説明

分離装置

【課題】本発明は半導体検査装置において半導体素子を一つずつ分離して反り問題を解決するための分離装置を開示する。
【解決手段】この分離装置は動力源、押下台、第一スウィングアームセット、第二スウィングアームセット、第三スウィングアームセット、第一グリッパーセット、第二グリッパーセット、第一プッシュブロック、第二プッシュブロック及びストップアームからなる。動力源を駆動して押下台を下降させて各スウィングアームセットを押さえ付けることによって、第一グリッパーセット、第二グリッパーセット及びストップアームで分離作業を行う。この分離装置は動力源のみを有すると共にこの動力源で各部材を動かして分離を行うので、分離速度を加速してフィードシステムの体積を縮小することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は分離装置に関し、特に単一の動力源を具備し、収納チューブ(tube)をフィードシステムとする半導体素子検査装置が部材をフィードする分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の実装が完了すると、通常半導体素子の検査を行って実装前に検出できなかった不良製品を選別し、或いは実装工程中に破損した製品を選別することによって、製品の品質を確保することができる。一般に実装メーカーが実装済みの半導体素子を収納チューブに装入し、検査メーカーに搬送して検査を行う。検査メーカーではまず前記収納チューブを検査装置のフィードシステムに置き、分離を行うのに半導体素子を一つ一つ分離して検査装置に進入させるのであって、一斉に全部を検査装置に入れるのではない。
【0003】
図1は従来の半導体素子の検査装置の側面図である。検査テーブル100の後側にフィードエリア104を設け、収納チューブ102を挿入して検査される半導体素子(以下、被検査部材という)を提供する。フィードエリア104後方に位置するのは勾配を有する一時停止エリア106であって、検査部材103を一時保管する。分離装置108は一時停止エリア106上方に位置し、一時停止エリア106の被検査部材103に対して分離を行う。最後に、検査エリア110で被検査部材103を検査して、収集装置112で検査終了の検査済部材を収集する。
【0004】
収納チューブ102がフィードエリア104に挿入されると、収納チューブ102は縦に起き上がり、収納チューブ102内の被検査部材103は重力によって一時停止エリア106にスライドする。図2Aで示すように、まず一時停止エリア106に進入した被検査部材103aは分離装置108内の検査エリア110に近い第一シリンダー108aに阻まれて一時停止エリア106内に留まると同時に、一時停止エリア106に位置するその他の被検査部材が検査エリア110に進入するのを阻む。
【0005】
続いて、図2Bで示すように、分離装置108の第二シリンダー108bが続けて進入する被検査部材103bを押さえ付ける。最後に、図2Cで示すように、第一シリンダー108aを開いて被検査部材103aを検査エリア110内にスライドさせて検査を行う。上記工程を繰り返すことで被検査部材は一つずつそれぞれ検査エリア110に進入して検査が行われる。
【0006】
然しながら、実装工程で半導体素子が実装されると、図3に示すように、その辺縁にはよく反り101が生じる。こうした反り101がある半導体素子が収納チューブ102に装入されると、収納チューブ102との摩擦が増大するだけでなく、各隣同士の被検査部材103の反り101が互いに重なり合って、分離装置108が重力によって被検査部材を容易く分離できなくなって、部材が詰まるという問題が生じ、分離動作がスムースに行われず、検査装置がダウンして検査性能の低下とコストの上昇を招く。また、上述したような従来の分離装置108は多くの動力源(即ち多数のシリンダー)を使用しているので、数段階の工程に分けて個別にシリンダーを駆動してフィード動作を完了させる必要がある。従って、長時間費やす上に、多数のシリンダーが大きなスペースを占める。従って、反りによって惹起される部材詰まりという問題を解決し、スペースを占めずに分離時間を短縮することができる分離装置を提供することが必要なのである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記背景に鑑みて、本発明の目的はフィード動作を連続させると共に、フィード工程を一回で完了させる様簡素化することによって、分離速度を加速させると同時に、フィードシステムの体積を縮小することができる単一の動力源を具備したフィードシステムを提供することである。
【0008】
本発明の別途目的は半導体素子の実装の反り反応による部材詰まりという問題を解決して検査装置のロックを減少させると共に、分離とフィード動作を迅速且つスムースに行うことができることにより生産能力が向上する検査装置の分離装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的に基づいて、本発明は分離装置を提供する。前記分離装置は動力源を含み、直接押下台を駆動し、押下台が押下されてその下方に位置するそれぞれ第一スウィングアームセット、第二スウィングアームセット及び第三スウィングアームセットである三個のスウィングアームセットを駆動し、またそれぞれ第一スウィングアームセットを駆動することで第一グリッパーセットを制御して一つ目の素材又は被検査部材を挟持し、第二スウィングアームセットを駆動して第二グリッパーセットを制御し二つ目の素材又は被検査部材を挟持し、第三スウィングアームセットを駆動し第二プッシュブロックと第一プッシュブロックを動かす。第二プッシュブロックを動かしてストップアームの動作を制御し、また第一プッシュブロックを動かして第一グリッパーセットを前方移動させる。第一グリッパーセット、第二グリッパーセット及びストップアームによるピックアップと抑止によって第一素材/被検査部材は前方移動して第二素材/被検査部材と分離してフィード動作が完了する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
[実施例]
図4A−Dは本発明の好ましい実施例の分離装置10の全体、分離装置10の一部10a及び分離装置10の別の一部10bの概略斜視図である。そのうち、図4Cは分離装置10の一部10aの透視図である。分離装置10はシリンダーのような動力源12を含み、下方向に押下台14を連接する。
【0011】
図4Bは分離装置10の一部10aの概略側面図である。第一スウィングアームセット16と第三スウィングアームセット20は押下台14下方に設置されて、それぞれ第一グリッパーセット22と第一プッシュブロック28に連接して、第一グリッパーセット22のピックアップ制御と第一プッシュブロック28の前進をさせる。そのうち、第一スウィングアームセット16は第三スウィングアームセット20の前方に取付けられる。前記第一グリッパーセット22は第一制御システム22aと第一グリッパー22bで構成され、そのうち第一制御システム22aは第一スウィングアームセット16と連接する逆U字型構造であり、第一グリッパー22bの開閉を制御する。当然ながら、第一制御システム22aはU字型、V字型などの構造の様にその他の形状であってもよい。
【0012】
図4Bと図4Cでは、図4Cは分離装置10の一部10aの透視図であり、点線部分は透視部位を表していて、第一プッシュブロック28が第一スウィングアームセット16後方に取付けられ、第三スプリング29aによって第一スウィングアームセット16と連接する。また、ピンの様に第一スウィングアームセット16を貫く連接構造29bによって、第一グリッパー22bと第二プッシュブロック30を連接する。前記第二プッシュブロック30は第一グリッパーセット22前方に取付けられ、その上にストップアーム26を取付け、ストップアーム26上方には係止ほぞ27を有し、ストップアーム26の挙上と放下を制御して被検査部材のテーブルへの進入を制御する。
【0013】
図4Dは分離装置10の別の一部10bの概略斜視図である。第二押下プレート14e下方に第二スウィングアームセット18を有し、その前方の第二グリッパーセット24に連接して取付けられる。前記第二グリッパーセット24は第一グリッパーセット22と同様に、第二制御システム24aと第二グリッパー24bで構成され、そのうち第二制御システム24aは第二スウィングアームセット18と連接する逆U字型構造であり、第二一グリッパー24bの開閉を制御する。当然ながら、第二制御システム24aはU字型、V字型などの構造のようにその他の形状であってもよい。
【0014】
また、第一押下プレート14dとその下方の第一スウィングアームセット16との距離は第二押下プレート14eとその下方の第二スウィングアームセット18との距離より小さく、且つ第一押下プレート14dとその下方の第三スウィングアームセット20との距離よりも小さい。こうして、押下台14が押下されると順番に第一スウィングアームセット16、第二スウィングアームセット18及び第三スウィングアームセット20を押さえて分離を行う。当然ながら、本発明のその他の実施例で、第一スウィングアームセット16、第二スウィングアームセット18及び第三スウィングアームセット20を直接高所から低所へ分離装置内に設置することができ、また同様の効果が達成できる。
【0015】
図5で示すのは本発明の分離装置が分離を行うフローチャートであり、その工程は以下に逐一詳細に説明する。まず、動力源(シリンダー)12を駆動して押下台14を下降させるが、その作動方法は動力源で支持プレート14aを押下して下降させ第一スプリング14bと第二スプリング14cを押さえ付けることによって、第一押下プレート14dと第二押下プレート14eを下降させる。続いて、図6Aで示すように、第一押下プレート14dがまず第一スウィングアームセット16に接触してこれを押下させると、第一スウィングアームセット16はそれと連接する第一グリッパーセット22内の第一制御システム22aを前進させ、また図6Bで示すように、第一グリッパー22bを押さえ付けてこれを閉じて、一つ目の被検査部材13を挟持する。
【0016】
押下台14が引き続き下降して第二スウィングアームセット18を押さえ付け、第二グリッパーセット24の第二制御システム24aを前進させると、第二グリッパー24bは前記第一グリッパー22bと同様に押さえ付けられて二つ目の被検査部材を閉じて挟持する。そして押下台14は引き続き下降して第三スウィングアームセット20を押さえ付けて第一プッシュブロック28を前進させる。第一プッシュブロック28は前進して第三スプリング29aを圧縮すると共に、第一スウィングアームセット16の連接構造29b(例:ピン)と第一グリッパー22bを貫通して前進させる。従って、第一グリッパー22bは一つ目の被検査部材を強制的に前方移動させて第二グリッパーに挟持された二つ目の被検査部材と分離する。
【0017】
続いて、第一プッシュブロック28が引続き第一グリッパー22bを動かして第一制御システム22aから離れると第一グリッパー22bが開いて一つ目の被検査部材が第一グリッパーの制御を解除されて下方へスライドする。これと同時に、第一プッシュブロック28が連接構造29b(例:ピン)を押して第二プッシュブロック30とその上に取付けたストップアーム26を前進させると、ストップアーム26は係止ほぞ27の制御から解除されて上向きに上がって開くことにより、一つ目の被検査部材は下方へスライドして分離装置から離れる。然しながら、このとき二つ目の被検査部材は依然として第二グリッパー24bに挟持されている。そして、動力源12がオフになると、分離装置10全体は第一スプリング14b、第二スプリング14c及び第三スプリング29aの力がもう加わらないので、スプリングの復元力により各部材は元の位置に引き戻される。こうして二つ目の被検査部材と三つ目の被検査部材は下方にスライドして分離装置10に進入するものの、ストップアーム26に阻まれて引続き下方へスライドすることができない。上記工程を繰り返せば連続して分離動作を行うことができる。
【0018】
上記実施例では押下台が下降する際、第一スウィングアームセット、第二スウィングアームセットを順番に押さえ付けることで、一つ目の被検査部材と二つ目の被検査部材を順番に挟持するが、この順序は決して一定不変のものではない。本発明のその他の実施例では、第一スウィングアームセットと第二スウィングアームセットの高さを変えることによって、或いは第一押下プレート上と第二押下プレート上の凸部と第一スウィングアームセットと第二スウィングアームセットとの距離を変えることによって、二つ目の被検査部材をまず挟 持して、次に一つ目の被検査部材を挟持する様に変えることができる。
【0019】
本発明の分離装置は単一の動力源のみを具備するフィードシステムであると共に、前記単一の動力源によってフィード動作を動力源に変換する必要がないことから、フィード動作は連続して停止することなくフィード工程を一度で完了させ簡素化することができるので、分離速度を加速化することができる。このほか、単一の動力源のみしかないことから、フィードシステムの体積を縮小することができる。さらに、本発明のフィードシステムは第一グリッパーが一つ目の被検査部材を挟持して前方移動するので、これを二つ目の被検査部材から完全に離すことができ、従って半導体素子実装の反り反応によって起きる部材詰まりの問題を解決することができ、検査装置のダウンを減少させ分離とフィード動作を迅速且つスムースに行うことができ、よって生産能力が高められる。
【0020】
以上の記述は本発明の好ましい実施例に過ぎず、これを以って本発明の特許範囲の範囲を限定するものではない。本発明の実質的内容を逸脱しない範囲において変化させて実施することができ、こうした変化は依然として発明の範囲に属するものとする。従って、本発明の範疇は上記特許請求の範囲により定められる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来の半導体素子の検査装置の側面図である。
【図2A】従来の分離装置が作動する側面図である。
【図2B】従来の分離装置が作動する側面図である。
【図2C】従来の分離装置が作動する側面図である。
【図3】半導体素子の反り反応を図示したものである。
【図4A】本発明の分離装置と各部分の斜視図である。
【図4B】本発明の分離装置と各部分の斜視図である。
【図4C】本発明の分離装置と各部分の斜視図である。
【図4D】本発明の分離装置と各部分の斜視図である。
【図5】本発明の分離装置が分離を行うフローチャートである。
【図6A】グリッパーセットが挟持する概略図である。
【図6B】グリッパーセットが挟持する概略図である。
【符号の説明】
【0022】
10 分離装置
10a 分離装置の一部
10b 分離装置の別の一部
12 動力源
13 被検査部材
14 押下台
14a 支持プレート
14b 第一スプリング
14c 第二スプリング
14d 第一押下プレート
14e 第二押下プレート
16 第一スウィングアームセット
18 第二スウィングアームセット
20 第三スウィングアームセット
22 第一グリッパーセット
22a 第一制御システム
22b 第一グリッパー
24 第二グリッパーセット
24a 第二制御システム
24b 第二グリッパー
26 ストップアーム
27 係止ほぞ
28 第一プッシュブロック
29a 第三スプリング
29b 連接構造
30 第二プッシュブロック
100 検査テーブル
101 反り
102 収納チューブ
103 被検査部材
103a 被検査部材
103b 被検査部材
104 フィードエリア(供給エリア)
106 一時停止エリア
108 分離装置
108a 第一シリンダー
108b 第二シリンダー
110 検査エリア
112 収集装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離装置先端の一側に取付け、一つ目の被検査部材の進入を制御するためのストップアームと、
前記ストップアーム後方に取付け、一つ目の前記被検査部材を挟持するための第一グリッパーセットと、
前記第一グリッパーセット後方に取付け、前記第一グリッパーセットの挟持動作を制御するための第一スウィングアームセットと、
前記分離装置先端の他側に取付け、前記第一グリッパーセット後方に位置し、二つ目の前記被検査部材を挟持するための第二グリッパーセットと、
前記第二グリッパーセット後方に取付け、前記第二グリッパーセットの挟持動作を制御するための第二スウィングアームセットと、
前記第一スウィングアームセット後方に取付け、第二プッシュブロックと連接して、前記第一グリッパーセットを前方移動させるための第一プッシュブロックと、
前記ストップアームの動作を制御するための第二プッシュブロックと、
前記第一プッシュブロック後方に取付け、前記第二プッシュブロックと前記第一プッシュブロックとを前方に動かすための第三スウィングアームセットと、
前記第一スウィングアームセット、前記第二スウィングアームセット及び前記第三スウィングアームセットの上方に取付け、第一スウィングアームセット、前記第二スウィングアームセット及び前記第三スウィングアームセットを駆動するための押下台と、
前記押下台上方に取付け、前記押下台と連接して直接前記押下台を駆動するための動力源と、
を含むことを特徴とする検査装置の分離装置。
【請求項2】
前記押下台は、
前記動力源に連接するための支持プレートと、
前記支持プレート下方に位置し、前記第一スウィングアームセットと前記第三スウィングアームセットを押下して駆動するための第一押下プレートと、
前記支持プレート下方に位置し、前記第二スウィングアームセットを押下して駆動するための第二押下プレートと、
前記支持プレートと前記第一押下プレートを連接するための第一スプリングと、
前記支持プレートと前記第二押下プレートを連接するための第二スプリングとを含み、
前記第一スプリングと前記第二スプリングは動力源がオフのとき、前記押下台の各部材が元の位置に戻るのを補助することを特徴とする請求項1に記載する検査装置の分離装置。
【請求項3】
前記第一グリッパーセットは前記第一スウィングアームセットと連接する第一制御システムと第一グリッパーを含み、前記第一スウィングアームが前記第一制御システムを前進させて第一グリッパーが閉じるのを制御することを特徴とする請求項1に記載する検査装置の分離装置。
【請求項4】
前記第二グリッパーセットは前記第二スウィングアームセットと連接する第二制御システムと第二グリッパーを含み、前記第二スウィングアームが前記第二制御システムを前進させて第二グリッパーが閉じるのを制御することを特徴とする請求項1に記載する検査装置の分離装置。
【請求項5】
前記第一プッシュブロックと前記第二プッシュブロックに連接し、動力源をオフにしたとき各部材を元の位置に戻すための第三スプリングをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載する検査装置の分離装置。
【請求項6】
前記第一スウィングアームセットを貫通する連接構造をさらに含み、前記第一プッシュブロック及び前記第一グリッパーと連接することを特徴とする請求項1に記載する検査装置の分離装置。
【請求項7】
前記ストップアーム上方に位置し、前記ストップアームが開くのを制御するための係止ほぞをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載する検査装置の分離装置。
【請求項8】
前記第一スウィングアームの位置に対応する様に前記第一押下プレート上に取付けた凸部をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載する検査装置の分離装置。
【請求項9】
前記第二スウィングアームの位置に対応する様に前記第二押下プレート上に取付けた別の凸部をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載する検査装置の分離装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【公開番号】特開2010−18429(P2010−18429A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201719(P2008−201719)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(505277495)京元電子股▲ふん▼有限公司 (38)
【Fターム(参考)】