説明

列車進路制御方法、列車進路制御装置、及び列車進路制御プログラム

【課題】列車の在線位置に応じて列車進路を動的に決定する列車進路制御方法、列車進路制御装置、及び列車進路制御プログラムを提供する。
【解決手段】列車の在線位置または前記列車の進路を定めるための地上設備の状態に応じて前記列車の進路を制御する列車進路制御装置において行われる列車進路制御方法であって、設備情報入力部が、線区内の線形を分割した区間ごとに、地上設備の状態に関する情報である設備状態情報を地上設備から受け取り、または列車の在線位置を示す位置情報を列車から受け取る設備情報入力ステップと、状態管理部が、設備情報入力ステップにおいて受け取った設備状態情報または位置情報に基づいて、区間の状態を、区間ごとに設定する状態管理ステップと、進路決定部が、区間に隣接する区間が複数存在する区間である競合区間のそれぞれについて、状態管理部が設定した区間の状態を比較することにより、優先させる列車の進路を決定する進路決定ステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道運行管理システムにおける列車進路の制御方法に係り、特に、競合する列車間の優先順位を動的に決定し列車進路上の地上設備を制御する列車進路制御方法、列車進路制御装置、及び列車進路制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道運行管理システムなどの大規模システムでは、システムが一度構築されると10〜15年間は部分的な改造や改修によって対応するため、その開発方法は信頼性や開発期間の観点から既存のソースコードに手を加えることのない継ぎ足しの開発が選択される。しかしシステム構築から10年以上経過すると、その間に有識者の異動や退職などによりシステムを俯瞰できる人材が少なくなり、結果として巨大なブラックボックスを作りこむことになる。その結果、例えばブラックボックス内の処理に障害が発生すると障害対策に多大な工数を要すると言った課題が発生する。
【0003】
現在の列車進路制御は連動図表やダイヤから駅構内の入場・出発、また交差の際に発生し得る競合条件などを予め人間が計画進路として作成した上で、計画進路通りに列車を進めるための列車追跡や信号機、てこ制御等をソフトウェアで実現している。このため信号機や軌道回路などの設備の追加・削除を伴う改修やダイヤ改正が行われると『計画進路の見直し⇒ソフトウェアの修正』の過程を経る事になるが、ブラックボックス化されたソフトウェアでは計画進路の修正にプログラムを追従させる事が容易ではなくなってきている。
【0004】
こうした問題を鑑みて、連動図表などの複雑の条件を予め作成することなく、列車の移動範囲を動的に調整しながら安全な列車運行を行う方法が報告されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−142403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では位置や速度から算出した列車の走行範囲と分岐位置の重なりから分岐ポイントの鎖錠制御を行えるようにすることで、列車の危険動作を回避するための論理構築に要する工数や手間を削減している。ところが特許文献1では、同一の分岐ポイントに対して複数の列車が競合すると進路制御装置によって予め決定された進路に基づいて列車を優先させるため、列車競合条件を回避させるための計画進路の事前作成は相変わらず必要となる。
【0007】
そこで本発明の課題は、予め計画された競合条件に基づいた静的な列車進路制御方法ではなく、計画進路に頼らずその時々の列車の在線位置に応じて進路を動的に決定するための列車進路制御方法、列車進路制御装置、及び列車進路制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために、列車の在線位置または前記列車の進路を定めるための地上設備の状態に応じて前記列車の進路を制御する列車進路制御装置において行われる列車進路制御方法であって、設備情報入力部が、線区内の線形を分割した区間ごとに、前記地上設備の状態に関する情報である設備状態情報を前記地上設備から受け取り、または前記列車の在線位置を示す位置情報を前記列車から受け取る設備情報入力ステップと、状態管理部が、前記設備情報入力ステップにおいて受け取った前記設備状態情報または前記位置情報に基づいて、前記区間の状態を、前記区間ごとに設定する状態管理ステップと、進路決定部が、前記区間に隣接する区間が複数存在する区間である競合区間のそれぞれについて、前記状態管理部が設定した前記区間の状態を比較することにより、優先させる前記列車の進路を決定する進路決定ステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記方法を実行する列車進路制御装置、及び列車進路制御プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、進路制御装置開発時に使用する計画進路作成のための工数を削減することができる。また計画進路に基づくソフトウェア改修工数を削減できる。またプログラム開発に必要なメモリ領域も削減できる。またダイヤ乱れ時でも列車無の停止運行を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態におけるシステム全体構成例である。
【図2】本実施形態における列車進路制御装置のソフトウェア構成例である。
【図3】本実施形態における列車進路制御装置のハードウェア構成例である。
【図4】本実施形態における列車進路制御装置の全体処理フローである。
【図5】本実施形態におけるノード情報構成テーブルのテーブル構成例である。
【図6A】本実施形態におけるノード状態テーブルのテーブル構成例である。
【図6B】本実施形態におけるノード状態遷移図の遷移例である。
【図7】本実施形態における列車進路決定部の処理フローである。
【図8】本実施形態におけるノード間リンクテーブルのテーブル構成例である。
【図9】本実施形態における列車情報テーブルのテーブル構成例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる列車進路制御方法、及び列車進路制御装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
図1は、列車運行計画と列車の在線位置や信号機、転轍機などの設備状態を監視しながら列車の運行を管理する列車運行管理システムのシステム全体構成例である。図1に示すように、列車運行管理システムは、計画系システム102と、進路制御装置100と、地上装置101と、列車110と、地上設備群120(図では軌道回路111と信号機112と転轍機113のみ記載)とを含んで構成される。
【0014】
計画系システム102は、列車ダイヤや車両運用計画、点検・保守計画など列車の運行に関連する計画の作成を支援するシステムで、本発明にかかる装置である進路制御装置100とネットワークを介して接続されている。進路制御装置100は、計画系システム102によって決定された列車ダイヤ情報を予めネットワークを介して内部に有しており、軌道回路111から得られる列車110の在線位置と前記列車ダイヤ情報に記載された出発時刻や計画進路を参照して、列車110の進路上に設置されている信号機112や転轍機113などの地上設備を地上装置101を介して制御する。
【0015】
地上装置101は、進路制御装置100とネットワークを介して接続されており、進路制御装置100からの制御要求に対して信号機112、転轍機113の反位制御を行う。また、地上装置101は、信号機112や転轍機113の状態(定位/反位)や軌道回路111の状態(落下/こう上)を監視し、結果を進路制御装置110に伝達する。
【0016】
列車110は、その内部にATS(Automatic Train Stop)やATC(Automatic Train Control)といった列車の自動停止や自動制御を行うための安全装置、車上の詳細な動作状態や故障情報を収集・表示・記録する情報管理システムなどの車上装置を有している。また、車上装置が有する情報は、デジタル無線を介して地上装置に送信する事が可能である。本実施形態では、列車110の在線位置を軌道回路111の状態から判断する事を想定しているが、例えば、車上装置が自列車の位置を算出または計測して、デジタル無線を介して地上装置に伝達することにより列車110の在線位置を判断してもよい。
【0017】
図2は、進路制御装置100のソフトウェア構成例である。図2に示すように、進路制御装置100は、設備情報入力部201と、ノード状態管理部202と、列車進路決定部203とを含んで構成される。
【0018】
設備情報入力部201は、地上装置101から列車在線位置、信号機や転轍機などの地上設備群の状態を周期的に受信し、ノード情報テーブル210に登録する。ここで、ノードとは、一台の信号機とその内方区間に設置された第一内方軌道回路から最終内方軌道回路までの閉塞区間を指す。ノード情報テーブル210には、線区内に存在する全ノードに関して、ノードの設置位置やノードが有する地上設備群の状態情報が登録されている。
【0019】
また、設備情報入力部201は、地上装置101から周期的に列車在線位置や地上設備群の状態情報を受信し、全ノードに対して該当する状態情報を更新する。ノードの設置位置やノードが有する地上設備群などの情報は、開発者が例えば連動図表から予め作成し進路制御装置100に登録しておけばよい。
【0020】
ノード状態管理部202は、ノード情報テーブル210が更新されると各ノードの状態を確認し、ノード状態テーブル220に登録する。ノードは、列車の在線/非在線、地上設備の自動制御/手動制御に応じて、活性化状態と基底状態と不活性状態の三つの状態を有している。このうち、活性化状態は、ノード内の列車在線状況に応じて更に細かく分類される(後述)。ノード状態管理部202は、ノード情報テーブル210に登録された情報に基づいて、前記ノード状態を判別し最新のノード状態をノード状態テーブル220に登録する。
【0021】
列車進路決定部203は、ノード状態テーブル220に登録されたノード状態のうち活性化状態のノード群を抽出し、前記抽出したノード群から隣接ノードへの進入を許可するノードを、ノード間リンクテーブル230と列車情報テーブル240とダイヤ情報テーブル250を用いて決定する。ノード間リンクテーブル230には、ノード情報テーブル210に登録されている全ノードの進入方向に隣接するノード(隣接ノード)と、前記隣接ノードが競合するノード(競合ノード)が登録されている。前記隣接ノードに進入するノードが複数存在する場合、該ノードどうしは互いに競合ノードとなる。
【0022】
列車進路決定部203は、ノード間リンクテーブル230から隣接ノードの状態を確認し、列車が在線していない場合には進入を許可する。また、列車進路決定部203は、該ノードに競合ノードが存在する場合、競合ノードどうしを比較し進入を許可するノードを決定する。ノードに在線している列車が駅通過列車の場合、列車情報テーブル240に登録されている通過ノード数分の隣接ノードを確認し、ノード状態及び競合ノードを確認する。列車情報テーブル240には、線区内に在線する全列車に対して、停車/通過といった列車に関する情報が登録されている。ノード間リンクテーブル230は、連動図表を用いて作成可能であり、ノード情報テーブル210の登録時に予め進路制御装置100に登録しておけばよい。
【0023】
列車情報テーブル240は、計画系システム102で作成された列車毎の駅出発時刻や到着予定番線といった列車ダイヤ情報から開発者が予め作成し、進路制御装置100に登録しておく。競合ノードどうしの比較は、ノード状態テーブル220に登録されているノード状態やダイヤ情報テーブル250を用いて行われる。ダイヤ情報テーブル250は、計画系システム102で作成された列車ダイヤの情報であり、計画系システム102からネットワークを介して受信した列車ダイヤを予め登録しておけばよい。
【0024】
図3は、列車進路制御装置100のハードウェア構成例である。図3に示すように、列車進路制御装置100は、プログラム実行等の演算を行うプロセッサ310、OS(Operating System)などの基本プログラムや基本データ、設備情報入力部201、ノード状態管理部202、列車進路決定部203を実現するプログラムを格納するROM320、プログラム実行時の処理領域や競合ノードどうしの比較結果、地上装置101の送受信に使用するデータの一時格納領域として使用するRAM330、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量記憶装置341と接続するための大容量記憶装置インタフェース340、キーボードやマウス、ディスプレイなどの外部デバイス361と接続するための外部デバイスインタフェース360、Ethernet(登録商標)などの通信装置351と接続するための通信インタフェース350とがバス300を介して接続されている。大容量記憶装置341や外部デバイス361を含めた構成を、進路制御装置100であるとしてもよい。
【0025】
大容量記憶装置341には、ノード情報テーブル210、ノード状態管理テーブル220、ノード間リンクテーブル230、列車情報テーブル240、ダイヤ情報テーブル250などの各種テーブルが格納されており、ROM320に格納された各種プログラムによって読み出され利用される。あるいは、設備情報入力部201、ノード状態管理部202、列車進路決定部203を構成するプログラムの少なくとも一部についても、大容量記憶装置341に格納されることとしてもよい。各種処理実行の際に、プロセッサ310が、RAM330に読み出してプログラムを実行する。
【0026】
外部デバイス361は、開発者とのインタフェースデバイス及び外部媒体に読み書き可能なドライブ装置などである。例えば、開発者は、ノード情報テーブル210、ノード状態管理テーブル220、ノード間リンクテーブル230、列車情報テーブル240などの各種テーブルをキーボードやマウスなどの入力デバイスを介して登録することができる。また、外部デバイスインタフェース360は、外部デバイス361に着脱可能であって、可搬性のある記憶媒体とデータの入出力を行う。
【0027】
通信装置351は、ネットワークを介して地上装置や計画系システム上の他の装置と接続することができる。また、各機能部を実現するプログラムは、予めROM320または大容量記憶装置341に格納されていてもよいし、必要に応じ、利用可能な媒体を介して、他の装置からROM320または大容量記憶装置341に導入されてもよい。媒体とは、例えば、外部デバイス361に着脱可能な記憶媒体、または、ネットワークや、ネットワークを伝搬する搬送波やデジタル信号などの通信媒体を指す。
【0028】
図4は、本実施形態において地上装置101から入力された在線列車位置及び地上設備群の状態情報のノード情報テーブルへの登録、前記登録情報を用いたノード状態の更新、ノード状態からの列車進路決定と地上装置への制御情報を出力するための進路制御装置100における全体処理フローである。以下に示す処理は、進路制御装置100の備えるプロセッサ310が、RAM330で実行するプログラムによって実現される。そしてこのプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0029】
設備情報入力部201は、周期的に地上装置101が有する地上設備群120の状態情報を問い合わせ、該状態情報から列車110の在線位置を算出し、該在線位置と軌道回路111、信号機112、転轍機113の状態をノード情報テーブル210に登録する(ステップ401)。問い合わせ周期は、列車が軌道回路を通過する時間を参考に線区毎に決定すればよく、例えば1〜2秒で問い合わせることを想定する。列車在線位置は、軌道回路の状態(落下/こう上)と列車ダイヤ情報に基づいて、軌道回路識別子と列車識別子とを対応づけることで算出することができる。
【0030】
例えば、列車在線位置は、特開2001−233212号公報に記載されている列車追跡処理を用いて実現することができる。また、例えば、列車110の車上装置が、特開2000−142403号公報に記載されているような位置算出装置やGPS(Global Positioning System)などの測位センサを備えている場合には、該センサの値を使用して列車在線位置を算出してもよい。信号機112や転轍機113の状態情報は、定位または反位で表現される。例えば、信号機112が「赤」表示であれば定位状態、転轍機113が主要本線または主要側線側に転換されていれば定位状態として登録される。
【0031】
続いて、ノード情報テーブル210を図5に示す。図5は、進路制御装置100が保持するノード情報テーブル210の構成例である。図5に示すように、ノード情報テーブル210は、ノード識別子510と、ノード種別520と、ノード位置情報530と、信号機識別子540と、信号機状態550と、軌道回路情報560とを含んで構成される。
【0032】
ノード識別子510は、線区内で一意に決まる識別情報であり、例えば、駅識別情報と通番の組合せで決定され、図5の例では例えばNID#1が登録されている。ノード種別520は、ノードが有する信号機種別によって識別されている。ノード内に列車が在線している時の活性化状態は、列車の駅入場/駅出発・駅間走行によって異なる。このため図5の例では、ノードを予め信号機種別で区分しておくことにより、ノード内に列車が在線している時の状態判断を効率化できるようにしている。信号機は、列車が駅への入場判断に使用する入場信号機、駅からの出発判断に使用する出発信号機、駅間で次閉塞区間に進入してよいかを判断する閉塞信号機に大別される。図5の例では、0が指定されると入場ノード、1が指定されると出発ノード、2が指定されると閉塞ノードとしている。
【0033】
ノード位置情報530は、ノードが設置されている線区内の位置情報で、駅識別子531と本線種別532から構成されている。これにより、ノードが設置されている駅や駅構内のどの線種にノードが設置されているかを知ることができ、これは例えば、「通過列車は○○駅の副本線を通過できない」といった制限事項が設けられていた場合に、隣接ノードへの進入可否判断に使用することができる。図5の例では、例えば、駅識別子にSTA#1が登録されており、本線種別では0が指定されると本線、1が指定されると副本線としている。
【0034】
信号機識別子540は、線区内で一意に決定される識別情報であり、例えば、ノード識別子と信号機種別と通番の組合せで決定され、図5の例では、SID#1が登録されている。信号機状態550は、信号機SID#1の状態であり、信号機112の状態を地上装置101から受け付けると、定位/反位の状態を信号機状態550に登録し、該状態を周期的に更新する。図5の例では0が指定されると定位、1が指定されると反位とし、また手動制御されている場合には99が指定される。
【0035】
軌道回路情報560は、軌道路回路数561と、軌道回路識別子562と、軌道路回路種別563と、在線状態564と、転轍機情報565とを含んで構成される。軌道回路数561は、ノードに含まれる軌道回路の総数であり、図5の例ではN個となっている。軌道回路識別子562は、線区内で一意に決定される識別情報であり、例えば、信号機識別子540と通番の組合せで決定される。図5の例では、LID#1が登録されている。軌道回路種別563は、信号機SID#1の内方区間に設置される軌道回路の種別であり、図5の例では、第一内方軌道回路、第二内方軌道回路、・・・、第N内方軌道回路が存在し、第一内方軌道回路には1が、第N内方軌道回路は最終内方軌道回路としてFが登録されている。
【0036】
在線状態564は、地上装置101から受け付けた軌道回路111の状態によって決定され、落下状態では在線有、こう上状態では在線無となる。図5の例では、在線有の時に列車識別子TIDが登録されている。在線列車の列車識別子は、軌道回路識別子562の落下/こう上状態とダイヤ情報を用いて列車追跡処理を行うことで特定することができる。これにより、ノード内のどの軌道回路にどの列車が在線しているかを知る事ができるようになり、ノード状態管理部202におけるノード状態の判断や列車進路決定部203における競合ノード間の比較判断を行うことができる。
【0037】
転轍機情報565は、一つの軌道回路内に設置される転轍機の数分だけ、転轍機識別子5651と転轍機状態5652が登録されている。転轍機識別子5651は、線区内で一意に決定される識別情報であり、例えば、軌道回路識別子562と通番の組合せで決定される。図5の例ではPID#1が登録されている。転轍機状態5652は、転轍機PID#1の状態で、転轍機113の状態を地上装置101から受け付けると、定位/反位の状態を転轍機状態5652に登録し、該状態を周期的に更新する。図5の例では0が指定されると定位、1が指定されると反位とし、また手動制御されている場合には99が指定される。
【0038】
ノード情報テーブル210の情報は、予め開発者が連動図表などを参考に進路制御装置100に登録しておけばよい。また信号機状態、転轍機状態は初期値として定位状態を入力し、在線状態は0(在線無)を登録しておけばよい。
【0039】
続いて、図4に戻り、設備情報入力部201によってノード情報テーブル210が更新されると、ノード状態管理部202は更新されたノード情報テーブル210に基づいて各ノードの状態を判断しノード状態テーブル220を更新する(ステップ402)。ノード状態テーブル220を図6Aに示す。
【0040】
図6Aは、ノード状態管理部202が管理するノード状態テーブル220の構成例である。図6Aに示すように、ノード状態テーブル220は、ノード情報テーブル210に登録されたノード毎にノード状態が管理されており、ノード識別子510と、ノード状態610とを含んで構成されている。
【0041】
ノード状態610は、不活性状態611、基底状態612、活性化状態613に大別される。不活性化状態611とは、ノード内の地上設備群120の少なくても一つ以上の設備が、進路制御装置100による自動制御を行えない状態であり、例えば、ノード情報テーブル210の信号機状態550、転轍機状態5652によって判断される。基底状態612とは、ノード内に列車が在線していない状態であり、列車110は基底状態にあるノードに対してのみ進入可能となる。活性化状態613とは、ノード内に列車が在線している状態であり、進入中6131、収容中6132、乗客乗降中6133、停車中6134、進出中6135の状態を有する。但し、前記活性化状態613はノード種別520によって状態遷移図が異なる。図6Bを使って詳細に説明する。
【0042】
図6Bに示す図のうち、上段に示す図(B−1)は、出発ノードまたは閉塞ノードの活性化状態における状態遷移図である。出発ノードまたは閉塞ノードは、進入中6131、収容中6132、停車中6134、進出中6135の4つの状態間を遷移する。
【0043】
進入中6131とは、ノード内の第一内方軌道回路に列車が進入している状態で、第一内方軌道回路が落下状態の時に進入中となる。基底状態612にあるノードは、該ノード内の第一内方軌道回路の落下が検知されると、進入中6131に遷移する(イベント1)。第一内方軌道回路の落下が検知されると、ノード情報テーブル210の軌道回路情報560にある第一内方軌道回路の在線状態が有となる。ノード状態管理部202は、ノード情報テーブル210内の該軌道回路情報を確認して、ノード状態を進入中6131に遷移させる。現在のノード状態は、ノード状態管理テーブル220に登録され、図6Aの例ではNID#1のノードが現在進入中の状態にあることから、進入中6131に「○」が付記されている。
【0044】
収容中6132は、ノード内の最終内方軌道回路を列車が進入している状態で、最終内方軌道回路が落下状態の時に収容中となる。進入中6131にあるノードは、該ノード内の最終内方軌道回路の落下が検知されると、収容中6132に遷移する(イベント2)。収容中6132への遷移も、イベント1と同様にノード情報テーブル210内の軌道回路情報560をノード状態管理部202が確認することによって行われる。
【0045】
停車中6134とは、ノード内の最終内方軌道回路に列車が停車している状態であり、最終内方軌道回路が落下状態であって、且つ一定時間経過しても隣接ノードの信号機が定位(「赤」表示)の時に停車中となる。収容中6132にあるノードは、一定時間経過して且つ該ノードの隣接ノードが入場ノードの場合に、入場信号機が(閉塞ノードの場合には閉塞信号機が)定位になると停車中6134に遷移する(イベント3)。一定時間とは、列車が最終内方軌道回路を通過する時間に余裕時間を付加して設定すればよく、例えば1分〜3分の間で設定すればよい。隣接ノードの信号機状態は、進路制御装置100が有するノード間リンクテーブル230から隣接ノードを確認し、該ノードのノード識別子からノード情報テーブル210に登録されている信号機状態550を確認することによって判断できる。また図5の例では記載していないが、予めノード情報テーブル210に隣接ノードの信号機状態を登録しておいてもよい。
【0046】
進出中6135は、ノード内の最終内方軌道回路を通過している状態で、最終内方軌道回路が落下状態であって、且つ隣接ノードの信号機が反位(「青」表示)の時に進出中となる。収容中6132または停車中6134にあるノードは、隣接ノードが入場ノードの場合に、入場信号機が(閉塞ノードの場合には閉塞信号機が)反位になると進出中6134に遷移する(イベント4)。隣接ノードの信号機状態は、イベント3と同様にノード間リンクテーブル230とノード情報テーブル210を用いて判断すればよい。ノード内の最終内方軌道回路がこう上状態になると、基底状態612に遷移する(イベント5)。
【0047】
図6Bに示す図のうち、下段に示す図(B−2)は、入場ノードの活性化状態における状態遷移図である。入場ノードは、進入中6131、収容中6132、乗客乗降中6133、停車中6134、進出中6135の5つの状態間を遷移する。ここで進入中6131、収容中6132、停車中6134、進出中6135の状態は図6Bの(B−1)と同じである。
【0048】
乗客乗降中6133とは、駅番線に停車中の列車が乗客乗降を待っている状態で、ノード内の最終内方軌道回路が落下している状態であって、一定時間経過しても隣接ノードの出発信号機が定位の時に乗客乗降中となる。収容中6132にあるノードは、一定時間経過して且つ該ノードの隣接ノードの出発信号機が定位になると乗客乗降中6133に遷移する(イベント3)。一定時間は図6Bの上段に示した図(B−1)のイベント3と同様に判断すればよい。
【0049】
乗客乗降中6133にあるノードは、出発時刻が経過し且つ乗客乗降が完了すると、停車中6134に遷移する(イベント4)。出発時刻の経過は、列車ダイヤ情報に記載されており、進路制御装置100が有するダイヤ情報テーブル250から判断すればよい。乗客乗降の完了は、例えば、列車110内の車上装置によって管理されているドア開閉状態を地上装置101を介して判断すればよい。また例えば出発時刻経過から一定時間の経過で判断してもよい。この場合、駅や日時に応じて一定時間を1分、5分などと予め設定しておくことが望ましい。また、例えば駅員または車掌によって乗客乗降完了通知を地上装置101を介して通知してもよい。
【0050】
以上説明した状態遷移において、進入中6131、収容中6132、基底状態612への遷移条件に軌道回路の状態を使っているが、列車110の車上装置内に測位センサを有している場合には、該センサから得られた位置情報を使って遷移条件を判断してもよい。
【0051】
図6Bの遷移条件に基づいて、ノード状態テーブル220の各ノード状態が更新されると、列車進路決定部203は、ノード状態テーブル220から活性化状態のノード群を抽出し、列車の進路を決定する。列車進路決定部203は、進路決定後は決定された進路上に設置された地上設備群120への制御要求を、地上装置101に送信する(ステップ403)。以下、図7を使って詳細に説明する。
【0052】
図7は、列車進路決定部203の処理フローである。ノード状態テーブル220のノード状態が更新されると、列車進路決定部203は、活性化状態にある全ノードを、ノード状態テーブル220を確認して抽出し(ステップ701)、抽出した全ノードに対して以下の処理を実行する(ステップ702)。
【0053】
列車進路決定部203は、ノード間リンクテーブル230から隣接ノードを確認し、該ノードが基底状態かどうかをノード状態テーブル220から判断する(ステップ703)。隣接ノードが基底状態にあるノードとは、該ノードは自動制御が可能で且つ列車が在線していない事を表わしているため、列車は該ノードへの進入が可能である。ノード内に在線している列車が、例えば、駅通過列車の場合、進入先の複数ノードの地上設備群を同時に制御する必要があるため、隣接ノードの確認時には列車情報テーブル240から通過するノード数を確認し、通過ノード全てについて基底状態かどうかを判断する。隣接ノードが基底状態でない場合、ステップ702に戻って他の抽出ノードに対して処理を継続する。
ここでノード間リンクテーブル230及び列車情報テーブル240について、図8、図9を使って説明する。
【0054】
図8は、進路制御装置100が保持するノード間リンクテーブル230のテーブル構成例である。図8に示すように、ノード間リンクテーブル230は、ノード識別子510と、進入先ノード識別子801と、競合ノード識別子802とを含んで構成される。図8に示した線形例は、6個のノードから構成されており、図面左から右に向かって列車が走行する複線区間を想定している。NID#1は、隣接ノードにNID#2、NID#3が対応付けられており、NID#2は、隣接ノードにNID#4が対応付けられ、NID#3は、隣接ノードにNID#5が対応付けられ、NID#4は、隣接ノードにNID#6が対応付けられ、NID#5は、隣接ノードにNID#6が対応付けられて有している。図8の例では、以上の関係がノード識別子510と進入先ノード識別子801に登録されている。また、NID#4、NID#5は、進入先ノードが互いにNID#6となっており競合関係にある。この場合、競合ノード識別子802には自ノードと競合する競合ノードの識別子が登録される。
【0055】
図9は、進路制御装置100が保持する列車情報テーブル240のテーブル構成例である。図9に示すように、列車情報テーブル240は、列車識別子901と通過駅902と通過ノード数903とを含んで構成される。
【0056】
列車情報テーブル240は、線区内を走行する全列車に対して登録され、図9では、例えば、列車識別子TID#1、TID#2で表わされる列車が登録されている。例えば、TID#1の列車は停車列車のため、通過駅、通過ノード数は登録されていない。通過ノード数が登録されていない場合、前記通過駅では前記列車は必ず停車し、通過ノード数は1となる。また例えばTID#2の列車は通過列車のため、通過駅としてSTA#1が登録されており、このときの通過ノード数は2が登録されている。通過ノード数が2とは、TID#2がNID#1に在線している時、NID#3を通過しNID#5まで走行することを表わす。
【0057】
ノード間リンクテーブル230、列車情報テーブル240は、連動図表や列車ダイヤ情報などを参考にしながら、ノード情報テーブル210の登録と合わせて予め進路制御装置100に登録しておけばよい。続いて、図7に戻り、ステップ704以降の処理について説明する。
【0058】
列車進路決定部203は、隣接ノードが基底状態の場合、ノード間リンクテーブル230に競合ノードが登録されているかどうかを判断する(ステップ704)。また、競合ノードが登録されている場合、登録されている競合ノードがステップ701で抽出されたノードかどうかを判断する(ステップ705)。
【0059】
列車進路決定部203は、ステップ704で競合ノードが登録されていない、またはステップ705で競合ノードが抽出されていないと判断した場合、該ノードに対して隣接ノードへの進入を許可してステップ702に戻る(ステップ710)。列車進路決定部203は、ステップ705で競合ノードが抽出されていると判断した場合、競合ノードどうしの競合判断処理を行う(ステップ706)。
【0060】
競合判断処理では、列車進路決定部203は、各ノードの状態を確認してどちらのノードを優先するかを決定する。ノード状態の優先度は、進入中<収容中=乗客乗降中=停車中<進出中の順番で高優先となっており、競合ノードの状態が異なる優先度の場合、前記優先度に従って優先するノードを決定する。
【0061】
優先度が同じ場合、列車進路決定部203は、以下の判断を行う。すなわち、互いに進入中、乗客乗降中、停車中の場合、列車進路決定部203は、ダイヤ情報テーブル250に登録されている列車ダイヤ情報に従って決定する。列車進路決定部203は、互いに収容中の場合、通過列車が走行しているノードを優先し、互いに通過列車または停車列車の場合、ダイヤ情報テーブル250に登録されている列車ダイヤ情報に従って決定する。
【0062】
競合ノードが収容中のノードと乗客乗降中のノードであって、収容中のノードを走行している列車が通過列車の場合、列車進路決定部203は、収容中のノードを優先し、停車列車の場合、乗客乗降中のノードを優先する。競合ノードが収容中のノードと停車中のノードの場合、列車進路決定部203は、ダイヤ情報テーブル250に登録されている列車ダイヤ情報に従って決定する。また、列車進路決定部203は、競合ノードが乗客乗降中のノードと停車中のノードの場合、停車中のノードを優先する。
【0063】
列車進路決定部203は、競合判断処理によってノード間の優先順位を決定すると(ステップ707)、列車進路決定部203は、優先ノードに対して次ノードへの進入を許可し(ステップ708)、決定できなかった場合、該ノード群を不活性状態にして指令員に決定を依頼する(ステップ709)。
【0064】
ステップ701で抽出した全ノードに対して隣接ノードへの進入許可判定が完了すると、列車進路決定部203は、進入を許可した全ノードに対して、進入許可のための制御要求を地上設備101に送信する。ここで、進入中、収容中のノードを走行している列車が、停車列車などのように必ず最終内方軌道回路で停車することがダイヤ情報テーブル250から判断できる場合、該ノードに対する制御要求は行わない。
【0065】
以上のように、本実施形態によれば、一台の信号機とその第一内方軌道回路から最終内方軌道回路までの区間である閉塞区間をノードとして表現し、ノード内の在線状態に応じて列車進路を動的に決定できるため、信号機や軌道回路などの地上設備の追加・削除を伴う改修やダイヤ改正など計画進路の変更による列車競合条件作成の手間を軽減することができる。また、競合判断をノード間の状態比較で決定できるため、競合条件に基づく競合判断処理などのソフトウェア改修工数を削減できる。また、競合条件の定数化が必要なくなるため進路制御装置のメモリ領域を削減することができる。また、例えば、全列車を停車列車扱い、本線優先などの最低条件を進路制御装置に与えておけば、ノード状態からダイヤ情報なしでも列車進路を決定できるため、ダイヤ乱れが発生した場合でも列車運行を継続することができる。
【0066】
なお、本発明は記載した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0067】
100…進路制御装置、210…ノード情報テーブル、220…ノード状態テーブル、230…ノード間リンクテーブル、240…列車情報テーブル、203…列車進路決定部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
列車の在線位置または前記列車の進路を定めるための地上設備の状態に応じて前記列車の進路を制御する列車進路制御装置において行われる列車進路制御方法であって、
設備情報入力部が、線区内の線形を分割した区間ごとに、前記地上設備の状態に関する情報である設備状態情報を前記地上設備から受け取り、または前記列車の在線位置を示す位置情報を前記列車から受け取る設備情報入力ステップと、
状態管理部が、前記設備情報入力ステップにおいて受け取った前記設備状態情報または前記位置情報に基づいて、前記区間の状態を、前記区間ごとに設定する状態管理ステップと、
進路決定部が、前記区間に隣接する区間が複数存在する区間である競合区間のそれぞれについて、前記状態管理部が設定した前記区間の状態を比較することにより、優先させる前記列車の進路を決定する進路決定ステップと、
を含むことを特徴とする列車進路制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載の列車進路制御方法であって、前記線区内の線形は、一台の信号機とその第一内方軌道回路から最終内方軌道回路までの閉塞区間に分割されたものであることを特徴とする列車進路制御方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の列車進路制御方法であって、前記区間の状態は、前記地上設備が手動制御状態にある不活性状態と、前記地上設備が自動制御状態にある基底状態と、前記地上設備が自動制御状態であって前記列車が在線している活性化状態と、の三つの状態を含むことを特徴とする列車進路制御方法。
【請求項4】
請求項2及び請求項3に記載の列車進路制御方法であって、前記閉塞区間に設置されている信号機は出発信号機または閉塞信号機であって、前記閉塞区間の活性化状態として第一内方軌道回路を列車が走行している進入中の状態と、最終内方軌道回路を列車が走行している収容中の状態と、最終内方軌道回路に列車が停車している停車中の状態と、最終内方軌道回路を列車が通過している進出中の状態と、を含むことを特徴とする列車進路制御方法。
【請求項5】
請求項2及び請求項3に記載の列車進路制御方法であって、前記閉塞区間に設置されている信号機は入場信号機であって、前記閉塞区間の活性化状態として第一内方軌道回路を列車が走行している進入中の状態と、最終内方軌道回路を列車が走行している収容中の状態と、最終内方軌道回路に列車が停車し且つ乗客が乗降している乗客乗降中の状態と、最終内方軌道回路に列車が停車し且つ乗客乗降が完了している停車中の状態と、最終内方軌道回路を列車が通過している進出中の状態と、を含むことを特徴とする列車進路制御方法。
【請求項6】
請求項1に記載の列車進路制御方法であって、前記区間の状態には優先度を有し、前記進路決定ステップにおいて、前記列車の進路が競合している区間に対して前記優先度を比較して優先する列車を決定することを特徴とする列車進路制御方法。
【請求項7】
請求項4及び請求項5及び請求項6に記載の列車進路制御方法であって、前記閉塞区間の状態は優先度を有し、前記進路決定ステップにおいて、前記優先度は進入中、収容中および乗客乗降中および停車中、進出中の順番で高優先とすることを特徴とする列車進路制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の列車進路制御方法であって、前記進路決定ステップにおいて、比較する前記区間の状態が互いに収容中であっても、何れか一つの前記区間に駅通過列車が走行中の場合には、駅通過列車を有する前記区間が優先されることを特徴とする列車進路制御方法。
【請求項9】
請求項7に記載の列車進路制御方法であって、比較する前記区間の状態が収容中と乗客乗降中であって、収容中の前記区間を走行している列車が駅通過列車の場合には、収容中の状態を有する前記区間が優先され、収容中の前記区間を走行している列車が駅停車列車の場合には、乗客乗降中の状態を有する前記区間が優先されることを特徴とする列車進路制御方法。
【請求項10】
請求項7に記載の列車進路制御方法であって、比較する前記区間の状態が停車中と乗客乗降中の場合には、停車中の状態を有する前記区間が優先されることを特徴とする列車進路制御方法。
【請求項11】
列車の在線位置または前記列車の進路を定めるための地上設備の状態に応じて前記列車の進路を制御する列車進路制御装置であって、
線区内の線形を分割した区間ごとに、前記地上設備の状態に関する情報である設備状態情報を前記地上設備から受け取り、または前記列車の在線位置を示す位置情報を前記列車から受け取る設備情報入力部と、
前記設備情報入力部が受け取った前記設備状態情報または前記位置情報に基づいて、前記区間の状態を、前記区間ごとに設定する状態管理部と、
前記区間に隣接する区間が複数存在する区間である競合区間のそれぞれについて、前記状態管理部が設定した前記区間の状態を比較することにより、優先させる前記列車の進路を決定する進路決定部と、
を備えることを特徴とする列車進路制御装置。
【請求項12】
コンピュータに、
線区内の線形を分割した区間ごとに、列車の進路を定めるための地上設備の状態に関する情報である設備状態情報を前記地上設備から受け取り、または列車の在線位置を示す位置情報を前記列車から受け取る設備情報入力ステップと、
前記設備情報入力ステップにおいて受け取った前記設備状態情報または前記位置情報に基づいて、前記区間の状態を、前記区間ごとに設定する状態管理ステップと、
前記区間に隣接する区間が複数存在する区間である競合区間のそれぞれについて、前記状態管理部ステップにおいて設定された前記区間の状態を比較することにより、優先させる前記列車の進路を決定する進路決定ステップと、
を実行させることを特徴とする列車進路制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−71668(P2012−71668A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217470(P2010−217470)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】