説明

分配ノズル

この発明は、分配ノズル及びその製造方法に関する。本発明の分配ノズルは、流体がそれを通って前記チャンバーへ吸込まれる入口と前記チャンバーの内部に存在する流体がそれを通って前記ノズルから放出される出口とを有する内部チャンバーを規定する本体を備える。入口は入口弁を含み、出口は出口弁を含む。分配ノズルの本体は硬い材料若しくは可撓性の材料から完全に形成される。好ましい実施形態では、それは単一の材料から製造され1つの構成部分を含む。流体は、チャンバーを規定する装置の本体の弾性的に膨張し又は変形する部分によって分配ノズルから分配され、それによってチャンバーを圧縮して流体を分配させる。分配ノズルは容器に嵌め込まれるのに適し、又はそれと一体形成されるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、分配ノズルに関する。特に、但しそれに限られることなく、この発明は、ポンプアクション式の分配ノズル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプアクション式の分配ノズルは、流体、特に石鹸、シャンプー、クリーム等のような粘性流体を、操作者によるノズル装置の操作に応じて加圧されていない容器又は他の流体供給源(source)から分配できる方法を提供するために一般に使用されている。
【0003】
従来のポンプアクション式のノズル装置は、容器の出口にフィットするよう適合され、ノズル装置のアクチュエータ(actuator)が操作された時に圧縮される内部チャンバー(chamber)を備える。内部チャンバーの圧縮は圧力増加を生じさせ、この圧力は、チャンバー内部に存在する液体を装置の出口を通って分配させる。好ましい量の液体が分配され、又はチャンバーが最大限圧縮されると、アクチュエータは操作者によって解放され、チャンバーは再び膨張させられる。チャンバーの再膨張はチャンバーの内圧を低下させ、今度は、付随する容器から入口を通ってより多くの液体をチャンバー内に吸い込ませる。流体が内部チャンバーから外部へのみ放出され、入口を通ってチャンバー内部へ吸い込まれることのみを確実にするため、一方向性の弁が入口及び出口に設けられる。
【0004】
チャンバーがそれぞれ圧縮された後で再び膨張されるよう、アクチュエータは、一般に操作者によって押下された後に解放されるノズル装置の本体の一部であり(一般にポンプノズル装置として知られている)、又は操作者が引いた後に解放できる引き金の一部である(一般にトリガー作動ノズル装置として知られている)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のポンプアクション式のノズル装置には多数の欠点がある。第一に、多くの従来の装置は、極めて設計が複雑な傾向にあり、さらに一般に多くの異なる構成部分を含む(通常、ポンプノズル装置では8から10の別個の構成部分、トリガー作動ノズル装置では10から14の別個の構成部分)。その結果、個々の構成部分を作るのに要する材料の量、及びそれに関する組立工程に起因して、これらの装置を製造するのはコストがかかる。第二に、従来の装置の多くは大きくなりがちで(これは同様に原料コストを増大させる)、装置が取付けられる容器内部のこの大きさが常に決められる。このことはノズル装置が容器の内容積の一部を占めるという欠点を生じさせ、これは、小さい容器では容器内部の利用可能な空間が限定されるという際立った問題となり得る。最後に、ポンプアクション装置の大きさは、又、それが取付けられる容器の大きさに応じて所定の大きさに決定される。このようにして、通常、小さい容器では装置の大きさは限定され、特に、細い首を有する小さい容器では、分配できる流体の量だけでなく、装置によって生じさせることができる圧力を制限し、そして、このために装置の性能に不利となる。
【0006】
このため:、(i)設計が単純で;(ii)少ない構成部分で利用でき;さらに(iii)操作が容易で有効に機能する、ポンプアクション式ノズル装置が要望されている。
【0007】
より単純な構造の分配ノズルの例は、EP0442858A2,EP0649684、及びUS3820689に開示されている。これらの刊行物に開示されている分配ノズルは、2つの分離した構成部分から本質的に形成され、これらは互いに嵌め込まれ、入口弁が設けられた入口と出口弁が設けられた出口とを有する内部チャンバーを規定する。
【0008】
部分の1つは硬い材料から形成される底部であり、他の部分は前記底部の上面に嵌め込まれる弾性変形部分であって、前記底部と共に入口及び出口弁要素を形成すると同時に内部チャンバーを規定する。前記弾性変形部分は、内部チャンバーが圧縮されてその部分に存在する流体を分配する手段を提供する。
【0009】
硬い底部に固定されて弾性変形する上部部品の提供は、柔らかい触感の提供や、チャンバーの圧縮を促進するための変形を容易にするようないくつかの長所を持つが、いくつかの短所を持つ、すなわち:(i)2つの材料の異なる特性のため、2つの部分をしっかり繋ぎ合わせるのは困難である;(ii)ポンプアクションは、市場で入手できる従来のポンプ分配装置と基本的に異なる(特に、ポンプアクションは、従来のポンプ分配装置に関する通常のオン/オフ動作ではない);及び(iii)組立て分配ノズルを作るため、2つの部分がいっしょに組立てられる必要がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、第1の態様では、流体源に貯えられた流体を使用時に前記ノズルを通って分配するようにしたポンプアクション式分配ノズルを提供することにより、既知の分配ノズルの少なくともいくつかの問題の解決策を提供し、前記ノズルは、流体がそれを通って前記チャンバーへ吸込まれる入口と前記チャンバー(chamber)の内部に存在する流体がそれを通って前記ノズルから放出される出口とを有する内部チャンバーを規定する本体を有し、前記入口は、少なくとも最低の閾値量だけ前記チャンバー内部の圧力が流体源の圧力より低くなった時にのみ、流体が前記入口を通って前記チャンバーへ流れることを許容するようにした入口弁を含み、前記出口は、少なくとも最低の閾値量だけそこの圧力が出口の外部圧力を超えた時にのみ、流体が前記チャンバーから流出して前記ノズルから放出されることを許容するよう構成された出口弁を含み、前記チャンバーを規定する前記本体の少なくとも一部は (i) 圧力を加えることに応じ、初期の弾性的に付勢された形状から膨張又は変形した形状に弾性変形し、これにより、前記本体の一部が前記初期の形状から前記膨張又は変形した形状に変形するのにつれて、前記本体の一部によって規定される前記チャンバーの容積が低下し、前記容積の減少はチャンバー内部の圧力を増大させて流体を出口弁を通って放出させ;及び(ii)前記加えられた圧力が除かれると、引き続いてその初期の弾性的に付勢された形状に戻り、これにより、流体が前記入口弁を通って前記チャンバーに流入するよう、前記チャンバーの容積を増加させてそこの圧力を低下させる:ように構成され;装置の前記本体は、硬い材料若しくは可撓性の材料から完全に形成され、又はバイインジェクション成形として形成されることを特徴とする。
【0011】
"バイインジェクション成形"の意味は、前記ノズル装置の前記本体が2つの部分から形成され、第1の前記部分は、第2の前記部分の骨格又はベースと共に第1の成形工程で第1の材料から成形され、さらに前記装置の前記本体を完成させるため、前記第1の材料と同一又は異なる第2の材料が前記底部の表面に成形されることをいう。バイインジェクション成形は、当業者によく知られている。
【0012】
"流体"は、流動可能なあらゆる材料を表すためにここで用いられる。
【0013】
そのため、使用時に前記分配ノズルを通って流れる流体は、通常は種々の液体であるが、いくつかの場合には、前記流体はガス、又は空気のような混合ガスでもよい。例えば、空気を放出する手段を提供するため、食品包装又は袋の横に小さなポンプが形成されてもよい。
【0014】
本発明の分配ノズルは、極めて設計が単純で、かつ組立ノズル装置を作るため互いに嵌め込まれる、一般に6個を超えない分離した構成部分を含む装置を提供することにより、多くの従来のポンプアクション式分配ノズルに関する前記問題を解決する。好ましい実施形態では、前記装置は、3個を超えない構成部分を含み、より好ましくは2個の構成部分を含み、最も好ましくは前記装置は1つの一体形成された構成部分から作られる。"分離した構成部分"とは、前記部分がどんな方法にせよ接続されておらず、つまりこれらが他の部分と一体形成されていないことを意味する(但し、個々の分離した構成部分が1又はそれ以上の構成部分又は一部を含んでもよい)。
【0015】
本発明の分配ノズルにおいて、構成要素の数を低減する鍵は、それが硬い又は可撓性の材料から完全に作成された場合であっても、全ての必要な構成要素が装置の本体の内部に一体形成できるという発見にある。例えば、前記チャンバー、入口、入口弁、出口、及び出口弁は、全て前記本体によって規定することができ、これにより、全ての構成要素及び組立品のコストを結果として増大させる分離した構成要素を含む必要性を低減する。
【0016】
硬い及び可撓性の材料は、分配ノズルが形成されるあらゆる適切な材料である。例えば、アルミニウム箔のような金属材料、又はゴムのような可撓性材料からそれが形成される。
【0017】
しかし、好ましくは、前記装置の前記本体は硬質プラスチック材料又は可撓性のプラスチック材料から完全に形成される。
【0018】
前記ポンプアクション式分配ノズルは、好ましくは単一の硬い又は可撓性のプラスチック材料から形成される。
【0019】
"硬質プラスチック材料"は、一旦所定の形状に成形されると高い剛性度及び強度を有するが、プラスチックの厚みを薄くすることにより、より可撓性を有し又は弾性変形可能な部分を示すプラスチック材料を表すためにここで用いられる。このため、チャンバーを規定する本体の少なくとも一部を形成するため、プラスチックの薄い部分が設けられ、それは弾性変形するように構成される。
【0020】
"可撓性のプラスチック材料"は、前記チャンバーを圧縮するのを容易にするために前記本体の少なくとも一部の弾性変位(displacement)を可能とするよう、本来的に可撓性の/弾性変形可能なプラスチック材料を表すためにここで用いられる。プラスチックの可撓性の程度は、任意の既定の領域又は区域におけるプラスチックの厚みによって決まるであろう。このような"可撓性のプラスチック"材料は、例えばシャンプーボトル又はシャワージェル容器を作成する際に使用される。本発明の分配ノズルの製造において、前記本体の一部は、構造に要求される剛性を提供するためにプラスチックの厚い部分から形成され、他の部分は、必要な変形特性を提供するためにプラスチックの薄い部分から構成される。ある領域に特別な剛性が必要な場合、一般に支持リブ(rib)として知られる厚い部分の骨格が必要に応じて存在してもよい。
【0021】
単一の材料を用いる長所は、以下に詳細に議論するように、1つの金型及び1回の成形操作で完全な分配ノズルを成形できることである。
【0022】
好ましくは、流体源は、本発明の前記分配ノズルが取付けられ又は一体形成される容器である。
【0023】
前記分配ノズルの出口はあらゆる適切な形状とすることができる。
【0024】
しかしながら、好ましくは、前記出口は前記チャンバーから前記装置の出口オリフィス(orifice)へ延びる出口流路(passageway)を含む。
【0025】
分配ノズルの本体
ポンプアクション式分配ノズルの本体は、2又はそれ以上の相互接続された部分を含むことが好ましく、この部分は互いに接続されるとチャンバーを規定する。特に、分配ノズルのチャンバーが2つの相互接続された部分の間で規定されることが好ましい。
【0026】
又、チャンバーを規定する少なくとも2つの相互接続された部分は、それらの間で少なくとも分配ノズルの出口の一部を規定し、又はチャンバーから出口へ通じる出口流路を規定することが好ましい。
【0027】
チャンバーを規定する分配ノズルの本体の2つの部分が、底部部品と上部部品であることが最も好ましい。好ましくは、底部部品は適切な方法で容器の開口に嵌め込まれるようにする。例えば、それは容器の頚部開口にねじ込まれる、ねじ蓋の形状である。さらに底部は、チャンバーを規定する本体の一部を形成するのに加え、チャンバーから出口へ通じる流路の一部のみならず入口をも規定することが好ましい。
【0028】
それらの間でチャンバーを規定し、好ましい実施形態では分配装置の出口流路及び/又は出口オリフィスを規定するよう、上部部品は底部に嵌め込まれるようにする。本発明の特定の好ましい実施形態では、底部部品及び上部部品はさらに出口オリフィスを規定する。又、上部部品は、チャンバーを規定する本体の弾性変形可能な部分を形成することが好ましい。
【0029】
弾性変形するよう形成されている本体の一部は、硬質プラスチック材料の比較的薄い部分であってよく、それは圧力が加えられた時にチャンバーを圧縮するため弾性変形し、続いて加えられた圧力が除去された時に初期の弾性的に付勢された形状に戻る。その代わり、硬い部分に加えられた圧力によって周囲の弾性変形部分が変形し、それによって硬い部分がチャンバーを圧縮するために変位するよう、弾性変形するよう形成されている本体の一部が変形可能な部分に囲まれた硬い部分を含んでもよい。例えば、周囲の弾性変形部分は以下に類似していてもよく、すなわち硬い部分が変形可能な側壁に囲まれ、この側壁は硬質プラスチックから成る多数の折畳み片を含み、硬い部分に圧力が加えられると、側壁の折畳みが弾性的に圧縮されてチャンバーの容積を減少させるようにそれが形成されている。加えられた圧力が除去されると、側壁はその最初の形状に戻る。
【0030】
特に、本体の少なくとも2つの部分が同一の材料から製造され、ヒンジ又は折畳み可能な接続要素で互いに接続されていることが好ましい。このようにすると、2つの部分は1度の成形操作で同時に成形され、組立て分配ノズルを作るために互いに接続される(例えば、上部部品は底部に接続される)。
【0031】
本体の2つの部分は、例えば超音波溶接又は熱溶接により、互いに取り外せないように固定してもよい。底部部品と上部部品が共に成形又は溶接される場合、それらは適合する(compatible)材料から製造されていることが好ましい。しかしながら、上記したように、本体が単一の材料から形成されることが好ましい。
【0032】
一方、ノズルを形成するため、2つの部分が溶接を用いずに(例えば、スナップ式の接続の提供により)互いにきつく/抵抗して固定するよう構成されていてもよい。例えば、分配ノズルを形成するため、一方の部分の端が他の部分の支持溝に嵌め込まれるように構成されてもよい。
【0033】
さらに他の方法として、それらを互いにしっかり固定するため、2つの部分の接続部の上に適合するプラスチック材料が成形されてもよい。これは、2つの要素を金型内部で同時に成形することで実行され、分配ノズル装置を形成するため金型内でそれらを接続した後、2つの部分をつなぎ合わせるために適切なプラスチック材料をそれらの周囲に成形する。
【0034】
ある種の実施形態では、使用時にチャンバー及び/又は出口を洗浄するためそれらが分離できるよう、2つの部分が解放可能に取付けられてもよい。
【0035】
多くの用途に対し、必要な強度を提供し、2つの部分が互いにスナップ式で固定されるか、互いに溶接されることを可能とするため、分配装置は硬い材料から製造されている必要がある。このような場合、所定の最小閾値の圧力が加えられた時にのみ本体の変形可能な部分が変形し、このことはポンプアクションを従来のポンプアクション式の分配ノズルのオン/オフ動作により近づけさせる。しかし、ある用途においては、可撓性の材料が好ましい。このような用途の例は、例えばプラスチック製小袋(sachet)の形状、又は流体供給が分離した容器よりむしろ装置内に貯蔵されている場合のように、分配ノズルが付随する容器と一体に形成されている実施形態を含む。
【0036】
出口弁
最適に機能するためには、チャンバーの出口が一方向性の弁を備え、又はそのように機能するようにする必要がある。一方向性の弁は、チャンバー内部が所定の最小閾値の圧力に達した時(初期の弾性的に付勢された形状から弾性変形可能な壁が変位することにより内部チャンバーの容積が減少する結果として)にのみ、チャンバー内部に貯えられた製品を出口を通って分配することを可能とし、気密性のシールを形成するため、他の時点では出口を閉じる。チャンバー内部の圧力が所定の最小閾値圧以下である時、弁の閉鎖は、本体の弾性変形部分に加えられた圧力が除去されて弾性変形可能な壁が再び初期の弾性的に付勢された形状になるにつれてチャンバーの容積が増大する際、空気が出口を通ってチャンバー内部へ吸い込まれるのを防止する。
【0037】
気密性のシールを形成可能な、あらゆる適切な一方向性の弁アッセンブリが出口に設けられてよい。弁が分配ノズルの本体の構成部分によって形成されることが好ましい。
【0038】
チャンバーから出口オリフィスへ延びる出口流路を出口が含む、本発明の好ましい実施形態では、出口流路若しくは少なくともその一部、及び/又は出口オリフィスは、分配ノズルの底部部品及び上部部品の間で規定されることが好ましい。最も好ましくは、流路が底部部品及び上部部品の2つの接合面の間で規定され、流路内又は出口オリフィスで一方向性の出口弁を形成するよう、接合面の少なくとも一方の一部が対向面に弾性的に付勢される。これに関して、弾性的に付勢された面は出口流路及び/又は出口オリフィスとの間で密閉され、チャンバー内部の圧力が、弾性的に付勢された接合面を対向する接合面から変形させて離すのに充分であり、それにより、そこを通ってチャンバーから流体が流動可能な開通路を形成する時にのみ、それは開いて流体がチャンバーから分配されるのを許容する。所定の最小閾値以下に圧力が低下すると、弾性的に付勢された面はその弾性的に付勢された形状に戻り、流路を閉鎖する。
【0039】
特に、出口弁を開くために対向面から変形して離れるのに適し弾性的に変形可能な接合面の少なくとも一部は、本体の弾性変形可能な部分と一体形成され、これがチャンバーを規定することが好ましい。
【0040】
出口流路/弁の可撓性を有し弾性変形可能な部分が硬質プラスチック材料の薄い部分から作られる実施形態では、必要とされる最小の圧力閾値を提供するのに弾性力が充分ではないかも知れない。このような場合、必要な強度及び出口流路/弁における抵抗を提供するため、流路を横断して延びるプラスチックの厚いリブが形成されるであろう。その代わりに、出口流路/弁の上記部分に、硬い補強リブを設けることもできる。
【0041】
他の好ましい実施形態では、流路を有効に閉塞して密封するため、出口通路を横断して延びる弾性変形可能な部材によって出口弁が形成される。この部材は、装置の端の1つに沿って取付けられ、他の端(好ましくは反対の端)は自由であり、チャンバー内部の圧力が所定の最小閾値を超えた時に自由端が変形するよう構成されている。前記自由端は出口通路の面に接し、圧力が所定の最小閾値以下である時にそれと共にシールを形成する。しかしながら、圧力が所定の最小閾値を超えると、チャンバー内部の流体が出口に向かって流れる開口を形成するため、部材の自由端は通路との接合面から変位する。好ましくは、弾性変形可能な部材は、出口通路又は流路の長さに沿って形成されるチャンバーの内部に位置する。最も好ましくは、最小閾値以下の圧力で前記部材の自由端とシールを形成する接合面は、前記部材の自由端との接点で先細となり(tapered)、又は傾斜する。これは、点でのシール接触(point seal contact)を提供し、より一層有効なシールを提供する。チャンバー内部の圧力が所定の最小閾値以下である時に弾性変形可能な部材の自由端が傾斜と接触し、所定の最小閾値を超えた時にそれから離れて広がるように、接合面の傾斜又は先細りが配置されている必要があるのはもちろん理解されるであろう。
【0042】
その代わりに、前記弁は、底部部品又は上部部品の一方の接合面に形成される柱(post)又は栓であってもよく、流路を閉鎖してシールするために、それは対向する接合面と接触する。チャンバー内部の圧力が所定の最小閾値を超えた時、チャンバー内部の流体がそれを通って出口から流れる開口を規定するため、柱又は栓が変形できるよう、底部部品又は上部部品の変形可能な領域に柱又は栓が取付けられる。柱又は栓を変位させるのに必要な圧力は、あらゆる所望のレベルに設定することができる(所望の圧力でのみ流体が放出されるのを確実にする予備圧縮(pre-compression)弁を効果的に形成する)。
【0043】
本発明の他の好ましい実施形態では、流体が実質的に水平に分配され、又は、より好ましくは流体が下方向に分配されるよう、分配ノズルが構成される。後者の場合、出口オリフィスは下方に面した開口をなすことが好ましく、それは底部とチャンバーからそこへ通じる出口流路とによって規定され、チャンバーは底部の上面と上部部品の対向する下面とによって規定される。出口オリフィスを規定するのに加え、底部は流路の下方へ延びる部分を規定する。下方に面したオリフィス、又は下方に面したオリフィスへ通じる流路の下方延部は、最低限の内容積で形成される(例えば、容積ができるだけ小さくなるよう、流路は最低限の長さであり、又は、この領域内に残るあらゆる流体を排水するため、栓がオリフィス容積を完全に塞ぐことができる)。これは、出口オリフィスが垂直に形成され、これを形成するための金型の側面動作(side action)が不要となるという利点を提供する。
【0044】
例えば、前方に傾斜する孔は、オリフィスの後壁を前方に傾斜させ、前壁を垂直に保つことによって実現できる。この配置によれば金型の側面動作がなくなる。加えて、最小限の容積は、流路に残る流体が使用後に出口から滴下する問題を低減させ、さらに、乾燥した流体の存在による閉塞を低減する。このような実施形態では、出口弁が栓によって構成されるのが好ましく、この栓は上部部品の下面に形成され、底部によって規定される下方へ延びる流路及び/又は出口オリフィスに延びる。栓は、弾性変形可能な領域に取付けられ、チャンバー内部が所定の閾値を超えた時に下方へ延びる流路及び/又は出口オリフィスから移動するよう構成され、続いて出口を閉塞すると共に出口を通ってチャンバー内部へ空気が吸い込まれるのを防止するため、その弾性的に付勢された形状へ戻る。
【0045】
必要とされる所定の最低圧力は関連する用途によって決まり、当業者であれば、適切な弾性変形可能な材料を選択し、さらに面が作られる方法を変えることにより(例えば、強化リブを含むことにより)、弾性変形可能な面の特性をどのように変えればよいかを理解するであろう。
【0046】
入口弁
本体の弾性変形可能な部分がその初期の弾性的に付勢された形状からチャンバー内部へ移動することにより、チャンバーが圧縮された時にのみ、流体が出口を通って放出されることを確実にするため、ノズル装置の入口又はその内部に配置される一方向の入口弁を設けることが必要である。
【0047】
あらゆる適切な入口弁が使用される。
【0048】
入口弁は、チャンバー内部の圧力が所定の最小閾値以下に低下した時に(チャンバーを圧縮するためにチャンバーの弾性変形可能な部分へ加えられた圧力が解放され、弾性変形可能な部分が再び初期の弾性的に付勢された形状へ戻る際にチャンバーの容積が増大する時に)のみ開き、流体がチャンバーに流入するのを許容するようにする。この場合、入口弁は、入口の開口を覆って配置される弾性変形可能なフラップからなる、フラップ(flap)弁であってよい。好ましくは、フラップは、入口の開口に対し弾性的に付勢され、かつチャンバー内部の圧力が所定の最小閾値以下に低下した時に、流体が入口を通ってチャンバーへ吸い込まれるのを許容するよう変形する。しかしながら、その他の時間では入口は閉じられ、それによって流体がチャンバーから入口へ逆流するのを防止する。特に、弾性変形可能なフラップが、チャンバーを規定する本体の弾性変形可能な部分と一体の延長部として形成されることが好ましい。特に、底部が入口を規定し、本体の弾性変形可能な部分が上部部品によって形成されることが好ましい。従って、上部部品が弾性変形可能なフラップを含むことが好ましく、このフラップは入口の開口をチャンバーへ向かって覆うために前記チャンバーの内部へ延び、入口弁を形成する。
【0049】
その代わりに、フラップが入口の開口に対し弾性的に付勢されずに入口の開口の上に配置され、チャンバーが圧縮されてそこの圧力が増大した時にのみ、入口に押付けられるよう構成されてもよい。
【0050】
しかしながら、入口の開口に対し弾性的に付勢されたフラップ弁という簡単な設備には問題が生じ得る。特に、時間とともに、フラップが作られる材料の弾性限度が超えられ、正常に機能しなくなる。この問題は、可撓性のある材料に対してもより少ない程度で当てはまるが、特に、硬い材料の薄い部分からフラップが形成される本発明の実施形態に当てはまり、弁を開けるためにフラップが変形する時と同様、チャンバーが圧縮された時のフラップの変形に起因して生じ得る。結果として、流体は入口を通ってチャンバーから漏れて容器内に戻る。
【0051】
これらの理由のため、フラップ弁が複数の適応(adaptation)を含むことが好ましい。特に、入口が入口オリフィスの周囲に延びる隆起した縁を有することが好ましく、弾性変形可能なフラップはそれに接して入口の周囲にきついシールを形成する。縁を設けることで、フラップとの良好な接触を得ることが確実になる。縁が非常に小さい実施形態においては、適正なシールが得られることを確実にし、縁が破損するのを防止するため、入口の開口のどちらかの側に1又はそれ以上の付加的な支持リブを設けることが必要であろう。
【0052】
さらに好ましい態様は、フラップがその表面に突出部又は栓を有することである。突出部又は栓は、入口の開口の内部へ少し延び、形成されたシールをさらに高めるため側壁に接する。
【0053】
又、流体が入口を通ってチャンバーへ流入し、保持領域又は貯蔵領域に滴下するよう、チャンバーへ向かう入口の開口は、チャンバーの内部で高い位置に配置されることが好ましい。これは、チャンバーの主な保持/貯蔵領域から入口の開口を効果的に遠ざけ、流体が長期間にわたって入口弁の頂上に残ることを防止し、それにより、時間と共に漏れが生じる可能性を低減する。
【0054】
又、入口の開口にきつく接しさせるため、第2の強化フラップ又は部材が弾性変形可能なフラップの対向する表面に接することが好ましい。又、前記第2の強化フラップは、前記弾性変形可能なフラップの対向面の一部又はその近傍に接触することが好ましく、この対向面は、孔に掛かる主フラップの垂直圧を最大とするために入口オリフィスを覆う。又、このことは、シールの完全性を維持するのに役立つ。
【0055】
ロック(locking)手段
ノズル装置は、流体が誤って分配されるのを防ぐため、ロック手段が設けられていてもよい。
【0056】
好ましくは、ロックは本体と一体に形成される。例えば、ロック手段は、本体(例えば、底部又は上部部品)の一部と一体に接続されるヒンジの棒状物 (hinged bar)又は部材であってよく、それは操作者によってアクチュエータが押下げられない位置に取付けられる(例えば、チャンバーを規定する本体の一部を弾性変形させるために棒状物又は部材が操作者によって押下げられないよう、アクチュエータがそれと噛み合う)。
【0057】
ロック手段は又、本体の弾性変形可能な部分の上に置かれてそれが圧縮されるのを防止するための剛性カバーを含んでもよい。必要な時に折り重ねられるよう、カバーはヒンジによって分配ノズルと接続されてもよい。その代わり、硬質カバーは、使用時にチャンバーを圧縮するため下方にスライドするスライド可能な上蓋であってもよい。カバーは回転してそれを固定することができ、それによって装置の誤った作動を防止する。
【0058】
その代わり、ロック手段は、本体(例えば、上部部品又は底部)の構成部分の1つに形成される栓の形状であってもよく、それは対向する構成部分に形成される構造ときつく抵抗して噛み合うよう押し入れられ、それにより、使用前に操作者が栓を抜くことによってのみ解除される出口の閉塞が形成される。特に好ましい実施形態では、栓は本体の上部部品に形成され、底部内に形成される出口オリフィスと選択的に噛み合って閉塞するよう構成される。このようにして、添付の図面に関して以下にさらに述べるように、操作者は、出口をロックするために栓を出口オリフィスへ押し入れ、及び使用前に出口オリフィスと噛み合っている栓を引き抜くことができる。
【0059】
空気抜き/漏れ弁
装置はさらに空気漏れを含んでもよく、これを通して容器内部と外部環境の間のあらゆる圧力差を均等にするよう、空気が流れることができる。いくつかの場合、空気漏れは、単に分配ノズルと容器の間の取付けの隙間を通して生じるが、これは、容器がひっくり返されたり振られた場合に漏れが生じるため好ましくない。好ましい実施形態では、分配ノズルはさらに、例えば、空気が容器に流入するのを許容するが容器がひっくり返された時に容器から流体が漏れ出るのを防止するようにした一方向弁のような空気漏れ弁を含む。
【0060】
あらゆる適切な一方向弁システムが充分である。しかしながら、空気漏れ弁は、分配装置の本体と一体に形成されることが好ましく、又は、さらに好ましくは分配装置の本体の2つの構成部分の間で形成される。
【0061】
最も好ましくは、空気漏れ弁は、分配ノズルのチャンバーを規定する上部部品と底部との間で形成される。
【0062】
好ましくは、空気漏れ弁は、装置の本体によって規定される通路 (channel)と共に配置される弁要素を含み、流体供給の内部を外部環境と連絡させる。最も好ましくは、弁要素は前記通路の側部に接するよう弾性的に付勢され、容器から流体が漏れ出るのを防止するため、それと共にシーリング嵌合(sealing engagement)を形成し、少なくとも最小閾値だけ容器内の圧力が外圧以下に低下した時、それを通って容器に空気が流入する開口を規定するため、弁要素はさらに通路の側部とのシーリング嵌合から弾性的に変形し又は変位する。容器の内部と外部の間の圧力差が最小閾値圧力以下に減少すると、弁要素は流路を閉塞する位置に戻る。
【0063】
好ましくは、弁要素は、通路の内部に延び、さらにシールを形成するため通路の側面に接して外側に延びる壁を含むプランジャー(plunger)である。好ましくは、外側に延びる壁は、さらに容器内部に向かって角度をなす。この構成は、弁要素の壁に働く容器内部の高圧が壁と流路の側面との接触を維持させることを意味する。このようにして完全なシールが維持され、それにより弁を通って液体が漏れ出ることを防止する。反対に、少なくとも最小閾値だけ容器内の圧力が外圧以下に低下した時、壁は容器側面から離れ、空気が容器内に流入するのを許容して圧力差を均等にし又は低減する。
【0064】
特に、プランジャーは、空気漏れ弁内に溜った残留物を追い出すためにドーム(dome)が押圧された時に多少動くことができる変形可能な底部又はフラップに取付けられることが好ましい。さらに、空気漏れ弁内に可動(例えば、弾性変形可能な)要素を設けると、弁が使用時に詰まることを防止するのに役立つので好ましい。
【0065】
本発明のある種の実施形態では、容器が激しく引っくり返され又は振られた時に、容器内の液体が強い力又は過度の力で弁要素と接触するのを防止するため、保護カバーが装置内面のメス型(female)チューブの開口に設けられることが好ましい。カバーは、空気及びある種の液体が流れ過ぎるのを許容するが、プランジャーの張出し端によって形成されるシールに液体が直接衝突するのを防止し、これによりシールが過度の力にさらされるのを防止する。
【0066】
他の実施形態では、空気漏れ弁の通路は、オス型(male)部分の代わりに弾性変形可能であってよい。この配置は、空気が容器に流入するのを許容するため、通路の側壁が変形するように構成することができる。
【0067】
弁要素と通路は、同一又は異なる材料から作ることができる。例えば、それらはいずれも半可撓性のプラスチックから製造することもでき、又はメス型要素は硬質プラスチックから製造し、オス型要素は弾性変形可能な材料から製造してもよい。
【0068】
長時間容器に貯蔵されるある種の製品については、時間と共にボトル内部に蓄積されるガスの問題がある。必然的に生じる圧力の上昇を除くため、放出(release)弁が要求される。上記した空気漏れ弁は、通路の側部に1又はそれ以上の微細な溝を設けることにより、この機能をさらに実行するために変更することができる。
【0069】
これらの微細な溝は、弁要素と通路の側部との間の接触によって形成されたシールをガスが通過することにより、ガスが容器からゆっくりと滲出するのを許容するが、滲出する液体の量を防止し又は最小化する。
【0070】
好ましくは、容器内部の圧力が増大してプランジャーが(容器に対して)外側に変形するように圧力が作用する時にのみ溝が露出するよう、通路の側壁に形成される溝が弁要素と通路の側部との間の接触点より外側の側面に形成される。過度のガスが放出されると、プランジャーは、溝が露出しない弾性的に付勢された位置に戻る。この過程で液体製品は失われない。
【0071】
その代わり、容器内のガス圧は、通路から変位してガスが流れることができる開口を規定するように弁要素を外側に動かすことができる。
【0072】
シール
少なくとも2つの構成部分を含む本発明の好ましい実施形態では、あらゆる流体が分配ノズルから漏れ出るのを防止するため、少なくとも2つの相互接続された部分の間の結合部にシールが配置されていることが好ましい。あらゆる適切なシールが充分である。例えば、2つの部分は、互いに溶接され、又は1つの部分が他の部分とスナップ式でシーリング嵌合するよう構成され、又は他の部分の上面ときつく嵌まってそれと共にシールを形成するフランジをその周囲に有する。
【0073】
好ましくは、シールは、少なくとも2つの部分の一方の接合面に形成されるオス型突出部を含み、2つの部分が互いに結合された時、オス型突出部は、他の部分の対向する接合面に形成された対応する溝にシーリング嵌合する。
【0074】
2つの構成部分の結合部の間で、分配装置のどの位置からの流体の漏れも防止するよう、シールがチャンバー全体の周囲及び出口の周囲に延びることが好ましい。
【0075】
出口流路を含むある種の実施形態では、突出部材は流路を横断して延び、出口弁の弾性変形可能な弁要素を形成してもよい。弁要素にその機能を実行できる十分な弾性を提供するよう、突出部の一部は通常は薄くなっている。
【0076】
本発明のある種の実施形態では、オス型突出部は溝にスナップ式に挿入されるよう構成され、又はその代わり、流しの孔に栓を嵌めるのと同様な方法で、オス型突出部が溝に抵抗して挿入されるよう構成される。
【0077】
浸漬管(dip tube)
大抵の場合、分配装置に浸漬管が一体形成され、又はその代わり、分配装置の本体は、分離した浸漬管が嵌め込まれる凹部を含む。浸漬管は、使用時に流体が容器の深い内部から吸い出されるのを可能とし、それにより事実上すべての場合に存在する。
【0078】
一方、いくつかの容器、特に、接着剤、香水ビン、及び鼻用スプレーのような容積の小さい容器では、装置それ自体が容器内に伸長し、使用時に製品を分配ノズルに吸い出すことができ、又は、容器をひっくり返して分配装置に流体を呼び水として差すのが容易にできるため、浸漬管を省略することが好ましい。その代わり、浸漬管を必要とせずに流体がノズルの入口に直接吸い込まれる装置の一体部分として形成される、流体区画を装置がさらに含んでもよい。
【0079】
内部チャンバー
ノズル装置のチャンバーはあらゆる形状であってよく、関連する特定の装置や用途に合うよう、ドームの寸法や輪郭が選択されることはもちろん理解されるべきである。同様に、チャンバー内部の全ての流体はドームが圧縮されると放出され、又はその代わり、チャンバー内部にある流体の一部のみが分配され、これらは関連する用途によって決定される。
【0080】
本発明のある種の好ましい実施形態では、チャンバーは、本体の一般にドーム形の弾性変形可能な領域によって規定される。
【0081】
好ましくは、操作者が押し易いように、ドーム形の領域は本体の上面に形成される。ドーム形のチャンバーの1つの問題は、操作者によって圧縮された時、チャンバー内部に一定量のデッドスペースが存在し得ることであり、いくつかの用途に対しては、そのデッドスペースが最小化され又は事実上無視できることが好ましい。この特性を得るためチャンバーの対向壁に接触してその中の全ての内容物を押出すよう、チャンバーの弾性変形可能な壁を押下げるための平らなドーム又は他の形状のチャンバーが一般に好ましいことが知られている。このため、チャンバーを圧縮してその中の流体を分配するためドームが内側に押されるのに要する大きさを低減するという理由から、平らなドームが特に好ましい。それは又、最初の使用のためチャンバーへ呼び水を差すのに必要な押圧の合計を低減する。
【0082】
いくつかの場合、本体の弾性変形可能な部分は、変形に続いて元の弾性的に付勢された形状を保持するのに充分な弾性を有しないことがある。これは、流体が高粘度で、そのため入口からチャンバーへ吸込まれるのに抵抗する傾向にある場合であろう。このような場合、チャンバー内部に1又はそれ以上の弾性変形可能な柱を配置することで、特別な弾性力が提供され、それは、チャンバーが圧縮された時に曲がり、加えられた圧力が除かれると、本体の変形部分を元の弾性的に付勢された形状へ戻させる。
【0083】
その代わり、1又はそれ以上のプラスチックの厚いリブが、弾性変形可能な領域の端からこの部分の真ん中に向かって延びることができる。このリブは、本体の弾性変形可能な部分に圧力が加えられた時に、板バネのように圧縮して有効に機能することにより、弾性変形可能な領域の弾性力を上昇させ、加えられた圧力が除かれた時に、この部分を初期の弾性的に付勢された形状へ戻させる。
【0084】
さらに他の方法は、バネ又は他の弾性手段がチャンバー内部に配置されることである。上記のように、バネは壁が変形した時に圧縮され、加えられた圧力が除かれた時に、変形部分を初期の元の弾性的に付勢された形状へ戻させ、そうすることで、圧縮されたチャンバーを元の"圧縮されない形状"へ戻させる。
【0085】
2又はそれ以上のチャンバー
本発明のノズル装置は、2又はそれ以上の分離した内部チャンバーを含んでもよい。
【0086】
個々のチャンバーは、例えば同一容器内で流体で満たされた分離した区画である異なる流体源から、分離した入口を通って流体をノズル装置内へ吸い込む。
【0087】
一方、1又はそれ以上の付加的なチャンバーは入口を含まない。第2の流体の容器がチャンバー自体に用意されるよりはむしろ、第2の流体の所定量のみが各動作によって分配されることを許容するよう、付加的なチャンバー又はその出口が構成される。
【0088】
さらに他の方法として、付加的なチャンバーの1又はそれ以上のチャンバーがノズル装置の外部から空気を吸い込む。付加的なチャンバーが容器内の分離した区画から吸込まれた空気又はいくつかの他の流体を含むにせよ、両方のチャンバーが同時に圧縮されることにより、2又はそれ以上のチャンバーの内容物は出口を通って同時に放出される。その後、個々のチャンバーの内容物は、ノズル装置から放出される際か放出後、又は放出の前に、出口内で混合される。個々のチャンバーの相対容積及び/又は出口の大きさを変えることは、出口を通って放出される最終混合物に存在する成分の相対割合に影響を与えるため用いられることは理解されるべきである。さらに出口流路は、2又はそれ以上の分離した通路に分けられてもよく、各通路は分離したチャンバーから延び、上記したように個々の分離した流路は、放出に先立って流体が混合されるスプレーノズル流路に流体を供給する。
【0089】
空気を排除するための付加的なチャンバーが存在する場合、空気の排除が達成され、加えられた圧力が除かれ、それによってチャンバーが変形してその元の膨張した形状に戻されと、排除された分を補充してチャンバーに吸い込まれるためのより多くの空気が必要になることは理解されるべきである。このことは、出口を通って空気を吸い込む(すなわち、この付加的なチャンバーに気密な出口弁を設けない)か、又はより好ましくは、チャンバーを規定する本体内部の注入孔を通って空気を吸い込むことにより実現される。後者の場合、好ましくは、上記した入口弁と同様、注入孔に一方向弁が設けられる。この弁は、空気がチャンバー内部に吸い込まれることのみを許容し、チャンバーが圧縮された時に空気が孔を通って放出されることを防止する。
【0090】
多くの場合、ほぼ同一の圧力で空気と流体を容器から共に放出することが好ましい。これは、流体/液体を含むチャンバーに比べ、空気チャンバーがより多く(例えば、関係する用途に影響されるが3−200倍以上)圧縮されることを必要とする。これは、圧力が加えられた時、空気を含むチャンバーの圧縮が優先されるようにチャンバーが配置されることで実現され、それによって、空気と液体が同一又は実質的に同一の圧力で放出されることが可能となる。例えば、圧力が加えられた時、両方のチャンバーが一緒に圧縮される段階に達するまで空気チャンバーが最初に圧縮されるよう、空気を含むチャンバーが液体を含むチャンバーの背後に配置されてもよい。
【0091】
その代わり、空気圧が液体圧より高くなる又は低くなるようにノズル装置が適合してもよく、これは特定の用途には有益となる。
【0092】
チャンバーは、並んで配置されてもよく、又、1つのチャンバーの上にもう1つのチャンバーを重ねて配置されてもよい。1つの付加的なチャンバーが空気を含む好ましい実施形態では、空気チャンバーの圧縮が本体の弾性変形可能な部分を変形させてノズル装置のチャンバーを圧縮するように、付加的な空気チャンバーがノズル装置のチャンバーに対して配置される。
【0093】
好ましくは、各チャンバーの内部に存在する流体が同時に放出される。
【0094】
しかしながら、特定の用途において、1つのチャンバーが、その流体を他のチャンバーより前又は後に放出してもよいことは理解されるべきである。
【0095】
他の実施形態では、容器からの空気と流体は、別個のチャンバーよりは1つのチャンバーに存在している方がよい。このような場合、流体と空気が一緒に放出され、出口を通って流れる際に混合されてもよい。例えば、出口が拡張チャンバー、すなわち出口流路に配置される拡張されたチャンバーを含む場合、チャンバーから放出される内容物は流路の分離した枝路に分かれ、異なる位置で拡張チャンバーに入って混合を促進する。
【0096】
容器の一体部分
大抵の場合、例えばスナップ式又はネジ接続のようないくつかの適切な手段により、分配ノズルは容器に嵌め込むのに適合している。しかしながら、特定の場合、分配装置が一体部分として容器に組み込まれる。例えば、分配装置は、硬い容器又は袋のようなプラスチック容器の種々の形態と共に一体成形することができる。このことは、装置が好ましくは単一の材料として成形され、そのため同一又は類似の適合した材料から容器と共に一体に成形できることから可能となる。
【0097】
本発明の第2の態様によれば、ポンプアクション式の分配ノズルを持つ容器が提供され、使用時に前記分配ノズルを通って容器内に貯えられた流体を容器から分配できるよう、上記に規定したように分配ノズルはその開口に嵌め込まれる。
【0098】
本発明の第3の態様によれば、ポンプアクション式の分配ノズルを持つ容器が提供され、使用時に前記分配ノズルを通って容器内に貯えられた流体を容器から分配できるよう、上記に規定したように分配ノズルはそれと一体形成される。
【0099】
本発明の第4の態様によれば、出口を有する内部チャンバーを規定する本体を持つポンプアクション式の分配ノズルが提供され、出口を通ってチャンバー内部の流体がノズルから放出され、前記出口は、少なくとも最小閾値だけ出口の中の圧力が外圧を超えた時にのみ、流体がチャンバーから流出してノズルから放出されることを許容するよう構成される出口弁を含み、前記チャンバーを規定する本体の少なくとも一部は、圧力の付加に応じて、初期の弾性的に付勢された形状から膨張又は変形した形状に弾性変形するよう構成され、それにより本体の前記部分が前記初期の形状から前記膨張又は変形した形状に弾性変形するにつれ、本体の前記部分によって規定される前記チャンバーの容積は減少し、前記容積の減少は、チャンバー内部の圧力を増大させて出口弁から流体を放出させる。
【0100】
本発明の第4の態様のノズル配置は、それを通って流体が内部チャンバーに吸込まれる入口/入口弁を分配装置が含まないことを除いて、本発明の第1の態様について上記されたものと同一である。その代わり、全ての流体供給がチャンバー内部に貯えられる。装置は使い捨ての分配装置であってもよく、それにより、本体の弾性変形可能な部分が変形した時にチャンバーの全ての内容物が分配される。その代わり、チャンバーの内容物の一部を放出するために本体の一部のみが部分的に変形してもよく、より多くの流体を分配したい場合はさらに変形してもよい。
【0101】
他の違いは、入口がないため、本体は圧力が加えられた時にちょうど変形し、続いて初期の弾性的に付勢された形状に戻らないことである。
【0102】
出口及び出口弁は、好ましくは本発明の第1の態様に関して上記されたものであってよい。
【0103】
装置の本体は、あらゆる適切な材料から作られることができる。又、前に述べたように、それは2又はそれ以上の相互結合された部分から作られてもよい。
【0104】
各部分は、同一又は異なる材料から作られてもよい。
【0105】
本発明のいくつかの実施形態では、チャンバーを規定する本体全体が弾性変形可能であってもよい。その代わり、本体の一部のみが弾性変形可能に構成されていてもよい。
【0106】
分配装置はあらゆる適切な形状としてよい。例えば、チャンバーは、プラスチック製小袋又は流体が満たされた容器のあらゆる類似した形状とすることができる。この場合、本体を圧縮すると、その中の圧力が増大して出口から流体が放出される。
【0107】
本発明の他の態様によれば、使用する時に前記ノズルから流体源に貯えられた流体を分配できるようにしたポンプアクション式の分配ノズルが提供され、前記ノズルは、流体が前記チャンバーへ流入するための入口とチャンバー内部の流体がノズルから放出される出口とを備えた内部チャンバーを規定する本体を有し、前記入口は、少なくとも最小閾値だけチャンバー内部の圧力が流体源の圧力より低下した時にのみ、流体が入口を通ってチャンバーへ流入することを許容するようにした入口弁を含み、前記出口は、少なくとも最小閾値だけ出口内の圧力が外部圧を超えた時にのみ、流体がチャンバーから流出してノズルから放出することを許容するよう構成された出口弁を含み、前記チャンバーを規定する本体の少なくとも一部は (i)圧力の付加に応じて、初期の弾性的に付勢された形状から膨張又は変形した形状に弾性変形し、それにより、本体の前記一部が前記初期の形状から前記膨張又は変形した形状に弾性変形するにつれて、本体の前記一部によって規定される前記チャンバーの容積は減少し、前記容積の減少は、チャンバー内部の圧力を増大させて出口弁から流体を放出させ;かつ(ii)加えられた圧力が除かれると、引き続いて初期の弾性的に付勢された形状に戻り、それにより流体が入口弁を通ってチャンバーへ流入するよう、チャンバーの容積を増大させてその中の圧力を低下させるよう構成され、本体は、前記チャンバーを規定するために互いに嵌め合う2つの部分を含み、第1の前記部分は硬い材料から完全に形成され、第2の前記部分は硬い材料の内部に収容される可撓性の/弾性変形可能な材料から形成され、組立てられた分配ノズルを形成するため、第2の部分の硬い部分は、第2の部分を底部部品に固定するように構成されてヒンジ又は折畳み可能な接続要素によって硬い第1の部分に接続されることを特徴とする。
【0108】
弾性変形可能な材料が、チャンバーを規定する本体の弾性変形可能な部分を形成することは理解されるべきである。
【0109】
材料は別にして、分配ノズルは上記したようなものであることが好ましい。
【0110】
好ましくは上記したように、第1の部分が底部部品であり、第2の部分が上部部品である。
【0111】
硬い材料がプラスチック材料であることが好ましく、硬い第1の部分及び第2の部分が同一の材料から形成されることが最も好ましい。特に、第1の部分の硬質プラスチック部分が一回の成形工程で互いに一体形成されることが好ましい。組立ノズルを形成するためにヒンジ又は折畳み可能な接続要素の周りに第2の部分を折り重ねてそれを第1の部分に嵌め込むのに先立ち、弾性変形可能な部分がバイインジェクション成形工程によって組み込まれ、それにより、第2工程で弾性変形可能な部分が第2の部分の上又は内部に成形される。その代わり、第2の部分を本体に嵌めるため、第2の部分の内側に配置されて適切な位置に保持される弾性変形可能な材料がインサート部分であってもよい。
【0112】
本発明の他の態様によれば、流体源に貯えられた流体を使用時に前記分配ノズルを通って分配するようにしたポンプアクション式の分配ノズルが提供され、前記ノズルは、流体がそれを通って前記チャンバーへ流入するための入口と、チャンバー内部の流体がそれを通ってノズルから放出される出口とを備えた内部チャンバーを規定する本体を有し、前記入口は、少なくとも最小閾値だけチャンバー内部の圧力が流体源の圧力より低下した時にのみ、流体が入口を通ってチャンバーへ流入することを許容するようにした入口弁を含み、前記出口は、少なくとも最小閾値だけ出口内の圧力が外圧を超えた時にのみ、流体がチャンバーから流出してノズルから放出することを許容するよう構成された出口弁を含み、前記チャンバーを規定する本体の少なくとも一部は (i)圧力の付加に応じて、初期の弾性的に付勢された形状から膨張又は変形した形状に変位可能であり、それにより、本体の前記一部が前記初期の形状から前記膨張又は変形した形状に変形するにつれて、本体の前記一部によって規定される前記チャンバーの容積は減少し、前記容積の減少は、チャンバー内部の圧力を増大させて流体を出口弁を通って放出させ;かつ(ii)加えられた圧力が除かれると、引き続いて初期の弾性的に付勢された形状に戻り、それにより流体が入口弁を通ってチャンバーへ流入するよう、チャンバーの容積を増大させてその中の圧力を減少させるよう構成され、装置の本体が硬い材料又は可撓性の材料から完全に形成されることを特徴とする。
【0113】
分配ノズルは上記したようなものであることが好ましい。
【0114】
さらに加えて、チャンバーの容積を減少させるため内側に変形し、前記チャンバーにある流体を出口から放出する本体の部分が、ピストン通路内に備えられたピストンであることが好ましい。ピストン通路は、通路全体を形成してもよく、その代わりにその一部を形成してもよい。
【0115】
分配ノズルは、ピストンを初期位置から内側へ変位させ、続いて初期位置に戻す手段を含むことが好ましい。これは、例えば、求められた時にピストンを変位させるよう動作可能で、ピストンに接続される引き金又はオーバーキャップ(over cap)のような、あらゆる適切な手段によって実現される。使用後にピストンが初期位置に戻るよう、ピストンを初期位置から内側に変位させる手段は弾性的に付勢されていることが好ましい。
【0116】
製造方法
本発明のノズル装置は、当業者に知られるあらゆる適切な方法で製造することができる。
【0117】
前述したように、本発明の好ましい実施形態は、2つの部分(底部部品及び上部部品)を有する本体を含み、これらは少なくとも装置のチャンバーを規定するため、より好ましくはチャンバー及び出口の少なくとも一部を規定するため、互いに嵌め合わされる。
【0118】
本発明のさらなる態様によれば、以上に述べたようなノズル装置の製造方法が提供され、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を備え、前記方法は以下の工程を含む:(i)本体の前記部分を成形し;及び(ii)ノズル装置の本体を形成するため、本体の前記部分を互いに接続する。
【0119】
本体の各部分は分離した構成部分であってよく、この場合、構成部分が最初に形成され、その後にノズル装置を形成するために一緒に組立てられる。
【0120】
代わりに、より好ましくは、本体の2つの部分又は本体の部分の1つ、及び引き金アクチュエータは、互いに一体形成され、さらに曲げ可能/折畳み可能な接続要素によって接続されてもよい。このような場合、接続される部分は一度の成形工程で形成され、その後にノズル装置を形成するため、残りの部分と共に組立てられる。例えば、装置の好ましい実施形態の底部部品及び上部部品は一体形成され、さらに曲げ可能/折畳み可能な接続要素によって互いに接続されてもよい。このようにして、全体の装置が単一の材料から一度の成形工程で形成される。形成がされると、組立てノズル装置を形成するため、上部部品は折り重ねられて底部に接続される。
【0121】
その代わりとして、ノズル装置はバイインジェクション成形工程によって形成されてもよく、それによって、本体の第1の構成部分が形成された後、第1の部分の上に第2の部分が成形される。各部分は、同一又は異なる材料から成形されてよい。前述のように、引き金アクチュエータは、後でノズル装置の本体に嵌め込まれる分離した構成部分であってよく、又は本体の部分の1つと一体形成されてもよい。
【0122】
装置の組立てられた本体を形成するために本体の2つの部分が互いに接続されると、2つの部分を互いにしっかり付けるため、2つの部分の上に他のプラスチックが成形されてもよい。本発明のさらなる態様によれば、以上に述べたようなノズル装置の製造方法が提供され、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を備え、前記方法は以下の工程を含む:(i)第1の工程で本体の第1の前記部分を成形し;及び(ii)ノズル装置の本体を形成するため、第2の工程で第1の前記部分の上に第2の前記部分を被覆成形(over-molding)する。
【0123】
前記少なくとも2つの部分は、バイインジェクション成形工程における同一の成形金型によって成形されることが好ましい。通常、第1の部分はノズル装置の底部部品であり、第2の部分は上部部品である。
【0124】
本発明のさらなる態様によれば、以上に述べたようなノズル装置の製造方法が提供され、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を備え、前記方法は以下の工程を含む:(i)第1の工程で、本体の第1の前記部分を第2の前記部分のための骨格又はベースと共に成形し;及び(ii)組立ノズル装置の第2の前記部分を形成するため、骨格又はベースの上に被覆成形する。
【0125】
第2の部分の骨格は、被覆成形工程に先立って底部に取付けられてもよい。
【0126】
その代わり、第2の前記部分のための骨格が第1の部分に取付けられる前に、被覆成形が行われてもよい。
【0127】
被覆成形は、第1の部分及び第2の部分の骨格と同一の材料であってもよく、又は異なる材料であってもよい。
【0128】
特に、上部部品の骨格支持体と共に、底部が硬質プラスチック材料から最初に成形されることが好ましい。上部部品の骨格は、ヒンジ又は折畳み可能な接続要素で底部に接続されていることが好ましく、これにより最終製品の組立ての間、骨格が折り重ねられて底部に接続されることを可能とする。骨格は、チャンバーを規定する本体の弾性変形可能な部分を形成し適合性を有する可撓性の弾性変形可能なプラスチック材料で被覆成形される。弾性変形可能なプラスチック材料は又、出口弁及び入口弁のための弾性変形可能な弁要素を形成してもよい。それは又、操作者が装置を握った時に、それにしなやかな触感を与えるよう、ノズル表面の他の部分へ延びてもよい。上部部品の硬い骨格は、底部との接触点となる上部部品の外縁を形成し、スプレーノズル流路が存在する実施形態では、骨格はさらに、スプレー流路及び出口オリフィスを規定するため底部に形成される下部接合面と接触する上部接合面を形成する。
【0129】
本発明のさらなる態様によれば、以上に述べたようなノズル装置の製造方法が提供され、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を備え、前記方法は以下の工程を含む:(i)第1の工程で、本体の第1の前記部分を第2の前記部分のための骨格又はベースと共に成形し;及び(ii) 前記骨格が本体の第1の部分に接続された時に前記インサート部分が本体の第2の部分の骨格内に保持され、前記骨格及びインサート部分が本体の第2の部分を形成するよう、本体のインサート部分を配置する。
【0130】
本発明のさらなる態様によれば、以上に述べたようなノズル装置の製造方法が提供され、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を備え、前記部分は、該部分が他の部分に対して可動するように接続要素によって互いに接続され、前記方法は以下の工程を含む:(i)1回の成形工程で、本体の部分と前記接続要素を共に成形し;及び(ii) ノズル装置の本体を形成するため、本体の前記部分を動かしてもう一方と嵌め合わせる。
【0131】
本発明のノズル装置は、複数の異なる成形技術によって製造されてもよい。
【0132】
発泡剤
プラスチック材料と共に、発泡剤が金型に加えられることが好ましい。沈み込み(sinkage)として知られる現象が生じないよう、発泡剤は成形されたプラスチック内にガスの泡を生成する。沈み込みの問題、及びこの問題に対処するための発泡剤の製造中での使用は、共に係属中の本出願人の国際特許公報No.WO03/049916に詳細に記載されており、その全体の内容は参照することにより本書に援用される。
【0133】
本発明のポンプアクション式の分配ノズルは、石鹸、シャンプー等のような粘性流体を分配するのに特に適する。
【0134】
従来のポンプアクション式の分配ノズルと異なり、本発明に従うノズルは、加圧されない容器から製品が分配される、安価で、単純で、使い易く、有効な手段を提供する。ある実施形態では、従来のポンプ式及び引き金式のノズルに比べ、本発明のノズルは等量の流体を汲み上げるためにより少ない作動力(典型的には1/4の作動力)しか必要としない。さらに、分配ノズルが1つの材料から形成される好ましい実施形態では、本発明のノズル装置は、前述したEP044285、US3820689、及びEP0649684に開示された分配ノズルより多くの利点を有する。特に、組立てられた分配ノズルを形成するため上部部品が軸回転して底部部品と接触するよう、2つの部分が一体形成され折畳み可能な接続要素又はヒンジ接合で互いに接続される好ましい実施形態において、分配ノズルを1つの材料から形成することは、複数の分離した構成部分を組立てる必要性を回避する。さらに、分配ノズルを1つの材料から形成することは、本体の2つの部分を一緒に溶接する可能性(例えば、熱又は超音波溶接)、又はプラスチック材料が硬い場合、その後に上部部品と底部の間にスナップ式の接続が形成される可能性を提供する。後者の選択肢は又、底部に充分な強度を付与すると共に、洗浄のため上部部品と底部とを定期的に切り離すことを可能とする。
【0135】
これに反して、EP0442858,US3820689,及びEP0649684に開示された分配装置は、2つの構成部分を一緒に組立てる必要があり、ロックが含まれていた場合は3つの構成部分が要求される。さらに、使用時に弾性変形可能な材料が硬い材料から変形し又は分離できるようにするため、弾性変形可能な材料と硬質プラスチック材料との間の結合は決して完全ではない。このようにして、より信頼性のある結合の必要性が依然として残る。
【0136】
どのようにして本発明を実現するかは、以下の図面を参照し、単なる実施例によって記述される。
【0137】
図面の以下の説明において、同一の参照数字は、適合する異なった図面における同一又は対応する部分を示す。
【0138】
図1に示す分配ノズルの実施形態は、2つの部分、すなわち底部部品401、及び底部部品401の上面に嵌め込まれる上部部品/硬い頂部402から形成される本体400を含む。本体400は硬質プラスチック材料から形成される。
【0139】
底部部品401は、容器のねじ込み頸部に本体を締付け可能にするためのねじ溝をその下部に含み、効果的にねじ蓋を形成する。図1に示すように、上部部品402は底部部品401の上面に嵌め込まれ、本体400の上面に実質的にドーム形の突起を形成する。ドーム形の突起は、本体の弾性変形可能な部分であり、内部チャンバーの容積を減少させるために内側に変形するよう、操作者によって押下げられる。これにより、流体がチャンバーから出口オリフィス403を通って放出される。
【0140】
底部部品401の斜視図が図2に示される。図2によれば、底部部品402は下部に延びる延部501を含み、その下面には前述したねじ溝が設けられる。底部401の上面は、中央凹部502を囲む周縁504を有する。凹部502は、実質的に逆半球状の深凹部502aからなり、それは延設され、出口オリフィスの一部を規定する端部505を有して一般に注ぎ口のような出口の下部を形成する。底部401の出口端部505の領域内で凹部502は接合面502bを形成し、その接合面は、上部部品402と共に、端部505及び対応する上部の端部によって形成される出口オリフィスに通じる分配ノズルの出口流路/弁を規定する。
【0141】
凹部502の中に位置し、縁504のちょうど内側に溝506があり、その重要性は以下の図3の議論で明らかになるであろう。又、凹部502の領域502aの中に入口503が位置し、使用時にそれを通って、関連する容器から分配ノズルへ流体が吸い上げられる。入口503の開口は、最深凹部503aの中に位置し、その重要性は以下の図3の議論で再び明らかになるであろう。
【0142】
上部部品402の下面が図3にさらに詳細に示される(説明のため、図3に示される上部部品は逆向きである)。上部部品402の下面は縁601によって囲まれ、上部部品402が底部401に嵌め込まれた時に、縁は溝506に収容されて底部部品と上部部品の間に緊密なシールを形成し、それによって底部401と上部部品402の間の結合に生じるあらゆる流体漏れを防止する。上部部品の下面は縁601の間に延び、602aで実質的にドーム形凹部を形成させ、それは、底部部品と上部部品が互いに接続された時に凹部502aと並ぶと共に、領域602bで接合面を形成するよう延び、この接合面は、出口流路を規定するために組立てられた分配ノズルの中で、底部401の対向する接合面502bと接触する。上部部品はさらにフラップ突出部603を含み、それは上面が底部401に嵌め込まれた時に凹部503a内に位置し、入口503に対して弾性的に付勢される。フラップ突出部603は、入口弁の弾性変形可能な弁要素を形成する。
【0143】
図1に示される分配ノズル400の内部構造及び動作は、図4A、図4Bに示される断面図を参照することでさらに理解されるであろう。図4Aについて、底部401はその下面に凹部701、702を含む。凹部701は、ねじ(図示せず)を含み、容器の円形のねじ込み頸部の開口に嵌め込むことができるよう、側面から見て円形である。他方、凹部702は浸漬管704を収容するのに適し、又、分配弁の入口503を形成するために延びる。底部401の上面502の部分502は、上部部品402の下面の部分602aと共に内部チャンバー700を規定する。上面の部分502bは、上部部品402の下面の部分602bと共に出口流路を規定し、それは底部の端部505と上部部品の端部605とによって規定される出口オリフィス403へ通じる。従って、上部部品402の部分602aは硬質プラスチックの薄肉部分から作られ、弾性変形可能となる。そのため、本体400のこの部分は、チャンバーを規定する本体の弾性変形可能な部分である。上部部品402の部分602b近傍に形成される接合面はさらに、図4A、図4Bに示すように出口流路を塞ぐ弾性的に付勢された位置から、流路が開く位置へ弾性変形するよう構成される。このようにして、弾性変形可能な出口流路は装置の出口弁を有効に形成する。
【0144】
さらに、上部部品のフラップ突出部603はチャンバーの入口505を囲む凹部503aの中に収容され、前述したように入口フラップ弁を形成する。
【0145】
このため、使用時に、上部部品402の領域602a内の弾性変形可能な部分は、例えば操作者がこの領域を指で押すことによる圧力の付加によって、下方に変形することができる。この圧力付加はチャンバー700の容積を減少させ、そこの圧力を増大させる。チャンバー内部の圧力が所定の最小閾値を超えると、上部部品の接合面602bは、底部の対向面502bから離れて変形して開いた出口流路を規定し、それを通ってチャンバー内部の流体が通過して分配ノズルの出口403から放出される。流体が入口を通ってチャンバーから流出することがフラップ603によって回避されることは理解されるであろう。流体が放出されると、チャンバー内部の流体が分配されるにつれてチャンバー700内部の圧力は除々に低下し、その圧力が最小閾値より低くなると、出口流路602bの弾性変形可能な接合面は、面502bに隣接する位置に変形して戻り、出口流路が閉じられる。
【0146】
その後、領域602aの中のチャンバーに加えられる圧力が除かれると、その内在する弾性力に基づいて膨張した形状へチャンバーが変形して戻るにつれ、チャンバー内部の圧力は減少する。この圧力減少により、入口503とチャンバー700との間の圧力差がフラップ突出部603を入口オリフィスから離れて屈曲させるため、流体は入口を通ってチャンバーへ吸い上げられる。
【0147】
本体の上部部品の部分602aがその弾性的に付勢された位置をとると、フラップ突出部603は、入口が閉じられる図4Aに示す位置へ変形して戻る。
【0148】
その代わりとして、図1〜4に示される実施形態の本体が可撓性のプラスチック材料から製造されてもよい。分配装置は、あらゆる適切な成形工程により製造することができる。例えば、底部部品401及び上部部品402が別個に成形され、その後に同一の成形若しくは別の成形において互いに接続することができ、又はその代わりに1つの部分が最初に成形され、他の部分が最初の部分の上に成形されることもできる。
【0149】
本発明の他の実施形態が図5A、5Bに示される。この実施形態は、同一の参照数字に示されるように、実質的に図1〜4に示された実施形態と同一である。この実施形態と図1〜4の実施形態との唯一の違いは、図5Aに示すように、上部部品402がヒンジ又は折畳み可能な接続要素801で底部401に接続されていることであり、これにより、図5Bに示す分配ノズルを組立てるため、上部部品402を底部401に折り重ねて嵌め込むことができる。この実施形態では、上部部品は硬質プラスチック材料から完全に形成されるが、他の実施形態では、上部部品は可撓性のプラスチック材料が被覆成形される硬質プラスチック材料(底部の材料と同一)の骨格を含んでもよい。
【0150】
図5A、5Bの実施形態の主な利点は、底部401及び上部部品402が一体形成され、これは、最小の組立及び工程時間に起因する低減されたコストの全ての必然的な利点と共に、分配装置の全体の本体が1つの材料から1回の工程で成形されることを意味する。例えば、分配装置は、図5に示す開いた形状で成形され、その後、組立てノズル装置を形成するため、上部部品が接続要素801付近で折り重ねられる。
【0151】
図6Aは、本発明のさらに他の実施形態を示し、この実施形態は、容器と外部環境との間に存在する(しかし、例えば、容器がひっくり返った時に流体が反対に流れるのを防止する)あらゆる圧力差を均一にするため、空気が外部から容器に流入するのを許容するようにした空気抜き弁をさらに含むことの他は、図5Aに示す実施形態と同一である。
【0152】
空気抜き弁は、弾性変形可能な弁要素1101からなり、図6Bに示すように分配ノズルが組立てられた時に底部の開口1102内に収容される。開口1102は、溝1103と共に、組立てられた分配ノズルにおいて空気が外部から容器内へ流入する流路を規定する。弾性変形可能な部材1101の先端には張出しリム(flared rim)が設けられ、その縁は開口1102の内壁に接して気密シールを形成する。分配ノズルから流体を放出した結果として容器内の圧力減少が存在すると、容器内部と外部環境との間の圧力差は、部材1101の張出しリムを内側に変形させ、それにより空気が外部環境から容器内部へ流入するのを許容する。圧力差が均等になると、図6Bに示すように、張出しリムはその元の弾性的に付勢された形状に戻る。又、容器がひっくり返されても製品が弾性変形可能な部材1101を通って漏れることはなく、さらに、例えば容器を振ることにより加えられるあらゆる圧力は単に張出しリムを開口1102の壁に押し付けてよりきつく接しさせるだけである。
【0153】
他の実施形態では、空気抜き弁は、孔の内部に置かれた柱又はフラップであってもよく、それは圧力差が存在する時に流路を開くため弾性変形可能であり、それにより空気が外部環境から容器内部へ流入するのを許容する。
【0154】
さらに別の実施形態では、弾性変形可能な上部部品402は、開口1102に類似した開口の上に細い切込みを有する。この切込みは、圧力差が存在する時に開くよう構成されることができる。
【0155】
さらに別の代替案において、空気抜きは弾性変形可能な上部部品402の近傍に配置され、さらに、チャンバー700内の内容物を放出するために上部部品が下方に押された時、存在し得るあらゆる圧力差を均等にするため、空気弁が開いて空気がチャンバーへ流入し又はチャンバーから流出するように弾性変形可能な部材が変形するよう構成される。
【0156】
本発明の分配ノズルのさらに別の実施形態が図7に示される。図7に示される分配装置は、同一の参照数字で示されるように、既に述べた実施形態の多くの特徴を備える。しかしながら、多数の変更がある。
【0157】
特に、装置1401の出口403は、製品が矢印1405方向である下方に分配されるように変更されている。もちろん、製品をあらゆる角度(例えば、垂直に対して30−45°)に分配するように出口が構成されてよいのは理解されるであろう。
【0158】
出口流路はさらに、ロック手段を組み込むようにする。ロック手段は、上部部品402上に形成される栓(plug)1406を含む。栓は、上部部品402の上面に留具(button)1407を形成するように延び、それは押下されて、図7に示すように栓1406を出口オリフィス403とシーリング嵌合させる。この構成において、栓1406は出口403をシールし、流体がチャンバーから分配されることを防止する。シールを解除して流体が出口403から分配されるようにするためには、操作者は留具1407を上に引き、出口から栓1406を取り外さなければならない。解除がされると、チャンバーが圧縮される時に開いた出口流路を規定するため、上部部品の部分602bが底部502bの接合面から弾性変形することができる。又、流体が出口403に向かって流れる際、上部部品の部分602bのこの変形は、栓を出口403の近傍から取り除き、流体がそれを通って流動可能な流路を規定する。チャンバーの内容物が分配されるとすぐ、上部部品の部分602b及び栓1406は、出口流路を塞ぐために変形して戻る。これに関し、栓1406は出口403の上に位置し、あらゆる気体又は製品がチャンバー内部に戻るのを防止する逆止め(non-return)弁を有効に形成する。
【0159】
使用後、操作者は出口を塞ぐために留具1407を押し、装置が誤って作動することを防止することができる。
【0160】
縁1408aを有する一般にL形の部材1408は、栓1406の底面からぶら下がり、出口403を通って突出する。図7に示すように、栓が出口403とシーリング嵌合している時、縁1408aは底部の下面から移動する。しかし、栓1407を引き去るために留具1407が引かれると、部材1408の縁1408aは底部の下面に接し、留具1407が極端に引かれることを防止する。留具1407が極端に引かれることを防止するための他のあらゆる手段を用いることができる。
【0161】
対応する溝506に収容される隆起部601によって形成されるシールは又、2つの点で変更される。第1に、シールはチャンバー700の全周にわたって延び、さらに、底部の部分502bの接合面と上部部品の602bの接合面との間で規定される出口流路を囲む。そのため、上部部品402と底部401との間で流体が染み出してノズルから漏れることを防止するための完全なシールが形成される。第2に、隆起部の厚みはその根元に向かって減少し、溝506の幅は対応してその開口に向かって狭くなる。従って、きついシーリング嵌合を形成するため、隆起部601は、溝506に押し込められ又はスナップ式に嵌められ、さらに上部部品402と底部401を共に保持するよう機能する。シールを形成するオス型の突出部材の側面及び対応する溝の側面は、まっすぐ、上へ向かう先細り、一方の側面がまっすぐで他方が先細り、又は突起部の1つの側面が溝の側壁内に形成された他の溝などに収容される畝を含んでもよい。
【0162】
又、入口にあるフラップ弁要素603が支持アーム603aに設けられてもよい。支持アーム603aは、フラップ603を弾性的に付勢して入口オリフィスを覆うように構成され、それにより、使用時にフラップ603が変形して入口503を開くのに必要な圧力を増大させるだけでなく、その間に形成されるシールの強度を増大させる。
【0163】
図1から図7に示される分配ノズルは、一般にドーム形の突起を上面に有し、それはチャンバーを圧縮するため操作者によって押下され、そこに貯えられた内容物を出口から放出させる。このような設計における潜在的な問題の1つは、操作者が指を使ってドームを押す必要があることであり、それは、チャンバーが圧縮されて流体が出口から放出されるのを確実にするために操作者に指を正しい位置に置くことを要求する。又、ドームを充分な程度に押すには比較的高い圧力が必要であり、特に、人々にとっては、手の平、又はひじ若しくは前腕のような手の別の部分を使って圧力を加えることにより従来のポンプ分配装置を作動させることが普通であるので、それはさらに不利となる。これらの場合、装置から流体を放出させるため、例えば手の平を使って適切にドームを圧縮するのはさらに問題がある。
【0164】
従って、操作者が手又は腕のあらゆる部分を使って動作させることができる、さらに変更された本発明の実施形態が開発され、その1つが図8A及び8Bに説明されている。これらの図は、本発明に従う代替の分配ノズルのそれぞれ断面及び斜視図を示し、それは図1〜7の示す装置についての前記した問題を解決する。これらの図に示される分配ノズルは、実質的に図7に示されるものと同一であるが、分配ノズルはさらにハンドル又はオーバーキャップ2001を含み、図8aに示すように、それはヒンジ接続2002周りに底部の上面の前端から折り重ねられ、底部401と上部部品402とを覆う。ハンドル2001の先端2001aは、上部部品の上面をぴったり覆って延び、底部の後側面に形成された出っ張り2003に支持される。出っ張り2003は、カバーが下方に押されて突起2004がチャンバー700を圧縮することを防止する。
【0165】
このようにして、装置の動作が抑制される。ロックを解除するためには、図8Cの矢印2005に示すようにオーバーキャップの側面を内側へ絞り、ハンドル2001の端を出っ張りから外す。その後、ハンドル2001はチャンバーを圧縮するために押下げられ、そこに貯えられた流体が分配されるよう動作する。ハンドル2001は湾曲した表面を有効に形成し、操作者は、チャンバーから流体を分配する動作を行うためにそれを押すことができる。ハンドル2001は、図8A,8C及び8Dに示すように湾曲していてもよく、又、平坦でもよい。
【0166】
装置の機械的な優位性/効率を(ハンドルが押された時の梃子効果を有効に増大させることにより)向上させるため、チャンバー700及び突起2004はさらに前方へ移動させることができる。
【0167】
図9Aは、さらに変形された本発明の実施形態の分解された実施例を示し、この中で底部401と上部部品402とは互いに分離している。この実施例は、事実上、図8a−dに示される実施形態を簡略化した変形である。底部401は、可撓性の/折畳み可能な接続要素2002によって上部部品402と接続され、単一の材料から成形されて図9Aに示す形状で金型から取出されることができる。既に述べたように、上部部品は軸回転して底部401の上面に嵌め込まれ、図9Bに示すように、組立てられた分配ノズルを形成する。
【0168】
図9Bに関し、組立てられた形態で、底部401の上面の周囲に延びる突起601は、上部部品402に形成される溝506にシーリング嵌合して収容されて底部401と上部部品402との間でシール接続を形成し、弾性変形可能なフラップ603は、入口弁を形成するため、入口503を囲む底部に形成された凹部内に収容される。これらの配置はいずれも既に上に述べられている。しかし、前述した実施形態とは異なり、上部部品402はさらに2つの要素2501を備え、これらの要素は、底部401の上面に形成された2個の軸突起2502の先端を受けるようにした凹み2501aを含む。図9Cに示すように、この配列は、チャンバー700を圧縮するために上部部品の部分602aが底部401の上面の部分502aへ向かって動くよう、上部部品402が底部に対して軸回転するのを可能とする。上部部品は、図9Bに示す形状になるように弾性的に付勢され、それにより、チャンバー700を規定する底部及び上部部品の部分、すなわち502a及び602aが互いに変位してチャンバー700が最大の容積となるようにする。弾性的な付勢は、底部401の弾性変形可能な壁2504によって供給され、矢印2505の方向に下向きの力が加えられた時に、それは弾性的に撓んで(図9Cに示すように)部分502a及び602aが互いに接近してチャンバー700の容積を減少させることを可能にする。下向きの力が除かれると、図9Bに示すように壁2504は初期の位置に戻る。
【0169】
このようにして、操作者は、領域2506内であればどの場所でも上部部品402を押すことにより、チャンバーを圧縮するために下向きの力を加えることができ、それにより、チャンバー内部に貯えられた流体が栓1406を出口開口403から移動させ、流体が出口403から分配されることが可能となる。チャンバー内部の圧力が栓1406を出口オリフィスから移動させるのに充分である時にのみ、チャンバー700から流体が分配されるため、栓1406は予備圧縮弁として有効に機能する。下向きの力が除かれると、壁2504が元の位置に戻るのにつれてチャンバー700は再び膨張し、チャンバー内部の圧力はやがて低下して入口弁からより多くの流体をチャンバーへ流入させる。
【0170】
この実施形態と既に述べたものとの主な違いは、上部部品402が硬さを保つよう形成され、その代わりに、チャンバーの圧縮を可能とするために底部の壁2504が変形するよう形成されることである。これは、容器から流体を分配させるために、操作者が手のどの部分又は腕を使ってもよいという利点を提供する。
【0171】
この配置はさらに、増大された機械的効率を提供し、操作者が上部部品との接触を維持することを可能にさせる。上部部品は、側壁2504が優先的に変形するよう構成されるという条件の下で、可撓性の材料から製造することができる。
【0172】
ここに記述されたあらゆる適切な出口弁が栓1406の代わりに使用されてもよい。さらに、上部部品402が軸回転してチャンバー700を圧縮するのを防止するため、図9Bに示すように、装置は、上部部品402と一体に形成され軸回転して底部401に接するロック部材2510を任意に含んでもよい。このため、装置は固定されて誤った動作が抑制される。装置が上記した方法で操作されることを可能とするため、ロック部材2510を底部401から離すことができる。
【0173】
本発明の特定の実施形態において、操作者によって引き金が引かれた時に、上部部品402を押し下げるよう構成される引き金アクチュエータを備えてもよい。
【0174】
図8a−d及び図9a−cに示される実施形態は、図のように単一の一体形成された構成部分から製造することができ、又は、装置を形成するため一緒に組立てられる幾つかの分離した構成部分から形成することもできる。装置は、大抵は硬質プラスチックから成形されてよいが、特定の用途に対しては可撓性のプラスチックから完全に成形することができる。構造の特定部分に必要な変形性は、これらの要求された部分の厚みを薄くすることで提供することができ、それは、必要な変形特性を設計に与える。
【0175】
図10は、本発明のさらに代案となる実施形態であって、ピストン2302がスライド可能に内設されたピストンシリンダー2301を含むものを示す。チャンバー700を圧縮するためのピストンの移動、及びそれによってその中に貯えられた流体の放出は、本体2304の弾性変形可能な部分を押すことで容易にされ、それは弾性変形可能なヒンジ2303によって底部401に接続される。本体のこの部分を押すと、弾性的に取付けられたピストン2302を内側へ動かし、チャンバー700を圧縮する。加えられた圧力が除かれると、図10に示すように、ヒンジ2303はピストンを初期の弾性的に付勢された位置に戻す。
【0176】
図11は、分離した形態における本発明のノズル装置の代案となる実施形態を示す。1つのチャンバーを圧縮する代わりに、図11に示されるこの実施形態は、上部部品と底部が互いに接続された時に、既に述べたような部分502a及び602a、並びに部分1150a及び1151aの配置によって形成される2つの分離した内部チャンバーを含む。各チャンバーは分離した入口及び分離した出口が設けられ、同一の容器内の分離した区画から個々のチャンバーへ流体が吸い上げられ、分離した出口を通って分配される。
【0177】
又、図11に示す分配ノズルは2個の空気抜き弁を含み、その1つは、分配ノズルが取付けられる容器内のそれぞれ分離した区画の圧力を均等にする。
【0178】
代替となる実施形態では、各チャンバー内部の流体がその部分で混合され、又は通常の出口オリフィスを通って分配されるのに先立って混合されるよう、各チャンバーの出口が合体してもよい。
【0179】
各チャンバーは液体を含んでもよく、又は、その代わりに第2のチャンバーが空気若しくは他のガスを含んでもよい。
【0180】
図12Aから12Cは本発明に従う種々の分配装置の斜視図を示す。図12Aから12Cに示される分配装置は、使用者の鼻に挿入するようにした細長い出口2401を有する鼻用スプレー装置である。流体は装置の内部チャンバーに貯えられ、チャンバーは上部部品402及び底部401によって規定される。チャンバーを圧縮するために上部部品602aの弾性変形可能な部分を押すことにより流体が分配され、流体が出口403を通って分配される。
【0181】
装置は使い捨ての装置であり、それによってチャンバーの内容物の全てが一度の動作で分配される。その代わり、チャンバーに入口が設けられ、加えられた圧力が解除されて本体の弾性変形可能な部分が弾性的に付勢された位置に戻る時に、入口を通って追加の薬液がチャンバーに吸い上げられてもよい。
【0182】
さらに代案として、部分602aだけでなく装置の本体全体が弾性変形可能であり、装置が操作者の指の間で押しつぶされると流体を分配させるようになっていてもよい。
【0183】
図に関する本発明の実施形態の記述は単に例示を目的としたものであり、発明の範囲を限定するよう解釈されるべきでないことは理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0184】
【図1】本発明の組立てられた分配ノズルの斜視図。
【図2】上部部品402が存在しない状態での、図1に示す底部部品401の斜視図。
【図3】図1に示す上部部品402の斜視図。
【図4A】図1に示す分配ノズルの断面図。
【図4B】図4AのA−A線に沿うさらなる断面図。
【図5A】分解された配置における本発明の他の分配ノズルの斜視図。
【図5B】図5Aの実施形態から得られた断面図。
【図6A】分解された配置における本発明のさらに他の分配ノズルの斜視図。
【図6B】図6Aの実施形態から得られた断面図。
【図7】本発明の分配ノズルの他の代替実施形態から得られた断面図。
【図8A】本発明の分配ノズルの他の実施形態の説明図。
【図8B】本発明の分配ノズルの他の実施形態の別の説明図。
【図8C】本発明の分配ノズルの他の実施形態のさらに別の説明図。
【図8D】本発明の分配ノズルの他の実施形態の他の説明図。
【図9A】本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図9B】本発明のさらなる実施形態を示す別の図。
【図9C】本発明のさらなる実施形態を示すさらに別の図。
【図10】チャンバーを圧縮するためのピストン組立品を含む分配ノズルの断面図。
【図11】分解された形態における本発明のさらなる実施形態の斜視図。
【図12A】本発明の第4の態様に従う実施形態の斜視図。
【図12B】本発明の第4の態様に従う実施形態の別の斜視図。
【図12C】本発明の第4の態様に従う実施形態のさらに別の斜視図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体源に貯えられた流体を使用時に前記ノズルを通って分配するようにしたポンプアクション式分配ノズルであって、前記ノズルはチャンバーを規定する本体を備え、前記チャンバーは、流体がそれを通って前記チャンバーへ吸込まれる入口と前記チャンバーの内部に存在する流体がそれを通って前記ノズルから放出される出口とを有し、前記入口は、少なくとも最低の閾値量だけ前記チャンバー内部の圧力が流体源の圧力より低くなった時にのみ流体が前記入口を通って前記チャンバーへ流れることを許容するようにした入口弁を含み、前記出口は、少なくとも最低の閾値量だけそこの圧力が出口における外部圧力を超えた時にのみ流体が前記チャンバーから流出して前記ノズルから放出されることを許容するよう構成された出口弁を含み、前記チャンバーを規定する前記本体の少なくとも一部は
(i)圧力を加えることに応じ、初期の弾性的に付勢された形状から膨張し又は変形した形状に弾性変形し、これにより、前記本体の一部が前記初期の形状から前記膨張し又は変形した形状に変形するのにつれて、前記本体の一部によって規定される前記チャンバーの容積が低下し、前記容積の減少は前記チャンバー内部の圧力を増大させて流体を前記出口弁を通って放出させ;及び
(ii)前記加えられた圧力が除かれると、引き続いてその初期の弾性的に付勢された形状に戻り、これにより、流体が前記入口弁を通って前記チャンバーに流入するよう、前記チャンバーの容積を増加させてそこの圧力を低下させる;ように構成され:
装置の前記本体は、硬い材料若しくは可撓性の材料から完全に形成され、又はバイインジェクション成形されることを特徴とする、分配ノズル。
【請求項2】
前記硬い材料若しくは可撓性の材料はプラスチック材料である、請求項1記載の分配ノズル。
【請求項3】
前記ポンプアクション式分配ノズルは、単一の硬質又は可撓性のプラスチック材料から形成される、請求項1又は2記載の分配ノズル。
【請求項4】
前記流体供給が容器である、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載の分配ノズル。
【請求項5】
前記容器に貯えられた流体が使用中に分配されるよう、前記ノズルが容器の開口に嵌め込まれるようにした、請求項4記載の分配ノズル。
【請求項6】
前記容器に貯えられた流体が使用中に分配されるよう、前記ノズルが前記容器と一体に形成されている、請求項4記載の分配ノズル。
【請求項7】
前記分配ノズルの前記本体が2又はそれ以上の相互接続された部分を含み、それは互いに接続された時に前記チャンバーを規定する、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載の分配ノズル。
【請求項8】
前記分配ノズルの前記チャンバーが2つの相互接続された部分の間で規定される、請求項7記載の分配ノズル。
【請求項9】
前記チャンバーを規定する前記2又はそれ以上の相互接続された部分がさらに、それらの間で前記分配ノズルの出口の少なくとも一部、又は前記チャンバーから前記出口に通じる流路を規定する、請求項7又は8記載の分配ノズル。
【請求項10】
前記分配ノズルの前記本体の前記2つの部分は、底部部品と上部部品である、請求項8又は9記載の分配ノズル。
【請求項11】
前記底部部品が容器の開口に嵌め込まれるようにした、請求項10記載の分配ノズル。
【請求項12】
前記底部部品がさらに、前記チャンバーから前記出口に通じる流路の一部だけでなく、前記入口を好ましくは規定する、請求項10又は11記載の分配ノズル。
【請求項13】
前記上部部品は前記底部に嵌め込まれるのに適し、それらの間で前記チャンバー及び前記チャンバーから前記分配ノズルの前記出口に通じる流路をそれらが規定する、請求項10ないし12のいずれかに記載の分配ノズル。
【請求項14】
前記上部部品は、前記チャンバーを規定する前記本体の弾性変形可能な部分を形成する、請求項10ないし12のいずれかに記載の分配ノズル。
【請求項15】
前記出口弁は、前記分配ノズルの前記本体の構成部分の間で形成される、請求項8ないし13のいずれかに記載の分配ノズル。
【請求項16】
前記弁は、前記出口又はそれに通じる流路を閉塞するため、前記部分の他方に弾性的に付勢された前記部分の一方の一部によって形成され、前記チャンバーの内部圧力が少なくとも最小閾値だけ外部圧を超えた時に、開いた出口又はそれに通じる流路を規定するため、前記弾性的に付勢された部分は他方の前記部分から離れて変形するよう構成される、請求項15記載の分配ノズル。
【請求項17】
前記出口は、前記チャンバーから出口オリフィスへ延びる流路又は通路を含む、請求項8ないし16のいずれかに記載の分配ノズル。
【請求項18】
前記流路又は少なくともその一部は、前記分配ノズルの前記底部部品及び上部部品の間で規定される、請求項17に記載の分配ノズル。
【請求項19】
前記流路は、前記底部部品及び上部部品の2つの接合面の間で規定され、さらに前記流路又は前記出口オリフィス内で一方向性の弁を形成するため、前記接合面の一方の少なくとも一部が対向面に弾性的に付勢されている、請求項18に記載の分配ノズル。
【請求項20】
前記接合面の1つは、それに通じる前記流路の前記出口オリフィスを閉塞するため、対向する接合面に弾性的に付勢される弾性変形可能な弁要素を含み、前記チャンバーの内部圧力が少なくとも最小閾値だけ外部圧を超えた時に、開いた出口又はそれに通じる流路を規定するため、前記接合面の1つは他方の前記部分から離れて変形するよう構成される、請求項19に記載の分配ノズル。
【請求項21】
前記弁要素がフラップ又は栓の形状である、請求項20に記載の分配ノズル。
【請求項22】
前記入口弁は前記入口の開口を覆って配置される弾性変形可能なフラップから成るフラップ弁であり、前記フラップは、前記チャンバーの内部圧力が所定の最小閾値圧以下に低下した時に流体が前記入口から前記チャンバーの内部へ吸い込まれるのを許容し、全ての他の時間にはすぐにその弾性的に付勢された形状に戻るよう変形するようになっている、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載の分配ノズル。
【請求項23】
前記弾性変形可能なフラップは、前記チャンバーを規定する前記本体の弾性変形可能な部分と一体の延長部として形成される、請求項22に記載の分配ノズル。
【請求項24】
流体が誤って分配されることを防止するよう構成されるロック手段を分配装置が含む、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載の分配ノズル。
【請求項25】
前記ロックは前記本体と一体に形成される、請求項24に記載の分配ノズル。
【請求項26】
装置はさらに、流体供給の内部と外部環境との間のあらゆる圧力差を均等にするために空気が流れることができるが、容器がひっくり返された時に前記容器から流体が漏れ出るのを防止する空気抜き弁を含む、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載の分配ノズル。
【請求項27】
前記空気抜き弁が前記分配ノズルの前記本体と一体に形成される、請求項26に記載の分配ノズル。
【請求項28】
前記空気抜き弁が前記分配ノズルの前記本体の2つの構成部分の間で規定される、請求項27に記載の分配ノズル。
【請求項29】
前記空気抜き弁は、装置の前記本体によって規定される通路の内部に配置されるとともに流体供給の内部を外部環境と連絡させる弁要素を含む、請求項26ないし28のいずれかに記載の分配ノズル。
【請求項30】
前記弁要素は、前記通路の側部に接するよう弾性的に付勢され、さらに前記容器からあらゆる流体が漏れ出るのを防止するため、それと共にシーリング嵌合を形成し、前記容器内の圧力が少なくとも最小閾値だけ外部圧以下に低下した時に、それを通って容器に空気が流入可能な開口を規定するため、前記弁要素はさらに、前記通路の側部との前記シーリング嵌合から弾性変形し又は変位するようになっている、請求項29に記載の分配ノズル。
【請求項31】
前記弁要素は、前記通路の内部に延び、かつ外側に広がる壁を有するプランジャー形状であり、この壁はシールを形成するために前記通路の側面に接する、請求項29又は30に記載の分配ノズル。
【請求項32】
前記プランジャーは、前記空気抜き弁内の残留物の蓄積及び硬化を防止するために前記チャンバーの容積を減少させるため、前記本体の前記弾性変形可能な部分に圧力が加えられた時、多少動くことができる変形可能な底部又はフラップの上に取付けられる、請求項31に記載の分配ノズル。
【請求項33】
前記容器が激しく引っくり返され又は振られた時に、前記容器内の液体が強い力又は過度の力で前記弁要素と接触するのを防止するため、装置内面のメス型チューブの開口の上に保護カバーが設けられる、請求項32に記載の分配ノズル。
【請求項34】
前記空気抜き弁はさらに、前記流体供給の内部圧力が所定の閾値を超えた時にガスが前記流体供給から流出するのを許容する、請求項29ないし33のいずれかに記載の分配ノズル。
【請求項35】
前記弁要素は、前記通路の側面に形成される1又はそれ以上の微細な溝を表出させるため、前記流体供給の内部圧力が所定の閾値を超えた時に変形するよう構成され、前記溝は、ガスが前記容器からゆっくりと滲出するのを許容するよう構成される、請求項34に記載の分配ノズル。
【請求項36】
前記分配ノズルは、共に前記チャンバーを規定する少なくとも2つの相互接続された部分から形成される本体を含み、前記分配ノズルからのあらゆる流体の漏れを防止するため、前記少なくとも2つの部分の間にシール手段が配置される、請求項8ないし35のいずれかに記載の分配ノズル。
【請求項37】
前記少なくとも2つの部分が互いに溶接されている、請求項36に記載の分配ノズル。
【請求項38】
前記少なくとも2つの部分が互いにスナップ式にシーリング嵌合するよう構成される、請求項36に記載の分配ノズル。
【請求項39】
前記少なくとも2つの部分の一方は、前記他の部分の上面の周囲にきつく嵌められてそれと共にシールを形成するフランジを備える、請求項36に記載の分配ノズル。
【請求項40】
前記シールは、前記少なくとも2つの部分の一方の接合面に形成されるオス型突出部を含み、オス型突出部は、前記2つの部分が互いに接続された時に、前記他の部分の対向する接合面に形成された対応する溝とシーリング嵌合する、請求項36に記載の分配ノズル。
【請求項41】
前記2つの構成部分の間に形成される結合部において、前記少なくとも2つの部分の間に規定される分配装置のあらゆる位置からの流体の漏れを防止するよう、前記シールは前記チャンバー全体の周囲及び出口の周囲に延びる、請求項40に記載の分配ノズル。
【請求項42】
前記本体の前記2つの部分は、前記チャンバーから前記出口オリフィスへ通じる出口流路を規定し、前記シールの前記突出部要素は、前記流路を横断して延びると共に出口弁の弾性変形可能な弁要素を形成する、請求項41に記載の分配ノズル。
【請求項43】
前記本体は、使用時に流体が前記容器の深い内部から吸い出されるのを可能とするための浸漬管を支持し、又はそれと一体に形成されるようにした、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載の分配ノズル。
【請求項44】
前記流体は、液体、ガス、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載の分配ノズル。
【請求項45】
前記容器内に貯えられた流体が使用時に前記分配ノズルを通って容器から分配されるよう、前記分配ノズルがその開口に嵌め込まれる、請求項1ないし44のいずれかに記載のポンプアクション式の分配ノズルを持つ容器。
【請求項46】
前記容器内に貯えられた流体が使用時に前記分配ノズルを通って容器から分配されるよう、前記分配ノズルがそれと一体に形成される、請求項1ないし44のいずれかに記載のポンプアクション式の分配ノズルを持つ容器。
【請求項47】
本体を備えたポンプアクション式分配ノズルであって、前記本体は、チャンバーの内部に存在する流体がそれを通って前記ノズルから放出される出口を有する前記チャンバーを規定し、前記出口は、少なくとも最低の閾値量でそこの圧力が出口における外部圧力を超えた時にのみ流体が前記チャンバーから流出して前記ノズルから放出されることを許容するよう構成された出口弁を含み、圧力を加えることに応じ、前記本体の一部が初期の弾性的に付勢されて前記チャンバーが最大の容積となる形状から、膨張し又は変形して前記チャンバーの容積が減少する形状に変形することができるよう、前記チャンバーを規定する前記本体の少なくとも一部が弾性変形するよう構成され、前記容積の減少はチャンバー内部の圧力を増大させて流体を出口弁を通って放出させる、分配ノズル。
【請求項48】
前記分配ノズルの本体は、2又はそれ以上の相互接続された部分から形成され、それらは互いに接続されると前記チャンバーを規定する、請求項47記載の分配ノズル。
【請求項49】
前記分配ノズルのチャンバーは、2つの相互接続された部分の間で規定される、請求項48記載の分配ノズル。
【請求項50】
前記チャンバーを規定する前記2又はそれ以上の相互接続された部分は、さらにそれらの間で前記分配ノズルの出口の少なくとも一部、又は前記チャンバーから前記出口へ通じる流路を規定する、請求項48又は49記載の分配ノズル。
【請求項51】
前記出口弁は、前記分配ノズルの本体の構成部分の間に形成される、請求項49又は50記載の分配ノズル。
【請求項52】
前記弁は、他の前記部分に弾性的に付勢されて前記出口又はそこに通じる流路を閉塞する前記部分の1つの一部によって形成され、少なくとも最低の閾値量でチャンバー内部の圧力が外部圧力を超えた時に、開いた前記出口又はそこに通じる流路を規定するため、前記弾性的に付勢される部分は他の前記部分から変形して離れるよう構成される、請求項51記載の分配ノズル。
【請求項53】
前記出口は、前記チャンバーからで出口オリフィスへ延びる流路又は通路を含む、請求項47ないし52のいずれかに記載の分配ノズル。
【請求項54】
前記流路、又は少なくともその一部は、前記分配ノズルの本体の2つの部分の間で規定される、請求項53に記載の分配ノズル。
【請求項55】
前記流路は、底部部品及び上部部品の2つの接合面の間で規定され、前記流路内又は前記出口オリフィスで一方向性の出口弁を形成するよう、前記接合面の一方の少なくとも一部が対向面に弾性的に付勢される、請求項54に記載の分配ノズル。
【請求項56】
前記2つの部分が硬質プラスチック材料又は可撓性のプラスチック材料から製造される、請求項49ないし55のいずれかに記載の分配ノズル。
【請求項57】
前記本体の前記部分の一方が硬い材料から製造され、他の前記部分が可撓性の材料から製造される、請求項56に記載の分配ノズル。
【請求項58】
流体が誤って分配されることを防止するよう構成されるロック手段を分配装置が含む、請求項47ないし57のいずれかに記載の分配ノズル。
【請求項59】
前記分配ノズルは、共に前記チャンバーを規定する少なくとも2つの相互接続された部分から形成される本体を含み、前記分配ノズルからのあらゆる流体の漏れを防止するため、前記少なくとも2つの部分の間にシール手段が配置される、請求項49ないし58のいずれかに記載の分配ノズル。
【請求項60】
前記少なくとも2つの部分が互いに溶接されている、請求項59に記載の分配ノズル。
【請求項61】
前記少なくとも2つの部分が互いにスナップ式にシーリング嵌合するよう構成される、請求項59に記載の分配ノズル。
【請求項62】
前記少なくとも2つの部分の一方は、他の部分の上面の周囲にきつく嵌められてそれと共にシールを形成するフランジを備える、請求項59に記載の分配ノズル。
【請求項63】
前記シールは、前記少なくとも2つの部分の一方の接合面に形成されるオス型突出部を含み、前記2つの部分が互いに接続された時に、前記オス型突出部は他の部分の対向する接合面に形成された対応する溝とシーリング嵌合する、請求項59に記載の分配ノズル。
【請求項64】
前記2つの構成部分の間に形成される結合部において、前記少なくとも2つの部分の間に規定される分配装置のあらゆる位置からの流体の漏れを防止するよう、前記シールは前記チャンバー全体の周囲及び出口の周囲に延びる、請求項59に記載の分配ノズル。
【請求項65】
前記本体の前記2つの部分は、前記チャンバーから前記出口オリフィスへ通じる出口流路を規定し、前記シールの突出部要素は、前記流路を横断して延びると共に出口弁の弾性変形可能な弁要素を形成する、請求項64に記載の分配ノズル。
【請求項66】
前記流体は、液体、ガス、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項47ないし65のいずれかに記載の分配ノズル。
【請求項67】
流体源に貯えられた流体を使用時に前記ノズルを通って分配するようにしたポンプアクション式分配ノズルであって、前記ノズルは内部チャンバーを規定する本体を備え、前記チャンバーは、流体がそれを通って前記チャンバーへ吸込まれる入口と前記チャンバーの内部に存在する流体がそれを通って前記ノズルから放出される出口とを有し、前記入口は、少なくとも最低の閾値量だけ前記チャンバー内部の圧力が流体源の圧力より低くなった時にのみ流体が前記入口を通って前記チャンバーへ流れることを許容するようにした入口弁を含み、前記出口は、少なくとも最低の閾値量だけそこの圧力が出口における外部圧力を超えた時にのみ流体が前記チャンバーから流出して前記ノズルから放出されることを許容するよう構成された出口弁を含み、前記チャンバーを規定する前記本体の少なくとも一部は
(i)圧力を加えることに応じ、初期の弾性的に付勢された形状から膨張し又は変形した形状に弾性変形し、これにより、前記本体の一部が前記初期の形状から前記膨張し又は変形した形状に変形するのにつれて、前記本体の一部によって規定される前記チャンバーの容積が低下し、前記容積の減少はチャンバー内部の圧力を増大させて流体を出口弁を通って放出させ;及び
(ii)前記加えられた圧力が除かれると、引き続いてその初期の弾性的に付勢された形状に戻り、これにより、流体が前記入口弁を通って前記チャンバーに流入するよう、前記チャンバーの容積を増加させてそこの圧力を低下させる;ように構成され:
前記本体は、前記チャンバーを規定するために互いに嵌め合わされる2つの部分を含み、第1の前記部分は硬い材料から完全に形成され、第2の前記部分は硬い材料の内部に収容される可撓性の/弾性変形可能な材料から形成され、組立てられた分配ノズルを形成するため、前記第2の部分の前記硬い部分は、該第2の部分を前記第1の部分に固定するように構成されて、ヒンジ又は折畳み可能な接続要素によって前記硬い第1の部分に接続されることを特徴とする、分配ノズル。
【請求項68】
流体源に貯えられた流体を使用時に前記ノズルを通って分配するようにしたポンプアクション式分配ノズルであって、前記ノズルは内部チャンバーを規定する本体を備え、前記チャンバーは、流体がそれを通って前記チャンバーへ吸込まれる入口と前記チャンバーの内部に存在する流体がそれを通って前記ノズルから放出される出口とを有し、前記入口は、少なくとも最低の閾値量だけ前記チャンバー内部の圧力が流体源の圧力より低くなった時にのみ流体が前記入口を通って前記チャンバーへ流れることを許容するようにした入口弁を含み、前記出口は、少なくとも最低の閾値量だけそこの圧力が出口における外部圧力を超えた時にのみ流体が前記チャンバーから流出して前記ノズルから放出されることを許容するよう構成された出口弁を含み、前記チャンバーを規定する前記本体の少なくとも一部は
(i)圧力を加えることに応じ、初期の弾性的に付勢された形状から膨張し又は変形した形状に弾性変形可能であり、これにより、前記本体の一部が前記初期の形状から前記膨張し又は変形した形状に変形するのにつれて、前記本体の一部によって規定される前記チャンバーの容積が低下し、前記容積の減少はチャンバー内部の圧力を増大させて流体を出口弁を通って放出させ;及び
(ii)前記加えられた圧力が除かれると、引き続いてその初期の弾性的に付勢された形状に戻り、これにより、流体が前記入口弁を通って前記チャンバーに流入するよう、前記チャンバーの容積を増加させてそこの圧力を低下させる;ように構成され:
装置の前記本体は、硬い材料若しくは可撓性の材料から完全に形成され、又はバイインジェクション成形されることを特徴とする、分配ノズル。
【請求項69】
請求項1〜44又は47〜68のいずれかに記載の分配ノズルの製造方法であって、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を有し:
(i)前記本体の前記部分を成形し;
(ii)ノズル装置の前記本体を形成するため、前記本体の前記部分を互いに接続する、
工程を含む分配ノズルの製造方法。
【請求項70】
前記部分が別個に成形される、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記部分は、同一又は異なる材料から形成される、請求項69又は70に記載の方法。
【請求項72】
請求項1〜44又は47〜68のいずれかに記載の分配ノズルの製造方法であって、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を有し:
(i)第1の工程で、前記本体の第1の前記部分を成形し;
(ii)前記ノズル装置の前記本体を形成するため、第2の工程で、第1の前記部分の上に第2の前記部分を被覆成形する、
工程を含む分配ノズルの製造方法。
【請求項73】
前記被覆成形が成形金型の原位置で行われる、請求項72に記載のノズル装置の製造方法。
【請求項74】
請求項1〜44又は47〜68のいずれかに記載の分配ノズルの製造方法であって、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を有し:
(i) 第1の工程で、本体の第1の前記部分を第2の前記部分のための骨格又はベースと共に成形し;
(ii) 組立ノズル装置の第2の前記部分を形成するため、前記骨格又はベースの上に被覆成形する、
工程を含む分配ノズルの製造方法。
【請求項75】
前記被覆成形工程に先立ち、前記第2の部分の骨格が底部に嵌め込まれる、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記被覆成形は、前記第2の部分の骨格が前記第1の部分に嵌め込まれる前に行われる、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
前記第1の部分及び前記第2の部分の骨格に対する前記被覆成形が同一の材料である、請求項74ないし76のいずれかに記載の方法。
【請求項78】
前記第1の部分及び前記第2の部分の骨格に対する前記被覆成形が異なる材料である、請求項72ないし76のいずれかに記載の方法。
【請求項79】
請求項1〜44又は47〜68のいずれかに記載の分配ノズルの製造方法であって、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を有し:
(i)第1の工程で、本体の第1の前記部分を第2の前記部分のための骨格又はベースと共に成形し;及び
(ii) 前記骨格が本体の第1の部分に接続された時にインサート部分が前記本体の第2の部分の骨格内部に保持され、前記骨格及びインサート部分が本体の第2の部分を形成するよう、前記本体のインサート部分を配置する、
工程を含む分配ノズルの製造方法。
【請求項80】
請求項1〜44又は47〜68のいずれかに記載の分配ノズルの製造方法であって、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を有し、前記部分は、該部分が他の部分に対して可動するように接続要素によって互いに接続され、
(i)1回の成形工程で、本体の部分と前記接続要素を共に成形し;及び
(ii) ノズル装置の本体を形成するため、本体の前記部分を動かしてもう一方と嵌め合わせる、
工程を含む分配ノズルの製造方法。
【請求項81】
発泡剤がプラスチック材料と共に金型に加えられる、請求項69ないし80のいずれかに記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体源に貯えられた流体を使用時に前記ノズルを通って分配するようにしたポンプアクション式分配ノズルであって、前記ノズルはチャンバーを規定する本体を備え、前記チャンバーは、流体がそれを通って前記チャンバーへ吸込まれる入口と前記チャンバーの内部に存在する流体がそれを通って前記ノズルから放出される出口とを有し、前記入口は、少なくとも最低の閾値量で前記チャンバー内部の圧力が流体源の圧力より低くなった時にのみ流体が前記入口を通って前記チャンバーへ流れることを許容するようにした入口弁を含み、前記出口は、少なくとも最低の閾値量でそこの圧力が出口における外部圧力を超えた時にのみ流体が前記チャンバーから流出して前記ノズルから放出されることを許容するよう構成された出口弁を含み、前記チャンバーを規定する前記本体の少なくとも一部は
(i)圧力を加えることに応じ、初期の弾性的に付勢された形状から変形した形状に弾性変形し、これにより、前記本体の一部が前記初期の形状から前記変形した形状に変形するのにつれて、前記本体の一部によって規定される前記チャンバーの容積が低下し、前記容積の減少はチャンバー内部の圧力を増大させて流体を出口弁を通って放出させ;及び
(ii)前記加えられた圧力が除かれると、引き続いてその初期の弾性的に付勢された形状に戻り、これにより、流体が前記入口弁を通って前記チャンバーに流入するよう、前記チャンバーの容積を増加させてそこの圧力を低下させる;ように構成される弾性のあるひだのない膜であり:
装置の前記本体は、前記弾性のある一部が使用者の手の一部による直接の圧力によって作用するのを容易にするよう形成されると共に、硬い材料若しくは可撓性の材料から完全に形成され、又はバイインジェクション成形されることを特徴とする、分配ノズル。
【請求項2】
前記本体の弾性変形可能な部分は、硬質プラスチック材料から成形される本体の残部の上へ可撓性のプラスチック材料から成形される、請求項1記載の分配ノズル。
【請求項3】
前記本体は、共に前記チャンバーを規定する少なくとも2つの相互接続された部分から形成され、前記本体からのあらゆる流体の漏れを防止するため、前記部分の間にシール手段が配置される、請求項1又は2記載の分配ノズル。
【請求項4】
前記本体は、前記チャンバーを規定するため互いに嵌め込まれる2つの部分から形成され、第1の前記部分は硬質プラスチック材料から完全に形成され、第2の前記部分は、硬い材料の上に成形される少なくとも部分的に可撓性/弾性のある変形可能な材料から形成され、前記第2の部分の硬い部分は、組立てられた分配ノズルを形成するために該第2の部分を安定させるよう構成され、ヒンジ又は折畳み可能な接続要素によって前記硬い第1の部分に接続される、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載の分配ノズル。
【請求項5】
前記流体供給が容器である、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載の分配ノズル。
【請求項6】
前記容器に貯えられた流体が使用中に分配されるよう、前記ノズルが容器の開口に嵌め込まれる、請求項5記載の分配ノズル。
【請求項7】
前記容器に貯えられた流体が使用中に分配されるよう、前記ノズルが前記容器と一体に形成されている、請求項5記載の分配ノズル。
【請求項8】
前記分配ノズルの前記本体が2又はそれ以上の相互接続された部分を含み、それは互いに接続された時に前記チャンバーを規定する、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載の分配ノズル。
【請求項9】
前記分配ノズルの前記チャンバーが2つの相互接続された部分の間で規定される、請求項8記載の分配ノズル。
【請求項10】
前記チャンバーを規定する前記2又はそれ以上の相互接続された部分がさらに、それらの間で前記分配ノズルの出口の少なくとも一部、又は前記チャンバーから前記出口に通じる流路を規定する、請求項8又は9記載の分配ノズル。
【請求項11】
前記分配ノズルの前記本体の前記2つの部分は、底部部品と上部部品である、請求項9又は10記載の分配ノズル。
【請求項12】
前記底部部品が容器の開口に嵌め込まれるようになっている、請求項11記載の分配ノズル。
【請求項13】
前記底部部品がさらに、前記チャンバーから前記出口に通じる流路の一部だけでなく、前記入口を好ましくは規定する、請求項11又は12記載の分配ノズル。
【請求項14】
前記上部部品は前記底部に嵌め込まれるようになっていて、それらの間で前記チャンバー及び前記チャンバーから前記分配ノズルの前記出口に通じる流路をそれらが規定する、請求項11ないし13のいずれかに記載の分配ノズル。
【請求項15】
前記上部部品は、前記チャンバーを規定する前記本体の弾性変形可能な部分を形成する、請求項11ないし13のいずれかに記載の分配ノズル。
【請求項16】
前記ノズルが単一の部品だけを含む、請求項1ないし7のいずれかに記載の分配ノズル。
【請求項17】
前記出口弁は、前記分配ノズルの前記本体の構成部分によって形成される、請求項9ないし14のいずれかに記載の分配ノズル。
【請求項18】
前記出口弁があらゆる適切な弁である、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載の分配ノズル。
【請求項19】
前記弁は、前記出口又はそれに通じる流路を閉塞するため、前記部分の他方に弾性的に付勢された前記部分の一方の一部によって形成され、前記チャンバーの内部圧力が少なくとも最小閾値だけ外部圧を超えた時に、開いた出口又はそれに通じる流路を規定するため、前記弾性的に付勢された部分は他方の前記部分から離れて変形するよう構成される、請求項17記載の分配ノズル。
【請求項20】
前記出口は、前記チャンバーから出口オリフィスへ延びる流路又は通路を含む、請求項9ないし19のいずれかに記載の分配ノズル。
【請求項21】
前記流路又は少なくともその一部は、前記分配ノズルの前記底部及び上部部品の間で規定される、請求項20に記載の分配ノズル。
【請求項22】
前記流路は、前記底部及び上部部品の2つの接合面の間で規定され、さらに前記流路又は前記出口オリフィス内で一方向性の弁を形成するため、前記接合面の一方の少なくとも一部が対向面に弾性的に付勢されている、請求項21に記載の分配ノズル。
【請求項23】
前記接合面の1つは、それに通じる前記流路の前記出口オリフィスを閉塞するため、対向する接合面に弾性的に付勢される弾性変形可能な弁要素を含み、前記チャンバーの内部圧力が少なくとも最小閾値だけ外部圧を超えた時に、開いた出口又はそれに通じる流路を規定するため、前記接合面の1つは他方の前記部分から離れて変形するよう構成される、請求項22に記載の分配ノズル。
【請求項24】
前記弁要素がフラップ又は栓の形状である、請求項23に記載の分配ノズル。
【請求項25】
前記入口弁は前記入口の開口を覆って配置される弾性変形可能なフラップから成るフラップ弁であり、前記フラップは、前記チャンバーの内部圧力が所定の最小閾値圧以下に低下した時に流体が前記入口から前記チャンバーの内部へ吸い込まれるのを許容し、全ての他の時間にはすぐにその弾性的に付勢された形状に戻るよう変形するようになっている、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載の分配ノズル。
【請求項26】
前記弾性変形可能なフラップは、前記チャンバーを規定する前記本体の弾性変形可能な部分と一体の延長部として形成される、請求項25に記載の分配ノズル。
【請求項27】
第2の強化弁又は部材が前記弾性変形可能なフラップの対向面に接する、請求項25に記載の分配ノズル。
【請求項28】
流体が誤って分配されることを防止するよう構成されるロック手段を分配装置が含む、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載の分配ノズル。
【請求項29】
前記ロックは前記本体と一体に形成される、請求項28に記載の分配ノズル。
【請求項30】
前記ロック手段は、ヒンジのある又はスライド可能な硬質カバーを含む、請求項28又は29に記載の分配ノズル。
【請求項31】
装置はさらに、流体供給の内部と外部環境との間のあらゆる圧力差を均等にするために空気が流れることができるが、容器がひっくり返された時に前記容器から流体が漏れ出るのを防止する空気抜き弁を含む、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載の分配ノズル。
【請求項32】
前記空気抜き弁が前記分配ノズルの前記本体と一体に形成される、請求項31に記載の分配ノズル。
【請求項33】
前記空気抜き弁が前記分配ノズルの前記本体の2つの構成部分の間で規定される、請求項32に記載の分配ノズル。
【請求項34】
前記空気抜き弁は、装置の前記本体によって規定される通路の内部に配置されるとともに流体供給の内部を外部環境と連絡させる弁要素を含む、請求項31ないし33のいずれかに記載の分配ノズル。
【請求項35】
前記弁要素は、前記通路の側部に接するよう弾性的に付勢され、さらに前記容器からあらゆる流体が漏れ出るのを防止するため、それと共にシーリング嵌合を形成し、前記容器内の圧力が少なくとも最小閾値だけ外部圧以下に低下した時に、それを通って容器に空気が流入可能な開口を規定するため、前記弁要素はさらに、前記通路の側部との前記シーリング嵌合から弾性変形し又は変位する、請求項34に記載の分配ノズル。
【請求項36】
前記弁要素は、前記通路の内部に延び、かつ外側に広がる壁を有するプランジャー形状であり、この壁はシールを形成するために前記通路の側面に接する、請求項34又は35に記載の分配ノズル。
【請求項37】
前記プランジャーは、前記空気抜き弁内の残留物の蓄積及び硬化を防止するために前記チャンバーの容積を減少させるため、前記本体の前記弾性変形可能な部分に圧力が加えられた時、多少動くことができる変形可能な底部又はフラップの上に取付けられる、請求項36に記載の分配ノズル。
【請求項38】
前記容器が激しく引っくり返され又は振られた時に、前記容器内の液体が強い力又は過度の力で弁要素と接触するのを防止するため、装置内面のメス型チューブの開口の上に保護カバーが設けられる、請求項37に記載の分配ノズル。
【請求項39】
前記空気抜き弁はさらに、前記流体供給の内部圧力が所定の閾値を超えた時にガスが前記流体供給から流出するのを許容するようになっている、請求項34ないし38のいずれかに記載の分配ノズル。
【請求項40】
前記弁要素は、前記通路の側面に形成される1又はそれ以上の微細な溝を表出させるため、前記流体供給の内部圧力が所定の閾値を超えた時に変形するよう構成され、前記溝は、ガスが前記容器からゆっくりと滲出するのを許容するよう構成される、請求項39に記載の分配ノズル。
【請求項41】
前記少なくとも2つの部分が互いに溶接されている、請求項3に記載の分配ノズル。
【請求項42】
前記少なくとも2つの部分が互いにスナップ式にシーリング嵌合するよう構成される、請求項3に記載の分配ノズル。
【請求項43】
前記少なくとも2つの部分の一方は、他の部分の上面の周囲にきつく嵌められてそれと共にシールを形成するフランジを備える、請求項3に記載の分配ノズル。
【請求項44】
前記シールは、前記少なくとも2つの部分の一方の接合面に形成されるオス型突出部を含み、前記2つの部分が互いに接続された時に、前記オス型突出部は、他の部分の対向する接合面に形成された対応する溝とシーリング嵌合する、請求項3に記載の分配ノズル。
【請求項45】
前記2つの構成部分の間に形成される結合部において、前記少なくとも2つの部分の間に規定される分配装置のあらゆる位置からの流体の漏れを防止するよう、前記シールは前記チャンバー全体の周囲及び出口の周囲に延びる、請求項44に記載の分配ノズル。
【請求項46】
前記本体の前記2つの部分は、前記チャンバーから前記出口オリフィスへ通じる出口流路を規定し、前記シールの突出部要素は、前記流路を横断して延びると共に出口弁の弾性変形可能な弁要素を形成する、請求項45に記載の分配ノズル。
【請求項47】
前記本体は、使用時に流体が前記容器の深い内部から吸い出されるのを可能とするための浸漬管を支持し、又はそれと一体に形成されるようになっている、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載の分配ノズル。
【請求項48】
前記流体は、液体、ガス、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載の分配ノズル。
【請求項49】
前記容器内に貯えられた流体が使用時に前記分配ノズルを通って容器から分配されるよう、前記分配ノズルがその開口に嵌め込まれる、請求項1ないし46のいずれかに記載のポンプアクション式の分配ノズルを持つ容器。
【請求項50】
前記容器内に貯えられた流体が使用時に前記分配ノズルを通って容器から分配されるよう、前記分配ノズルがそれと一体に形成される、請求項1ないし46のいずれかに記載のポンプアクション式の分配ノズルを持つ容器。
【請求項51】
請求項1ないし50のいずれかに記載のノズル装置の製造方法であって:
(i)前記本体の前記部分を成形し;
(ii)ノズル装置の前記本体を形成するため、前記本体の前記部分を互いに接続する、
工程を含むノズル装置の製造方法。
【請求項52】
前記部分が別個に成形される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記部分は、同一又は異なる材料から形成される、請求項51又は52に記載の方法。
【請求項54】
前記2又はそれ以上の部分は、一体形成され、前記2つの一体形成された部分を前記ノズル装置の組立て時に接触させるのを許容する接続要素によって互いに接続される、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
請求項51に記載のノズル装置の製造方法であって:
(i)第1の工程で、前記本体の第1の前記部分を成形し;
(ii)前記ノズル装置の前記本体を形成するため、第2の工程で、第1の前記部分の上に第2の前記部分を被覆成形する、
工程を含むノズル装置の製造方法。
【請求項56】
前記被覆成形が成形金型の原位置で行われる、請求項55に記載のノズル装置の製造方法。
【請求項57】
第1の工程で、本体の第1の前記部分が第2の前記部分のための骨格又はベースと共に成形される、請求項51に記載のノズル装置の製造方法。
【請求項58】
前記ノズル装置の前記本体の組立時に前記骨格又はベースが折り重ねられて前記第1の部分に嵌め込まれるよう、前記骨格又はベースは、折畳み可能な接続要素で前記第1に接続される、請求項57に記載のノズル装置の製造方法。
【請求項59】
前記被覆成形は、前記ノズル装置の前記本体を形成するため、前記骨格が前記第1の部分に嵌め込まれる前に行われる、請求項57又は58に記載のノズル装置の製造方法。
【請求項60】
前記被覆成形は、前記ノズル装置の前記本体を形成するため、前記骨格が前記第1の部分に嵌め込まれた後に行われる、請求項57又は58に記載のノズル装置の製造方法。
【請求項61】
前記骨格が前記本体の第1の部分に接続された時、インサート部分が前記本体の第2の部分の骨格内に保持されるよう、前記本体の前記挿入部を配置することを含み、前記骨格及びインサート部分が前記本体の第2の部分を形成する、請求項57ないし58のいずれかに記載のノズル装置の製造方法。
【請求項62】
発泡剤がプラスチック材料と共に金型に加えられる、請求項51ないし61のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2006−517859(P2006−517859A)
【公表日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502284(P2006−502284)
【出願日】平成16年2月17日(2004.2.17)
【国際出願番号】PCT/GB2004/000617
【国際公開番号】WO2004/073870
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(502393958)インクロ リミテッド (12)
【Fターム(参考)】