説明

制御されたフリーラジカル重合プロセスにより製造したホモ及びコポリマーの後変性プロセス

本発明は、第一の工程において、制御されたフリーラジカル重合プロセスを実施し、そして第二の工程において、得られたポリマーを、特定のポリマー類似反応により変性する、ポリマー又はコポリマーの製造に関する。最終の変性されたポリマー又はコポリマーは、顔料用分散剤として有用である。本発明の別の態様は、このように製造したポリマー又はコポリマー、ポリマー又はコポリマーを含有する顔料濃縮物、及び顔料濃縮物を含有するコーティング材料である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第一の工程において、制御されたフリーラジカル重合プロセスを実施し、そして第二の工程において、得られたポリマーを、特定のポリマー類似反応により変性する、ポリマー又はコポリマーの製造に関する。最終の変性されたポリマー又はコポリマーは、顔料用分散剤として、レベリング剤として、又はコーティングもしくは関連用途用レオロジー改質剤として有用である。本発明の別の態様は、このように製造したポリマー又はコポリマー、ポリマー又はコポリマーを含有する顔料濃縮物、及び顔料濃縮物を含有するコーティング材料である。
【0002】
環境的な圧力のために、水性コーティング及び溶剤性高固形分コーティングに対する需要が、コーティング分野の大多数において今後増え続けるはずである。ポリマー顔料分散剤は、新規な水ベース又は溶剤ベースの高固形分配合技術の不可欠な部分である。したがって、これらのコーティング領域では、新規製品を開発することへの活気の高まりがある。今までは、ポリマー分散剤のわずかな分野だけが市場で確立されている。それほど要求の厳しくないコーティング用途では、まだ多くの低分子量界面活性剤が用いられている。より要求の厳しい用途、例えば自動車及び工業用コーティングでは、低分子量界面活性剤に関連する問題(感水性、腐食、泡)を回避するために、ポリマー顔料分散剤を用いなければならない。
【0003】
制御されたフリーラジカル重合(CFRP)は、ミルベース中の顔料の分散及び安定化に好都合なように、ポリマーのミクロ構造(例えばブロックコポリマー)をあつらえるための道具である。CFRPと安定化ブロックの後続の後変性とを組み合わせると、顔料分散剤として使用できる可能な基を拡張することが可能になる。一つのCFRP−プロセスを用いて、大きな列の異なるポリマー材料が、水性又は溶剤性高固形分系のどちらにも利用できるようになる。
【0004】
古典的に製造されたポリマーの後変性の概念は公知であり、例えば、DE4308773に記載されているが、ポリマー類似反応は一般に、その低分子量の類似反応に比べて制御がはるかに難しいので、それは広く用いられていない。基質のポリマーの性質のために、激烈な反応条件、例えば高い温度又は極めて良く反応する試薬を用いなければ、反応は遅く、そして不完結である傾向がある。しかし、このような対策は通常、鎖の分断及び交差カップリング反応、分子量分布のブロード化、枝分れ、及びゲル形成により起こる不適切に規定されたポリマー構造を導く。ポリマー類似反応における別の基本的な問題は、通常、反応を完結まで遂行することができず、そして得られた変性されたポリマーを、未転化試薬又は不要な副生物から精製することは不可能ではないとしても、それは極めて難しくコストがかかることである。
【0005】
驚くべきことには、ニトロキシル媒介の制御されたフリーラジカル重合により製造されたポリアクリレートポリマーを、古典的なポリマーを用いるよりも著しく高い収率で、明確に規定されたポリマー構造、例えば低分散度の利点を犠牲にすることなく、後変性、特にエステル交換することが可能であることが見出された。
【0006】
後変性技術としてエステル交換反応を用いて、そうでなければ得られないか、又は複雑な反応でのみ製造可能な、ポリマー又はコポリマーを、容易な方法で製造することができる。
【0007】
本発明の方法は、ニトロキシド媒介重合によって合成されて明確に規定されたポリマー構造を得たポリマー上の、選択的なポリマー類似エステル交換を含む。この方法は、同じモノマー組成だが対応するモノマーから後エステル交換なしで直接に合成したポリマーに比べて明確な構造上の違いを有するポリマーを提供する。
【0008】
主な違いを次に示す:
1)モノマーシーケンス:2種の異なるモノマーの直接のラジカル重合では、ポリマー鎖に沿ったモノマーシーケンス統計値は共重合パラメーターにより決定され、ほとんどの場合異なるモノマーの理想的なランダム分布からの逸脱を起こす。本発明の方法を用いて、エステル交換工程から生じるモノマー分布は、エステル交換反応により決定されるだけであり、そしてポリマー鎖に沿ってより均一な、すなわちランダムな分布が得られることが予期できる。
【0009】
2)残留モノマー:制御された重合プロセスは、ポリマー鎖のリビングネスの著しい減少を伴わずに、100%転化率まで行うことができない。したがって、明確に規定されたブロックコポリマー合成では、第二のブロックを異なるモノマーで長くする前に、第一のブロックの未反応モノマーを除去する必要がある。減圧での蒸発は、未反応モノマーを除去する最も容易な方法であるが、沸点200℃未満のモノマーに対してだけうまくいく。例えば、長鎖アルコール、例えばC12〜C15−アルコール又はMPEG−アルコールのアクリレートは、蒸留によりポリアクリレートから除去することができない。したがって、残留のモノマーを含まない純粋なブロック構造を有するこのような長鎖アクリレートのブロックコポリマーを製造することは、不可能である。エステル交換による本発明の方法は、残留の除去不可能なモノマーの問題、及び関連するブロック汚染の問題を回避し、したがって構造上の完成度がより高いレベルのポリマーを提供することが可能になる。
【0010】
3)不飽和アルコールから誘導されるアクリレート及びメタクリレート:不飽和アルコール、例えばアリルアルコール又はオレイルアルコールをベースとするアクリレートモノマーは通常、架橋剤として反応する。従来のラジカル重合ならびに制御された重合では、このようなアクリレートは、枝分れ及び/又は架橋を導く、すなわち構造的にきれいな直鎖ポリマー鎖の形成を妨げる。本発明のエステル交換の方法は、不飽和アルコールを、前もって形成したきれいな直鎖構造を有する制御されたポリマーに導入することを可能にする、すなわち、そうでなければ直接のラジカル重合によっては入手しにくい、明確に規定された構造、例えばブロックコポリマーの入手を提供する。
【0011】
本発明の一つの態様は、工程:
a1)第一の工程において、1種以上のエチレン性不飽和モノマーを、構造要素:
【0012】
【化10】

【0013】
(式中、Xは、少なくとも1個の炭素原子を有する基を表し、Xから誘導されるフリーラジカルX・は、重合を開始することができるような基である)を有する少なくとも1種のニトロキシルエーテルの存在下で重合するか;あるいは
a2)第一の工程において、1種以上のエチレン性不飽和モノマーを、少なくとも1種の安定なフリーニトロキシルラジカル:
【0014】
【化11】

【0015】
及びフリーラジカル開始剤の存在下で重合し;ここで工程a1)又はa2)において用いられる、少なくとも1種のモノマーは、アクリル又はメタクリル酸のC1〜Cアルキル又はヒドロキシC1〜Cアルキルエステルであり;そして第二の工程
b)エステル交換反応、アミド化、加水分解、もしくは無水物変性、又はこれらの組み合わせにより、a1)又はa2)で製造したポリマー又はコポリマーを変性すること
を含む変性されたポリマー又はコポリマーの製造方法である。
【0016】
第一の重合工程は、重合反応a1)により実施するのが好ましい(請求項2)。
【0017】
第二の工程b)は、エステル交換反応、加水分解、又は無水物変性であるのが好ましい。特にエステル交換反応が好ましい(請求項3)。エステル交換反応は、蒸留によるC1〜Cアルコール副生物の除去を含むのが好ましい。
【0018】
特定の実施態様では、上述の方法の工程a1又はa2を2回実施してブロックコポリマーを得るが、ここで第一又は第二のラジカル重合工程において、モノマー又はモノマー混合物が、アクリル又はメタクリル酸のC1〜Cアルキル又はヒドロキシC1〜Cアルキルエステルを、全モノマーに基づいて50〜100重量%含有し、そして第二又は第一のラジカル重合工程において、それぞれ、エチレン性不飽和モノマーが、第一級もしくは第二級エステル結合を含有しない(請求項4)。
【0019】
ブロックコポリマーを製造する場合、第一の重合工程において、モノマー又はモノマー混合物が、アクリル又はメタクリル酸のC1〜Cアルキル又はヒドロキシアルキルエステルを全モノマーに基づいて50〜100重量%を含有し、そして第二の重合工程において、エチレン性不飽和モノマーが、4−ビニル−ピリジンもしくはピリジニウム−イオン、2−ビニル−ピリジンもしくはピリジニウム−イオン、ビニル−イミダゾールもしくはイミダゾリニウム−イオン、ジメチルアクリルアミド、3−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、又はp−tert−ブチル−スチレンであることが好ましい(請求項5)。
【0020】
本発明の特定の実施態様では、ブロックコポリマーは、グラジエントブロックコポリマーである(請求項6)。
【0021】
上述したように、ポリマー又はコポリマーを制御されたフリーラジカル重合(CFRP)により製造することが必須である。SolomonらがUS4,581,429で、制御剤として安定なフリーニトロキシルラジカルを用いるこのような方法を最初に記載している。これらは上述のa1)及びa2)で定義した工程である。
【0022】
U.S.4,581,429には、ポリマー鎖の制御された又は「リビング」成長による、フリーラジカル重合法が開示されており、この方法は、ブロック及びグラフトコポリマーを含む、規定されたオリゴマーのホモポリマー及びコポリマーを製造する。部分式R′R″N−O−Xの開始剤の使用が開示されている。重合工程中、フリーラジカル種R′R″N−O・及び・Xが発生する。・Xは、エチレン基を含有するモノマー単位を重合することができるフリーラジカル基、例えばtert−ブチル又はシアノイソプロピルラジカルである。
【0023】
上述の方法の変法がUS 5 322 912(Xerox)に開示されており、この中にホモポリマー及びブロックコポリマーの合成に、フリーラジカル開始剤と基本構造R′R″N−O・の安定なフリーラジカル剤とを組み合わせて使用することが記載されている。
【0024】
これらの方法は、狭い分子量分布、したがって低い分散度を有するホモ−、ランダム−、ブロック−、テーパー−、グラフト−、又は櫛型(コ)ポリマーの製造に有効である。
【0025】
例えば、構造要素:
【0026】
【化12】

【0027】
を、環構造の一部とするか、又は置換して非環式構造を形成してもよい。
【0028】
適切なニトロキシルエーテル及びニトロキシルラジカルは、US-A-4 581 429又はEP-A-621 878から主に公知である。WO 98/13392(Akzo)、WO 99/03894(Ciba)、及びWO 00/07981(Ciba)に記載されている開鎖化合物、WO 99/67298(Ciba)及びGB 2335190(Ciba)に記載されているピペリジン誘導体、又はGB 2342649(Ciba)及びWO 96/24620(Atochem)に記載されている複素環化合物が、特に有用である。
【0029】
さらなる適切なニトロキシルエーテル及びニトロキシルラジカルが、WO 02/4805(Ciba)及びWO 02/100831(Ciba)に記載されている。
【0030】
分子中に2個以上のニトロキシル基を有する、ニトロキシルエーテル及びニトロキシルラジカルが、例えばUS 6,573,347(Ciba)、WO 01/02345(Ciba)、及びWO 03/004471(Ciba)に記載されている。これらの化合物は、分岐状、星型、又は櫛型(コ)ポリマーを製造する場合に、理想的で適切である。
【0031】
本発明の文脈において、用語アルコキシアミン及びニトロキシルエーテルは、等価として用いる。
【0032】
構造要素:
【0033】
【化13】

【0034】
を有する安定なフリーラジカルが、例えばEP-A-621878(Xerox)に開示されている。
【0035】
例、例えば
【0036】
【化14】

【0037】
が、WO 96/24620(Atochem)に示されている。
【0038】
好ましくは、構造要素:
【0039】
【化15】

【0040】
が、5員又は6員複素環の一部であり、場合により環構造中にさらなる窒素又は酸素原子を有する。置換ピペリジン、モルホリン、及びピペラジン誘導体が特に有用である。
【0041】
好ましくは、構造要素:
【0042】
【化16】

【0043】
は、式(I)の構造要素であり、そして
構造要素:
【0044】
【化17】

【0045】
は、式(II)の構造要素である。
【0046】
【化18】

【0047】
[式中、G1、G2、G3、G4は、独立に、C1〜C6アルキルであるか、G1とG2もしくはG3とG4、又はG1とG2及びG3とG4は、一緒になってC5〜C12シクロアルキル基を形成し;
5、G6は、独立に、H、C1〜C18アルキル、フェニル、ナフチル、又はCOOC1〜C18アルキル基であり;
Xは、−CH2−フェニル、CH3CH−フェニル、(CH32C−フェニル、(C5〜C6シクロアルキル)2CCN、(CH32CCN、
【0048】
【化19】

【0049】
−CH2CH=CH2、CH3CH−CH=CH2(C〜C4アルキル)CR20−C(O)−フェニル、(C〜C4)アルキル−CR20−C(O)−(C〜C4)アルコキシ、(C〜C4)アルキル−CR20−C(O)−(C〜C4)アルキル、(C〜C4)アルキル−CR20−C(O)−N−ジ(C〜C4)アルキル、(C〜C4)アルキル−CR20−C(O)−NH(C〜C4)アルキル、(C〜C4)アルキル−CR20−C(O)−NH2(ここで、R20は、水素又は(C〜C4)アルキルである)よりなる群から選択され、そして
*は、原子価を意味する](請求項7、8)
【0050】
特に式(I)の構造要素は、式A、B、又はO:
【0051】
【化20】

【0052】
[式中、Rは、水素、中断されないか1個以上の酸素原子で中断されたC1〜C18アルキル、シアノエチル、ベンゾイル、グリシジル、2〜18個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸か、7〜15個の炭素原子を有する脂環式カルボン酸か、3〜5個の炭素原子を有するα,β−不飽和カルボン酸か、又は7〜15個の炭素原子を有する芳香族カルボン酸の一価の基であり;
101は、C1〜C12アルキル、C5〜C7シクロアルキル、C7〜C8アラルキル、C2〜C18アルカノイル、C3〜C5アルケノイル、又はベンゾイルであり;
102は、C1〜C18アルキル、C5〜C7シクロアルキル、非置換であるか、又はシアノ、カルボニル、もしくはカルバミド(carbamide)基で置換されたC2〜C8アルケニルであるか、グリシジル、式−CH2CH(OH)−Zの基又は式−CO−Zもしくは−CONH−Zの基(ここで、Zは、水素、メチル、又はフェニルである)であり;
6は、水素であり、そして
5は、水素又はC1〜C4アルキルであり、
1及びG3は、メチルであり、かつG2及びG4は、エチルもしくはプロピルであるか、又はG1及びG2は、メチルであり、かつG3及びG4は、エチルもしくはプロピルであり;そして
Xは、−CH2−フェニル、CH3CH−フェニル、(CH32C−フェニル、(C5〜C6シクロアルキル)2CCN、(CH32CCN、
【0053】
【化21】

【0054】
−CH2CH=CH2、CH3CH−CH=CH2(C〜C4アルキル)CR20−C(O)−フェニル、(C〜C4)アルキル−CR20−C(O)−(C〜C4)アルコキシ、(C〜C4)アルキル−CR20−C(O)−(C〜C4)アルキル、(C〜C4)アルキル−CR20−C(O)−N−ジ(C〜C4)アルキル、(C〜C4)アルキル−CR20−C(O)−NH(C〜C4)アルキル、(C〜C4)アルキル−CR20−C(O)−NH2(ここで、R20は、水素又は(C〜C4)アルキルである)よりなる群から選択される]である。
【0055】
上述の化合物及びその製造法がGB2335190及びGB2361235に記載されている。
【0056】
ニトロキシルエーテルの別の好ましい基は、式(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、又は(Ih):
【0057】
【化22】

【0058】
[式中、R201、R202、R203、及びR204は、互いに独立に、C1〜C18アルキル、C3〜C18アルケニル、C3〜C18アルキニル、OH、ハロゲン、又は基−O−C(O)−R205で置換されたC1〜C18アルキル、C3〜C18アルケニル、C3〜C18アルキニル、少なくとも1個のO原子及び/又はNR205基で中断されたC2〜C18アルキル、C3〜C12シクロアルキル、又はC6〜C10アリールであるか、あるいはR201とR202及び/又はR203とR204は、結合する炭素原子と一緒になってC3〜C12シクロアルキル基を形成し;
205、R206、及びR207は、独立に、水素、C1〜C18アルキル、又はC6〜C10アリールであり;
208は、水素、OH、C1〜C18アルキル、C3〜C18アルケニル、C3〜C18アルキニル、1個以上のOH、ハロゲン、又は基−O−C(O)−R205で置換されたC1〜C18アルキル、C3〜C18アルケニル、C3〜C18アルキニル、少なくとも1個のO原子及び/又はNR205基で中断されたC2〜C18アルキル、C3〜C12シクロアルキル又はC6〜C10アリール、C7〜C9フェニルアルキル、C5〜C10ヘテロアリール、−C(O)−C1〜C18アルキル、−O−C1〜C18アルキル、又は−COOC1〜C18アルキルであり;
209、R210、R211、及びR212は、独立に、水素、フェニル、又はC1〜C18アルキルであり;そして
Xは、−CH2−フェニル、CH3CH−フェニル、(CH32C−フェニル、(C5〜C6シクロアルキル)2CCN、(CH32CCN、
【0059】
【化23】

【0060】
、−CH2CH=CH2、CH3CH−CH=CH2(C〜C4アルキル)CR20−C(O)−フェニル、(C〜C4)アルキル−CR20−C(O)−(C〜C4)アルコキシ、(C〜C4)アルキル−CR20−C(O)−(C〜C4)アルキル、(C〜C4)アルキル−CR20−C(O)−N−ジ(C〜C4)アルキル、(C〜C4)アルキル−CR20−C(O)−NH(C〜C4)アルキル、(C〜C4)アルキル−CR20−C(O)−NH2(ここで、R20は、水素又は(C〜C4)アルキルである)よりなる群から選択される]のものである。
【0061】
より好ましくは、式(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、及び(Ih)において、R201、R202、R203、及びR204の少なくとも2個が、エチル、プロピル、又はブチルであり、残りがメチルであるか;又は
201とR202又はR203とR204が、結合する炭素原子と一緒になってC5〜C6シクロアルキル基を形成し、残りの置換基の1個はエチル、プロピル、又はブチルである。
【0062】
Xは、CH3CH−フェニルであるのが最も好ましい。
【0063】
上記化合物及びその製造は、GB 2342649に記載されている。
【0064】
他の適切な化合物は、式(III)又は(III′)の4−イミノ化合物である。
【0065】
【化24】

【0066】
[式中、G11、G12、G13、及びG14は、独立に、C1〜C4アルキルであるか、G11とG12は一緒になって、かつG13とG14は一緒になって、あるいはG11とG12は一緒になって、又はG13とG14は一緒になって、ペンタメチレンであり;
15及びG16は、互いに独立に、水素又はC1〜C4アルキルであり;
Xは、前記定義の通りであり;
kは、1、2、3、又は4であり、
Yは、O又はNR302であるか、又はkが1でありかつR301がアルキルもしくはアリールを表す場合、Yはさらに直接結合であり;
302は、H、C1〜C18アルキル、又はフェニルであり;
kが1の場合、
301は、H、非置換であっても、あるいは1個以上のOH、C1〜C8アルコキシ、カルボキシ、C1〜C8アルコキシカルボニルで置換されていてもよい直鎖又は分岐状C1〜C18アルキル、C3〜C18アルケニル、又はC3〜C18アルキニル;
5〜C12シクロアルキル又はC5〜C12シクロアルケニル;
非置換であっても、あるいは1個以上のC1〜C8アルキル、ハロゲン、OH、C1〜C8アルコキシ、カルボキシ、C1〜C8アルコキシカルボニルで置換されていてもよいフェニル、C7〜C9フェニルアルキル、又はナフチル;
−C(O)−C1〜C36アルキル、又は3〜5個の炭素原子のα,β−不飽和カルボン酸もしくは7〜15個の炭素原子の芳香族カルボン酸のアシル部分;
−SO3-+、−PO(O-+2、−P(O)(OC1〜C8アルキル22、−P(O)(OH22、−SO2−OH、−SO2−C1〜C8アルキル、−CO−NH−C1〜C8アルキル、−CONH2、COO−C1〜C8アルキル2、COOH、又はSi(Me)3(ここで、Q+は、H+、アンモニウム又はアルカリ金属カチオンである)であり;
kが2の場合、
301は、非置換であっても、あるいは1個以上のOH、C1〜C8アルコキシ、カルボキシ、C1〜C8アルコキシカルボニルで置換されていてもよいC1〜C18アルキレン、C3〜C18アルケニレン、もしくはC3〜C18アルキニレン;又は
キシリレンであるか;
301は、2〜36個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸のビスアシル基、又は8〜14個の炭素原子を有する脂環式もしくは芳香族ジカルボン酸であり;
kが3の場合、
301は、脂肪族、脂環式、又は芳香族のトリカルボン酸の三価の基であり;そして
kが4の場合、
301は、脂肪族、脂環式、又は芳香族テトラカルボン酸の四価の基である]
【0067】
16は、水素であり、G15は、水素又はC1〜C4アルキル、特にメチルであり、G11及びG13は、メチルであり、かつG12及びG14は、エチルもしくはプロピルであるか、又はG11及びG12は、メチルであり、かつG13及びG14は、エチルもしくはプロピルであるのが好ましい。
【0068】
式IIIの4イミノ化合物は、例えばE. G. Rozantsev, A. V. Chudinov, V. D. Sholle.: Izv. Akad. Nauk. SSSR, Ser. Khim. (9), 2114 (1980)にしたがって製造することができ、ヒドロキシルアミンとの縮合反応、及び後続のOH基の反応において、対応する4−オキソニトロキシドから出発する。化合物はWO 02/100831(Ciba)に記載されている。
【0069】
特に、式(II)の構造要素は、式A′、B′、又はO′:
【0070】
【化25】

【0071】
[式中、Rは、水素、中断されないか1個以上の酸素原子で中断されたC1〜C18アルキル、シアノエチル、ベンゾイル、グリシジル、2〜18個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸か、7〜15個の炭素原子を有する脂環式カルボン酸か、3〜5個の炭素原子を有するα,β−不飽和カルボン酸か、又は7〜15個の炭素原子を有する芳香族カルボン酸の一価の基であり、
101は、C1〜C12アルキル、C5〜C7シクロアルキル、C7〜C8アラルキル、C2〜C18アルカノイル、C3〜C5アルケノイル、又はベンゾイルであり、
102は、C1〜C18アルキル、C5〜C7シクロアルキル、非置換又はシアノ、カルボニル、もしくはカルバミド基で置換されたC2〜C8アルケニルであるか、グリシジル、式−CH2CH(OH)−Zの基又は式−CO−Zもしくは−CONH−Zの基(ここで、Zは、水素、メチル、又はフェニルである)であり、
6は、水素であり、
5は、水素又はC1〜C4アルキルであり、
1及びG3は、メチルであり、かつG2及びG4は、エチル又はプロピルであるか、又はG1及びG2は、メチルであり、かつG3及びG4は、エチル又はプロピルである]である。
【0072】
種々の置換基におけるアルキル基は、直鎖でも分岐状でもよい。1〜18個の炭素原子を含有するアルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、2−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、2−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、t−オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、及びオクタデシルである。
【0073】
3〜18個の炭素原子のアルケニルは、例えばプロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、n−2,4−ペンタジエニル、3−メチル−2−ブテニル、n−2−オクテニル、n−2−ドデセニル、イソドデセニル、オレイル、n−2−オクタデセニル、又はn−4−オクタデセニルのような直鎖又は分岐状基である。3〜12個、特に好ましくは3〜6個の炭素原子のアルケニルが好ましい。
【0074】
3〜18個の炭素原子のアルキニルは、例えばプロピニル
【0075】
【化26】

【0076】
、2−ブチニル、3−ブチニル、n−2−オクチニル、又はn−2−オクタデシニルのような直鎖又は分岐状基である。3〜12個、特に好ましくは3〜6個の炭素原子のアルキニルが好ましい。
【0077】
ヒドロキシ置換アルキルの例は、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、又はヒドロキシヘキシルである。
【0078】
ハロゲン置換アルキルの例は、ジクロロプロピル、モノブロモブチル、又はトリクロロヘキシルである。
【0079】
少なくとも1個のO原子で中断されたC2〜C18アルキルは、例えば
【0080】
【化27】

【0081】
である。ポリエチレングリコールから誘導するのが好ましい。一般的な記述は−((CH2a−O)b−H/CH3(ここで、aは1〜6の数であり、bは2〜10の数である)である。
【0082】
少なくとも1個のNR205基で中断されたC2〜C18アルキルは通常、−((CH2a−NR205b−H/CH3(ここで、a、b、及びR205は、前記定義の通り)と記述することができる。
【0083】
3〜C12シクロアルキルは通常、シクロプロピル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、ジメチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、又はトリメチルシクロヘキシルである。
【0084】
6〜C10アリールは、例えばフェニル又はナフチルであるが、C1〜C4アルキル置換されたフェニル、C1〜C4アルコキシ置換されたフェニル、ヒドロキシ、ハロゲン、又はニトロ置換されたフェニルも含む。アルキル置換されたフェニルの例は、エチルベンゼン、トルエン、キシレン及びその異性体、メシチレン、又はイソプロピルベンゼンである。ハロゲン置換されたフェニルは、例えばジクロロベンゼン又はブロモトルエンである。
【0085】
アルコキシ置換基は通常、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、又はブトキシ、及びこれらの対応する異性体である。
【0086】
7〜C9フェニルアルキルは、ベンジル、フェニルエチル、又はフェニルプロピルである。
【0087】
5〜C10ヘテロアリールは、例えばピロール、ピラゾール、イミダゾール、2,4−ジメチルピロール、1−メチルピロール、チオフェン、フラン、フルフラール、インドール、クマロン、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、ピリジン、α−ピコリン、ピリダジン、ピラジン、又はピリミジンである。
【0088】
Rがカルボン酸の一価の基である場合、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレロイル、カプロイル、ステアロイル、ラウロイル、アクリロイル、メタクリロイル、ベンゾイル、シンナモイル、又はβ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル基である。
【0089】
1〜C18アルカノイルは、例えば、ホルミル、プロピオニル、ブチリル、オクタノイル、ドデカノイルであるが、好ましくはアセチルであり、C3〜C5アルケノイルは、特にアクリロイルである。
【0090】
特に重合プロセスa1)が極めて適切である。プロセスa1)を用いる場合、上で概説した構造で表されるニトロキシルエーテルは、O−X結合の間が開裂する。式(I)中の調節フラグメントはO−Nフラグメントに対応し、開始フラグメント(In)は基XのC中心ラジカルに対応する。
【0091】
特に適切なニトロキシルエーテル及びニトロキシルラジカルは、式:
【0092】
【化28】

【0093】
のものである。
【0094】
本発明の極めて特定の態様では、ポリマー又はコポリマーは、式(O1):
【0095】
【化29】

【0096】
の化合物を用いて製造する。
【0097】
開始剤化合物は、モノマー又はモノマー混合物に基づいて、0.01〜30mol%の量で、より好ましくは0.1〜20mol%の量で、最も好ましくは0.1〜10mol%の量で含まれるのが好ましい。
【0098】
モノマー混合物を用いる場合、mol%は、混合物の平均分子量に基づいて計算する。
【0099】
ルートa2)によるプロセスを選択する場合、フリーラジカル開始剤は、アゾ化合物、過酸化物、ペルエステル、又はヒドロペルオキシドであるのが好ましい。
【0100】
特定の好ましいラジカル源は、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチル−ブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2′−アゾビス(イソブチルアミド)二水和物、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2′−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2′−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミド)(遊離塩基又は塩酸塩)、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)(遊離塩基又は塩酸塩)、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシ−メチル)エチル]プロピオンアミド}又は2,2′−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシ−エチル]プロピオンアミド;アセチルシクロヘキサンスルホニルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、t−アミルペルネオデカノエート、t−ブチルペルネオデカノエート、t−ブチルペルピバラート、t−アミルペルピバラート、ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)ペルオキシド)、ジイソノナノイルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジオクタノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ビス(2−メチルベンゾイル)ペルオキシド、ジコハク酸ペルオキシド、ジアセチルペルオキシド、過酸化ジベンゾイル、t−ブチルペル2−エチルヘキサノエート、ビス−(4−クロロベンゾイル)−ペルオキシド、t−ブチルペルイソブチレート、t−ブチルペルマレイネート、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルイソノナノエート、2,5−ジメチルヘキサン2,5−ジベンゾエート、t−ブチルペルアセテート、t−アミルペルベンゾエート、t−ブチルペルベンゾエート、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)プロパン、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシド、3−t−ブチルペルオキシ3−フェニルフタリド、ジ−t−アミルペルオキシド、α,α′−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、3,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)3,5−ジメチル1,2−ジオキソラン、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチルヘキシン−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシド、3,3,6,6,9,9−ヘキサメチル1,2,4,5−テトラオキサシクロノナン、p−メンタンヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンモノ−α−ヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、又はt−ブチルヒドロペルオキシドである。
【0101】
ラジカル源は、モノマー又はモノマー混合物に基づいて0.01〜30mol%の量で、より好ましくは0.1〜20mol%の量で、最も好ましくは0.5〜10mol%の量で含まれるのが好ましい。
【0102】
ラジカル源対ニトロキシルラジカルのモル比は、1:10〜10:1、好ましくは1:5〜5:1、より好ましくは1:2〜2:1とすることができる。
【0103】
ポリマー又はコポリマーは、原子移動ラジカル重合(ATRP)による、制御された方法で製造することもできる。重合のこのタイプは、例えば、WO 96/30421に記載されている。
【0104】
可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)も周知の制御されたフリーラジカル重合方法であり、例えばWO 98/01478、WO98/58974、WO 99/31144、WO 99/05099、WO 02/094887、WO 02/26836、WO 01/42312、WO 00/75207、及びWO 99/35177に記載されている。
【0105】
工程a1)又はa2)にしたがって製造するポリマー又はコポリマーの分散度は、1.0〜2.2、より好ましくは1.1.〜1.9、最も好ましくは1.1〜1.5であるのが好ましい。
【0106】
すでに上で述べたように第二の反応工程、すなわちポリマー類似反応は、エステル交換反応、アミド化、加水分解、もしくは無水物変性、又はこれらの組み合わせである。
【0107】
加水分解は、アルカリ性又は酸性の条件下でのエステル結合の開裂を意味し、そしてポリマー又はコポリマーがエステル官能性を含有する場合に実施することができる。加水分解度を、広い範囲で、反応時間及び条件によって変えてもよい。エステル官能性の例えば5〜100%、好ましくは10〜70%を加水分解して、遊離酸基を形成してもよく、これから塩も製造することができる。金属イオンは、アルカリ金属イオン、例えばLi+、Na+、もしくはKa+、又はアンモニウムカチオン、例えばNH4+もしくはNR404(ここで、R404は、水素又はC1〜C18アルキルである)が好ましい。
【0108】
ポリマー又はコポリマーがヒドロキシル官能性を含有する場合、無水物変性を実施することができる。ヒドロキシル官能性は、例えばヒドロキシル官能モノマー、例えばヒドロキシエチルアクリレート又はメタクリレートから生じる。実質的に脂肪族又は芳香族無水物の全てが変性プロセスに使用できる。無水物の例は、マレイン酸無水物、ピロメリット酸無水物、シクロヘキシル二酸無水物(cyclohexyldiacid anhydride)、コハク酸無水物、ショウノウ酸無水物である。
【0109】
エステル交換は、ポリマー又はコポリマーのエステル基中のアルコール基を、別のアルコール基によって置換することを意味する。置換されるアルコール基は、メタノール、エタノール、プロパノール、又はブタノールであるのが好ましい。通常、エステル交換反応は、高温、代表的には70〜200℃で、CFRPポリマーと対応するアルコールとを、周知の触媒、例えばテトラ−イソプロピルチタネート、テトラ−ブチルチタネート、アルカリ−又はアルカリ土類アルコラート、例えばNaOMe又はLiOMeを用いて反応させることにより実施する。通常、低沸点の生成物アルコールを、エステル交換反応混合物から蒸留により除去する。必要ならば、触媒残留物を、吸着もしくは抽出により除去するか、又は他の方法で処理するか、又は水もしくは酸を用いる加水分解のような公知の方法により不活性化することができる。
【0110】
置換アルコールの選択は重要である。置換アルコールが得られるコポリマーの特性を制御する。
【0111】
極性のある置換アルコール、例えば次式:R−[O−CH2−CH2−]n−OHを有するアルコール、例えばMPEG−OHを例えば用いて、水溶性の生成ポリマーを得ることができる。当然溶解性は、エステル交換されたモノマー単位の量に依存する。目的とする効果を得るために、単位の少なくとも40%をエステル交換するべきである。
【0112】
有機溶剤への溶解性が必要ならば、より高い分子量の分岐状脂肪族アルコールのような非極性アルコールが有益になることができる。
【0113】
低表面張力であるポリマーが望ましいならば、例えば次の式:
【0114】
【化30】

【0115】
を有するシロキサン基を含有するアルコールが好ましく、あるいは部分的もしくは完全にフッ素化された第一級アルコールを、その代わりに又はそれに加えて用いることができる。
【0116】
固体のコポリマーが必要ならば、ガラス転移温度(Tg)を上げることができるか又は側鎖結晶化度を付与することができる、固体のアルコール又は極性アルコールを用いるべきである。例はベヘニルアルコールである。
【0117】
置換アルコール基は、通常、少なくとも1個の−OH基を有する脂肪族のC6〜C36アルコール又はアルコールの前駆物質である。アルコールは、1〜20個のO又はN原子で中断されるか、あるいはハロゲン、ペルフルオロアルキル、NH2、NH(C1〜C18アルキル)、N(C1〜C18アルキル)2、COO(C1〜C18アルキル)、CON(C1〜C18アルキル)2、CONH(C1〜C18アルキル)、CONH、COOH、COO-、O(C1〜C18アルキル)により、又はSi、P、もしくはSを含有する基、例えばアルキルヒドロキシシリコーンで置換されていてもよい。アルコールは、複素環構造、例えば1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−フタルイミドイミダゾリジノン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、N−2−ヒドロキシエチル)フタルイミド、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、N−ヒドロキシメチルフタルイミド、3−ヒドロキシメチルピリジン、又は(4−ピリジル)−1−プロパノールを含有してもよい。
【0118】
O又はN原子で中断されたアルコールは、36個のC原子に限定されない。これらは、オリゴマー又はポリマーアルコールであることもできる。O原子で中断されたアルコールの例は、メトキシポリエチレングリコールあるいはエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド(EO/PO)の付加物のあらゆる種類である。このようなEO/PO−付加物は、ランダムでもブロックタイプの構造でもよい。
【0119】
好ましくは、アルコールは、非置換の直鎖もしくは分岐状C8〜C36アルキルモノアルコール、又は100個のC原子までのエチレンオキシド、プロピレンオキシド、もしくはこれらの混合物から誘導されるモノアルコールである。(請求項11)。
【0120】
あらゆる種類の一官能アルコール又はフェノール類又は第二級アミンの脂肪酸アルコールエトキシレート、アルキルェノールエトキシレート、アルコキシレートを使用することもできる。
【0121】
好ましくは、アルコキシレートは、構造(A):
【0122】
【化31】

【0123】
(式中、Rは、1〜22個の炭素原子の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐状のアルキル、又は24個までの炭素原子のアルキルアリールもしくはジアルキルアリール、そしてnは、1〜50である)の第一級アルコール又はアルキルフェノールのエトキシレートである。(請求項12)
【0124】
他の実施態様に言及すると、アルコールは、非置換の直鎖又は分岐状C8〜C36アルキルモノアルコールである。(請求項13)。例は、イソC12〜C15アルコールである。非極性ポリマー又はコポリマーが得られる。
【0125】
別の実施態様では、マクロアルコールは、第一級OH−官能シリコーンオリゴマーである。構造(B):
【0126】
【化32】

【0127】
(式中、Rは、C1〜C18アルキル、フェニル、又はC7〜C15アラルキルであり;nは1〜50であり、そしてR′は、1〜20個の炭素原子の結合基である)のポリジメチルシリコーンオリゴマーが好ましい。(請求項14)。
【0128】
代表的な結合基は、C1〜C18アルキレン、フェニレン、又は1〜6個の酸素原子で中断されたC1〜C18アルキレンである。
【0129】
別の実施態様では、アルコールは、部分的に又は完全にフッ素化された第一級アルコールである。市販フッ素化アルコール混合物の例は:Zonyl BA(登録商標)、Zonyl BA-L(登録商標)、Zonyl BA-LD(登録商標)、Zonyl BA-N(登録商標)(Du Pont)である(請求項15)。
【0130】
アリールは、フェニル又はナフチル、好ましくはフェニルである。
【0131】
アルコールの前駆物質は、例えばマクロアルコール、例えばポリ−ε−カプロラクトンオリゴマー又はε−カプロラクトン付加物、及び類似のラクトン付加物(例えばバレロラクトンをベースとする)又はε−カプロラクトン及びバレロラクトンの混合付加物である。代表的なラクトン付加物は、ε−カプロラクトンの、構造:
【0132】
【化33】

【0133】
(式中、Rは、8〜22個の炭素原子の飽和もしくは不飽和の、直鎖もしくは分岐状アルキル、又は24個までの炭素原子のアルキルアリールもしくはジアルキルアリール、そしてnは1〜50である)の長鎖脂肪アルコールへの付加物である。
【0134】
通常分子量5000まで、好ましくは2000までのポリオレフィンをベースとするマクロアルコールを用いることも可能である。
【0135】
さらに別の実施態様は、炭素−炭素二重結合又は炭素三重結合を含有する不飽和アルコールである。例は、オレイルアルコールである。三重結合について、第一級アルキノール、例えばプロパルギルアルコール、及び高級同族体、例えばアルキル置換されたプロパルギルアルコールが好ましい。
【0136】
アルコールは第一級又は第二級アルコールであるのが好ましい。第一級アルコール又はアルコール混合物が最も好ましい。
【0137】
アルコール又はアルコール混合物は、不揮発性であり、沸点又は沸点範囲が少なくとも100℃、より好ましくは少なくとも200℃であるのが好ましい。
【0138】
アルコールはモノアルコールであるのが好ましい。
【0139】
用語アミド化とは、ポリアクリレートのエステル官能基の、アミンを用いてアミド結合の形成を受ける変性と理解される。アミンは一官能の第一級又は第二級アミン、最も好ましくは第一級の脂肪族又は芳香族アミンであるのが好ましい。アミンとCFRPポリマーのエステル官能基との反応は、通常70〜200℃の高温で、場合により触媒の存在下で行う。好ましい方法では、得られたアルコールは、アミド化反応中に、蒸留により除去する。
【0140】
アミンは、100℃より高温の、高い沸点又は沸点範囲を有するのが好ましい。
【0141】
代表的なアミンは、36個までの炭素原子の、直鎖、分岐状もしくは環状の、第一級の脂肪族又は芳香族アミンである。アミンはヘテロ原子O又はNを含有してもよい。
【0142】
好適な実施態様には、単一の第一級アミンで分子量が5000までのオリゴマー及びマクロアミンがある。代表的な例は、第一級アミン末端官能アルコキシレートである。特にエーテル、エステル、及びアミド基のような他の極性基を含有する第一級アミンも好ましい。
【0143】
主に工程a1又はa2におけるモノマーは、イソプレン、1,3−ブタジエン、α−C5〜C18アルケン、4−ビニル−ピリジンもしくはピリジニウム−イオン、2−ビニル−ピリジンもしくはピリジニウム−イオン、ビニル−イミダゾールもしくはイミダゾリニウム−イオン、ジメチルアクリルアミド、3−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチル−スチレン、又は式CH2=C(Ra)−(C=Z)−Rb(ここで、Raは、水素又はC1〜C4アルキルであり、Rbは、NH2、O-(Me+)、非置換C1〜C18アルコキシ、少なくとも1個のN及び/又はO原子で中断されたC2〜C100アルコキシ、又はヒドロキシ−置換C1〜C18アルコキシ、非置換C1〜C18アルキルアミノ、ジ(C1〜C18アルキル)アミノ、ヒドロキシ−置換C1〜C18アルキルアミノもしくはヒドロキシ−置換ジ(C1〜C18アルキル)アミノ、−O−CH2−CH2−N(CH32、又は−O−CH2−CH2−N+H(CH32An-であり;
An-は、一価の有機又は無機酸のアニオンであり;
Meは、一価の金属原子又はアンモニウムイオンであり、
Zは、酸素又は硫黄である)の化合物から選択することができる(請求項10)。
【0144】
少なくとも1個のO原子で中断されたC2〜C100アルコキシとしてのRbの例は、式:
【0145】
【化34】

【0146】
(式中、Rcは、C1〜C25アルキル、フェニル、又はC1〜C18アルキルで置換されたフェニルであり、Rdは、水素又はメチルであり、そしてvは、1〜50の数である)である。これらのモノマーは、例えば非イオン性界面活性剤から、対応するアルコキシル化アルコール又はフェノール類のアクリル化により誘導される。繰り返し単位は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、又は両方の混合物から誘導しすることができる。
【0147】
適切なアクリレート又はメタクリレートモノマーの別な例を次に示す。
【0148】
【化35】

【0149】
(式中、An-及びRaは、前記定義の意味を有し、そしてReは、メチル、ベンジル、又はベンゾイルベンジルである)An-は、Cl-、Br-、又は-3S−O−CH3が好ましい。
【0150】
別のアクリレートモノマーは、
【0151】
【化36】

【0152】
(Me+は、アルカリ金属カチオン又はアンモニウムカチオンである)である。シリコーン官能(メタ)アクリレートも有用である。
【0153】
アクリレート以外の適切なモノマーの例は、
【0154】
【化37】

【0155】
である。
【0156】
好ましくは、Raは水素又はメチルであり、RbはNH2、グリシジル、非置換又はヒドロキシ置換されたC1〜C4アルコキシ、非置換C1〜C4アルキルアミノ、ジ(C1〜C4アルキル)アミノ、ヒドロキシ−置換C1〜C4アルキルアミノ、又はヒドロキシ−置換ジ(C1〜C4アルキル)アミノであり;そしてZは酸素である。
【0157】
例えばエチレン性不飽和モノマーは、エチレン、プロピレン、n−ブチレン、i−ブチレン、スチレン、置換スチレン、共役ジエン、アクロレイン、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、無水マレイン酸、(アルキル)アクリル酸無水物、(アルキル)アクリル酸塩、(アルキル)アクリル酸エステル、(アルキル)アクリロニトリル、(アルキル)アクリルアミド、ハロゲン化ビニル、又はビニリデンハロゲン化物よりなる群から選択される。
【0158】
例えばエチレン性不飽和モノマーは、スチレン、置換スチレン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、又はジメチルアミノプロピル−メタクリルアミドである。
【0159】
非常に適切なモノマーは、例えばスチレン、アクリル又はメタクリル酸のC1〜C8アルキルエステル、例えばn−ブチルアクリレート又はメタクリレート、アクリロニトリル又はメタクリロニトリル、特にスチレン、アクリロニトリル、及びn−ブチルアクリレートである。
【0160】
前述のモノマーの混合物、特にスチレン/アクリロニトリル、スチレン/ブチルアクリレート、スチレン/メチルメタクリレート、及びスチレン/ブチルメタクリレートを用いることもできる。
【0161】
エチレン性不飽和モノマーが、式:CH2=C(Ra)−(C=Z)−Rb
(ここで、Zは、O、又はSであり;
aは、水素又はC1〜C4アルキルであり;
bは、NH2、O-(Me+)、グリシジル、非置換C1〜C18アルコキシ、少なくとも1個のN及び/又はO原子で中断されたC2〜C100アルコキシ、又はヒドロキシ−置換C1〜C18アルコキシ、非置換C1〜C18アルキルアミノ、ジ(C1〜C18アルキル)アミノ、ヒドロキシ−置換C1〜C18アルキルアミノ又はヒドロキシ−置換ジ(C1〜C18アルキル)アミノ、−O−CH2−CH2−N(CH32、又は−O−CH2−CH2−N+H(CH32An-であり;
An-は、一価の有機又は無機酸のアニオンであり;
Meは、一価の金属原子又はアンモニウムイオンである)の化合物である、重合性組成物が好ましい。
【0162】
全ての可能なポリマー鎖構造は、例えば直鎖又は分岐状を含む。モノマーが化学的に異なるモノマーから選択される場合、全ての可能なモノマーシーケンス構造は、例えば異なるモノマーのランダム−、ブロック様、多ブロック−、テーパー−、又はグラジエント配列を含む。
【0163】
グラジエントポリマー又はグラジエント配列とは、2つのブロックの間の交点は、はっきりした境界ではないが、一方のタイプのモノマーからもう一方の種類のモノマーへの連続的な移行を表す、すなわち両方のモノマーが両方のブロックに広がっているような方法で製造されるブロックコポリマーと理解される。このタイプのポリマーは、例えば、異なる共重合パラメーターのモノマーを用いて1工程で、又は、別の種類のモノマーを適切な量添加することによりモノマー組成を段階的に変える多段階の方法により重合プロセスを実施する場合、得ることができる。グラジエントポリマーの合成の別の好ましい方法は、例えば制御された重合を第一のモノマーから始め、そして転化が完結する前に、第二のモノマーを連続的に反応混合物に供給する連続的な供給方法を用いることによる、したがってポリマー鎖に沿った連続的な移行を実現させる。
【0164】
本方法の工程a1又はa2を2回実施してブロックコポリマーを得る場合、例えば、第一のラジカル重合のモノマー又はモノマー混合物は、アクリル又はメタクリル酸のC1〜C4アルキル又はヒドロキシアルキルエステルを全モノマーに基づいて50〜100重量%含有し、そして第二のラジカル重合は第一級又は第二級エステル結合のないモノマー又はモノマー混合物を含有する。
【0165】
第二のラジカル重合に適切なモノマーは、例えばビニル芳香族モノマー又はビニル−アザ−複素環のように後変性反応で反応しない。
【0166】
例は4−ビニル−ピリジン(ピリジニウム−イオン)、2−ビニル−ピリジン(ピリジニウム−イオン)、ビニル−イミダゾール(イミダゾリニウム−イオン)、ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、3−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、スチレン又は置換スチレンである。
【0167】
当然、第一及び第二のラジカル重合の順序は、逆にすることができる。
【0168】
ブロックコポリマーを製造する場合、第一の重合において、モノマー又はモノマー混合物が、アクリル又はメタクリル酸のC1〜Cアルキル又はヒドロキシアルキルエステルを全モノマーに基づいて50〜100重量%含有し、そして第二の重合において、エチレン性不飽和モノマーが、4−ビニル−ピリジンもしくはピリジニウム−イオン、2−ビニル−ピリジンもしくはピリジニウム−イオン、ビニル−イミダゾールもしくはイミダゾリニウム−イオン、ジメチルアクリルアミド、3−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、又はp−tert−ブチル−スチレンであることが好ましい。
【0169】
本発明の別の特定の態様では、第一の工程a1)又はa2)にしたがって製造する制御されたポリマーのモノマーは、アミン又は酸基を含有し、次に第二の工程で、エステル交換反応、アミド化、加水分解、又は無水物変性により変性され、その後変性された制御されたポリマーのアミン又は酸基は、塩形成成分との反応により塩構造に転化される。アミノ基に対する代表的な塩形成成分は、例えば有機もしくは無機酸又はアルキルハロゲン化物、特に、有機環状酸又は環状アルキルハロゲン化物をベースとするような塩形成成分である。このような塩形成成分の代表的な例は、EP 1275689(Ciba)及びWO 03/046029(Ciba)に記載されている。
【0170】
変性された制御されたポリマー上の酸基用の代表的な塩形成成分は、コーティングに頻繁に用いられる、無機塩基、例えばNaOH、KOH、NH4OH、又は揮発性アミノアルコール、例えば2−ジ−メチルアミノエタノールもしくは2−アミノ−2−メチルプロパノール(AMP)である。
【0171】
重合工程及び後変性反応において、最終のポリマー又はコポリマーに対して、水又は水リッチな溶剤混合物中で下部臨界溶液温度(LCST)が得られるように、モノマーを選ぶこともできる。
【0172】
これは、ポリマー又はコポリマーが低温での良好な溶解性及び高温での溶解性の低下を示すことをを意味する。この効果は、例えばHammouda, B.; Ho, D.; Kline, SによりMacromolecules (2002), 35(22), 8578-8585)に記載されている。
【0173】
したがって、本発明の別の特定の実施態様では、得られたポリマーが、水又は水リッチな溶剤混合物中で下部臨界溶液温度を示すように、プロセスを実施する。
【0174】
特に、LCST温度範囲が、水又は水混合物に基づいて20重量%のポリマーで25℃〜80℃である変性されたポリマーが好ましい。
【0175】
すでに上で概略を示したように、水性コーティングは、翌年には、コーティング分野の大多数において増え続けるはずである。ポリマーの顔料分散剤は、特に新規な水ベースの配合技術の、不可欠な部分である。制御されたフリーラジカル重合(CFRP)は、ミルベース中の顔料の分散及び安定化に好都合な点では、ポリマーのミクロ構造(例えばブロック−コポリマー)をあつらえるための道具である。CFRPと安定化ブロックの後続の後変性とを組み合わせると、顔料分散剤に使用できる可能な基を拡張することが可能になる。
【0176】
したがって、上述の方法にしたがって製造したポリマー又はコポリマーの、顔料分散剤又はレオロジー改質剤又はレベリング剤としての使用も本発明の一つの態様である。(請求項17)
【0177】
本発明の別の態様は、上述したような方法で得ることができるポリマー又はコポリマーである(請求項16)。本明細書の2頁に概略を示したように、請求項1記載の方法は、同じモノマー組成だが対応するモノマーから後エステル交換せずに直接に合成したポリマーに比べて明確な構造上の違いを有するポリマーを提供する。
【0178】
本方法について示した定義及び選択を、本発明の他の態様にも適用する。
【0179】
本発明の別の局面は、
a)顔料、及び
b)請求項1の方法にしたがって製造したポリマー又はコポリマー
を含む顔料濃縮物である。(請求項18)
【0180】
顔料は、有機でも無機でもよく、例えば、1−アミノアントラキノン、アンサンスロン、アントラピリミジン、アゾ、アゾメチン、キナクリドン、キナクリドンキノン、キノフタロン、ジオキサジン、ジケトピロロピロール、フラバントロン、インダントロン、イソインドリン、イソインドリノン、イソビオラントロン、ペリノン、ペリレン、フタロシアニン、ピラントロン、又はチオインジゴシリーズ(該当する場合には、金属錯体又はレーキの形のものを含む)からである。アゾは、例えば、例えばカップリング、縮合、又はレーキ形成により得ることができる、任意の公知のサブクラスからのモノ−又はジスアゾ顔料としてもよい。
【0181】
例として、有機顔料の例は色指数ピグメントイエロー(Colour Index Pigment Yellow)3、12、13、14、17、24、34、42、53、62、74、83、93、95、108、109、110、111、119、123、128、129、139、147、150、164、168、173、174、184、188、191、191:1、193、199、ピグメントオレンジ(Pigment Orange)5、13、16、34、40、43、48、49、51、61、64、71、73、ピグメントレッド(Pigment Red)2、4、5、23、48:1、48:2、48:3、48:4、52:2、53:1、57、57:1、88、89、101、104、112、122、144、146、149、166、168、177、178、179、181、184、190、192、194、202、204、206、207、209、214、216、220、221、222、224、226、254、255、262、264、270、272、ピグメントブラウン(Pigment Brown)23、24、33、42、43、44、ピグメントバイオレット(Pigment Violet)19、23、29、31、37、42、ピグメントブルー(Pigment Blue)15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、28、29、60、64、66、ピグメントグリーン(Pigment Green)7、17、36、37、50、ピグメントホワイト(Pigment White)6、ピグメントブラック(Pigment Black)7、12、27、30、31、32、バット赤(Vat Red)74、3,6−ジ(3′−シアノ−フェニル)−2,5−ジヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン又は3−フェニル−6−(4′−tert−ブチル−フェニル)−2,5−ジヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオンを含む。
【0182】
フタロシアニン顔料、アゾベンズイミダゾロン、ジスアゾ、及び多環式顔料、ならびにイソインドリノン、ペリレンカーボンブラック、及びジケトピロロピロールが好ましい。
【0183】
キナクリドン、ジオキサジン、ペリレン、ジケトピロロピロール、又はジスアゾ縮合顔料である顔料が特に好ましい。キナクリドンは、例えば、US-5 840 901又はWO-02/077104に記載されているように、過酸化水素を用いてジヒドロキナクリドンの酸化により製造するのが好ましい。
【0184】
顔料は、単一の化合物でも複数の成分の混合物でもよく、複数の化合物を含有する固溶体又は混合結晶を含む。均一な結晶性顔料が好ましく、これはそれらが通常、物理的混合物及び混合相よりも高い彩度を与えるからである。最終用途において光沢のない色合いがそれでも望ましい場合、これは、それ自体公知の方法で異なる色の着色剤を用いて色調を下げることにより達してもよい。
【0185】
顔料濃縮物は、さらに、溶剤、特に水を含有していてもよい。
【0186】
本発明のさらに別の態様は、
a)熱可塑性、化学的又は構造的に架橋されたポリマー、及び
b)請求項1又は4の方法にしたがって製造したポリマー又はコポリマー
を含む組成物である。(請求項19)
【0187】
例えば成分a)はフィルム形成接着剤の材料である。(請求項20)
【0188】
あらゆる種類のコーティングに適切なフィルム形成接着剤の材料の例を、以下に示す。
【0189】
上述の組成物は、さらに有機もしくは無機顔料又はこれらの混合物を含有するのが好ましい。(請求項21)。
【0190】
顔料の例はすでに示した。
【0191】
フィルム形成物理的乾燥接着剤樹脂は通常、α,β−不飽和酸から誘導したもの及びその誘導体、例えばポリアクリレート及びポリメタクリレート;ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、及びポリアクリロニトリルである。例は、熱可塑性ポリアクリレート(TPA)である。
【0192】
別のクラスは、例えば天然ポリマーから誘導された、例えばセルロースアセテート又はブチレートである。物理的乾燥アルキド樹脂又はニトロセルロースラッカーも適切である。
【0193】
熱架橋フィルム形成接着剤樹脂は、例えば次に示すものである。
【0194】
1.一方のアルデヒドと、もう一方のフェノール類、尿素、及びメラミンとから誘導した架橋ポリマー、例えばフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂、及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂。
【0195】
2.乾燥及び非乾燥アルキド樹脂。
【0196】
3.飽和及び不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとのコポリエステル、架橋剤としてビニル化合物から誘導した不飽和ポリエステル樹脂、ならびにハロゲンを含有するこれらの低燃性変性種。
【0197】
4.置換アクリレート、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、又はポリエステルアクリレートから誘導した架橋性アクリル樹脂。これらの樹脂は、通常メラミン樹脂又は(ポリ)イソシアネート樹脂で架橋され、熱硬化性アクリル樹脂として公知である。
【0198】
5.メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネート、又はエポキシ樹脂で架橋されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂、及びアクリレート樹脂。
【0199】
6.脂肪族、脂環式、複素環、又は芳香族グリシジル化合物から誘導した架橋エポキシ樹脂、例えばビスフェノールA及びビスフェノールFのジグリシジルエーテルを、通常の硬化剤、例えば無水物又はアミンを用いて、促進剤を用いて又は用いずに架橋した生成物。
【0200】
本発明でフィルム形成接着剤樹脂として用いることができる架橋アルキド樹脂は、特に自動車のコーティング(自動車仕上げラッカー)に用いる従来の焼付けラッカー、例えばアルキド/メラミン樹脂及びアルキド/アクリル/メラミン樹脂を基とするラッカーである(H. Wagner and H. F. Sarx, "Lackkunstharze" (1977), pages 99-123を参照)。他の架橋剤は、グリコールウリル(glycouril)樹脂、ブロック化イソシアネート、又はエポキシ樹脂を含む。
【0201】
本コーティング組成物を、木材、金属、又はプラスチック基材に塗布してもよい。
【0202】
本コーティング組成物は、自動車のメタル仕上げコーティングとソリッド色合い仕上げの両方に、特にレタッチ仕上げ、ならびに種々のコイルコーティング用途の場合、特に適切である。本発明によるコーティング組成物は、シングルコート法又はツーコート法の2種の方法により従来の方法で塗布するのが好ましい。後者の方法では、顔料を含有するベースコートをまず塗布し、次にクリヤラッカーのカバーコートをその上に塗布する。
【0203】
水溶性、水混和性、又は水分散性のコーティングが望ましい場合、樹脂中に存在する酸基のアンモニウム塩を形成する。粉末コーティング組成物は、グリシジルメタクリレートと選択したアルコール成分との反応により製造することができる。
【0204】
粉末コーティングは公知技術であり、例えば、"Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Fifth, Completely Revised Edition, Volume A 18", pages 438 to 444 (1991)に記載されている。粉末コーティングプロセスでは、粉末を通常、空気の供給で流動化し、静電帯電させ、接地された好ましくは金属基材に塗布する。続いて基材を加熱し、この間に付着する粉末は溶融し、融合し、金属表面に干渉性のフィルムを形成する。粉末コーティングは、溶剤を必要としないので、この技術は環境に特に優しい。
【0205】
粉末コーティングとは、粉末形態で主に金属基材に塗布する熱可塑性又は焼付け可能な架橋性ポリマーを意味する。粉末をコーティングする加工中の製品と接触させる方法が、例えばコロナもしくは摩擦電気ピストル(triboelectric pistol)を用いる静電粉末噴霧、静電流動床焼結(electrostatic fluidized-bed sintering)、又は磁気ブラシ技術を用いることによる種々の塗布技術を特徴付ける。
【0206】
粉末コーティング用有機フィルム形成接着剤の例は、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル−ヒドロキシアルキルアミド、ポリエステル−グリコールウリル、エポキシ−ポリエステル樹脂、ポリエステル−トリグリシジルイソシアヌレート、ヒドロキシ−官能ポリエステル−ブロック化ポリイソシアネート、ヒドロキシ−官能ポリエステル−ウレトジオン(uretdione)、硬化剤を伴うアクリレート樹脂、又はこのような樹脂の混合物をベースとする焼付け系である。さらに対象となるのは、熱可塑性特性を有するフィルム形成接着剤、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリビニリデンジクロリド、又はポリビニリデンジフルオリドである。
【0207】
変性され制御されたポリマーを分散剤又はレオロジー改質剤として含有する本発明の組成物は、例えば印刷インク、インクジェットインクのようなコーティング関連用途外側ペイント、プラスチック、注型用樹脂、ゲルコート、充填剤入り不飽和ポリエステル樹脂、例えばSMCもしくはBMC(シート成形コンパウンド、塊状成形コンパウンド)、又はゲルコート用液体着色剤も含み、そして電子用途、例えばカラーフィルタ用顔料分散液用組成物も含むことが理解される。
【0208】
例えば顔料と一緒になった瞬間分散剤又はレオロジー改質剤が有用である、熱可塑性又は構造的に架橋したポリマーの例を以下に示す。
【0209】
1. モノオレフィン類及びジオレフィン類のポリマー、例えば、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタ−1−エン、ポリ−4−メチルペンタ−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレン又はポリブタジエン、ならびにシクロオレフィン類のポリマー、例えば、シクロペンテン又はノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(場合により架橋されることができる)、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度及び高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度及び超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチルン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)。
【0210】
前段落に例示されているポリオレフィン類、すなわちモノオレフィン類のポリマー、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンは、様々な方法、特に以下の方法により製造することができる:
a)ラジカル重合(通常、高圧下及び高温下)。
b)通常、周期表のIVb、Vb、VIb又はVIII族の1個又は1個以上の金属を含有する触媒を使用する触媒重合。これらの金属は、通常、1個又は1個以上のリガンド、典型的には、π−もしくはσ配位のいずれかであってよい酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールを有する。これらの金属錯体は、遊離形態であっても、基材上、典型的には活性された塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナ又は酸化ケイ素に固定されてよい。これらの触媒は、重合媒体に可溶性又は不溶性であってもよい。触媒はそれ自体重合に使用できるか、又はさらに活性化剤を使用してもよく、典型的には金属アルキル、金属水素化物、金属アルキルハロゲン化物、金属アルキル酸化物又は金属アルキルオキサンであり、前記金属は周期表のIa、IIa及び/又はIIIa族の元素である。活性化剤を、さらにエステル、エテール、アミン又はシリルエーテル基により都合よく変性してよい。これらの触媒系は、通常、Phillips、Standard Oil Indiana、Ziegler (-Natta)、TNZ (DuPont)、メタロセン又は単一サイト触媒(SSC)として知られている。
【0211】
2. 1)に記載されたポリマーの混合物、例えば、ポリプロピレンとポリイソブチレンとの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンの混合物(例えば、PP/HDPE、PP/LDPE)及びポリエチレンの異なる種類の混合物(例えば、LDPE/HDPE)。
【0212】
3. モノオレフィン類とジオレフィン類の相互のコポリマー又は他のビニルモノマー類とのコポリマー、例えば、エチレン/プロピレンコポリマー、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)及びそれと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブタ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブタ−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えばCOCのようなエチレン/ノルボルネン)、エチレン/1−オレフィンコポリマー、ここで、1−オレフィンは、その場で発生する;プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(イオノマー)、ならびにエチレンとプロピレン及びジエン(例えば、ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデン−ノルボルネン)とのターポリマー、;ならびにそのようなコポリマーの相互の混合物及び上記の1)に記載のポリマーとの混合物、例えば、ポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA、及び交互又はランダムポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー及びそれらと他のポリマー、例えばポリアミドとの混合物。
【0213】
4. それらの水素化変性物(例えば、粘着付与剤)を含む炭化水素樹脂(例えば、C5〜C9)及びポリアルキレンとデンプンの混合物。
【0214】
1.)〜4.)のホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、イソタクチック、ヘミ−イソタチック又はアタクチックを含む任意の立体構造を有していてもよい;ここで、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0215】
5. ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0216】
6. スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体、特にp−ビニルトルエン、エチルスチレンの全ての異性体、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン及びビニルアントラセンならびにそれらの混合物を含む芳香族ビニルモノマーから誘導された芳香族ホモポリマー及びコポリマー。ホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、イソタクチック、ヘミ−イソタチック又はアタクチックを含む任意の立体構造を有していてもよい;ここで、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0217】
6a. 上述のビニル芳香族モノマ−と、エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、無水マレイン酸、マレイミド、酢酸ビニル及び塩化ビニルから選択されるコモノマー、又はアクリル酸誘導体及びその混合物、例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(インターポリマー)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレートを含む、コポリマー;高耐衝撃性スチレンコポリマーと、例えば、ポリアクリレート、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーなどの他のポリマーとの混合物;及びスチレンのブロックコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン又はスチレン/エチレン/プロピレン/スチレン。
【0218】
6b. 6)に記載されたポリマーの水素化から誘導される水素化芳香族ポリマー、特に水素化アタクチックポリスチレンにより製造されたポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を含み、しばしばポリビニルシクロヘキサン(PVCH)と称される。
【0219】
6c. 6a)に記載されたポリマーの水素化から誘導される水素化芳香族ポリマー。
【0220】
ホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、イソタクチック、ヘミ−イソタチック又はアタクチックを含む任意の立体構造を有していてもよい;ここで、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0221】
7. スチレン又はα−メチルスチレンなどの芳香族ビニルモノマーのグラフトコポリマー、例えば、ポリブタジエン上のスチレン、ポリブタジエン−スチレンコポリマー上のスチレン又はポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマー上のスチレン;ポリブタジエン上のスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレート;ポリブタジエン上のスチレン及び無水マレイン酸;ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリル及び無水マレイン酸又はマレイミド;ポリブタジエン上のスチレン及びマレイミド;ポリブタジエン上のスチレン及びアルキルアクリレート又はメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー上のスチレン及びアクリロニトリル;ポリアルキルアクリレート又はポリアルキルメタクリレート上のスチレン及びアクリロニトリル;アクリレート/ブタジエンコポリマー上のスチレン及びアクリロニトリル、ならびにそれらと6)に示されたコポリマーとの混合物、例えば、ABS、MBS、ASA又はAESポリマーとして既知のコポリマー混合物。
【0222】
8. ハロゲン含有ポリマー、例えば、ポリクロロプレン、塩化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩素化及び臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化又はスルホ塩素化ポリエチレン、エチレンと塩素化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ−及びコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えば、塩化ポリビニル、塩化ポリビニリデン、フッ化ポリビニル、フッ化ポリビニリデン、ならびに、それらのコポリマー、例えば、塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマー。
【0223】
9. α,β−不飽和酸及びそれらの誘導体から誘導されるポリマー、例えば、ポリアクリレート及びポリメタクリレート;ブチルアクリレートで耐衝撃性改質された、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル。
【0224】
10. 9)に記載されたモノマーの互いのコポリマー又は他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えば、アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレートコポリマーもしくはアクリロニトリル/ハロゲン化ビニルコポリマー又はアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0225】
11. 不飽和アルコール及びアミン、又はそれらのアシル誘導体もしくはアセタールから誘導されるポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポリマレイン酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタラート又はポリアリルメラミン;ならびに上記1)に記載のオレフィン類とのそれらのコポリマー。
【0226】
12. 環状エーテルのホモポリマー及びコポリマー、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド又はビスグリシジルエーテルとのコポリマー。
【0227】
13. ポリアセタール類、例えば、ポリオキシメチレン及びコモノマーとしてエチレンオキシドを含有するポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリレート又はMBSで改質されているポリアセタール。
【0228】
14. ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、ならびにポリフェニレンオキシドとスチレンポリマー又はポリアミドとの混合物。
【0229】
15. 一方がヒドロキシルを末端基とするポリエーテル、ポリエステル又はポリブタジエン、そして他方が脂肪族又は芳香族ポリイソシアナートから誘導されるポリウレタン類、ならびにそれらの前駆体。
【0230】
16. ジアミンとジカルボン酸から、及び/又はアミノカルボン酸もしくは対応するラクタムから誘導されるポリアミド類及びコポリアミド類、例えば、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミンとアジピン酸から出発する芳香族ポリアミド;改質剤としてエラストマーを用いるか、又は用いずにヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸及び/又はテレフタル酸から製造されるポリアミド類、例えば、ポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミドもしくはポリ−m−フェニレンイソフタルアミド;また、前記のポリアミド類と、ポリオレフィン類、オレフィンコポリマー、イオノマー又は化学的に結合しているか、もしくはグラフトしているエラストマーとのブロックコポリマー;又はポリエーテル類と、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールもしくはポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマー;ならびにEPDM又はABSで変性されているポリアミド類もしくはコポリアミド類;そして加工中に縮合されるポリアミド類
【0231】
17. ポリウレア類、ポリイミド類、ポリアミド−イミド類、ポリエーテルイミド類、ポリエステルイミド類、ポリヒダントイン類及びポリベンズイミダゾール類。
【0232】
18. ジカルボン酸とジオールから誘導される、及び/又はヒドロキシカルボン酸もしくは対応するラクトンから誘導されるポリエステル類、例えば、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリ−1,4−ジメチルロールシクロヘキサンテレフタラート、ポリアルキレンナフタラート(PAN)及びポリヒドロキシベンゾアート、ならびにヒドロキシル末端のポリエーテルから誘導されるブロックコポリエーテルエステル;またポリカルボナート又はMBSで改質されているポリエステル。
【0233】
19. ポリカルボナート類及びポリエステルカルボナート類。
【0234】
20. ポリケトン類。
【0235】
21. ポリスルホン類、ポリエーテルスルホン類及びポリエーテルケトン類。
【0236】
以下の実施例は本発明を説明する。
【0237】
使用する材料及びそれらの略語。
モノマー:ブチルアクリレート(BA)、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)4−ビニルピリジン(4−VP)。
変性剤:無水シクロヘキシル酸(CHAA)、無水コハク酸(SAA)、メトキシ−ポリエチレングリコール(MPEG 550−OH)、HCl、NaOH。
溶媒:酢酸メトキシプロピル(MPA)、キシレン、メトキシプロパノール(MP)、ポリスチレン(PS)、テトラヒドロフラン(THF)、ポリエチレンオキシド(POE/PEG)。
【0238】
ATRP方法: 開始剤は、2−ブロモエチルプロピオン酸(MBP)、触媒は、CuBr/CuBr、リガンドは、N,N,N′,N″,N″−ペンタメチルジエチルトリアミン(PMDETA)である。
【0239】
NOR 開始剤/調節剤は、化合物O1であり、
【0240】
【化38】

【0241】
それは、GB 2335190に従って製造される。
【0242】
その他すべての材料は市販されており、入手した状態で使用された。
【0243】
A)ポリマー及びコポリマーの製造
【0244】
実施例A1: 直鎖ポリマーであるポリ(BA)の合成
【0245】
【化39】

【0246】
磁気撹拌棒、冷却器、温度計、滴下漏斗を備えた三つ首1000ml丸底フラスコ中に、n−ブチルアクリレート150.10g(n−BA、128.17g/mol)、化合物O1 8.55g(317.48g/mol)及びMPA 122.13gを加え、N/真空で3回脱気し、転化率約8mol%に達するまで、N下、135℃で重合した。n−BA 338.89gを反応物に滴下漏斗を用いてゆっくりと加え、転化率約48mol%に達するまで、N下、135℃で重合した。残留モノマー及び溶媒を80℃及び12mbarで留去した。
【0247】
収率47%、GPC(THF、PS−標準、Mn=7800g/mol、PD=1.27)、液体。
H−NMRによる分析では、重合度は75であった。
【0248】
実施例A2: 直鎖ブロックコポリマーであるポリ(n−BA−b−4VP)の合成
【0249】
【化40】

【0250】
磁気撹拌棒、冷却器、温度計を備えた三つ首500ml丸底フラスコ中に、実施例A1のポリ(n−BA)214.18g、4−ビニルピリジン(4−VP、105.14g/mol)70.90g及びMPA 79.70gを加え、N/真空で3回脱気し、N下、125℃で8時間重合化した。残留モノマー及び溶媒を80℃及び12mbarで留去した。
【0251】
収率85%、GPC(THF、PS−標準、Mn=8600g/mol、PD=1.24)、液体。
H−NMRによる分析では、重合度:P(BA−b−4VP)=75−b−14であった。
【0252】
実施例A3: ポリ(n−BA−MPEGA−b−4−VP)
【0253】
【化41】

【0254】
MPEG−OHを使用するエステル交換
磁気撹拌棒とドライアイス−アセトン冷却を用いる蒸留カラムとを備えた500mlフラスコ中に、キシレン107.2g中の実施例A2によるポリ(n−BA−b−4−VP)92.8g及びMPEG−OH(Mn=550g/mol)114.7gを加え、キシレンの共沸蒸留により乾燥した。オルトチタン酸テトラ(イソプロピル)0.36gを3つの部分に分け、190〜205℃で3時間かけて加えた。形成したn−ブタノールを減圧下で留去した。
【0255】
ポリ(n−BA−MPEGA−b−4−VP)187.7gを得た。Mn=17500g/mol、PDI=1.6、OH値=0.05meq/g。GPC及び1H_NMRによる分析は、MPEG−OHのほぼ定量的な転化を示した。
【0256】
得られたポリマーは、水に溶けやすく、LCST−型溶液挙動(LCST=下限臨界溶液温度)を示し、即ちポリマーの溶解度が温度の上昇に伴なって低下した。水中の最終生成物の35wt%溶液は室温で清澄な溶液であったが、しかし70℃を超える高温では、濁ってきた。得られたポリマーはまた、以下の有機溶媒:酢酸ブチル、酢酸メトキシプロピル、メトキシプロパノール、ブチルグリコール及びキシレン中で清澄な10wt%溶液を形成した。
【0257】
実施例A4: 直鎖ポリマーであるポリ(BA)の合成
撹拌機、冷却器、温度計及びモノマー注入ポンプを備えた6リットルの反応器中に、n−ブチルアクリレート1519g、化合物O1 209gを加え、N/真空で3回脱気し、N下、115℃まで加熱し、そこへn−ブチルアクリレートを4時間かけて連続注入を開始し、同時に反応マスを135℃までゆっくりと加熱した。モノマー注入が終わった後で、固形分55%に達するまで、反応マスをさらに5時間反応させた。その後、反応しなかったモノマーを真空蒸留により除去した。
【0258】
ポリ(n−BA)2812gを液体ポリマーとして得た、Mn=4554、PDI=1.18
H−NMRによる分析では、重合度は:P(n−BA)=35であった。
【0259】
実施例A5: 直鎖ブロックコポリマーであるポリ(n−BA−b−4VP)の合成
実施例A4と同じ反応器中に、ポリマーA4 2674gを4−ビニルピリジン1133gと一緒に充填し、N下、135℃まで加熱し、固形分91%に達するまで3.5時間反応させた。反応しなかった4−ビニルピリジンをさらに除去することなく、このポリマーを、続くエステル交換に使用した。
【0260】
ポリマーP(nBA−b−4VP)3732gを反応器から単離した、Mn=4779,PDI=1.19 H−NMRによる分析では、重合度は:P(nBA−b−4VP)=35−b−14であった。
【0261】
実施例A6: ブロックコポリマーであるポリ(n−BA−MPEGA−b−4−VP)の合成
MPEG−OHを使用するエステル交換
実施例A4と同じ反応器中に、ポリマーA5 3730gをMPEG−OH(M=550g/mol)3503gと一緒に充填し、130℃で1時間真空脱気に付して、反応しなかった4−ビニルピリジンを除去した。LiOMe−溶液12.0g(メタノール中の10wt%リチウムメタノラート)をゆっくりと加え、n−ブタノールを130°Cと減圧下で留去することによって、エステル交換が始まった。追加の触媒を5つの部分:2×12.0g及び追加のLiOMe溶液3×14.5gに分けて1時間おきに加えた。6時間後、n−ブタノールの計算量を回収することによって反応が完了した。
【0262】
粘性ポリマー6322gを得た;Mn=8829、PDI=1.36
GPC及び1H_NMRによる分析では、MPEG−OHのほぼ定量的な転化を示した。
H−NMRによる分析では、重合度:P[(nBA−MPEGA)−b−4VP]=(23−12)−b−14であった。
OH−価の滴定:0.20meq/g
アミン価の滴定:69mg KOH/g
水中の50wt%固溶体は、67℃のLCSTを示した。
水とは別に、ポリマーA6は、以下の有機溶媒:酢酸ブチル、酢酸メトキシプロピル、メトキシプロパノール、ブチルグリコール及びキシレン中で清澄な溶液10wt%を与えた。
顔料分散剤としての試験のために、ポリマーA6の部分を水に溶解して清澄な50wt%固溶体を得、ポリマーの他の部分は様々な他の有機溶媒に溶解した。
【0263】
実施例A7: ランダムコポリマーであるポリ(n−BA−MPEGA)の合成
実施例A4と同じ反応器中に、ポリマーA4と類似の方法で製造したポリ(n−BA)(Mn=8304、PDI=1.21)500g及びMPEG−OH(M=550g/mol)500gを充填した。混合物を128°Cまで加熱し、次にLiOMe触媒溶液(メタノール中の10wt%)21gをゆっくりと加え、n−ブタノールを減圧下でゆっくりと留去した。触媒の追加を1時間おきに触媒溶液21gを用いて5回繰り返した。n−ブタノールの計算量が留去してしまうまで、エステル交換を合計で6時間実施した。
【0264】
ポリマー918gを得た;Mn=13305、PDI=1.31
GPC及び1H_NMRによる分析は、MPEG−OHのほぼ定量的な変換を示した。
H−NMRによる分析では、重合度は:P(nBA−MPEGA)=(58−19)であった。
水中の固溶体50wt%は、70℃のLCSTを示した。
顔料分散剤としての試験のために、ポリマーA7の一部分を水に溶解して、清澄な50wt%固溶体を得た。
【0265】
実施例A8: 異なるMPEG−OH:MPEG350、MPEG500、MPEG2000を含むランダムコポリマーであるポリ(n−BA−MPEGA)の合成
磁気撹拌棒及び蒸留カラムを備えた250mlフラスコ中に、P(nBA)(Mn=8386、PD=1.21;実施例A4と同様にして製造した)65g、MPEG−OH(M=350)7.5g、MPEG−OH(M=500)7.5g及びMPEG−OH(M=2000)20gを充填した。混合物を125℃まで加熱し、LiOMe触媒溶液(MeOH中の10wt%)2gをゆっくりと加えた。n−ブタノールを減圧下でゆっくりと留去しかつ温度を130℃まで上げることによって、エステル交換を開始した。触媒溶液各々2gの2つの追加部分を、1時間後及び2時間後に加えた。4時間の総反応時間の後、n−ブタノールの計算量を留去してしまった後、エステル交換を終了した。
【0266】
ポリマー84gを得た;Mn=10490、PDI=1.61
GPC及びH−NMRによる分析では、MPEG−OH−混合物のほぼ定量的な転化を示した。
H−NMRによる分析では、重合度は:P(nBA−MPEGA−mix)=(69−7)であった。
【0267】
実施例A9: 異なるMPEG−OH:MPEG350、MPEG500、MPEG5000を含むランダムコポリマーであるポリ(n−BA−MPEGA)の合成
磁気撹拌棒及び蒸留カラムを備えた250mlフラスコ中に、P(nBA)(Mn=8386、PD=1.21;実施例A4と同様にして製造した)65g、MPEG−OH(M=350)7.5g、MPEG−OH(M=500)7.5g及びMPEG−OH(M=5000)20gを充填した。混合物を125°Cまで加熱し、LiOMe触媒溶液(MeOH中10wt%)2gを、ゆっくりと加えた。減圧下でn−ブタノールをゆっくりと留去しかつ温度を130℃まで上昇させることによって、エステル交換を開始した。触媒溶液各々2gの2つの追加部分を、1時間後及び2時間後に加えた。4時間の総反応時間の後、n−ブタノールの計算量を留去した後、エステル交換を終了した。
【0268】
ポリマー83gを得た;Mn=9563、PDI=1.75
GPC及びH−NMRによる分析では、MPEG−OH−混合物のほぼ定量的な変換を示した。
H−NMRによる分析では、重合度は:P(nBA−MPEGA−mix)=(71−6)であった。
【0269】
実施例A10:不飽和基を含むランダムコポリマーであるポリ(n−BA−MPEGA−OleA)の合成
磁気撹拌棒及び蒸留カラムを備えた250mlフラスコ中に、P(nBA)(Mn=8386、PD=1.21;実施例A4と同様にして製造した)38g、MPEG−OH(M=500)35g及びオレイルアルコール(工業用銘柄)27gを充填した。混合物を125℃まで加熱し、LiOMe触媒溶液(MeOH中10wt%)2gをゆっくりと加えた。減圧下でn−ブタノールをゆっくりと留去しかつ温度を135℃まで上昇させることによって、エステル交換を開始した。触媒溶液各々2gの2つの追加部分を、1時間後及び2時間後に加えた。n−ブタノールの計算量が留去してしまった後、合計反応時間4時間後、エステル交換を終了した。
【0270】
液体ポリマー78gを得た;Mn=13374、PDI=1.87
GPC及びH−NMRによる分析が、MPEG−OH及び不飽和オレイルアルコールのほぼ定量的な転化を示した。
H−NMRによる分析では、重合度は:P(nBA−MPEGA−oleA)=(32−18−26)であった。
【0271】
実施例A11: 非極性ブロックコポリマーであるポリ[(n−BA−iC12−15A)−b−4VP]の合成
磁気撹拌棒及び蒸留カラムを備えた250mlフラスコ中に、ジブロックコポリマーP(nBA−b−4VP)の60wt%MPA−溶液(ポリマーA5と同様にして合成した;重合度=76−b−14、Mn=8834、PD=1.27)83.3g、及び分岐鎖状イソ−C12−15−アルコール混合物(Lial 125、Condea)54.1gを充填した。混合物を125℃まで加熱した後、MPAを減圧下で蒸留し、その後、触媒溶液(Ti(AcAc)(iOPr)チタン−ビス−アセチルアセトナート−ビス−イソプロピラート、イソプロパノール中75wt%)0.28gを加えた。減圧下でn−ブタノールをゆっくりと留去しかつ温度を145℃まで上昇させることによって、エステル交換を開始した。触媒溶液各々0.28gの2つの追加部分を、1時間後及び2時間後に加えた。4時間の総反応時間の後、さらなるn−ブタノール形成が観察されなかった後、エステル交換を終了した。
【0272】
液体ブロックコポリマー76gを得た;Mn=12216、PDI=1.27
GPC及びH−NMRによる分析は、MPEG−OH及び分岐鎖状iC12−C15−アルコールのほぼ定量的な転化を示した。
H−NMRとGPCとの複合分析によると、重合度は:P[(nBA−iC12−15A)−b−4VP]=(16−60)−b−14であった。
【0273】
実施例A12: ブロックコポリマーであるポリ(n−BA−b−S)の合成
磁気撹拌棒及び蒸留カラムを備えた500mlフラスコ中のに、P(nBA)(ポリマーA4と同様にして合成した;重合度=76、Mn=8547、PDI=1.19)210g及びスチレン90gを充填し、N下、125℃まで加熱した。5時間後、反応を終了して、反応しなかったスチレンを減圧下で留去した。
【0274】
ブロックコポリマー175gを得た;Mn=11828、PDI=1.21
H−NMRによる分析では、重合度は:P(nBA−b−S)=(75−b−40)であった。
得られた超高粘性ブロックコポリマーを、MPAで希釈して清澄な60wt%溶液とした。
【0275】
実施例A13: 非極性ブロックコポリマーであるポリ[(n−BA−iC12−15A)−b−S]の合成
磁気撹拌棒及び蒸留カラムを備えた250mlフラスコ中に、ジブロックコポリマーA12 P(nBA−b−S)=75−b−40)の60wt%MPA−溶液50g及び分岐鎖状イソ−C12−15−アルコール混合物(Lial 125、Condea)26.3gを充填した。混合物を125℃まで加熱した後、MPAを減圧下で留去した後、触媒溶液(Ti(AcAc)(iOPr)チタン−ビス−アセチルアセトナート−ビス−イソプロピラート、イソプロパノール中の75wt%)0.15gを加えた。減圧下でn−ブタノールをゆっくりと留去しかつ温度を145℃まで上昇させることによって、エステル交換を開始した。触媒溶液各々0.15gの2つの追加部分を、2時間後及び4時間後に加えた。6時間の総反応時間後、さらなるn−ブタノール形成が観察されなかった後、反応を終了した。
【0276】
液体ブロックコポリマー49gを得た;Mn=15072、PDI=1.21
GPC及びH−NMRによる分析は、分岐鎖状iC12−C15−アルコールの良好な転化を示した。
H−NMRとGPCとの複合分析による、重合度は:P[(nBA−iC12−15A)−b−S=(15−60)−b−40であった。
【0277】
実施例A14: ブロックコポリマーであるポリ(n−BA−b−DMAPMA)の合成
磁気撹拌棒及び蒸留カラムを備えた500mlフラスコ中に、P(nBA)(ポリマーA4と同様にして合成した;重合度=76、Mn=8547、PDI=1.19)150g及びジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)150gを充填し、N下、145℃まで加熱した。4.5時間後、反応を終了し、反応しなかったモノマーDMAPMAを高真空で留去した。
【0278】
ブロックコポリマー179gを単離した;Mn=6874、PDI=1.41(GPCによる見掛け分子量は、出発前駆体よりも低く見えた)
H−NMRによる分析では、重合度は:P(nBA−b−DMAPMA)=(75−b−23)であった。
得られた高粘性ブロックコポリマーを、MPAで希釈して清澄な60wt%溶液をとした。
【0279】
実施例A15: 非極性ブロックコポリマーであるポリ[(n−BA−BhA)−b−DMAPMA]の合成
磁気撹拌棒及び蒸留カラムを備えた250mlフラスコ中に、ジブロックコポリマーA14 P(nBA−b−DMAPMA)=75−b−23)の60wt%MPA−溶液41.7g及び工業用ベヘニルアルコール(BhOH=直鎖C16−22−アルコール混合物Nafol 1822、Condea製)30.0gを充填した。混合物を125℃まで加熱した後、MPAを減圧下で留去した後、触媒溶液(Ti(AcAc)(iOPr)チタン−ビス−アセチルアセトナート−ビス−イソプロピラート、イソプロパノール中の75wt%)0.15gを加えた。減圧下でn−ブタノールをゆっくりと留去しかつ温度を145℃まで上昇させることによって、エステル交換を開始した。触媒溶液各々0.15gの2つの追加部分を、2時間後及び4時間後に加えた。6時間の総反応時間の後、さらなるn−ブタノール形成が観察されなかった後、反応を終了した。
【0280】
ブロックコポリマー42gを得て、それを室温で凝固した;Mn=10652、PDI=1.60
GPCならびにH−NMRによる分析は、ベヘニルアルコールの良好な変換を示した。
H−NMRとGPCとの複合分析によると、重合度は:P[(nBA−BhA)−b−S=(20−55)−b−23であった。
【0281】
実施例A16: ブロックコポリマーであるポリ(n−BA−b−tBA)の合成
磁気撹拌棒及び蒸留カラムを備えた500mlフラスコ中に、P(nBA)(ポリマーA1と同様にして合成した;重合度=57、Mn=5866、PDI=1.18)123.4g及びtert−ブチルアクリレート(tBA)211.0gを充填し、N下、120℃まで穏やかに加熱還流した。16時間後、固形分が53%である時に反応を終了して、反応しなかったモノマーtBAを減圧下で留去した。
【0282】
ブロックコポリマー223gを単離した;Mn=10052、PDI=1.22
H−NMRによる分析では、重合度は:P(nBA−b−tBA)=(57−b−63)であった。
この実験を数回繰り返して、さらなるエステル交換のためのほぼ同一のブロックコポリマーを生成した。
【0283】
実施例A17: 非極性ブロックコポリマーであるポリ[(n−BA−BhA)−b−tBA]の合成
磁気撹拌棒及び蒸留カラムを備えた500mlフラスコ中に、ジブロックコポリマーA16(P(nBA−b−tBA)=57−b−63)288.7g及び工業用ベヘニルアルコール(BhOH=直鎖C16−22−アルコール混合物 Nafol 1822、Condea製)186.5gを充填した。混合物を125℃まで加熱した後、0.15g触媒溶液(Ti(AcAc)(iOPr)チタン−ビス−アセチルアセトナート−ビス−イソプロピラート、イソプロパノール中の75wt%)をゆっくりと加えた。減圧下でn−ブタノールをゆっくりと留去しかつ温度を145℃まで上昇させることによって、エステル交換を開始した。触媒溶液各々0.15gの2つの追加部分を、2時間後及び4時間後に加えた。6時間の総反応時間の後、さらなるn−ブタノール形成が観察されなかった後、反応を終了した。
【0284】
ブロックコポリマー430gを得、それを室温で凝固した;Mn=18877、PDI=1.23
GPC及びH−NMRによる分析は、ベヘニルアルコールの良好な転化を示した。
【0285】
実施例A18: 非極性ランダムコポリマーであるポリ(n−BA−BhA)の合成
磁気撹拌棒及び蒸留カラムを備えた250mlフラスコ中に、P(nBA)(Mn=8793、PDI=1.20、ポリマーA4と同様にして製造した)85g及び工業用ベヘニルアルコール(BhOH=直鎖C16−22−アルコール混合物 Nafol 1822、Condea製)77gを充填した。混合物を125℃まで加熱した後、触媒溶液(Ti(AcAc)(iOPr)チタン−ビス−アセチルアセトナート−ビス−イソプロピラート、イソプロパノール中の75wt%)0.43gゆっくりと加えた。減圧下でn−ブタノールをゆっくりと留去しかつ温度を145℃まで上昇させることによって、エステル交換を開始した。触媒溶液各々0.43gの2つの追加部分を、2時間後及び4時間後に加えた。6時間の総反応時間の後、さらなるn−ブタノール形成が観察されなかった後、反応を終了した。
【0286】
ブロックコポリマー132gを単離し、それを室温で凝固させた;Mn=14811、PDI=1.25
GPCによる分析は、ベヘニルアルコールの良好な転化を示した。
【0287】
B) 適用実験
1) 水性塗料での適用結果
本発明の顔料分散剤ベースの無樹脂有機顔料濃縮物及びイルガライト・ブルーPG(Irgalite Blue PG)を、以下表1に従って製造した。
【0288】
【表1】

【0289】
表1からの有機顔料濃縮物を、Scandex振とう装置中でガラスビーズ(2mm/mb)を用いて3時間粉砕した。
【0290】
イルガライト・ブルーPGベースの顔料濃縮物を、次いで以下の表に従って、ロールミルで12時間混合することによって、全色調塗料に導いた。
【0291】
【表2】

【0292】
EFKA 4550は、EFKA Additives製の市販の水性アクリル顔料分散剤である。
EFKA 2550は、EFKA Additives製の市販の消泡剤である。
Acticide LGは、Acti-Chem Specialties製の市販のバイオサイドである。
AW 666は、Akzo Nobel Coatings製の市販の水性アクリルバインダーautowave 666である。
【0293】
抽出後の顔料濃縮物及び全色調の粘度、乾燥全色調の透明度及び20°での光沢を測定した。
【0294】
【表3】

【0295】
【表4】

【0296】
【表5】

【0297】
これらの結果は、CFRPによって製造されかつエステル交換によって変性された新規なポリマーが、水性塗料系における顔料分散剤として良好な性能を示すことを実証した。
【0298】
2) 粉末コーティングにおけるレベリング剤としての非極性コポリマーの適用結果
【0299】
実施例1: カルボキシル−官能ポリエステル及び硬化剤としてのヒドロキシアルキルアミドベースの白色の着色粉末コーティング
粉末コーティング組成物は、カルボキシ−官能ポリエステル、表1に示す成分1〜6(レベリング剤を含む配合物)をベースとしている。
【0300】
【表6】

【0301】
a) UCB S.A., Drogenbos, Belgium製のCrylcoat(登録商標)2532
b) EMS, Domat, Switzerland製のPrimid(登録商標)XL 552
c) Clariant AG, Muttenz, Switzerland製のCeridust(登録商標)9615
d) Fluka AG製のベンゾイン
e) Kronos, Germany製のKronos(登録商標)2160
f) UCB Surface Specialties, USA製のModaflow(登録商標)P 3、市販のレベリング剤
g) ポリマーA18
【0302】
成分を、遊星式撹拌機を使用して混合した。次いで、混合物を、110℃で300回転/分にてプリズム押出機に押出され、転がり出た。粉末コーティング組成物を、ベンチカッターを使用して、粗く粉砕し、15,000回転/分で0.75mmの環形穿孔スクリーンを有するRetsch ZM-1超遠心ミルで粉砕した。最後に、粉末を、30〜50μmの平均粒度を有する遠心性の篩分機上の125のμm篩を通過した。
【0303】
出来上がった粉末コーティング組成物を、ESB-Wagnerコロナカップ銃(corona cup gun)を60kVで使用してアルミニウムパネル上に、静電的に吹き付けて、0〜80μmのコーティング厚み幅にした。コーティングされたパネルを、10分間200℃で、電気オーブン中で硬化した。
【0304】
以下のパラメーターを決定した:
1) 黄色度:bISO 7724(ASTM D 2244)。bの大きな値は強力な黄変を意味する。
2) 製造者による操作推奨方法に従って、BYK Gardner haze-glossを用いて測定した20°における光沢。高い光沢値は、コーティングフィルムの高反射率を示す。
3) 製造者による操作推奨方法に従って、BYK Gardner波形スキャンDOIを用いたDOI(BYK)。DOI値が0である時は完全な拡散を表すが、DOI値が100の時は、非常に滑らかな表面を示す完全な鏡像を意味する
4) 製造者による操作推奨方法に従ってBYK Gardner波形スキャンDOIを用いた長波長。長波長値が小さければ小さいほど、外見がより滑らかなコーティングの指標となる
【0305】
【表7】

【0306】
これらの結果は、エステル交換によって変性された本発明のポリマーA18が、市販のベンチマーク(標準性能評価基準)と比較して、向上した性能を示すことを実証している。
【0307】
実施例2: GMA−アクリル及び硬化剤としてのDDDAベースの非着色粉末コーティング。
全ての粉末コーティングを製造し、それらのパラメーターを実施例1に記載のとおりに決定した。
【0308】
【表8】

【0309】
a) Anderson, USA製のAlmatex(登録商標)PD7610
b) DuPont, Germany製のドデカン二酸
c) Ciba Specialty Chemicals, Basel, Switzerland製のTinuvin(登録商標)144
d) Ciba Specialty Chemicals, Basel, Switzerland製のTinuvin(登録商標)405
e) ベンゾイン
f) UCB Surface Specialties, USA製のAdditol(登録商標)XL 490
g) A17
【0310】
【表9】

【0311】
これらの結果は、本発明のブロックコポリマーA17が市販のベンチマークレベリング剤と比較して、低い用量で同程度の性能を示すことを示す。加えて、それは固体100%生成物の形態を有しており、それは取り扱いにおいてより便利であり、そして粉末塗料の製造において著しい利点を提供する。通常の市販のポリアクリレートレベリング剤は、液体もしくは粘着性樹脂又は固体のシリカ担体に吸着されているのいずれかである。
【0312】
3) 非極性配合物の応用試験
市販のポリアクリレート顔料分散剤は、純粋な脂肪族炭化水素のような非極性溶媒において、完全には可溶性ではない。本発明のコポリマーの溶解度は、脂肪族炭化水素溶媒Shell Catenex 925において試験され、それは極端な非極性配合物のモデルとして役立つ。
【0313】
10wt%ポリマーで、本発明のコポリマーA11、A13及びA15は、完全な溶解度を示した。これはEfka-4401のような典型的な市販ポリアクリレート分散剤とは対照的であり、それは比較試験されて、混濁した不均一な混合物を形成した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工程:
a1)第一の工程において、1種以上のエチレン性不飽和モノマーを、構造要素:
【化1】


(式中、Xは、少なくとも1個の炭素原子を有する基を表し、Xから誘導されるフリーラジカルX・は、重合を開始することができるような基である)を有する少なくとも1種のニトロキシルエーテルの存在下で重合するか;あるいは
a2)第一の工程において、1種以上のエチレン性不飽和モノマーを、少なくとも1種の安定なフリーニトロキシルラジカル:
【化2】


及びフリーラジカル開始剤の存在下で重合し;ここで工程a1)又はa2)において用いられる、少なくとも1種のモノマーは、アクリル又はメタクリル酸のC1〜Cアルキル又はヒドロキシC1〜Cアルキルエステルであり;そして第二の工程
b)エステル交換反応、アミド化、加水分解、もしくは無水物変性、又はこれらの組み合わせにより、a1)又はa2)で製造したポリマー又はコポリマーを変性すること
を含む変性されたポリマー又はコポリマーの製造方法。
【請求項2】
第一の重合工程をa1)により実施する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
第二の工程b)がエステル交換反応である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
工程a1又はa2を2回実施してブロックコポリマーを得る請求項1記載の方法であって、第一又は第二のラジカル重合工程において、モノマー又はモノマー混合物が、アクリル又はメタクリル酸のC1〜Cアルキルエステルを全モノマーに基づいて50〜100重量%含有し、そして第二又は第一のラジカル重合工程において、それぞれ、エチレン性不飽和モノマー又はモノマー混合物が、第一級又は第二級エステル結合なしの少なくとも1種のモノマーを含有する方法。
【請求項5】
第一の重合工程において、モノマー又はモノマー混合物が、アクリル又はメタクリル酸のC1〜C6アルキルエステルを全モノマーに基づいて50〜100重量%含有し、そして第二の重合工程において、エチレン性不飽和モノマー又はモノマー混合物が4−ビニル−ピリジンもしくはピリジニウム−イオン、2−ビニル−ピリジンもしくはピリジニウム−イオン、ビニル−イミダゾールもしくはイミダゾリニウム−イオン、ジメチルアクリルアミド、3−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、又はp−tert−ブチル−スチレンを含む、請求項4記載の方法。
【請求項6】
ブロックコポリマーがグラジエントブロックコポリマーである、請求項1記載の方法。
【請求項7】
構造要素
【化3】

が、式(I):
【化4】


[式中、G1、G2、G3、G4は、独立に、C1〜C6アルキルであるか、G1とG2もしくはG3とG4、又はG1とG2及びG3とG4は、一緒になってC5〜C12シクロアルキル基を形成し、
5、G6は、独立に、H、C1〜C18アルキル、フェニル、ナフチル、又はCOOC1〜C18アルキル基であり、
Xは、−CH2−フェニル、CH3CH−フェニル、(CH32C−フェニル、(C5〜C6シクロアルキル)2CCN、(CH32CCN、
【化5】


−CH2CH=CH2、CH3CH−CH=CH2(C〜C4アルキル)CR20−C(O)−フェニル、(C〜C4)アルキル−CR20−C(O)−(C〜C4)アルコキシ、(C〜C4)アルキル−CR20−C(O)−(C〜C4)アルキル、(C〜C4)アルキル−CR20−C(O)−N−ジ(C〜C4)アルキル、(C〜C4)アルキル−CR20−C(O)−NH(C〜C4)アルキル、(C〜C4)アルキル−CR20−C(O)−NH2(ここで、R20は、水素又は(C〜C4)アルキルである)よりなる群から選択され、そして
*は、原子価を意味する]で示される構造要素である、請求項1記載の方法。
【請求項8】
構造要素:
【化6】


が、式(II):
【化7】


(式中、G1、G2、G3、G4は、独立に、C1〜C6アルキルであるか、G1とG2もしくはG3とG4、又はG1とG2及びG3とG4は、一緒になってC5〜C12シクロアルキル基を形成し、
5、G6は、独立に、H、C1〜C18アルキル、フェニル、ナフチル、又はCOOC1〜C18アルキル基である)の構造要素である、請求項1記載の方法。
【請求項9】
式(I)の構造要素が式(O1):
【化8】


の化合物である、請求項1記載の方法。
【請求項10】
工程a1又はa2におけるモノマーが、イソプレン、1,3−ブタジエン、α−C5〜C18アルケン、4−ビニル−ピリジンもしくはピリジニウム−イオン、2−ビニル−ピリジンもしくはピリジニウム−イオン、ビニル−イミダゾールもしくはイミダゾリニウム−イオン、ジメチルアクリルアミド、3−ジメチルアミノ−プロピルメタクリルアミド、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチル−スチレン、又は式CH2=C(Ra)−(C=Z)−Rb〔ここで、Raは、水素又はメチルであり、Rbは、NH2、O-(Me+)、非置換C1〜C18アルコキシ、少なくとも1個のN及び/又はO原子で中断されたC2〜C100アルコキシ、又はヒドロキシ−置換C1〜C18アルコキシ、非置換C1〜C18アルキルアミノ、ジ(C1〜C18アルキル)−アミノ、ヒドロキシ−置換C1〜C18アルキルアミノ又はヒドロキシ−置換ジ(C1〜C18アルキル)アミノ、−O−CH2−CH2−N(CH32、又は−O−CH2−CH2−N+H(CH32An-であり;
An-は、一価の有機又は無機酸のアニオンであり;
Meは、一価の金属原子又はアンモニウムイオンであり、
Zは、酸素又は硫黄である〕の化合物から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項11】
工程bにおけるアルコールが、非置換の直鎖もしくは分岐状C8〜C36アルキルモノアルコール、又は100個までのC原子のエチレンオキシド、プロピレンオキシド、もしくはこれらの混合物から誘導されるモノアルコールである、請求項1記載の方法。
【請求項12】
工程bにおけるアルコールが、式(A):
A−[O−CH2−CH2−]n−OH (A)
(式中、RAは、1〜22個の炭素原子の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐状のアルキル、又は24個までの炭素原子のアルキルアリールもしくはジアルキルアリールであり、そしてnは、1〜150である)のエトキシレートである、請求項11記載の方法。
【請求項13】
アルコールが、非置換直鎖又は分岐状C8〜C36アルキルモノアルコールである、請求項11記載の方法。
【請求項14】
工程bにおけるアルコールが、式(B):
【化9】


(式中、RBは、C1〜C18アルキル、フェニル、又はC7〜C15アラルキルであり;nは、1〜50であり、そしてR′は、1〜20個の炭素原子の結合基である)のポリジメチルシリコーンオリゴマーである、請求項1記載の方法。
【請求項15】
工程bにおけるアルコールが、部分的に又は完全にフッ素化された第一級アルコールである、請求項1記載の方法。
【請求項16】
請求項1記載の方法で得ることができるポリマー又はコポリマー。
【請求項17】
請求項1にしたがって製造したポリマー又はコポリマーの、顔料分散剤又はレオロジー改質剤又はレベリング剤としての使用。
【請求項18】
a)顔料、及び
b)請求項1の方法にしたがって製造したポリマー又はコポリマー
を含む顔料濃縮物。
【請求項19】
a)熱可塑性、化学的に架橋されたか又は構造的に架橋されたポリマー、及び
b)請求項1の方法にしたがって製造したポリマー又はコポリマー
を含む組成物。
【請求項20】
成分a)がフィルム形成接着剤の材料である、請求項19記載の組成物。
【請求項21】
さらに有機もしくは無機顔料又はこれらの混合物を含有する、請求項19記載の組成物。

【公表番号】特表2008−527130(P2008−527130A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−550778(P2007−550778)
【出願日】平成18年1月2日(2006.1.2)
【国際出願番号】PCT/EP2006/050000
【国際公開番号】WO2006/074969
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】