説明

分配オリフィスを備える容器取付具及びその製造方法

分配オリフィスを含む容器取付具、製品、及びその製造方法が開示される。一実施形態では、ずり減粘構造の液体を分配するために、容器取付具が使用され、これは、約30mm2〜約175mm2の表面積開口部を有する円形以外の形状の分配リングを含んでもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器取付具、特に分配オリフィスを含む容器取付具、製品、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非加圧型の容器は、従来、容器上のいずれかの場所に載置された分配オリフィスを備えている。従来、非加圧型の容器から製品を分配するためには、ユーザは単に容器を逆さまにし、重力を働かせる。しかしながら、ずり減粘構造の液体製品(自動食器洗浄用/又は洗濯用組成物など)の有効量(1回用量など)を分配するために、ユーザは、一般に逆さまにした容器を圧迫することによって起こる剪断力を、少なくともある程度提供しなければならない。その結果、受け入れ側の容器が充填されるまで、内容物が容器から「絞り」出される。
【0003】
ずり減粘構造の液体製品又は組成物を分配する際、分配オリフィスの直径を(例えば、受け入れ側の容器にずり減粘構造の液体製品を有効に投与するように)適当なものにすることと、分配が開始された後の流量を適切にすることとの均衡がもたらされなければならない。投与流量に影響を与えるのは、分配オリフィスがフローを制限し過ぎる(例えば、製品の粘度が高過ぎるとユーザが認識する)又は大き過ぎる(例えば、製品の粘度が低過ぎて水っぽいとユーザが認識する)場合にユーザが導き出す、製品の品質に対する否定的な認識である。したがって、投与中の消費者の満足度を最も高くするため、ずり減粘構造の液体製品の分配流量は、容器取付具上の分配オリフィスの寸法、形状、及び構成によって制御されてもよい。
【0004】
分配オリフィスの直径が小さ過ぎると、製品が分配オリフィスから絞り出されるときに生成される大きな剪断力のため、製品は限られた量(最適な用量よりも少ない場合が多い)しか分配されない。最適な用量よりも少ない量が受け入れ側の容器(例えば、自動食器洗い機又は洗濯機内の自動分配カップ)に放出されると、汚れた物品が完全に洗浄されないことがある。
【0005】
分配オリフィスの直径が増大すると共に、分配流量は増加する。これはある程度までは望ましいが、直径が大き過ぎると、ユーザは実際分配される量を制御できなくなり、ユーザが受け入れ側の容器を溢れさせてしまうことがある。直径が大き過ぎると、ユーザが、フローの量及び方向を適当に制御して、分配フローを停止させることが困難になる。このことによって、不必要に散乱する(例えば、溢れる)ことがよくある。直径の大きな分配オリフィスを使用することの別の問題は、分配中に、ユーザが、ずり減粘構造の液体製品の粘度が低過ぎて水っぽいと認識する場合がある点である。市場試験によって、粘度が低く水っぽい製品は、粘度がより高い製品よりも品質が劣ると認識されることが示されている。
【0006】
結果として、分配オリフィスの寸法、形状、及び構成は、製品の品質に関するユーザの認識に直接関連する。したがって、改善された容器取付具が追求され続けている。
【0007】
驚くべきことに、表面積開口部が、直径55.4mmの円と等しいかそれよりも大きな表面積の開口部を有する、分配オリフィス及び任意に分配リングを含む、容器取付具の設計が、製品の粘度が低過ぎる又は水っぽいように劣って見えることなく、ずり減粘構造の液体の分配を適当に制御することが分かっている。また驚くべきことに、受け入れ側の容器がメーカーが推奨する用量まで充填された後、任意の分配リングの内側側壁上に「斜縁」を設けることで、分配フローの停止に関連する乱雑状態が低減されることも分かっている。斜縁は、特に最も乱雑状態が見られる投与操作の終わりに、ユーザが製品の分配流量を「断ち切る」のを助ける。したがって、ずり減粘液体製品を分配する際、容器取付具は、適切な投与におけるユーザの美観的な経験を全体的に改善する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そのような容器取付具は、いかなるタイプの好適な容器(例えば、単一区画及び多区画の容器)においても、非ずり減粘液体又は粉末など、ほとんどいかなるタイプの組成物でも使用することができる。したがって、本明細書に記載の容器取付具を用いて、いかなる好適な容器からいかなる好適な組成物が分配されてもよい。好適な組成物としては、ペースト、クリーム、ゲル、液体、液状ゲル、粉末、及び顆粒が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書における例は、典型的には、構造化された自動食器洗い機用及び洗濯用製品並びに組成物の分配に関するが、このタイプの容器取付具は、食器手洗い用製品、スキンケア及びパーソナルケア製品、並びに食品などの組成物の分配を含む、広範囲にわたる応用にも有用であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、容器取付具、特に分配オリフィスを含む容器取付具、製品、及びその製造方法に関する。
【0010】
本発明の一態様では、環状リング及び頂部パネルを含む容器取付具が提供される。環状リングは、上側末端部及び下側末端部、並びに外側側壁及び内側側壁を含んでもよい。内側側壁は:(i)容器取付具を容器開口部のネックに取り付ける取付手段;及び(ii)容器取付具を容器開口部のネックに対して封止する封止手段を含んでもよい。頂部パネルは、環状リングの末端部に対してほぼ直角をなす位置で上側末端部上に配置されてもよい。頂部パネルは、その中に位置付けられた分配オリフィスを有してもよい。分配オリフィスは、非円形形状で約30mm2〜約175mm2の表面積の開口部を有してもよい。
【0011】
本発明の別の態様では、製品が提供される。この製品は、容器取付具を含むキット、分配される組成物を含む容器、及び組成物を分配するための容器取付具を使用するための説明書を含んでもよい。本発明の別の態様では、本明細書に記載の容器取付具の製造方法が提供される。この方法は、プラスチック射出成形を用いて一片の容器取付具を形成する工程を含んでもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本明細書は、本発明を特に指摘し明確に請求する請求項をもって結論とするが、本発明は、下記の説明を添付図面と併せ読むことで更に理解されると考えられる。
【0013】
本発明は、分配オリフィスを含む容器取付具、製品(article of manufacturer)、及びその製造方法に関する。一般に、容器取付具は、いかなる好適な取付手段によっていかなる好適な容器に独立に取り付けられてもよい。好適な取付手段としては、スナップラグ装置、ねじ付きタイプの装置、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。容器取付具は、天地無用の容器、並びに逆さまになる容器に取り付けてもよく、またスリットバルブを有する又は有さない容器開口部にも有用である。容器取付具はまた、容器用の密封キャップ及び/又は封止システムの一体部分、特に、分配オリフィスが非円形形状の場合に特に有用な、固定位置又は正の配向の密封キャップを提供するものとして提供されてもよい。例えば、容器取付具は、フリップキャップ又はチャイルドプルーフキャップを介して、容器に接続することができる。あるいは、容器取付具は、容器自体の一体部分であってもよい。
【0014】
容器取付具はまた、アクセス手段を提供してもよく、それにより、容器取付具が開かれずに、容器取付具の一部分に十分な力を用いることなく、容器の内容物への露出が達成されてもよい。したがって、容器取付具は必ずしもチャイルドプルーフでなくてもよいが、容器取付具を取り除くのに必要な力は、子供による異物の混入及び/又は子供による容器の内容物への望ましくないアクセスに対して、ある程度の抵抗を提供してもよい。容器取付具及び/又は分配オリフィス及び/又はその上にある任意の分配リングの図及び形状は、容器が閉じている間に結合する、容器の最終的な形状において求められる視覚的外観に応じて、自由に変化してもよい。
【0015】
容器取付具は、いかなる好適な材料で作製されてもよい。好適な材料としてはプラスチックが挙げられる。好適なプラスチックとしては、堅い又は硬質プラスチック材料、ゴム状又は可撓性のプラスチック材料、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。容器取付具は、一片の物品又は複合物品として提供されてもよい。非限定的な一実施形態では、容器取付具は、弾性的に変形可能な又はゴム状のプラスチック材料で全体が作製されてもよい。別の非限定的な例では、容器取付具自体の大部分が、弾性的に変形可能なプラスチック材料で作製されてもよいが、この場合、取付手段が形成される部分は、それ自体が変形可能ではないことを確実にする必要がある場合がある。1つの解決策は、当該技術分野において既知の、複数のプラスチック射出成形システム、方法、及び技術を用いて、可撓性のプラスチック構成要素と、堅く変形可能なプラスチック構成要素あるいは硬質で変形不能なプラスチック構成要素との両方を有する、一体成形の容器取付具を提供することである。そのような装置に対する別の解決策は、例えば、取付手段(スナップラグ装置又はねじ付きタイプの装置など)自体、及び/又はより硬質の若しくは変形可能であるが堅いプラスチック材料、あるいは変形不能なプラスチック材料の分配リングを別個に準備し、それを弾性的なプラスチックの変形可能な物品と結合させて、既知の方法によって容器取付具を形成することである。この場合、分配オリフィスは、必要であれば、溶融され、押圧され、又は分配リングから切り取られてもよい。
【0016】
図1は、分配オリフィス15をその上に有する容器取付具1の非限定的な一実施形態の斜視図を示す。容器取付具1は、環状リング3、分配オリフィス15、及び任意の分配リング2を含む。上側末端部10及び下側末端部16、末端部に対してほぼ直角をなす位置で上側末端部10上に配置され分配オリフィス15がその中に位置付けられた頂部パネル8を有する環状リング3。
【0017】
環状リング3は、外側側壁9及び内側側壁(図示せず)を更に含む下側末端部16及び上側末端部10は、外側側壁9を画定する。任意の遷移要素18が、頂部パネル8及び環状リング3に接続されてもよく、これは、外側壁9の上側末端部10及び頂部パネル8の外側末端部19によって画定される。任意の遷移要素18は、平坦な形状、湾曲した形状、又は円形形状であってもよい。
【0018】
分配オリフィス15は、頂部パネル8上のいかなる好適な場所に位置付けられてもよい。任意の分配リング2も提供されてもよい。分配オリフィス15及び/又は、存在する場合、任意の分配リング2は、互いに隣接して位置付けられてもよい。例えば、分配オリフィス15及び/又は分配リング2は、容器開口部(図示せず)と充填される受け入れ側の容器との間に妨害物のない通路が作られるように、頂部パネル8上の中心に配置されてもよい。
【0019】
任意の分配リング2は、ほぼ分配オリフィス15の形状を有する開口部を含んでもよい。分配リング2は、外側側壁4、内側側壁5、及び任意に斜縁6を含む。内側側壁5は、通路又はチャネルを画定し、これは、寸法、形状、又は構成が、分配オリフィス15の寸法、形状、又は構成とほぼ類似(又は同一)であってもよい。通路又はチャネル(図示せず)は、分配リング2と分配オリフィスとの結合によって形成されてもよく、これは、通路又はチャネルを介して容器開口部から容器の内容物のフローがほとんど又は全く妨害物なしに分配されている間、容器の内容物と受け入れ側の容器とを直接連通させる。分配リング2は、雄部材を有するフリップキャップなどの密閉キャップ(図示せず)と組み合わされて働いてもよく、その際、分配リング2は雌部材(図示せず)として働いて、緊密に係合した(例えば閉じられた)場合に密閉キャップ(図示せず)の雄部分(図示せず)を受け入れる。その結果、この係合は、運搬中、保管中、又は使用していないときに、容器の内容物を環境から封止する封止手段を提供する。
【0020】
図2は、図1に示した容器取付具の平面図である。分配オリフィス15及び/又は分配リング2は、容器の内容物の分配を制御する助けとなることができるように、いかなる好適な寸法、形状、又は構成で提供されてもよい。好適な幾何学的形状の非限定例としては、環状、アルベロス、星状、パラサイクル、クボサイクロイド(cubocycloid)、円形、扇形、弓形、円錐形、三日月形、立方体、デルタ形、楕円形、月形、卵形、平行四辺形、ペンローズタイル、ポリドラフタ(polydrafter)、多角形、ピラミッド形、四辺形、矩形、ルーロー多角形、菱形、回転体、リボン状、サリノン、半円形、平滑化した八角形(smoothed octagon)、四角形、超楕円形、不等辺四辺形、台形、三角形、3つの鋭角を有する形状、陰陽、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
いくつかの実施形態では、分配オリフィス15及び/又は分配リング2は、非円形のいずれかの形状を含んで、その上に点(即ち、2つの縁部が一緒になって点を作る)を有してもよい。好適な点を含む形状としては、四辺のダイヤモンド形(菱形)、「マーキス」ダイヤモンド形(菱形)、フットボール形(楕円形)、三角形、矩形、四角形、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。点を含む形状、特に四辺のダイヤモンド形のような形状によって、容器の内容物、特に液体及びゲルを、投与の最後に「断ち切る」ことができるようになるので、内容物が速い速度で出てくるように見える場合であっても、投与が停止されたときに、消費者は増大した乱雑状態(例えば、ボトルからの液だれ)を経験しない。この追加の制御により、品質の悪い製品(例えば、過度に「粘度が低く水っぽい」)という認識を低減する手段が提供される。点を含む形状はまた、斜縁6と協調して働いて、投与の最後に製品が容器内に「引き戻される」という認識を促進する助けとなる「刃先」を提供するとも考えられる。刃先はまた、分配の停止時に消費者が乱雑状態を認識することを低減するように思われる。
【0022】
分配オリフィス15及び/又は分配リング2のいかなる好適な表面積の開口部も、受け入れ側の容器の適切な投与を助けるように選択されてよい。好適な表面積の開口部としては、約30mm2〜約175mm2の表面積の開口部が挙げられるが、これに限定されない。いくつかの非限定的な実施形態では、分配オリフィス15及び/又は分配リング2の表面積開口部は、約30mm2〜約175mm2、又は約35mm2〜約175mm2、又は約40mm2〜約175mm2、又は約45mm2〜約175mm2、又は約50mm2〜約175mm2、又は約55mm2〜約175mm2、又は約60mm2〜約175mm2、又は約65mm2〜約175mm2、又は約70mm2〜約175mm2、又は約75mm2〜約175mm2、又は約80mm2〜約175mm2、又は約85mm2〜約175mm2、又は約90mm2〜約175mm2、又は約95mm2〜約175mm2、又は約100mm2〜約175mm2、又は約105mm2〜約175mm2、又は約110mm2〜約175mm2、又は約115mm2〜約175mm2、又は約120mm2〜約175mm2、又は約125mm2〜約175mm2、又は約130mm2〜約175mm2、又は約135mm2〜約175mm2、又は約140mm2〜約175mm2、又は約145mm2〜約175mm2、又は約150mm2〜約175mm2、又は約155mm2〜約175mm2、又は約160mm2〜約175mm2、又は約165mm2〜約175mm2、あるいは約170mm2〜約175mm2であってもよい。
【0023】
しかしながら、多くのずり減粘構造の液体は、現在、小さな円形の単一の穴又はオリフィス(例えば、約30mm2未満であることが多い)を有する容器から投与され、多くの場合、製品の粘度が高過ぎるという認識を与える。別の非限定的な実施形態では、ずり減粘構造の液体は、分配オリフィス15及び/又は分配リング2の表面積開口部が、直径8.4mmの円形の表面積開口部に相当する約55.4mm2に等しいかそれよりも大きいように、分配オリフィス15及び/又は分配リング2を含む容器取付具を有する容器から分配されてもよい。
【0024】
図3は、図2の線B−Bに沿って取った容器取付具の断面図である。図3では、容器取付具1の最も内側の構造が示されている。環状リング3は、内側側壁25、及び頂部パネル8の最も内側の表面の一体部分であってもよい任意の封止表面24を更に含む。内側側壁25は、スナップラグ装置又はねじ付きタイプの装置など、容器取付具15を容器開口部(図示せず)のネックに取り付けるための好適な取付手段を含んでもよい。図に示す実施形態では、内側側壁25は、容器取付具1の末端部16に隣接して位置付けられたねじ付き部材17を含む。内側側壁25は、必要に応じて(例えば、ユーザによって剪断力が容器に印加されたときに、容器取付具1が容器から外れないようにするために)、図のように数個のねじのみを有して部分的にねじ込まれていてもよく、又は完全にねじ込まれていてもよい。
【0025】
任意の封止表面24は、頂部パネル8の最も内側の表面上に位置付けられてもよい。封止表面24は、存在する場合、容器開口部のネックが変形可能な材料に対して圧縮されると、いずれかの好適な取付手段(図示せず)によって容器取付具1が容器のネックに完全に取り付けられているときに、漏れ止め封止である緊密な封止を形成するように、圧縮可能な、可撓性の、及び/又は変形可能な材料を含んでもよい。
【0026】
任意の封止表面24に加えて(又は別の方法としてその代わりに)、容器取付具1は、下側末端部16に隣接して内側側壁25上に位置付けられた任意の圧縮可能な肥厚部分26(又は封止ビーズ)を含んでもよい。肥厚部分24は、圧縮可能な、可撓性の、及び/又は変形可能な材料を含んでもよい。肥厚部分24は、取付手段の一体部分(例えば、ねじ付き部材17の一部分)であってもよい。容器取付具が、好適な取付手段によって容器開口部のネックに完全に取り付けられている場合、肥厚部分は圧縮されて、圧縮された肥厚部分と容器開口部のネックとの間に、漏れ止め封止である緊密な封止を形成する。
【0027】
図4は、図2の線C−Cに沿って取った分配リング2の断面図である。下側末端部14及び上側末端部21は、分配リング2の外側側壁4を画定する。内側側壁5は、下側末端部11から上側末端部12までによって画定される。外側末端部7及び内側末端部13は、分配リング2の頂部壁23を画定する。外側側壁4の上側末端部21及び頂部壁23の外側末端部7は、任意の遷移要素22を画定する。頂部壁23の内側末端部13及び内側側壁5の上側末端部12は、任意の斜縁6を画定する。任意の斜縁6は、平坦であっても直線状であってもよい。
【0028】
分配リング2上の任意の斜縁6は「刃先」として働いて、特に上述したような液体及びゲルの分配に関して、消費者が、分配フローの停止に関連付けられた乱雑状態を低減できるようにする。斜縁6が存在する場合、その表面と外側側壁4の表面との角度は、いかなる好適な鋭角を含んでもよい。好適な鋭角としては、約45度未満、又は約44度以下、又は約42度以下、又は約40度以下、又は約38度以下、又は約36度以下、又は約34度以下、又は約32度以下、又は約30度以下、又は約28度以下、又は約26度以下、又は約24度以下、又は約22度以下、又は約20度以下、又は約18度以下、又は約16度以下、又は約14度以下、又は約12度以下、又は約12度以下が挙げられるが、これらに限定されない。非限定的な一実施形態では、鋭角は、斜縁6の表面と外側側壁4の表面との間に形成され、約10度〜45度未満、あるいは約20度〜約30度を含む。
【0029】
図5は、「マーキス」ダイヤモンドの形状の分配オリフィス15及び/又は分配リング2を有する容器取付具1の別の非限定的な実施形態の斜視図である。
【0030】
図6は、フットボールの形状の分配オリフィス15及び/又は分配リング2を有する容器取付具1の別の非限定的な実施形態の斜視図である。
【0031】
図7は、図1の容器取付具の斜視図であり、その好適な容器への取り付けを示す。
【0032】
容器取付具は、キットを含む製品として容器と共に包装されてもよい。キットは、本明細書に記載の容器取付具、好適な組成物がその中に保管された容器、及びいずれかの好適な形態のいずれかの好適な組成物を有するいずれかの好適な容器の内容物を分配する間の、容器取付具の使用についての説明書を含んでもよい。容器は、単一区画又は多区画を有してもよい。
【0033】
あるいは、説明書は、ずり減粘構造の液体組成物をいずれかの好適な容器から分配するために容器取付具を使用することを提供してもよい。そのような説明書は、次の工程の内の1以上を含んでもよい:(a)ユーザは、親指と他の指(図示せず)の間に直立位置で容器を保持してもよい;(b)ユーザは、容器を逆さまにし、有効量の力(例えば、圧迫することによって)を用いて、ずり減粘構造の液体を剪断することにより、それを容器から受け入れ側の容器(図示せず)内に分配してもよい;(c)ずり減粘構造の液体が分配オリフィス15及び/又は任意の分配リング2を介して流れ始めたら、ユーザは、点を含む分配オリフィス15及び/又は分配リング2の形状(例えば、四辺のダイヤモンド形)の1以上の点を使用して、受け入れ側の容器内へのフローの方向を制御してもよい;並びに(d)受け入れ側の容器が適切な用量の容積に満たされ始めたら、ユーザは、容器を直立位置に動かし、それによって、存在する場合は分配リング2の刃先を、製品の分配フロー又は流れが断ち切られるように関与させてもよく、これは、ずり減粘構造の液体のフローが停止されると(例えば、不必要な液だれに関連付けられる)乱雑状態を低減する助けとなる。
【0034】
本明細書の全体にわたって記載されている全ての特許、特許出願(及びそれらに公表されている特許、並びにそれらに相当する公開された外国特許出願)、並びに刊行物の開示は、本明細書に参考として組み込まれる。しかしながら、本明細書に参考として組み込まれる文献のいずれもが本発明を教示又は開示していることを認めるものではないことを明言する。
【0035】
本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最大数値限定は、それよりも小さなあらゆる数値限定を、そのようなより小さな数値限定が本明細書に明確に記載されたものとして含むことを理解されたい。本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最小数値限定は、それよりも大きなあらゆる数値限定を、そのようなより大きな数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通じて記載されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0036】
主題発明の特定の実施形態を記載してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、主題発明の様々な変更や修正が可能であることが当業者には明らかであろう。更に、本発明をある特定の実施形態と関連させて説明してきたが、これは実例としてであって、限定を目的とするものではなく、本発明の範囲は、添付の請求項によって定義され、請求項は従来技術が許す限り幅広く解釈されるべきであることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】菱形(例えば、四辺のダイヤモンド形)の形状の分配オリフィスをその上に有する容器取付具の非限定的な一実施形態の斜視図。
【図2】図1に示す容器取付具の平面図。
【図3】図2の線3−4に沿って取った容器取付具の断面図。
【図4】図2の線4−4に沿って取った分配リングの断面図。
【図5】別の菱形(例えば、「マーキス」ダイヤモンド)の形状の分配オリフィスをその上に有する容器取付具の別の非限定的な実施形態の斜視図。
【図6】楕円形(例えば、フットボール形)の形状の分配オリフィスをその上に有する容器取付具の別の非限定的な実施形態の斜視図。
【図7】図1の容器取付具の斜視図であり、容器への容器取付具の取り付けを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)上側末端部及び下側末端部、並びに外側側壁及び内側側壁を有する環状リングであって、前記内側側壁が:
(i)容器取付具を容器開口部のネックに取り付ける取付手段;及び
(ii)前記容器取付具を前記容器開口部のネックに対して封止する封止手段
を含む、環状リング;並びに
b)前記末端部に対してほぼ直角をなす位置で前記上側末端部上に配置される頂部パネルであって、前記頂部パネルが、その中に位置付けられ非円形形状で約30mm2〜約175mm2の表面積を有する分配オリフィスを有する頂部パネル
を含む容器取付具。
【請求項2】
前記取付手段が、スナップラグ装置及びねじ付きタイプの装置の内の1以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の容器取付具。
【請求項3】
前記取付手段がスナップラグ装置であることを特徴とする請求項2に記載の容器取付具。
【請求項4】
前記取付手段がねじ付きタイプの装置であることを特徴とする請求項2に記載の容器取付具。
【請求項5】
前記封止手段が:
a)前記頂部パネルの最も内側の表面上に位置付けられた圧縮可能な封止表面であって、前記封止表面が、可撓性の及び/又は変形可能な材料を含むことで、前記容器取付具が前記取付手段によって前記容器のネックに取り付けられると、前記容器開口部のネックが前記変形可能な材料に対して圧縮されて緊密な漏れ止め封止を形成する封止表面;並びに
b)前記下側末端部に隣接して前記内側側壁上に位置付けられた圧縮可能な肥厚部分であって、前記肥厚部分が、可撓性の及び/又は変形可能な材料を含み、前記容器取付具が前記取付手段によって前記容器開口部のネックに完全に取り付けられると圧縮され、前記圧縮された肥厚部分と容器開口部のネックとの間に緊密な漏れ止め封止が形成される肥厚部分
の内の1以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の容器取付具。
【請求項6】
前記封止手段が圧縮可能な封止表面であり、前記封止表面が前記頂部パネルの最も内側の表面の一体部分であることを特徴とする請求項5に記載の容器取付具。
【請求項7】
前記封止手段が、前記内側側壁上に位置付けられた圧縮可能な肥厚部分であり、前記肥厚部分が前記取付手段の一体部分であることを特徴とする請求項5に記載の容器取付具。
【請求項8】
前記排出オリフィスに隣接して前記頂部パネル上に位置付けられた分配リングを更に含み、前記分配リングが、上側末端部及び下側末端部、頂部壁、外側側壁及び内側側壁、並びに任意に前記分配リングの上側部分上の内側側壁の一部に位置付けられた直線状の斜縁を有し、前記斜縁が前記外側側壁と鋭角を形成することを特徴とする請求項1に記載の容器取付具。
【請求項9】
前記分配オリフィスと前記分配リングとが結合し、前記分配リングの前記内側側壁が、容器開口部を介して容器の内容物と直接連通する通路を画定することを特徴とする請求項8に記載の容器取付具。
【請求項10】
前記分配リングが、非円形形状で約30mm2〜約175mm2の表面積と前記斜縁とを有する開口部を含むことを特徴とする請求項9に記載の容器取付具。
【請求項11】
前記斜縁の表面と前記外側側壁の表面との角度が約10度〜45度未満の鋭角を含むことを特徴とする請求項10に記載の容器取付具。
【請求項12】
前記斜縁の表面と前記外側側壁の表面との角度が約20度〜約30度の鋭角を含むことを特徴とする請求項11に記載の容器取付具。
【請求項13】
前記分配オリフィス及び/又は前記分配リングが、環状、アルベロス、星状、パラサイクル、クボサイクロイド、円形、扇形、弓形、円錐形、三日月形、立方体、デルタ形、楕円形、月形、卵形、平行四辺形、ペンローズタイル、ポリドラフタ、多角形、ピラミッド形、四辺形、矩形、ルーロー多角形、菱形、回転体、リボン状、サリノン、半円形、平滑化した八角形、四角形、超楕円形、不等辺四辺形、台形、三角形、3つの鋭角を有する形状、陰陽、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される形状を含むことを特徴とする請求項10に記載の容器取付具。
【請求項14】
前記分配オリフィス及び/又は前記分配リングが、菱形、楕円形、三角形、四角形、矩形、台形、リボン状、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される形状を含むことを特徴とする請求項13に記載の容器取付具。
【請求項15】
前記分配オリフィス及び/又は前記分配リングが、菱形又は四辺のダイヤモンド形の形状を含むことを特徴とする請求項14に記載の容器取付具。
【請求項16】
前記分配オリフィス及び/又は前記分配リングが、菱形又はマーキスダイヤモンドの形状を含むことを特徴とする請求項14に記載の容器取付具。
【請求項17】
前記分配オリフィス及び/又は前記分配リングが、楕円形又はフットボール形の形状を含むことを特徴とする請求項14に記載の容器取付具。
【請求項18】
前記分配オリフィス及び/又は前記分配リングがリボン状の形状を含むことを特徴とする請求項14に記載の容器取付具。
【請求項19】
前記分配オリフィス及び/又は前記分配リングの開口部の表面積が約30mm2〜約150mm2であることを特徴とする請求項10に記載の容器取付具。
【請求項20】
前記分配オリフィス及び/又は前記分配リングの開口部の表面積が約30mm2〜約100mm2であることを特徴とする請求項19に記載の容器取付具。
【請求項21】
前記分配オリフィス及び/又は前記分配リングの開口部の表面積が約30mm2〜約80mm2であることを特徴とする請求項20に記載の容器取付具。
【請求項22】
前記分配オリフィス及び/又は前記分配リングの開口部の表面積が約30mm2〜約60mm2であることを特徴とする請求項21に記載の容器取付具。
【請求項23】
前記分配オリフィス及び/又は前記分配リングの開口部の表面積が約55.4mm2以上であることを特徴とする請求項22に記載の容器取付具。
【請求項24】
容器取付具の製造方法であって、前記方法が、プラスチック射出成形を用いて一片の容器取付具を形成する工程を含み、前記容器取付具が:
a)上側末端部及び下側末端部、並びに外側側壁及び内側側壁を有する環状リングであって、前記内側側壁が:
(i)前記容器取付具を容器開口部のネックに取り付ける取付手段;及び
(ii)前記容器取付具を前記容器開口部に対して封止する封止手段
を含む、環状リング;
b)前記末端部に対してほぼ直角をなす位置で前記上側末端部上に配置される頂部パネルであって、前記頂部パネルが、その中に位置付けられ非円形形状で約30mm2〜約175mm2の表面積を有する分配オリフィスを有する頂部パネル;並びに
c)任意に、前記排出オリフィスに隣接して前記頂部パネル上に位置付けられた分配リングであって、前記分配リングが、上側末端部及び下側末端部、頂部壁、外側側壁及び内側側壁、並びに任意に前記分配リングの上側部分上の内側側壁の一部に位置付けられた直線状の斜縁を有し、前記斜縁が前記外側側壁と鋭角を形成する分配リング
を含む方法。
【請求項25】
前記分配オリフィスと前記分配リングとが結合し、前記分配リングの前記内側側壁が、容器開口部を介して容器の内容物と直接連通する通路を画定することを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記分配リングが、非円形形状で約30mm2〜約175mm2の表面積と斜縁とを有する開口部を含むことを特徴とする請求項25に記載の容器取付具。
【請求項27】
前記斜縁の表面と前記外側側壁の表面との角度が約10度〜45度未満の鋭角を含むことを特徴とする請求項26に記載の容器取付具。
【請求項28】
前記斜縁の表面と前記外側側壁の表面との角度が約20度〜約30度の鋭角を含むことを特徴とする請求項27に記載の容器取付具。
【請求項29】
キットを含む一片の容器取付具を含む製品であって、前記キットが:
a)容器取付具であって:
i)上側末端部及び下側末端部、並びに外側側壁及び内側側壁を有する環状リングであって、前記内側側壁が:
(1)前記容器取付具を容器開口部のネックに取り付ける取付手段;及び
(2)前記容器取付具を前記容器開口部に対して封止する封止手段
を含む、環状リング;
ii)前記末端部に対してほぼ直角をなす位置で前記上側末端部上に配置される頂部パネルであって、前記頂部パネルが、その中に位置付けられ非円形形状で約30mm2〜約175mm2の表面積を有する分配オリフィスを有する頂部パネル;並びに
iii)任意に、前記排出オリフィスに隣接して前記頂部パネル上に位置付けられた分配リングであって、前記分配リングが、上側末端部及び下側末端部、頂部壁、外側側壁及び内側側壁、並びに任意に前記分配リングの上側部分上の内側側壁の一部に位置付けられた直線状の斜縁を有し、前記斜縁が前記外側側壁と鋭角を形成する分配リング
を含む容器取付具;
b)分配される組成物を含む容器;並びに
c)前記組成物を前記容器から分配するときに前記容器取付具を使用するための説明書
を含む製品。
【請求項30】
前記組成物が、ペースト、クリーム、ゲル、液体、液状ゲル、粉末、及び顆粒の内の1以上の形態であることを特徴とする請求項29に記載の製品。
【請求項31】
前記組成物が、食器洗い機用洗剤組成物、洗濯用洗剤組成物、食器手洗い用洗剤組成物、スキンケア製品、パーソナルケア製品、及び食品から成る群から選択されることを特徴とする請求項30に記載の製品。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−526185(P2007−526185A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501940(P2007−501940)
【出願日】平成17年3月1日(2005.3.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/006733
【国際公開番号】WO2005/085084
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】