説明

利用権システム、利用者端末、利用権発行装置、利用権発行方法、利用権発行要求方法、および利用権譲渡方法

【課題】利用者端末間のみの通信により、利用権保有者が利用権内の条件式を変更し、利用権を他の利用者に応じた利用権に変更し、譲渡することを可能とする。
【解決手段】利用者端末1Aの利用者が利用権の変更領域を選択し、譲渡先利用者必要情報としてどんな項目が必要か抽出し、譲渡先利用者端末1Bへ情報を要求する。この要求を受信した譲渡先利用者端末1Bでは自身のプロファイル情報と照合し、必要情報を生成、譲渡元利用者端末1Aへ返信する。譲渡元利用者端末1Aでは、利用者領域での変更を決定し、条件式変更許諾権と譲渡先利用者端末1Bより受信した譲渡先利用者必要情報を比較し、変更可能であれば条件式の変更を行う。一方、利用権の条件式のうち利用者領域以外で変更があれば変更を指定し、変更可能ならば、利用者以外の領域の条件式を変更する。変更後の利用者に関する条件式を抽出し、譲渡先利用者端末1Bに送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービスを受けるために必要となる利用権を流通する利用権システムに関する。以下、従来のクーポン券やギフト券など個人を特定することがないチケットや、コンサートや演劇などのチケットで購入者にくくりつけられたチケットをデジタル管理する電子チケットも含めて、利用権と呼ぶこととする。
【背景技術】
【0002】
従来から携帯型媒体に利用権情報を格納するシステムがあるが、ネットワークを介して利用権情報を譲渡するので必ず両者の携帯型媒体をネットワークに接続しなければならないという問題がある。その問題を解決するものとして利用者ごとの利用権の保管場所となる口座装置をネットワーク上に配置し、消費や譲渡の際には接続されている口座装置間でやり取りをさせる。これにより、譲渡元の利用者端末と譲渡先の利用者端末との相互通信なしに一方的に利用権を譲渡することを可能とすることができ、前記必ず両者の端末をネットワークに接続しなければならないという問題を解決したものとして特許文献1がある。しかし、譲渡する際には譲渡元の利用者端末、譲り受ける際には譲渡先の利用者端末が各自の口座装置とネットワークで接続されていなくてはならないという問題点がある。さらに譲渡の際に利用権内の条件式を変更する機能を持たない。そのため、利用者にくくりつけられた利用権を利用して、利用権内に記述されている条件式を変更して、他の利用者端末に譲渡することができなかった。
【0003】
ある特定のサービス提供者が運用するシステムを介することなく、実際にサービスを提供するサービス提供装置と利用者端末との間のトランザクションのみで譲渡、分割、条件の変更を可能とするものとして特許文献2がある。しかし、ここでの条件の変更とはサービスを利用した際に、回数券式の利用権の有効利用回数を減算するなどの変更を対象としており、譲渡先の利用者に合わせた条件式の変更などは扱っていない。
【特許文献1】特開2001−56835号公報
【特許文献2】特開2004−32220号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
利用権を電子的に管理する場合、利用者は利用権の実体は持ち歩かず、利用権の実体の場所を指し示すトークンだけを持ち歩き、利用権の実体はサーバで管理する方法と利用権自体を利用者が持ち歩くタイプとが考えられる。その中で、本発明では利用者の持つ端末内に利用権を入れ、持ち歩くタイプの利用権システムでの利用権の譲渡を対象とする。利用権の譲渡を考えた場合、例えばクーポン券やギフト券など個人を特定することがない利用権を対象とする場合と、コンサートや演劇の利用権などで氏名や会員制限など購入者にくくりつけられた利用権とが考えられる。このような個人にくくりつけられた利用権の譲渡を行う際に、特定のサービスを受けるために満たすべき条件が利用権内に記述されている。そのため、この条件式を変更しないことには他人に譲渡しても譲渡された利用者は利用条件を満たすことができないため、結局利用権を無駄にしてしまうことがあった。従来までの利用権の利用者名などを変更する際には、ネットワーク上に配置された利用権発行サーバや特定の場所に設置された専用端末を利用して行わなければならないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、利用者端末間のみの通信により、サーバや専用端末などに利用権内部の条件式を変更してもらうことなく、利用権保有者が利用権内の条件式を変更し、これにより利用権を、譲渡する相手の利用可能な利用権に変更し、譲渡し、サービスを提供することが可能な利用権システムを提供することにある。ただし、ここでいう利用権は、特定のサービスを受けるために満たすべき条件が記載されていて、それを流通・判定させることでサービスの提供可否を可能にしているものを指す。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の利用権システムは、
要求により利用権と条件式変更許諾権を発行する利用権発行装置と、該利用権発行装置に要求し、前記利用権発行装置から発行された利用権内に記述された条件式を変更し、他の利用者端末に譲渡する第1の利用者端末と、前記第1の利用者端末から利用権を譲渡される第2の利用者端末と、前記第1または第2の利用者端末から利用権を受信し、実際にサービスを実行するサービス提供装置とを備え、
前記利用権発行装置は、第1の利用者端末からの利用権の発行要求を受け、第1の利用者端末との間で認証を行うための手段と、前記第1の利用者端末に利用権の選択を要求する手段と、前記第1の利用者端末より指定された利用権が発行可能か否か判定し、発行可能であれば該利用権を生成する手段と、該利用権内に記述されている条件式のうち変更することを許諾する領域を決定し、該決定された領域が記載された条件式変更許諾権を生成する手段と、生成された利用権と条件式変更許諾権を前記第1の利用者端末に送信する手段とを含み、
前記第1の利用者端末は、前記利用権発行装置に対して利用権の発行を要求する手段と、利用権の発行を受けるために前記利用権発行装置との間で認証を行うための手段と、前記利用権発行装置より提示された複数の利用権から利用権を選択し、前記利用権発行装置に選択した利用権を通知する手段と、前記利用権発行装置から送信された利用権が正当な利用権であるか否か判定し、正当な利用権であれば該利用権を保存しておく手段と、前記第2の利用者端末に譲渡する利用権を選択する手段と、前記条件式変更許諾権を検証し、該利用権に記述されている条件式のどの領域が変更可能かを判定する手段と、該第1の利用者端末の利用者に変更可能領域を通知する手段と、該利用者が、通知された変更可能領域から変更領域を選択する手段と、前記変更領域が利用者に関する領域の場合、前記第2の利用者端末に譲渡先利用者必要情報を要求し、保有している条件式変更許諾権と受信した前記譲渡先利用者必要情報に基づき、前記利用権内に記述されている条件式を譲渡先利用者に応じて変更する手段と、前記変更領域が利用者に関する領域以外の領域の場合、変更可能であれば、前記変更領域の条件式を変更する手段と、条件式が変更された利用権から利用者に関する条件式を抽出し、前記第2の利用者端末へ通知する手段と、前記変更後の利用者に関する条件式の利用可否判定結果を前記第2の利用者端末より受信し、前記利用権が譲渡可能か否かを判定する手段と、譲渡可能であれば、前記利用権を前記第2の利用者端末に譲渡する手段とを含み、
前記第2の利用者端末は、前記第1の利用者端末より前記譲渡先利用者必要情報の要求を受け、利用権の受け取りに必要となる利用者情報を前記第2の利用者端末に送信する手段と、前記第1の利用者端末より変更後の利用者に関する条件式を受信し、その利用可否を判定し、判定結果を前記第1の利用者端末へ通知する手段と、前記第1の利用者端末より譲渡された利用権を格納する手段とを含む。
【0007】
利用権発行の際、利用権発行装置は、利用権と、該利用権と対をなす条件式変更許諾権を譲渡元の第1の利用者端末に発行する。第1の利用者端末は条件式変更機能を有し、条件式変更許諾権により許諾されている範囲内で利用権内の条件式を変更して、利用権を譲渡先の第2の利用者端末に応じた利用権に変更し、第2の譲渡先利用者端末に譲渡する。
【0008】
このために、本発明では、利用者の所有する端末内にICカードに内蔵されているセキュアなICチップ、またはそれと同等のセキュアなメモリ領域や演算能力を有するデバイスを搭載し、そのセキュアな領域に、端末を所有する利用者自身のプロファイル情報を格納し、利用権の行使条件を記述した条件式の変更を行う機能を持たせることとする。
【0009】
さらに、誰でも条件式を変更できるのではなく、条件式を変更する権限を持った利用者だけが変更できる。さらに、利用権発行装置は、利用者に対して、条件式のどの領域を書き換えることを可能とさせるのかを指定する条件式変更許諾権を、利用権と同時に発行する。ここで、条件式変更許諾権は利用権ごとに対を成す形で発行される。
【0010】
また、利用権発行装置には利用者に利用権を発行する際に、利用権内の条件式の変更領域を示す条件式変更許諾権で許諾する領域を、利用権購入者に応じて設定できる機能を持たせることとする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、利用者端末間のみの通信により、利用権保有者が利用権内の条件式を変更して、利用権を他の利用者に応じた利用権に変更し、譲渡することが可能となるため、サーバや専用端末などに利用権内部の条件式を変更してもらうことがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0013】
[第1の実施形態]
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態による利用権システムは、あるサービスを受けるために満たすべき条件式が記載されている利用権と、利用権内に記述されている条件式の指定の領域を変更することを許可する条件式変更許諾権とを発行する利用権発行装置2と、利用権を購入した利用者の所有する利用者端末1Aと、この利用者端末1Aから利用権が譲渡される譲渡先の利用者端末1Bと、利用者端末から利用権を提示され、サービスを実際に実行するサービス提供装置3と、これらを接続するネットワーク4で構成されている。
【0014】
利用者端末1Aや1Bは、携帯電話機等、利用者個人個人の所有する端末であり、ICチップ等セキュアな領域を内部にもつ、もしくはICカードと同等のセキュアなデバイスを差し込むことで利用する端末であり、そのセキュアな領域に利用者自身のプロファイル情報や各処理を行うための機能を搭載しているものである。なお、利用者端末1Aと1B間および利用者端末1Aもしくは1Bとサービス提供装置3間の通信は赤外線等の通信手段を用いて行なえるものとする。
【0015】
利用者端末1Aは、図2に示すように、利用権発行装置2に対して利用権の発行要求を行う利用権発行要求部11と、利用権の発行を受けるために利用権発行装置2との間で認証を行う認証判定部12と、利用権発行装置2より提示された複数の利用権の中から利用権を選択し、利用権発行装置2に通知する利用権選択部13と、利用権格納部14と、利用権発行装置2より送信されてきた利用権と条件式変更許諾権の電子署名を検証し、正当な利用者であることが判明すると、利用権格納部14に利用権と条件式変更許諾権を格納する利用権/条件式変更許諾権検証部15と、利用者端末1Bに譲渡する利用権を選択する譲渡利用権選択部16と、譲渡する利用権と対をなす条件式変更許諾権を検証し、利用権の内部に記述されている条件式のどの領域が変更可能であるかを判定し、変更可能領域を利用者に通知する条件式変更許諾権検証部17と、利用者に変更可能領域を通知する変更可能領域通知部18と、変更可能領域を選択する変更可能領域選択部19と、利用権内の条件式のうちで利用者に関する条件と利用者以外に関する条件とで変更があるか否か判定し、利用者に関する条件で変更があれば利用者端末1Bに利用者必要情報を要求し、必要情報を受け取った後、これを検証し、利用者に関する条件が変更可能であれば、これを変更し、利用者以外に関する条件が変更可能であれば、これを変更する利用権内条件式変更部20と、条件式が変更された利用権から利用者に関する条件式を抽出し、利用者端末1Bに通知する条件式通知部21と、変更後の利用者に関する条件式の利用可否判定結果を利用者端末1Bより受信し、譲渡可能かどうか判定し、譲渡可能であれば、利用権を利用者端末1Bに譲渡する利用権譲渡部22と、利用権譲渡の際に、譲渡した利用権の識別子、譲渡先利用者、譲渡時の条件を記録しておく譲渡記録管理部23と、記録内容を利用権発行装置2に送信する譲渡記録送信部24と、利用者端末1Aの利用者の情報を格納する利用者情報格納部25を含む。なお、譲渡記録管理部23と譲渡記録送信部24は利用者端末1Bにあってもよい。この場合、譲渡先利用者の代わりに譲渡元利用者を記録する。
【0016】
利用者端末1Bは、図3に示すように、利用者端末1Aより譲渡先利用者必要情報要求を受け、受け取りに必要となる利用者情報を利用者端末1Aに送信する受取必要情報生成部26と、利用者端末1Aより、変更後の利用者に関する条件式を受信し、その利用可否を判定し、結果を利用者端末1Aに送信する利用可否判定部27と、利用者端末1Aより譲渡された利用権を格納する利用権格納部28とを含む。
【0017】
利用権発行装置2は、図4に示すように、利用者端末1Aからの利用権発行要求を受け、利用者端末1Aとの間で認証を行う認証判定部31と、利用者端末1Aに利用権の選択を要求する利用権選択要求部32と、利用者端末1Aにより指定された利用権が発行可能か判定し、発行可能であれば利用権を発行する利用権生成部33と、該利用権内に記述されている条件式の変更許諾領域を決定し、決定された領域が記載された条件式変更許諾権を生成する条件式変更許諾権生成部34と、生成された利用権と条件式変更許諾権をそれぞれ記憶し、利用者端末1Aに送信する利用権/条件式変更許諾権記憶部37、利用権/条件式変更許諾権送信部35と、電子署名生成部36とを含む。
【0018】
サービス提供装置3は、例えばコンサート会場に設置されている入場ゲートや座席であり、利用者端末内の利用権を提示され、その利用権が入場ゲートや座席の提供するサービスと合致していれば、利用可能にする装置とする。
【0019】
なお、本実施形態では利用者端末1A、1Bをそれぞれ譲渡元端末、譲渡先端末としたが、両端末1A、1Bは基本的に譲渡元端末と譲渡先端末の両方の機能を備えている。
【0020】
ここで、利用権の一例を表1に示し、利用権と同時に利用権発行装置4より利用者端末1Aに発行される条件式変更許諾権の一例を表2に示す。
【0021】
【表1】

【0022】
【表2】

図5は、本実施形態による利用権システムの利用権発行時の動作を示すシーケンス図である。
【0023】
まず、利用者端末1Aが利用権発行装置2に利用権発行要求を行い、利用権発行装置4と利用者端末1Aがお互いに公開鍵証明書を交換し合い、正当性を検証しあう(ステップ101,102)。そこで、正当性が保証されると、利用者端末1Aに対して、いつどこで開催されるコンサートの利用権を購入するのかなどを選択するように、利用者端末1Aへと要求する(ステップ103)。要求を受けた利用者端末1Aは利用権を指定する(ステップ104)。利用権発行装置2は利用者の属性が必要かどうか判定し(ステップ105)、必要ならば利用者端末1Aに属性を要求し(ステップ106)、利用者端末1Aは属性を送信する(ステップ107)。利用者に与える変更許諾領域は指定された利用権と対を成す条件式変更許諾権により決定される。そのため、利用権発行装置2は利用者がコンサートを開いたアーティストのゴールド会員登録がされているか判定(属性判定)を行う(ステップ108)。利用権発行装置2では、属性判定の結果と利用者より指定された利用権の空席情報などを参照し、利用権が発行可能か否かを判定する(ステップ109)。発行可能である場合には、例えば表1に示すような利用権を生成し(ステップ110)、電子署名を付与する(ステップ111)。ゴールド会員属性を持つ利用者端末1Aには、条件式変更許諾権として、利用権内に記述された条件文のうち利用者名の領域を書き換えることを許可することが決定され(ステップ112)、該領域が記載された条件式変更許諾権が生成される(ステップ113)。さらに、条件式変更許諾権に電子署名を付与し(ステップ114)、利用権と条件式変更許諾権の両方を利用者端末1Aに送信する(ステップ115)。これら2つの権利を受信した利用者端末1Aでは、各々の電子署名を検証し(ステップ116)、正当な利用権であることが判明すると、利用権格納部14に利用権と条件式変更許諾権の2つの権利を格納する(ステップ117,118)。
【0024】
また、ゴールド会員に与えられる条件式変更許諾権には、利用者名と座席が変更可能であると記載する。一方、通常の会員の条件式変更許諾権には利用者名のみ変更可能であると記述されているような区別をしてもよい。
【0025】
利用権購入者がゴールド会員かどうかという属性判定の例を示したが、要求している利用権の種類により、利用者に与える条件式変更許諾権により利用者に与える変更許諾領域を決定する場合もある。例えば、先行予約利用権購入や通常よりも金額の上乗せされたプレミアム利用権を要求している利用者には利用者名の領域を条件式変更許諾権として発行するということも考えられる。
【0026】
図6は、本実施形態による利用権システムの利用権譲渡時の動作を示すシーケンス図である。
【0027】
利用者端末1Aが自身で購入したコンサートの利用権を保有しているが、都合が悪くなってしまった等で利用権を無駄にしないためにも、他にコンサートに行くことができる人物を探し、譲渡したい相手を見つけたとする(ステップ201)。利用者端末1Aに与えられている利用権に対を成す条件式変更許諾権を検証し(ステップ202)、許諾権の正当性だけでなく、利用権の条件式のうちどの領域であれば変更することが許可されているか検証したところ、表2のように利用者名を変更してもよいことがわかる。ここで、利用者にわかる形で変更可能領域が通知され(ステップ203)、利用者端末1Aの利用者が変更領域の選択をする(ステップ204)。また、表1のように利用権は利用者に関する条件と利用者以外に関する条件との2つのカテゴリに分かれており、利用者に関する条件が利用権内部の条件式に記述されている場合には、そのまま譲渡先利用者端末に譲渡しても利用することができないため、譲渡先利用者端末の情報を加味して条件式を変更することが必要となる(ステップ205)。そこで、譲渡先利用者必要情報としてどんな項目が必要か抽出し(ステップ206)、譲渡先利用者端末1Bへ情報を要求する(ステップ207)。この要求を受信した譲渡先利用者端末1Bでは自身のプロファイル情報と照合し、必要情報を生成(ステップ208)、電子署名を付与し(ステップ209)、譲渡元利用者端末1Aへ返信する。譲渡元利用者端末1Aでは、電子署名を検証し(ステップ211)、改ざんがされていないことを検証した後、利用者領域での変更を決定し(ステップ212)、条件式変更許諾権と譲渡先利用者端末1Bより受信した譲渡先利用者必要情報を比較し、変更可能であれば条件式の変更を行う(ステップ212,213)。一方、利用権の条件式のうち利用者領域以外で変更指定された箇所があるか否かを前記変更領域の選択で選択された箇所と照らし合わせることで判断する(ステップ214)。表2では利用者名のみ変更許諾が与えられており、利用者以外に関する条件の変更は認められていないため、利用者領域以外で変更は行われない。変更があれば変更を指定し(ステップ215)、変更可能ならば、利用者以外の領域の条件式を変更する(ステップ216,217)。条件式が変更された利用権から利用者に関する条件式を抽出し(ステップ218)、譲渡先利用者端末1Bに送信し(ステップ219)、これを受信した譲渡先利用者端末1Bでは自身のプロファイル情報と照合し利用可否判定を行い(ステップ220)、結果を譲渡元利用者端末1Aへ返信する(ステップ221)。利用者端末1Aはこの利用可否判定結果を元に譲渡可能かを判定し(ステップ222)、利用可、すなわち譲渡可能な場合には利用権に署名を生成し(ステップ223)、条件式変更許諾権と共に譲渡先利用者端末1Bに送信する(ステップ224)。譲渡先利用者端末1Bでは署名を検証し(ステップ225)、正当な利用権である場合には利用権と条件式変更許諾権の両者を利用権格納部28に格納する(ステップ226)。
【0028】
なお、本実施形態では条件式変更許諾権として利用者名を取り上げたが、利用権の行使条件として設定されている他の項目である座席、時間等の領域への条件式変更許諾権を設定することもサービスによっては可能と考えられる。ただし、座席や時間等の変更には、行使時に変更先の座席や時間帯に空席があることが条件となると考えられる。
【0029】
本実施形態では、サービス提供装置3はネットワークを介さず利用者端末1A,1Bと赤外線等の通信手段を用いて直接通信をする例を挙げているが、該当サービスがデジタルコンテンツやWebサービスなどである場合、サービスの提供装置3はネットワークを介して利用者端末1A,1Bと接続し、利用権行使依頼をされる形態も考えられる。
【0030】
[第2の実施形態]
本実施形態による利用権システムの構成は図1に示した第1の実施形態の構成と違いはない。すなわち、本実施形態による利用権システムは、利用権と利用権内に記述されている条件式の指定の領域を変更することを許可する条件式変更許諾権とを発行する利用権発行装置2と、利用権を購入した利用者の所有する利用者端末1Aと、この利用者端末1Aから利用権を譲渡される譲渡先の利用者端末1Bと、利用者端末が特定のサービスを受ける際に利用権を提示し、サービスを実際に実行するサービス提供装置3で構成されている。
【0031】
サービス提供装置3は、例えば特定の団体に所属している利用者のみ購入可能な講演会などの座席であり、利用者端末内の利用権を提示され、その利用権が座席の提供するサービスと合致していれば、利用可能にする装置である。利用権発行装置2と利用者端末1A、利用者端末1B、サービス提供装置3はインターネット等のネットワーク4を介して通信可能である。
【0032】
本実施形態における利用権の例を表3に、利用権と同時に利用権発行装置2より利用者端末1Aに発行される条件式変更許諾権の例を表4に示す。表3には譲渡の際に満たさなければならない譲渡条件の一例が利用権の一部として記述されている。
【0033】
【表3】

【0034】
【表4】

次に、本実施形態の動作を説明する。
【0035】
まず、利用者端末1Aが利用権発行装置2に接続要求を行い、利用権発行装置2と利用者端末1Aがお互いに公開鍵証明書を交換し合い、正当性を検証しあう。そこで、正当性が保証されると、いつどこで開催される講演会の利用権を購入するのかなどを選択するよう利用者端末1Aへと要求する。この要求に対し、利用者端末1Aでは利用権を指定し、利用権発行装置2へ返信するが、指定された利用権は本例では特定の団体に所属する利用者のみ利用可能であるため、利用者の属性を要求する。属性を要求された利用者端末1Aは必要な利用者属性を利用権発行装置2へと返信し、利用権発行装置2では属性情報の判定と利用者より指定された利用権の空席情報などを参照し、発行可能か判定する。発行可能である場合には、例えば表3に示すような利用権を生成し、電子署名を付与する。
【0036】
利用者端末1Aには条件式変更許諾権として、利用権内に記述された条件式のうち利用者名の領域を書き換えることを許可することが決定され、条件式変更許諾権が生成される。条件式変更許諾権に電子署名を付与し、利用者端末1Aに送信する。これら2つの権利を受信した利用者端末1Aでは、各々の電子署名を検証し、正当な利用権であることが判明すると利用権格納部14に利用権と条件式変更許諾権を格納する。
【0037】
図7は、本実施形態による利用権システムの利用権譲渡時の動作を示すシーケンス図である。図7はステップ205の後にステップ227が追加されている点を除いて図6と同じである。
【0038】
利用者端末1Aが自身で購入した講演会の利用権を保有しているが、都合が悪くなってしまった等で利用権を無駄にしないためにも、他に講演会に行くことができる人物を探し、譲渡したい相手を見つけたとする。利用者が譲渡する利用権を選択すると、利用者端末1Aに与えられている該当利用権に対を成す条件式変更許諾権を検証し(ステップ202)、許諾権の正当性だけでなく、利用権の条件式のうちどの領域であれば変更することが許可されているか検証したところ、表4のように利用者名を変更してもよいことがわかる。変更可能領域が利用権にわかる形で通知され(ステップ203)、利用者が変更領域を選択する(ステップ204)。また、表3のように利用権は利用者に関する条件と利用者以外に関する条件との2つのカテゴリに分かれており、利用者に関する条件が利用権内部の条件式に記述されている場合には、そのまま譲渡先利用者端末に譲渡しても利用することができないため、譲渡先利用者端末の情報を加味して、条件式の変更が必要となる(ステップ205)。譲渡条件の検証を行うと(ステップ227)、譲渡先利用者は利用者端末1Aの利用者の家族でなくてはならないことがわかり、そこで、譲渡先利用者必要情報としてどんな項目が必要か抽出した後(ステップ206)、譲渡先利用者端末1Bへ譲渡先利用者の情報を要求する(ステップ207)。この要求を受信した譲渡先利用者端末1Bでは自身のプロファイル情報と照合し、必要情報を生成(ステップ208)、電子署名を付与し(ステップ209)、譲渡元利用者端末1Aへ返信する。譲渡元利用者端末1Aでは、電子署名を検証し(ステップ211)、改ざんがされていないことを検証した後、利用者領域での変更を決定し(ステップ212)、指定された項目が変更可能であれば条件式の変更を行う(ステップ212,213)。一方、利用権の条件式のうち利用者領域以外で変更指定された箇所があるか否かを前記変更領域の選択で選択された箇所と照らし合わせることで判断する(ステップ214)。表4では利用者名のみ変更許諾が与えられており、利用者以外に関する条件の変更は認められていないため、利用者領域以外で変更は行われない。変更後の利用者に関する条件式を抽出し(ステップ218)、譲渡先利用者端末1Bに送信し(ステップ219)、これを受信した譲渡先利用者端末1Bでは自身のプロファイル情報と照合し利用可否判定を行い(ステップ220)、結果を譲渡元利用者端末1Aへ返信する(ステップ221)。この利用可否判定結果を元に譲渡可能かを判定し(ステップ222)、利用可、すなわち譲渡可能な場合には利用権に署名を生成し(ステップ223)、条件式変更許諾権と共に譲渡先利用者端末1Bに送信する(ステップ224)。譲渡先利用者端末1Bでは署名を検証し(ステップ225)、正当な利用権である場合には利用権の格納を行う(ステップ226)。
【0039】
なお、本実施形態では譲渡可能か否かの判定に変更後の利用者に関する条件式の利用可否判定結果を用いて行っているが、譲渡条件に日時などが指定されている場合であれば、同様に利用権を譲渡する前に条件判定を行い、条件が満たされない場合には棄却され譲渡を行われないと考えられる。
【0040】
なお、利用者端末1A、1B、利用権発行装置4の機能は、その機能を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませ、実行するものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM等の記録媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク装置等の記憶装置を指す。さらに、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、インターネットを介してプログラムを送信する場合のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの(伝送媒体もしくは伝送波)、その場合のサーバとなるコンピュータ内の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものを含む。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上のように、本発明による利用権システムは、利用者端末間のみで多様な利用権の譲渡を可能にできるという効果を有し、電子的な価値の流通システムとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1、第2の実施形態による利用権システムの構成図である。
【図2】利用者端末1Aの構成を示す図である。
【図3】利用者端末1Bの構成を示す図である。
【図4】利用権発行装置2の構成を示す図である。
【図5】第1の実施形態の利用権システムの利用権発行時の動作を示すシーケンス図である。
【図6】第1の実施形態による利用権システムの利用権譲渡時の動作を示すシーケンス図である。
【図7】第2の実施形態による利用権システムの利用権譲渡時の動作を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0043】
1A,1B 利用者端末
2 利用権発行装置
3 サービス提供装置
4 ネットワーク
11 利用権発行要求部
12 認証判定部
13 利用権選択部
14 利用権格納部
15 利用権/条件式変更許諾検証部
16 譲渡利用権選択部
17 条件式変更許諾権検証部
18 変更可能領域通知部
19 変更可能領域選択部
20 利用権内条件式変更部
21 条件式通知部
22 利用権譲渡部
23 譲渡記録管理部
24 譲渡記録送信部
25 利用者情報格納部
26 受取必要情報生成部
27 利用可否判定部
28 利用権格納部
31 認証判定部
32 利用権選択要求部
33 利用権生成部
34 条件式変更許諾権生成部
35 利用権/条件式変更許諾権送信部
36 電子署名部
37 利用権/条件式変更許諾権記憶部
101〜118,201〜227 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
あるサービスを受けるために満たすべき条件式が記載されている利用権を利用し、サービス実行時に条件が前記条件式を満たしているかどうか判定し、満たしていると判定されると、サービスの利用が可能となる利用権システムであって、
要求により利用権と条件式変更許諾権を発行する利用権発行装置と、該利用権発行装置に要求し、前記利用権発行装置から発行された利用権内に記述された条件式を変更し、利用権を他の利用者端末に譲渡する第1の利用者端末と、前記第1の利用者端末から利用権を譲渡される第2の利用者端末と、前記第1または第2の利用者端末から利用権を受信し、実際にサービスを実行するサービス提供装置とを備え、
前記利用権発行装置は、第1の利用者端末からの利用権の発行要求を受け、第1の利用者端末との間で認証を行うための手段と、前記第1の利用者端末に利用権の選択を要求する手段と、前記第1の利用者端末より指定された利用権が発行可能か否か判定し、発行可能であれば該利用権を生成する手段と、該利用権内に記述されている条件式のうち変更することを許諾する領域を決定し、該決定された領域が記載された条件式変更許諾権を生成する手段と、生成された利用権と条件式変更許諾権を前記第1の利用者端末に送信する手段とを含み、
前記第1の利用者端末は、前記利用権発行装置に対して利用権の発行を要求する手段と、利用権の発行を受けるために前記利用権発行装置との間で認証を行うための手段と、前記利用権発行装置より提示された複数の利用権から利用権を選択し、前記利用権発行装置に選択した利用権を通知する手段と、前記利用権発行装置から送信された利用権が正当な利用権であるか否か判定し、正当な利用権であれば該利用権を保存しておく手段と、前記第2の利用者端末に譲渡する利用権を選択する手段と、前記条件式変更許諾権を検証し、該利用権に記述されている条件式のどの領域が変更可能かを判定する手段と、該第1の利用者端末の利用者に変更可能領域を通知する手段と、該利用者が、通知された変更可能領域から変更領域を選択する手段と、前記変更領域が利用者に関する領域の場合、前記第2の利用者端末に譲渡先利用者必要情報を要求し、保有している条件式変更許諾権と受信した前記譲渡先利用者必要情報に基づき、前記利用権内に記述されている条件式を譲渡先利用者に応じて変更する手段と、前記変更領域が利用者に関する領域以外の領域の場合、変更可能であれば、前記変更領域の条件式を変更する手段と、条件式が変更された利用権から利用者に関する条件式を抽出し、前記第2の利用者端末へ通知する手段と、前記変更後の利用者に関する条件式の利用可否判定結果を前記第2の利用者端末より受信し、前記利用権が譲渡可能か否かを判定する手段と、譲渡可能であれば、前記利用権を前記第2の利用者端末に譲渡する手段とを含み、
前記第2の利用者端末は、前記第1の利用者端末より前記譲渡先利用者必要情報の要求を受け、利用権の受け取りに必要となる利用者情報を前記第1の利用者端末に送信する手段と、前記第1の利用者端末より変更後の利用者に関する条件式を受信し、その利用可否を判定し、判定結果を前記第1の利用者端末へ通知する手段と、前記第1の利用者端末より譲渡された利用権を格納する手段とを含む
利用権システム。
【請求項2】
前記利用権発行装置は、利用者の状態および/または要求に応じて条件式の変更を許諾する範囲を変化させることが可能な条件式変更許諾権を生成する手段を含む、請求項1に記載の利用権システム。
【請求項3】
前記利用権発行装置は、発行する利用権の内部に他の利用者端末に利用権の譲渡を行う際に満たさなければならない条件を記述した譲渡条件の含まれた利用権を生成する手段を含み、
前記第1の利用者端末は、条件式変更許諾権と利用権内部の譲渡条件に応じて、前記第2の利用者端末に要求する譲渡先利用者必要情報を生成する手段とを含む、
請求項1に記載の利用権システム。
【請求項4】
前記第1と第2の少なくとも一方の利用者端末は、利用権譲渡の際に、譲渡した利用権の識別子、譲渡先または譲渡元利用者、譲渡時の条件を記録しておく譲渡記録管理手段と、記録内容を前記利用権発行装置に送信する手段とを有する、請求項1に記載の利用権システム。
【請求項5】
利用権発行装置より、あるサービスを受けるために満たすべき条件式が記載されている利用権と、該条件式のどの領域を書き換えることを利用者に可能とさせるのかを指定する条件式変更許諾権を発行してもらい、他の利用者端末に利用権を譲渡する利用者端末であって、
前記利用権発行装置に対して利用権の発行を要求する手段と、利用権の発行を受けるために前記利用権発行装置との間で認証を行うための手段と、前記利用権発行装置より提示された複数の利用権から利用権を選択し、前記利用権発行装置に選択した利用権を通知する手段と、前記利用権発行装置から送信された利用権が正当な利用権であるか否か判定し、正当な利用権であれば該利用権を保存しておく手段と、前記第2の利用者端末に譲渡する利用権を選択する手段と、前記条件式変更許諾権を検証し、該利用権に記述されている条件式のどの領域が変更可能かを判定する手段と、該第1の利用者端末の利用者に変更可能領域を通知する手段と、該利用者が、通知された変更可能領域から変更領域を選択する手段と、前記変更領域が利用者に関する領域の場合、前記第2の利用者端末に譲渡先利用者必要情報を要求し、保有している条件式変更許諾権と受信した前記譲渡先利用者必要情報に基づき、前記利用権内に記述されている条件式を譲渡先利用者に応じて変更する手段と、前記変更領域が利用者に関する領域以外の領域の場合、変更可能であれば、前記変更領域の条件式を変更する手段と、条件式が変更された利用権から利用者に関する条件式を抽出し、前記第2の利用者端末へ通知する手段と、前記変更後の利用者に関する条件式の利用可否判定結果を前記第2の利用者端末より受信し、前記利用権が譲渡可能か否かを判定する手段と、譲渡可能であれば、前記利用権を前記第2の利用者端末に譲渡する手段とを有する利用者端末。
【請求項6】
利用者端末の要求により、あるサービスを受けるために満たすべき条件式が記載されている利用権と、該条件式のどの領域を書き換えることを可能とさせるのかを指定する条件式変更許諾権を発行する利用権発行装置であって、
利用者端末からの利用権の発行要求を受け、該利用者端末との間で認証を行うための手段と、前記利用者端末に利用権の選択を要求する手段と、前記利用者端末より指定された利用権が発行可能か否か判定し、発行可能であれば該利用権を生成する手段と、該利用権内に記述されている条件式のうち変更することを許諾する領域を決定し、該決定された領域が記載された条件式変更許諾権を生成する手段と、生成された利用権と条件式変更許諾権を前記利用者端末に送信する手段とを有する利用権発行装置。
【請求項7】
利用者端末の要求により、あるサービスを受けるために満たすべき条件式が記載されている利用権と、該条件式のどの領域を書き換えることを利用者に可能とさせるのかを指定する条件式変更許諾権を発行する、利用権発行装置で行なわれる利用権発行方法であって、
認証手段が、利用者端末からの利用権の発行要求を受け、該利用者端末との間で認証を行うステップと、
利用権選択要求手段が前記利用者端末に利用権の選択を要求するステップと、
利用権生成手段が、前記利用者端末より指定された利用権が発行可能か否か判定し、発行可能であれば該利用権を生成するステップと、
条件式変更許諾権生成手段が、該利用権内に記述されている条件式のうち変更することを許諾する領域を決定し、該決定された領域が記載された条件式変更許諾権を生成するステップと、
送信手段が、生成された利用権と条件式変更許諾権を前記利用者端末に送信するステップと
を有する利用権発行方法。
【請求項8】
利用者端末が、利用権発行装置に、あるサービスを受けるために満たすべき条件式が記載されている利用権と、該条件式のどの領域を書き換えることを利用者に可能とさせるのかを指定する条件式変更許諾権の発行を要求する方法であって、
利用権発行要求手段が前記利用権発行装置に対して利用権の発行を要求するステップと、
認証手段が、利用権の発行を受けるために前記利用権発行装置との間で認証を行うステップと、
利用権通知手段が、前記利用権発行装置より提示された複数の利用権から中から利用者が選択した利用権を前記利用権発行装置に通知するステップと
利用権判定手段が、前記利用権発行装置から送信された利用権が正当な利用権であるか否か判定し、正当な利用権であれば該利用権を保存しておくステップと
を有する利用権発行要求方法。
【請求項9】
第1の利用者端末が第2の利用者端末にサービスの利用権を譲渡する方法であって、
変更可能領域判定手段が、利用権の条件式のどの領域を書き換えることを利用者に可能とさせるのかを指定する条件式変更許諾権を検証し、該条件式変更許諾権に記述されている条件式のどの領域が変更可能かを判定するステップと、
変更可能領域通知手段が、該第1の利用者端末の利用者に変更可能領域を通知するステップと、
第1の条件式変更手段が、該利用者が、通知された変更可能領域から選択した変更領域が利用者に関する領域の場合、前記第2の利用者端末に譲渡先利用者必要情報を要求し、保有している条件式変更許諾権と受信した前記譲渡先利用者必要情報に基づき、利用者が選択した、前記第2の利用者端末に譲渡する利用権内に記述されている条件式を譲渡先利用者に応じて変更するステップと、
第2の条件式変更手段が、前記変更領域が利用者に関する領域以外の領域の場合、変更可能であれば、前記変更領域の条件式を変更するステップと、
条件式通知手段が、条件式が変更された利用権から利用者に関する条件式を抽出し、前記第2の利用者端末へ通知するステップと、
譲渡可能判定手段が、前記変更後の利用者に関する条件式の利用可否判定結果を前記第2の利用者端末より受信し、前記利用権が譲渡可能か否かを判定するステップと、
譲渡手段が、譲渡可能であれば、前記利用権を前記第2の利用者端末に譲渡するステップと
を有する利用権譲渡方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−11991(P2007−11991A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−195433(P2005−195433)
【出願日】平成17年7月4日(2005.7.4)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】