説明

分解性チューインガムポリマー

本発明は、分解性チューインガムポリマーに関し、前記分解性ポリマーは、少なくとも1種の三官能または高官能開始剤、前記ポリマーの骨格を形成する少なくとも2種の異なるモノマー、およびカーボネートモノマーの群から選択される少なくとも1種のモノマーから重合されたポリマーである。
本発明により、最終的に改善された機能を得るには、前記ポリマー、好ましくはエラストマーがチューインガムに導入される際に、前記骨格のある程度の分枝が必要であることが分かった。さらに、その得られた程度の分枝が必要であり、かつ過度の分枝が引き起こす架橋を避けるために、実際に、慎重に調節してもよいことが分かった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の分解性チューインガムポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第5672367号は、チューインガム用の生分解性エラストマーを開示している。このエラストマーは、一般的に、1種または複数種の環状エステルの重合によって得られる生分解性ポリエステルポリマーとして定義されている。2つの具体的な実施例が記載されている。
【0003】
実施例1は、触媒として0.1重量%のオクタン酸錫の存在下で、溶融物での開環重合によって調製された、80モル%のL−ラクチドと20モル%のD−ラクチドのポリマーの、無定形、非結晶性コポリマーを記載している。このポリマーに対して、20重量%の量のε−カプロラクトンを添加し、次いで、この混合物を150℃に加熱した。均質な混合物に対して、再度、触媒として0.1重量%のオクタン酸錫を添加し、次いで、重合を完結した。得られたポリマーは、15℃のガラス転移温度(DSC、加熱速度10℃/分)を有していた。
【0004】
実施例3は、触媒として0.1重量%のオクタン酸錫の存在下で、溶融物での開環重合によって調製された、25モル%のL−ラクチドと25モル%のD−ラクチドおよび50モル%のε−カプロラクトンの、無定形、非結晶性コポリマーを記載している。得られたポリマーは、−10℃のガラス転移温度(DSC、加熱速度10℃/分)を有している。
【0005】
両方の例示されたポリマーは、従来のチューインガムの噛み心地に極めて良く似た特徴を有すると言われている。
【0006】
然しながら、上述のポリマーの欠点は、与えられたポリマーの性質が、例えば、ポリマーそれ自身のテクスチャーに関して、特に、従来のチューインガム組成物に導入される際に、従来のチューインガムエラストマーとは異なる点である。
【0007】
国際公開WO01/47368号は、2種類の異なるモノマーの重合により得られる分解性コポリマーを含むチューインガムを開示しており、その内の最初の1つのモノマーは、縮合重合により重合可能であり、他方のモノマーは、コポリマーの結晶性を抑制する機能がある。然しながら、開示されたコポリマーの問題点は、例えば、得られるコポリマーの弾性が、従来のチューインガムの性質と比較して異なる点である。従って、実施例が生分解性チューインガムを部分的に開示するに過ぎない、開示されたコポリマーをベースとして、完全に生分解性チューインガムを得ることは極めて困難と思われる。
【特許文献1】米国特許第5672367号
【特許文献2】国際公開WO01/47368号
【非特許文献1】Odian,G.“Principles of Polymerization,”3rd Ed.,Wiley−Interscience,New York,NY(1991年);第17頁。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、ポリマーそれ自身に関して、かつ、チューインガム組成物に導入される際のチューインガム成分との相互作用に関して、共に従来のチューインガムエラストマーの性質に比肩し得る性質を有するチューインガムポリマーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、分解性ポリマーが、少なくとも1種の三官能または高官能開始剤、前記ポリマーの骨格を形成する少なくとも2種の異なるモノマーおよび、カーボネートモノマーの群から選択される少なくとも1種のモノマーから重合されることを特徴とする分解性チューインガムポリマーに関する。
【0010】
本発明によれば、得られたポリマーは、チューインガムに適した弾性を有する。
本発明により、ポリマー/エラストマーを噛むのに極めて適したポリマー構造が得られた。
【0011】
本発明により最終的に改善された機能を得るには、ポリマー、好ましくはエラストマーがチューインガムに導入される際に、骨格のある程度の分枝が必要であることが分かった。さらに、過度の分枝が引き起こす架橋を避けるために、その得られた分枝は慎重に調節することが必要であることが分かった。
【0012】
本発明によれば、驚くべきことに、分枝/架橋間のバランスは、開始剤とカーボネートモノマーの適当な組合せによって調節可能であることが分かった。そのような組合せとしては、最も重要な「調節ノブ」の中でも、開始剤対カーボネートモノマーの相互の濃度が挙げられる。
【0013】
さらに、相互の濃度は、開始剤の構造の検討下で変更されてもよい。官能性開始剤が多くなればなる程、カーボネートモノマーの濃度は益々低くなる。
本発明によれば、「超分枝された」という用語は、好ましくは、分枝構造が櫛状ではなくむしろ樹枝状であることを表す。即ち、分枝が、明確な骨格セグメント(櫛状分枝)から伸びる多数の単純な分枝ではなく、むしろ木のように、別の分枝から伸びるものである。それ故、超分枝は、「樹枝状の分枝」と理解されてもよい。この系における分枝は、架橋へと導くための中間段階である。分子は、先ず初めに分枝となり、次いで、1つの分子からの分枝が他の分子の分枝と反応すると架橋が形成される。この過程の内の中間段階では、分枝されかつ架橋された分子が共存する。当業者は、分枝と架橋、そして樹枝状と櫛状分枝の間の相違を理解するはずである。別のタイプの分枝と比較された樹枝状分枝についての分かり易い説明は、非特許文献1において見出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
前記の少なくとも2種の異なるモノマーは環状であることが好ましい。
本発明の実施形態では、ポリマーの骨格を形成する少なくとも2種の異なるモノマーは、少なくとも1種の骨格モノマーと少なくとも1種の骨格コモノマーとを含む。
本発明の実施形態では、少なくとも1種の骨格コモノマーは、骨格モノマー鎖に不規則性を与える。
本発明によれば、骨格鎖は少なくとも2種の異なるモノマーを含むことが分かった。
本発明の実施形態では、少なくとも1種の骨格コモノマーは、骨格モノマー鎖に無定形領域を導入するのに有効であることが分かった。
本発明の実施形態では、ポリマーの骨格を形成する少なくとも2種の異なるモノマーは、ラクトンモノマーの群から選択される。
【0015】
本発明の実施形態では、ラクトンモノマーは、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトンおよびβ−プロピオラクトンの群から選択される。それはまた、環に沿って任意の非カルボニル炭素原子において、1個または複数のアルキルまたはアリール置換基で置換されているε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトンまたはβ−プロピオラクトンを含み、2個の置換基が同じ炭素原子上に含まれる化合物を含む。
【0016】
上述のラクトンの例は、ε−カプロラクトン、t−ブチルカプロラクトン、ζ−エナントラクトン、δ−バレロラクトン、モノアルキル−δ−バレロラクトン、例えば、モノメチル−、モノエチル−、モノヘキシル−δ−バレロラクトン等;モノアルキル、ジアルキルおよびトリアルキル−ε−カプロラクトン、例えば、モノメチル−、モノエチル−、モノヘキシル−、ジメチル−、ジ−n−プロピル−、ジ−n−ヘキシル−、トリメチル−、トリエチル−、トリ−n−ε−カプロラクトン、5−ノニルオキセパン−2−オン、4,4,6−または4,6,6−トリメチル−オキセパン−2−オン、5−ヒドロキシメチルオキセパン−2−オン等;β−ラクトン、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ラクトン、例えば、γ−ブチロラクトンまたはピバロラクトン、ジラクトン、例えば、ラクチド、ジラクチド、グリコリド、例えば、テトラメチルグリコリド等、ケトジオキサノン、例えば、1,4−ジオキサン−2−オン、1,5−ジオキセパン−2−オン等であるがこれらに限定されない。ラクトンは、光学的に純粋な異性体または2種以上の光学的に異なる異性体からなることができ、あるいは、異性体の混合物からなることができる。
【0017】
本発明の実施形態では、少なくとも1種の骨格モノマーは、ε−カプロラクトンを含む。
本発明の好ましい実施形態によれば、ε−カプロラクトンは、骨格の主モノマーとして選択され、それによって、骨格の主成分が十分に低いTgを特徴とするものであることを確実にする。
本発明の実施形態では、少なくとも1種の骨格モノマーは、−40℃より下、好ましくは−50℃未満のTgを有する。
本発明の実施形態では、少なくとも1種の骨格コモノマーは、δ−バレロラクトンを含む。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によれば、δ−バレロラクトンは、適当な骨格コモノマーを形成する。さらに、低いTgに関する要件は、主骨格モノマーについての制約と比べた時に、多少穏やかであってもよいことが分かった。
明らかに、コモノマーのTgは、濃度を増加させるにつれてさらに顕著になることに注意するべきである。
本発明の実施形態では、前記分解性ポリマーは、金属触媒された開環によって重合される。
【0019】
好ましくは、カーボネートモノマーは、トリメチレンカーボネート、5−アルキル−1,3−ジオキサン−2−オン、5,5−ジアルキル−1,3−ジオキサン−2−オン、または5−アルキル−5−アルキルオキシカルボニル−1,3−ジオキサン−2−オンの群から選択される。
【0020】
適当な環状カーボネートの例は、エチレンカーボネート、3−エチル−3−ヒドロキシメチルトリメチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、トリメチロールプロパンモノカーボネート、4,6−ジメチル−1,3−プロピレンカーボネート、2,2−ジメチルトリメチレンカーボネートおよび1,3−ジオキセパン−2−オン並びにそれらの混合物である。
【0021】
本発明によれば、幾つかの異なるカーボネートモノマーを使用してもよい。好ましいカーボネートモノマーはトリメチレンカーボネート(TMC)である。
本発明の実施形態では、カーボネートモノマーの群から選択される少なくとも1種のモノマーは、開環重合中の弾性ポリマーへ更なる分枝および/または架橋を導入する手段を提供する。
【0022】
本発明によれば、モノマー混合物における環状カーボネートは、最終ポリマーにおける分枝および架橋の程度を正確に制御できる。環状カーボネートモノマーが架橋を与えるメカニズムは、非限定的な例として、オクタン酸第一錫が重合中のエステル交換反応およびカーボネート交換反応(transcarbonation reaction)(ポリマーへの分子間連鎖移動)を促進するという、金属触媒の良く知られた性向に基づくものである。
【0023】
本発明の実施形態では、前記の少なくとも1種のポリオールは、三官能または高官能開始剤を含む。
本発明によれば、ポリオール開始剤とカーボネートモノマーとの間の相互反応は、得られる生分解性ポリマーの望ましい分枝を提供する。
【0024】
本発明のその他の形態は、星形ポリマーの製造を対象とするものである。
都合のよい多官能開始剤の例は、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、エトキシル化またはプロポキシル化ポリアミンおよび複数のヒドロキシルまたはその他の反応性基を有するその他の分子および複数のヒドロキシルまたはその他の反応性基およびそれらの混合物を有するその他の分子であるが、これらに限定されない。
【0025】
本発明の好ましい実施形態によれば、好ましい開始剤は、トリメチロールプロパンとペンタエリスリトールである。
本発明の実施形態では、分解性チューインガムポリマーは、約20重量%〜80重量%の少なくとも1種の骨格モノマー、約19.5重量%〜79.5重量%の少なくとも1種の骨格コモノマー、カーボネートモノマーの群から選択される、約0.5重量%〜25重量%の少なくとも1種のモノマーから重合される。
【0026】
本発明の実施形態では、分解性チューインガムポリマーは、さらに約0.01重量%〜1.0重量%の少なくとも1種の開始剤から重合される。
本発明の実施形態では、ポリマーのチューインガム性は、多官能開始剤の適切な種類を選択することによって調節される。
望ましい量の超分枝と架橋とを発生させる目的のためには、官能性開始剤を多くしてカーボネートを少なくする。
【0027】
本発明の実施形態では、分解性ポリマーのレオロジー性は、開始剤の官能数を調整することによって調節される。
さらに、開始剤の官能性の増加は、ポリマーがチューインガムに導入される際に、改善されたテクスチャーおよび/またはチューインガム成分の改善された放出をもたらすことが分かった。
【0028】
ラクトンモノマーの分子量は、50〜16000g/molの範囲内、好ましくは100〜3000g/molの範囲内でなければならない。
カーボネートモノマーの分子量は、50〜15000g/molの範囲内、好ましくは100〜2300g/molの範囲内でなければならない。
【0029】
本発明の実施形態では、前記チューインガム成分は香味剤を含む。
本発明の実施形態では、前記香味剤は、酸および味の特徴に影響を及ぼすことのできるその他の物質を含めて、天然植物成分、エッセンシャルオイル、エッセンス、抽出物、粉末の形態の天然および合成香味剤を含む。
【0030】
本発明の実施形態では、前記チューインガムは、香味剤を0.01重量%〜約30重量%の量で含み、この割合はチューインガムの全重量を基準としている。
本発明の実施形態では、前記チューインガムは、香味剤を0.2重量%〜約4重量%の量で含み、この割合はチューインガムの全重量を基準としている。
【0031】
本発明の実施形態では、前記香味剤は水溶性成分を含む。
本発明の実施形態では、前記水溶性香味剤は酸を含む。
本発明によれば、酸の驚くべき初期放出が得られた。
本発明の実施形態では、前記香味剤は水不溶性成分を含む。
本発明の実施形態では、前記チューインガム成分は甘味料を含む。
本発明の実施形態では、前記甘味料はバルク甘味料を含む。
本発明の実施形態では、チューインガムは、バルク甘味料をチューインガムの約5重量%〜約95重量%、さらに一般的には、チューインガムの約20重量%〜約80重量%の量で含む。
本発明の実施形態では、甘味料は高強度甘味料を含む。
【0032】
本発明の実施形態では、高強度甘味料は、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムの塩、アリテーム、サッカリンおよびその塩、シクラミン酸およびその塩、グリシルリチン、ジヒドロカルコン、タウマチン、モネリン、ステリオシドを単独または組合せで含む。
【0033】
本発明の実施形態では、チューインガムは、高強度甘味料を、チューインガムの約0〜約1重量%、さらに一般的には、チューインガムの約0.05重量%〜約0.5重量%の量で含む。
【0034】
本発明の実施形態では、チューインガムは、少なくとも1種の軟化剤を含む。
本発明の実施形態では、少なくとも1種の軟化剤は、獣脂、水素化獣脂、水素化および部分的水素化植物油、ココアバター、グリセロールモノステアレート、グリセロールトリアセテート、レシチン、種々のワックス、モノ−、ジ−およびトリグリセリド、アセチル化モノグリセリド、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸およびリノール酸などの脂肪酸およびそれらの混合物を含む。
【0035】
本発明の実施形態では、チューインガムは、軟化剤をチューインガムの約0〜約18重量%、さらに一般的には、チューインガムの約0〜約12重量%の量で含む。
本発明の実施形態では、チューインガム成分は活性成分を含む。
【0036】
本発明の実施形態では、前記活性成分は、アセトアミノフェン、アセチルサリチルシレ(Acetylsalicylsyre)、ブプレノルフィン、ブロムヘキシン、セルコキシブ(Celcoxib)、コデイン、ジフェンヒドラミン、ジクロフェナク、エトリコキシブ(Etoricoxib)、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ルミラコキシブ(Lumiracoxib)、モルヒネ、ナプロキセン、オキシコドン、パレコキシブ(Parecoxib)、ピロキシカム、プソイドエフェドリン、ロフェコキシブ(Rofecoxib)、テノキシカム(Tenoxicam)、トラマドール、バルデコキシブ(Valdecoxib)、炭酸カルシウム、マガルドレート(Magaldrate)、ジスルフィラム、ビュープロピオン、ニコチン、アジスロマイシン(Azithromycin)、クラリスロマイシン、クロトリマゾール、エリスロマイシン、テトラサイクリン、グラニセトロン(Granisetron)、オンダンセトロン(Ondansetron)、プロメタジン、トロピセトロン(Tropisetron)、ブロムフェニルアミン、セテリジン(Ceterizin)、レコセテリジン(leco−Ceterizin)、クロルシクリジン、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン(Difenhydramine)、ドキシラミン、フェノフェナジン(Fenofenadin)、ガイフェネシン(Guaifenesin)、ロラチジン(Loratidin)、デスロラチジン(des−Loratidin)、フェニルトロキサミン(Phenyltoloxamine)、プロメタジン、ピリダミン(Pyridamine)、テルフェナジン(Terfenadin)、トロキセルチン、メチルドーパ、メチルフェニデート、ベンザルコン(Benzalcon)塩化物、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、エカベットナトリウム(Ecabet−sodium)、ハロペリドール、アロプリノール、コルヒニン(Colchinine)、テオフィリン、プロパノロール(Propanolol)、プレドニゾロン、プレドニゾン、フッ化物、尿素、ミコナゾール、アクトート(Actot)、グリベンクラミド、グリピジド(Glipizide)、メトホルミン、ミグリトール(Miglitol)、レパグリニド(Repaglinide)、ロジグリタゾン(Rosiglitazone)、アポモルヒネ、シアリス(Cialis)、シルデナフィル(Sildenafil)、バルデナフィル(Vardenafil)、ジフェノキシレート、シメチコン、シメチジン、ファモチジン、ラニチジン(Ranitidine)、ラチニジン(Ratinidine)、セトリジン(cetrizin)、ロラタジン(Loratadine)、アスピリン、ベンゾカイン、デキストロメトルファン、エフェドリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、シサプリド(Cisapride)、ドンペリドン、メトクロプラミド(Metoclopramide)、アシクロビル、スルホコハク酸ジオクチル、フェノールフタレン、アルモトリプタン(Almotriptan)、エレトリプタン(Eletriptan)、エルゴタミン、ミギア(Migea)、ナラトリプタン(Naratriptan)、リザトリプタン(Rizatriptan)、スマトリプタン(Sumatriptan)、ゾルミトリプタン(Zolmitriptan)、アルミニウム塩、カルシウム塩、第一鉄塩、銀塩、亜鉛塩、アンホテリシンB、クロルヘキシジン、ミコナゾール、トリアムシノロンアセトニド、メラトニン、フェノバルビトール、ベンゾジアゼピネル、ヒドロキシジン、メプロバメート、フェノチアジン、ブクリジン、ブロメタジン(Brometazine)、シンナリジン、シクリジン、ジフェンヒドラミン(Difenhydramine)、ジメンヒドリネート、ブフロメジル(Buflomedil)、アンフェタミン、カフェイン、エフェドリン、オルリスタット(Orlistat)、フェニルエフェドリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、シブトラミン(Sibutramin)、ケトコナゾール、ニトログリセリン、ナイスタチン、プロゲステロン、テストステロン、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ピロカルピン、アルミニウムアミノアセテート、シメチジン、エソメプラゾール(Esomeprazole)、ファモチジン、ランソプラゾール(Lansoprazole)、酸化マグネシウム、ニザチド(Nizatide)および/またはラチニジン(Ratinidine)またはそれらの誘導体および混合物の群から選択される。
【0037】
本発明の実施形態では、チューインガムは、非生分解性ポリマーを実質的に含まない。
本発明の実施形態では、少なくとも2種以上の環状エステルは、グリコリド、ラクチド、ラクトン、環状カーボネートまたはそれらの混合物の群から選択される。
【0038】
本発明の実施形態では、ラクトンモノマーは、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトンおよびβ−プロピオラクトンの群から選択される。それはまた、環に沿って任意の非カルボニル炭素原子において1個または複数のアルキルまたはアリール置換基で置換されているε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトンまたはβ−プロピオラクトンを含み、2個の置換基が同じ炭素原子上に含まれる化合物を含む。
【0039】
本発明の実施形態では、カーボネートモノマーは、トリメチレンカーボネート、5−アルキル−1,3−ジオキサン−2−オン、5,5−ジアルキル−1,3−ジオキサン−2−オン、または5−アルキル−5−アルキルオキシカルボニル−1,3−ジオキサン−2−オン、エチレンカーボネート、3−エチル−3−ヒドロキシメチルトリメチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、トリメチロールプロパンモノカーボネート、4,6−ジメチル−1,3−プロピレンカーボネート、2,2−ジメチルトリメチレンカーボネートおよび1,3−ジオキセパン−2−オン並びにそれらの混合物の群から選択される。
【0040】
本発明の実施形態では、環状エステルポリマーおよび、環状エステルモノマーの重合から得られるそのコポリマーとしては、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D−ラクチド)、ポリ(D,L−ラクチド)、ポリ(メソラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(L−ラクチド−コ−D,L−ラクチド)、ポリ(L−ラクチド−コ−メソ−ラクチド)、ポリ(L−ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(L−ラクチド−コ−トリメチレンカーボネート)、ポリ(L−ラクチド−コ−ε−カプロラクトン)、ポリ(D,L−ラクチド−コ−メソ−ラクチド)、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(D,L−ラクチド−コ−トリメチレンカーボネート)、ポリ(D,L−ラクチド−コ−ε−カプロラクトン)、ポリ(メソ−ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(メソ−ラクチド−コ−トリメチレンカーボネート)、ポリ(メソ−ラクチド−コ−ε−カプロラクトン)、ポリ(グリコリド−コ−トリメチレンカーボネート)、ポリ(グリコリド−コ−ε−カプロラクトン)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
本発明の実施形態では、チューインガムは充填剤を含む。
チューンガムベース組成物は、必要であれば、例えば、マグネシウムおよび炭酸カルシウム、硫酸ナトリウム、粉末石灰、マグネシウムおよびアルミニウムシリケートなどのシリケート化合物、カオリンおよび粘土、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、タルク、酸化チタン、モノ−、ジ−およびトリ−リン酸カルシウム、木材などのセルロースポリマー、およびそれらの組合せを含む、1種または複数種の充填剤/テクスチャー形成剤を含んでもよい。
【0042】
本発明の実施形態では、チューインガムは、充填剤を、チューインガムの約0〜約50重量%、さらに一般的には、チューインガムの約10重量%〜約40重量%の量で含む。
本発明の実施形態では、チューインガムは少なくとも1種の着色剤を含む。
【0043】
本発明の実施形態によれば、チューインガムは、着色剤およびFD&C−タイプ染料およびレーキなどの漂白剤、果実および植物の抽出物、二酸化チタンおよびそれらの混合物を含んでもよい。さらに有用なチューインガムベース成分としては、酸化防止剤、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、プロピルガレートおよびトコフェロール、および防腐剤が挙げられる。
【0044】
本発明の実施形態では、チューインガムは外部コーティングで被覆される。
本発明の実施形態では、外部コーティングはハードコーティングである。
本発明の実施形態では、ハードコーティングは、糖質コーティングおよび無糖コーティングならびにそれらの組合せからなる群から選択される被膜である。
【0045】
本発明の実施形態では、ハードコーティングは、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトールおよびイソマルトからなる群から選択されるポリオールを50重量%〜100重量%含む。
【0046】
本発明の実施形態では、外部コーティングは、食用膜形成剤とワックスからなる群から選択される少なくとも1種の成分を含む食用膜である。
本発明の実施形態では、膜形成剤は、セルロース誘導体、変性デンプン、デキストリン、ゼラチン、セラック、アラビアゴム、ゼイン、植物ガム、合成ポリマーおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0047】
本発明の実施形態では、外部コーティングは、結合剤、水分吸収成分、膜形成剤、分散剤、固着防止成分、増量剤、香味剤、着色剤、薬理学的にまたは美容的に活性な成分、脂質成分、ワックス成分、糖、酸および分解性ポリマーの噛んだ後の分解を促進することのできる物質からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤成分を含む。
【0048】
本発明の実施形態では、外部コーティングはソフトコーティングである。
本発明の実施形態では、ソフトコーティングは無糖コーティング剤を含む。
本発明の実施形態では、チューインガムは、従来のチューインガムポリマーまたは樹脂を含む。
【0049】
本発明の実施形態では、少なくとも1種の生分解性ポリマーは、チューインガムポリマーの少なくとも5%を構成する。
本発明の実施形態では、チューインガムに含まれる全生分解性ポリマーは、チューインガムポリマーの少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%を構成する。
【0050】
本発明の実施形態では、チューインガムに含まれる生分解性ポリマーは、チューインガムポリマーの少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%を構成する。
本発明の実施形態では、チューインガムは、チューインガムの可塑剤を形成する前記少なくとも1種の生分解性ポリエステルコポリマーおよび少なくとも1種の非生分解性の従来のエラストマーを含む。
【0051】
本発明によれば、本発明による生分解性ポリマーは、従来の天然または合成樹脂の代替物を形成してもよい。
本発明の実施形態では、チューインガムは、チューインガムのエラストマーを形成する少なくとも1種の生分解性ポリエステルコポリマーおよび少なくとも1種の非生分解性の従来の天然または合成樹脂を含む。
【0052】
本発明によれば、本発明による生分解性ポリマーは、従来の低分子量または高分子量エラストマーの代替物を形成してもよい。
本発明の実施形態では、前記チーインガムは、チューインガムの約0.5重量%〜約70重量%の量の少なくとも1種の生分解性エラストマーと、チューインガムの約0.5重量%〜約70重量%の量の少なくとも1種の生分解性可塑剤、ならびに、チューインガムの約2重量%〜約80重量%の量の、軟化剤、甘味料、香味剤、活性成分および充填剤の群から選択される少なくとも1種のチューインガム成分とを含む。
【0053】
本発明を図面を参照しながら説明する。
本発明の以下の実施例は非限定的なものであり、本発明を説明する目的のためにのみ提供されるものである。
別段の指示がなければ、ここで使用される「分子量」という用語は、数平均分子量(M)を意味する。
【0054】
驚くべきことに、チューインガムベースの組成物に適する生分解性エラストマーは、三官能または高次ポリオールを含む開始剤と、ラクトンおよび少なくとも1種の環状カーボネートモノマーを含む環状モノマーとの混合物との組合せを使用する、金属触媒された開環重合によって作ることができることが分かった。これらのポリマーが優れた弾性を有することは、それらが、室温より低いガラス転移温度を有する非結晶性ポリマーであり、かつ、それらが、超分枝された、または僅かに架橋された物質であって、その特性が優れた弾性と復元性を与えるとの事実から分かる。
【0055】
種々のモノマーが、本発明のポリマーに特有の性質を付与するために有利に選択される。非結晶性の要求は、ほぼランダム配列においてポリマー鎖に入ることができ、従って、骨格に沿って不規則性を与える2種以上のモノマーを使用することによって達成される。また、結晶化は、三官能または高次ポリオール開始剤によって導入される分枝点によって妨げられる。骨格の主成分を代表するモノマーであり、極めて低いホモポリマーガラス転移温度を有すべきモノマーは、非限定的な例であるε−カプロラクトンを伴う脂肪族ラクトンの群から選択される。不規則性を付与するために使用されるコモノマーもまた、脂肪族ラクトンの群から選択されるべきであるが、主成分モノマーとは異なるものでなければならない。主成分モノマーと共に使用するのに適したモノマーの一般的であって非限定的な例は、δ−バレロラクトンである。
【0056】
本発明の重要な、そして最も驚くべき発見は、非限定的な例である1,3−ジオキサン−2−オン(トリメチレンカーボネート)のカーボネートモノマーの少ない割合の添加が、開環重合中に、弾性ポリマーへの更なる分枝および/または架橋を導入する手段を提供するということである。事実、モノマー混合物における環状カーボネートのレベルは、最終ポリマーにおける分枝および架橋の程度を正確に制御する。環状カーボネートモノマーが架橋を与えるメカニズムは、非限定的な例であるオクタン酸第一錫が、重合中のエステル交換反応およびカーボネート交換反応(ポリマーへの分子間連鎖移動)を促進するという、金属触媒の良く知られた性向に基づくものである。
ラクトンおよびカーボネートモノマーの、オクタン酸第一錫触媒された開環重合中のカーボネート交換反応を図1に示す。
【0057】
このメカニズムを、図に示す。図1は、トリメチロールプロパンなどの三官能ポリオール開始剤(1)から製造された3本アーム星形ポリマー分子を例示する。これらのポリマーの骨格は、単位当り、不規則に導入されたε−カプロラクトンとトリメチレンカーボネートから構成され、各アームの末端は、(1)において例示される様な重合−活性スタンニルエーテル基または(2)において例示される様な重合−不活性ヒドロキシル基を有するている。エステル交換反応(カーボネート交換反応)は、1つの鎖のスタンニルエーテル基と他方の鎖のエステル(カーボ−ネート)間結合との反応を含む。(3)においては、例示された(1)と(2)との間のカーボネート交換反応が得られ、それによって中間体(3)が創り出される。後者は、カーボネート結合が、分裂可能な2つの異なるアシル−酸素結合を有するので、分解して異なる2つの生成物を生成することができる。スキームを例示した図において描かれた分解経路は、2つの開始剤分枝点が結合されて生じた新しい種(4)を生成するので興味あるものの1つである。この種は、超分枝の極めて初期の段階を代表するものである。同様の反応が生起するにつれて、益々分枝が起こり、系は最終的に架橋されることになる。架橋の程度は、環状カーボネートモノマーの官能性の取り込みと重合転換率に依存する。描かれていない代わりの分解経路は、分枝および架橋へはつながらない。また、カーボネートモノマーの不存在においては、分枝および架橋は起こらない。
(5)は、残りの非分枝コポリマーを表す。
本発明において有用な三官能または高次ポリオール開始剤としては、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールおよびエトキシル化またはプロポキシル化ポリアミンが挙げられる。好ましい開始剤はトリメチロ−ルプロパンとペンタエリスリトールである。
【0058】
骨格の主成分を代表するモノマーと、不規則性を付与するために使用されるコモノマーは、同じ群から選択されてもよい。この群は、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトンおよびβ−プロピオラクトンを含む。また、環に沿って任意の非カルボニル炭素原子において1個または複数のアルキルまたはアリール置換基で置換されているε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトンまたはβ−プロピオラクトンを含み、2個の置換基が同じ炭素原子上に含まれる化合物を含む。好ましい主成分モノマーはε−カプロラクトンである。好ましいコモノマーはδ−バレロラクトンである。
【0059】
本発明において有用なカーボネートモノマーとしては、トリメチレンカーボネート、5−アルキル−1,3−ジオキサン−2−オン、5,5−ジアルキル−1,3−ジオキサン−2−オン、または5−アルキル−5−アルキルオキシカルボニル−1,3−ジオキサン−2−オンが挙げられる。好ましいカーボネートモノマーはトリメチレンカーボネートである。
【0060】
一般的に、架橋のレベルおよび超分枝のレベルは、ほぼ同じ規模である、即ち、一方が高いかあるいは低ければ、他方も高いかあるいは低い。
一般的に、カーボネートモノマー/開始剤の比が大きければ大きい程、超分枝および架橋の水準は益々高くなる。
【0061】
高温での重合中においては、ポリマー鎖の小画分はその構造の一部として触媒を含む。この触媒は、急速な化学平衡において鎖から鎖へと移動される。重合後、冷却して、ポリマーを作り上げた後、この触媒は、ポリマー構造の一部にはならないと考えられる。
【実施例1】
【0062】
樹脂の調製
樹脂サンプルは、ガラス攪拌シャフトとテフロン(登録商標)製攪拌ブレードおよび底部取り出し口を備えた円筒形のガラス製のジャケット付10リットルパイロット反応器を使用して製造した。反応器の内容物の加熱は、外部ジャケットを通して、130℃に自動温度調節したシリコーン油の循環で行った。D,L−ラクチド(4.877kg、33.84モル)を反応器に投入し、140℃に6時間加熱して溶融した。D,L−ラクチドが完全に溶融した後、温度を130℃まで下げ、オクタン酸第一錫(1.79g、4.42x10−3モル)、1,2−プロピレングリコール(79.87g、1.050モル)およびε−カプロラクトン(290.76g、2.547モル)を反応器に投入した。混合物が均質になった後、24時間130℃で攪拌を続けた。24時間後に、底部取り出し口を開き、溶融ポリマーを、テフロン(登録商標)で内張りされたペンキ缶に排出した。
生成物の特徴は、M=5,700g/molおよびM=7,100g/mol(オンラインMALLS検出器を有するゲル透過クロマトグラフィー)、およびTg=30.7℃(DSC、加熱速度10℃/分)を示した。
【実施例2】
【0063】
LMWEエラストマーの調製
515gのLMWEサンプルは、乾燥Nグローブボックスで以下の通りに合成した。オーバーヘッド機械攪拌機を備えた500ml樹脂ケトル中に、0.73gの1,2−プロパンジオール(塩化メチレン中の22.0%(w/v)溶液の3.3ml)および0.152gのSn(Oct)(塩化メチレン中の4.27%(w/v)溶液の3.56ml)を、乾燥Nガスパージ下で投入した。塩化メチレンは、乾燥Nガスパージ下で15分間蒸発させた。次いで、ε−カプロラクトン(300g、2.63モル)とδ−バレロラクトン(215mg、2.15モル)を添加した。樹脂ケトルは、130℃の一定温度の油浴に沈め、14時間攪拌した。次いで、ケトルを油浴から取り出し、室温まで冷却した。固体の弾性生成物はナイフを使用して小片で取り出し、プラスチック容器内に置いた。
生成物の特徴は、M=59,900g/molおよびM=74,200g/mol(オンラインMALLS検出器を有するゲル透過クロマトグラフィー)、およびTg=−70℃(DSC、加熱速度10℃/分)を示した。
【実施例3】
【0064】
二官能開始剤で作られるHMWEの調製
HMWEサンプルは、乾燥Nグローブボックスで以下の通りに合成した。オーバーヘッド機械攪拌機を備えた500ml樹脂ケトル中に、0.51gの1,2−プロパンジオール(MeCl中の22.0%(w/v)溶液の2.3ml)および0.15gのSn(Oct)(MeCl中の5.83%(w/v)溶液の2.6ml)を、乾燥Nガスパージ下で投入した。MeClは、乾燥Nガスパージ下で15分間蒸発させた。次いで、ε−カプロラクトン(274g、2.40モル)、TMC(49g、0.48モル)およびδ−バレロラクトン(192g、1.92モル)を添加した。樹脂ケトルは、130℃の一定温度の油浴に沈め、14時間攪拌した。次いで、ケトルを油浴から取り出し、室温まで冷却した。固体の弾性生成物は、ナイフを使用して小片で取り出し、プラスチック容器内に置いた。
生成物の特徴は、M=72,400g/molおよびM=103,300g/mol(オンラインMALLS検出器を有するゲル透過クロマトグラフィー)、およびTg=−66℃(DSC、加熱速度10℃/分)を示した。
【実施例4】
【0065】
4本アーム星形開始剤で作られるHMWEの調製
本発明によるHMWEサンプルは、乾燥Nグローブボックスで以下の通りに合成した。オーバーヘッド機械攪拌機を備えた500ml樹脂ケトル中に、0.037gのSn(Oct)(塩化メチレン中の1.10%(w/v)溶液の3.4ml)を、乾燥Nガスパージ下で投入した。塩化メチレンは、乾燥Nガスパージ下で15分間蒸発させた。次いで、ペンタエリスリトール(0.210g、1.54x10−3モル)、ε−カプロラクトン(79.0g、0.692モル)、TMC(8.0g、0.078モル)およびδ−バレロラクトン(38.0g、0.380モル)を添加した。樹脂ケトルは、130℃の一定温度の油浴に沈め、14時間攪拌した。次いで、ケトルを油浴から取り出し、室温まで冷却した。固体の弾性生成物はナイフを使用して小片で取り出し、プラスチック容器内に置いた。
生成物の特徴は、M=64,600g/molおよびM=165,200g/mol(オンラインMALLS検出器を有するゲル透過クロマトグラフィー)、およびTg=−66℃(DSC、加熱速度10℃/分)を示した。
【実施例5】
【0066】
ガムベースの調製
全てのガムベースは、以下の基本的配合で調製した。
成分 重量%
エラストマーHMWE 20
エラストマーLMWE 40
樹脂 40
【表1】

ガムベースは、以下の通りに調製した。
HMWEエラストマーは、例えば、水平に設置されたZ−形状のアームなどの混合手段を備えた混合ケトルに添加した。ケトルは、15分間、約60〜80℃の温度で予備加熱した。このゴムを小片に破壊し、ケトルでの機械的作用で柔らかくした。
混合物が均質になるまで、樹脂をエラストマーにゆっくりと添加した。次いで、残りの樹脂をケトルに添加し、10〜20分間混合した。LMWEエラストマーを添加し、全体の混合物が均質になるまで、20〜40分間混合した。
次いで、混合物をパンの中に放出し、60〜80℃の放出温度から室温まで冷却するか、または、このガムベース混合物を連続的に混合しながら、適当な順序で全てのチューインガム成分を添加して、チューインガム用として直接使用した。
【実施例6】
【0067】
チューインガムの調製
全てのチューインガム組成物は、以下の基本的配合で調製した。
ペパーミント:
成分 重量%
ガムベース 40
ソルビトール 48.6
リカシン 3
ペパーミント油 1.5
メントール結晶 0.5
アスパルテーム 0.2
アセスルファム 0.2
キシリトール 6
【表2】

イチゴ:
成分 重量%
ガムベース 40
ソルビトール 46.7
リカシン 3
レシチン 0.3
野生のイチゴ油 2
リンゴ酸 0.5
クエン酸 1.1
アスパルテーム 0.3
アセスルファム 0.1
キシリトール 6
【表3】

【0068】
チューインガム製品は、以下の通りに調製した。
ガムベースは、例えば、水平に設置したZ−形状のアームなどの混合手段を備えた混合ケトルに添加した。ケトルは、15分間、約60〜80℃の温度で予備加熱した。即ち、チューインガムは、ガムベースとケトルとが約60〜80℃の温度を有する同じ混合機において、ガムベースの調製直後に1工程で調製した。
【0069】
ミント配合物:
ソルビトールの1/3の部分をガムベースと一緒に添加し、1〜2分間混合した。次いで、ソルビトールの別の1/3の部分とリカシンとをケトルに添加し、2分間混合した。ソルビトールの残りの1/3の部分、ペパーミントおよびメントールとを添加し、2分間混合した。次いで、アスパルテームとアセスルファムをケトルに添加し、3分間混合した。キシリトールを添加し、3分間混合した。次いで得られたガム混合物を放出し、例えば40〜48℃の温度のパンに移した。次いで、このガムをロールに掛け、コア、スティック、ボール、キューブおよび任意の別の所望の形状にし、場合によっては被覆加工し、包装前に艶出し処理した。
【0070】
イチゴ配合物:
ソルビトールの1/3の部分とガムベースとを一緒に添加し、1〜2分間混合した。次いで、ソルビトールの別の1/3の部分、リカシンおよびレシチンをケトルに添加し、2分間混合した。ソルビトールの残りの1/3の部分、イチゴおよび酸を添加し、2分間混合した。次いで、アスパルテームとアセスルファムをケトルに添加し、3分間混合した。キシリトールを添加し、3分間混合した。次いで得られたガム混合物を、放出し、例えば、40〜48℃の温度のパンに移した。次いで、このガムをロールに掛け、コア、スティック、ボール、キューブ、および任意の別の所望の形状にし、場合によっては被覆加工し、包装前に艶出し処理した。
【実施例7】
【0071】
4本アーム星形HMWEエラストマーが、二官能開始剤で作られたHMWEエラストマーと比較して、従来のHMWEエラストマー、例えば、ポリイソブチレンまたはブチルゴムにより近いレオロジー的一致を有するかを試験するために、1つの実験を設定した。
【0072】
次のレオロジーパラメータは、レオメーターとして、TA InstrumentsのタイプAR1000を使用して測定した。振動測定は、線形粘弾性領域内の応力と、温度130℃、平行プレート系(d=2.0cm、平行に彫られた線)、G’およびタンジェントデルタ対剪断速度で行った。
【0073】
結果を図2と3に概要を示す。そこから分かる様に、4本アーム星形開始剤で作られたエラストマーの弾性は、二官能開始剤でのエラストマーよりも従来のエラストマーにより近かった。同じことは、貯蔵弾性率G’を見ても明らかであった。
【実施例8】
【0074】
実施例7に記載のものと同じエラストマーを含む、実施例5に従って調製したガムベースを試験するために、1つの実験を設定した。
20%のHMWE PIBを含む標準ガムベース(サンプル101、表1)を、二官能開始剤で作られたHMWEエラストマーを20%含むガムベース(サンプル102、表1)および4本アーム星形開始剤で作られたHMWEエラストマーを20%含むガムベース(サンプル103、表1)と比較した。これにより130℃における次のレオロジーパラメータG’およびタンジェントデルタ対剪断速度は、前述の実施例で記載の方法とレオメーターとを使用して測定した。
【0075】
結果を図4と5に概要を示す。そこから分かる様に、星形エラストマーを含むガムベース(103)は、ジオール開始剤で作られたエラストマーを含むガムベース(102)と比較して、従来のエラストマーを含むガムベース(101)に近いレオロジー的一致を与えた。
【実施例9】
【0076】
チューインガムの特徴
実施例8で記載したガムベースに対応するチューインガムサンプルを試験するために、1つの実験を設定した。実施例6に記載したように準備した。
星形生分解性エラストマー、二官能エラストマーおよび標準(それぞれに、サンプル1003、1002および1001)を有するガムベースを含むチューインガムサンプルの咀嚼特徴を試験するために、ガムの中心を噛み機(CF Jansson)において咀嚼した。咀嚼頻度は1Hzに設定し、pH緩衝剤を唾液として使用し、温度は37℃に設定した。咀嚼時間は、15秒、30秒、60秒および120秒に設定した。咀嚼後、咀嚼したものを、37℃の温度での振動測定として実施例7で記載のレオメーターで測定した。
【0077】
これらの測定結果は、貯蔵弾性率(G’)対振動トルクが、咀嚼の間のテクスチャー変化を示す別々の咀嚼時間で描かれている図6、7、8および9で見ることができる。
図6から、二官能星形開始剤(1002)と多重星形開始剤(1003)とで作られたエラストマーを含む2つのチューインガム組成物は、30秒後の初期段階において幾分柔らかいが(図7参照)、標準(1001)は、別の2つのものに近づき、サンプル1003は、1002と比較して標準に近いことが分かる。
【0078】
図8に示すように、3つのサンプル間の相違は、60秒後の図7で示す相違に似ている。120秒後では(図9参照)、この相違は小さく、サンプル1003についての測定値は、標準組成物1001に最も近い。
上記のレオロジーの結果は、4本アーム星形開始剤で作られたエラストマーは、二官能開始剤で作られたエラストマーと比較して、また時間の関数としても従来のエラストマーに近いテクスチャー性を有することの事実を確認するものである。
【実施例10】
【0079】
試験チューインガムの感覚的なテクスチャー形態分析
3つのチューインガムサンプルは、無作為の3桁コードを有する40mlの無味のプラスチックカップで、室温で、ISO 8598標準に従って作られた味見ブースにおいて、それらを官能試験員に供することにより試験した。試験サンプルは、それぞれに、0〜0.5分間(初期段階1)、0.5〜1分間(初期段階2)、1〜1.5分間(中間1)、1.5〜2分間(中間2)、2〜2.5分間(中間3)、2.5〜3分間(中間4)、4〜4.5分間(最終段階1)、4.5〜5分間(最終段階2)の咀嚼の後に評価した。各サンプルを試験する間に、試験員は3分間の休憩が許された。全ての試験を繰り返した。
【0080】
次のテクスチャーパラメータを評価した:柔軟性、強靭性および弾性。これらのパラメータのそれぞれに対して、試験員には、0〜15の任意の尺度による彼らの評価を提供することを要求した。得られたデータは、FIZZ コンピュータプログラム(French Bio System)を使用して処理し、その結果は、図10〜12で示す通りの感覚形態図に転換した。全ての段階での試験チューインガム間の大きな相違は次の通りであった。
【0081】
エラストマー(1002、1003)で作った開始剤を含むチューインガムは、標準(上記実施例9でそのレオロジーの結果を確認している)に比べて高い柔軟性を示した。ポリマー1002と1003を作った開始剤を含むチューインガムを比較すると、1003(星形)の柔軟性は、初期段階を除いて標準に近かった。
【0082】
図11は、初期段階を除いて、エラストマー(1002)を作った二官能開始剤と比較して、4本アーム星形開始剤で作られたエラストマー(1003)を含むチューインガムの高い強靭性を示した。1003の強靭性は、1002と比べて標準に近かった。
4本アーム星形エラストマーの弾性は、図12によって確認される分枝により高いことが期待される。そこで、1003は、試験時間の約70%において、1002(二官能開始剤で作られた)と比較して、弾性が高くかつ標準に近いことが分かった。
【実施例11】
【0083】
試験チューインガムの感覚的香味性分析
3つのチューインガムサンプルは、上記実施例10で記載した感覚方法を使用して試験した。
試験サンプルは、それぞれに、0〜1分間(初期段階1)、1〜2分間(中間段階1)、2〜3分間(中間段階2)、3〜4分間(中間段階3)、4〜5分間(最終段階1)の咀嚼の後に評価した。
【0084】
次の香味性パラメータを評価した:甘味性、香味強度および清涼感。これらのパラメータのそれぞれに対して、試験員には、0〜15の任意の尺度による彼らの評価を提供することを要求した。得られたデータは、FIZZ コンピュータプログラム(French Bio System)を使用して処理し、その結果は、図13〜15で示す通りの感覚形態図に転換した。
全ての段階でのチューインガム間の大きな相違は次の通りであった。
【0085】
4本アーム星形開始剤1003で作られたエラストマーを含むチューインガムは、初期段階の間に高い甘味放出性を示した(図13)。清涼感および全体の香味強度は、二官能開始剤1002で作られたHMWEエラストマーを含むチューインガム組成物と比較して、放出において高いことが分かった(図14および15)。
従って、4本アーム星形開始剤の使用は、本質的な香味特性に関して優れると結論できる。
【実施例12】
【0086】
試験チューインガムの感覚的時間強度分析
2つのイチゴチューインガムサンプルが、無作為の3桁コードを有する40mlの無味のプラスチックカップで、室温で、ISO 8598標準に従って作られた味見ブースにおいて、それらを官能試験員に供することにより試験した。サンプルは、3分間で試験し、10秒毎に評価した。各サンプルを試験する間に、試験員は3分間の休憩が許された。全ての試験を繰り返した。FIZZ(French Bio System)をデータの収集と計算のために使用し、その結果は、図16で示す通りの感覚的時間強度図に転換した。
【0087】
4本アーム星形開始剤1005で作られたエラストマーを含む、イチゴで香味付けしたチューインガムの香味強度は、二官能開始剤1004で作られたHMWEエラストマーを含むチューインガム組成物と比較して、全体的香味強度が高かった(図16)。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】オクタン酸第一錫で触媒した開環重合中のカーボネート交換反応を示す図である。
【図2】得られた生分解性チューインガムポリマーの種々の測定したテクスチャーの性質を示す図である。
【図3】得られた生分解性チューインガムポリマーの種々の測定したテクスチャーの性質を示す図である
【図4】得られた生分解性チューインガムポリマーの種々の測定したテクスチャーの性質を示す図である
【図5】得られた生分解性チューインガムポリマーの種々の測定したテクスチャーの性質を示す図である
【図6】咀嚼時間15秒、30秒、60秒および120秒のそれぞれにおいて、チューインガムに導入された際の、得られたポリマーについて測定されたLVR性を示す図である。
【図7】咀嚼時間15秒、30秒、60秒および120秒のそれぞれにおいて、チューインガムに導入された際の、得られたポリマーについて測定されたLVR性を示す図である。
【図8】咀嚼時間15秒、30秒、60秒および120秒のそれぞれにおいて、チューインガムに導入された際の、得られたポリマーについて測定されたLVR性を示す図である。
【図9】咀嚼時間15秒、30秒、60秒および120秒のそれぞれにおいて、チューインガムに導入された際の、得られたポリマーについて測定されたLVR性を示す図である。
【図10】得られた生分解性チューインガムポリマーの種々の測定したテクスチャーの性質を示す図である
【図11】得られた生分解性チューインガムポリマーの種々の測定したテクスチャーの性質を示す図である
【図12】得られた生分解性チューインガムポリマーの種々の測定したテクスチャーの性質を示す図である
【図13】チューインガムに導入された際の、得られたポリマーの放出性を示す図である。
【図14】チューインガムに導入された際の、得られたポリマーの放出性を示す図である。
【図15】チューインガムに導入された際の、得られたポリマーの放出性を示す図である。
【図16】チューインガムに導入された際の、得られたポリマーの放出性を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分解性ポリマーが、少なくとも1種の三官能または高官能開始剤、前記ポリマーの骨格を形成する少なくとも2種の異なるモノマー、および、カーボネートモノマーの群から選択される少なくとも1種のモノマーから重合されるポリマーであることを特徴とする分解性チューインガムポリマー。
【請求項2】
前記少なくとも2種の異なるモノマーが環状である請求項1記載の分解性チューインガムポリマー。
【請求項3】
前記ポリマーの骨格を形成する前記少なくとも2種の異なるモノマーが、少なくとも1種の骨格モノマーおよび少なくとも1種の骨格コモノマーを含む請求項1または2記載の分解性チューインガムポリマー。
【請求項4】
前記少なくとも1種の骨格コモノマーが、前記骨格モノマー鎖に不規則性を与える請求項1〜3のいずれかに記載の分解性チューインガムポリマー。
【請求項5】
前記少なくとも1種の骨格コモノマーが、前記骨格モノマー鎖に無定形領域を導入するのに有効である請求項1〜4のいずれかに記載の分解性チューインガムポリマー。
【請求項6】
前記ポリマーの骨格を形成する前記少なくとも2種の異なるモノマーが、ラクトンモノマーの群から選択される請求項1〜5のいずれかに記載の分解性チューインガムポリマー。
【請求項7】
前記ラクトンモノマーが、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトンおよびβ−プロピオラクトンの群から選択され、かつ、環に沿って任意の非カルボニル炭素原子において1個または複数のアルキルまたはアリール置換基で置換されているε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトンまたはβ−プロピオラクトンを含み、2個の置換基が同じ炭素原子上に含まれる化合物およびそれらの混合物を含む請求項1〜6のいずれか項に記載の分解性チューインガムポリマー。
【請求項8】
前記少なくとも1種の骨格モノマーがε−カプロラクトンを含む請求項1〜7のいずれかに記載の分解性チューインガムポリマー。
【請求項9】
前記少なくとも1種の骨格モノマーが、−40℃より下、好ましくは−50℃未満のTgを有する請求項1〜8のいずれかに記載の分解性チューインガムポリマー。
【請求項10】
前記少なくとも1種の骨格コモノマーがδ−バレロラクトンを含む請求項1〜9のいずれかに記載の分解性チューインガムポリマー。
【請求項11】
前記分解性ポリマーが、金属触媒された開環によって重合される請求項1〜10のいずれかに記載の分解性チューインガムポリマー。
【請求項12】
前記少なくとも1種のモノマーが、カーボネートモノマーの群から選択される請求項1〜11のいずれかに記載の分解性チューインガムポリマー。
【請求項13】
カーボネートモノマーの群から選択される前記少なくとも1種のモノマーが、トリメチレンカーボネート、5−アルキル−1,3−ジオキサン−2−オン、5,5−ジアルキル−1,3−ジオキサン−2−オン、5−アルキル−5−アルキルオキシカルボニル−1,3−ジオキサン−2−オン、エチレンカーボネート、3−エチル−3−ヒドロキシメチルトリメチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、トリメチロールプロパンモノカーボネート、4,6−ジメチル−1,3−プロピレンカーボネート、2,2−ジメチルトリメチレンカーボネート、および1,3−ジオキセパン−2−オンおよびそれらの混合物の群から選択される請求項1〜12のいずれかに記載の分解性チューインガムポリマー。
【請求項14】
カーボネートモノマーの群から選択される前記少なくとも1種のモノマーが、開環重合中に弾性ポリマーに更なる分枝および/または架橋を導入する手段を提供する請求項1〜13のいずれかに記載の分解性チューインガムポリマー。
【請求項15】
前記少なくとも1種の三官能または高官能開始剤がポリオールを含む請求項1〜14のいずれかに記載の分解性チューインガムポリマー。
【請求項16】
前記開始剤が、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、エトキシル化またはプロポキシル化ポリアミンおよび複数のヒドロキシルまたはその他の反応性基を有する、その他の分子、ならびに複数のヒドロキシルまたはその他の反応性基およびそれらの混合物を有するその他の分子の群から選択される請求項1〜15のいずれかに記載の分解性チューインガムポリマー。
【請求項17】
約20重量%〜80重量%の前記少なくとも1種の骨格モノマー、
約19.5重量%〜79.5重量%の前記少なくとも1種の骨格コモノマー、
約0.5重量%〜25重量%の、カーボネートモノマーの群から選択される前記少なくとも1種のモノマー
から重合される、請求項1〜16のいずれかに記載の分解性チューインガムポリマー。
【請求項18】
さらに、約0.01重量%〜1.0重量%の前記少なくとも1種の開始剤から重合される請求項1〜17のいずれかに記載の分解性チューインガムポリマー。
【請求項19】
前記ポリマーのチューインガム性が、多官能開始剤の適切な種類を選択することによって調節される請求項1〜18のいずれかに記載の分解性チューインガムポリマー。
【請求項20】
前記分解性ポリマーのレオロジー性が、開始剤の官能数を調整することによって調節される請求項1〜19のいずれかに記載の分解性チューインガムポリマー。
【請求項21】
前記ラクトンモノマーが、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトンおよびβ−プロピオラクトンの群から選択され、かつ、環に沿って任意の非カルボニル炭素原子において1個または複数のアルキルまたはアリール置換基で置換されているε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトンまたはβ−プロピオラクトンを含み、2個の置換基が同じ炭素原子上に含まれている化合物およびそれらの混合物を含む請求項1〜20のいずれかに記載の分解性チューインガムポリマー。
【請求項22】
前記カーボネートモノマーが、トリメチレンカーボネート、5−アルキル−1,3−ジオキサン−2−オン、5,5−ジアルキル−1,3−ジオキサン−2−オン、または5−アルキル−5−アルキルオキシカルボニル−1,3−ジオキサン−2−オン、エチレンカーボネート、3−エチル−3−ヒドロキシメチルトリメチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、トリメチロールプロパンモノカーボネート、4,6−ジメチル−1,3−プロピレンカーボネート、2,2−ジメチルトリメチレンカーボネート、および1,3−ジオキセパン−2−オンおよびそれらの混合物の群から選択される、請求項1〜21のいずれかに記載の分解性チューインガムポリマー。
【請求項23】
前記ラクトンモノマーの分子量が、50〜16000g/molの範囲内、好ましくは100〜3000g/molの範囲内である請求項1〜22のいずれかに記載の分解性チューインガムポリマー。
【請求項24】
前記カーボネートモノマーの分子量が、50〜15000、好ましくは100〜2300g/molの範囲内である請求項1〜23のいずれかに記載の分解性チューインガムポリマー。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれかに記載の分解性ポリマーを含むチューインガム。
【請求項26】
前記チューインガム成分が香味剤を含む請求項25に記載のチューインガム。
【請求項27】
前記香味剤が、酸および味の特徴に影響を及ぼすことのできるその他の物質を含む、天然植物成分、エッセンシャルオイル、エッセンス、抽出物、粉末の形態の天然および合成香味剤を含む請求項25または26に記載のチューインガム。
【請求項28】
0.01重量%〜約30重量%の量で香味剤を含み、この割合が前記チューインガムの全重量を基準とする請求項25〜27のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項29】
前記チューインガムが、0.2重量%〜約4重量%の量で香味剤を含み、この割合が前記チューインガムの全重量を基準とする請求項25〜28のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項30】
前記香味剤が水溶性成分を含む請求項25〜29のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項31】
前記水溶性香味剤が酸を含む請求項25〜30のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項32】
前記香味剤が水不溶性成分を含む請求項25〜31のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項33】
前記チューインガム成分が甘味料を含む請求項25〜32のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項34】
前記甘味料がバルク甘味料を含む請求項25〜33のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項35】
前記チューインガムが、前記チューインガムの約5重量%〜約95重量%、さらに一般的には、前記チューインガムの約20重量%〜80重量%の量でバルク甘味料を含む請求項25〜34のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項36】
前記甘味料が高強度甘味料を含む請求項25〜35のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項37】
前記高強度甘味料が、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムの塩、アリテーム、サッカリンおよびその塩、シクラミン酸およびその塩、グリシルリチン、ジヒドロカルコン、タウマチン、モネリン、ステリオシドを単独または組合せで含む請求項25〜36のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項38】
前記チューインガムの約0〜約1重量%、さらに一般的には、前記チューインガムの約0.05重量%〜約0.5重量%の量で高強度甘味料を含む請求項25〜37のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項39】
少なくとも1種の軟化剤を含む請求項25〜38のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項40】
前記少なくとも1種の軟化剤が、獣脂、水素化獣脂、水素化および部分的水素化植物油、ココアバター、グリセロールモノステアレート、グリセロールトリアセテート、レシチン、モノ−、ジ−およびトリグリセリド、アセチル化モノグリセリド、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸およびリノール酸などの脂肪酸、ワックス、PGEおよびそれらの混合物を含む請求項25〜39のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項41】
前記チューインガムの約0〜約18重量%、さらに一般的には、前記チューインガムの約0〜約12重量%の量で軟化剤を含む請求項25〜40のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項42】
前記チューインガム成分が活性成分を含む請求項25〜41のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項43】
前記活性成分が、アセトアミノフェン、アセチルサリチルシレ、ブプレノルフィン、ブロムヘキシン、セルコキシブ、コデイン、ジフェンヒドラミン、ジクロフェナク、エトリコキシブ、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ルミラコキシブ、モルヒネ、ナプロキセン、オキシコドン、パレコキシブ、ピロキシカム、プソイドエフェドリン、ロフェコキシブ、テノキシカム、トラマドール、バルデコキシブ、炭酸カルシウム、マガルドレート、ジスルフィラム、ビュープロピオン、ニコチン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、クロトリマゾール、エリスロマイシン、テトラサイクリン、グラニセトロン、オンダンセトロン、プロメタジン、トロピセトロン、ブロムフェニルアミン、セテリジン、レコセテリジン、クロルシクリジン、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、フェノフェナジン、ガイフェネシン、ロラチジン、デスロラチジン、フェニルトロキサミン、プロメタジン、ピリダミン、テルフェナジン、トロキセルチン、メチルドーパ、メチルフェニデート、ベンザルコン塩化物、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、エカベットナトリウム、ハロペリドール、アロプリノール、コルヒニン、テオフィリン、プロパノロール、プレドニゾロン、プレドニゾン、フッ化物、尿素、ミコナゾール、アクトート、グリベンクラミド、グリピジド、メトホルミン、ミグリトール、レパグリニド、ロジグリタゾン、アポモルヒネ、シアリス、シルデナフィル、バルデナフィル、ジフェノキシレート、シメチコン、シメチジン、ファモチジン、ラニチジン、ラチニジン、セトリジン、ロラタジン、アスピリン、ベンゾカイン、デキストロメトルファン、エフェドリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、シサプリド、ドンペリドン、メトクロプラミド、アシクロビル、スルホコハク酸ジオクチル、フェノールフタレン、アルモトリプタン、エレトリプタン、エルゴタミン、ミギア、ナラトリプタン、リザトリプタン、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、アルミニウム塩、カルシウム塩、第一鉄塩、銀塩、亜鉛塩、アンホテリシンB、クロルヘキシジン、ミコナゾール、トリアムシノロンアセトニド、メラトニン、フェノバルビトール、ベンゾジアゼピネル、ヒドロキシジン、メプロバメート、フェノチアジン、ブクリジン、ブロメタジン、シンナリジン、シクリジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリネート、ブフロメジル、アンフェタミン、カフェイン、エフェドリン、オルリスタット、フェニルエフェドリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、シブトラミン、ケトコナゾール、ニトログリセリン、ナイスタチン、プロゲステロン、テストステロン、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ピロカルピン、アルミニウムアミノアセテート、シメチジン、エソメプラゾール、ファモチジン、ランソプラゾール、酸化マグネシウム、ニザチドおよび/またはラチニジンまたはそれらの誘導体および混合物の群から選択される請求項25〜42のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項44】
非生分解性ポリマーを実質的に含まない請求項25〜43のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項45】
充填剤を含む請求項25〜44のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項46】
前記チューインガムの約0〜約50重量%、さらに一般的には、前記チューインガムの約10重量%〜約40重量%の量で充填剤を含む請求項25〜45のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項47】
少なくとも1種の着色剤を含む請求項25〜46のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項48】
外部コーティングで被覆されている請求項25〜47のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項49】
前記外部コーティングがハードコーティングである請求項25〜48のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項50】
前記ハードコーティングが、糖質被膜および無糖被膜ならびにそれらの組合せからなる群から選択される被膜である請求項25〜49のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項51】
前記ハードコーティングが、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトールおよびイソマルトからなる群から選択されるポリオールを50重量%〜100重量%含む請求項25〜50のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項52】
前記外部コーティングが、食用膜形成剤とワックスからなる群から選択される少なくとも1種の成分を含む食用膜である請求項25〜51のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項53】
前記膜形成剤が、セルロース誘導体、変性デンプン、デキストリン、ゼラチン、セラック、アラビアゴム、ゼイン、植物ガム、合成ポリマーおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される請求項25〜52のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項54】
前記外部コーティングが、結合剤、水分吸収成分、膜形成剤、分散剤、固着防止剤、増量剤、香味剤、着色剤、薬理学的にまたは美容的に活性な成分、脂質成分、ワックス成分、糖、酸および前記分解性ポリマーの噛んだ後の分解を促進することのできる剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤成分を含む請求項25〜53のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項55】
前記外部コーティングがソフトコーティングである請求項25〜54のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項56】
前記ソフトコーティングが無糖被覆剤を含む請求項25〜55のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項57】
前記チューインガムが、従来のチューインガムポリマーまたは樹脂を含む請求項25〜56のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項58】
前記少なくとも1種の生分解性ポリマーが、前記チューインガムポリマーの少なくとも5%を構成する請求項25〜57のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項59】
前記チューインガムに含まれる全ての前記生分解性ポリマーが、前記チューインガムポリマーの少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%を構成する請求項25〜58のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項60】
前記チューインガムに含まれる全ての前記生分解性ポリマーが、前記チューインガムポリマーの少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%を構成する請求項25〜59のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項61】
前記チューインガムの可塑剤を形成する前記少なくとも1種の生分解性ポリエステルコポリマー、および、少なくとも1種の非生分解性の従来のエラストマーを含む、請求項25〜60のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項62】
前記チューインガムのエラストマーを形成する前記少なくとも1種の生分解性ポリエステルコポリマー、および、少なくとも1種の非生分解性の従来の天然または合成樹脂を含む請求項25〜61のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項63】
前記チューインガムの約0.5重量%〜約70重量%の量の少なくとも1種の生分解性エラストマー、前記チューインガムの約0.5重量%〜約70重量%の量の少なくとも1種の生分解性可塑剤、および、前記チューインガムの約2重量%〜約80重量%の量の、軟化剤、甘味料、香味剤、活性成分および充填剤の群から選択される少なくとも1種のチューインガム成分を含む請求項25〜62のいずれかに記載のチューインガム。
【請求項64】
請求項1〜24のいずれかに記載の少なくとも1種の分解性チューインガムポリマーを含むガムベース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2006−500445(P2006−500445A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−538759(P2004−538759)
【出願日】平成14年9月24日(2002.9.24)
【国際出願番号】PCT/DK2002/000628
【国際公開番号】WO2004/028269
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(503345260)ガムリンク エー/エス (25)
【Fターム(参考)】