説明

利得を平坦化させる2段エルビウム増幅器

【課題】光増幅器の利得を大きくする方法とシステムを提供する。
【解決手段】第1光通信経路を有する第1段、および前記第1光通信経路と接続される第2光通信経路を有する第2段を含み、蛍光材料がドープされた領域を含む基板を含む平面導波路が、前記第1段の前記第1光通信経路に接続され、前記蛍光材料がドープされたコア部を含む光ファイバが、前記第2段の前記第2光通信経路に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光信号に利得平坦化増幅器を提供できる光ファイバ領域(field of fiber optics)と光信号の増幅(amplification of optical signal)技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光通信システムでは、単一波長の光チャネルを1つ、または複数の光ファイバに伝送する技術は、既に熟知されている。複数の情報源(plural sources)よりデータを伝送するために、時分割多重(TDM)がよく用いられている。時分割多重では、特定のタイムスロットが各信号源(signal source)に分配され、完全な信号が各タイムスロットと関係のある部分によって構成される。上述の複数のデータ源を単一の光チャネルに伝送する技術が有効である場合、その容量は光ファイバの分布の制限を受け、高ピーク出力パルス(high peak power pulses)を発生しなければならない。
【0003】
現在の光ファイバネットワークの容量を増加する方法として波長分割多重が既に発見されている。波長分割多重のシステムでは、複数の光学信号チャネルが特定波長に分配された各チャネルを有する単一の光ファイバに伝送される。各光チャネルが全て時分割多重の形式で作用できることから、光ファイバネットワーク内の全データの伝送容量が大きく上昇される。
【0004】
波長分割多重システムの光チャネルは、通常、シリカ光ファイバ(silica based optical fiber)で伝送され、且つ、対応して低損失を有し、波長を1520〜1580nmの間にする。波長分割多重システムの光学信号チャネルの波長は、この低損失ウィンドウ(low loss window)においては、約50km伝送されることができ、過剰なエネルギーの減衰はない。しかし、50km以上の距離を超えた時、光増幅器を用いて光ファイバの損失に補償をしなければならない。
【0005】
既に開発されている光増幅器は、希土類元素をドープした利得媒質を含み、希土類元素は、エルビウム、プラセオジム、ネオジムと、テルルであることができる。最もよく用いられる希土類元素は、波長範囲が1520〜1580nmの間にある、最も好ましい利得を発生することができるエルビウムである。また、エルビウムをドープした媒質は、選択された波長で光によってポンプ(pumped)されることができるものである。例えば、選択された波長が980nmの場合、光ファイバの波長を低損失ウィンドウに提供することで、増幅される、または利得することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光増幅器の利得を大きくする方法とシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の原理構造に基づいて、本発明は、実施され、且つ、より広く解釈されることができる。本発明の方法とシステムは、光増幅器の利得を大きくするために用いられる。
【0008】
本発明の光増幅器は、第1光通信経路を有する第1段、および前記第1光通信経路と接続される第2光通信経路を有する第2段を含み、蛍光材料がドープされた領域を含む基板を含む平面導波路が、前記第1段の前記第1光通信経路に接続され、前記蛍光材料がドープされたコア部を含む光ファイバが、前記第2段の前記第2光通信経路に接続されている。
【0009】
本発明のもう1つの実施例は、波長分割多重伝送システムを提供する。そのシステムは、各対応する光学信号を伝送し、前記各光学信号は対応する波長を有する複数の送受信機、前記光学信号を光通信経路に結合するマルチプレクサ、第1光通信路を有する第1段、および前記第1光通信経路と接続される第2光通信経路を有する第2段を含む光増幅器、対応する波長に基づいて各光学信号を区分するデマルチプレクサ、および区分された後の前記光学信号を受け、且つ、前記光学信号を電気信号に変換する複数の受信機を含む波長分割多重の伝送システムであって、蛍光材料がドープされた領域を含む基板を含む平面導波路が、前記第1段の前記第1光通信経路に接続され、前記蛍光材料がドープされたコア部を含む光ファイバが、前記第2段の前記第2光通信経路に接続されている。複数の送受信機を含み、各送受信機は、それぞれの光学信号を伝送し、各光学信号は、それぞれの波長を有し、波長分割多重伝送システムは、マルチプレクサと光増幅システムを更に含む。マルチプレクサは、複数の光学信号を光通信経路に結合し、光増幅器は、平面導波路と光ファイバを含むことができる。前記平面導波路は、基板を含む。基板は領域を含み、前記領域は、蛍光材料がドープされ、光ファイバは、蛍光材料がドープされたコア部を含む。前記光ファイバは、光学の方式で前記平面導波路と接続される。波長分割多重伝送システムは、デマルチプレクサと複数の受信機を更に含むことができる。デマルチプレクサは、個別の波長を有する各光学信号を区分し、受信機は、区分された後の光学信号を受け、且つ、光学信号を電気信号に変換する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の光増幅器によれば、利得を平坦化させることができ、且つ、利得飽和挙動により、より大きな波長で利得値を増加することができる。言い換えれば、2段ファイバ増幅器が直列構造で構成された2つの独立した光増幅器を含むことから、光増幅器の利得は、エルビウムイオンの反転分布が利得飽和を起こすまで、強化されるか繰り返されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の波長分割多重の伝送システムのブロック図である。
【図2】本発明の2段増幅器の実施例のブロック図である。
【図3】本発明のエルビウムドープ平面導波路の実施例の概略図である。
【図4】本発明のエルビウムドープファイバの実施例の概略図である。
【図5】エルビウムドープ平面導波路増幅器の入力信号パワーが0と−25dBmで、波長分割多重信号の波長が1528〜1562nmの間にある時の利得性能と雑音指数の曲線変化図である。
【図6】10mの長さのエルビウムドープファイバを有するエルビウムドープ増幅器であり、入力信号パワーが0と−25dBmで、波長分割多重信号の波長が1528〜1562nmの間にある時で、且つ、ポンプパワーが72mWである時の利得性能と雑音指数の曲線変化図である。
【図7】利得平坦2段増幅器の入力信号パワーが0と−25dBmで、波長分割多重信号の波長が1528〜1562nmの間にある時の利得性能と雑音指数の曲線変化図である。
【図8】本発明の光増幅器のビット誤り率のテスト結果を示すグラフである。
【図9】本発明の増幅器の他の実施例を示すブロック図である。
【図10】本発明の増幅器のさらに他の実施例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明についての目的、特徴、長所が一層明確に理解されるよう、以下に実施形態を例示し、図面を参照にしながら詳細に説明する。
【実施例】
【0013】
図1は、波長分割多重の伝送システム100の概略図である。図に示すように、波長分割多重の伝送システム100は、複数の送受信機110、波長分割多重(WDM)マルチプレクサ(multiplexer)120、光通信経路130、少なくとも1つの光増幅器140、波長分割多重デマルチプレクサ150と、複数の受信機160を含む。一般的に、波長分割多重の伝送システム100によって光学信号を伝送する時、各送受信機110は、それぞれ異なる波長の光学信号を伝送し、光通信経路130は、シリカ光ファイバを含み、且つ、前記波長は、1520〜1580nmの間にあり、光通信経路130の低損失ウィンドウとなる。送受信機110は、例えば、発光ダイオード、またはレーザー光の光源を含む。送受信機110は、バイナリ入力ストリームに基づいて調整されることができる。各送受信機110より出力された光学信号は、波長分割多重マルチプレクサ120に入る。波長分割多重マルチプレクサ120は、光学信号と結合し、且つ、光通信経路130に沿って、結合後の光学信号を伝送する。光通信経路130は、少なくとも1つのセグメント(segment)の光ファイバを含む。
【0014】
一般的に言うと、少なくとも1つの光増幅器140が光通信経路130に設置され、伝送された光学信号を増幅して、光通信経路130上の損失を補償する。以下、図2を参照に更に説明をする。光増幅器140は、2段増幅器(two-stage amplifier)を含み、ほぼ均一な利得を提供する。
【0015】
光通信経路130に沿って伝播した後、光学信号は、続いて波長分割多重デマルチプレクサ150に進み、その個別の波長特徴を用いて、既に入った信号を区分する。続いて、波長分割多重デマルチプレクサ150より出力した信号は、対応する受信機160に入る。受信機160は、光検知器(photodetector)を含み、受けた光学信号を対応する電気信号に変換し、続く製造ステップに進む。
【0016】
図2は、2段増幅器140の実施例の概略図である。図に示すように、光増幅器140は、第1段210と第2段220を含む。この両段は、一般的に、光学信号を増幅するエルビウムをドープした利得媒質(erbium doped gain medium)を含む。また、一般的に言えば、第1段210は、一般的にエルビウムをドープした平面導波路媒質(erbium doped planar waveguide medium)214を含み、第2段220は、一般的にエルビウムをドープしたファイバ(erbium doped fiber)を含む。以下、更に細部について説明する。エルビウムドープ平面導波路媒質214は、比較的小型である基板を含み、エルビウムドープファイバは、一般的に数メートル〜数十メートルの長さである。また、本実施例はまた、エルビウムドープ平面導波路媒質を含む第1段210と、エルビウムドープファイバを含む第2段220の位置を交換することもできる。また、半導体の製造プロセスを用いて実現されることから、光増幅器140は、エルビウムドープ平面導波路媒質、またはエルビウムドープファイバを有する2段型式(two-stage)(第1段210と第2段220を含む)を用いて直列接続されて得られることができる。
【0017】
図2に示されるように、既に入った波長分割多重信号は、光学信号の複合チャネルを含む。各光学信号は異なる波長を有し、複合チャネルは、光増幅器140の第1段210に位置する光アイソレーター211に用いられる。光アイソレーター211は、一般的に受動装置であり、光通信経路130の反射の防止に用いられる。例えば、光アイソレーター211は、第1段210で発生された増幅された自然放出光(amplified spontaneous emission)を光通信経路130に沿って伝わるのを防ぐことができる。一部の光通信経路130は、増幅された自然放出光を反射し、第1段210に戻して雑音を増加する可能性がある。
【0018】
光アイソレーター211を通過した後、波長分割多重信号(例えば、第1入力光学信号)は、第1光接合器213で第1ポンプ光と結合する。また、例えば、第1光接合器213は、融合ファイバ結合器(fused fiber coupler)、または薄膜フィルターを含むことができ、第1光接合器213は、第1光通信経路130aによって平面導波路媒質214の入力端子と連結される。第1ポンプ光は、一般的に例えば、レーザーまたは発光ダイオードの光源212より出力され、その波長は、ほぼ980nmに等しい。また、その他の周知のポンプ波長(pump wavelength)1480nmも用いられることができる。
【0019】
結合された後の第1ポンプ光と波長分割多重信号は、第1光通信経路130aによって平面導波路媒質214の入力端子に送られる。図3に示されるように、平面導波路媒質214は、平面導波を含み、シリコン基板またはガラス基板305を含むこともできる。シリコン基板またはガラス基板305は、埋め込み領域(embedded region)310を有し、埋め込み領域310は、対応して高い屈射率(周囲の基板に比べ)を有する。よって、埋め込み領域310の光線は、基板305のある一部に局限される。埋め込み領域310は、イオン交換プロセス(ion exchange process)、またはスパッタリングプロセスの方式によって形成されることができる。平面導波路媒質214は、対応して比較的小さく、偏光依存性(polarization dependence)とクロストーク(cross-talk)を低下させることができる。
【0020】
光源212より出力されたポンプ光は、埋め込み領域310に位置するエルビウム原子を刺激する。例えば、エルビウム原子が低エネルギー状態にある時、誘導放射(stimulated emission)によって、1つまたは複数の波長分割多重信号の波長にある光線が放射される。よって、入力する波長分割多重信号に増幅効果を提供し、続いて、平面導波路媒質214より出力された増幅後の波長分割多重信号は、光学フィルター215に到達する。光学フィルター215と平面導波路媒質214の出力端子は、接続され、平面導波路媒質214により吸収されていないポンプ光の伝送を適度にブロックする。光学フィルター215と接続された第2光アイソレーター216を通過した後、波長分割多重信号は、第1段210により第2段220に出力される。
【0021】
第2段220は、第2ポンプ光に出力する光源221を含むことができる。本実施例では第2光結合器222と称される波長分割多重光結合器(WDM coupler)、エルビウムドープファイバ223と、光アイソレーター224は、第2段220の波長分割多重信号(即ち、第2入力光学信号)に出力され、光源221より発された第2ポンプ光と結合し、且つ、光源221は、第2光結合器222を有し、第2光結合器222と第1光接合器213の構造は似ている。結合後の第2ポンプ光と波長分割多重信号は、第2光通信経路130bによってエルビウムドープファイバ223に入る。
【0022】
図4に示されるように、エルビウムドープファイバ223は、ドープされたエルビウムの対応して高い屈射率のコア(core)部410と対応して高い屈射率のクラッド(cladding)420を含み、コア部410とクラッド420の間が異なる屈射率を有することから、ポンプ光と波長分割多重信号は、コア部410内に制限され、ポンプ光(例えば、波長が980nmまたは1480である)は、コア部410内に設定されたエルビウム原子に吸収される。その過程は、上述の図3とほぼ同じである。以下、更に、エルビウム原子が基底状態にある時の説明をする。波長分割多重信号の1つ、または複数の波長にある光線が放射され、波長分割多重信号を増幅する。続いて、波長分割多重信号が第2段220に出力される前に、増幅後の波長分割多重信号が光アイソレーター224に通過される。
【0023】
光増幅器140の利得性能(gain performance)と雑音指数(noise figure、NF)のスペクトルは、0.05nmの解像度を有する波長可変レーザー(tunable laser)とスペクトラムアナライザによって測定される。図5は、第1段210の0と−25dBmのそれぞれの入力信号パワー(input signal power、Pin)で、波長分割多重信号の波長が1528〜1562nmの間にある時の利得性能と雑音指数の曲線変化図を表している。図5に示されるように、入力信号パワーが0dBで、波長範囲が1528〜1562nmの間にある時、この時の利得(G)は、9.5dBより大きく、雑音指数(NF)は、7.5dBより小さい。しかし、波長が1532nmの時、ピーク利得(peak gain)は、30.1dBであり、雑音指数は、5.7dBである。また、入力信号パワーが−25dBで、波長範囲が1528〜1562nmの間にある時、雑音指数は、5〜6.3dBの間で分布され、波長範囲が1528〜1562nmの間にある時、獲得できるピーク利得変化量は、4.7dBであることがわかる。
【0024】
図6は、第2段220の0と−25dBmのそれぞれの入力信号パワー(input signal power、Pin)で、波長分割多重信号の波長が1528〜1562nmの間にある時で、10mの長さのエルビウムドープファイバを用い、且つ、エルビウムドープファイバ223が第2段220にあり、且つ、980nmのレーザーポンプダイオードパワー(laser pump diode power)が72mWである時の利得性能と雑音指数の曲線変化図を表している。入力パワーが0dBmの時、波長範囲が1528〜1562nmの間の利得は、14.2dBより高く、雑音指数の範囲は6.3〜7.1dBの間にある。同時に、36.2dBのピーク利得と4.8dBの雑音指数は、1532nmに現れる。また、図6では、入力信号パワーが−25dBmの時、波長範囲が1528〜1562nmの間にある時、獲得できるピーク利得変化量は、12.2dBである。
【0025】
図7は、光増幅器140を含む実施例の利得性能と雑音指数の曲線変化図を表している。図は、第1段と第2段を含む。第1段と第2段は、前述の図5と図6に述べた利得性能と雑音指数を有する。入力信号パワー(Pin)が0dBの時、ピーク利得の変化量は、0.3dBであり、波長分割多重信号の波長範囲は1528〜1562nmにある各波長の利得は全て14.8dBを超える。また、図7では、ピーク利得(G)は、波長が1532nmである37.4dBと波長が1556nmである37dBである。ピーク利得の変化量は、入力信号パワーが−25dBmである曲線で見ることができる。本発明の光増幅器は、利得を平坦化させることができ、且つ、利得飽和挙動(gain saturation behavior)により、より大きな波長で利得値を増加することができる。言い換えれば、2段ファイバ増幅器が直列構造で構成された2つの独立した光増幅器を含むことから、光増幅器の利得は、エルビウムイオンの反転分布が利得飽和を起こすまで、強化されるか繰り返されることができる。以上の結果は、本発明の光増幅器が光利得を達成できることを証明する。仮に、波長範囲が1528〜1562nmにある時、利得は35dBを超え、且つ、光増幅器は、利得曲線をほぼ平坦にさせる。仮に、入力信号パワーが−25dBmである時、最大変化量は、1.1dBである。また、2段増幅器140の利得飽和の特徴は、利得をより小さい利得域を超えるまで増加させることである。よって、2段増幅器140は、利得スペクトルの曲線を平坦化できるだけでなく、更に利得を増加することができる。
【0026】
図8は、本発明の光増幅器のビット誤り率(bit error rate、BER)のテスト結果である。ビット誤り率テストは、光伝送システム内である素子が誤りを生じる可能性のある範囲を決めるように用いられることができる。
【0027】
図8のビット誤り率テストの結果に示されるように、入力信号のテストは、その波長が1550nmであり、前記信号は、パターン長(pattern length)231−1の2.5Gb/sを有する非ゼロ復帰(non-return-to-zero)疑似ランダムバイナリーシーケンス(pseudo random binary sequence)に基づいて変調される。前記信号は、ニオブ酸リチウム電気工学変調器(LiNbO3 electro-optical modulator)に変調される。また、2.5Gb/sの受信機は、伝送された信号の測定に用いられる。図8に示されるように、送受信機と受信機を含むバック・トゥー・バック構成(back-to-back configuration)のビット誤り率であり、且つ、図8は、バックツーバック構成のビット誤り率に沿ったプロット図である。バック・トゥー・バック構成は、送受信機と受信機の間に設置された光増幅器140を含む。前記テストの結果より明白に分かるように、光増幅器140を通過する入力信号をテストする時、光パワーの損失は約0.4dBである。
【0028】
本発明は、光学方式で直列接続された第1段210と第2段220を有する利得平坦増幅器140を挙げている。ここで挙げた演算データ(operational data)は、以下の演算を証明する。入力信号波長の範囲が1528〜1562nmの間にある時、利得は、35dBより大きく、雑音指数は、5.5〜6.7dBの間にあり、且つ、入力信号パワーが−25dBmである時、ピーク利得変化量は、1.1dBである。よって、本発明の光増幅器140は、ほぼ平坦で、且つ、スペクトルが均一な利得を提供し、更に、波長範囲が1528〜1562nmの間にある利得値を増加する。また、波長範囲は、波長分割多重信号と関連がある。
【0029】
前述の描写は、図式の説明に用いられたもので本発明の外型として制限するもの、またはその他の実施例を限定するものではなく、本発明の精神および範囲を逸脱しない限りにおいては、当業者であれば行い得る少々の変更や修正を付加することは可能である。例えば、図9に示されるように、選択可能なポンプ光源は、第1段210と第2段220の間の接続構造を共有し、第3光結合器912の入力端子は、光源911(例えば、レーザーまたは発光ダイオード)と接続される。第3光結合器912の第1と第2出力端子は、第1光結合器213と第2光結合器222と接続され、第1出力端子は、第1ポンプ光を第1光結合器213に到達するように提供され、第2出力端子は、第2ポンプ光を第2光結合器222に到達するように提供される。第1と第2ポンプ光は、光源911より出力され、第1光結合器213と第2光結合器222によって平面導波路媒質214とエルビウムドープファイバ223にそれぞれ伝送される。よって、本実施例は、2つのポンプ光源を用いて第1と第2ポンプ光を提供するのと異なり、図9の光増幅器140は、1つの光源911のみ有し、且つ、光源911によって第1と第2ポンプ光を提供する。
【0030】
また、もう1つの方面から見てエルビウムドープファイバ223は、また入力を受けることができる波長分割多重信号の第1段に設置されることができ、エルビウムドープ平面導波路媒質214を含む第1段は、出力するように増幅された後の波長分割多重信号の第2段に設置されることができる。前述のように、光増幅器140は、エルビウムドープ平面導波路媒質、またはエルビウムドープファイバを有する2段型式(第1段210と第2段を含む)の直列接続を用いて得ることができる。また、エルビウムが平面導波路媒質214とエルビウムドープファイバ223の蛍光材料として描写されているが、その他の対応する、異なるポンプ波長を有する蛍光材料、例えばその他の希土類元素を用いることもできる。
【0031】
図10の実施例は、図9とほぼ同じであり、異なる部分は、本実施例の光増幅器640が第1段610と第2段620を含むことである。第1段610と第2段620の内部素子は、図9の実施例と僅かに差異を有する。第1段610は、第1光アイソレーター211と第1光接合器213の間に第1光源611が設置され、第1平面導波路514と第1光学フィルター515は、第1光接合器213と第2光アイソレーター216の間に順次に設置される。また、第2段620の構造は、第1段610とほぼ同じであり、第3光アイソレーター511、第2光源711、第2光結合器222、第2平面導波路517、第2光学フィルター513と、第4光アイソレーター516を含み、順次に接続される。また、注意するのは、第1光通信経路130aと第2光通信経路130bは、第1と第2平面導波路514と517にそれぞれ接続される。
【0032】
以上、本発明の好適な実施例を例示したが、これは本発明を限定するものではなく、本発明の精神および範囲を逸脱しない限りにおいては、当業者であれば行い得る少々の変更や修飾を付加することは可能である。従って、本発明が保護を請求する範囲は、特許請求の範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0033】
100 波長分割多重の伝送システム
110 送受信機
120 波長分割多重マルチプレクサ
130 光通信経路
130a 第1光通信経路
130b 第2光通信経路
140、640 光増幅器
150 波長分割多重デマルチプレクサ
160 受信機
210、610 第1段
211、224 光アイソレーター
212、221、911 光源
213 第1光接合器
214 平面導波路媒質
215 光学フィルター
216 第2光アイソレーター
220、620 第2段
222 第2光接合器
223 エルビウムドープファイバ
305 ガラス基板
310 埋め込み領域
410 コア部
420 クラッド
511 第3光アイソレーター
513 第2光学フィルター
514 第1平面導波路
515 第1光学フィルター
516 第4光アイソレーター
517 第2平面導波路
611 第1光源
711 第2光源
912 第3光接合器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光通信経路を有する第1段、および
前記第1光通信経路と接続される第2光通信経路を有する第2段を含み、
蛍光材料がドープされた領域を含む基板を含む平面導波路が、前記第1段の前記第1光通信経路に接続され、
前記蛍光材料がドープされたコア部を含む光ファイバが、前記第2段の前記第2光通信経路に接続されている光増幅器。
【請求項2】
第1入力光学信号と第1ポンプ光を結合してから、結合された後の第1入力光学信号と第1ポンプ光を第1光通信経路に送る第1光接合器、および
第2入力光学信号と第2ポンプ光を結合してから、結合された後の第2入力光学信号と第2ポンプ光を第2光通信経路に送る第2光接合器を更に含む請求項1記載の光増幅器。
【請求項3】
光源、および
前記光源と接続された入力端子、前記第1光接合器に到達する前記第1ポンプ光を提供する第1出力端子と、前記第2光接合器に到達する前記第2ポンプ光を提供する第2出力端子を含む第3光接合器を更に含み、前記第1光接合器が第1光結合器であり、前記第2光接合器が第2光結合器であり、前記第3接合器が第3光結合器である請求項2記載の光増幅器。
【請求項4】
前記第2ポンプ光を出力し、それが前記第2光結合器に接続される第2光源を更に含み、前記第2光接合器が第2光結合器である請求項3記載の光増幅器。
【請求項5】
前記平面導波路は、出力端子と入力端子を含み、前記光増幅器は、
前記第1光結合器によって前記平面導波路の前記入力端子に接続された第1光アイソレーター、
前記第1ポンプ光の伝送をブロックし、それが前記平面導波路の前記出力端子に接続される光学フィルター、および
前記光学フィルターに接続された第2光アイソレーターを更に含み、前記第1光接合器が第1光結合器である請求項2記載の光増幅器。
【請求項6】
前記第1ポンプ光を出力し、それが前記第1光結合器に接続される第1光源、および
前記第2ポンプ光を出力し、それが前記第2光結合器に接続される第2光源を更に含み、前記第1光接合器が第1光結合器であり、前記第2光接合器が第2光結合器である請求項2記載の光増幅器。
【請求項7】
前記第1ポンプ光と前記第2ポンプ光の波長は、980nmである請求項2記載の光増幅器。
【請求項8】
前記蛍光材料は、希土類元素を含む請求項2記載の光増幅器。
【請求項9】
前記希土類元素は、エルビウム元素を含む請求項8記載の光増幅器。
【請求項10】
前記光増幅器は、入力光学信号を受け、且つ、前記入力光学信号によって反応後の出力光学信号を提供し、前記入力光学信号のパワーが−25dBmで、前記出力光学信号が波長範囲が1528〜1562nmの間にある複数の光学信号を含む時、前記光増幅器の複数の利得値は、37dBより大きく、または等しく、且つ、利得の変化は、1.1dBに等しく、または小さい請求項1記載の光増幅器。
【請求項11】
前記光増幅器に入った入力信号は、前記平面導波路に伝送され、前記光増幅器の出力信号は、前記光ファイバより提供される請求項1記載の光増幅器。
【請求項12】
前記光増幅器に入った入力信号は、前記平面導波路に伝送され、前記光増幅器の出力信号は、前記平面導波路より提供される請求項1記載の光増幅器。
【請求項13】
各対応する光学信号を伝送し、前記各光学信号は対応する波長を有する複数の送受信機、
前記光学信号を光通信経路に結合するマルチプレクサ、
第1光通信路を有する第1段、および
前記第1光通信経路と接続される第2光通信経路を有する第2段を含む光増幅器、
対応する波長に基づいて各光学信号を区分するデマルチプレクサ、および
区分された後の前記光学信号を受け、且つ、前記光学信号を電気信号に変換する複数の受信機を含む波長分割多重の伝送システムであって、
蛍光材料がドープされた領域を含む基板を含む平面導波路が、前記第1段の前記第1光通信経路に接続され、
前記蛍光材料がドープされたコア部を含む光ファイバが、前記第2段の前記第2光通信経路に接続されている波長分割多重の伝送システム。
【請求項14】
第1入力光学信号と第1ポンプ光を結合してから、結合された後の第1入力光学信号と第1ポンプ光を第1光通信経路に送る第1光接合器、および
第2入力光学信号と第2ポンプ光を結合してから、結合された後の第2入力光学信号と第2ポンプ光を第2光通信経路に送る第2光接合器を更に含む請求項13記載の波長分割多重の伝送システム。
【請求項15】
光源、および
前記光源と接続された入力端子、前記第1光接合器に到達する前記第1ポンプ光を提供する第1出力端子と、前記第2光接合器に到達する前記第2ポンプ光を提供する第2出力端子を含む第3光接合器を更に含み、前記第1光接合器が第1光結合器であり、前記第2光接合器が第2光結合器であり、前記第3光接合器が第3光結合器である請求項14記載の波長分割多重の伝送システム。
【請求項16】
前記第2ポンプ光を出力し、それが前記第2光結合器に接続される第2光源を更に含み、前記第2光接合器が第2光結合器である請求項15記載の波長分割多重の伝送システム。
【請求項17】
前記光増幅器の前記平面導波路は、出力端子と入力端子を含み、前記光増幅器は、
前記第1光結合器によって前記平面導波路の前記入力端子に接続された第1光アイソレーター、
前記第1ポンプ光の伝送をブロックし、それが前記平面導波路の前記出力端子に接続される光学フィルター、および
前記光学フィルターに接続された第2光アイソレーターを更に含み、前記第1光接合器が第1光結合器である請求項14記載の波長分割多重の伝送システム。
【請求項18】
前記第1ポンプ光を出力し、それが前記第1光結合器に接続される第1光源、および
前記第2ポンプ光を出力し、それが前記第2光結合器に接続される第2光源を更に含み、前記第1光接合器が第1光結合器であり、前記第2光接合器が第2光結合器である請求項14記載の波長分割多重の伝送システム。
【請求項19】
前記第1ポンプ光と前記第2ポンプ光の波長は、980nmである請求項14記載の波長分割多重の伝送システム。
【請求項20】
前記蛍光材料は、希土類元素を含む請求項13記載の波長分割多重の伝送システム。
【請求項21】
前記希土類元素は、エルビウム元素を含む請求項20記載の波長分割多重の伝送システム。
【請求項22】
前記光増幅器は、入力光学信号を受け、且つ、前記入力光学信号によって反応後の出力光学信号を提供し、前記入力光学信号のパワーが−25dBmで、前記出力光学信号が波長範囲が1528〜1562nmの間にある複数の光学信号を含む時、前記光増幅器の複数の利得値は、37dBより大きく、または等しく、且つ利得の変化は、1.1dBに等しく、または小さい請求項13記載の波長分割多重の伝送システム。
【請求項23】
前記光増幅器に入った入力信号は、前記平面導波路に伝送され、前記光増幅器の出力信号は、前記光ファイバより提供される請求項13記載の波長分割多重の伝送システム。
【請求項24】
前記光増幅器に入った入力信号は、前記平面導波路に伝送され、前記光増幅器の出力信号は、前記平面導波路より提供される請求項13記載の波長分割多重の伝送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−18944(P2011−18944A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231943(P2010−231943)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【分割の表示】特願2007−150497(P2007−150497)の分割
【原出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【出願人】(390023582)財団法人工業技術研究院 (524)
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】195 Chung Hsing Rd.,Sec.4,Chutung,Hsin−Chu,Taiwan R.O.C
【Fターム(参考)】