブを前記液体中に降下するプローブ降下ステップと、
前記抽出ステップで抽出した前記液体の吸引量および前記容器の内部形状に基づき、前記プローブの前記液体の吸引による液面低下を算出する液面低下算出ステップと、を含み、前記第1吸引ステップおよび第2吸引ステップは、前記液面低下算出ステップで算出した液面低下に基づき、前記液体の吸引に追随するよう前記プローブを降下させることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の分注方法は、上記発明において、前記プローブにより前記液体を前記反応容器に吐出する吐出ステップと、前記プローブの内外壁を洗浄する洗浄ステップと、を含み、前記洗浄ステップは、前記プローブの前記液体内への挿入量に応じて洗浄水量または洗浄時間を変更して洗浄することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、プローブにより液体を吸引する際の圧力変化を測定し、該圧力変化に基づき正常に液体吸引が行なわれたか否かを判定することにより、プローブと泡との接触により泡が破裂しない場合であっても、液面の正確な検出が可能となり、液体吸引が正常に行なわれなかった場合は、前記プローブを上昇させることなく降下させ、再度液面検知および液体吸引を行なうよう制御することにより、早期に分析結果を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1にかかる分注装置を備える自動分析装置の概略構成図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1にかかる第1試薬分注装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、液面上に泡がない場合の試薬分注の動作図である。
【図4】図4は、図3における第1試薬吸引時の圧力信号と時間の関係を表す模式図である。
【図5】図5は、液面上に泡が発生した場合の試薬分注の動作図である。
【図6】図6は、図5における第1試薬吸引時の圧力信号と時間の関係を表す模式図の一例である。
【図7】図7は、図5における第1試薬吸引時の圧力信号と時間の関係を表す模式図の一例である。
【図8】図8は、図5における第1試薬吸引時の圧力信号と時間の関係を表す模式図の一例である。
【図9】図9は、第1試薬正常吸引時のプローブ内の模式図である。
【図10】図10は、第1試薬異常吸引時のプローブ内の模式図である。
【図11】図11は、実施の形態1にかかる分注処理のフローチャートである。
【図12】図12は、本発明の実施の形態2にかかる第1試薬分注装置の概略構成を示すブロック図である。
【図13】図13は、液面検知時のプローブの動作図である。
【図14】図14は、実施の形態2にかかる分注処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる分注装置、自動分析装置、および分注方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる分注装置を備える自動分析装置1の概略構成図である。
【0028】
自動分析装置1は、血球成分を含む血液や尿等の検体を自動分析する装置であり、図1に示すように、第1および第2試薬テーブル2、3、反応テーブル4、第1および第2試薬分注装置6、7、検体容器移送機構8、ラック9、分析光学系11、洗浄機構12、第1および第2攪拌装置13、14、制御部15、入力部16、出力部17、分析部18、記憶部19および検体分注装置20を備えている。本発明の実施の形態1にかかる分注装置は、静電容量方式により液面を検知して検体または試薬の分注を行なうものであれば、第1試薬分注装置6、第2試薬分注装置7、および/または検体分注装置20のいずれにおいても使用可能である。
【0029】
第1試薬テーブル2は、図1に示すように、第1試薬の試薬容器2aが周方向に複数配置され、駆動手段により回転されて試薬容器2aを周方向に搬送する。複数の試薬容器2aは、それぞれ検査項目に応じた試薬が満たされ、外面には収容した試薬の種類、ロット及び有効期限等の情報を記録した情報記録媒体(図示せず)が付加されている。ここで、第1試薬テーブル2の外周には、試薬容器2aに付加した情報記録媒体に記録された試薬情報を読み取り、制御部15へ出力する読取装置10aが設置されている。
【0030】
第1試薬分注装置6は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアーム6aを備える。このアーム6aの先端部には、検体の吸引および吐出を行なうプローブ6bが取り付けられている。第1試薬分注装置6は、シリンジポンプなどの吸排機構を備える。第1試薬分注装置6は、上述した第1試薬テーブル2上の所定位置に移送された試薬容器2aの中からプローブ6bによって第1試薬を吸引し、アーム6aを図中時計回りに旋回させ、反応容器5に第1試薬を吐出して分注を行なう。
【0031】
第2試薬テーブル3は、図1に示すように、第2試薬の試薬容器3aが周方向に複数配置され、駆動手段により回転されて試薬容器3aを周方向に搬送する。複数の試薬容器3aは、それぞれ検査項目に応じた試薬が満たされ、外面には収容した試薬の種類、ロット及び有効期限等の情報を記録した情報記録媒体(図示せず)が付加されている。ここで、第2試薬テーブル3の外周には、試薬容器3aに付加した情報記録媒体に記録された試薬情報を読み取り、制御部15へ出力する読取装置10bが設置されている。
【0032】
第2試薬分注装置7は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアーム7aを備える。このアーム7aの先端部には、検体の吸引および吐出を行なうプローブ7bが取り付けられている。第2試薬分注装置7は、シリンジポンプなどの吸排機構を備える。第2試薬分注装置7は、上述した第2試薬テーブル3上の所定位置に移送された試薬容器3aの中からプローブ7bによって第2試薬を吸引し、アーム7aを図中反時計回りに旋回させ、反応容器5に第2試薬を吐出して分注を行なう。
【0033】
反応テーブル4は、図1に示すように、複数の反応容器5が周方向に沿って配列されており、第1および第2試薬テーブル2、3を駆動する駆動手段とは異なる駆動手段によって矢印で示す方向に回転されて反応容器5を周方向に移動させる。反応テーブル4は、光源11aと分光部11bとの間に配置され、反応容器5を保持する保持部4aと光源11aが出射した光束を分光部11bへ導く円形の開口からなる光路4bとを有している。保持部4aは、反応テーブル4の外周に周方向に沿って所定間隔で配置され、保持部4aの内周側に半径方向に延びる光路4bが形成されている。
【0034】
反応容器5は、分析光学系11から出射された分析光(340〜800nm)に含まれる光の80%以上を透過する光学的に透明な素材、例えば、耐熱ガラスを含むガラス、環状オレフィンやポリスチレン等によって四角筒状に成形されたキュベットと呼ばれる容器である。反応容器5は、近傍に設けた第1および第2試薬分注装置6、7によって第1および第2試薬テーブル2、3の試薬容器2a、3aから試薬が分注される。ここで、第1および第2試薬分注装置6、7は、それぞれ水平面内を回動すると共に、上下方向に昇降されるアーム6a、7aに試薬を分注するプローブ6b、7bが設けられ、洗浄水によってプローブ6b、7bを洗浄する洗浄槽(図示せず)を有している。
【0035】
検体容器移送機構8は、図1に示すように、配列された複数のラック9を矢印方向に沿って1つずつ歩進させながら移送する。ラック9は、検体を収容した複数の検体容器9aを保持している。ここで、検体容器9aは、収容した検体の情報を記録したバーコード等が貼付され、検体容器移送機構8によって移送されるラック9の歩進が停止するごとに、検体分注装置20によって検体が各反応容器5へ分注される。血糖やヘモグロビンA1cを分析項目とする血液検体は、予め検体容器9aに収容された状態で遠心分離が行なわれ、血漿層と血球層に分離された血液サンプルから血漿サンプルと血球サンプルが分析項目に応じて個別に分注される。ここで、ラックの外周には、検体容器9aに貼付された情報記録媒体(図示せず)に記録された、検体情報や検体容器9aの容器情報を読み取り、制御部15へ出力する読取装置10cが設置されている。
【0036】
検体分注装置20は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアーム20aを備える。このアーム20aの先端部には、検体の吸引および吐出を行なうプローブ20bが取り付けられている。検体分注装置20は、シリンジポンプなどの吸排機構を備える。検体分注装置20は、検体容器移送機構8により分注位置に移送された検体容器9aの中からプローブ20bによって検体を吸引し、アーム20aを図中時計回りに旋回させ、反応容器5に検体を吐出して分注を行なう。
【0037】
分析光学系11は、試薬と検体とが反応した反応容器5内の液体試料に分析光(340〜800nm)を透過させて分析するための光学系であり、光源11a、分光部11b及び受光部11cを有している。光源11aから出射された分析光は、反応容器5内の液体試料を透過し、分光部11bと対向する位置に設けた受光部11cによって受光される。受光部11cは、制御部15と接続されている。
【0038】
洗浄機構12は、ノズル12aによって反応容器5内の液体試料を吸引して排出した後、ノズル12aによって洗剤や洗浄水等の洗浄液等を繰り返し注入し、吸引することにより、分析光学系11による分析が終了した反応容器5を洗浄する。
【0039】
第1および第2攪拌装置13、14は、分注された検体と試薬とを攪拌棒13a、14aによって攪拌し、反応を促進させる。
【0040】
制御部15は、第1および第2試薬テーブル2、3、第1および第2試薬分注装置6、7、検体容器移送機構8、分析光学系11、洗浄機構12、第1および第2攪拌装置13、14、入力部16、出力部17、分析部18、記憶部19および検体分注装置20等と接続される。これら各部の作動を制御するため、制御部15には、マイクロコンピュータ等が使用される。制御部15は、受光部11cから入力される波長ごとの光量信号をもとに各反応容器5内の液体試料の波長ごとの吸光度を求め、検体の成分濃度等を分析する。また、制御部15は、試薬容器2a、3aに付加した情報記録媒体から読み取った情報に基づき、試薬のロットが異なる場合や有効期限外等の場合に分析作業を停止するように自動分析装置1を制御し、或いはオペレータに警報を発する。
【0041】
入力部16は、キーボード、マウス、タッチパネル等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得する。出力部17は、プリンタ、通信機構等を用いて構成され、検体の分析結果を含む諸情報を出力し、ユーザーに報知する。分析部18は、分析光学系11から取得した測定結果に基づいて吸光度等を演算し、検体の成分分析等を行う。記憶部19は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、自動分析装置1が処理を実行する際にその処理にかかわる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて構成され、検体の分析結果等を含む諸情報を記憶する。記憶部19は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。
【0042】
以上のように構成された自動分析装置1では、列をなして順次搬送される複数の反応容器5に対して、第1試薬分注装置6が試薬容器2a中の第1試薬を分注した後、検体分注装置20が検体容器9a中の検体を分注し、さらに第2試薬分注装置7が試薬容器3a中の第2試薬を分注して、分析光学系11が検体と試薬とを反応させた状態の試料の分光強度測定を行い、この測定結果を分析部18が分析することで、検体の成分分析等が自動的に行われる。また、洗浄機構12が分析光学系11による測定が終了した後に反応容器5を搬送させながら洗浄することで、一連の分析動作が連続して繰り返し行われる。
【0043】
つぎに、本発明の実施の形態1にかかる分注装置について、第1試薬分注装置6を例として、図2を参照して詳細に説明する。図2は、本発明の実施の形態1にかかる第1試薬分注装置6の概略構成を示すブロック図である。
【0044】
第1試薬分注装置6は、図2に示すように、プローブ6b、プローブ駆動部6d、分注ポンプ6e、ポンプ駆動部6g、圧力センサ6i、第1洗浄水ポンプ6l、第2洗浄水ポンプ6o、洗浄水タンク6n、液面検知部6p、分注量検出部6tを備え、各機構は制御部15により制御される。
【0045】
第1試薬分注装置6は、図1に示すように、水平面内を回動すると共に、上下方向に昇降されるアーム6aに第1試薬を分注するプローブ6bが設けられ、洗浄水によってプローブ6bを洗浄する洗浄槽6r(図2参照)を有している。図2に示すように、プローブ6bは、配管6cによって分注ポンプ6eおよび圧力センサ6iと接続され、分注ポンプ6eと洗浄水タンク6nは、配管6hを介して接続されている。プローブ6bは、プローブ駆動部6dによって図中矢印Xで示す水平方向およびZで示す上下方向に移動され、プローブ6bの下部に搬送されてくる試薬容器2aから第1試薬を吸引し、この第1試薬を反応テーブル4上の反応容器5に吐出することによって第1試薬を分注する。また、プローブ6bはSUS等の金属で形成され、液面検知の際の電極としての機能も有する。
【0046】
分注ポンプ6eは、プローブ6bに試薬容器2a内の第1試薬を吸引した後、反応テーブル4により搬送されてくる反応容器5に吸引した第1試薬を吐出するシリンジポンプであり、ポンプ駆動部6gによってピストン6fが往復動される。
【0047】
分注ポンプ6eと洗浄水タンク6nとを接続する配管6hには、電磁弁6k、第1洗浄水ポンプ6l、脱気装置6mおよび第2洗浄水ポンプ6oが設置される。また、脱気装置6mと第2洗浄水ポンプ6oとの間を接続する配管6hから、配管6sが分岐し、配管6sは洗浄槽6rと洗浄水タンク6nとを接続する。第1洗浄水ポンプ6lは、洗浄水タンク6nに貯留された洗浄水L1を吸い上げ、吸い上げられた洗浄水L1は脱気装置6mにより脱気された後、電磁弁6kを介して配管6h、分注ポンプ6eおよび配管6c内に圧送される。このとき、電磁弁6kは、制御部15からの制御信号によって、吸い上げた洗浄水L1を配管6h内に圧送する場合には、プローブ6bを洗浄槽6rに搬送した後「開」に切り替えられ、脱気された洗浄水L1でプローブ6bを先端まで満たす。分注ポンプ6eによってプローブ6bが第1試薬を吸引し、吐出する場合には「閉」に切り替えられる。なお、電磁弁6qは、プローブ6bによる第1試薬の吸引・吐出時は「閉」状態である。ここで、洗浄水L1は、圧力伝達媒体として作用し、蒸留水や脱気水などの非圧縮性流体が適用される。
【0048】
プローブ6bによる反応容器5への分注終了後、プローブ6bはプローブ駆動部6dにより洗浄槽6rに搬送され、洗浄が行なわれる。洗浄槽6rで洗浄に使用される洗浄水L1は、配管6hから分岐する配管6sおよび電磁弁6qを介して第2洗浄水ポンプ6oにより圧送される。制御部15は、プローブ6bの第1試薬内への挿入量を考慮して、洗浄槽6rへのプローブ6bの降下量を決定する。プローブ6bを洗浄槽6rで洗浄する際、第2洗浄水ポンプ6oで洗浄槽6rに洗浄水L1を供給し、プローブ6bの外壁を洗浄するとともに、第1洗浄水ポンプ6lでプローブ6b内に洗浄水L1を供給して内壁を洗浄する。
【0049】
液面検知部6pは、試薬容器2aに収容される第1試薬の液面を検知する。液面検知部6pは、図示しない発振回路が発振する発振信号により、試薬容器2aの底部近傍に配設された金属板2cとプローブ6bとの間に発生する静電容量の変化に基づき、試薬容器2a内に収容される第1試薬の液面を検知する。
【0050】
圧力センサ6iは、ポンプ駆動部6gによりピストン6fを後退移動させることによりプローブ6bから第1試薬を吸引する際の配管6c内の圧力を検出する。圧力センサ6iは、圧力信号を分注量検出部6tに出力する。
【0051】
分注量検出部6tは、判定部6u、算出部6vおよび補正部6wを備える。判定部6uは、圧力センサ6iから出力された圧力データに基づき、正常な液体吸引、即ち所定量の第1試薬の吸引が行なわれたか否かを判定する。
【0052】
図3は、液面上に泡がない場合の試薬分注の動作図である。図4は、図3における第1試薬吸引時の圧力信号と時間の関係を表す模式図である。図5は、液面上に泡が発生した場合の試薬分注の動作図である。図6、図7および図8は、図5における第1試薬吸引時の圧力信号と時間の関係を表す模式図である。図4、図6、図7および図8において、縦軸の圧力信号は絶対値として示している(吸引時圧力Pは負圧)。
【0053】
図(3−1)に示すように、液面h上に泡がない場合は、プローブ6bの降下により、プローブ6b先端が第1試薬液面hに到達すると、金属板2cとプローブ6bとの間に発生する静電容量が変化し、液面検知部6pは制御部15に液面検知信号を送信する。制御部15は、液面検知信号を受信後、プローブ駆動部6dの駆動により所定量プローブ6bを第1試薬内に挿入して、降下を停止するよう制御する。プローブ6bを所定量降下の後、ポンプ駆動部6gの駆動によりプローブ6bは所定量の第1試薬を吸引する(図(3−2)参照)。
【0054】
図3のように、正常に液面検知が行なわれ、所定量の第1試薬が吸引された場合、吸引時の圧力−時間の関係は図4に示すようになる。時間tからポンプ駆動部6gの駆動が開始されると、時間tからプローブ6bによる第1試薬の吸引が始まり、時間tで吸引を終了する。判定部6uは、所定圧力Pにおける吸引時間Sを測定し、所定量の第1試薬を同条件で吸引した場合の閾値Sと対比して吸引時間Sが閾値Sより大きい場合、正常な吸引が行なわれたと判定する。図1に示す記憶部19には、吸引量毎に閾値Sが記憶される。
【0055】
一方、図(5−1)に示すように、液面h上に泡が発生する場合は、プローブ6bの降下により、プローブ6b先端が泡面hに到達すると、金属板2cとプローブ6bとの間に印加される静電容量が変化し、液面検知部6pは制御部15に液面検知信号を送信する。泡A1がプローブ6bとの接触により破裂する場合は、静電容量が変化するため離脱信号が出されるが、泡A1が破裂しない場合は、制御部15は、該液面検知信号を受信後、プローブ駆動部6dの駆動により所定量(液面hまで)プローブ6bを降下後、降下を停止する。このように、泡A1により液面を誤検知すると、ポンプ駆動部6gの駆動によりプローブ6bは所定量の第1試薬の吸引を行なうことができなくなる(図(5−2)参照)。
【0056】
第1試薬の吸引量や泡A1の大きさにより吸引位置hは上下し、泡A1の表面張力、吸引位置h、ポンプ駆動部6gの駆動条件等の種々の要因により、液面誤検知後に試薬吸引した場合の圧力信号の波形は変化する。図6、図7および図8は、圧力波形の例である。図6〜図8のいずれの場合も、吸引開始後、所定圧力Pに達しない時間、すなわち泡A1を吸引している時間a、a、aが存在し、所定圧力Pにおける吸引時間S、S、S(Sは0)は、閾値Sより小さい。判定部6uは、所定圧力Pにおける吸引時間S、S、Sを測定し、所定量の第1試薬を同条件で吸引した場合の閾値Sと対比して、閾値S未満の場合は泡が吸引されたと判定する。なお、図6では、t−t間、t−t間も所定圧力Pに達しているが、SとSとの対比で正常吸引か否かの判定は可能である。
【0057】
制御部15は、判定部6uにより、正常な液体吸引が行なわれず、泡を吸引したと判定した場合に、試薬容器2a内の第1試薬量を確認後、プローブ駆動部6dによりプローブ6bを試薬容器2a内から上昇させることなく降下させて、再度液面検知部6pにより液面検知を行い、前記液体の分注を行なうよう制御する。試薬吸引後、判定部6uは吸引が正常か否かを判定し、正常な吸引でないと判定した場合に、プローブ6bを試薬容器2aから上昇させることなく、そのまま降下して液面検知および吸引を行なうことにより、迅速な分析が可能となる。
【0058】
算出部6vは、圧力センサ6iが測定した圧力データから泡吸引時間を計測して、該泡吸引時間からプローブ6bが吸引した空気量を算出する。たとえば、図6に示すような圧力信号が得られた場合、算出部6vは所定圧力Pに達しない時間(t−t)と時間(t−t)とを加算して、泡吸引時間aを得る。図7の場合の泡吸引時間aは時間(t−t)であり、図8の場合の泡吸引時間aは時間(t−t)となる。算出部6vは、この泡吸引時間に基づき吸引した空気量を算出する。
【0059】
補正部6wは、算出部6vが算出した空気量に基づき、分注ポンプ6eのピストン6fを往復動するポンプ駆動部6gの駆動信号を補正する。図9に示すように、プローブ6b内は圧力伝達媒体である洗浄水L1に続いて、所定のわずかな空気層を介して吸引・吐出する第1試薬に分注ポンプ6eからの圧力を伝達する。この空気層は、洗浄水L1と第1試薬が混合することを防止するために設けられる。しかし、図10に示すように、泡による液面誤検知により第1試薬吸引時に空気を吸引すると、圧縮性媒体である空気層が過剰になり伝達圧力が緩衝され、吐出量を精密に制御することが困難となる。したがって、補正部6wは、第1試薬を所定量吐出するために、吸引された空気量に基づきポンプ駆動部6gの駆動信号を補正する。駆動信号の補正は、空気量に応じて同一パルスで時間を長くするか、同一時間でパルス数を大きくする。
【0060】
次に、図11を参照して、実施の形態1にかかる分注処理について説明する。図11は、実施の形態1にかかる分注処理のフローチャートである。
【0061】
図11に示すように、まず、制御部15は、分注する試薬の種類、分注量、および当該試薬を収容する試薬容器2aのサイズ等の分注量情報を記憶部19から抽出し、取得する(ステップS101)。続いて、制御部15は、プローブ駆動部6dの駆動によりプローブ6bを試薬吸引位置に搬送するとともに、第1試薬テーブル2の駆動手段により分注を行なう試薬容器2aを試薬吸引位置に搬送する(ステップS102)。プローブ6bおよび試薬容器2aの試薬吸引位置への搬送後、洗浄水L1と第1試薬の混合を防止する空気を所定量吸引し、プローブ駆動部6dによりプローブ6bの下降を開始するとともに、液面検知を開始する(ステップS103)。プローブ6bの下降により、プローブ6b先端が試薬液面に接触するまでプローブ6bは下降され(ステップS104、No)、液面検知部6pがプローブ6bと金属板2cとの間の静電容量の変化により液面を検知すると(ステップS104、Yes)、プローブ6bの下降は一旦停止される(ステップS105)。
【0062】
制御部15は、ステップS101で取得した試薬容器2aのサイズと試薬液面位置とから試薬残量を算出し、試薬残量が分注量以上であるか否かを確認する(ステップS106)。試薬残量が分注量未満である場合は(ステップS106、No)、その旨を出力部17により出力して、ユーザーに報知する(ステップS117)。試薬残量が分注量以上である場合は(ステップS106、Yes)、所定量プローブ6bを降下し(ステップS107)、ポンプ駆動部6gによりピストン6fを後退移動させて、プローブ6bから所定量第1試薬を吸引する(ステップS108)。圧力センサ6iは試薬吸引時の圧力変化を測定し、判定部6uは該圧力データに基づき正常な試薬吸引が行なわれたか否かを判定する(ステップS109)。正常な試薬吸引が行なわれ、判定部6uが所定量の試薬を吸引したと判定した場合(ステップS109、Yes)、プローブ6dによりプローブ6bを試薬吐出位置に搬送すると共に、反応テーブル4の駆動手段は試薬を吐出する反応容器5を試薬吐出位置に搬送する(ステップS110)。
【0063】
一方、泡により液面を誤検知したことにより正常な試薬吸引が行なわれず、所定量の試薬が吸引されないと判定部6uが判定した場合(ステップS109、No)、異常吸引である旨出力部17により出力して、ユーザーに報知する(ステップS118)。その後、再びプローブ駆動部6dによりプローブ6bを下降し、液面検知を再開する(ステップS103)。液面検知部6pが液面を検知すると(ステップS104、Yes)、プローブ6bの下降は一旦停止され(ステップS105)、試薬残量が分注量以上であるか否かを再度確認する(ステップS106)。2回目以降も同量の試薬を吸引する。試薬残量が分注量以上である場合には(ステップS106、Yes)、所定量プローブ6bを降下し(ステップS107)、プローブ6bから所定量第1試薬を吸引する(ステップS108)。圧力センサ6iは試薬再吸引時の圧力変化を測定し、判定部6uは再度測定した圧力データに基づき正常な試薬吸引が行なわれたか否かを判定する(ステップS109)。正常な試薬吸引が行なわれ、判定部6uが所定量の試薬を吸引したと判定した場合(ステップS109、Yes)、プローブ駆動部6dによりプローブ6bを試薬吐出位置に搬送すると共に、反応テーブル4の駆動手段は試薬を吐出する反応容器5を試薬吐出位置に搬送し(ステップS110)、判定部6uが所定量の試薬が吸引されないと判定した場合(ステップS109、No)、所定量の試薬が吸引されるまでステップS103から繰り返す。
【0064】
プローブ6bを試薬吐出位置に搬送後(ステップS110)、第1試薬を反応容器5に所定量吐出するために、制御部15は、ポンプ駆動部6gの駆動信号の補正が必要であるか否かを確認する。第1試薬が正常に吸引された場合、即ち、ステップS103〜ステップS109が1回で終了した場合には(ステップS111、Yes)、ポンプ駆動部6gは所定の駆動信号で分注ポンプ6eを駆動し、所定量の第1試薬を反応容器5に吐出する(ステップS112)。
【0065】
一方、第1試薬が正常に吸引されなかった場合、即ち、ステップS103〜ステップS109を2回以上繰り返した場合には(ステップS111、No)、算出部6vは試薬吸引時に吸引した空気量を算出し(ステップS119)、補正部6wは、該空気量に基づきポンプ駆動部6gの駆動信号を補正する(ステップS120)。制御部15は、補正部6wが補正した駆動信号でポンク駆動部6gを駆動して、所定量の第1試薬を反応容器5に吐出する(ステップS112)。ステップS103〜ステップS109を3回以上繰り返した場合には、算出部6vは、複数回の試薬吸引時に吸引した空気量の合算量を算出する。
【0066】
第1試薬の反応容器5への吐出後(ステップS112)、プローブ駆動部6dはプローブ6bを洗浄槽6rに搬送し(ステップS113)、プローブ6bの洗浄を行なう。適正条件で洗浄を行なうために、制御部15は、第1試薬が正常に吸引されたか否かを確認する(ステップS114)。第1試薬が正常に吸引された場合、即ち、ステップS103〜ステップS109が1回で終了した場合には(ステップS114、Yes)、第2洗浄水ポンプ6oにより所定量の洗浄水L1を吸引し、洗浄槽6rに圧送するとともに、プローブ駆動部6dによりプローブ6bを所定量洗浄槽6r内に挿入し、洗浄する(ステップS115)。プローブ6bの洗浄槽6rへの挿入長さは、試薬吸引時におけるプローブ6bの試薬液面からの挿入長さより2〜3mm長く設定する。
【0067】
一方、第1試薬が正常に吸引されなかった場合、即ち、ステップS103〜ステップS109を2回以上繰り返した場合には(ステップS114、No)、試薬正常吸引時よりプローブ6b外壁がより大きな範囲で汚れていることが多いため、制御部15はプローブ6bの洗浄槽6rへの挿入長さ、洗浄時間または洗浄水量等の洗浄条件を設定する(ステップS121)。たとえば、泡A1の大きさ等を考慮して(泡A1の大きさをlとする)、プローブ6bの洗浄槽6rへの挿入長さを、試薬吸引時におけるプローブ6bの試薬液面からの挿入長さより(2〜3)+lmm長く設定する。また、洗浄範囲が大きくなることから、洗浄時間を長くしたり、洗浄水量を多くしてもよい。この洗浄条件は、あらかじめ設定され、記憶部19に格納してもよい。洗浄条件の設定後(ステップS121)、当該洗浄条件でプローブ6bを洗浄する(ステップS115)。
【0068】
洗浄終了後(ステップS115)、制御部15は、すべての分注が終了したか否かを確認し(ステップS116)、次分注の対象が存在する場合は(ステップS116、No)、ステップS101から試薬分注処理を繰り返す。次分注の対象が存在しない場合は(ステップS116、Yes)、試薬分注処理を終了する。
【0069】
実施の形態1にかかる第1試薬分注装置6は、泡の発生により液面を誤検知し、所定量の第1試薬を吸引できずに空気を吸引してしまった場合でも、液面誤検知および空気吸引を事後的に判別するため、その後速やかに液面検知を再開して、再度試薬吸引を行なうことができ、分析所要時間を短縮できると共に、分析精度の向上も図ることが可能となる。
【0070】
(実施の形態2)
実施の形態2は、分注に際し、プローブ6bと試薬または検体との接触を最小とするために、プローブ駆動部6dによるプローブ6b下降停止時の最大振幅を予め計測しておき、試薬または検体との接触によるプローブ6bの汚れ範囲を、該最大振幅による汚れ範囲内とするよう制御して、さらにプローブ6b洗浄にかかる時間やコストの低減を図るものである。
【0071】
つぎに、本発明の実施の形態2について、第1試薬分注装置6Aを例として、図12を参照して詳細に説明する。図12は、本発明の実施の形態2にかかる第1試薬分注装置6Aの概略構成を示すブロック図である。
【0072】
第1試薬分注装置6Aは、制御部15Aが液面低下算出部21を備える点で、実施の形態1にかかる第1試薬分注装置6と異なる以外は第1試薬分注装置6と同様の構成であり、以下異なる点のみ説明する。
【0073】
液面低下算出部21は、プローブ6bによる第1試薬の吸引による試薬液面低下を、第1試薬の吸引量および試薬容器2aの内部形状に基づき算出する。第1試薬の吸引量および試薬容器2aの内部形状は記憶部19に記憶され、液面低下算出部21は、記憶部19から分注する試薬の吸引量および試薬容器2aの内部形状を取得する。
【0074】
制御部15Aは、プローブ駆動部6dによるプローブ6b下降停止時の最大振幅を記憶部19から取得し、液面検知部6pにより液面検知信号が送信され、プローブ駆動部6dを制御してプローブ6bの下降を停止させた後、前記最大振幅分、プローブ6dの駆動によりプローブ6bを第1試薬内に降下するよう制御する。実施の形態2において、プローブ駆動部6dの上下機構がボールねじを使用する場合は、ボールねじの予圧を調整して停止時の振幅を最小となるよう調整し、タイミングベルトを使用する場合は、タイミングベルトの張力を調整して停止時の振幅を最小となるよう調整する。
【0075】
図13は、液面検知時のプローブ6bの動作図である。図(13−1)に示すように、プローブ駆動部6dは、制御部15Aからの停止信号受信後直ちにプローブ6bの下降を停止するが、停止時にプローブ6bが振動することによって、停止位置より下方に行き過ぎた後(図(13−2)参照)、再度上方に戻り(図(13−3)参照)、振動が減衰しながらプローブ6bは停止する。したがって、プローブ6bは振幅l分第1試薬内に挿入されるため、プローブ6b先端外壁部には振幅l分第1試薬が付着する。試薬を吸引する際、確実に吸引するためにプローブ6bを一律にまたは吸引量に応じて試薬内に挿入するが、実施の形態2では、制御部15Aが吸引に同期させてプローブ6bを降下させるよう制御して、この挿入量を最大振幅分以内としているため、プローブ6bの汚れ範囲を最小限とすることができ、さらなる洗浄時間や洗浄コストの削減が可能となる。
【0076】
また、制御部15Aは、実施の形態1における制御部15と同様に、判定部6uが泡を吸引したと判定した場合に、液面検知部6pにより液面検知を再開して、第1試薬の分注を再度行なうよう制御することにより、迅速な分析が可能となる。
【0077】
次に、図14を参照して、実施の形態2にかかる分注処理について説明する。図14は、実施の形態2にかかる分注処理のフローチャートである。
【0078】
図14に示すように、まず、制御部15Aは、分注する試薬の種類、吸引量、当該試薬を収容する試薬容器2aのサイズ、プローブ駆動部6dの最大振幅等の分注量情報を記憶部19から抽出し、取得する(ステップS201)。続いて、制御部15Aは、プローブ駆動部6dの駆動によりプローブ6bを試薬吸引位置に搬送するとともに、第1試薬テーブル2の駆動手段により分注を行なう試薬容器2aを試薬吸引位置に搬送する(ステップS202)。プローブ6bおよび試薬容器2aの試薬吸引位置への搬送後、洗浄水L1と第1試薬の混合を防止する空気を所定量吸引し、プローブ駆動部6dによりプローブ6bの下降を開始するとともに、液面検知を開始する(ステップS203)。プローブ6bの下降により、プローブ6b先端が試薬液面に接触するまでプローブ6bは下降され(ステップS204、No)、液面検知部6pがプローブ6bと金属板2cとの間の静電容量の変化により液面を検知すると(ステップS204、Yes)、プローブ6bの下降は一旦停止される(ステップS205)。
【0079】
制御部15Aは、ステップS201で取得した試薬容器2aのサイズと試薬液面位置とから試薬残量を算出し、試薬残量が分注量以上であるか否かを確認する(ステップS206)。試薬残量が分注量未満である場合は(ステップS206、No)、その旨を出力部17により出力して、ユーザーに報知する(ステップS218)。試薬残量が分注量以上である場合は(ステップS206、Yes)、ステップS201で取得したプローブ駆動部6dの最大振幅分プローブ6bを降下する(ステップS207)。続いて、液面低下算出部21は、ステップS201で取得した試薬の吸引量と試薬容器2aのサイズから、吸引による液面低下を算出し(ステップS208)、制御部15Aは、ポンプ駆動部6gによりピストン6fを後退移動させて、プローブ6bから所定量第1試薬を吸引させながら、算出した吸引による液面低下に追随するようプローブ駆動部6dの駆動によりプローブ6bの降下を制御する(ステップS209)。圧力センサ6iは試薬吸引時の圧力変化を測定し、判定部6uは該圧力データに基づき正常な試薬吸引が行なわれたか否かを判定する(ステップS210)。正常な試薬吸引が行なわれ、判定部6uが所定量の試薬を吸引したと判定した場合(ステップS210、Yes)、プローブ6dによりプローブ6bを試薬吐出位置に搬送すると共に、反応テーブル4の駆動手段は試薬を吐出する反応容器5を試薬吐出位置に搬送する(ステップS211)。
【0080】
一方、泡により液面を誤検知したことにより正常な試薬吸引が行なわれず、所定量の試薬が吸引されないと判定部6uが判定した場合(ステップS210、No)、異常吸引である旨出力部17により出力して、ユーザーに報知する(ステップS219)。その後、再びプローブ駆動部6dによりプローブ6bを下降し(ステップS203)、液面検知を再開する(ステップS204)。液面検知部6pが液面を検知すると(ステップS204、Yes)、プローブ6bの下降は一旦停止され(ステップS205)、試薬残量が分注量以上であるか否かを再度確認する(ステップS206)。2回目以降も同量の試薬を吸引する。試薬残量が分注量以上である場合には(ステップS206、Yes)、プローブ駆動部6dの最大振幅分プローブ6bを降下し(ステップS207)、制御部15Aは、プローブ6bから所定量第1試薬を吸引させながら、ステップS208で算出した吸引による液面低下に追随するようプローブ駆動部6dによりプローブ6bの降下を制御する(ステップS209)。圧力センサ6iは試薬再吸引時の圧力変化を測定し、判定部6uは再度測定した圧力データに基づき正常な試薬吸引が行なわれたか否かを判定する(ステップS210)。正常な試薬吸引が行なわれ、判定部6uが所定量の試薬を吸引したと判定した場合(ステップS210、Yes)、プローブ駆動部6dによりプローブ6bを試薬吐出位置に搬送すると共に、反応テーブル4の駆動手段は試薬を吐出する反応容器5を試薬吐出位置に搬送し(ステップS211)、判定部6uが所定量の試薬が吸引されないと判定した場合(ステップS210、No)、所定量の試薬が吸引されるまでステップS203から繰り返す。
【0081】
プローブ6bを試薬吐出位置に搬送後(ステップS211)、第1試薬を反応容器5に所定量吐出するために、制御部15Aは、ポンプ駆動部6gの駆動信号の補正が必要であるか否かを確認する。第1試薬が正常に吸引された場合、即ち、ステップS203〜ステップS210が1回で終了した場合には(ステップS212、Yes)、ポンプ駆動部6gは所定の駆動信号で分注ポンプ6eを駆動し、所定量の第1試薬を反応容器5に吐出する(ステップS213)。
【0082】
一方、第1試薬が正常に吸引されなかった場合、即ち、ステップS203〜ステップS210を2回以上繰り返した場合には(ステップS212、No)、算出部6vは試薬吸引時に吸引した空気量を算出し(ステップS220)、補正部6wは、該空気量に基づきポンプ駆動部6gの駆動信号を補正する(ステップS221)。制御部15Aは、補正部6wが補正した駆動信号でポンプ駆動部6gを駆動して、所定量の第1試薬を反応容器5に吐出する(ステップS213)。ステップS203〜ステップS210を3回以上繰り返した場合には、算出部6vは、複数回の試薬吸引時に吸引した空気量の合算量を算出する。
【0083】
第1試薬の反応容器5への吐出後(ステップS213)、プローブ駆動部6dはプローブ6bを洗浄槽6rに搬送し(ステップS214)、プローブ6bの洗浄を行なう。適正条件で洗浄を行なうために、制御部15Aは、第1試薬が正常に吸引されたか否かを確認する(ステップS215)。第1試薬が正常に吸引された場合、即ち、ステップS203〜ステップS210が1回で終了した場合には(ステップS215、Yes)、第2洗浄水ポンプ6oにより所定量の洗浄水L1を吸引し、洗浄槽6rに圧送するとともに、プローブ駆動部6dによりプローブ6bを所定量洗浄槽6r内に挿入し、洗浄する(ステップS216)。プローブ6bの洗浄槽6rへの挿入長さは、試薬吸引時におけるプローブ6bの試薬液面からの挿入長さより2〜3mm長く設定する。
【0084】
一方、第1試薬が正常に吸引されなかった場合、即ち、ステップS203〜ステップS210を2回以上繰り返した場合には(ステップS215、No)、試薬正常吸引時よりプローブ6b外壁がより大きな範囲で汚れていることが多いため、制御部15Aはプローブ6bの洗浄槽6rへの挿入長さ、洗浄時間または洗浄水量等の洗浄条件を設定する(ステップS222)。たとえば、泡A1の大きさ等を考慮して(泡A1の大きさをlとする)、プローブ6bの洗浄槽6rへの挿入長さを、試薬吸引時におけるプローブ6bの試薬液面からの挿入長さより(2〜3)+lmm長く設定する。また、洗浄範囲が大きくなることから、洗浄時間を長くしたり、洗浄水量を多くしてもよい。この洗浄条件は、あらかじめ設定され、記憶部19に格納してもよい。洗浄条件の設定後(ステップS222)、当該洗浄条件でプローブ6bを洗浄する(ステップS216)。
【0085】
洗浄終了後(ステップS216)、制御部15Aは、すべての分注が終了したか否かを確認し(ステップS217)、次分注の対象が存在する場合は(ステップS217、No)、ステップS201から試薬分注処理を繰り返す。次分注の対象が存在しない場合は(ステップS217、Yes)、試薬分注処理を終了する。
【0086】
実施の形態2にかかる第1試薬分注装置6Aは、泡の発生により液面を誤検知し、所定量の第1試薬を吸引できずに空気を吸引してしまった場合でも、液面誤検知および空気吸引を事後的に判別するため、その後速やかに液面検知を再開して、再度試薬吸引を行なうことができ、分析所要時間を短縮できると共に、分析精度の向上も図ることが可能となる。さらに、プローブ6bの第1試薬内への挿入量を最小となるよう制御できるので、洗浄時間および洗浄コストのさらなる削減も可能とする。
【産業上の利用可能性】
【0087】
以上のように、本発明にかかる分注装置、自動分析装置、および分注方法は、高速かつ大量での分析処理が要求される分析装置に有用であり、より高い分析精度が要求される分析装置に適している。
【符号の説明】
【0088】
1 自動分析装置
2、3 第1および第2試薬テーブル
2a、3a 試薬容器
2c 金属板
4 反応テーブル
4a 保持部
4b 光路
5 反応容器
6、6A、7 第1および第2試薬分注装置
6a、7a、20a アーム
6b、7b、20b プローブ
6c、6h、6s 配管
6d プローブ駆動部
6e 分注ポンプ
6f ピストン
6g ポンプ駆動部
6i 圧力センサ
6k、6q 電磁弁
6l 第1洗浄水ポンプ
6m 脱気装置
6n 洗浄水タンク
6o 第2洗浄水ポンプ
6p 液面検知部
6r 洗浄槽
6t 分注量検出部
6u 判定部
6v 算出部
6w 補正部
8 検体容器移送機構
9 ラック
9a 検体容器
10a、10b、10c 読取装置
11 分析光学系
12 洗浄機構
13、14 第1および第2攪拌装置
15、15A 制御部
16 入力部
17 出力部
18 分析部
19 記憶部
20 検体分注装置
21 液面低下算出部
L1 洗浄水
A1 泡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に収容された液体を分注するプローブと前記容器との間における静電容量の変化を検知し、検知した信号に基づいて前記液体の液面に前記プローブ下端が接触したか否かにより液面を検知する液面検知機構を備え、前記液面検知機構により液面検知後、前記プローブで液体を分注する分注装置において、
前記プローブを接続した配管内における前記プローブの液体吸引時の圧力変化を測定する圧力測定手段と、
前記圧力測定手段が測定した圧力データに基づき、正常な液体吸引が行なわれたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が正常な液体吸引が行なわれていないと判定した場合に、容器内の液体量を確認後、前記プローブをさらに降下させて再度液面検知処理を行い、前記液体の分注を行なうよう制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする分注装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記判定手段により正常な液体吸引が行なわれたと判定されるまで、前記プローブによる前記液体の吸引処理を連続して行うことを特徴とする請求項1に記載の分注装置。
【請求項3】
前記圧力測定手段が測定した圧力データに基づき、前記プローブが吸引した空気量を算出する算出手段と、
所定量の前記液体の吐出を行なうために、前記算出手段が算出した空気量に基づき分注ポンプの駆動信号を補正する補正手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の分注装置。
【請求項4】
前記判定手段が正常な液体吸引が行なわれていないと判定した場合に、異常分注である旨報知する出力手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の分注装置。
【請求項5】
プローブ駆動手段が前記プローブを停止させる際の最大振幅、前記液体の吸引量および前記容器の内部形状を記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、
前記液面検知機構が液面を検知して前記プローブが一旦停止された後、前記プローブ駆動手段の最大振幅分、前記プローブを前記液体中に降下するよう制御して、前記液体を吸引し、前記プローブの前記液体の吸引による液面低下を、前記記憶手段が記憶する前記液体の吸引量および前記容器の内部形状に基づき算出して、液面低下に追随するよう前記プローブを降下制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の分注装置。
【請求項6】
検体と試薬との反応物を光学的に分析する自動分析装置において、
請求項1〜5のいずれか一つに記載の分注装置により、検体または試薬の分注を行うことを特徴とする自動分析装置。
【請求項7】
前記プローブの内外壁を洗浄する洗浄手段を備えることを特徴とする、請求項6に記載の自動分析装置。
【請求項8】
容器に収容された液体を分注するプローブと前記容器との間における静電容量の変化を検知し、検知した信号に基づいて前記液体の液面に前記プローブ下端が接触したか否かにより液面を検知した後、前記液体を分注する分注方法において、
前記プローブを前記容器内に降下させて液面を検知する第1液面検知ステップと、
前記第1液面検知ステップ後、前記液体を吸引する第1吸引ステップと、
前記第1吸引ステップ時において、前記プローブを接続した配管内の圧力変化を測定する第1圧力測定ステップと、
前記第1圧力測定ステップが測定した圧力データに基づき、正常な液体吸引が行なわれたか否かを判定する第1判定ステップと、
前記第1判定ステップが正常な液体吸引が行なわれていないと判定した場合に、容器内の液体量を確認後、前記プローブをさらに降下させて液面を再度検知する第2液面検知ステップと、
前記第2液面検知ステップ後、液体を再吸引する第2吸引ステップと、
を含むことを特徴とする分注方法。
【請求項9】
前記第2吸引ステップ時の前記プローブによる前記液体の再吸引時の圧力変化を測定する第2圧力測定ステップと、
前記第2圧力測定ステップが測定した圧力データに基づき、正常な液体吸引が行なわれたか否かを判定する第2判定ステップを含み、
前記第2判定ステップにより正常な液体吸引が行なわれたと判定されるまで、第2液面検知ステップ、第2吸引ステップ、第2圧力測定ステップおよび第2判定ステップを連続して行うことを特徴とする請求項8に記載の分注方法。
【請求項10】
第1圧力測定ステップおよび第2圧力測定ステップで測定した圧力データに基づき、前記プローブが吸引した空気量を算出する算出ステップと、
所定量の前記液体の吐出を行なうために、前記算出ステップで算出した空気量に基づき分注ポンプの駆動信号を補正する補正ステップと、
を含むことを特徴とする請求項8または9に記載の分注方法。
【請求項11】
前記第1判定ステップおよび前記第2判定ステップで正常な液体吸引が行なわれていないと判定した場合に、異常分注である旨報知する出力ステップを含むことを特徴とする請求項8〜10のいずれか一つに記載の分注方法。
【請求項12】
プローブ駆動手段が前記プローブを停止させる際の最大振幅、前記液体の吸引量および前記容器の内部形状を抽出する抽出ステップと、
前記第1液面検知ステップおよび第2液面検知ステップ後、前記プローブ駆動手段の最大振幅分、前記プローブを前記液体中に降下するプローブ降下ステップと、
前記抽出ステップで抽出した前記液体の吸引量および前記容器の内部形状に基づき、前記プローブの前記液体の吸引による液面低下を算出する液面低下算出ステップと、を含み、
前記第1吸引ステップおよび第2吸引ステップは、前記液面低下算出ステップで算出した液面低下に基づき、前記液体の吸引に追随するよう前記プローブを降下させることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一つに記載の分注方法。
【請求項13】
前記プローブにより前記液体を前記反応容器に吐出する吐出ステップと、
前記プローブの内外壁を洗浄する洗浄ステップと、を含み、
前記洗浄ステップは、前記プローブの前記液体内への挿入量に応じて洗浄水量または洗浄時間を変更して洗浄することを特徴とする請求項8〜12のいずれか一つに記載の分注方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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