説明

切り換え装置

【課題】空調・排気排煙等に用いるダクトの切り換え装置において、簡易な構成にて気密性を向上する。
【解決手段】内部を気流が流通するダクト2の分岐部3又は途上部に、駆動手段14により回動される弁体13を配置し、前記ダクト2の開口部2aに該弁体13を押し付けて、該開口部2aの流通を遮断又は開放することで流路の切り換え又は遮断を行う開閉ダンパー装置又は三方切り換えダンパー装置6において、前記弁体13は、駆動手段14により回動されるアーム16と、該アーム16の先端に配置され、略中心が該アーム16の先端に固定され、弾性を有する板体15と、を備える三方切り換えダンパー装置10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部を気流が流通するダクトの分岐部に、駆動手段により回動される弁体を配置し、二つの開口部のいずれか一方に弁体を押し付けて、ダクトの流通を遮断、又は開放させる切り換え装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ダクトは、空調・排気排煙等に用いる建築設備の一つとしてよく用いられている。従来、このダクト内の気流を制御する手法として、ダクトの途上又は端部において簡易な構成でダクトを開閉・遮断する開閉ダンパー(切り換え)装置の技術は公知となっている。また、ダクトの分岐点において、この開閉ダンパーを用いて分岐の切り換えを行う三方切り換えダンパー装置の技術も公知である。例えば、特許文献1は、バイパス流路と排気主流路の分岐部に弁体を配置して、アクチュエーターにより流路を切り換える排ガス浄化装置を開示している。
【特許文献1】特開平9−72210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
通常、弁体とダクトとの間の気密性を保つためには、弁体の当接部分にバルブシートが配置されている。このバルブシートは口径が小さい場合には、加工が容易であり、安価に製造できる。しかし、例えば煙突のように大口径のダクトの分岐部にバルブシートを設置することは、製造が困難であり、かつ密着部分の加工が難しく高価となる。また、大口径のダクト内を高温の排気ガスが通過するときに、弁体が熱変形するおそれがある。このような背景もあり、バルブシートは、大口径のダクトの分岐部には、現実にはほとんど採用されていない。
そこで、解決しようとする課題は、空調・排気排煙等に用いるダクトの切り換え装置において、簡易な構成にて気密性を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、内部を気流が流通するダクトの分岐部又は途上部に、駆動手段により回動される弁体を配置し、前記ダクトの開口部に該弁体を押し付けて、該開口部の流通を遮断又は開放することで流路の切り換え又は遮断を行う切り換え装置において、前記弁体は、駆動手段により回動されるアームと、該アームの先端に配置され、略中心が該アームの先端に固定され、弾性を有する板体と、を備えるものである。
【0006】
請求項2においては、前記板体は、少なくとも前記ダクトの開口部と当接する外周側を剛体で構成するものである。
【0007】
請求項3においては、内部を気流が流通するダクトの分岐部又は途上部に、駆動手段により回動される弁体を配置し、前記ダクトの開口部に該弁体を押し付けて、該開口部の流通を遮断又は開放することで流路の切り換え又は遮断を行う切り換え装置において、前記弁体は、駆動手段により回動されるアームと、該アームの先端に配置され、略中心が該アームの先端に可動支持される板体を備えるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0009】
請求項1においては、流路の切り換え又は遮断が行われ、弁体の中央に押し付け力が付加されるときに、板体が弾性変形して、ダクト開口部周囲に均等に押し付け力が分散することができる。また、弁体は、押し付け方向に弾性を有するため、ダクト遮断時にダクト開口部の寸法公差を吸収できる。つまり、簡易な構成にて、切り換え装置のガス漏れを減少できる。
【0010】
請求項2においては、請求項1の効果に加え、外周側のみ剛体で構成し、ダクト内径の一部分のみが弾性変形する構成としたため、機能(漏れ防止)、強度、剛性及び軽量化の面から部材の構成を最適化できる。例えば、口径の大きなダクトであってもダクト内径の一部分のみが弾性変形するため、頑丈に弁体を構成できる。すなわち、弁体の耐久性を向上できる。
また、ダクトを通過する流体に合わせて外周側のみを取り替えることが可能となる。
さらに、メンテナンス時には、外周側のみ交換可能なため、コストが低減できる。
【0011】
請求項3においては、流路の切り換え又は遮断が行われ、板体が開口部に押し付けられたときに、安定して押し付けられる位置又は角度に移動できるため、遮断時の密閉度を高めることができる。また、ダクト開口部の端面が多少傾斜していても、切り換え時に押し付け板が傾くため、ダクト開口部に押し付け板を密着させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の切り換え装置(開閉ダンパー装置)を備えるダクトの側面図、図2は同じく切り換え装置(三方切り換えダンパー装置)を備える分岐ダクトの側面図、図3は本発明の実施例1の切り換え装置(三方切り換えダンパー装置)を示す構成断面図である。
図4は同じく実施例2の切り換え装置(三方切り換えダンパー装置)を示す構成断面図、図5は同じく実施例3の切り換え装置(三方切り換えダンパー装置)を示す構成断面図、図6は同じく実施例4の切り換え装置(三方切り換えダンパー装置)を示す構成断面図である。
図7は本発明の切り換え装置を備える排気ガス逆流防止装置を示す構成断面図である。
【0013】
本発明は、内部を気流が流通するダクトに適用される切り換え装置の構成に関する発明である。ダクトは、空調・排気排煙等、多種多様に用いられるが、本実施例では、ディーゼルエンジン発電機の排気ガスの排気流路(ダクト)に接続される黒煙除去装置において、切り換え装置として開閉ダンパー又は三方切り換え装置を設けることを想定して説明する。しかし、本発明の切り換え装置は、本実施例の黒煙除去装置に使用が限定されるものではない。
【0014】
まず、図1を用いて、ダクト2及び開閉ダンパー装置5について簡単に説明する。
図1に示すように、ダクト2は、円筒または角筒形状の部材を組み合わせ、空気の流れ道とする管である。部材の材質は、本実施例では特に限定しない。一般には、部材は、亜鉛めっき鉄板が多く用いられ、ステンレス鋼板、塩ビ塗装鋼板等の場合もある。部材の断面は、本実施例では円形としているが、特に限定する必要はない。一般には、断面は、矩形や楕円形をしたダクトもある。
一方、開閉ダンパー装置5は、ダクト2の途中に設けられている。開閉ダンパー装置5は、駆動手段(アクチュエーター)7によって弁体8を回動することで、ダクト開口部2aを開閉する装置である。駆動手段7は、本実施例では限定しない。一般に駆動手段7は、ステッピングモーター等の電動機による駆動、油圧駆動、空圧駆動による場合が多い。駆動手段7は、コントローラ9に接続され、他の開閉ダンパー装置5と共に集中コントロールされている。
このような構成とすることで、開閉ダンパー装置5は、ダクト2内部の気流の通過・遮断を制御できる。
【0015】
次に、図2を用いて、分岐ダクト4及び三方切り換えダンパー装置6について簡単に説明する。
図2に示すように、分岐ダクト4は、あるダクト2の分岐部3から別のダクト2が分岐しているダクト構成をいう。
一方、三方切り換えダンパー装置6は、分岐ダクト4において、分岐部3に設けられている。また、三方切り換えダンパー装置6は、上述の開閉ダンパー装置5と同じ構成とされている。つまり、開閉ダンパー装置5は、分岐部3において、三方切り換えダンパー装置6としても用いることができる。
このような構成とすることで、例えば、三方切り換えダンパー装置6は、ダクト2rを遮断したときにはダクト2p・2qが連通され、ダクト2qを遮断したときにはダクト2p・2rが連通される。
このようにして、三方切り換えダンパー装置6すなわち開閉ダンパー装置5は、分岐ダクト4において経路を切り換えることができる。
【0016】
以下に、本発明に係わる開閉ダンパー装置5及び三方切り換えダンパー装置6について4つの実施例、並びに1つの適用実施例について説明する。なお、上述したように、開閉ダンパー装置5と三方切り換えダンパー装置6とは構成・作用は同一であり、設ける場所が異なるだけである。そのため、以下の実施例では、切り換え装置として、分岐ダクト4に設けられる三方切り換えダンパー装置6について説明する。
【0017】
まず、図3を用いて、実施例1の三方切り換えダンパー装置10について、詳細に説明する。
図3に示すように、三方切り換えダンパー装置10は、分岐部3に設けられている。3本のダクト2p・2q・2rは、分岐部3において、ダクト開口部2aを内部に向けて貫設されている。
三方切り換えダンパー装置10は、駆動手段14と弁体13とから構成されている。また、弁体13は、板体15a・15b及びアーム16から構成されている。本実施例の特色として、板体15a・15bは、鋼板等を材質として弾性を有する薄板で形成される円板である。板体15は、切り換え時に遮断すべき側に向けてそれぞれ設けられている。板体15a・15bは、ダクト開口部2aの形状に合わせた形状として、少なくともダクト開口部2aの外周面積より大きい面積にて形成されている。なお、ダクト2qとダクト2rの口径又は形状が異なるときは、板体15a・15bは、その口径又は形状に合わせて一回り大きく形成され、同一形状に限定されるものではない。また、板体15a・15bは、その略中心部をアーム16先端に形成したボス部16aに固設されている。このため、板体15a・15bは、固設された中心部以外は支持されるものがない(自由端)。
【0018】
アーム16は、先端のボス部16a、ロッド状の連結部16b、基部側ボス16cから構成されている。ここで、基部側ボス16cは、駆動手段14の出力軸上に固設されている。基部側ボス16cの軸心、連結部16bの軸心、ボス部16aの軸心は、それぞれ直交方向に配設される。ボス部16aの長手方向中央側面に連結部16bの先端が固定され、ボス部16aの長さは板体15a・15bが最大たわみ時に連結部16bと当接しない長さとしている。つまり、ボス部16aの両側に等距離離れて、板体15a・15bが平行に配置される。また、ボス部16aの軸心は切り換えた位置において、ダクト2q・2rの中心(軸心)と略一致するように配設される。
【0019】
駆動手段14は、上述したように本実施例では特に限定しないが、ステッピングモーター等の電動機による駆動、シリンダーやモータを用いる油圧駆動または空圧駆動によるものとする。駆動手段14は、コントローラ(図示略)に接続されている。駆動手段14の出力軸14aはダクト2の軸心に対して直交方向に分岐ダクト4に横架して配設され、ダクト2q・2rの開口部2a・2aと等距離の位置で、分岐ダクト4内で基部側ボス16cを固設している。つまり、遮蔽しようとする開口部2a・2aの中間に出力軸14aが配置され、該出力軸14aからアーム16が開口部2aの中心近傍まで延設される。
【0020】
このような構成とすることで、三方切り換えダンパー装置10は、ダクト2qを開放かつダクト2rを遮断、又はダクト2qを遮断かつダクト2rを開放の切り換えができる。
このとき、アーム16は、板体15aの中心部に押し付け力を付加する。そのため、板体15aの外周は、均等に分散された押し付け力によって、ダクト開口部2aに押し付けられる。具体的には、駆動手段14の手前側の押し付け力Piと対向側の押し付け力Poは等しい大きさとなる(図3参照)。
他方、板体15aは、ダクト開口部2aの遮断時にたわみを生じる。そのため、弁体13は、ダクト開口部2aの寸法公差を吸収して密着することができてダクト開口部2aを遮断(密閉)することができる。
このようにして、簡易な構成にて、三方切り換えダンパー装置10の遮断時におけるガス漏れを低減することができる。
【0021】
次に、図4を用いて、実施例2の三方切り換えダンパー装置20について、詳細に説明する。実施例2は、実施例1の板体15をダクトの開口部2aと当接する外周側のみを剛体であるシート材27で構成する実施例である。
図4に示すように、三方切り換えダンパー装置20は、分岐部3に設けられている。分岐部3の構成は、実施例1と同様であり、説明を省略する。
三方切り換えダンパー装置20は、駆動手段24と弁体23とから構成されている。また、本実施例の特色として、弁体23は、薄板25と、その外周のシート材27にて形成されている。薄板25は円板状、シート材27はリング状にて形成されている。薄板25及びシート材27は、切り換え時に遮断すべき側に向けてそれぞれ設けられている。薄板25の面積はダクト開口部2aの面積よりも小さくしてダクト開口部2a内に入り当接しないようにされている。また、シート材27の内周は薄板25の外周よりも小さくして重複させて固定代を設けボルト等により着脱可能に取り付け、シート材27の外周は少なくともダクト開口部2aの外周より大きいものとされている。また、薄板25は、その中心をアーム26に固設されている。
アーム26及び駆動手段24の構成は、実施例1と同様であり、説明を省略する。
【0022】
このような構成とすることで、三方切り換えダンパー装置20は、ダクト2qを開放かつダクト2rを遮断、又はダクト2qを遮断かつダクト2rを開放の切り換えができる。
本実施例の作用及び効果は実施例1と同様である。
本実施例は、薄板体25a・bに弾性を持たせ、ダクト開口部2aの遮断時に生じる弁体23の周囲に形成されたシート材27は剛体として構成されている。そのため、薄板25のたわみによって、ダクト開口部2aの寸法交差を吸収してダクト開口部2aを遮断することができる。
このようにして、簡易な構成にて、三方切り換えダンパー装置20の遮断時におけるガス漏れを低減することができる。また、外周側のみ剛体のシート材27で構成するので、口径の大きなダクト2であっても、ダクト開口部2a内径の一部分のみが弾性変形するため、頑丈に弁体23を構成できる。すなわち、弁体の耐久性を向上できる。さらに、ダクト2を通過する流体に合わせて外周側を取り替えることが可能となる。
また、メンテナンス時には、シート材27のみ交換可能なため、コストが低減できる。さらに、シート材27は、ダクト2内を通過する流体に合わせて密閉可能な材質に交換できる。
【0023】
次に、図5を用いて、実施例3の三方切り換えダンパー装置30について、詳細に説明する。
図5に示すように、三方切り換えダンパー装置30は、分岐部3に設けられている。分岐部3の構成は、実施例1と同様であり、説明を省略する。
三方切り換えダンパー装置30は、駆動手段34と弁体33とから構成されている。また、弁体33の中心は、アーム36と、ボールジョイント37を介してアーム36に固定されている押し付け板35a・35bとから構成されている。ボールジョイント37はボス部16a(実施例1参照)の代わりに設けるものである。ボールジョイント37は、可動部として球面がアーム36の先端に当接するように、揺動自在に取り付けられる。押し付け板35は、切り換え時に遮断すべき側に向けてそれぞれ設けられている。押し付け板35の面積は、少なくともダクト開口部2aの面積より大きいものとされ、外周から所定半径の間、ダクト開口部2a側が中心側よりも厚さが薄く形成されているのは、該部分だけ機械加工により面を仕上げガス漏れを少なくするためである。また、押し付け板35は、たわみを伴わない剛体である。
駆動手段34の構成は、実施例1と同様であり、説明を省略する。
【0024】
このような構成とすることで、三方切り換えダンパー装置30は、ダクト2qを開放かつダクト2rを遮断、又はダクト2qを遮断かつダクト2rを開放の切り換えができる。
本実施例の作用及び効果は実施例1と同様である。
本実施例は、押し付け板35a・35bがボールジョイント37によって押し付け方向に対し約±数度傾くため、ダクト開口部2aの寸法公差を吸収してダクト開口部2aを遮断することができる。つまり、ダクト開口部2aの端面が多少傾斜していても、切り換え時に押し付け板35a・35bが傾いてダクト開口部2aに密着させることができる。
このようにして、簡易な構成にて、三方切り換えダンパー装置30の遮断時におけるガス漏れを低減することができる。
【0025】
次に、図6を用いて、実施例4の三方切り換えダンパー装置40について、詳細に説明する。
図6に示すように、三方切り換えダンパー装置40は、分岐部3に設けられている。分岐部3の構成は、実施例1と同様であり、説明を省略する。
三方切り換えダンパー装置40は、駆動手段44と弁体43とから構成されている。また、弁体43は、アーム46と、アーム46に対し軸方向に回動自在に取り付けられている押し付け板45a・45bとから構成されている。押し付け板45は、切り換え時に遮断すべき側に向けてそれぞれ設けられている。押し付け板45の面積は、少なくともダクト開口部2aの面積より大きいものとされている。また、それぞれの押し付け板45a・45bとアームとの間には、バネ機構47が介されている。そして、押し付け板45の中心に開口した取り付け孔を、アーム46先端に取り付けた軸の直径よりも若干大きくして、押し付け板45が回転可能に取り付けている。また、押し付け板45は、たわみを伴わない剛体である。
駆動手段44の構成は、実施例1と同様であり、説明を省略する。
【0026】
このような構成とすることで、三方切り換えダンパー装置40は、ダクト2qを開放かつダクト2rを遮断、又はダクト2qを遮断かつダクト2rを開放の切り換えができる。
本実施例の作用及び効果は実施例1と同様である。
本実施例は、押し付け板45a・45bが回転可能な構成とされている。そのため、ダクト開口部2aの遮断時において、ダクト開口部2aの寸法交差があっても、押し付け板45a・45bが少しでも回転し、かつバネ機構47によって軸方向の衝撃を吸収すると同時に、押し付け方向に傾くことができ、その寸法交差を吸収してダクト開口部2aを遮断することができる。
このようにして、簡易な構成にて、三方切り換えダンパー装置40の遮断時におけるガス漏れを低減することができる。
【0027】
ここで、図7を用いて、実施例1乃至4三方切り換えダンパー装置10・20・30・40の適用例として排気ガス逆流防止装置50について、詳細に説明する。
排気ガス逆流防止装置50は、例えばディーゼルエンジンを複数台備えたディーゼルエンジンシステムに適用される。第一排気ダクト58と第二排気ダクト59は、それぞれ別のディーゼルエンジン(図示略)の排気口に接続されている。排気ガス逆流防止装置50は、第一排気ダクト58よりの排気と第二排気ダクト59よりの排気を主排気ダクト57に合流する役目を担う。また、一方のエンジンが停止しているときには、停止側のエンジンの排気ダクトを塞いで、運転している他のエンジンの排気が逆流しないようにする。
図7に示すように、排気ガス逆流防止装置50は、例えば三方切り換えダンパー装置10を適用した装置である。
三方切り換えダンパー装置10の、構成・作用・効果は実施例1と同様である。ただし、本適用例の三方切り換えダンパー装置10は、位置センサー55を有し、中立の姿勢位置を維持できるものとしている(図7参照)。
【0028】
このような構成とすることで、三方切り換えダンパー装置10は、第一排気ダクト開口部58aを遮断したときには、第二排気ダクト59の排気のみを主排気ダクト57に送ることができる。また、第二排気ダクト開口部59aを遮断したときには、第一排気ダクト58の排気のみを主排気ダクト57に送ることができる。さらに、中立の姿勢位置を維持しているときは、第一排気ダクト58及び第二排気ダクト59の排気を主排気ダクト57に送ることができる。
そして、実施例1の効果が排気ガス逆流防止装置50に適用される。つまり、停止しているエンジンの排気ダクトを遮断時に、運転しているエンジンの排気逆流を低減することができる。なお、他の実施例の三方切り換えダンパー装置20・30・40を適用しても、同様の効果が得られる。
【0029】
以上、三方切り換えダンパー装置6の本発明の実施例として、三方切り換えダンパー装置10・20・30・40及び排気ガス逆流防止装置50について説明した。上述したが、これら三方切り換えダンパー装置10・20・30・40は、開閉ダンパー装置5(図1参照)にも同様に適用できる。このとき、作用・効果は本実施例と同様であるため、説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の切り換え装置(開閉ダンパー装置)を備えるダクトの側面図。
【図2】同じく切り換え装置(三方切り換えダンパー装置)を備える分岐ダクトの側面図。
【図3】本発明の実施例1の切り換え装置(三方切り換えダンパー装置)を示す構成断面図。
【図4】同じく実施例2の切り換え装置(三方切り換えダンパー装置)を示す構成断面図。
【図5】同じく実施例3の切り換え装置(三方切り換えダンパー装置)を示す構成断面図。
【図6】同じく実施例4の切り換え装置(三方切り換えダンパー装置)を示す構成断面図。
【図7】本発明の切り換え装置を備える排気ガス逆流防止装置を示す構成断面図。
【符号の説明】
【0031】
2 ダクト
2a ダクト開口部
3 分岐部
4 分岐ダクト
10 三方切り換えダンパー装置
13 弁体
14 駆動手段
15 板体
16 アーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部を気流が流通するダクトの分岐部又は途上部に、駆動手段により回動される弁体を配置し、前記ダクトの開口部に該弁体を押し付けて、該開口部の流通を遮断又は開放することで流路の切り換え又は遮断を行う切り換え装置において、
前記弁体は、駆動手段により回動されるアームと、該アームの先端に配置され、略中心が該アームの先端に固定され、弾性を有する板体と、を備えることを特徴とする切り換え装置。
【請求項2】
前記板体は、少なくとも前記ダクトの開口部と当接する外周側を剛体で構成することを特徴とする請求項1に記載の切り換え装置。
【請求項3】
内部を気流が流通するダクトの分岐部又は途上部に、駆動手段により回動される弁体を配置し、前記ダクトの開口部に該弁体を押し付けて、該開口部の流通を遮断又は開放することで流路の切り換え又は遮断を行う切り換え装置において、
前記弁体は、駆動手段により回動されるアームと、該アームの先端に配置され、略中心が該アームの先端に可動支持される板体を備えることを特徴とする切り換え装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−151305(P2008−151305A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−341699(P2006−341699)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】