切替弁とポンプシステム
【課題】簡単に流体の流れを細かく制御できる切替弁と、切替弁を備えたポンプシステムを提供すること。
【解決手段】ロータリーバルブ24には、複数の切替用流路41a〜41dが設けられた摺動体32が回転可能に設けられている。そして、把手42を使って、摺動体32を回転移動させることにより、切替用流路41a〜41dを任意に流入路12又排出路15の一部に変更することができる。そして、この切替用流路41a〜41dにはそれぞれチェック弁44が装着されているため、摺動体32を回転移動させることにより、チェック弁44の方向を簡単に切替えることができる。
【解決手段】ロータリーバルブ24には、複数の切替用流路41a〜41dが設けられた摺動体32が回転可能に設けられている。そして、把手42を使って、摺動体32を回転移動させることにより、切替用流路41a〜41dを任意に流入路12又排出路15の一部に変更することができる。そして、この切替用流路41a〜41dにはそれぞれチェック弁44が装着されているため、摺動体32を回転移動させることにより、チェック弁44の方向を簡単に切替えることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、摺動体を移動させることで流体を制御する切替弁と、切替弁を備えたポンプシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、流体が流れる配管において取り付けられ、摺動体を移動させることで流体を停止させたり、流量を変化させたりすることができる切替弁が存在する。特許文献1には、摺動体の移動量により、流量を変化させることができる切替弁としてのスライドバルブが記載されている。また、特許文献2には、摺動体を回転移動させる際の移動量(回転量)により、流量を変化させることができる切替弁としてのロータリーバルブが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭61−55556号公報
【特許文献2】実開昭64−25575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、切替弁は、基本的に、流体の遮断や通過を許可する機能しか有していない。また、特許文献1,2のように摺動体の移動量を調整することにより、流量を調整することも可能であるが、移動量と流量の関係を調べるのに手間がかかり、流量を任意に制御することも難しかった。また、一方向のみ流れることを許可する、流体を構成する要素の一部だけの通過を許可する(フィルタリングする)など、流体の流れの細かい制御を行うことはできなかった。
【0005】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、簡単に流体の流れを細かく制御できる切替弁と、切替弁を備えたポンプシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、流体が流れる全体流路に配置される切替弁において、全体流路の一部を構成する切替用流路が複数設けられ、全体流路に対して移動可能な摺動体を備え、前記摺動体は、移動されると、全体流路の一部を構成する切替用流路として、当該摺動体に設けられた切替用流路が異なる切替用流路に切替えられるように構成されており、前記摺動体の各切替用流路内には、それぞれ異なる機能を有する流路制御部材が設けられていることを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記摺動体は、全体流路の一部を構成する切替用流路以外の切替用流路及び当該切替用流路に設けられた流路制御部材を全体流路の外部に露出するように構成されていると共に、外部に露出された流路制御部材は、交換可能に構成されていることを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記流路制御部材は、予め決められた方向にのみ流体を流すことを許可するチェック弁であることを要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記流路制御部材は、予め決められた大きさ以下の粒子を有する流体が流れることを許可するフィルタであることを要旨とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記流路制御部材は、予め決められた流量以下の流体を流すことを許可する固定オリフィスであることを要旨とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の発明において、全体流路に流れる流体は、容積ポンプにより移送されるように構成されていることを要旨とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の発明において、全体流路に流れる流体は、容積ポンプにより移送されるように構成されており、前記摺動体に設けられた複数の切替用流路のうち1つは、容積ポンプへ流体が流入する流入路の一部を構成すると共に、前記摺動体に設けられた複数の切替用流路のうち1つは、容積ポンプから流体が排出される排出路の一部を構成し、前記摺動体は、移動された場合、流入路の一部を構成する切替用流路及び排出路の一部を構成する切替用流路をそれぞれ同時に切替えることを要旨とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の発明において、全体流路に流れる流体は、容積ポンプにより移送されるように構成されており、前記摺動体に設けられた複数の切替用流路のうち1つは、容積ポンプへ流体が流入する流入路の一部を構成すると共に、前記摺動体に設けられた複数の切替用流路のうち1つは、容積ポンプから流体が排出される排出路の一部を構成し、前記流入路又は前記排出路のいずれかに、予め決められた大きさ以下の粒子を有する流体が流れることを許可するフィルタが取り付けられており、前記流入路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプへ流体が流入することを許可するチェック弁が流路制御部材として取り付けられている一方、前記排出路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプから流体が排出されることを許可するチェック弁が流路制御部材として取り付けられており、前記摺動体は、移動された場合、流入路の一部を構成する切替用流路及び排出路の一部を構成する切替用流路をそれぞれ同時に切替えると共に、切り替えられた際、流入路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプから流体が排出されることを許可するチェック弁が流路制御部材として取り付けられている一方、排出路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプへ流体が流入することを許可するチェック弁が流路制御部材として取り付けられていることを要旨とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、流体が流れる全体流路と、全体流路の一部を構成する切替用流路を切替える切替弁と、全体流路に流れる流体を移送する容積ポンプと、全体流路のいずれかに、予め決められた大きさ以下の粒子を有する流体が流れることを許可するフィルタと、を備えたポンプシステムにおいて、前記切替弁には、全体流路の一部を構成する切替用流路が複数設けられ、全体流路に対して移動可能な摺動体が備えられ、前記摺動体に設けられた複数の切替用流路のうち1つは、容積ポンプへ流体が流入する流入路の一部を構成すると共に、前記摺動体に設けられた複数の切替用流路のうち1つは、容積ポンプから流体が排出される排出路の一部を構成し、前記流入路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプへ流体が流入することを許可するチェック弁が取り付けられている一方、前記排出路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプから流体が排出されることを許可するチェック弁が取り付けられており、前記摺動体は、移動された場合、流入路の一部を構成する切替用流路及び排出路の一部を構成する切替用流路をそれぞれ同時に他の切替用流路に切替えると共に、切り替えられた際、流入路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプから流体が排出されることを許可するチェック弁が流路制御部材として取り付けられている一方、排出路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプへ流体が流入することを許可するチェック弁が流路制御部材として取り付けられていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、簡単に流体の流れを細かく制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(a)は、ポンプシステムのブロック図、(b)は、ロータリーバルブのブロック図、(c)は、ロータリーバルブのブロック図。
【図2】容積ポンプの斜視図。
【図3】A−A線断面図。
【図4】B−B線断面図。
【図5】ロータリーバルブの分解斜視図。
【図6】(a)は、通常状態における容積ポンプの上面図、(b)は、通常状態におけるA−A線断面図、(c)は、通常状態におけるB−B線断面図。
【図7】(a)は、逆洗時における容積ポンプの上面図、(b)は、逆洗時におけるA−A線断面図、(c)は、逆洗時におけるB−B線断面図。
【図8】(a)は、交換時における容積ポンプの上面図、(b)は、交換時におけるA−A線断面図、(c)は、交換時におけるB−B線断面図。
【図9】従来におけるポンプシステムの一例を示すブロック図。
【図10】従来におけるポンプシステムの一例を示すブロック図。
【図11】従来におけるポンプシステムの一例を示すブロック図。
【図12】(a)及び(b)は、別例のロータリーバルブのブロック図。
【図13】(a)〜(c)は、別例のロータリーバルブのブロック図。
【図14】別例のロータリーバルブの分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を切替弁の一種であるロータリーバルブに具体化した一実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。
図1(a)に略示されたポンプシステム10は、通常時において、不純物が含まれる(多い)ダーティ液が集められる第1プール11からの流体が流入する管状の流入路12と、流路の流体を移送させる容積ポンプ13と、不純物が含まれていない(少ない)クリーン液を外部の第2プール14に排出するための管状の排出路15を備えている。ポンプシステム10は、閉回路となっており、ポンプシステム10(流路)内に流れる流体は、大気と接触しないようになっている。流入路12の途中には、予め決められた大きさ以下の粒子を有する流体が流れることを許可するサクションフィルタ16が取り付けられている。これにより、第1プール11から流入した流体に含まれる予め決められた大きさより大きな粒子は、流入路12を流れて容積ポンプ13にたどり着くまでに濾過される。すなわち、ダーティ液が濾過されて、クリーン液となるようになっている。
【0018】
次に容積ポンプ13について図2〜図4に基づき詳しく説明する。
図2に示すように、容積ポンプ13は、ベローズ式の容積ポンプ13であり、容量が変化する蛇腹形状のベローズ(伸縮管)21を備えている。このベローズ21は、一方の端部のみが開放している。そして、このベローズ21は、容積ポンプ13に備えられているインダクションモータ22等の動力源から加えられる駆動力によって、駆動(伸縮運動)するようになっている。つまり、駆動力が加えられることにより、ベローズ21内の容量が変化して、流体の流入(吸入)及び排出が行われる。なお、インダクションモータ22には、減速機23が設けられており、駆動力は減速機23により調整されるようになっている。
【0019】
そして、ベローズ21の入口には、切替弁としてのロータリーバルブ24が取り付けられている。このロータリーバルブ24は、図3及び図4に示すように、ベローズ21の開放口21aに取り付けられる基部31と、基部31に対して回転可能に固定される摺動体32と、摺動体32を基部31に固定すると共に、流入路12及び排出路15と接続される接続部33を備えている。
【0020】
前記基部31は、図3及び図4に示すように、ベローズ21の開放口21aを塞ぐため、一方が開放された有底筒状に形成されている。そして、基部31は、底部31aによってベローズ21の開放口21aを防ぐように(すなわち、図3及び図4において底部31aが上とする一方、開口部31bを下(ベローズ21側)となるようにして)ベローズ21に対して固定されている。なお、基部31の開口部31bの内径は、図3に示すように、ベローズ21の開放口21aの外径よりも大きく形成されている。
【0021】
そして、図3において基部31の上部(底部31a)には、基部31がベローズ21に取り付けられたときにベローズ21の開放口21aと連通するように、連通孔34a,34bが2つ貫通形成されている。すなわち、基部31がベローズ21に取り付けられたとき、ベローズ21の内部と連通する連通孔34a,34bが2つ形成されている。また、図5に示すように、基部31の底部31aには、接続部33を基部31に対して固定させるための固定軸35が同一線上に並ばないように立設されている。当該固定軸35の上部には、ネジ(雄ねじ)を螺合させるためのネジ孔(雌ねじ)36が図5において上下方向(ベローズ21の伸縮方向)に沿って設けられている。なお、固定軸35は、ベローズ21の反対側の面に設けられている。
【0022】
そして、基部31の固定軸35の1つには、円柱形状に形成された摺動体32が回転可能に固定されるようになっている。より詳しく説明すると、固定軸35のうち1つは、摺動体32が回転可能に固定される回転軸35aとなる一方、固定軸35のうち回転軸35aとなる固定軸35をのぞく2つの固定軸35b,35cは、摺動体32と干渉しない位置に設けられている。つまり、固定軸35のうち1つは、摺動体32の回転軸35aとして兼用されている。そして、この回転軸35aが摺動体32の中心(円の中心)に上下方向に沿って貫通形成された取付孔32aに挿入されることにより、摺動体32が回転可能に固定される。また、回転軸35aから、他の固定軸35b,35cまでの距離は、摺動体32の半径よりもそれぞれ大きくなるように配置されている。換言すると、摺動体32の半径は、回転軸35aから他の固定軸35b、35cまでの距離よりもそれぞれ小さくなるように形成される。また、回転軸35aは、他の固定軸35b、35cより、基部31の略中心部に設けられている。
【0023】
また、この摺動体32には、複数の切替用流路(本実施形態には4つ)41a〜41dが設けられている。切替用流路41a〜41dは、基部31に形成された連通孔34a,34bの形成方向と同じ方向に沿って(本実施形態では上下方向に沿って)貫通形成されている。そして、切替用流路41a〜41dから回転軸35aまでの距離と、連通孔34a,34bから回転軸35aまでの距離が一致するように形成されている。
【0024】
また、予め決められた位置に摺動体32を回転させると、図3に示すように、切替用流路41a〜41dのいずれかが連通孔34a,34bの位置と一致し、連通孔34a,34bと連通するように摺動体32は構成されている。すなわち、予め決められた位置に摺動体32を回転させると、切替用流路41a〜41dは、連通孔34a,34bを介してベローズ21の内部と連通可能となっている。
【0025】
具体的に説明すると、基部31に設けられた連通孔34a,34bは、回転軸35aを中心として対称となるように形成されている。すなわち、回転軸35aを中心として180度反対側に位置するように一対の連通孔34a,34bが設けられている。なお、回転軸35aから連通孔34a,34bまでの距離はそれぞれ同一となっている。その一方で、切替用流路41a〜41dも回転軸35a(すなわち、回転軸35aが挿入される取付孔32a)を中心として対称となるように形成されている。すなわち、回転軸35aを中心として90度間隔で4つの切替用流路41a〜41dが設けられている。なお、回転軸35aから切替用流路41a〜41dまでの距離はそれぞれ同一となっている。このため、予め決められた位置に摺動体32を回転させると、切替用流路41a〜41dのいずれかのうち2つが2つの連通孔34a,34bの位置とそれぞれ一致し、連通孔34a,34bとそれぞれ連通することとなっている。より具体的には、回転軸35aを中心として、180度対称の位置にある2つの切替用流路41a,41c(又は切替用流路41b,41d)が、基部31に設けられた2つの連通孔34a,34bとそれぞれ連通するように構成されている。
【0026】
以上のように、基部31に設けられた連通孔34a,34b間の距離及び回転軸35aを中心とする角度と、対となる切替用流路41a〜41d間の距離及び回転軸35aを中心とする角度を一致させるようにした。なお、対となる切替用流路41a〜41dとは、予め決められた位置に摺動体32を配置させたとき、連通孔34aと一致する(連通する)切替用流路41a〜41dと、連通孔34bと一致する(連通する)切替用流路41a〜41dのことである。本実施形態では、切替用流路41aと切替用流路41c、又は切替用流路41bと切替用流路41dのことである。
【0027】
また、図5に示すように、この摺動体32の外側面には、回転軸35a(すなわち、回転軸35aが挿入される取付孔32a)を中心として摺動体32を回転移動させる把手(取っ手)42が取り付けられている。この把手42を移動させることにより、摺動体32は、基部31に対して摺動しながら回転移動するようになっている。なお、本実施形態では、摺動体32を少なくとも180度以上回転させることができるように、固定軸35b、35cが把手42と干渉しないように設けられている。
【0028】
そして、摺動体32は、基部31と密接するように基部31と接する面が平面に形成されている。また、基部31の摺動体32と接する面は、同様に平面に形成されていると共に、基部31の上面において、連通孔34a,34bの外周に沿って、連通孔34a,34bの外周を囲むように、ゴムで形成された環状のシール部材37が取り付けられている。このため、摺動体32が基部31に取り付けられた際、摺動体32と基部31は密接するようになる。
【0029】
このように、連通孔34a,34bの外周に沿って、シール部材37が取り付けられていると共に、摺動体32と基部31は密接するように構成されているため、連通孔34a,34bの位置に、対となる切替用流路41a〜41dを一致させた際、基部31と摺動体32の間から、流体が漏れることも防止できるようになっている。すなわち、連通孔34a,34bの位置に、対となる切替用流路41a〜41dの位置を一致させた際、連通孔34a,34bと対となる切替用流路41a〜41dを連通させることができる。これにより、予め決められた位置に摺動体32を回転させると、対となる切替用流路41a〜41dは、連通孔34a,34bを介してベローズ21の内部と連通可能となっている。
【0030】
そして、切替用流路41a〜41dには、それぞれ先端部43が開口した中空部を有するダックビル形状の流路制御部材としてのチェック弁(逆止弁)44が取り付けられている。このチェック弁44は、ひとつの部品で構成されている。また、チェック弁44は、その側面において、2つの面が形成され、当該2つの面が先端において交わるように(先端が細くなるように)構成されており、当該先端が開口した形状となっている。したがって、チェック弁44は、先端方向から圧力を受けた場合(先端方向からの圧力の方が後端方向からの圧力よりも強かった場合)、2つの面部分にかかる押しつけ力により、逆止性能を発揮するようになっている。
【0031】
すなわち、予め決められた方向(先端に向かう方向、順方向)にのみ流体の通過を許可するように構成されている。つまり、チェック弁44は、順方向の差圧下では流体を自由に流す一方、逆方向の差圧下では流体の流入を抑制するようになっている。これにより、チェック弁44は、順方向では、先端に設けられた口が開いて、流体の流れを許可する。一方、逆方向に流れる場合、チェック弁44は横方向において平面部分が押しつけられ、口が閉じてシールされ、流体の流れを抑制するようになっている。
【0032】
そして、本実施形態では、図1及び図5に示すように、回転軸35aを中心として、180度反対側に位置する切替用流路41a〜41dに取り付けられるチェック弁44の向きと反対となるようにチェック弁44が切替用流路41a〜41dに取り付けられている。つまり、対となる切替用流路41a〜41dには、順方向のチェック弁44と、逆方向のチェック弁44がペアで取り付けられている。つまり、切替用流路41a〜41dが連通孔34a,34bと連通する際には、何れか一方が順方向となり、他方が逆方向となるように取り付けられている。
【0033】
本実施形態では、回転軸35aを中心として周方向において両隣のチェック弁44のうち一方と同じ向きに取り付けられ、他方と異なる向きとなるように取り付けられている。具体的には、切替用流路41aに取り付けられたチェック弁44の先端(順方向)の向きがベローズ21側(下側)である場合、回転軸35aを中心として反時計回りとなるときに隣に位置する切替用流路41bには、切替用流路41aに取り付けられたチェック弁44の向きと同方向となるように、チェック弁44が取り付けられている。すなわち、切替用流路41bに取り付けられるチェック弁44の順方向の向きは、ベローズ21側(下側)となる。
【0034】
そして、回転軸35aを中心として反時計回りとなるときに切替用流路41bの隣に位置する切替用流路41cには、切替用流路41bに取り付けられたチェック弁44の向きと反対方向となるように、チェック弁44が取り付けられている。すなわち、切替用流路41cに取り付けられるチェック弁44の順方向の向きは、ベローズ21とは反対側(上側)となる。
【0035】
そして、回転軸35aを中心として反時計回りとなるときに切替用流路41cの隣に位置する切替用流路41dには、切替用流路41cに取り付けられたチェック弁44の向きと同方向となるように、チェック弁44が取り付けられている。すなわち、切替用流路41cに取り付けられるチェック弁44の順方向の向きは、ベローズ21とは反対側(上側)となる。なお、図1では、流入路12又は排出路15に接続される流路を実線で示す一方、ベローズ21側に接続される流路を破線で示している。
【0036】
また、チェック弁44の先端(順方向)が下方向(基部31側)となる切替用流路41a,41bの径は、チェック弁44の下部の周縁に設けられた係合凸部47の径よりも小さく形成されている。そして、摺動体32の上面において、切替用流路41a,41bの外周には、図4に示すように、係合凹部46が設けられており、切替用流路41a,41bに挿入されるチェック弁44の係合凸部47と係合するようになっている。従って、切替用流路41a,41bに挿入されたチェック弁44は、摺動体32の上方から着脱することができるようになっている。
【0037】
また、切替用流路41c,41dの先端(順方向)が上方向(接続部33側)となる切替用流路41c,41dの径は、チェック弁44の周縁に設けられた係合凸部47の径とほぼ同じに(より詳しくは僅かに大きく)形成されている。これにより、チェック弁44の係合凸部47は、切替用流路41c、41dと係合することがなくなり、チェック弁44は、切替用流路41c,41dの下端まで挿入される。また、切替用流路41c,41dには、切替用流路41c,41dに挿入されたチェック弁44の上から筒状に形成された固定部材48が挿入される。この固定部材48の外径は、切替用流路41c,41dの内径とほぼ同じに形成されており、且つ、固定部材48の下端と、チェック弁44の係合凸部47と係合するように、固定部材48の内径が形成されている。つまり、チェック弁44の係合凸部47以外は、固定部材48の内部に収容されるように構成されている。また、切替用流路41c、41dの高さ(上下方向の高さ)は、固定部材48の高さと係合凸部47の厚みを合わせた値とほぼ同じとなっている。これにより、固定部材48は、図3及び図4に示すように、チェック弁44の係合凸部47を基部31と挟み込むようにして、チェック弁44を固定するようになっている。従って、切替用流路41c,41dに挿入されたチェック弁44は、固定部材48と共に、摺動体32の上方から着脱することができるようになっている。以上のことから、どのような向きでチェック弁44が取り付けられたとしても、容積ポンプ13の上方からチェック弁44を着脱することが可能となっている。
【0038】
そして、摺動体32が回転可能に固定された上方(基部31と接する面の反対側)から、接続部33が基部31に取り付けられる。そして、固定軸35に形成されたネジ孔36に対してそれぞれネジ49を螺合することにより、摺動体32を挟み込むようにして接続部33は、基部31に対して固定される。また、接続部33の下面(摺動体32と接触する面)は、平面に形成されている。そして、摺動体32の上面(接続部33と接する面)において、切替用流路41a〜41dの外周に沿って、切替用流路41a〜41dの外周を囲むように、ゴムにより環状に形成されたシール部材50が設置される。このため、接続部33を基部31に固定した際、摺動体32と接続部33は密着し、摺動体32と接続部33の間から流体が流れでないようにシールされることとなる。
【0039】
また、接続部33には、上下方向(つまり、切替用流路41a〜41dの形成方向と同方向)に貫通される貫通孔51a〜51dが4つ形成されている。貫通孔51a〜51dは、回転軸35a(回転軸35aが挿入される挿入孔55)を中心として、等間隔に形成されている。すなわち、貫通孔51a〜51dは、回転軸35aを中心として90度間隔で形成されている。また、貫通孔51a〜51dは、回転軸35aからの距離が等間隔となるように形成されている。以上により、貫通孔51a〜51dは、全ての切替用流路41a〜41dとそれぞれ位置が一致する(連通する)ように配置されている。
【0040】
そして、接続部33が基部31に固定された際、貫通孔51a〜51dのうち2つの貫通孔51a,51cは、図3に示すように、基部31に形成された連通孔34a,34bと位置がそれぞれ一致するように配置されている。そして、基部31に形成された連通孔34aと位置が一致する接続部33の貫通孔51aには、流入路12と連通するための流入側接続管52が取り付けられている。また、基部31に形成された連通孔34bと位置が一致する接続部33の貫通孔51cには、排出路15と連通するための排出側接続管53が取り付けられている。
【0041】
このため、切替用流路41a〜41dを接続部33に設けられた貫通孔51a〜51dの位置と一致させた場合、流入側接続管52が取り付けられている貫通孔51aの位置に配置された切替用流路41a〜41dは、流入路12の一部となる。これにより、流入路12は、基部31の連通孔34aを介してベローズ21の内部と連通する。また、排出側接続管53が取り付けられている貫通孔51cの位置に配置された切替用流路41a〜41dは、排出路15の一部となる。これにより、排出路15は、基部31の連通孔34bを介してベローズ21の内部と連通する。
【0042】
一方、接続部33が基部31に固定された際、貫通孔51a〜51dのうち2つの貫通孔51b,51dの上部には、貫通孔51b,51dを塞ぐためのキャップ54が取り付けられている。このキャップ54は、上方から取り外し可能に構成されている。このため、切替用流路41a〜41dを接続部33に設けられた貫通孔51a〜51dの位置と一致させた場合、流入側接続管52及び排出側接続管53が取り付けられていない貫通孔51b,51dの位置に配置された切替用流路41a〜41dは、キャップ54を取り外すことにより、外部に露出することとなる。つまり、切替用流路41a〜41dは、流入側接続管52及び排出側接続管53が取り付けられていない貫通孔51b,51dの位置に配置された場合、流入路12又は排出路15の一部として構成されず、流路及び容積ポンプ13の外部に露出可能に構成されている。
【0043】
次に、通常状態におけるポンプシステム10の動作について説明する。なお、通常状態では、図1(a)及び図6に示すように、順方向がベローズ21の内側(下側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路41aが流入路12の一部(すなわち、流入側接続管52、貫通孔51a、及び連通孔34aに連通している)となっている。また、通常状態では、図6に示すように、順方向がベローズ21とは反対側(上側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路41cが排出路15の一部(すなわち、排出側接続管53、貫通孔51c、及び連通孔34bに連通している)となっている。
【0044】
インダクションモータ22が駆動を開始し、ベローズ21が伸びると、ベローズ21の容積が大きくなる。このとき、流入路12の一部となっている切替用流路41aには、順方向がベローズ21の内側となっているチェック弁44が装着されている一方、排出路15の一部となっている切替用流路41cには、順方向がベローズ21の外側となっているチェック弁44が装着されている。このため、ロータリーバルブ24は、第2プール14からの流体の流入を規制する一方、第1プール11からの流体の流入を許可することとなる。すなわち、ベローズ21内に第1プール11からの流体が流入することとなる。なお、流入路12を介して流体を第1プール11からベローズ21内に流入させるときには、当該流体はサクションフィルタ16により不純物が濾過されてクリーン液となっていることとなる。
【0045】
そして、インダクションモータ22の駆動力により、ベローズ21が縮むと、ベローズ21の容積が小さくなる。このとき、流入路12の一部となっている切替用流路41aには、順方向がベローズ21の内側となっているチェック弁44が装着されている一方、排出路15の一部となっている切替用流路41cには、順方向がベローズ21の外側となっているチェック弁44が装着されている。このため、ロータリーバルブ24は、第2プール14への流体の排出を許可する一方、第1プール11への流体の排出を抑制することとなる。すなわち、ベローズ21内の流体が第2プール14へ排出されることとなる。これにより、第1プール11のダーティ液が濾過されて、クリーン液となり、第2プール14に排出されることとなる。
【0046】
ところで、このように、ダーティ液を容積ポンプ13にて移送させてサクションフィルタ16により濾過した場合、徐々にフィルタに不純物が溜まる。不純物が溜まると、流れる流体の量が経る、又は容積ポンプ13の流入圧を上げなくてはならなくなり、濾過の効率が悪くなる。このため、定期的に、ポンプシステム10における流体の流れを逆転させることにより、サクションフィルタ16を逆洗する必要がある。
【0047】
ここで、サクションフィルタ16の逆洗方法について説明する。
まず、摺動体32に設けられた把手42を利用して、図1(b)及び図7(a)に示すように、通常状態から摺動体32を反時計回りに90度回転させる。なお、90度回転させたこの状態を以後、逆洗状態と示す。これにより、図7(b),図7(c)に示すように、順方向がベローズ21の外側(上側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路41dが流入路12の一部(すなわち、流入側接続管52、貫通孔51a、及び連通孔34aに連通している)となっている。また、逆洗状態において、順方向がベローズ21の内側(下側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路41bが排出路15の一部(すなわち、排出側接続管53、貫通孔51c、及び連通孔34bに連通している)となっている。
【0048】
この逆洗状態で、インダクションモータ22が駆動を開始し、ベローズ21が伸びると、ベローズ21の容積が大きくなる。このとき、流入路12の一部となっている切替用流路41dには、順方向がベローズ21の外側となっているチェック弁44が装着されている一方、排出路15の一部となっている切替用流路41bには、順方向がベローズ21の内側となっているチェック弁44が装着されている。このため、ロータリーバルブ24は、第1プール11からの流体の流入を規制する一方、第2プール14からの流体の流入を許可することとなる。すなわち、ベローズ21内に第2プール14からの流体が流入することとなる。なお、逆洗状態において、第2プール14には、サクションフィルタ16を逆洗するための流体(洗浄液やクリーン液など)が収容されていることとする。
【0049】
そして、インダクションモータ22の駆動力により、ベローズ21が縮むと、ベローズ21の容積が小さくなる。このとき、流入路12の一部となっている切替用流路41dには、順方向がベローズ21の外側となっているチェック弁44が装着されている一方、排出路15の一部となっている切替用流路41bには、順方向がベローズ21の内側となっているチェック弁44が装着されている。このため、ロータリーバルブ24は、第1プール11への流体の排出を許可する一方、第2プール14への流体の排出を抑制することとなる。すなわち、ベローズ21内の流体が流入路12を通過して、第1プール11へ排出されることとなる。このとき、流体は、容積ポンプ13側から第1プール11側へ逆流する。そして、この際、サクションフィルタ16に溜まっている不純物も流体の通過により洗い流され、掃除されることとなる。
【0050】
以上のように、チェック弁44を取り替えることなく、摺動体32を回転させれば、チェック弁44の方向を変更することができる。従って、ポンプシステム10を停止させて、分解することなく、ロータリーバルブ24によって簡単にチェック弁44の方向を変換することができ、逆洗の手間を少なくすることができる。
【0051】
また、以上のように、ダーティ液を容積ポンプ13にて移送させてサクションフィルタ16により濾過した場合、サクションフィルタ16によって不純物を濾過したと言っても、長期間使用すれば、サクションフィルタ16により取りきれなかった汚れが、流体の流れを抑制するチェック弁44に溜まってくる。チェック弁44に汚れが溜まると、流れる流体の量が経る、又は容積ポンプ13の流入圧を上げなくてはならなくなり、濾過の効率が悪くなる虞がある。そこで、定期的に、チェック弁44を取り替える必要がある。
【0052】
次に、チェック弁44の取り替え方法について説明する。
まず、摺動体32に設けられた把手42を利用して、図1(c)及び図8(a)に示すように、通常状態から摺動体32を時計回りに90度回転させる。なお、90度回転させたこの状態を以後、交換状態と示す。これにより、図8(b),図8(c)に示すように、順方向がベローズ21の内側(下側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路41bが流入路12の一部(すなわち、流入側接続管52、貫通孔51a、及び連通孔34aに連通している)となっている。また、交換状態において、順方向がベローズ21の外側(上側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路41dが排出路15の一部(すなわち、排出側接続管53、貫通孔51c、及び連通孔34bに連通している)となっている。
【0053】
この交換状態では、チェック弁44の向きは、通常状態と同じである。このため、通常状態と同様に、第1プール11のダーティ液が濾過されて、クリーン液となり、第2プール14に排出されることとなる。
【0054】
一方、交換状態では、図8(c)に示すように、切替用流路41aは、接続部33の貫通孔51bと連通する。この状態において、キャップ54を外すと、切替用流路41aに装着されたチェック弁44は外部に露出することとなる。このため、作業者は、上方からチェック弁44を取り外し、その後、洗浄したチェック弁44を取り付けることができる。
【0055】
同様に、交換状態では、図8(c)に示すように、切替用流路41cは、接続部33の貫通孔51cと連通する。この状態において、キャップ54を外すと、切替用流路41cに装着されたチェック弁44は外部に露出することとなる。このため、作業者は、上方からチェック弁44を取り外し、その後、洗浄したチェック弁44を取り付けることができる。
【0056】
そして、チェック弁44を交換した後、摺動体32を回転させることにより、通常状態に戻すことができる。以上のように、交換状態では、流体を濾過しつつ、チェック弁44を交換することができるようになっている。このため、チェック弁44の交換のため、流体の濾過作業を中断することが無く、作業の効率を向上することができる。
【0057】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)ロータリーバルブ24には、複数の切替用流路41a〜41dが設けられた摺動体が回転可能に設けられている。そして、把手42を使って、摺動体32を回転移動させることにより、切替用流路41a〜41dを任意に流入路12又排出路15の一部に変更することができる。そして、この切替用流路41a〜41dにはそれぞれチェック弁44が装着されているため、摺動体32を回転移動させることにより、チェック弁44の方向(流体の流れを許可する方向)を簡単に切替えることができる。従って、ロータリーバルブ24を利用して、切替用流路41a〜41dを切替えることにより、切替用流路41a〜41d内に収容されているチェック弁44を簡単に切替えることができ、流体を簡単に制御できる。つまり、流体の流れ方向を簡単に変えることができる。
【0058】
(2)流入路12又は排出路15の一部を構成していない貫通孔51b、51dと連通する切替用流路41a〜41dに取り付けられているチェック弁44は、キャップ54を取り外すことにより外部に露出させることができる。そして、外部に露出するように切り替えることにより、チェック弁44を取り替えることができるようになっている。また、交換する際、チェック弁44の順方向(流体の流れを許可する方向)を異なる方向(もしくは同じ方向)にすることができる。また、摺動体32を移動させて、切替用流路41a〜41dを貫通孔51b、51dに位置(連通)させることにより露出させる際には、他の切替用流路41a〜41dが流入路12及び排出路15の一部として構成される。このため、チェック弁の交換や清掃、点検などのメンテナンス時に流体の流れ(システム)を停止させることがないので生産性を向上させることができる。また、ポンプシステム10の分解などの必要がなくなり、チェック弁44を簡単に取り外せるためメンテナンス作業時間を短縮できる。
【0059】
(3)摺動体32に設けられた対となる切替用流路41a〜41dは、連通孔34a、34bと同時に一致させることができるようになっている。そして、連通孔34a,34bと一致した対となる切替用流路41a〜41dは、それぞれ流入路12又は排出路15の一部を構成することとなる。これにより、摺動体32を移動させるだけで、流入路12の一部となる切替用流路41a〜41dと排出路15の一部となる切替用流路41a〜41dを同時に切替えることができる。このため、一つずつ切替える場合よりも切替える際の手間を省くことができる。また、流入路12の一部となる切替用流路41a〜41dと排出路15の一部となる切替用流路41a〜41dを同時に切替えることができる。このため、流入路12の一部を構成する切替用流路41a〜41dに設置されるチェック弁44と、排出路15の一部を構成する切替用流路41a〜41dに設置されているチェック弁44の順方向を同時に変更することもできる。これにより、容積ポンプ13をほとんど停止させることなく、サクションフィルタ16を逆洗できる。また、チェック弁44の順方向を変更することなく、流入路12の一部を構成する切替用流路41a〜41dに設置されるチェック弁44と、排出路15の一部を構成する切替用流路41a〜41dに設置されるチェック弁44を同時に変更することもできる。これにより、容積ポンプ13をほとんど停止させることなく、チェック弁44を外部に露出させて交換することができる。従って、効率的に作業を行うことができる。
【0060】
(4)ところで、従来において、図9に示すようなポンプシステム100が知られていた。詳しく説明すると、図9に示すようなポンプシステム100は、通常時において、不純物が含まれる(多い)ダーティ液が集められる第1プール101からの流体が流入する管状の流入路102を備えている。また、ポンプシステム100は、流路の流体を移送させる容積ポンプ103と、不純物が含まれていない(少ない)クリーン液を外部の第2プール104に排出するための管状の排出路105を備えている。流入路102の途中には、予め決められた大きさ以下の粒子を有する流体が流れることを許可するサクションフィルタ106が取り付けられている。これにより、第1プール101から流入した流体に含まれる予め決められた大きさより大きな粒子は、流入路102を流れて容積ポンプ103にたどり着くまでに濾過される。また、容積ポンプ103の入口(ダーティ液側の流入口)には、容積ポンプ103の外部から内部への流体の通過を許可するチェック弁107が取り付けられている。同様に、容積ポンプ103の出口(クリーン液側の流出口)には、容積ポンプ103の内部から外部への流体の通過を許可するチェック弁108が取り付けられている。このため、従来のポンプシステム100でサクションフィルタ106を逆洗浄する場合には、ポンプシステム100を停止させて、チェック弁107及びチェック弁108の方向を入れ替えるという手間が掛かっていた。また、チェック弁107及びチェック弁108を交換する際にもポンプシステム100を停止させる必要があり、手間が掛かっていた。そこで本実施形態のようなポンプシステム10を採用することにより、チェック弁44の交換が容易となり、また、サクションフィルタ106の逆洗浄も簡単に行うことができるようになった。
【0061】
(5)また、従来において、図10に示すようなポンプシステム200が知られていた。詳しく説明すると、図10に示すようなポンプシステム200は、通常時において、不純物が含まれる(多い)ダーティ液が集められる第1プール201からの流体が流入する管状の流入路202と、流路の流体を移送させる容積ポンプ203を備えている。また、ポンプシステム200は、不純物が含まれていない(少ない)クリーン液を外部の第2プール204に排出するための管状の排出路205を備えている。流入路202の途中には、予め決められた大きさ以下の粒子を有する流体が流れることを許可するサクションフィルタ206が取り付けられている。これにより、第1プール201から流入した流体に含まれる予め決められた大きさより大きな粒子は、流入路202を流れて容積ポンプ203にたどり着くまでに濾過される。また、容積ポンプ203の入口(ダーティ液側の流入口)には、容積ポンプ203の外部から内部への流体の通過を許可するチェック弁207が取り付けられている。同様に、容積ポンプ203の出口(クリーン液側の流出口)には、容積ポンプ203の内部から外部への流体の通過を許可するチェック弁208が取り付けられている。
【0062】
そして、このポンプシステム200には、逆洗浄用の配管及び切替弁が設けられている。詳しく説明すると、流入路202の途中には、流入路側切替弁209が設けられている。この流入路側切替弁209の一方の切替先は、容積ポンプ203の入口と接続されている配管と繋がっている一方で、他方の切替先は、容積ポンプ203の出口と接続されている配管と繋がっている。そして、流入路側切替弁209は、流入路202を、容積ポンプ203の入口又は出口のいずれかに接続するように配管を切替えることができるようになっている。また、排出路205の途中には、排出路側切替弁210が設けられている。この排出路側切替弁210の一方の切替先は、容積ポンプ203の入口と接続されている配管と繋がっている一方で、他方の切替先は、容積ポンプ203の出口と接続されている配管と繋がっている。そして、排出路側切替弁210は、排出路205を、容積ポンプ203の入口又は出口のいずれかに接続するように配管を切替えることができるようになっている。なお、通常使用時(ダーティ液を濾過するとき)には、流入路側切替弁209は、流入路202を容積ポンプ203の入口と接続するように切替えられており、排出路側切替弁210は、排出路205を容積ポンプ203の出口と接続するように切替えられている。
【0063】
このようなポンプシステム200でサクションフィルタ206を逆洗浄する場合には、ポンプシステム200を停止させることなく、流入路側切替弁209及び排出路側切替弁210をそれぞれ切替えればよくなっている。つまり、流入路側切替弁209は、流入路202を容積ポンプ203の出口と接続するように切替えられ、排出路側切替弁210は、排出路205を容積ポンプ203の入口と接続するように切替えられる。しかしながら、このようなポンプシステム200では、配管及び切替弁が増えてしまうという問題点があった。さらには、このようなポンプシステム200では、チェック弁207及びチェック弁208を交換する際には、ポンプシステム200を停止させる必要があり、手間が掛かっていた。そこで本実施形態のようなポンプシステム10を採用することにより、チェック弁の交換が容易とすることができた。また、逆洗浄を行うための配管及び切替弁を少なくすることができる。従って、ポンプシステム10を小型化することができ、コストを低減することができる。
【0064】
(6)また、従来において、図11に示すようなポンプシステム300が知られていた。詳しく説明すると、図11に示すようなポンプシステム300は、通常時において、不純物が含まれる(多い)ダーティ液が集められる第1プール301からの流体が流入する管状の流入路302と、流路の流体を移送させる容積ポンプ303を備えている。また、ポンプシステム300は、不純物が含まれていない(少ない)クリーン液を外部の第2プール304に排出するための管状の排出路305を備えている。流入路302の途中には、予め決められた大きさ以下の粒子を有する流体が流れることを許可するサクションフィルタが取り付けられている。これにより、第1プール301から流入した流体に含まれる予め決められた大きさより大きな粒子は、流入路302を流れて容積ポンプ303にたどり着くまでに濾過される。また、容積ポンプ303の入口(ダーティ液側の流入口)には、容積ポンプ303の外部から内部への流体の通過を許可するチェック弁307が取り付けられている。同様に、容積ポンプ303の出口(クリーン液側の流出口)には、容積ポンプ303の内部から外部への流体の通過を許可するチェック弁308が取り付けられている。
【0065】
そして、このポンプシステム300には、逆洗浄用のエアー発生装置、配管及び切替弁が設けられている。詳しく説明すると、流入路302の途中には、逆洗浄用切替弁309が設けられている。この逆洗浄用切替弁309の一方の切替先は、容積ポンプ303の入口と接続されている配管と繋がっている一方で、他方の切替先は、エアー発生装置310と接続されている配管と繋がっている。また、流入路302の途中には、逆洗浄時において、容積ポンプ303とサクションフィルタの接続を遮断するための、停止用切替弁311が設けられている。このようなポンプシステム300でサクションフィルタを逆洗浄する場合には、逆洗浄用切替弁309及び停止用切替弁311を切替えればよくなっている。つまり、逆洗浄用切替弁309は、流入路302をエアー発生装置310と接続するように切替えられる。
【0066】
また、このポンプシステム300には、チェック弁307,308を交換する際に使用される予備容積ポンプ312、配管及び切替弁が設けられている。詳しく説明すると、流入路302の途中には、流入路側切替弁313が設けられている。この流入路側切替弁313の一方の切替先は、容積ポンプ303の入口と接続されている配管と繋がっている一方で、他方の切替先は、予備容積ポンプ312の入口と接続されている配管と繋がっている。そして、流入路側切替弁313は、流入路302を、容積ポンプ303の入口又は予備容積ポンプ312の入口のいずれかに接続するように配管を切替えることができるようになっている。また、排出路305の途中には、排出路側切替弁314が設けられている。この排出路側切替弁314の一方の切替先は、容積ポンプ303の出口と接続されている配管と繋がっている一方で、他方の切替先は、予備容積ポンプ312の出口と接続されている配管と繋がっている。そして、排出路側切替弁314は、排出路305を、容積ポンプ303の出口又は予備容積ポンプ312の出口のいずれかに接続するように配管を切替えることができるようになっている。なお、通常使用時(ダーティ液を濾過するとき)には、流入路側切替弁313は、流入路302を容積ポンプ303の入口と接続するように切替えられており、排出路側切替弁314は、排出路305を容積ポンプ203の出口と接続するように切替えられている。
【0067】
このようなポンプシステム300でチェック弁307及びチェック弁308を交換する際には、流入路側切替弁313及び排出路側切替弁314をそれぞれ切替えて、予備容積ポンプ312に接続することとなる。つまり、交換時、流入路側切替弁313は、流入路302を予備容積ポンプ312の入口と接続するように切替えられており、排出路側切替弁314は、排出路305を予備容積ポンプ312の出口と接続するように切替えられている。これにより、容積ポンプ303は、使用されなくなり、ポンプシステムを停止させることなく、チェック弁307及びチェック弁308を交換、又は洗浄することができる。
【0068】
しかしながら、このようなポンプシステム300では、逆洗浄時及びチェック弁307,308を交換するために、システムにおける容積ポンプ、配管及び切替弁が増えてしまい、システムが複雑になるという問題点があった。そこで本実施形態のようなポンプシステム10を採用することにより、チェック弁の交換が容易とすることができた。また、逆洗浄及びチェック弁の交換を行うための配管及び切替弁を少なくすることができる。従って、ポンプシステム10を小型化することができ、コストを低減することができる。
【0069】
(第二実施形態)
次に、本発明を具体化した第二実施形態を説明する。なお、第一実施形態と同様の構成は、第一実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明及び図面は省略又は簡略する。
【0070】
本実施形態において、基部31に設けられた連通孔34a,34bは、回転軸35aを中心として120度(又は240度)離れた位置に設けられている。
そして、本実施形態の摺動体32には、3つの切替用流路141a〜141cが設けられている。そして、予め決められた位置に摺動体32を回転させると、切替用流路141a〜141cのいずれかが連通孔34a,34bの位置と一致し、連通孔34a,34bと連通するように摺動体32は構成されている。すなわち、予め決められた位置に摺動体32を回転させると、切替用流路141a〜141cは、連通孔34a,34bを介してベローズ21の内部と連通可能となっている。
【0071】
具体的に説明すると、切替用流路141a〜141cは、回転軸35a(すなわち、回転軸35aが挿入される取付孔32a)を中心として等角度離れて形成されている。すなわち、回転軸35aを中心として120度間隔で3つの切替用流路141a〜141cが設けられている。このため、予め決められた位置に摺動体32を回転させると、切替用流路141a〜141cのいずれかのうち2つが2つの連通孔34a,34bの位置とそれぞれ一致し、連通孔34a,34bとそれぞれ連通することとなっている。
【0072】
以上のように、基部31に設けられた連通孔34a,34b間の距離及び回転軸35aを中心とする角度と、対となる切替用流路141a〜141c間の距離及び回転軸35aを中心とする角度を一致させるようにした。なお、本実施形態において、対となる切替用流路141a〜141cとは、予め決められた位置に摺動体32を配置させたとき、連通孔34aと一致する(連通する)切替用流路141a〜141cと、連通孔34bと一致する(連通する)切替用流路141a〜141cのことである。本実施形態では、切替用流路141aと切替用流路141b、又は切替用流路141bと切替用流路141c、又は切替用流路141aと切替用流路141cのことである。
【0073】
そして、本実施形態では、図12に示すように、2つの切替用流路141a〜141cには、順方向がベローズ21の内側(下側)となるチェック弁44が取り付けられ、1つの切替用流路141a〜141cには、順方向がベローズ21の外側(上側)となるチェック弁44が取り付けられている。具体的には、切替用流路141aには、順方向がベローズ21の内側(下側)となるチェック弁44が取り付けられている。切替用流路141bには、順方向がベローズ21の内側(下側)となるチェック弁44が取り付けられている。切替用流路141cには、順方向がベローズ21の外側(上側)となるチェック弁44が取り付けられている。
【0074】
また、接続部33には、図示しないが、切替用流路141a〜141cに対応するように、回転軸35aを中心として、等間隔に形成されている3つの貫通孔が形成されている。すなわち、3つの貫通孔は、回転軸35aを中心として120度間隔で形成されている。なお、本実施形態では、接続部33が基部31に固定された際、流入路12又は排出路15の一部を構成しない1つの貫通孔の上部にだけ、貫通孔を塞ぐためのキャップ54が取り付けられている。
【0075】
次に、通常状態におけるポンプシステム10の動作について説明する。なお、通常状態では、図12(a)に示すように、順方向がベローズ21の内側(下側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路141aが流入路12の一部となっている。また、通常状態では、図12(a)に示すように、順方向がベローズ21の外側(上側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路141cが排出路15の一部となっている。
【0076】
インダクションモータ22が駆動を開始し、ベローズ21が伸びると、ベローズ21の容積が大きくなる。このとき、ロータリーバルブ24は、第2プール14からの流体の流入を規制する一方、第1プール11からの流体の流入を許可することとなる。すなわち、ベローズ21内に第1プール11からの流体が流入することとなる。
【0077】
そして、インダクションモータ22の駆動力により、ベローズ21が縮むと、ベローズ21の容積が小さくなる。このとき、ロータリーバルブ24は、第2プール14への流体の排出を許可する一方、第1プール11への流体の排出を抑制することとなる。すなわち、ベローズ21内の流体が第2プール14へ排出されることとなる。これにより、第1プール11のダーティ液が濾過されて、クリーン液となり、第2プール14に排出されることとなる。
【0078】
次に、サクションフィルタ16の逆洗方法について説明する。
まず、摺動体32に設けられた把手42を利用して、図12(b)に示すように、通常状態から摺動体32を反時計回りに120度回転させる。なお、120度回転させたこの状態を以後、逆洗状態と示す。これにより、順方向がベローズ21の外側(上側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路141cが流入路12の一部となっている。また、逆洗状態において、順方向がベローズ21の内側(下側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路141bが排出路15の一部となっている。
【0079】
この逆洗状態で、インダクションモータ22が駆動を開始し、ベローズ21が伸びると、ベローズ21の容積が大きくなる。このとき、ロータリーバルブ24は、第1プール11からの流体の流入を規制する一方、第2プール14からの流体の流入を許可することとなる。すなわち、ベローズ21内に第2プール14からの流体が流入することとなる。
【0080】
そして、インダクションモータ22の駆動力により、ベローズ21が縮むと、ベローズ21の容積が小さくなる。このとき、ロータリーバルブ24は、第1プール11への流体の排出を許可する一方、第2プール14への流体の排出を抑制することとなる。すなわち、ベローズ21内の流体が流入路12を通過して、第1プール11へ排出されることとなる。このとき、流体は、容積ポンプ13側から第1プール11側へ逆流する。そして、この際、サクションフィルタ16に溜まっている不純物も流体の通過により洗い流され、掃除されることとなる。
【0081】
以上のように、チェック弁44を取り替えることなく、摺動体32を回転させれば、チェック弁44の方向を変更することができる。従って、ポンプシステム10を停止させて、分解することなく、ロータリーバルブ24によって簡単にチェック弁44の方向を変換することができ、逆洗の手間を少なくすることができる。
【0082】
以上詳述したように、本実施形態は、第一実施形態の効果に加えて、以下の効果を有する。
(7)摺動体32には、3つの切替用流路141a〜141cを設けた。このため、4つの切替用流路を設ける場合と比較して、各切替用流路141a〜141cの配管の太さ(径の大きさ)を大きくすることができ、流れる流体の量を多くすることができる。
【0083】
(8)また、流入路12の一部となる切替用流路141aに装着されているチェック弁44は、排出路15の一部となる切替用流路141cに装着されているチェック弁44と比較して、汚れやすくなっている。そこで、逆洗状態において、切替用流路141aに装着されているチェック弁44を、外部に露出させ、交換することができるようにした。これにより、サクションフィルタ16の逆洗を行うと共に、切替用流路141aに装着されているチェック弁44を交換することができ、作業効率を向上させることができる。
【0084】
(第三実施形態)
次に、本発明を具体化した第三実施形態を説明する。なお、第一実施形態と同様の構成は、第一実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明及び図面は省略又は簡略する。
【0085】
本実施形態において、基部31に設けられた連通孔34a,34bは、回転軸35aを中心として120度(又は240度)離れた位置に設けられている。また、本実施形態の摺動体32には、3つの切替用流路141a〜141cが設けられている。これらの配置については、第二実施形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
【0086】
そして、本実施形態では、図13(a)に示すように、1つの切替用流路141a〜141cには、順方向がベローズ21の内側(下側)となるチェック弁44が取り付けられ、2つの切替用流路141a〜141cには、順方向がベローズ21の外側(上側)となるチェック弁44が取り付けられている。具体的には、切替用流路141aには、順方向がベローズ21の内側(下側)となるチェック弁44が取り付けられている。切替用流路141bには、順方向がベローズ21の外側(上側)となるチェック弁44が取り付けられている。切替用流路141cには、順方向がベローズ21の外側(上側)となるチェック弁44が取り付けられている。
【0087】
また、接続部33には、図示しないが、切替用流路141a〜141cに対応するように、回転軸35aを中心として、等間隔に形成されている3つの貫通孔が形成されている。すなわち、3つの貫通孔は、回転軸35aを中心として120度間隔で形成されている。なお、本実施形態では、接続部33が基部31に固定された際、流入路12又は排出路15の一部を構成しない1つの貫通孔の上部にだけ、貫通孔を塞ぐためのキャップ54が取り付けられている。
【0088】
次に、通常状態におけるポンプシステム10の動作について説明する。なお、通常状態では、図13(a)に示すように、順方向がベローズ21の内側(下側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路141aが流入路12の一部となっている。また、通常状態では、図13(a)に示すように、順方向がベローズ21の外側(上側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路141cが排出路15の一部となっている。
【0089】
インダクションモータ22が駆動を開始し、ベローズ21が伸びると、ベローズ21の容積が大きくなる。このとき、ロータリーバルブ24は、第2プール14からの流体の流入を規制する一方、第1プール11からの流体の流入を許可することとなる。すなわち、ベローズ21内に第1プール11からの流体が流入することとなる。
【0090】
そして、インダクションモータ22の駆動力により、ベローズ21が縮むと、ベローズ21の容積が小さくなる。このとき、ロータリーバルブ24は、第2プール14への流体の排出を許可する一方、第1プール11への流体の排出を抑制することとなる。すなわち、ベローズ21内の流体が第2プール14へ排出されることとなる。これにより、第1プール11のダーティ液が濾過されて、クリーン液となり、第2プール14に排出されることとなる。
【0091】
次に、サクションフィルタ16の逆洗方法について説明する。
まず、摺動体32に設けられた把手42を利用して、図13(b)に示すように、通常状態から摺動体32を時計回りに120度回転させる。なお、120度回転させたこの状態を以後、逆洗状態と示す。これにより、順方向がベローズ21の外側(上側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路141bが流入路12の一部となっている。また、逆洗状態において、順方向がベローズ21の内側(下側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路141aが排出路15の一部となっている。
【0092】
この逆洗状態で、インダクションモータ22が駆動を開始し、ベローズ21が伸びると、ベローズ21の容積が大きくなる。このとき、ロータリーバルブ24は、第1プール11からの流体の流入を規制する一方、第2プール14からの流体の流入を許可することとなる。すなわち、ベローズ21内に第2プール14からの流体が流入することとなる。
【0093】
そして、インダクションモータ22の駆動力により、ベローズ21が縮むと、ベローズ21の容積が小さくなる。このとき、ロータリーバルブ24は、第1プール11への流体の排出を許可する一方、第2プール14への流体の排出を抑制することとなる。すなわち、ベローズ21内の流体が流入路12を通過して、第1プール11へ排出されることとなる。このとき、流体は、容積ポンプ13側から第1プール11側へ逆流する。そして、この際、サクションフィルタ16に溜まっている不純物も流体の通過により洗い流され、掃除されることとなる。
【0094】
ところで、ベローズ21を交換する場合、流入路12及び排出路15から流体が流れ出ないようにする必要がある。
この場合、摺動体32に設けられた把手42を利用して、図13(c)に示すように、通常状態から摺動体32を反時計回りに120度回転させることにより、流入路12及び排出路15から流体が流れ出ないようにすることができる。なお、120度反時計回りに回転させたこの状態を以後、停止状態と示す。これにより、順方向がベローズ21の外側(上側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路141cが流入路12の一部となっている。また、逆洗状態において、順方向がベローズ21の外側(上側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路141bが排出路15の一部となっている。これにより、流入路12又は排出路15からの液体がチェック弁44によりそれぞれ流れ出ることを抑制することができる。
【0095】
以上詳述したように、本実施形態は、第一実施形態の効果と、第二実施形態の効果(8)に加えて、以下の効果を有する。
(9)また、流入路12の一部となる切替用流路141aに装着されているチェック弁44は、排出路15の一部となる切替用流路141cに装着されているチェック弁44と比較して、汚れやすくなっている。そこで、停止状態において、切替用流路141aに装着されているチェック弁44を、外部に露出させ、交換することができるようにした。これにより、ベローズ21の交換を行うと共に、切替用流路141aに装着されているチェック弁44を交換することができ、作業効率を向上させることができる。
【0096】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、摺動体32が回転移動するロータリーバルブ24を設けたが、横方向に摺動体を移動させるスライドバルブを採用しても良い。
【0097】
・上記実施形態では、流入路12及び排出路15の一部を構成する切替用流路41a〜41d、141a〜141cを同時に切替えたがそれぞれ1つずつ切替ができるようにしてもよい。すなわち、流入路12に独立したロータリーバルブを設けると共に、排出路15に独立したロータリーバルブを設けてもよい。
【0098】
・上記実施形態において、流入路12又は排出路15の途中に、フィルタを切替えることができるロータリーバルブ又はスライドバルブなどの切替弁を設けても良い。この場合、切替用流路内に流路制御部材としてのフィルタが着脱可能に設けられることとなる。これにより、摺動体32を移動させることにより、フィルタを取り替えて容易に洗浄することができる。また、フィルタの種類を変更して交換することにより、通過を許可する粒子の大きさを容易に変更することができる。
【0099】
・上記実施形態において、流入路12又は排出路15の途中に、予め決められた流量以下の流体を流すことを許可する固定オリフィスを切替えることができるロータリーバルブ又はスライドバルブなどの切替弁を設けても良い。この場合、切替用流路内に流路制御部材としての固定オリフィスが着脱可能に設けられることとなる。これにより、流量を容易に変更することができる。また、固定オリフィスが、着脱可能に構成されていることにより、容易に交換して、流体の流量を変更することができる。
【0100】
・上記実施形態において、ロータリーバルブは、ポンプシステム10以外の流路に設けても良い。
・上記実施形態において、チェック弁44や、フィルタ、固定オリフィスは、着脱可能に設けられなくても良い。
【0101】
・上記実施形態において、切替用流路は、任意の数に変更しても良い。例えば、切替用流路を6つ設けても良い。
・上記実施形態では、ベローズ型の容積ポンプ13を使用したが、ダイヤフラム型の容積ポンプなどを利用しても良い。
【0102】
・上記実施形態において、チェック弁44は、ダックビルタイプだけでなく、ボールタイプやポペットタイプでもよい。
・上記実施形態において、摺動体32は、手動により切替えられていたが、電動式のモータやソレノイド、若しくは空気圧や油圧により切替えられても良い。
【0103】
・上記実施形態では、シール部材37,50は、ゴムにより環状に形成されていたが、シールできるのであれば、材質及び形状は、任意に変更しても良い。取り付け位置も任意に変更しても良い。例えば、シール部材37,50を図14に示すような形状として、摺動体32にシール部材37,50を取り付けている凹部を設けても良い。また、流路のピッチも任意に変更しても良い。
【符号の説明】
【0104】
10…ポンプシステム、11…第1プール、12…流入路、13…容積ポンプ、14…第2プール、15…排出路、16…サクションフィルタ、21…ベローズ、22…インダクションモータ、23…減速機、24…ロータリーバルブ、31…基部、32…摺動体、33…接続部、34a,34b…連通孔、35…固定軸、35a…回転軸、36…ネジ孔、37…シール部材、41a〜41d,141a〜141c…切替用流路、42…把手、44…チェック弁、46…係合凹部、47…係合凸部、48…固定部材、49…ネジ51a〜51d…貫通孔、52…流入側接続管、53…排出側接続管、54…キャップ、55…挿入孔。
【技術分野】
【0001】
本発明は、摺動体を移動させることで流体を制御する切替弁と、切替弁を備えたポンプシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、流体が流れる配管において取り付けられ、摺動体を移動させることで流体を停止させたり、流量を変化させたりすることができる切替弁が存在する。特許文献1には、摺動体の移動量により、流量を変化させることができる切替弁としてのスライドバルブが記載されている。また、特許文献2には、摺動体を回転移動させる際の移動量(回転量)により、流量を変化させることができる切替弁としてのロータリーバルブが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭61−55556号公報
【特許文献2】実開昭64−25575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、切替弁は、基本的に、流体の遮断や通過を許可する機能しか有していない。また、特許文献1,2のように摺動体の移動量を調整することにより、流量を調整することも可能であるが、移動量と流量の関係を調べるのに手間がかかり、流量を任意に制御することも難しかった。また、一方向のみ流れることを許可する、流体を構成する要素の一部だけの通過を許可する(フィルタリングする)など、流体の流れの細かい制御を行うことはできなかった。
【0005】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、簡単に流体の流れを細かく制御できる切替弁と、切替弁を備えたポンプシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、流体が流れる全体流路に配置される切替弁において、全体流路の一部を構成する切替用流路が複数設けられ、全体流路に対して移動可能な摺動体を備え、前記摺動体は、移動されると、全体流路の一部を構成する切替用流路として、当該摺動体に設けられた切替用流路が異なる切替用流路に切替えられるように構成されており、前記摺動体の各切替用流路内には、それぞれ異なる機能を有する流路制御部材が設けられていることを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記摺動体は、全体流路の一部を構成する切替用流路以外の切替用流路及び当該切替用流路に設けられた流路制御部材を全体流路の外部に露出するように構成されていると共に、外部に露出された流路制御部材は、交換可能に構成されていることを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記流路制御部材は、予め決められた方向にのみ流体を流すことを許可するチェック弁であることを要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記流路制御部材は、予め決められた大きさ以下の粒子を有する流体が流れることを許可するフィルタであることを要旨とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記流路制御部材は、予め決められた流量以下の流体を流すことを許可する固定オリフィスであることを要旨とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の発明において、全体流路に流れる流体は、容積ポンプにより移送されるように構成されていることを要旨とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の発明において、全体流路に流れる流体は、容積ポンプにより移送されるように構成されており、前記摺動体に設けられた複数の切替用流路のうち1つは、容積ポンプへ流体が流入する流入路の一部を構成すると共に、前記摺動体に設けられた複数の切替用流路のうち1つは、容積ポンプから流体が排出される排出路の一部を構成し、前記摺動体は、移動された場合、流入路の一部を構成する切替用流路及び排出路の一部を構成する切替用流路をそれぞれ同時に切替えることを要旨とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の発明において、全体流路に流れる流体は、容積ポンプにより移送されるように構成されており、前記摺動体に設けられた複数の切替用流路のうち1つは、容積ポンプへ流体が流入する流入路の一部を構成すると共に、前記摺動体に設けられた複数の切替用流路のうち1つは、容積ポンプから流体が排出される排出路の一部を構成し、前記流入路又は前記排出路のいずれかに、予め決められた大きさ以下の粒子を有する流体が流れることを許可するフィルタが取り付けられており、前記流入路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプへ流体が流入することを許可するチェック弁が流路制御部材として取り付けられている一方、前記排出路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプから流体が排出されることを許可するチェック弁が流路制御部材として取り付けられており、前記摺動体は、移動された場合、流入路の一部を構成する切替用流路及び排出路の一部を構成する切替用流路をそれぞれ同時に切替えると共に、切り替えられた際、流入路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプから流体が排出されることを許可するチェック弁が流路制御部材として取り付けられている一方、排出路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプへ流体が流入することを許可するチェック弁が流路制御部材として取り付けられていることを要旨とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、流体が流れる全体流路と、全体流路の一部を構成する切替用流路を切替える切替弁と、全体流路に流れる流体を移送する容積ポンプと、全体流路のいずれかに、予め決められた大きさ以下の粒子を有する流体が流れることを許可するフィルタと、を備えたポンプシステムにおいて、前記切替弁には、全体流路の一部を構成する切替用流路が複数設けられ、全体流路に対して移動可能な摺動体が備えられ、前記摺動体に設けられた複数の切替用流路のうち1つは、容積ポンプへ流体が流入する流入路の一部を構成すると共に、前記摺動体に設けられた複数の切替用流路のうち1つは、容積ポンプから流体が排出される排出路の一部を構成し、前記流入路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプへ流体が流入することを許可するチェック弁が取り付けられている一方、前記排出路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプから流体が排出されることを許可するチェック弁が取り付けられており、前記摺動体は、移動された場合、流入路の一部を構成する切替用流路及び排出路の一部を構成する切替用流路をそれぞれ同時に他の切替用流路に切替えると共に、切り替えられた際、流入路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプから流体が排出されることを許可するチェック弁が流路制御部材として取り付けられている一方、排出路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプへ流体が流入することを許可するチェック弁が流路制御部材として取り付けられていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、簡単に流体の流れを細かく制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(a)は、ポンプシステムのブロック図、(b)は、ロータリーバルブのブロック図、(c)は、ロータリーバルブのブロック図。
【図2】容積ポンプの斜視図。
【図3】A−A線断面図。
【図4】B−B線断面図。
【図5】ロータリーバルブの分解斜視図。
【図6】(a)は、通常状態における容積ポンプの上面図、(b)は、通常状態におけるA−A線断面図、(c)は、通常状態におけるB−B線断面図。
【図7】(a)は、逆洗時における容積ポンプの上面図、(b)は、逆洗時におけるA−A線断面図、(c)は、逆洗時におけるB−B線断面図。
【図8】(a)は、交換時における容積ポンプの上面図、(b)は、交換時におけるA−A線断面図、(c)は、交換時におけるB−B線断面図。
【図9】従来におけるポンプシステムの一例を示すブロック図。
【図10】従来におけるポンプシステムの一例を示すブロック図。
【図11】従来におけるポンプシステムの一例を示すブロック図。
【図12】(a)及び(b)は、別例のロータリーバルブのブロック図。
【図13】(a)〜(c)は、別例のロータリーバルブのブロック図。
【図14】別例のロータリーバルブの分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を切替弁の一種であるロータリーバルブに具体化した一実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。
図1(a)に略示されたポンプシステム10は、通常時において、不純物が含まれる(多い)ダーティ液が集められる第1プール11からの流体が流入する管状の流入路12と、流路の流体を移送させる容積ポンプ13と、不純物が含まれていない(少ない)クリーン液を外部の第2プール14に排出するための管状の排出路15を備えている。ポンプシステム10は、閉回路となっており、ポンプシステム10(流路)内に流れる流体は、大気と接触しないようになっている。流入路12の途中には、予め決められた大きさ以下の粒子を有する流体が流れることを許可するサクションフィルタ16が取り付けられている。これにより、第1プール11から流入した流体に含まれる予め決められた大きさより大きな粒子は、流入路12を流れて容積ポンプ13にたどり着くまでに濾過される。すなわち、ダーティ液が濾過されて、クリーン液となるようになっている。
【0018】
次に容積ポンプ13について図2〜図4に基づき詳しく説明する。
図2に示すように、容積ポンプ13は、ベローズ式の容積ポンプ13であり、容量が変化する蛇腹形状のベローズ(伸縮管)21を備えている。このベローズ21は、一方の端部のみが開放している。そして、このベローズ21は、容積ポンプ13に備えられているインダクションモータ22等の動力源から加えられる駆動力によって、駆動(伸縮運動)するようになっている。つまり、駆動力が加えられることにより、ベローズ21内の容量が変化して、流体の流入(吸入)及び排出が行われる。なお、インダクションモータ22には、減速機23が設けられており、駆動力は減速機23により調整されるようになっている。
【0019】
そして、ベローズ21の入口には、切替弁としてのロータリーバルブ24が取り付けられている。このロータリーバルブ24は、図3及び図4に示すように、ベローズ21の開放口21aに取り付けられる基部31と、基部31に対して回転可能に固定される摺動体32と、摺動体32を基部31に固定すると共に、流入路12及び排出路15と接続される接続部33を備えている。
【0020】
前記基部31は、図3及び図4に示すように、ベローズ21の開放口21aを塞ぐため、一方が開放された有底筒状に形成されている。そして、基部31は、底部31aによってベローズ21の開放口21aを防ぐように(すなわち、図3及び図4において底部31aが上とする一方、開口部31bを下(ベローズ21側)となるようにして)ベローズ21に対して固定されている。なお、基部31の開口部31bの内径は、図3に示すように、ベローズ21の開放口21aの外径よりも大きく形成されている。
【0021】
そして、図3において基部31の上部(底部31a)には、基部31がベローズ21に取り付けられたときにベローズ21の開放口21aと連通するように、連通孔34a,34bが2つ貫通形成されている。すなわち、基部31がベローズ21に取り付けられたとき、ベローズ21の内部と連通する連通孔34a,34bが2つ形成されている。また、図5に示すように、基部31の底部31aには、接続部33を基部31に対して固定させるための固定軸35が同一線上に並ばないように立設されている。当該固定軸35の上部には、ネジ(雄ねじ)を螺合させるためのネジ孔(雌ねじ)36が図5において上下方向(ベローズ21の伸縮方向)に沿って設けられている。なお、固定軸35は、ベローズ21の反対側の面に設けられている。
【0022】
そして、基部31の固定軸35の1つには、円柱形状に形成された摺動体32が回転可能に固定されるようになっている。より詳しく説明すると、固定軸35のうち1つは、摺動体32が回転可能に固定される回転軸35aとなる一方、固定軸35のうち回転軸35aとなる固定軸35をのぞく2つの固定軸35b,35cは、摺動体32と干渉しない位置に設けられている。つまり、固定軸35のうち1つは、摺動体32の回転軸35aとして兼用されている。そして、この回転軸35aが摺動体32の中心(円の中心)に上下方向に沿って貫通形成された取付孔32aに挿入されることにより、摺動体32が回転可能に固定される。また、回転軸35aから、他の固定軸35b,35cまでの距離は、摺動体32の半径よりもそれぞれ大きくなるように配置されている。換言すると、摺動体32の半径は、回転軸35aから他の固定軸35b、35cまでの距離よりもそれぞれ小さくなるように形成される。また、回転軸35aは、他の固定軸35b、35cより、基部31の略中心部に設けられている。
【0023】
また、この摺動体32には、複数の切替用流路(本実施形態には4つ)41a〜41dが設けられている。切替用流路41a〜41dは、基部31に形成された連通孔34a,34bの形成方向と同じ方向に沿って(本実施形態では上下方向に沿って)貫通形成されている。そして、切替用流路41a〜41dから回転軸35aまでの距離と、連通孔34a,34bから回転軸35aまでの距離が一致するように形成されている。
【0024】
また、予め決められた位置に摺動体32を回転させると、図3に示すように、切替用流路41a〜41dのいずれかが連通孔34a,34bの位置と一致し、連通孔34a,34bと連通するように摺動体32は構成されている。すなわち、予め決められた位置に摺動体32を回転させると、切替用流路41a〜41dは、連通孔34a,34bを介してベローズ21の内部と連通可能となっている。
【0025】
具体的に説明すると、基部31に設けられた連通孔34a,34bは、回転軸35aを中心として対称となるように形成されている。すなわち、回転軸35aを中心として180度反対側に位置するように一対の連通孔34a,34bが設けられている。なお、回転軸35aから連通孔34a,34bまでの距離はそれぞれ同一となっている。その一方で、切替用流路41a〜41dも回転軸35a(すなわち、回転軸35aが挿入される取付孔32a)を中心として対称となるように形成されている。すなわち、回転軸35aを中心として90度間隔で4つの切替用流路41a〜41dが設けられている。なお、回転軸35aから切替用流路41a〜41dまでの距離はそれぞれ同一となっている。このため、予め決められた位置に摺動体32を回転させると、切替用流路41a〜41dのいずれかのうち2つが2つの連通孔34a,34bの位置とそれぞれ一致し、連通孔34a,34bとそれぞれ連通することとなっている。より具体的には、回転軸35aを中心として、180度対称の位置にある2つの切替用流路41a,41c(又は切替用流路41b,41d)が、基部31に設けられた2つの連通孔34a,34bとそれぞれ連通するように構成されている。
【0026】
以上のように、基部31に設けられた連通孔34a,34b間の距離及び回転軸35aを中心とする角度と、対となる切替用流路41a〜41d間の距離及び回転軸35aを中心とする角度を一致させるようにした。なお、対となる切替用流路41a〜41dとは、予め決められた位置に摺動体32を配置させたとき、連通孔34aと一致する(連通する)切替用流路41a〜41dと、連通孔34bと一致する(連通する)切替用流路41a〜41dのことである。本実施形態では、切替用流路41aと切替用流路41c、又は切替用流路41bと切替用流路41dのことである。
【0027】
また、図5に示すように、この摺動体32の外側面には、回転軸35a(すなわち、回転軸35aが挿入される取付孔32a)を中心として摺動体32を回転移動させる把手(取っ手)42が取り付けられている。この把手42を移動させることにより、摺動体32は、基部31に対して摺動しながら回転移動するようになっている。なお、本実施形態では、摺動体32を少なくとも180度以上回転させることができるように、固定軸35b、35cが把手42と干渉しないように設けられている。
【0028】
そして、摺動体32は、基部31と密接するように基部31と接する面が平面に形成されている。また、基部31の摺動体32と接する面は、同様に平面に形成されていると共に、基部31の上面において、連通孔34a,34bの外周に沿って、連通孔34a,34bの外周を囲むように、ゴムで形成された環状のシール部材37が取り付けられている。このため、摺動体32が基部31に取り付けられた際、摺動体32と基部31は密接するようになる。
【0029】
このように、連通孔34a,34bの外周に沿って、シール部材37が取り付けられていると共に、摺動体32と基部31は密接するように構成されているため、連通孔34a,34bの位置に、対となる切替用流路41a〜41dを一致させた際、基部31と摺動体32の間から、流体が漏れることも防止できるようになっている。すなわち、連通孔34a,34bの位置に、対となる切替用流路41a〜41dの位置を一致させた際、連通孔34a,34bと対となる切替用流路41a〜41dを連通させることができる。これにより、予め決められた位置に摺動体32を回転させると、対となる切替用流路41a〜41dは、連通孔34a,34bを介してベローズ21の内部と連通可能となっている。
【0030】
そして、切替用流路41a〜41dには、それぞれ先端部43が開口した中空部を有するダックビル形状の流路制御部材としてのチェック弁(逆止弁)44が取り付けられている。このチェック弁44は、ひとつの部品で構成されている。また、チェック弁44は、その側面において、2つの面が形成され、当該2つの面が先端において交わるように(先端が細くなるように)構成されており、当該先端が開口した形状となっている。したがって、チェック弁44は、先端方向から圧力を受けた場合(先端方向からの圧力の方が後端方向からの圧力よりも強かった場合)、2つの面部分にかかる押しつけ力により、逆止性能を発揮するようになっている。
【0031】
すなわち、予め決められた方向(先端に向かう方向、順方向)にのみ流体の通過を許可するように構成されている。つまり、チェック弁44は、順方向の差圧下では流体を自由に流す一方、逆方向の差圧下では流体の流入を抑制するようになっている。これにより、チェック弁44は、順方向では、先端に設けられた口が開いて、流体の流れを許可する。一方、逆方向に流れる場合、チェック弁44は横方向において平面部分が押しつけられ、口が閉じてシールされ、流体の流れを抑制するようになっている。
【0032】
そして、本実施形態では、図1及び図5に示すように、回転軸35aを中心として、180度反対側に位置する切替用流路41a〜41dに取り付けられるチェック弁44の向きと反対となるようにチェック弁44が切替用流路41a〜41dに取り付けられている。つまり、対となる切替用流路41a〜41dには、順方向のチェック弁44と、逆方向のチェック弁44がペアで取り付けられている。つまり、切替用流路41a〜41dが連通孔34a,34bと連通する際には、何れか一方が順方向となり、他方が逆方向となるように取り付けられている。
【0033】
本実施形態では、回転軸35aを中心として周方向において両隣のチェック弁44のうち一方と同じ向きに取り付けられ、他方と異なる向きとなるように取り付けられている。具体的には、切替用流路41aに取り付けられたチェック弁44の先端(順方向)の向きがベローズ21側(下側)である場合、回転軸35aを中心として反時計回りとなるときに隣に位置する切替用流路41bには、切替用流路41aに取り付けられたチェック弁44の向きと同方向となるように、チェック弁44が取り付けられている。すなわち、切替用流路41bに取り付けられるチェック弁44の順方向の向きは、ベローズ21側(下側)となる。
【0034】
そして、回転軸35aを中心として反時計回りとなるときに切替用流路41bの隣に位置する切替用流路41cには、切替用流路41bに取り付けられたチェック弁44の向きと反対方向となるように、チェック弁44が取り付けられている。すなわち、切替用流路41cに取り付けられるチェック弁44の順方向の向きは、ベローズ21とは反対側(上側)となる。
【0035】
そして、回転軸35aを中心として反時計回りとなるときに切替用流路41cの隣に位置する切替用流路41dには、切替用流路41cに取り付けられたチェック弁44の向きと同方向となるように、チェック弁44が取り付けられている。すなわち、切替用流路41cに取り付けられるチェック弁44の順方向の向きは、ベローズ21とは反対側(上側)となる。なお、図1では、流入路12又は排出路15に接続される流路を実線で示す一方、ベローズ21側に接続される流路を破線で示している。
【0036】
また、チェック弁44の先端(順方向)が下方向(基部31側)となる切替用流路41a,41bの径は、チェック弁44の下部の周縁に設けられた係合凸部47の径よりも小さく形成されている。そして、摺動体32の上面において、切替用流路41a,41bの外周には、図4に示すように、係合凹部46が設けられており、切替用流路41a,41bに挿入されるチェック弁44の係合凸部47と係合するようになっている。従って、切替用流路41a,41bに挿入されたチェック弁44は、摺動体32の上方から着脱することができるようになっている。
【0037】
また、切替用流路41c,41dの先端(順方向)が上方向(接続部33側)となる切替用流路41c,41dの径は、チェック弁44の周縁に設けられた係合凸部47の径とほぼ同じに(より詳しくは僅かに大きく)形成されている。これにより、チェック弁44の係合凸部47は、切替用流路41c、41dと係合することがなくなり、チェック弁44は、切替用流路41c,41dの下端まで挿入される。また、切替用流路41c,41dには、切替用流路41c,41dに挿入されたチェック弁44の上から筒状に形成された固定部材48が挿入される。この固定部材48の外径は、切替用流路41c,41dの内径とほぼ同じに形成されており、且つ、固定部材48の下端と、チェック弁44の係合凸部47と係合するように、固定部材48の内径が形成されている。つまり、チェック弁44の係合凸部47以外は、固定部材48の内部に収容されるように構成されている。また、切替用流路41c、41dの高さ(上下方向の高さ)は、固定部材48の高さと係合凸部47の厚みを合わせた値とほぼ同じとなっている。これにより、固定部材48は、図3及び図4に示すように、チェック弁44の係合凸部47を基部31と挟み込むようにして、チェック弁44を固定するようになっている。従って、切替用流路41c,41dに挿入されたチェック弁44は、固定部材48と共に、摺動体32の上方から着脱することができるようになっている。以上のことから、どのような向きでチェック弁44が取り付けられたとしても、容積ポンプ13の上方からチェック弁44を着脱することが可能となっている。
【0038】
そして、摺動体32が回転可能に固定された上方(基部31と接する面の反対側)から、接続部33が基部31に取り付けられる。そして、固定軸35に形成されたネジ孔36に対してそれぞれネジ49を螺合することにより、摺動体32を挟み込むようにして接続部33は、基部31に対して固定される。また、接続部33の下面(摺動体32と接触する面)は、平面に形成されている。そして、摺動体32の上面(接続部33と接する面)において、切替用流路41a〜41dの外周に沿って、切替用流路41a〜41dの外周を囲むように、ゴムにより環状に形成されたシール部材50が設置される。このため、接続部33を基部31に固定した際、摺動体32と接続部33は密着し、摺動体32と接続部33の間から流体が流れでないようにシールされることとなる。
【0039】
また、接続部33には、上下方向(つまり、切替用流路41a〜41dの形成方向と同方向)に貫通される貫通孔51a〜51dが4つ形成されている。貫通孔51a〜51dは、回転軸35a(回転軸35aが挿入される挿入孔55)を中心として、等間隔に形成されている。すなわち、貫通孔51a〜51dは、回転軸35aを中心として90度間隔で形成されている。また、貫通孔51a〜51dは、回転軸35aからの距離が等間隔となるように形成されている。以上により、貫通孔51a〜51dは、全ての切替用流路41a〜41dとそれぞれ位置が一致する(連通する)ように配置されている。
【0040】
そして、接続部33が基部31に固定された際、貫通孔51a〜51dのうち2つの貫通孔51a,51cは、図3に示すように、基部31に形成された連通孔34a,34bと位置がそれぞれ一致するように配置されている。そして、基部31に形成された連通孔34aと位置が一致する接続部33の貫通孔51aには、流入路12と連通するための流入側接続管52が取り付けられている。また、基部31に形成された連通孔34bと位置が一致する接続部33の貫通孔51cには、排出路15と連通するための排出側接続管53が取り付けられている。
【0041】
このため、切替用流路41a〜41dを接続部33に設けられた貫通孔51a〜51dの位置と一致させた場合、流入側接続管52が取り付けられている貫通孔51aの位置に配置された切替用流路41a〜41dは、流入路12の一部となる。これにより、流入路12は、基部31の連通孔34aを介してベローズ21の内部と連通する。また、排出側接続管53が取り付けられている貫通孔51cの位置に配置された切替用流路41a〜41dは、排出路15の一部となる。これにより、排出路15は、基部31の連通孔34bを介してベローズ21の内部と連通する。
【0042】
一方、接続部33が基部31に固定された際、貫通孔51a〜51dのうち2つの貫通孔51b,51dの上部には、貫通孔51b,51dを塞ぐためのキャップ54が取り付けられている。このキャップ54は、上方から取り外し可能に構成されている。このため、切替用流路41a〜41dを接続部33に設けられた貫通孔51a〜51dの位置と一致させた場合、流入側接続管52及び排出側接続管53が取り付けられていない貫通孔51b,51dの位置に配置された切替用流路41a〜41dは、キャップ54を取り外すことにより、外部に露出することとなる。つまり、切替用流路41a〜41dは、流入側接続管52及び排出側接続管53が取り付けられていない貫通孔51b,51dの位置に配置された場合、流入路12又は排出路15の一部として構成されず、流路及び容積ポンプ13の外部に露出可能に構成されている。
【0043】
次に、通常状態におけるポンプシステム10の動作について説明する。なお、通常状態では、図1(a)及び図6に示すように、順方向がベローズ21の内側(下側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路41aが流入路12の一部(すなわち、流入側接続管52、貫通孔51a、及び連通孔34aに連通している)となっている。また、通常状態では、図6に示すように、順方向がベローズ21とは反対側(上側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路41cが排出路15の一部(すなわち、排出側接続管53、貫通孔51c、及び連通孔34bに連通している)となっている。
【0044】
インダクションモータ22が駆動を開始し、ベローズ21が伸びると、ベローズ21の容積が大きくなる。このとき、流入路12の一部となっている切替用流路41aには、順方向がベローズ21の内側となっているチェック弁44が装着されている一方、排出路15の一部となっている切替用流路41cには、順方向がベローズ21の外側となっているチェック弁44が装着されている。このため、ロータリーバルブ24は、第2プール14からの流体の流入を規制する一方、第1プール11からの流体の流入を許可することとなる。すなわち、ベローズ21内に第1プール11からの流体が流入することとなる。なお、流入路12を介して流体を第1プール11からベローズ21内に流入させるときには、当該流体はサクションフィルタ16により不純物が濾過されてクリーン液となっていることとなる。
【0045】
そして、インダクションモータ22の駆動力により、ベローズ21が縮むと、ベローズ21の容積が小さくなる。このとき、流入路12の一部となっている切替用流路41aには、順方向がベローズ21の内側となっているチェック弁44が装着されている一方、排出路15の一部となっている切替用流路41cには、順方向がベローズ21の外側となっているチェック弁44が装着されている。このため、ロータリーバルブ24は、第2プール14への流体の排出を許可する一方、第1プール11への流体の排出を抑制することとなる。すなわち、ベローズ21内の流体が第2プール14へ排出されることとなる。これにより、第1プール11のダーティ液が濾過されて、クリーン液となり、第2プール14に排出されることとなる。
【0046】
ところで、このように、ダーティ液を容積ポンプ13にて移送させてサクションフィルタ16により濾過した場合、徐々にフィルタに不純物が溜まる。不純物が溜まると、流れる流体の量が経る、又は容積ポンプ13の流入圧を上げなくてはならなくなり、濾過の効率が悪くなる。このため、定期的に、ポンプシステム10における流体の流れを逆転させることにより、サクションフィルタ16を逆洗する必要がある。
【0047】
ここで、サクションフィルタ16の逆洗方法について説明する。
まず、摺動体32に設けられた把手42を利用して、図1(b)及び図7(a)に示すように、通常状態から摺動体32を反時計回りに90度回転させる。なお、90度回転させたこの状態を以後、逆洗状態と示す。これにより、図7(b),図7(c)に示すように、順方向がベローズ21の外側(上側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路41dが流入路12の一部(すなわち、流入側接続管52、貫通孔51a、及び連通孔34aに連通している)となっている。また、逆洗状態において、順方向がベローズ21の内側(下側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路41bが排出路15の一部(すなわち、排出側接続管53、貫通孔51c、及び連通孔34bに連通している)となっている。
【0048】
この逆洗状態で、インダクションモータ22が駆動を開始し、ベローズ21が伸びると、ベローズ21の容積が大きくなる。このとき、流入路12の一部となっている切替用流路41dには、順方向がベローズ21の外側となっているチェック弁44が装着されている一方、排出路15の一部となっている切替用流路41bには、順方向がベローズ21の内側となっているチェック弁44が装着されている。このため、ロータリーバルブ24は、第1プール11からの流体の流入を規制する一方、第2プール14からの流体の流入を許可することとなる。すなわち、ベローズ21内に第2プール14からの流体が流入することとなる。なお、逆洗状態において、第2プール14には、サクションフィルタ16を逆洗するための流体(洗浄液やクリーン液など)が収容されていることとする。
【0049】
そして、インダクションモータ22の駆動力により、ベローズ21が縮むと、ベローズ21の容積が小さくなる。このとき、流入路12の一部となっている切替用流路41dには、順方向がベローズ21の外側となっているチェック弁44が装着されている一方、排出路15の一部となっている切替用流路41bには、順方向がベローズ21の内側となっているチェック弁44が装着されている。このため、ロータリーバルブ24は、第1プール11への流体の排出を許可する一方、第2プール14への流体の排出を抑制することとなる。すなわち、ベローズ21内の流体が流入路12を通過して、第1プール11へ排出されることとなる。このとき、流体は、容積ポンプ13側から第1プール11側へ逆流する。そして、この際、サクションフィルタ16に溜まっている不純物も流体の通過により洗い流され、掃除されることとなる。
【0050】
以上のように、チェック弁44を取り替えることなく、摺動体32を回転させれば、チェック弁44の方向を変更することができる。従って、ポンプシステム10を停止させて、分解することなく、ロータリーバルブ24によって簡単にチェック弁44の方向を変換することができ、逆洗の手間を少なくすることができる。
【0051】
また、以上のように、ダーティ液を容積ポンプ13にて移送させてサクションフィルタ16により濾過した場合、サクションフィルタ16によって不純物を濾過したと言っても、長期間使用すれば、サクションフィルタ16により取りきれなかった汚れが、流体の流れを抑制するチェック弁44に溜まってくる。チェック弁44に汚れが溜まると、流れる流体の量が経る、又は容積ポンプ13の流入圧を上げなくてはならなくなり、濾過の効率が悪くなる虞がある。そこで、定期的に、チェック弁44を取り替える必要がある。
【0052】
次に、チェック弁44の取り替え方法について説明する。
まず、摺動体32に設けられた把手42を利用して、図1(c)及び図8(a)に示すように、通常状態から摺動体32を時計回りに90度回転させる。なお、90度回転させたこの状態を以後、交換状態と示す。これにより、図8(b),図8(c)に示すように、順方向がベローズ21の内側(下側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路41bが流入路12の一部(すなわち、流入側接続管52、貫通孔51a、及び連通孔34aに連通している)となっている。また、交換状態において、順方向がベローズ21の外側(上側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路41dが排出路15の一部(すなわち、排出側接続管53、貫通孔51c、及び連通孔34bに連通している)となっている。
【0053】
この交換状態では、チェック弁44の向きは、通常状態と同じである。このため、通常状態と同様に、第1プール11のダーティ液が濾過されて、クリーン液となり、第2プール14に排出されることとなる。
【0054】
一方、交換状態では、図8(c)に示すように、切替用流路41aは、接続部33の貫通孔51bと連通する。この状態において、キャップ54を外すと、切替用流路41aに装着されたチェック弁44は外部に露出することとなる。このため、作業者は、上方からチェック弁44を取り外し、その後、洗浄したチェック弁44を取り付けることができる。
【0055】
同様に、交換状態では、図8(c)に示すように、切替用流路41cは、接続部33の貫通孔51cと連通する。この状態において、キャップ54を外すと、切替用流路41cに装着されたチェック弁44は外部に露出することとなる。このため、作業者は、上方からチェック弁44を取り外し、その後、洗浄したチェック弁44を取り付けることができる。
【0056】
そして、チェック弁44を交換した後、摺動体32を回転させることにより、通常状態に戻すことができる。以上のように、交換状態では、流体を濾過しつつ、チェック弁44を交換することができるようになっている。このため、チェック弁44の交換のため、流体の濾過作業を中断することが無く、作業の効率を向上することができる。
【0057】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)ロータリーバルブ24には、複数の切替用流路41a〜41dが設けられた摺動体が回転可能に設けられている。そして、把手42を使って、摺動体32を回転移動させることにより、切替用流路41a〜41dを任意に流入路12又排出路15の一部に変更することができる。そして、この切替用流路41a〜41dにはそれぞれチェック弁44が装着されているため、摺動体32を回転移動させることにより、チェック弁44の方向(流体の流れを許可する方向)を簡単に切替えることができる。従って、ロータリーバルブ24を利用して、切替用流路41a〜41dを切替えることにより、切替用流路41a〜41d内に収容されているチェック弁44を簡単に切替えることができ、流体を簡単に制御できる。つまり、流体の流れ方向を簡単に変えることができる。
【0058】
(2)流入路12又は排出路15の一部を構成していない貫通孔51b、51dと連通する切替用流路41a〜41dに取り付けられているチェック弁44は、キャップ54を取り外すことにより外部に露出させることができる。そして、外部に露出するように切り替えることにより、チェック弁44を取り替えることができるようになっている。また、交換する際、チェック弁44の順方向(流体の流れを許可する方向)を異なる方向(もしくは同じ方向)にすることができる。また、摺動体32を移動させて、切替用流路41a〜41dを貫通孔51b、51dに位置(連通)させることにより露出させる際には、他の切替用流路41a〜41dが流入路12及び排出路15の一部として構成される。このため、チェック弁の交換や清掃、点検などのメンテナンス時に流体の流れ(システム)を停止させることがないので生産性を向上させることができる。また、ポンプシステム10の分解などの必要がなくなり、チェック弁44を簡単に取り外せるためメンテナンス作業時間を短縮できる。
【0059】
(3)摺動体32に設けられた対となる切替用流路41a〜41dは、連通孔34a、34bと同時に一致させることができるようになっている。そして、連通孔34a,34bと一致した対となる切替用流路41a〜41dは、それぞれ流入路12又は排出路15の一部を構成することとなる。これにより、摺動体32を移動させるだけで、流入路12の一部となる切替用流路41a〜41dと排出路15の一部となる切替用流路41a〜41dを同時に切替えることができる。このため、一つずつ切替える場合よりも切替える際の手間を省くことができる。また、流入路12の一部となる切替用流路41a〜41dと排出路15の一部となる切替用流路41a〜41dを同時に切替えることができる。このため、流入路12の一部を構成する切替用流路41a〜41dに設置されるチェック弁44と、排出路15の一部を構成する切替用流路41a〜41dに設置されているチェック弁44の順方向を同時に変更することもできる。これにより、容積ポンプ13をほとんど停止させることなく、サクションフィルタ16を逆洗できる。また、チェック弁44の順方向を変更することなく、流入路12の一部を構成する切替用流路41a〜41dに設置されるチェック弁44と、排出路15の一部を構成する切替用流路41a〜41dに設置されるチェック弁44を同時に変更することもできる。これにより、容積ポンプ13をほとんど停止させることなく、チェック弁44を外部に露出させて交換することができる。従って、効率的に作業を行うことができる。
【0060】
(4)ところで、従来において、図9に示すようなポンプシステム100が知られていた。詳しく説明すると、図9に示すようなポンプシステム100は、通常時において、不純物が含まれる(多い)ダーティ液が集められる第1プール101からの流体が流入する管状の流入路102を備えている。また、ポンプシステム100は、流路の流体を移送させる容積ポンプ103と、不純物が含まれていない(少ない)クリーン液を外部の第2プール104に排出するための管状の排出路105を備えている。流入路102の途中には、予め決められた大きさ以下の粒子を有する流体が流れることを許可するサクションフィルタ106が取り付けられている。これにより、第1プール101から流入した流体に含まれる予め決められた大きさより大きな粒子は、流入路102を流れて容積ポンプ103にたどり着くまでに濾過される。また、容積ポンプ103の入口(ダーティ液側の流入口)には、容積ポンプ103の外部から内部への流体の通過を許可するチェック弁107が取り付けられている。同様に、容積ポンプ103の出口(クリーン液側の流出口)には、容積ポンプ103の内部から外部への流体の通過を許可するチェック弁108が取り付けられている。このため、従来のポンプシステム100でサクションフィルタ106を逆洗浄する場合には、ポンプシステム100を停止させて、チェック弁107及びチェック弁108の方向を入れ替えるという手間が掛かっていた。また、チェック弁107及びチェック弁108を交換する際にもポンプシステム100を停止させる必要があり、手間が掛かっていた。そこで本実施形態のようなポンプシステム10を採用することにより、チェック弁44の交換が容易となり、また、サクションフィルタ106の逆洗浄も簡単に行うことができるようになった。
【0061】
(5)また、従来において、図10に示すようなポンプシステム200が知られていた。詳しく説明すると、図10に示すようなポンプシステム200は、通常時において、不純物が含まれる(多い)ダーティ液が集められる第1プール201からの流体が流入する管状の流入路202と、流路の流体を移送させる容積ポンプ203を備えている。また、ポンプシステム200は、不純物が含まれていない(少ない)クリーン液を外部の第2プール204に排出するための管状の排出路205を備えている。流入路202の途中には、予め決められた大きさ以下の粒子を有する流体が流れることを許可するサクションフィルタ206が取り付けられている。これにより、第1プール201から流入した流体に含まれる予め決められた大きさより大きな粒子は、流入路202を流れて容積ポンプ203にたどり着くまでに濾過される。また、容積ポンプ203の入口(ダーティ液側の流入口)には、容積ポンプ203の外部から内部への流体の通過を許可するチェック弁207が取り付けられている。同様に、容積ポンプ203の出口(クリーン液側の流出口)には、容積ポンプ203の内部から外部への流体の通過を許可するチェック弁208が取り付けられている。
【0062】
そして、このポンプシステム200には、逆洗浄用の配管及び切替弁が設けられている。詳しく説明すると、流入路202の途中には、流入路側切替弁209が設けられている。この流入路側切替弁209の一方の切替先は、容積ポンプ203の入口と接続されている配管と繋がっている一方で、他方の切替先は、容積ポンプ203の出口と接続されている配管と繋がっている。そして、流入路側切替弁209は、流入路202を、容積ポンプ203の入口又は出口のいずれかに接続するように配管を切替えることができるようになっている。また、排出路205の途中には、排出路側切替弁210が設けられている。この排出路側切替弁210の一方の切替先は、容積ポンプ203の入口と接続されている配管と繋がっている一方で、他方の切替先は、容積ポンプ203の出口と接続されている配管と繋がっている。そして、排出路側切替弁210は、排出路205を、容積ポンプ203の入口又は出口のいずれかに接続するように配管を切替えることができるようになっている。なお、通常使用時(ダーティ液を濾過するとき)には、流入路側切替弁209は、流入路202を容積ポンプ203の入口と接続するように切替えられており、排出路側切替弁210は、排出路205を容積ポンプ203の出口と接続するように切替えられている。
【0063】
このようなポンプシステム200でサクションフィルタ206を逆洗浄する場合には、ポンプシステム200を停止させることなく、流入路側切替弁209及び排出路側切替弁210をそれぞれ切替えればよくなっている。つまり、流入路側切替弁209は、流入路202を容積ポンプ203の出口と接続するように切替えられ、排出路側切替弁210は、排出路205を容積ポンプ203の入口と接続するように切替えられる。しかしながら、このようなポンプシステム200では、配管及び切替弁が増えてしまうという問題点があった。さらには、このようなポンプシステム200では、チェック弁207及びチェック弁208を交換する際には、ポンプシステム200を停止させる必要があり、手間が掛かっていた。そこで本実施形態のようなポンプシステム10を採用することにより、チェック弁の交換が容易とすることができた。また、逆洗浄を行うための配管及び切替弁を少なくすることができる。従って、ポンプシステム10を小型化することができ、コストを低減することができる。
【0064】
(6)また、従来において、図11に示すようなポンプシステム300が知られていた。詳しく説明すると、図11に示すようなポンプシステム300は、通常時において、不純物が含まれる(多い)ダーティ液が集められる第1プール301からの流体が流入する管状の流入路302と、流路の流体を移送させる容積ポンプ303を備えている。また、ポンプシステム300は、不純物が含まれていない(少ない)クリーン液を外部の第2プール304に排出するための管状の排出路305を備えている。流入路302の途中には、予め決められた大きさ以下の粒子を有する流体が流れることを許可するサクションフィルタが取り付けられている。これにより、第1プール301から流入した流体に含まれる予め決められた大きさより大きな粒子は、流入路302を流れて容積ポンプ303にたどり着くまでに濾過される。また、容積ポンプ303の入口(ダーティ液側の流入口)には、容積ポンプ303の外部から内部への流体の通過を許可するチェック弁307が取り付けられている。同様に、容積ポンプ303の出口(クリーン液側の流出口)には、容積ポンプ303の内部から外部への流体の通過を許可するチェック弁308が取り付けられている。
【0065】
そして、このポンプシステム300には、逆洗浄用のエアー発生装置、配管及び切替弁が設けられている。詳しく説明すると、流入路302の途中には、逆洗浄用切替弁309が設けられている。この逆洗浄用切替弁309の一方の切替先は、容積ポンプ303の入口と接続されている配管と繋がっている一方で、他方の切替先は、エアー発生装置310と接続されている配管と繋がっている。また、流入路302の途中には、逆洗浄時において、容積ポンプ303とサクションフィルタの接続を遮断するための、停止用切替弁311が設けられている。このようなポンプシステム300でサクションフィルタを逆洗浄する場合には、逆洗浄用切替弁309及び停止用切替弁311を切替えればよくなっている。つまり、逆洗浄用切替弁309は、流入路302をエアー発生装置310と接続するように切替えられる。
【0066】
また、このポンプシステム300には、チェック弁307,308を交換する際に使用される予備容積ポンプ312、配管及び切替弁が設けられている。詳しく説明すると、流入路302の途中には、流入路側切替弁313が設けられている。この流入路側切替弁313の一方の切替先は、容積ポンプ303の入口と接続されている配管と繋がっている一方で、他方の切替先は、予備容積ポンプ312の入口と接続されている配管と繋がっている。そして、流入路側切替弁313は、流入路302を、容積ポンプ303の入口又は予備容積ポンプ312の入口のいずれかに接続するように配管を切替えることができるようになっている。また、排出路305の途中には、排出路側切替弁314が設けられている。この排出路側切替弁314の一方の切替先は、容積ポンプ303の出口と接続されている配管と繋がっている一方で、他方の切替先は、予備容積ポンプ312の出口と接続されている配管と繋がっている。そして、排出路側切替弁314は、排出路305を、容積ポンプ303の出口又は予備容積ポンプ312の出口のいずれかに接続するように配管を切替えることができるようになっている。なお、通常使用時(ダーティ液を濾過するとき)には、流入路側切替弁313は、流入路302を容積ポンプ303の入口と接続するように切替えられており、排出路側切替弁314は、排出路305を容積ポンプ203の出口と接続するように切替えられている。
【0067】
このようなポンプシステム300でチェック弁307及びチェック弁308を交換する際には、流入路側切替弁313及び排出路側切替弁314をそれぞれ切替えて、予備容積ポンプ312に接続することとなる。つまり、交換時、流入路側切替弁313は、流入路302を予備容積ポンプ312の入口と接続するように切替えられており、排出路側切替弁314は、排出路305を予備容積ポンプ312の出口と接続するように切替えられている。これにより、容積ポンプ303は、使用されなくなり、ポンプシステムを停止させることなく、チェック弁307及びチェック弁308を交換、又は洗浄することができる。
【0068】
しかしながら、このようなポンプシステム300では、逆洗浄時及びチェック弁307,308を交換するために、システムにおける容積ポンプ、配管及び切替弁が増えてしまい、システムが複雑になるという問題点があった。そこで本実施形態のようなポンプシステム10を採用することにより、チェック弁の交換が容易とすることができた。また、逆洗浄及びチェック弁の交換を行うための配管及び切替弁を少なくすることができる。従って、ポンプシステム10を小型化することができ、コストを低減することができる。
【0069】
(第二実施形態)
次に、本発明を具体化した第二実施形態を説明する。なお、第一実施形態と同様の構成は、第一実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明及び図面は省略又は簡略する。
【0070】
本実施形態において、基部31に設けられた連通孔34a,34bは、回転軸35aを中心として120度(又は240度)離れた位置に設けられている。
そして、本実施形態の摺動体32には、3つの切替用流路141a〜141cが設けられている。そして、予め決められた位置に摺動体32を回転させると、切替用流路141a〜141cのいずれかが連通孔34a,34bの位置と一致し、連通孔34a,34bと連通するように摺動体32は構成されている。すなわち、予め決められた位置に摺動体32を回転させると、切替用流路141a〜141cは、連通孔34a,34bを介してベローズ21の内部と連通可能となっている。
【0071】
具体的に説明すると、切替用流路141a〜141cは、回転軸35a(すなわち、回転軸35aが挿入される取付孔32a)を中心として等角度離れて形成されている。すなわち、回転軸35aを中心として120度間隔で3つの切替用流路141a〜141cが設けられている。このため、予め決められた位置に摺動体32を回転させると、切替用流路141a〜141cのいずれかのうち2つが2つの連通孔34a,34bの位置とそれぞれ一致し、連通孔34a,34bとそれぞれ連通することとなっている。
【0072】
以上のように、基部31に設けられた連通孔34a,34b間の距離及び回転軸35aを中心とする角度と、対となる切替用流路141a〜141c間の距離及び回転軸35aを中心とする角度を一致させるようにした。なお、本実施形態において、対となる切替用流路141a〜141cとは、予め決められた位置に摺動体32を配置させたとき、連通孔34aと一致する(連通する)切替用流路141a〜141cと、連通孔34bと一致する(連通する)切替用流路141a〜141cのことである。本実施形態では、切替用流路141aと切替用流路141b、又は切替用流路141bと切替用流路141c、又は切替用流路141aと切替用流路141cのことである。
【0073】
そして、本実施形態では、図12に示すように、2つの切替用流路141a〜141cには、順方向がベローズ21の内側(下側)となるチェック弁44が取り付けられ、1つの切替用流路141a〜141cには、順方向がベローズ21の外側(上側)となるチェック弁44が取り付けられている。具体的には、切替用流路141aには、順方向がベローズ21の内側(下側)となるチェック弁44が取り付けられている。切替用流路141bには、順方向がベローズ21の内側(下側)となるチェック弁44が取り付けられている。切替用流路141cには、順方向がベローズ21の外側(上側)となるチェック弁44が取り付けられている。
【0074】
また、接続部33には、図示しないが、切替用流路141a〜141cに対応するように、回転軸35aを中心として、等間隔に形成されている3つの貫通孔が形成されている。すなわち、3つの貫通孔は、回転軸35aを中心として120度間隔で形成されている。なお、本実施形態では、接続部33が基部31に固定された際、流入路12又は排出路15の一部を構成しない1つの貫通孔の上部にだけ、貫通孔を塞ぐためのキャップ54が取り付けられている。
【0075】
次に、通常状態におけるポンプシステム10の動作について説明する。なお、通常状態では、図12(a)に示すように、順方向がベローズ21の内側(下側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路141aが流入路12の一部となっている。また、通常状態では、図12(a)に示すように、順方向がベローズ21の外側(上側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路141cが排出路15の一部となっている。
【0076】
インダクションモータ22が駆動を開始し、ベローズ21が伸びると、ベローズ21の容積が大きくなる。このとき、ロータリーバルブ24は、第2プール14からの流体の流入を規制する一方、第1プール11からの流体の流入を許可することとなる。すなわち、ベローズ21内に第1プール11からの流体が流入することとなる。
【0077】
そして、インダクションモータ22の駆動力により、ベローズ21が縮むと、ベローズ21の容積が小さくなる。このとき、ロータリーバルブ24は、第2プール14への流体の排出を許可する一方、第1プール11への流体の排出を抑制することとなる。すなわち、ベローズ21内の流体が第2プール14へ排出されることとなる。これにより、第1プール11のダーティ液が濾過されて、クリーン液となり、第2プール14に排出されることとなる。
【0078】
次に、サクションフィルタ16の逆洗方法について説明する。
まず、摺動体32に設けられた把手42を利用して、図12(b)に示すように、通常状態から摺動体32を反時計回りに120度回転させる。なお、120度回転させたこの状態を以後、逆洗状態と示す。これにより、順方向がベローズ21の外側(上側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路141cが流入路12の一部となっている。また、逆洗状態において、順方向がベローズ21の内側(下側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路141bが排出路15の一部となっている。
【0079】
この逆洗状態で、インダクションモータ22が駆動を開始し、ベローズ21が伸びると、ベローズ21の容積が大きくなる。このとき、ロータリーバルブ24は、第1プール11からの流体の流入を規制する一方、第2プール14からの流体の流入を許可することとなる。すなわち、ベローズ21内に第2プール14からの流体が流入することとなる。
【0080】
そして、インダクションモータ22の駆動力により、ベローズ21が縮むと、ベローズ21の容積が小さくなる。このとき、ロータリーバルブ24は、第1プール11への流体の排出を許可する一方、第2プール14への流体の排出を抑制することとなる。すなわち、ベローズ21内の流体が流入路12を通過して、第1プール11へ排出されることとなる。このとき、流体は、容積ポンプ13側から第1プール11側へ逆流する。そして、この際、サクションフィルタ16に溜まっている不純物も流体の通過により洗い流され、掃除されることとなる。
【0081】
以上のように、チェック弁44を取り替えることなく、摺動体32を回転させれば、チェック弁44の方向を変更することができる。従って、ポンプシステム10を停止させて、分解することなく、ロータリーバルブ24によって簡単にチェック弁44の方向を変換することができ、逆洗の手間を少なくすることができる。
【0082】
以上詳述したように、本実施形態は、第一実施形態の効果に加えて、以下の効果を有する。
(7)摺動体32には、3つの切替用流路141a〜141cを設けた。このため、4つの切替用流路を設ける場合と比較して、各切替用流路141a〜141cの配管の太さ(径の大きさ)を大きくすることができ、流れる流体の量を多くすることができる。
【0083】
(8)また、流入路12の一部となる切替用流路141aに装着されているチェック弁44は、排出路15の一部となる切替用流路141cに装着されているチェック弁44と比較して、汚れやすくなっている。そこで、逆洗状態において、切替用流路141aに装着されているチェック弁44を、外部に露出させ、交換することができるようにした。これにより、サクションフィルタ16の逆洗を行うと共に、切替用流路141aに装着されているチェック弁44を交換することができ、作業効率を向上させることができる。
【0084】
(第三実施形態)
次に、本発明を具体化した第三実施形態を説明する。なお、第一実施形態と同様の構成は、第一実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明及び図面は省略又は簡略する。
【0085】
本実施形態において、基部31に設けられた連通孔34a,34bは、回転軸35aを中心として120度(又は240度)離れた位置に設けられている。また、本実施形態の摺動体32には、3つの切替用流路141a〜141cが設けられている。これらの配置については、第二実施形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
【0086】
そして、本実施形態では、図13(a)に示すように、1つの切替用流路141a〜141cには、順方向がベローズ21の内側(下側)となるチェック弁44が取り付けられ、2つの切替用流路141a〜141cには、順方向がベローズ21の外側(上側)となるチェック弁44が取り付けられている。具体的には、切替用流路141aには、順方向がベローズ21の内側(下側)となるチェック弁44が取り付けられている。切替用流路141bには、順方向がベローズ21の外側(上側)となるチェック弁44が取り付けられている。切替用流路141cには、順方向がベローズ21の外側(上側)となるチェック弁44が取り付けられている。
【0087】
また、接続部33には、図示しないが、切替用流路141a〜141cに対応するように、回転軸35aを中心として、等間隔に形成されている3つの貫通孔が形成されている。すなわち、3つの貫通孔は、回転軸35aを中心として120度間隔で形成されている。なお、本実施形態では、接続部33が基部31に固定された際、流入路12又は排出路15の一部を構成しない1つの貫通孔の上部にだけ、貫通孔を塞ぐためのキャップ54が取り付けられている。
【0088】
次に、通常状態におけるポンプシステム10の動作について説明する。なお、通常状態では、図13(a)に示すように、順方向がベローズ21の内側(下側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路141aが流入路12の一部となっている。また、通常状態では、図13(a)に示すように、順方向がベローズ21の外側(上側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路141cが排出路15の一部となっている。
【0089】
インダクションモータ22が駆動を開始し、ベローズ21が伸びると、ベローズ21の容積が大きくなる。このとき、ロータリーバルブ24は、第2プール14からの流体の流入を規制する一方、第1プール11からの流体の流入を許可することとなる。すなわち、ベローズ21内に第1プール11からの流体が流入することとなる。
【0090】
そして、インダクションモータ22の駆動力により、ベローズ21が縮むと、ベローズ21の容積が小さくなる。このとき、ロータリーバルブ24は、第2プール14への流体の排出を許可する一方、第1プール11への流体の排出を抑制することとなる。すなわち、ベローズ21内の流体が第2プール14へ排出されることとなる。これにより、第1プール11のダーティ液が濾過されて、クリーン液となり、第2プール14に排出されることとなる。
【0091】
次に、サクションフィルタ16の逆洗方法について説明する。
まず、摺動体32に設けられた把手42を利用して、図13(b)に示すように、通常状態から摺動体32を時計回りに120度回転させる。なお、120度回転させたこの状態を以後、逆洗状態と示す。これにより、順方向がベローズ21の外側(上側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路141bが流入路12の一部となっている。また、逆洗状態において、順方向がベローズ21の内側(下側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路141aが排出路15の一部となっている。
【0092】
この逆洗状態で、インダクションモータ22が駆動を開始し、ベローズ21が伸びると、ベローズ21の容積が大きくなる。このとき、ロータリーバルブ24は、第1プール11からの流体の流入を規制する一方、第2プール14からの流体の流入を許可することとなる。すなわち、ベローズ21内に第2プール14からの流体が流入することとなる。
【0093】
そして、インダクションモータ22の駆動力により、ベローズ21が縮むと、ベローズ21の容積が小さくなる。このとき、ロータリーバルブ24は、第1プール11への流体の排出を許可する一方、第2プール14への流体の排出を抑制することとなる。すなわち、ベローズ21内の流体が流入路12を通過して、第1プール11へ排出されることとなる。このとき、流体は、容積ポンプ13側から第1プール11側へ逆流する。そして、この際、サクションフィルタ16に溜まっている不純物も流体の通過により洗い流され、掃除されることとなる。
【0094】
ところで、ベローズ21を交換する場合、流入路12及び排出路15から流体が流れ出ないようにする必要がある。
この場合、摺動体32に設けられた把手42を利用して、図13(c)に示すように、通常状態から摺動体32を反時計回りに120度回転させることにより、流入路12及び排出路15から流体が流れ出ないようにすることができる。なお、120度反時計回りに回転させたこの状態を以後、停止状態と示す。これにより、順方向がベローズ21の外側(上側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路141cが流入路12の一部となっている。また、逆洗状態において、順方向がベローズ21の外側(上側)となっているチェック弁44が装着されている切替用流路141bが排出路15の一部となっている。これにより、流入路12又は排出路15からの液体がチェック弁44によりそれぞれ流れ出ることを抑制することができる。
【0095】
以上詳述したように、本実施形態は、第一実施形態の効果と、第二実施形態の効果(8)に加えて、以下の効果を有する。
(9)また、流入路12の一部となる切替用流路141aに装着されているチェック弁44は、排出路15の一部となる切替用流路141cに装着されているチェック弁44と比較して、汚れやすくなっている。そこで、停止状態において、切替用流路141aに装着されているチェック弁44を、外部に露出させ、交換することができるようにした。これにより、ベローズ21の交換を行うと共に、切替用流路141aに装着されているチェック弁44を交換することができ、作業効率を向上させることができる。
【0096】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、摺動体32が回転移動するロータリーバルブ24を設けたが、横方向に摺動体を移動させるスライドバルブを採用しても良い。
【0097】
・上記実施形態では、流入路12及び排出路15の一部を構成する切替用流路41a〜41d、141a〜141cを同時に切替えたがそれぞれ1つずつ切替ができるようにしてもよい。すなわち、流入路12に独立したロータリーバルブを設けると共に、排出路15に独立したロータリーバルブを設けてもよい。
【0098】
・上記実施形態において、流入路12又は排出路15の途中に、フィルタを切替えることができるロータリーバルブ又はスライドバルブなどの切替弁を設けても良い。この場合、切替用流路内に流路制御部材としてのフィルタが着脱可能に設けられることとなる。これにより、摺動体32を移動させることにより、フィルタを取り替えて容易に洗浄することができる。また、フィルタの種類を変更して交換することにより、通過を許可する粒子の大きさを容易に変更することができる。
【0099】
・上記実施形態において、流入路12又は排出路15の途中に、予め決められた流量以下の流体を流すことを許可する固定オリフィスを切替えることができるロータリーバルブ又はスライドバルブなどの切替弁を設けても良い。この場合、切替用流路内に流路制御部材としての固定オリフィスが着脱可能に設けられることとなる。これにより、流量を容易に変更することができる。また、固定オリフィスが、着脱可能に構成されていることにより、容易に交換して、流体の流量を変更することができる。
【0100】
・上記実施形態において、ロータリーバルブは、ポンプシステム10以外の流路に設けても良い。
・上記実施形態において、チェック弁44や、フィルタ、固定オリフィスは、着脱可能に設けられなくても良い。
【0101】
・上記実施形態において、切替用流路は、任意の数に変更しても良い。例えば、切替用流路を6つ設けても良い。
・上記実施形態では、ベローズ型の容積ポンプ13を使用したが、ダイヤフラム型の容積ポンプなどを利用しても良い。
【0102】
・上記実施形態において、チェック弁44は、ダックビルタイプだけでなく、ボールタイプやポペットタイプでもよい。
・上記実施形態において、摺動体32は、手動により切替えられていたが、電動式のモータやソレノイド、若しくは空気圧や油圧により切替えられても良い。
【0103】
・上記実施形態では、シール部材37,50は、ゴムにより環状に形成されていたが、シールできるのであれば、材質及び形状は、任意に変更しても良い。取り付け位置も任意に変更しても良い。例えば、シール部材37,50を図14に示すような形状として、摺動体32にシール部材37,50を取り付けている凹部を設けても良い。また、流路のピッチも任意に変更しても良い。
【符号の説明】
【0104】
10…ポンプシステム、11…第1プール、12…流入路、13…容積ポンプ、14…第2プール、15…排出路、16…サクションフィルタ、21…ベローズ、22…インダクションモータ、23…減速機、24…ロータリーバルブ、31…基部、32…摺動体、33…接続部、34a,34b…連通孔、35…固定軸、35a…回転軸、36…ネジ孔、37…シール部材、41a〜41d,141a〜141c…切替用流路、42…把手、44…チェック弁、46…係合凹部、47…係合凸部、48…固定部材、49…ネジ51a〜51d…貫通孔、52…流入側接続管、53…排出側接続管、54…キャップ、55…挿入孔。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流れる全体流路に配置される切替弁において、
全体流路の一部を構成する切替用流路が複数設けられ、全体流路に対して移動可能な摺動体を備え、
前記摺動体は、移動されると、全体流路の一部を構成する切替用流路として、当該摺動体に設けられた切替用流路が異なる切替用流路に切替えられるように構成されており、
前記摺動体の各切替用流路内には、それぞれ異なる機能を有する流路制御部材が設けられていることを特徴とする切替弁。
【請求項2】
前記摺動体は、全体流路の一部を構成する切替用流路以外の切替用流路及び当該切替用流路に設けられた流路制御部材を全体流路の外部に露出するように構成されていると共に、外部に露出された流路制御部材は、交換可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の切替弁。
【請求項3】
前記流路制御部材は、予め決められた方向にのみ流体を流すことを許可するチェック弁であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の切替弁。
【請求項4】
前記流路制御部材は、予め決められた大きさ以下の粒子を有する流体が流れることを許可するフィルタであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の切替弁。
【請求項5】
前記流路制御部材は、予め決められた流量以下の流体を流すことを許可する固定オリフィスであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の切替弁。
【請求項6】
全体流路に流れる流体は、容積ポンプにより移送されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の切替弁。
【請求項7】
全体流路に流れる流体は、容積ポンプにより移送されるように構成されており、
前記摺動体に設けられた複数の切替用流路のうち1つは、容積ポンプへ流体が流入する流入路の一部を構成すると共に、前記摺動体に設けられた複数の切替用流路のうち1つは、容積ポンプから流体が排出される排出路の一部を構成し、
前記摺動体は、移動された場合、流入路の一部を構成する切替用流路及び排出路の一部を構成する切替用流路をそれぞれ同時に切替えることを特徴とする請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の切替弁。
【請求項8】
全体流路に流れる流体は、容積ポンプにより移送されるように構成されており、
前記摺動体に設けられた複数の切替用流路のうち1つは、容積ポンプへ流体が流入する流入路の一部を構成すると共に、前記摺動体に設けられた複数の切替用流路のうち1つは、容積ポンプから流体が排出される排出路の一部を構成し、
前記流入路又は前記排出路のいずれかに、予め決められた大きさ以下の粒子を有する流体が流れることを許可するフィルタが取り付けられており、
前記流入路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプへ流体が流入することを許可するチェック弁が流路制御部材として取り付けられている一方、前記排出路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプから流体が排出されることを許可するチェック弁が流路制御部材として取り付けられており、
前記摺動体は、移動された場合、流入路の一部を構成する切替用流路及び排出路の一部を構成する切替用流路をそれぞれ同時に切替えると共に、切り替えられた際、流入路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプから流体が排出されることを許可するチェック弁が流路制御部材として取り付けられている一方、排出路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプへ流体が流入することを許可するチェック弁が流路制御部材として取り付けられていることを特徴とする請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の切替弁。
【請求項9】
流体が流れる全体流路と、
全体流路の一部を構成する切替用流路を切替える切替弁と、
全体流路に流れる流体を移送する容積ポンプと、
全体流路のいずれかに、予め決められた大きさ以下の粒子を有する流体が流れることを許可するフィルタと、を備えたポンプシステムにおいて、
前記切替弁には、全体流路の一部を構成する切替用流路が複数設けられ、全体流路に対して移動可能な摺動体が備えられ、
前記摺動体に設けられた複数の切替用流路のうち1つは、容積ポンプへ流体が流入する流入路の一部を構成すると共に、前記摺動体に設けられた複数の切替用流路のうち1つは、容積ポンプから流体が排出される排出路の一部を構成し、
前記流入路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプへ流体が流入することを許可するチェック弁が取り付けられている一方、前記排出路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプから流体が排出されることを許可するチェック弁が取り付けられており、
前記摺動体は、移動された場合、流入路の一部を構成する切替用流路及び排出路の一部を構成する切替用流路をそれぞれ同時に他の切替用流路に切替えると共に、切り替えられた際、流入路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプから流体が排出されることを許可するチェック弁が流路制御部材として取り付けられている一方、排出路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプへ流体が流入することを許可するチェック弁が流路制御部材として取り付けられていることを特徴とするポンプシステム。
【請求項1】
流体が流れる全体流路に配置される切替弁において、
全体流路の一部を構成する切替用流路が複数設けられ、全体流路に対して移動可能な摺動体を備え、
前記摺動体は、移動されると、全体流路の一部を構成する切替用流路として、当該摺動体に設けられた切替用流路が異なる切替用流路に切替えられるように構成されており、
前記摺動体の各切替用流路内には、それぞれ異なる機能を有する流路制御部材が設けられていることを特徴とする切替弁。
【請求項2】
前記摺動体は、全体流路の一部を構成する切替用流路以外の切替用流路及び当該切替用流路に設けられた流路制御部材を全体流路の外部に露出するように構成されていると共に、外部に露出された流路制御部材は、交換可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の切替弁。
【請求項3】
前記流路制御部材は、予め決められた方向にのみ流体を流すことを許可するチェック弁であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の切替弁。
【請求項4】
前記流路制御部材は、予め決められた大きさ以下の粒子を有する流体が流れることを許可するフィルタであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の切替弁。
【請求項5】
前記流路制御部材は、予め決められた流量以下の流体を流すことを許可する固定オリフィスであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の切替弁。
【請求項6】
全体流路に流れる流体は、容積ポンプにより移送されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の切替弁。
【請求項7】
全体流路に流れる流体は、容積ポンプにより移送されるように構成されており、
前記摺動体に設けられた複数の切替用流路のうち1つは、容積ポンプへ流体が流入する流入路の一部を構成すると共に、前記摺動体に設けられた複数の切替用流路のうち1つは、容積ポンプから流体が排出される排出路の一部を構成し、
前記摺動体は、移動された場合、流入路の一部を構成する切替用流路及び排出路の一部を構成する切替用流路をそれぞれ同時に切替えることを特徴とする請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の切替弁。
【請求項8】
全体流路に流れる流体は、容積ポンプにより移送されるように構成されており、
前記摺動体に設けられた複数の切替用流路のうち1つは、容積ポンプへ流体が流入する流入路の一部を構成すると共に、前記摺動体に設けられた複数の切替用流路のうち1つは、容積ポンプから流体が排出される排出路の一部を構成し、
前記流入路又は前記排出路のいずれかに、予め決められた大きさ以下の粒子を有する流体が流れることを許可するフィルタが取り付けられており、
前記流入路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプへ流体が流入することを許可するチェック弁が流路制御部材として取り付けられている一方、前記排出路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプから流体が排出されることを許可するチェック弁が流路制御部材として取り付けられており、
前記摺動体は、移動された場合、流入路の一部を構成する切替用流路及び排出路の一部を構成する切替用流路をそれぞれ同時に切替えると共に、切り替えられた際、流入路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプから流体が排出されることを許可するチェック弁が流路制御部材として取り付けられている一方、排出路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプへ流体が流入することを許可するチェック弁が流路制御部材として取り付けられていることを特徴とする請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の切替弁。
【請求項9】
流体が流れる全体流路と、
全体流路の一部を構成する切替用流路を切替える切替弁と、
全体流路に流れる流体を移送する容積ポンプと、
全体流路のいずれかに、予め決められた大きさ以下の粒子を有する流体が流れることを許可するフィルタと、を備えたポンプシステムにおいて、
前記切替弁には、全体流路の一部を構成する切替用流路が複数設けられ、全体流路に対して移動可能な摺動体が備えられ、
前記摺動体に設けられた複数の切替用流路のうち1つは、容積ポンプへ流体が流入する流入路の一部を構成すると共に、前記摺動体に設けられた複数の切替用流路のうち1つは、容積ポンプから流体が排出される排出路の一部を構成し、
前記流入路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプへ流体が流入することを許可するチェック弁が取り付けられている一方、前記排出路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプから流体が排出されることを許可するチェック弁が取り付けられており、
前記摺動体は、移動された場合、流入路の一部を構成する切替用流路及び排出路の一部を構成する切替用流路をそれぞれ同時に他の切替用流路に切替えると共に、切り替えられた際、流入路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプから流体が排出されることを許可するチェック弁が流路制御部材として取り付けられている一方、排出路の一部を構成する切替用流路には、容積ポンプへ流体が流入することを許可するチェック弁が流路制御部材として取り付けられていることを特徴とするポンプシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−2534(P2013−2534A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133464(P2011−133464)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000106760)CKD株式会社 (627)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000106760)CKD株式会社 (627)
【Fターム(参考)】
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